平成2年2月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(全文)


県議会の活動

 平成二年 和歌山県議会二月定例会会議録 第 三 号
 
 三月 九日 (金曜日) 午前 十時 四分 開議
  午後 一時五十七分 散会
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議 事 日 程 第三号
  平成二年三月九日(金曜日)
  午前十時開議
 第一 議案第一号から議案第六十五号まで及び報第一号から報第四号まで(質疑)
 第二 一般質問
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本日の会議に付した事件
 第一 議案第一号から議案第六十五号まで及び報第一号から報第四号まで(質疑)
 第二 一般質問
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出 席 議 員(四十四名)
 1 番 井 出 益 弘 君
 2 番 和 田 正 一 君
 3 番 町 田 亘 君
 4 番 中 村 利 男 君
 5 番 山 本 一 君
 6 番 宗 正 彦 君
 7 番 岡 本 保 君
 8  番 鈴 木 俊 男 君
 9 番 阪 部 菊 雄 君
 10 番 中 村 裕 一 君
 11 番 平 越 孝 哉 君
 12 番 大 江 康 弘 君
 13 番 中 西 雄 幸 君
 14 番 橋 本 進 君
 15 番 古 田 新 蔵 君
 16 番 浦 武 雄 君
 17 番  堀   本 隆 男 君
 18 番 宇治田   栄 蔵 君
 19 番 下 川 俊 樹 君
 20 番 石 田 真 敏 君
 21 番 木 下 秀 男 君
 22 番 中 村 隆 行 君
 23 番 藁 科 義 清 君
 24 番 門 三佐博 君
 25 番 尾 崎 要 二 君
 27 番 木 下 義 夫 君
 28 番 上野山 親 主 君
 30 番 尾 崎 吉 弘 君
 31 番 西 本 長 浩 君
 32 番 岸 本 光 造 君
 33 番 松 本 貞 次 君
 34 番  浜 本  収 君
 35 番 和 田 正 人 君
 36 番 浜 口 矩 一 君
 37 番 山 崎 幹 雄 君
 39 番 田 中  実三郎   君
 40 番 森 利 一 君
 41 番 村 岡  キミ子   君
 42 番 森 本 明 雄 君
 43 番 中 村 博 君
 44 番 中 村 千 晴 君
 45 番 小 林 史 郎 君
 46 番 渡 辺 勲 君
 47 番 藤 沢 弘太郎 君
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欠 席 議 員(二名)
 26 番  那 須 秀 雄 君
 29 番 平 木 繁 実 君
〔備 考〕
 38 番 欠 員
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説明のため出席した者
 知 事 仮 谷 志 良 君
 副知事 西 口 勇 君
 出納長 梅 田 善 彦 君
 知事公室長 市 川 龍 雄 君
 総務部長 斉 藤 恒 孝 君
 企画部長 川 端 秀 和 君
 民生部長 高 瀬 芳 彦 君
 保健環境部長 尾 嵜 新 平 君
 商工労働部長 天 谷 一 郎 君
 農林水産部長 安 田 重 行 君
 土木部長 磯 村 幹 夫 君
 企業局長 吉 井 清 純 君
 以下各部次長・財政課長 
 教育委員会委員長
 上 野 寛 君
 教育長 高 垣 修 三 君
 以下教育次長
 公安委員会委員長
 西 本 貫 一 君
 警察本部長 井 野 忠 彦 君
 以下各部長
 人事委員会委員長
 寒 川 定 男 君
 人事委員会事務局長
 代表監査委員 宮 本 政 昭 君
 監査委員事務局長
 選挙管理委員会委員長
 稲 住 義 之 君
 選挙管理委員会書記長
 地方労働委員会事務局長
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職務のため出席した事務局職員
 事務局長 山 本 恒 男
 次 長 倉 本 辰 美
 議事課長 栗 本  貞 信
 議事課副課長 中 西 俊 二
 議事班長 高 瀬 武 治
 議事課主任 松 谷 秋 男
 議事課主事 石 井 卓
 総務課長 神 谷 雅 巳
 調査課長 阪 上 明 男
 (速記担当者)
 議事課主査 吉 川 欽 二
 議事課速記技師 鎌 田 繁
 議事課速記技師 中 尾 祐 一
 議事課速記技師 保 田 良 春
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 午前十時四分開議
○議長(門 三佐博君) これより本日の会議を開きます。
○議長(門 三佐博君) 日程第一、議案第一号から議案第六十五号まで、並びに知事専決処分報告報第一号から報第四号までを一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第二、一般質問を行います。
 40番森 利一君。
 〔森 利一君、登壇〕(拍手)
○森 利一君 私は、差し迫った二つの問題について簡単に質問を申し上げたいと思います。
 その一つは、池原ダムの水利権更新の問題でございます。
 熊野川は、吉野熊野総合開発計画により昭和三十年代前半から上流にダムが建設されまして、分水により減水し、瀞八丁を初めとする山紫水明の熊野川は二、三年でもとの清流に戻るという建設当時の説明にもかかわらず、三十余年を経過した現在でも黄褐色の濁った水が流れているのであります。
 昨年秋の汚濁は長期二カ月にわたり、大きな被害を受けたのでありますが、地元の「熊野新聞」は、見出しに「瀞峡が変じてヘドロ峡、沿岸漁業や観光に大打撃」として、記事の中で「夏から秋にかけての大雨による上流ダムの放流で熊野川の濁りがこれまでにない長期にわたり、上水道、工業用水、内水面漁業、名勝瀞峡のイメージダウンなど、深刻な影響を受けている。また熊野川河口から流れ出る黄土色の濁水は、潮流に乗って五キロから六キロに広がっており、海藻類に悪影響を与え、アワビ、サザエ、トコブシの生育はさっぱり。シーズンに入ったマダイの底釣りも、濁りと海藻に積もった泥で釣り量はゼロ。正月にかけてのウニ、ナマコ漁も透明度が悪くて期待できない。被害をもろに受けている三輪崎漁協では、二津野ダムの発電を中止せよと強硬な意見も出ている。 一方、濁りの長期化で新宮市の上水道も浄水コストの上昇に頭を抱え、落ちアユなど内水面関係者、下流の製紙工業水にも不安を与えている。今まで比較的きれいだった北山川の濁りが厳しいので、北山村のいかだ下りも瀞峡観光のウォータージェット船も、せっかくの観光が台なしだと怒りを隠せない。こうした事態に電源は、四日間、椋呂発電放流を停止したが、北山川の濁りがひどいので下流の濁りは変わらない状態である」と報道をいたしておるのであります。
 内水面漁業、沿岸漁業、工業用水への影響、観光のイメージダウンなど、その上にダム湖にはかつての水質からは予想だにされなかった赤潮が発生して、湖面に広がるチョコレート色の赤潮を見た者は、これを下流の人々が飲み水にしているのかと、まゆをひそめるのであります。
 さて、私の質問の目的は、熊野川水系の水利権更新に伴う問題であります。
 先ほど申しましたとおり、熊野川水系には、十津川水系に七カ所、北山水系に四カ所の計十一カ所の大小ダムが昭和三十年代から四十年代にかけて構築されたのであります。水利権許可の期限は三十年でありますから、既に風屋、二津野、坂本ダムは昭和六十年に水利権を更新し、ことしすなわち平成二年三月、ダム群では最大の出力三十五万キロワット、三億三千万トンの水を貯水している池原ダムが水利使用の期限が来ているのであります。
 これらダムの建設当時の昭和三十年代は我が国の戦後復旧の時代で、電力の開発は国家的な要請であり、特にエネルギー資源の関係から水力発電が大きく注目されたのであります。
 当時は、ダム建設により水没したり、あるいは喪失する財産や権利の補償については重大問題として大騒動しましたが、三十年後に至るこの環境破壊については、「建設中とその二、三年は濁るが、やがてはもとの清流に戻る」という電源審議会の説明を信じ、納得させられ、顧みられなかったのであります。
 そもそもこの熊野川は、千古の昔から雄大な自然の中で清澄な急流をなし、あの有名な瀞八丁の秘境やいかだ流しは天下に名をはせたところであり、新宮市が生んだ文豪・佐藤春夫は昭和二十六年に新宮市歌をつくり、「山紫に 水明く 人朗らかに 情あり」と、ふるさとの自然の美と人情の厚さを誇りたたえたのであります。
 先ほど私が新聞報道をもって申し述べました長期六十日にも及ぶ濁流水の問題でありますが、実は昭和六十年、風屋、二津野、坂本ダムの水利権更新に当たって電源開発株式会社は地元水対連に確約書を提出し、濁水長期化対策について、その応急対策として池原発電所放流水を混合希釈する対策の実施や七色ダム汚濁防止膜の設置、発電の一時停止など、汚濁防止に全力を挙げることを確約したのであります。しかし、このような高濃度の濁水に対しては、混合希釈も濁水防止膜も発電の一時停止も何の役にも立たず、電発自体が、応急手当てはしているが抜本的な対策が見つからないと、誠意のない、頼りない話をしているのであります。
 一方国は、新宮川水質汚濁防止連絡協議会を機関として、汚濁防止分科会、淡水赤潮分科会においてこれらの問題に取り組んでおるのでありますが、十津川水系では赤潮が年々ひどくなり、北山水系では淡水海綿が異常発生するなど、肝心の水質の問題も不安を増しているのであります。
 このように「死の川」と化した熊野川は流域住民の水泳や川遊びなど川との触れ合いをも奪い、自然の生態系を変え、山、川、海という自然を背景に発展してきた文化をも損なってしまったのであります。しかも、この有形無形の損害は言葉では言いあらわせないものがあり、その莫大な被害をもろに受けながら電源三法等何ら優遇されるものもなく、泥水ばかりかぶらされているのが下流和歌山県の市町村であり、住民であります。被害を受けるたびに補償の要求というパターンでは、将来展望がないのであります。
 さて、水利権更新の池原ダムについて、電発の発行しておるパンフレットに「比較的清流を保っていた北山川も、昭和五十七年の台風十号により池原ダム上流に多くの山腹崩壊が発生し、洪水時には高濁度の水がダム湖に流入する状況となり、濁水長期化現象が生じてきた」としているとおり、このことは、下流にある山紫水明、幽玄の美を誇る瀞峡にとってはまことに重大な問題であります。
 今、電発は、池原ダムに表面取水設備を設置することが濁水軽減に最も有効であるとしてその工事を計画し、工事中の水位低下に伴い予想される下流の流量や濁水の問題について、現在、漁業、観光、上水道、工業用水に影響が予想されるので、目下、関係者と協議をしているのであります。
 繰り返すようでありますが、ダムによる自然環境破壊や水質汚濁、冷水、減水等は内水面漁業や沿岸漁業に大きな影響を与え、また下流の瀞峡に与えたイメージダウンははかり知れないものがあり、美しい自然の海岸線七里ケ浜もやせ細っていくという深刻な海岸浸食の問題、さらには製紙工業用水にも影響し、恐るべき災害の元凶となって母なる川を死の川にしてしまったのであります。
 以上、るる長々と申し述べましたのは、失礼な言い分ですが、知事初め当局の皆さんにこの実情を再認識していただきたいためであります。水利権更新を目前に控え、流域の住民は「熊野川をもとの清流に戻せ」という悲願を合い言葉にして、厳しい憤りのもとで、今、市町村や新宮川対策協議会においてその対策を審議しているところであります。
 私は、この自然破壊の大問題は、戦後、電源確保という国策によってダムをつくり水力発電がなされたのであり、これは一地方の問題ではなく、国や県がもっと実情を認識し、積極的に取り組むべきものであると考えるのであります。また、国や県は電発に対しても毅然たる厳しい態度で臨み、利潤の追求よりも地域との共存を図り、被害防止のために最大の方策を講じるよう強く要請すべきものであると考えるのであります。
 河川法三十六条によりますと、建設大臣は水利使用に関し、その申請に対して処分しようとするときは、あらかじめ関係都道府県知事の意見を聞かなければならないことになっているのであります。それを受けて知事は関係市町村の意見を聴取することになるのでありますが、その市町村の要望を踏まえ、私が申し述べました自然環境破壊のはかり知れない被害を認識していただき、水利権更新のこの機会をとらえて熊野川に清流を取り戻すための諸方策を講じるよう、建設省並びに電発に対して強く要請をしていただきたいのであります。知事の所見をお伺いいたします。
 次に、昭和五十三年、新宮川水質汚濁防止連絡協議会が発足し、汚濁軽減の研究や対策に当たっておられるのでありますが、どのような成果を上げておられるか、具体的に説明を願いたいのであります。また、この協議会の中でダム湖に発生する淡水赤潮のメカニズムやその生態などについて研究をされていますが、どこまで究明されておるのか説明を願いたいのであります。
 また、新宮川河床調査委員会は昭和四十年に発足、塩分の溯上や海岸の浸食、市田川への逆流、河口の移動など、これらの異常な現象に対してどのような解明がなされておるのか、お伺いをいたします。
 さらに、濁水防止対策の恒久的対策として、ダム湖への濁水流入を防ぐため治山、植林、砂防事業は根本的な重要なことでありますが、この新宮川水系濁水軽減対策事業の概況とその進捗状況はどうなっているのかお伺いをいたしまして、第一の質問を終わりたいと思います。
 次の問題は、新宮鉄道部の設置についてであります。
 昭和六十二年四月、旧国鉄は問題点を残しながら分割・民営化され、JR西日本旅客鉄道株式会社として発足し、今日に至っているのであります。
 この旧国鉄が分割・民営化される騒動の中で過疎地の各駅が無人化され、過疎に悩む町村の住民からは「過疎に追い打ちをかけるものだ」という強い反対運動が起こりましたが、無人化は強行されたのであります。この事態を受けた過疎地の住民は、国鉄はやがて民営化され、利潤を追求する企業経営に変われば、必ずや将来、過疎地の鉄道レールは取り外される運命にあることを憂慮いたしたのであります。
 国鉄が分割・民営化されてから三年がたったのであります。JR西日本の経営状態やサービスの可否については別にして、私が先ほど申しました憂慮される事態が、採算のとれない過疎地は切り離されるという事態が現実の問題となって出てきたのであります。
 JR西日本は、山陰や北陸地方を中心とするローカル線の経営合理化のためと称して、赤字線を地域別に管理して自立経営を目指す鉄道部を管内十カ所に設置し、六月一日から発足するとしているのであります。
 紀勢線におきましても白浜─新宮間九十五キロにおいて、自立経営を目指す独立した管理構想のもとに新宮鉄道部が設置されるのであります。御承知のとおり、紀勢線は全線電化をして、しかも特急くろしおが新大阪、京都に乗り入れたやさきの出来事であります。
 JR西日本の説明の大要は、「当社の鉄道事業は、経費面において、人件費、物件費だけでなく租税負担増を見込まれるなど、鉄道事業全体を取り巻く環境は楽観を許さない状況となっている。このため、旅客運送密度の低い区間についてはこのまま放置されることは許されず、紀勢線新宮─白浜間については自立経営を目指し、線区に相応した効率的かつ機動的な業務運営を行い、中小私鉄、第三セクターを参考にして思い切った発想の転換による業務の見直しを行い、従来の組織に変えて新宮鉄道部を設置する」としているのであります。
 その内容の問題点は、新宮鉄道部の社員を現在員より約三分の一削減して、経営合理化のため、運転士には路線の点検や車両の検査などを兼務させ、やがてはワンマン運転の導入も予想し、保線係員やその他の社員も三種以上の仕事を兼務さすことによって沿線の機器の検査や保守の大幅な合理化などを計画しているのであります。これに対して、線路の保守や車両の点検など熟練が必要な専門技術を短期間で導入して一人何役も兼務させることは極めて危険なことであり、当然、労働強化が押しつけられ、安全性確保の上から重大な問題であり、さらにはサービスの低下につながるものとして厳しく批判をされているのであります。
 また、聞くところによりますと、現在、新宮─白浜間の営業係数は一七三ということであり、これを新宮鉄道部の設置により自立営業、独立採算性を目指す課題を担って徹底した合理化を行うわけでありますが、さらに串本や勝浦の駅長や助役もなくなるという、観光行政など全く考えておらない措置もとられているということであります。
 このように、社員を減らせばやがては当然列車の数も減らさなければならないし、自立経営は運賃の値上げにも結びつき、サービスの低下、安全の面、さらには地域の発展にも大きく影響するという、公共交通機関としてはまことに許されないことであると考えるのであります。
 とにかく紀伊半島南部は、観光、リゾート構想で期待されていながら、最も困難点は交通の問題であります。高速道路の全通はまだまだ夢の時代で、今、過疎地の鉄道は切り離される運命にあり、紀伊半島の将来展望に大きな陰りが出ているのであります。
 以上、大要を申し述べたとおり、私は紀伊半島南部の重大問題ととらえるのでありますが、県当局に次の質問をいたします。
 一、県は、過疎対策、半島振興、県土発展の立場から、新宮鉄道部設置をどのように受けとめているのか。
 二、観光やリゾート構想、ふるさと創生にも大きなダメージを受けることになるが、どのように考えておられるのか。
 三、人員が削減され、一人何役も兼務するという労働強化の中で安全性やサービス低下についてどのように考えておられるのか。
 四、全線電化、くろしお特急が国土軸に直結するという観光紀勢線での新宮鉄道部設置に対して、これを撤回するようJRに交渉すべきであると考えるが、どのように考えるか質問いたします。
 以上で、私の第一回の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○議長(門 三佐博君) ただいまの森利一君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 森利一議員にお答え申し上げます。
 池原ダムの水利権の更新につきまして、新宮川の汚濁問題について詳しく御説明いただいたわけでございます。私も新宮川の汚濁については十分認識しておりますし、また非常に苦慮しているところでもございます。
 昨年五月の三県の紀伊半島知事会議、また紀伊半島開発連絡協議会等におきましても、この問題を全体的な態度で取り上げて審議し、国並びに電源開発に対し強く要望してまいってきておるところでございます。
 話ございましたように、このたび池原ダムの水利権が更新することになっておりまして、私はもちろんのこと、県としても、森議員おっしゃいましたように新宮川の清流を早く取り戻すよう十分なる対策を立て、地元もいろいろ折衝しておりますので、そうした地元の意見を十分酌み取り、多角的な分野において建設省並びに電源開発株式会社に毅然とした態度で対処してまいりたいと思っております。
 具体的な問題等については土木部長から答弁させていただきます。
 それから、鉄道部の問題については企画部長から答弁いたします。
○議長(門 三佐博君) 土木部長磯村幹夫君。
 〔磯村幹夫君、登壇〕
○土木部長(磯村幹夫君) お答えいたします。
 新宮川水質汚濁防止連絡協議会についてでございます。
 新宮川水系の水質汚濁防止につきましては、ダム上流における山地崩壊対策、沿川開発等による汚濁源の流入防止対策、ダム設置者による汚濁軽減対策等、関係者が一致協力して総合的な対策を推進する必要があります。
 このため、国、県、市町村、ダム設置者並びに学識経験者で構成する新宮川水質汚濁防止連絡協議会を設置して調査研究を行い、水質汚濁防止に努めているところであります。
 本協議会を通じて実施された汚濁軽減対策は、治山造林、砂防事業、ダム湖周辺の崩壊箇所の護岸工事、さらに池原ダムの表面取水設備設置の検討及び発電放流水と清水の混合希釈、七色ダムの濁水防止膜の設置、風屋ダムのダム湖流入水路の改良、二津野ダムでは洪水時の濁水を早期排出するなどの対策であります。
 また、淡水赤潮対策としまして、風屋、二津野ダムにおいてプランクトンの回収処理も行っております。
 なお、淡水赤潮等の発生のメカニズムについてはまだ不明な点も多く、さらに引き続き、これらの解明のため調査研究をしてまいります。
 次に、新宮川河床調査委員会は新宮川水系のダム建設に伴う新宮川の河床地形調査を行ってきております。
 塩分溯上につきましては、昭和五十二年以来、五年置きに調査を行っております。調査時点では取水に影響はありませんでしたが、しかし異常潮位と異常渇水が重なる場合には塩分溯上の可能性があると考えております。
 海岸浸食につきましては、和歌山県側において台風等により一時的な変動が見られますが、全般的には平衡状態が保たれていると判断しております。
 次に河口の変動につきましては、波浪、特にうねりによる砂州が発達し、その開口部は波浪や洪水によっても変動しやすく一定しておりませんが、砂州の規模については大きな変化はありません。
 また、市田川の逆流につきましては、市田川河口部に逆流防止水門を建設省が昭和六十一年八月に設置しており、洪水時の逆流による被害を防いでおります。新宮川河床調査委員会としまして、今後、より的確な成果を求めるため調査を進めてまいります。
 次に、新宮川濁水軽減対策事業の概況とその進捗状況についてでございますが、新宮川水系の流域は全国有数の降雨地帯であり、地形、地質的にも濁水流出の原因となる山腹崩壊及び渓流荒廃等の自然災害が発生しやすい状況にあります。このため、濁水軽減並びに県土保全施策としての砂防、治山等の事業につきましては、従来から関係諸機関で対策工事を実施してきたところであります。平成元年度におきましても、和歌山、三重、奈良の三県にまたがる流域全体として事業費三十五億円を投じ、実施しているところでございます。
 今後につきましても、関係諸機関と協議しながら優先的に施設を整備し、濁水の軽減並びに県土の保全を図るべく、なお一層努力してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(門 三佐博君) 企画部長川端秀和君。
 〔川端秀和君、登壇〕
○企画部長(川端秀和君) JR新宮鉄道部設置についてお答えを申し上げます。
 まず第一点は、過疎対策や半島振興の立場から新宮鉄道部設置についてどう考えているかについてでございます。
 JR西日本では、本年六月から、関西本線、山陰本線、紀勢本線を初め、管内十カ所に鉄道部を設置する経営安定計画を進めていると聞いてございます。この鉄道部設置の一つに、紀勢本線白浜─新宮線区を管理する新宮鉄道部を設置するとのことでございます。
 鉄道部の設置は、従来のいわば縦割り的とも言える列車区、電力区、信号通信区及び駅等の機能を一元化することにより経営効率を上げ、効果的な業務運営を図るためのものであると聞いてございます。
 県といたしましては、半島振興等の立場から、減便や路線の廃止、第三セクターへの移行などは、あってはならないことと考えてございます。またJR西日本においても、路線の廃止等は一切しないということでございますが、今後とも厳しい姿勢で臨んでまいる所存でございます。
 第二点は、観光やリゾート構想への影響についてでございます。
 JR紀勢本線は、本県とりわけ紀南地方の皆さんの日常生活や観光、リゾート開発などの地域の振興に大きなウエートを持ち、欠かせない交通機関でございます。
 県では、和歌山県輸送力強化促進委員会とともにJRの輸送力増強のため関係機関への要望活動を続け、特急くろしおの新大阪、京都駅乗り入れなど、一定の成果も得てまいりました。県といたしましては、観光振興、リゾート開発等を重点施策として取り組んでおりまして、その中でJRの果たす役割は大きく、今後もJRに対して強い姿勢で対応してまいりたいと考えてございます。
 第三点は、安全性やサービスの低下についてどう考えるかでございます。
 今回の鉄道部設置により利便性や安全性の低下につながることがあってはならないことは、議員御指摘のとおりでございます。これまでも機会あるごとにJRに対して利便性や安全性の向上等を申し入れてまいりましたが、今回の業務運営体制の実施により影響が生じないよう、強く申し入れを行っているところであります。今後とも、引き続き厳しく対応してまいる所存でございます。
 最後に第四点は、鉄道部設置を撤回するようJRに交渉すべきであると考えるがどうかについてでございます。
 鉄道部につきましては、JR西日本の業務の効率的な運営の問題ではございますが、その趣旨がどこにあっても県民の利便性、安全性に影響があってはならないことは申すまでもございません。
 紀勢本線は、本県にとって基幹的な公共交通機関として重要な役割を担っており、県は輸送力強化促進委員会とともにJRに対し、これまでも紀勢本線等の時間短縮や設備改良、増便、増結等、輸送力の増強を働きかけてきたところでございます。
 また、現在、県におきまして、地域の活性化を図るため、リゾート開発や観光開発等の産業振興を重点施策として取り組んでおりまして、そのためにも紀勢本線の輸送力増強を図らなければならないところであり、今後もより強く利便性の向上等を求めてまいる所存でございます。
 以上でございます。
○議長(門 三佐博君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 40番森 利一君。
○森 利一君 再質問をいたします。
 池原ダムの水利権更新につきましては、私が先ほど申し上げましたとおり三十年に一度の水利権更新でありますから、地元では新宮川水対連や各市町村において、この機会に汚濁水を初め環境破壊問題について電発と交渉し、真剣に取り組んでいるのでありますけれども、ただいま知事の答弁のとおり、新宮川に清流を取り戻すために関係機関に強く働きかけるという強い決意を聞きまして、地元の人々もさらに力を得て取り組みも弾むことと思います。
 また、濁水協の経過や成果についても、広範多数にわたる熊野川問題を短い期間に解決することは困難でありますが、着実に進められていることを多としたいと思います。
 なお、赤潮発生のメカニズムについては、解明されないということはまことに残念でございますけれども、これも現段階ではやむを得ないと思うのでございます。
 さらに、河床調査委員会の事業、新宮川濁水対策事業の治山、砂防の問題についても了解をいたします。
 私は、この三十有余年にわたる自然環境破壊は一地方で解決できる問題ではなく半永久的に続くダムとの闘いでありまして、国や県の積極的な対策と指導が必要であると考えるのでありますが、さらに一層の御指導をお願いするものでございます。
 次に、新宮鉄道部の質問についてでございます。
 魚は水が引くことに極めて敏感であります。過疎に悩む者は過疎現象に極めて敏感であります。答弁を聞いておりますと、JRの言い分をまともに受けて「新宮鉄道部設置やむなし」という答弁に聞こえてくるのであります。
 この重大問題をどのように受けとめておるのかという質問に、鉄道部の設置は従来の縦割り的な機能を一元化することによって効果的な経営を図るためのものであると聞いていると答弁されました。私が申し述べました、JR西日本の十カ所ある中の白浜─新宮間の赤字路線を切り離し、新宮鉄道部を設置して人員の削減、一人三役の兼務を押しつけて自立経営を目指すものだということには一言も触れていないのである。これは、JRの言い分そのままの答弁であると考えるのであります。
 過疎地の鉄道が、これ以上業績がよくなることは望めません。自立経営が行き詰まれば、筋書きどおり第三セクターの道であります。過去において東京行きの夜行列車「紀伊号」が、強い住民の反対がありましたけれども外されてしまいました。また、「過疎に追い打ちをかけるものだ」と言って反対した無人駅についても、古座駅に至るまで無人化されてしまったのであります。私たち過疎に住む者は、この答弁に納得するものではありません。
 ただ一つ、ここで確認をいたしておきますけれども、答弁の中で、減便や路線の廃止、第三セクターへの移行はJR西日本においては一切しないということであるという言葉を聞いたのでありますが、これは県議会への報告でありますから、JR西日本和歌山支社長が和歌山県と確約したものと受けとめていいかどうか、質問をいたします。
 その次に、安全性やサービスの低下をどう考えるかという質問に対して答弁は、今回の業務運営体制の実施によって影響を受けないよう強く申し入れているところであると答弁しているのであります。こちらは日本語で質問をしておるのでありますが、英語で答弁をもらっておるように、どうも私にはわからないことが多いのであります。
 人員が削減され、一人何役も兼務されるという労働強化の中で、安全性あるいはサービスの低下はどうなるのかと質問をしておるのであります。こういうことについてどこまで具体的にJRと話し合っておるのか、再質問をいたしたいと思います。
 次に、観光やリゾートに大きなイメージダウンを受けるがどうかという質問の中で、勝浦や串本の駅長や助役もなくなるということが明確に言われてないのでありますけれども、これもはっきり答弁を願いたい。
 とにかく、新宮鉄道部設置についてJRと十分話し合い、そうして県がどこまで把握しておるのかということについて、どうも私には何か把握されないものがあるわけでございます。
 次の質問も同じことでありますが、全線が電化されておる、特急くろしおが国土軸へ直結をしておる観光紀勢線、このような線をよその赤字路線と一緒にするようなことはするなとJRへ交渉してはどうかと私は質問をいたしておるのであります。答弁は、紀勢線の輸送力の強化を求めていくということであります。かみ合っておらないのであります。
 こういうことは和歌山県の重大な問題でありますから、言葉のお互いのやりとりの遊戯ではなしに──JR職員にとっても大変な問題であります。白浜以南の住民にとっても、さらには県土発展においても非常に重大な、深刻な問題であります。建前の答弁よりも本音の答弁をひとつお願いいたしたい。
 以上、再質問をいたします。
○議長(門 三佐博君) 以上の再質問に対する当局の答弁を求めます。
 企画部長川端秀和君。
 〔川端秀和君、登壇〕
○企画部長(川端秀和君) まず第一点は、切り捨てや減便などを一切しないという問題でございます。
 鉄道部設置についてのJR西日本の考え方は、在来線の存続と活性化を念頭に置いた経営安定策であり、減便や子会社化、あるいは廃線等は一切しないということでございます。
 県といたしましても、そういうことにならないよう、今後JR西日本と連絡を密にしながら、地域開発あるいはリゾート開発等も絡め、共存共栄という姿勢で紀勢本線を生かした南紀地域の活性化に取り組んでまいりたいと考えてございます。
 二点目は、安全性、利便性の問題でございます。
 鉄道部の設置により、一元的な作業管理体制をとることによって効率的な業務運営を行うものであるとのことでございますが、そういうことにかかわりなく、安全性については鉄道事業法とか鉄道営業法等の法令、規則によって基準が定められておりまして、鉄道事業者としてこれらを遵守していくことは当然のことであると考えてございます。
 また利用客の利便性の問題につきましても、低下することなく旅客サービスに努めるとのことですが、県では今後とも、輸送力強化促進委員会とともに利便性の向上等を強く申し入れてまいりたいと考えてございます。
 三点目は、駅長の問題でございます。
 紀勢本線は、JR西日本の中で観光路線として位置づけされているところでございます。今回の新宮鉄道部の設置によっても和歌山支社新宮鉄道部長の指揮命令を受ける管理職員が今後も駅長としての業務を行うとのことで、利用客へのサービスなどにも影響がないということでございます。
 今後、JRと緊密な連絡をとりながら、サービス低下などがないよう対処してまいりたいと考えてございます。
 四点目は、紀勢本線の特異性と申しますか他の線区との格差の問題でございます。
 今回のJR西日本の鉄道部は西日本管内十カ所の線区で設置する計画でございますが、県はJRに対し、十カ所を一律に考えることなく、紀勢本線については幹線であること、また観光路線であることなどから、その実情を勘案して実施するよう、強い姿勢で申し入れる所存でございます。
 以上でございます。
○議長(門 三佐博君) 答弁漏れはありませんか。──再々質問を許します。
 40番森 利一君。
○森 利一君 この問題は、県が受けとめているような、あるいはJRが表向きに言っているような問題ではなく、白浜以南、ひいては県土発展のために深刻に影響をしてくるものだと思うわけであります。先ほどの答弁も不満でありますけれども、県政の中でどう位置づけていくのかといった考え方で、さらにこの問題は和歌山線にも及んでくると思うのでありますけれども、県は十分審議をしていただきたいと思います。
 とにかく今、私たち南の方では、「田辺、白浜までが和歌山県だ。それから南和歌山県じゃない」とまで言われておるわけでございますけれども、今度の鉄道部設置によってこの言葉が本当のことになってきた。JRの職員が大量に減らされるのでありますが、今、過疎の町村においては一世帯でもこういう人々がいなくなるということは重大な問題なのであります。
 さらに、平成二年度政府要望の中に田辺─新宮間の複線化の要望がなされておりますけれども、白浜─新宮間は赤字路線として切り離されるという現実の問題が出てきておる。こういう要望も、南から見ればまことに白々しい問題に見えるわけでございます。
 したがいまして、この問題については、先ほど申し上げましたように、県政の中でどのように位置づけるかということを中心にして、さらに強くJRとも交渉していただくよう要望して、終わりたいと思います。
○議長(門 三佐博君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で森利一君の質問が終了いたしました。
○議長(門 三佐博君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 45番小林史郎君。
 〔小林史郎君、登壇〕(拍手)
○小林史郎君 きのう井出議員から質問がありましたが、私も日の丸・君が代の問題を中心にして、教育関連の問題で質問させていただきます。
 御承知のように、昨春、十年ぶりに学習指導要領が改訂・告示され、その内容をめぐっては、発表以来、国民各層の中にさまざまな議論の起きているところであります。
 例えば、「軍神・東郷平八郎」の登場を初め、低学年への詰め込みの問題、中学校での早期選別や高校での教科解体など、子供たちの実態や親と教師の願いを無視した一方的な教育改革に対して多くの批判が出され、とりわけ、この四月から学校や子供たちへの指導が強制されようとしている日の丸・君が代の問題をめぐっては、卒業式や入学式を間近に控え、各地の学校現場ではかつてない緊張と混乱が起き始めています。
 そこで、私は、日の丸・君が代を国旗・国歌として学校教育に押しつけることは思想・信条の自由と国民の主権にかかわる重大問題としてその不当性を追及する中で、このことに対する県教育委員会の指導が適正さを欠いたり行き過ぎることのないよう、強く望みたいのであります。
 ところで、日の丸・君が代を国旗・国歌とすることについては国民の間で大きく意見が分かれているのでありますが、それは、日の丸が余りにも過去の侵略戦争の忌まわしきイメージと結びついており、しかも今日においてもなお右翼団体などによって軍国主義復活、天皇賛美のシンボルとして盛んに利用されているからであります。また君が代については、その歌詞が天皇の治世をたたえるもので、国民主権の民主主義国家にとって全くふさわしくない内容であるからであります。
 戦前の各学校には天皇・皇后の写真を安置する奉安殿なるものがあって、私たちは儀式のたびにこれに最敬礼をささげてきました。
 例えば国民学校令施行規則では、祝日儀式について、一、職員及び児童は君が代を合唱する、二、職員及び児童は天皇陛下・皇后陛下の御影に対し奉り最敬礼を行う、三、学校長は教育に関する勅語を奉読する、四、学校長は教育に関する勅語に基づき聖旨のあるところを誨告す、五、職員及び児童はその祝日に相当する唱歌を合唱すと決められていました。
 今でも、モーニング姿で威儀を正した校長先生が奉安殿から教育勅語の巻物を恭しくささげ持ち出すときの様子が目に浮かびますが、学校におけるこれらの儀式そのものが「国体に対する信念」や「尽忠報国の精神」を培う実践の場として位置づけられていたのであります。
 そこで、私自身がこうした学校教育によってどのような影響を受けていたかを考えてみたいのでありますが、私の父は水平社運動の活動家でありましたので、小さいときから、天皇は神様ではなく私たちと同じ人間であって、そこには何らの差別のないことを折に触れ教えられてきました。しかし、だんだんと洗脳教育に侵されてきたのか、中学生のころには、天皇は同じ人間だと思いつつも、神を敬う「敬神」と祖先を敬う「崇祖」が我が国においてどうして一致するのかという国体論についての試験問題には満点の答案が書けるようになっていましたし、公民科で、共産主義とは国体を破壊する大変な危険思想だという講義を受けても、それほど違和感を持ちませんでした。そして卒業を前にするころには侵略戦争の本質を何一つ理解するのではなく、真珠湾攻撃の戦果などを報道するラジオの「軍艦マーチ」には胸を躍らせ、大本営の発表のたびに、シンガポール、ジャカルタ、ラングーンなどと次々と広がっていく東南アジアの占領地域の地図をつくり、そこに日の丸の小旗を書き入れては喜んでいたことを思い出します。本当に教育の力というものは恐ろしいものですね。
 私たち吉備町庄地区の青年は敗戦の翌昭和二十一年二月に新生社なる組織をつくり、部落解放運動を始め、その八月には湯浅町で第一回和歌山県部落解放人民大会を開いていますが、その日の午後、有田地方の校長先生方に集まってもらい、同和教育についての懇談会を行っています。その開会に当たって、当時十九歳の青年であった友人の亀井千寿君が行ったあいさつの記録が今も残っており、当時の私たちの心情をよくあらわしていると思いますので、その要旨を紹介させていただきたいと思います。途中を読ませていただきます。
 戦時中、悲壮と言ひませうか、崇高と言ひませうか、あの国民的感激を以て送つた特攻隊にしても、教育の力がなかったなら到底実現し得なかつたでありませうが、今私達がふりかへつてみます時に、教育と申しますものは、特定の国家理念と言ふものをつくりあげ、その型にはめるべく、個性の嬌正を目的としたものであって、時の支配者の御都合主義の御用教育にすぎなかったのであります。
 その教育は、軍国主義的な立場からみれば、成程驚嘆すべき効果を挙げ、その努力と偉大さとに対して、敬意を払ふ事を決して惜しむものでは有りませぬが、しかしこの個性製造業とも言ふべきあやまれる教育のお陰で、我々部落民がいはれなき現在の地位に甘んじさせられて来た事実を認識願ひたい。(中略)
 申し上げるまでもなく、眞の教育は普遍的個性の完成と、正しき批判力の凾養に在ります。即ち各自の個性を存分に伸ばし自主自律の精神を養ひ以て正しき批判力へと到達すべきものであり、国家理念も又この線に沿って構成各分子の個性を生かし、而も各人の総意を代表するものでなくてはなりませぬ。
 然る時、この過去の教育をふりかへってみますれば、この眞理を歪めた貴方方教育者の余りにも無節操なりし過去に対し、痛烈なる反省を請ふ次第であります。
 時代はポツダム宣言と共に一変して人間性を至高とする民主時代となったのであります。今こそ教育者は、深く内省し、曽ての己がなした罪を認識すべき時ではないでせうか。誤まれる教育理念を根本的に是正して、民主日本の再建に努めるべき義務と責任を明確に自覚して頂きたいんであります。(中略)
 教育者の皆様
 かつての自己の姿を充分に反省願ひたい。今後の義務の所在をはっきりと自覚願ひたい。そして吾々は、この反省と義務遂行を強要する権利と決意を有する事を宣言してはばからないものであります。
 こういう激しい口調になっておりますけれども、しかしこんな若僧にここまで言われても、天皇陛下のために命をささげることを教育し、多くの教え子たちを戦場に送ってきた当時の校長先生方にとっては、何一つ反論できなかったのであります。
 だから、戦後の教育は、このような国家教育に対する根本的な反省から出発したのであります。そして、子供たちが学校へ行って勉強するのは何のためかと言いますと、それは、戦前のように国のためや天皇陛下のためにではなく、一人一人の子供が人間として、主権者として成長発達できるようにするためであります。ここが戦前の教育と根本的に違うところであり、このことが教育基本法第一条によって明確に位置づけられています。
 さらに、同法第十条は第一項において、「教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負つて行われるべきものである」と規定し、その第二項においても「教育行政は、この自覚のもとに、教育の目的を遂行するに必要な諸条件の整備確立を目標として行われなければならない」と規定するなど、国や特定の政治勢力が教育の内容へ介入することを厳しく戒め、戦前のような国家教育への逆戻りを許さないよう、強い歯どめをかけているのであります。その結果、文部省に対しても監督や命令のできる指揮権を認めず、文部省、都道府県教育委員会、市町村教育委員会、学校の関係も、上下の関係でなく、それぞれが独自性と権限を持つ分権化された関係に置かれているのであります。
 くどいようでありますが、これらの措置は、すべて戦前のような中央集権的なお国のための人づくり教育を許さないという強い決意のあらわれであります。
 ところで、今度の学習指導要領の改訂で日の丸と君が代を学校に強制しようとしているのでありますが、文部省のこの根拠についての説明は、一、政府が日の丸・君が代を国旗・国歌だと認めている、二、国旗・国歌を学校教育でどう扱うかは文部省の所管だ、三、したがって学習指導要領でこれを決めても当然、という三段論法にすぎません。しかし、これは何一つ合理的な説明になっていません。
 第一に、日本には法律で決めた国旗・国歌のないことは、これまでの国会における政府答弁を見ても明白ですし、一歩譲って「慣習として定着している」という論法を認めるとしても、君が代は天皇主権制をたたえる内容のものであるから、国民主権制をとる現行憲法と根本的に対立するゆえをもって慣習法として成立し得ないというのが法の常識であって、たとえ時の政府が憲法や法律上の根拠もなしに国旗・国歌だと認めたとしても、それは国民や学校に強制できるような法的根拠になり得ないのであります。
 第二に、国旗・国歌を学校教育でどう扱うかは学校の教育活動、教育内容にかかわるものでありますから、本来、各学校で自主的、民主的に話し合って決めるべき事柄であって、文部省が学習指導要領などで事細かに決めてこれを強制するようなことは、さきに指摘した教育基本法第十条の第一項並びに第二項の精神に明白に違反しています。
 結局のところ、文部省が今やろうとしていることは、学校とは時の政府が一方的に決めた教育内容などを上から国民に教え込むところだという戦前の「お国のための教育」に逆戻りさせることであって、このような考え方こそ、戦後の国民主権の憲法と教育基本法制のもとで根本的に相入れないものとして否定されてきたのであります。
 ここで改めて強調しておかねばならないことは、すべての国民に保障されている憲法上の権利は児童生徒にも当然保障されなければならないという原則であります。むしろ、大人に比べて権利侵害に対する対抗手段を持たない子供に対しては、一層慎重に手厚い保護が加えられなければなりません。
 かつて、教育学者の宗像誠也東大教授は、一九五八年の学習指導要領の改訂によって君が代を歌わせることが「望ましい」とされたことに対し、「私は、私の子供の価値観を文部省という役所に、告示で、どうでもお決めくださいとお任せする約束をした覚えはないのだが」と、問題の本質を鋭く指摘したことがあります。この点では、子供自身の思想・信条の自由や親の子供に対する保護権を侵害してまで日の丸・君が代を国旗・国歌として尊敬させることを強制することが子供の成長発達に積極的な意義があるとは到底思えませんし、逆に教育基本法の第一条が求めている「心理と平和を希求する人間」「平和的な国家及び社会の形成者」の育成を目指す学校教育の中では到底許されることではなく、むしろ子供の自由な成長発達を保障する上からも、絶対に避けねばなりません。また教師にとってみれば、このような強制を子供にすることは、体罰と同様に、絶対にしてはならないことであります。
 以上の論点に立って、まず教育長に質問いたしますが、校長を中心にした職員会議の話し合いの結果として、本年四月以降の入学式、卒業式などにおいて日の丸を掲揚したり君が代を斉唱しない事態が起きた場合、そのことだけで処分の対象と考えていかれるおつもりかどうかを伺いたいのであります。
 何ゆえにこのようなお尋ねをするかと申しますと、有田地方のある学校の校長先生が、このことについての職員との話し合いの席上、「四月から何としてもやってもらわんと困る。もしやってもらわなんだら、私が処罰される」云々という、おどしとも泣き落としともとれる発言を行う事例が起きているからであり、また、いつか読んだ「日本教育新聞」には、日の丸を掲揚したり君が代を斉唱するよう指導しなかったことが学習指導要領違反で処分の対象となるのではなく、指導するという校長などの命令に反した職務命令違反の行為があって初めて処分の理由になるという意味の記事があったと思いますので、念のため、この辺のことについて御確認をいただきたいのであります。
 続いて、今後の指導のあり方について質問いたします。
 過ぐる昭和六十年九月議会において中川前教育長は、この問題について、「今後、教育関係のあらゆる機会をとらえまして、強制、命令ではなく、納得させ理解させて、心から国旗を敬愛して掲げるよう、また国歌を歌うように指導を強く進めてまいる」との答弁を行っていますが、この方針は今日においても変わりがないのか、それとも問答無用式に、職務命令をもってしてでも、しゃにむに実施させようとされるお考えであるのかどうかを伺いたいのであります。
 私見を申し上げて恐縮に存じますが、私としては、教育委員会や校長などが日の丸・君が代の掲揚・斉唱を行うようにと教職員を指導するという場合でも、本来、教育における指導助言は、中川前教育長の答弁にもありますように、道理に基づく説得と納得によることが原則であり、職務命令などによる行政権力の介入は断じて避けるべきだと思います。
 ここに、昨年六月十四日付の毎日新聞の社説があります。私の共感できる内容でございますので、紹介さしていただきます。途中だけ読ませていただきます。
 「もともと、日の丸と君が代を国歌、国旗ときめているのは、文部省の規定だけで、そういう法律はどこにもない。 学校教育を通じて、日の丸と君が代を国旗、国歌に定着させようと努力してきたのは、文部省だった。しかし、その点について、学校や教員、親の合意ができているとはいいがたい。しかも、日の丸と君が代では、国民の間の理解にも差がある。日の丸への違和感が消えたわけではないし、君が代への反感は少なくない。(中略) 学習指導要領の規定だからといって、一方的に強制するのはどうかと思う。教育活動は、説得を基本とすべきで、法規をたてに押しつける態度は不快だ。日の丸と君が代がどうしても教育上、必要なことなら、子どもに強制する前に、学校の現場で活発な議論を行い、道理をつくしてその実現に努力すべきだろう。指導要領の講習に当たって、その点を注文しておきたい」、こういう趣旨の社説であります。
 最後に、総務部長にお尋ねします。
 昨年の国会において西岡文部大臣が、私立学校の場合、必ずしも強制できないという意味の答弁をされているようでありますが、知事部局として、私立学校に対し、この強制にかかわる問題でどのような指導を行うおつもりかどうかを伺いたいのであります。
 次の問題に入ります。教育職員にかかわる過労死対策の問題で質問いたします。
 今や「過労死」という言葉が世界を駆けめぐるほど我が国の労働者の働き過ぎの問題が注目を浴びていますが、県下の教職員の間でも、この問題がかなり深刻な事態になってきています。
 有田地方を例にとりますと、昨年末、三十歳前後の若い三名の教員が相次いで他界し、ここ一年半の間に五名の教職員が死亡するという悲しい事態が起きています。県下でも、この五年間に小・中・高等学校の教職員で七十名もの方が現職のまま亡くなっていますし、しかも、その三分の一弱に当たる二十名が四十歳未満の若い人たちであります。つまり、今日、教育界には複雑で困難な課題が山積してきていますが、この中で教職員の皆さんの精神的、肉体的疲労はその限界に近づいてきているということでないでしょうか。また、自分の体の健康破壊が進んでいるにもかかわらず、学校の忙しさの中で満足に検査や治療を受けられないまま勤務を続け、そのために大事に至るというケースも多く見られ、まさに教職員の皆さんの大きな犠牲と懸命の努力の上に今日の学校教育は成り立っているとさえ言えると思います。
 ここに、こうした実態についてうかがい知ることのできる資料として、職場で突然死されたある教師の父親からの聞き取り記録がありますので、その要点を読ましていただきたいと思います。
 この方は、長柄起司子さんという三十五歳のお母さん教師で、六十二年四月に有田市の保田小学校に転勤し、その年の五月に学校のトイレの中で心不全のため亡くなっています。
 以下、お父さんからの聞き取りでございます。
 四月から(保田小学校へ転勤してから)
 学校の先生にとって、職場が変わるということは、精神的にも肉体的にも大きな負担がかかるということが、四月の起司子の生活と態度を見て感じていました。
 それまで起司子は、学校から帰ってきたら、すぐ台所に飛び込んでいって、「お母さん、バトンタッチすらよぅ」と、母親の仕事を変わってやるのが常でした。
 ところが、四月以降、帰宅時間も遅くなり、家事もいままでのように快くするというわけでなく、動作も重たいような気がしていました。日曜日は、グッタリと寝転んでいる姿が目につき、気になっていました。(中略)
 五月(家庭訪問を前にして)
 家庭訪問が近づいてくると、帰宅時間が遅くなり、夜も家事が終わってから学校の仕事をする時間が増えていました。家庭訪問の準備(子どもさんの様子だけでなく、転勤したばかりで、初めての土地ということもあって地図をながめ、家を探すのにも時間がかかっていたようです)、それが終わると採点などもしていたのでしょうか、深夜に及ぶことがよくありました。「先生という仕事はほんまに大変やなぁ。」と母親がこぼしていたのはそのころです。
 私たちは、それまでも起司子に、よく「そこまでせなあかんかぇ」と言ったものです。起司子は、「子どもさんを預かったかぎりは、ちゃんとせなあかんの」と言い、私たちは、周りの先生方のおかげで立派な先生になっている我娘をたくましく思ったものでした。
 亡くなる直前
 亡くなる一週間程前から、非常に疲れた様子でした。口数が少なくなり、父親の私でさえ心配で、「おまえ、身体の調子が悪そうやの。学校休ませてもらって医者へ行ってこい。」と言ったほどでした。その時起司子は、「今、家庭訪問やさけ、休めやんの。家庭訪問終わったら、医者へ行ってくらよ。」と、疲れた身体にムチ打って出かけていきました。その後姿には元気がなく、私は、「大丈夫やろか。学校の先生という仕事はほんまに大変やな……」と感じたものでした。(中略)
 当日(五月十四日)の朝
 調子の悪い起司子の様子を見ながら、「早く家庭訪問が終わってほしい」と祈るような日が続き、その日は、やっと家庭訪問が終わる日。親の気持を察してか、出かける前、起司子は母親に、「お母さん、今日で家庭訪問終わるんやで。やっと医者へ行けるよ。」とほほえみながら言ってくれました。母親を安心させるための言葉、起司子にしてみれば、自分自身を励ます言葉だったと思います。これが私たちへの最後の言葉になってしまいました。(中略)
 最後に
 私の知るかぎり、学校の先生方は、ほとんど起司子と同じような状態で働いているのではないだろうかと考えています。昔と違って、先生の仕事が大変になっているような気がします。学校ではとても忙しく、家へ帰っても夜遅くまで机に向かっているのが、今の先生方の普通の姿であろうと考えます。私はそういう先生方のおかげで、今の学校教育があるんだなと最近つくづく考えるようになりました。起司子の死をきっかけにして、起司子のやっていた仕事の尊さがわかるようになりました。そして、親として、「この仕事がもっと楽だったら……」と叫びたい気持ちも出てきました。(後略)
 こういう記録でございますが、本議場の皆さんも、このお父さんの叫びを十分聞いてやってほしいと思います。
 いま一つの例は、昨年十二月、三十二歳の若さで突然亡くなられた湯浅中学校の田中達也先生の場合であります。
 この学校は、教師と父兄が一体となって生徒の非行問題などに取り組んでいる教育困難校の一つでありますが、田中先生は昨年四月から生徒指導を担当し、補導された生徒たちの悩み事相談に熱心に取り組み、帰宅が深夜に及ぶことの連日でした。しかも、毎朝校門に立って「おはよう」とやさしく生徒たちに声をかけるなど、非行に走ったり突っ張ったりする子供たちがクラス全体に溶け込めるような忍耐強い指導を続けていました。しかし、過労が重なり、急性心不全のため、自宅で突然亡くなられたのであります。
 いつも自分たちの側に立って指導してくれていたことを知っている生徒たちは追悼会を提案して開催しましたが、この日の会場はこれまでと打って変わって時計の音が聞こえるくらいの静けさで、生徒会長の「田中先生が私たちに何を言おうとしていたのか。先生の気持ち、思いをかなえることが、今、私たちにできることであり、田中先生への恩返しだと思います」と締めくくった言葉が非常に印象的だったと言われています。
 このように、教育困難校での取り組みには言い知れぬ厳しさがあります。また、教師という仕事には、ほかの人には味わうことのできない喜びがある反面、全体としてストレスのたまりやすい職場であって、この一年半の間に有田地方で亡くなった五人のうち二人までが自殺であります。
 そこで、教育長に質問いたします。
 次代を担うすぐれた若者を育てるためには、教職員の皆さんが心身ともに健康で生き生きと働き続けられることが何よりも大切と思いますが、こうした視点で教育長は、若い教師が過労死で倒れていく今日の現状をどう認識しておられるのか、その対策を含め、お示し願いたいのであります。
 続いて、健康管理の緊急対策としてまずお願いしたいのは、全員対象の検査項目の中に、貧血検査、肝機能検査、血中脂質検査、心電図検査を新たに加えていただきたいということでございます。特に受診に当たっての三十五歳時と四十歳以上という対象年令の制限については、若い教師の死亡例の多い現状から見て、この撤廃をお願いしたいのであります。
 また、最近、有田で肺がんで亡くなられた教師があり、現行の胸部エックス線検査がもし直接撮影であったら早期発見ができて助かっていたのではないかという声が上がってきておりますので、現行の間接撮影を直接撮影の検査へ変更していただきたく、これらの点で御答弁をお願いいたします。
 続いて条件整備の問題でお尋ねしますが、私は、初任者研修などに使う予算があるならば、まず学級定数の改善、すなわち小中学校の三十五人学級と高校の四十人学級を実現してほしいという思いに駆られています。また教育困難校に対しては、既に特別加配など、いろいろと御配慮くださっていることは存じていますが、それでもなお現状は悪戦苦闘の連続になっておりますので、学級定数やこれらの事態改善のためにどのような決意と見通しを持っておられるかを伺いたいのであります。
 最後に週休二日制の問題でございますが、働き過ぎ対策として、県下でも金融関係を初め幾つかのところで実施され、また県庁など、これへの移行措置をとっているところも少なくないようであります。
 そこで、学校の場合、これを実現するためには授業時間数などの少なからぬ問題点があろうかと思いますが、これらを克服していつごろまでに完全週休二日制をとっていくつもりか、そのプログラムをお示し願いたいのであります。
 以上で、第一回目の質問を終わります。
○議長(門 三佐博君) ただいまの小林史郎君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 総務部長斉藤恒孝君。
 〔斉藤恒孝君、登壇〕
○総務部長(斉藤恒孝君) 私立学校と学習指導要領の関係に関する御質問でございます。
 学校教育法第二十条、第三十八条、第四十三条、これらはそれぞれ小学校、中学校、高等学校でございますが、この規定で、学科及び教科に関する事項は、私立学校を含めて、監督庁すなわち文部大臣がこれを定めるとされているところでございます。
 昨年三月十五日に、御指摘のような新しい学習指導要領が告示されたところでございます。私立学校に対しましては、その建学の精神に基づく独自の校風のもとでの自主性を尊重し、健全に発展していくことを常々期待しているところでございます。
○議長(門 三佐博君) 教育長高垣修三君。
 〔高垣修三君、登壇〕
○教育長(高垣修三君) まず、日の丸・君が代に関するお答えを申し上げます。
 去る平成元年の三月に新しい学習指導要領が告示をされたことは、御承知のとおりでございます。その中で、国旗・国歌の指導のあり方が明確にされたわけでございます。
 学習指導要領は、憲法、教育基本法に基づく学校教育法にのっとって文部大臣が告示をすることになっており、各学校においては、これを準拠して教育課程を編成することになってございます。
 学習指導要領に基づいて計画され実施される学校行事等について学校長の職務命令に従わないような場合が仮にあるとすれば、それは処分対象となります。
 現在の学習指導要領が「国旗を掲揚し、国歌を斉唱させることが望ましい」と規定していることを踏まえ、その指導の重要性や必要性を強調しながら「理解と納得」という表現を用いてきたわけでございますが、新しい学習指導要領では、「国旗を掲揚するとともに、国歌を斉唱するよう指導する」ということが明確にされてございます。
 県教育委員会といたしましては、各学校において国旗・国歌を指導する意義や背景などを十分研究し、学校における教育課程の編成や実施が円滑に行われるよう、伝達講習会等を通し、各市町村教育委員会へ学校に対して指導するよう求めてきたところでございます。
 次に、教師の過労死の問題についてお答えを申し上げます。
 現職教員の直接の死亡原因は、ここ数年にわたり、悪性の新生物、つまりがんでございますが、最も多くなってございます。続いて心疾患、脳血管疾患となっており、過労死かどうかということの判定は極めて難しい問題ではございますが、いずれにしても、本人の家族や子供たち等に対して大きな影響がございますから、この事実を真剣に受けとめて私どもはいろいろと検討をしておるところでございます。
 今後とも、事例分析等をなお一層重ね、専門家の意見を聴取して総合的に検討するとともに、職員の健康診断等の充実を図り、日常の自己健康管理に留意をするよう指導の充実を図ってまいりたいと考えてございます。
 次に、教職員の定期健康診断につきましては、学校の設置者が学校保健法に基づいて行うこととなってございます。しかし、昨年、中央労働基準審議会の答申に基づいて労働安全衛生規則の一部改正がなされ、教職員についても、貧血の検査、肝機能検査、血中脂質検査、心電図検査を三十五歳時と四十歳以上の教職員を対象に追加して実施することになったわけでございます。
 また、文部省におきましても、これらに連動し、学校保健法施行規則の中においてこれらの検査項目を含めるよう、その改正の準備が進められているところでございます。したがいまして、県立学校につきましては、対象年齢の教職員については平成二年度から実施をしたいと考えてございます。
 市町村立学校等につきましては、市町村教育委員会等を通じ、可能な限り早期にこれらの検査が実施されるよう、既に規則の改正等について説明をいたしているところでございます。
 県教育委員会といたしましては、今後さらに国や他の府県の動向を見きわめながら、関係機関、団体等を通じ、機会あるごとに対象年齢の拡充について国に働きかけてまいりたいと考えてございます。
 また、胸部レントゲン間接撮影につきましても、学校保健法施行規則に基づいて実施をいたしてございますけれども、技術の進歩により、機能的には直接撮影との差が少ないという医学的な証明もなされており、集団検診には全国的にその方法が採用されているところでございます。
 次に、四十人学級等の実施についてお答えをいたします。
 学級編制基準の改善については御承知のとおりでございますが、児童生徒一人一人に対し、行き届いた、しかもきめの細かい指導の実践、さらにまた教師と生徒の人間的な触れ合いを一層密にして教育全体の効果を高めること、さらには勤務の改善につながることなどの観点から、好ましいというふうに考えてはございます。
 こうしたことから、小学校、中学校においては、平成三年度完成をめどにし、四十人学級を実施しているところでございます。その後の改善につきましては、義務教育費国庫負担法とのかかわりもございますので、各府県の教育長協議会等を通じて国への強い働きかけを続けてまいりたいと考えてございます。
 また、高等学校の四十人学級につきましては、国の動向を見きわめながら、平成二年度以降の生徒数の減少を踏まえ、研究課題としているところでございます。
 また、いわゆる教育困難校につきましては、市町村教育委員会、教育事務所長等との十分な連携の中で、特に必要な場合は特別加配を従前とも行ってきたところでございます。今後とも、教育事務所長等の意見を聴取しながら、それぞれの学校の実態を踏まえて検討をしてまいりたいと考えてございます。
 次に学校の週休二日制についてでございますが、現在、国が調査研究協力者会議を設置して研究を続けているところでございます。
 県教育委員会といたしましては、国の動向を見きわめながら、児童生徒の教育水準の維持向上や家庭及び地域社会における児童生徒の生活環境、生活行動とのかかわり等について研究を続け、今後の研究課題といたしたいと考えてございます。
 また、週休二日制に至る一つの方策としての教員の四週六休についてでございますが、人事委員会の勧告を踏まえ、市町村教育委員会等の意見を聴取しながら新たな方途を探るべく、現在研究を続けているところでございます。
 以上でございます。
○議長(門 三佐博君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 45番小林史郎君。
 〔小林史郎君、登壇〕
○小林史郎君 再質問させていただきます。
 今、教育長から答弁をお伺いいたしましたが、なかなか答弁しにくいのか、何か挟まったような感じのする印象を受けました。それで、あえてもう答えていただきませんけれども、私の考えていることを強く指摘して要望しておきます。
 一つは、私が質問申し上げたのは、職務命令なしで、いわゆる校長を含めた話し合いの場で君が代を斉唱しない、あるいは日の丸を上げないという行動や事態が結果として起きてきた場合に、それでも処分の対象になるんですかとお聞きしたわけですが、これについては、仮に職務命令を聞かないという事態が起きた場合には処分の対象になるというお答えだったと思うんです。このことは言いかえたならば、職務命令がない限り処分の対象にはならないというぐあいに受け取れるわけで、私としてはそういうふうに理解して、ここで確認しておきたいと思います。
 それからもう一点、今後の問題です。「理解と納得」ということの経過を踏まえてやるんだけれども、しかし今度は義務規定になったから、それに準拠してやってもらわな困る、その進め方については、それに必要な背景とか理由などを十分話し合って混乱が起きないようにしてやっていきたいという意味のことで、直ちに職務命令を出してすぐやるというようなことではなしに、前教育長からの「理解と納得」を踏まえての方向を基本としながらも進められるというように感じましたので、私もそういうぐあいに受け取らしていただきます。
 しかし、そういう点から考えましたときに、やはり教育というのは何よりも理解と納得、合意というものが非常に大事であり、基本であって、いわゆる処分とか職務命令、あるいはそういう強制的な行政権力をなるべく避けなければならないということを重ねて要望しておきたいと思います。
 それから、いま一つ、過労死の問題に関連してでございます。
 職場の精神的、肉体的疲労は限界に近づいてきておるということを申し上げたわけでございますけれども、そのことは、君が代の問題とか日の丸の問題でいろいろと職場において混乱が起きるということになれば、学校の先生方の負担というのはまた非常に大きくなってくるんじゃないかという側面もありますし、また教育基本法第十条の四項から見た場合に、要件整備をしていくというのが教育行政の大きな責任であるということから、何よりも学級定数の削減とか、あるいはいろんな環境条件を整備していく、労働条件を整備していくという点で格段の努力をしていただきたい。このことが、教育基本法の立場から見ても、今後の学校の先生方の教育を円滑に進めさす上でも大変重要なことだと考えますので、その点を強く要望いたしまして、私の再質問を終わらしていただきます。
○議長(門 三佐博君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で小林史郎君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
○議長(門 三佐博君) この際、暫時休憩いたします。
 午前十一時五十六分休憩
 ────────────────────
 午後一時五分再開
○副議長(宗 正彦君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
○副議長(宗 正彦君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 32番岸本光造君。
 〔岸本光造君、登壇〕(拍手)
○岸本光造君 まず、農政の数点についてお伺いをいたします。
 今や本県県政は、関西新国際空港との何がしかのかかわりで論じられることが極めて多くなってまいりました。企業誘致、道路、産業、人口、そして農業など、県民生活の各般にわたってであります。
 本県農業と関空の関係も、多くが語られてまいりました。臨空農業の展開とそのためのプロジェクトづくり、空輸農業の実験、農業の国際化、バイテク農業の展開などなど、数えれば切りがありません。これらバラ色のスローガンがそのものずばりうまく成功するならば、本県の農業は大した活力を得ることになると思います。
 空港開港まであと三年と迫った今日、これらの実験的なスローガンをそろそろ集約して一定の成果をまとめ、残された時間になすべき方針を定めなければならない時期に今はあると考えます。例えば植栽の植木など和歌山県のものを売り込むとすれば、ことしがラストチャンスかもしれません。特に巨大な空港都市を満たす生鮮農産物と、ここから輸出する農産物との二つに分けて、最後の農業の指針を出すべき時期にいよいよ来ているだろうというふうに考えます。
 聞くところによりますと、県下の民間大手企業が前島に農産物の集出荷センター用の用地を確保したとか。まさに民活の力をかりてでも、この際、本県農業と関空のかかわりの展望をもっともっと具体的に持つべきでありましょう。新空港ができたら本当に農業もよくなるだろうかというのが現在の農家の実際の気持ちであります。バラ色のスローガンが余りにも華々しいだけに、それに見合った成果を切に望むものであります。
 関空がオープンしたら農業がもうかるかどうか、そして農業がそのように成り立つためには今何をなすべきか、知事並びに農林水産部長の考え方を求めるものであります。
 次に、オレンジの自由化関連で二、三点お伺いをいたします。
 いよいよ自由化の国内対策も二年目に入ります。ミカンの転園は順調であるように伺っていますが、中晩柑類の転作につきましては、全国枠が四千ヘクタールでは、ちょっとおさまらない勢いにあるように思います。特に本県にとって枠の不足は、現状を見れば既に明らかであります。我々議会も枠拡大には全力投球をしますが、当局はどう対応されるか、お伺いをしたいと思います。
 次に、ミカンは幾らだめだと言いましても、品質のいいものは依然として果物の王様であろうと私は信じます。味一ミカンなど、いいミカンづくりのために多くの施策について今般予算計上されておりますことは、うれしい限りであります。
 アメリカのオレンジが日本へやってくるのなら、品質や食べやすさで決して負けない温州ミカンをアメリカ、カナダ、ヨーロッパへどんどん輸出すべきであろうと私は考えます。
 この一月、県の配慮で那賀郡六町の農業協同組合の組合長らが、まさに敵国アメリカのオレンジ事情を視察に行ってまいりました。彼らの帰国報告によりますと、アメリカのオレンジづくりも、労働力の不足、地価の高騰などで大変苦しい状態にあると言います。これだったら温州ミカンが競争しても価格的にも決して負けない、どんどん攻めるべきであるという感触と自信を深めて帰ってきたようであります。農業は、「ミカンはあかん、あかん」ではなしに、立派なものをつくって攻めの農業を今や展開すべきであろうと思います。
 時あたかも、農水省には輸出対策室が設置されました。農産物自由化や経済、社会の国際化の進展に対応して我が国農林水産業の国際化を図るため、農林水産物の輸出に取り組む関係者に対する適切な情報の提供、指導等を図ることを目的で、平成二年度、対策室設置とともに、振興対策費として四億七千万円余が計上されています。農水省では四億七千万円余の予算を輸出対策で組むのは初めてで、その意気込みが感じられるわけであります。
 和歌山県にあっては、関空開港直前、厳しい面ではオレンジ自由化直前、そしてたまたま本県選出の東力代議士が農水省の政務次官に就任され、厳しさはあってもいろいろ有利な条件もございます。これらを大いに活用して、ミカン輸出に向かって攻めの農業を展開すべきであります。
 既に紀北筋では、来年をめどにアメリカへのミカン輸出を行うべく具体的に準備をし始めております。農水省からも視察に来られたと聞いております。これには国の指定が要るようですが、その枠取りにも知事を先頭に最大限の努力を願うものであります。
 次に、紀の川用水の問題についてお伺いをいたします。
 紀の川用水の受益者負担軽減につきましては、以前から格段の配慮をいただいているところであります。また、意見書を議決するなど、本県議会挙げて重ねて要望いたしておりましたが、今回、二月補正で二億円が貸付金として計上されております。全く感謝にたええない限りであります。
 二億円と言えば大金であります。この貸付金が農家負担の軽減に有効に生かされ、本問題の抜本的解決につながるように願うわけでありますが、今後の問題として、厳しい農業情勢の中で農業所得からの負担金捻出が非常に困難な状態にございます。放置すれば社会問題化するおそれさえあります。これらの状況にかんがみ、紀の川用水受益者農家の窮状を御理解いただき、平成二年度以降の対策についても、関係農家の期待には大なるものがありますので、これにこたえてやっていただきたいと思います。その見通しはいかがなものでありましょうか。
 農業問題の最後に、農業公社についてお伺いをいたします。
 農村における地価の高騰を抑えて優良農地を確保し、さらには農地の流動化を図って農山村を活性化しようという大変欲張りな目的で去年発足した農業公社でありますが、まず、この一年でどの程度の成果があったのか。さらに、組織はすべて兼務職員と聞いておりますが、現在、大阪方面からの紀北筋への土地投機あるいはミカン園廃園地の増加などにかんがみ組織の確立を急ぐとともに、今後、県下各地でどのような取り組みをするのか、その方針をお伺いしたいと思います。
 次に、道路問題についてお伺いをいたします。
 県勢の発展はまさに「道路網の整備にあり」といった感のある昨今ではあります。「活力ある和歌山」への離陸を目指し、今回、道路整備に五百十二億円余を集中投資することは極めて意義のあることであろうと思います。
 私は、紀の川筋の道路網の整備について申し上げたいと思います。
 紀の川平野は関空のインパクトを第一次的に受けとめる位置にあり、したがって企業誘致も今後ますます盛んになるであろうと予測されます。工業産品の出荷とあわせて、急を要する農産物の搬出も今後増加するでありましょう。
 紀の川筋の幹線道路と言いますと、右岸の国道二十四号線、左岸の県道和歌山橋本線の二本であります。この二本の動脈は、生活道路としても、あるいは産業道路としても極めて重要なものであります。動脈はスムーズに流れてこそ動脈としての価値と意義を持つものですが、現実は渋滞に次ぐ渋滞であります。
 朝夕のラッシュ時だけではなく、今や渋滞が通常になっています。渋滞に巻き込まれるといらいらしますし、その結果、事故も起こしやすくなります。普通一時間で走れるところ、渋滞のため一時間半も二時間もの時間がかかり、時間的な約束や予定が立たないこともしばしばであります。
 岩出橋付近あるいは打田町黒土から東部方面などは慢性的な渋滞であり、特に二十四号の黒土地点では、東方面行きが三車線から一車線に縮小されることもあって、混雑ぶりは大変なものであります。これでは企業誘致も二の足を踏むかもしれません。さらにまた、関空のさまざまなインパクトを有効に受けとめる位置にありながら、十分受けとめることができないかもしれません。それにも増して、黒土地点から橋本市までに約十二万の県民が生活しております。これは県人口の約一一・五%ですが、これら住民の毎日毎日の時間的ロスには巨大なものがあります。京奈和自動車道も近々には予定されますが、今差し迫って住民が望むことは、黒土から東へのバイパスと県道和歌山橋本線の整備の二つであります。
 県道和歌山橋本線につきましては、国道二十四号線の代替道路にもなるものであり、早急な全線改修が望まれますが、見通しはいかがなものでしょうか。
 また龍門橋でありますが、この橋は、国道二十四号線と県道和歌山橋本線の、つまり紀の川の右岸と左岸のバイパス的役割を果たすとともに龍門山山ろくの農産物の搬出を一手に担うもので、今やとても狭隘となり、したがって事故も多くなっております。
 一昨年でありましたか、龍門橋のかけかえについて調査もしていただいておりますし、知事にも二度ばかり親しく現場を御視察いただいております。ここに改めて龍門橋のかけかえを強く要望するものでありますが、見通しはいかがでございましょうか。
 次に、府県間道路の問題についてお願いをいたします。
 大阪府及び貝塚市の協力によって粉河から貝塚へ、山越えではありますが、今やバスとトラックが対向できるほどの車線を持つ、府県間道路にも匹敵する道路が完成をいたしております。粉河町役場から貝塚市の市役所まで、この山越えの道を車で走ると三十五分から三十八分ぐらいで着く道でございますけれども、誕生後、真新しいために地図の上ではまだ認知をされておりません。
 この粉河貝塚線のごくそばには近畿自動車道の貝塚インターがありますし、ふる特事業でただいま事業していただいている関連道路も完成をします。さらに、ことしには山上に関空を見おろす展望台が完成し、物産館なども誕生する予定でございます。これらができますと、大阪から葛城山に登ってまいる年間約十万人の人が、さらに十五万、二十万とふえるだろうと思われます。今後は、そういう意味でかなり重要な路線になってくるでありましょう。
 本路線を府県道に認定されるよう要望いたしますが、その見通しはいかがでありましょうか。
 さて最後に、一つお願いをいたします。
 この前に那賀郡の町村会、六町の町長さんらから陳情・要望が出されている件ですが、県道泉大津粉河線の国道昇格に際しては、那賀郡の起点を国道四百二十四号線に接続してほしいということであります。昇格整備については、那賀郡町村会の要望に特段の配慮をされますように、これは要望しておきます。
 次に、企画部行政についてお伺いをいたします。
 本県の当初予算が初めて四千億円台に乗ったということは、我々議員にとっても大変うれしいことであります。企業誘致が平成元年に十五件も進んだと言えば、よくなってきたなあ、県勢に少し弾みがついてきたなあと、これもまた非常にうれしいことであります。
 議員は、当局とは違った政治の立場で県勢浮上を願い、県民が少しでも住みやすくなるようにと願って日々活動をしているわけであります。ですから、議員には絶えず、県勢浮上、県民生活の安定という問題意識が念頭にあって、これが原点になってあれこれの問題解決に奔走をしておるわけであります。したがって、各方面から、和歌山県はどうしたらよくなるのか、いかにすれば県勢が浮上するかといったことをよく聞かされます。
 いろんな意見があります。道路の整備がおくれている、農産物、海産物などの出荷に際して統一マークをつけてもっと高く売り出すべきである、レジャーより産業を優先すべきではないか、若者の流出を防ぐために研究学園ゾーン構想を再検討すべきではないか、和歌山にはこれだというオリジナリティーがない、だから引きつける魅力に乏しい、物まねばかりではだめで、つまり補助金行政にどっぷりとつかり過ぎていては新しい考えや先見性に欠けてくるのではないかなどなど、県民や識者は、まあ厳しいというか、ある意味ではありのままに感じたことを教えてくれるわけであります。これらは、県民が三人寄れば出る意見のほんの一部であると思います。
 県会議員は、それぞれの選挙区にあって、日常茶飯事にこんな意見を聞かされているわけであります。聞いていると腹の立つこともありますし、とてもつらいこともあります。知事を先頭に、議員は立場が違っても一丸となって努力しても、きょう、あすにすべてが解決できる性格のものではありません。
 企画部は、これらの問題をまとめて総括をしながらパイオニア的に本県の長計を出し、十年、二十年先の活力ある本県の姿を展望する仕事をするところであろうと思います。そうして、そのために今いかなる施策をすべきなのか、どう対応しておけば十年後に活力が出るのかというようなことを検討して企画、計画するのが企画部であろうと思います。いわば、本県のシンクタンクであるだろうと思います。
 そこで、企画部長にお伺いをいたします。
 第四次の長計によりますと、平成二年の本県人口は百九万五千と書き込まれておりますが、実際は百七万九千人であります。その差が一万六千人もあります。この長計策定からわずか三、四年で一万六千もの人口の差がどうして生じたのか、お伺いをしたい。企画部のコンピューターに何か欠けていたのではないですか。社会情勢の変転を理由に挙げるなら、それを予想できなかったこと自体、先見性の欠如ということになりますが、いかがですか。
 また、この前、この議場でも申し上げましたが、東京ディズニーランドは今も若者のあこがれの的であり、幕張メッセも一躍国民的注視の的になりました。そこには、アイデアと人々を引きつけて離さない独創性があるからだと思います。
 今や、リゾートと万博は全国至るところにあふれ始めました。飛びっ切りの個性がなければ人々は集まらないでありましょう。和歌山のリゾート博や燦黒潮リゾート構想は国民を引きつけて離さない何か、和歌山はこれだという独自性があるのかどうか、和歌山のリゾートや万博は全国民を動員すべきいかなるオリジナリティーを持っているのか、御意見をお伺いしたいと存じます。
 さらに、本県は財政的に決して豊かな県ではありません。きのうも中村博議員が、これでは知事が余りにもかわいそうではないかと申し上げておりましたが、補助事業をうまく活用して少しでも前進しようと努力されている知事の姿勢には涙ぐましいものがあると思います。半島振興道路、ふる特事業の道づくりなど、数えれば切りがありません。
 今、企画部は、補助金のない事業について「ウーン」とうなるような何かを企画したことがあるでしょうか。補助事業に合ったものしか思考できないのではないか。これでは余りにも貧乏根性に取りつかれているとしか言いようがありません。
 国の補助金プラスアルファ、このアルファが個性というか独創性になると思いますが、企画部にはこのアルファの精神があるかどうか。
 新空港の衝撃には、はかり知れないものがあります。大阪府のこれへの投資も、我々から見れば天文学的数字であります。「ギブ・アンド・テーク」という哲学がありますが、投資には必ずや見返りがあります。今の状況で本県に何の見返りが予想されますか。「新空港、新空港」と言いながら、受け皿が極めて小さいのと違いますか。扇風機の裏側にならないために今一度空港対策を総点検する必要があろうと思いますが、企画部長、いかがでございましょうか。
 以上、企画部行政について日々感じておることの、あるいは人々から聞かされていることの幾つかを申し上げました。苦言的発言であったかと思いますが、それだけに、この和歌山県を何とかしてほしいという期待感も企画部に対して大きいわけであります。
 最後に、大阪湾ベイエリア開発等、広域行政についてお尋ねをいたします。
 関空ができます。神戸から大阪、大阪から関空までは湾岸道路が走ります。そこから南へ、つまり和歌山へはどうなるのか。
 三年前、仮谷知事が関経連に働きかけてできた大阪湾ベイエリア開発推進協議会で論議されていることとは思いますが、大きな成果を期待したいと思います。見通しはいかがでしょうか。
 また、紀淡海峡トンネル構想では、第二国土軸に係る関係十七府県の推進組織の設立に向けてことしじゅうにシンポの準備も進められていると聞いておりますが、大きなプロジェクト発想の中で多様な戦略も必要でありましょうし、時間もかかると思います。これら、何をねらいとするのか、どう独自性を出していくのか。大阪湾ベイエリア開発等広域行政に係る姿勢、取り組みについて企画部長の答弁を求めるものであります。
 御清聴ありがとうございました。
○副議長(宗 正彦君) ただいまの岸本光造君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 岸本議員にお答え申し上げます。
 農業問題で、関西国際空港の開港を控えた本県農業の対応ということについて種々御意見も賜ったわけでございます。農業問題は非常に厳しい段階でございますし、特にまた和歌山県にとって重要な時期だと思います。
 そうした時期における関西国際空港と農業との関係については、私も岸本議員同様、重要な課題としてとらえており、和歌山県の将来の農業のあり方を考えて施設栽培の促進を軸とした各種の事業も行っておりますし、空輸出荷の実験もいろいろ重ねてまいったところでございます。
 今後におきましても、農家の自助努力は当然でございますけれども、生産者団体ともどもいろいろな知恵を出し合っていかなければなりませんし、また流通問題と生産問題が相関連した形でこれからの本県の農業立地を考えて、今後、収益性の高い農業を生み出していかなければならないと心に決めておるわけでございます。こうした点について、格段の御指導、御協力を賜りたいと思います。
 次に、紀の川用水の受益者負担の軽減でございます。
 これにつきましては、岸本議員初め多数の皆さんからいろいろ御意見がございました。
 従来も、関係市・町の協力を得ながら土地改良区に対して助成を行い、農家負担の軽減を図ってまいったところでございますし、また話ございましたように、国に対しては、県議会での地元負担金の軽減に関する意見書や、この要望を踏まえて軽減対策を強く訴えてまいったところでございます。
 平成二年度には、新たに国において土地改良負担金総合償還対策事業が創設されることになってございます。現在、この対策の運用について検討が重ねられており、紀の川地区についての対象問題が非常に重要な課題であるということから、国に対して積極的に進めていかなければなりません。
 幸い、東議員も政務次官になられましたので、そうした面において協力を得て積極的に進めていかなければならないと思っております。
 しかしながら、県としましても、負担金償還が農家にとって厳しい実情でございますので、今議会の補正予算で貸し付けによって当面の支援体制を提案している次第でございます。
 国の償還制度との絡みを勘案しながら、総合的な観点に立って解決策を講じてまいりたいと思っております。議会の皆さんの御指導、御支援を心からお願い申し上げます。
 他の問題は、関係部長から答弁いたします。
○副議長(宗 正彦君) 農林水産部長安田重行君。
 〔安田重行君、登壇〕
○農林水産部長(安田重行君) お答え申し上げます。
 関西国際空港と農業の問題につきましては、ただいま基本的に知事から御答弁がございました。
 関西国際空港の立地に伴い、空輸農業の展開あるいは周辺地域の人口の増加によって需要の拡大が見込まれるところでございます。
 臨空農業に備えまして、特に紀の川流域を対象に、地域整備計画をもとに高収益農業の実現に向けて施設園芸タウンの育成に取り組み、これまでにも六十ヘクタールの施設化が既に進んでございます。また、バイオテクノロジー技術による品種改良や周年出荷を目標にした作型開発などの生産技術の研究推進を図ってきたところでございます。
 さらに、流通体制の整備が非常に重要なものでございまして、既に果実、野菜を中心とした特需センター並びに花卉流通センターを設置し、開港後に向けて機能の充実に努めているところでございます。
 今後とも、引き続き中核農家に焦点を当てながら、国際化時代に対応し、高付加価値出荷を目指した体制の整備や情報機能の充実強化等、総合的な施策を講じ、関係者が一体となって空港の立地を生かせる高収益農業の実現に向けて取り組んでまいらなければならないと考えてございます。
 次に、中晩柑類の枠の確保の問題でございます。
 お話ありましたように、中晩柑の転換目標面積は全国で四千ヘクタールでございまして、本県の配分枠としては、うち七百十ヘクタールが国から示されましたけれども、特に紀北の産地の大変強い御要望もあり、国に対して枠の拡大について強く働きかけた結果、全国の約三割に当たる千百五十ヘクタールが確保できたところでございます。
 こういった経過から、これ以上の面積の拡大は大変難しい情勢でございますので、県議会のお力添えをいただきながら、今後、引き続き国に対して枠の拡大を強く働きかけてまいりたいと存じてございます。
 次に、ミカンの輸出の問題でございます。
 果樹農業の振興を図る上から、本県にとって大変重要であると考えてございます。
 議員お話しのミカンの対米輸出につきましては、輸入自由化の決定に伴い、輸入解禁州が六州から三十八州へと拡大をされ、同時に検疫条件が一部緩和をされましたが、依然として緩衝地帯の設置など厳しい条件が付されているところでございます。しかし、本年産ミカンから新たに対米輸出に取り組む産地もあることから、現在、輸出ミカン生産地域の設定──これは国の事業として設定しなければならないということになっておりまして、既に県としてもその設定に具体的な指導を行っているところでございます。
 今後、県といたしましても、生産者団体と一体となり、輸出条件を満たすために果実の表面殺菌施設、熏蒸施設等の施設整備に向けて積極的に取り組んでまいる所存でございます。
 最後に、農業公社の問題でございます。
 農業公社の活動状況につきましては、平成元年度は公社を設立した初年度でもございまして、県下市町村農業委員会に四十六名の協力員を設置して業務の推進体制の整備に努めてきたところでございます。これらから寄せられた情報をもとに、農地の実態、実施中のかんきつ園地再編対策における廃園等の動きもあわせて調査分析をいたしておるところでございます。
 ちなみに、近く農業公社事業としては、初めて二件、面積にして一ヘクタールの農地の流動化事業ができる見通しでございます。
 コンピューターを入れていただきましたので、今後、業務活動体制の強化に努め、本来の業務である中核農家の経営安定に資する優良農地の流動化を推進するとともに、さらに農業公社の持つ機能を十分活用し、企業用地の造成や公共事業促進のための農地の流動化等も推進をして農村地域の活性化に努めてまいりたいと存じてございます。
 以上でございます。
○副議長(宗 正彦君) 土木部長磯村幹夫君。
 〔磯村幹夫君、登壇〕
○土木部長(磯村幹夫君) 道路網の整備につきましてお答えいたします。
 打田町黒土から東の国道二十四号につきましては、交通渋滞が生じていることは御指摘のとおりであります。現在の道路状況を考えますと、将来整備される京奈和自動車道の整備効果を十分に発揮させるためにも、黒土以東の地域交通が円滑に処理できるような道路整備を検討していく必要があると考えております。
 このような考え方に立ちまして、昨年より、関係機関の協力のもと、行政レベルで那賀郡東部地域の幹線道路網計画を検討しているところであります。この中で、黒土以東の道路のあり方とともに、県道和歌山橋本線及び狭隘な龍門橋のかけかえについても検討してまいりたいと考えております。
 なお、和歌山橋本線の整備につきましては、現在事業中の区間の促進を図るとともに、未改良区間の中でも特に整備の急がれる隘路区間について早期に整備ができるよう、引き続き努力をしてまいります。
 次に、粉河─貝塚間の府県間道路の昇格につきましては、地方的な幹線道路網を構成するなど検討事項が数多くございますので、今後、大阪府との間で当路線の方向づけについて協議してまいりたいと存じます。
 以上でございます。
○副議長(宗 正彦君) 企画部長川端秀和君。
 〔川端秀和君、登壇〕
○企画部長(川端秀和君) 先見性と独自性についての幾つかの御質のうち、まず第一点は第四次長計における人口の見通しとその乖離についてでございます。
 議員御指摘の人口見通しとその乖離につきましては、本県の約七割を占める主要産業である鉄鋼を初めとする基礎資材型産業の構造不況等、予想を上回る急激な社会経済情勢の変化及び人口の自然増の鈍化などによって本県の人口は減少してまいりました。
 しかしながら、本県産業界の自助努力並びに先端産業を中心とする企業誘致に努めた結果、鉄鋼、化学、機械などの回復、ここ数年にわたる数多くの新規企業の進出などによって本県の経済は、県民総生産において、対前年度比、昭和六十一年度一・五%に対して昭和六十二年度三・五%と拡大傾向にあり、また住宅開発や各種プロジェクトの進展により、ここ数年続いた二千人程度の人口の減少が平成元年度推計人口調査において五百九十一人と小幅にとどまり、平成二年度以降においては人口が増加に転じていくものと予測いたしているところでございます。
 第二点は、県政推進の先見性と独自性についてでございます。
 議員御指摘のとおり、先見性や独自性を持ちながら施策の企画立案に努めていかなければならないと常々考えておるところでございます。
 御承知のとおり、昭和六十一年十二月に各界の御意見、御協力を得て県第四次長期総合計画を策定し、その推進に努めているところでございますが、その中で、半島振興法による推進を初め、特急くろしお号の新大阪乗り入れ、和歌山マリーナシティの建設、南麓サイエンスパーク計画の推進、コスモパーク加太計画、さらには紀淡海峡トンネル構想や紀の川利水などの広域的行政による推進等々、県独自の発想や主体性に基づく施策の展開に努めているところでございます。しかしながら、やはり限りある本県の財政事情から、国等に対し、本県の施策へ取り入れられるものはできる限りお願いしているのも事実でございます。
 今後も、社会経済情勢の変化を的確にとらまえつつ、本県の特色を生かした、個性的かつ主体的な地域づくりを目指した施策の構築を図るとともに、二十一世紀を展望して中・長期的な観点から積極的に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
 第三点は、本県リゾート構想のオリジナリティーについてでございます。
 本県は、豊かな自然資源、歴史・文化資源に恵まれてございます。こうした特色のある観光資源を訪ね、現在でも多くの観光客を受け入れているところでございます。
 こうした状況を踏まえまして、燦黒潮リゾート構想において、温暖で利用期間も長く、水質も良好で全国的にも優位性を持つ「海」をテーマに、民間活力を導入しながらクルージングネットワークの形成や多様な需要にこたえられるリゾート施設を整備し、本県の独自性を十分に発揮できるリゾート整備を推進することとしてございます。
 例えば、こうしたすぐれた海洋資源を活用した日本初の人工島方式による和歌山マリーナシティや、リゾート先進国であるフランスの企業の参画も得た大規模な田辺湾総合リゾート開発計画など、日本でも有数のリゾート整備を推進しているところでございます。
 さらに、本県の特産であるミカンや梅、水産物、備長炭や花卉などを活用して地域産業との連携を図るとともに、歴史・文化資源である高野山や熊野三山などとのネットワークを形成し、本県の個性を生かした、質の高いリゾート整備を図ってまいりたいと考えてございます。
 第四点は、博覧会についてでございます。
 平成五年の夏をめどに本県で開催する-ウェルネスWAKAYAMA-「世界リゾート博」は、燦黒潮リゾート構想と連携を保ちながら、関西国際空港の開港を契機に本県の魅力を国内外にアピールすることを目的に開催しようとするもので、リゾートをテーマにした地方博覧会としては日本で初めてのものでございます。
 今後、博覧会は、従来の展示、映像等を中心としたものから体験、参加型重視の傾向が進むものと考えられますので、今回の世界リゾート博においてはメーンテーマを「二十一世紀のリゾート体験」とし、和歌山県の持つリゾート環境を生かした未来志向のリゾートライフを体験していただくことを特徴といたしてございます。
 リゾートライフの体験は、主会場の和歌山マリーナシティを初め県域全体での広域的な展開を図り、県民はもとより、県外の方々にも多数参加していただける博覧会にしてまいりたいと考えてございます。
 今後とも、従来の地方博覧会にない、「和歌山ならでは」の特徴のあるものとするため、県議会を初め、県民の皆様方の御意見をいただきながら積極的に取り組んでまいりたいと考えてございます。
 第五点は、関西国際空港対策についてでございます。
 昭和六十年に国において、関西国際空港の空港機能の支援を第一義の目的として関西国際空港関連施設整備大綱が決定されました。国の主要施策として、近畿自動車道紀勢線、国道二十四号和歌山バイパスや泉佐野岩出線、泉大津粉河線を初めとする府県間道路等が整備大綱に位置づけられ、鋭意、事業の進展が図られているところでございます。
 本県におきましては、関西国際空港の立地に伴う波及効果を積極的に活用して県勢の活性化を図るため、紀の川テクノバレー計画、南麓サイエンスパーク計画等、七つのプロジェクトを展開するとともに、これらのプロジェクトを支える国土軸、空港軸、地域軸の三軸のネットワークを形成する関西国際空港関連地域整備計画を昭和六十一年に独自に策定いたしました。以来、関係部局において、計画の実現に向けて懸命の取り組みを行っているところでございます。
 そうした中で、既に那賀郡を中心とした数々の企業進出、近畿大学の誘致等、関西国際空港の立地に伴う成果があらわれてきてございますが、より一層波及効果を求めていかなければならないと考えてございます。
 今後、議員御指摘の趣旨を踏まえて地域整備計画の進捗をさらに図るとともに、関西国際空港の最大限の波及効果を導くため、関係部局とも十分連携し、懸命の努力をしてまいる考えでございます。
 最後に、大阪湾ベイエリア開発等、広域行政の取り組みについてでございます。
 まず、大阪湾ベイエリア開発の推進についての本県の取り組みでございますが、この協議会におきまして、大阪湾ベイエリアの対象地域は、単に狭義の大阪湾のみでなく、本県を含め、広くとらまえて展開すること、少なくとも本県では日ノ御埼に至る瀬戸内海地域までは対象地域として取り上げるべきであること、特定重要港湾としての和歌山下津港の位置づけと港湾機能の強化、大阪湾環状交通体系並びに瀬戸内環状交通体系、さらには第二国土軸の形成に不可欠な紀淡海峡トンネルの早期整備、人々に憩いと安らぎを与えるリフレッシュ空間となる自然と調和した魅力的な環境の形成等々、強く主張しているところでございます。
 また、広域行政の取り組みといたしましては、近畿圏の整備開発に関する計画や事業の促進を目的とした近畿開発促進協議会やすばる推進委員会、あるいは府県間にまたがる諸課題を協議する阪和開発連絡協議会等々において、今後とも積極的に、県益を図る立場から鋭意取り組んでいく所存でございます。
 以上でございます。
○副議長(宗 正彦君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 32番岸本光造君。
○岸本光造君 今の県政は、関空との絡み合いで進んでいるような感じが非常に強いわけですし、県民もそういうふうに考えていると思います。関空ができたら和歌山県はこうなる、関空ができたらこんなによくなる、そういうイメージで今は来ておるわけですけれども、例えば農林水産なら、農林水産部が関空とどうかかわり合うのかというような作業を進められておる。商工労働なら、商工労働部の方でそういう進め方をされておる。企業局なら、企業局で関空ができたらどうするかということで進められておる。
 たまたま、今、企画部長の言葉の中に、関係部局とも連絡を密にしたいというふうな言葉がございましたが、トータルな形で和歌山県関空をどうするのかというとらまえ方をどこかでしてほしいなと思います。
 農林だけで行ったら一の力、企画だけで行ったら一の力かもしれませんが、両方足して行くと三にも五にも力が出てきて、県勢浮上のための大きな起爆剤になってくる。だから、その辺を今後の課題として、力を合わせて県勢発展のために連携を密にしていただきたい。そのことを強く要望して、終わります。
○副議長(宗 正彦君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で岸本光造君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 次会は三月十二日再開し、質疑及び一般質問を続行いたします。
○副議長(宗 正彦君) 本日は、これをもって散会いたします。
 午後一時五十七分散会

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