平成2年2月 和歌山県議会定例会会議録 第2号(鈴木俊男議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 午前十時四十八分開議
○議長(門 三佐博君) これより本日の会議を開きます。
○議長(門 三佐博君) この際、報告いたします。
 お手元に配付のとおり、監査委員から現金出納検査結果の報告がありましたので、報告いたします。
○議長(門 三佐博君) 次に、報告いたします。
 過日提出のあった議案第四十一号、議案第四十二号、議案第五十号、議案第五十一号、議案第五十三号及び議案第五十四号は職員に関する条例の改正でありますので、地方公務員法第五条第二項の規定により人事委員会の意見を徴したところ、次のとおり回答がありました。
 職員に回答文を朗読させます。
 〔職員朗読〕
 ──────────────────── 
   和人委第381号
   平成2年3月7日
 和歌山県議会議長 門 三佐博 殿
 和歌山県人事委員会委員長 寒 川 定 男
 職員に関する条例の制定に係る意見について
 平成2年2月28日付け和議会第343号で意見を求められた標記のことについて、地方公務員法第8条第1項第3号の規定により下記のとおり回答します。
  記
 議案第41号 職員の給与等に関する条例の一部を改正する条例
 議案第42号 職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
 議案第50号 教育職員の給与等に関する条例の一部を改正する条例
 議案第51号 市町村立学校職員の給与等に関する条例の一部を改正する条例
 議案第53号 警察職員の給与等に関する条例の一部を改正する条例
 議案第54号 警察職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
 (意 見)
 上記条例案については、いずれも適当であると認めます。
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○議長(門 三佐博君) 次に、報告いたします。
 知事から、議案の追加提出がありました。
 職員に公文を朗読させます。
 〔職員朗読〕
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   財第187号 
   平成2年3月8日
 和歌山県議会議長 門 三佐博 殿
  和歌山県知事 仮 谷 志 良
 和歌山県議会平成2年2月定例会追加議案の提出につ
 いて
 地方自治法第96条の規定に基づく議決事件について、次のとおり議案を提出します。
  記
 議案第65号 財産の取得について
 ──────────────────── 
○議長(門 三佐博君) 日程第一、ただいま報告いたしました議案第六十五号を議題といたします。
 議案はお手元に配付しておりますので、まず知事の説明を求めます。
 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) ただいま上程されました議案について、御説明申し上げます。
 議案第六十五号は、南紀新空港の建設事業用地を取得することに伴い、財産の取得について議会の議決をお願いするものであります。
 何とぞ、御審議の上、御賛同賜りますようお願い申し上げます。
○議長(門 三佐博君) 以上で、知事の説明が終わりました。
○議長(門 三佐博君) 次に日程第二、議案第一号から議案第六十四号まで、並びに知事専決処分報告報第一号から報第四号までをあわせ一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第三、一般質問を行います。
 8番鈴木俊男君。
 〔鈴木俊男君、登壇〕(拍手)
○鈴木俊男君 二月定例議会のトップに質問をさせていただく機会を与えていただきまして、まず厚く御礼を申し上げます。
 知事、議長を初め、皆様方に大変御迷惑をおかけいたしました父の告別式も、無事に済ませることができました。ありがとうございました。その疲れでありましょうか、体調が思わしくありませんが、気力を振り絞って質問をしてまいりたいと存じます。
 まず最初に、総選挙を終えて、私の所感を申し上げたいと思います。
 去る二月十八日に、衆議院議員の総選挙が行われました。我が和歌山県における投票率は六十一年の同一選挙を上回り、県民が今回の選挙にいかに関心が高かったかということを物語る結果となりました。皆様御承知のとおりの結果であります。この選挙を通じ、さらに選挙の結果を踏まえての所感であります。
 今回の選挙における争点のうち、最大のものは消費税存廃問題であったことは申し上げるまでもありません。昨年七月の参議院議員選挙においても、やはり消費税が最大の争点でありました。
 昨年四月一日から実施されました、いわば生まれたての税金・消費税がこの一年足らずの間に二回の国政選挙の最大の争点とされ、消費税そのものも立候補者と同様に、あるいはそれ以上に、二回の厳しい試練を受けたと思うわけであります。「新税は常に悪税である」と言われておりますが、生まれたての税金でありますだけに、二回の国政選挙は大変であったというふうに思います。
 昨年七月の参議院議員選挙は、逆風の中で我が自民党が過半数割れという大変厳しい結果となりました。そして、自民党はこの結果を厳粛に受けとめ、我々自民党県議団も消費者の皆さんの生の声をお聞きするとともに、自民党和歌山県連を通じ、党本部に対して積極的な見直し要求を重ねてまいりました。
 党本部は、こうした地方組織からの要求などを積極的に取り入れて見直し作業を精力的に行い、日常の暮らし、命などに直接関連する分野、例えば食料品小売、住宅家賃、入学金、さらに分娩費等について非課税扱いにするといった見直し案をまとめ上げたのであります。
 しかし、その間においても、消費税は国民の反発を受けながらも実施され、現在も、最初実施されたままの姿であります。間接税を導入した諸外国の例では、その定着には五年はかかると言われていることと比較いたしますと、自民党の見直し案をベースにいたしますと、我々の暮らしの中の一部として案外早く定着をしていくのではないかというふうに思っていた次第であります。
 果たせるかな、見直し案を示しながら消費税の存続を訴える我が自民党と消費税廃止を訴える全野党とが真っ向からぶつかり合ったのが、今回の総選挙であります。私は、この消費税については、二度目の国政選挙で、なお消費税廃止を求める声が高いものの、昨年四月からの実施によるなれに加え、自民党の見直し案を加味した消費税が、国民の審判でそれなりの評価を受けたと思うわけであります。
 もちろん、自民党が衆議院で安定多数を確保したからといいましても、参議院では逆転をされておるわけであります。いわゆる衆参ねじれ状態であります。与野党とも、国政の責任を分かち合い、そして今後いかなる政治体制を構築していくのか、いかなる内政、外交を行うのかという大きな視野と展望に立って、各党の真剣な本音の対話が強く望まれており、まず消費税廃止ありきでは本音の対話が始まらないのではないかと思うのであります。
 知事は、今回の総選挙で消費税が国民からどういう審判を受けたとお考えになっておられるのか、お答えをいただけるようでしたらぜひお聞かせをいただきたいと存じます。
 なお、このたびの総選挙で、ついこの前まで同僚でありました貴志八郎君が社会党から立候補し、見事当選をされました。立場こそ違え、ともに県政を論じ合ってきた貴志八郎君の国政での今後の御活躍を御期待申し上げる次第であります。
 国政レベルの議論は一応終わることといたしまして、平成二年は、一九九〇年代の最初の年であるという意味では、節目の年に当たります。今年度の予算は、仮谷知事が第四期県政を担当されて三年目の年に当たり、二十一世紀の和歌山を展望した長期総合計画のもとに、第一次中期実施計画の仕上げの年となる極めて重要な年の予算であります。知事がこれまで推進してまいりました数多くのプロジェクトや構想について、その成果を県民に示しますとともに、より一層明確な形でそのビジョンを明らかにしていかなければならない年に当たると考えます。
 平成二年度の予算編成に当たり、知事は予算の規模を四千億円台の大台に乗せ、対前年比八・九%増の伸び率を示すなど、知事の今回の予算にかける意気込みをひしひしと感じるのであります。そこで、知事が平成二年度の予算編成に当たって特に留意した点をまずお聞かせいただきたいと存じます。
 次に、予算の全体的な姿についてお尋ねをいたします。
 まず歳入面でありますが、財政の運営に当たって最も重要な財源となるのは、言うまでもなく、税収であります。平成二年度予算を見ますと、税収総額九百四十五億円、対前年度伸び率で一八・一%増と、元年度のそれが二・八%であったのと比較いたしますと、かなりの復調がうかがえるのであります。
 聞くところによりますと、平成二年度の税収の特色といたしまして、従来の鉄鋼関連等のいわゆる大手三法人以外の法人の納税する税金等の伸びが大きいということであります。この点についてはとりあえず喜ばしいことと受けとめておるものでありますが、本県税収の体質が本当に改善されたと考えておられるのか、あるいはその方向にあると考えるのか、今後の財政運営を論ずる上で重要な問題であると考えます。総務部長に、平成二年度における好調な税収の見積もりの根拠と体質改善の問題についてお聞かせいただきたいと存じます。
 また、いわゆる自主財源の比率でありますが、平成元年度では三五・八%となっておりましたが、税収が伸びた割には平成二年度においては三六・一%と、さほど伸びておりません。地方財政としては自主財源のシェアが大きいほどよいと考えられますが、なぜ伸び率が低いのかもあわせてお尋ねをいたしたいと存じます。
 次に、歳出の問題であります。
 歳出全体の特色として、財政当局の説明によりますと、投資的経費への重点配分と人件費等の義務的経費の抑制の二点を挙げております。投資的経費の中でも、特に県単独事業の伸びが対前年度三割強のアップと、大変大きいわけであります。これは、新たな和歌山への飛躍のためにタイミングを失してはならないという知事の並み並みならぬ決意のほどと受けとめるのであります。
 しかし、単独事業の大幅な拡大ということが産業や生活基盤の整備のためにやむを得ないといたしましても、その財源として大きく伸びているのが県債であることを考えますと、果たして大丈夫なのだろうかと気になるところであります。
 大規模な県単独事業については、半島振興道路やふるさとづくり特別対策事業のように、地方交付税という国の財源措置のついた起債が認められており、それを最大限に活用するということでありますが、平成二年度、さらには今後における投資的経費、とりわけ県単独事業に対する知事の基本姿勢をお聞かせいただきたいと存じます。
 また一方、義務的経費についても、特に人件費のシェアが、昭和五十七年以来、知事部局では合計二百七十人の定数削減を行うなどの行政改革の効果もあって、平成二年度において初めて三分の一を割ったということであります。このこと自体は当局の大変な努力を評価するものでありますが、滋賀県や奈良県の元年度予算における数字がそれぞれ三一・三%、三一・四%となっていることを考えますと、まだまだ努力の余地があるのではないかと考えますけれども、総務部長の見解をお尋ねするものであります。
 人件費のほかに注目しなければならない義務的経費として、公債費があります。財政当局の話によりますと、元年度をボトムに今後公債費が累増していくという推計であるようで、平成二年度においては対前年比二・四%増となっています。将来の県財政を運営していく上で財政の硬直性を小さくする努力が必要と考えるのでありますが、県予算がこれだけ大きくなりまして、いわゆるビッグプロジェクト事業がメジロ押しとなっている状況のもとでは、どうしても、何らかの形で中期的な財政展望の上に立った各年度の予算編成という考え方をしていかなければならないと思うのであります。
 そこで、中期的展望を持った財政運営という問題についての知事の御所見、さらに、人件費、公債費等の義務的経費に対する基本的な考え方については総務部長の答弁を求めて、予算全体についての質問を終わらせていただきます。
 次に、土地対策についてであります。
 最近の地価暴騰は異常を通り越して、今やパニック状態を呈していると言っても過言ではありません。本来、土地というのは、限られた資源であり、生活、生産を支える諸活動の基盤となるものであって、公共財としての性格を持つものであります。
 しかし、今の日本の現状を考えてみますと、この限られた資源である土地が投機の対象になって、特定の企業、個人が資金力に物を言わせてこれに群がり、それに金融機関も加わって、地上げ屋とともに公共財としての土地をキャッチボールしているのであります。貴重な資源である土地が本来の需要・供給のメカニズムで取引されず、いわば本来は供給者側にあるべき者たちによってキャッチボールされ、土地転がしをして不当な利益を上げているわけでありまして、彼らこそ地価高騰の元凶であります。
 サラリーマンが退職金だけでマイホームの夢を実現させることが不可能となっておりますし、土地を持つ者と持たざる者との資産格差が拡大し、それが社会的不公平感を増大させております。私は、今や深刻な社会問題となっている土地問題に対して県が何らかの抜本的な対策を立てない場合には、それこそ、現在の体制を揺るがせる要因になるのではないかと危惧をしておるわけであります。
 昨年の臨時国会で、与野党が妥協して土地基本法を成立させました。この法律は、土地についての公共の福祉優先、投機的取引の抑制などといった基本理念を盛り込んでおりますけれども、具体的な、しかも抜本的な施策が手つかずのままとなっております。また、こうした狂乱地価は、道路などの公共事業を進める地方自治体にとっても深刻な問題を引き起こしておるわけであります。
 そこで、知事は、さきの国会で成立した土地基本法を受けて、国に対し、より具体的な施策の確立を全国知事会議等を通じて要望していくべきではないかと考えますが、まず知事の所見をお伺いしたいと存じます。
 次に、国土利用計画法に基づく監視区域制度についてお尋ねをいたしたいと思います。
 近畿では、大阪府、京都府、奈良県で急激な地価上昇が見られると言われておりますが、最近は特に、本県に隣接をしております泉南地域の地価が関空関連事業の影響を受けて、全国的に見ても突出して高い上昇を示していると言われておるのであります。この泉南地域の地価高騰が我が県にも波及をいたしまして、本県での泉南地域の不動産業者による土地買いあさりが地価上昇の原因と言われておるわけであります。
 大阪府では、本年の四月から地価監視のための土地取引の事前届け出を、市街化区域で百平米以上、市街化調整区域で三百平米以上に、それぞれ一律に引き下げることにしております。この大阪府下全域での届け出対象面積の引き下げで、今まで以上に投機マネーが本県に流れ込んで、さらに地価高騰に拍車をかけるのではないかと懸念をしております。
 そこで、企画部長にお尋ねをいたします。
 現在のところ、地価高騰を抑制する施策としては地価監視制度しかありませんが、現在、指定をしております監視区域の面積基準は十分と考えておられるのか、地価高騰の続く地域の届け出対象面積の引き下げを考えるべきではないかと思うのでありますが、お考えをお伺いいたしたいと存じます。
 次に、関西国際空港をめぐる最近の動きであります。
 私たち県議会は、昨年十一月、関西国際空港対策特別委員会のメンバーで全体構想の早期実現、国内便の大幅確保、それに大阪空港の廃止を加えた陳情を運輸省、県選出の国会議員に対して行ってまいりました。大阪空港の廃止については、「今ごろ」あるいは「今さら」という受けとめ方をする国会議員の方もおられました。
 確かに、大阪空港は存続に向けて外堀を埋め、今や内堀も埋められてきておるというのを十分に私どもは承知いたしておるつもりであります。大阪空港の存廃は国が決めることであり、存続に向けての条件づくりが既にでき上がっている感すらございます。
 存続のための第一のハードルは、伊丹周辺十一市協が十三年間にわたり運動方針として盛り込んできた「空港撤去の姿勢」であったと思うのでありますが、それが転換されたのであります。さらに、運輸省が行った平成五年の関西国際空港開港時における近畿圏の航空需要予測、あるいは大阪空港周辺住民の存廃に関する意識調査、大阪空港周辺の騒音対策協議会の「撤去」から「存続」への転換など、存続に向けての条件はすべて整ってきていると言っても過言ではありません。
 そうしたことを百も承知で、なぜ地元でもない和歌山県が大阪空港の廃止にこだわり続けるのか。伊丹周辺の人たちが存続してもらっても結構だと言い出してきているのにであります。
 私たちも、関西国際空港の全体構想が第六次空整で正式に認められ、私たちが期待する大幅な国内便の確保が図られるということになるのでありましたら、大阪国際空港の存続に異論を挟む気など全くありません。しかし、運輸省の行う航空需要予測でも大阪空港の存続を含めた調査を行うなど、大阪空港の存続が関西国際空港の全体構想推進にマイナス要因となっていると考えるからであります。関空の全体構想の推進や国内便の大幅確保のための戦略として、私たちがこだわっているわけであります。
 考えてみますと、国際空港は第一種空港であり、本来、国の責任において建設しなければならないものであります。関西国際空港の建設について、地元同意の段階では、国である運輸省が地元三府県の同意を求めてきたものであり、そしてその当時の関西国際空港計画は「三本の滑走路を持つ日本で初めての二十四時間空港」と説明を受けたのであります。
 しかし、国の財政再建のあおりを受けて、現在のような株式会社方式となり、当面、一本の滑走路でスタートし、二期計画については近畿圏の航空需要を考慮して決めるという段階施工となったものであります。
 日本は空港の後進国と言われておりますが、それは空港の整備が立ちおくれ、経済大国ではあるが空港は二流国並みだと言われているからであります。世界の主要な国際空港で、滑走路一本の空港などありません。本来、国の責任において建設される国際空港が、地方空港と同じように国に陳情して全体構想の推進を訴えなければならないところに、主客転倒の感すら禁じ得ません。
 それはそれとして、ことしは関西国際空港の全体構想にとって、まさに正念場を迎えております。平成三年度から始まる第六次空整に関西国際空港の全体構想が位置づけされるかどうか、大変重要な年でありますが、その見通しをお聞かせいただきたいのであります。
 次いで、国内便の確保についてであります。
 この第六次空整に、近畿では播磨、神戸沖、滋賀がこの計画に位置づけを要望しているようであります。こうした地方空港が六次空整に認められるということになりますと、近畿圏の国内航空需要全体から考えた場合、関西国際空港の全体構想と国内便の確保に影響を及ぼすことにならないかという懸念をいたすものであります。
 全国の高速道路あるいは新幹線、また本四架橋の建設など、大きなプロジェクトはいずれも強力な政治力で日の目を見てきておるわけであります。私たちも行動し、最大限の努力をいたしますが、関空の全体構想の第六次空整での明確な位置づけをかち取るための仮谷知事の力強いリーダーシップを期待し、全体構想の早期実現のための重要な時期を迎えての知事の決意のほどをお聞かせいただきたいのであります。
 次に、世界リゾート博についてお尋ねをいたします。
 最近、地域活性化の起爆剤として、全国的に地方博覧会が話題を集め、さまざまな博覧会が開催されております。本県でも、建設が急ピッチで進んでいる和歌山マリーナシティを主会場とした-ウェルネスWAKAYAMA-「世界リゾート博」が平成五年の夏を目途に開催されることが正式に発表されました。
 最近の余暇時間の増大を背景にして、海洋性レクリエーションの需要が増加、多様化をいたしております。和歌山マリーナシティは、国際的な都市近郊型海洋性レクリエーションの基地として必ず成功するものと信じます。この和歌山マリーナシティを主会場とした世界リゾート博は、世界に開かれた関西国際空港の開港をターゲットにして国内外にアピールしようとするものであり、その企画としてはまことにすばらしいものと考えます。
 そこで、知事並びに企画部長に、この世界リゾート博を開催する意義やそのもたらす効果、規模、内容等のアウトラインについてお聞かせをいただきたいと思うのであります。
 この博覧会が成功するかどうか、そのキーポイントは交通アクセス問題にあると思います。いかに企画、内容がすばらしくとも、来場者をスムーズに交通渋滞なく輸送できなければ、世界リゾート博といいましても、和歌山県のイメージダウンになることは必定であります。そういう観点から、一刻も早い交通対策が望まれるところであります。これに対する当局の答弁を求めます。
 時間がございませんので、取り急いで質問を続けます。
 次に、紀淡海峡トンネル構想についてお伺いをいたします。
 紀淡海峡トンネル構想は、昭和五十四年に仮谷知事が新春の夢として構想を発表されました。昭和五十六年には県独自の調査、五十八年には鉄建公団による四国新幹線ルートの一つとしての調査、また、六十二年には第四次全国総合開発計画において大阪湾環状交通体系として上位計画への位置づけがなされたところであります。仮谷知事の構想から十年、最近の技術革新の進展から見まして、この紀淡海峡についてのさまざまな可能性が指摘されておるのであります。
 私は、先日、新聞でマリーン・エクスプレス構想というのを拝見いたしました。これは、リニア技術を海中に活用しようというもので、水陸両用のリニアが水面下に潜って走る列車システムでありまして、現在、九州大学で既に実験されているということであります。これであればトンネルの必要もありませんし、海中の景色も楽しめるという、極めてリゾートにも役立つ大変おもしろい企画・アイデアであると思うのであります。
 紀淡海峡構想の推進に当たっては、このような技術革新を取り入れて、マリーン・エクスプレスを紀淡海峡にという私の提案を含めて柔軟に対応していく必要があるのではないかと思うのでありますが、知事の所見をお伺いしたいと存じます。
 また、紀淡海峡トンネル構想の推進に当たっては、関西広くは西日本の地方自治体などと手をつなぎまして、国家的なプロジェクトとして位置づけを図っていくことが何よりも重要であります。昨年大分県で開催されました第二国土軸シンポジウムに仮谷知事も出席されたようでありますが、このシンポジウム開催の効果をどのように受けとめておられるのか、またことし和歌山でこのシンポジウムが開催されるということでありますが、それに知事はどのような姿勢で取り組もうとされているのか、お伺いしたいと存じます。
 また、紀淡海峡トンネル構想は、四全総にも位置づけされておりますが、大阪湾環状交通体系としての観点からのとらえ方も重要であると考えます。この点についての取り組み姿勢についてもお伺いをしたいと思うのであります。
 次に、全国スポーツ・レクリエーション祭についてお尋ねをいたします。
 本県開催が内定してはや一年を経過いたしまして、祭典の開催まであと七カ月余りとなりました。仮谷知事は、この祭典を「生涯を通じたスポーツ・レクリエーション活動の振興という時代の要請に基づいて開催される」と位置づけをいたしました。さらに、「この祭典が一過性のものにならないように、我が県を全国にPRする絶好の機会として、先進県よりも立派なスポーツ祭典としたい。そのためには全庁的な体制で取り組んでいきたい」と述べておりますが、この祭典の本県開催を強く訴えてまいりました私にとりましても、知事の考え方に全く同感であります。
 そこで、この祭典の開会式、あるいは種目別大会がそれぞれスムーズに運営されることがもちろん大事でありますけれども、この祭典がスポーツに参加される愛好者だけの交流で終わるのではなくて、これを迎える県民も何らかの形で参加、協力していく、そして県全体の盛り上げを図ることも重要であろうと思います。そこで、この祭典を開催するに当たっての、それにふさわしい準備がもう既にできておるんだろうかということも心配をいたしておりますので、そのことについてお伺いをしておきます。
 次に、全国から参加されるスポーツ愛好者を温かく迎える歓迎態勢づくりもどうなっているのか。また、教育長にお尋ねをしておきたいのでありますが、この祭典は既存の施設を有効活用して行うということでありますけれども、施設の整備状況はどうなっているのか、あるいは宿舎の確保がどうなっているんだろうか。また、開会式の行われる紀三井寺公園の陸上競技場までの輸送体制がどうなっているのか。限られた時間に選手とか役員が一堂に会しなきゃならん、あるいは観客もございますし、そういう意味では大変であります。それについての心配もしておりますので、輸送体制についての教育長の考え方をお聞かせいただきたいと思います。
 時間が限られてまいりましたので、質問を進めます。
 最後になりましたが、天神崎のナショナルトラスト運動についてお伺いをいたしたいと思います。
 私は、率直に言って、天神崎におけるナショナルトラスト運動は心ない開発業者によって大変な危機に直面しているというふうに、まず申し上げなければならないと思うのであります。
 天神崎は、御承知のとおり、田辺市の北西部に位置する夕景色の美しい岬でありまして、広い磯と背後の海岸林が豊かな自然をはぐくみ、古くから市民に親しまれた景勝地であります。この二十ヘクタールの丘陵地とその前面の岩礁部から成る半自然海岸で、市街地に近接しているにもかかわらず、海岸林の動植物と海の動植物が平らな岩礁を挟んで同居し、森、磯、海の三者が一体となって一つの安定した生態系を形づくっていると言われておるのであります。
 この天神崎は、県が昭和四十七年に県立自然公園の特別地域に指定し、国立公園と同等の規制を行った地域でもあります。現に、この自然環境に目をつけて、田辺湾の南岸湾口近くに京都大学の瀬戸臨海実験所が設置され、また湾内の畠島は、海岸生物相を保護する目的で島全体が国有地化されているのであります。
 昭和四十九年、この自然の宝庫・天神崎に別荘地の開発計画が起こり、丘陵地の一部は開発業者に買い占められ、別荘地としての開発申請が提出されたことがございました。そのことを知った市民が、自分たちの手でこの自然を残そうと、天神崎の自然を大切にする会をつくり、署名や募金活動を始め、全国初のナショナルトラストとしての輪が大きく広がり、ついに開発予定地の買い取りに至ったわけであります。その後、天神崎の自然を大切にする会の財団法人化が進められ、昭和六十一年七月、財団法人として県から許可を受け、昭和六十二年一月には全国で初めて自然環境保全法人としての認定をされたのでありました。
 こうした天神崎をめぐる活動は、日本におけるナショナルトラスト運動の先駆けとして、全国的に、いや今ではもう世界的に有名となって、現在も各地に起こっておりますトラスト運動の先駆者として常に注目を浴びているところであります。
 天神崎の自然を大切にする会は、十数年にわたる血のにじむような地道な活動によって、全国から総額約三億三千四百六十二万の寄附を受け、買い上げた土地は約三万七千平米であります。これに田辺市などが買い上げた管理を委託されている土地を加えても、全体で約四万四千六百平米にすぎません。財団法人としての民間の組織であり、全国からの浄財にも限度があります。県でも、第二次買い上げ地域と呼ばれている地域を田辺市が買い上げるに際して、二千五百万円の補助金を出してこの運動をバックアップされております。
 最近のリゾート開発ブームの中で天神崎にも開発の動きが出ていると警戒をしていたやさき、特別地域内の一部がひそかに開発業者二社に転売されていることが明らかになったのであります。これは、天神崎の自然を大切にする会、あるいはこの運動のために寄附をされた全国の協力者の方々、そしてこの運動をバックアップしてきた田辺市や県に対する明らかな挑戦であると思うのであります。このような心ない開発業者に我々は屈するわけにはまいりません。
 そこで、私はこうした開発業者に怒りを持ちながら、今後、この業者からの開発申請がなされる場合、行政としては、これに対してあらゆる法を駆使してでも毅然として開発規制の姿勢を貫くべきであると考えます。なぜならば、それがこの種の開発業者の土地買い占めを阻止する最も有効な手段だと信ずるからであります。知事のこの点についてのお考えをぜひお聞かせいただきたいのであります。
 さらに、地価高騰の中で、民間の組織による特別地域買い上げにも限界があります。県は、これまでのかかわりから考えまして、田辺市とも相談しながら、早急に、せめて特別に保全が必要な地域だけでも、地方自治体がバックアップして買い上げるなどの特別な措置をしなければならないと思うのでありますが、これについても知事の見解をぜひお聞かせいただきたいと存じます。
 以上で、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
○議長(門 三佐博君) ただいまの鈴木俊男君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 鈴木議員にお答えいたします。
 第一点、今回の総選挙における消費税についての審判を知事はどう考えるかということでございます。
 お話ございましたように、私は、今度の選挙が国政を論ずる上で大変意義深いものであったと思います。特に消費税につきましては、昨年の四月に導入、七月の参議院議員選挙での結果、その後における見直し論議と、非常に目まぐるしい動きでございました。
 今回の選挙においても、消費税については見直し案等を中心に議論がなされたところでございますけれども、その結果を見ましても、国民の消費税に対する見方も随分変わってきたと感じておるところでございます。
 今後、新しい国会で日本の将来を展望して種々の論議が行われると思いますけれども、県民生活、また経済活動に不測の影響がないようにという観点から、私も注目してまいりたいと思っております。
 次に、平成二年度の予算編成に当たって留意した点、また単独事業に対する基本的な考え方でございます。
 議会冒頭において私が説明申し上げたところでございますけれども、平成二年度というのは、関西空港を大きなインパクトとして飛躍発展するときだと考え、そうした面において、編成に当たりましても、福祉の問題、健康の問題、教育文化等、諸施策の充実はもとよりでございますけれども、時代を先取りした投資的な事業の拡大を図ったところでございます。
 特に、総合交通体系上、緊急に整備すべき道路等については、半島振興道路、ふるさとづくり特別対策事業道路といった国の財源措置のある起債の活用を図りまして、実質的に公共事業並みの県費負担で県単独事業として事業の推進を図っておるわけでございます。
 また、国の公共事業の導入についても、県勢発展のための産業基盤整備等々を重点にいたしまして、最優先的に獲得に努めてまいったところでもございます。また、市町村の財政の厳しい中でございます。財政負担の軽減に努めまして、二年度では約五億円の市町村負担の軽減を図ったところでございます。
 いずれにいたしましても、国の公共事業を軸に、県費負担を十分念頭に置きながら、単独事業を有機的、体系的に組み合わせて、各般の施策の展開に取り組んでまいったところでございます。
 それから、新年度予算は規模、伸び率ともに大型になったわけでございますけれども、これは、話ございましたように、従来からの構想であった、また計画段階であった種々のビッグプロジェクト、例えば南紀新空港、マリーナシティ、図書館、美術館、医大の統合移転といったプロジェクトが本格的な事業を開始する段階に入ったわけでございまして、これらのプロジェクトが完成するまでの間、毎年度多額の財源が要るわけでございます。そうした中期的展望に立った運営が一層重要であると考えてございまして、特に和歌山県のように国庫依存財源比率の高い団体においては厳しいわけでございます。
 これから始まる第二次中期実施計画の策定に当たっても、事業費の的確な把握と基金の有効な活用により年度間の調整を図ってまいりたいと思っておるわけでございまして、計画的な運営を図ってまいる所存でございます。
 それから、土地対策でございます。
 お話ございましたように、最近の地価の高騰というものは非常に激しいものがございまして、私は、現在の日本における最も重要な社会問題ではないかと考えておるわけでございます。県としても重要な課題でございまして、専任の課を新たにつくって土地対策を進めてまいりたく、現在、検討を進めておるところでございます。
 また、このたび国において成立した土地基本法は、お話のように、土地に対する基本理念や施策の展開方法を定めたものでございます。土地対策の総合的な運用を図るためには、私は個別の法律、制度の活用が必要だと思うわけでございます。
 国においても、昨年の十二月二十一日に土地関係の閣僚会議が開かれ、住宅の問題、宅地供給の促進、土地税制見直しなど、十項目にわたって今後の土地対策の重点的な施策方針が定められてございます。これに基づいて国においても考えられると思いますけれども、県においても、やはり公共事業の実施を行うについても、土地収用法の改正の問題とか、地籍調査の問題とか、税制の問題とか、金融上の問題とか、具体的な諸問題があるわけでございまして、御提言のございましたように、各法律等が制定される際に当たり、知事会等を通じ、またあらゆる機会を通じて、そうした点を盛り込んでいただくよう積極的に提言してまいりたいと思っております。
 それから、大阪国際空港でございます。
 かねてから申し上げておりますように、私なりの主張を運輸省に申し述べてまいっておるわけでございます。私は、この問題の根本は環境問題だと思います。第一義的には国と関係自治体、関係住民の間で結論を出すべきだと認識してございます。
 しかしながら、仮に大阪国際空港の存続が決定されるとしても、国において関西国際空港は国内線、国際線両用の基幹空港として位置づけられておりますので、このことを前提として議論されなければならないと思っておりますし、大阪国際空港は関西国際空港の補完空港としての位置づけでなければならないと私は思っております。
 今後とも、関西国際空港により大幅な国内便の確保がなされるように、県選出の国会議員並びに県議会の皆さん、関係者の皆さんの強い御支援をお願い申し上げるところでございます。
 また、全体構想の実現についてでございます。
 特にありがたいのは、二区選出の二階代議士が運輸省の政務次官になったことでございまして、こうした点から国内便の確保の問題、また全体構想の実現についても、私は大いに意を強くしているわけでございます。
 近く審議会で諮問することになっておりますし、ことしの八月の予算編成期までに中間答申もあろうかと思うわけでございまして、ことしが正念場だと思うわけでございます。
 県内のそうした全体構想実現の協議会、また近畿全体の期成同盟会が相連携を深め、私も近畿知事会の会長もやっておりますし、また近畿の期成会の代表理事もやっておりますので、そうした面で皆さん方の御支援をいただいて、全力を挙げて努力してまいりたいと思っておるわけでございます。
 それから、世界リゾート博の取り組みについてでございます。
 -ウェルネスWAKAYAMA-「世界リゾート博」については、関西国際空港の開港を契機に、リゾート地域としての本県の持つ恵まれた自然、歴史、文化資源や産業など、和歌山の魅力を国内外にアピールするために開催するものであり、経済的な波及効果を初め、地域のイメージアップによる観光客の増加や企業誘致の拡大、また県民の連帯感の醸成、人づくりや町づくり、さらには産業の活性化など、多角的な効果を上げてまいりたいと思います。
 特に、本県が開催する博覧会は、リゾートをテーマにしたものでは日本で初めでございます。それだけに、体験、参加を通じてのおもしろさや楽しさ、また博覧会ならではの夢、未来性などの内容的な問題につきましても、いろいろな面を考えてやってまいりたいと思います。
 ただ、お話ございましたように、前提となる交通対策が大事だということでございます。いろいろな課題がございますけれども、県民の皆様の協力を得ながら努力してまいりたいと思っております。
 それから、紀淡海峡トンネル構想についてのマリーン・エクスプレス構想でございます。
 紀淡海峡トンネル構想については、話ございましたように、第二国土軸、瀬戸内海の環状交通体系、大阪湾環状交通体系といった交通体系の軸上に本県を位置づけていくということが極めて重要でございますので、その線に沿って推進を進めておるわけでございまして、近年、各界の皆さんが強い関心を持っていただいておるということ、非常に心強く思っているところでございます。
 御提案ございましたマリーン・エクスプレス構想も、私も読ませていただいて大変興味深く、一つの可能性であろうと考えます。今後、紀淡海峡トンネル構想の推進に当たり、御提案も含め、さまざまな可能性について広い視野から調査検討を進めてまいりたいと思います。
 それから、紀淡海峡トンネル構想の第二国土軸シンポジウムの開催でございます。
 昨年、大分県で、愛知県から大分県まで関係の十七府県の共催という形で開催されたものでございまして、それなりに私は意義があったと思います。その際に、大分、愛媛、徳島の知事さんと話し合って、このようなシンポジウムを単年度で終わらせることなしに続けてやろうじゃないかということで、ことし和歌山県で開催しようということで合意したわけでございます。その開催に当たって、関係の皆さんの御参加を得て、紀淡海峡トンネル構想の推進に一層の弾みをつけてまいりたいと思っております。
 それから、全国スポーツ・レクリエーション祭でございます。
 これに取り組む姿勢の問題でございますけれども、さきの国体で和歌山県のことを全国の皆さんに十分知っていただいた、またスポーツの振興に大いに役立った、このことが大きな思い出でございます。
 今回の生涯スポーツの祭典においても、和歌山県のすばらしいところを全国の皆さんに知っていただく、そして、関係する皆さんだけではなしに、すべての県民の皆さんが温かく県外の皆さんを迎えて、特に関西空港が近くできようとしておりますし、またリゾート構想が取り上げられておるときだけに、和歌山のよさを十分知ってもらうようにこの大会を進めなければならないと存ずるわけでございます。
 その進め方でございますけれども、昨年の二月に開催が内定して以来、準備委員会を設けました。そして、中央の主催団体及び関係機関と十分協議を重ね、開催期日、実施種目、会場地を決定するなど、諸準備を進めておるわけでございまして、去る二月二十三日には、約五百人の関係の皆さんの御参集を得て実行委員会を設立いたしたところでございます。
 しかしながら、具体的に進めるのはこれからが本番だと思うわけでございます。おっしゃられた趣旨を十分体し、積極的に対処してまいりたいと思います。
 歓迎等の問題については、教育長から答弁申し上げます。
 それから、天神崎のナショナルトラスト運動でございます。
 天神崎については、私も自然保護のシンボルとして非常に重要なことだと考えておるわけでございますし、この関係の皆さん方の御努力に深い感謝と敬意を持っておるところでございます。
 県においても、議会の同意を得て、昭和五十七年に二千五百万円の金を支出して用地の確保に尽くしたところでございますし、保全を図るための開発行為の規制等についても十分注意をしておるわけでございます。また、ナショナルトラスト第一号として全国最初の認定を受けるためにこの運動を支援してまいったところでございます。
 話ございました、この地域を開発しようとする者があるという問題につきましては、県立自然公園の規制を初め、あらゆる手法を使って厳正に対処してまいらなければならないと思っておるわけでございます。また、ナショナルトラスト運動は、民間の純然たる運動でございますので、私たちがその運動をどの程度応援していくかということも十分考えながら、そのトラスト運動が積極的に推進されるよう田辺市ともども考えてまいりたいし、また、その天神崎の地域の保全すべきところはどこかという問題もあろうかと思うわけでございます。岩礁地帯は国有地になっておりますから、基盤的に一番重要なところは保護されるわけでございまして、森林地帯のどの部分、一般地帯のどの部分にするかという規制範囲の問題、そしてまた、保全し守らなければならない地域をトラストの皆さんがどの程度までしておるか、見通しはどうかという問題等々あるわけでございます。そうした問題等につきまして、田辺市、そしてまた守る会の皆さん方の意見を聞きつつ対処してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(門 三佐博君) 総務部長斉藤恒孝君。
 〔斉藤恒孝君、登壇〕
○総務部長(斉藤恒孝君) 県税の予算計上については、その年度の財政運営に大きな影響を与えることから、適正かつ確実な見積もりに努めているところでございますが、平成元年度は、好景気を反映して、法人二税、県民税利子割、不動産取得税などにおいて当初予算を大幅に上回ったところでございます。
 平成二年度は、このことを踏まえながら見積もりを行い、特に本県の税収に大きなウエートを占める法人二税については、景気の動向等に大きく左右されるため、主要な企業からのヒアリングを行うとともに、数百社を対象にアンケート調査を実施したほか、各税目についても慎重に検討を加えたところでございます。
 その結果、今後の経済動向による点もありますが、法人二税、県民税利子割などについて引き続き順調な税収を期待し、積極的な予算計上を行ったところでございます。
 また、税収の体質改善についてでありますが、昨年の税制改革において、個人県民税、料理飲食等消費税、娯楽施設利用税が改正され、大幅に縮減された結果、本県の税収に占める法人二税のウエートが若干ふえているところでございます。
 この法人二税の税収構造を長期的に見た場合、昭和五十五年度から六十一年度においては大手三法人だけで四〇%程度のシェアがあったわけですが、近年においてはそのシェアが下がり、二〇%程度になっておるところでございます。このため、大手三法人を除くその他の法人については、法人二税に占める割合は昭和五十五年度の六〇%程度が最近では八〇%程度に上昇しているところでございます。県税収入の基礎となる本県経済の強化のためには、加工組み立て型産業の比率を高めるなど、今後も産業構造の高度化に努める必要があると考えております。
 また、自主財源比率については、御指摘のとおり、平成元年度三五・八%に対して二年度が三六・一%と、ほぼ横ばいでございます。これは、地方交付税や県債といったいわゆる依存財源の伸びが顕著であったことと、自主財源のうちの基金繰入金を元年度に比べ低く抑えることができたこと等によるものでございます。
 自主財源比率の問題については、東京一極集中という現実を踏まえた場合、地方交付税や地方譲与税という手法による地方間の格差是正はやむを得ないという議論も一方ではあるものの、やはり地方財政の運営に当たっては県税収入の元となる税源の涵養が重要であると考えております。このためには、企業誘致はもちろんのこと、安定した税源涵養につながる社会資本の整備、産業構造の高度化等に一層努力してまいらねばならないと考えております。
 また、財政構造の中で、人件費についてはその構成比が近年において毎年減少傾向にございまして、二年度当初予算においては元年度の三四・六%から一・六ポイント低下し、三三・〇%となったところでございます。
 しかしながら、低下したとはいえ、全国平均やただいま御指摘の近隣類似県と比較した場合なお高い水準にあること、また国の給与水準と比較したラスパイレス指数で見て全国第十位にあること等を見るとき、なお一層の努力が必要であると考えております。
 いずれにしても、今後の財政の弾力的な運営、特に県勢活性化のための諸事業を積極的に推進する上でも、人件費を初めとする義務的経費の抑制を図るため、引き続き行政改革に取り組んでいく必要があると考えております。
 次に、公債費の問題についてでございます。
 南紀新空港、図書館、美術館等の事業の本格化等により、県債残高が増加し、財政硬直化につながるという懸念があることも御指摘のとおりでございます。
 しかしながら、本県の活性化につながる社会資本の整備は本県にとって緊急の課題でございまして、その利益を享受する後世代との負担の公平や将来における税収へのはね返り等の観点から、県債の発行を考えていく必要があると考えております。
 いずれにしても、ふるさとづくり特別対策事業や半島振興道路等、国の財源措置のある起債の活用を図り、将来の公債費の県費負担軽減に努めるべく、今後ともできる限りの工夫を凝らしてまいらねばならないと考えておるところでございます。
○議長(門 三佐博君) 企画部長川端秀和君。
 〔川端秀和君、登壇〕
○企画部長(川端秀和君) 三点の御質問にお答えを申し上げます。
 まず第一点は、国土利用計画法監視区域の問題についてでございます。
 監視区域の指定に当たっては、その地域の地価動向、土地取引及び全国の地価動向、社会状況を総合的に判断して指定することとなってございます。
 県においても、県民生活の向上、県経済の活性化、また関西国際空港関連事業を初め公共事業等の実施に当たり、地価の安定は大変重要なことでございますので、地価上昇の見られた和歌山市を初め二市四町について、昨年、監視区域に指定いたしました。また、ことし三月十日から、海南市を初め紀の川流域の二市七町に監視区域を拡大し、土地取引の価格や利用目的について厳しく審査し、指導を行い、地価の安定や投機的取引の防止に努めているところでございます。
 また、監視区域に指定した地域については、詳細調査や地価動向調査を実施し、地価の動向や土地取引の状況の把握に努めているところでございますが、こうした調査結果を踏まえ、今後、届け出対象面積の引き下げ等、土地対策について時宜を失することなく、的確な対応を図ってまいりたいと考えてございます。
 次に、第二点の-ウェルネスWAKAYAMA-「世界リゾート博」の規模及び交通対策についてでございます。
 昨年四月に設置した和歌山地方博覧会準備委員会で検討をしていただいているとともに、庁内においても推進連絡会議で種々検討を重ねているところでございます。
 まず規模についてでございますが、会場としては和歌山マリーナシティの第一工区約二十七ヘクタールを主会場として、パビリオン等の施設を配置いたします。さらに、第二工区の一部を駐車場として活用するとともに、分散会場についても検討してまいりたいと考えてございます。
 次に、目標入場者数でございますが、他府県で開催された地方博覧会等を参考にしながら、現在、準備委員会で検討をしていただいているところでございます。
 また、交通対策については、来場される方々がスムーズに快適に入退場していただくためにも非常に重要なことであり、関係部局と鋭意検討しているところでございます。
 なお、具体的な対策としては、アクセス道路の整備はもちろんのこと、列車等の大量輸送手段の確保や臨時バス等の運行計画の立案等、ハード面・ソフト面両面について、関係機関、関係部局と十分な連携を図りながら、万全の努力を傾注してまいりたいと考えてございます。また、主会場である和歌山マリーナシティの特性を生かした海上輸送等についても、今後十分検討してまいりたいと考えてございます。
 最後に、第三点の紀淡海峡トンネル構想と大阪湾環状交通体系との関係についてでございます。
 紀淡海峡トンネルについては、先ほどの知事答弁にもございましたが、議員御指摘の大阪湾環状交通体系とともに、瀬戸内環状交通体系や、あるいは大きくは第二国土軸の形成という広域的な意義、役割があると考えてございます。こうした広域交通体系の軸上に和歌山県を位置づけていくことが本県の将来の発展にとって不可欠であると考え、その推進に努めているところでございます。
 大阪湾環状交通体系については、関西国際空港を核とし、和歌山県域を含む大阪湾地域の一体的な開発にとって極めて重要な視点であると考えてございまして、四全総の策定に当たっても国に強く働きかけ、その位置づけを実現してまいりましたし、また大阪府との間で紀淡海峡トンネルを近畿のリーディングプロジェクトとして位置づける等、関係府県との連携にも努めてきたところでございます。また、昨年九月には関西の産・官・学から成る大阪湾ベイエリア開発推進協議会が設立されました。また、国においても各種の調査が進められてございます。
 このように、関係機関の受け皿ができてきてございますので、こうした場へ積極的に参加するとともに、今後、強く働きかけてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(門 三佐博君) 土木部長磯村幹夫君。
 〔磯村幹夫君、登壇〕
○土木部長(磯村幹夫君) 世界リゾート博への交通アクセスについてでございますが、博覧会のような一過性の大量・多様な交通量に対応するには総合的な交通対策が必要なことは、企画部長の答弁のとおりでございます。
 その中で、議員御指摘の博覧会会場となる和歌山マリーナシティへの道路アクセスについては、混雑を避けるため、北及び東の二方向からの進入路として毛見一号線及び毛見二号線を計画し、現在、鋭意事業を進めております。
 京阪神方面等からの阪和自動車道を利用する交通については、海南インターからは直接四十二号を経由して、また海南東インターからは、現在整備中の都市計画道路築地阪井線及び四十二号を経由して毛見二号線に至るルートを考えております。
 また、主要幹線の機能確保という観点から、国道四十二号の紀三井寺─海南間の交通混雑の対策として、県も協力の上、毛見トンネルの事業促進を図るとともに、紀三井寺交差点の渋滞対策の実施を国に強く要望してまいります。特に、紀三井寺交差点については、当面の対策として実施可能な渋滞対策を講ずるよう、国に働きかけてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(門 三佐博君) 教育長高垣修三君。
 〔高垣修三君、登壇〕
○教育長(高垣修三君) 第三回の全国スポーツ・レクリエーション祭の開催に関して、まず歓迎体制等についてお答えを申し上げます。
 このことについては、先ほど知事からその基本的な考え方の答弁がございましたが、御承知のように、関西国際空港の開港を目前に、しかもさらに飛躍的な本県のこれからの進展を考えるときに、全国の皆さん方に本当の和歌山を、そのよさを知っていただく絶好の機会であると私どもは考えてございます。
 県が主催をする各種のイベント及び観光行政とも関連をさせながら、本県の美しい自然に触れていただくとともに、県民の皆様方に御理解をいただき、心温まる接待等ができるように、全庁的な体制で進めてまいりたいと考えてございます。
 次に、施設の整備状況についてでございます。
 お話のように、基本的には既存の施設の有効活用を図ってまいることになってございますが、特にその中でもメーン会場となる紀三井寺公園陸上競技場については、内装、外装の改修等を行い、開会式会場に本当にふさわしいものになるように、その整備を行うことといたしてございます。
 また、県立体育館については、アリーナ部分の全面改修や室内の照明器具の増設等を加え、さらにまた、体力開発センターについてはオゾンによるプールの浄化装置を新設するなど、必要な改修を行ってまいることになってございます。
 次に、宿泊対応でございます。
 観光シーズンで、ホテルあるいは旅館等の確保が困難であるとも予想がされますため、関連の業者等の全面的な協力をいただき、参加者の宿舎の確保はもちろんのこと、配宿計画、接遇等に十分留意をし、受け入れ態勢に万全を期してまいりたいと考えてございます。
 最後に、開会式に参加をする関係者の輸送についてでございますが、先催県と同様、バスを中心とする計画輸送を行いたいと考えてございます。また、駐車場については、会場周辺の遊休地等を借り上げるなど、その確保に努力をいたしますとともに、マイカー利用の自粛に協力をいただきながら、今後、県警察本部等、関係の機関と十分連携を深め、円滑な輸送ができるよう総合的な輸送体制を講じてまいる決意でございます。
 以上であります。
○議長(門 三佐博君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 8番鈴木俊男君。
○鈴木俊男君 多岐にわたる質問をいたしまして、ほぼ期待をしております答弁をいただきました。
 ただ、なおただしたい点もありますが、発言時間がもう二十五秒というふうに言われておりますので、時間がありません。今後の議会活動の中で、これらを明らかにしていきたいと存じます。
 以上で、終わります。
○議長(門 三佐博君) 以上で、鈴木俊男君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
○議長(門 三佐博君) この際、暫時休憩いたします。
 午後零時八分休憩
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