平成元年12月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(田中実三郎議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

○議長(門 三佐博君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 39番田中実三郎君。
 〔田中実三郎君、登壇〕(拍手)
○田中実三郎君 質問に先立ち、事務局へ届け出をしている質問要項を、皆さん方に御迷惑をかけない範囲で順序変更させていただいて質問いたしますことを御了承願います。
 まず一番目、新行革審の地方小委員会から報告書が出されましたが、これと関連して県当局の見解について二、三お尋ねをいたしたいと思います。
 地方の行革審の方向については、形は若干変わるものの、地方自治法の改正の面を柱として取り上げたのが一回、また道州制の問題と権限委譲の面を元中山郵政大臣の閣議の中での発言と関連して関西経済界の動向をも取り上げ、全国知事会の論議内容について知事にただしたのが第二回、つまり地方小委員会の問題については今回で三回目の質問だと記憶をいたしますが、新行革審地方小委員会から最終報告として過日発表されましたので、若干、和歌山県の現況といった立場での見解をお伺いいたしたいと思います。
 まず一つ目。特別地方公共団体として、都道府県、郡市、市町村の各段階で連合制度が発足するということ。このことは、古く町村合併促進法が施行された際、小さな一村では国の助成も少なくなる、町村合併をしなくては将来運営できないんだと、俗に言うあめとむちを振りかざした中央の行政指導からであったというのは周知のことでありますし、広域行政の長所も若干あったことは事実かもしれませんけれども、また一面、考え方によっては下意上達の道が阻まれたことも否定できないと存じます。新しい境界に起因する経済圏と行政区画の矛盾と混乱が生じたことも、我々は十分体験をしてまいったところであります。
 この連合制度を柱にして、事務権限を大幅委譲し、消費譲与税に譲与制限を導入し、国庫補助負担率に格差を設けることもきつく示唆しているし、歳出規模の伸び率を名目成長率以下に規制することも明らかに提言をされています。さらには、補助金の整理統合等を含んだ百四十二項目の改善事項も明確に打ち出されたと聞きます。細部にわたる説明はつまびらかでありませんけれども、今月二十日には首相に答申をするとのことなので、過去に繰り返されたように、知事会で反対をするとか全国議長会で修正案を検討する等の作業は非常に難しくなるのではありますまいか。
 そこで、府県連合制度に対しては、伊丹飛行場存廃問題、今和歌山県の置かれている実情の論議過程や分水問題などの大阪との関係の経験に基づいて知事はどんな見解を持っているのか、知りたいのであります。
 総務部長からは、地財計画の伸び率と名目成長率との関係、自治省と大蔵省の過去数度にわたる地方交付税の前借り、過去の返済、減率の問題、権限委譲等での県別立地の得失問題等の経緯から、百四十二項目の改善提示について、全国的立場つまり自治省派遣という立場でなく和歌山県総務部長として現状の立場でどう考えるか、承りたいのであります。
 次に、農林水産部関係でお伺いをいたします。
 農業問題に関する過日の石田議員の質問を承って、社会党へ籍を置いてあったんかいなあと思うぐらい高邁な御意見を拝聴して、これは私も原稿を書き直さないかんなと、実は考えました。同僚・石田議員の質問も十分頭に浮かべながら、今日まであらゆる角度で討議をされてきた輸入自由化やら休耕田の問題はさておいて、今回、第十九回日本農業賞の和歌山県代表として決定された南部川村の山本茂氏の農業経営に関する問題、打田農協のイチジク栽培に関し、和歌山県農業団体からの推薦文の内容を拝見しながら、頭に浮かんだ事柄をも含めて農林水産部長に質問をいたしたいと思います。
 一番目、かんきつから梅への転換について。
 ミカン対策は、単に木を切り捨てた畑に対して反当たり二十万だとか三十万だとかの助成ということで行政の責任を果たしたとは申されないのではないでしょうか。つまり、過去、数年にわたって和歌山県の生産増、国民の消費見込み量等々を、農業経営者を含め和歌山県民に、長期計画の中で単に農林水産部ではなしに、和歌山県行政の方針として標榜し、その植栽なりミカンの方向を指導してきた行政としては、今日の時代の流れ、中央政情の方向転換とだけの弁解で済ましていいのでしょうか。
 一、自由化に対応して県が今までとってきた方策の実績と成果を、生産と販売の二面に区分してお答えをいただきたいのであります。
 二、また、和歌山県の農業経営者は、自由化に伴うかんきつ類の将来に対する期待薄れから、一つの逃げ道とでもいいますか、梅への転換にといちずに望みをかけています。これまた、梅の先行き不安が各方面で話題になっています。既に、本年産の梅干しの売れ行きが悪く、生産者の手持ち増大になっていることにかんがみ、県はこの農業経営者の不安を解消し解決するためにどう指導していくのか。
 例えば、梅の受精交配の重要性から、現地においては品種を混植しているというふうな措置もしていますが、梅の品種別に、これは青取り用、これは小梅、これは干し梅用というふうに区分する植栽指導をし、労働力の配分と価格の安定化を図るなどの全県的な行政措置なり指導をしないと、梅の仲介人あるいは梅の商売人の助言を今後の方針のよりどころにしているとも考えられる農業経営者は、近き将来また今日のかんきつ類の実情の繰り返しになるのではないでしょうか。部長の見解と方針を承りたいのであります。
 二番目、農業経営者は、終戦当時、まずは国民の食糧確保が先決との国是で、巨額の投資をして──これもみんなの税金ですが、海を埋め、湖を埋めて稲作に拍車をかけ、反当たり生産の奨励をして日本一と褒めそやし、稲づくりに農家を駆り立てていた。それが、いつの間にか工業立国の方向に政策転換し、田中総理の日本列島改造論、中曾根総理の民活導入の土地政策、またこれらの政策立案当時、すべて番頭役を務めたのが竹下総理であり、さらには竹下総理のふるさと創生政策も土地問題に大きな影響を持つ政策を提起しており、リクルート事件の発端も、考えてみれば川崎市の土地転がしに似た事件から拡大したものと言って差し支えないと思います。こうした中央の流れからして、部長に二点お聞きをいたします。
 一、農協が、事業の一部として宅地等供給事業を行っていますが、農業経営者は幾ら自分の持っている土地が値上がりしても、土地を手放すということは生産基盤を手放すことになりますから、本来、農業経営者を守る立場の農協の姿勢として受けとめがたいのであります。部長は、県下農協のこの種不動産業の拡大についてどんな見解を持つのか、答えられたいのであります。
 二、過去における海南のジュース工場、田辺のバークミン工場等、農業振興のためにという標榜で実施した施設が、今日、いずれも幾つかの問題点を抱いています。販売面の事情が共通の問題点だというふうにも承っています。開設当時の決算施策の成果表に県が記載をされているような農業振興にこの二つの工場はどう役立っているか、これの問題解決にはどう対処しているのか、お伺いをいたしたいのであります。
 知事提案の予算説明書雑一ページの債務負担行為の案件とこの二つの工場との関連はあるのかどうか、お伺いをいたしたいのであります。
 三番目、近畿農政局の策定した二十一世紀へ向けての近畿農政の基本方向と和歌山県農業行政の方向についてお伺いをいたします。
 一、農政局の基本方向は、その前段に明確に示されているように、農政審議会の報告を基本方向にしているのでありますが、その内容を通読いたしますと、中国自動車道、北陸自動車道、全国の高速道路網、瀬戸大橋、関西新空港の交通体系の整備により、京阪神市場への出荷増加となり、伝統的産地と振興産地との競争が激しくなると定義づけをしています。
 かつて、四国の輸送実情と和歌山県の輸送の実情とを比較し、具体的には、「農産物を積んだトラックが高松の港で毎朝何台フェリーを待っている」ということまで引例して、紀淡トンネルの促進を重要施策にしている和歌山県行政の点を質問したことを思い浮かべますが、この和歌山県の施策が及ぼす農業経営者への影響については当時の知事答弁と変わりはないか、またこの質問のときに農林部が約束をしたその後の和歌山県の状況について、和歌山県の農行政への影響をどういう点で掌握しているか、おわせてお答えをいただきたいのであります。
 二、量や価格よりも食料品の安定性や鮮度、本物等への関心が高まるので、このニーズへの対応を京都農政局は提起していますが、全国的に起きている有機農業等との関連で、和歌山県の農行政の方向を部長からお答えいただきたいのであります。
 次いで、放射性同位元素の輸送についてお伺いをいたします。
 議案第百四十一号決算承認の資料の中で、「昭和六十三年度主要施策の成果」の総務部関係の十五ページに、消防学校教育訓練実施事業で四百五十八万四千円が記載をされ、報告されています。「市町村消防職団員等に対して教育訓練を実施した」と、解説を加えています。
 これを拝見いたしまして、私の脳裏になぜか三年前の大きな出来事であるソ連チェルノブイリの事故報告を読んだときの印象が浮かんでまいりました。それは、最初に事故現場に駆けつけたのは発電所職員と消防士であって、二十八人のうち六人が当日死亡したという記事であります。負傷人員数は別といたしまして、日本でも消防士が事故突発時には常に第一線に立っていますし、一一九番の救急車も消防署の所管であったと連想いたしますと、日本には放射性同位元素を扱っている企業などが約五千カ所あると聞き及んでいますし、私も調査いたしましたが、大阪府の最南端に位置する熊取、つまり和歌山県に一番近いところには京大実験用の原子炉五千キロワットの中性炉がたしかあるはずです。そして、そこでは医療を含む諸実験をやっているとも聞きますし、たしか去年の秋、重水漏れの事故があったとも聞き及んでいます。いろいろと資料を集めてみると、輸送については警察が窓口になっていて、発送元で届け出を出すように規定されています。
 では、和歌山県ではこの輸送がなかったのかということが心配になったので県警に調査を依頼いたしますと、平成元年には田辺市国立病院で発送、到着二件があります。いずれもコバルト60、十七・八五グラム、BU型と報告を聞きました。
 そこで総務部長、この種の問題について消防法の救助に関する基準についても、例えば人口十万人以上の都市における云々という条項も存じていますけれども、消防防災の取り組み面での今までの実績と将来計画についてお答えをいただきたいのであります。
 付言いたします。関西空港も進んでいます。単に、この輸送の国で決めている幹線が和歌山県を経由していないといたしましても、指定をされている滋賀県なり大阪なり京都なりに、万一、交通網の阻害をする事故があったとするならば、空路輸送、海上輸送あるいは国道の和歌山県への迂回路等々も考えられます。つまり、白浜空港なり関西空港を使ってくる場合には航空法で規制をされる、あるいは海上輸送の場合には海上保安法規で規制される、こういう面等も考慮に入れながら、将来計画についての御意見をお聞きいたしたいのであります。
 次に、消費税の問題についてお伺いをいたします。
 消費税の税制設立の不当性については、いみじくも、きのう参議院で廃案が通過をいたしました。過ぐる七月の参議院選挙の結果や十二月一日に発表された政府の大幅見直しと称する見直し案の内容等からいたしましても、今さらちょうちょうと議論するまでもなく、この税制改革は、拙速のそしりが国民の不平不満となり政治不信の世論がほうはいとわき出たことについては、まことにむべなるかなと申さなくてはなりますまい。
 さて、中央での論議は論議といたしまして、県段階における消費税転嫁に伴う問題点を二つ三つ提起し、総務部長の見解を求めたいと思います。
 一番目、県が発注する諸事業に関する設計段階では、設計指数の中に消費税を加算しなくて、落札価格に押しなべて三%を加算するという方向をとっていることは、本来、消費税を加算すべきでない労務費、つまり労賃とか労働者の時間外勤務にも三%を加算していることにあると思いますが、この点については総務部長はどう思っていらっしゃいますか。また、私の発言どおりの事実があるか、お答えをいただきたい。
 二番目、消費税が一番国民に受け入れられなかった点は、もちろん逆進性、不公平是正が満足していない等の諸点もありましたけれども、根強く不満を感じているのは消費者が負担をした税金が実際に国庫に納まっているかどうかの問題、つまり簡易課税方式の問題点あるいは税そのものの機構の仕組みに対してより強い関心があったと私は考えています。
 十一月二十日過ぎ、ふとテレビのスイッチを入れました。画面いっぱいに旧知の方の顔がクローズアップされました。頭こそ私同様しらがになっていましたけれども、面影は残っておって、確かに旧国鉄の田辺で勤務をしていらっしゃった宮路君であります。忘れもしないこの方は、非常な好青年で頑張り屋でありました。たしか、現在座っていらっしゃる寒川人事委員長とも交友のあった方です。何でも、そのテレビの放映を見ていますと、今回の消費税の運用で来年三月までに八百万円ばかりもうかるそうです、税金で。テレビで宮路君が言っていた金額と十二月一日付で新聞に載った活字とで若干数字が違いますから活字の方の数字を申し上げると、八百万円です。年商五十億だそうです。東京で電器商をやっていらっしゃいます。テレビではもっと大きな金額だったんですが、活字のとおり言いますと、八百万円ばかりの利益を生むので、その分を還元してバーゲンをやるんだ、こういうことです。アナウンサーが、「よその店はどうですか」とマイクを持っていったら、「よその店もうまくやってましょうかい」というのがその方の答弁。また、新聞記事によりますれば、NTTのこの種運用利益金は三カ月で五億円だと言われています。
 こうした事実関係からいたしますと、県下の法人関係では運用利益金は相当額になると思われますが、Aとして、法人県民税はどのぐらいを想定していらっしゃるのか。
 また、この確定判断は単に書類上だけの申告制度でありますけれども、申告だけを信用するということではまずいと思う。今までの税金の例から言って不正確と思考されますから、Bとして、部長はどんな方策でこれの課税相当額を把握する方策を現在検討していらっしゃるのか、見解を示されたいのであります。
 次いで、議案の六十三年度決算について若干お伺いをいたします。
 一番目、「議会参考資料」の三ページの表によると国庫支出金が相当減額になっていますけれども、分担金及び負担金がなぜ増額になっているのか。もちろん、その内容に種々凹凸のあることは十分心得ていますけれども、概念的に国庫支出金、分担金及び負担金との相関関係からすれば不審に思いますので、これをお伺いいたします。
 二番目、同じく同表によりますと、財産収入が予算額に比して増額をしております。売却予定の箇所がふえたのであるか、あるいは一件物件の増額売却であるのか、予定箇所の増加であるならばどこが予定よりも増加したのか、お教えをいただきたい。
 三番目、決算成果表の十四ページの財産管理費の決算における減額は、世に言われる「和歌山県一円入札」との関連があるのかどうか、お伺いをいたします。
 四番目、十五ページの消防防災関係のことについては、別途の質疑の中でお答えを下さい。
 五番目、十七ページの消費者教育の実施事業で、特に消費生活に重要な関係を持つ消費税実施を目前にした六十三年度でありますから、県が常に標榜している「賢くなる消費者」ということから、消費税に関して賢くなる消費者となるよう教育をしたのか。また、その成果の具体的なものを説明していただきたいと思うのです。
 六番目、二十ページの電源立地地域振興事業として、日高町、日置川町に対する事業補助は具体的にどんな事業であったのか、またその両地域における価値判断についてお伺いをしたいのであります。
 七番目、四十ページの身体障害者連盟に対する補助で、内部障害者の取り扱いについて連盟の中で若干問題があると理解をしていますが、これについては御承知をしているのか。また、二項目の合計よりも「その他」の項目の方が支出金額が上回っています。明確に出す二項目よりも「その他」項目の方が多いというのはどういった意味合いを持つのか。
 以上、決算書作成者あるいは担当部長の方から答弁をお願いいたします。
 次に、庁内電話回線工事設計入札の件、世に言う「一円入札問題」についてお伺いをいたします。
 昭和三十三年、皇室御所の改築の際、某業者が一万円で応札をして世上で問題になりました。この問題は、少なくとも入札業務にかかわる人々の間ではいろんな角度から意見があり議論を呼んだところでありますが、事皇室に関する問題でもあったせいか、表面では比較的穏やかな論議であったと記憶をいたします。ともかく、いいことではないと結論づけられたことは事実でありましょう。その当時、たしか落札下限価格が設けられたのも一万円入札は妥当でないという世論からであったと、私は理解をしています。
 今回の事案は、この一万円応札とはその主因が大きく異なっています。次回の工事請負を有利にと申すよりも、独占をしたいための業者の布石であったと理解すべきです。和歌山県では、富士通が基本設計を一円落札し、次回の本体は日本電気が競争入札でなしに随意契約でなされたようであります。
 新聞発表などによりますと、県は、法的に問題はない、自治省の指導もいただいた等々、弁解がましく言っていらっしゃいます。去る一般質問の第一日目、山本議員の質問に対しても、総務部長は、質問者からの今後にわたる県政に対する体質論議については何ら答弁をされていらっしゃいません。
 私は、「社会通念上から見ても必ずしも妥当とは言えないと考えておりまして、今後は公正な取引の秩序を乱すことのないよう努めてまいりたい」との部長答弁の部分を重要に考えていますが、この答弁どおりの理解に立つと、当然、指名競争入札等参加者登録要綱の第七条「指名競争入札等参加者が登録期間中次の各号の一に該当する場合は、直ちに登録を解除し、その事実があった後二年間指名競争入札等に参加させないことができる」と規定し、その二項には「指名競争入札等において、その公正な執行を妨げた者又は公正な価格の成立を害し、若しくは不正の利益を得るために連合した者」と定めており、富士通の応札態度は、当然「公正な価格の成立を害した」と私は考えます。したがって、登録解除、指名停止は当然と考えていますが、これの適用についてはどうなっているのか、明らかにされたい。
 もう一点は、よその県はともかくとして、和歌山県は一円入札を二回やっています。部長のおっしゃるように、悪かったんだ、秩序を乱したんだというのが反省の言葉であるとするならば、なぜ二回もやったのかということが浮かんでまいりますが、二回施行したそれぞれの入札月日と金額について、この際明確にしていただきたい。
 以上、私の質問を終わります。
○議長(門 三佐博君) ただいまの田中実三郎君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 田中議員にお答え申し上げます。
 新行革審の地方小委員会の報告の問題でございます。
 話ございましたように、地方自治にとって最大の論点は、中央集権化を是正し、地方の活性化を図っていくことではないかと存じまして、これまでも権限委譲について強く国へ働きかけてまいったところでございます。
 今回発表されました小委員会の報告は、都道府県の区域を超えた広域的な行政について自治体間の関係において新しい提案がなされておりますけれども、私はまず第一点に、地方への権限委譲等、地方自治の強化ということで検討されるべきではないかと考えております。そしてまた、御指摘のあった連合制度は重要な問題でございますけれども、権限とか組織等、具体的な内容は示されておりませんので、今後、国における検討を見守りながら対処してまいりたいと存じております。
 それから、近畿農政局発表の資料と紀淡トンネル構想について、私がさきに申し上げた問題について変わりはないかということでございます。
 私が当時申し上げましたのは、紀淡トンネルができるときは、もう四国からの橋は四本できておる、交通体系は大きく変わっておる、それゆえに農業においてそれほどの変化はないということでございました。
 先月でしたか、東海南海連絡道関係の都道府県等が寄りましてシンポジウムを開催いたしました。その際に、四国と中国との橋はできたけれども、四国だけでは農業のみで他の産業において活発味がない、だから豊予海峡もやるべきではないかという意見があったわけでございます。
 紀淡トンネルは、単なる和歌山と淡路、徳島を結ぶ線だけではなしに東海南海連絡道としての道路的性格も持っておるわけでございまして、愛知から九州まで及ぶ道をつけるということが産業の面において大きな前進があるし、農業においてさしたる影響はないんではないかと思っております。競合する分野はあるけれども、また発展する分野もあると存じておる次第でございます。
○議長(門 三佐博君) 総務部長斉藤恒孝君。
 〔斉藤恒孝君、登壇〕
○総務部長(斉藤恒孝君) 多岐にわたって御質問いただいたわけでございますが、まず新行革審の地方小委員会の報告でございます。
 国と地方の関係につきましては、かねてから国の地方に対する関与、規制等の整理や地方財源の充実など、地方自治の拡充強化のために既存制度の徹底した見直しを行うよう強く要請してきたところでございます。
 例えば、地財計画の伸びと名目成長率の関係については、簡素で効率的な行政を実現する必要はありますが、一方で、都市、生活環境など社会資本の現状からその整備を進めていく必要があり、また個々の地方団体によっては基盤整備等の地域間格差があることも事実であり、これを一概に原則的に伸び率をいかにするというようなことを言うのはいかがなものかと考えております。
 また、権限委譲等について、今回の小委員会報告では比較的小さな項目について百四十二項目にわたる個別改善事項が挙げられておりますが、本県の活性化を図っていく上では農地転用や都市計画など地方の自主性を強化することが重要であり、かねて知事会でまとめていた改革案に比べてなお十分でなく、検討が必要と考えております。
 二番目に、放射性同位元素の輸送についての問題でございます。
 御指摘の放射性物質については、原子力施設等で使用される核燃料物質と、それとは別に医療や検査に用いられる放射性同位元素いわゆるラジオアイソトープというものがございます。
 本県には核燃料物質はございませんが、医療や検査等に利用されるラジオアイソトープが約三十カ所あり、これは科学技術庁の方へ直接、許可または届け出がなされております。
 ただいま御指摘の東京と国立田辺病院間で輸送されたコバルト60は、がん治療用に使用される医療用のものでございまして、平成元年中の輸送は県下においてこれだけであります。このようなラジオアイソトープの輸送に関しては、国の安全基準により規制されており、届け出の必要なものについては関係の公安委員会へ輸送ルート等が届け出られておりまして、万が一、輸送中に交通事故等が発生しても漏えい等が起こらないよう厳重な対策が講じられているものでございます。
 また、消防機関に対しても、国の定める輸送時消防対策マニュアルを配付して指導を行っているところでございますが、今後とも講習会等の機会を通じて知識の普及に努め、防災対策が図られるよう検討してまいりたいと思います。
 三番目に、消費税の問題につきまして、県が発注する工事費の労務費について御指摘をいただきました。
 県が発注する工事費等にかかる消費税につきましては、御指摘のように、その落札金額に三%を上乗せして契約金額としているところでございます。県の工事等を受注する事業者にとりましては、その契約全体として消費税の課税対象となりまして、資材費等の課税仕入れにかかる税額は控除されますけれども、労務費や利益にかかる分については、いわば付加価値ということで課税され、税務署へ納税がなされるということになるわけでございます。
 次に、消費税の運用利益の問題について御指摘がございました。
 御指摘のように、現金取引の場合は消費者から預かった消費税を納税期限まで運用することが可能になりますが、取引によっては掛け売りの場合、また手形取引の場合もありますので、このような個々の状況を勘案して、運用益及びそれに対する法人県民税の額を推計することは困難でございます。
 なお、運用益が生じた場合については、それぞれの法人においてその法人全体の利益金としてまとめて計算されまして、国税及び地方税それぞれの法人関係税が課税されることになっているわけでございます。
 次に、六十三年度決算につきまして、国庫支出金と分担金の関連が若干でこぼこしているではないかというお話がございました。
 国庫支出金の決算額が予算額を三十六億円余下回っているのは、主に事業が翌年度に繰り越された場合に国庫支出金の収入も翌年度となるため、当該年度には収入とならないことによるわけでございます。
 一方、地元負担金等の財源は、繰り越しの場合も原則として当該年度内に収入済みとなり、財源として翌年度に繰り越されるという取り扱いになりますので、決算額が予算額を下回るということにはならないところでございます。
 また、この六十三年度決算につきまして、財産収入が予算額に比べて多いのではないかということでございます。
 御質問の財産収入のふえているうちの主なものは、一般土地家屋で国立高等専門学校に貸し付けている土地のうちの一部を四十二号の歩道工事のために建設省紀南工事事務所に対して歩道用地として売却したもの、及び廃川廃道敷地を売却したもの等でございます。
 次に、財産管理費の決算については備品購入費等の執行残でございまして、一円入札との関連はございません。
 次に、指名競争入札等参加者登録要綱というものを県が定めているんではないか、これとせんだっての入札との関係はどうなのかという御質問でございます。
 ただいま御指摘の要綱は、定型的契約が反復して行われる物品購入の契約に関するものでございまして、今度のディジタル回線網の基本計画の委託設計に適用できるものとは性質が違っておりますので、よろしく御理解をお願いしたいと思います。
 また、一円入札について二回あったではないかということでございます。
 それぞれ必ずしも妥当な額とは言えないと考えましたが、関係機関と協議の上、法律的には何ら問題がないとの結論に達しまして契約したところでございます。
 なお、入札の月日でございますが、ディジタル通信の方が六十二年八月十二日、コピー機の方が六十三年五月十六日、それぞれ一円で契約しております。
 今後は、これまでの論議を踏まえた対応を関係者へ要請してまいりたいと考えております。
○議長(門 三佐博君) 農林水産部長安田重行君。
 〔安田重行君、登壇〕
○農林水産部長(安田重行君) お答え申し上げます。
 ミカン対策について、行政の責任という観点から自由化への対応として県がとってきた方策、実績、成果、これを生産、販売別々にという御質問であったかと思います。
 温州ミカンについては、これまで本県の基幹品目として需要に見合った産地の拡大に取り組み、農業経営の安定向上に大きく貢献をしてきたところでございますが、その後の急激な消費構造の変化の中で需給の調整を図ることを余儀なくされるに至ったものでございます。
 このために、全国に先駆けて昭和五十年度から温州ミカン百万本改植事業を実施するなど生産体制の強化を図るとともに、高品質ブランドとして味一あるいは完熟果実の生産、販売に取り組み、その成果を見ているところでございます。
 さらに、オレンジ果汁の輸入自由化の決着問題に伴って今回のかんきつ園地の再編対策がなされるわけでございますが、議員が言われるように、木を切ればいい、そうすれば金を出すということで済む問題であるとはゆめゆめ考えてございませんけれども、オールジャパンで二割の生産調整を、しかも適地適産を主体にやることがこの再編対策の大きなねらいでございます。したがいまして、これを積極的な発想で、絶好の機会というふうにとらまえまして、生産面においては、基盤整備はもとより地域特産果樹、野菜、花卉、施設園芸の導入、また販売面においては、品質を重視したブランド商品の確立、マスメディアを通じた消費拡大の推進等に努めているところでございます。
 次に、梅への転換が多いが、ミカンの二の舞にならないのかという御質問でございます。
 梅の生産指導についてでございますが、さきに、かんきつ産地対策推進本部が示した地域別地帯別転換先品目指標に基づき、適地適産を基本として農家が自主的に選択導入することにいたしてございます。
 梅は、健康志向の高まりによる旺盛な需要に支えられて価格が堅調なことから、転換先品目として多く導入されており、このため労力の配分に配慮しながら、南高、古城、小梅等、品種構成を考えた指導推進を図っているところでございます。また、需給の不均衡が生じることのないよう、平成二年に公表予定の国の果樹農業振興基本方針の見直しに当たり、過剰植栽とならないような配分を国に対して強く申し入れているところでございます。
 次に、農協の宅地の取り扱いで、不動産事業拡大の問題でございます。
 農協の宅地等の取り扱いについては、農業協同組合法の規定によって宅地等供給事業を行うことができることになってございます。これは、組合員農家の生活の安定に資するために農協と組合員が主体となって農業との調和のとれた計画的な地域開発を進めるのがこの事業の趣旨でございます。
 本県五十農協のうち、この事業を定款の中に定めているのは四十二農協でございますが、実際に事業活動を行っている農協は三農協と把握をいたしてございます。
 県といたしましては、事業実施に当たりまして、いずれにせよ農協法の精神を逸脱しないように、今後とも適正な事業の運営が図られるよう指導してまいりたいと考えてございます。
 海南のジュース工場、田辺のバークミン工場等の問題あるいは補正予算の問題でございます。
 県農協連の果汁工場は、昭和四十六年にミカンの需給調整と需要拡大を図る目的で建設されたものであり、生産量の急増により一時は過剰在庫を抱えたこともありましたが、その後、近代的な施設整備と先進的な技術を導入し、自社ブランドの販売努力に加えて、大手ボトラーの委託加工により安定した工場経営を維持しているところでございます。生果の価格安定とミカン農家の経営安定に大きく貢献いたしてございます。
 今後とも、消費者ニーズに即応した高品質果汁の製造販売、新製品の開発にさらに一層取り組んで、農家経営の安定に寄与するよう指導してまいりたいと考えてございます。
 田辺のバークミン工場については、昭和四十四年に操業を開始以来、土づくり対策の一環として高品質生産を図る上で農家の経営に大きく寄与いたしており、現在では生産、販売ともバランスがとれておりまして安定した内容となってございます。
 次に、今回十二月補正予算でお願いをいたしております債務負担行為については、輸入自由化に関連して、本年七月、特定農産加工業経営改善臨時措置法が制定されたことに基づいて国の制度創設がありました。それに伴って農産物の加工業者の体質強化に対処するためのものでございますが、お話の果汁工場とは直接関係はございません。
 次に、紀淡トンネルの関係でございます。
 知事から基本的に御答弁がございました。高速道路網等の整備によって産地間の競争が激化することは、田中議員御指摘のとおりでございます。
 紀淡トンネルとの関係を特に申し上げますと、輸送条件や四国の農産物の生産状況から本県農業へのマイナスの影響はないと考えてございますが、長期的な展望に立って、今後とも他産地に負けない競争力のある産地づくりは強く目指していかなければならないと考えてございます。
 最後に、有機農業との関係でございます。
 最近の健康食品や味、鮮度を重視した本物志向等、消費者ニーズの高まりに対応して、施設園芸や味一果実など高付加価値型農業の確立を目指しているところでございます。有機農業も、こうしたものの一つであると考えております。
 有機農業には、病害虫防除や販売システム等、解決をしなければならない問題がございますので、現在は有機農業の成立条件調査、特産野菜病害虫防除技術確立などの技術開発に鋭意取り組んでいるところでございます。
 以上でございます。
○議長(門 三佐博君) 企画部長川端秀和君。
 〔川端秀和君、登壇〕
○企画部長(川端秀和君) 昭和六十三年度決算書についての二点の御質問にお答えを申し上げます。
 まず第一点は、消費者教育についてでございます。
 消費者を取り巻く環境が複雑、多様化する中で、消費者行政といたしましては、従来の消費者被害の防止にとどまらず、判断力を持った賢い消費者の育成が必要であると考えてございます。
 昭和六十三年度消費者教育事業といたしましては、消費生活に関する一般知識についての各種講座を充実させるとともに、「くらし号」による移動消費生活センターとして出張講座も開催いたしてございます。また、テレビ、ラジオ、リーフレット等によりまして、悪徳商法等に関する消費者啓発にも努めているところでございます。
 特に、消費税法の成立から施行までの間、物価行政の一環として物価情報提供紙等に掲載するとともに、講演会を開催するなど、消費者一人一人が物価と消費税との関連等について理解を深めていただき、消費税導入後の価格への転嫁が適正に行われているかどうか、消費者自身も監視していただくよう啓発してまいったところでございます。
 第二点は、電源立地地域振興事業補助についてでございます。
 電源立地地域振興事業に基づく地元市町村への補助は、重要電源等立地推進対策補助金と電源立地地域温排水対策費補助金の二つがございまして、全額が国庫補助金でございますが、昭和六十二年度からは県を通じて間接補助をいたしてございます。
 重要電源等立地推進対策補助金は、発電所立地の候補地を有する自治体が行う住民への広報、連絡等の活動に対する助成でございます。
 電源立地地域温排水対策費補助金は、発電所の温排水に関連する影響や有効利用等、漁業振興にかかわる調査等に対する助成でございます。
 この二つの補助事業は、発電所の立地についての地域住民の理解を進めることを目的として、それぞれの市町村で実施されているものでございます。
 以上でございます。
○議長(門 三佐博君) 民生部長高瀬芳彦君。
 〔高瀬芳彦君、登壇〕
○民生部長(高瀬芳彦君) 昭和六十三年度決算関係の二点についてお答えしたいと思います。
 まず、県身体障害者連盟における内部障害者の取り扱いについてでございます。
 当連盟の組織は、各郡市にある身体障害者連盟が構成団体となってございまして、内部障害者の方についてもその構成団体に加入していただいております。
 なお現在、連盟の内部組織として、視覚、聴覚、肢体不自由の三部会がございますが、近年、内部障害者が増加しつつある傾向にございます。県身体障害者連盟において、現在、内部障害者部会の設置について検討をしていただいているところでございます。
 次に、身体障害者福祉振興事業のうち、その他一千二十七万九千円につきましては、重立ったものとしては、県身体障害者スポーツ協会運営補助金や本県で開催された全国盲人施設大会、近畿聾唖婦人研修会等に対する補助金のほか、身体障害者相談員研修会開催経費並びに啓発資料の印刷製本に要する経費等でございます。その項目を「その他」としてまとめさせていただいたものでございます。
 以上でございます。
○議長(門 三佐博君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 39番田中実三郎君。
○田中実三郎君 段々の御答弁をいただきました。気に入らん点が多過ぎます。
 総務部長。まず、放射性物質の輸送の今後の考え方なり対処方針ですが、まるで、うまいことやっているのや、これからも同じようにやっていくのやというふうに聞こえてならん。
 私の心配しているのは、法的にどういう規制があろうとも、消防法で決められている、公安委員会なり警察本部へ届け出をしなければならないという規制の中にあることは事実です。それが一回も県下で輸送経路の中に入っていないんならともかく、元年の間に二回ある。しかも、それが国立田辺病院を発送元ととし到着としている。そういうあたりは、私は特に考えたいんです。しかも、和歌山に一番近い熊取に京大の試験炉がある。
 えてして放射能と言うたら──たしか笹野議員らと一緒に敦賀や美浜へ行ったときも、電力関係の方の説明は、「放射能って心配せんといてよ。テレビからも出ていますよ。腕時計の夜光文字からも出ていますよ。あるいは、空中にも無数にあるんですよ」。いかにも、ほんそこらに転がっていて害がないんだという言い方をする。害がないけれども、ただいまの日本の、あるいは世界の批准の中では、危険だから輸送経路まで届け出をさす、取り扱いを厳に十分させていくというふうに規定されているんですから、そのことに対応する姿勢を失ってもらっては、どっち向いた行政かわからん。つまり、県民の知らない間に危険物が動いている。
 じゃ、消防防災の中で平成元年に二回あったことを知っていましたか。私が、きょう言うまで知らなかったでしょう。警察で特別に認可をしているこういう輸送が現に行われているということすら、消防防災では知らなかった。こういう取り扱いをやっているということも知らなかったというあたりが私は問題だと思う。
 私の調べたところによると、探知器が和歌山市に二台あります。その他なし。もちろん、消防法の中では人口十万人以上と規制をしていますけれども、十万人以下であっても危険なことは危険なんです。和歌山市だけで探知器が二台だということでは大変だと思う。
 それから、消防の──私ははっきり専門語を知らないんですが。宇宙服のようなぎらぎら光る服を着ないといかんそうですね。じゃ、その服が消防団の中に何着既配されているのかということが全然関知されていないところに問題がある。
 こんなもの、まだ危険物──原子炉用の燃料が運搬されていないから大丈夫やというあたりが私はいけないと思う。危険物であるということについては同じことです。コバルト60ですか──専門語は私は得手悪いんやけれども。警察自体が重要視して、経路まで認可をしなければならんという面の対策がなってないということが問題です。
 時間がないので急ぎますが、将来対策、現在の配置、装置、それを答えてほしい。
 それから、一円入札問題です。
 お聞きしますと、六十二年八月十二日に一回やっているんですね。これがよかったと思ったから、もう一遍、六十三年の五月にやったんですか。そして、指摘をされ、世論がやかましいから、いけなかったことです、公正な価格じゃないんです、社会通念上問題があるんですと、今つくったんですか。
 私の言いたいのは、六十二年八月十二日にやったことはやった。しかし、法規では問題ないけれども、社会通念上、適正な価格を決めるための秩序を乱した行為だと理解をしたからやめたと言うんならわかる。しかし、やめないで六十三年五月十六日に再度やっているところに問題がある。そこに、和歌山県の欠陥があるんじゃないかというふうに心配をします。よかったんや、法律に準じてやったから間違いないんや、税金を一銭でも安く使って効果を上げていると言っているような気がしてならない。
 思い出すのは、年は忘れましたが、当本会議場において私は一般質問の中で、予算の中に卸値より安い価格で二輪車が二十何台計上されていたことを指摘した。地場産業の育成だと言いながら、卸値より安い値段で和歌山県の行政の中で二輪車をこれだけ買うてどういうことになるんや、何か原因があるのと違うかという追及をした。安いだけが能じゃない、適正価格を決めることが行政の一つの大きな使命だということを力説した。日ならずして、ほかの県でこれと同じ形で、盗難品だということで摘発をされた。和歌山県の二十何台が盗難品であったかどうかは県警本部しか御存じないことだけれども、何にしても、私が本会議で質問をやって、一週間を経ずしてほかの県で摘発をされて、同じように盗難品の二輪車を各地方自治体へおさめておったという事実があった。
 こういうことは、私はいけないと思う。反省がないじゃないか。口では、山本議員にもお答えがあったように、公正な価格を決める秩序を乱したんだ、反省をしていますと言いながら──反省をしたとおっしゃるならば、私が言ったように、指名競争入札等参加者登録要綱の七条の二項に「その公正な執行を妨げた者」──妨げてないんですか、あの業者は。一円で入札したことは「公正な執行を妨げた者」でしょう。「又は公正な価格の成立を害し」──公正な価格の成立を害してないんですか。一円で入札しておいて、一生懸命に試算をして入札した者の公正価格の成立を邪魔しているでしょう。ですから、七条の二項に違反をしていることは厳然たるもの。厳然たる違反行為をやっているのに再度指名入札をやらしているところに問題があるということを指摘している。この点を、もう一回答えてください。
 農政問題も若干ありますけれども、再々質問のときに言います。
○議長(門 三佐博君) 以上の再質問に対する当局の答弁を求めます。
 総務部長斉藤恒孝君。
 〔斉藤恒孝君、登壇〕
○総務部長(斉藤恒孝君) まず一点目の、放射性同位元素の輸送に関する問題でございます。
 放射性物質の規制については、その法的な権限が国の方に一元化されておりまして、現在の法体系が組み立てられております。医療に用いるもの、あるいは検査等に用いるものにつきましては、御指摘のように公安委員会という体系でございます。しかし、核燃料物質の輸送という事態になりますと、これはまた法体系が違います。
 そういう今後の可能性があるのかどうかという御指摘でございますが、そこらの点も含め、今後、研究検討してまいりたいと思います。
 それから、第二点目の適正な価格の形成ということでございます。
 私ども、入札して執行している場合に、まあそういうものが出るとは予想しないで執行したわけでございますが、結果的に六十二年と六十三年に、一つは委託契約で、一つはコピー機の問題で出ているわけでございます。
 この指名競争入札等参加者登録要綱についてもいろいろ検討したわけでございますが、第七条の二号の「指名競争入札等において、その公正な執行を妨げた者又は公正な価格の成立を害し、若しくは不正の利益を得るために連合した者」と、若干、価格の妥当性という意味では議論の余地があるわけでございますが、直ちにこれに当てはまるものではないという判断をいたしまして、その時点で契約をしたものでございます。
○議長(門 三佐博君) 答弁漏れはありませんか。──再々質問を許します。
 39番田中実三郎君。
○田中実三郎君 極めて不満ですが、時間がないので、これはまた機会を改めてやります。
 次は、農林部です。
 御答弁をいただきまして、一つ思い当たるんですが、販売面での対策が抜けていたように思うんです。答弁は結構ですので、そのつもりで聞いていただきたい。販売面で、もっと和歌山県全体の中で考えなならんのではないか。
 一つの例を言います。この間、実はリンゴのうまいのを食いたいなあと思って青森県へ注文した。三回注文しました。送ってくるリンゴの中に、きちんとこのぐらいのパックに入れて、これはリンゴジュースでつくったものですと。ラッキョウがある、ニンニクがある、大豆がある、これを食べてくださいということで、試食品を一緒に入れて送ってきた。リンゴを注文したのに、そういうものを一緒に入れて送ってくる。いいですね。非常に関心を持ちますし、県全体で販売に取り組んでいる熱意をひしひしと感じる。私の推測ですが、青森ではリンゴの木の下で大豆をつくったり、ラッキョウをつくったり、あるいはニンニクをつくったりして生産しているんじゃないかと思うんです。工場が青森県内ですから。
 和歌山県では、例えば潮岬のハナラッキョウがある、あるいは梅の加工も随分出ています。そういうものをミカンの注文を受けたときに取り入れて宣伝をするぐらいの心構えがなければ、農行政全体と言えない。
 いろいろ考えていくと、和歌山県の農行政の中で一つ欠けているのは、販売面が手薄だということ。熊本のミカンブランデーも拝見してきました。販売ルートも非常にうまい。静岡の有機農業も拝見したが、非常に立派だ。こういう面を、単なる他府県の例とせずに取り入れるべきではないかというふうに私は思う。
 もう一つ、梅の多産に備えて、国立規模ぐらいの梅の加工試験場を田辺周辺に置くべきだ。
 四国では、今、入院食に使う梅を研究しているらしい。これが成功すれば、四国でつくっている梅が全部そっちで使われてしまう。何も、和歌山県の梅を四国へ送ってこいとは言わん。だから、和歌山県の中でそういう食品加工の面で、特に田辺周辺へ梅の工場を──これは農協も田辺市長も乗り気です。県が動き出すなら一緒に動くでしょう。そういう面の対応をし、将来、多産になってミカンの二の舞をせんように、今から販売面で努力していただくことを、これは要望しておきます。
 総務部関係については宿題にします。
○議長(門 三佐博君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で田中実三郎君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
○議長(門 三佐博君) この際、暫時休憩いたします。
 午後零時八分休憩
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