平成元年12月 和歌山県議会定例会会議録 第2号(山本 一議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 午前十時十九分開議
○議長(門 三佐博君) これより本日の会議を開きます。
○議長(門 三佐博君) この際、全国都道府県議会議長会から永年在職功労者として表彰を受けられました議員に対する記念品の贈呈並びに表彰状の伝達を行うため、このまま暫時休憩いたします。
 午前十時二十分休憩
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 記念品贈呈並びに表彰状伝達式
○事務局長(山本恒男君) ただいまより、全国都道府県議会議長会から永年在職功労者として表彰を受けられました議員に対する記念品の贈呈並びに表彰状伝達の式を行います。
 まず、去る十一月九日、宮崎県で開催されました全国都道府県議会議長会の総会において議員在職三十年以上で表彰を受けられました古田新蔵殿、岡本保殿に対し、記念品の贈呈を行います。
 初めに、古田新蔵殿。
 〔議長から古田新蔵君に記念品を贈呈〕(拍手)
○事務局長(山本恒男君) 次に、岡本 保殿。
 〔議長から岡本保君に記念品を贈呈〕(拍手)
○事務局長(山本恒男君) 続きまして、議員在職十年以上で表彰を受けられました各議員に全国都道府県議会議長会からの表彰状の伝達を行います。
 浜口矩一殿。
○議長(門 三佐博君) 
 表 彰 状
  浜 口 矩 一 殿
あなたは和歌山県議会議員として在職十年以上に及び地方自治の発展に努力された功績はまことに顕著であります ここに記念品を贈りその功労を表彰します
 平成元年十一月九日
   全国都道府県議会議長会
 〔議長から浜口矩一君に表彰状を伝達〕(拍手)
○事務局長(山本恒男君) 藤沢弘太郎殿。
○議長(門 三佐博君) 
 表 彰 状
  藤 沢 弘 太 郎 殿
 以下同文です。
 〔議長から藤沢弘太郎君に表彰状を伝達〕(拍手)
○事務局長(山本恒男君) 宗 正彦殿。
○議長(門 三佐博君) 
 表 彰 状
  宗 正 彦 殿
 以下同文です。
 〔議長から宗正彦君に表彰状を伝達〕(拍手)
○事務局長(山本恒男君) 中村 博殿。
○議長(門 三佐博君) 
 表 彰 状
  中 村 博 殿
 以下同文です。
 〔議長から中村博君に表彰状を伝達〕(拍手)
○事務局長(山本恒男君) 中村利男殿。
○議長(門 三佐博君) 
 表 彰 状
  中 村 利 男 殿
 以下同文です。
 〔議長から中村利男君に表彰状を伝達〕(拍手)
○事務局長(山本恒男君) 浜本 収殿。
○議長(門 三佐博君) 
 表 彰 状
  浜 本 収 殿
 以下同文です。
 〔議長から浜本収君に表彰状を伝達〕(拍手)
○事務局長(山本恒男君) 中西雄幸殿。
○議長(門 三佐博君) 
 表 彰 状
  中 西 雄 幸 殿
 以下同文です。
 〔議長から中西雄幸君に表彰状を伝達〕(拍手)
○事務局長(山本恒男君) 橋本 進殿。
○議長(門 三佐博君) 
 表 彰 状
  橋 本 進 殿
 以下同文です。
 〔議長から橋本進君に表彰状を伝達〕(拍手)
○事務局長(山本恒男君) 中村隆行殿。
○議長(門 三佐博君) 
 表 彰 状
  中 村 隆 行 殿
 以下同文です。
 〔議長から中村隆行君に表彰状を伝達〕(拍手)
○事務局長(山本恒男君) 木下秀男殿。
○議長(門 三佐博君) 
 表 彰 状
  木 下 秀 男 殿
 以下同文です。
 〔議長から木下秀男君に表彰状を伝達〕(拍手)
○事務局長(山本恒男君) 町田 亘殿。
○議長(門 三佐博君) 
 表 彰 状
  町 田 亘 殿
 以下同文です。
 〔議長から町田亘君に表彰状を伝達〕(拍手)
○事務局長(山本恒男君) 尾崎吉弘殿。
○議長(門 三佐博君) 
 表 彰 状
  尾 崎 吉 弘 殿
 以下同文です。
 〔議長から尾崎吉弘君に表彰状を伝達〕(拍手)
○事務局長(山本恒男君) 平越孝哉殿。
○議長(門 三佐博君) 
 表 彰 状
  平 越 孝 哉 殿
 以下同文です。
 〔議長から平越孝哉君に表彰状を伝達〕(拍手)
○事務局長(山本恒男君) 大江康弘殿。
○議長(門 三佐博君) 
 表 彰 状
  大 江 康 弘 殿
 以下同文です。
 〔議長から大江康弘君に表彰状を伝達〕(拍手)
○事務局長(山本恒男君) なお、平木繁実議員にも在職十年以上で表彰がなされておりますが、本日欠席されておりますので、別途議長から伝達が行われることになっております。
 以上で、記念品の贈呈及び表彰状の伝達が終わりました。
 それでは、次に知事の御祝辞をお願いいたします。
 〔仮谷志良君、登壇〕(拍手)
○知事(仮谷志良君) このたび永年勤続表彰の栄に輝かれました十七名の議員の皆さんに、心からお祝いを申し上げます。
 三十年勤続の表彰を受けられました古田新蔵議員並びに岡本保議員には、長い間、地方自治わけても和歌山県勢発展のために多大の貢献をされました。また、十年勤続の表彰を受けられました浜口矩一議員初め十五名の皆さん、まことにおめでとうございます。
 このたびの受賞は、長年にわたる議員活動の功績に対して贈られたものでございます。今日の和歌山県発展の原動力となられた方ばかりであり、県民を代表して心からお祝いを申し上げますとともに、皆さんを支援していただいた方々のお喜びもさぞかしと存じ、心からお祝いを申し上げる次第でございます。
 また、一度にこんなに多くの皆さんが表彰を受けられましたことは、本県議会の日ごろの地域発展に対する熱意のたまものでございまして、ともにふるさとの発展のために取り組んでいる私としましても、喜びひとしおのものがございます。
 時代の移り変わりのテンポが激しい昨今でございます。人々の価値観も常に変化しております。そうした中で、住民の多様なニーズに十分にこたえながら議員活動を続けていただくことは、並み大抵のことではございません。しかも、政治家には四年に一度の厳しい試練があるわけでございます。そうした試練に打ちかって県政のために努力いただくことは非常にすばらしいことでございまして、また、このことは、人格、識見、手腕、行動がいかにすぐれておられるかということの証左でもあると存ずるのでございます。
 今、国政におきましては、貿易摩擦や税制改革を初め、大きな問題を抱えておりますが、経済の発展とともに我が国の占める地位も非常に重要なものとなっております。本県におきましても、三年余り後に迫った関西国際空港の開港という大きなインパクトを生かして、我が国において、また世界において大きな存在となり得る非常に重要な時期を迎えておるわけでございます。
 どうか、皆さん方におかれましては、健康に御留意をいただき、和歌山県勢の今後の発展のために格段の御尽力を賜りますようお願い申し上げまして、お祝いの言葉にさせていただきます。おめでとうございました。
○事務局長(山本恒男君) 次に、被表彰議員からごあいさつがございます。
 まず、議員在職三十年以上で表彰を受けられました古田新蔵殿。
 〔古田新蔵君、登壇〕(拍手)
○古田新蔵君 一言、御礼のごあいさつを申し上げさせていただきます。
 去る十一月九日、宮崎市において開かれました第九十四回全国都道府県議会議長会におきまして、不肖私が、議員在職三十年に及んだということで表彰をいただきました。全国でその対象者は三十一名でございまして、まことに光栄の至りでございます。
 また本日は、皆様から祝福され、仮谷知事さんからは身に余るお言葉をいただき、ありがとうございました。これは、ひとえに、長い間、何の取り柄もない私を御支援くださった選挙民の温かいお力添えと県当局の皆様、そして同僚各位の御交誼によるものでございまして、改めてここに深く感謝を申し上げる次第でございます。
 さて、今、静かに振り返ってみますと、私の初当選させていただきました昭和三十年ごろは、戦後日も浅く、国民生活はまことに厳しく、加えて昭和二十八年七月の紀中を襲ったあの未曾有の大水害の直後であっただけに、その復旧などで大変な時代でございました。したがって、議会における各議員の発言なども切実な問題ばかりで、こぶしを振り上げ、火を吐くような迫力のある場面も多かったと記憶をいたしております。
 当時の道路は一メートルの舗装もなく、県内視察などは、ジープでほこりまみれになりながら僻地の電話や水道のない村々を見て回るというありさまでございました。あれから三十有余年、今日このように何不自由なき時代を迎え、隔世の感がいたします。
 過ぎにし幾山河、天にも上るほどうれしかった日もあり、また、歌の文句ではないが「泣いて明かした夜もござる」などなど、胸中走馬灯のごとく去来いたします。
 さて、私もいよいよ、読んで字のごとく「古田」──大分古びてまいりました。今後、残された道をどのようにたどり行くかを模索しておる昨今でございますが、ただただ、長い間皆様からいただいたありがたい御恩にお報いせねばと、心にむちうち頑張っているところでございますので、皆様方の一層の御指導をお願い申し上げまして、まことに簡単ですが、御礼のごあいさつといたします。ありがとうございました。
○事務局長(山本恒男君) 次に、同じく議員在職三十年以上で表彰を受けられました岡本 保殿。
 〔岡本 保君、登壇〕(拍手)
○岡本 保君 一言、お礼のごあいさつを申し上げたいと思います。
 ただいま、仮谷知事さんからまことに御丁重な御祝辞をちょうだいいたしまして、心からお礼を申し上げる次第であります。
 古田議員さんのごあいさつもありましたとおり、十一月九日に宮崎市で行われました全国議長会に家内ともども招待を受けまして、三十年の表彰を受け、本当に感激をいたした次第であります。
 振り返ってみますと、私は昭和三十四年に県庁の職員から県会に立候補いたしまして、おかげで当選をさせていただきました。自来今日まで三十有余年の長きにわたり本当に変わらざる御支援をいただきました、選挙民の皆さん方、県民の皆さん方のおかげでございます。同時にまた、先輩・同僚議員、そして知事さん初め当局の皆さん方の御協力のおかげでありまして、この機会に心から感謝を申し上げる次第であります。
 さて、御承知のとおり、いよいよ関西国際空港も着工いたしまして、平成五年には開港の時期を迎えております。まさに和歌山県は夜明けを迎えようとしている今日であります。私も、幸い健康を取り戻しましたので、今後一層、健康に留意しながら、和歌山県が発展のために、また地元進展のために努力をしてまいりたいと思いますので、どうか皆様方には今後ともよろしく御指導のほどをお願い申し上げます。
 まことに簡単でございますが、お礼のごあいさつにかえます。ありがとうございました。
○事務局長(山本恒男君) 次に、議員在職十年以上で表彰を受けられました議員を代表されまして浜口矩一殿。
 〔浜口矩一君、登壇〕(拍手)
○浜口矩一君 まことに僣越でございますが、十年以上在職のゆえをもって今回表彰の栄に浴しました十五名の皆さん中、私、最年長ですので、お許しを賜りまして、代表して一言お礼のごあいさつを申し上げさしていただきます。
 ただいまは、知事さんより身に余る、かつ御懇篤なるお祝いのお言葉をちょうだいいたし、みずからを省み恐縮至極の心情とともに、心から光栄に存ずる次第でございます。ここに謹んで深く御礼申し上げます。ありがとうございました。
 顧みまして、この十年間、果たしてお褒めに値するような十分な役割、責めを果たし得たか、内心じくじたる思いでございますが、とにかく、この十年の間、ただ一筋に、先輩・同僚の議員諸賢の温かくかつ欠くるところなき御指導、御教示、その上、知事さん初め県職の皆さん方の懇ろなる御協力、また地域の皆さん方の心温まるお支え、御鞭撻のおかげで、大過なく今日を迎え、今回の光栄に浴し得たものと存じ、改めて関係の皆様方に謹んで心からなる敬意を表しつつ、衷心より厚く感謝申し上げる次第でございます。
 私どもは、今回のこの表彰をみずからの人生航路の栄誉ある一節目と心得、心を新たにして、駑馬にむちうちつつ研さんにこれ努めるとともに、初心忘るることなく、かつ分をわきまえつつ、山積するもろもろの課題解決に微力を尽くし、明るく展望豊かな二十一世紀を目指しての県勢浮揚活性化と県民福祉の向上のため頑張る決意でございます。今後とも、何とぞよろしくお願い申し上げたいと存ずる次第でございます。
 まことに簡単、それに粗辞でございますが、心中の一端申し述べ、御礼のごあいさつとさせていただきます。どうもありがとうございました。
○事務局長(山本恒男君) これをもちまして、記念品の贈呈並びに表彰状伝達式を終わります。
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 午前十時四十六分再開
○議長(門 三佐博君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
○議長(門 三佐博君) この際、報告いたします。
 お手元に配付のとおり、監査委員から現金出納検査の結果報告がありましたので、報告いたします。
○議長(門 三佐博君) 次に、報告いたします。
 知事から、議案の追加提出がありました。
 職員に公文を朗読させます。
 〔職員朗読〕
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    財第136号
    平成元年12月7日
 和歌山県議会議長 門 三佐博 殿
   和歌山県知事 仮 谷 志 良
 和歌山県議会平成元年12月定例会追加議案の提出に
 ついて
 地方自治法第96条の規定に基づく議決事件について、次のとおり議案を提出します。
   記
 議案第 143号  平成元年度和歌山県一般会計補正予算
 議案第 144号 平成元年度和歌山県立五稜病院事業会計補正予算
議案第 145号 平成元年度和歌山県土地造成事業会計補正予算
議案第 146号 職員の給与等に関する条例の一部を改正する条例
 議案第 147号 教育職員の給与等に関する条例の一部を改正する条例
 議案第 148号 警察職員の給与等に関する条例の一部を改正する条例
 議案第 149号 市町村立学校職員の給与等に関する条例の一部を改正する条例
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○議長(門 三佐博君) 日程第一、ただいま報告いたしました議案第百四十三号から議案第百四十九号までを一括して議題といたします。
 議案はお手元に配付しておりますので、まず知事の説明を求めます。
 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) ただいま上程されました諸議案について、御説明申し上げます。
 今回追加提案いたしました議案は、いずれも職員の給与改定に伴う補正予算案及び関係条例の改正であります。
 去る十月十六日、県人事委員会より職員の給与改定に関する勧告を受け、本年四月一日から実施するため所要の措置を講ずるものであります。
 まず予算案件としては、給与関係経費といたしまして一般会計で三十億一千八百余万円、特別会計についても所要の補正予算を計上いたしております。
 次に、給与関係条例につきましては、議案第百四十六号から第百四十九号をもってお願いいたしております。
 何とぞ、御審議の上、御賛同賜りますようお願い申し上げます。
○議長(門 三佐博君) 以上で、知事の説明が終わりました。
○議長(門 三佐博君) 次に日程第二、議案第百三十一号から議案第百四十二号まで、並びに知事専決処分報告報第十一号をあわせ一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第三、一般質問を行います。
 5番山本 一君。
 〔山本 一君、登壇〕(拍手)
○山本 一君 ただいま永年勤続の功績により表彰を受けられました皆さん方に心からお喜びを申し上げます。
 ただいまより、質問に入らせていただきます。
 早速、第一番目の質問に入ります。県警本部から土木部その他にも警察官の出向や派遣を図られたいということで質問を行いたいと思います。
 今日、住宅難や土地の暴騰等に起因いたしまして、よきにつけあしきにつけ、土地の開発行為が増加の傾向にあります。都計上の違反、開発・転売問題、中止問題、防災、宅建業者の違反、トラブル等々と、件数の増加が見られています。正直に土木部など相手にしていたら成るものも成らないので、強引にやってしまえばそれで済んで目的が果たされていくんだ、こんなことを目撃して、「正直者はばかを見る」というお役所不信の声が伝え聞かされてまいります。
 本県においては、宅地建物取引登録業者に厳しい指導を行っているはずであります。免許制度を実施していますのも、宅地建物取引業が適正に運営され、宅地建物の取引の公正を確保することにあります。取引が正常に果たされるのは、当然のことであります。
 にもかかわらず、宅建業者が特約までつけ加えた買い主の契約不履行に対し、真実お手挙げのような事態まで起きております。宅建業者に迫っても一向に前進いたしません。やむなく売り主が買い主に催促をいたしますと、第三者から売り主に呼び出しがあったということなど、まことに考えられない事々が発生いたしています。
 買い主と宅建登録業者の癒着なども考えられてきます。心外な節々もあるのであります。その上、問題の買い主が問題を起こしているさなかに宅建業者登録の申請を新たに建築課に出している事実があったようであります。
 担当課は、整った書類手続があれば受理せざるを得ないのだと筋を通します。不履行しているのは民事の問題であり、警察に相談するようにと指導されたようであります。契約不履行の問題と登録申請とは別のものであると割り切っておられるであろう気持ちに一つの理はありそうでも、指導に当たっては強固な正義感が望まれるものだと私は存じています。
 「指導」とは申しても、行政職にある担当職員には、次第によりましては身辺にもかかわる不安を感じることもあろうかと推測いたしています。形式に流れざるを得ないこともあろうかと思われます。
 そこで、お尋ねいたします。
 「出向」は任命権者の任命行為の一形態として行っておられます。本県では、行政組織規則に基づいて、民生部青少年保護課には「青少年非行防止対策に関すること」として、警察本部から警視二名、警部一名、警部補一名、計四名の出向職員がおられます。企画部生活交通課には、「交通安全対策の企画及び調整に関すること」と「交通安全運動及び関係団体の指導に関すること」に対処されまして、警部一名、警部補一名の出向職員がおられます。
 以上、私の申し上げました簡潔な事柄でありますが、土木部に加えて、保健環境部も劇物等の問題があります。職員の危機感の解消のため、詐欺、暴力、犯罪予防の上に最大限の効果をおさめていただくために、土木部、保健環境部に、早期に警察と直結する警察官の出向並びに派遣をお考え願って、善良な県民の希望をぜひともかなえられるよう、知事の御理解と御判断のほどを承りたいと存じます。
 次に、年末を控えまして、交通事故非常事態宣言に対する県警本部並びに関係部の緊急対策について質問いたします。
 十二月三日現在の全国の交通事故死亡者数は一万百四十一人となりまして、十三年ぶりに一万人を突破した昨年同期よりも六百五十三人の増加を来たし、「第二次交通戦争」と言われているのも過言ではない極めて厳しい情勢に推移いたしている現況であります。
 本県におきましても、十二月四日現在、交通事故死亡者数百十六人を数えました。昨年同期に比較して九人減少しておりますが、年末の事故多発期を控え、予断を許さない情勢下にあると存じます。
 このような情勢を踏まえ、政府では十一月二十八日、交通対策本部を招集されまして、「交通事故非常事態宣言」を発表され、国の関係行政機関、地方公共団体、交通関係団体との緊密な連携を図りまして、交通事故防止対策を実施することとされています。
 本年の死亡事故の特徴は、若者・高齢者事故及び夜間事故が多発しているようであります。今や交通事故は深刻な社会問題となりまして、これの防止策として、県民の安全を守る観点から、本県では緊急にその対策を講じていられることと存じますが、県警本部長並びに土木部長、教育長から対処策をお伺いいたしたいと存じます。
 次に、本県にかかわる安値受注の問題について質問をいたします。
 ここ一カ月ほど前、富士通の一円落札問題が発生いたしました。広島市水道局に火がつきまして、埼玉、千葉、和歌山も一円の安値受注が表面に出てまいったのであります。
 富士通・山本卓眞社長は、「外国勢を締め出す不公正な行為として日米交渉のマイナス要因になった。一円という価格は社会通念上非常識な価格、関係者に御迷惑をおかけした」と陳謝いたしています。また、通産省を訪れ、通産省機械情報産業局長から注意を受け、頭を下げ、反省しておられました。
 日本市場は競争原理が働かない特殊な市場であると指摘を受けていますが、こういうことは今日始まったことでなく、入札に参加いたします大手土木建設業者の体質が今日頻々と浮き彫りにされている中の一こまにすぎないと、私は見ているのであります。
 本県では、富士通はその後の一つの入札には参加しましたが、落札できなかったと聞かれます。他の三つの入札には指名を受けていないようでありますが、事は終わっていましても、白紙には戻らないで、想起されて残っていくものが県民の心の中にあると見ています。ほかにも、本県に類似の落札受注がされていることもお聞きいたしていますが、発注した後での申しわけや弁明は、後味のまことに悪いものであります。
 総務部長にお尋ねいたします。富士通の山本社長は、前述のごとく、事の重大性を悟りまして重々陳謝しています。陳謝の言葉の中身をよくよくかみしめていきますと、深い関心を持たざるを得ない本県の姿勢も浮かんでまいります。
 今日、表に出てまいりました一円落札が本県行政上に、法的に触れないのだと仮に申されましても、本県の体質をとやかく品評される資料となることに間違いはないと思っています。総務部長はこのようなことをお考えになったことがおありでしょうか、お尋ねをいたしたいと思います。
 民主主義を支えるのは法であります。法は正義であります。正義は常に闘ってかち取っていくものであります。私たちもそうですが、行政の中に正義を失ったら何が残っていくでありましょうか。
 その後、問題を調査していた公正取引委員会は、公正な取引に違反するおそれがあるとして、富士通と日本電気に対して厳重注意を行っています。今日と同様の行為を再度行えば独禁法に基づく措置の対象になり得るという趣旨で、厳重注意を行ったということであります。法に触れなくても、正義を忘れたとき、独禁法違反者の片棒を担ぐことになるのであります。
 大分県の平松知事が「私を信用して企業が来る」と豪語しておられるのを直接お聞きいたしましたが、和歌山県仮谷知事は、今日、国内にその名声を博し、県勢を高め、活力増進の起爆の源泉ともなっていると私は確信いたしています。
 かかるとき、総務部長は前進する我が和歌山県という大局に立脚いたされまして、一円玉落札は本県の持つ常識、社会通念に通じる自治体の認識の高低にかかわってこないのか、胸中いかように判断されていられるのか、納得のできます真意のほどをお尋ねいたしたいと存じます。
 土木部には、地方自治法に基づき、和歌山県土木部建設工事請負業者選定地方審議会運営要領を設けられています。附則として、予定価格の決定、最低制限価格について等、定められていますが、準用していないし、総務部にも独自の指針となるべきものがないと見ます。また、「自治法に基づき」と申しましても、その根拠はなく、独善的に総務部の判断で落札額一円がまかり通っていたのだとすれば事はまことに重大であると解しますが、私の説は大げさに過ぎるのか、総務部長よりお教え願いたいと存じます。法の欠陥が事態を招いたものであるとお考えのところがあれば、お教えを願いたいと存じます。
 次に、既決済みの海南港埋め立ての境界問題とマリーナシティの問題について質問いたします。
 第一に、海南港埋め立てに伴う海南市─和歌山市間の既定の境界線を「未確定のもの」と言う海南市当局者の言動に対して、本県は威信にかけて直ちに誤りを正すべきであると考えることで質問いたします。
 去る五月三十一日、毛見二号線のマリーナシティと海南市の間を結ぶ橋梁の海南市側に対する受益者負担金、並びに県単独事業幅員三メートルの歩道の負担金に関して、海南市が事務レベルの協議に入った時点で、「負担金を出したからとて海南市民に利益になるものでもなく、人工島の帰属が海南市に有利に展開するとの見通しも立っていない」趣旨の報道を拝見いたしました。
 担当課にいきさつの説明を求めてみましたところ、「新聞などに発表される段階にあったものではなく、負担金の検討の段階に入ったばかりで、なぜにこんなことになったのか驚いている実情である」ということでありました。なお、六月二十六日には「マリーナシティ人工島の中に海南市の領域が存在していることを信じ、主張を続ける方針である」とも報じられていました。
 昭和六十三年十一月には、海南市長名で、和歌山市長、県知事に対しまして「マリーナシティの公有水面埋立免許願書が出ているが、当該埋め立ては海南市の地先水面に位置し、海南市の行政区域に所属すべき部分が大きく含まれているので、所属は未解決であるという立場を前提として海南市との協議を十分配慮されたい」という公文書を送付されてまいっております。
 これに対し和歌山市は、「和歌山マリーナシティ建設により新たに生ずる土地の所属については、和歌山市は昭和四十六年二月二十六日付の協定書及び貴市から提出された覚書に基づき、当該埋立地は和歌山市の区域に所属するものと把握している」との公文書をもって海南市に返書をしておられるのであります。
 なお、海南市長は本県知事あてに、「地元海南市の意見を徴さない」として代理人弁護士を立て、「和歌山マリーナシティ建設用地には、海南市の行政区域に所属すべき部分が大きく含まれている。計画されているマリーナシティ新埋立地は、海南・和歌山両市の行政区域に編入されるべき位置にあり、将来、両市の境界にわたって存在するものであると考えられ、現在その境界が判明していないことは明白で、その所属は両市になるものと考える。両市間でいまだ話し合いも行っていない状況のもとで、地元市町村は和歌山市のみと判断されたことはまことに遺憾である。当該事業に係るこの認識の上、行政事務を進められたい」と、内容証明郵便物として送付されてきているのであります。
 始めから終わりまで、海南市と和歌山市の境界問題に関与し実態に接してまいりました私には、海南市の今日申していることが奈辺にあるのかしれませんが、理解も想像すらもできないのが私の素直な感じであります。
 故大橋知事は、両市長にも両市議会にも非常に御苦労なされました。和歌山市は等距離方式で関電火力の十万坪匹敵を主張され、海南市は、陸上見通し線で全埋立地は当方であるが、一千坪は和歌山市領が含まれていることを認めつつ主張していたのであります。
 大橋知事も何とか早期に問題解決を図るべく、境界問題審議会を設置いたされまして、県議会から妙中正一氏、渡辺淳吉和歌山行政監察局長、東京の堀家嘉郎弁護士に委員を委嘱されたのであります。発足は昭和四十四年八月十五日でありまして、昭和四十六年二月二十六日に解散いたしています。
 これに先立ち、ついに昭和四十六年二月二十一日、両市間の調印が行われました。重要ですからちょっと申し述べますが、協定書並びに覚書は次のとおりであります。
 協定書
 海南港第二工区埋立地等に関する協定書
 海南港第二工区埋立地等に関し、知事あっせんに基づいて和歌山市及び海南市は下記事項について協定する。
   記
一 第二工区埋立地の中に和歌山市の区域が潜在的に存在す ることを認めるが、現時点においては和歌山市の所属とす ることを留保し、この埋立地の全域を海南市の行政区域と すること。
二 第二工区埋立地の地先に将来新たな埋め立てが計画され 実施に着手するときは、両市の留保関係を解くものとする こと。
三 第二工区埋立地の地先に新たな埋め立てが行われたとき、 和歌山市は積極的にこの地域の開発に取り組むこと。
四 この地域(現在の第二工区埋立地はもちろん、将来の新 たな埋立地を含む。)に公害問題が生じた場合には、この 境界問題にとらわれることなく、両市は友好的に協議の上 適切な措置を講ずること。
 この協定の証として本書四通を作成し、当事者及び立会人署名押印の上、各自一通を保管する。
 昭和四十六年二月二十六日
  和歌山市長 宇治田省三
  海南市長 明楽光三郎
 立会人 和歌山県知事 大橋正雄
 立会人 境界審議委員代表 妙中正一
 覚書
 海南港第二工区埋立地等に関する協定のうち、第二工区埋立地の先端地先に新たな埋め立てが行われた場合の当該埋立地(以下「新埋立地」という。)の所属関係等について、将来論争のないよう下記のとおり海南市の意思を明確にする。
   記
一 海南市は、新埋立地の実現について反対しない。
二 新埋立地は、和歌山市の区域に所属するものとする。
 昭和四十六年二月二十六日
  海南市長 明楽光三郎
 立会人 和歌山県知事 大橋正雄
 立会人 境界審議委員代表 妙中正一
  海南市議会議長 筈谷愿正
 以上によりまして、和歌山市・海南市間の境界問題の結実を見たのであります。大橋知事には、両市長、両市議会に、審議会に、県民各位に対して、万感胸に迫るものを感じておられたことと存じます。
 こんな注目すべき現市長の発言があります。県当局に対して「海南市と和歌山市との境界問題は県には関係ないことで、両市間の問題である」という内容であります。まことに理解に苦しむ私であります。今日、法的に無効、法的に根拠なしというがごとき言動は、信義誠実の原則を全く覆したものであると私には思われてならないのであります。
 協定書及び覚書というものは、二以上の当事者の自治体間の合意を証するもので、契約と同様のものであると考えております。上位法である民法第一条の基本原則、すなわち信義誠実の原則により協定は契約説をとるのが妥当との判決を聞かされているのであります。
 海南港の埋め立ては、県の直轄事業であります。故吉岡県会議員は、本県議会議場において三度にわたり、問題に触れ質問をいたしております。「海南市は見通し方式を主張し、海南市民は一日千秋の思いで待っている。知事裁定で早期の解決をされたい」の発言や、終盤には審議会の答申に触れる発言をしておられます。
 故大橋知事答えられまして、「自治省からもいろいろ聞いているので、審議会の答申、意見をいただけば、勘案して早期に解決を図りたい」と申されているのであります。
 以上は、県議会議事録からの端的な抜粋であります。現在の海南市長も当時県議会議員であり、よく御承知のことと存じます。
 そこで、以上私がはしょって申し述べました事々から大方の御理解をいただきまして、質問に入ります。
 一番に、市長と申される公人がさきに述べましたようなことを発言されますと、市民に誤解や心の惑いを誘うことは事実であります。両市の境界問題の解決は、知事をおいて結実するものではありません。和歌山市と海南市の二自治体だけで決まったものでもありません。上級官庁・和歌山県知事が法的職責からしても、指導し、助言し、あっせんの役割を果たされ、公正な境界線を定められたものにほかならないと存じます。
 本会議場において、知事のすっきりとした言葉を、本県市町村自治体の行政のあり方の上からでも、海南市民に対してはっきりとしたお答えをいただきたいと存じます。
 二番といたしまして、知事は、海南市長名でも、また市長代理の弁護士からでも、内容証明郵便の郵送を受けておられます。しかし、この回答はしておられないようでありますが、県民の信頼の上に確固として指導責任を果たしておられる知事には、この際、本会議場を通じ、本県の威信にかけて厳然とした所信のほどをお聞かせいただきたいと存じます。
 海南港問題のその二といたしまして、質問いたします。
 マリーナシティと結ぶ橋梁や歩道が海南市に利するものでないので地財法からして負担金支出の要なしということは、県の方針が間違っているのか。市町村に及ぼす影響が大きいだけに、これにつきましての質問をいたします。
 海南港埋め立ての境界未確定という海南市当局者の一方的な主張は海南市民にとって見過ごせない問題であることは前段申し上げましたが、和歌山マリーナシティは、国、本県、民間が一体となって日本で初めての人工島方式によるリゾートづくりに成果をおさめ、マリーナを核として国際的都市近郊型のレクリエーション基地を創生しようと努力を重ねられているところであります。そうして、和歌山県が二十一世紀に向けて飛躍の柱と考えているリゾート振興の先導的役割をも果たそうとしているものであると私は思っています。
 国際的に位置づけられるマリーナシティ建設は、一九九二年度末の二十四時間終日開港される関西国際空港に直結するものでありまして、県民待望の国土軸、国際軸に密着していく可能性をはらんだものであると存じています。ひとり和歌浦湾の活性化にとどまるものでなく、県下の産業、経済の変化を招き、新たな産業構造の形成が求められなければならない好機に到来していると見ています。
 こういうさなかに、県は毛見二号線という名称でマリーナシティと海南市を橋梁で結び、海南市の活力にも資したいとしていますが、「いまだ両市の境界も判明していない」、また「マリーナシティの中に海南市の領域がある」と申すだけで、「海南市に利するところなし」と地元負担金に応じないとした主張に本県が執拗に説明会等を重ねられ、このことに対しましては心から感謝をいたしております。にもかかわらず、去る九月二十二日、海南市の方から本県に対して「負担金を持つことができません」という電話での確答があったとのことであります。
 十一月二十日ごろまで、なお幹部職員段階での説得合議等を続行されましたのも、海南市の将来を思い、土木部の職責を果たすための誠意であったと考えています。県幹部にも大変に心配をいただいたところであります。
 負担額の概算は、橋梁が海南市の陸地に入ったところからの工事額と県単独事業歩道の工事額の合計、推定額二十九億円の中で二億一千万円程度が海南市の現段階の負担金額であると私は見ています。
 毛見二号線は、マリーナシティのためにとどまるものでなく、隣接する海南市や市民にとって多角的に直結するものであり、海南市の地場産業にもかかわりは深く、国際化されていくシティーより海南市が導入していく施策にはまことに価値あるものがあると存じます。海南市議会の議長が、「知事さんは財団法人温山荘の理事さんをしておられるが、海南鋼管と温山荘の間に橋を渡したら温山荘の名声も高まるし、海南市の町への扇のかなめになるしな」と申しておりました。これもまた、しかりのことと私は存じています。
 地方財政法の第二十七条に「都道府県の行う建設事業に対する市町村の負担」として、「都道府県の行う土木その他の建設事業でその区域内の市町村を利するものについては、都道府県は、当該建設事業による受益の限度において、当該市町村に対し、当該建設事業に要する経費の一部を負担させることができる」とあります。
 海南市の方は「市民に利するものではないので、地財法に基づき負担金を出す必要なし」と割り切られておられますが、本年度中に予備設計、本設計ともに完成したい本県としては十二月議会に予算の上程を図られなければならないところから、担当部課は議会運営委員会の開会日の前日までに是が非でも理解を取りつけるため、精力的に行動協議の結果、ついに了承の連絡があったようであります。いずれにしろ、了承の返事を海南市が申し出たことは、市民のためにまことに喜ばしいことであると私は存じます。
 そこで、お尋ねいたします。毛見二号線は、海南市当局の申すように、海南市にとって利するものではないのですか。本県の身勝手、御都合によるものでありましょうか。海南市民にとって当然知り得たい大切な事柄でありますので、率直なお答えを、御苦労願った土木部長からお聞かせ願いたいと存じます。
 次いで、マリーナシティの海南市や本県に及ぼす効果、影響力について、企業局長から本県の心を御開陳いただきたいと存じます。
 以上をもちまして、私の質問は終わらせていただきます。再質問が必要ないように、御親切な御答弁を願いたいと存じます。
○議長(門 三佐博君) ただいまの山本一君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 山本一議員にお答え申し上げます。
 第一番の問題は、県警察本部から土木部その他にも警察官の出向や派遣を図られたらどうかという問題でございます。
 現在、警察官の知事部局との人事交流については、話ございましたように、青少年保護課と生活交通課に派遣を受けておるわけでございまして、これは青少年の育成と交通対策を警察と一体になって推進していくために行っているところでございます。
 さらにその他にも警察官を配置したらどうかということでございますが、お話ございましたように、土木部の用地関係等において職員は大変苦慮しておるというのが現況でございます。しかし、職員は毅然たる姿勢で厳正に職務を遂行していかなければならないと存じておるわけでございます。ただ、業務の遂行に当たってそうした事象が生じた場合においては、警察と十分に連携を密にし、違法行為の排除について協力を得ながら断固として排除していくように今後とも指導してまいりたいと存じておる次第でございます。
 次に、海南港の埋め立てに伴う海南市と和歌山市間の境界の問題でございます。
 新しい埋立地の帰属につきましては、議員からも御説明ございましたが、昭和四十六年二月に和歌山市と海南市との間で協定書、覚書が交わされております。それによりますと、今回の埋立地は和歌山市に所属するということが合意されているわけでございます。
 この協定は、御承知のとおり、県があっせん案を提示し、両市で合意の上、知事並びに関係者が立会人となって締結されたものでございます。県としましても、また両市におきましても、本協定、覚書が十分尊重さるべきものと考えておるわけでございます。
 なお、お話ございましたように、昭和六十三年十一月八日に海南市長代理人弁護士から内容証明郵便を受理しておりますが、県の考え方はただいまお答え申し上げたとおりでございます。
 他の問題については関係部長から答弁させていただきます。
○議長(門 三佐博君) 土木部長磯村幹夫君。
 〔磯村幹夫君、登壇〕
○土木部長(磯村幹夫君) まず、土木部での交通事故防止の緊急対策でございます。
 県が管理している国道、県道につきましては、関係機関と連携のもとに、交通安全施設等を整備し、事故防止に努力しているところでありますが、事故が増加傾向にある状況にかんがみ、現在、事故多発箇所についての詳細な分析、検討を行っているところでございます。
 年末の事故多発期を控えての緊急的対策としては、視線誘導標、区画線等の応急的な措置を行うとともに、道路パトロールによる道路工事箇所の点検等、安全対策に努めてまいります。
 また、今後の抜本的な対策として、歩道、交差点改良等の交通安全施設のより一層の整備促進を図り、事故防止に万全を期したいと考えております。
 次に、毛見二号線橋梁は海南市を利するかどうかという点についてでございます。
 マリーナシティと海南市が直結することにより、海南市民にとっての雇用の場や余暇活動の大幅な拡大等が見込まれ、また、マリーナシティを訪れ利用する人の盛んな交流は、地域物産品などの物資流通を促し、商業活動を初め地場産業の振興につながるものと考えております。
 毛見二号橋の建設はこうした効果を幅広く生み出すものと言え、マリーナシティと海南市が直結することにより、観光資源ほか海南市が有する資質を大いに高めるものと考えております。また、海南市におかれても、市の目指す長期計画「生活文化と産業のまち海南」の実現に本プロジェクトを大いに活用していただくことを期待しているところであります。
 以上でございます。
○議長(門 三佐博君) 総務部長斉藤恒孝君。
 〔斉藤恒孝君、登壇〕
○総務部長(斉藤恒孝君) ただいま御指摘の入札の問題につきましては、社会通念上から見ても必ずしも妥当とは言えないと考えておりまして、今後は公正な取引の秩序を乱すことのないよう努めてまいりたいというふうに考えております。
 法的には、地方自治法施行令の第百六十七条の十の第二項によりまして、工事または製造の請負契約を締結しようとする場合においては最低制限価格を設けることができるわけでございますが、設計業務や物品購入については最低制限価格の規定がございませんので、最低額で入札された者と契約しているのが従来からの取り扱いでございます。
 しかし、先ほども申し上げましたとおり、法的には触れなくとも、常識的な価格で入札が行われるよう今後要請してまいりたいと考えております。
○議長(門 三佐博君) 企業局長吉井清純君。
 〔吉井清純君、登壇〕
○企業局長(吉井清純君) マリーナシティの海南市や本県に及ぼす効果や影響についてお答えをいたします。
 和歌山マリーナシティは、二十一世紀の新しい県土づくりの一つの柱となるリゾート整備の先導的な役割を果たすものであると考えてございます。
 開発効果としては、建設投資に伴う直接的な経済効果のほか、完成後の事業運営による新たな生産誘発や雇用の創出がなされることになります。
 さらに、このマリーナシティが国際的にも通用する魅力あるリゾートとして誕生することによって、本県の新しいイメージをつくり出すこととなり、県としての観光ポテンシャルを高めることはもちろん、国際化への対応や新規企業の立地誘導など、多方面にわたって波及効果をもたらすものと存じます。
 また、マリーナシティには和歌山コーナーやフィッシャーマンズワーフ、水際を活用した特色あるショッピングモールの形成など、地場産業のPR、消費の拡大や地元商工業の参画とあわせ、直接的な産業活動や経済効果が期待できるものと考えてございます。
 とりわけ海南市については、ただいま土木部長からも答弁したとおり、マリーナシティの至近距離に位置し、議員の御意見にもございました温山荘や藤白神社の名勝とともに、漆器産業を初めとするすぐれた地場産業を擁し、また市街地の商店街など、最も密接なかかわりを持つものと存じます。
 したがって、このマリーナシティの開発効果を最大限に取り込んでいただくためにも、ぜひ海南市の皆様方自身、知恵をお出しいただき、官民挙げての積極的な取り組みを期待しているところでございます。
 以上です。
○議長(門 三佐博君) 教育長高垣修三君。
 〔高垣修三君、登壇〕
○教育長(高垣修三君) 年末を控えまして、交通事故多発についてお答えをいたします。
 政府から初めての「交通事故非常事態宣言」が発令をされましたことは、教育委員会といたしましても厳しく受けとめているところでございます。
 交通安全教育は、自他ともにその生命の尊重という観点から、従前から副読本の配布、高校生の運転免許取得に係る指導の問題、管理職や担当の教員を対象とした各種研修会の開催、また学校、保護者が一体となった街頭での交通安全指導や高齢者学級での啓発等、学校教育、社会教育両面にわたり、総合的な交通安全教育の推進に努めているところでございます。
 今後、特に年末年始を控え、交通事故が起きないように、文部省の指導も踏まえつつ、関係機関、団体の協力のもとに、従前から行っている施策をさらに充実させるため、校長会あるいは教育事務所長会、通達等で重ねてその徹底を図ってまいる所存でございます。
 以上であります。
○議長(門 三佐博君) 警察本部長井野忠彦君。
 〔井野忠彦君、登壇〕
○警察本部長(井野忠彦君) 警察としては、議員御指摘のとおり、厳しい情勢を踏まえて鋭意交通事故防止施策を講じてきたところでありますが、今回の非常事態宣言を受けて、緊急かつ総合的な交通事故防止対策を推進するため、去る十二月一日、県警総合対策本部を設置し、各警察署に緊急通達を発出したところであります。
 県下における交通事故による死者は昨日現在百十六人でありますが、これを年齢別で見ますと、若者の死者四十三人、高齢者の死者三十六人となっておりまして、これらで全体の六八%を占めております。
 次に、原因別に見ますと、スピード違反二十三件、飲酒運転二十件、無免許運転六件等となっておりまして、この三つの違反で全体の四五%を占めております。
 また、昼・夜間の死者別の状況を見てみますと、昼間四十九人、夜間六十七人となっておりまして、夜間の死者が全体の五八%を占めております。
 このようなことから、若者の交通マナーの向上と高齢者に対する注意喚起、及び夜間事故の防止を図るための交通安全施設の整備が重要であると考えております。
 したがって、当面の具体的対策として、一つはスピード違反、飲酒運転、無免許運転等、悪質危険な違反行為に対して徹底した取り締まりを行う一方、できる限りの警察官を街頭へ進出させ、高齢者等の交通弱者の保護、誘導活動を強化しております。
 その二つは、交通関係団体と協力して、高齢者を初めすべての県民の交通安全意識を高めるための広報啓発活動を強化しております。
 今後とも、県、市町村を初め、関係機関や団体等との連携を密にして、警察としてできる交通安全諸対策を強力に推進してまいる所存であります。
 以上であります。
○議長(門 三佐博君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(門 三佐博君) 以上で、山本一君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
○議長(門 三佐博君) この際、暫時休憩いたします。
 午前十一時三十八分休憩
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