平成元年9月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(全文)


県議会の活動

 平成元年 和歌山県議会九月定例会会議録 第 四 号
 
 十月 五日 (木曜日) 午前 十時 三分 開議
  午後 二時三十七分 散会
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議 事 日 程 第四号
  平成元年十月五日(木曜日)
  午前十時開議
 第一 議案第百二十一号(知事説明・質疑)
 第二 議案第百三号から議案第百二十号まで及び報第十号(質疑)
 第三 一般質問
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本日の会議に付した事件
 第一 議案第百二十一号(知事説明・質疑)
 第二 議案第百三号から議案第百二十号まで及び報第十号(質疑)
 第三 一般質問
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出 席 議 員(四十四名)
 1 番 井 出 益 弘 君
 2 番 和 田 正 一 君
 3 番 町 田 亘 君
 4 番 中 村 利 男 君
 5 番 山 本 一 君
 6 番 宗 正 彦 君
 8  番 鈴 木 俊 男 君
 9 番 阪 部 菊 雄 君
 11 番 平 越 孝 哉 君
 12 番 大 江 康 弘 君
 13 番 中 西 雄 幸 君
 14 番 橋 本 進 君
 15 番 古 田 新 蔵 君
 16 番 浦 武 雄 君
 17 番  堀 本 隆 男 君
 18 番 宇治田   栄 蔵 君
 19 番 下 川 俊 樹 君
 20 番 石 田 真 敏 君
 21 番 木 下 秀 男 君
 22 番 中 村 隆 行 君
 23 番 藁 科 義 清 君
 24 番 門 三佐博 君
 25 番 尾 崎 要 二 君
 26 番  那 須 秀 雄 君
 27 番 木 下 義 夫 君
 28 番 上野山 親 主 君
 30 番 尾 崎 吉 弘 君
 31 番 西 本 長 浩 君
 32 番 岸 本 光 造 君
 33 番 松 本 貞 次 君
 34 番  浜 本  収 君
 35 番 和 田 正 人 君
 36 番 浜 口 矩 一 君
 37 番 山 崎 幹 雄 君
 38 番 貴 志 八 郎 君
 39 番 田 中  実三郎   君
 40 番 森 利 一 君
 41 番 村 岡  キミ子   君
 42 番 森 本 明 雄 君
 43 番 中 村 博 君
 44 番 中 村 千 晴 君
 45 番 小 林 史 郎 君
 46 番 渡 辺 勲 君
 47 番 藤 沢 弘太郎 君
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欠 席 議 員(三名)
 7 番 岡 本 保 君
 10 番 部 矢 忠 雄 君
 29 番 平 木 繁 実 君
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説明のため出席した者
 知 事 仮 谷 志 良 君
 副知事 西 口 勇 君
 知事公室長 市 川 龍 雄 君
 総務部長 斉 藤 恒 孝 君
 企画部長 川 端 秀 和 君
 民生部長 高 瀬 芳 彦 君
 保健環境部長 尾 嵜 新 平 君
 商工労働部長 天 谷 一 郎 君
 農林水産部長 安 田 重 行 君
 土木部長 磯 村 幹 夫 君
 企業局長 吉 井 清 純 君
 以下各部次長・財政課長 
 教育委員会委員長
 上 野 寛 君
 教育長 高 垣 修 三 君
 以下教育次長
 公安委員会委員長
 築 野 政 次 君
 警察本部長 井 野 忠 彦 君
 以下各部長
 人事委員会委員長
 寒 川 定 男 君
 人事委員会事務局長
 代表監査委員 宮 本 政 昭 君
 監査委員事務局長
 選挙管理委員会委員長
 稲 住 義 之 君
 選挙管理委員会書記長
 地方労働委員会事務局長
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職務のため出席した事務局職員
 事務局長 山 本 恒 男
 議事課長 栗 本  貞 信
 議事課副課長 中 西 俊 二
 議事班長 高 瀬 武 治
 議事課主任 松 谷 秋 男
 議事課主事 石 井 卓
 総務課長 神 谷 雅 巳
 調査課長 阪 上 明 男
 (速記担当者)
 議事課主査 吉 川 欽 二
 議事課速記技師 鎌 田 繁
 議事課速記技師 中 尾 祐 一
 議事課速記技師 保 田 良 春
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 午前十時三分開議
○議長(門 三佐博君) これより本日の会議を開きます。
○議長(門 三佐博君) この際、報告いたします。
 知事から、議案の追加提出がありました。
 職員に公文を朗読させます。
 〔職員朗読〕
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   財第94号 
   平成元年10月5日
 和歌山県議会議長 門 三佐博 殿
  和歌山県知事 仮 谷 志 良
 和歌山県議会平成元年9月定例会追加議案の提出について
 地方自治法第96条の規定に基づく議決事件について、次のとおり議案を提出します。
  記
 議案第121号 工事請負契約の締結について
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○議長(門 三佐博君) 日程第一、ただいま報告いたしました議案第百二十一号を議題といたします。
 議案はお手元に配付しておりますので、まず知事の説明を求めます。
 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) ただいま上程されました議案について、御説明申し上げます。
 議案第百二十一号は、和歌山下津港毛見一号線に係る橋梁下部工事の請負契約について、議会の議決をお願いするものであります。何とぞ、御審議の上、御賛同賜りますようお願い申し上げます。
○議長(門 三佐博君) 以上で、知事の説明が終わりました。
○議長(門 三佐博君) 次に日程第二、議案第百三号から議案第百二十号まで、並びに知事専決処分報告報第十号をあわせ一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第三、一般質問を行います。
 34番浜本 収君。
 〔浜本 収君、登壇〕(拍手)
○浜本 収君 十月三日、当議場で行われました森議員の質問に対する知事の答弁、特に日高町が行おうとしている原発の意識調査について質問をいたします。
 知事答弁は、次のとおりであります。
 「地方公共団体が行政を運営するに当たりましては、私は議会を通じて地域住民の意思を反映させていくことが基本でございますが、しかしまた、公聴制度等の方法によりまして住民の声をお聞きし、参考にすることもございます。御指摘の日高町の調査もこうした公聴の一つであろうと考えてございますが、お話ございましたように、実施に際しましては住民の基本的人権は守られるべきものであると考えてございます」。
 以上でありますが、森議員は、原発の意識調査実施に際し、その説明の中で、交友関係や取引の関係の情報を収集するというような意識調査は、一般的に行政が行う意識調査の域を脱した人権侵害ではないかと指摘したものであって、日高町の町長が、例えば自分の後援会の事務所なんかで後援会の役員さんや選挙参謀を集められまして、あの漁民は原発賛成か反対か、あるいは中立系かといったぐあいの選挙対策にそのことをするならば話は別でありますが、いやしくも日高町という自治体の町当局の意思として、いわゆる町の課長や係長が、原発賛否との関係で漁民の交友関係や特に取引の関係等を調査するなどというのは行政のとるべき内容ではあってならないし、それは人権侵害であると、森議員と同様、私は思うが、先ほど読み上げた知事の答弁は、このようなことを踏まえて「人権は守られるべきもの」と答弁したものなのかどうか、答弁を求める次第であります。
 さらに、比井崎漁協の総会では事前調査は廃案となったと迫る森議員の質問について企画部長は「そうではない」と答弁したが、ちなみに昨年の三月三十一日の各紙をまず紹介いたします。
 毎日新聞、「実った地道な反対運動 小浦原発海上事前調査受け入れ 比井崎漁協臨時総会で廃案」。読売新聞、「『原発廃案』地元に明暗」。産経新聞、「比井崎漁協臨時総会 混乱収拾図り廃案」。朝日新聞、「ごたごたはもうご免だ 海上事前調査を廃案」。いずれも「廃案」と大きく取り上げられ、テレビニュース等を通じ、全国にこれが「廃案」と放映されたところであります。
 なお、当日、臨時総会の議長を務めた杉山繁さんは、「原発を廃案にせなんだらますます混乱すると判断したからだ。(中略)原発問題はこれで終止符ということだ」とあります。
 しかしながら、県はこれらのマスコミの記事は間違いだと言うのだろうか。答えられたいのであります。
 第二点、比井崎漁業協同組合の議事録は「本日、この継続審議の海上事前調査は廃案といたします」とし、「ただいま、この限りで理事会は全員辞職いたします(全理事署名、捺印)」とのことだが、農林水産部では漁協のこの議事録添付の報告がなされていると思うので、正確に報告されたいのであります。
 その答弁に立って、再質問を行うことを表明し、次の質問に移りたいと思います。
 六月定例会において私は消費税に言及し、その質問の前提として、「平成元年度はリクルート汚染と消費税で明け暮れ、日本全土に国民の不満と怒り、そして政治不信が拡大し、その鎮静化の方向すらも見出せない状態に置かれた不確定な年であります。政治不信と消費税は、小手先の理論や詭弁を弄しても、見通しの明るい一つの決断と実行を政府みずからが国民の前に態度で示さない限り、国民は納得しないと私は思う」と述べたが、七月二十三日の参議院選挙の結果は、まさに確実にこの指摘を裏づけたようであります。
 本九月定例議会におきまして知事は、「ここ二、三カ月の国政レベルの動きとしては、さきの参議院選挙、さらに新内閣誕生等、大変目まぐるしいものがございましたが、県政に携わる者として私は、県議会議員各位を初め、県民の皆様の御理解と御支援をいただきながら、県勢活性化に全力を傾注する決意を新たにしたところであります」と述べたところであるが、その国政レベルの参議院選挙における県民の投票結果について、若干の意見を交えながら知事の御所見を伺うものであります。
 世耕政隆、二十四万四千百五十六、当選。東山昭久、二十万八千八百四十。その差、三万五千三百十六。土屋いつ子、七万七千百二十。比例区、日本社会党、十七万九千十五。自由民主党、十七万七千四百六十九。その差、千五百四十六。マスコミは、この選挙の結果について、消費税、リクルート汚染に見られる金権腐敗の政治体制とあわせて、女性スキャンダル、農政批判への国民の意思表示であると概評したところであるが、県民もまたその意思表示をいたしたのであります。政治状況は複合的な種々の要因をはらんでいるにしても、特に消費税強行実施が政府・自民党に一大打撃を与えたのであります。さればこそ、金丸副総理をして「消費税は国民のリコールに遭ったと思う。町村長に対するリコールが成立すれば辞任しなければならない。消費税を真剣に考えなければ次の衆議院選挙はどうなるのか」とさえ発言せしめたのであります。
 そこで、私は知事に質問をいたします。
 一つ、消費税と県民の投票意識について、知事は今どのような所見を持っているのか。
 二つ、今国会は、消費税廃止法案の提示とそれに対する徹底的な批判の構えが対峙し、国民の注目を集めているところであり、七月二十三日の投票結果に見られる消費税拒否の国民の意思の上に立って、何よりもまず執行者たる政府・自民党がその結論と具体策を国民の前に提示することが私は政治の常道であると思うが、知事はどのような所見を持っているか、あわせて明言されたいのであります。
 三つ目、一昨年行われた知事選挙では、仮谷知事の得票率は何と八三・九三%の高率でありますが、ただ日置川町のそれは六七・八一%、日高町のそれは七六・九九%であります。この点については既に当議場においても指摘のあったところであるが、原発立地という県の施策に対し、それぞれの町民が批判票を投じたものと私には思われるし、この問題がより直接的に過熱化し、政治の争点になったのが昨年の日置川町長選挙であります。
 よく「あの人は人格者や」とか「行政能力がある」とか、日常いい評価を受けている方でも、一たび消費税に似た、あるいはまた余り人々が好まない原発などを政治の中心にした選挙等が行われた場合、一般的に勝者、あの人は勝つと思われる側にとっても思わぬ悪い結果をもたらすことがあるが、今回の消費税はその最たるものであり、国政に比べて比較的比重の少ないと思われた東京都議選などにおいてもその結果が出たのである。
 知事は、「県民の皆様の御理解と御支援をいただきながら、県勢活性化に全力を傾注する」とし、その前段において参議院選挙、新内閣誕生等大変目まぐるしいものがあるという政治状況を関連づけて、今「決意を新たにした」と述べているが、その政治的意義は何なのか、御所見を伺いたいのであります。
 次に、南紀療育園の問題について簡単に質問をいたします。
 既に地方紙等で報じられている南紀療育園の売店会計利益をめぐる不明朗疑惑についてただしたいと思います。
 その概要は、次のとおりであります。すなわち、療育園の売店は、昭和五十五年に毎月お菓子代として園児に月額一人当たり二千円を支給、子供たちの社会活動や計算能力訓練に役立つものとして開設したものであります。ところが、開設当時から六十一年までの七年間の利益金は計二十六万余円で、六十二年度以降は、六十二年度利益金三十六万五千余円、六十三年度三十四万七千余円、本年は、この七月までの利益金は既に二十六万余円であります。六十二年以降の収益は一定額を定期預金して留保、また最近できた園内の作業班に活動資金として貸し出すなど役立てているが、開設以来の七年間の収益計二十六万余円は六十二年度単年度のそれよりも十万余りも低いことが大きな疑問として浮かび上がったものであります。
 御承知のように、同園は社会福祉法人和歌山県福祉事業団が運営、また平成元年度の同園に対する県費は七千八百九十七万六千円であります。報じられるところによれば、開設以来七年間は会計報告もなく、またそれらの証拠書類、資料が一切ないとのことであります。
 そこで、県はこの問題の経過等を踏まえ、どう対処しているのか、説明されたいのであります。また、去る九月二十一日の保護者会は、「種々議論の上、園の信頼回復に向けて職員一丸となって頑張ってほしい」と、深い激励を同園長と職員に行ったが、この保護者たちの声にどうこたえるのか。
 また、私は地方紙に書かれた、いわば「天声人語」に似た記事に引かれたが、それは次のとおりであります。「留守中の新聞に目を通した。中に例の南紀療育園の不祥事がある。記事の扱いから見てスクープに間違いない。ただし、新聞を経営する立場から言うと、この種の記事が一番つらい。個人的なことを言うと、この当事者とも心安い。もちろん、療育園長を初め関係者とも知らぬ仲ではない。表ざたになるとどういう結果になるかも理解できる。口伝えよりも活字の怖さも知っている。『できれば穏便に対処してほしい』は、関係者であればだれもが願うことでもある」。このような温かい気持ちにどうこたえるのか、あわせてお聞きしたいのであります。
 今議会でも台風のことが議論をされてございますが、七月末の台風十一号、八月末の十七号、九月の二十二号と打ち続く豪雨の中で私が直接その現場で出くわした二つの事例を簡単に要約し、質問をいたします。
 その一つは、ゴルフ場建設と土砂濁水についてであります。
 田辺白浜有料道路沿いの内ノ浦湾、池田湾に異常な濁水が見られた。大雨の中を車で走った私は、後日、この濁水は上富田町岩崎地内で今建設されている朝日住建のゴルフ場造成地からの土砂流出がその主たる原因であることを知ったが、造成地から出た水は、一度造成地内の調整池にたまり、さらに下流のはね池を経由し、谷川を流れ、内ノ浦湾に流れるということで、通常は防災上余り問題はないとされてきたが、この前のような大雨が何回も降り続くと効果的な流出防止ができず、湾内に大量の濁水が流れたのであります。ちなみに、内ノ浦湾というのは、今、田辺が計画しているリゾートのいわば本拠地、該当地であります。
 このため海は茶色に染まり、雨がやんだ後も三、四日間、濁水の流出がとまらない状態が続き、それが付近の海岸の生物や漁業にも若干の被害を与えたのであります。このため西牟婁県事務所は、効果的な防止策を検討する必要があるとして、現地調査を何回も重ね、これが善処策を講じたと聞いているが、該当のゴルフ企業との協議、また関係漁業者との話し合いの経過とこれが対策についての結果を明らかにされたいのであります。また県においては、今後のゴルフ場建設等の建設許可に当たり、その許可条件はもとより、その周辺の条件や状況について、よりきめ細かい対策を再検討する必要があると私は思うが、あわせてその見解を問うものであります。
 いま一つは、白浜町の避難港・横浦湾、古賀浦湾のしゅんせつについてであります。
 これまた、台風時に私は何回もこの避難港に五百余隻の大小の漁船が停泊している状況に出会ったが、この避難港は御坊市から西牟婁郡は日置、すさみにわたる漁船の停泊港であり、少々の台風や大雨の中にあっても、静かな入江のため役立っているのであります。五百余隻の漁船の停泊も、また台風解除とともにそれぞれの船が漁民たちの笑顔やかけ声とともに帰船する光景は、まさに壮観であります。
 下って、昭和六十三年四月、さらにはこの五月と、これが関係の漁業組合、御坊市漁協、日高郡内漁協四組合、田辺市内三組合、西牟婁郡内四組合、計十二の漁業組合が、また白浜町からもこぞって、県漁港課と河川課に大要、次の要望を行ってきたところであります。原文を読ましてもらいます。
 「私たちは、白浜町横浦湾及び古賀浦湾での漁船の避難に際し、過去幾多の台風襲来の折からも難を逃れてまいりましたが、この場所も最近では、大量の土砂等の流入により、満潮時の係船以外は困難な状況となり始め、先般も御坊市以南、すさみ漁業協同組合までの漁業組合長相集い、この実情の上に立って、一日も早く安心して避難時に係船できるようお願い申し上げることにいたしました。県の財政も大変かと思いますが、各関係漁業者のこの状況の解決策、すなわち早急なしゅんせつ工事をぜひお願いいたします。また、白浜町は、この状況とあわせて、干潮時の泥田と言うか沼田にも似た状態は著しく美観を損なうという観光立町の立場からも、これが対策を要望しているところであります」。
 この湾内は土木部の河川課と農林水産部の漁港課の両課に関係するが、ぜひ農林水産部、土木部で協議の上、早急な対策を講じられるよう、そしてそれぞれの部長より答弁をされるよう質問といたします。
 次に、リゾートについて、特にリゾートと住民合意といった点について質問を行います。
 去る九月二十三日、各紙は一斉に、マリーナシティの建設に関し漁業への影響大として加太漁協の抗議集会と海上デモを大きく取り上げ、昨日もこれが質問のあったところであります。私は、そういった推移を見守る中で、今、燦リゾート構想が大きく前進しようとする状況も踏まえ、特に住民合意の形成こそが何よりも重要な視点と考え、若干の質問をいたしたいと思うのであります。
 本年二月二十五日、田辺市の紀南文化会館において、田辺湾岸総合リゾート開発についてのシンポジウムが千百余名の参加のもとに開催され、パネラーの川端企画部長は、「『リゾート開発は町づくりである』と言われていますが、だれのための町づくりかと言いますと、それは地域に住む皆様方のためのものであり、快適な生活、ゆとりのある生活のために、行政が担当する基盤整備をベースに、皆さんとともに環境整備を推進していくものだと考えます。リゾートライフもまた快適な環境の中でゆとりのある滞在生活が楽しめることが基本であり、リゾート開発が進んでも、地域の人たちが快適な生活ができない環境ですと、リゾートに訪れた人たちも快適な生活ができないことになります。したがって、リゾート開発は民間事業者や外来者のための開発ではなく地域の皆様方のためのものだということを御理解いただき、リゾート開発による町づくりの実現に向けて皆様方とともに推進してまいりたい」、このように述べたが、正しい考え方であると私は率直に受けとめたのであります。
 さて、その一環である田辺湾岸総合リゾート計画は、昨年の八月末、丸紅と田辺市の間で一千億を投入するとして発表され、一年後の今、今度は二千億を投じて行うとして、田辺市当局は田辺市議会ともども、これが実現に向けて前進しようとしております。
 さきに発表したヨット千五百隻の計画は、毎日小型の「なだしお」事件を誘発する危険ありと私は昨年の議会で指摘したが、このような計画発表と同時に、周辺の漁業者との話し合いが余り行われているようにも思われないし、また特に内ノ浦地区や鳥の巣地区の住民の方々との話し合いがまだ不十分と聞くが、一抹の不安すら感じるのであります。もちろん、事業の策定には自治体との合意が先行しなければならないにしても、一千億に続いて二千億といった華々しい発表に比し、住民が戸惑いを感じるのもまたけだし当然であります。
 礼宮さんが紀子さんをお嫁にするというその発表は、それに至るまではかなりの年月が必要であったはずであります。内ノ浦湾や鳥の巣地区をリゾートにするのだという発表は、昨年の八月に発表されたけれども、極端な表現をするならば、鳥の巣の住民や──十二戸であります──内ノ浦の住民は、だれよりもこのリゾート構想の意義や、この地を、自分の土地を売ってもいいのだという確信を持たない限り、行政が幾ら力説してもそれは主客転倒ではないだろうかと私には思えてならないのであります。また、余り好まないことではあるが、漁民による海上デモが行われないという保証がどこにあるのだろう。ちょっと今一例を挙げても、大変気がかりになります。これらについても、その現状をぜひ明らかにされたいのであります。
 先ほど読み上げましたせっかくの川端企画部長のリゾート憲法、仮谷憲法であります。これは一片の演説であってはならないのであります。すなわち、住民による住民のためのリゾート形成に、いま一度、市町村ともども根性を入れかえてもらって立ち向かう指導、そういう指導の強化を切望し、あえて質問といたした次第であります。
 以上で、終わります。
○議長(門 三佐博君) ただいまの浜本収君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 浜本議員にお答え申し上げます。
 日高原発の意識調査でございますけれども、先日、森議員にお答え申し上げましたとおり、地方行政を行うに当たっては住民の声を十分聞いて参考にするということが普通であるわけでございまして、特に最近のような目まぐるしい世の中において、世論、世の動きというものを見ることが私は政治家として重要なことではないかと思っております。
 ただしかし、実施に当たっては住民の基本的人権は当然守られるべきであると述べたわけでございます。
 次に、消費税の問題でございます。
 先ほどお話ございましたように、参議院選挙の結果につきましては、消費税に対する県民の関心の高さもございまして、自民党にとりまして厳しい結果となったことは事実でございます。政府は、参議院選挙や最近の世論調査の結果を踏まえまして、見直しの作業に取り組んでおります。また、社会、公明、民社党は消費税廃止法案を提出して、開会中の国会において論議されるものと存ずるわけでございます。政府におきましても、十分国民の意見を聞くという手続を経て適正な見直し案が提出されるものと考えております。
 私としましても、県民生活への影響の問題、地方財政の安定等の問題から、国の動きを十分注意して見守って対処してまいりたいと思っております。
 それから、参議院選挙の結果を見て、それを受けての決意を新たにしたという政治的意義の問題でございます。
 私も、厳しい参議院選の結果を踏まえまして、県政を行う立場として、政治の厳しさというものをひしひしと感じたのでございます。また、社会の動き、人の心の動き、そうしたものになお一層真摯に対処して、潤いと活力のあるふるさとづくりに邁進しなければならないという決意を表明したものでございます。
○議長(門 三佐博君) 企画部長川端秀和君。
 〔川端秀和君、登壇〕
○企画部長(川端秀和君) まず、比井崎漁協の総会についてお答え申し上げます。
 先日、森議員にお答え申し上げましたように、昨年三月三十日の臨時総会は、混乱の中で組合長が廃案の意思表示をしたものと聞いてございまして、そうした中で、事前調査について採決に至らなかったものであると判断をいたしているところでございます。
 次に、リゾート開発、住民合意の形成の問題についてお答えを申し上げます。
 リゾート整備は、議員御指摘のとおり、リゾートに訪れた人々だけでなく、そこに住む人々が快適な生活を過ごせる町づくりが基本であると考えてございます。本県では燦黒潮リゾート構想を策定するに当たり、地域住民の意向を十分反映していくため、地元関係団体の関係者や市町村等で構成する燦黒潮リゾート構想推進連絡協議会を設置して、リゾート構想推進のための連絡調整に努めているところでございます。また、リゾートシンポジウムやセミナー等を実施し、こうしたリゾート整備の考え方について県民の方々の御理解をいただくよう努めているところでございます。
 一方、リゾート開発は、サービス産業の振興はもちろんのこと、農林水産業、地場産業等、地元関連産業の活性化につながるすそ野の広い産業振興策であると考えてございます。このため、リゾート整備に当たっては、地元住民の理解と協力を得ることを前提とし、地元雇用の促進やリゾート事業への参画など、地域振興を目指すという観点から市町村、民間事業者、地元住民と一体となって積極的に推進してまいりたいと考えているところでございます。
 以上でございます。
○議長(門 三佐博君) 農林水産部長安田重行君。
 〔安田重行君、登壇〕
○農林水産部長(安田重行君) お答えを申し上げます。
 ゴルフ場の造成地からの土砂流出による内ノ浦湾、池田湾の濁水問題につきましては、まことに遺憾なことと存じてございます。濁水問題が起こって以来、現地調査を行い、効果的な防止策を立てるためゴルフ企業と数度にわたって検討を重ね、蛇かご等による沈砂池を増設施工し、土砂濁水の流出の防止に努めるとともに、施工管理についても許可条件を遵守するよう、企業に対して厳しく指導をいたしているところでございます。
 漁業組合に対しては、企業に対する指導経過及び防止対策について説明を申し上げ、一応の御理解を得ておりますが、なお細部について協議を継続しておるところでございます。
 今後、ゴルフ場等の建設に伴う林地開発許可に当たっては、議員御指摘のとおり、今回のケースを生きた教訓として、特に許可条件の厳守となっている災害防止工事について、きめ細かい指導を図ってまいる所存でございます。
 次に、漁船の避難対策の関係でございますが、古賀浦湾の漁港区域内のしゅんせつについては、早速現地の実態を調査し、管理者である白浜町と協議の上で積極的に取り組んでまいりたいと存じます。
 漁業協同組合の総会に関しての問題でございますが、その議事録については、関係法令に基づいて昭和六十三年六月二十八日付で漁業協同組合から提出をされてございます。正確に報告せよとのことでございますので、議事録記載のとおり申し上げたいと存じます。
 「組合長──これは発言者のことを言うております──本日の、この継続審議の海上事前調査は廃案と致します。 そして、只今この限りで理事さんは全員辞職いたします。〔組合員全員散会した〕 十六時十分」。
 以上でございます。
○議長(門 三佐博君) 民生部長高瀬芳彦君。
 〔高瀬芳彦君、登壇〕
○民生部長(高瀬芳彦君) 南紀療育園の問題について、お答えいたします。
 従来、入園児に対するおやつの支給を現物で行ってきたところでございます。しかし、園児の社会適応訓練の一環として、昭和五十五年四月から園内で販売しているところでございます。
 議員御指摘の、販売時から昭和六十一年末までの間の問題については、設置主体である県福祉事業団に対し、その間の事実確認を早急に実施し、問題の処理に努めるよう指示しているところでございます。しかしながら、その経理は事業団の本会計外で処理されていたこともあって、事実確認に困難を来してございますが、引き続いて事実の把握に努めてまいりたいと考えてございます。
 一方、この問題に関して入園児保護者からも園の信頼に関しての御意見をちょうだいしてございます。県としても、信頼される県福祉事業団として、管理体制や人事管理の強化指導に努め、県民の期待にこたえてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(門 三佐博君) 土木部長磯村幹夫君。
 〔磯村幹夫君、登壇〕
○土木部長(磯村幹夫君) お答えいたします。
 白浜町古賀浦湾の奥の横浦湾のしゅんせつについてでございますが、横浦湾は、議員御承知のとおり、建設省所管の海岸保全区域となっております。海岸保全区域の水域を漁船避難泊地として利用するためのしゅんせつについては、既設の護岸に悪影響がないかなど国土保全上の問題もありますが、農林水産部、白浜町等と協議してまいります。
 以上でございます。
○議長(門 三佐博君) 商工労働部長天谷一郎君。
 〔天谷一郎君、登壇〕
○商工労働部長(天谷一郎君) リゾート開発に係る企業の誘致につきましては、もちろん地域の活性化を主眼としているものでございまして、地元住民や関係団体の合意は最も重要であると考えてございます。
 県としても、昨年九月、リゾート企業立地に係る留意事項を全市町村に通知して注意を喚起したところでありまして、現在、田辺市において合意を得るべく努力中でございますが、今後ともその趣旨を踏まえ、田辺市を指導してまいりたいと考えてございます。
○議長(門 三佐博君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 34番浜本 収君。
○浜本 収君 答弁漏れと言えば答弁漏れですが、一緒にあわせて再質問をいたします。
 先ほどそこで読み上げました、三月三十一日の各新聞の見出しですね。いずれも「廃案」となっている。それから、その日に全国で「廃案」やとテレビニュースで発表された。けれども、川端企画部長は「廃案でない」と言う。これ、新聞はうその記事は書かないけれども、何か、憶測記事で「廃案」と書いたみたいな、感じですね。憶測記事で「廃案」と書いて、川端企画部長は「廃案でない。採決に至らなかった」と言う。これについて、その関係をお答え願いたいと思う。
 いま一つは、水協法に基づいて、農林水産部長が「組合長 これを廃案といたします」と、先ほどそこで読み上げました。だから、これが法律行為からいうならば一番──漁業組合から出してきた。「廃案といたします」と。だから、これが根拠でなかったら何を根拠にするのか。「廃案といたします」と、そこで読み上げた。これが根拠であって、そのことは言うならば──企画部や他の部はそれを知らんのか。そういう協議は何もなくて、ただ農林水産部長がそれを後生大事に自分の部屋へ置いておくだけか。「組合長はこない言うてるで」というようなことは他の部へは一つも言うてやらんのか。「企画部長、いつでも『違う違う』と言うが、おまえ違うてるで。こない言うてるで」と、なぜ教えてやらんのか。
 教えたけれども、その辺はごまかしておるんかなと思ったりするわけですが、それについてもう一遍──その「組合長 これを廃案といたします」と先ほど私が読み上げたのも、あれは他人に見せたら悪いんですね。その組合の人だったらいいんです。あれは、閲覧してもらって、署名捺印して。だから、県へ来ているのと変わらないわけです。だから、これが三月三十日の決定なんです。「廃案といたします」と。これに、「違う」という理論、それよりも上の解釈というのはどこから生まれてくるのか、これをひとつお聞きしておきたいと思います。
 それから、先ほど郷土の大江先生からも声援を受けましたが、例の横浦湾と古賀浦湾のしゅんせつでございます。
 これはまあ、そういうことを議場で言うのはちょっと面映ゆい感じもしたわけでありますが、(「そのとおり」と呼ぶ者あり)──それもそのとおりでありますが、最近は大江さん、何もかも私に賛成をしてくれる。
 しかし、これは十数年来の懸案であります。皆さん、知事も副知事もそうだと思いますが、「古賀の井」──ホテルですが──へ行かれることがあります。しかし、それは大体、夜になるんですね。だから、夜は海のことがわからん。ところが、干潮になって潮が引いたとき、一遍、何時ごろ潮引くでということを知事や副知事に電話しますので、出張を兼ねて来たときにでも潮の引いたあの湾を見ていただきたい。とてもじゃないけど。
 昭和五十三年、と言えばおわかりと思いますが、わしも一生懸命にそれ何とかしてほしいと思って県へお願いして、千何百万か何かで掘ったことがあるんです。県がですよ。町が掘ったんじゃない、県が掘ったんです。しかし、それ以来ずっとそのまま放置というか、そういう状態なんです。ほうっておけば幾らでも汚くなる。それが一つ。
 そして、私は特に海が好きなんですが、五百隻ほど停泊していると今さっき申し上げましたけれども、それもいつまでもあの状態で置いておくと、船が入り切れないようになってくるんではないか。しかも、これは、先ほども申し上げた十二の漁業組合からも何とかしてほしいと。しかも、それは大変かわいらしいじゃないですか、「県の財政も大変かと思いますが」というように、遠慮がちでお願いをしている。そういうことにぜひともこたえていただきたいと思います。
 何か歯切れの悪い感じも土木部長の答弁にはございましたが、協議の上、早急にこれがしゅんせつをされたいということを特にこの機会に要望しておきたいと思います。
 以上です。
○議長(門 三佐博君) 以上の再質問に対する当局の答弁を求めます。
 企画部長川端秀和君。
 〔川端秀和君、登壇〕
○企画部長(川端秀和君) 再質問にお答え申し上げます。
 議事録につきましては、議員御指摘のとおり、企画部としては議事録を直接閲覧することはできませんが、所管部から会議の状況についてお聞きをして判断をいたしたような次第でございます。
 以上でございます。
○議長(門 三佐博君) 答弁漏れはありませんか。──再々質問を許します。
 34番浜本 収君。
○浜本 収君 抜けておるようでありますが、昨年の三月三十一日の新聞の発表、いずれも「廃案」と書いたのはうそを書いたんか。そうと違うとあんたが言うてる。だから、これは虚偽もしくは思惑の記事であるのかどうか、予想記事であるのかどうか、それをまずただしておきたい。
 それから二つ目は、そういうことは知っているということですが、先ほど農水部長が答えられましたように、組合の組合長が「これを廃案といたします」というこの議事録、これにまさるほかの解釈はどこから生まれてくるのか、それをお聞きしたい。
○議長(門 三佐博君) 以上の再々質問に対する当局の答弁を求めます。
 企画部長川端秀和君。
 〔川端秀和君、登壇〕
○企画部長(川端秀和君) 先ほど御答弁申し上げましたように、混乱の中で、総会運営の議長の整理によるものではなくて、組合長が廃案の意思表示をしたものであると聞いてございまして、そうした中で調査についての採決に至らなかったものであると判断をいたしているところでございます。
 以上でございます。
○議長(門 三佐博君) 答弁漏れはありませんか。──以上で、浜本収君の質問が終了いたしました。
○議長(門 三佐博君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 27番木下義夫君。
 〔木下義夫君、登壇〕(拍手)
○木下義夫君 通告した順番に従いまして、一般質問をさしていただきます。
 まず初めに、田辺湾の総合整備開発についてであります。
 その一として、田辺湾における将来整備ビジョンの策定についてであります。
 田辺市は、本県の中央部に位置する県下第二の都市でありまして、最近では各種の大規模なリゾート開発計画を具体化し、田辺バイパスの整備なども鋭意進めており、さらに新南紀白浜空港の建設や高速道路の南伸等のインパクトも踏まえた、紀南の中心都市であります。そして、田辺市の果たすべき役割はますます重要になってきているのであります。
 現在の田辺市を取り巻く動きを見てみますと、田辺定住圏域の整備方向を国際文化リゾート基地とした県の第四次長期総合計画、この地域を紀南アクティブリゾートゾーンとしている燦黒潮リゾート構想、田辺湾海洋牧場構想などによる水産業振興を目指しているマリノベーション構想、南紀白浜空港ジェット化整備を活用した産業振興やリゾート地の形成を図るとしているジェット計画、地域の活性化を目指す田辺市、南部町、白浜町の長期総合計画等があり、それらの計画に基づいて空と陸の交通施設の整備は順調に進められているものの、本来、半島であるがゆえに有利であるはずの海の関連施設の整備は極めておくれていると言わざるを得ません。これからは海の時代とも言われ、海を取り巻くネットワークづくりが図られつつある現在、田辺市においても大型船舶の停泊できるような港湾づくりが急務であると考えます。
 そこで、田辺市、南部町、白浜町で構成する田辺湾岸地域振興協議会は、本年三月、国際文化リゾート基地を形成するため、交通基盤の整備、田辺湾の浄化などの条件整備を前提に、水産業の振興を含む地場産業等とリゾート地の形成を推進することを柱とする総合利用計画を発表しました。また、田辺市では田辺商工会議所港湾開発特別委員会が設置され、各種関係業界よりアンケートをとりながら、田辺市、田辺市議会とも連携を深め、田辺湾の総合利用を模索している現在であります。
 現在の田辺湾を見ますと、大型船舶の停泊できるような埠頭がないため、輸入された外材は沖合で海上投棄されて工場まで運ばなければならず、このことが港湾貨物の流通を大きく阻害し、さらに田辺港湾汚染の大きな原因となっております。
 田辺湾では、現在、丸紅、東急不動産、シータイガーなどによるマリンリゾート計画が具体化され、また芳養地域でもリゾート開発構想が立てられつつあると聞いていますが、一刻も早く田辺湾全体の将来整備ビジョンを立て、港湾、漁港、マリーナなどの機能がふくそうすることのないよう線引きを行い、大型船舶の停泊できるような港湾整備を核とした具体的な整備計画を策定する必要があると考えますが、この点に対する知事の御所見をまずお尋ねいたします。
 二点目、芳養湾における大型港湾の建設についてであります。
 田辺湾の港湾整備に対する私の考え方を述べさしていただきますと、田辺湾東部地域では鳥の巣地域、滝内地域で既に大型リゾート開発計画が具体化しており、文里港を中心に、基本的にはマリーナを中心とした整備を図り、一方、田辺湾西部地域の芳養地域では、大型船舶の停泊できるような港湾整備を図り、その背後地には地場産業の加工団地、旅客ターミナル、総合卸売市場、各種試験研究機関等の誘致をし、田辺地方を中心とした経済発展振興を図るべきであると考えます。つまり、田辺湾東部はマリーナを中心とし、芳養湾は港湾を中心とした機能分担を図ることが最も望ましい整合性のとれた姿と考えますが、この点につき土木部長の御所見をお尋ねいたします。
 これにより、文里港の製材工場は新しい港湾地域に移転が図られ、大型港湾と一体となった製材業の発展が期待され、また文里港の製材工場跡地にはリゾート関連、あるいは都市再開発関連の機能の誘致を図っていくことにより、田辺市の都市機能は極めて強化されるものと考えております。
 次に、教育行政についてであります。
 まず初めに、国際化時代の教育行政についてお尋ねをいたします。
 県の第四次長期総合計画の「二十一世紀を創る人づくり」において、「全面的な国際化時代を迎えるにあたり、その変化を鋭敏な感覚で受け止め、柔軟で創造的に対処できる人づくりを進める」「国際化時代に対応して、諸外国との多様な交流を推進し、本県の国際化を進める必要がある」「国際交流を積極的に進めるため、国際性のかん養を図り、国際化についての県民の自覚と理解を深めるとともに、海外に開かれた意識を培うことが必要である」と述べられている。
 また、今議会で仮谷知事は、西口副知事ともども海外出張して、「海外と技術的、人的な交流を進めることは、本県の発展にとり、大変有意義なことであると考えており、今後とも国際的な視野をさらに広め、国際交流の積極的な展開を図ることが必要であると考えております」と、力強く述べられているのであります。和歌山県の国際化について、いま一度知事の御所見を賜り、その上で次の諸点について教育委員会にお尋ねをいたしたいと思います。
 まず第一点、長期総合計画に述べられている国際交流団体の育成についてであります。
 「国際交流活動を積極的に推進するため、国際交流団体の育成を行うとともに、交流団体相互間の連携と協力をはたらきかける」と力強く述べられていますが、国際交流団体育成の現状と県下の高等学校(私立をも含む)に対する留学生の受け入れについてどのように指導しているか、留学生の受け入れが一部の高等学校に偏って、そのことによる弊害が出ているのではないかと心配をしているが、いかがか、教育長にお尋ねいたします。
 また、国際交流団体の育成については、関係の知事公室長にもその御所見を賜りたいと思います。
 次に、六十三年十二月県議会で質問したアシスタント・イングリッシュ・ティーチャー、英語指導助手についてでありますが、現在の和歌山県下のAETの数とその全国水準についてお尋ねをいたし、そのことについての感想を教育長よりお聞かせ願いたいと思います。そして、過去十年間の海外への派遣生徒の人数と海外から受け入れをした人数とをお教え願いたいし、またそれに関する教育長の所見を賜りたいと思います。
 第二点目、二十一世紀に向かって、海を中心に開け行く和歌山県の教育行政についてであります。
 この問題についても、昭和五十八年九月県議会で質問をいたしておりますが、和歌山県における基本的な産業の中で教育の裏づけのないのは水産業だけであり、漁民の子として生まれ育ってきた者としてはまことに残念でなりません。商業には商業高校、農業には農業高校、農業学科があり、林業には林業学科、工業には工業高校があります。二十一世紀に向かって和歌山県は、海を中心として発展していく大きな数々のプロジェクトが組まれておりますが、これらに対する教育の裏づけがありません。
 先日、福井県で全国の水産高校の研修大会があり、大きな成果が得られたようであります。水産高校も時代の進展とともにその学科の編成がえが行われ、例えば福井県立小浜水産高校には海洋漁業科、栽培漁業科、食品工業科、水産経済科があり、現在の和歌山県の水産業の発展のためにもなくてはならない学科ばかりであります。ぜひとも真剣に考えていただき、水産高校の新設または水産関係学科の併設について、知事及び高垣教育長の熱意ある御所見をお尋ねいたしたいと思います。
 昭和五十八年九月県議会でのこの問題に対する当時の高橋教育長の答弁は、次のとおりであります。「水産高校の設置や学科の併設については困難点が多過ぎるように思うわけでございます。しかしながら、御指摘のように、漁業後継者の育成は本県水産業の振興を図る上で重要なことでございます。今後とも関係機関との連携を密にしながら効果的な後継者育成の方途を更に検討してまいるとともに、中学・高校における進路指導に当たっては、水産業への一層の関心を高める指導の徹底を図る所存でございます」とあるが、その後、教育委員会でどのような措置をされたか、お尋ねをいたしたいと思います。
 三点目に、聴覚障害者に対する福祉施策についてお尋ねをいたします。
 この問題についても、昭和六十二年九月定例会で質問いたしましたが、その後の経過を踏まえて再度質問をいたしたいと思います。
 まず初めに、公共機関へのファックスの設置の問題でありますが、六十二年七月現在で設置していた公的機関は病院を含めて八十九件でありましたが、それ以降、民生部長を初め関係者の努力で、平成元年八月十一日まで六十六件の増加をして、合計百五十五件になりました。警察関係は、本部集中管理になり順調に作動しているとのことで、大変喜ばしい限りであります。県関係、市町村関係、消防関係も大体設置されておりますが、残念ながら、県下で未設置の消防本部が五本部あると聞いています。消防本部は、御存じのとおり、県民の生命財産を守り、幸せな平和な生活を確保するのが本来の任務であり、まして障害を持つ方々の幸せを一層念願し、率先してその設置を図らなければならないものであります。
 そこで、未設置の消防本部名と今までの指導方法、そして経過、未設置の理由等を関係部長から御答弁願いたいと思います。そして、一日も早くファックスを設置して聴覚障害者がより安心して社会生活を送ることができるようにしてあげていただきたいと思います。
 次に、ファックス設置についての維持費(リース代を含む)の公費負担の促進であります。
 先日、新聞紙上に、和歌山市消防局が聴覚障害者からファックスで救急車の出動を依頼され、そして患者の救急活動の演習のことが出ておりましたが、これを見て、一歩前進であると心強く思いました。障害を持つ皆さんは、その障害のために十分な経済活動ができず、残念ながら所得水準が低いので、ファックス設置費用の負担が過重になり、のどから手が出るほど設置したくてもできない現状であります。
 この問題についても昭和六十二年九月に質問いたし、引き続き機会あるごとに担当課である障害福祉課に要望しており、近畿府県障害者福祉担当課長会議を通じて、再三再四、厚生省へ要望しているとのことですが、ファックスは現在では普通の家庭でもかなり普及している現状ですので、障害者の明るいあすを実現するためにもぜひ公費負担をしていただきたいと熱望しておりますが、民生部長の答弁をお願いいたしたいと思います。
 ちなみに、聴覚障害者でファックスの必要な方は、平成元年四月で一級の障害の方が二百十九人、二級の障害の方が千八百九十四名で、合計二千百十三人であります。しかし、平成元年七月末現在で約百三十件のファックスしか設置されておりません。六%であります。百人のうちの九十四人が未設置の状態になっております。いかに聴覚障害者の皆さんが熱望しているか、このことを見てもよくわかると思いますので、一日も早く公費負担が実現するような御努力をお願いしたいと心から念じております。
 四番目は、文里港マリンタウンプロジェクト調査についてであります。
 我が国社会は、国際化、情報化、都市化が進む中で、これからの港湾のあり方を探るべく、今、港湾空間に新しい要請が求められております。運輸省と地元が共同で行うマリンタウンプロジェクトが全国の主な港湾で実施されており、文里港もその対象港湾になると聞いております。このマリンタウンプロジェクト調査により、各地の港湾で新しい二十一世紀に向けた海辺の町づくりのための港湾計画が策定され、その一部は既に事業化に向けて進んでいる現状であります。
 本県の持つすばらしい海洋資源は全国に類を見ないと思いますが、とりわけ、南紀の持つ海岸線は、水辺空間の創造を求められる現在、つまりウォーターフロント時代とも言われる中で文里港を眺めた場合、前述したように、その周辺では丸紅、東急不動産、シータイガー等の民間企業による海洋性リゾート開発計画が具体化されつつあり、地域の活性化の弾みとなっております。こうした時代の要請にもこたえていかなければならないと思います。
 また、田辺市にとって基幹産業である木材、水産業等の地場産業が二十一世紀に向けてより一層の発展を見るためには、港湾、港湾物流機能の充実は欠かせないものであると考えます。さらに、文里港が位置する田辺湾の海域は多くの漁業者が操業する、水産面からも重要な海域であります。このような多様な海域利用が要請される田辺湾の開発を考えるに当たっては、海域利用に対して幅広い視点に立って意見を聞くべきであると考えられるが、調査委員の選任に当たっての考え方、また文里港マリンタウンプロジェクト調査の概要とあわせ、調査に対する取り組みについて土木部長の御意見をお伺いしたいと思います。
 また、この調査は田辺市も加わった共同調査であると伺っておりますが、地元には、先ほど申しましたように、数多くのリゾート開発の提案があり、その中で新しい地域の姿を模索し、そして新しい世紀に向けてどのような港湾の開発が市の活性化につながってくるかが問題となっております。田辺市のそうした実情を認識した場合、マリンタウンプロジェクト調査がどのような形で地元の期待にこたえられるかについて土木部長の御意見を伺いたいと思います。
 以上で、第一回の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。
○議長(門 三佐博君) ただいまの木下義夫君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 木下義夫議員にお答え申し上げます。
 田辺湾の総合開発、特に田辺湾における将来の整備ビジョンについてでございます。
 お話のとおり、田辺湾は田辺を中心とする広域地域の重要な開発拠点だと思うわけでございます。現在、田辺湾には文里港、それから田辺漁港、芳養漁港、こんな形で構成されまして、広域的な地域の発展のために努力してまいったところでございます。
 田辺湾の総合開発につきましては、田辺市長、南部町長、及び白浜町長、三首長から成る田辺湾湾岸サミットをつくっておりまして、ここにおいて、合意を得ての田辺湾総合利用計画基本調査がまとめられたわけでございます。
 県としては、この計画を基本のベースにいたしまして、田辺湾全域を対象とした総合的な港湾空間のあり方、また海洋の利用と一体となった海辺の町づくりに向けて、港湾整備についてお話ございました文里港マリンタウンプロジェクト調査を運輸省、県、田辺市の合同調査の形で実施してまいる所存でございます。
 また、水産関係でマリノベーション計画もございます。そしてまた、地元においていろいろなプロジェクトが起こってまいっております。こうした諸点を踏まえながら、地元と連携を図って、御提言の趣旨を踏まえて田辺地域の港湾の振興を図ってまいりたいと思っております。
 次に、国際化ということでございます。
 これにつきましては、議会において、議員の皆さんから提言をいただき、指導いただいておるわけでございます。私も副知事も、また県会議長、副議長、他の議員の皆さんと一緒に、このたび海外にも出張させていただいたわけでございます。
 御承知のように、和歌山県は海外へ移住の県でございまして、日本の国際化のために、日本人を理解していただくために、和歌山県の先駆者の皆さんがすばらしい功績を上げておるし、また、今後ともなお一層上げてもらわなければならないわけでございます。
 国際化の問題につきまして、お話ございましたように、人づくりの問題については全力を尽くしてまいりたいし、環境づくりの問題も大事でございます。また、議員の皆さんからいろいろ御提言承っております各国との友好提携、こうした問題等につきましても、今後なお一層積極的に進めてまいりたいと思っておる次第でございます。
 次に教育の問題で、水産高校を新設したらどうか、また併設したらどうかという問題でございます。
 これについては、水産団体からもかねてから要望もございました。また、議会からの提言もございました。これにつきまして、私は教育委員会に調査をお願いしたわけでございます。しかしながら、生徒や父母の考え方というのは、現在、普通科志向が非常に多いわけでございます。そしてまた、和歌山県の中学卒業者で、例えば鳥羽の水産学校等、県外の水産学校へ行っておる数や就職状況等も調べていただいたのでございます。また、お話ございましたように、よその県の水産高校が編成がえしつつあるといった実情等を踏まえまして、非常に難しいんじゃないかという意見があるわけでございます。
 しかしながら、お話のように、現段階において、漁師の皆さんが自分の子供を本当に漁師にさせるために水産学校へ行かしたいのか、そしてまたそのような希望者が大分あるのか、また水産訓練所が現在ございますけれども、それの活用はどうかという問題について、今後とも教育委員会等において十分検討してもらいたいと思っておる次第でございます。
 他の問題は部長から答弁いたします。
○議長(門 三佐博君) 土木部長磯村幹夫君。
 〔磯村幹夫君、登壇〕
○土木部長(磯村幹夫君) お答えいたします。
 芳養湾における大型港湾建設についてでございます。
 田辺地域の発展のためには、港湾の持つ役割が今後一層重要性を増すものと考えられ、船舶の大型化、物流形態の変化等に適切に対応しつつ、港湾背後の都市活動とも整合のとれた港湾の整備が求められているところでございます。
 議員御提案の、芳養湾における大型港湾の建設に関してでございますが、県の長期総合計画とも連動させながら、田辺湾全体が調和のとれた総合的な開発計画を策定する必要があります。現在、こうした視点に立ち、その調査研究に取り組み、マリンタウンプロジェクト調査を進めているところであります。マリーナを含む港湾整備、とりわけ大型岸壁の整備につきましては、気象、海象、水域利用、さらには地元ニーズなどの把握に努め、総合的な見地から検討してまいりたいと存じます。
 次に、マリンタウンプロジェクト調査でございます。
 これは、現況分析、将来動向の把握、基本方針の策定、基本構想の策定等について検討を行い、さらに実現化に向けての今後の課題を整理し検討するものであります。調査の実施に当たっては、議員御指摘のとおり、海域利用について幅広い視点に立つことが必要であると認識しており、その方向で調査に取り組んでまいるとともに、その意味からも、計画分野の学識経験者を初め地元財界、水産業を含む関係業界の方々や関係機関で構成する調査委員会の指導を受けつつ進めることといたしております。
 また、この計画の田辺市における意義でございますが、田辺湾を含む周辺における大型開発プロジェクトは数多くありますが、これらのほとんどが海域の利用を含んだもので、水辺が注目されていると言えます。
 そうした中で、古くから港湾を中心に栄えた田辺市に新しい時代の要請にこたえた地域整備が求められています。木材や水産加工業などを中心とした伝統的な地場産業や、田辺湾を含む周辺の新しい開発にも対応した秩序ある海域利用が今後の田辺市の発展を左右するものと考えられます。海からの発想を原点としたマリンタウンプロジェクト調査は、田辺市の将来を考える際に重要な位置を占めるものと考えられるところであります。
 以上でございます。
○議長(門 三佐博君) 知事公室長市川龍雄君。
 〔市川龍雄君、登壇〕
○知事公室長(市川龍雄君) 御質問の国際交流団体の育成についてでございます。
 国際交流団体は、現在、県内に四十団体ございます。それぞれ、各分野で国際交流の推進に積極的に活動いただいてございます。
 県としては、これらの団体に対して情報の提供や交流事業への参加の呼びかけなどを行ってございますし、また運営費の助成も行っている団体もございます。
 今後、県内各地域における国際化へのニーズにこたえるとともに、国際交流団体相互のネットワーク化を図る中核的な組織として、和歌山県国際交流協会──仮称ではございますが──の設置を検討するなど、国際交流活動の積極的な、また新たな展開を図ってまいりたいと考えてございます。
○議長(門 三佐博君) 総務部長斉藤恒孝君。
 〔斉藤恒孝君、登壇〕
○総務部長(斉藤恒孝君) 消防本部へのファックスの設置については、かねてより御指摘もございまして、その促進に努力しているところでございます。
 現在、本県では消防本部が二十一ございますが、そのうち十五消防本部で既に設置がされております。また、一消防本部においては今年度中に設置を予定しているところでございます。
 残り、未設置の五消防本部は、橋本市、高野町、白浜町、大辺路消防組合及び串本町の各消防本部であり、それぞれ役場と共用しているのが現状でございます。
 このうち、幾つかの本部においては近く設置する方向で検討が進められていると聞いておりますが、残りの幾つかの本部についても、障害を持つすべての人々への対策も必要ということもあって、ファックスの設置も含めた広い角度から総合的な対策を検討中というふうに聞いております。
 今後とも、鋭意、設置促進について協力を要請し、指導してまいりたいと考えているところでございます。
○議長(門 三佐博君) 民生部長高瀬芳彦君。
 〔高瀬芳彦君、登壇〕
○民生部長(高瀬芳彦君) ファックスの設置の問題についてでございますが、聴覚障害者にとっては、非常に重要なものと認識してございます。
 議員御質問の公共機関へのファックスの設置の促進でございますが、関係機関に協力を要請し、病院、警察、消防署等の公共機関への設置に努めてまいりましたが、未設置の消防署等については、総務部と協調しながら対処してまいりたいと考えてございます。
 次に、ファックスの維持費公費負担の促進についてでございますが、利用者の負担軽減を図るよう、国に対して強く要望してきたところでございます。厚生省において、平成二年度の概算要求の中で、利用者である聴覚障害者が無料でファックスの貸与を受けられるように検討されているところでございます。その内容を見きわめながら対処してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(門 三佐博君) 教育長高垣修三君。
 〔高垣修三君、登壇〕
○教育長(高垣修三君) 教育行政に関する御質問について、お答えをいたします。
 まず、国際交流団体の関係でございます。
 国際交流団体を育成することは、国際交流を円滑に推進するための基盤づくりという観点から大切なものであるということをまず考えてございます。
 現在の留学生の派遣、受け入れでございますが、主として高校生国際交流協会を通じて行っており、その育成については県費補助を行うとともに、留学生との交流会の持ち方等について指導助言を行っているところでございます。
 過去十年間の海外への留学生は、期間が一年以上の派遣総数については百五十六名でございまして、一方、海外からの受け入れ総数は八十四名ということになってございます。
 この派遣に対する受け入れの割合でございます。
 これは全国に比べると高い数値になってございますが、議員御指摘のとおり、受け入れ高校に偏りが見られるわけでございまして、問題点もございます。国際理解教育推進の観点から、こうした問題点を踏まえ、広く留学生を受け入れる体制づくりをするよう、県立の学校長に対してさらに指導を行ってまいりたいと考えてございます。
 次に、いわゆる英語圏からの英語指導助手についての御質問でございます。
 昭和六十二年度は三名、六十三年度が十二名、本年度十六名と、年々その増員を図っていただいておるところでございますが、全国的な状態を見ますと、なお課題も残されているところでございまして、この事業の重要性にかんがみ、今後とも一層努力をしてまいりたいと考えてございます。
 次に、先ほど知事から答弁ございましたように、水産高校における全国的な状況について見てまいりますと、全国のいわゆる単独の水産高校の多くが商業の科目を履修する科目に転換をしている現状でございます。
 本県においても、高校卒業後、水産関係に従事する者が極めて少ない状態でございます。さらに、生徒の急減期を迎える現状から、水産高校の新設、さらにまた水産学科の設置については困難な状況でございますし、我々としてはなお検討をすべき問題であることは十分理解をしてございまして、今後検討もさしていただきたいと思いますが、今申しましたように、そういった現状の中からは極めて難しい問題でありますことを御理解いただきたいと存じます。
 しかしながら、御指摘のとおり、後継者問題を含め、水産関係への理解教育は大切であると考えてございまして、農林水産部や県の漁業協同組合連合会などの関係機関と共同し、小学校五年生用の社会科参考資料、いわゆる「わかやまの農林水産業」を作成するとともに、啓発テレビ「串本の漁業」等を通じ、水産業への関心を高める指導の推進を図っているところでございますが、今後ともこうしたことについて一層努力をしてまいりたいと考えてございます。
 以上であります。
○議長(門 三佐博君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 27番木下義夫君。
○木下義夫君 幾つか答弁をいただいたわけですけれども、まず聴覚障害者に対するファックスの問題です。
 これは総務部長、六十二年の九月に質問したんですよ。きのうやきょう、したのと違うんです。もう二年たっているんです。僕は、日ごろから総務部長を非常に尊敬しておる。それも、心から尊敬しておる。大変な手腕やと思っているのやけど、これだけなぜせんのかと。
 特に警察は、やっぱりすぐやった。警察も消防も、同等か、ひょっとしたら消防の方が日常生活に密着している。──ある面ではですよ、全体ではないです。
 特に、障害者に対しては消防の方が密着している中で、ファックスの設置ができんというのは不思議でかなわん。それも、大きな費用が要るんじゃないんです。普通の家でも、もうファックスはついてるんですよ。そういうふうな中でこういうふうに時間をとっているというのは、多少どこか熱意に欠けるところがあるんじゃなかろうかと、こういうふうに懸念をいたしますので、ひとつそこらを、もし欠けるところがあればそれを埋め合わせいただいて、やはり障害者の皆さんに明るいあすを与えていただきたい、このように思いますので、その点、もう一度、部長から答弁をお願いいたしたいと思います。
 それから、国際交流の基盤は国際交流団体の育成であると教育長は言われましたけれども、この国際交流団体の基盤育成がどのように行われているか。今、県費補助をしているというふうな話なんですけれども、まあ、ここで余り大きな声で言えんようなものでもあります。
 そして、行政の基本は何であるか。僕は、時代の要請、時代の流れの先取りをしたところに行政があるんであって、時代の後からちょろちょろついて行くようなことでは行政ではない、このように思っておるんです。
 今申しましたように、過去十年間に留学したのが百五十六人、留学生の受け入れが八十四人という数字を挙げられましたけれども、この均整のとれた教育施策が行われているかどうかという質問は、本当に行政と民間のボランティアの方々との間でも均衡がとれているかどうかということ。今、見ますと、ほとんどボランティアへしわ寄せがいっている。
 ところが、長計を見ると立派なことを書いてある。そういうふうな中で、もっと、本当に時代が国際化を目指している──AETの問題でも、六十二年は三名、六十三年は十二名、六十四年は十六名と言いますけれども、これは全国水準から見たらまことに恥ずかしい水準であります。特に、我が県は関西国際空港の十五キロ以内で、関西国際空港を利用、活用して世界に開かれた和歌山県をつくると言っている。その関係県のAETの数を見てみますと、大阪は五十三人ですよ。兵庫県が八十七人。ちょいちょい開かれている紀伊半島三県サミットの関係を見てみますと、奈良県が二十五人、三重県が三十二人です。和歌山県は市町村の二人を入れて十八人なんです。どこを見ても、これで本当に心から国際化を願っているかどうかということになると、僕はどうも懸念を持つ。
 その辺のところを、まあ、教育長は余り健康がすぐれませんので、答弁をいただくとちょっとなにやと思いますので、要望にいたしますけれども、ひとつ関係者の意のあるところを酌んでいただいて、今後の行政に反映していただきたい。余り言いわけのせんようにしていただきたいと思います。
 それから、水産高校、水産学科の問題ですけれども、これもやっぱり時代がそういうふうになってきている。和歌山県はこれから何を中心にしていくか。今までは、いわゆる高速道路、新幹線から外れていることが和歌山県のおくれた原因であるということになっている。ところが、もう新幹線はリニアモーターカーに変わろうとしている。リニアモーターカーを紀伊半島へ引っ張ってこいと言うても、幾ら仮谷知事が偉くても引っ張ってこれませんよ。
 そうしますと、やっぱり海を中心にして生きていくというふうな、長計にあるようなことを中心にして行政を展開してもらわないかん。発想の転換というのが非常に大事である。今までこうだったからこうやというのではなしに。それと、やっぱり行政の指導性というのを発揮してもらわなならん。アンケートをとったらこうやと言うだけで終わりだったら、しようがない。そこはひとつ、教育長、健康に留意されて頑張っていただきたい、こういうふうに思います。
 それでは、総務部長、代表してひとつ再質問に対する答弁を願います。
○議長(門 三佐博君) 以上の再質問に対する当局の答弁を求めます。
 総務部長斉藤恒孝君。
 〔斉藤恒孝君、登壇〕
○総務部長(斉藤恒孝君) 消防本部へのファックスの設置につきまして、警察の場合は県の機関でございますが、消防本部なり広域組合が市町村ということもありまして、私どもその趣旨を理解してもらえるものと期待していたわけですが、御指摘のような結果でございます。
 さらにもう一度、指導を強化したいというふうに思っております。
○議長(門 三佐博君) 答弁漏れはありませんか。──再々質問を許します。
 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(門 三佐博君) 以上で、木下義夫君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
○議長(門 三佐博君) この際、暫時休憩いたします。
 午前十一時四十四分休憩
 ──────────────────── 
 午後一時三十三分再開
○副議長(宗 正彦君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
○副議長(宗 正彦君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 43番中村 博君。
 〔中村 博君、登壇〕(拍手)
○中村 博君 それでは、一般質問を申し上げてまいります。
 まず最初に、新不老橋の建設問題について質問を申し上げます。
 本問題は、和歌山県を代表する万葉ゆかりの名勝地・和歌浦の歴史的景観を破壊する暴挙であるとして、昨年夏以来、地元を初め学者、文化人などによる強い反対運動が起こり、これが全国規模にまで広がりを見せ、全国の著名な学者、文化人、宗教家などの多くの方々が反対署名を添え、県知事に和歌浦の歴史的景観保全のために新不老橋の建設中止を求める事態にまで発展してきたところでございますが、県当局におきましては、こうした地元を初め全国から寄せられました心ある訴えに対し、重大な問題点を残したまま、六月二十三日、小雨降る仏滅という日に工事着工を強行したのでございます。
 和歌山に生まれ育った者として、千数百年にわたって名勝の地としての歴史を刻み、往古よりこの地を訪れ、和歌の浦の景観を心にとどめられました数え切れない人々のあったことに思いをいたすとき、まさに断腸のきわみでざいます。知事としての行政責任の重いことを、まず強調しておきたいと思います。
 かかる事態に立ち至った以上、愚行としか思えない新不老橋建設によって名勝・和歌の浦の歴史的景観が根本から破壊される行政行為に対し、後世まで歴史的景観を残したいと熱望される余り、反対運動に立ち上がってこられた皆さん方が、やむにやまれず、法廷での争いも辞さないとして去る九月二十七日、六十三名の住民の皆さんが地方自治法二百四十二条による住民監査請求に踏み切られたのではないかと思料いたしているところであります。
 行政の立場からいたしますと、行政そのものに違法性、不当性があるとして住民から監査請求を受けることがあってはなりません。地方自治法施行以来四十数年を経過している我が県政におきまして、過去二回、請求行為があったようでございますが、仮谷県政としては初めての請求を受け、今後において、千数百年の歴史の重みを否定する立場で法廷での争いに挑まなければならないのであります。
 かかる事態を考えますと、知事として決して名誉なこととは考えられません。今回の住民監査請求は地方自治法二百四十二条の二、「住民訴訟」を前提に置いた請求であると聞き及んでおりますが、知事として、みずからの行政執行において住民監査請求を受け、法廷にまで争いが及ぶ事態に至ったことについていかなる認識を持たれているのか、この請求をどう受けとめておられるのか、まずお答えをいただきたいと存じます。
 代表監査委員にお尋ねをいたします。
 前段で申し上げてまいりました住民監査請求につきましては、申し上げるまでもなく、地方自治法二百四十二条の規定による手続等の書式が適合しているかどうか、また違法な行為、不当な行為があるかどうか、関係法令に基づいて厳正な監査が行われることになろうかと存じます。
 そこで、まずお答えを願いますことは、九月二十七日に請求書を受け付けされてから本日まで九日間経過しておりますが、正式受理に至っているのかどうか。至っていないのならば、その理由についてお答えを願います。
 監査は六十日以内に完結しなければなりませんが、この請求の要旨は、文化財との関係による違法性、不当性の問題、都市計画法等に基づく利害関係者との手続の問題、交通渋滞を増す問題であるように聞き及んでいますが、いずれにおいても、監査に当たっては独立機関として厳正公正に監査される立場にあることに異論がないと存じますが、この点についての認識のほどをお伺い申し上げます。
 なお、監査の結果につきましては、正否いずれの場合においても、法制度の上から整合性のあるもので、請求人はもとより、県民にも納得できる結果でなければならないと思いますが、この点での見解をお示し願いたいと存じます。
 土木部長にお尋ねを申し上げます。
 今回の九月補正予算案によりますと、住民監査請求のあった新不老橋建設に関連する和歌浦廻線道路整備工事において三億四千九百万円の債務負担行為が提案されていますが、債務負担としなければならない理由及び事業内容について、また新不老橋の完成までに要する予算額はどの程度になるのか、以上の点についてお答えを願います。
 私は、今日まで三たび本問題で質問をいたし、当局からそれぞれの答弁をいただいてまいりましたが、この際、答弁を整理して改めてお尋ねをしたいと思います。
 答弁の要旨について申し上げますと、和歌浦廻線は和歌公園へのアクセス道路とあわせ和歌浦地区より通過交通を排除するための循環道路となるものである、しかし、昭和四十八年、漁港整備の関係で漁港と港湾区域の境界付近で計画がとめられた現状で、現在、新和歌浦交差点までの間のルート調査を行っており、昭和六十四年度中に都市計画変更を行う予定である、完成まで十年七カ月は長いということだが、用地に係る人たちの理解を得て完成するまでには、通常、計画より十年ぐらいかかるのが常識である、和歌公園とマリーナシティとの接続については和歌浦全体構想計画の中でそうした案も検討している、不老橋より片男波に至る間の道路計画は、現在の幅員が八メートル程度で拡幅する必要がある、この道路は散策路ともなるため、幅広い歩道とこの間の階段護岸を設置したい、現在、構造等の検討をしている、この間はルート調査中であり、平成元年度中に都市計画変更を行いたい、手続については地元説明会、計画案の縦覧、和歌山市及び県の都市計画審議会を経て都市計画変更される、計画変更に際しては地元説明会等により地元住民の方々等の御意見を十分お聞きしたい、公有水面埋立法との関係については、階段式護岸を計画している区間は新不老橋完成後の平成三年度に事業着手したい、この間の具体的な形状等が決まり事業化する段階で法手続が必要となれば所要の手続をとる、以上が答弁の要旨でございます。
 そこで、これらの答弁についてお尋ねを申し上げてまいります。
 和歌浦廻線は、昭和二十二年に計画決定がなされながら、答弁にもありましたように、二カ所において計画変更がなされなければならないという事態にあること、しかも完成まで十年の歳月を要するのは常識であるという当局の姿勢からいたしますと、和歌浦地区より通過交通を排除するための環状道路としての役割が十年間果たせないことになるのではないでしょうか。こうした矛盾した答弁では決して関係地元住民は納得しないと思いますが、これらの矛盾点について当局の忌憚のない御答弁をお願い申し上げたいと存じます。
 十年間環状道路とならない中で急ぎ新不老橋を建設したために、夏場、海水浴場に集中する車が片男波一帯にあふれ、住環境に与える影響が実に大きいばかりでなく、津屋交差点、玉津島神社前交差点では大変な交通渋滞になることは必至であります。予想されるこうした事態について、当局としてはどのように判断をされているのか。なお、このような事態を招く新不老橋の建設そのものが都市計画のあり方からも整合性に欠けるものだと考えておりますが、お答えをいただきたいと存じます。
 答弁されておりますように、計画変更について、不老橋から片男波の間では公有水面埋立法による手続が必要となることは必至であります。また、新和歌浦交差点までの間では、御承知のように十数戸の立ち退き問題も絡んでまいります。したがいまして、計画変更のための法手続を進めるに当たっても相当難航するのではないかと見ていますが、当局はどのように判断されているのか、お答えをいただきたいと思います。
 なお、これらの計画変更はいずれも昭和六十四年、つまり平成元年度内で計画変更ができるとお答えになっておりますが、できるのかどうか。公有水面埋立法との関係についても具体的にお答えを願いたいと存じます。
 和歌公園、和歌浦廻線とマリーナシティとの接続について、答弁では和歌浦全体構想計画の中で接続案も検討しているとのことでありますが、和歌浦全体構想計画というものはどういう具体的な内容を持つ計画であるのか、またその接続案のねらいというのはどこにあるのか、構想案が将来具体的に計画されていくことにはならないのかどうか、以上の点にわたってお答えを願います。
 なお、答弁の中でも明確にされておりますように、和歌浦廻線そのものについて、当初の計画決定から四十余年たった今、改めて二カ所にわたる計画変更を行う事態に至ったことで、利害関係者の方々が大変なことになるという不安を持たれていることは事実であります。四十余年を経過した今日における唐突な計画変更は、行政の怠慢のそしりは免れません。当局はこうした事態に至っていることについていかに認識されているのか、お答えを願いたいと思います。
 以上の質問事項は監査請求内容とも関連してまいる点もございますので、答弁は具体的に正確にお答えいただくよう重ねて申し上げておきます。
 第二の問題に移ってまいります。
 医科大学の移転問題でお尋ねをいたします。
 長年の懸案でありましたが、さまざまな経過を経まして、六十三年度予算で基本構想、基本計画策定などに要する予算として一億円が措置され、また昨年十二月には、用地選定問題で知事が選定委員会の答申案を覆して紀三井寺競馬場跡地に移転する旨の決定が発表されました。そして今日まで約九カ月の期間を経ておりますが、いまだ用地買収に当たっての具体的な手だて等について全く不明の状態にありますので、この機会に、用地買収問題を初め、医科大学の基本計画等についてお尋ねを申し上げたいと思います。
 和歌山市における売却に向けての対応について調査してまいりましたので、実態について申し上げてみたいと思います。
 厩舎を管理してまいりました方々の中で、競馬場内に居住しておられる四世帯、場外居住者一名の方々の補償問題が非常に難航しており、九月解決が十二月までずれ込むということであります。
 また、場内にあるため池が周辺農地の排水及び調整池の役割を果たしている関係から、このため池を埋め立てた場合、排水ができないとして、これらの対策について農業関係者などから要望が出されており、和歌山市ではまだ抜本的な対策が決まっていないようでございます。また、市の意見の中には「こうした排水対策の問題は県の方で行うべきでないのか」という意見もございます。したがって、この競馬場の抱える排水対策問題は非常に難しい問題になっていることは確かであります。
 競馬場全体の測量につきましては、現在のところ、仮測量が終わり、和歌山地建との境界明示ができ次第本測量に入り、十月末までには完了できるということであります。競馬場内の建物及び工作物の撤去につきましては、未解決の厩舎を除き、すべてのものが今撤去作業中で、十一月末までに完了できる見込みのようでございます。
 以上のようなことで大体順調に進んでいるようでありますが、先ほども申し上げましたように、一番大きい問題は多額の予算が伴う排水対策の問題であります。
 そこで、まず総務部長にお尋ねをいたしますが、前段で私が申し上げてまいりました和歌山市の対応策について、当局としては現状をどのように把握されているのか、お尋ねを申し上げます。
 和歌山市との用地の売買価格の折衝問題でありますが、これはまだ和歌山市との間では具体的な折衝になっていないようです。市の担当課の話を少し紹介しておきますと、売買契約は、御承知のとおり事件決議となりますので、当然、市議会には正規の不動産鑑定評価をとって提出しなければならない、また、国道四十二号線に沿って本県が買収予定しているK銀行の用地問題の売買価格も当然参考にしなければならない、したがって、価格そのものは、議会は無論のこと市民の皆さん方にも納得していただける価格にならないといけないと思います、というようなことでありました。
 こうした市の話からいたしますと、買収価格の決定に至るまで、膨大な市財政の赤字を抱えている現状とも絡んで相当難航するんではないか、こう私は見ておりますが、当局としてこれらの事情についてどのように認識されているのか、また紀三井寺競馬場跡地を医大用地として何年度で予算措置し、買収を完了されるのか、そういう点についてお答えを願いたいと思います。
 なお、こうした用地買収についての資金の手当てでありますが、現在、医科大学整備基金として約百億円程度積立金を持っておりますが、これらを取り崩す考えがあるのか、ないとすればどのような財源を用地買収に充てるのか、お答えを願いたいと存じます。
 医科大学の現状からいたしますと、一日も早い統合移転を完了させなければなりません。当初、十五年という案が出されましたが、少なくとも平成十年までには完了すべきだと考えています。当局の考えはどうか。
 なお、基本構想、基本計画の策定につきましては六十三年度予算でありましたが、事情により平成元年に繰り越されているようでございます。これらの策定状況について、どうなっているのか、お尋ねをいたします。
 なお、策定された後におきましては、私ども県議会にも提出をいただきまして、私どもが県民の立場から医大統合整備について前向きの論議ができるような対応をぜひとられたい、こう思っておりますが、当局はどのように考えるのか。また、議会に提出をいただく時期はいつになるのか。
 いろいろ細かい点にもわたりましたが、そういう点で総務部長からお答えをいただきたいと存じます。
 最後に、補正予算案に関連いたしまして、若干、財政問題の見通しについてお尋ねを申し上げておきたいと思います。
 今回の補正予算で、一般会計の歳入におきまして、県税で法人県民税一億二千五百万、法人事業税で十六億三百万円、あわせて十七億二千八百万円の追加計上がなされております。こうした経緯から考えまして、平成元年度の県税の収入見込みは、見通しとしては明るい状況にあるのではないかと注目をいたしたところでございます。
 昨年の十二月議会で質問を申し上げました際に、本県の財政の厳しい現状の反映として全国都道府県における税収の伸びで本県が最下位にとどまっていることを引用したことがございましたが、今回お聞きしたところによりますと、七月度における全国都道府県での税収の伸び状況で、意外にも全国一位に至っているとのことでございます。したがいまして、県税収入の見込みについて明るい見通しが持てたのではないか、こう申し上げたのでございますが、こうした全国一位になった要因というのは一体何なのか、具体的にその内容についてまず総務部長から御説明をいただきたいと存じます。
 最近の経済動向が堅調であると言われてございますが、本県における税収の状況から見まして、県下の中小企業、地場産業における経済動向はどういう状況にあるのか。なお、本県の厳しい財政環境の一つの側面として鉄鋼、石油という重化学工業に偏重した産業構造があるとして、産業構造の転換を図る上からも新たな企業立地策がとられてまいりましたが、これらの施策の結果、税収面からそれなりの成果が得られているのかどうか、この機会にお尋ねをしておきたいと存じます。
 前段で申し上げてまいりましたように、県税収入の面で一定の明るさも見えてきているように思われますが、何しろ予算の構成比で税収が二〇%程度、この状況には大きな変化がないと思います。したがって依然として本県財政は厳しい環境にあると判断いたしておりますが、当局はどのように見ておられるのか。
 なお、平成二年度の予算編成について若干お尋ねを申し上げておきますが、国との関係で今日まで重大な問題として何度も提起してまいりました行革に伴う補助金、負担金の大幅な削減問題でございます。これは、今の状況からいたしますと、到底、緩和される兆しはないように見ているのでありますが、こうした動向はどうなのか。
 なお、消費税問題の動向いかんによりましては、地方財政問題にも大きく影響を来してまいります。このような国の動向についてはまだ非常に不確定な要素が大きいのでありますが、予算編成という差し控えた問題の関係から、当局においてはこうした問題についてどのように事態を把握しているのか。また、これは地方公共団体としての言い分というのはあると思います。そういう点にも触れ、お答えをいただければと存じます。
 消費税問題で我が党の村岡議員も御質問申し上げましたが、全国知事会での政府への要望決議がございました。これについては、この機会にもう一度、具体的な内容を総務部長の方から御説明していただければと、こう存じます。
 以上で、まず第一回の私の質問を終わります。
○副議長(宗 正彦君) ただいまの中村博君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 中村博議員にお答え申し上げます。
 新不老橋建設の住民監査請求についてでございます。
 新不老橋の建設につきましては、これまでもいろいろな方の御意見をお聞きし、また、県議会での予算の議決、建設促進の請願の採択等を踏まえまして、建設を進めておるわけでございます。
 提出あった住民監査請求につきましては、監査委員において十分検討し、処理されるものと考えてございます。
○副議長(宗 正彦君) 土木部長磯村幹夫君。
 〔磯村幹夫君、登壇〕
○土木部長(磯村幹夫君) お答えいたします。
 新不老橋建設に係る御質問でございます。
 まず、債務負担行為を行う理由と完成までの予算額であります。
 新不老橋は、現在、橋梁本体の工事を行っておりますが、引き続いて欄干、石張り、舗装、照明等の橋の外装工事及び橋の取りつけ道路の工事を行う必要があります。これらの工事は一体的な工事であり、また工期の短縮を図るためにも、平成元年度、二年度にわたる債務負担行為の承認をいただき、和歌公園が一部供用開始される平成二年度末に新不老橋の完成を図るものであります。
 なお、新不老橋完成に要する予算は約七億円でございます。
 次に、都市計画の整合性についてでございます。
 片男波地区は、現在、夏場は海水浴場に向かう車で渋滞を起こしており、片男波海岸や和歌公園の整備が進む中、駐車場とアクセス道路の整備は緊急の課題となっておりますが、新不老橋は和歌浦に整備される駐車場に至る重要なアクセス道路となります。新不老橋の建設を行い、あわせ津屋、和歌浦口交差点の整備等を行うことにより、現在の渋滞は大幅に緩和されるものと考えられます。
 なお、新不老橋の建設は和歌浦廻線の整備の一環であり、和歌浦廻線の早期完成につながるものであります。
 次に、和歌浦廻線の計画変更のことでございます。
 都市計画道路については見直しが必要になった時点で随時見直しを行ってきておりますが、和歌浦廻線については、地元説明会等の場で、和歌浦にふさわしい多くの人々に親しまれる道路づくりを目指してほしいとの意見を多数いただき、見直し作業を行っています。
 現在、地元関係者等と都市計画変更の協議中でありますが、関係者の方々の御理解を得て、できるだけ早い時期に都市計画変更を行いたいと考えております。
 なお、新不老橋と和歌公園の区間については、新不老橋の建設に引き続き平成三年度より整備を進めていきたいと考えていますが、事業化の段階で公有水面埋め立てについての法的手続が必要となれば所要の手続を行っていきたいと考えています。
 最後に、マリーナシティとの関連でございます。
 和歌浦湾については、県のリゾート構想である燦黒潮リゾート構想において海洋都市型リゾート空間としての整備を図るとの位置づけがなされているところであります。和歌浦廻線とマリーナシティとの接続については現在具体的な計画はなく、和歌浦の全体構想の検討の中で案の一つとして検討した経緯はありますが、現在、構想としてもまとまったものはございません。
 以上でございます。
○副議長(宗 正彦君) 総務部長斉藤恒孝君。
 〔斉藤恒孝君、登壇〕
○総務部長(斉藤恒孝君) 多岐にわたって御質問いただいたわけでございますが、最初に医科大学の用地問題についてでございます。
 用地取得の時期についてでございますが、現在、和歌山市では売却に向けて境界明示やスタンド等の建築物の撤去作業を急いでいるところでございます。これらの推移を見守りながら、できるだけ早く取得できるよう努力してまいりたいと考えております。
 取得価格については、県立医科大学というまとまった公共施設の用地であり、また県民医療の中核施設を和歌山市に設置するという観点から見て、県、市、協議する中でおのずから適切な水準が見出せるものと考えております。
 用地取得費の財源についても、起債及び整備基金の活用を検討し、できるだけ早く取得できるよう努力してまいりたいと考えております。
 その次の競馬場とその周辺の排水問題については、基本的な検討が必要であると認識しております。しかし、行政の責任分野等について互いに協議を行う中で、適切な分担についておのずから理解し合えるものと考えております。
 次に、移転整備計画については、ことしの一月、医科大学移転整備協議会を部内に設置して、まず基本構想の前提となる基本的な事項について県当局と医科大学で検討協議を重ねているところでございます。医大の現状から見て早い時期に移転ができるのが望ましいと考えておりますが、附属病院等大規模な施設でございますので、関係者と協議を行うなど、計画段階で十分検討を行う時間も必要であると考えております。
 基本構想、基本計画策定の予算については、本年度予算に計上しているところでございますので、その具体化に向かってさらに努力してまいりたいと考えております。また、必要に応じて各方面からの御意見をいただくことも必要であると考えております。
 次に、財政の問題でございます。
 平成元年七月末現在、都道府県別の県税の調定状況によりますと、本県は県税全体で前年比一〇九・五%と全国平均一〇四・〇%を上回り、今のところ全国一位の伸びとなっております。全国的に低い伸びの中で、本県にあっては鉄鋼関連法人等の業績が好調に推移したことにより法人二税が大幅に伸びたことが主な要因と考えており、予算額は確保できるものと考えております。
 また、地場産業に係る税収については、前年度は大幅な落ち込みを見たところでございますが、今年度は現在までのところ、一部製材業とかニット製造業とか厳しい産業もございますが、地場産業全体としては上昇をしております。
 本県の財政力の強化を図っていくためには、産業構造の高度化が必要でございます。特に、現在、加工組み立て型産業の割合が本県は八%でございまして、全国の四〇%と比べて低い状況にございます。この点を強化することにより税源の涵養を図っていくことが重要であると考えております。
 本県へ進出を決定した企業は三十三社ございますが、そのほとんどが操業間もないところで、操業初期における多額の設備投資の償却費等がかさむこともあって、現在のところ税収に大きく反映するまでには至っていないのが現状でございますが、今後これらの企業の経営が軌道に乗ることにより、税収面さらには雇用面において寄与するものと期待しているところでございます。
 また、来年度の予算編成と国との関係については、平成元年度予算編成において最終決着のなかった公共事業費等の投資的経費に係る補助負担率引き下げ問題は、二カ年ということで平成三年度に検討されることになっておりますが、平成二年度の財源措置としては、地方財政対策の中で所要の措置が講じられるものと考えております。
 また、地方にとっても重要な財源である消費税の見直しについては、一般的になじみが薄いこと等から国民の間にこの税に対するもろもろの不満と疑問が生じておりますので、国民の理解と協力を得ながらこの税の仕組み並びに運用について見直しを行うよう、全国知事会を通じて要望したところでございます。地方財政の運営に支障が生じることのないよう、今後とも国に対して強く要望してまいりたいと考えております。
 いずれにいたしましても、平成二年度予算を取り巻く環境は依然として不確定な要素もありますので、今後、国の動向等を十分見きわめながら慎重に取り組んでまいりたいと考えております。
○副議長(宗 正彦君) 代表監査委員宮本政昭君。
 〔宮本政昭君、登壇〕
○代表監査委員(宮本政昭君) 住民監査請求の処理の状況並びに監査を実施するに当たっての三点の御質問について、お答えを申し上げます。
 まず、正式に受理をしたのかとの御質問でありますが、九月二十七日に請求書類を受け付けると同時に、地方自治法に定められている要件を満たしているか否か、また請求内容についても受理できるものであるのかどうかを判断するために、現在、必要な資料の調査を行っているところであります。今後、早い時期に全委員の合議を経て受理・不受理の決定をいたしたいと存じております。
 次に、監査委員の立場については、公平中立の機関として厳正公正な監査の必要なことは日ごろから強く認識をしているところでございます。
 最後に、監査に当たりましては、地方公共団体の違法・不当な財務執行の防止とその是正を目的とする地方自治法第二百四十二条の定めに従い、慎重かつ公正な判断を示さなければならない、このように考えてございます。
 以上であります。
○副議長(宗 正彦君) 答弁漏れありませんか。──再質問を許します。
 43番中村 博君。
 〔中村 博君、登壇〕
○中村 博君 まず知事に申し上げますが、私は質問の中で、自治法が施行されて四十年余経過した我が県政において、住民から地方自治法に基づく監査請求を受けた例を申し上げたわけです。今回を含めまして三件出されているということです。これは、事務執行の最高の責任者といたしまして、みずからの行政の不当性あるいは違法性について住民から直接監査請求を受けるということ自体あるべきことではないと、こう私は強調したつもりなんです。この姿勢が絶えず私は大事であろうと思う。つまり、事務執行は厳正、正確に行わなければならない、この立場でございます。
 そういう点から、まず今回の問題について知事の所見をただしましたところ、知事は大略、意見を十分聞いた、あるいは予算の議決もいただいた、請願の採択もいただいた、その上で執行したんだ、したがって監査委員会では十分検討されると思うと、まあこういう答弁であります。
 私は、前段申し上げましたように、長として事務の執行について厳正公正にやらなければならないという基本的な立場というものは、やはり知事として絶えずお持ちではないか、こういう立場からもあえて強調したのでございますが、そうした知事の長としての事務執行に当たっての決意というのはちょっと届きませんので、もう一度重ねて、この事態と今申し上げた問題との関連におきまして、私たちにも理解のできるような御答弁をお願い申し上げたいと存じます。
 土木部長にお尋ねをいたします。
 土木部長、これはあんた、答弁になっておらん。これは答弁になっておらんじゃないの。
 例えば、具体的に申し上げますと、今までいただいてまいりました答弁の中では、この和歌浦廻線そのものは二カ所の計画変更がされなければならないんです。そして、例えば新和歌浦交差点に至るまでの間について、十二月の議会では昭和六十四年度に変更したい、変更するという答弁が出ているんです。また、片男波─不老橋の間については平成元年に計画変更を行うと、はっきり具体的に出ているんです。
 新しくあなたがこの和歌山に来られて、初めて土木部長のいすに座られて、大事な問題の御答弁をいただきましたが、あなたの答弁は、今申し上げた計画変更については「できるだけ早い時期にやる」と。何ですか、これ。今までの部長が答弁してきたものをあなたは薄めるんですか。ごまかすんですか。
 これは何を意味するか。廻線というものは、当局も説明しておりますように、つまり環状道路として和歌浦地区から通過交通を排除するということでございましょう。その排除をするためには、今申し上げた二カ所の計画変更がなければならない。それをなぜ後退した答弁になるんですか。はっきりしてください。
 そして、廻線としてこれが計画変更されるに当たりまして──非常に難しいだろう、四十数年経過して、もうこれはやらんだろうと住民は思っているんです。全国探しましても、都市計画街路の決定をして四十何年全然手つかずで放置しているところは数少ない。少しは手がけている。ところが、これは全然手がつけられてない。そして唐突に出されてきた。住民はどう思うか。利害関係者はどう思うのか。
 したがって、あなたたちは法的手続をとらなきゃいかん。告知・縦覧、説明会、県市の都市計画審議会の議を経るということ。そういう過程を通じても非常に困難ではないか──ひとつも答えてないじゃないか。どんな認識を持ってるんだ、あなたは。はっきりしてください。
 それから、今申し上げたような都市計画法というのは──これは道路でありますから、その一部だけをかじってやるというものではないんですよ。町づくりの基本はやはり都市計画でありますから、これはあくまでも、それは法の上からも整合性というものがきちっとなけりゃならないんです。そういう前提に立って、廻線として、環状線として計画段階がまだ済んでいないもの、しかも十年もかかるものでなぜ不老橋を急ぐんだ。車があふれてしまうじゃないか。駐車場があるから大丈夫──駐車場は入れません。見てごらんなさい。今でも付近の皆さんは夏場に大変な苦情なんです。答弁になってないんですよ。
 でありますから、皆さんがそういう点で都市計画法の整合性に欠ける問題だということで監査請求の対象としてこれらの問題を挙げたと思うんです。土木部長の答弁はなってないんです。だから、そういう点について重ねて、私が納得のできるような答弁をしていただきたいと思います。
 それから、マリーナシティと和歌公園の接続の問題でございますが、あなたの答弁は、これ、今までにない答弁が出てきた。つまり、和歌浦全体構想というものは何か。本県が計画する燦黒潮リゾート計画の中で和歌浦が海洋リゾートとして位置づけされている。ところが、海洋リゾートとして位置づけされながら、構想段階ではマリーナシティと和歌公園とを接続するというのは出ているが、これはまだ具体的に何もしていなんだと。私が尋ねているのは、具体的に進めることがあるのかないのかどうだ、こう聞いているんですよ。議員の質問を何と心得ているんですか。ちゃんと質問している要旨に沿って答えてください。
 でありますから、きょうは初めてあなたの答弁をいただきましたが、非常に不誠実そのもののように思う。歴代土木部長でなかったような気がしてならん。まだあと三分ありますが、まあこう申し上げておきましょう。お答えください。
○副議長(宗 正彦君) 以上の再質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 中村博議員にお答え申し上げます。
 新不老橋の監査請求についてでございますけれども、私が先ほど申し上げましたのは、監査委員に監査請求を出されておる、だから私は私見を差し挟むべきではない、かように思って述べたわけです。
 中村議員がおっしゃるのに、過去三件あったと。その三件とも不受理でございますけれども、それを仮谷知事が受けるということは恥になるような話し方であったような気もするわけでございます。しかし、地方自治法二百四十二条によってだれでも監査請求ができるわけでございまして、私が要らないことを申し上げることは提出者に失礼になると、かように存じておる次第でございます。
○副議長(宗 正彦君) 土木部長磯村幹夫君。
 〔磯村幹夫君、登壇〕
○土木部長(磯村幹夫君) お答えいたします。
 和歌浦廻線の都市計画変更のことでございますが、このことについては、現在、地元関係者等と道路の構造、デザイン等について協議を進めております。和歌浦にふさわしい道路づくりに対するいろんな御意見をいただいておりますので、それを受けて道路の構造等、慎重に検討しているところでございます。
 新不老橋と和歌公園までの間は、新不老橋建設後の平成三年度に事業化を予定しており、地元の方々の御意向を十分踏まえた上で、できるだけ早い時期に都市計画変更を行いたいと考えております。
 それから、マリーナシティとの連絡道路のことにつきましては、和歌浦湾全体の将来道路網計画の中での位置づけの問題、あるいは歴史的な景観、自然景観との調和の問題、漁業関係者等との調整、河川断面減少による治水上の問題など、難しい問題があり、慎重に行っていく必要があると考えております。
 それから、和歌浦廻線の建設と新不老橋の建設との整合性のことでございます。
 まず、全線が一度にできるものではございません。そういう中で、片男波地区への駐車場アクセス道路としての緊急性の観点から、まず新不老橋の建設に着手したものであります。そういうことが、今後の和歌浦廻線の早期完成につながっていくものと考えております。
 終わります。
○副議長(宗 正彦君) 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 先ほど発言した点で、ちょっと訂正させていただきたいと思います。
 「過去三回」と申し上げましたのは、今回を含めて三回でございまして、そしてうち二回が不受理になっておるということでございますので、訂正させていただきます。
○副議長(宗 正彦君) 答弁漏れありませんか。
 〔「あります」と呼ぶ者あり〕
○副議長(宗 正彦君) それでは、答弁漏れの箇所を御指摘願います。
○中村 博君 新不老橋の件の計画変更、どうなったの。
○副議長(宗 正彦君) 土木部長磯村幹夫君。
 〔磯村幹夫君、登壇〕
○土木部長(磯村幹夫君) お答えいたします。
 都市計画変更の時期についての御質問でございますが、先ほども申し上げましたように、現在、地元関係者と事業調整中でございます。できるだけ早い時期に都市計画変更を行います。
 以上でございます。
○副議長(宗 正彦君) 答弁漏れありませんか。──再々質問を許します。
 43番中村 博君。
 〔中村 博君、登壇〕
○中村 博君 土木部長、よく聞いておいてほしいんですよ。質問の原稿も二日前に必ずお渡ししているんです。
 そこで、あなたは不老橋─片男波間の問題については今住民と話し合い中で、平成三年度に事業化するので、できるだけ早くするという答弁であったんです。しかし、その答弁は、前回のときには平成元年で設計を計画変更したいということを前土木部長はお答えになっているんです。そういうことであるならば、あなたになって前土木部長の答弁をこの議場で覆すんですかと申し上げているんです。いいですか。これは重大な問題でありますから、それはきちっと答えてほしい。
 同時にまた、新和歌浦に至る間の計画変更につきましては昭和六十四年度中にやりたいと言っているんです。ここは十数戸の立ち退き予定者がございますので、これらの皆さん方にはまさに唐突なことであって、これは大変な不安を持っていられるだろう。しかし、あなたたちは六十四年度中にやるということでありましたから、その点を重ねてお尋ねしたわけです。ところが、あなたは「できるだけ早い」という抽象的な答弁で逃げようとするから、そうはまいりませんぞよと。それらの問題を残しながら、和歌浦廻線としての環状道路にならないということなんです。ならないんであります。
 先に橋をこしらえまして、駐車場があるといったって、もう本当に少ないんです。あふれてしまうんですよ。町の中は大変なことになるでありましょう。でありますから、こういうような事業計画の進め方は都市計画法から見て整合性に欠けるんじゃないでしょうかと申し上げているんです。それをあなたが整合性に欠けないと言うのならば、具体的に法どおりの問題として手順を追って、「こういう問題でありますから決して整合性に欠けるものではない」というような十分わかるような答弁をしていただかないと。監査請求の対象になってこれから法廷でも争われる問題になりますので、きちっとした答弁をしていただきたい、こういうことをお願いしているんです。
 でありますから、意を酌んでいただきまして、再度もうたださんでいいようにしていただきたいと思います。
 以上で終わります。
○副議長(宗 正彦君) 以上の再々質問に対する当局の答弁を求めます。
 土木部長磯村幹夫君。
 〔磯村幹夫君、登壇〕
○土木部長(磯村幹夫君) お答えいたします。
 都市計画変更の時期につきましては、先ほども申し上げましたように、現在、地元の皆様方と協議中でございます。その協議が調い次第、変更を行っていきたいと考えております。
 それから、和歌浦廻線全体の整合性はどうかということでございますが、これも先ほど申し上げましたように、全体の構想の中で、急ぐところから、やれるところからやっていくということでございます。今回は特に駐車場へのアクセスということで、この新不老橋の区間を急ぎ建設したものでございます。
 以上でございます。
○副議長(宗 正彦君) 答弁漏れありませんか。──以上で中村博君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
○副議長(宗 正彦君) 本日は、これをもって散会いたします。
 午後二時三十七分散会

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