平成元年9月 和歌山県議会定例会会議録 第2号(橋本 進議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 午前十時六分開議
○議長(門 三佐博君) これより本日の会議を開きます。
○議長(門 三佐博君) この際、報告いたします。
 過日提出のあった議案第百九号及び議案第百十号については職員に関する条例改正案でありますので、地方公務員法第五条第二項の規定により人事委員会の意見を徴しましたところ、次のとおり回答がありました。
 職員に回答文を朗読させます。
 〔職員朗読〕
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   和人委第214号
   平成元年9月28日
 和歌山県議会議長 門 三佐博 殿
 和歌山県人事委員会委員長 寒 川 定 男
 職員に関する条例の制定に係る意見について
 平成元年9月26日付け和議会第190号で意見を求められた標記のことについて、地方公務員法第8条第1項第3号の規定により下記のとおり回答します。
  記
 議案第109号 職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例
 議案第110号 和歌山県退職年金及び退職一時金に関する特別取扱条例等の一部を改正する条例
 (意 見)
 上記条例案については、いずれも適当であると認めます。
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○議長(門 三佐博君) 日程第一、議案第百三号から議案第百二十号まで、並びに知事専決処分報告報第十号を一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第二、一般質問を行います。
 14番橋本 進君。
 〔橋本 進君、登壇〕(拍手)
○橋本 進君 おはようございます。
 平成元年度の九月定例議会におきまして、皆さんの御理解をいただいてトップバッターを承り、質問させていただく機会を与えていただきましたことに対し、まず冒頭、心から厚く御礼を申し上げます。
 さて、先般の知事の御説明をお聞きして、ひしひしと肌に感じるものがございました。仮谷丸の第四期県政の公約である「新しい時代にいどむ力強い地域産業の発展」、「健康で快適な暮らしと生きがいのある福祉社会の建設」、「明日を担う人づくりと魅力ある文化の創造」の施策目標が、昭和六十年に端を発した円高の進展等による構造不況、本県の持つ地理的なハンディ等、数々の外的環境悪を見事に乗り越えられ、今まさに着実に実行されているところでございます。これも、ひとえに仮谷知事の先見性と強い政治力のたまものであると感じ入っている次第でございます。
 一例を挙げてみましても、本県の長きにわたる悲願であった紀勢本線、阪和線の新大阪駅乗り入れについて、知事初め我々議会が一丸となって国及びJRに精力的に働きかけた結果、予定より半年も早く本年の七月二十二日、七往復の直通運転が開始され、うち二便は京都駅まで直結され、しかも非常に好評であると聞き及んでいるところでございます。
 加えて、本県の持つ自然資源を最大限に生かしたリゾートの一層の展開を初め、国土軸に直結したインパクトを生かした新たな展開が可能となり、その波及効果も極めて大きなものとなってくるわけでございます。
 このような大型プロジェクトは、地域への経済波及効果等も大きく、本県の活性化に著しく寄与するものであることから、県では今、多くのプロジェクトの推進に鋭意取り組んでいるところでありますが、これらを中心として県政全般についての私の意見を申し上げるとともに、知事の御所見及び関係部長の御見解をお聞きいたしたいと思います。
 関西国際空港の国内便の確保と全体構想の早期実現について。
 関西国際空港問題については、二月定例会において全体構想の早期実現、六月定例会においては大阪国際空港の廃止について要望決議をいたしたところですが、この点について御質問をいたしたいと思います。
 大阪国際空港廃止の要望決議の根底にある考え方といいますか本心は、関西国際空港により多くの国内便を確保しなければならないということの危機感だと私は考えております。大阪国際空港が存続することになりますと、国内便は関西国際空港と両空港で配分されることになりますし、関西国際空港においても国際線の余った分を国内線にするのであれば、最近の国際航空需要の伸びからすると、現在の滑走路一本の一期計画のみの空港であれば、国際線が優先され国内線の便数を削減していかなければならないのではないでしょうか。そうすると、国内、国際の基幹空港の役割を果たすどころか、成田と羽田のような大変不便な空港になるのは必定でございます。国内線の少ない空港の不便さというものは、成田空港を御利用された方には身にしみておわかりいただけることだと思います。関西国際空港は、絶対に成田のような空港にしてはなりません。
 このことから、全体構想の早期実現と大阪国際空港の存廃問題は本県の重大関心事であり、知事も議会において、全体構想の実現の必要性や大阪国際空港の存廃については、昭和四十九年の航空審議会答申に基づいて対処されるべきだとの答弁をなされておりますし、私もこのことは関西国際空港の関係府県である和歌山県として、国や関係機関にあらゆる機会を通じて申し述べていかなければならないことだと考えてございます。
 大阪国際空港の問題については、この数年間で結論が出されるもであり、運輸省に本県の基本的な考え方を申し入れておく必要があると思いますが、その間の種々の議論に左右されることなく、本県が今取り組むべき最重点課題は、関西国際空港に国内の主要都市と結ぶ大幅な国内便の確保と全体構想の早期実現であると思います。このことは、去る九月二十二日、江藤運輸大臣を迎えて大阪において開催された一日運輸省におきまして、近畿ブロック知事会会長として仮谷知事から強く要望されたと聞いてございます。
 そこで、知事に、本県の最大の重要課題である関西国際空港の国内便の確保と全体構想の早期実現への取り組みの御決意をお聞きいたしたいと思います。
 次に、原子力発電についてお伺いをいたします。
 電気はクリーンで使いやすいエネルギーであることから、冷暖房、テレビや洗濯機といった家庭用電気製品を初め、さまざまな産業分野の動力源として、まさしく私たちの生活を支えており、また情報化時代と言われる昨今、コンピューターの正常な稼働なくして社会は成り立たないとまで言われております。
 最近の新聞報道によれば、昨年度のエネルギー需要は年率五・二%と大幅に増加し、今年度に入ってもGNPの伸び率を上回る増勢傾向が続いていることから、現行の長期エネルギー需給見通しは大幅に上向きに修正する形で見直されるだろうと伝えられてございます。
 こうした中、さきのアルシュ・サミットにおいて、原子力発電が地球の温暖化を抑制する上で重要な役割を果たすとして、原子力発電の推進方針が国際的にも確認されたところでございます。
 一方、県内の候補地の一つである日高町においては、町長が比井崎漁協に対し事前調査の申し入れを行うなど、立地推進に向けて活発な動きが展開されておるところでございます。
 原子力発電については、ソ連のチェルノブイリあるいはアメリカのスリーマイル島事故以来、反対運動が強く、全国的にも新規立地が非常に困難な状態であると聞いておりますが、県としては国の政策に協力するという面と地域の振興を図るという面から、この際この問題に積極的に取り組むべきだと考えますが、改めて当局の基本姿勢をお聞かせ願います。
 続きまして、和歌浦地区全体の将来整備構想について伺いたいと思います。
 古くからの景勝地和歌浦では、現在、和歌山マリーナシティの建設、医科大学の移転、和歌公園の整備、新不老橋の建設等が進められ、将来の和歌浦の発展に明るい見通しが立てられつつあり、非常に喜んでいるところでございます。全国的に名の知れた和歌の浦であり、また最近では新不老橋建設問題にかかわる景観論争で和歌浦の歴史的景観の重要性が改めて多くの人々に認識され、知名度がさらに高まった今こそ、和歌の浦全体の将来ビジョンに基づき、官民一体となり、和歌の浦の総合的な整備を推し進める必要があると考えます。
 北海道の小樽市で、運河の保存か、埋め立てによる道路建設かの大論争を経て、結局は周辺の歴史的景観に十分配慮したデザインの道路が建設され、あわせ運河の浄化、遊歩道の整備、石づくり倉庫の改修等を行い、今や全国から多くの人々が小樽を訪れるようになり、小樽の町も大きく活性化したという話を聞いてございます。
 「和歌山県」という名前の発祥地と言われる和歌の浦についても、今後、現在進められている事業にとどまることなく、駐車場、遊歩道の整備、河川の浄化、歴史的遺産の修復等、総合的な整備を図っていくことが関西国際空港建設に伴う国際化時代にも対応できる、文化あふれる和歌山県の発展、和歌山県のPR等に大きく貢献するものと考えますが、今後の和歌浦地区の整備に関する基本的な見解を知事にお伺いいたしたいと思います。
 また、新不老橋の建設促進及び和歌浦廻線の整備について。
 新不老橋の建設については、いろいろ論争はありましたが、周辺の景観に調和したすばらしいデザインの橋を本年五月に着工され、非常に喜んでいるところでありますけれども、先月二十七日には建設反対グループから監査請求が出されたところでございます。地元住民の圧倒的多数の人々がこの橋の完成を心待ちにし、また和歌浦活性化にこの橋の早期建設は不可欠であることから、一日もおくれることなく、むしろ早く完成していただきたいと考えていますが、現在どのような進捗状況となっているのか、また新不老橋の建設に引き続き、新不老橋と和歌公園との間の拡幅、階段式護岸の設置、和歌公園─新和歌浦交差点間の道路整備を進め、和歌浦廻線の早期完成を図ることが和歌浦地区の交通計画上重要と考えますけれども、和歌浦廻線全体の整備計画、整備スケジュールについて、土木部長の答弁を願いたいと思います。
 マリーナシティ建設に伴う交通アクセスについて。
 第四次和歌山県長期総合計画によると、「二十一世紀を拓く県土づくり」として、その基本方向をテクノ&リゾートと位置づけ、高度な産業とリゾートの誘致育成を推進することとしているところでございます。
 そこで、知事は特に関西国際空港の開港をインパクトとして、和歌浦湾において民間活力を活用し、国際的にも通用する海洋性レクリエーション基地をまず整備し、さらにその効果を紀南へも波及させたいとの考えから、和歌山マリーナシティの建設が、本年五月着工以来、着々と進められているところでございます。この沖合人工島が竣工し、和歌山マリーナシティにマリーナ施設、スポーツ施設、宿泊施設など全施設が完成しますと、利用客など年間入り込み客数は三百万人、ピーク時には日に二万人がこの和歌山マリーナシティにやってくるものと推計されてございます。これに伴い発生する交通量は、アクセス道路となる毛見一号線及び毛見二号線合わせて日に六千台にもなると聞いております。これが現在でも停滞しがちな国道四十二号線に直結することとなって、さらに混雑は避けられないと危惧するところでございますが、これを回避するための対策をどのように考えておられるのか、知事並びに土木部長の御意見を承りたいと存じます。
 南紀白浜空港のジェット化整備に係る事業進捗状況について。
 交通・輸送における高速化時代の今日、空港の整備による航空ネットワークの形成・充実は、国土の均衡ある発展と国民生活の向上にとって不可欠な最重要課題であります。現在の航空情勢については、昭和五十二年度に三千万人台に達した国内の航空旅客輸送は、昭和六十三年度には約五千三百万人台と急伸し、国内の中・長距離輸送の主要な担い手となり、国民生活に身近な交通手段として定着している状況であります。今後、我が国の経済社会の国際化の進展、国民所得水準の向上、高速性志向の高まり等を背景に、交通の高速輸送への期待はますます拡大していくものと考えてございます。
 紀南の高速交通の拠点として重要な役割を果たしている南紀白浜空港についても、本年七月に東京─白浜間の一往復増便が実現しました。一方、利用率についても、八月の夏休みということもありましたが、八五%という非常に高い率であったと聞いてございます。この黒潮の影響を受ける豊かな自然環境の中で、牟婁の出湯として万葉の時代から親しまれている白浜の地で進められている南紀新空港の整備により、地域の特性を生かした観光、地域開発及び新規企業立地の推進、さらには農水産業、地場産業等がフライト産業として高付加価値化への進展なども期待されるものがあり、県当局の懸命な努力と県議会を挙げての事業推進運動が展開されているところでございます。この県民の夢と希望を盛り込んだ県のビッグプロジェクトとしての南紀新空港建設の進捗状況について、土木部長にお伺いいたしたいと思います。
 公共事業に伴う用地買収についてお伺いいたしたいと思います。
 道路の整備、河川の改修、公園の造成等、各種の社会基盤整備事業及び和歌山マリーナシティを初めとする各種プロジェクト事業の施行には用地取得が前提となり、用地取得が終わればその事業の九割方は完了したと言われることは御承知のとおりであります。しかし、複雑化する権利関係、過大な権利意識、登記及び地価高騰等により、用地取得進捗状況は芳しくないと聞き及んでいるところであります。当局はこれらに現在どのように対処しているのか、お聞きいたします。
 また、用地取得困難を理由に事業の施行がストップしている箇所も多く見受けられ、事業の進捗に支障を来しているところでもあります。我々、議会が議決した予算の執行においても、その繰り越しは一般会計において九十一億円と多額に上り、実に前年度に比べて五○%以上も増加してございます。これを打破し、経済効果、事業効果を十分発揮するためにも、早い時期に事業認定を行い、土地収用法を適用する時期に来ているのではないかと思うところでございますが、その御所見を知事にお伺いいたしたいと思います。
 先日、知事は先進リゾート地視察をなされ、開会日にその御報告がありました。西ドイツ、フランスの先進リゾート地を視察され、リゾートについての海外事情をつぶさに勉強されてきたと聞いております。
 知事は、みずから本年を「リゾート元年」と位置づけ、リゾートを本県活性化の柱にされているところでありますが、今回のアメリカ、ヨーロッパ諸国の視察もその御熱意のあらわれであり、さぞかし実りの多い有意義な視察であったものと存じております。
 そこで、知事にお伺いいたしますが、これら海外のリゾート地を自分の目でごらんになり、自分の肌で感じられたその率直な感想はいかがなものだったのか、さらにはその貴重な体験を通じ、本県のリゾート開発に生かすべくどのような御決意をされたのか、これらについてもお聞かせいただきたいと存じます。
 次に、浸水対策について。
 八月末から九月中旬にかけて、台風十七号、二十二号、並びに二度にわたる集中豪雨等は、本県にとって測候所開設以来の記録的な雨量をもたらしたところでございます。その被害は、和歌山市を中心に床上浸水が七百世帯、道路の冠水、河川の決壊等、多大の被害をもたらしました。
 先日、知事から、本格的な災害復旧事業に精力的に取り組んでいく旨、御説明がございました。復旧等の対応が迅速に行われたと思われますが、被害総額は現在、市町村を含め百億円を超える多額に上っており、今後も増加するものと思われ、その復旧を速やかに実施するためにも、何といっても復旧に係る財源の手だてが必要であります。復旧事業の執行に伴う予算措置についての取り組みを総務部長にお伺いいたしたいと思います。
 あわせて、今後の抜本的対策についても関係部長から御答弁を願いたいと思います。また、鳴滝川の改修についても、今回の災害を契機として計画されていると聞いているが、それについてもあわせて御答弁を願いたいと思います。
 以上、県政全般にわたり私が懸念している事項についてお伺いいたしたわけでございますが、そのほか二十一世紀に向けて本格的に展開されているビッグプロジェクトを挙げてみますと、第二国土軸の形成に必要不可欠であり、二十一世紀に向けたリーディングプロジェクトとして、現在、日本鉄道建設公団において鋭意地質調査が進められておる紀淡海峡トンネル構想、府県境に連なる和泉葛城山系の南斜面に位置した岩出町、打田町にまたがる地域に研究開発、居住、先端技術開発機能の集積を図り、県の活性化の先端的役割を目指す南麓サイエンスパーク計画、関西国際空港の機能の積極的な活用にあわせ、紀の川流域が持っている豊かな資源の活性化を図り、臨空型、加工組み立て型先端技術産業等の立地を促進する紀の川テクノバレーの形成、自然環境に恵まれた加太地域において、関西国際空港の土砂採取事業と相まって、周辺環境と調和のとれた複合的な町づくりを進めるコスモパーク加太、和歌山大学跡地において教育学部跡地では美術館等の建設、経済学部跡地では図書館、文書館等の建設を図り、もって県都にふさわしい文化の拠点づくりを目指した文化、健康ゾーンの整備、京阪神大都市地域から南海電鉄で一時間圏域に位置する橋本市において、大規模な住宅地の開発、高付加価値企業、研究開発型産業の誘致を目指した橋本林間田園都市の建設、紀南の中心都市である田辺市が丸紅等とタイアップして大規模なリゾート開発を進めている田辺湾総合リゾート開発計画、さらに那智勝浦町から太地町にまたがる大規模年金保養基地については、グリーンピア南紀として昭和六十一年四月にオープンしたところであるが、引き続き未利用地を開発し、紀南活性化の核的プロジェクトとして、各種スポーツ施設、保養施設等を中心とした国民的保養基地の形成、及び温泉、森林、河川等の豊かな自然資源、歴史資源が集積する奥熊野の地において中核となるクアハウス熊野本宮館が五月三日にオープンされたのを初め、健康温泉プール、バンガロー、つり橋等が概成されるところまで進展している奥熊野レクリエーションエリアの形成など、思いつくままに列挙しても数多くの大規模プロジェクトが県内各地において始動しているところでございます。
 さきにも述べましたとおり、これら数々のプロジェクトの推進に当たっては、私たち県民の理解と協力が絶対条件であります。今、二十一世紀に向けて大きく変化するであろう本県を取り巻く社会経済環境を見きわめ、間近に控えた関西国際空港の開港、急速に進む近畿自動車道の南伸等、フォローの風が吹くこの時期をとらえ、「活力と文化あふれるふるさとづくり」のため、知事を先頭に県民挙げての取り組みが必要不可欠であると考える次第であります。
 知事におかれましては、健康に十分御留意され、県勢のますますの発展に御尽力をいただきますよう切に要望して、私の質問を終わります。
○議長(門 三佐博君) ただいまの橋本進君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 橋本議員にお答え申し上げます。
 第一点、関西国際空港の国内便の確保と全体構想の実現でございます。
 御指摘のように、この二点については県政の最重点項目でございまして、議会の皆さんとともに鋭意取り組んでおるところでございます。特に国内便の確保については、関西国際空港、国に対し絶えず強く要望しているところでもございます。また、全体構想の実現については、六月に議会の皆さんや産業界の皆さんと一体になって促進協議会を結成いたした次第でございます。また、本県のみならず、近畿においてもこうした政・官・財界が一体になっての協議会を設けまして、近畿の問題として積極的に取り組んでいるのが現状でございます。
 九月二十二日に一日運輸省が初めて開催されたのでございますけれども、その際には、私は近畿知事会の会長としてこの二点について江藤運輸省大臣に強く要望したわけでございます。大臣から、国内、国際の基幹空港としての関西国際空港の国内便の確保、全体構想の実現はぜひとも必要であるとの回答を得た次第でございます。今後、なお一層、国内便の大幅な確保が得られるように、また全体構想が早期に決定されるように、議会の皆さんと一体になりまして努力してまいりたいと思っておる次第でございます。
 次に、和歌浦地区全体の将来整備構想でございます。
 お話のように、和歌山市は国際空港とともに国際化としての町になるわけでございます。また、和歌浦はかねてからの名所でございます。そうしたすばらしい、文化あふれる個性味豊かな和歌山をつくっていくことが非常に重要なことであると思っておるわけでございます。また、和歌の浦が多くの人々から愛され親しまれる、すばらしい環境を持った整備が必要だと考えておるところでございます。そのために、県のリゾート構想においても、和歌浦を海洋都市型リゾート空間として整備を図っていくことにしておるわけでございます。
 お話のように、現在、マリーナシティの建設、和歌公園の整備、医大の新築等々、さまざまなプロジェクトを進めておるわけでございますけれども、今後とも和歌の浦の自然的、歴史的意義を十分に踏まえながら、多くの人から喜んでいただけるような環境づくりを積極的に進めてまいりたいと思っております。
 次に、マリーナ建設に伴って交通量の増加があるわけでございます。
 マリーナシティを成功させるためには交通アクセスの確保ということが不可欠であるということ、お話のとおりでございまして、当面の問題としては、マリーナシティへの直接進入路である毛見一号線及び毛見二号線の整備に全力で取り組んでおるわけでございます。それとともに、国道四十二号線の整備を進めていかなければならないわけでございます。これらについては、議員の皆さん方からも御指摘をいただいておるわけでございまして、十分検討してまいりたいと考えております。詳細については土木部長から答弁いたします。
 それから、公共事業を行うについての用地買収でございます。
 例を挙げて説明いただいたわけでございますけれども、私たちも公共用地の確保ということが土木行政、県の産業振興のために最も緊要な問題だと考え、これについて積極的に取り組んでいるわけでございますが、土地に対する意識の違い方等、いろいろ難しい問題が重なってまいっておるわけでございます。
 県としても、用地交渉以前に地籍の問題、公図が混乱しておるという問題がございます。それらの環境改善を図るために、公図訂正の予算を計上しておるところでございます。また、用地交渉においては、関係の皆さんの御協力をいただいておるわけでございます。しかし、任意交渉に至らない場合も間々あるわけでございます。土地収用法等の問題について、なお一層仕事が運営化できる、短期間にできるように、国に対しても積極的に改正を申し入れるとともに、土地収用法によらなければならない場合もあるわけでございます。こうした面において、県民の協力を得て、なお一層積極的に進めてまいりたいと存じておる次第でございます。
 それから、海外へ行ってきた感想でございます。
 訪問した国は、カナダ、アメリカ、ドイツ、フランスでございます。短時日で局部的であったため十分なことはわかりませんけれども、こうした国を回りまして、いずれもリゾートに関しては我が国より歴史的、文化的な先進国である事情もございまして、その普及と定着ぶり、さらには国民性の違い等に驚きもし、感心し、かつうらやましくも感じた次第でございます。同時に、我が国も近い将来きっとこうしたときを迎えることになるであろう、また経済大国である日本としては、こうしたリゾートライフを実現することによって真の生活の豊かさや心のゆとりを実現することが、欧米先進国に追いつく大きな課題ではないかとも感じたわけでございます。
 今回の視察を通じて、生活に定着した先進国のリゾートに接して、周辺の自然と調和のとれた開発がなされており、例えば、看板の規制、花木による雰囲気づくり、原石の利用等の現状を見て、より具体的なイメージをつかむことができたわけでございます。
 また、カナダ、アメリカ、南フランスと、ヨットの数が多いのにびっくりしたわけでございます。海洋国であるこれら国民の性格かとも思ったわけでございますけれども、その点を特に感じました。
 いずれにせよ、マリーナシティ、白浜の開発、田辺湾開発等々、数々のリゾート計画があるわけでございまして、今後、十分旅行の結果を踏まえて、これらの参考にさせていただきたいと存じておる次第でございます。
 以上でございます。
○議長(門 三佐博君) 企画部長川端秀和君。
 〔川端秀和君、登壇〕
○企画部長(川端秀和君) 原子力発電問題についてお答えを申し上げます。
 現在の豊かな暮らしを持続的に発展するためには、議員御指摘のとおり、電力を確保することが極めて重要でございまして、国は特別の法律によって電源開発を推進しているところでございます。とりわけ原子力については、電力供給の中核的役割を担うものと位置づけ、安全確保対策を初め、立地地域の振興策、国民的理解を得るための広報事業等、積極的な施策を展開しているところでございます。
 県といたしましては、こうした国の考え方を理解しながらも、あくまでも適地性、安全性、地元の同意、この三原則を堅持しながら、地域の振興を図るという立場で対処しているところでございます。
 日高町における動向につきましては、今後ともこれを見守りながら対応してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(門 三佐博君) 土木部長磯村幹夫君。
 〔磯村幹夫君、登壇〕
○土木部長(磯村幹夫君) お答えいたします。
 まず、新不老橋の進捗状況については、ことしの五月に着工し、現在、橋脚二基、橋台一基分の基礎工事を終えたところでありまして、予定どおり平成二年度中に完成できる見通しであります。
 和歌浦廻線全体の整備については、新不老橋の完成に引き続き、新不老橋と和歌公園との間の道路の整備を行い、議員御指摘のとおり、和歌浦の景観をゆっくりと親しんでいただけるような道路づくりを図っていきたいと考えています。
 また、和歌公園から新和歌浦交差点までの間についても、新不老橋と和歌公園との間の道路整備の進捗状況等を踏まえながら、和歌の浦の海岸道路にふさわしい道路づくりを行っていきたいと考えております。
 次に、マリーナシティ建設に伴う交通アクセスでございます。
 知事からも申し上げましたが、和歌山マリーナシティへの直接のアクセス道路となる毛見一号線については、平成四年完成を目途に、現在、鋭意用地買収に取り組んでいるところであり、また毛見二号線については、二期工事竣工前に供用できるよう諸手続を進めているところであります。
 なお、国道四十二号の紀三井寺─海南間の交通混雑の状況は把握いたしており、本年一月、国、県で策定した渋滞対策実行計画では、当面は今事業中の毛見トンネルの拡幅を促進し、また紀三井寺交差点の立体化を図ることとしております。
 県といたしましては、周辺地域の各プロジェクトの具体化とともに、今後、地域交通需要の増加が予想されますので、建設省に協力し、毛見トンネルの事業促進を図っていくとともに、紀三井寺交差点の立体化についても早期に事業化されるよう国に対し働きかけてまいります。
 さらに、今後、松島本渡線、布引本渡線等、現国道四十二号の混雑を緩和する機能を持つ道路の整備についても、早期に事業化できるよう整備主体、手法等、検討してまいります。
 南紀白浜空港のジェット化整備に係る事業進捗状況でございます。
 南紀新空港は、紀南の観光産業や地域開発等、活性化の核となるものであり、県政の重要施策として位置づけ、建設に全力を集中しているところでございます。この事業の円滑な推進には、早期の用地取得が必要でございます。現時点では用地の取得について予定よりおくれが生じておりますが、関係市町村と一体となり、全力を挙げて地権者の皆様方の合意が得られるよう、さらに一層の努力をしてまいります。
 続きまして、浸水対策についてでございます。
 議員御指摘のとおり、今回の集中豪雨は県下各地に多大な被害をもたらしました。とりわけ和歌山市内においては、九月二日から三日にかけて三百十五ミリ、九月の月間で八百二十四・五ミリという和歌山地方気象台開設以来の豪雨であり、宮前、内原、雑賀、有功、楠見地区など、多くの地区で人家浸水や道路冠水の被害をこうむりました。
 この浸水対策につきましては、河川の改修、下水道の整備など、和歌山市と一体となって事業を進めてきたところであります。また、宮前、内原、雑賀地区の西浜等についても、従来から対策を講じているところですが、今後とも積極的に対応してまいります。
 鳴滝川の改修についての御質問ですが、地元の熱意も非常に高く、昨日、和歌山市長からも陳情を受けました。このため、鳴滝川の拡幅には早期に着手すべく、国に対し強く要望してまいります。
○議長(門 三佐博君) 総務部長斉藤恒孝君。
 〔斉藤恒孝君、登壇〕
○総務部長(斉藤恒孝君) 災害復旧の予算措置についてでございます。
 本年度当初予算において想定される現年の災害に機動的に対処するため、土木関係で約三十二億円、農林関係で十三億円の予算措置をいたしているところでございます。その範囲で、緊急を要する工事については国と協議の上、応急措置を講ずるとともに、査定終了後は速やかに工事の施行に努めているところでございます。
 今後の予算措置につきましても、国の災害査定の結果を見きわめ、適切に対処してまいりたいと考えております。
○議長(門 三佐博君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(門 三佐博君) 以上で、橋本進君の質問が終了いたしました。

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