平成元年2月 和歌山県議会定例会会議録 第9号(全文)


県議会の活動

 平成元年 和歌山県議会二月定例会会議録 第 九 号
 
 三月二十四日 (金曜日) 午前 十時 六分 開議
     午後十一時四十六分 閉会
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議 事 日 程 第九号
     平成元年三月二十四日(金曜日)
     午前十時開議
 第一 議案第一号から議案第八十五号まで、報第一号及び報第二号、請願十件並びに継続審査中の議案第百十二号(委員長報告・同質疑・討論・表決)
 第二 各常任委員会閉会中継続審査の件
 第三 各特別委員会閉会中継続審査の件
 第四 選挙管理委員及び同補充員の選挙
 第五 意見書・決議案
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本日の会議に付した事件
 第一 議案第一号から議案第八十五号まで、報第一号及び報第二号、請願十件並びに継続審査中の議案第百十二号(委員長報告・同質疑・討論・表決)
 第二 各常任委員会閉会中継続審査の件
 第三 各特別委員会閉会中継続審査の件
 第四 選挙管理委員及び同補充員の選挙
 第五 意見書・決議案
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出 席 議 員(四十五名)
 1 番 井 出 益 弘 君
 2 番 和 田 正 一 君
 3 番 町 田   亘 君
 4 番 中 村 利 男 君
 5 番 山 本   一 君
 6 番 宗   正 彦 君
 7 番 岡 本   保 君
 8  番 鈴 木 俊 男 君
 9 番 阪 部 菊 雄 君
 11 番 平 越 孝 哉 君
 12 番 大 江 康 弘 君
 13 番 中 西 雄 幸 君
 14 番 橋 本   進 君
 15 番 古 田 新 蔵 君
 16 番 浦   武 雄 君
 17 番  堀 本 隆 男 君
 18 番 宇治田   栄 蔵 君
 19 番 下 川 俊 樹 君
 20 番 石 田 真 敏 君
 21 番 木 下 秀 男 君
 22 番 中 村 隆 行 君
 23 番 藁 科 義 清 君
 24 番 門   三佐博 君
 25 番 尾 崎 要 二 君
 26 番  那 須 秀 雄 君
 27 番 木 下 義 夫 君
 28 番 上野山  親 主 君
 30 番 尾 崎 吉 弘 君
 31 番 西 本 長 浩 君
 32 番 岸 本 光 造 君
 33 番 松 本 貞 次 君
 34 番  浜 本  収 君
 35 番 和 田 正 人 君
 36 番 浜 口 矩 一 君
 37 番 山 崎 幹 雄 君
 38 番 貴 志 八 郎 君
 39 番 田 中  実三郎   君
 40 番 森   利 一 君
 41 番 村 岡  キミ子   君
 42 番 森 本 明 雄 君
 43 番 中 村   博 君
 44 番 中 村 千 晴 君
 45 番 小 林 史 郎 君
 46 番 渡 辺   勲 君
 47 番 藤 沢 弘太郎 君
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欠 席 議 員(二名)
 10 番 部 矢 忠 雄 君
 29 番 平 木 繁 実 君
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説明のため出席した者
 知 事 仮 谷 志 良 君
 副知事 西 口   勇 君
 出納長 梅 田 善 彦 君
 知事公室長 市 川 龍 雄 君
 総務部長 斉 藤 恒 孝 君
 企画部長 川 端 秀 和 君
 民生部長 高 瀬 芳 彦 君
 保健環境部長 尾 嵜 新 平 君
 商工労働部長 花 岡   弘 君
 農林水産部長 安 田 重 行 君
 土木部長 松 永 安 生 君
 企業局長 吉 井 清 純 君
 以下各部次長・財政課長 
 教育委員会委員長
   上 野   寛 君
 教育長 高 垣 修 三 君
 以下教育次長
 公安委員会委員長
   築 野 政 次 君
 警察本部長 津 和 孝 亮 君
 以下各部長
 人事委員会委員長
   寒 川 定 男 君
 人事委員会事務局長
 代表監査委員 宮 本 政 昭 君
 監査委員事務局長
 選挙管理委員会委員長
   浜 崎 浩 洋 君
 選挙管理委員会書記長
 地方労働委員会事務局長
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職務のため出席した事務局職員
 事務局長 山 本 恒 男
 次 長 倉 本 辰 美
 議事課長 栗 本  貞 信
 議事課副課長 中 西 俊 二
 議事班長 荻 野   薫
 議事課主査 松 谷 秋 男
 議事課主事 石 井   卓
 総務課長 神 谷 雅 巳
 総務課主事 山 下 正 彦
 総務課主事 平 田 裕 昭
 調査課長 西 村   明
 調査課主幹 坂 口 一 郎
 調査課主幹 湯 川   忠
 (速記担当者)
 議事課主査 吉 川 欽 二
 議事課速記技師 鎌 田   繁
 議事課速記技師 中 尾 祐 一
 議事課速記技師 保 田 良 春
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 午前十時六分開議
○議長(西本長浩君) これより本日の会議を開きます。
○議長(西本長浩君) 議事の都合により休憩いたします。
 午前十時七分休憩
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 午後四時二十六分再開
○議長(西本長浩君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
○議長(西本長浩君) この際、本日の会議時間は、議事の都合により、あらかじめこれを延長いたします。
○議長(西本長浩君) この際、暫時休憩いたします。
 午後四時二十七分休憩
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 午後八時十三分再開
○議長(西本長浩君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
○議長(西本長浩君) 日程第一、議案第一号から議案第八十五号まで、並びに今期定例会の請願三件及び継続審査中の請願七件、計十件、並びに前会より継続審査中の議案第百十二号昭和六十二年度和歌山県歳入歳出決算の認定についてを一括して議題とし、順次、各常任委員会委員長及び決算審査特別委員会委員長の報告を求めます。
 経済警察委員会委員長下川俊樹君。
 〔下川俊樹君、登壇〕(拍手)
○経済警察委員会委員長(下川俊樹君) 経済警察委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案十件であります。
 委員会は、三月十六日、十七日の二日間にわたり、第六委員会室にて開催いたしました。
 委員会における質疑、意見、要望等の主なものは、次のとおりであります。
 商工労働部、地方労働委員会関係では、商工会館建設の陳情を受けているが具体的な内容はどうかとただしたのに対し、上富田町商工会から要望があり来年度に建設補助を考えている、補助率は国、県それぞれ六分の一、町三分の一、自己負担三分の一であり、総事業費は七千五百万円で、町有地に鉄筋二階建て、延べ四百平方メートルの計画であるとの答弁がありました。
 次に、最近、大型スーパー進出によって在来商店街が打撃を受けていると言われるが、商店街自身もスーパーに対抗できるような共同店舗の建設など、意欲を持って指導を求めてくるケースはないのか、また県はそのような指導を考えていないのかとただしたのに対し、現在、商店街にはハード面として街路灯やカラー舗装などの環境整備助成や商店街活性化構想策定事業として施設整備調査を実施しており、ソフト面では地元の御意見を聞き、相談しながら活性化を図っているとの答弁がありました。
 次に、消費税に係る使用料等の三%上乗せについて、予算編成に当たり総務部とどのような協議をしたのかとただしたのに対し、行政の担当者としては定められた法に従わなければならない、財政との交渉においても消費税の対象となる使用料、手数料の転嫁措置はやむを得ないとの共通の認識を得たものであるとの答弁があり、これに対し、勤労福祉会館、労働者憩の家の使用料については何らかの配慮の余地があったのではないかとの意見がありました。
 次に、中国の山東省物産展示場開設事業について説明を求めたのに対し、山東省との友好提携五周年を記念して県産品の販路拡大を図るため済南市において県産品を展示し紹介するものである、現在までの取引実績としては皮革、繊維、染料などがあり、今後、ボタン、漆器などの業界が進出すべく話し合いを進めているとの答弁がありました。
 次に、関空関連下請企業の受注支援事業について、百万円余りの予算で何ができるのかとただしたのに対し、関西国際空港の建設に伴い、県下下請企業の受注の確保及び販路の拡大を目的に空港建設に関する情報の収集、整理、提供を行い、受注体制の整備推進を行っているとの答弁がありました。
 次に、加速的技術開発支援事業について、本年度より縮小された予算案となっているが理由は何かとただしたのに対し、本年度は住友の下請関連五企業グループにより五テーマを実施したが、来年度はメリヤス、化学、機械の三グループによる三テーマを予定しており、テーマ数の減が予算額の減となったものであるとの答弁がありました。
 次に、東京ドームで行われた「ふるさとフェア''89」の結果はどうであったか、また来年度の規模をどのように考えているのかとただしたのに対し、正月早々の時期にもかかわらず本県ブースには延べ五万三千人の来場があり、梅干し、ミカン、漆器など即売品の売れ行きもよく、大きな効果があったと評価している、来年度も同程度の規模で参加を考えており、より多くの地場産品の展示を予定しているとの答弁がありました。
 次に、地場産業の中核的な事業所でも後継者を育成できず、やむを得ず廃業する姿を見ると非常に寂しく、またゆゆしい問題でもある、このため地場産業後継者の育成にもっと力を入れて取り組むよう要望がありました。
 次に、企業の新規立地については、県外企業に限らず県内企業の拡張や移転についても同様の立地調整が図られるのか、またリゾート企業についての優遇措置はあるのかとただしたのに対し、県外、県内企業にかかわらず立地調整を図っているところであり、またリゾート企業の優遇措置については現在製造業を対象にしているが、今後はリゾート関連に対しても研究していく必要があると考えているとの答弁がありました。また、誘致企業、特にリゾート関係の発表については、周辺地価の上昇を防ぐため発表の時期を慎重にするよう市町村や企業を指導すべきであるとの意見がありました。
 次に、来年度予算は本県を観光県として位置づけるに足る予算案となっているのかとの質疑があり、商工労働部関係の観光予算は宣伝活動費が大部分であり大きな効果があるものと期待している、観光には交通網などハード面の整備と宣伝などソフト面の充実がうまく連動することが望ましく、今後は特急くろしおの新大阪乗り入れ、南紀白浜空港のジェット化を機会に、ハード面の整備になお一層力を入れていく必要があると考えているとの答弁がありました。
 次に、東南アジア諸国に対する観光キャンペーンについて本格的に取り組むには予算が少ないように思うがどうかとただしたのに対し、昨年十二月に台湾の台北市において、県、市町村関係者十二名が参加してレセプション「和歌山県の夕べ」を実施した、予算については関係市町村や観光協会との共同事業であるため総事業費としては六百万円ぐらいになり、妥当な額であると考えているとの答弁がありました。
 次に、JR紀勢線の車内アナウンスが最近女性の声で行っていることは結構なことだが、放送内容にはまだ改善する余地があるように思うのでJRともども検討するよう、また文字、歴史上の有名人を主役にして観光のキャッチフレーズを考えるとか、有名作曲家、作詞家に和歌山県の歌をつくってもらい人気歌手に歌わせてみたらどうか、さらに駅の空き地などを利用するとともに、沿線の住民にも参加を願って花いっぱい運動をより広範囲に展開してはどうかとの提言がありました。
 また、ふるさと創生資金の使い道としては、観光や文化的なものが多いと思われるので、市町村から相談があれば適切なアドバイスを与えるよう要望がありました。
 次に、労働時間の短縮についてどのような指導をしているのかとただしたのに対し、労働時間短縮については労働基準局に和歌山地方労働時間問題懇談会が設置されており種々協議されているところである、県としては労働基準法の改正について啓発を行っているが、中小企業にとって労働時間の短縮はコスト高になり、設備の近代化などどこかで吸収しなければならず、これに対する融資やその他の面のフォローが必要であり、円滑に時間短縮移行が図れるよう引き続き指導してまいりたいとの答弁がありました。
 このほか、石油貯蔵施設交付金の交付地域とその活用、新しい地場産業振興ビジョン、ゴルフ場開発の事前審査、大規模イベント、高等技能学校の入学状況、失業対策事業の経過と現状、昨年中の不当労働行為件数などについて説明を求めました。
 公安委員会関係では、まず、串本町潮岬の国立公園内の雑木林が伐採された事案について警察の対応や捜査状況をただしたのに対し、本件を契機に警察官全員が身辺の出来事についてもっと法的関心を持つように指導することといたしたい、また指摘の事案については自然公園法違反の疑いで所要の捜査を終わっているとの答弁がありました。
 次に、昨年、和歌山市内で発生した女子高生殺人事件の捜査状況をただしたのに対し、事件発生後、捜査本部を設置し、百数十名を動員して凶器の発見や聞き込み捜査等、所要の捜査を強力に推進したところであり、基礎捜査を了した時点で捜査員を約三分の一の専従体制に切りかえ、現在も昼夜の別なく懸命の捜査を行っているところであるとの答弁がありました。
 続いて、警察の情報収集は縦割り的になり過ぎている嫌いがある、情報収集には日ごろの警察活動の中でもっと住民から親しまれ信頼される体質づくりが重要であると考えるがどうかとただしたのに対し、今後、十分に研究し配慮してまいりたいとの答弁がありました。
 次に、串本町で暴力団事務所開設の動きがあったがその後の経過についてただしたのに対し、警察の強い警告に加え、町民、警察一体の暴力排除運動により事務所の設置を断念させた、今後とも警戒を続けてまいりたいとの答弁がありました。
 次に、交通信号機の設置計画、新設道路と在来道路の交通上のふぐあい、さらに交通の頻繁な道路に対する安全対策についてただしたのに対し、毎年、二十基程度の設置計画であるが、今後、必要なものについては財政当局に要求して安全施設の整備を図り、事故防止に努めてまいりたい、また新設道路に係るふぐあいな箇所について、道路管理者から協議があれば交通の状況や地域住民の要望等を踏まえて意見を出したいとの答弁がありました。これに対し、委員全員から、新設道路については年間二十基の枠外とする必要があるのではないかとの強い意見がありました。
 続いて、駐車場もなく建物も狭隘となっている和歌山西警察署の移転構想についてただしたのに対し、西署の建てかえについては部内で種々検討を重ねているところであるが、用地の確保が当面の課題となっている、今後とも県当局や関係機関に働きかけ、適地の確保に努めてまいりたいとの答弁がありました。
 このほか、交通センターへのエレベーター、キャッシュコーナーの設置要望や警察広報紙の質の向上を図るよう意見がありました。
 以上のとおり、慎重審査の後、採決の結果、当委員会に付託されました議案第一号、第五号、第十三号は賛成多数をもって、その他の議案七件は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 以上で、経済警察委員会の報告を終わります。何とぞ、適当な御決定をお願い申し上げます。
○議長(西本長浩君) 厚生委員会委員長森 利一君。
 〔森 利一君、登壇〕(拍手)
○厚生委員会委員長(森 利一君) 厚生委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表及び請願文書表に記載のとおり、議案十件、請願三件であります。
 委員会は、三月十六日、十七日、第五委員会室で開催し、民生部、保健環境部の順に当局から付託案件についての説明を聴取した後、審査を行いました。
 委員会における各委員の質疑、意見及び要望の主なものは、次のとおりであります。
 まず民生部関係で、初めに青少年補導センターに対し県はどのような指導を行っているのか、また少年補導員に対する講習を予算計上しているが、補導員の資質の向上についての所信をただしたのに対し、青少年補導センターの設置主体は市町村等にあり、県に指示命令権はない、しかし県では青少年補導センターの活動を促進するため、青少年補導センターに対し補助金を交付し一定の指導助言を行っている、具体的には県下青少年補導センター所長会議、同センター職員研修会等により指導、助言を行っている、また補導員としての資質の向上を図るため、県下の少年補導員に対し、昭和六十三年度及び平成元年度に県下を八地方に分けて補導員講習会を実施し、補導員としてのあり方を中心に資質の向上に重点を置いた講習を実施している旨の答弁がありました。
 次に、青年や婦人の国際交流事業を実施しているが、だれでも行ける機会が少ないように思う、また青少年の健全育成は大変難しい問題であるが、青少年のエネルギーを健全な方向に向けるために、もっとスポーツのできる機会を与えてやってもらいたいとただしたのに対し、近畿洋上大学、県単独派遣事業等の募集については幅広く受け入れるようにしているが、条件として今までに団体活動をしている人、または帰国後に経験を生かして活動してくれる人となっている、また青少年の健全育成については団体育成を行っているが、いずれかの団体に加入することで、いろいろな個性を伸ばし、自信をつけさせたりしている、現在、少年少女五団体があるが、五○%の子供が加入している、その他の団体への加入も含めると六七%の子供たちが加入しているが、どの団体もスポーツ活動を多く取り入れているように思う、団体活動によく参加している子供たちは生き生きと活動しているように思う旨の答弁がありました。
 次に、生活保護費が補正予算で減額されているが、ケースワーカー等が生活保護家庭に対し厳しい締めつけを行っているとの声を聞く、生活保護家庭の見直しといった指導等が国から出され、それが原因で減少したのかとただしたのに対し、見直しの指導はないが、要保護性の確認のための資産、財産等の的確な把握についての取り扱いについては国からの指導もあり、他法、他施策の活用を初め、社会経済情勢等により減少しているもので、決して締めつけを行っているものではない旨の答弁がありました。
 次に、済生会有田病院新築に伴う医師、看護婦の確保についてただしたのに対し、昨年九月の時点で医師は充足の目途がついており、看護婦についても五名程度確保したと聞いている旨の答弁がありました。またこれに関連して、看護婦の確保が難しいので保健環境部と十分協議して指導してほしい旨の要望がありました。
 次に、国民健康保険資格証明書の発行や被保険者証の未交付がかなり見受けられる、特に未交付については問題がある、国保制度は老人が多く、また低所得者も多い、そうした人たちを助けるはずの施策であるが問題が出てきている、どのような対応をしてきたか伺いたい、また保険基盤安定制度は、二年間の暫定措置のため平成二年度にはそれがまた被保険者の負担とならないための改正が必要である、また保険料の引き上げの問題であるが、この制度は社会保障を目的としたものであり、国の責任において解決すべきである、引き上げの際、県としてはどう対応してきたかとただしたのに対し、国保被保険者証の未交付については、国民健康保険法に照らし好ましくない問題であるため、早急に改善を図るよう指導してまいりたい、また制度の問題については、老人保健拠出金案分率の引き上げや昨年の法改正により創設された保険基盤安定制度等、医療保険全体の中で改正されてきた、平成二年度には抜本的な改正も予定されている、県下の国保財政は一部の保険者を除き好転してきている、県としては、まず医療費の適正化、収納率の向上、資格の適正化等、精いっぱいの保険者努力をしていただき、その上で適正な保険料の引き上げについて指導している、なお、和歌山市に対しても国保財政の健全化のため再三指導してきたところであるが、今後も積極的に指導していくとともに、補助金の交付においても強い対応で望みたい旨の答弁がありました。
 次に、市町村同和対策事業債利子補給事業について、その事務内容並びに実施状況についてただしたのに対し、市町村が法に適用しない単独事業を実施し、その事業の財源として同和事業債を充当した場合に、その利子に対する助成ですべての市町村に対して補給している、また法改正に伴う事業見直しとの関連については、本県の場合はその影響が余りなかったものと思われる旨の答弁がありました。
 次に、今後の啓発活動に対する心構え、公務員とその家族に対する啓発についてただしたのに対し、今後は事業の必要性の理解を住民の方々に求めるためにも啓発に取り組んでまいりたい、また同和委員会が中心になって取り組んでいる啓発についても、時代に即した啓発の手法、内容を考え、積極的に推進してまいりたい、また県職員の啓発については実践面に重点を置き、地域住民の先頭に立って啓発活動が行えるよう努めてまいりたい旨の答弁がありました。
 次に保育所問題について、本会議で無認可保育所への補助金助成の質問があったが、無認可保育がなぜ存在するのか、また無認可保育所は現在何カ所あるのか、家を借り、保育料だけでは運営できず、バザー等を行って努力しているが、自主的にやっている無認可保育所に対し救いの手を差し伸べられないのか、補正予算等で対処する意思があるのかとただしたのに対し、保育に欠ける児童は本来から認可保育所で対処していくのが当然であり、平成元年度より保育時間の延長を促進するため長時間保育促進事業を取り入れ努力してまいる所存である、また県下の無認可保育所数は十一カ所、二百九十五名の子供が入所しており、五十名の保母で保育をしている、なお、無認可保育所への補正予算等については考えていない旨の答弁がありました。
 次に、母子スポーツ大会の参加者負担についてただしたのに対し、この事業は母子寡婦福祉連合会委託事業として実施しており、大会への参加費は取っていない旨の答弁がありました。
 次に南紀療育園の建てかえについて、児施設が児・者併設になるということは障害児が減ってきたということか、今後もそういう傾向にあるのか、将来的な見通しはどうかとただしたのに対し、障害児施設は県下に十一施設あり、定員に対する入所率は七○%である、南紀療育園は定員百名に対し八十五名入所しているが、平成二年度と三年度に新宮と有田にそれぞれ養護学校が開校される予定であるため、今後、児童数が減少することが予想される、このため将来的には大人に転用できるよう計画している、その他、六星寮、湊寮、有功ケ丘学園についても適正規模に合わせた施設整備をしてまいりたい、また精神薄弱者の施設については現在八百人が入所し得るが、まだ三百人分不足している、今後、紀北地区を重点的に施設整備を図ってまいりたい旨の答弁がありました。
 次に、最近は老人クラブへの加入率が低下してきているが、生きがい対策を進める上で高齢者の新しい受け皿が必要ではないか、また今後の施設入所希望者と在宅サービスを希望する高齢者との動向はどうかとただしたのに対し、新年度予算案においては新たに広く関係団体の参画を得ながら財団を設立し、若年世代との交流も図りながら、さまざまな地域活動を展開していくこととしており、それが老人クラブのすそ野の拡大にもつながっていくものと考えている、また今後の動向については、今回の意識調査でも施設入所を希望される方はわずか数%で、大多数の方々は在宅福祉サービスを強く希望している、こうしたことからも老人福祉対策全般のウエートを在宅対策にシフトをし、その現実化を図ることが急務である旨の答弁がありました。
 次に生きがい対策として、レジャーやリゾートなどを取り入れた高齢者の町づくりを考えてはどうかとただしたのに対し、「ふるさと二十一健康長寿のまちづくり」事業の実施に当たっては、日常の生活空間の中で高齢者のスペースを確保していくという考え方もあればリゾートの一環としてとらえていくという考え方もあり、県内の地域で個性的な町づくりができるよう検討してまいりたいと考えている旨の答弁がありました。
 また、高齢者の生活と意識に関する調査報告書やお年寄りの介護者読本などのすぐれた資料について広く配布し、活用してほしい旨の要望がありました。
 このほか、青少年健全育成推進の店(少年を守る店)、中央児童相談所の改築、ホームヘルパーの身分保障、理学療法士修学資金貸与事業等について質疑、意見、要望がありました。
 次いで保健環境部関係で、まず初めに本県は公共下水道の普及率が全国一低いと聞いているが、このような地域には生活雑排水の浄化に役立つ合併浄化槽の普及促進が必要と考える、平成元年度には本県でも合併浄化槽設置に伴い補助制度を導入しているが、本制度の具体的内容を説明されたいとただしたのに対し、合併浄化漕は生活雑排水による生活環境の悪化及び公共用水域の汚濁を防止する有効な手段である、今回創設する県費補助制度とは、合併浄化槽設置者に対し補助事業を行っている市町村に、小型合併浄化槽を対象として県が補助金を交付する制度である旨の答弁がありました。また、県下でどの地域から補助金の要求があるのか、国はどの程度の補助をするのかとただしたのに対し、当該合併浄化槽は、し尿と生活雑排水をあわせ処理するもので、その処理能力も高いことから、国では昭和六十二年度から本制度を導入しており、県では平成元年度から新しく予算化したものである、平成元年度では田辺市、白浜町、中辺路町が本制度の対象となる予定である、また国の定めた補助基準額に補助率三分の一を乗じた額で市町村に対して補助するものであり、県費補助についても同様の制度がある旨の答弁がありました。
 次に、産業廃棄物の処理については種々問題がある、現在、紀北地域では和歌山環境保全公社が第三セクターで公共関与により処分をしている、田辺地方でもそうした型で適地調査をすることになったが、その他の地域では希望がなかったのかとただしたのに対し、産業廃棄物の排出状況調査については昭和六十三年度に実施しており、近くその結果報告がなされる予定である、大多数の産業廃棄物は紀北地域で排出されており、次いで田辺市中心、新宮市中心となっている、その中でも特に強く要望のあったのは田辺市を中心とする最終処分場の確保である、新宮市でも県事務所を中心として話し合いが持たれたが、民営の処分場ができようとしていた時期でもあったので、今回は田辺市中心のものだけとした、今後は他の市町村の状況も見きわめながら推進してまいりたい、産業廃棄物処理は排出者の責任であるので、まず事業者、そして市町村、県という関連で考えてまいりたい旨の答弁がありました。
 次に薬物乱用について、麻薬、シンナーに限らず、医薬品の飲み過ぎによる弊害があると思うがどのように対応しているのかとただしたのに対し、一般消費者に対しては各種会合等で薬の正しい知識等の啓発に努めている、一方、モニター制度による医薬品副作用情報を各医療関係団体等へ提供し安全性の確保に努めるとともに、医薬分業の推進の中で薬歴管理及び服薬指導により弊害を防止するよう薬局等を指導している旨の答弁がありました。
 また、シンナー、覚せい剤等、薬物の規制と取り締まりについてどのようになっているのか、覚せい剤乱用防止推進員の活動状況及び覚せい剤相談窓口における相談件数はどれくらいあるのかとただしたのに対し、シンナー、覚せい剤の取り締まりについては県警において徹底的な検挙を行っているところであり、一方、乱用による弊害の恐ろしさについて、薬物乱用対策推進本部を中心として各関係機関と十分連絡を密にし積極的に啓発活動を実施するとともに、県下四百名の覚せい剤乱用防止推進員の方々により、地域、学校に密着して啓発活動を行っていただいているところである、また相談件数については、昨年六月より十二月までの間に十件で、その内容についてはごく一般的な事項であり、深刻な相談事例はない旨の答弁がありました。
 次に保健所の将来について、保健婦の間で危惧が持たれている、総務庁の勧告、国の地域保健将来構想検討会等の動きを見ていると、保健所の数、業務が縮小される傾向にある、県民の健康を守るためにさらに充実させなければならないと考えるが県の考え方はどうかとただしたのに対し、保健所の将来構想については、国で一昨年来検討を進めているが、最終の報告は新年度にずれ込むと予想される、対人保健サービス、環境関係等、種々の面から検討がなされているが、県といたしましても、住民に密接な業務が多く、住民のニーズにこたえられるような方向で検討してまいりたい、例えば、福祉との関係で保健福祉サービス調整チームのような事業で福祉との連携も進めている旨の答弁がありました。
 また、平成元年度で古座保健所の建てかえが行われるが、次は湯浅保健所か、改築に際し有田総合庁舎と統合した場合、湯浅町の歴史、相談業務等、プライバシーの問題、業務執行上の問題等から考えて種々の問題があると考えるがどう思うかとただしたのに対し、木造の古い建物は湯浅保健所のみとなるので、有田県事務所の建てかえとあわせて検討を進めている、県としては結論を出していないが、総合庁舎になっている岩出、田辺、新宮各保健所はスムーズに業務が行われている、駐車場、住民の利便等、住民サービスを考慮しながら、保健所機能が十分果たせる施設として検討してまいりたい旨の答弁がありました。
 次に、地域保健医療計画作成の推進状況についてただしたのに対し、必要的記載事項については昨年七月に公示したところで、任意的記載事項については基本的なところを中心とした素案を作成して、昨年十月から本年一月末までに保健所を中心に市町村の意見をまとめる作業を進めて、その集約を庁内の組織で検討し、最終的には医療審議会に諮り決定することになるが、現在のところ内部的に調整作業を行っているところである旨の答弁がありました。
 また救命救急センターの補助金について、国に対し大幅な単価アップを強く要望してほしいとただしたのに対し、国の補助単価については、救命救急センターだけでなく全般的に強く要望してまいりたい旨の答弁がありました。
 次に、県立医科大学の紀三井寺への移転に伴い看護婦養成施設も同時に付設してはどうかとただしたのに対し、看護婦養成については努力を要することであるとの認識を持っている、医大整備との関係についてはその中に含めて検討されるよう要請しているが、その内容、方法等については検討中である、いずれにしても養成の強化が必要なことから、今後の需給計画として考えてまいりたい旨の答弁がありました。
 また、県立五稜病院事業会計補助金として当初予算に四億五千三百八十四万七千円が計上されているが、地域医療としての役割から当病院の抜本的な改革について見解をただしたのに対し、当病院の充実強化等については種々検討しているところであり、平成元年度予算に計上できるまでには至っていないが、引き続き検討してまいりたい旨の答弁がありました。
 続いて、紀の川水系等、汚染が進んでいると思うが、汚染の見られる河川はどこかとただしたのに対し、産業系排水が各種の規制を受け鎮静化すると生活系の汚濁が顕在化し、現在、BOD汚濁負荷量で五四%となっている、河川の汚濁であるが、公共用水域の十九河川の水質調査と昭和六十年から実施している延長五キロメートル以上の七十一河川の調査を「環境白書」から拾ってみると、和歌山市の内川水系の有本川、大門川、市堀川、紀の川支川の鳴滝川、春日川、田原川、桂谷川、和歌山市南部の亀の川等が化学的に見て非常に汚れている河川に属する、このような状況から、流量が少なく人口の集中した紀の川沿岸及び北臨地域に汚濁河川が多く見られる、これらの対策は下水道が基本であるが、家庭の雑排水もあわせて処理できる合併浄化槽の推進を関係機関と協力して進めるとともに、住民意識の高揚が必要であると考え、平成元年度、貴志川町でモデル地域を選んで台所の流しの三角コーナーでろ紙袋を使って実績活動とこの効果測定、そして啓発を主婦を中心に行い、県下に広めていく考えである旨の答弁がありました。
 このほか、消費税の導入に伴う事務の複雑化、長時間保育事業、残留農薬等、農家の健康管理の指導等について質疑、意見、要望がありました。
 以上が、当委員会における審査の概要であります。
 付託されました議案第一号、第六号、第七号、第十五号、第十八号は賛成多数をもって、また議案第二十三号、第三十三号、第三十七号、第五十五号、第八十四号は全員賛成をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 また、請願につきましては、継続審査中の議請第十七号は請願者から取下願があり、これを承認することと決しました。また、新規受理分の議請第四十九号、第五十号は、いずれも継続審査を要するものと決した次第であります。
 以上をもって、厚生委員会の報告を終わります。よろしく御決定をお願い申し上げます。
○議長(西本長浩君) 文教委員会委員長尾崎吉弘君。
 〔尾崎吉弘君、登壇〕(拍手)
○文教委員会委員長(尾崎吉弘君) 文教委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表及び請願文書表に記載のとおり、議案八件、請願二件であります。
 委員会は、三月十六日、十七日の両日、第三委員会室において開催し、当局から付託案件等についての詳細な説明を聴取した後、審査に入りました。
 委員会における各委員の質疑、意見及び要望等、主なものは、次のとおりであります。
 まず初めに、県立高等学校全日制・定時制課程における授業料改定について、消費税の課税対象外であるのに改定するのはなぜか、増収分はどのように還元されるのか、また、入学金は消費税の対象となっているのに改定しないのはなぜかとただされたのに対し、授業料の改定は国の地方財政計画の単価改定に基づいたものであり、増収分は全額を学校の一般需用費や環境整備等の経費として歳出予算に計上している、入学金については、平成元年度の入学生は三月中に入学意思を確認すれば運用により課税対象とならないため、新入学生全員にこれを適用し改定は行わないこととした、また、他府県からの転入生についても公平を期するために据え置くこととしたとの答弁がありました。関連して委員からは、消費税導入に伴う教育関係歳入予算は少額であり、あえて導入していく必要があるのかどうか疑問であるとの意見や、地方財源豊かな自治体であれば問題はないが、法律が公布されており、本県のような場合はやむを得ないものと考えるとの意見が出されました。
 次に、新美術館建設に伴う美術作品収集のための取得基金については評価できるが、美術品が高額になっている現状に対応できるのか、一例として、T県においては今世紀の作家に絞る等ユニークさが出ているが、本県においても特色ある美術館を目指すべきと考えるが方向づけはいつごろか、また、和歌山市内の美術品収集家から常設展示を条件にフランスの画家ビュッフェの作品の寄贈の話があったが、美術館に寄贈作品ごとの展示コーナーは設置できないと断られたと聞く、このような寄贈者に対し、しかも高価な作品を寄贈したいと申し出があるのに断るということよりも、再度検討することはできないのか、例えば、コーナー的なスペースを割いてでも常設展示するといった方法がとれないか、また、本県においては大いに民間協力を生かすべきではないのかとただされたのに対し、美術品の購入については、元年度当初予算に計上している美術品取得基金をもって対処してまいりたいと考えている、また本県の特色ある美術館については、本年四月末ごろまでに新美術館建設検討委員会から新美術館の基本構想が出される予定であり、その中に方向づけがなされるものと思われる、また、寄託や寄贈作品のコーナーを設け常設展示することは新美術館構想の中ではなじみにくい点もあり、今後、企画展示の中で対応できないかどうか等、検討していきたい、また民間活力導入については、県民の美術館だという立場から美術品の受け入れ条件等も考えていきたいとの答弁がありました。
 次に、文部省が示した新学習指導要領の基本方針についてただされたのに対し、今回の指導要領では、社会の変化に伴う意識の変容とそれに対応できる人間の育成をねらいとして、心の教育の充実、基礎、基本と個性教育の推進、国際理解の推進、自己教育力の育成が柱になっているとの答弁がありました。
 続いて、国旗、国歌が長く教育の現場において生かされず、掲揚や斉唱がされていない経過があるがどうか、今回、改訂される新しい指導要領で、やや現場での扱いが変わっていくと考えているのかとただされたのに対し、現在把握しているところでは、国旗の掲揚については、式典において公立小・中学校で八○から九○%、県立学校では五○%前後となっており、学習指導要領における位置づけの問題があろうかと思われる、学習指導要領は教育課程を作成する上での基準となるもので、今後、学校現場において実施していくこととなると考えているとの答弁があり、これに対し、国旗、国歌が教育現場で生かされていない例など世界でも聞いたことがない、心の教育というか愛国心がないと国際社会において国際協調ができないのではないかとの意見がありました。
 続いて、学習指導要領はどのような経過で出されたのかとただされたのに対し、学習指導要領はおおむね十年に一度改訂がなされてきている、文部大臣の諮問機関である教育課程審議会の答申内容に基づいて改訂を行うものであるとの答弁があり、委員から、教育課程審議会のメンバーに江副氏が入っていたが、そこでの答申についての教育委員会としての考えはどうかとただされたのに対し、教育課程審議会は委員会制度であって、全員の意思によって決定されるものと思う、教育委員会としてはこの指導要領に基づいて正しく教えていかねばならないとの答弁があり、続いて一部委員から、国旗、国歌について全面的に否定はしないが、ただ、だれが国歌と決めたのか、国民が合意し襟を正して歌わないと意義はない、学習指導要領にある以上、指導せねばならぬと考えているのかとただされたのに対し、法律上は制定されていない、しかし、長い日本の歴史の中で、我々は明治維新、戦後、そして現在と三つの国際化を経験してきているが、国内では慣習的に国歌として国民の間に定着しているし、外国との間では百年以上もの間、国際慣行として認められてきている、現行の指導要領では「望ましい」となっていることから、理解と納得が得られるよう指導してきた、しかし新しい指導要領では「指導するものとする」に変わった、県教育委員会としては、従前の指導の経過を踏まえて、今後、新しい指導要領に基づいて指導していきたいとの答弁がありました。委員からは、国民主権の歌として合意を得たものならよいが、歴史的経過から受け入れにくい、無批判に取り入れることについては異論を持っているとの意見がありました。
 続いて、国際化における三つの歴史的、基本的節目を踏まえて理解していくと言うが、戦後と現在とにどのような歴史的変化があるのか、また現憲法下では国民主権、戦争放棄、基本的人権尊重が保障されている、今日、教育基本法というのは、教育を進めていく基本であり準憲法的な内容を持っていると思うが、学習指導要領との関係はどうかとただされたのに対し、学校教育制度では、憲法に基づいて教育基本法、学校教育法で教育の目的、目標を定めている、この教育基本法においては公立学校は公の性質を持つものであり、国民全体に対し責任を持って行われるべきものであると規定されている、国民の教育権か国家の教育権かと対立したものとしてとらえるべきでない、憲法では国民の主権はその代表者によって行使され、国民の主権の一部である教育権は、実際には国会・内閣・司法、その他の国家機関に分担されるので、国民に教育権があることは国家の教育権を否定するものではない、したがって、国民が選んだ代表者によってつくられた学校教育法で文部大臣に学習指導要領を告示する権限が与えられているので、県教育委員会としては、この学習指導要領に準拠し、学校で教育課程が編成され実施するものであるとの答弁がありました。
 さらに委員からは、教育基本法第十条の中で、教育行政は諸条件の整備確立を目標として行わなければならないと思うが、そういった点から、国旗、国歌の法的拘束力はあるのかとただされたのに対し、法的拘束力はあるものと考えている、根拠として、国内的な慣習として確立しているし、国際的には国際慣習法に基づいて尊重されてきている、そのことは憲法第九十八条第二項に明記しているし、刑法第九十二条でも破損等に係る規定もある、そういったことから考えると、現行憲法の中に国旗、国歌という言葉がなくとも、必ずしも日本国憲法に合致しないものではないと理解しているとの答弁がありました。委員からは、国民の見解が二分しているものを子供の教育に持ち込むことは誤りであり、教育委員会とは見解を異にするものであるとの意見や、法で定められていなくとも、日の丸・「君が代」は慣習上、国旗、国歌と言えるとの意見がありました。
 次に県立図書館について、現蔵書数及びコンピューター導入のメリットは何か、また新図書館開館時の蔵書数及び特色は何かとただされたのに対し、現在、分館を含め蔵書は約三十一万六千冊で、新たにコンピューターを導入することにより、他の図書館とのネットワーク化や蔵書検索等の機能アップを図り、県民のニーズにこたえ得るようになる、また新図書館開館時には四十万冊から四十五万冊の蔵書を目標にし、本県の場合は歴史的な立場から「木の文化」という特色を出していきたいとの答弁がありました。委員からは、開館時間や身障者の方々への配慮について、また現在行っている移動図書館サービス業務、及び紀北分館の状況についても意見等が出されました。
 次に、平成二年度、本県において行われることが内定された「第三回全国スポーツ・レクリエーション祭」開催準備事業費について三千余万円が予算計上されているが、準備費はこれで十分なのかとただされたのに対し、予算計上に当たっては、第一回開催の山梨県、第二回開催の愛媛県の前年度準備費を参考にしたが、山梨県は国民体育大会直後ということでもあり、愛媛県について研究した、予算は約二千万円計上されているが、実行委員会の運営に要する経費であり、施設整備費は含まれていない、本県が今回計上している経費は、実行委員会、常任委員会、各専門委員会の運営に要する経費、及び会場となる施設の若干の改修に要する経費であるとの答弁がありました。委員からは、開催準備に要する経費は施設の改善等を含めると十分とは言えないと思われる、開催種目等が決定後に補正予算を組み施設の改修に取り組まなければ全国からの参加者によい印象を持って帰ってもらえないので、施設整備をも含め十分な予算措置を講ずるよう文教委員会としても知事に陳情していくこととしたい、また本県のイメージアップを図る上からも、今回のスポーツ・レクリエーション祭開催の機会を生かした施策を展開するよう意見がありました。
 次に本県の大学進学率等に関して、北陸地方でナンバーワンのT県においては、県民人口も我が県に近似しているが、公立高校にウエートを置いており、例えば、高校進学率では、本県は九四・二%であるがT県では九八・二%であり、大学進学率は、本県は二九・六%であるがT県では三五%である、また高校の中途退学率も、本県は一・三%であるがT県では○・二%、そして全県を四学区にし、隣接区は本人が希望すれば行けることとなっている、その成果として有名国立大学への入学者が非常に多い、一例として、東京大学入学者は、T県では七十名から八十名であり本県では二十名弱である、本県は地域間競争でどんどん引き離されつつある状況にある、人材を育てていかなければならないし、人材を生かすためにも、個人の才能を伸ばすという意味からも、また学校選択の自由化という点からも学区制を広げることはできないものか、例えば、理数学科を和歌山市あたりに全県区から通学できるようにして設置してはどうかとただされたのに対し、学校選択の自由と学校間格差の是正を図る上から、現在、普通科においては中学区制を採用し、全県を九学区で実施しているところであり、この基本線で行ってまいりたいとの答弁がありました。関連して、語学指導に関し、外国語教員の一校一名配置についても検討するよう意見がありました。
 次に本県の文化の振興ということで、和歌の浦の史的景観についてどのように考えているのか、かつて県の名勝指定を受けていたが、現在はなぜ指定されていないのかとただされたのに対し、文化財の指定対象としては史跡、名勝、天然記念物であるが、景観として文化財指定をするのは非常に困難である、大正十四年に史蹟名勝天然記念物保存顕彰規程により指定されたことがあったが、昭和三十三年四月に施行された県文化財保護条例により指定要件として所有者からの申請書か同意書が必要となり、和歌の浦はその申請がなく名勝指定はされていないとの答弁がありました。委員からは、和歌の浦の景観は現実とロマンの概念から非常に微妙な点もあるが、新不老橋建設の是非は別として、和歌の浦の景観を見直す時期ではないのか、景観整備や保存に取り組むとともに、この機会に、本県には和歌の浦に限らずほかにも万葉があると思うのでひとつ研究してもらいたいとの意見もありました。
 このほか、埋蔵文化財専門職員状況、総合教育センター、国民体育大会派遣事業、芸術団体補助、非常放送設備整備事業、四十人学級実施状況、自然教室推進事業、二十一世紀を創る人づくり推進事業、ふるさと創生一億円等についても意見、要望等がありました。
 以上が、当委員会における審査の概要であります。
 当委員会に付託されました議案第一号及び議案第六十三号は、賛成多数で可決すべきものと決し、議案第二十三号、第六十四号、第六十五号、第六十六号、第六十七号及び第八十四号については、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 また、請願につきましては、お手元に配付の請願審査結果表のとおり、議請第九号は継続審査を要するものと決し、議請第四十号については請願者から取下願の提出があり、取り下げを承認すべきものと決した次第であります。
 以上をもって、文教委員会の報告といたします。何とぞ、適当な御決定をお願い申し上げます。
○議長(西本長浩君) 建設委員会委員長木下秀男君。
 〔木下秀男君、登壇〕(拍手)
○建設委員会委員長(木下秀男君) 建設委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案三十件であります。
 当委員会は、三月十六日、十七日、二十三日の三日間、第二委員会室において、土木部、企業局の順に開催いたしました。
 当局から付託案件について説明を聴取した後、質疑に入りました。
 各委員の質疑、意見、要望の主なものは、次のとおりであります。
 まず土木部関係でありますが、用地買収が難航しているため、多額の予算が繰り越しされようとしている現状に対し強い指摘があり、建設行政の大きな問題点として取り上げられ、今後こうした用地問題にどう対処していくのかとただされました。これに対し当局は、用地係の職員体制の強化、制度の運用、予算措置等により事務の合理化に極力努めながら用地交渉に努力を重ねてまいりたい旨の答弁がありましたが、各委員からは、事務の合理化は土地収用法の適用を考えた上で検討すべきであること、職員体制の強化は増員とあわせ技術職員を加えたチーム編成づくりを配慮すること、予算措置に当たっては、まず用地等について地元の積極的な協力体制を取りつけた上で考えること、用地問題の解決は県勢活性化の大きな柱となるものであり、県を挙げてその啓発に取り組むこと、用地に係る登記が難航している現状に対処するため登記事務の制度改正を建設省へ強く働きかけること、繰越明許費と絡んで各事業間の流用が可能であるならば、地元の用地交渉、地元負担金に対する協力の得られる事業等に優先的に予算措置をするよう配慮することなどについての意見、要望があり、用地対策についていかにあるべきか議論が交わされたところであります。
 続いて、消費税法の施行に伴う公共料金改正の条例案件に対して論議が集中し、とりわけ公営住宅使用料について当局の考え方を問われましたが、これに対し、消費税を入居者に転嫁せず一般財源で補った場合は県民全体が肩がわりしなければならない、消費税転嫁の増収分は県営住宅管理事業自体に充てるべきであると考える、最近の県営住宅入居募集状況は大変倍率が高く、入居者の受益者負担をしないと全体に不公平感が生じるなどの答弁がありました。これに対し、県営住宅使用料の減免規定を適用できないのかとの質問に対し、県営住宅は低所得者向け住宅であることから、負担能力を超える者については個々に減免等の措置を検討していくとの答弁がありました。
 また今回、消費税転嫁に係る公共料金の額を決定するに至った経緯についてただされたのに対し、消費税法施行の趣旨にのっとり、建設省の指導と本県の実情を考えて提案したものである旨の答弁がありました。
 また、国の方針以外に県として独自に料金を据え置く等、工夫をした点があるのかとただされたのに対し、特に考慮したものはないとのことでありました。これに対し、財政的に苦しいが、国の指導どおり転嫁するというのではなく行政努力をいかに行うかが大切であるとの意見も出されました。
 さらにまた、繰越明許費における契約ごとの消費税の負担、工事発注における消費税の取り扱い等、実務面における消費税の影響についても議論され、請負業者には消費税についての説明が足りないとの指摘がありましたが、この点に関し、入札参加を申し込んでいる全事業者に入札方法等について文書で周知させるとの答弁がありました。
 次に土地区画整理事業について質問があり、各地の進行状況や今後の見通しについてただされ、当局から各地区ごとの計画について説明がありましたが、これに対し、特に事業の進行に当たっては、審議会の設置規定もあり、法的に遺憾のないように留意してほしいとの意見がありました。
 次にマリーナシティ建設計画については、特に第三セクター設立の出資金の内容等に対する質疑がありましたが、マリーナシティ建設は、当初から下物は県で上物は民間であるという考えから、第三セクターの出資金は一億円で、県が三四%、松下興産が六六%で、用地造成については企業局に委託して実施する予定であり、窓口は土木部が行う、また関連道路等の用地買収の進捗率は約二○%であり、現在、任意交渉で行っているが、場合によっては土地収用法が適用できるよう建設省との協議を行っていくとの答弁がありました。また、毛見一号の地域を地価監視区域にしなかったのはなぜかとただされたのに対し、異常な値上がりが見られない地域であるため対象にならなかったとの答弁がありました。
 また、マリーナシティや医大整備のプロジェクトが完成すれば国道四十二号線の交通量は膨大になるが、紀三井寺交差点と津屋交差点の改良を考えるべきであると思うがどうかとただされたのに対し、毛見トンネルの用地買収が先決であるが、これとあわせ両交差点の改善を建設省へ詰めていく旨の答弁がありました。また、和歌浦廻線と大浦街道の接続については十分地元に説明するようにとの意見が出されました。
 次に、河川台帳等、土木部関係公共施設の台帳の状況についての質問に対し、それぞれの関係する台帳についての概況説明がありましたが、これに関連し、河川並びに下水道についての整備計画についてただされました。これに対し、河川改修については当面、二級河川の中の主要五水系を対象とし、おおむね五カ年計画で整備を進めていく、また紀の川流域下水道整備計画については、現在、見直しを行っており、県内七市に対しては下水道整備に早期に着手するよう指導しているとの答弁がありました。また、和歌浦地区の公共下水道の整備についてただされたのに対し、具体的な汚水幹線計画の説明があり、平成二年から着工し、早ければ平成四年に一部供用開始が可能であるとの答弁がありました。さらに、和歌山市内の排水対策について全体的に見直す必要があるのではないかとの意見も出されました。
 次に、「ふるさとまちづくり推進」事業の投資効果についての質問に対し、地元の意識高揚を図ることにより、民間活力による町づくりを実現していく旨の答弁がありました。
 次に、南紀白浜空港建設に係る事務に取り組む職員は県、市、町の混成であるが、連絡不十分による不祥事が発生し、こうした問題についての今後の対応策をただされたのに対し、本事件を機に、責任の分担、チェックの体制、報告の励行等を徹底する旨の答弁がありました。また、空港の建設は現体制では無理があり、この問題も体制が起因するものである、増員を考え、なお一層強化を図られたいとの要望がありました。
 次にトンネル工事等の設計については、請負金額に差があるが、今後とも厳重にチェックするよう要望がありました。
 次に、由良町の県道沿いにおいて高潮対策事業でパラペットを整備しているが、同箇所は通学路であり道路の拡幅が必要であるため、旧パラペットを撤去し早急に供用してほしいとの要望がありましたが、交通安全対策面からも急いで対応するとの答弁がありました。
 次に、県内土木建築業者育成に対する質問がありましたが、県工事発注において県内業者を優先しており、高度な技術を要する工事のみ県外業者に発注しているとの答弁がありましたが、これに対し、県内業者を優先し、県外業者が落札しても下請をする県内業者と協調し技術指導していけるような業者を指名し、平成元年度から監視体制を厳しくすべきであるとの意見が出されました。
 続いて企業局関係でありますが、まず吉備工業団地の投資額等について質問がありましたが、これに対し、工事期間は昭和五十七年から昭和五十八年であり、事業費は十五億八千二百万円、現時点の利息は三億一千八百万円、総事業費は十九億円である、その財源は起債十億円で残額は自己資金であるが、起債については昭和六十三年三月に償還を終わっている、企業進出については二、三引き合いもあり、関連の部局とも相談しながら対応していきたいとの答弁があり、保有地の売却に至らない原因等について論議され、今年一年以内に処分できるような結果を出してほしいとの要望がありました。
 次に、マリーナシティの投資額は約四百二十億円であり、完成予定は平成五年であるが、五年後の県民所得を考えた場合、県民が利用できるものであるかとの質問に対し、施設づくりとしては公共でつくるマリーナを初め、県民に広く利用していただくということと、外国の方々も利用していただくような施設づくりとの両面を持った施設を建設しようとするもので、関西国際空港をインパクトとした国際的に通用するリゾート地を形成し、同時に雇用面もあわせ県民が広く活用できるマリーナにしたいと考えている、また県内企業の優先活用についてもお願いしているとの答弁がありました。これについては、特に県民の商行為や施設利用も十分考え、県民が本当に利用できる施設としなければならないとの意見がありました。
 工業用水関係と土地売却問題の中で、桃山工業団地の水の対応についての質問がありました。町が用水の対応をし、県の工業用水の計画はないとの答弁がありました。これに対し、企業誘致用のパンフレットでの上水道、工業用水道の対応を明確にすべきであるとの意見が出されました。さらにまた、工業用水の給水計画の全体的な見直しと企業誘致に見合う新計画の策定が必要ではないかとの意見がありましたが、これに対し当局は、検討するとの答弁がありました。
 次に、白浜有料道路を抜本的に改修する事業として、調査費七百万円の内容についての質問に対し、四車線を想定した場合の工事費、予想交通量、通行料金等の調査費であるとの答弁がありました。また季節帯との関連で、料金徴収の時間帯を調整したり無料の時間帯をふやすことについて再検討してほしい旨の要望がありました。
 以上が、当委員会の審査の概要であります。
 当委員会に付託されました議案第一号、議案第十四号、議案第十九号、議案第二十号、議案第二十二号、議案第五十八号、議案第五十九号、議案第六十号、議案第六十一号、議案第七十二号、議案第七十三号、議案第七十九号については、分離採決の結果いずれも可否同数となりましたので、委員長の裁決により可決すべきものと決しました。また、議案第八十四号は賛成多数をもって、議案第十七号、議案第二十一号、議案第二十三号、議案第三十二号、議案第三十五号、議案第三十六号、議案第三十八号、議案第三十九号、議案第四十号、議案第四十一号、議案第六十二号、議案第七十一号、議案第七十五号、議案第七十六号、議案第七十八号、議案第八十三号、議案第八十五号は、すべて全会一致をもって可決すべきものと決しました。
 以上をもちまして、委員長報告を終わります。何とぞ、適当な御決定をお願い申し上げます。
○議長(西本長浩君) 農林水産委員会委員長上野山親主君。
 〔上野山親主君、登壇〕(拍手)
○農林水産委員会委員長(上野山親主君) 農林水産委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案十三件であります。
 当委員会は、三月十六日、十七日の二日間、第一委員会室で開催し、当局から付託案件について説明を聴取した後、審査を行いました。
 各委員の質疑、意見及び要望等の主なものは、次のとおりであります。
 まず、日本の農業と本県農政の展開について所見をただされ、これに対し、輸入自由化を控え、やり方によっては農業は蘇生できると考える、基本的には農業者がみずからの力で将来を切り開いていくべきであり、自力でできない部分を行政等が補うべきである、今後は、意欲ある農家に行政の力点を置き、本県の特色ある産地の育成を図っていくことが重要であるとの答弁がありました。
 次に、輸入自由化に伴うかんきつ再編対策の進捗状況と本県の特徴及び今後の方針についてただされたのに対し、目標面積の七○%の実施希望となっている、三○%の未達成については平成二年以降、農家の自主性を基本に取り組むこととしている、他府県では八○%から一○○%の実施希望であり、全国二万二千ヘクタールに対して約九○%の希望となっている、本県では有田以南で希望が少なく、紀北地域では多い実情にあり、適地性を基本として年度ごとの修正は必要であると考えるとの答弁がありました。
 さらに、日本一おいしいミカンづくりの対策がとられているのかとの質問に対し、技術指導面では農林水産技術会議果樹部会を開催し、高品質果実の生産性向上のため、行政が生産者団体と一体となって取り組んでいる、今後も行政、団体、農家の役割を明確にして取り組んでまいりたいとの答弁がありました。
 次に、加工原料柑対策の中で、ジュース原料柑の特別補てんは八カ年の制度で、しかも漸減方式であるが、これを見直し、特別補てんを継続できないか、また生果市場の需給調整機能を強めるために加工柑に価格差をつける制度がとれないかとただされたのに対し、従来からの通常補てん制度は継続されるが、特別補てんは八カ年の時限制度であり、農家の経営を考えて継続するよう国に対して要望してまいりたい、価格差については、現在も適格品、格外品で適用しているが、今後、等級別、品質別の価格設定について考えてまいりたいとの答弁がありました。なお、これに関連して、市場出荷の並み品等も含めた原料柑としての価格設定は農家初め工場経営の安定につながるため、制度化の実現に向け早急に取り組まれたいとの意見、要望がありました。
 次に、本県のジュース工場の将来の取り組みについての質問に対し、果樹工場はミカンの市場価格の安定と工場の健全な発展に努めているところである、今後は原料柑の確保と製造、研究部門の一層の強化を図るとともに、工場の多角的な経営によって健全化に努めることとしているとの答弁がありました。これに関連して、ジュース工場の経営は厳しく、今後、ブレンド義務の解除とともに、大手メーカーとの競合など大変な時代を迎えることと予想されるため、真剣に取り組まれたいとの意見、要望がありました。
 次に、シアン混入チリ産ブドウの対策についての質疑が出され、県内主要市場での取り扱い状況は、和歌山市中央卸売市場で約五十ケース、日高地方卸売市場で十五ケース、田辺地方卸売市場で三ケース、新宮地方卸売市場で十ケースとなっており、県全体で七十八ケースで一ケースは八キログラム入りとなっている、県としては取扱市場に対し、販売品の回収、在庫の処分を指示しているとの答弁がありました。
 次に、空港整備に伴うフライト農業の推進対策についての質疑に対し、関西国際空港、南紀白浜空港、ヘリポートの建設等、空港整備に伴った農業振興を進める中で、施設栽培を中心に軽量高価格の野菜、花卉類等の生産振興を図るため、紀の川流域で百二十ヘクタールの施設園芸タウンづくりを計画目標として、現在五十ヘクタールの産地化を進めている、また供給体制については、学識経験者、市場関係者、デパート、商社等で構成する流通フォーラムで検討しているところであり、関西国際空港開港時までには具体的な方策を打ち出してまいりたいとの答弁がありました。
 これに関連して、関西国際空港への緑化木供給に対する取り組みについての質問に対し、本県産緑化樹受注に向け、関空会社への働きかけについては、かねてより県に受注体制連絡協議会を設置し、造園業界と連携をとりながら関係市町村や生産団体等が空港会社へ強く働きかけを行っている、今後とも、生産流通等、関係団体ともども受注体制を強化し、売り込みPRを続けるとともに、本県特産物についても働きかけてまいりたいとの答弁がありました。
 特に、フライト農業の進展に伴って花の需要は伸びると思うが、その需給見通しはどうかとの意見、質疑があり、国において花は果樹のような需給見通しを立てていないので、本県独自で野菜花卉振興計画を策定し、平成七年には現状の二倍ぐらいの需要を見込んだ計画としているとの答弁がありました。花に関連して、国際的な花市場の設置について検討されたいとの要望が出されました。
 次に、生産技術の開発促進を担う試験研究のあり方についての質疑があり、まず農業試験場の設備充実と二十一世紀を目指した試験研究の展望に関してただされたのに対し、平成元年度予算の中で温度、湿度等の環境制御できる基礎温室三棟を計画し、高速野菜生産温室や後継者対策として営農実習大温室と人工気象室等の設置を五カ年計画で取り組むこととしている、またバイテク技術を活用した品種の育成、メカトロニクス等、先端技術を使った養液栽培や野菜工場による高品質、早期収穫技術の確立などを課題と考え、今後とも施設園芸を柱に試験研究の充実に努めるとの答弁がありました。
 次に、試験場が育成した品種は県が品種登録ができるのか、また個人登録の品種を県が指導して産地育成できるのかとの質疑があり、これに対し、県の育成品種の場合、県が登録を行い、個人登録の品種の場合、宮本わせのように県が育成会を組織し、苗木業者と一体となって育成することとしているとの答弁がありました。
 紀南家畜保健衛生所の新築移転計画について、その管轄地域や機能向上計画はどうかとただされたのに対し、管轄地域は現行どおりで、田辺市、新宮市、西牟婁郡及び東牟婁郡であり、畜産物の安全性や家畜の損耗防止等に十分対応できるよう機能のアップを図ってまいりたいとの答弁がありました。
 養鶏試験場の取り組みについての質問に対し、紀州鶏の試験研究は、六十三年度より実施し平成元年度につくり出すべく取り組んでおり、近くその報告ができる、また採卵鶏では適正な飼料供与の試験、ブロイラーでは照度と生産性の試験研究等を行っており、これらの結果については広く県内養鶏農家において活用されている、今後とも養鶏経営安定のため積極的に取り組んでまいりたいとの答弁がありました。
 なお県内の各試験研究機関においては、農家の利便を考慮し、施設活用の県民PRを図られたいとの意見がありました。
 次に畜産関係の新規事業についてただされたが、これに対し、和牛生産振興事業や地域畜産活性化対策事業、熊野牛飼育農家の後継者対策事業について具体的な説明がありました。これに関連して、牛肉自由化に備えて、熊野牛の産地化に強力に取り組まれたいとの要望がありました。
 次に、専業農家増減の傾向と育成対策の質疑に対し、統計では専業農家は増加しているが、産地育成の柱となる中核農家、及び後継者のいる農家は減少しているので、この面の対策を強化したいとの答弁がありました。
 農業大学校卒業生の進路状況についてただされたのに対し、卒業後すぐ就農する者は昭和六十二年度では三分の二程度である、就職する者でもほとんどは農協等、農業関連業種であるとの説明がありました。
 花嫁不足対策について、農村青年交流会を県段階で年一回、普及所単位でも開催しているところであり、今後とも四Hクラブなどグループ活動への参加を促進するとの答弁がありました。
 次に、農協運営と県行政指導についての意見を求められたのに対し、農協は営農指導など本来の機能強化に努めなければならないが、現実は信用、共済事業の拡大、生活購買店舗の設置等、農協の経営維持、組合員のニーズの多様化もあって経営の間口を広げていかざるを得なかった面もある、当初予算では農協連携指導強化対策事業等の経費を計上し、今後さらに農協指導に努めたいとの答弁がありました。
 続いて、農業公社の当面の事業はどうかとの質疑に対し、事業計画等については当面、公社で調査検討し、その上で業務を開始する、また人員配置については兼務発令となるが、今後の事業計画に応じて規模を検討していくとの説明がありました。
 このほか、日本型食生活の普及と学校給食への対応についての質疑応答がありました。
 次に山村振興対策の関係について、まず今後の林政の展望についての意見を求められたのに対し、豊富な森林資源、紀州材の優秀性を生かして、主産地競争に打ちかつ生産流通、販売体制の確立が必要である、森林に対する国民の関心は「緑と水の森林基金」の造成にも見られるように極めて高く、森林の持つ多面的な機能の高度発揮が要請されている、自然や文化の発祥の源は森林、林業であり、山村であるとの認識に立った施策の展開が必要であるとの答弁がありました。
 また、林業就労者の動向と後継者対策についてただされたのに対し、本県の従事者は六十年国調で三千十九人、平均年齢五十七歳から五十八歳で深刻な問題と受けとめている、若い林業者育成事業による意識調査、啓発活動を行うとともに、就業基盤強化対策事業による林業事業体の経営改善、労働者の通年雇用を図る事業範囲の拡大を働きかけるなど各種の対策を行っている、要望として、林業労働者ボーナス制度の拡充に関する提言がありました。
 さらに、ふるさとづくり林道水上栃谷線について、本路線計画位置について所管外機関との協議があったのか、また接続する道路状況から幅員等を検討してはどうかとただされたのに対し、本路線は林道という位置づけではないが、以前からも整備の話が出ており、基幹的な道路網整備として幅員八メートルで計画し、ふるさと創生の面からも短期間に集中投資で実施するとの答弁がありました。
 また山村地域における災害情報の伝達に関連して、和歌山放送の難聴地域はどの付近か、防災上問題があるので検討されたいとただされたが、該当地域は高野、本宮、すさみ、日置川町、有田の一部にあるが、これを解消するには国際電気通信条約の制約等、実現が困難な状況にあり、今後、関係機関と協議していきたいとの答弁がありました。
 県内のブナ林分布状況とその保存についての質問があり、これに対し、護摩壇山付近及びその周辺、果無山系と大塔山系に分布しており、そのうち分布密度が高い高野龍神スカイラインの尾根側約百ヘクタールを厳正に保存していくとの答弁がありました。
 次に水産関係について、捕鯨禁止の見通しはどうかとただされたが、平成二年のIWCで商業捕鯨全面禁止措置の見直しについて検討されることになっており、特に本県に関係のある小型捕鯨存続についても粘り強く要望していくとの答弁がありました。なお、これに関連して、捕鯨禁止は生態系にも影響があると思うので、捕鯨存続に向けて関係者への働きかけを要望するとの意見がありました。
 熊野灘海域漁業操業問題について、まき網と一本釣りの調整を今後どのように指導するのかとの質問があり、これに対し、五十四年に漁場利用に関する協定が関係十一漁協により締結されているので、その協定を遵守することが先決である、基本はみずからの協定を守ることから始め、従来の天然礁に加えて五十七年から造成している人工礁の利用についても指導したいとの答弁がありました。
 さらに、魚介類一・五次産品化への取り組みはどうかとただされたが、水産加工の場合、原材料の安定供給が難しいので、他の産地にない特産品的なものを考えていく必要があるとの答弁がありました。
 また、水産試験場施設整備の対策はどうかとの問いに対し、平成元年度予算で整備構想を検討するための経費を計上している、さらに四カ所の試験研究機関の設備水準は全国と比してどうかとの問いに対し、研究者一人当たりの占有面積は低位であるが、備品等については全国の標準以上と考えているとの答弁がありました。
 水産物の輸入は年々増加しているが、中でもエビ類の増加は著しい、エビ関係漁業者への影響はどうかとの問いに対し、輸入エビの大半は台湾産ブラックタイガーと呼ばれる淡水エビが主力であり、水産物全般から見れば輸入による影響は大きいと考えるとの答弁がありました。
 次に新宮広域圏公設地方卸売市場の振興について、勝浦のホテル等への生鮮野菜等の供給実態を調査したことがあるのか、地域振興についてどう考えているのかとの問いに対し、広域圏で魚を含め野菜等を計画の段階で調査しているところであり、今後は地域農業の振興により地場の農産物を供給するよう指導していく、また、大阪で開催の第三十八回水産加工食べ物展への出品状況や東京ドームふるさとフェアの成果等に関する質疑応答があり、県内産物品の展示販売など庁内のイベント調整をされたいとの要望がありました。
 このほか消費税の関係について、転嫁の過程で、競りの段階で農家が損をするのではないか、農家一戸当たりの消費税はどうか、また建設業者の元請が下請へと押しつけることが予想されるが、この歯どめ策はあるのか、これらの質疑に対して、卸売市場の取引は公的使命を持っているので不当に競り値が押し下げられることはないと考える、今後、市場での混乱を来すことのないよう県内卸売市場を指導するとともに、競り取引価格については外枠で売買仕切り書に書くことになっており、相対売り、買い付けの場合にも競り取引に準じて対処するよう市場関係者の指導に努め、公正な取引に十分配慮したい、農家一戸当たりの推測税額は、ミカンの場合、十アール当たり第一次生産費(物財費)で三千円から四千円となる、県工事については請負業者と契約締結することになるが、その際、契約条項で消費税額を明記することとしているので、元請から下請へと押しつけることはないと考えるとの答弁がありました。なお、これに関連して、先ほどの不公正な取引や元請業者が下請業者へ不当に押しつけることのないよう指導監視を強められたいとの要望がありました。
 このほか、求めに応じて元年度予算案に係る消費税計上額の資料が提出され、その説明がありました。
 以上が、当委員会の審査の概要であります。
 採決の結果、付託されました議案は、いずれも賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 以上をもちまして、農林水産委員会の報告を終わります。よろしく御決定をお願い申し上げます。
○議長(西本長浩君) 総務委員会委員長中村利男君。
 〔中村利男君、登壇〕(拍手)
○総務委員会委員長(中村利男君) 総務委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案三十六件、知事専決処分報告二件、請願新規分一件、継続分四件であります。
 当委員会は、三月十六日、十七日、二十二日、及び二十四日の四日間、第四委員会室において開催し、当局から付託案件について説明を聴取した後、審査を行いました。
 各委員の質疑、意見、要望の主なものは、次のとおりであります。
 まず医科大学関係では、統合移転に向けて今後大学としてどのように対応していくのか、重大プロジェクトがメジロ押しの中であっても、統合移転に十五、六年もかかっては困る、日進月歩の医療に対応するために積極的な対応を求めるとの意見があり、これに対し医科大学からは、大学としても移転整備委員会を設置して、将来に向けて県民の期待にこたえ得るような大学としての基本構想を検討している、県当局とは現在、移転整備協議会・幹事会の場で財政上の問題や建設期間等も含めて基本構想を協議しているところであるとの答弁がありました。
 また統合移転に関連し、紀北分院の位置づけはどうなっているのかとただしたのに対し、紀北分院については従来よりその充実を図ってきているところであるが今後とも努力してまいりたい、統合移転後の紀北分院の位置づけについては分院内でも検討している、救急指定、リニアック装置等、施設整備については今後も努力していくとの答弁がありました。
 さらに、統合移転基金の集まりぐあいはどうか、統合移転まで相当の期間を要するが、その間、現病院の運営の改善、充実も必要である、例えば、診療時間の予約制、薬の宅配、診療費用の口座引き落としといった患者の待ち時間の解消のための創意工夫が欲しいといった質問、要望があり、これに対し、統合移転整備基金は昭和五十七年に設置されたが、移転の議論が長引いたこと等により期待どおりの成果が得られなかったが、今後は大学、同窓会が一体となって積極的な募金活動を推進していきたい、現病院の運営システムの改善については、今後とも創意工夫を凝らして患者等の利便を可能な限り図ってまいりたいとの答弁がありました。
 次に消費税が導入されることに対して、大学としての対応はどうか、事務の煩雑化、診療内容の複雑化、事務機器のプログラム改善などにどのような対応をしているのかといった質問があり、これに対し、消費税の導入に伴うさまざまな問題点については勉強会等で十分研究し、さらに複雑で理解しがたい点については関係者と十分協議し、遺漏のないよう配慮していきたいとの答弁がありました。
 知事公室関係では、まず中国山東省との友好提携五周年を迎えるがその成果はどうかとただしたのに対し、中国物産展、魯西黄牛の育成とかの公式交流もあるが、それ以上に民間団体の交流が活発になってきていることが大きい成果だと考える、今後とも長い目で見た交流の中で着実な成果を上げていきたいとの答弁があり、これに関連して、国際交流も大切であるが、国内交流、例えば本州最南端ミカンの和歌山県と最北端リンゴの青森県といったように、府県間の文化、産業、情報の交流もこれからは重要だと思うので研究してほしいとの要望もありました。
 このほか、県民が世界の著名な音楽や演劇などの文化的催し物と接する機会を多く与えてほしい、また広報刊行物には地域的な事情も十分考慮して編集されたいとの要望もありました。
 企画部関係では、まず関西国際空港関連で大阪府の前島等、関空関連事業は順調に進んでいるが、和歌山が扇風機の裏側にならないようにどうしていくのか、また機能分担をどう図っていくのかとただしたのに対し、本県のプロジェクトについては地域特性を活用し得る開発を行っていきたい、コスモパーク加太計画を積極的に推進するため、現在、各種調査を実施しており、その進捗にあわせ本年中に県で基本計画を策定する予定である、このコスモパーク加太の付加価値を高めるため、紀の川利水協定に基づき仮称「加太岬スカイライン」の具体化を図ってまいりたいとの答弁がありました。また大阪府との機能分担については、従来から阪和開発協議会の中で協議を重ねてきたところであるが、このたびの紀の川利水の協定に基づいた新しい機構の中で考えてまいりたいとの答弁がありました。
 なお、コスモパーク加太計画に関連して、官主導の計画だけでなく、民間からコンペ方式で募集するといったことも考えてはどうかとの意見もありました。
 次に紀伊丹生川ダムの建設に関係して、事業主体はどこになるのか、負担割合はいつ決まるのかといった質問があり、これに対し、建設省が事業主体となる、負担割合は実施計画調査が終わった段階、すなわち平成二ないし三年ごろとなる予定であるとの答弁がありました。
 また、発電を組み込めば汚濁という心配もあるが、エネルギー需要がますますふえる将来、さらに採算性、地域が潤うといった意味からも、発電機能を組み込む方向で検討できないかといった意見もありました。
 交通輸送対策関係では、JR紀勢本線沿線でただ一つ駅のない広川町に新駅の設置を、南海和歌山市駅からJR和歌山駅間に地下鉄、地下道を建設してはどうか、医科大学が紀三井寺へ移転すれば、JR紀三井寺駅の西側開発を今から検討する必要があるのではないか、阪和高速和歌山インターから市内への交通アクセスを早急に整備すべきである、また今回のJRのダイヤ改正で和歌山線は増便や阪和線直通便の運転により便利になったが、利用者をふやす努力を行政としても積極的に講じていかなければならないのではないかとの意見、要望がありました。
 次に、国鉄清算事業団に帰属する土地の処分のあり方、所在地周辺の住民の利用等について質問があり、これに対し、同事業団に帰属する土地は今後とも適正価格で売却するよう求めるとともに、地域での公共用地として利用することも必要であるので、地元町の意向を体して清算事業団に強く申し入れていくとの答弁がありました。
 また、激増する交通事故の防止対策として何かよい方策はないか、県道における車道、歩道の完全分離等、道路整備のあり方、斬新な交通事故防止の看板の設置等、関係部局とも相談して取り組んでほしいとの要望がありました。
 土地開発公社関係では、公社事業は公共用地の拡大が原点であり、新規開発地の先行取得はもちろんのことであるが、既に供用されている道路等で交通上支障となっているところがあちこちで見られるが、そのようなところで事情の変化により買収可能となっても行政では既に事業が終了しているということで買い取れないことがある、このような場合、公社で買い上げておいて後で行政に買い取らせるという措置はとれないのかとの意見があり、これに対し、かねてからの要望にこたえ、公社事業計画の中でも予算措置をしており、今後、積極的、柔軟な対応をしていきたいとの答弁がありました。
 次に加太開発事業に関連して、関空島への土砂搬出事業の進捗状況はどうか、当初予定の六千五百万立方メートルの搬出は確保できるのか、搬出工事のおくれをどう取り戻すのかとの質問があり、これに対し、関空会社では埋立計画の前倒しを考えているとも言われているが、十分注意して当初目標を達成するよう努力したい、土砂搬出は四月八日から行う予定で夏ごろには本格的な稼働となる、ベルトコンベヤーの搬出能力の増強、作業時間の延長等により、ピーク時には日量十万立方メートルの搬出を目指しているとの答弁がありました。これに対し、時間延長により地域住民の生活に迷惑をかけることのないようにとの強い要望がありました。
 また単価決定に当たっては、積算の基礎となるのは何か、決定の時期はいつごろになるのかとの質問に対し、公社が使った事業費、いわゆる原価主義を積算基礎にしたい、決定の時期は土砂搬出時期までに決めたいと努力してきたが、大阪府側との兼ね合いもあり難しい状況である、地域振興という観点から跡地利用計画に支障のないよう全力を挙げて交渉を進めていくとの答弁がありました。
 総務部関係では、まず今回の税制改革に伴う消費税の導入に際して、世論の動向はどうか、便乗値上げ、逆進性の問題等、種々懸念されるが、県独自の対応はどうか、国に対しどのような意見を述べてきたのかとただされたのに対し、今回の税制改革は全体としては減税超過型の改革であるものの、消費税導入という新しい税制であるだけに、法施行前夜ということもあり県民の皆さんには種々の不安があると思われる、県の立場として考慮したことは、地方財政への影響あるいは県民生活への影響である、すなわち地方財政に支障を来すことのないよう所要の財源措置を講ぜられるべく全国知事会等を通じて要望するとともに、新年度予算では便乗値上げを監視するための物価モニターの増員、消費税の適正かつ円滑な転嫁を行ってもらうための指導啓発等の事業費を計上するなど、県として県民の不安を少しでも緩和し、新税制がスムーズに定着し得るようできる限りの対応に努めていきたいとの答弁がありました。なお、今回の税制改革が県民の間に十分な納得が得られていない面もあるので、積極的な啓発活動が必要であるとの意見もありました。
 これに関連して、新年度予算案に計上している税制改革普及事業について、国の制度を県単事業でPRするのはおかしいのではないか、どのようなことを行うのかとただしたのに対し、今回の税制改革は消費譲与税の譲与あるいは地方交付税の財源として国と県の財政がつながっており、県民の生活を守り、また中小企業を含めた県内の経済活動を円滑ならしめる啓発費として計上したものであり、これに要する経費は地方交付税措置という方針が国から示されているところであるとの答弁がありました。
 次に公共料金への消費税の転嫁については、他の自治体で見送ったり、料金を値下げした上で転嫁しているところもあるが、本県は一律転嫁しているがその理由は、また弱者救済という政治の根源が損なわれないかとただしたのに対し、本県の場合、従来からも経費節減に最大限努力してきており、これ以上、恒常的な経費節減を行えば行政サービスの低下を招かざるを得ない状況である、制度改革ということで制度の趣旨、他府県の動向、各省の意見などを総合判断した結果、予算計上したものであるとの答弁がありました。
 また、今回の税制改革に伴う本県財政への影響についての質問に対しては、既存の間接税の改組による減収が約三十五億円、住民税の減税による減収が約十五億円見込まれるが、いずれも消費譲与税約四十億円、税の自然増収や地方交付税により補てんされる予定である、一方、歳出増は約三十四億円の見込みであるが、これは国庫支出金、地方交付税等により措置される見込みであり、いずれにしても地方財政計画の中で対応されるものであるとの答弁がありました。
 次に、市町村における消費税転嫁のための使用料及び手数料条例の改定状況はどうか、提案しない団体について今後どのように対応をするのか、自治体の自律性と消費税法とどちらが優先するのかとの質問があり、これに対し、市町村の条例措置状況は、普通会計で四十五団体が提案し、うち二十団体が可決、公営企業会計では四十三団体が提案し、うち十八団体が可決している、また提案していない団体については、日程等の関係から今後、追加提案等がなされるものと考えている、各自治体における最終的な決定は住民の代表者によりなされるものと考えており、適正な転嫁がなされることを期待している、市町村指導においては地方自治の原則による自治体の自律性を尊重してきているが、適正な転嫁の責務を定めた法律の趣旨を守ることもまた必要であるとの答弁がありました。
 また、議案第五十三号和歌山県税条例の一部を改正する条例のうち、特別地方消費税に関する部分で帳簿等の保存義務違反に関する罰則規定を設けているが、罰則を置かない府県もあり、再考する余地はないのかとただしたのに対し、今回の改正で公給領収証制度がなくなり、それにかわるものとして帳簿書類等の保存に関する義務をお願いしているが、その実行を担保するために地方自治法第十四条第五項に基づき設けたものである、従前の飲食税に設けていた罰則も実際に発動した事例はなく、今回の規定も強権的な取り扱いをするのではなく、あくまで制度運用上の最終的な担保措置であると理解願いたいとの答弁がありました。
 以上が、今回の税制改正に伴う主な質疑、意見、要望であります。
 次に職員定数条例の改正に関係して、知事部局で五十人の定数減となっているが、本県の場合の適正指数というものがあるのか、人員削減の年次計画は、また特定の課室だけが毎日残業している現象が見受けられる、超過勤務手当のあり方を見直すべきではないかとの質問があり、これに対し、五十九年の自治省調査によるモデル定数との比較では本県の場合二百十人多い、今後は出先機関との事務配分等の見直しを含め適正な定数の検討に努めたい、また超過勤務手当については、これまでの経緯もあるが、今後検討してまいりたいとの答弁がありました。
 また、橋本・伊都地方への私立高校の誘致についての要望があり、これに対し、当地方は今後人口の増加が見込まれ、また団地をよりよく魅力あるものにするためにも積極的に検討してまいりたいとの答弁がありました。
 以上の結果、採決に入りましたが、当委員会に付託されました議案第一号、第十一号、第四十二号、第四十三号、第五十三号、第七十四号の六議案については二委員から、また議案第八号、第九号、第十号、第十二号、第十五号、第十七号、第二十三号、第五十号、第五十一号、第七十五号、第八十四号の十一議案については一委員から反対討論がありましたが、採決の結果いずれも賛成多数をもって、その他の議案については全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、専決処分報告報第一号、第二号については、賛成多数をもって承認すべきものと決しました。
 また、請願につきましては、お手元に配付の請願審査結果表のとおり、すべて継続審査を要するものと決した次第であります。
 以上をもちまして、総務委員会の報告を終わります。何とぞ、適当な決定をお願いいたします。
○議長(西本長浩君) 決算審査特別委員会委員長中村隆行君。
 〔中村隆行君、登壇〕(拍手)
○決算審査特別委員会委員長(中村隆行君) 決算審査特別委員会の審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
 当委員会は、去る十二月定例会最終日の十二月十六日に設置され、同定例会に提出された議案第百十二号昭和六十二年度和歌山県歳入歳出決算の認定についてを閉会中の継続審査事案として付託されたものであります。
 十二月定例会閉会直後、議長招集により開催された初会合で正副委員長の互選が行われ、委員長に私が、副委員長に部矢忠雄委員がそれぞれ選出されましたが、部矢副委員長には、平成元年一月二十三日、一身上の都合により副委員長辞任の申し出があり、一月二十五日開催の委員会で許可、直ちに後任副委員長互選の結果、堀本隆男委員が選出されました。
 委員会は、一月九日、二十五日、二十六日、二月六日、七日、八日の延べ六日間にわたり開催いたしました。
 まず初日に、決算概要、決算審査意見書の内容について当局の説明を聴取した後、総括質疑を行い、二日目からは部局別に審査を行いました。
 委員会における質疑、意見、要望等の主なものは、次のとおりであります。
 総務部関係では、県税の不納欠損についてただしたのに対し、税の公平の観点から可能な限りの徴収努力をしたにもかかわらず、納税義務者の所在不明などにより時効が完成したもの、滞納処分の執行停止後三年が経過した時点でなお事態の改善が見込めないもの等について、財務規則の定めにより不納欠損処分をしたものであるとの答弁があり、これに関連して、不動産取得税、自動車税の未収額の内容について説明を求めた後、未収額の整理については、県民の納税意欲確保の面からも、今後なお一層の努力をするよう要望がありました。
 次に、不動産売払い収入と売却処分に対する基本姿勢をただしたのに対し、昭和六十二年度には、総務部関係として廃道敷地一件、廃川敷地七件を時価で処分し一億二千五百万円余を収入した、処分の方針については、不必要と判断したものは積極的に処分していくこととしているとの答弁がありました。
 また、市町村振興資金特別会計の収入済額、貸付金の不用額についても説明を求めました。
 このほか、災害時の避難場所案内板について、民間人が企業名を併記したものを設置している場合があると聞くが、設置の基準はどうなっているかとただしたのに対し、地域防災計画に基づいた避難場所の案内板表示については道路管理者等の許可が必要である、民間人が関与した設置については、市町村と十分協議がなされているのか実態を調査し、適切な指導をしてまいりたいとの答弁がありました。
 また、すべての市町村に一律一億円が交付されることになっているふるさと創生資金の交付の時期、使途等について説明を求めたのに対し、一億円は地方交付税として、昭和六十三年度二千万円、平成元年度八千万円に分けて交付される、使途については国からも特に指示はないが、住民の皆さんの意見を聞くなど知恵を絞って、どこへ出しても恥ずかしくない活用を期待し、指導してまいりたいとの答弁がありました。
 企画部関係では、和歌山大学の理工系学部増設に関する経過と可能性についてただしたのに対し、現在も国並びに和大に対し強く働きかけているが、国においては厳しい状況であると受けとめている、和大に対しては産業科学部の増設を検討願っている、昭和六十二年度から和大当局に約九十万円の調査費が認められ、来年度も認められる見通しであり、早期実現に向けて関係機関と連携して取り組んでまいりたいとの答弁がありました。
 また、JR紀勢本線の無人駅には、通学、観光面から駅員の配置がぜひ必要と思われるところが多い、県は駅員の配置復活について交渉をしているのかとただしたのに対し、これまでも事故やトラブル防止のため、機会あるごとに要望してきた、今後も県民の利便のため要望してまいりたいとの答弁がありました。これに対し、一部の駅だけでも復活させるため、継続して強く要請するよう要望がありました。
 このほか、県民相談事務、電源立地関係支出金の内容について説明を求めるとともに、昨年発刊された「一〇〇の指標からみた和歌山」のようなわかりやすい各種統計資料を今後も継続して提供するよう要望がありました。
 民生部関係では、民生費全体の不用額、母子福祉資金の不用額の内容と原因をただしたほか、老人福祉関係では、施設の充足状況、デイ・サービス、ショートステイ等の利用状況についてただしたのに対し、施設については、今後も高齢者の増加に対応して計画的な整備を図っていく必要がある、そのための基盤整備はできつつある、また在宅福祉事業についても、今後三年間で大幅な充実を図っていくこととしているとの答弁がありました。これに対し、このような事業については一般県民にはまだなじみが薄いと思われるので、PRの問題も含め、利用しやすいものとするよう要望がありました。
 児童福祉関係では、施設の充足状況について説明を求めたのに対し、現在の入所状況は、定員に対して、保育所では九〇%、養護施設では七〇%程度であり、今後多少の人口変動があっても現状で十分対処できるとの答弁がありました。
 母子福祉関係では、母子福祉資金の不用額が多いが、貸付条件が厳しくて借りにくい状況はないのか、また貸付金の返済未納額が年々増加してきているが、これに対する具体的な指導方法と行方不明者等の対策について説明を求めました。
 同和対策関係では、地方改善事業費の内容、環境整備事業について説明を求め、民生部における六十三年度への繰越事業の執行状況をただしたのに対し、関係各課から、それぞれ六十三年度にすべて完了しているとの答弁がありました。
 次に、和歌山市内のタクシー会社で起こった差別事件について、県警、裁判所の措置と同和委員会の見解に相違があると考えるがどうかとただしたのに対し、同和問題は社会問題であるとの認識の上で取り組んでいる、県警、裁判所における処置については、状況を十分把握して対処していきたいとの答弁がありました。
 次に、指導医療官の兼業問題について説明を求め、人材難とはいえ、兼業を黙認したままにしたことに問題がある、もっと積極的に人材を求めるべきであるとの意見がありました。
 このほか、和歌山市の国民健康保険料が高いと言われているが、和歌山市に対して指摘する点はあるのかとただしたのに対し、適用の適正化、レセプト点検の充実、収納率の向上等、まず行政努力を十分していただき、安易な保険料率のアップをしないよう指導していきたいとの答弁がありました。
 保健環境部関係では、まず県立五稜病院の不用額の内容について質疑があり、病院の事業収益の増加による補助金の執行残であるとの答弁があり、次に看護婦不足の現状と確保対策についてただしたのに対し、看護婦不足は全国的な傾向にある、本県でも看護体制から見ると約一千百名が不足している、確保対策については、ナースバンクの活用、准看養成所の看護婦養成所移行、県外流出防止等に努力していきたいとの答弁がありました。
 また、保健所の体制について、公衆衛生行政を推進していく上で十分と考えているのか、特に訪問看護事業は保健所の保健婦が実施していかなければならないことをどう考えているのかとただしたのに対し、事業の量などにもよるが、現員で努力していきたい、また訪問看護は全国的に検討されているところであり、今後の課題として取り組んでまいりたいとの答弁がありました。これに対し、保健所の業務は、成人病対策、訪問看護事業等、今後の高齢化社会に対応していかなければならない重要な分野であるため、積極的に取り組むよう要望がありました。
 次に、ヘリコプターによる広域救急搬送についてただしたのに対し、市町村長の要請があれば、県が契約しているヘリコプターに医師が添乗の上搬送することとしており、ヘリポートとして各市町村に、主として学校のグラウンド等を確保しているとの答弁がありました。
 このほか、周産期医療特別対策事業、看護婦等養成施設補助金、野犬対策について説明を求めました。また、ナースバンク事業の委託費は少な過ぎるのではないかとの意見がありました。
 商工労働部関係では、高度化資金の貸し付けについて、多額の未納金が計上され、しかも増加傾向にあるが、償還の見通しはどうかとただしたのに対し、貸し付けに際しては厳正な経営診断を行っているが、過去二回のオイルショック、円高等、非常に厳しい状況があり、それに対応できなかった約二割の組合等が償還に支障を来している、それらについては、個々に経営の合理化、償還の指導に努めているところであるが、事業遂行がどうしても不可能なものに対しては、法的措置をとるなど債権回収に努めている、今後とも貸付制度本来の目的である地場産業育成の見地から経営合理化指導をしながら徴収に当たっていきたいとの答弁があり、商工労働部にも償還指導員を配置する等、体制整備を図る必要があるのではないかとの意見が出されました。
 また、紀三井寺競馬廃止から現在までの経過と県市公営競馬対策協議会の性格について説明を求めた後、協議会の執務姿勢として、県出向、市出向の意識をなくし、関係職員が一致協力して交渉に当たるよう意見がありました。
 さらに、関西新空港関連の企業参画についても、県として十分な体制をとって、できる限り多くの企業の参画を図るよう要望がありました。
 続いて、昨年夏に起こった和歌山市内のタクシー会社での差別事件について、その見解と企業内同和研修制度についてただしたのに対し、この問題は労務管理に端を発したものであるが、同和問題を抜きにしては考えられないものと認識しており、企業内同和研修については、三十人以上の規模の企業に同和問題研修推進員を設置し指導している、当該企業については三十人未満であるが、これを機会に設置するよう指導してまいりたいとの答弁がありました。
 このほか、信用保証協会への出捐金の執行残、大相撲優勝者に贈呈する和歌山県産品、工業試験場の主要事業と成果、経済の国際化に対する取り組み、企業誘致説明会、失業対策事業、高等技能学校の就職状況、パートバンク事業について説明を求めました。
 農林水産部関係では、まず新宮広域圏公設地方卸売市場の経営状況について説明を求め、県からの三%の利子補給を四年据え置き六年払いに変更することになっているが、変更に伴う影響はないのかとただすとともに、監査の方法、内容等について説明を求め、今後とも十分な指導をするよう要望がありました。
 次に、不動産売払い収入の内容と売却の方法、収入未済額の理由とその後の状況について説明を求めました。
 また、本県の専業農家の最近の傾向についてただすとともに、農家の花嫁問題について質疑があり、当局から、行政の施策としては五十七年度から農村青年交流会を実施しており、成果も上がっている旨の報告があり、委員からは、一定の成果はあるかもしれないが、農村青年の悩みや要求を基本にして方策を考え、今後とも引き続き努力するよう要望がありました。
 次に、米の過剰に伴う良質米の消費拡大を図るため、小学校の米飯給食回数を週四回ぐらいにふやせないかとの意見があり、教育委員会と連携して検討するよう要望がありました。
 次に、ゴルフ場の農薬問題について質疑があり、奈良県山添村でゴルフ場からと思われる農薬が農業用水路から多量に検出された事例があったが、和歌山市周辺においてもゴルフ場が民家に接しているところが多く、また六十谷地区の開発予定地においては、急傾斜地のため、ゴルフ場ができると紀の川への農薬流出が心配されるので、開発許可の事前問題として農薬使用についての指導を十分にされたいとの意見がありました。
 また、ゴルフ場では農薬の使用基準がないのではないかとの指摘があり、農薬の使用については、保健環境部とも十分な連携をとり、検査体制を整えて厳しくチェックするよう要望がありました。
 土木部関係では、和歌山バイパスの用地先行取得について、既存道路との連絡など、道路通行に非常な不便を来す箇所があると聞くが、事前説明は十分に行われたのか、また担当部局はどこかとただしたのに対し、昭和六十二年度までは高速道路事務局が、昭和六十三年度からは近畿地建から受託して土地開発公社が用地買収の任に当たっている、事前説明については、近畿地建が県、市町村、地元関係者に対し順次行っている、計画変更については、困難な問題もあるが、関係者と十分協議してまいりたいとの答弁がありました。これに対し、早急に実態を調査し、適切な対策を講ずるよう要望がありました。
 続いて、県営住宅建設に関して、老人向け住宅、身体障害者向け住宅を一般住宅の中に建設していく考えがあるかとただしたのに対し、老人、身体障害者の住宅対策は重要な課題であり、生きがいのある生活を営める適切な住宅供給を図っていく必要があると考えている、現在、県下で三十三戸の身体障害者用住宅を建設しており、今後も利便性を第一条件に、地域の要望にも対処し、実態に沿った建設をすべく、関係部局と連携をとりながら推進してまいりたいとの答弁がありました。
 次に、今後、関西新空港関連、マリーナシティ、南紀白浜空港、高速道路等の事業が多くなってくる中で公共用地の確保を図り、これらの事業を積極的に進め、本県の活性化を図るため用地担当職員の適正配置に配慮するよう、また公共用地の取得に係る未登記の処理については、できる限りの努力をするよう要望がありました。
 このほか、高速道路の御坊─田辺間建設に係る始点と終点、内川護岸の耐用年数、熊野川の名称復活、河西緩衝緑地の現状、千手川、鳴滝川流域の開発に伴う雨水、排水、進入路対策について説明を求めました。
 医科大学関係では、まず在学生の県内者、県外者の割合、卒業生の県内への定着状況と、県下の医師の中で県立医大出身者の占める割合について説明を求めました。
 次に、県下の臨床研修医を受け入れる指定病院と受け入れ定員並びに医科大学での研修医の報酬についてただし、日赤や民間病院の実態に比較して非常に低いので配慮するよう要望がありました。
 続いて、看護婦の充足状況と確保策について質疑があり、年次休暇の消化状況、夜勤回数、退職者補充のための採用状況の説明を求めました。
 また、看護婦養成については、紀北分院への進学課程設置について意見があり、実習病院の問題もあるが、紀北地域全体の中で設置を検討していく考えはないかとただしたのに対し、地域の医師会や保健環境部と協議し、解決したいとの答弁がありました。これに関して、厚生省でも必要性を認めている訪問看護は准看護婦では対応できないので、積極的に対処するよう要望がありました。
 次に、紀北分院の診療科目と各科ごとの医師数並びに患者数についての説明を求めるとともに、現在提訴されている産婦人科における医療事故についてただしたのに対し、当局から事実関係についての説明があり、医療については万全を期したものであり、病院に不備はなかったと考えているとの答弁がありました。
 次に、厚生省で認可していない治験段階の医療機器を使用している病院に医師を派遣したケースがあるが、問題はないのかとの指摘があり、医療を受ける人に不信感を与えないため、派遣許可については適切にするよう意見が出されました。
 また、診療機器の整備については、新しい医療技術に対応する備品整備を考えるよう要望がありました。
 公安委員会関係では、和歌山市内警察署の管轄区域について、和歌山東警察署の管轄区域が広過ぎるのではないか、迅速な捜査という面から管轄区域の見直しが必要ではないかとただしたのに対し、所要の職員を配置することにより実情に応じた治安体制をとっている、今後、和歌山市南部には医科大学の移転計画など大規模な事業計画もあり、これらの進捗に応じて治安情勢も変化するものと考えており、将来を見きわながら適正に対処してまいりたいとの答弁がありました。これに関連して、この際、和歌山市内を四警察署体制とすることを検討するよう要望がありました。
 次に、紀南地方での暴力団事務所開設の動きとこれに対する取り締まり、地域住民に対する広報のあり方についてただしたのに対し、組事務所の開設を断念するよう警告し、強力な取り締まりを行っている、また暴力追放委員会を中心として、あらゆる機会をとらえて暴力排除意識の高揚を図っているとの答弁がありました。
 さらに、暴力団によるピストル乱射事件の捜査状況、県下の暴力団の現状について説明を求めました。
 次に、和歌山市有功地区で発生した高校生殺人事件の捜査状況、同地区の警戒体制についてただしたのに対し、和歌山東警察署に捜査本部を置き、引き続き強力な捜査を進めており、隣接の直川警察官派出所の体制を強化して有功地区の保安に当たっている、将来的には駐在所の設置を検討しているところであるとの答弁があり、駐在所の早期設置、パトロールの強化について要望がありました。
 また、昨年、和歌山東警察署においてタクシー会社従業員を名誉棄損罪で逮捕、事件処理した事案について、本件は何を基準として名誉棄損罪となったのか、また差別用語があることによって犯罪を構成するのかとただしたのに対し、部分的ではなく、文章全体、その手段方法、行為者の意思など、一連の行為を総合的に判断したものであるとの答弁がありました。
 このほか、パーキングチケットによる駐車時間の延長、県下の覚せい剤犯罪の現状、交通反則金と国庫補助金との関連性、紀南地方への運転免許センター建設計画、警察管理費の増加要因、警察職員の定数、給与、研修等について説明を求めました。
 教育委員会関係では、新宮市に新設される養護学校の概要についてただしたのに対し、昭和六十三年度に用地を購入し、平成二年四月開校予定で、二十クラス八十人の規模で計画している、精神薄弱児が対象であるが、重複障害児の受け入れも考えており、はまゆう養護学校、同校分教室及び小中学校の特殊学級に在籍する児童生徒を対象に考えている、また寄宿舎の設置は計画していないため通学バスの配置を検討しているとの答弁があり、関連して、養護学校高等部卒業者の就職状況と対応についても説明を求めました。
 次に、登校拒否児が低学年化の傾向にあるが、対応をどのように考えているのかとただしたのに対し、教育相談推進事業として本県独自のスーパーバイズ方式で成果を上げているが、今後も充実した教育相談ができるよう教員の資質向上を図っていきたいとの答弁がありました。
 このほか、高校の中途退学の現況、四十人学級実施状況、小中学校の給食実施状況、体力増強のための取り組み、現在の県立体育館にかわる総合体育センター建設、副読本の活用状況等についてただしました。
 選挙管理委員会関係では、昨年末に執行された本宮町議会議員選挙に関する見解と市町村選管の指導について説明を求めたのに対し、多数の者が書類送検されたことは選挙に対する信頼を損ない、非常に残念に思っている、県選管としては、いかなる選挙も法令の定めにより適正に執行されるように指導しているところであるが、個々の選挙については基本的に当該選管の責任において執行されるものであるとの答弁がありました。
 地方労働委員会関係では、昭和六十二年度に取り扱った事件について説明を求め、取り扱った事件は十五件、調整関係は十件であり、すべて解決した旨の答弁がありました。
 おおむね以上のとおり慎重審査の後、採決の結果、当委員会に付託されました議案第百十二号昭和六十二年度和歌山県歳入歳出決算は、賛成多数をもって認定すべきものと決しました。
 以上をもって、決算審査特別委員会の報告を終わります。何とぞ、適当な御決定をお願いいたします。
○議長(西本長浩君) 以上をもって、各常任委員会委員長の報告及び決算審査特別委員会委員長の報告が終わりました。
○議長(西本長浩君) これより、委員長の報告に対する質疑に入ります。──質疑なしと認めます。
○議長(西本長浩君) 次に、討論に入ります。
 まず、貴志八郎君から反対討論の通告がありますので、これを許可します。
 38番貴志八郎君。
 〔貴志八郎君、登壇〕(拍手)
○貴志八郎君 本定例会に提案された全議案及び知事専決処分についての委員長報告は、すべて可決すべきものと決したとのことであります。これに対し社会党県議団は、消費税転嫁を図った議案第一号を初め、幾つかの議案について反対の討論をいたします。
 まず、消費税そのものに対する基本的な態度であります。
 このことにつきましては、議事日程で明らかなとおり、後刻、いわゆる四派連合の総意に基づいて「消費税撤廃に関する意見書(案)」を提出いたしておりますので、あえて重複を避けますが、所得の低い者ほど負担率が高くなる、弱い者いじめに徹した逆進性の悪税であり、さらにさまざまな矛盾に満ちた、かつてない、ずさんな悪税であります。それがゆえに、この消費税に対して、国民各層の反対の声は日増しに大きな高まりとなっております。本県内の消費者、販売業者はもちろんのこと、転嫁困難な中小企業に至るまで、今や「消費税撤廃」のコールは県内に満ち満ちていると言っても過言ではありません。
 県内世論の背景がかくのごとく猛烈な反発となっているにかかわらず、今定例県議会に提案された本県予算においてはこの消費税をほとんど完全に受け入れ、公営住宅料金や施設の使用料、検査料に至るまで、一〇〇%課税に応じているのであります。
 特に、消費税法第六十条第六項によって住民から消費税を上乗せ徴収することにしながらも、一方、国から納税義務が免除されている県営住宅や体育館などの使用料までをも徴収しようというのでありますから、県民の中から強い疑問と拒否反応が出るのは当然と言わなければなりません。そのため、四十七都道府県の約半数と政令都市のほとんど全部が、何らかの形で、使用料・手数料の一部もしくは全部について住民への負担転嫁の四月実施を見送り、または延期しようとしているのであります。こうした形で他の自治体は、消費税に対する抵抗の意思表示を住民の意向として行っておるのであります。
 何がゆえに本県は、近畿各府県に追随する形ででも、一部だけでも、見送りや延期をすることができなかったのでありましょうか。政府・自民党の公約違反や強行採決に対しいささかの抵抗もなく、この悪税を容認せんとする諸議案に対しては、私たちは断じて認めるわけにはまいりません。いかに弱小県でありましょうとも、憲法に保障された地方自治体に独自の自主的行政が存在しておるということを我々は再認識しなければならないと思います。
 かかる観点から、天下の大悪税、消費税転嫁に関する予算案及び条例案について、強く反対の意思を表明するものであります。
 我が党議員団は、そのほか原発予算については、リゾートとの併存論議に見られるとおり、県当局の「なじめないものでもない」という微妙な方針変化を評価いたしながらも、依然として予算からは明確な前進がないことを極めて遺憾に思うものであります。
 また、全日本的な文化人の反対運動など、さまざまな問題をはらむ新不老橋関係の事業繰り越しを含む予算等に対しても、反対の意思を表明いたします。
 なお、請願第四十五号はリクルート疑惑の全容解明の意見書を政府に提出することを求めたものでありますが、これを採択しようとせず、多数決により継続と決したことは県議会史上に汚点を残すことになりはしないか、憂慮するものであります。
 以上、私は、主要な問題について反対の討論をいたしました。
 最後に、私ども社会党県議団は、議案のすべてに反対するという立場はとっておりません。県民福祉の増進や県勢浮揚については、まことに失礼でありますが、自民党議員団の諸兄を上回る熱意を持っていると自負をいたしておることを申し添えまして、討論といたす次第であります。
 以上でございます。
○議長(西本長浩君) 次に、鈴木俊男君から賛成討論の通告がありますので、これを許可します。
 8番鈴木俊男君。
 〔鈴木俊男君、登壇〕(拍手)
○鈴木俊男君 お疲れのところでございますが、しばらく御清聴をお願い申し上げます。
 私は、自由民主党県議団を代表いたしまして、この二月定例議会に提案をされている予算関係議案並びに関係諸議案につきまして、賛成の立場から討論を行うものであります。
 激動の「昭和」から「平成」へと、二十世紀最後の十年に向かって、まさに新しい時代が開かれようとしております。この二十世紀最後の十年は、我が和歌山県にとっても、知事が予算説明でいみじくも「新時代の幕あけ」と言われておりますように、和歌山の時代の到来でもあります。
 関西国際空港の開港、近畿自動車道の接続・南伸、新白浜空港など、国土幹線軸との接続が、今や間近にひしひしと肌で感じ取れるようになってまいりました。
 平成元年度予算は、こうした本県飛躍の絶好のタイミングをとらえ、県民に夢と希望を与えるビッグプロジェクトの本格的な事業化を図るとともに、道路を中心とする投資的経費に思い切った財源の重点的配分がなされていることに、知事の元年度予算にかける並み並みならぬ意気込みを感じるのであります。
 また、輸入自由化に苦しむ本県農業や県内産業の構造改善、高度化のために積極的な施策が講じられるとともに、高齢化社会に対応する老人福祉の充実を初め、福祉、健康、文化、教育など県民生活と密着したところについても、きめ細かい取り組みがなされております。
 県税の伸び悩みなど、財政面での困難な事情の中にあって、ふるさとづくり特別対策などの有利な制度の活用を図るなどして大いに創意工夫がなされており、積極的な予算の編成がなされたことに対し高く評価するとともに、賛成の意を表するものであります。
 ところで、本会議、さらには常任委員会において種々論議された、消費税と予算関係議案とのかかわりについてであります。
 御承知のように、消費税法は昨年暮れに国会で審議の上、可決成立し、十二月三十日に既に公布されておるところであります。
 先日、本会議の一般質問でも「新税は悪税なり」と申し上げましたが、この言葉は洋の東西を問わず言われておりまして、その意味では、消費税法が悪法との議論も成り立つわけでありますが、法治国家として、たとえそれが悪法であるにしても、法律として施行される以上、地方自治体ではその法制度を前提にして予算を編成し事業を執行していくことは、これまた当然のことであります。
 いつの時代でもそうでありますが、新税を課せられた国民の新税を課した者に対するアレルギーは予測しがたいものがあります。国家百年の大計のためとはいえ、竹下内閣はまさにみずからの命運をかけ、自民党の基盤をも揺るがせかねないことを覚悟した上で踏み切ったものであって、責任政党、政権政党としての厳しい決断に基づくものであります。
 既に御承知のことでありますけれども、念のために申し上げておきますと、こうした消費税のような間接税は、現在、ヨーロッパでは、西ドイツ、フランス、イギリスなど十七カ国で消費税と同じ仕組みの付加価値税が実施されており、ヨーロッパ以外でもこの付加価値税は広く実施され、世界全体で四十四カ国に及ぶと言われておるのであります。
 それにいたしましても、一週間後に実施される消費税を取り巻く環境には、まことに厳しいものがあります。政・財・官界を巻き込んだリクルート疑惑の拡大によって国民の間に政治不信が蔓延し、そのあらしの中に消費税を軟着陸させることは至難なことであります。日本と同じような間接税を導入されているヨーロッパでさえ、その税が定着するために二、三年を要したと言われております。
 私どもといたしましては、リクルート疑惑の一日も早い解明と政治倫理の確立により、消費税が国民の間に定着することを願うものであります。
 後に提出される「リクルート疑惑の徹底解明と政治倫理の確立を求める意見書(案)」に我が自由民主党県議団も提出者となっておりますのは、こうした観点から、政治に対する国民の信頼回復が急務だと考えたからであります。
 しかしながら、今回の改革により導入された消費税は、制度として完全無欠のものと申し上げているのではありません。例えば、税体系が逆進的になっていないかどうか、消費と所得の課税バランスはどうなのか、あるいは三千万円以下の免税業者に支払われる消費税分上乗せがどうなるのか等々、消費税が実施されていく中で今後見直しを求められるものもあろうかと存じます。しかし、それらはいずれも国政の場で論議され、それぞれ解決をしていく問題であると思うのであります。
 論議を戻しまして、消費税と平成元年度予算とのかかわり合いについて申し上げたいと存じます。
 先ほどの反対討論にもありましたが、公共料金の一部について消費税転嫁を見送る地方自治体のあることも事実であります。こうした地方自治体をマスコミは大きく取り上げ、あたかも消費税導入に反対しているかのような印象を与えているのであります。しかしながら、マスコミで取り上げられた地方公共団体といえども、歳出はもとより、消費譲与税などの歳入について、この消費税法による税収を前提とした予算編成をせざるを得ないことは当然であります。
 本県の元年度予算の歳入を見ますと、消費譲与税が四十億円、そのほかに消費税を財源とする地方交付税として全体千二百億円を案分計算いたしますと、約八十億円が計上されておることになろうと思うのであります。他の会派が消費税を前提とした地方財政計画に沿う予算編成に反対されるということは、歳入の中から、これら約百二十億円を除外して予算編成することを求めているのであろうかと存じますが、どうでありましょう。
 この重要な和歌山の時代を迎えた元年度予算に約百二十億円の歳入を除外して予算編成するとすれば、積極的な政策予算を組むことは全くできません。県民生活に重大な影響が出てくることは明らかであります。他の会派の反対意見は、県当局に応ずることのできない予算編成を求めたものと言うべきであります。
 また、この際に申し上げておきたいことは、公共料金のうち、公営住宅家賃などへの消費税転嫁を見送る地方自治体のことについてであります。
 国からの消費譲与税などを歳入として計上した上に、歳出についても、公共事業費などに消費税分を上乗せしながら事業者として公営住宅家賃への転嫁を見送るということは、消費税に対する地方自治体としての首尾一貫しない対応と言うべきであります。
 ただ、公営住宅事業は、低廉な家賃で住宅を供給する施策であることや消費税の納税義務がないことなどから消費税の転嫁を見送ったとの説明がなされているようでありますが、転嫁しないということは、結果的には、入居に際し、高い競争率のために入居に漏れた人も含めて県民全体でこれを負担することになり、適切な措置とは思えないのでございます。まして、公営住宅家賃は消費税分も含めて修繕費など一般需用費に充てられるとのことでありますから、結局は入居者のために還元されることであり、転嫁はやむを得ないと思うのであります。
 以上、申し上げましたように、元年度予算は消費税を導入した予算編成となっておりますが、我が和歌山県の現在、そして将来にとって極めて重要な施策を盛り込んだ積極的な予算であり、この予算が成立しないことになれば県民生活に深刻な悪影響を与えることは明白であり、一刻も早い成立、執行を願い、賛成の討論を終わりたいと思います。
 御清聴を感謝いたします。
○議長(西本長浩君) 次に、中村博君から反対討論の通告がありますので、これを許可します。
 43番中村 博君。
 〔中村 博君、登壇〕(拍手)
○中村 博君 夜も更けてまいり、大変お疲れのことと存じますが、多少時間が長くなりますので、前もってお断りを申し上げたいと思います。あと一時間わずかしますと定例会が終わるわけですから、十分心得ております。
 日本共産党県議団を代表いたしまして、二月定例議会に提案された諸議案に対して反対の討論をいたしたいと思います。
 今議会の最大の課題は、申し上げるまでもなく、政府・自民党が一大汚職事件の様相を呈してまいったリクルート疑惑について徹底的な解明を避け、最悪の大衆課税である消費税強行成立を図ったその消費税について、本県知事としていかなる施策をとるかにかかっていたと思います。
 一般質問を通じて、これらの問題で知事の所信をただしてまいりましたが、知事は、消費税について、将来の福祉社会の安定、税負担のバランスの上からも必要な措置として賛成の立場を表明され、なお、県民生活、企業の経済活動、県財政にも悪影響がないという認識をも示され、本県としても、四百八十五種類に上る県民のための行政サービスについても消費税の転嫁に踏み切ったという答弁でございました。
 そこでまず、知事のこうした答弁につきまして、我が党県議団としての意見を明確にいたしておきたいと存じます。
 将来の福祉社会の安定のための財源となり得るとの考え方でありますが、ここ十年の政府の施策を振り返ってみますと、軍事費や大企業向けの予算は大幅に増加してきておりますが、国民の暮らし、福祉、教育などの予算は毎年削減され続け、また地方財政にも多大の負担を押しつけてまいっていることは御承知のとおりであります。こうした臨調行革路線が現政府においても一層強力に推し進められているということは事実であります。
 こういうような方向から考えてまいりますならば、消費税で得る財源そのものは、知事がおっしゃるように、決して福祉社会安定のための財源とはなりがたいのであります。アメリカの求めに応じた軍拡や大企業優先のための財源づくりであることは明白であります。
 税負担のバランスの問題でありますが、消費税導入に伴う税制改革について、国民は果たしてどう見ているのか。マスコミの世論調査でも明らかなように、七〇%近い国民が、不公正は是正されたと見ていないのであります。
 今日までの我が国の税の基本原則は応益課税にあったことは御承知のとおりで、消費税そのものは応益の原則に反し、低い所得の人ほど税負担が重いという最悪の大衆課税でありまして、税負担のバランスなどという理論の入り込む余地は全くありません。ごまかしの理論であります。
 本県として行政サービスに消費税を転嫁するという問題でありますが、地方公共団体の行政事務そのものは、憲法九十二条に定める地方自治の本旨、地方自治法第一条の目的によるまでもなく、最小の経費で最大の効果を上げ、住民の福祉増進に努める責務を有するという極めて重要な性格を政府の臨調行革により形骸化され、今、再び消費税の導入によって住民のための行政サービスにまで税の転嫁を行うなどということは、地方自治の本旨に反する重大な問題であると考えているところでございます。
 現に、二十一都道府県において、それぞれの独自の選択に基づいて転嫁措置を見送っている事態を考えますときに、当然、本県においても、県民の立場に立って消費税の転嫁を見送るべきだということをあえて強調しておきたいと存じます。したがって、知事の今後における政治的責任が厳しく問われていくことを、この際、強調しておきたいと存じます。
 総務委員会の審査を通じまして、消費税が導入されることにより、県民に与える影響や県財政への影響はどうかという点で申し上げます。
 県立医科大学病院の審査でありますが、当局の説明によりますと、患者が必要とする医薬材料すべてに三%の消費税が転嫁された価格で購入するとのことで、このため年間二億二千四百万円を超える金額がすべて患者の皆さんに転嫁されるのであります。また、正常分娩、予防接種などの自由診療、差額ベッドなどの特別療養費、保険給付費以外のはり・きゅう・マッサージなどにも三%の消費税が転嫁されることになり、長期入院患者の皆さんには大変重い負担になるばかりではなく、人間として生命を維持していくためにも税の負担をしなければならないという、極めて矛盾したことになるのであります。
 政府は、消費税なるものは「広く薄く」などという抽象的な表現を用いていますが、今申し上げましたように、医大病院の消費税導入に伴う具体的な実態を示すことにより、消費税なるものがいかに悪税であるかが明確にされるのであります。
 続きまして、本県財政に与える影響の問題について触れてまいりますが、県税収入の伸びが期待できないとして厳しい財政状況に置かれていることは御承知のとおりでありますが、消費税導入に伴う地方税法の改正により、県税の減収分が五十億円余に達し、平成二年度では七十億円余になる模様でございます。四十億円余の消費譲与税が措置されておるものの、平成元年では差し引き十億円の県税の減収になっており、さらに歳出での消費税負担分三十四億円を合わせますならば、四十四億円の影響を受けたことになるのであります。地方交付税の算定の基準によって若干の相違は出てまいりますが、鈴木先生がおっしゃったような八十億というのはとんでもないことであります。総務部長は答えられません。このことをあえて申し上げておきます。
 知事は、県財政に支障がないことを確認した旨の答弁をされましたが、厳しい本県財政の実態から考えてみますと、これはとんでもございません。重大な影響を受けることになっているのでありまして、本県の県民を代表する知事といたすならば、やはり県民の立場に立って政府に厳しく対処するという政治姿勢をとることが知事としての責務ではないでしょうか。
 地方自治体における消費税転嫁問題で、二十一都道府県が完全に転嫁されていない実態や、市町村段階に至っては見送る自治体が続出している中で、自治省が躍起になって対応している状況がマスコミでも報道されている関係から、自治省からの指示文書の提出を当局に求めましたところ、その文書は、三月十四日付で、ただ「自治省」としただけで、公印はありません。表題は「地方公共団体の使用料、公営企業料金等への消費税の転嫁についての考え方」として、六項目にわたって記述した内容のものが一通来ただけということでございました。
 消費税反対の世論が国民の八〇%にも達しようとしている状況のもとで、このように地方公共団体が消費税の転嫁について見送るところが続出していること自体は、消費税の実施が足元から崩れ出していることにもなっているのでありまして、かかる事態にもかかわらず、自治省のどの機関が指示を出したのかも全く不明で、しかも「考え方」などいう抽象的な対応しかできない状況であり、全く権威のない、ビラに等しいものとしか受け取ることができないのでございます。
 地方自治の本旨である地方公共団体の自律性の原則に立つならば、当然、それぞれの地方公共団体の行政事務の改善と相まって、消費税の転嫁について独自の措置をとることは可能でございます。自治省の指示文書がそのことを裏づけているとも解釈できるのでございます。したがって、本県独自の施策があってもしかるべきではないかと考えるものでございます。
 消費税導入に伴う地方税法の一部改正に伴い、本県においても県税条例の一部改正案が提案されておりますが、この改正案では、特別消費税の課税に当たり、納税義務者に帳簿の記入及び帳簿の五年間の保管をも義務づけ、これに違反した場合には六カ月以下の懲役もしくは十万円以下の罰金に処する規定を設けています。
 当局にこの点でただしましたところ、十一都道府県では罰則の規定が設けられていない、罰則の法的準拠は、地方税法では特段の定めはないが、地方自治法第十四条第五項の規定に準拠して定めたとのことでありました。したがいまして、罰則を設けていない地方公共団体が現実に存在していること、また地方税法で罰則について特段の定めがないこと等からして、本県としても、納税義務者に対し罰則をもって課税事務に当たるのではなく、納税者の義務的意識の高揚を図る中で適正な対応をされるべきであります。特に消費税導入という重大問題を考えますときに、強権の発動を条例化することには絶対に反対であります。
 以上、消費税並びに本県における消費税転嫁を行政サービスに適用する問題等で、審議の経過をも踏まえ、反対の趣旨を明らかにいたしたところであります。
 なお、平成元年度一般会計予算におきまして、消費税関係を除く反対する問題について申し上げたいと存じます。
 本県における原発立地の対応の問題については三原則を前提にしておりますが、知事の政治姿勢は、客観的対応ではなく、むしろ立地推進の立場が強められている向きもうかがえるのであります。したがって、企画費におきまして、原発立地を前提とした国からの交付金、本県分四百万円、日高町二千万円の予算措置に反対であります。
 特に、チェルノブイリ事故以来、国の内外で原発反対の世論が高まっている状況や、県内でも、日置川町における原発反対の町長の誕生、日高町の比井崎漁協における原発海上事前調査案の廃案等の実態からいたしまして、当然、予算措置をすべきではありません。
 三月二十二日の白浜町議会総務委員会で日置川町原発反対の請願書が採択されたという事態も生まれ、原発反対で一段と自治体の対応が強められている以上、本県としては、すぐれた自然環境を保全して後世に残すとともに、安心して余暇が楽しめる、原発のないリゾート県にすべきであります。
 三役並びに議員の給与及び報酬の引き上げに伴う予算措置並びに条例改正案に反対であります。
 今回のこれらの引き上げによる予算措置は五千万円余であります。消費税の転嫁による歳入分は四千六百万円余であることを考えますならば、昨年と同様、今回においても見送り、その財源によって消費税の転嫁も見送ることが可能であります。このことを強調いたしておきます。
 昨年来、和歌山はもとより全国の有識者の方々より、和歌の浦の景観保全の立場から新不老橋の建設反対の世論が大きく盛り上がってまいっておりますが、当局は、これら反対の世論を無視する立場をとり、六十三年度で同事業の明許繰り越し一億三百万円、平成元年度では二億円の予算措置がなされています。これに強く反対するものでございます。
 昨年の議会でも、徳川頼宣・紀州初代藩主が万葉の時代からの景勝地としての和歌の浦に心を寄せられ、新田開発に反対の断を下し、後世にまで継承することを強調した史実についても触れてまいりました。知事におかれましては、これらの史実を冷静に見詰め、そして誤りのない対応をとられることを、この際、強く申し上げておきたいと思います。
 本県財政も厳しい事態に置かれていることは十分承知いたしておりますが、県下の市町村財政の実情は、全国一厳しい水準に置かれています。かかる状態からいたしまして、本県が施行する建設事業に伴う市町村負担金については、年次計画による軽減措置策をとるべきであります。
 和歌山マリーナシティ建設事業について申し上げますが、本計画案につきまして、地方公共団体の責務に反する特定企業を有利にするものとして、既に反対の立場を明確にしてきております。
 平成元年度予算によりますと、この事業の施行に当たり、単数の企業と本県が共同出資で事業主体となる第三セクター設立準備金三千四百万円の予算計上がなされていますが、このような事業主体において五十億円余を超える事業が行われることになりますならば、事務執行について議会の権限が全く及ばないことになるばかりではなく、公金の受け入れ、もしくは債務の発生などの面から、地方自治法、地方公営企業法などに抵触する疑いが大きいことを申し上げておきたいと思います。この点につきましては、当局において十分検討されることを付言し、第三セクター設立に反対することを明確にいたします。
 最後に、教育関係について申し上げます。
 一般質問においてもただしてまいったところでありますが、前首相が「戦後政治の総決算」を呼号して臨教審を設置し、学習指導要領に見られる皇国史観や差別、選択の教育など、反動的な教育の方向を強めてきたところでありますが、本県教育委員会はこうした路線に沿い、平成元年度予算で初任者研修を実施すべく体制の整備や予算措置をとられていることは憲法、教育基本法の根本理念に反する問題として、関係議案に反対するものであります。
 反対議案について申し上げますが、議案第一号から十五号まで、議案第十七号から二十三号まで、議案第三十八号、三十九号、四十二号、四十三号、五十号、五十一号、五十三号、議案第五十七号から六十一号まで、議案第六十三号、議案第七十二号から七十六号まで、議案第七十九号、八十四号、専決処分報告報第一号、二号、以上であります。
 他の案件は、いずれも賛成であることを申し上げ、反対討論を終わります。
○議長(西本長浩君) これをもって、討論を終結いたします。
○議長(西本長浩君) これより、採決に入ります。
 まず、議案第一号、議案第六号、議案第七号、議案第十一号、議案第十四号、議案第十五号、議案第十八号、議案第十九号、議案第二十号、議案第二十二号、議案第四十二号、議案第四十三号、議案第五十三号、議案第五十八号、議案第五十九号から議案第六十一号まで、議案第七十二号から議案第七十四号まで、及び議案第七十九号を一括して採決いたします。
 本案に対する委員長の報告は、いずれも原案可決であります。
 本案を委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君は御起立願います。
 〔賛成者起立〕
○議長(西本長浩君) 起立多数であります。よって、本案はいずれも原案のとおり可決されました。
○議長(西本長浩君) 次に、議案第二号から議案第五号まで、議案第八号から議案第十号まで、議案第十二号、議案第十三号、議案第十七号、議案第二十一号、議案第二十三号、議案第三十八号、議案第三十九号、議案第五十号、議案第五十一号、議案第五十七号、議案第六十三号、議案第七十五号、議案第七十六号及び議案第八十四号を一括して採決いたします。
 本案に対する委員長の報告は、いずれも原案可決であります。
 本案を委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君は御起立願います。
 〔賛成者起立〕
○議長(西本長浩君) 起立多数であります。よって、本案はいずれも原案のとおり可決されました。
○議長(西本長浩君) 次に、議案第三十七号を採決いたします。
 本案に対する委員長の報告は、原案可決であります。
 本案を委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君は御起立願います。
 〔賛成者起立〕
○議長(西本長浩君) 起立多数であります。よって、本案は原案のとおり可決されました。
○議長(西本長浩君) 次に、議案第十六号、議案第二十四号から議案第三十六号まで、議案第四十号、議案第四十一号、議案第四十四号から議案第四十九号まで、議案第五十二号、議案第五十四号から議案第五十六号まで、議案第六十二号、議案第六十四号から議案第七十一号まで、議案第七十七号、議案第七十八号、議案第八十号から議案第八十三号まで、及び議案第八十五号を一括して採決いたします。
 本案に対する委員長の報告は、いずれも原案可決であります。
 本案を委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君は御起立願います。
 〔賛成者起立〕
○議長(西本長浩君) 起立全員であります。よって、本案はいずれも原案のとおり可決されました。
○議長(西本長浩君) 次に、地方自治法第百七十九条の規定による知事専決処分報告報第一号及び報第二号を採決いたします。
 本件についての委員長の報告は、いずれも承認であります。
 本件を委員長の報告のとおり承認することに賛成の諸君は御起立願います。
 〔賛成者起立〕
○議長(西本長浩君) 起立多数であります。よって、本件はいずれもこれを承認することに決定いたしました。
○議長(西本長浩君) 次に、請願について採決いたします。
 まず、議請第四十五号についてお諮りいたします。
 本請願に対する委員長の報告は、継続審査であります。
 本件を委員長の報告のとおり継続審査とすることに賛成の諸君は御起立願います。
 〔賛成者起立〕
○議長(西本長浩君) 起立多数であります。よって、本件はこれを継続審査とすることに決定いたしました。
○議長(西本長浩君) 次に、ただいま採決いたしました請願を除くその他の請願九件を一括して採決いたします。
 本件は、いずれも委員長の報告のとおり決することに御異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(西本長浩君) 御異議なしと認めます。よって、本件はいずれも委員長の報告のとおり決定いたしました。
○議長(西本長浩君) 次に、継続審査中の議案第百十二号昭和六十二年度和歌山県歳入歳出決算の認定についてを採決いたします。
 本決算に対する委員長の報告は、認定であります。
 本決算を委員長の報告のとおり認定することに賛成の諸君は御起立願います。
 〔賛成者起立〕
○議長(西本長浩君) 起立多数であります。よって、昭和六十二年度和歌山県歳入歳出決算はこれを認定することに決定いたしました。
○議長(西本長浩君) 次に、日程第二に入ります。
 お諮りいたします。お手元に配付しております「継続審査を要する所管事務調査件名表」のとおり、各常任委員会に対し閉会中の継続審査として付議することに御異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(西本長浩君) 御異議なしと認めます。よって、以上のとおり、各常任委員会に対し閉会中の継続審査として付議することに決定いたしました。
○議長(西本長浩君) 次に、日程第三に入ります。
 お諮りいたします。同和対策、関西国際空港対策、水資源対策、半島振興過疎対策の各特別委員会については、それぞれの問題をさらに閉会中の継続審査とすることに御異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(西本長浩君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
○議長(西本長浩君) 次に、日程第四に入ります。
 三月三十日をもって任期が満了する和歌山県選挙管理委員及び同補充員の選挙を行います。
 まず、選挙管理委員の選挙を行います。
 議場を閉鎖いたします。
 〔議場閉鎖〕
○議長(西本長浩君) ただいまの出席議員数は、四十五人であります。
 投票用紙を配付いたします。
 〔投票用紙配付〕
○議長(西本長浩君) 配付漏れはありませんか。──配付漏れなしと認めます。
 投票箱を改めます。
 〔投票箱点検〕
○議長(西本長浩君) 異状なしと認めます。
 念のため申し上げます。投票は単記無記名であります。投票用紙に被選挙人の住所及び氏名を記載の上、点呼に応じて順次投票を願います。
 点呼いたします。
 〔氏名点呼〕
 〔各員投票〕
○議長(西本長浩君) 投票漏れはありませんか。──投票漏れなしと認めます。
 投票を終了いたします。
 議場の閉鎖を解きます。
 〔議場開鎖〕
○議長(西本長浩君) お諮りいたします。立会人に、12番大江康弘君、27番木下義夫君、40番森利一君、46番渡辺勲君の四君を指名いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(西本長浩君) 御異議なしと認めます。よって、立会人に以上の四君を指名いたします。
 これより開票を行います。
 立会人の立ち会いをお願いいたします。
 〔投票点検〕
○議長(西本長浩君) 選挙の結果を報告いたします。
 投票総数 四十五票
 うち有効投票 四十一票
  無効投票 四 票
 有効投票中
  稲住義之君 十一票
  長田嘉一君 十一票
  嶋田良彦君  十票
  松岡房枝君  九票
 以上のとおりであります。
 この選挙の法定得票数は三票であります。よって、稲住義之君、長田嘉一君、嶋田良彦君、松岡房枝君、以上の四君が本県選挙管理委員に当選されました。
○議長(西本長浩君) 次に、補充員の選挙を行います。
 議場を閉鎖いたします。
 〔議場閉鎖〕
○議長(西本長浩君) ただいまの出席議員数は、四十五人であります。
 投票用紙を配付いたします。
 〔投票用紙配付〕
○議長(西本長浩君) 配付漏れはありませんか。──配付漏れなしと認めます。
 投票箱を改めます。
 〔投票箱点検〕
○議長(西本長浩君) 異状なしと認めます。
 念のため申し上げます。投票は単記無記名であります。投票用紙に被選挙人の住所及び氏名を記載の上、点呼に応じて順次投票を願います。
 点呼いたします。
 〔氏名点呼〕
 〔各員投票〕
○議長(西本長浩君) 投票漏れはありませんか。──投票漏れなしと認めます。
 投票を終了いたします。
 議場の閉鎖を解きます。
 〔議場開鎖〕
○議長(西本長浩君) お諮りいたします。立会人に、12番大江康弘君、27番木下義夫君、40番森利一君、46番渡辺勲君の四君を指名いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(西本長浩君) 御異議なしと認めます。よって、立会人に以上の四君を指名いたします。
 これより開票を行います。
 立会人の立ち会いをお願いいたします。
 〔投票点検〕
○議長(西本長浩君) 選挙の結果を報告いたします。
 投票総数 四十五票
 うち有効投票 四十一票
  無効投票 四 票
 有効投票中
  井手三木君 十二票
  嶋 巖君 十一票
  辻本圭三君  十票
  谷口庄一君  八票
 以上のとおりであります。
 この選挙の法定得票数は三票であります。よって、井手三木君、嶋巖君、辻本圭三君、谷口庄一君、以上の四君が本県選挙管理委員の補充員に当選されました。
○議長(西本長浩君) 次に、日程第五に入ります。
 和議第十八号「消費税撤廃に関する意見書案」を議題といたします。
 案文は、お手元に配付しております。
 まず、提出者の趣旨説明を許します。
 40番森 利一君。
 〔森 利一君、登壇〕(拍手)
○森 利一君 県民クラブ、公明党県議団、日本共産党県議団、社会党県議団の四会派を代表して、消費税撤廃に関する意見書案の趣旨説明を、文案を読み上げて提案いたします。
 「消費税撤廃に関する意見書(案) 昨年末、自民党が強引に成立させた消費税は、選挙公約違反の上、逆進性、物価押上げを初め、さまざまな矛盾が噴き出してきたばかりでなく、値上げの温床となるカルテルの存在など、問題の所在が次々と明らかになってきている。四月実施を前にして国民各層から強い反発を招き、NHKの世論調査でも反対七四・〇%、賛成八・八%と、四人のうち三人までが反対の意思を表明している。 こうした消費税は撤廃し、税制改革は不公平の是正から始めるべきであり、所得税の総合課税化、法人課税ベースの拡大、資産課税強化など、不公平の是正を図ると同時に、物品税など個別間接税の存続と調整、好調な税の自然増収などで財源の確保は可能である。 したがって、国民生活を守り、国民の要求に応えるため、「消費税関連法」を直ちに撤廃することを強く要請する。 以上、地方自治法第九十九条第二項の規定により意見書を提出する」。
 以上のとおり提案をいたしますので、何とぞ、皆さんの御賛同をお願いいたします。
○議長(西本長浩君) 提出者の趣旨説明が終わりました。
○議長(西本長浩君) これより、質疑に入ります。──質疑なしと認めます。
○議長(西本長浩君) 次に、お諮りいたします。本案については委員会の付託を省略いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(西本長浩君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員会の付託を省略することに決定いたしました。
○議長(西本長浩君) 次に、本案について討論の通告がありませんので、直ちに採決いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(西本長浩君) 御異議なしと認めます。よって、直ちに採決いたします。
 本案を原案のとおり決することに賛成の諸君は御起立願います。
 〔賛成者起立〕
○議長(西本長浩君) 起立少数であります。よって、本案は否決されました。
○議長(西本長浩君) 次に、和議第十九号「リクルート疑惑の徹底解明と政治倫理の確立を求める意見書案」を議題といたします。
 案文は、お手元に配付しております。
 お諮りいたします。本案については、提出者の説明等を省略し、直ちに採決いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(西本長浩君) 御異議なしと認めます。よって、直ちに採決を行うことに決定いたしました。
 本案を原案のとおり決することに賛成の諸君は御起立願います。
 〔賛成者起立〕
○議長(西本長浩君) 起立全員であります。よって、本案は原案のとおり可決されました。
○議長(西本長浩君) 次に、和議第二十号「関西国際空港全体構想の早期実現に関する要望決議案」を議題といたします。
 案文は、お手元に配付しております。
 お諮りいたします。本案については、提出者の説明等を省略し、直ちに採決いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(西本長浩君) 御異議なしと認めます。よって、直ちに採決を行うことに決定いたしました。
 本案を原案のとおり決することに賛成の諸君は御起立願います。
 〔賛成者起立〕
○議長(西本長浩君) 起立多数であります。よって、本案は原案のとおり可決されました。
○議長(西本長浩君) 以上で、今期定例会に付議された諸案件の審議はすべて終了いたしました。
 長期間にわたる各位の御精励を深く感謝いたします。
○議長(西本長浩君) これをもって、平成元年二月定例会を閉会いたします。
 午後十一時四十六分閉会

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