平成元年2月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(小林史郎議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

○副議長(山本 一君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 45番小林史郎君。
 〔小林史郎君、登壇〕(拍手)
○小林史郎君 お疲れのことと思いますが、今しばらく御辛抱、お願いいたします。
 初めに、昨年九月二十五日の日高地方における集中豪雨に係る椿山ダムの操作問題で質問いたします。
 このことについては、さきの九月議会において木下秀男議員も取り上げ、当日のダム管理体制に疑問を投げかけておられましたが、この日の放水によって、中津村での四ヘクタールの耕地冠水を初め、下流各地にかなりの被害が出ています。
 聞くところによりますと、中津村新田橋では、前夜来の雨によって午前十時には三・五メートルの水位となり、その後、雨がやみ、正午には二・八メートル、午後一時には二・五メートルまで下がっていたとのことであります。ところが、午前八時ごろから始まったダム放水の影響が本格的に出始めた午後二時ごろからは、一時間に一メートルの割で急上昇し始め、午後五時には、その付近の冠水水位を一メートルも上回る五・六メートルに達しています。これは、明らかに大量のダム放水を一挙に行った結果であります。つまり、午前八時という放水開始時刻が余りにも遅過ぎたために放水量が膨大な流入量に追いつかない事態となり、やむなく規則を超える異常放水を行ったのだと思います。
 三年前の二川ダムのときも、この放流開始時刻のおくれが下流災害の決定的要因になっていましたが、今回も同じ過ちが繰り返されているように思えてなりません。
 例えば、二十四日午後二時半には、気象台から大雨洪水注意報が出ています。そして、その夜の十一時には、龍神地区の降雨量が六十二ミリに達し、そのまま上昇を続ける中で、二十五日午前零時には七十八ミリ、午前二時には洪水雨量である百二十ミリを超えるという激しい雨になっています。
 このような状況のもとでは、当然、二十四日午後二時半の注意報の時点で洪水警戒体制に入り、龍神の降雨量が六十ミリを超えた午後十一時ごろより予備放流を始めて、ダム水位を百八十四メートルの限度まで下げるなどの措置をとっておくべきであったと言えます。
 それはそれとして一歩譲るにしましても、最も理解に苦しむのは、龍神の降雨量が百二十ミリを超え、しかも洪水注意報が警報に切りかわった午前二時の時点で、なぜ放水体制に入らなかったかということであります。もし、それをやっておれば、関係機関への連絡や住民への周知徹底に一時間を要したとしても、午前三時から放水を開始できたはずであって、実際の運用との間に、実に五時間という時間差が出てくるわけであります。そして、この五時間の余裕があれば、異常放水をしなくとも、三千五百万トンの洪水調整容量を有効に生かしながら、また下流水位に気を配りながら、もっと余裕のあるダム操作が可能であったのでなかろうかと考えるのであります。
 以上のような状況認識の上に立って、五点にわたって土木部長に質問いたします。
 まず第一点として、二十五日午後二時三十分の大雨洪水注意報の時点で洪水警戒体制に入ったのか。もし、そうであれば、規則第十四条及び細則第三条第二項に基づいて、そのときどのような措置と職員配置が行われたかをお示し願いたいのであります。
 第二の問題として、二十五日の午前零時の時点では、その後の洪水予測についてどのような状況判断をしていたのか、ゲート放水を決意したのは何時であったのか、午前三時から放水を開始できなかった要因としてどのようなことがあったかをわかりやすく御説明願いたいのであります。
 第三点として、細則によれば、放水量を三十トンから六百トンに引き上げるためには五時間五十分かかる勘定になりますが、今度の場合、細則の第八条に基づく土木部長承認を求めてきたのは何時であったのか。また、この承認は、一定の下流災害を予測した上で行ったのか。もし、そうでないならば、どのような状況判断で承認を出したかについてお答え願いたいのであります。
 第四点は下流災害への配慮の問題でありますが、椿山ダムは、たとえ発電を伴う多目的ダムであったとしても、まず防災目的が優先するものと考えられます。ところが、ダム操作の規則や細則を読んでみますと、発電のための水量確保については至れり尽くせりの条文規定がありますが、洪水時における下流災害防止のための規定、つまり、そのときの下流雨量や下流水位によって洪水時の放水量を規制する条文は、規則第二十三条の一般的な努力規定以外にほとんど見当たりません。これでは発電優先の操作規則と言わざるを得ませんが、今後、これらの点について改善を検討する考えがあるのか、また、洪水時の放水量を決めるに当たって下流の雨量や水位をどのように配意していくつもりかを具体的にお示し願いたいのであります。
 第五点として、このたびのダム操作に関する細則第二十五条に基づく諸記録について、その主な特徴をお知らせいただくとともに、これらの資料からどんな教訓と対策が得られたかを御報告願いたいのであります。
 御承知のように、このたびの放水は、異常放水とはいえ、その最大量は毎秒千百二十五トンにすぎず、もしこのダムが予定している最大放水量の二千八百六十トンが流された場合、大変な下流災害が起きるのではないかと心配になります。この点、京都の天ケ瀬ダムでは、下流にたくさんの雨量計や水位計を設置して下流災害の防止に万全を期しているように思えますが、椿山ダムの場合、中津村だけでも膨大な流域面積を持つことを考えれば、下流地区にただ一つの水位計しかないということは、下流災害への配慮が足りないことのあらわれのように思えてなりません。
 そこで、こうした下流の雨量計、水位計を増設する考えがないのか、また川辺町以西に警報局を設置する必要がないのかについてお答え願いたいのであります。
 続いて、ダム関連の問題としまして、二川ダムの渇水対策について質問いたします。
 このことについて、私は昭和五十四年十二月議会と五十八年六月議会で取り上げていますが、このたび、清水町及び関係住民から陳情書が出てきています。すなわち、ダム直下の二川地区では、自然流水が全く流れなくなったために河川は汚水のたまり場で、蚊やハエの発生源となり、夏ともなれば砂漠のような熱風が吹き上げてくるなど耐えがたい生活環境になっているので、常時、最低限の放水を行ってほしいという趣旨のものであります。
 ここに生涯定住しようとする者にとって、これは極めて久しい間の切実な要求でありますので、このたび、住民がこぞって参加する二川地区有田川常水確保促進会なる住民組織をつくって立ち上がっているのであります。
 先日、岩倉発電所の所長さんに、「必要最低限の放水を常時行うとして、年間発電量にどれほどのマイナスが出るのか。そのような放水が技術的に可能であるのか」とお尋ねしたところ、「毎秒〇・六八四トンの放水を実施するとして、売電料換算で、年間約三千二百三十万円のマイナスが生じる。技術的には、サイホン式方式や送水路方式を考えればできると思う」というお答えでした。
 そこで、まず知事に伺いますが、地域福祉に貢献するという公営企業の建前から言っても、いつまでも地域住民を泣かし続けるのではなく、多少の犠牲を払っても、この際、清水町の陳情書をお取り上げくださることをお願いしたいのでありますが、御所見のほどをお伺いしたいのであります。
 ところで、昭和五十四年の私の質問に対し、当時の企業局長から、ダム建設の時点でこの問題を含めて既に解決済みであるが、前々からの地元要望であるので引き続き関係機関と十分検討したいという趣旨の答弁をいただいていますが、もしそのような協定書があるならば、それをお示しいただけるのかどうかについてお伺いしたいのであります。
 二川地区としては、その当時、役場支所の建てかえ以外、何も補償してもらっていないという不満もあって、この企業局長の答弁をそのままに受け取りにくい状況もありますし、またダム設置に伴う防災面等で幾つかの要望事項もあるようでございますので、この際、清水町並びに二川地区代表と誠意ある話し合いを持っていただきたく、関係部長の御所見を伺いたいのであります。
 二川ダム関連で、いま一つ、濁水対策について質問します。
 かつて、濁水対策でいろいろ御要望申し上げたとき、たしか発電用水の取水口に試験的に遮へい装置をつくっていただいたかと思いますが、その後の試験的運用の中でデータ的に一定効果が上がっているようであれば、企業局長より御報告をお願いしたいのであります。
 続いて、先ほどの二川地区住民の要望する常時放水の問題に関連して、電気事業会計についてお尋ねいたします。
 私は、昭和五十四年の質問のとき、二川地区の河川汚染はダム建設の結果起きたものであり、これを解消するために部分的放水が絶対的に必要であるとするならば、このために起きるであろう発電量のマイナス分は当然売電原価に算入すべきだと主張し、これを要請しました。この発電量のマイナス分は、先ほどの発電所の所長さんの試算によれば年間三千二百三十万円となるわけでありますが、歴代の企業局長の御努力にもかかわらず、いまだにこの原価算入は実現を見ていません。
 それというのも、現行の電気事業法に基づく売電料金の算定要領なるものは、通産省の主導のもとに電力資本への奉仕型になっていて、こうした地域福祉につながる経費算定を一切認めようとしていないからであります。しかも、施設の年数が経過すればそれだけ売電価格が安くなるなど、需給関係による市場価格という経済のイロハを無視したシステムになっています。その結果、本県の売電価格は、六十二年度契約で見れば一キロ当たり八円十六銭となり、現行の関西電力の平均料金である十八円四十九銭に比べ、送電費用の問題があるとしても、余りにも安過ぎます。その上に腹の立つことには、この電気事業で幾ら収益を上げても、それをすべて減債積立金や開発改良積立金などに回し、地域福祉への還元、つまり一般会計への繰り出しを一切認められていません。
 そもそも、すべての公営企業は、地方公営企業法第三条の示すように、「その本来の目的である公共の福祉を増進するように運営されなければならない」のであります。この点、公営電気事業は、水道や病院事業と違って、それ自体で地域福祉に貢献する分野が少なく、またその利益の直接的な受け取り手が専ら電力資本であるところに大きな特徴があります。したがって、さすがの自治省も我慢ができなくなってか、資源エネルギー庁に対し、一九八一年六月二十九日付で、「公営電気事業は卸供給事業であり、他の地方公営企業とは異なり、地域住民に直接サービスの提供を行うものでないことにかんがみ、公営電気事業が地域の振興に寄与するために必要な他会計への繰り出し金を料金原価に織り込むこととされたい」という申し入れを行っています。
 私は、通産省と電力資本との結びつきは並み大抵のものでないと考えますので、自治体側の声をよほど大きくしていかない限り事態は改善されないと考えています。
 そこで、企業局長に対して、二川地区住民など多くの県民の要望にこたえるためにも、この自治省申し入れの実現を目指して格別の御努力をお願いいたしたいのでありますが、これらの点でお考えがあれば伺いたいのであります。
 この問題の最後に、流水占用料の問題で質問します。
 御承知のように、この占用料も、先ほど申し上げた通産省と電力資本の強い結びつきのもとで不当な軽減措置がとられ、低く抑えられています。そして、自治省もまた、毎年八月の概算要求の際、資源エネルギー庁に対し、この軽減措置の廃止と原価算入を申し入れているところでありますが、このことに対する本県の取り組みの現状と今後の見通しをお示し願いたいのであります。
 次に、原子力発電の問題でお尋ねいたします。
 チェルノブイリ原発事故は、原発の途方もない危険性を改めて示しました。当初、二千万キュリーぐらいの放射能が出たのでないかと話されていましたが、実際には三億キュリーであったことが確認されるなど、とにかく大変な事故でした。周囲三十キロ圏は人の住めない、「死の町」化したばかりか、この四日のタス通信によると、ウクライナ共和国の五つの村の住民を別の場所へ移動させるよう勧告したと言われています。ここでは、がん発生率が倍増しているばかりか奇形の家畜が続出していて、いずれの村もチェルノブイリ原発の西の方にあって、事故当時、風下に当たっていたところと言われています。
 また、南欧を除く欧州の全域で、放射能に汚染されたシカ、イノシシ、羊、トナカイなどの肉の廃棄処分が今も続いていますし、日本にもセシウムで汚染されたイタリアのスパゲティーやジャム、チョコレートなどが入ってきて問題になっています。
 このチェルノブイリ原発事故を契機にして、原発に対する国民の反応はかなり急激に変わってきているという感じがします。総理府の調査でも、原発に不安を持っているという人が八六%に及んでいます。本県でも、比井崎漁協総会で海上事前調査が廃案にされ、日置川で原発反対町長が誕生するなど、明らかな変化が出てきています。
 国外でも、同じく原発離れが進み、スウェーデンやイタリアでは、二〇〇〇年から二〇二〇年までにすべての原発を廃止することを決めたのを初め、アメリカでは、完成直後のショーラム原発を廃棄し、ソ連でも、先ほど大地震に見舞われたアルメリアでは、大事をとって原発を廃棄しています。日本原子力産業会議の年次報告によっても、世界的には、昨年中にイタリアとソ連で各四基、スイスで二基など、計十三基が建設中止や延期になり、計画中の原発も、八五年には百三十基もあったのに八七年には九十二基に減るなど、明らかな減少傾向を示しています。
 ところが、我が国においては、こうした世論動向を全く無視し、原発を基軸エネルギーと位置づけて、原発建設にばく進しています。すなわち、原子力ビジョンでは二〇三〇年までに九千万キロワット、一番低目の原子力開発利用長期計画によっても、二〇〇〇年までに現在の二倍以上の五千三百万キロワットの目標が設定されています。そして、これが達成されれば、二〇〇〇年で三七%、二〇三〇年には六〇%の電力が原子力発電になってしまうわけであります。
 皆さん、ここで、何ゆえに日本の政府と電力資本がこれほどまでに原発に固執し、原発にすがりつくのかをよく考えてみてほしいのであります。そして、この問題を解明するに当たっては、日米原子力協定によって深く結びつけられているアメリカとの関係に目を向ける必要があります。
 皆さんも御存じかと思いますが、そもそも原子力発電は、アメリカやソ連において、原子爆弾や水爆をつくる軍事目的の中から副次的に生まれてきたものであります。つまり、濃縮ウランから原子爆弾をつくるために必要なプルトニウムを取り出す過程で発生する熱を発電に利用しているのが原子力発電であります。したがって、ウラン鉱石から濃縮ウランをつくる技術は厳しい軍事機密であって、日本にはこの技術が許されてなく、原子力発電に必要な濃縮ウランの精錬作業は、ほとんどアメリカに頼んでやってもらっています。
 一方、世界一の核大国であるアメリカにとって、核兵器開発上必要なウラン濃縮能力を平時においても維持することが軍事上の要請であるため、常に過剰なウラン濃縮能力を持っていなければなりません。例えば、現在の世界全体のウラン濃縮能力は、それぞれの国の軍事的必要性から四万二千トンに達していますが、平和的な原子力発電に必要な能力は、このうち二万二千トン程度で、かなりの過剰になっています。普通なら、日本としては自主外交で、ひもつきでない濃縮ウランを購入することは容易であるわけでありますが、日米原子力協定により、アメリカのウラン濃縮の過剰能力を利用することを強要されています。
 この実態を示すものとして、先ほどの原子力開発利用長期計画による、二〇〇〇年に少なくとも五千三百万キロワットという目標数字は、ぴったり二〇〇〇年におけるアメリカのウラン余剰濃縮能力に一致しています。言いかえれば、核兵器増強というアメリカの軍事目的を果たすためには、どうしても日本での原子力発電の推進が必要であるという関係にあります。極端な言い方をすれば、日本の原発推進政策は、技術が特別に優秀で安全性に自信を持っているから突出的に推進されているのではなく、自国の国民の生命・財産を危険にさらすことを知りながら、あえてアメリカの核戦略による要請に従っているというのが真の姿でないでしょうか。もちろん、このことで、電力資本や日立一社だけでも三百億円近い売り上げがあると言われる原子力産業の方々はぼろもうけをしているわけで、こうした国内的要因も複雑に絡み合っていることも現実であります。
 ともあれ、日本の原発推進政策は、今申し上げましたように、国内的要因のみで動いていないことだけは確かであります。だから通産省は、チェルノブイリ事故を教訓として運転基準をより厳しくし、安全性を向上させていくことよりも、安全神話で国民をごまかし、いかに原発の数量をふやしていくかということに熱心にならざるを得ないのだと思います。そして、こうした政府の腹の底を見抜いている電力資本は、必然的に国の規制を甘く見る体質を身につけ、すきさえあれば安全軽視の無謀運転に走る傾向を強めています。昨年の伊方発電所の出力調整実験もそうでしたし、ことしに入っての福島第二原発三号機の事故に対する対応の仕方などは、その最たるものであります。
 先ほども浜口議員から指摘がありましたが、この福島原発の事故は、原発の心臓部に当たる再循環ポンプに起きた重大な事故であって、一月一日に既に異常振動の警報ランプが出ていたのに、これを無視して六日まで無謀運転を続けていたことが我が党調査団の追及の中で初めて明らかになりました。しかも、そのために破損した部品の破片が原子炉内に入り、燃料棒を傷つけている危険性が高いにもかかわらず、池亀東電原子力部長は、「未回収でも運転を再開する」と発言する始末でした。これでは、幾ら国や電力会社から安全神話を聞かされても、よほどのお人よしでない限り、だれも信用しないのではないでしょうか。
 前置きが少し長くなりましたが、こうした立場から企画部長に質問します。
 第一の問題は、昨年七月四日付の電気事業連合会の意見広告です。一面全部を使っての広告でございますが、主なところだけ申し上げますと、「まず『チェルノブイリ原子力発電所のような事故が日本では起きないのか』というご質問についてお答えします」という見出しで、「事故はこうして起こりました」という中見出しをつけて、こう書いています。中心部だけ読みます。
 「チェルノブイリ型の原子炉は、ソ連が独自に開発したもので、低出力では原子炉の状態が不安定であり、何かのはずみで出力が上がって原子炉内の蒸気量が増えると出力が急上昇してしまうなど、安全設計上の基本的な欠陥がありました」と、原子炉の欠陥を指摘しております。日本ではどこが違うのかということで、「ここが違う日本の原子炉 私たち日本の原子力発電所はどうでしょうか。 まず、日本の原子炉は出力の急上昇を自然に抑える『自己制御性』を持っていることが、基本的に違います。どのような出力で運転しても原子炉の状態は安定しており、何かのはずみで出力が上がっても、自然にその上昇が抑えられる特性を原子炉に持たせていますので、出力の急上昇は起こり得ません」──大丈夫です、と書いています。
 ここでの説明のポイントは、日本の原発は自己制御性を持っておるんだということですが、この「自己制御性」とはどういうことかということを細かく説明しております。
 その要点を読ませていただきますと、まず、核分裂のときどういうことになるかという説明といたしまして、「核分裂のとき、二、三個のスピードの速い中性子が出てきます。このままの速さでは中性子はウランの原子核にあたらず、連続的な核分裂は起きません。そこで中性子のスピードを遅くする必要があります。その役割を果たすのが水や黒鉛で、これらを減速材といいます。また、核分裂によって発生した熱を取り出す役割を持っているのが水で、これを冷却材といいます」という説明を先にしておいて、「日本の原子炉は、減速材に水を使い、この水が冷却材も兼ねています。ウランの核分裂で出てきた中性子は、水により減速されて遅い中性子になり、核分裂を連続して起こしますが、一部は水などに吸収されてしまうものもあります。 このタイプの原子炉では、出力が上がり、水が蒸気になって水が減ると、中性子は減速されにくくなります──水がないのでスピードが速くなり、そのまま飛んでいってしまうということです──その結果、核分裂を起こす遅い中性子が減少しますので、核分裂の連鎖反応が自然と抑制され、出力の上昇が抑えられます」。これが、いわゆる自己制御性です。
 そして、「一方、チェルノブイリ発電所は、冷却材には水を、減速材に黒鉛を使っています。出力が上昇すると、蒸気が増え、水が減るため、中性子が水に吸収されにくくなります」、そして急上昇すると、こういうぐあいに書いており、だから日本の原発は安全であるという広告をやっております。二億円かけてやっておりますが、これは三回目で、去年十回近くやっているそうです。
 それで企画部長にお尋ねするわけですが、この広告の宣伝内容には非常にごまかしがあると思うんです。科学的なものに耐えないと思うわけですが、御所見を承りたいと思います。答弁いかんによっては、その点を指摘したいと思います。
 第二の問題は、自主・民主・公開の三原則であります。先ほど来申し上げてきた我が国の原子力発電の特性から言って、この三原則を貫くことが格別に重要であり、しかも、これを守る力は住民世論しかないというのが現状ですが、こうした視点からすれば、公開の原則が特に大切だと考えます。そこで、これらのことについて企画部長の御見解を承るとともに、私がさきに質問したサリー原発のギロチン事故関連の通産省調査結果について、その後わかっておれば御報告願いたいのであります。
 第三の問題として、先日、毎日テレビの報道特集番組で行われた原発災害保険の話でありますが、電力会社では、事故を想定してか、それぞれその保険に加入しているようであります。私として特に関心を持ったのは、チェルノブイリ事故以後、この保険料率が十倍にはね上がったという話であります。資本主義社会においては、損得勘定に伴うこうした問題は最も鋭敏に左右するものと考えますので、企画部長として、この保険料率が上がったことについて、安全神話との関係でどのような分析をお持ちかを伺いたいのであります。
 次に、県庁本館と東別館にエレベーターをつけていただきたいというお願いでありますが、さきの十二月議会における我が党の村岡議員に対する答弁では、その実現への意欲が余りにも薄いように思えましたので、この機会にあえてお尋ねしたいのであります。
 と申しますのは、ある県身体障害者連盟の役員の方のお話でありますが、昨年十月、御坊市における中紀地方の身体障害者相談員の研修会に百人近くが集まった席上、最後に要望や意見があれば聞かしてほしいということになって、そのときに、この県庁のエレベーターのことが出たようであります。しかし、そのときの担当職員のお答えは非常に冷たいもので、みんながその余りの冷たさにいきり立ったわけです。口々に、三年先でもあかんのか、十年先でもあかんのかと訴えたそうですが、その方は黙り通したと、こういうことを聞いております。
 こんなことが本当にあったのか、真偽は確かめておりませんけれども、昨年十二月議会での村岡議員に対する総務部長の答弁と考え合わせますと、これが当局の本音かなとも思いますし、今の率直な心境として、技術的に困難であると幾ら言われても、その答弁だけでは信用できん、そういう気持ちでございますので、今後どんな努力をしてくれるのか。また、その技術的困難を打開するための検討会に、ぜひ身体障害者連盟の役員や議会の代表も加えていただきたいと思いますが、御所見を承りたいと思います。
 最後に、歩道の段差解消の問題でございますが、車いすを使われている方から、「四、五年前に、知事さんが私たちに、県道の段差を逐次解消していくことを約束をしてくれたはずだのに、有田周辺では一向に実現してくれないので、歩道をほとんど利用できないのが現状だ。何とかならないか」という訴えを聞かされました。その人の話では、国道では漸次改善が進んでいるようでございますが、有田地方の県道のこれらの段差解消についてどのような対策と方針をお持ちか、伺いたいのであります。
 以上で、第一回目の質問を終わります。
○副議長(山本 一君) ただいまの小林史郎君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 小林議員にお答え申し上げます。
 二川ダムの常時放流を求める陳情書についてでございます。
 二川ダムは、話ございましたように昭和四十一年度に完成いたしました。今日まで、洪水の調節、用水の確保及び発電等、多目的効果を十分に発揮してまいりまして、流域市町村住民の生命・財産はもちろんのこと、生活の安定と向上に寄与してきておる現状でございます。
 御質問の、渇水区間の常時流水の確保となりますと、二川ダムの構造上の制約や水利権の問題があるので難しいところでございます。ただ、減水区間の河道の問題につきましては、現在、家庭排水がよどまぬように河川環境を考慮した河床整理を行うこととしており、こうした面において、地域の皆さんのためにも今後とも河川環境の整備に努力してまいりたいと存じております。
○副議長(山本 一君) 土木部長松永安生君。
 〔松永安生君、登壇〕
○土木部長(松永安生君) 椿山ダムの放水に関連して、五点について順次お答え申し上げます。
 昨年の九月二十五日の出水は、二十四日午前二時から二十五日の午前十時までの三十三時間に累計雨量三百十九ミリを記録し、そのうちの約半分の百五十八ミリが二十五日午前五時から九時までの四時間に集中した豪雨でございます。
 第一点の、洪水警戒体制に入った時刻とそのときの措置及び職員の配置についてでございますが、洪水警戒体制に入った時刻は二十五日午前四時三十分であり、その後、直ちにダム操作に必要な機器の点検、整備、関係機関への通知を開始する一方、職員を所定の持ち場に配置いたしました。
 第二点の、午前零時での状況とその後の判断、及び三時から放流ができなかったかという点についてでございますが、この時点では通常の降雨の状況であり、水位も制限水位より下回っていたため、通常の体制で臨んでいたものでございます。その後、制限水位に到達し、なお水位の上昇が予想されたので、午前五時にゲートの放流を決定いたしたものでございます。
 第三点の、土木部長の承認時刻と状況判断でございますが、県下全域に大雨洪水警報が発令された六時十五分以降の降雨状況から、ダムの水位の急激な上昇が予想されたため、ダム操作規則にある「放流の原則」に従っての放流では適切でないと判断した結果、七時十分に初期放流の承認を行ったものでございます。
 第四点の、今後の放流に当たっての下流災害及び下流の水位と雨量の配慮についてでございますが、ダム操作は、上流域の雨量をもとに、ダムへの流入量を下流へ調節して放流する仕組みになっております。しかしながら、放流によって下流域への急激な水位の上昇など下流に対してのインパクトを和らげ、また下流の未改修区間の水害を軽減させるために配慮したダム操作規則を定めており、これに従ってまいることとしております。
 第五点の、雨量計等の増設及び今回の教訓についてでございますが、洪水調節における放流量はダム流入量から一義的に定まるものでありますから、ダム下流の残流域における雨量・水位データについては、本河川のように、単一河川では現状の施設で十分だと考えております。また、水位上昇により起こる影響を少なくするため、警報車によるパトロールや標示板等の広報により周知徹底を図っているところでございます。
 一方、日高川下流の水防体制につきましては、現在、美山村、中津村、川辺町、御坊市の四カ所で洪水時の水位観測を行っておりますが、こうした水位観測により敏速、的確な対応が図られることが必要と考えており、今後、テレメーター化などに努めてまいりたいと存じます。
 最後に、今回の出水において、ダムによる効果は、例えば中津村の高津尾橋の地点で最高一・二メーターの水位を下げることができ、災害防除に役立ったものと考えております。
 一方、ダム操作において初期の対応が十分でなかった面があり、今後、こうした経験を教訓にして、ダムの管理に万全を期してまいる所存でございます。
 次に、二川ダム建設時の協定書があれば示せないか、二川地区住民と話し合えないかという点でございます。
 ダム建設当時における減水問題の協定書はございません。地元より要望のある防災面の対策については、河道の整備、ダム周辺環境整備を含め、山間部河川であることによる地形的制約条件もありますが、実施に際しては、地元の意向も伺いながら、可能なものより順次実施してまいりたいと存じております。
 次に、障害者のための県道における歩道の段差解消でございます。
 御質問の段差解消につきましては、昭和六十一年に作成された障害者等の住みよい生活環境整備指針に基づいて歩道を設置するようにしております。また、六十一年以前に設置された歩道についても、この整備指針に合わないものについては改善を進めておりますが、有田地方においても順次改善を図ってまいることとしております。
 以上でございます。
○副議長(山本 一君) 企業局長吉井清純君。
 〔吉井清純君、登壇〕
○企業局長(吉井清純君) 電気事業に関する四点の御質問にお答えをいたしたいと思います。
 まず、濁水対策としての取水口の遮へい装置の効果についてでございます。
 濁水対策装置でございますが、昭和五十九年三月に発電取水口に濁水吸い込み防止仮装置を設置し、表面取水を図り、濁水軽減に努めておるところでございます。その結果、全般といたしましては、上流の水源地域の地表の安定とも相まって、下流の濁水が軽減されつつあるものと判断してございます。
 なお、現状の仮装置の効果のなお一層の向上を図るため、平成元年度において装置の改良を行い、さらに濁水の軽減に努めてまいりたいと存じます。
 次に、河川維持流量分の減収経費の売電原価への算入についてでございます。
 河川維持流量分の減電による減収を経費として売電料金の原価に算入することにつきましては、機会あるごとに国に要望してきたところでありますが、議員御指摘のとおり、壁は非常に厚く、いまだ認められるに至ってございません。今後とも引き続き、公営電気事業経営者会議等を通じ、実現できるよう強く要望してまいりたいと存じます。
 公営電気事業の売電単価に地域福祉のための経費を算入することについてでございます。
 電気事業に係る地域還元対策につきましては、国有資産等所在市町村交付金法及び電源開発促進対策特別会計法の交付金がございますが、さらに公営電気事業者として地元還元対策経費を料金原価へ算入するよう、強く要望しているところでございます。
 なお、今回、県の独自の施策として、平成元年度から地域福祉の向上を図るため、教育関係施設や小規模な地域の振興に寄与する事業を助成すべく、予算の計上をお願いしているところでございます。
 最後に、流水占用料軽減措置の廃止と売電原価算入についてでございます。
 流水占用料の二分の一の軽減措置につきましては、議員御指摘のとおり、現在、自治省から通産省に対して、軽減措置を廃止するよう申し入れていると聞いてございます。
 公営の電気事業者といたしましては、軽減措置の廃止は望ましいものと考えてございます。今後とも引き続き、その実現に努力いたしたいと存じます。
 以上でございます。
○副議長(山本 一君) 企画部長川端秀和君。
 〔川端秀和君、登壇〕
○企画部長(川端秀和君) 原子力発電所についての四点の御質問にお答えを申し上げます。
 まず第一点は、新聞広告等に見られる安全神話PR作戦をどうとらえているかということについてでございます。
 六十三年七月四日付の新聞広告は、電気事業連合会がチェルノブイリ事故について、市民からの質問に答えるという形で紹介をし、原子力安全委員会の報告書の内容を説明しているものでございます。その中で、議員御指摘のとおり、日本の原子炉との違いや自己制御性等について説明しているものであると認識をしているところでございます。
 次に原発についての広報活動でございますが、原子力発電所の立地は、広く国民の理解と協力のもとに推進されなければならないことは当然のことであり、このために原子力発電所の安全運転を積み重ねることが何よりも重要な要因でございますが、これとともに、国策として、原子力発電の必要性や安全確保の仕組み等について積極的に広報し、理解を求めていくことも、また重要なことであると認識をいたしてございます。
 第二点は、自主・民主・公開の三原則についてでございます。
 原子力政策の根本とも言える原子力基本法第二条において、原子力の研究・開発及び利用に関する基本方針が明記されているところでございます。これによりますと、「原子力の研究、開発及び利用は、平和の目的に限り、安全の確保を旨として、民主的な運営の下に、自主的にこれを行うものとし、その成果を公開し、進んで国際協力に資するものとする」こととされてございまして、あらゆる原子力政策はこの精神に基づいて実施されていかなければならないものと考える次第でございます。
 こうした観点からも、事故や故障に関する情報につきましては、原子力基本法の精神にのっとり、迅速かつ的確に公表されるべきものと考える次第でございます。
 第三点は、さきのサリー原発事故質問に関連する通産省の調査についてでございます。
 昭和六十一年十二月にアメリカのサリー原子力発電所で発生した事故につきましては、六十二年の六月県議会で小林議員に、国の見解についてお答えをいたしたところでございます。その後、我が国の原子力発電所を調査した結果につきましては、資源エネルギー庁発行の一九八八年版「原子力発電─その必要性と安全性─」という広報誌を通じて公表されているところでございます。
 これによりますと、我が国では、設計段階における配管の材質等の問題、製造段階における曲げ応力集中の問題、運転段階における水質管理の問題など、事故の原因となったすべての問題について当初から適切に措置されていることが確認され、我が国ではこうした事故は起こり得ないとされてございます。
 第四点は、安全神話と原発災害事故との関係についてでございます。
 議員御紹介の原子力災害保険について現時点で把握している範囲内では、一昨年、アメリカにおいて賠償額が十倍に引き上げられたとのことでございますが、我が国の場合、昭和三十六年に制定された原子力損害の賠償に関する法律と原子力損害賠償補償契約に関する法律、この二つの法律により、政府の補償のもとに、我が国では無限の賠償責任を負うこととなっているところでございます。
 以上でございます。
○副議長(山本 一君) 総務部長斉藤恒孝君。
 〔斉藤恒孝君、登壇〕
○総務部長(斉藤恒孝君) 県庁舎が狭隘のため、県民の皆様に御不便をおかけしていることは十分認識しているところでございます。この狭隘な状態の改善を図るため、新年度予算におきまして、和歌山市における出先機関の総合庁舎の建設について検討することにしております。
 御指摘のエレベーターの設置につきましても、スペースの問題や技術的に困難な問題もございますので、その中で慎重に検討してまいりたいと考えております。
○副議長(山本 一君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 45番小林史郎君。
 〔小林史郎君、登壇〕
○小林史郎君 はしょって再質問させていただきます。
 椿山ダムの問題でございますが、規則十四条では、警報または注意報が出た場合には洪水警戒体制に入らなければならないとなっております。私が気象台で確認したところでは、注意報の出された時点は、先ほど申し上げたように二十四日午後二時半です。この時点で警戒体制に入らなければ規則違反になると思いますが、その点、いかがなことか。
 また、零時時点では平常の降雨状況と判断したと言っておりますが、午前二時には──龍神で百二十ミリ以上降ったら洪水になるということはわかっているんです。だれでも常識であるわけですが、それが百二十八ミリになっておる。それでもなお「平常時」と判断したんか。四時半まで警戒体制に入らなかったというのはどういう理由であるんか。その点をさらにもう一度明確にしていただきたいと思います。
 それから、知事、答弁そっけないのう。もっと味のある答弁がいただけるんかと思ったんですが。
 僕がお願いしておるのは、電気事業というものの性格から言うて──地域へ大変被害を与えておる。被害だけ与えていいものじゃないと、こう言うているんです。ダムそのものが地域に役立っておるということは認めるわけです。しかし、発電のために常時放水ができないとするならば、当然、まずもって常時放水をやって、わしとこはこんなに犠牲を払っているんや、何とか通産省は考えるべきやないかと、こう言うて迫る姿勢があってしかるべきだと思うんですが、知事、それないですか。ひとつ全国知事会等にも呼びかけてこれを何とかしようとか、わしは一遍やってみる、できるかできんかわからんけど全力を尽くしてみる、こういうぐらいの答弁が欲しかったんですが、もう一度その辺のところをお聞かせ願いたいと思うんです。
 企業局長にもお願いしたいんですが、ただ会議でお願いするとか要望するというだけじゃなしに、机たたいてけんかするぐらいの、どなり合いするぐらいの決意を持って言うていかんと通らんと思いますので、ひとつその点を要望申し上げておきます。
 それから、原子力発電の広告の問題です。
 あの広告、水があったら自己制御性があると。それは一つの事実なんです。しかし、水が減ってくると、かまの空炊きになり、発生した熱を冷やすことできず、スリーマイルみたいな事故が起きるんです。スリーマイルの事故は、約二メートルにわたって燃料棒が溶融する炉心溶融事故であったということが後ほどわかってきておるわけです。
 そういう点から見た場合に、そういう可能性のあることを隠して、チェルノブイリの黒鉛型だけが事故を起こして軽水型は起きないんだと、ああいうごまかしの宣伝の仕方というのはありますか。二億円も金を使って、あんなうそをついて国民をだますという、そういうやり方に対してどういう所見を持つのか。もう一度はっきり聞かしていただきたいと思います。
 あとの、エレベーターの問題あるいは道路の問題というのは、障害者たちにとって非常に大事な問題です。もう質問時間が一分しかございませんので、再々質問に時間を残し、終わります。
○副議長(山本 一君) 以上の再質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 小林議員にお答え申し上げます。
 知事の答弁、そっけないじゃないかということですけど、決してそういうことではございません。
 ただ、ダムをつくるときに、防災オンリーのダムにするか、また発電を兼ねてのダムにするかということがあるわけでございますが、有田川のダムは防災と発電を兼ねるということでやっております。そうした点から、発電については、何年間でどれだけするというアロケーションがございますし、小林議員がおっしゃったように、改善したらいけるかどうかということについては私も研究させていただきますけれども、ちょっとわかりにくい点もあるわけでございます。
 そうしたものを国へ要望せよという問題等については、例えば熊野川の電源開発のダムにおいてもいろんな問題点がありますし、そうした面も考えて、おっしゃられた点を十分研究させていただきたいと思っております。
 ただ、渇水区間における河道の整備については、当然やらなければなりません。ああしたダムをつくっておると、市町村への交付金があるわけです。その交付金で町村も地域振興をしなければならないし、また企業会計としてもできるだけの努力をするということでございます。
○副議長(山本 一君) 土木部長松永安生君。
 〔松永安生君、登壇〕
○土木部長(松永安生君) 警戒体制に入った経緯でございますが、警戒体制に入る段階までは担当ダム所長の判断にゆだねられておりますが、当時の現地での降雨と水位の状況から、通常の状態と判断したものでございます。
 〔「答弁になってないやないか。答弁漏れ」と呼ぶ者あり〕
○副議長(山本 一君) 企画部長川端秀和君。
 〔川端秀和君、登壇〕
○企画部長(川端秀和君) 新聞広告に関する再質問にお答え申し上げます。
 新聞広告では、日本の原子力発電所の安全確保対策の一つである自己制御性について解説したものであると考えてございますが、この中で、瞬間的に一次冷却水が喪失するというふうに、自己制御性が機能しないような事故が万一発生した場合には、緊急炉心装置等で外部への放射性物質の異常放出を防止するシステムになっているというような説明をなされているものと認識をいたしてございます。
○副議長(山本 一君) 答弁漏れはありませんか。──再々質問を許します。
 〔「議長、議事進行。答弁漏れ」と呼ぶ者あり〕
○副議長(山本 一君) 当局はないようでありますので、再々質問でお願いします。
 〔「議長、議事進行」と呼ぶ者あり〕
○副議長(山本 一君) 45番小林史郎君。
○小林史郎君 僕が再質問でお尋ねしたのは、洪水注意報が二十四日に午後二時半に出ておる、規則十四条では、注意報が出たら警戒体制に入らなければならないとなっておる、しかし警戒体制に入ったのは二十五日午前四時半や、これでは規則違反と違いますか、それを確認してくださいと、こう尋ねておるのですが、その答弁がありません。
○副議長(山本 一君) 当局、答弁願います。
 土木部長松永安生君。
 〔松永安生君、登壇〕
○土木部長(松永安生君) 規則では、議員御指摘のとおりでございます。
 警戒体制に入る段階では、ある程度、管理事務所長の判断にゆだねておりますので、当時としては管理事務所長がそのように判断したものでございます。
○副議長(山本 一君) 答弁漏れはありませんか。──再々質問を許します。
 45番小林史郎君。
○小林史郎君 時間ありませんけれども、知事に一言要請しておきます。本当に全力を挙げてやってくださることを頼んでおきます。
 土木部長、答弁、納得できません。
 るる申し上げておりますように、規則ではそうなっておる、しかも午前二時にはもう洪水量の雨量が出てきておる。それでもなお、適切な判断であった、所長の裁量の範囲であったと、こう申すんですか。あったかどうかだけ、はっきり答えてください。
○副議長(山本 一君) 当局の答弁を求めます。
 土木部長松永安生君。
 〔松永安生君、登壇〕
○土木部長(松永安生君) 先ほどの答弁でも申し上げましたように、初期の段階で不備なところもあったと思っております。(「さっぱりわからん。もう一遍言うてくれ」と呼ぶ者あり)初期行動の段階におきまして不満足な点もあったと認識しております。
○副議長(山本 一君) 以上で、小林史郎君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
○副議長(山本 一君) 本日は、これをもって散会いたします。
 午後三時三分散会

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