平成元年2月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(岸本光造議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

○議長(西本長浩君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 32番岸本光造君。
 〔岸本光造君、登壇〕(拍手)
○岸本光造君 ありし日、那賀の地でお元気に御活躍をいただきました佐竹部長に心から御冥福をお祈りして、質問を始めさせていただきたいと思います。
 平成元年度予算案の中で、農林関係は四百四十七億余、これの伸び率は七・四%であります。今回の予算案は、知事が農林業対策に本腰を入れ、知恵を絞られたものと高く評価をいたしますとともに、試験研究機関の整備や自由化対策などに感謝を申し上げます。
 さて、ただいまは、農村にとりましてはまさに有史以来の大転換期を迎えていると思います。本県の農業粗生産高の五割に近い生産を誇ってきたミカンを中心にしたかんきつ類が、廃園、改植を余儀なくされ、後に何を植えるかという、農家にとっては生か死かの選択を迫られているからであります。
 御案内のとおり、平成二年度までに、ミカンにあっては全国百八十万トン体制を目指し、国際化競争に打ちかつ農村づくりが求められております。ミカンやハッサクの後に何をつくれば過剰にならないのか。桃に集中したり柿に偏ると、再びミカンの二の舞になりかねません。そのことを、本県はもとより全国の農家が心配をしております。
 全体の改植の進みぐあいとその内容を、農家は今、必死になってキャッチしようとしております。国の農政に不信を持ちながらも、なお生きるために、豊かな情報と県の強力な行政指導を求めているのが農家の現実であります。過剰にならないよう、バランスのよい指導ということであります。
 国際化に対応した新しい農政は一体いかに展開すればいいのか、知事の所見をまず求めます。
 さて、国の農政を総論とするならば、本県農政は各論であります。国で大枠が定められましても、何事においても具体化するのは各府県であります。大分や熊本の農政が突出しているような報道に時々接しますが、私は本県の農政も決してこれに負けてはいないと考えます。非破壊の糖度査定やアグリバイオ研究所の設立など、先端部門ではむしろ日本一であります。
 しかし、高齢化、国際化の荒波の中で、あるいは工業に駆逐され行く農業という図式の中で、農家のためにも、県勢伸展のためにも、和歌山県の農業はこうだと言える指針、方針が今こそ必要であろうと考えます。和歌山県の農業に対する独自の施策やカラーを出して苦悩する農村を救うことが、今こそ切実なときであります。これに関して知事の考え方をお伺いいたします。
 今、社会の中で何もかもが「高度○○化社会」と総称される時代に、農業は一体どう位置づけられるのか。国際分業と言われるとき、日本は農業を捨ててコンピューター立国になればいいのか。厳しい農山村の現実を見るとき、依然として「農こそ国の基なり」という信念を持つ私ですら、一抹の不安を覚えるときがあります。
 しかし、冷静に考えますと、我が和歌山県の農業、畜産、林業、水産の第一次産業こそは、本県県勢伸展のバックボーンであろうと信じます。農林、畜産、水産の各分野が活気にあふれ、充実し、それらに従事する人々が豊かであればあるほど、和歌山県も充実し、県勢にも馬力がつくというものであります。
 これから、どんな時代になりましても、いかに時代が進んでも、人間が決して機械になれない限り、食糧を必要とするわけであります。食糧を生産するこれら第一次産業を、何としても本県にあっては成功させなければなりません。とれたての新鮮さ、防腐・防カビ剤や禁止農薬、ホルモン剤などの入った外国産品にはない安心と安全さ、直販するという安さ、研究を重ねたうまさ、天候もいい、そして産地の形成、これらを兼ね備えた和歌山県の農畜産物、水産物などは、全国一になるのが当然であります。
 しかし、今は厳しいわけであります。関西空港の開港や白浜空港のジェット化でいよいよ臨空農業の展開だという明るさと、ミカン、ハッサクを切って転換を迫られる辛さ、明暗が同居する状況から、いかにすればさらなる展望を切り開くことができるでありましょうか。本県においてこれら第一次産業が占める位置について知事はどのようにお考えか、御意見を賜りたいと思います。
 さて、二十一世紀もいよいよ射程距離に入り、「情報化」、「国際化」といった言葉もいよいよ重みを持つようになってまいりました。本県農業も、日本一、世界一を目指して、もう待ったなしで具体的施策を展開すべきときに至ったと考えます。農業情勢は厳しい厳しいと言われますが、考えよう、やりようによっては、農業ほど金もうけのできる産業はないと思います。二、三、私見を申し上げたいと存じます。
 今や、農業は単なる農業にあらず、先端産業の一部分になりつつあると思います。例えば、アメリカのトウモロコシを初めとする農産物は、大地に根を張ってつくられはしますが、産品つまり商品になるプロセスはまさに工場製品と同じであります。機械はもとより、バイテク、ハイテクの技術を駆使してやって来るアメリカの農業にどう対応すればいいのか。それにまさるとも劣らない組織を我々が持つ必要があります。
 日米では、条件は全く違います。日本の場合、これからは育種の競争であると言われています。バイテク、ハイテクの技術で、消費の要求に合った、または需要を喚起する産品をつくるために、育種の競争に打ちかつ必要があります。同時に、新しい種をつくり出す必要があります。種の更新は日々新たであります。これに成功しないと、農家は大手の種屋さんの下請屋にされてしまいます。バイテク、ハイテクの技術農業の確立が、生産面から見てまず第一であります。
 次に販売体制のあり方ですが、生産も含めて、情報の収集とそれの農家への伝達が不可欠であります。市場や客が何を求めているかの分析、どこで何が値高く売れているかの情報、県下のどこでそれらに見合うものがつくれるのか、またできているのかなどなど、農産物をいかに高く売りさばくかはこれからの大きな課題であり、生産農家、集出荷体制、市場の三点を結ぶ組織は、和歌山県で頭脳部分として一点に集中すべきであります。言いかえれば、本県の農産物のすべてをコントロールできる組織が必要だと考えます。
 個々ばらばらの出荷・生産体制では全国に太刀打ちができません。これからは、普及所、試験研究機関、県農、そして単協など、官民一体になって全体の農産物が把握でき、コントロールできる頭脳部分が必要だと思います。アメリカ式ではありませんが、本県も農産物を組織的商品として扱える部隊が必要であります。いいものをつくっても、集約するこの頭脳がないと競争では勝負にならないと考えます。今、グリーントピアの構想が練られていますが、きっとこの構想は頭脳部分の一部になるものと確信をいたします。
 さて、三つ目は、農産物に高付加価値をつけることであります。あるいは、高付加価値農業の展開と言いかえてもいいかと思います。安全、新鮮、そしておいしい無農薬有機栽培も一つの付加価値農業でありましょうが、加工物も多様化する必要があると思います。
 十年ほど前、本議場でミカンワインの提案をしたことがありますが、今では、イチゴワイン、イチジクのジャム、ハッサクのジュース、柿の多様な食べ方など、その可能性は無限に広がっています。ハウス物の花卉、ミカンなども付加価値の高いものでありましょう。
 以上、数点、農政の将来展望について私見を申し上げましたが、さきの質問に対する知事の答弁を求めます。
 さて、以下に、今、農山村が抱えている諸問題について農林水産部長にお伺いをいたします。
 まず、臨空農業についてであります。
 数年前から農林水産部に臨空農業に対するプロジェクトが設置され、いろいろと研究をしていただいておりますが、いよいよあと五年で関西新国際空港がオープンされます。五年ぐらいはあっという間に過ぎ去ってしまうでしょう。我々がもう一回選挙をして全員当選すれば、今のこのメンバーで一番機をお祝いするということになるでしょうし、知事が善政を続けて五選されるなら──多分そうなるだろうとは思いますが──仮谷知事がテープカットするということになります。それほど、時間的には近くにあるわけでございます。まさに、月日は流れ、我々が残るであります。本県農業がいかに新空港を活用するか、具体的なプランがいよいよ差し迫った課題となってまいりました。
 今、軟弱野菜を例にとりますならば、大阪府下全体で消費される野菜の七割が府下で生産されており、その約八割は泉南地方から出荷されています。空港開港に伴って泉南地方には巨大な空港都市が拡大され、したがって農地が減少すると予想されます。そうなりますと、軟弱野菜は勢い本県から、空港はもとより大都市・大阪へ持ち込めるわけであります。
 あるいは、関空をにらんで、花卉には将来性があると言われておりますが、和歌山県のバラやカーネーション、菊やユリなど、どうして海外へ送り出すのか、今から具体化する必要があります。大阪花博には、黒潮フラワーラインの成果をぶつけて「花は和歌山」の名をとるべきであります。
 「空港ができたら農業もよくなる」では、絵にかいたもちに終わってしまいます。花の輸出をパリへ、ニューヨークへというのなら、今から集出荷のためのターミナルづくりや国際販売公社ぐらいは県が主導してつくる必要がありますが、いかがでありましょう。
 軟弱野菜についても、具体性ある計画をつくらない限り、叫び声だけで終わってしまいます。ホウレンソウなら、ゆでてパック詰めするところまで頑張る必要があると思います。そうでないと、農業を工業化しているJRや住友に追い越されてしまうと思います。
 次に、ミカン対策では五億八千万余の予算を計上していただき感謝をいたしておりますが、幾つかの現時点での問題点をお伺いいたします。
 まずその一、中晩柑類の改植全国割り当て面積四千ヘクタールに対して、全国的には五、六千の申し込みがあったと聞きますが、これへの対応であります。
 その二、ミカン廃園に伴う補償金に税金がかかるというばかげた話がありますが、これへの対応をいかにいたしますか。
 その三、ミカンの適地にいいミカンをつくることは、本県農業の中でこれからもやはり主流となるでありましょう。味一や手づくりのうまさを売り出すためには、いいものだけを出荷する選果体制、つまり手づくりの選果体制が大切になると考えますが、現状の大規模選果では問題を残しておるのではないでしょうか。
 その四、本県産ミカンの輸出枠拡大について、アメリカ、カナダ向けを特に重点に、あと二年の間にいかに体制をつくられるのか。
 その五、県営畑総事業などで償還期に入っているものはかなりあると思います。離農または廃園などで償還が不可能な地域や、かなり高い金利での償還もあるようであります。今回新設されますリリーフ資金の活用は、個々の農家にはありがたいわけでありますが、改良区や委員会制度の団体ではこれを制度上利用することができず、運営費も捻出できない状態であります。行き詰まり状態にある県営事業へは、資金借りかえなどの利子補給を県単でお願いできないものでありましょうか。
 以上で、農政を終わります。
 次に、紀の川分水と紀の川用水でございます。
 紀の川の水、大阪分水について幾つかの質問を行います。
 新空港と泉州地方へ紀の川の水を送るという知事の決断は、まさに歴史的な決断であったと私も思います。当初、紀の川大堰の完成と十二年後の紀伊丹生川ダムの水資源開発ダムの完成を見て、南大阪方面へ最大毎秒四トンの分水であったかと存じます。私どもの受けとめ方としては、関空を含む泉南、南大阪方面でありましたが、昭和六十三年十月に大阪府が、紀の川分水の水を淀川水系とドッキングする意向を表明しています。
 それによりますと、今まで淀川の水を一定方向にしか送れなかった送水ポンプを逆方向にも送れるものに切りかえ、紀の川と淀川の二系統の水を大阪府全体に給水しようというものであります。淀川に事故あるときは淀川系送水管のポンプを南流から北流に切りかえることで、紀の川の水を大阪中・北部まで送ろうというものであります。二系統の水の状況はセンサーからマイクロ回線で枚方市村野浄水場に集約して、分配方法はコンピューターで計算し、バルブやポンプは自動操作にするという、これが大阪府の計画のあらましであります。
 紀の川からの当初の予定水量は、日量二十五万トンであります。今、淀川取水は日量二百万トンであります。紀の川分水協定調印以来二年余のこれらの出来事のあらましを念頭に置いて、以下の質問をいたします。知事並びに関係部長の答弁を求めます。
 まず第一に、紀の川水系と淀川水系のドッキング計画について、事前に大阪府から相談があったのかどうか。
 第二点目、いずれにしましても、二水系の結合によって、当初予定の上限毎秒四トン分水が、将来、大幅にアップされることが琵琶湖やそのほかの諸般の状態を見れば十二分に予想されますが、それほどの水資源を和歌山がそれまでに開発することができるでありましょうか。
 第三点、予定や計画はしばしばおくれます。今の時点で、分水の大前提となる紀の川大堰の完成の見通しと紀伊丹生川ダムの完成の予定はどんなぐあいでしょうか。紀の川大堰は別にしましても、肝心の水資源開発の丹生川ダムの完成は十年以内に見通しが立つのでしょうか。
 その四、五年後に開港される新空港へは毎秒〇・二九トンの送水が本県から予定されていますが、この分水の方法、経路などはどうされますか。
 紀の川の水を初め、県下の各河川の水とこれから開発される水資源は、財源に乏しい本県にとって天賦の宝であり、資産であります。県勢発展のために余剰水は大いに活用すべきであります。そして大阪府民にも喜んでいただく、こんないいことはないじゃないですか。一石二鳥であります。かかる観点から以上の質問をいたしましたが、四点に対する答弁を求めます。
 引き続いて、水の問題について質問をします。
 紀の川用水、そのほか四、五十に上るだろうと見られる土地改良区の農業用水についてであります。
 これら土地改良区の事業については、農業情勢の変転によって、ただいまでは地元負担、水利費負担、維持管理運営資金など、大変厳しい状況にあります。紀の川用水を例にとりますならば、御承知のとおり、十津川紀の川総合開発事業として食糧増産──「食糧増産」ですよ──を目的として、昭和二十五年に和歌山・奈良両県で合意し、計画され、昭和三十九年から五十九年までの二十年間がかりで国営事業部分は完了いたしました。
 県営、団体営部分では今も工事が進められ、通水はしたものの、ポンプアップ不可能で利用できない地域も二、三あります。長い期間の工事のために、事業費も当初の二十八億円が百十五億円にも膨張しています。当然、これに従って農家負担も増大しております。
 何よりも大変なことは、農業情勢の変転であります。水田のために計画された紀の川用水は、水田転作に遭い、その後、果樹への水やりなどと理由づけをしていましたが、その果樹も今ではばっさりであります。この間、耕地面積の減少、農家人口の減少など、専業農家へのしわ寄せはふえるばかりであります。収入のないところでどうして水利費初め諸経費を支払っていけるでありましょうか。
 この窮状を見かねて、さきに県並びに関係市町村の援助で受益者負担の軽減を図っていただきました。また、さきの十二月の和歌山県議会でも、負担金の償還条件の緩和と土地改良施設管理運営の助成措置に関する意見書を国に提出していただいたところであります。
 今、切実なお願いとしては、農家が実際に支払える負担金にしていただきたいし、水を利用できない地域、工事を希望しないところは中止するなり、早急に対策を講じていただきたいと考えます。紀の川用水のみならず、県下のすべての土地改良区で多かれ少なかれ、何らかの負担に耐えかねているのが現実でありますから、これもあわせて抜本的な対応をお願いいたします。
 「抜本的対応」といっても、現行制度ではなかなか難しいと思います。今、水はまさに「血の一滴」と表現されるくらい貴重なものであります。毎秒一トンの水は、百億円とも、工費が高くなって今では二百億円とも言われております。ピンチにあえぐ土地改良区には終末でかなりたくさんの余剰水が放流されており、その総計は毎秒五トンとも十トンとも言われております。私は、これらの余剰水を集約して農業用水から絶縁し、有効に活用してはどうかと考えます。いかがでしょうか。法の規制やその他の制約もあって非常に困難ではありましょうが、高度な政治的技術を発揮して解決をしていただきたいものであります。それ以外に農家負担の軽減を図る方法がないのではないかと思いますが、いかがでありましょうか。
 次に、道路網の整備について。
 道路整備も、紀北から紀中へ、紀中から紀南へと、かなり進んでまいりました。来年度予算にもその意気込みが見られます。高速議連の活動や林道あるいは「ふる特事業」の道路であったりはしますが、いずれにしましても、道路整備は本県発展のためには不可欠であります。
 県内道路の整備は知事初め我々の議連、市町村長らの努力でかなり成果を上げつつあることは喜ばしい限りでありますが、紀南から紀中へ、そして紀北へと参りますと、これを受けとめる背骨的役割を担うのが国道二十四号であります。
 ところが、二十四号線のバイパスは打田町で切れています。これを橋本まで延伸していただくことが今後の差し迫った大きな課題であります。さらに、京奈和、第二阪和もできる限り速やかに完成させるべく、最大の努力を行うべきであります。
 また、和歌山市から橋本市までの間、二市六町がありますが、この八自治体から大阪へ、最低一本ずつの幹線道路を通す必要があると思います。本県発展のポイントの一つは、大阪と和歌山を隔てる葛城山系の克服にあります。葛城山系に縦横無尽に道路網をつくることが葛城山というびょうぶを克服する第一歩であり、南麓山地の開発にもつながります。
 貴重な水を分水するわけですから、これらの道路の整備は大阪府主導でやっていただくべきであります。知事初め当局の関係者の政治力に期待をし、答弁を求めます。
 最低八本の府県間道路を通すことは、紀北はもとより、紀南、紀中からも国土幹線軸へより早くつなぐことになります。かかる立場から、阪和府県間道路については阪和協でぜひとも強力なイニシアチブをとられますようお願い申し上げます。
 次に、リゾートでございます。
 週休二日制の実施に伴う自由時間の増大、リゾート法の制定と、「遊び」が大手を振ってまかり通る生活様式の普及などによって、いよいよ日本も本格的な余暇の時代を迎えようとしております。勤勉さを美徳としてこつこつ働くことが日本を世界一の金持ちの国にしたわけで、国民にはその実感がないにしろ、ヨーロッパ流のバカンスが果たして日本に定着するだろうかという疑問を私個人は抱くわけでありますが、西欧のコピーでない日本流の余暇時代を模索する時期がいよいよ到来したと考えます。
 既にレジャー市場は六十兆円に上り、民間の最終消費支出の三〇%を占めると言われております。川端企画部長もさきの田辺のリゾート討論会にパネラーとして出席し、「リゾートこそは我が和歌山県勢浮上のために不可欠である、大きな影響を与える」と論じておりましたと、テレビニュースが報じておりました。うまく成功すれば、私もそのとおりになるだろうと思います。
 さて、本県は人情厚く、温暖な気候に恵まれた山と海は最高のリゾート地形成の要素を持っていると思います。
 山のリゾートについて申し上げます。新空港が使用開始されますと、国際便が毎日一便以上の国は六十七カ国、一週間に一回の国は百三カ国に上ると見られています。乗客は別にしましても、搭乗員の総計は年間でほぼ百万人と言われています。これら搭乗員は、人命を預かる仕事ですから、完全な休養と英気を養う必要があります。したがって、各国ともホテル以上のハイクラスの「オオサカハウス」を求めていると聞きます。
 つきましては、ゴルフ場、テニスコート、プール、野球場など、あらゆるスポーツ施設を兼ね備えた山のリゾートを関空に近い葛城山系に構想されてはいかがなものでありましょうか。トップ級のホテルや保養設備を配し、世界の軽井沢を目指して民活を利用すれば不可能ではないと考えます。
 あと五年で、世界の乗客が和歌山へ立ち寄る必然性を何としてもつくり出す必要があります。葛城山系森林レクリエーションゾーンの整備事業として、県では三十一億円余りを計上していただき、高原スカイラインの整備等、また、ふれあいエリア整備を那賀・粉河の両町からもお願いしてあります。この事業なども山の大規模リゾートの周辺整備につながると存じますが、この事業の採択の見通しはいかがでありましょうか。
 次に海のリゾートについてでありますが、和歌山マリーナシティは、空港開港までにはどれくらいの進捗状況であるのか、その予定をお教えいただきたい。
 また、マリーナシティには年間三百万の客の来場を予定しているようでありますが、今の進入路計画だけではパンク状態になることは火を見るより明らかであります。関空から直接の湾岸道路をつくるなど、これまた抜本的対策がなければなりません。また、公共部門は三二・五%と聞いておりますが、本県としてはこれでいいのでしょうか。またこのエリアはどのように使用されるのか、お答えをいただきたいと思います。
 和歌山マリーナシティが完成すれば、商店街を初めさまざまなビジネスが展開されます。レストランやショッピング街など、できる限り本県の入店希望者を優先していただきたい。聞くところによりますと、大阪の商人が松下興産の方へかなり激しくアタックしているとか、この件に関してさらに海外見学をも行っているとのことであります。本県の地元の人々の間にかかる動きがあるのかどうかも、あわせてお教えをいただきたいと思います。
 ありがとうございました。
○議長(西本長浩君) ただいまの岸本光造君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 岸本議員にお答え申し上げます。
 第一点、農業問題でございまして、国際化に対応した新しい農政でございます。
 御指摘のように、本県にとりましても非常に厳しい状況でございます。特に、オレンジ、牛肉等の自由化を控え、農家の不安を私もひしひしと感じるのでございまして、自由化、国際化に対応できる農業の構造改善に積極的に取り組み、安定した農政の展開を図らなければならないと考えております。県としても、これに対応すべく、消費者のニーズに応じた農業生産の再編に努め、国内外の競争に打ちかつことができる産地形成に向けて、生産者ともども積極的に努力してまいる所存でございます。
 次に、いかなる方向で本県独自の農政を展開すべきかということでございます。
 私は、消費者に「和歌山県の農産物は味と鮮度でどこよりもまさっている」と言ってもらえるようなものをつくり出していくことが必要であるし、また、若い人にとって魅力ある産業として農業を育成していくことが農政の基本ではないかと思うわけでございます。
 このためには、農政の地域別対策においても、紀北地域においては他産業との共存の中で施設園芸を核とした高収益農業の展開を、有田地域ではかんきつを主体とした高品質果実生産の推進を、また日高以南の地域では、野菜、花卉の施設栽培に加え、梅を重点に振興を図るなど、それぞれの地域のふるさとの顔となる個性化商品の開発に努めているところでございます。
 さらに、バイオテクノロジー等、先端技術の導入や新時代に対応できる流通システムの整備を図りまして、本県独自の知恵を生かした付加価値の高い産品づくりに努めてまいります。
 それから、県勢に占める第一次産業の位置ということでございます。
 農林水産業は、お話もございましたように、本県にとって地域経済を担う重要な産業でもございます。また、その存立基盤である農山漁村は、県土の保全や県民への憩いと安らぎの空間提供など、多面的な役割を果たしておるわけでございますし、また地域の活力を生み出す源でもございます。こうした観点に立ちまして、今後とも、他産業との調和を図りながら農林水産業の一層の推進に努めてまいる所存でございます。
 次に、農業用水の余剰水の活用でございます。
 農業用水は、主にかんがい期に取水しているものでございます。量としては大きいものの、その余剰水については下流に設置されているそれぞれの頭首工で取水し、再度農業用水として利用される現状でございまして、下流地域への影響等、複雑な問題があるわけでございます。
 しかし、議員御指摘のとおり、厳しい農業情勢を考えますとき、紀の川流域の農業用水については、農業用のみならず、貴重な水資源としての有効な利活用方策は最も大事なことだと考えておりまして、今後、関係の市、町、また関係の農業団体等の協力を得て、将来の水需要等も含めた総合的観点から十分検討していかなければならない重要課題だと考えておるわけでございます。
 なお、紀の川用水事業に係る県営あるいは団体営の残事業実施につきましては、農家の意向を十分尊重するとともに、今後の農業情勢、園地再編実施計画等についても十分検討し、慎重に対処してまいりたいと思います。
 それから、葛城山系森林レクリエーションゾーンの整備でございます。
 地元も非常な熱を入れているわけでございます。国の指定については非常に難しいところもありますけれども、全力を尽くしてまいりたいと思っておる次第でございます。
 他の問題は、関係部長から答弁させていただきます。
○議長(西本長浩君) 農林水産部長安田重行君。
 〔安田重行君、登壇〕
○農林水産部長(安田重行君) お答えを申し上げます。
 まず、臨空農業に関連しての御質問でございます。
 議員御指摘のとおり、調査研究をしてきたプロジェクトチームにおいて、空港立地をインパクトに、輸送機能を生かした販路の拡大や周辺の人口増に伴う需要増への対応のため、生産流通体制の整備を図ることが本県農業の活性化にとって非常に重要であるとされてございます。
 こうしたことを踏まえ、関西国際空港地域整備計画の中で、平成四年を目途に、紀の川流域に果実、野菜、花卉等による百二十ヘクタールの施設園芸タウンの育成を計画してございます。フライト施設営農団地育成対策事業あるいは都市近郊型ミニ産地育成事業等を活用して、空輸に適した軽量で高単価なカーネーション、イチゴに加え、泉南地域の代替産地としてミツバ、シュンギク等、軟弱野菜の周年供給ができる施設栽培に取り組むなど、積極的な推進に努めているところであり、既に現在、五十ヘクタールの産地化がなされておるところでございます。
 また、県下全域にわたる黒潮フラワーラインの成果が上がってまいりましたので、平成元年度からこれを黒潮フラワーエリア推進事業に拡大してまいりたいと考えてございます。
 一方、流通販売対策でございますが、目下、産・官・学の実務専門家の代表で構成されたきのくに流通フォーラムの中で今後の本県青果物のマーケティング等について検討を進めてございまして、議員お話しの花の万博についても、関係者の御協力を得ながら、受注等の取り組みを強化いたしてございます。
 今後も引き続き、消費者ニーズへの対応を初め、航空輸送機能の活用を基本とした生産流通体制の整備を図るため、関係団体との連携を深めながら、既存の特需センターあるいは花卉流通センターを核とした情報のネットワーク化に努め、国際化時代に対応した活力ある産地づくりを進めてまいる所存でございます。
 次に、ミカン対策全般についての御質問の中で、中晩柑の転換の問題でございます。
 国は四千ヘクタールを目標面積として、温州ミカンのように各府県に配分をいたしてございません。これに対して各府県は、ナツミカン、ハッサク産地においては今回の自由化の影響が最も懸念されることから目標面積を超える転換の希望が出てございまして、しかも、初年度である六十三年度に集中をしておる実情にございます。
 本県においては、ハッサク産地を中心に全国の目標面積の四分の一を超える実施希望が出てまいっており、転換先品目の規制や需給計画、国の特別予算措置など、大変難しい問題がございますけれども、今後とも農家の希望に沿えるように最善の努力をしてまいる所存でございます。
 次に、廃園、改植の助成金に税金がかかる問題でございます。
 現在、水田農業確立助成補助金は、水田農業確立助成補助金についての所得税及び法人税の臨時特例に関する法律というものができまして、課税の軽減措置がとられてございます。したがって、今回実施されるミカン対策の課税については県としても同様の軽減措置を強く国に求めてございまして、国も目下、この問題については具体的に検討をしておるところでございます。今後とも、県議会の力添えをいただきながら、国に対して強く働きかけてまいる所存でございます。
 次に、選果体制についてでございます。
 県の果樹農業振興計画に即して、地域の実態を踏まえ、集出荷施設の適正な配置と体制の整備を進めているところでございます。
 議員お話しのように、最近の消費者ニーズは高級化、多様化が進み、高品質でしかも個性化商品が強く求められているところでございます。県としては、関係機関と一体となって、園地の登録制度の充実、家庭選別、適期採取を初め、既存施設の有効利用に努めながら味一ブランドの拡大を進めてございますが、さらにこれらに対応すべく、県の果樹園芸試験場において近赤外線による味の選果機の新技術開発に努めているところでございまして、新しい時代の選果体制の確立に鋭意取り組んでまいることといたしてございます。
 次に、県産ミカンの輸出振興の問題でございます。
 今回の輸入自由化に対応して、これをチャンスに積極的に攻めの農政を推進すべく、輸出振興も大変重要であると考えてございます。これまで、韓国、カナダへのミカンを初め、東南アジアへの柿などの輸出を図ってございます。議員御承知のように、この十三日にも、フランス国農務省及びフランスの流通業者から成る二十五名の青果調査団が県へ参り、産地視察を行って農業関係者との意見交換を実施することになってございます。こうした機会もとらえ、海外市場の開拓に積極的に取り組んでまいりたいと考えてございます。
 特に対米輸出については、自由化の決定に伴い、アメリカにおいて輸入解禁州が六州から今日三十八州へと拡大をされるとともに、潰瘍病に係る検疫条件の緩和がなされたところでございます。今回、これを受けて県では、対米向けの輸出地域の拡大を図るために輸出みかん検疫条件緊急整備事業を計画いたしまして、今議会に事業予算をお願いいたしているところでございます。
 また、国においても、国内対策として海外市場の情報収集を行うアンテナショップの設置を盛り込んだ海外市場開拓推進事業を実施することとなっており、今後、県としてもこれら施策の積極的な活用を図りながら、海外の消費者ニーズの把握に努め、生産者団体はもちろんのこと、関係機関一体となって輸出の振興に取り組んでまいる所存でございます。
 最後に、県営畑総事業とリリーフ資金、利子補給の問題でございます。
 農業情勢の厳しい中にあって、畑地帯総合土地改良事業等、土地改良事業に関して地元負担金の円滑な償還が困難な事例もあり、加えてオレンジ等の自由化を控えての廃園、改植問題により、一層深刻な事態が懸念されるところでございます。
 そのため、国に対して償還円滑化特別対策事業の拡充強化、融資制度の創設等について強く要望してまいりましたが、その結果、平成元年度政府予算案において特別対策予算が増額されるとともに、償還期間の延期、利子補給期間がそれぞれ延長されることとなっております。
 また、融資制度においては、いわゆるリリーフ資金制度が新しく創設されたところでございます。この制度は、既往借入金の償還負担の軽減が緊急の課題となっていることにかんがみ、専業的農業者のうち農業経営の継続の見込みのあるものの中で知事の認定を受けたものに限って、償還期の到来する制度資金等の元利返済金に相当する額が低利で融資され、償還期間も二十年、その他一定の貸付条件のもとに融資されるものでございます。
 したがって、県単独の利子補給制度の創設等については、今後の償還状況、状況類似県の対応等、その推移を見きわめつつ検討するとともに、国に対し、これら制度のなお一層の拡充強化について強く要望してまいりたいと存じてございます。
 以上でございます。
○議長(西本長浩君) 企画部長川端秀和君。
 〔川端秀和君、登壇〕
○企画部長(川端秀和君) まず、紀の川の水問題に関する三点の御質問にお答え申し上げます。
 第一点は、紀の川と淀川両水系のドッキングについてでございます。
 分水に伴う導水管の布設につきましては、協定後、阪和水問題検討会において協議検討してきたところでございます。泉南地域には現在、大阪府水道部により淀川水系からの送水管が布設されてございまして、今回の利水協定に基づく紀の川からの導水は、新たに設置予定の阪南浄水場で浄化され、泉佐野浄水池にポンプアップした後、自然流下により既存の送水管に連結することとなってございます。また、紀の川からの分水量は当分毎秒三トンで、これは岸和田市から岬町までの需要量に対応する量であり、浄水池の高さや構造上の関係から、和泉浄水池以北には給水できないことになってございます。
 第二点は、分水量と開発可能性についてでございます。
 大阪府との利水協定では当分の分水量は毎秒約三トンとし、上限については、当面、毎秒四トンということで合意しているところでございます。将来の水資源開発等、長期的な問題については、現時点での開発予定量を含めた紀の川の水の利用率は約四〇%であり、将来、開発の余地はあると判断してございますが、開発に当たっては県内の水需給動向等を見きわめながら対処してまいりたいと考えてございます。
 第三点は、関西国際空港への送水についてでございます。
 関西国際空港への送水については、大阪府営水道において、利水協定に基づく分水量の毎秒三トンの内数として対応することになってございます。その方法、経路については、先ほど御答弁申し上げましたように、紀の川大堰から阪南浄水場を経て泉佐野浄水池から給水されることになってございます。なお、詳細については大阪府水道部において検討されているところでございます。
 次に、府県間道路についてお答え申し上げます。
 阪和両府県の区域にまたがる広域的な課題については、阪和開発連絡協議会を中心に、事業実施の促進や整備計画に係る調整を図っているところでございます。
 府県間の道路については、県民の利便性の向上を図るためにも、関西国際空港のインパクトを最大限に受けるためにも、効果的、効率的なネットワークの早期構築が必要であり、昭和六十二年十二月に締結した紀の川利水に関する協定を踏まえながら、昨年の協議会においても、近畿自動車道紀勢線の松原─阪南間の早期完成や第二阪和国道の延伸、三百七十一号ほか主要府県道の整備について協議を行い、両府県が事業推進を図るとともに、国や関係機関に要望しているところでございます。また、林道網についてもこの協議会で取り上げ、昨年、粉河から貝塚までのルートが整備されてございます。
 府県境の各市町から大阪府域へ各一本の幹線道路をという議員御指摘の点につきましては、大阪府と引き続き協議してまいりたいと存じます。
 最後に、関西空港をにらんだ山のリゾートについてお答え申し上げます。
 議員御提案のとおり、関西空港を利用する人々を本県に導入するためには、リゾートの開発・整備が有効な方策であると認識してございます。和泉葛城山系は、大阪都市圏に近接するとともに、さらに関空にも極めて近く、加えて自然環境や歴史・文化資源等にも恵まれた地域であると考えてございます。
 昨年三月に策定した県リゾート開発基本構想において当地域を都市近郊型リゾートゾーンとして位置づけ、リゾート機能をあわせ持つ定住型のリゾートニュータウンの開発と多様なスポーツ・レクリエーション機能を備えた施設整備を促進することといたしてございます。
 さらに、和泉葛城山系において関空のインパクトを想定したリゾート構想として、民間事業者による幾つかのプロジェクトが進められているところでございまして、粉河町においても、町が主体となって民活方式によるリゾート構想に取り組まれていると聞いてございます。
 県としても、地域の振興と雇用の増大を図っていくために、環境保全等に留意しながら、民間のノーハウを活用して、多様で質の高いリゾート開発に向けて地元市町村とともに積極的に取り組んでいかなければならないと考えているところでございます。
 以上でございます。
○議長(西本長浩君) 土木部長松永安生君。
 〔松永安生君、登壇〕
○土木部長(松永安生君) 初めに、紀の川大堰と丹生川ダムの建設プログラムでございます。
 紀の川大堰の完成見通しについてでございますが、建設省では現在、工事着手に向けて地元の漁業、水利、周辺自治会等の関係者と協議中であります。県としては、今後とも、平成四年度に完成できるよう、和歌山市とともに建設省に協力をしていく所存でございます。
 次に紀伊丹生川ダムの完成についてでございますが、一般的にダム事業は、予備調査、実施計画調査、用地買収及び建設という順序で進められます。建設省における平成元年度政府予算案において実施計画調査が認められましたので、今後、具体化に向けて大きく前進するものと考えております。今後、国及び関係地方公共団体等と連携を密にし、平成十二年の目標年次に完成できるよう、県の立場として努力してまいる所存でございます。
 次に、二十四号バイパスの打田町から東への延伸についてでございます。
 先般、京奈和自動車道は高規格幹線道路としてその整備の促進が図られることとなり、このうち橋本道路十一キロメートルが平成元年度に事業化されることとなりました。残る区間についても、早期着工に向けて調査の促進が図られるよう努力してまいります。
 一方、現国道二十四号の打田町より東の再改築については、町づくりの観点をも勘案しつつ、地域の幹線道路網計画を策定するため、地元を含む関係機関から成る連絡会を平成元年に発足させ、整備手法をも含め、調査検討をしていくこととしております。
 次に、山と海のリゾートに関連して、マリーナシティへの進入路に新しい発想をした対策についてでございます。
 マリーナシティへの進入路については毛見一号及び毛見二号の進入路が計画されており、これによりピーク時の交通に対応できる容量となっておりますが、一方、周辺道路の対策として、市内環状機能を持つ松島本渡線、布引本渡線の整備による高速道路との連係強化、国道四十二号紀三井寺交差点の立体化などの整備を図らなければならないと考えており、その整備の推進に努めてまいります。
 また、関空から直接の湾岸道路をという御提案につきましては、将来の検討課題とさせていただきたいと思います。
 次に、マリーナシティの公共部門のあり方でございます。
 マリーナシティ計画の公共部門については、公共用地として必要な公共マリーナ及び旅客船埠頭、フィッシャーマンズワーフなど、全体四十八・三ヘクタールのうち三二・五%に当たる十五・七ヘクタールを現在計画しております。残り六七・五%に当たる三十二・六ヘクタールについては、住居施設用地、商業業務用地など、可能な限り民間活力を導入して地域の活性化を図ろうというものでございます。
 以上でございます。
○議長(西本長浩君) 企業局長吉井清純君。
 〔吉井清純君、登壇〕
○企業局長(吉井清純君) 和歌山マリーナシティ建設のプログラムについて、お答えをいたしたいと思います。
 関西国際空港の開港時にはマリーナを中心として一部供用開始できるよう埋立地造成を行うこととしており、工程としては、昭和六十三年度において既に護岸ケーソンやブロック製作に入っており、平成元年度から本格的に海上工事に着手をし、防波堤及び護岸工事等を進めつつ、平成三年初めより埋め立て土砂の搬入を行い、平成三年度末で第一期工事としての二十七ヘクタールの埋め立て工事を完了することとしております。残りの第二工区の二十一ヘクタールについては、平成五年度末に埋め立てを完了する予定でございます。
 なお、マリーナシティの上物も含め、完全に全施設が完了するのは平成十年ごろと予定をしております。
 続きまして、県内商工業者のマリーナシティへの参画でございます。
 和歌山マリーナシティは、和歌山の特色を生かしつつ、議員御指摘にもございました航空機の搭乗員を初めとする海外からの多くの人々も受け入れていく、国際的に通用するリゾート地を形成しようとしております。したがって、一つには、地場の新鮮な農水産物や特産物を販売し、また本県のPRをするということで、観光魚市場や和歌山コーナーを設けることとしております。一方、島内の商業業務施設として予定されているハーバーレストラン、ショッピングモールなどについて、松下興産としてはグレードの高い、また特色のあるものにしたいとの意向であり、地元の参画についても県の要請に対して非常に大切なことと、非常に理解を示されてございます。
 一方、地元の動きについては、観光魚市場への参画や施設計画についての問い合わせなど、一部には勉強しようとしている個人や団体がございますが、現時点では具体的な要請はございません。
 いずれにしても、地場として特色ある製品の創出やリゾート地での商業活動のための知識を高め知恵を出す、そうしたみずからの取り組みが肝要かと存じます。こうした商工業の方々の熱意と関係機関、関係各部局の御協力をいただきながら、議員御指摘の趣旨に沿えるよう、引き続き一層の努力をいたす所存でございます。
 以上でございます。
○議長(西本長浩君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 〔「なし」と呼ぶ者あり」
○議長(西本長浩君) 以上で、岸本光造君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
○議長(西本長浩君) この際、暫時休憩いたします。
 午後零時七分休憩
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