平成31年2月 和歌山県議会定例会会議録 第5号


平成31年2月 和歌山県議会定例会会議録

第5号(全文)


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平成31年2月
和歌山県議会定例会会議録
第5号
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議事日程 第5号
 平成31年2月22日(金曜日)
 午前10時開議
 第1 議案第1号から議案第17号まで、議案第34号から議案第84号まで、議案第86号から議案第88号まで及び議案第90号から議案第104号まで(質疑)
 第2 一般質問
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会議に付した事件
 第1 議案第1号から議案第17号まで、議案第34号から議案第84号まで、議案第86号から議案第88号まで及び議案第90号から議案第104号まで(質疑)
 第2 一般質問
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出席議員(40人)
 1番 中西峰雄
 2番 秋月史成
 3番 立谷誠一
 5番 前芝雅嗣
 6番 花田健吉
 7番 井出益弘
 8番 宇治田栄蔵
 9番 川畑哲哉
 10番 玉木久登
 11番 濱口太史
 12番 鈴木太雄
 13番 尾﨑太郎
 14番 藤山将材
 15番 尾崎要二
 16番 中村裕一
 17番 岩田弘彦
 18番 中本浩精
 19番 山本茂博
 20番 岸本 健
 21番 冨安民浩
 22番 吉井和視
 23番 堀 龍雄
 24番 中 拓哉
 25番 森 礼子
 26番 服部 一
 27番 谷 洋一
 28番 新島 雄
 29番 岩井弘次
 30番 多田純一
 31番 片桐章浩
 32番 藤本眞利子
 33番 浦口高典
 34番 山下直也
 35番 山田正彦
 36番 菅原博之
 37番 谷口和樹
 38番 奥村規子
 39番 雑賀光夫
 41番 坂本 登
 42番 長坂隆司
欠席議員(なし)
〔備考〕
 4番 欠員
 40番 欠員
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説明のため出席した者
 知事         仁坂吉伸
 副知事        下 宏
 知事室長       宮﨑 泉
 危機管理監      藤川 崇
 総務部長       田村一郎
 企画部長       田嶋久嗣
 環境生活部長     山田成紀
 福祉保健部長     山本等士
 商工観光労働部長   山西毅治
 農林水産部長     原 康雄
 県土整備部長     髙松 諭
 会計管理者      中西 淳
 教育長        宮下和己
 公安委員会委員    中野幸生
 警察本部長      檜垣重臣
 人事委員会委員長   平田健正
 代表監査委員     保田栄一
 選挙管理委員会委員長 小濱孝夫
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職務のため出席した事務局職員
 事務局長       田村公一
 次長         糸川 徹
 議事課長       松山 博
 議事課副課長     山田修平
 議事課議事班長    岸裏真延
 議事課主任      保田良春
 議事課主査      伊賀顕正
 議事課主事      浅田晃秀
 総務課長       田中健司
 政策調査課長     中平 博
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  午前10時0分開議
○議長(藤山将材君) これより本日の会議を開きます。
 日程に先立ち、諸般の報告をいたします。
 監査委員から監査報告がありました。お手元に配付しておりますので、御了承願います。
 日程第1、議案第1号から議案第17号まで、議案第34号から議案第84号まで、議案第86号から議案第88号まで及び議案第90号から議案第104号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第2、一般質問を行います。
 3番立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕(拍手)
○立谷誠一君 議長の許可をいただきましたので、一般質問に入らしていただきます。
 まず、去る1月30日、和歌山県選出の自由民主党幹事長・二階俊博代議士が、国会で、自由民主党を代表して安倍内閣総理大臣の施政方針演説に対して一般質問をされておられます。
 冒頭、「平成という一つの時代が間もなく終わりを告げ、今まさに新しい時代の幕あけが目前に迫っています。子供のころは戦争を経験し、疎開先の小学校で終戦を迎えました。その後、日本全体が食料の厳しい苦難の時代を乗り越え、戦後の目覚ましい復興と発展を経験しながら、政治の歩みを続けてまいりました。そして、今、平成最後の国会が開会されるに当たり、改めて苦難の時代を生き抜かれた先人の皆様に感謝の気持ちをささげたいと思います。平成の時代が戦争のない平和な時代であったことに対して、与野党を超えて、この議場に集う全ての国会議員で、そのとうとさを改めてかみしめながら、質問に入らせていただきます」と発言をされておられます。
 私も同じ思いです。平成の時代が戦争のない平和な時代であったことのとうとさを心にかみしめて、地方議員としての務めを一つ一つ確実に進めさせていただきたいと思います。
 それでは、質問に入らせていただきます。
 まず、国民年金の支給と高齢者の生活実態についてお伺いをいたします。
 今を生きる高齢者の方々は、若い時代は戦争の要員として駆り出され、そして戦後、南海道地震や食料難の時代を働き続けて生き抜き、そして廃墟と化したとよく言われた日本国を立て直すとともに、近代日本をつくり上げてくれました。その後を生きる我々にとって、大恩人です。
 その大恩人で高齢者となられた方々が、今、年金の支給額の低さからくる生活苦を訴えられる方がふえています。いわく、「余り家を出ないようにしています。一歩家を出るとお金がかかるから」、「電気や水道、そして介護保険料や国民健康保険料が高いので、食事代を始末して生きています」、「新聞など不要不急なものは買わないようにしています」。高齢者のこのような話、たくさんの方々から聞かされます。高齢者とは、私たちを産み育ててくれた父や母のことです。大切にしなければならない高齢者の皆さんの生活実態は、本当に質素で過酷だと感じます。
 この生活実態は、日本国憲法第25条で「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」と定められていますが、現在支給されてる国民年金額は、高物価な日本において、健康で最低限度の生活を営むに必要な金額を支給されていることになっているのか。国の制度と仕組みであることは十分承知の上ですが、和歌山県の福祉の最高責任者である福祉保健部長の御見解をお伺いしたいと思います。
○議長(藤山将材君) ただいまの立谷誠一君の質問に対する答弁を求めます。
 福祉保健部長山本等士君。
  〔山本等士君、登壇〕
○福祉保健部長(山本等士君) 現行の国民年金制度では、二十から60歳までの40年間保険料を納付した方は、65歳から年金が満額支給され、その金額は月額6万4941円となります。
 あくまでも一般論として申し上げますと、この年金収入から、さらに介護保険料や国民健康保険料などが引かれるため、年金収入のみで生活を営むことは厳しいと考えます。
○議長(藤山将材君) 立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕
○立谷誠一君 この年金の金額のあり方ですが、私も小学校6年のときに国民皆年金制度という制度が始まって、全国民に年金を加入させていくと。そのときに、6年生でしたが、役場の職員がうちに来られて言うたことはよう覚えています。母親に向かって「お母さん、60になったら、もう働かんでもいいんやで。腰、痛なることないんや。この年金で生活していけるんや。そんな時代が来るんや。だから、掛金をしとこうよね」と、そんな誘いでありました。それは、家の中にまだ50円のお金もない時代でした。家庭それぞれでしたけれども、私の家はそうでした。
 それで、その話を聞いて、本当に将来に対する、母親が浮き浮きとした顔で、そのことに参加することを必死になって考えていました。
 40年掛けて、母親の時代は免除期間もありましたので、もらえてたのはほん2万か3万かでした。それでも、私の家に限って言えば、私初め3世代一緒に生活する、そうしないと生きてもこられなかったというか、みんな一緒になって生活してたんで、何とか生きて86の寿命を終わりましたけど。
 でも、私、思います。今、大方の方は6万そこそこの国民年金で、また国民年金を掛けてる人の数ってすごく多いです。第1次産業、それから御商売されてる方々とか、物すごい多い。国民年金が年金制度のかなりの、加入をしてる方々の数って多いというように思うんです。
 その大方の方々は、それから介護保険料や、強制的にという言い方がいいんかどうか、天引きされて、4万前後しかないと。これ、本当に議員の皆さん方もよくお聞きになられると思うんですが、「もう生活保護にしてほしい」、「年金要らん」と、こんなことを言うてる方が3人や5人じゃないです。物すごい数です。
 このことに対して、やはり我々、地方議員ではありますけど、政治をつかさどる者が聞いて聞かんふりというようなことはできんなと。僕は、この声を踏まえて、議員連盟でもこしらえて国会に物言うていきたい。皆、生きていけんと言うてるわけですよ。せっかく高齢化の時代になって、80、90、100まで生きれる時代を与えてもろても、その生活の質が、そう生きてもいけんと、泣いて電話かかってきた人がありました。もう死んでしまいたいと。
 そんなふうなことを、先ほどもお聞きいただきましたが、大恩人の高齢者の皆さん方にそんな思いをさせてる社会というのは、本当に見て見ぬふりでいいかどうか、私は強く思います。ぜひ、この席でこうした発言をさせていただきましたのは、そうした声も、我々の県民の皆さんの声を共有さしてもうて、少しでも高齢者の皆さん方が心豊かな老後、そしてまた終えんの日を、生きててよかったな、一生懸命働き続けて頑張って日本国もここまでの国にできてよかったなと、そんなふうな思いで寿命を終えていただける、そんなふうなまちづくり、県土づくりを目指したいなと私は考えています。どうもありがとうございました。
 では、次の質問に入らしていただきます。
 次に、南紀白浜空港についてお伺いをいたします。
 約20年前に500億円をかけて建設された南紀白浜空港ですが、白浜─羽田間を1日わずか3便しか飛ぶことができず、毎年多額の赤字を出していた現状を考えるとき、もっと早く打開策を打ち出すべきであったと私は思います。
 前回も発言していますが、南紀白浜空港建設の取り組みを進める中で、地元の農家の長男の方が、二十代の若さで、小さな子供2人を残して自殺をしました。ほかにも地元ではたくさんの葛藤がありましたが、地主の方々が成田闘争のような反対運動をすることもなく、地主を含め、全ての町の人は県の方針に協力してきました。地元の方々の善意と協力のもとに完成した空港なのです。
 数年後、息子さんが自殺された元地主の方が私の家にお見えになられまして、「もう飛行場、こんなんで使わんのだったら、お金戻すから返してほしい。土地を返してほしい」と言うてきたんです。私は、忘れることはできません。たくさんの犠牲のもとに完成した空港なのです。立派に使いこなすことが今を生きる我々の世代の責任だと考えます。
 そこで、質問です。
 4月1日の南紀白浜空港の民営化に向けた現状と今後の取り組みについてお伺いをさせていただきます。なお、答弁は、元南紀白浜空港ビル株式会社の代表取締役社長で、南紀白浜空港利用促進実行委員会の会長の下副知事にお願いをしたいと思います。
○議長(藤山将材君) 副知事下 宏君。
  〔下 宏君、登壇〕
○副知事(下 宏君) 南紀白浜空港の民営化の現状についてお答えをいたします。
 南紀白浜空港の民間運営につきましては、平成28年度から、地域の市や町、そして諸団体の皆様の御協力を得ながら、その作業を進めてまいりました。昨年5月に優先交渉権者を選定し、7月に株式会社南紀白浜エアポートを運営権者として実施契約を締結したところでございます。現在、事務引き継ぎの作業を進めてございまして、本年4月1日から株式会社南紀白浜エアポートによる運営が開始される予定でございます。
 これまで、地元市町及び地域関係団体にも参画をいただいております南紀白浜空港利用促進実行委員会を中心として、南紀白浜空港の利用促進に取り組み、その成果として、羽田線への特便割引などの割引運賃の導入や機材の大型化が実現したところでございます。
 その結果、本年度の南紀白浜空港の搭乗者数は、1月末現在で13万2000人余りと好調に推移をしておりまして、開港以来、過去最高となる見込みでございます。
 4月以降は、優先交渉権者を選定する際に提案のございました羽田線のさらなる機材の大型化、成田線の新規就航、それから国内及び近隣アジアや極東ロシアからのチャーター便の誘致、ビジネスジェットの誘致などの航空ネットワークの拡充を図るための施策や、ターミナルビルを高速バスの拠点としても活用し、交通結節機能を強化するなど、にぎわいの創出を図るための施策が運営権者により展開される予定となっております。
 運営権者には、空港運営の安全性確保は当然のことながら、これらの施策につきまして、着実な実施を期待しているところでございます。
 県といたしましても、新しい国際線ターミナルビルの設計に既に着手をしており、2021年6月までの完成を目標に整備を進めることとしており、利用促進活動も含めて、運営権者と協働して南紀白浜空港を核とした地域経済の活性化に取り組んでまいります。
○議長(藤山将材君) 立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕
○立谷誠一君 ありがとうございました。
 地元に住んでる者の気持ちとしたら、本当に、今、副知事から答弁いただきましたが、以前の状況から比べれば、かなりいろいろ前向きに取り組もうとしている姿勢というのは高く評価をさしていただきたいというふうに思います。
 しかし、もっともっと、紀南の浮揚という言葉があるとしたら、やっぱり幾つかの柱の一つに南紀白浜空港を使い切る、このことが今ここに恐らく御参集をいただいてる皆さん方の全ての皆さん方の責任として、そのつもりで頑張っていきたい、また頑張っていただきたいと思います。
 ぜひ、国際便が離発着できる国際空港、それは2000メートルの滑走路しかありませんので、ヨーロッパまで飛んでいくというようなことはできませんけれども、せめて東アジアとの交流ができる、そういう方向性を目指した飛行場のあり方であってほしいと強く要望させていただきまして、次の質問に入らせていただきます。
 次に、富田川、日置川の河川の整備計画をお伺いいたします。
 7年ほど前の台風で、和歌山県下全域が各河川を中心にずたずたになるほどの大きな被害を受けました。そして、昨年もたび重なる台風の襲来で、西牟婁郡内でも2度にわたって床上浸水の被害を受けた方々がたくさんおられます。床上浸水とは、もう皆さん御存じのとおり、津波に遭ったのと同じです。車や家具、電気製品など、全て処分しなければなりません。本当に気の毒でした。
 被害を受けられた方々からは、政治家である私たちに、その不満を「無策だった」とぶつけてきます。私たちも、そのぶつけられる不満に耐え続けています。そして、一日千秋の思いで整備計画の成立を待ち続けました。多くの県民の皆さんが、一日も早く水の恐怖から逃れることのできるよう、一日も早い対策と、その結果が求められると考えています。
 当局が計画された富田川、日置川等の整備計画の具体的な整備計画の内容をお伺いしたいと思います。
○議長(藤山将材君) 県土整備部長髙松 諭君。
  〔髙松 諭君、登壇〕
○県土整備部長(髙松 諭君) 富田川、日置川の河川整備計画の内容につきまして御質問いただきました。
 河川整備計画は、家屋浸水被害の解消のために、向こう20年から30年間で実施するさまざまな整備内容等を定めておりまして、その実施に当たりましては、基本的に下流側から事業を進めることで、順次整備効果を発現させていくこととしております。
 本県におきましては、平成23年9月の紀伊半島大水害を契機に計画策定の手続を加速化させまして、現在、14の水系と四つの圏域におきまして、合計18の河川整備計画の策定を終えたところでございます。
 富田川につきましては平成30年6月に、日置川につきましては平成29年9月に、それぞれの河川整備計画を策定し、いずれも平成23年9月の紀伊半島大水害と同規模の洪水に対して家屋浸水被害が生じることのないよう、水位低下を図るための河道掘削や氾濫を防止するための堤防整備など、向こう20年間で実施する整備内容等を定めているところでございます。
 具体的な整備内容といたしましては、まず富田川では、河口から馬川合流点付近までの約6.2キロメートルの区間におきまして、河道掘削や堤防整備を実施することとしてございます。河道掘削に関しましては、全区間約6.2キロメートルにおいて約50万立方メートルの掘削を、堤防整備に関しましては、白浜町栄地区や平間地区、平地区において約1.7キロメートルの整備を予定してございます。これらの事業費といたしましては、約30億円を見込んでいるところでございます。
 また、日置川では、JR橋から白浜町田野井地区までの約2.6キロメートルの区間において、同じく河道掘削や堤防整備を実施することとしてございます。河道掘削に関しましては、全区間約2.6キロメートルにおいて約30万立方メートルの掘削を、堤防整備に関しましては、矢田地区や田野井地区において約0.4キロメートルの整備を予定してございます。また、安居橋左岸の上下流におきましても約0.6キロメートルの堤防整備を予定してございまして、これらの事業費といたしましては、約10億円を見込んでいるところでございます。
 以上、申し上げました富田川及び日置川の整備の実施により、河道掘削の施工区間におきましては、紀伊半島大水害と同規模の洪水に対しまして、水位を最大で約80センチメートル低下させるなどの効果を見込んでございます。
 なお、防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策として、富田川では約3億円、日置川では約2億円の今年度補正予算を認めていただいており、今後、河道掘削や樹木伐採を行っていくこととしております。
 引き続き、円滑な事業進捗を図るため、早期発注や進捗管理などを適切に行ってまいりますとともに、さまざまな機会を通じて予算を確保しまして、早期完成に努めてまいりたいというふうに考えております。
○議長(藤山将材君) 立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕
○立谷誠一君 県土整備部長から、そのような答弁をいただきました。
 最大で80センチの水位低下ということなんですが、できたらもっと水位が、これから本当に今までの想定内、あるいはまた想定外の大水が降ることというのは、もっともっと考えられる可能性がある。80センチレベルでの水位の低下で本当に付近で住んでおられる皆さん方の生活環境が守れるかどうか、そこらあたりも十分検証してみてほしいと思います。
 それから、もう1点です。この整備計画、20年ほどかかるというお話のことなんで、できたら一日でも早く、一年でも早く前倒しをお願いしたい。20年の間に何回台風来るやろと。最低でも年間、昨年でしたら3回も4回も来て、その都度、おびえ続けたわけですから、これがこれからも、整備計画が完成してこれだけの数字が下がるという話ですから、その以前の時代はまだまだそういう数字でないというふうに判断したら、その間、耐えられるかどうか、そんな心配をいたします。
 そういった意味で、できるだけ早くこの整備計画の推進を図っていただいて、流域に住んでおられる皆さん方の水からの恐怖を解消してあげてほしいと希望して、要望させていただきたいと思います。
 次の項目に移らしていただきます。
 次に、高齢者福祉についてお伺いをいたします。
 高齢者の方々から相談を受けて、よく聞かされる事柄に、「長く介護保険料を負担しているのに、施設に早く入れる人と、なかなか入れない人があるのは不公平だ」、「必要になれば速やかに入居できるようにしてほしい」、「安心して過ごせる老後にしてほしい」、そんなことをよく言われています。
 そこで、お尋ねをいたします。
 特別養護老人ホームなど入所待ちの方々は、県内に一体何人、現在おられるのか。平均的な待機日数はどのぐらいなのか。入居すると、一月の平均的な費用は幾ら必要なのか。今後も高齢化が進むことが予想される中、県は今後の整備方針をどのように考えているのか。以上のことにつきまして御質問さしていただきますので、御回答をお願いいたします。
○議長(藤山将材君) 福祉保健部長。
  〔山本等士君、登壇〕
○福祉保健部長(山本等士君) まず、1点目の特別養護老人ホームへの入所待ちの人数につきましては、平成30年3月末現在、在宅で待機している実人数は965人となっています。
 次に、2点目の平均的な待機日数につきましては、各施設の入所申し込み状況や待機者の要介護度等により異なるため、一概には言えませんが、1年以上待機されている方もいれば、入所申し込み者の要介護度並びに介護者の疾病や年齢等を勘案した上で、入所の必要性が高い方を優先的に入所させることとしているため、早ければ1カ月で入所できる方もいると聞いております。
 次に、3点目の1カ月当たりの平均的な費用につきましては、サービス費用の利用者負担のほか、居住費や食費、日常生活費を負担する必要があることから、入所者が最も多い要介護5で、利用者負担割合が1割の方が多床室を利用する場合は、月額約3万5000円から約10万5000円、ユニット型個室を利用する場合は、月額約6万円から約14万円と所得段階に応じて利用者負担額が定められています。
 最後に、4点目の今後の整備方針につきましては、県では、高齢者が安心して暮らすことができるよう、わかやま長寿プランに基づき、特別養護老人ホームを初めとする施設を順次整備し、これまで約1万4100床を確保してきたところです。引き続き、本県の75歳以上の高齢者数がピークを迎える2030年度における整備目標である約1万6600床が確実に達成できるよう取り組んでまいります。
○議長(藤山将材君) 立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕
○立谷誠一君 今の御回答に対して再質問をさせていただきたいと思います。
 まず、1万6600床のベッド数を確保するということですが、この内訳を一遍聞いておきたいと思います。例えば、老人ホームといってもいろんなタイプがありまして、特別養護老人ホーム、それから老健施設であったりとか、それから最近いわゆる地域密着型のそういうホームであったりとか、いろんなタイプがあります。まず、その区分別ではどうなってるかということが1点目と、それから1万6600床を設置すると、これも11年の間に。
 今、既に老人ホームの現場では、人手不足というのはすごく聞かされます。人がないので、すごく経営者の方々も必死になって人の確保対策に奔走してると。それでも人がないから、内容を縮小してみたりとか、もうやめるんやって。老人ホームをやめるということじゃないんですけど、デイサービスをしてる方々が、もうやめたいと。そんな話の相談も聞かしていただくような状況ですので、この介護の人材の確保は本当に大丈夫なんかな。単純に計算しましたら、1万6600床というたら、50ベッドとしたら330カ所で、大体平均50人プラスアルファの雇用になってると思いますので、1万6500人ぐらいの新たな介護の現場の職員が要ると、こうなってくると思います。そうしたことの見通しもお聞きしておきたい。
 それから、先ほどの地域密着型のホームの位置づけは今後どうなっていくんか。私は、個人的には地域密着型というのが、その地域地域に住んでおられるお年寄りの方々が、その近くに入ることができるという意味ではすごくすばらしい取り組みだったというふうに思うんですが、これの経営の内容等につきましても不安を訴えられる方々もおられます。
 地域密着型ホームの位置づけ、今後、1万6600のベッド数に対して、この割合というか方向性、方針はどういうふうにお考えかというあたりのところの御答弁をいただきたいと思います。
○議長(藤山将材君) 福祉保健部長。
  〔山本等士君、登壇〕
○福祉保健部長(山本等士君) 議員御質問の各施設の整備計画につきましては、3年ごとに策定する介護保険事業支援計画で定められております。
 まず、現在わかることは、2018年度から2020年度までを計画期間とする第7期介護保険事業計画がございます。既に昨年3月に公表し、施設ごとの内訳を県民に周知しているところですが、その中で、特別養護老人ホームにつきましては187床、老人保健施設やグループホームなど、その他の施設は221床の合計408床を整備する予定としております。
 なお、2030年度までの整備目標である約1万6600床につきましては、特別養護老人ホームで約8100床、その他の施設で約8500床としているところでございます。
 なお、これの目標を達成するために、議員御指摘の介護人材の確保の関係なんですが、確かに県としましても、そういった経営者の方々とお話をしていると、介護人材の確保というのが施設の整備に係る経費よりも今は重点というふうに考えられているというふうに聞いております。
 そうしたことから、介護人材の確保につきましては、国において職員の処遇改善がなされているところでございますが、県における新規就労対策及び定着促進対策など、今後もその時々の情勢に応じた施策を実施することにより、介護の担い手の確保を図ってまいります。
 2019年度予算におきましても、従前答弁しましたが、新たなそういったITを活用した介護ロボットを導入する際には、県も支援をしてまいるというふうにしているところでございます。
 こうした取り組みをすることによって、2030年度の整備目標である約1万6600床を確保できるよう頑張って努めてまいりたいと考えております。
 最後に、地域密着型の特別養護老人ホームの整備方針ということなんですけども、特別養護老人ホームにおきましては、広域型と地域密着型ということで区分されております。それを合わせて2030年度、最終年度には、先ほど言ったように約8100床、うちは設けようとしておりますが、先ほど申し述べたように、まだ具体的な二つの区分割合は今現在できていない状況ですが、第7期の計画で言えば、合わせて187床整備するとしているんですけども、そのうち広域型を100床、地域密着型を87床ということで、10対9の割合というような感じで整備しているところでございます。
 以上でございます。
○議長(藤山将材君) 立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕
○立谷誠一君 部長から、そういう答弁をいただきました。
 個人的によく聞かされてる話の中の一つに、地域密着型ってすばらしい発想で、先ほども言いましたように、私は、この地域に住んでる方々が高齢になって入居を必要としたときに、その地域の中で設置されてるホームに入居ができるというのはすばらしいなと今考えてるわけですけど、ただ、どうやら経営されてる方々の発想の話は、ベッド数が少なくて、好んでこれをしていきたいというよりは、やっぱり運営というか経営という側面から考えたときに、何か魅力が小さい、そんなふうなことも時々聞かされます。
 そういった意味で、この地域密着型の今後のそれを広げていくとしたら、運営される方々のそういう意見もよく聞いていただいて、ほんで健全な運営をしていただかなければ、入居者にとって不幸なことになってしまう、そんなふうにも感じますので、そこらあたりの研究を十分していただけますようにお願いを申し上げまして、次に行かしていただきます。
 次に、運転免許証を返上して、車を運転することを諦めた高齢者の方々がふえてございます。
 その昔のように、雑貨店が地区ごとにたくさんあった時代ではなく、まちの中心街に大型スーパーが何店舗かできて、そのことによって雑貨店が皆閉めていったわけですよね。そんな時代です。そういう時代で、車に乗れなくなると、その日から生活難民となり、生活物資の買い物や、よく言われています病院通いですよね、通院等に困ってしまいます。
 こうした状況の解決策の一つに、移動手段をとられた高齢者の方々に、また高齢化社会を迎えた新しい高齢者対策として、コミュニティーバス等を県内一円に網の目のように張りめぐらせる必要性があると考えているんですが、市町によっては、交通難民になった高齢者の方々のために各種の対策を打ち出していますが、県としても高齢者の生活の質を守るために施策として考え、位置づける必要性を感じますが、このことに対して御見解をお伺いしたいと思います。
○議長(藤山将材君) 企画部長田嶋久嗣君。
  〔田嶋久嗣君、登壇〕
○企画部長(田嶋久嗣君) コミュニティーバスにつきましては、主に民間路線バスが廃止された交通空白地域や交通不便地域の解消を図るため、市町村が主体的に計画し運行しており、平成31年2月現在、今現在、県内21市町村で153路線が運行されております。
 コミュニティーバスの運行に際しては、市町村が設置する地域公共交通会議におきまして、地域住民や事業者、国、県などが参画し、運行形態や運行ダイヤ、運賃などについて協議を行い決定しております。また、市町村では、地域住民の要望に応じて運行形態やダイヤの見直しを行うなど、利用者の利便性を高める取り組みが継続的に行われているところです。
 県としましては、コミュニティーバスなどの公共交通は、運転免許を持たない高齢者や学生、障害のある方等にとって、買い物や通院・通学など、生活に欠かせない重要な移動手段であると認識しております。
 このため、県では、市町村の地域公共交通会議や地域公共交通確保に向けた市町村との意見交換の場等において、路線バスやコミュニティーバス、乗り合いタクシーをどのように組み合わせたらよいのか、利便性をどのように高めればよいのか、一緒に検討するなど、地域の実情に応じた地域公共交通ネットワークの構築に向け、個々の市町村とともに取り組んでいるところです。
 さらに、今年度、初めての試みとしまして、地域住民にも参加をいただき、県内2カ所で地域公共交通研究会を開催し、公共交通の維持、確保のためには、まず地域住民の皆さんがバスなどを利用し、乗って残すことが大切だという意識の共有を図ったところです。
 今後とも、コミュニティーバスの運行など、持続可能な公共交通ネットワークの形成に向けて、市町村や事業者など関係者の方々と一緒になって取り組んでまいります。
○議長(藤山将材君) 立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕
○立谷誠一君 時代が変わるごとに新しいこういう課題というのが発生してきて、過去の時代の常でしたけれども、新しい取り組みが始まるときというのは結構混乱して、実はこの今のお話、本当にぜひそういう形で進めていただきたいというふうに思うわけですけど、そのときにやっぱり県民の皆さん方のきめ細かい意見に対して、きめ細かく地域の方々に寄り添った、皆さん方が希望される内容が反映したコミュニティーバスのあり方であってほしいなと。
 当局の皆さん、あるいは我々が何か提案していくときに、我々がこうしたいということになりがちなんですよ。でも、地域の皆さん方がどうしてほしいんかというあたりの視点がどうしても、これだったらいいだろうという形で、我々がこういう方針で、こういう内容で、こういうことでと提案するわけですけど、そこで一つ繰り返しで悪いですが、やっぱり地域の皆さん方がどうしてほしいんかという視点で物を見てほしい。そしたら、この大きな不満がこうした議場で、私たちがこうして強いてこんな時間を使って、このことの問題提起をするというふうなことはなくなっていくと思うんです。どうしても行政の皆さん方の視点で物を見た中で、それが住んでる皆さん方には、やっぱりかゆいところに手の届いた、そういう内容でない、このことが不満になってあらわれてくると考えますので、そこらあたりも十分御検討いただきたいと思います。
 次の質問に移らせていただきます。
 南海・東南海地震についてでございます。
 20年、30年後に来ると言われている巨大地震に伴う津波対策として、知事初め当局の皆さんは、高台へ逃げることを提唱しています。私も全く同じ考えです。
 しかし、その高台へ逃げ切るために必要な避難路の設置がほとんどできてないと私は感じています。そして、ほとんど進まない理由として、市町村によっては避難路設置のためのさまざまな要件が設定されており、これが速やかな整備が進まない原因となっていると考えています。例えば、防災団体をこしらえてほしい、それから費用が幾ら要るんだったら3割ぐらい地元が負担してくださいよとか、そういういろんなハードルを設けているわけですよね。この設置要件の大幅な緩和、あるいは削除を市町村に求めるべきだと考えますが、市町村の現状と県当局の見解をお伺いします。
 それから、山間部など遠隔地には、ヘリポートの設置などももっともっと進めるべきだと考えているんですが、このことについても現状と当局の御見解をお伺いいたします。
○議長(藤山将材君) 危機管理監藤川 崇君。
  〔藤川 崇君、登壇〕
○危機管理監(藤川 崇君) 県では、避難路の整備を津波避難対策の最重要施策と位置づけ、わかやま防災力パワーアップ補助金等により支援を行っております。
 東日本大震災以前の平成22年度では年間20カ所程度の整備であったものが、平成23年度から今年度末までの8年間で約850カ所の避難路が整備される見込みとなっております。
 避難路を整備するに際し、市町村では、津波避難困難地域などにおいては直接整備を行うとともに、自治会等がみずから整備する場合には、議員御指摘のように、定率または定額で補助する制度を設けている場合があります。
 県といたしましては、災害から県民のとうとい命を守る避難路整備をさらに推し進めていくため、市町村に対し補助要件の緩和等の助言を行うなど、引き続き全力で取り組んでまいります。
 次に、ヘリポートの設置についてでございますが、南海トラフ地震など大規模災害発生時におきまして、議員御指摘のとおり、土砂崩れ等により、陸路からのアクセスが寸断され孤立化する可能性の高い山間部などの遠隔地につきましては、ヘリコプターなど空路による救助、救援物資の輸送が行えるようヘリポートを整備しておくことは大変重要であると考えております。
 県では、速やかに自衛隊や緊急消防援助隊を初め、防災関係機関の応援を受け入れ、効率的、効果的な応急対策を実施するため、和歌山県広域受援計画におきまして、県内に342カ所のヘリコプターの発着予定地を定め、沿岸地域や山間地域など県内全域をカバーしております。
 県といたしましては、孤立化が見込まれる地域に対するヘリポート等の整備につきまして、市町村に対し、わかやま防災力パワーアップ補助金により支援を行っているところであり、引き続き安全・安心で命を守るヘリポートの整備に努めてまいります。
○議長(藤山将材君) 立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕
○立谷誠一君 答弁ありがとうございます。
 ちょっと今の答弁をお聞きして、1~2点、感じたことをお話しさせていただきます。
 まず1点目、今年度末までの8年間で850カ所の避難路が整備される見込みですということなんですが、僕は桁が違い過ぎると思います。単純に計算したら、今94万人の県民としたら、850カ所でしたら1カ所に1000人余り集中して避難路に入っていかなならん。これは、もっと地形であったりとかいろんなことがあるわけで、1カ所に1000人も殺到するような話ではありませんけれども、でも、私は思います。紀南のほうに、特に私たちから南のほうは3分や5分で来るって。それも30年から25年。あれからもう5~6年たったように思います。じゃ、もう15年から25年の間と違うかと。じゃ、いつやわからんやないのと、そう思うわけですよ。もうそこと違うかと。
 そのぐらいの危機感を持って、行政をつかさどる立場の我々は、やっぱり県民の皆さん方に本当に安心して命を守れる、そういう対策をとるとしたら、この850カ所というのがすごく数字の魔術で、850もあるのかよって見れる数字でもあったり。ただ、全体から見たときに、私は1桁も2桁も違うなと。
 たまたまですけど、きのう夜遅く、新宮から私の家にちょっと寄っていただいた方があって、その人といみじくもこんな話になったんです。私のほうから言い出したわけでないんですが、これ、津波もし来たら、新宮から白浜までの中で避難路って一つもよう発見せなんだ。国道42号線って海のはた走ってるわけですよ、皆さん御存じのとおり。これ、津波や何かて来たときに、車とめて3分以内に逃げていかなならんわけですけども、どこにあるんかもわからんし、避難路ってほとんど見かけなんだ、そんな状況です。
 海岸線で7万人も死ぬと言われてる。その方々に、1人でもそういう犠牲者を少なくしようと思えば、もっともっと整備計画というのは、整備というのは進めていただいてほしい。いつ来るやわからんから、そのうちにという話じゃなくて、いつ来るかわからんから、早急にやっておいてほしい、私はそんなふうに思います。
 市町村の、設置するのにいろいろ設けられてるハードルの話のことですけど、何でやろうなと。例えば、ちょっと置きかえてみて、車のガードレールであるとか、それから横断歩道、それから信号ですね。信号設置するときに地元の皆さん方に負担金を求めて、そんなに欲しいんだったら、あんたらが3割ぐらい負担してよ、地元で協議会でもこしらえて信号守るようにしてなと、そんなこといつでも聞いたことないですわ。それは信号がなければ危ないからですわ。命にかかわるからだろうと思います。
 ガードレールでもそうですよ。あんなんガードレール、国道だったり県道だったり市町村道だったりでありますけど、ガードレールつくって、それはもう地域に住んでる皆さん方が交通事故から守ろうとして、守る必要があるし、運転手も守らなきゃならない。だけど、ガードレールつくるときに負担金を求めたり、これせなんだら、あんたらが受益者になるんだから、これで皆さん方、近くに住んでる人が、例えば紀南に住んでる者が、東京の人がガードレールないから車ではね飛ばされて死んでしまった、そうじゃないですよね。やっぱり地元に住んでる方々が一番リスクの高い状態にあるわけだから、当然この理論からいうたら、ガードレール、地元の人の皆さん方に、あなた方のためにつくるんやろう、だから受益者の負担を、応分の負担をお願いしますねって、そんなことにはなってないと思うんです。
 この避難路もそういう意味で、やっぱり僕はむしろ行政のほうから、こことこことこことここにつくらしてくれませんか、行政が全て費用を持ってつくります、それがあなた方の生命と財産を守る一番の必要なことなんですからと、むしろそのぐらいの迫力を持ってこの整備を進めてほしいなと、そんなふうに思います。そんなふうなことを要望させていただきたいというふうに思います。
 もう一つのヘリコプターの離発着予定地というか離発着場ですね。これも342カ所と。この数字だけ聞いたら、すごい数、張りめぐらしてるんだなと思えるんですけど、和歌山県土の広さを見てくださいよ。その中で、特に我々の県は山間部が多くて、山、谷、山、谷あって、僕の知ってる地域も救急車呼んでから40分ぐらいかかりますわ。防災ヘリだったら、本当に15分、20分ぐらいで行けるようなとこが。そんなとこがまだ数多くあります。
 やっぱりもっともっとそういったことも調査もしていただいて、そこに住んでる皆さん方はヘリポートを求めています。そんなん年に一遍もあるわけでないかわかりませんけれども、やっぱりいざとなったときに、1分1秒、命を助けたってほしい、早く救急車来てほしいな、そのときに20分も40分も救急車来るような状況でしたら、生きてる者だって死んでいきますよ、本当に救急車呼ばんならんほどの重病な状態で電話をかけたとしたら。
 そんなふうなことも思ったときに、ましてこれから天候がスーパー台風やとか、わけのわからん天候異変の時代に突入してると私は考えてまして、そうした県民の皆さん方の不安の声のニーズに対しても真摯に対応を進めていただきたいとお願いをさせていただきまして、最後の質問に入らしていただきます。
 六つ目ですが、旧南紀白浜空港の跡地の利用についてです。
 平成25年12月議会で、跡地の防災拠点としての利用について質問さしていただきまして、当時、知事の答弁は、観光産業と相乗効果が図れる企業や施設の誘致用地として活用しつつ、誘致までの間は防災拠点として活用していく旨の回答でございました。その後、巨大地震の発生予測や被害予想などが変更され、全国的に相当の被害を受けることが明らかにされ、防災拠点用地の必要性と重要性はますます高まっています。
 旧南紀白浜空港跡地は、場所、位置、広さ、それから新たに造成することがないなどの視点も含めて、災害救援拠点として、この場所は比類がないと考えています。昨今の災害発生状況等を踏まえ、企業誘致用地ではなく、災害救援、そして防災拠点用地として確立していくことが必要と考えています。
 日本は、世界一の災害大国です。せめて国内に1カ所くらい、国民の生命と財産を守るために、いつも平時からヘリコプターや飛行機等が駐機し、災害発生時には直ちに全国各地に、あるいは東アジア各国の国難に対して直ちに救助活動に入れる体制があってもいいのではないかと常日ごろ考えています。
 東アジア各国では、まだまださきの大戦の後遺症が残っています。日本国憲法の中には「国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。」とあります。名誉ある地位を占める近道の一つは、世界各地で発生している自然災害で多くの人命が失われている現実に対し、災害支援や速やかな救助活動ができる日が来れば、国際社会からもたくさんの感謝の心や声をもらえることと信じるものでございます。知事の御見解をお伺いいたします。
○議長(藤山将材君) 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 旧南紀白浜空港跡地は、大規模災害が発生した場合に、自衛隊や緊急消防援助隊を初め、防災関係機関の多数のヘリコプターが全国から結集する広いスペースを確保できることから、もちろん物資その他も置いておけますが、県では現在の南紀白浜空港に加えて広域防災拠点に指定し、各機関の救助、救援活動の拠点として活用することとしております。
 一方、同跡地は、紀南地方に残された数少ない広大な土地であり、空港にも近いわけでございますので、本県を代表する観光地である白浜温泉の中心に立地しておるわけで、紀南地域全体の経済発展や活性化を考える上でも大変重要な土地でございます。経済発展とか雇用増とかに使わないともったいないということであります。
 跡地利用については、地元白浜町と連携を図りながら、観光地としての価値をより高めることを第一に考え、観光産業との相乗効果が図れ、できるだけ高い集客力を持ち、地元雇用の貢献も見込める施設の誘致を推進しているところでございます。
 昔、実は、地元出身の元国会議員の方が、ここに太陽光パネルを全部張れ、それを県の手厚い助成で行え、そういう業者さんがいるので助けろと、こういうような話がありましたが、これはちょっと雇用増とかにつながらないので、しかも県費を使ってなんていうのはちょっとおかしいですねといって抵抗しながらそのままになったという事件もありましたが、先ほど申し上げましたような考え方で、地元の発展、雇用増につながるようなものをできればつくっていきたいなというふうに思っております。
 このような誘致が実現するまでの間は、地の利を生かして広域防災拠点として、現在の南紀白浜空港とともに十分活用していきたいと思っております。
○議長(藤山将材君) 立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕
○立谷誠一君 知事の答弁に対して、正直な私の感想を申し上げましたら、全く残念です。一時、あそこにホテルをつくってとか、いろいろそんな話も言われたのを、いろんな人が言うてることを聞いたこともあるんですけど、今、ホテルの経営の環境の実態ってどんなんかというたら、ホテル、白浜温泉で一番多いときは47軒があったんです。今は26~27軒です。観光協会に入ってくれてるのは23軒。というのは、もうこれ以上ホテルつくっても経営が成り立っていかんからですよ。稼働率は40%から、最近はちょっと頑張ってるホテルは60%前後まで来てるらしいですけども、でも、ホテルの中で働いてる皆さん方の状況というたら、本当に厳しい。給料もかなり低い状況にあり、それからボーナス一つもなかなか出ない、そんな状態がもう20年も30年も続いています。新たなまたホテルがそこにできるようなことがあるとしたら、今あるホテルのどこそが潰れていかなきゃならない、そんな環境の状況の中に、実は白浜温泉の経済の状況はそういう状況なんですよ。
 僕は、そんなことの淘汰させていくような発想ではなくて、先ほど聞いていただきましたように、この土地というのはもっともっと社会に、世界に貢献できる、そういう視点で対応していただけたらなと思うわけです。知事がそういう私がお願いしたようなことの提案の方向性を考えていただけたとしたら、きっとこれ、すばらしい後世の時代に遺産を残していける、残してもらえたと私はそう思います。
 勝手なことを聞いていただきまして、一般質問を終わらしていただきます。(拍手)
○議長(藤山将材君) 以上で、立谷誠一君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 33番浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕(拍手)
○浦口高典君 皆さん、おはようございます。
 議長のお許しを得ましたので、通告に従い質問をさせていただきますが、今回、今期最後ということもあり、この4年間並びに健康長寿日本一わかやまについては8年間の総括として質問させていただきます。その分、質問項目が多少多くなりますが、できるだけ簡潔に行いますので、明確な御回答をやはり簡潔にお願いいたしたいと存じます。
 まず1番目に、人口減少問題についてでありますが、(1)県都和歌山市の人口減少の大きさについて。まず、健康長寿日本一わかやまの前提として、いつも述べておりますが、和歌山県の人口減少問題であります。
 お手元の資料2の右上をごらんください。
 ここに、右上に、小さいところでありますけれども、昨年10月1日現在の和歌山県の人口は約93万4000人まで減少いたしました。果たしてこの人口がいつの時代の人口と同じかと、ふと思いまして調べましたところ、資料1のとおり、昭和20年、つまり戦後すぐの人口が約93万6000人だということなので、もう既に終戦時より少なくなっているということであります。しかも、高齢化率を見ると、昭和20年で6.1%、平成27年10月1日現在で30.9%ということで、人口は終戦時とほぼ同じでも、高齢化率は5倍を超えているということであります。
 そのことを頭の片隅に入れてもらって、もう一度、配付資料2をごらんください。
 これは、1985年から2015年の30年間における人口減少率全国ランキングの表であります。もちろん、これは高い順なんですけれども、都道府県で和歌山県は全国7位ですが、都道府県庁所在市において、和歌山市は何と全国2位であります。減少率が非常に高いということであります。
 以前から、私自身、この県庁所在地である和歌山市選挙区の議員として、和歌山市が年々元気がなくなっていることを憂いており、他府県の様子も気にかかり、視察調査のとき、特にその県の県庁所在地を時間の許す限り1人で歩き、見聞きすると、それなりに人の行き来もあり、商店街もそれなりに繁盛しているように肌で感じることがたびたびありました。
 その証拠に、都道府県別では半数以上の24県で人口が減少していますが、県庁所在地ではその数が10市にとどまっております。これはとりもなおさず、県庁所在地が県内市町村からの就職や進学の受け皿となり、県外への人口流出を防ぐ、いわば人口のダム機能が発揮されていると考えられますが、残念ながら和歌山市では、この機能が果たされていなかったと言わざるを得ません。
 そこで、県都和歌山市の人口減少の大きさに対する県の現状認識と今後の対策について、企画部長、御所見をお伺いいたします。
○議長(藤山将材君) ただいまの浦口高典君の質問に対する答弁を求めます。
 企画部長田嶋久嗣君。
  〔田嶋久嗣君、登壇〕
○企画部長(田嶋久嗣君) 1985年以降における和歌山市の人口動態についてでございますが、まず、自然増減に関しましては、2002年までは増加が続いておりました。その後、2003年に自然減に転じまして、2017年では1732人の減少となっております。
 また、社会増減に関しましては、一貫して転出超過が続いております。1987年の2501人をピークとしまして、しかし、転出超過数のほうは縮減をいたしまして、2017年では322人となっております。
 人口減少に歯どめをかけていくためには、長期的な視点に立ち、自然減と社会減の両面から戦略的に施策を展開することが重要であると考えております。
 まず、自然減への主な対策としまして、子育て世代が安心して働くことができる職場の拡大など、社会全体で子育てを支援する仕組みを強化してまいります。また、経済的支援につきましても、本年10月から開始される国の保育料等無償化制度を取り入れて、充実を図ってまいります。
 社会減への主な対策としましては、本県への人の流れを創出する取り組みとして、和歌山市内中心部に四つの大学を誘致するとともに、町なか居住を誘導することを目的に、南海和歌山市駅前地区を初めとする市街地再開発事業に対する支援を行っているところです。
 次に、仕事をつくり働く場を拡大する取り組みとして、和歌山南スマートインターチェンジを初めとする道路インフラなどの社会基盤が整いつつある中、企業誘致をさらに推進するとともに、地元企業の産業競争力を高めるための取り組みを推進します。さらに、時代の潮流を捉えた地域を発展させる新たな要素として、和歌山マリーナシティへのIR(統合型リゾート)の誘致を進めてまいります。
 平成31年度新政策では、和歌山県の持つ潜在力を解き放ち、さらに前進するための施策を展開し、自然減と社会減の両面から人口減少問題に全力で取り組んでまいります。
○議長(藤山将材君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 部長、どうもありがとうございました。
 いろんな施策を進めているということはもう重々承知しておりますけれども、これから人口減少が本格的になってきます。特に、私は以前から申し上げてますとおり、2025年から団塊の世代の方が75歳になりますと、特に男性の方ががたがたがたっと消えてくる傾向、消えるというか、いわゆる亡くなっていくというのがデータ上、見られますので、ぜひ、そういったことを御認識いただいて、もちろん人口をふやすということの施策を講じることは大事なんですけども、減るという前提でいろんなことを考えていただいたほうがいいのではないかと思います。
 次に移らせていただきます。
 2番目、健康長寿日本一わかやまの実現についてでありますが、まず1番目、小中学生の体力の向上について。
 さて、これは勝手に言っているんですが、私のライフワークと言ってもいい、議員活動のメーンに掲げております健康長寿日本一わかやまの実現についてでありますけれども、これには以前から申し上げているとおり、決して中高年並びに老人の介護予防という問題だけではなく、子供のころからの体力づくりが大切であるということは言うまでもありません。
 そこで、平成24年9月定例会において、平成19年から23年の5年間、和歌山県の小・中・高校生の体力が一度も全国平均を上回ったことがないどころか、学年が上がるほど男女とも全国平均からかけ離れているという状況を指摘いたしました。
 そこで、教育委員会では、いろいろな工夫、努力を重ねた結果、去年12月21日の「毎日新聞」に、これでありますけれども、(新聞を示す)「全国体力テスト 男女とも平均上回る 過去最高得点 県教委──これはもちろん和歌山県教委ですが──向上への取り組み奏功」との見出しで、大変喜ばしい記事が載っておりましたが、現状と今後の取り組みについて、簡潔に教育長、お答えください。
○議長(藤山将材君) 教育長宮下和己君。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 小中学生の体力向上につきましては、議員御指摘のとおり、全国体力・運動能力、運動習慣等調査が開始された当時は、小中学校の男女とも体力合計点は全国平均を下回っており、特に中学生においては、全国平均との開きがかなり大きく、憂慮すべき状況でございました。
 そのような中、体力は人間のあらゆる活動の源であり、健康な生活を営む上で大変重要であることを再認識し、学校体育の充実と運動機会の拡大を2本柱としてさまざまな取り組みを行ってまいりました。特に、体力テストの結果をもとに県内全ての学校で体力アッププランを作成、実践し、体力向上PDCAサイクルの確立を図りました。
 また、体力アップモデル校による授業研究会や指導力向上研修会を開催するとともに、紀州っ子かがやきエクササイズ&ダンスの活用促進に努めてまいりました。あわせて、縄跳びなどの運動の記録をインターネット上で競い合うきのくにチャレンジランキングなども実施しております。
 これらの取り組みを各学校で教員が子供たちと向き合いながら継続的に実践してきたことから、今年度、全国体力調査の体力合計点が、小学校は男女とも7年連続で全国平均を上回り、全国順位は男子が16位、女子が11位でございました。中学校も男女とも2年ぶりに全国平均を上回り、全国順位は男子が25位、女子が21位であり、本県児童生徒の体力は着実に向上してきているものと考えてございます。
 今後とも、市町村教育委員会と一体となって、運動好きな児童生徒を育成し、さらなる体力向上に努めてまいります。
○議長(藤山将材君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 教育長、どうもありがとうございました。
 和歌山県もやっぱりやればできるんですね。これはいい証明でありますけれども、ただ、今も御説明ありましたように、全国的に見てまだまだ上がありますので、健康長寿日本一わかやまを目指す本県といたしましては、小中学校の体力向上にさらに努めていただきたいと要望しておきます。
 次に移らしていただきます。
 さて、そこで健康長寿日本一わかやまの実現のために、現役世代の健康づくりということで、平成25年2月定例会でミドルエクササイズを考案してはどうかと提案したところ、当時の西下教育長は「新たにミドルエクササイズをつくるのも一考ですが、誰もが経験したことがあり、手軽にできるエクササイズとして、その効果が見直されているラジオ体操が手軽にできるものとして有効である」と答弁され、それではということで、その後、和歌山県民の体力不足を解消し、少しでも健康長寿日本一わかやまに近づけるため、県事業にラジオ体操が取り入れられ、指導員育成や一般講習会を開催してきたことはわかっておりますけれども、まだまだ効果が見えてきたとは言えません。現状と今後の取り組みについて、教育長、御答弁をお願いいたします。
○議長(藤山将材君) 教育長。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) ラジオ体操指導員につきましては、今年度、県内2会場で実施した指導員養成講習会を受講し、新たに資格取得した113名を加えると526名にふえ、取り組みを始めた平成26年度から約500名の方を指導員として養成したところです。
 また、この方々のうち30名の方が自主的に地域グループや自治会などで指導され、ラジオ体操の普及に寄与いただいております。
 県では、健康づくり運動ポイント事業において、指導員を活用したラジオ体操の普及に取り組むとともに、市町村に対しましては、地域のスポーツ振興の担い手であるスポーツ推進委員がスポーツイベント等でラジオ体操を取り入れるよう努めているところです。
 来年度につきましても、本県で指導員養成講習会を実施することとしております。今後とも、議員御指摘のとおり、ラジオ体操が健康長寿日本一わかやまにつながるよう、普及、啓発に努めてまいります。
○議長(藤山将材君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 教育長、どうもありがとうございました。
 以前というか前回、前々回も私、和歌山市42連合自治会単位のラジオ体操の指導者を表にあらわして説明を求めましたけれども、現実的には非常にまだ手薄いというのが私の正直な感想でありますし、いろいろお話を聞いておりますと、打ち合わせのときにお話を聞いてると、そうは言いつつも、全国的に和歌山は非常に今ラジオ体操に熱心に取り組んでいるということはお聞きしておりますので、ぜひとも諦めることなく、このラジオ体操をさらに推進していただきたいと存じます。
 それでは、次に移らせていただきます。
 3番目、要介護認定率4年連続全国第1位についてであります。
 本県65歳以上の要介護認定率が、残念ながら4年連続で全国第1位ということが見込まれており、8年後に健康長寿日本一わかやまの実現を目指す本県にとっては大変大きな問題であります。この要因と対策について、福祉保健部長、御答弁をお願いいたします。
○議長(藤山将材君) 福祉保健部長山本等士君。
  〔山本等士君、登壇〕
○福祉保健部長(山本等士君) まず、本県の要介護認定率が4年続けて全国で最も高くなる原因としましては、高齢者の中でも、全国と比較し、介護サービスが必要となる年齢の高い方の割合や、高齢者世帯のうち介護者がいない単独世帯の割合が高いことなどが考えられます。
 次に、対策といたしましては、要介護認定者の約3分の1を占めている要支援1や要支援2の軽度の認定者に対し、自立を促す取り組みを積極的に進めていくことが肝要であると考えております。
 具体的には、軽度の認定者にとって自立につながる適切なケアプランを検討するための地域ケア個別会議の立ち上げを市町村に働きかけるとともに、会議を立ち上げた市町村に対しては、理学療法士など専門職を派遣し、ケアプランに適切なリハビリテーションなどを反映させ、このケアプランに沿った介護サービスを提供することにより、軽度の認定者が再び自立した生活を送れるよう取り組みを進めているところです。
 また、加齢に伴う運動不足や社会参加の減少などにより要支援や要介護状態になるのを未然に予防するため、わかやまシニアエクササイズやいきいき百歳体操等の運動を普及させるとともに、わかやま元気シニア生きがいバンクを活用し、高齢者の活躍の場を創出するなど、より多くの高齢者がみずから健康づくりに取り組むよう働きかけてまいります。
○議長(藤山将材君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 部長、どうもありがとうございました。
 要介護認定率4年連続全国第1位ということですね。それなりに理由があることはよくわかっておりますけれども、和歌山県は平成20年4月に健康長寿日本一わかやま、県としてもこれは長期総合計画の中に書いてあるわけでありまして、何もこれ、私が1人、独占してるわけでも何でもありません。県民の皆さんが共有しなきゃいけないし、もちろんその中心となって県庁の皆さんが頑張っていただかなきゃいけないのですけれども、正直なところ言いまして、もうそれから11年たちます。
 しかし、今この状況というのは、言ってみれば富士山に登ろうとして、2合目、3合目まで来たというよりも、入り口でうろちょろしてるというような感じで、どうしてもこれ、私は納得いかないんで、ぜひともこれ、4年連続はほぼ間違いないらしいんですが、5年連続、6年連続というふうにならないように、ぜひ気をつけていただきたいと思います。
 次に移らせていただきます。
 4番目、健康推進員、5年間で2500人について。
 健康推進員制度については、平成25年9月定例会において私が提案し、当時の中川福祉保健部長から、年間500人、5年間で2500人を目標に養成したいと御答弁をいただき、今年度がその最終年度になっております。
 また、私自身も和歌山市の健康推進員になっており、その感想として、決して活動は活発に行われていないなというのが正直な感想でありますけれども、現在の健康推進員の養成人数と活動実績について、福祉保健部長、お答えください。
○議長(藤山将材君) 福祉保健部長。
  〔山本等士君、登壇〕
○福祉保健部長(山本等士君) 健康推進員は、県が養成し、市町村長から委嘱を受けて活動する健康ボランティアですが、養成人数につきましては、最終年度である本年1月末現在、1732人であり、2500人の目標の達成につきましては残念ながら困難な状況です。
 その主な要因といたしましては、健康推進員の活動そのものの認知度が低く、なりたい人が少ないことなどが考えられます。
 このため、県では、昨年10月に開催したわかやま健康と食のフェスタにおいて、健康推進員から活動発表を行うとともに、市町村職員に健康推進員の活動を再認識してもらうため、今年度初めて各市町村ブースのパネルで、その活動を紹介したところです。
 今後も、引き続き「県民の友」や県のホームページなどで活動を広く県民に周知するなど、健康推進員の養成を行ってまいります。
 次に、健康推進員の活動実績につきましては、各市町村において、特定健診やがん検診の受診勧奨、生活習慣病予防に関する啓発チラシの配布、健康相談や健康づくりイベント開催時のサポートなどを行っております。
 その活動効果の例といたしましては、人口当たりの健康推進員が多い紀美野町や九度山町において、特定健診の各戸訪問による受診勧奨を行ったところ、制度開始前に比べて受診率が約4ポイント上昇したところです。
 しかしながら、議員御指摘のように、健康推進員の活動には市町村によって大きな差があるのも事実でございます。このため、昨年7月から9月にかけて職員が出向き、この活動を十分に理解していただいた上で、よりその活動を活発にしてもらうよう、全市町村長に直接働きかけを行ったところです。
 県としましては、今後とも市町村に健康推進員の活動による効果を認識してもらうため、担当者会議などで意見交換を行い、今後の運営のあり方についても検討してまいります。加えて、健康推進員に対しては、フォローアップ研修会を開催し、活動の活性化を図ってまいります。
○議長(藤山将材君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 部長、どうもありがとうございました。
 目標2500人で、現実には1732人ということで、達成率は69.2%です。ただし、この2500人という数字そのものが、この制度を私、現地に行って視察したときに──それは長野県でありますけれども、長野県は戦後すぐから保健補導員制度というのがあり、あそこは今、大体ざっくり言うと200万人ぐらいの人口ですから、そこで1万人ぐらいの保健補導員をお願いして、皆さんに活動していただいているということで、単純計算して、その半分以下の和歌山県では最初から2500人という数字は少ないんです。これ、全部達成したからといって長野県のレベルに達しないんですね。これは、あくまでも単純に数字だけで言うと、2500人どころか、その倍の5000人つくらなきゃいけないんですけれども、決して、これ、人数が少ないから悪いというわけじゃないんですけども、やっぱり県は目標として出したもんですから、しかもこの議場で当時の部長がおっしゃったことですから、ぜひともここで諦めずに、私も最大限協力はさせていただきますんで、ぜひともさらにパワーアップしていただくように要望しておきます。
 それでは、次に移らしていただきます。
 5番目、「みんなで実践!健康づくり運動ポイント事業」、8万人登録──これは知事の発言──についてでありますけれども、平成30年9月定例会において、健康長寿日本一わかやま実現のため、健康づくり運動ポイント事業の登録者数について、知事から、84万人の18歳以上の和歌山県民がいるということで、それだったらその1割ぐらいの8万人ぐらい獲得する気持ちで頑張りたいとの力強い御答弁をいただきました。
 そこで、あと8年後に「『健康長寿日本一わかやま』を実現します」と平成29年4月発表の和歌山県長期総合計画にも明記されておりますけれども、既に2年がたって、現時点での県民の皆さんの登録状況及び目標達成に向けての取り組みについて、福祉保健部長、御答弁をお願いいたします。
○議長(藤山将材君) 福祉保健部長。
  〔山本等士君、登壇〕
○福祉保健部長(山本等士君) 先ほど来、議員から健康長寿について、早く目標達成するために頑張れという叱咤激励を受けております。ただ、健康長寿を図っていくためには、県民一人一人みずからが、やはりそういった意識をしっかり持って日ごろの生活を送っていただくということが最も肝要かと考えております。そのための周知というんですか、県としてそういった自覚を持っていただくための周知というのが最も大切なことであり、一朝一夕というんですか、わずか数年程度で定着するものでないと考えておりますが、我々は一生懸命今後とも頑張ってまいりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 それでは、答弁なんですけども、「みんなで実践!健康づくり運動ポイント事業」の登録者数は、本年1月末現在、4390人となっております。県としましては、登録者数をふやすため、「県民の友」などの広報媒体による啓発を行うとともに、1カ月間に10万歩の達成者の中から抽せんで景品をプレゼントするキャンペーンなどを実施してきたところです。
 今年度からは新たに、全国健康保険協会和歌山支部と連携して、従業員の健康づくりに取り組むわかやま健康推進事業所の認定要件に健康づくり運動ポイント事業を加えて、事業所や大学、専門学校、病院等を訪問し、登録を働きかけてきたところであり、こうした取り組みにより、今後、登録者数が増加すると考えております。
 しかしながら、一方で、スマートフォン利用者を対象としたアンケート調査では、まだまだ認知度が低いという課題が明確になりました。このため、これまでの活動に加え、ラジオやテレビなど広報媒体を初めとした啓発をより一層行うとともに、健康推進員等を活用した勧誘や、スマートフォン利用者へのダイレクトメールによる配信など、さまざまな工夫を凝らしながら、登録者数の増加に向け積極的に取り組んでまいります。
 また、若者以外には自動で集計されるスマートフォンアプリがわかりにくく、付与されるインセンティブが乏しいという意見が寄せられているため、このインセンティブのあり方も含めて新たな手法についても早急に検討してまいります。
○議長(藤山将材君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 部長、どうもありがとうございました。
 これ、強調するわけじゃないんですが、この議場で知事が8万人ということを数字を挙げていただいて、非常に私は心強く思ったわけなんですけども、担当の部局の方にお聞きすると、目が飛び出るほどびっくりしたと。現実がわかってるだけに非常に厳しいということは事実でありまして、それをつけ加えておきますけれども。
 これもちょっと数字だけを追っかけて言いますと、知事が言ったこの8万人に対して1月末で4390人ということで、目標達成率5.5%、この調子で進めていくと──8万人登録するだけですよ、健康長寿日本一になるんじゃなくて──8万人登録するだけであと17年余りがかかり、とても8年後の健康長寿日本一わかやまは無理なことは明白であります。
 答弁にもありましたように、新たな手法について早急に検討することを私は強く要望しておきますので、そのことをよろしくお願いいたしたいと思います。
 この数字については、先ほどの健康推進員もそうですし、これは教育委員会のほうですが、ラジオ体操の地域での定着度についても、数字を追っかけていけばすぐわかることでありますので、今後もこの4月の統一選挙に皆さんと一緒に上げていただければ、私はこの議場で何回も同じことを聞きますんで、どうぞその覚悟だけ決めておいていただきたいと存じます。
 次に、6番、わかやまスムージーの普及について。
 次に、ふだん私が訴えている健康長寿日本一わかやまの実現のための課題として、先ほども述べましたように、要介護認定率が4年連続全国第1位で、また、和歌山県民は平均寿命も健康寿命も短いということがはっきりとする中で、その原因は、これは私なりの解釈でありますけれども、和歌山県民は、1番目、歩かない、2番目、野菜食わない、3番目、健診受けない、この「3ない」であると私は平素から訴えております。
 そのうち、野菜の摂取量をふやすために、和歌山県産の野菜を使ったわかやまスムージーをつくってはどうかと、私、初めてなりました農林水産委員会で発言、提案したところ、原農林水産部長は、スムージーは野菜を手軽にとる方法であると賛同していただいて、積極的に取り組む姿勢を見せてくれました。
 その後、9月、12月定例会でも、これは委員会のほうですけれども、そこでわかやまスムージーについて深掘りをし、質問並びにその方法を提案させていただいてきましたけれども、現在まで実際にわかやまスムージー、これはあくまで仮称なんですが、わかやまスムージーはどのような展開をし、今後どのように普及させていくのか、農林水産部長、お答えください。
○議長(藤山将材君) 農林水産部長原 康雄君。
  〔原 康雄君、登壇〕
○農林水産部長(原 康雄君) 和歌山県には、おいしくて機能性に富んだ食材が豊富なことから、県では「おいしい!健康わかやま」をキャッチフレーズにして県産食材のPRを行っているところであります。
 議員御提案のわかやまスムージーにつきましては、実は私も毎日飲んでおります。県産野菜の消費拡大につながるということで、野菜摂取に関して非常に豊富な知識を有するカゴメ株式会社の協力を得まして、信愛女子短期大学の学生さんに「日常的に」、「家庭で」、「続けられる」ということをコンセプトにしたわかやまスムージーのレシピを開発していただきまして、1月26日にイオンモール和歌山で開催された健康応援祭りでお披露目の試飲のイベントを開催したところであります。
 また、このレシピは、ホームページに掲載し、PRを行っているところでありますが、今後さらにレシピメニューを拡充し、家庭での消費を促すほか、ホテルやレストラン等へも呼びかけ、旬の県野菜や果実を使ったわかやまスムージーの普及を図ってまいりたいと考えております。
○議長(藤山将材君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 部長、どうもありがとうございました。
 和歌山県は果樹王国であるということは、もう皆さん、自他ともに認められていることでありますし、野菜については、果樹ほどではありませんけれども、質のよい野菜が和歌山でもとれて、まさにわかやまスムージーが定着すると、和歌山は果樹王国だけではなしに野菜天国であるというようなことを今後も外に対して訴えられるんではないかと。野菜の消費量がふえることによって、少しでも健康長寿につながるのではないかというふうに、私も思っておりますので、これからもそのことをずっと続けていただきたいと存じます。
 それでは、7番目の質問に移らせていただきます。
 7番目、ヘルスケア産業の育成、振興について。
 現在、国においても、「健康寿命の延伸と新産業の創出を同時に達成し、あるべき医療費・介護費の実現」を掲げ、高齢化の進展に対応した社会の構築を目指してヘルスケア産業の育成に取り組んでいますが、和歌山県においても健康長寿日本一わかやまを実現させるためには、ビジネス面からのアプローチも大変重要であると考えております。
 そこで、本県におけるヘルスケア産業の育成、振興について、商工観光労働部長、御答弁をお願いいたします。
○議長(藤山将材君) 商工観光労働部長山西毅治君。
  〔山西毅治君、登壇〕
○商工観光労働部長(山西毅治君) 本県では、健康推進や健康管理といったヘルスケアに関する産業を創出し振興していくことを目的に、平成29年10月に、わかやまヘルスケア産業革新プラットフォームを設立し、現在まで94会員の皆様が参画されています。
 当プラットフォームでは、会員間の連携、チームワークを促し、本県の新たなヘルスケア産業の創出を目指すため、会員からビジネスプランを募集したところ、七つのプランの提案があり、昨年6月に会員間のビジネスプランプレゼンテーション大会を開催いたしました。代表的なプランとして、「健康米による医療費削減効果の検証」には会員5団体が参加し、健康米の喫食について検証を開始したところです。
 また、本年2月4日には、設立1周年記念セミナーを開催し、経済産業省からはヘルスケア産業政策について、本県医師会からは認知症について、それぞれ講演をいただくとともに、ビジネスプランの取り組み内容について会員から発表がありました。
 本県としては、今後も新会員の参画及び新たなビジネスプランの提案を募り、本県のヘルスケアに係る課題解決や健康寿命延伸につながる産業創出とその振興に努めてまいります。
○議長(藤山将材君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 部長、どうもありがとうございました。
 私も、この2月4日にプラザホープで行われましたヘルスケアプラットフォームの1周年の発表会に出席をさせていただきました。大変和やかな雰囲気で、今お話ありました健康米の東洋ライスの雜賀社長や誤嚥性肺炎を防止するための「タン練くん」という機器をつくった歯科医師の笠原先生の発表を大変興味深く聞かしていただいて、非常に、和歌山でもこういった人がいるんだなというのを改めて認識した次第であります。
 これ、いつもこういうほかの産業ともかかわりあると思うんですが、新産業の創出とか、またそれによって和歌山県に雇用を生み出すということは非常に今後も大事なことだと思うんですが、特に和歌山、こういうピンチをチャンスにではありませんけれども、非常にさっきの要介護認定率日本一、4年連続なんていう余り声を大にして──私は声を大にして言ってますけれども──余り声を大にして言いたくないようなことが実際あることは事実なんですね。それだけに、ピンチをチャンスに変えるためには、ぜひこのヘルスケア産業みたいなものをある種特化して、集中的にやっぱり育成するということが、国のヘルスケア産業の育成というような政策だけではなしに、和歌山県、特にそこに力を入れたらどうかなというふうに思いますので、そのことを私のほうから提案し、また要望させていただきたいと存じます。
 それでは、最後に移らせていただきます。
 8番目、人生100年時代における健康長寿日本一わかやまの実現を目指す知事の哲学・フィロソフィーについてお聞かせいただきたいと存じますが、人生100年時代というのは、政府の人生100年時代構想会議などによって認識されるようになった言葉であり、このいわゆる超長寿社会において、人々がどのように活力を持って時代を生き抜いていくか、そして、全ての人が元気で活躍し続けられる社会、安心して暮らすことのできる社会をつくることが大変重要な課題となっております。
 その基礎となるのが、健康長寿日本一わかやまの実現でありますが、ここ数年の県の取り組み、ここで挙げましたラジオ体操、健康推進員、健康づくり運動ポイント事業などを見ておりますと、担当の職員の方々は一生懸命取り組んでいることは十分私は評価しておりますけれども、そこにあらわれた人数等、数字を見ますと、残念ながら日本一を目指すにはまだまだパワー不足であると言わざるを得ません。
 それらを総合的に見て、私は真に感じるのは、トップリーダーである仁坂知事の健康長寿日本一わかやまの実現にかける姿勢とその哲学が重要であると考えております。やる気はあるという姿勢は十分わかりますけれども、知事御自身のこのことについての哲学について、この議会を通じて、議員、職員、そして県民の皆さんに発信してください。よろしくお願いいたします。
○議長(藤山将材君) 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 内閣総理大臣を議長とする人生100年時代構想会議が平成29年12月に公表した中間報告によりますと、我が国では、2007年に生まれた子供の半数が107歳より長く生きると推計されておりまして、人生100年時代の世界一長寿社会を迎えると言われております。
 現在、県では、80歳現役社会の実現など、みんなが活躍できる社会づくりを目指して取り組んでいるところでございますけれども、さらに、人生100年時代を見据えて、元気で働きながら生きがいを持って暮らせる社会にしなければならないと考えております。
 そのためには、特に、高齢者の学び直しとしてのリカレント教育などの充実や、安心して暮らせるように医療や介護などのサービスを充実しなければなりません。また、スポーツ・文化芸術活動やボランティアを含む地域コミュニティー活動などに積極的にかかわり、人生を豊かに過ごせるようにしていくことも重要でございます。
 そして、豊かな人生を送るためには、何といっても健康であることが最も重要でございます。しかも、一人一人が人生の最後まで生き生きと生活できることが大切であると考えております。
 健康は、県の財産である人づくりには欠かせません。そして、この場合、最も重要なことは、体づくりを怠けていてはいつも反省をしている私自身を含めて、県民一人一人が健康意識の一層の高揚を図り、みずから主体的に健康づくりに取り組むことだと考えております。また、そのための怠け心を克服して、やる気が増すような仕掛けも考えて、施策を展開するのがいいと考えてるわけでございます。
 また、県としては、県民の皆様のさまざまなライフスタイルに合った健康づくりを支える政策を県民に身近な市町村と同じ目線に立って展開していくことが重要であると考えております。
 どうも最近、この分野で成績優秀の滋賀県を見ておりますと、市町村が首長が率先して競って取り組んでいるというところが見られます。したがって、県だけではなくて市町村と一緒に協力してやっていく姿勢をもっと出さなきゃいけないなというふうに思っております。
 その上で、今度は、学校、企業などの関係機関とも一致団結して、オール和歌山で子供から高齢者までの生涯を通じた健康づくりを推進し、いつかはきっと健康長寿日本一わかやまを実現してやろうと取り組む所存でございます。
○議長(藤山将材君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 知事、どうもありがとうございました。いつかはきっとじゃないです、8年後ですよ。8年後に日本一ですよ。私は、そのために一生懸命、今いろいろとやってるわけでありますが、本当に知事のすばらしい哲学を聞かしていただき感動しましたと、私、本来なら言いたいんですが、何か私が持ってる文書と、同じ文書がここにありますんで聞いたもんですから、それについて再質問はいたしませんけれども、やっぱり思うんです。我々と知事の立場は違うというのはようわかるんですが、人に動いてもらうということは、やっぱりその人の魂を揺り動かすと言うたらなんですけども、そういうもんがないとなかなか人って動かないと思うんですよ。
 いいことは、ずうっとこれ、もう11年言うてるわけですから。私まだまだ言いますよ、これから。まだ言いますけれども、これずうっと続けて、じゃ結果はどうなのかというたら、いつかはきっとじゃ困るんですよ。8年後に必ずなんです。そのために今一生懸命やっておりますんで、そのことを強く要望いたしまして、私の質問とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(藤山将材君) 以上で、浦口高典君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前11時47分休憩
────────────────────
  午後1時0分再開
○副議長(岸本 健君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 9番川畑哲哉君。
  〔川畑哲哉君、登壇〕(拍手)
○川畑哲哉君 皆さん、こんにちは。
 議長よりお許しをいただきましたので、通告に従いまして、私たちの議員活動が真っすぐに県民の皆様に伝わりますように、心を込めて一般質問を行わせていただきます。
 「桃李もの言わざれども下自ずから蹊をなす」。桃やスモモは何も言わないが、花や実を慕って人が多く集まるので、その下には自然に道ができるという意味の、私も大好きな「史記」の一節です。「人徳のある人のもとへは人が自然に集まるもの」とは、高校時代に3年間国語系教科を教わりました恩師より贈られた言葉でもございます。
 私の地元でも頑張っていらっしゃる事業所や企業は多く、中には県内、国内はもちろん、香港やオーストラリア、アメリカまで活動の場を広げている経営者もいらっしゃいます。
 そんな折、台湾の日本商品展へ例年出展しているうちに、先方より「和歌山商品展を開催しては」と御提案をいただくようになったとのお話をお聞きしましたので、昨年11月9日に台湾へ渡り、出展している地元事業者と合流した後に、新光三越百貨店にて開催されている日本商品展を視察いたしました。その夕刻には、新光三越百貨店有限公司本部を訪れ、荒川経理、荘課長と面談し、和歌山商品展開催に向けて意見交換をさせていただきました。
 すばらしい和歌山県産品はたくさんあるものの、流通させていくためには販路先の食文化を理解することと購買意欲を刺激する仕掛け等が必要である、日本文化人気ではあるが、「日本食展」等の大きなくくりでは集客が見込めなくなってきているので、「和歌山展」等、焦点を絞ったほうが今後は集客が見込める、その際には県が乗り気だと百貨店側も注力しやすい等の御意見をいただきました。
 引き続き先方とも情報交換等をしながら、まずは現実的なスモールスタートができるように進めていくことで形になっていくのではと思います。実現に向けて、諸先輩方の御協力もいただきながら、引き続き取り組んでまいります。
 台湾日程2日目の午前中は、出展者に御案内をいただき、中正記念堂を訪れて、1時間に一度の衛兵交代式を視察いたしました。閲兵式等の整然さで当該国の軍隊力がわかると聞いたことがありますが、少人数ながら衛兵交代式には毅然としたその立ち居振る舞いに感嘆しました。自国民であれば、心の底から衛兵を誇りに思うことでしょう。
 この日の午後からは故宮博物院を訪問し、とてつもない来館客数と所蔵品数とその規模に圧倒されました。国宝や重要文化財の数々を観覧している途上に見つけた「三国志演義」の一場面、長坂破で趙雲が阿斗を抱いて奮戦している図の版画にはすこぶる興奮を覚えました。
 そして、夕刻は、近ごろでは台湾のベストホットスポットになりつつあると言われている上引水産を訪問いたしました。和歌山県の黒潮市場やとれとれ市場をモチーフにしたのではとも思われる施設内では、買い物及び食事客で大変な喧騒となっていました。水産物、肉、野菜、果樹等の食卓物が全てそろい、外食文化の地元人が家族やアベックで大いに楽しまれているようです。日本食も多く、1個1000円ほどのリンゴを初め、高品質な高級産品もしっかり並んでいました。ぜひ和歌山県産品も並ぶように取り組んでいかなければいけないとの思いを強くいたしました。
 訪問中最後の日程として、夜は再び新光三越百貨店を訪れ、日本商品展の他府県のブース出展者と意見交換をさせていただきました。特に、FUN JAPAN社のスタッフとは東京プラスワン観光施策から進化させ、地方間での観光客誘致事業、すなわち日本三古泉、有馬温泉、道後温泉、白浜温泉をそれぞれの最寄り地方空港でつなぐ、いわゆる「三古湯物語」を展開できればと盛り上がりました。この事業は、昨年末に、岸本健第94代副議長、後藤暢子観光交流課長に御一緒していただき、東京はFUN JAPAN社にて初会合を行わせていただきました。こちらも引き続き、実現に向けて取り組んでまいりたいと思います。
 このたびは、急な日程立てにもかかわらず、有意義な視察とすることができました。滞在中もろもろの御手配をいただきましたセレネ社の岡本様初め、お世話になりました全ての皆様に心から感謝を申し上げます。
 振り返りまして思いますことは、本県も台湾、香港初めシンガポール、インドネシア、インドと当局の皆様の並々ならぬ意欲と御努力により販路を拡大しています。戦線が延びれば、兵糧を運ぶ兵たんをしっかりと確保することが、かの大軍師・諸葛亮孔明も重視した戦略の基礎でございます。とはいえ、限られた人員、予算の中では、物理的に可能な範囲も考えなくてはいけません。今後もベトナムやバングラデシュ、最後のフロンティアと呼ばれるミャンマーや、私がこの世の桃源郷を想起しましたウズベキスタン等、県産品の販路を拡大していく上で、県内事業者、企業の御努力を支援し、民間活力によって開かれる販路に県の旗をしっかりと立てていくことが効率的な県産品の販路拡大につながるのではと考えます。
 また、頑張っている人が頑張っていると正面から評価されなければ、その地域に頑張る人はふえないと思います。みんなで頑張って、みんなでより大きな果実を分けていく社会であるべきです。一企業としての販路ではなく、県産品の販路と捉えるための支援施策設計は、困難も伴うこととは思いますが、仁坂知事初め当局の皆様に、これまでよりさらに一歩踏み進める民間活力との連携施策を御検討いただきますことを御提言申し上げまして、私の頑張る県内事業所、企業の頑張る現場視察の御報告とさせていただきます。
 それでは、次の項目に入らせていただきます。
 本年1月15日、午前の便で関西国際空港を出発し、約5時間のフライトを経て、ベトナムはノイバイ国際空港へ到着いたしました。パスポートコントロールを優先通過させていただき、花束贈呈の熱烈な歓迎を受けて車で走ることおよそ30分、ベトナム人の技能実習生送り出し機関のチェン・ベト社へ到着し、ナム専務初め、大勢のスタッフの皆様にお迎えいただきました。
 このたびは、御紹介した地元企業がベトナム人技能実習生を受け入れるに際し、面接及び施設視察のために同行いたしました。面接に臨まれた技能実習生候補は皆様やる気満々で、日本語への勉強意欲は並々ならぬものがございました。若きベトナム人が「憧れの日本で働くチャンスを与えていただき、心から感謝します」と笑顔で語る人生の節目に立ち会えたことは感無量です。採用が内定したベトナム人若人たちには、ぜひ和歌山で有意義な技能実習ライフを送っていただきたいと思います。
 ベトナム訪問2日目は、チェン・ベト社の日本語学習施設となるKIEU MAIセンター(TMS)を訪れ、安福先生より施設内の御説明と御案内をいただきました。20クラスが開かれる中、30名のベトナム人教員と4名の日本人教員とによって授業を行い、3カ月ごとに試験を課し、半年で日常会話ができるほどまで習熟するそうです。生徒の皆様は極めて礼儀正しく活発で、1人の女生徒は政治家を志すと熱弁されていましたが、どうやら政治家よりも起業精神のほうが旺盛のようです。
 続いて、職業訓練センターを訪れ、ダン・ティ・ルン先生より施設内の御説明と御案内をいただきました。こちらでも生徒の皆様は農業から型枠工等の建設業、介護、縫製、溶接業等々、日本の企業から提供されたというツールをフル活用しながら熱心に学ばれていました。夜には、ナム専務が経営される和食レストランにてフェアウエル・パーティーを開いていただきました。
 このたびは、今期最後の政務調査と位置づけていましたが、極めて有意義な訪問となりました。滞在中、献身的に御協力いただきましたナム専務、キム部長、タン氏初め、チェン・ベト社の全ての皆様に心から感謝を申し上げます。
 ベトナム人の多くの皆様は、笑顔を絶やさず丁寧で、非常に穏やかな国民性をお持ちです。本県との交流もさらに活発化していただき、親しくおつき合いいただければと思います。
 日ごろより各企業人や事業者の皆様と意見交換をさせていただく中で、本県内でも各地、各業種で人手不足の深刻化が進んでいるように感じています。本県内の地域経済の活性化には、技能実習生を中心とする前向きで熱心な外国人材を、他府県に出おくれることなく良質な県内事業所、企業へとお引き合わせをすべきであり、そのためには良質な管理団体や紹介者が必要であるとの思いを強くいたしました。
 本年度9月定例会の場で、私は、ことし6月に訪れました愛知県の株式会社ノーリツイス・青木照護社長の「できる限りの機械化は検討しているが、どうしても手作業が必要な業務はゼロにはならない」、「以前は外国人労働者を雇って技術を教えても5年で祖国へ帰られてしまうという印象だったが、今では、少なくとも5年はみっちりと働いてくれるという印象で、日本人の大卒新人の場合は2~3年も続かずに会社をやめられてしまう場合も多々ある」というコメントを御紹介し、県内高卒新人の就職促進や就職支援施策についてお尋ねをいたしましたが、今回は、昨今のもう一つの大きな人材雇用施策である外国人材の受け入れについてお尋ねをいたします。
 近年、事業者、経営者の外国人材受け入れへの関心は飛躍的に高まってきているように感じています。本県における外国人登録者数は、法務省・在留外国人統計によりますと、労働者以外も含めてではございますが、平成16年からの15年の間にタイが約1.2倍、インドネシアが約2倍、ベトナムにおいては22.1倍にふえています。一方で、外国人材受け入れについては、最初の第一歩を踏み出せずにいたり、より多くの情報を求めていたりする事業所、企業もまだまだ多いように思います。
 今回視察をさせていただきました限りでも、多くの技能実習生は技能の習得や勤労への意欲は非常に旺盛で、真っすぐな情熱をお持ちです。また、本年4月に施行される新たな外国人労働者の受け入れ制度では、在留期間が最長5年で、技能実習の期間と合わせると最長10年の在留が可能となり、熟練した技能があれば、さらに長期の在留が可能となります。
 この新たな制度の創設については、国において取り組みが進められていますが、4月からの施行を控え、その情報を適切に県内事業所、企業に提供されることが重要であると私は考えていますが、当局はどのようにお考えでしょうか。商工観光労働部長の御答弁をよろしくお願い申し上げます。
○副議長(岸本 健君) ただいまの川畑哲哉君の質問に対する答弁を求めます。
 商工観光労働部長山西毅治君。
  〔山西毅治君、登壇〕
○商工観光労働部長(山西毅治君) 外国人材の受け入れを拡大する新制度については、昨年12月8日の出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律の成立を受け、政府は昨年12月25日に、新制度の運用のあり方を示した基本方針と、本年4月1日の施行から5年間の受け入れ見込み数を14分野、計34万5150人とする分野別運用方針を閣議決定いたしました。
 今回の新制度施行に当たっては、外国人材が医療や介護などの社会保障制度に及ぼす影響や悪質な仲介業者等の介在防止等について、国においてしっかりと制度設計を行うべきであると考えております。その上で、外国人労働者に対する報酬を日本人と同等以上に措置することや住宅の確保に向けて支援することなど、受け入れる各企業においても十分理解を深める必要があります。
 外国人材の活用は、企業や業界によって、不足する労働力を補完する一つの選択肢であり、受け入れを検討する県内企業に対して正しい情報を周知することが重要です。そのため県では、外国人材受け入れを希望する企業等を対象に、3月4日に法務省や関係省庁とともに制度説明会を開催するとともに、今後も外国人材の受け入れを考える県内企業が困らないよう、引き続き国に対し新制度に係る情報提供を求め、新制度の内容や受け入れ方法について、説明会等の開催や出前講座等のさまざまな機会を通じて周知をしてまいります。
○副議長(岸本 健君) 川畑哲哉君。
  〔川畑哲哉君、登壇〕
○川畑哲哉君 それでは次に、外国人材への住宅の確保について質問させていただきます。
 外国人材受け入れへの関心を飛躍的に高めてきている事業者、経営者の皆様が、給料面以外で特に気にされていますのは、ただいま部長の御答弁にもございましたが、住宅をいかに確保するかということと日本語がどの程度通じるかということでございます。
 最低賃金等、待遇面で開きのある他府県や大都市圏と競合していくことを鑑みますと、外国人材の本県内への受け入れを促進するためには、容易に住宅を確保できる環境を整備して、働きやすい及び生活しやすいという印象を発信することが極めて効果的ではないかと私は考えています。
 生活しやすいために、生活の拠点となる住宅の確保、住宅に隣接した食料や日用品の入手がしやすい生活環境のほか、医療環境、教育環境、役所、企業、法律家その他の連携、地域住民の受け入れ意識等、総合的な住環境の充実が考えられます。中でも、地域の一員として生活しようとされている外国の方にとって、適切な価格で住宅を確保することは、安定した生活を築く上で重要ではないかと私は考えています。また、外国人材を雇用される企業だけではなく、外国人材が地域住民として居住されることによる人口増の効果は、地元住民の皆様にとりましても、地域のにぎわいや生活環境の維持等、好循環につながるのではないでしょうか。
 もちろん、外国人材への住宅の提供を今後新たなビジネスチャンスとして取り組まれる民間事業者の企業努力に期待するところも大きいわけではございますが、県としても、県内他市町村に先駆けて、団地住民と外国人とのコミュニティー形成に取り組み、課題や対応方法を収集することも外国人材の県内受け入れの推進には有効なのではないかと考えています。
 そこで、最初の取り組みとして、外国人材の受け入れに対応すべく、県営住宅のうち応募倍率の低い団地の空き家対策の一手法として、空き住戸を企業の社宅に活用する等、検討すべき点があると思いますが、当局のお考えはいかがでしょうか。外国人材への県営住宅を活用した住宅確保の支援策について、県土整備部長の御答弁をよろしくお願い申し上げます。
○副議長(岸本 健君) 県土整備部長髙松 諭君。
  〔髙松 諭君、登壇〕
○県土整備部長(髙松 諭君) 県営住宅の外国人材受け入れ先としての活用につきます御質問をいただきました。
 公営住宅につきましては、住宅に困窮する低額所得者に対しまして低廉な家賃で賃貸をし、生活の安全と社会福祉の増進に寄与することを目的としてございます。このため、公営住宅の入居につきましては、所得が低いなど一定の条件を満たす方を対象に公募を行った上で決定しているところでございます。
 議員から御指摘がございました応募倍率の低い団地の空き住宅を社宅に活用することは、県営住宅の目的外使用となりますが、この目的外使用の許可につきましては、現在、大規模災害などの被災者や犯罪被害者に限定しているところでございまして、外国人材の受け入れのための社宅として許可を行うことは、現時点では困難であると考えております。
 県営住宅の活用拡大に関しましては、先ほども申し上げましたとおり、居住のセーフティーネットという県営住宅が有する本来の役割がございますので、今後、国の動向などを見て慎重に検討する必要があると考えております。
○副議長(岸本 健君) 川畑哲哉君。
  〔川畑哲哉君、登壇〕
○川畑哲哉君 先ほど申し上げましたが、外国人材受け入れへの関心を高めてきている事業者、経営者の皆様は、受け入れる外国人材に日本語がどの程度通じるかということも気にされています。私がベトナムで実際に面接をさせていただいたほとんどの技能実習生候補が、「余暇はさらなる日本語学習に取り組みたい」と答えていました。
 一方で、技能実習生や外国人労働者等の外国人材の多くは、移動手段が徒歩か自転車と限られています。県でも新政策として学び直し事業を進められたり、和歌山県国際交流センターでも在住外国人支援事業に取り組まれたりされていますが、移動手段や学習時間の限られる外国人材にとって必要とされる日本語学習環境とは、例えば御近所のコミュニティセンターや公民館等で気さくに開催される日本語学習講座や生活者としての日本語を学ぶような教室ではないかと思います。
 また、「日本にはインターナショナルスクールが少ないことから家族で来日しにくく、どうしても単身赴任になりがちだ」と、インド日本友の会のクンナ・ダッシュ会長もおっしゃっていましたが、外国から小さな子供のいる家族で和歌山へ来られますと、当然地元の学校に外国人の子供が通うことになります。今後、このようなケースもふえることを想定しますと、学童保育のような環境で日本語学習ができるようにコミュニティスクール等、地域社会とも連携を密にしていく必要があるのではと考えています。
 一昨夜、地元のコミュニティセンターを訪れ、近畿大学生物理工学部の服部圭子准教授が中心になって運営されている多文化オアシス・にほんごおしゃべり会を視察させていただきました。アメリカやインドの子供たちと地元の方や大学生が一緒になって会話を楽しまれている様子を拝見し、すぐそこまで来ている多文化共生社会の姿を見たような気がしました。
 働く意欲と期待を胸に来日する外国人材の皆様が、日本の働き場において、また日本の社会において、日本に失望することなく、日本人従業員とともに働き、地元の方とともに生活する喜びを感じていただきながら、長期的に働くことができる受け入れ体制を整えることが必要だと感じます。
 外国人であっても同じ人間であり、同じ地球人です。外国人材とのより豊かな共生社会を構築し、地域経済や地域社会のさらなる発展のために、御家族も含めた外国人材への就労後の日本語学習支援につきまして、仁坂知事初め当局の皆様には、引き続き調査研究を進めていただき、コーディネーターの配置や地元と教育委員会とのさらなる連携、また、対応する教員の確保、研修等も含めて御検討いただきますことを強く要望申し上げます。
 それでは、次の質問に入らせていただきます。
 2年前の予算特別委員会におきまして、企業交流型婚活イベントの仕組みについて質問させていただいた際にも御説明申し上げましたが、「婚活」とは、就職活動をあらわす「就活」になぞらえた言葉で、結婚相手を見つけるための積極的な活動のことを意味します。合コンやお見合いパーティーへの参加、結婚相談所や情報サービス会社への登録など、さまざまな活動がございますが、2008年3月に刊行された山田昌弘中央大教授とタレント白河桃子さんの共著「『婚活』時代」がこの言葉の火つけ役と言われています。
 本県だけでなく、我が国が抱える喫緊の課題であります少子化を食いとめるためには、より多くの出会いを創出することが重要であり、独身の皆様にも積極的な婚活を行っていただくことが望まれます。
 一方で、出会いや結婚はデリケートでプライベートな議題でもあります。個人情報の保護という言葉が誇大標榜されるようになってお見合いが実施されにくくなり、御活躍されたおせっかいマダム、おせっかいムッシュが活動の場を狭められたことも、近年の晩婚化が進み、少子化を促進させた一つのゆえんであろうと私は推察をしております。
 お見合いや仲人というシステムが古き因習として面倒くさがられ出した反面、結婚への決断を促したり、離婚を思いとどまらせたりする防波堤的な役割を果たしてきたりしたことも事実なわけでございます。そして、時は流れ、合コン全盛の時代から婚活イベント全盛期へと入り、今や各地で自治体、各種団体が主催する婚活イベントが多様化してきています。
 私たちが地元のチームで2016年夏に開催しました「おせっかい過ぎる婚活事業」では、男女の参加要件を限定し、各参加者にアテンドスタッフを1名ずつ配置して、共同体験事業から告白作業までお手伝いをさせていただきましたところ、世の婚活イベントの30%台のアベック成約率を大きく上回る60%の成約率を果たし、各方面から反響をいただきました。そこで、リクエストにお応えする意味も込めて、昨年12月に「第2回おせっかい過ぎる婚活事業」を計画し、前回と同じく男性は35歳から42歳の年収400万円以上、女性は30歳から42歳、会費は一律7000円とし、わかやまポンチづくり体験を中心とした事業内容で募集しましたところ、都合男女計9名での開催となりました。
 前回に続き、今回も各参加者に同性のアテンドスタッフを1名ずつ配置したところ、あるハイスキルなスタッフは、事前に参加者とアクセスして衣装をコーディネートし、当日はスタッフ愛用の香水まで用意する等して、各スタッフはアテンドする参加者の背中を押し続けました。圧巻は告白タイムでございました。当初は、前回からの反省点として女性からの告白としていましたが、土壇場で女性陣の総意により男性側からの告白となり、男性参加者の中には告白する相手を決め切れない方もいらっしゃいました。そんな場面も想定していた私たちは、事前にアテンドスタッフが各参加者の第1、第2印象相手を聞き出し、よりアベック成約確率が高まる告白の組み合わせをシミュレーションした上で、男性の参加者と膝詰めで面談をして告白相手を決定していただきました。
 ところが、それでも参加者御本人の御意向により、2人の男性が1人の女性に告白するという事態も発生し、加えて、女性が判断し切れないという非常事態にも発展しましたが、女性側のアテンドスタッフが適切に別室へ参加者を誘導して相談に乗り、まさにオーダーメード型の対応へと導くことに至りました。加えて、成約したアベックには、アテンドスタッフが主導して初めてのデートの日までその場で調整させていただきました。
 結果、またもや50%という高いアベック成約率となり、そのうち1組は今も順調に交際を続けていらっしゃるということで、私の悲願でもあります仲人のお引き受けが近づいてきているのではとお二人のいやさかを心から御期待申し上げているところでございます。
 これらの経験則から、いつの時代でもおせっかいへのニーズは確かに存在し、そのニーズには丁寧にして大胆なおせっかいを提供することが極めて重要であると考えています。各地で多くの婚活イベントが開催されていますが、自治体や各種団体等の社会的立場のかたい団体が主催するイベントには、参加者が集まりやすい反面、おせっかいを導入しにくくなります。一方で、フランクな団体が主催するイベントにはおせっかいを導入しやすい反面、参加者を集めることに苦労することも出てきます。私たちの「おせっかい過ぎる婚活事業」では、参加者の定数を4名程度ずつと限定した上で、スタッフによる紹介や事前面談等により、丁寧に参加者を募っています。とにかく、あらゆるおせっかいを随所にちりばめることが皆様の幸せをアシストすることにつながるのではないでしょうか。
 そんな思いを込めて、福祉保健部長にお尋ねいたします。婚活事業について、どのような御認識をお持ちでしょうか。また、本県の婚活支援事業を充実させるべく、今後どのような取り組みをされるのでしょうか。御答弁をよろしくお願い申し上げます。
○副議長(岸本 健君) 福祉保健部長山本等士君。
  〔山本等士君、登壇〕
○福祉保健部長(山本等士君) 直近の国の統計によりますと、本県の平成27年の生涯未婚率は男性20.63%、女性12.85%であり、また、平成29年の平均初婚年齢は男性30.2歳、女性28.7歳であり、依然として未婚化、晩婚化の傾向が見受けられます。
 少子化の大きな要因であるこうした未婚化、晩婚化の流れを変えるためには、結婚支援は重要な施策の一つであると認識しており、県では婚活イベントを平成25年度から毎年10回、県内全域で実施してきたところです。これまでのイベント参加者へのアンケートの結果によれば、異性に話しかけるタイミングや、どのような話をしていいかわからないといったような声が多く、コミュニケーションのとり方についての課題が明らかになったところです。
 そこで、今年度からイベントへの参加要件として、結婚カウンセラーによる積極的にみずから行動するための意識の持ち方やコミュニケーションのとり方などの研修の受講を必須とした取り組みを試行しているところです。加えて、県で登録している結婚サポーター9名に各イベントに参加してもらい、場になじめていない参加者がいる場面や参加者同士で会話が弾んでいない場面では、会話のきっかけづくりやアドバイスなど、カップリングへの後押しを行っています。
 こうした新たな取り組みにより、今年度のカップル率は、これまでの平均35%を上回る40%となったところです。
 県としましては、婚活イベントを効果的な出会いの場とするために、参加者みずからが意識して積極的に行動できるよう、引き続き意識啓発に取り組んでまいります。
○副議長(岸本 健君) 川畑哲哉君。
  〔川畑哲哉君、登壇〕
○川畑哲哉君 県民の皆様の幸せのために、どうぞ引き続きよろしくお願い申し上げます。
 それでは、最後の項目に入らせていただきます。
 2016年12月定例会に続き、和歌山県立近代美術館の活性化に向けた取り組みについて御質問申し上げます。
 前回質問させていただいた後も、大分県立美術館、沖縄県立博物館・美術館、鳥取砂丘砂の美術館、新潟市美術館、徳川美術館、済州市PLAY BOX、竹久夢二伊香保記念館、川崎市市民ミュージアム、台湾・故宮博物院等、各地の美術館や博物館を視察してまいりました。どちらの館も、規模の大小にかかわらず、独自の取り組みに邁進され、また、自館への誇りを持って運営に当たられている熱意が伝わってきました。
 我らが和歌山県立近代美術館は、昭和38年3月、和歌山公園内二の丸跡に設立された和歌山県立美術館が拡大発展し、昭和45年11月2日、県民文化会館1階に、我が国で5番目の近代美術館として開館。そして、平成6年7月8日、現在の場所であります和歌山大学教育学部跡地に黒川紀章先生による意匠を凝らしたデザインで、新県立近代美術館として開館しました。和歌山城の歴史的な意匠を取り入れた共生の思想を反映させ、和歌山県立博物館とともに、公共建築100選にも選ばれています。日経新聞社発行の「五つ星の美術館」では、学芸力関西第3位、また総合力では関西第4位。そして、平成30年度都道府県立美術館基本調査票に基づく収蔵品点数では1万4229点として全国第4位という、本県が全国に誇る近代美術館であり、2020年には開館50周年を迎えます。建物、収蔵品、学芸力というすばらしい資源を有する県立近代美術館のポテンシャルをさらに引き出し、今以上に活性化させることが、本県の県勢発展に必須の文化レベル向上につながり、そのためにも人、予算の一層の拡充をすべきであると私は考えています。2年後には紀の国わかやま文化祭2021が開催されることもあり、今まさにその絶好の時期が到来しているのではないでしょうか。
 そこで、和歌山県立近代美術館が有するポテンシャルをさらに引き出して磨いていくための県のお考えや取り組み状況についてお尋ねいたします。また、新政策の大規模展覧会及び「芸術に親しもう!」はどのような取り組みでしょうか。教育長の御答弁をどうぞよろしくお願い申し上げます。
○副議長(岸本 健君) 教育長宮下和己君。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 近代美術館の活性化に向けた取り組みについてでございますが、まず、紀の国わかやま文化祭2021を2年後に控え、通常3年に1度となっている大規模展覧会を3年連続で開催することを検討してございます。来年度は、プラハ国立美術館の協力のもと、日本の美術がチェコの近代美術に与えた影響を紹介する大規模展覧会「チェコのジャポニスム」を予定しており、さらに、2020年、2021年と連続して大規模展覧会を開催していきたいと考えてございます。
 また、美術館が持つ資源をさらに活用するために、来年度から3カ年の計画で「芸術に親しもう!」と題した新規事業に取り組んでまいりたいと考えております。これは、近代美術館への来館が困難な地域の中学生を対象に、その地の文化施設で展覧会を開催するとともに、学芸員や活躍中の作家が出向いてワークショップを行うなど、芸術に親しみ、体験できる機会を充実させることで、将来的に美術館への来館を促すものでございます。
 これらの取り組みを契機として、それ以降もさまざまな補助金の活用や県内外の美術館との連携も図りながら、展覧会の内容を充実させるとともに、ワークショップやコンサートなどの関連事業にも取り組み、知恵と工夫により、多くの人々が訪れ、学び、楽しむことができる魅力的な美術館となるよう努め、県全体の文化レベルの向上につなげてまいります。
○副議長(岸本 健君) 川畑哲哉君。
  〔川畑哲哉君、登壇〕
○川畑哲哉君 文化レベル向上に向けて一層の御尽力を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 教育長の御答弁にもございましたが、今後3年間は大規模展覧会が続き、県立近代美術館の活性化に向けて大いに期待されるところではございますが、イベント的な予算だけではなく、基礎的な人、予算の一層の拡充により、着実な文化レベル向上へとつながっていくのではと思います。
 文化や芸術であったり、それらへの共感であったり、教育であったり、故郷を思う気持ちであったり、このような見えない資本への投資について、仁坂知事初め当局の皆様方のさらなる御理解を改めて心から御要望を申し上げまして、平成最後の、また、今期としては最後となります、私の人生8度目の一般質問を終了させていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(岸本 健君) 以上で、川畑哲哉君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 次会は2月25日定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後1時36分散会

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