平成31年2月 和歌山県議会定例会会議録 第3号


平成31年2月 和歌山県議会定例会会議録

第3号(全文)


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平成31年2月
和歌山県議会定例会会議録
第3号
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議事日程 第3号
 平成31年2月20日(水曜日)
 午前10時開議
 第1 議案第18号から議案第33号まで、議案第85号及び議案第89号(委員長報告・同質疑・討論・表決)
 第2 議案第1号から議案第17号まで、議案第34号から議案第84号まで、議案第86号から議案第88号まで及び議案第90号から議案第104号まで(質疑)
 第3 一般質問
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会議に付した事件
 第1 議案第18号から議案第33号まで、議案第85号及び議案第89号(委員長報告・同質疑・討論・表決)
 第2 議案第1号から議案第17号まで、議案第34号から議案第84号まで、議案第86号から議案第88号まで及び議案第90号から議案第104号まで(質疑)
 第3 一般質問
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出席議員(40人)
 1番 中西峰雄
 2番 秋月史成
 3番 立谷誠一
 5番 前芝雅嗣
 6番 花田健吉
 7番 井出益弘
 8番 宇治田栄蔵
 9番 川畑哲哉
 10番 玉木久登
 11番 濱口太史
 12番 鈴木太雄
 13番 尾﨑太郎
 14番 藤山将材
 15番 尾崎要二
 16番 中村裕一
 17番 岩田弘彦
 18番 中本浩精
 19番 山本茂博
 20番 岸本 健
 21番 冨安民浩
 22番 吉井和視
 23番 堀 龍雄
 24番 中 拓哉
 25番 森 礼子
 26番 服部 一
 27番 谷 洋一
 28番 新島 雄
 29番 岩井弘次
 30番 多田純一
 31番 片桐章浩
 32番 藤本眞利子
 33番 浦口高典
 34番 山下直也
 35番 山田正彦
 36番 菅原博之
 37番 谷口和樹
 38番 奥村規子
 39番 雑賀光夫
 41番 坂本 登
 42番 長坂隆司
欠席議員(なし)
〔備考〕
 4番 欠員
 40番 欠員
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説明のため出席した者
 知事         仁坂吉伸
 副知事        下 宏
 知事室長       宮﨑 泉
 危機管理監      藤川 崇
 総務部長       田村一郎
 企画部長       田嶋久嗣
 環境生活部長     山田成紀
 福祉保健部長     山本等士
 商工観光労働部長   山西毅治
 農林水産部長     原 康雄
 県土整備部長     髙松 諭
 会計管理者      中西 淳
 教育長        宮下和己
 公安委員会委員長   溝端莊悟
 警察本部長      檜垣重臣
 人事委員会委員長   平田健正
 代表監査委員     保田栄一
 選挙管理委員会委員長 小濱孝夫
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職務のため出席した事務局職員
 事務局長       田村公一
 次長         糸川 徹
 議事課長       松山 博
 議事課副課長     山田修平
 議事課議事班長    岸裏真延
 議事課主任      保田良春
 議事課主査      伊賀顕正
 議事課主事      浅田晃秀
 議事課主事      大森圭悟
 総務課長       田中健司
 政策調査課長     中平 博
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  午前10時0分開議
○議長(藤山将材君) これより本日の会議を開きます。
 日程に先立ち、諸般の報告をいたします。
 過日提出のあった議案第36号から議案第41号まで、議案第77号及び議案第82号は、いずれも職員に関する条例議案でありますので、地方公務員法第5条第2項の規定により人事委員会の意見を徴しましたところ、文書により回答がありました。お手元に配付しておりますので、御了承願います。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前10時0分休憩
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  午前11時0分再開
○議長(藤山将材君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 日程第1、補正予算等議案議案第18号から議案第33号まで、議案第85号及び議案第89号を一括して議題とし、順次、常任委員会委員長の報告を求めます。
 農林水産委員会委員長川畑哲哉君。
  〔川畑哲哉君、登壇〕(拍手)
○農林水産委員会委員長(川畑哲哉君) 農林水産委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案3件であります。
 委員会は、2月15日、第4委員会室において開催し、当局から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第18号、議案第19号及び議案第85号については全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 以上をもちまして、農林水産委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願い申し上げます。(拍手)
○議長(藤山将材君) 建設委員会委員長中西峰雄君。
  〔中西峰雄君、登壇〕(拍手)
○建設委員会委員長(中西峰雄君) 建設委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案6件であります。
 委員会は、2月15日、第5委員会室において開催し、当局から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第18号、議案第25号、議案第26号、議案第29号、議案第85号及び議案第89号は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、委員会審査における質問項目を申し上げますと、県営農道整備事業について、雑賀崎地区の港湾施設整備事業について、すさみ串本道路先行取得事業について、工事箇所表の記載について、防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策について、地籍調査事業についてであります。
 以上をもちまして、建設委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願い申し上げます。(拍手)
○議長(藤山将材君) 文教委員会委員長多田純一君。
  〔多田純一君、登壇〕(拍手)
○文教委員会委員長(多田純一君) 文教委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案2件であります。
 委員会は、2月15日、第6委員会室において開催し、当局から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第18号及び議案第21号は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、委員会審査における主な質問項目等を申し上げますと、修学奨励金特別会計について、教職員の処分についてであります。
 以上をもちまして、文教委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願い申し上げます。(拍手)
○議長(藤山将材君) 総務委員会委員長秋月史成君。
  〔秋月史成君、登壇〕(拍手)
○総務委員会委員長(秋月史成君) 総務委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表記載のとおり、議案6件であります。
 委員会は、2月15日、第1委員会室において開催し、会計局、人事委員会、監査委員、選挙管理委員会、議会事務局、知事室、企画部、総務部の順に当局から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査しました結果、議案第18号、議案第22号、議案第27号から議案第30号までは全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、委員会審査における主な質問項目を申し上げますと、企画部関係では、IR誘致に向けた交通量調査について、総務部関係では、寄附金収入についてであります。
 以上をもちまして、総務委員会の報告を終わらせていただきます。何とぞ、適切な御決定をお願い申し上げます。(拍手)
○議長(藤山将材君) 福祉環境委員会副委員長谷口和樹君。
  〔谷口和樹君、登壇〕(拍手)
○福祉環境委員会副委員長(谷口和樹君) 福祉環境委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案3件であります。
 委員会は、2月15日、第2委員会室において開催し、福祉保健部、環境生活部の順に当局から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第18号、議案第23号及び議案第31号は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、委員会審査における主な質問項目等を申し上げますと、福祉保健部関係では、長寿社会課における職員費の減額について、自殺対策における国庫支出金の減額について、病床機能の分化・連携のための体制整備事業における補助金の減額について、環境生活部関係では、水道施設整備指導事業における交付金の減額について、環境政策局内における職員費の減額についてであります。
 以上をもちまして、福祉環境委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願い申し上げます。(拍手)
○議長(藤山将材君) 経済警察委員会委員長岩田弘彦君。
  〔岩田弘彦君、登壇〕(拍手)
○経済警察委員会委員長(岩田弘彦君) 経済警察委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案5件であります。
 委員会は、2月15日、第3委員会室において開催し、商工観光労働部・労働委員会、公安委員会の順に当局から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第18号、議案第20号、議案第24号、議案第32号、議案第33号は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、委員会審査における主な質問項目等を申し上げますと、商工観光労働部・労働委員会関係では、木質バイオマス発電への支援について、南紀白浜空港への国際チャーター便の催行中止について、工業技術センター費の減額内容についてであります。
 以上をもちまして、経済警察委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御决定をお願い申し上げます。(拍手)
○議長(藤山将材君) 以上で、常任委員会委員長の報告が終わりました。
 これより委員長報告に対する質疑に入ります。
 質疑はありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(藤山将材君) 質疑なしと認めます。
 お諮りいたします。ただいま議題となっております案件については討論の通告がありませんので、これより直ちに採決いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(藤山将材君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
 これより採決に入ります。
 まず、議案第24号及び議案第85号を一括して採決いたします。
 本案に対する委員長報告は、いずれも原案可決であります。
 本案をいずれも委員長報告のとおり決することに賛成の諸君は、御起立願います。
  〔賛成者起立〕
○議長(藤山将材君) 起立多数であります。よって、本案はいずれも原案のとおり可決されました。
 次に、議案第18号から議案第23号まで、議案第25号から議案第33号まで及び議案第89号を一括して採決いたします。
 本案に対する委員長報告は、いずれも原案可決であります。
 本案をいずれも委員長報告のとおり決することに賛成の諸君は、御起立願います。
  〔賛成者起立〕
○議長(藤山将材君) 起立全員であります。よって、本案はいずれも原案のとおり可決されました。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前11時11分休憩
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  午後1時0分再開
○議長(藤山将材君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 日程第2、議案第1号から議案第17号まで、議案第34号から議案第84号まで、議案第86号から議案第88号まで及び議案第90号から議案第104号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第3、一般質問を行います。
 41番坂本 登君。
  〔坂本 登君、登壇〕(拍手)
○坂本 登君 議長のお許しをいただきましたので、平成31年2月定例会トップバッターとして、自由民主党県議団を代表いたしまして一般質問をさせていただきたいと思います。
 2月議会は予算議会でもあります。4期目を迎えた仁坂県政、そのスタートに当たっての平成31年度予算、これまで手がけてきた数々の施策の総仕上げの予算、同時にまだまだ残る多くの課題に対する新たな仕込みをするための予算、開会冒頭の知事の説明にその意を感じるところでありましたが、改めて各般にわたり、順次、知事のお考え、あるいは方針を伺ってまいります。
 最初に、県土づくりの骨格とも言うべき道路整備についてであります。
 待望久しかった県北部、東西に伸びる京奈和自動車道が完成しました。特に、岩出市、雄ノ山峠で近畿自動車道と直結する岩出インターチェンジの完成は、紀の川地域のみならず、奈良県の一部まで含めて、大阪都市圏、関西国際空港へと経済圏域、生活圏域を広げることになりました。この地域の発展ポテンシャルは飛躍的に高まったものと高く評価いたします。
 紀伊半島を一周する高速道路の整備は、紀の国わかやま国体の開催を契機に、平成27年、すさみ南インターまでの開通、現在は串本道路が事業化され、本格的な整備が行われています。最後に残された串本─太田川区間、串本太地道路も平成30年3月に事業化が決定され、既に開通している那智勝浦新宮道路との接続が待たれています。
 県民は、一日も早い半島一周高速道路の完成を待ちわびております。すさみ南インターから串本間の完成見通しと、これに続く串本太地道路の見通しについて、知事から県民の皆さんへの説明を求めます。
 特に、串本太地道路の中間に位置する串本町には、我が国初の民間ロケット打ち上げ場の建設が計画され、取り組みが進んでおります。このプロジェクトが持つ意味は、はかり知れないインパクトを持っていると思います。既に県も支援体制を十分とっていただいているところでありますが、アクセス整備という側面においても、できるだけの支援を行っていただきたいと強く要望いたします。
 災害は突然やってくる。地震・津波への対策、備えは、常に気を配らなければならない大きな重要な課題であります。しかしながら、その対策は膨大な予算と時間が必要であります。限られた予算の中で、知事の御苦労は十分理解するところでございますが、やはり県民生活にとって安全の確保は何にも増して優先されるテーマです。いま一度、県の対策を御説明ください。
 次に、大学の誘致であります。
 全国と比較して高かった県外への流出、中心市街地に学生の元気が反映されないまちづくり、こうしたことへの警鐘として、私も平成28年2月議会において、既成市街地への大学誘致の積極的な取り組みを提案したところでございます。
 県の熱心な取り組みが功を奏して、2018年4月の東京医療保健大学和歌山看護学部の開学を皮切りに、2021年度にかけて四つの大学の開学が実現しようとしております。すばらしい成果であります。私は、高く評価いたします。このことにより、進学を契機に和歌山を離れてしまう若者の流れを一定程度食いとめる効果が期待されますし、最大で1700人の若者が新たに県内、市内で学生生活を過ごすことになることから、まちの活性化にも大きな貢献をするのではとの期待が高まります。
 若者の元気をまちの元気に。若者の元気を生かしたまちづくりにどう取り組もうとしているのか、そのビジョンを関係部長にお伺いをいたします。
 次に、地域の振興についてお伺いいたします。
 まず、企業誘致についてでございます。
 地域の振興にとって、若者の地域定着が最も有効な、そして最も重要な課題であります。若者が働く場、就職する機会をつくり出すことは、日本はおろか、世界中の国や地域が最優先で取り組んでいるテーマでもございます。本県にあっても、知事の積極的な取り組みによって、数多くの企業が県内に立地してくれました。今後も機会があれば、貪欲に取り組んでいただきたいと思います。
 きょう、私がお願いする提案は二つです。
 一つは、先ほども申し上げましたが、串本町で計画が進む民間ロケット打ち上げ場の建設のプロジェクトについてであります。
 国が総力を結集する鹿児島県種子島のロケット打ち上げ場のニュースは、テレビでもよく目にいたします。宇宙ステーションまで届くような大型のロケットの打ち上げは、今後とも種子島宇宙ステーションが担うことになるでしょう。
 一方で、世界各国は、もう少し小型のロケットをたくさん打ち上げようとしています。気象観測衛星など民生需要が背景にあります。こうした小型ロケットの打ち上げは、誰が、どこが受け持つのでしょうか。
 あの有名なホリエモンさんが北海道で計画され、何度か挑戦されましたが、なかなかうまくいっていないようであります。それが、今回、和歌山県内においてキヤノンや石川島播磨重工業といった我が国を代表する大手企業が本格的に取り組んでくれることになりました。日本中が注目するプロジェクトであります。2021年12月、第1号ロケットが熊野灘上空を駆け上る雄姿を今から胸躍る思いで期待をしております。
 県も、大幅な無利子融資など最大限の支援を打ち出していまして、我々もこの予算には大賛成いたします。今後、このプロジェクトは、ロケット打ち上げのための関連資材の調達や従業員のための生活支援、さらには関係者の住居の確保、家族のための生活環境への支援といった、さまざまな面での地域との接点が考えられます。
 同時に、このことは単に県から企業への支援という関係に限らず、資材の調達や従業員がそこに住まいするといった企業から地域への波及という双方向での効果も考えられ、はかり知れない地域振興が期待されます。県の一層の取り組みに大いに期待するものであります。
 もう一つの提案は、ちょうど本県選出の石田総務大臣が所管されるソサエティ5.0という国の事業であります。
 このごろの事業は英語やローマ字が多くて何のことかよくわかりませんが、聞くところによりますと、情報通信技術の飛躍的な発展を背景に、地域が持つ豊かな環境を生かして、地方に新たな企業の立地を促進しようとする事業だそうであります。
 現に、本県が白浜を中心に取り組んでいる施策の全国版のようであります。私も、これからの企業立地はこうした形になるのだろうと思います。ロケットやITなど、先進的な取り組みを生かしてみてはどうですか。知事の所見をお伺いいたします。
 次に、観光についてであります。
 国内人口が減少していく傾向の中で、我が国の観光も外国からの観光客、いわゆるインバウンドをターゲットにすることは避けられない傾向であると思います。国は、4000万人という大変大きな目標を掲げています。本県も、平成29年に県内を訪れた外国からの宿泊客は47万5000人を超え、6年前と比べて約6倍にふえております。
 海外からの観光客にとって高野・熊野地域の世界遺産は、我が国の歴史、文化に触れることのできる関心の高い、興味のあふれる観光資源ではないかと思います。
 世界遺産については、平成28年度、これまでの登録に加えて、田辺・闘鶏神社や中辺路、大辺路、高野参詣道など、22地点が新たに追加登録をされました。ますます充実されていることに大いに敬意を表しますが、できれば和歌山から田辺に至る紀伊路の追加登録にも協力いただきたいものだと思いますが、いかがでしょうか。教育長の答弁を求めます。
 高野・熊野地域への外国観光客の増加を受けて、先ごろ知事がサンティアゴの道との相互協力についてスペインを訪れられたとお聞きしておりますが、その成果はいかがであったのでしょうか、御報告ください。
 次に、農業関連についてお伺いをいたします。
 平成29年の和歌山産の果実の生産額が816億円となり、青森県を抜いて全国第1位になったところです。すばらしいことだと思います。私は、かねがね、1次産業の活性化なくして地域の活性化はないとの信念で農業や水産業の振興に取り組んでおりますので、この取り組みは大変うれしく思います。
 ミカンでは、優良品種への改植やマルチ栽培など栽培技術の向上、糖度選別による市場対応など、地道な努力が実を結んだ結果であり、また、梅についても、健康志向の高まりや機能性食品としての取り組み、また、先日、新聞で紹介されていましたが、イタリアではチョコレートを組み合わせた商品開発など、高付加価値化へのさまざまな取り組みが進んだ成果だと思います。
 梅に関しては、世界農業遺産の認定も追い風になりました。加えて、認定後も県は地域と一体となって全国規模のシンポジウムをたびたび開催していただき、全国メディアにも随分と取り上げていただくなど、国内外でのPRや人材育成に本当に一生懸命に取り組んでいただきました。昨年は、東アジア農業遺産学会をみなべ町で開催していただき、海外の多くの皆様に梅のすばらしさを知っていただく機会になりました。
 おかげさまで、最近、梅の取引価格も高目に推移し、農家の経営も向上するなど、地域挙げて喜んでいるところでございます。私たちとしても、気を緩めることなく、次のステップに向けて手を打っていかなければならないと思っていますが、今後、世界農業遺産の認定をどのように活用し、取り組んでいかれるおつもりか、農林水産部長にお伺いをいたします。
 さて、私は今回、水産の振興について、一つの新しい提案をしてみたいと思っております。それは、水産物の機能性に着目した魚貝類の高付加価値化についてであります。
 水産業を取り巻く情勢は、漁業者の高齢化、後継者不足といった生産体制の問題、資源の先細り、国民の魚離れといったさまざまな困難な問題点を抱え、先行きが心配されております。しかしながら、その一方で、世界的に和食への関心の高まりが見られ、生産者はその流れを取り入れるべく、高級魚の栽培など懸命の努力を続けております。
 私は、今回、こうした漁業者の取り組みを支援することにあわせて、現に今とれている魚貝類、身近にある魚貝類の機能性を分析、研究し、高付加価値化の道を探ってはどうかという提案をしたいと思います。
 先ほども申し上げたように、農産物では既にその取り組みが進められていますが、魚にあっても、例えば最近、サバの缶詰が大変よく売れているそうです。テレビでも連日と言っていいほど取り上げられています。スーパーマーケットでは、品薄という事態にもなっているそうであります。
 聞くところによれば、サバ缶はDHAとEPAという機能性物質が豊かに含まれているとのことであります。DHAは記憶力向上、認知症の予防に効果があると期待され、EPAはコレステロールを減らし、心筋梗塞や脳梗塞などの予防になるとのことであります。私も専門家ではありませんので詳しいことはわかりませんが、魚の持つ機能性にはすばらしいものがあることがわかります。
 そこで、提案です。サバ缶がこれほどすばらしいものであるとすれば、本県の沿岸域や海洋にある魚貝類や海藻類についても、これを研究すれば、我々が今気づいていないすばらしい機能性物質を見つけることができるのではないかということであります。ぜひ生産者、県立試験場、県立医科大学といった県内にある各種の研究機関を総結集して、連携して水産物由来の機能性成分の分析、活用について研究に取り組むことを提案したいと思います。
 農産物同様、うまくいけば一挙に水産物の高付加価値化が実現します。そうなれば、漁業者にも一筋の光が見えてくるのではないでしょうか。知事の御所見をお伺いいたします。
 次に、やや観点を変えまして、今、国挙げて問題となっております捕鯨について知事に伺います。
 日本政府は、2018年12月26日、国際捕鯨委員会・IWCを脱退いたしました。南極海、南半球での捕鯨はしない。2019年7月から日本の領海と排他的経済水域に限定して商業捕鯨を再開するとのことです。多くの国民は、その決断に驚いたことと思います。
 脱退の理由は、保護のみを重視し、持続的利用の必要性を認めようともしない国々からの歩み寄りは見られないとのことでした。
 鯨を動物保護の観点から捕獲に絶対反対の諸外国の意見。食文化として鯨とともに生きてきた日本。特に捕鯨の前線基地として、長年日本の捕鯨の歴史を受け継ぎ、鯨の町として生きてきた太地町を有する和歌山県として、この問題をどう捉えるのか。知事の御所見をお伺いいたします。
 最後に、千葉県野田市の女児虐待・殺人事件に絡んで、県の取り組みを伺います。
 余りにも残酷で痛ましい事件であります。到底許される事件ではありません。さらに、鹿児島や山口、兵庫など各地から同じようなニュースが続いて報道されております。事件の背景には、私たちではうかがい知れないさまざまな要因があるのだろうとは思いますが、報道で見る限り、野田市の児童相談所及び教育委員会の対応にも大きな問題点があるように感じました。
 我々も、この事件をよそで起こった痛ましい悲しい事件と見過ごすのではなく、もう一度みずからの足元を振り返り、気を引き締める必要があると思います。
 昨今、少子化対策と叫ばれている中、子供の命を守る、児童虐待のない社会をつくる必要があると考えますが、児童虐待対策に取り組んでいる知事の思いをお伺いいたします。
 以上で、私の質問を終わります。
○議長(藤山将材君) ただいまの坂本登君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) まず、すさみ串本道路の完成の見通しと、これに続く串本太地道路の見通しにつきまして答弁申し上げます。
 紀伊半島一周高速道路は、本県にとって企業立地や産業振興、活力ある地域づくりといった将来のチャンスを保障するものとして、また南海トラフ巨大地震などの大規模災害への備えとして、その実現は不可欠かつ急務でありまして、これまでもさまざまな機会を捉えて早期整備を強く求めてきたところであります。
 こうした中、沿線に位置する串本町が小型ロケット射場立地の候補地になるなど、高速道路の整備が民間投資の高まりにつながっていることも明らかであります。
 また、昨年11月、大阪府や大阪市を初め本県も含めた関西全体、政府や経済界など官民を問わず、まさに日本全体が一丸となった誘致活動の結果、2025年大阪・関西万博の開催が決定されたところであります。
 このような状況のもと、議員御質問の既に事業化されている一般国道42号すさみ串本道路においては、県と関係町が用地取得を鋭意進め、昨年4月の起工式を経て本線工事が本格化しておりまして、今後、全線にわたって工事が展開される予定になると思います。
 また、今年度新規事業化された串本太地道路については、地元説明及び現地測量等が進められており、今後、用地買収を積極的に進め、紀伊半島一周高速道路を早くつなげることに全力で取り組む所存であります。
 県としては、引き続き地元町と連携して円滑に事業が推進されるよう国に協力をするとともに、2025年大阪・関西万博への観光客を本県に呼び込むなど、その効果を最大限に生かすため、万博までの完成を目標に事業推進を図るよう国に強く働きかける所存であります。
 次に、災害対策についてでございます。
 県では、東日本大震災の直後から、防災・減災対策の総点検を実施して、住宅や大規模建築物の耐震化を促進するとともに、避難路の整備や避難場所の安全レベルの設定、津波予測システム、和歌山県防災ナビの構築など、全国トップレベルの津波避難対策に取り組んでおります。
 また、本県は南海トラフの震源域に近く、津波の到達が早いため、安全な場所に避難することが困難な津波避難困難地域が存在しております。これを詳細に分析、抽出し、平成26年に「津波から『逃げ切る!』支援対策プログラム」を策定して、堤防整備に460億円を投じる等により、おおむね10年間でその解消を図ることにしております。
 これらの対策に加えまして、来年度の新しい政策といたしまして、地震・津波から県民の命を守る取り組みを一層強化するということで、その予算を提案中であります。
 具体的には、被災状況を迅速に把握することや孤立集落への資機材搬送のために、新たに民間の人工衛星やドローンを活用するために予算をお願いしております。また、ヘリポートに照明設備を設置し、災害時における防災ヘリコプター等の夜間運航体制を強化したいということで、これもお願いをしているところでございます。さらに、昨年の台風被害の教訓を踏まえまして、関西電力やNTT西日本からの要請に基づき、障害物の除去等を県が行うことができるように協定を締結する予定であります。
 県としては、こうした取り組みを進め、国や市町村と協力しながら、引き続き安全・安心でとうとい命を守る和歌山の実現に向け取り組んでいく所存であります。
 続きまして、ロケットやIT企業を生かした地域振興についてでございます。
 第1に、ロケット発射場については、これまでは不利とされてきた国土軸から離れた本州最南端という立地条件が、むしろ発射場としての利点になることに着目して誘致活動を行っております。今後もこうした工夫を凝らしながら積極的に先端産業の誘致に取り組んでいく所存でございますが、そのためにロケットに関しましては、わかやま版PFIとしての貸付金の予算を計上させていただいております。
 現在、地元の話し合いがもう少しのところまでというような感じだと私は理解しておりますが、串本町全体のため、あるいは和歌山県全体の発展のために、ぜひ住民の方も協力的な姿勢で皆さんいてほしいというふうに思っております。
 次に、議員御指摘の宇宙産業やソサエティ5.0に関する産業についてでございますが、これはもちろんロケット産業もそうでありますが、未来社会を形成すると言われている産業でございまして、これらを県内に呼び込むことは極めて大切であります。
 IT企業の誘致に関しましては、白浜町ではその芽が出てきております。働き方改革やワーケーションなど、時代にうまく乗った誘致を現在展開中でございまして、今後もさらに大きく発展させていきたいと思っております。
 これについては、産業側で関心は大変高まっておりますが、今度は受け入れ場所としてのオフィスが提供できないとぐあい悪いわけでございます。既に公営で提供しておりますものについては完全に満室となっておりまして、旺盛な需要に応じるためには、これは民間の力も使わないかんということでありまして、そのためにIT産業に対して直接的な誘致助成をするだけじゃなくて、IT産業にオフィスを提供する産業も助成をして、それで結果的にはIT産業がいっぱい来るというふうにしようと考えているところでございます。
 また、これらの新しい産業が刺激となりまして、なかなか革新的なことも行われつつあります。白浜町では、地元産業との連携によりまして、顔認証による宿泊施設のチェックインや商業施設でのキャッシュレス事業など、最先端の実証実験も始まっているところであります。今後も、地元産業との連携の強化や新たな創業につなげていきたいと考えております。
 続きまして、スペイン訪問についてでございます。
 今回のスペイン訪問では、熊野古道とサンティアゴへの道の友好提携20周年記念事業として、マドリード及びサンティアゴ・デ・コンポステーラにおいてプロモーションを実施いたしました。これは、昨年、日本において行われましたものと対になってるわけでございます。サンティアゴへの道は、ヨーロッパ、あるいはキリスト教世界では大変な知名度がございます。これと対にするという戦略をとった20年前の当局及び議会の方々の知恵には大変感謝をしております。
 これを最大限活用していかなければならないと考えているところでありまして、そのため、今回マドリードでは、欧州最大規模の旅行博覧会──FITURというのがあるんですが、そのFITURにおきまして熊野古道を初め和歌山の魅力を発信するとともに、ガリシア州もブースをつくっておりますので、ここを訪問して、フェイホー首相と旧交を温めたところであります。
 また、そのガリシア州におきましては、サンティアゴ・デ・コンポステーラがいわば県庁所在地──首都でございますが、ここにおきまして、多くの巡礼者が訪れるガリシア州立巡礼博物館で熊野古道写真展のオープニングセレモニーを開催さしていただきました。そこで和歌山県の取り組みを情報発信したところ、多くの現地メディアに取り上げられるに至りました。
 フェイホー首相との間では、東京とマドリードにおけるお互いの事務所を活用することで継続的に観光情報の発信をお互いにやり合いっこしようというようなことも合意をいたしまして、今、準備を進めているところであります。
 多くの観光客を和歌山に送客しているスペイン現地旅行社も訪問いたしましたが、ここでは、スペイン及びスペイン語圏──これは南米がほとんど全部そうでございますが、この圏域からの誘客を図るため、職員派遣による人材育成、特にスペイン語ができる人材、この人材育成の提案をいただいて、今いろいろ詰めているところでございます。
 ちょっとうれしかったことは、JNTOの情報では──JNTOというのは国際観光振興会、日本の政府機関でございますが、このJNTOの情報では、スペイン国内のメディアにおいて、和歌山県の露出度は、東京、京都に次ぎ3位であるということをお聞きいたしまして、こういうのを利用しながら、さらなる誘客につなげていかなきゃいかんということで取り組みを急いでいるところでございます。
 次に、機能性を生かした水産振興であります。
 議員御指摘のとおり、水産物にはさまざまな機能性成分が含まれておりまして、それらに着目した水産物や水産加工品の付加価値を高める取り組みは非常に重要であるというふうに思います。
 そのため、本県で水揚げが多いマグロ、アジ、サバなどの青物の魚類、これはEPAやDHAがたくさん含まれているというふうに言われておりますが、それとか、あるいはヒジキなどの海藻類に含まれる機能性成分の研究について、和歌山県立医科大学など専門的な知見を持つ研究機関と連携しながら、あるいはまた水産試験場、もとより工業技術センターなどの設備、機能なんかも利用して、今後積極的に取り組んでいきたいと考えております。
 また、未利用資源についても、機能性に着目して販売につなげていくような取り組みも重要かと思っております。実際に、地元で未利用資源となっておりますアカモクの活用について、水産試験場から紀州日高漁協へ提案をした結果、地元と近畿大学が連携いたしまして、フコイダンなどの機能性成分が豊富に含まれることを明らかにして加工品の販売につなげた事例もありまして、こうした新たな未利用資源の活用についても、あわせて取り組んでいく所存であります。
 次に、IWCからの脱退についてでございます。
 鯨類は、他の水産資源と同様、科学的根拠に基づき持続的に利用していくべきものだというふうに私どもは思っております。資源が枯渇しないような範囲内でうまくコントロールされれば、それぞれの国が昔から続けてきた利用は尊重されるべきであると思います。日本政府はそういう観点から、商業捕鯨の早期再開について約30年間ずっと取り組んできたと理解しております。
 これまで、日本は鯨資源の保存と捕鯨産業の秩序ある発展というIWCの趣旨に協調してまいりましたが、現在は条約の目的を逸脱しているのではないかと思わせるほど反捕鯨に偏っていて、商業捕鯨につながるいかなる提案も認めないという状況でございますので、これらの情勢を考えると脱退はやむを得ないと私は思います。
 今後は、資源に悪影響を与えないよう厳格な資源管理のもとで、十分な資源量が確認されているミンククジラ等の商業捕鯨が再開されることになる予定であります。和歌山県は、これまで継続して商業捕鯨の再開を要望してきましたが、今回の政府の決定を当然支持しておりまして、長年、鯨の町として生きてきた太地町の活性化にもつながっていくことを期待しております。
 最後に、児童虐待に対する取り組みでございます。
 児童虐待により子供が傷つけられ、時には命を失うようなことは決してあってはならないことで、非常に胸が痛む思いであります。
 実は、本県においても平成25年に痛ましい死亡事案が発生しております。これは、児童相談所が保護していた子供を親に帰したところ、虐待に遭って、虐待が再発して死亡に至ったということでございまして、当時、県は、私もそうですが、随分打ちひしがれました。
 しかし、よく調べますと、児童相談所は何と65回もさまざまな試験をして、もう大丈夫と判断して帰したということでありました。後は、和歌山市でありましたので、和歌山市の福祉当局が監視をしてくれるように児相から頼んだんですけれども、自分の仕事じゃないというふうに断られたために、児相は在宅の様子見までしょい込んでしまいました。しかし、児相本来の仕事が余りにも多忙につき、手が回らず、このような惨事になってしまったということでありました。
 あちこちから大変責められまして、打ちひしがれている我々に、時の和歌山市長が「もっと早く市に相談してくれればよかったのに」という記者会見をなさいました。多分現場から真実の情報が上がってなかったというふうに思われますけれども、余りのことに真相を知ってる者は皆、激怒をいたしました。一生懸命頑張っていた児童相談所の担当の連中と当時の福祉保健部の人たちは、事の真相を全て明らかにして、不合理な汚名を晴らすべきだと心から私に訴えてきたわけであります。
 しかし、人が死んでる中に責任の押しつけ合いととられては困るからと、皆で臥薪嘗胆をしようということで、やっぱり客観的に明らかにしないといけないので、弁護士や学識経験者の方など外部の方々で構成する検証委員会を立ち上げまして、本件を客観的に検討いただき、平成26年4月に報告ができ上がったところであります。
 この報告書によりますと、児童相談所は、病院からの通告により児童をちゅうちょなく一時保護した後、施設入所の措置をとり、家族再統合に向けて、保護者との面談以外にも親子関係が再構築できているかどうかを試すために、親子面会を25回、親子での外出を5回、試験外泊を35回の計65回も行っております。この結果を踏まえて親子関係が構築できていると判断し、家庭復帰さしたわけであります。
 一方、和歌山市は、児童相談所が初期の段階で情報提供をし、支援を要請したにもかかわらず、支援すべき対象ではないというふうにしました。また、虐待リスクに対する認識が不足しており、かつ第一義的な相談窓口として、本来ならば市がやらなきゃいけないということの自覚に欠け、児童相談所に任せ切りであった。さらには、児童相談所に入所した途端に保護の対象から外すということは、対象児の両親ときょうだいが市内で生活をしておって、家庭復帰の可能性を考えると、同じく積極的に関与すべきではあったというようなことが書かれているわけでございます。
 一方、県側あるいは児相側の問題としても、面会、外出、外泊を実施していく際に親子再構築のための援助指針が不明瞭であったこと、家庭復帰の決定をする際には、家庭環境や対象児の施設での生活状況なども十分確認した上で判断すべきであったことなどの反省点も指摘されました。その上で、和歌山市との間で、家庭復帰した児童の情報共有と役割分担を決定しておく必要があったということが指摘されているわけでございます。
 県では、この報告書を広く発表するとともに、みずから正すべきところは改めて、このようなことを二度と起こさないようにしようということで、次のような措置をとっております。
 まず、市町村との間で児童相談所と市町村との役割の明確化をしようと。それから、約束事を両者できちんとして、児相の保護は慎重にするけれども、解除の後の監視は市町村が責任を持ってほしい、責任と自覚を持って行うべきであるということを申しまして、市町村もそのように了解をしていただいて、現在では、児相がきっちり対応するが、解除した後は市町村が見張っておって、やっぱり問題だといったら再び児相に速やかに連れ戻すというような関係がようやくできておるということでございます。
 今年度には、その果たす役割をより明確化するため、明文化ということで、和歌山の子・みまもり体制に関する協定書を全市町村と締約するに至っております。
 一方、児相自身の仕事のやり方としては、虐待を行った保護者に対しては、再び児童虐待を起こさないよう、親支援プログラムの受講を原則として、親自身の感情をコントロールする術の習得や子育てスキルの向上を図り、家族再統合に向けて取り組んでいるところであります。
 さらに、児童の家庭復帰に向けて、入所施設や地元市町村と十分な協議を行うとともに、家庭復帰を決定する際には、民生児童委員や学識経験者などで構成する専門部会に諮るなど、より慎重な判断を行っております。
 また、法的な判断や対応が求められる事案が実は多うございます。それに迅速かつ的確に対応するため、実は志願で来てくださったんですが、全国的に先駆的に常勤弁護士を配置しておりましたが、この方を今年度から一般職員として採用して、年々複雑化する児童虐待事案にきめ細かく対応するために、児童福祉司を来年度増員するなど、さらなる組織体制の強化を図っているところでございます。
 本県において児童虐待による死亡事案が二度と起こることのないように、強い信念を持って、オール和歌山で児童虐待のない社会を実現する覚悟であります。
○議長(藤山将材君) 企画部長田嶋久嗣君。
  〔田嶋久嗣君、登壇〕
○企画部長(田嶋久嗣君) 若者の元気を生かしたまちづくりについてでございますが、2021年度にかけて四つの大学が開学し、議員が以前御提案されました、和歌山市の中心市街地に学生を呼び込むことによって町なかを活性化させる、学生がにぎわいをつくるまちづくりを実現する環境が整うことになります。
 これまで空き店舗が増加し、空洞化が問題となってきた中心市街地に、約1700人の学生が県内外から集まることが想定されます。飲食や買い物、住居の提供など、学生へのさまざまなサービス需要が発生するため、空き店舗などのリノベーション等を促進し、商業の振興や町なか居住を推進してまいります。
 また、学生に地域への愛着を持ってもらい、将来の就職、定住につなげるため、地域の祭りやスポーツへの参加など、学生と地域社会の交流を進めてまいります。さらに、学生自身が地域貢献の主体となってもらうため、ボランティア活動などへの参加を促進してまいります。
 今後とも、和歌山市と連携を図りながら、大学誘致の効果を最大限に発揮するための施策を展開してまいりたいと考えております。
○議長(藤山将材君) 県土整備部長髙松 諭君。
  〔髙松 諭君、登壇〕
○県土整備部長(髙松 諭君) 都市のにぎわいと活性化のためには、それぞれの市町村におきまして、都市計画を適正に運用し、既存市街地などの拠点における再開発を行うことなどによりまして、コンパクトな都市づくりを進めることが重要だと考えております。
 そのため、県といたしましても、都市機能の集約や町なか居住を誘導する区域を定める立地適正化計画を策定する市町村に対しまして補助金を交付いたしますとともに、町なか居住の促進や、にぎわいの創出に資する市街地再開発事業を行う者を助成する市町村に対しまして補助金を交付しているところでございます。
 こうした中におきまして、和歌山市では、「若者から選ばれるまちづくりによる都市活力の向上」をまちづくりの方針として掲げました立地適正化計画を策定いたしまして、南海和歌山市駅前地区を初め、和歌山市内の3地区におきまして市街地再開発事業を進めているところでございます。また、大学の誘致や伏虎中学校跡地における市民文化交流センターの整備などにも取り組んでいるところでございます。
 引き続き、県といたしましても和歌山市を初めといたします市町村と連携しまして、にぎわいのあるコンパクトな都市づくりに取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○議長(藤山将材君) 教育長宮下和己君。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 紀伊路の世界遺産追加登録のためには、前提となる国史跡の指定地点をふやし、世界遺産にふさわしい道としての連続性を持たせる必要があります。
 県教育委員会が有識者会議の助言、指導のもと実施した調査では、複数の王子跡等について国史跡指定の可能性もあるという結果を得ており、その範囲を確定するため、関係市町が測量調査などを実施してきました。
 その結果、平成27年度には、海南市の藤白坂、藤白王子跡、藤代塔下王子跡、一壺王子跡、有田市の糸我峠、広川町の鹿ヶ瀬峠、河瀬王子跡が追加指定されました。さらに、平成29年度は、御坊市の愛徳山王子跡北東参詣道、塩屋王子跡、田辺市の芳養王子跡が追加指定されました。
 今後とも、関係市町と国史跡の追加指定に取り組むとともに、国と協議を積み重ね、世界遺産追加登録に向けて努めてまいります。
○議長(藤山将材君) 農林水産部長原 康雄君。
  〔原 康雄君、登壇〕
○農林水産部長(原 康雄君) 世界農業遺産の今後の展開について御質問いただきました。
 みなべ・田辺の梅システムの世界農業遺産の認定が実現して3年が経過いたしました。御提案をいただきました坂本議員を先頭に、和歌山県議会みなべ・田辺地域世界農業遺産促進協議会の皆様に多大な御支援をいただいていることに改めて感謝申し上げます。
 県としましても、このみなべ・田辺の梅システムを活用し、地域の活性化、中でも農業の振興につなげていくことが重要であると考えております。
 議員お話しのように、県では地域の方々と一体となって、みなべ・田辺地域世界農業遺産推進協議会を組織し、システムの継承者育成、全国規模のシンポジウムの開催、第5回東アジア農業遺産学会の誘致、県産品商談会でのPR、国内の認定地域と連携したPRイベントの実施など、積極的に取り組んでまいりました。
 今後も、みなべ・田辺地域世界農業遺産推進協議会の皆様方と一緒になって、こうした取り組みをさらに充実するとともに、このシステムのすばらしさと梅の機能性を国内はもとより世界に向けて発信することにより、議員が日ごろ御提唱されております梅の地産外商にもつなげていきたいと考えております。
 具体的には、梅の消費拡大に向け、本年の5月のビッグイベントである2019年G20新潟農業大臣会合におきまして、世界農業遺産ブースを国と共同で設置し、このみなべ・田辺の梅システムのPRを実施するほか、国内及び香港、マレーシア、シンガポールなど海外での青梅や梅加工品のプロモーション活動に加え、新たな取り組みとして、果実の栽培前から輸出の販売先を決める海外オーナー制度の実施や、ドバイでの有名日本食レストランとコラボした梅料理の試食会の開催などを予定しており、その際に世界農業遺産、みなべ・田辺の梅システムの魅力を積極的にPRし、国内外での新たな需要の掘り起こしと販路の拡大を図ってまいりたいと考えております。
○議長(藤山将材君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(藤山将材君) 再質問を許します。
 坂本 登君。
  〔坂本 登君、登壇〕
○坂本 登君 広範囲にわたり答弁いただき、ありがとうございました。
 2点の要望を行いたいと思います。
 一つ目は、紀伊路の世界遺産への追加登録についてであります。史跡の登録箇所をふやして、世界遺産にふさわしい道として連続性を持たせることが必要との御指摘はよくわかります。また、そのために、県、市町村を挙げて御努力をしていただいていることもよくわかりました。
 今、答弁いただきました史跡の追加指定の中でも、藤白王子跡や鹿ヶ瀬峠など、熊野古道を代表する史跡も含まれています。紀伊路も頑張ればという気持ちにもなってまいりました。県として、今後も頑張って追加登録できるようお願いをしておきます。
 2点目は、児童虐待に対する取り組みについてです。子供は、私たち共通の宝物であります。どんなことがあっても、いかなる事情があっても、虐待やいじめで命を落とすようなことがあってはなりません。県も懸命に取り組んでいただいていることが、よくわかりました。
 全力を挙げて子供の安全と命を守り抜くということを全員で再確認し、より一層の対策を強く要望しておきたいと思います。
 これで、私の質問を終わります。(拍手)
○議長(藤山将材君) 以上で、坂本登君の質問が終了しました。
 質疑及び一般質問を続行します。
 18番中本浩精君。
  〔中本浩精君、登壇〕(拍手)
○中本浩精君 皆様、こんにちは。
 それでは、議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして一般質問を行います。
 大項目1、登録有形文化財について、小項目1、登録文化財の保存についてお尋ねします。
 私たちの周りには、身近な建造物であっても地域に親しまれている建物や時代の特色をよくあらわしたもの、再びつくることができないものがあり、それは貴重な文化財と言えます。この文化財を守り、地域の資産として生かすために、文化財登録制度が平成8年に誕生しています。
 登録有形文化財建造物は、50年を経過した歴史的建造物のうち一定の評価を得たものを文化財として登録し、届け出制という緩やかな規制を通じて保存が図られ、活用が促されるものです。既に全国で1万件を超える建造物が登録されております。これからも、この制度を活用して多くの建造物が保存され、まちづくりや観光などに積極的に活用されることが期待されています。
 和歌山県におきましても、後世に残すべき多くの建造物が登録有形文化財として保存されていますが、そのことについて教育長はどのようにお考えでしょうか。御答弁のほど、よろしくお願いいたします。
○議長(藤山将材君) ただいまの中本浩精君の質問に対する答弁を求めます。
 教育長宮下和己君。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 登録有形文化財を含む歴史的建造物は地域の歴史や文化を伝える財産であり、県民の皆様がその価値を認識されることにより、地元への愛着がより一層増すものと考えております。また、それを生かすことで、地域の魅力が向上することにつながります。
 県教育委員会では、歴史的建造物について、これまでも保存、活用の取り組みを進めてきたところで、現在、県内には県庁本館を含め233件の登録有形文化財がございます。これらの文化財を保存し、活用しながら後世に継承することは、大変重要であると考えております。
○議長(藤山将材君) 中本浩精君。
  〔中本浩精君、登壇〕
○中本浩精君 ただいま教育長より、文化財を保存し、後世に継承することは大変重要であるとの答弁をいただきました。
 そこで、その文化財を保存するために、小項目2、所有者などへの支援策についてお尋ねいたします。
 登録有形文化財制度は、構造物のさまざまな活用を行いやすいことが特徴であり、今までどおりに使うのもよし、事業資産や観光資源にすることもできます。外観が大きく変わる場合や移築の場合などには現状変更の届け出が必要となりますが、登録することで規制に強く縛られることはありません。例えば、内部を一部改装し、ホールやレストラン、資料館などとして使用することもできます。事業の展開や地域の活性化のために積極的に活用しながら、文化財として緩やかに守ることができ、また、修理や管理について国に技術的なアドバイスを求めることもできます。
 このようなメリットがある反面、実際の維持管理に要する費用は自己負担となるため、所有者には大変な負担になっているとの話も聞きます。
 橋本市高野口町のJR和歌山線高野口駅前にある旧葛城館は、1900年(明治33年)に開業した木造総3階建ての建物で、2001年(平成13年)に登録有形文化財として登録されています。この建物は、大和街道の宿として、また、多くの高野山参詣客でにぎわったそうです。威風堂々とした外観で、間口6間の建物の正面は、1階から3階まで全てガラス入りの木製建具が入れられており、近代的な透明感を感じさせます。
 しかし、台風の時期になると、このガラス張りの外観が災いとなり、ガラス窓が強風で壊されないよう、ガラス面全てに板を打ちつけて保存に努めておられる状況で、費用面でも所有者にとって大きな負担となっています。
 建造物の保存と活用を図るために必要な保存修理に係る設計監理に要する経費については、国の補助制度がありますが、対象となる経費の範囲も限られており、補助率は補助対象経費の50%で、残りの経費は自己負担となってしまいます。
 登録有形文化財制度は、近代の貴重な建築物が安易に取り壊されないようにするために導入された制度ですが、所有者にのしかかる金銭的な負担が重荷となって建造物を手放すケースが後を絶ちません。また、所有者がこのまま維持管理を続けることができないと判断して建造物を解体し、登録を抹消されるケースも発生しています。
 今、行政が何らかの手を打たないと、歴史ある貴重な建造物が私たちの目の前からどんどんどんどん消えていくことになってしまうと思いますが、県として何か手だてはありますか。教育長にお伺いいたします。
○議長(藤山将材君) 教育長。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 議員御指摘の旧葛城館は、高野参詣の拠点として栄えた地域の歴史を伝える建造物であり、このような県内各地の歴史的建造物は所有者の御努力によって守り伝えられ、また、観光や地域活性化にも寄与しているものと認識してございます。
 しかしながら、文化財指定や登録の前に、その価値にもかかわらず取り壊される事例もございます。このため、平成31年度当初予算案において、歴史的建造物のデータベース化や、維持管理に関する所有者や市町村からの相談に応じる窓口設置の経費をお願いしているところでございます。
 また、このような登録有形文化財の維持、保存について、所有者の負担が大きいことから、文化財の価値を維持するために必要な修理に係る経費に対して補助をする新たな制度の予算もお願いしているところでございます。
 今後も、市町村とともに歴史的建造物の保存活用を一層推進してまいります。
○議長(藤山将材君) 中本浩精君。
  〔中本浩精君、登壇〕
○中本浩精君 今、教育長から、所有者や市町村に対する支援を来年度県予算に計上しているとのお話を伺いました。ぜひとも、この予算が成立するよう、議員の皆様には御理解と御協力をお願いいたします。
 また、今後この制度の一層の充実が図られるよう、教育委員会の皆様には御尽力をいただきますよう、よろしくお願いいたします。
 次の質問に入ります。
 大項目2、国道371号、仮称・新紀見トンネルの工事進捗状況についてお尋ねします。
 昨年の9月議会において岩田県議から質問のありました仮称・新紀見トンネルの工事進捗状況について、私のほうから再度質問させていただきたいと思います。
 和歌山県橋本市から阪和自動車道への連絡道として、延長約30キロメートル、4車線で計画されている地域高規格道路である大阪橋本道路については、1994年(平成6年)に大阪高野山道路として候補路線に指定され、1998年(平成10年)には、高野山方面を橋本高野山道路として分離した上で大阪橋本道路として計画路線に指定されました。大阪府側では、河内長野市の大阪外環状線から府県境までの国道371号については整備が進められている状況です。
 現在の紀見トンネルは、トンネルの建設当時に主流であった横流換気方式──つり下げ天井トンネル──により建設され、1969年(昭和44年)3月に開通しています。トンネルの構造は、2012年12月2日に天井板のコンクリート板が約130メートルの区間にわたり落下し、走行中の車複数台が巻き込まれ、9名が死亡するという大惨事となった山梨県大月市笹子町の中央自動車道の笹子トンネルの構造と類似しております。
 同トンネルの事故を受け、同年12月5日から11日まで紀見トンネルの天井とその周辺の緊急点検が実施され、異常なしと報告されました。しかし、翌2013年(平成25年)1月3日に、大阪側の入り口付近で約1メートル四方の側壁が落下する事故が発生し、事故当時には車両が走行中でしたが、幸いにも負傷者などは出ませんでした。
 紀見トンネルは老朽化が進み、大阪府側から世界遺産・高野山への参詣の表玄関となる橋本市の国道371号橋本バイパスに仮称・新紀見トンネルが新たにつくられます。2016年度から掘削工事が進められ、ことし2019年10月ごろには、全長2.1キロメートル、高さ4.5メートルで2車線のトンネル本体工事が完成予定と聞いております。
 しかしながら、供用開始については、大阪側で工事中の国道371号バイパス道路が完成する平成30年代半ばまで待たなければならないとのことですが、現在のトンネル工事の進捗状況及び大阪府側へのバイパス道路の早期完成見込みについて、県土整備部長にお尋ねいたします。
○議長(藤山将材君) 県土整備部長髙松 諭君。
  〔髙松 諭君、登壇〕
○県土整備部長(髙松 諭君) 国道371号、仮称・新紀見トンネルの進捗状況に関しまして御質問をいただきました。
 国道371号、仮称・新紀見トンネルにつきましては、トンネル本体区間2105メートルと大阪府側の工事用進入路となります区間98メートルをあわせて工事を推進しているところでございます。
 進捗状況につきましては、トンネル本体区間の掘削が平成31年──ことしの1月でございますけども、ことしの1月に完了し、引き続き、大阪府側の工事用進入路となります区間の掘削にかかりまして、2月15日現在、約40メートルまで掘削を進めております。残る58メートルにつきましては、地質の状況にもよりますが、3月中には貫通する予定でございます。また、トンネル本体の覆工コンクリート工事につきましては、延長2105メートルの約8割が完了しているところでございます。
 一方、大阪府側の区間でございます6.1キロメートルの石仏バイパスのうち、河内長野市石仏から新紀見トンネル坑口までの4.7キロメートル区間につきましては、大阪府において事業が進められております。
 このうち、岩瀬から天見までの区間につきましては、平成30年、昨年の9月でございますけれども、現国道371号への取りつけ区間も含めて開通いたしまして、現在、石仏から天見までの3.4キロメートル区間が供用されているところでございます。
 残る大阪府内の天見から新紀見トンネルまでの1.3キロ区間につきましては、昨年12月に残っておりました用地取得を終えるとともに、現在、天見側から橋梁の下部工事などが進められております。今後、貫通いたしました貫通後の新紀見トンネルも活用いたしまして、両側から工事を行い、平成30年代半ばの供用を目指すと大阪府から聞いているところでございます。
 県といたしましては、和歌山県側から掘削しております新紀見トンネル工事の進捗を図りますとともに、引き続き、大阪府と工程調整を行い、一日も早い全線供用に向け、連携して取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○議長(藤山将材君) 中本浩精君。
  〔中本浩精君、登壇〕
○中本浩精君 今、部長のほうから答弁をいただきました。
 国道371号の府県間部の整備については、長い歴史があり、紀見トンネル付近から京奈和自動車道橋本インターチェンジ及び国道24号市脇交差点間までが全線4車線化され、さらに紀の川・橋本高野橋から紀の川フルーツライン赤瀬橋─高野山間のルートも既に開通しております。残るは、仮称・新紀見トンネルと大阪府側のバイパス道路完成が待たれるのみとなっています。
 お聞きした内容では、トンネル本体工事がことし、2019年10月に完成するということですが、和歌山県側が幾ら頑張っても、大阪府側に頑張っていただかないと早期開通に至らないということになります。
 この道の完成は橋本市民にとって悲願であり、全線開通となれば、橋本市が県の東の玄関口として、より一層大きな役割を果たすことになります。一日も早い全線供用に向け、引き続き大阪府側への積極的な働きかけを要望いたしまして、次の質問に入ります。
 大項目3、通行どめとなった恋野橋について、小項目1、傾いた原因についてお尋ねいたします。
 恋野橋は、1952年(昭和27年)に架橋されましたが、翌年の紀州大水害で流され、1955年(昭和30年)に長さ約142.1メートル、車道幅は4.5メートル、歩道幅1.65メートルの現在の橋が改めて建設されました。この橋は、車道幅が狭く、ドライバー泣かせの橋と言われ、流域の9地区でつくる恋野橋架け替え促進協議会などが中心となって、以前からかけかえの要望活動を行ってまいりました。その活動が実を結び、2016年9月に新しい恋野橋の建設工事が始まり、現在は二つの橋脚が既に完成しています。
 新しい橋は長さ約173.7メートルで、車道幅は6.5メートルと2メートル拡張され、歩道幅も2.5メートルと0.5メートル広げられ、来年、2020年3月に完成する予定となっており、地域住民の皆さんは「これまでの悲願がやっと実った」と非常に喜んでおります。
 しかし、昨年11月2日に現在の恋野橋の橋脚が大きく傾いていることが発覚し、それ以降、全面通行どめとなり、11月20日には恋野橋の撤去工事を進めることが発表されました。発表した伊都振興局建設部によりますと、傾きの拡大をとめるために、橋脚の土台部分をコンクリートで固定する工事を昨年中に完了し、橋桁の撤去作業はことし3月までに、河川敷をもとどおりにする工事はゴールデンウイークまでに終わらせることを目標に取り組まれているとのことです。
 なお、現在の恋野橋は、設置から60年以上経過していますが、橋としての機能に支障はなく、早急な工事の必要性もないと判断され、予防保全段階に認定されており、実際に、ひび割れやさびによる腐食などを点検する2014年(平成26年)の定期点検でも異常はなかったとのことで、今回、橋が傾いた原因は、昨年の夏以降に相次いだ台風による増水で橋脚の土台となる川底部分が削られた可能性が指摘されていますが、県の考えはどうでしょうか。県土整備部長にお尋ねいたします。
○議長(藤山将材君) 県土整備部長。
  〔髙松 諭君、登壇〕
○県土整備部長(髙松 諭君) 恋野橋の傾いた原因についてお尋ねをいただきました。
 県道山内恋野線の紀の川にかかります恋野橋に変状が発生し、昨年11月2日より全面通行どめとさせていただいており、地元の住民を初めといたします関係の皆様には大変な御不便をおかけしていることを改めておわび申し上げます。
 恋野橋が11月3日未明に大きく傾きました原因につきましては、第1に、恋野橋は直接基礎形式の橋脚を有する橋梁で、60年以上前に設計されたものであること、第2に、昨年は8月の下旬から約1カ月余りの間に台風第20号、第21号、そして第24号が立て続けに接近または上陸いたしまして、この豪雨により紀の川が出水したことや、それに伴い流速も増加したことにより、南側の橋脚の基礎の下部で川底部分が洗掘された結果であると推測しているところでございます。
 この恋野橋につきましては、上部工の撤去を完了し、橋脚の撤去に順次着手しているところでございまして、傾いた橋脚の柱の部分につきましては撤去を終えたところでございます。
 なお、同種の橋梁につきましては、点検を進め、異常な洗掘がないことをおおむね確認したところでございますけれども、恋野橋につきましても、基礎の部分の撤去にあわせまして、原因となったと思われる川底の洗掘状況を確認することとしております。
○議長(藤山将材君) 中本浩精君。
  〔中本浩精君、登壇〕
○中本浩精君 部長より、傾いた原因について、今、答弁をいただきました。
 そこで、小項目2、復旧対策についてお尋ねいたします。
 新しい恋野橋については、現在の恋野橋の撤去と並行して建設工事を進めるため、工期である来年、2020年3月の完成に影響はないとしていますが、この地域では、病院や学校、スーパーなど、日常生活に欠かせないものが全て紀の川の北側にあり、橋は住民生活の基盤となっています。これから新しい橋ができるまでの1年2カ月もの間、恋野橋から西に約4キロメートル離れた橋本橋への迂回を余儀なくされることになり、特に自動車を利用できない方々にとっては死活問題と言えます。
 県では、伊都振興局の担当職員の皆様を初め大勢の方の御尽力により、11月24日から、恋野橋の南詰めから迂回路の橋本橋を通り、芋生バス停東までの約8キロメートルを1日2往復する無料のタクシー運行を応急対策として始めてくれています。恋野橋南詰発は午前8時45分ごろと午後0時45分ごろ、芋生バス停東発は午前10時ごろと午後3時半ごろと時間が決められており、途中下車もできないとのことで、実際には利用できない方も大勢おられることと思います。
 また、11月26日からは、恋野橋から600メートル上流の水管橋の上を整備し、歩行者の通行を可能にしていただきました。現在のところ、自動車やバイク、自転車の通行は迂回するしかない状況となっています。
 そういう状況の中で、県は地域住民の不便な生活を少しでも早く解消できるよう、恋野橋の上流およそ200メートルの地点に仮橋の設置を決め、国土交通省から災害時などに使用される応急組み立て橋を借り受け、設置に向けた作業を始めてくれているとのことですが、仮橋の現在の進捗状況はどうでしょうか。また、新しい恋野橋の進捗状況についてもあわせて県土整備部長にお尋ねいたします。
○議長(藤山将材君) 県土整備部長。
  〔髙松 諭君、登壇〕
○県土整備部長(髙松 諭君) 恋野橋の仮橋の進捗状況、そして新しい恋野橋の進捗状況につきましてお尋ねをいただきました。
 恋野橋につきましては、昨年11月2日の通行どめ以降、住民の皆様方の交通手段を確保するため、橋本市の御協力による中学生の無料送迎の実施や、紀の川用水土地改良区など、関係の方々の御理解による水管橋を利用した歩行者の通行確保などの応急対策を行ってきましたが、緊急車両を含む自動車等の迂回が余儀なくされているため、仮橋の架設を進めているところでございます。
 仮橋の進捗状況につきましては、地元関係者の御協力により、昨年12月上旬より準備工に着手したところですが、河川の流速が予想以上に速く、設計の見直しを行いましたことや、下部工事のくい打ち作業で想定以上に時間を要したことなどによりまして、当初目標としておりました本年1月中の供用が、3月中におくれる見込みでございます。
 現在、下部工事がおおむね完了し、2月18日より応急組み立て橋の架設工事に着手したところでございます。引き続き、工期短縮に取り組んで、一日も早い供用を目指してまいりたいというふうに考えております。
 また、新しい恋野橋に関してでございますけれども、紀の川用水及び市道のつけかえを含みます一連の橋梁下部工が昨年12月に完成しました。上部工につきましては、昨年11月末に橋桁の工場製作が完了し、1月から架設のための準備工事に着手したところでございます。工事の完成につきましては、来年、2020年3月の予定でございますけれども、さらなる工期短縮の検討を行いまして、早期の供用を目指してまいりたいというふうに考えております。
○議長(藤山将材君) 中本浩精君。
  〔中本浩精君、登壇〕
○中本浩精君 今、部長から、仮橋の早期供用を目指すこと、新しい恋野橋についても工期短縮の検討を行うとの答弁をいただきました。ありがとうございます。
 地域住民の生活は待ったなしですので、仮橋について、一日も早い対応をお願いしたいと思います。また、新しい恋野橋についても、工期短縮を検討していただいた結果、少しでも早い完成となることを要望いたしまして、最後の質問に入らしていただきます。
 4項目め、暫定2車線の高速道路の安全対策についてお尋ねいたします。
 高速道路といえば、片側2車線以上で中央分離帯があり、反対車線とは区切られているイメージが強いですが、日本においては、建設時の交通量や建設工事費の負担軽減から、片側1車線の対面通行で暫定供用している道路が日本の高速道路の総延長の約4割弱を占めているとのことです。
 暫定2車線の課題としては、1点目としては対面通行の走行性ということで、4車線以上の区間と比較して規制速度が低いことや、追い越しができないため、低速車両がいると全体として速度が低下してしまうこと、2点目としては対面通行の安全性や信頼性ということで、暫定2車線の区間は対面通行となるため、一度事故が発生すると重大事故となる傾向にあることなどが挙げられています。
 2点目の課題として挙げさせていただいた対面通行の区間には中央分離帯がないため、対向車線へのはみ出しによる事故が発生する可能性があります。この場合、正面衝突による事故となるため、衝撃の大きさは追突や単独事故の比ではなく、加えて、高速運転での事故となるため、発生すれば死亡事故や重傷に至る事故となる可能性が非常に強いわけですが、正しく道路を走っているドライバー側からすれば、自衛策は何もありません。
 県内では、近畿自動車道紀勢線有田─すさみ南間や京奈和自動車道の県内全線は、大部分がラバーポールで上下線を区分する構造となっています。特に、京奈和自動車道の県内区間は山合いを通るルートで、冬場は路面凍結により車がスリップしてセンターラインをはみ出し、事故になる危険性が高まります。また、夜間走行時、道路照明が少ないことから、対向車両にぶつけられるのではないかという不安が高まり、運転するのが怖いという声もよく聞きます。
 また、国において、高速道路の暫定2車線区間において、正面衝突事故防止対策としてワイヤーロープの試行設置をしていると聞いております。京奈和自動車道においてもワイヤーロープの設置などの対策を講じていただきたいと思いますが、これまでの国への働きかけなどについて県土整備部長にお尋ねいたします。
○議長(藤山将材君) 県土整備部長。
  〔髙松 諭君、登壇〕
○県土整備部長(髙松 諭君) 京奈和自動車道などの暫定2車線の高速道路の安全対策につきましてお尋ねをいただきました。
 県内の京奈和自動車道など暫定2車線区間におきましては、議員御指摘のとおり、大部分がラバーポールで上下線を区分する構造でございまして、対面交通によります重大事故の発生につながることが懸念されております。
 このため県では、昨年5月に、平成31年度の国の施策及び予算に関する和歌山県の提案・要望において、国土交通省に対し、京奈和自動車道県内全線及び近畿自動車道紀勢線南紀田辺─すさみ南間について、車線逸脱防止機能を有するワイヤーロープを設置するよう要望してきたところでございます。
 その後、昨年6月には、国土交通省から「暫定二車線の高速道路のワイヤロープ設置方針について」の発表がございました。その中には、供用済み区間の土工区間において、4車線化や付加車線の事業実施箇所を除き、おおむね5年の設置を目指すと記載されてございます。さらに、本年1月、国土交通省の平成31年度道路関係予算概要におきましては、「高速道路の安全性、信頼性や使いやすさを向上する取組」の中に、ワイヤーロープを緊急対策として実施する旨が明記されているところでございます。
 県といたしましては、県内の高速道路における暫定2車線区間の対向車線へのはみ出し防止対策といたしまして、ワイヤーロープの早期設置を国に対し引き続き働きかけてまいりたいというふうに考えております。
○議長(藤山将材君) 中本浩精君。
  〔中本浩精君、登壇〕
○中本浩精君 御答弁ありがとうございます。
 これまでも、国に対し、京奈和自動車道へのワイヤーロープの設置について積極的に働きかけをしてくださっているとの答弁をいただきました。今後、早期に要望が実現されるよう、引き続き働きかけを行っていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 以上で、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○議長(藤山将材君) 以上で、中本浩精君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後2時34分散会

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