平成30年12月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(井出益弘議員の質疑及び一般質問)


平成30年12月 和歌山県議会定例会会議録

第5号(井出益弘議員の質疑及び一般質問)


◆ 汎用性を考慮してJIS第1・2水準文字の範囲で表示しているため、人名等、会議録正本とは一部表記の異なるものがあります。人名等の正しい表記については「人名等の正しい表記」をご覧ください。

 質疑及び一般質問を続行いたします。
 7番井出益弘君。
  〔井出益弘君、登壇〕(拍手)
○井出益弘君 まず、知事に、このたびの選挙、圧勝とともに県民の大多数の信託、信任を得たということで、本当におめでとうございます。どうぞまたひとつ4期目、しっかりやっていただいて、我々も一生懸命応援団としても、是々非々ながら一生懸命応援させていただきたいと思います。
 もう私で終わりですから、しばらく御清聴をお願いします。
 まず、今回は、紀の川の大堰の関係ということで、1点だけ深く掘り下げて質問をさせていただきたいと思います。
 1番目の通告ですが、紀の川流域の水害対策についてであります。
 まず、河道掘削及び河道内樹木の伐採についてであります。
 和歌山市内の紀の川流域では、和歌山市西田井や北の紀伊地区または直川地区などでは、これまで台風に伴う大雨や局地的な大雨により幾度となく家屋浸水被害が発生しており、また、周辺農地も広範囲で水につかり、多くの農作物への被害が発生しています。
 そうした中、紀の川を見ると、至るところに土砂が堆積し、また大きな樹木も多く存在して、紀の川の中に森があるのではといった状態になっているところもあります。これらの土砂や樹木は水の流れを阻害する障害物となり、昨年10月の台風第21号の豪雨に伴う出水時においても、紀の川本川水位を上昇させた要因の一つであろうと考えられます。
 堆積土砂の撤去や樹木の伐採について計画的に実施していくべきではないかと平成30年2月議会において県土整備部長に尋ねたところ、国土交通省においては、国、県、市町を構成機関とする紀の川流域における浸水対策検討会を本年1月に設置し、堆積土砂の撤去や河道内樹木の伐採なども含め、具体的な対応策について検討を進める予定であるということ、また、紀の川の維持管理については、これまでも土砂の堆積や樹木の繁茂状況を把握し、優先度の高い箇所から順次対策を実施しているということを聞いているとし、県としては、当該検討会の結果も踏まえ、流下断面の確保や支川からの排水を円滑にするため、河道内樹木の伐採を初め、円滑な流れを阻害する堆積土砂の撤去について、計画的かつ効果的に実施されるよう、国に働きかけていきたいというものでありました。
 そこで、検討会が既に立ち上がっていて検討も始めていく予定であるということで、検討会における内容や今後の計画などについては、地元の皆さん、水利組合の関係の皆さんへの説明を初め、ぜひ我々にも情報を提供していただきたいことをお願いしました。
 しかしながら、紀の川流域における浸水対策検討会における検討内容や今後の計画について、国土交通省、また構成員になっている県からも一向に情報が入ってこないし、紀の川堤防道路を通るときには、当然ですが、紀の川が目に入ってくるのですが、掘削や樹木の伐採が行われてる様子もありません。
 昨年10月の台風第21号の豪雨に伴う出水時においても、紀の川本川水位を上昇させた要因の一つとなる堆積土砂の撤去や樹木の伐採について、どのような検討がなされているのか、どのような方針、計画なのか、現在の状況について、県土整備部長に答弁を求めます。
○議長(藤山将材君) ただいまの井出益弘君の質問に対する答弁を求めます。
 県土整備部長髙松 諭君。
  〔髙松 諭君、登壇〕
○県土整備部長(髙松 諭君) 紀の川本川の河道掘削、河道内樹木の伐採に関しまして御質問いただきました。
 昨年10月の台風第21号に起因する豪雨により発生しました紀の川沿川地域における浸水被害の軽減に向けた紀の川本川の堆積土砂の撤去、河道内樹木の伐採につきましては、井出議員御指摘のとおり、現在、本年1月に設置されました国、県、市町を構成機関といたします紀の川流域における浸水対策検討会におきまして、具体的な対応策について検討が進められております。
 これまでも、国は緊急的な対策といたしまして、七瀬川合流点の対岸に当たる小豆島の堤防等に繁茂した樹木を伐採してきておりまして、今後につきましては、本年10月2日に閣議決定されました防災・減災、国土強靱化のための緊急対策による重要インフラの緊急点検結果に基づきまして、南田井ノ瀬橋上流左岸付近に堆積している土砂の撤去を計画していると聞いております。
 県といたしましては、当検討会の結果も踏まえ、流下断面の確保や支川の排水の円滑化に資する河道内樹木の伐採を初め、円滑な流下を阻害する堆積土砂の撤去につきまして、より計画的かつ効果的に実施されるよう、引き続き国に働きかけてまいります。
○議長(藤山将材君) 井出益弘君。
  〔井出益弘君、登壇〕
○井出益弘君 ただいま部長から答弁いただいたように、以前から七瀬川という川も大変川幅を広げてもらって、普通の状態では大変水が流れるようになって、少々の雨でも田んぼが池にならないようなことになってきて、喜んでおります。
 しかし、最近のようなゲリラ雨とか、そういうような大きな雨が来たときは、今の答弁では、ちょうどこの七瀬川の前を今度取っていただくらしいんですけども、その堆積しとるのを取ってもらっても、川の中が今、木がどんどんふえていっとって、本当にあの木も切ったり、そして根こそぎずうっと取らんと、今言われとる場所だけではなかなかだめじゃないかと。それで川底が上がる原因にもなってるんで、木が生えてるということが土砂が堆積して。
 ですから、そういうことからいくと、やっぱり川底まで下がるようなことを考えた土砂の堆積の処理とか樹木の処分、処理というようなことを。
 そしてまた、最近、砂利なんかも民間でも取らしてもらえるような人おったら許可しますよというようなことがもしあるのでしたら、そういうようなことがわかるようにしたら案外取らしていただきたいというような、樹木でも砂利でも、そのようなことが可能になるようなこともこの間ちょっとお話を聞かしてもらった方がおりましたんで、どうかそんなことも研究していただいて。
 ほんで、今言われた場所だけって、本当に紀の川ずっと船戸の近くまで紀の川大堰の水がずっと貯水量として、和歌山市の水がめとして、2倍の水がめということでもともと始めたわけですよ。そのときはずっと下の堆積もどんどん下まで掘って、たくさん水がめとしてたまるようにするということで、そしたら阪和鉄橋もこけるかわからんと。それで阪和鉄橋をかけかえするということになってやったぐらいの、底まで掘るということやったんで、それがもう本当に全然なされてなくて。
 大阪が買うてくれやんようになったから計画変更やと言ったけど、治水についてはやっぱり変更されてほっとかれたらあかんと思うんで、そういうこともぜひしっかり堆積土砂の処理ということとか、樹木の繁茂してるやつは早急に撤去していただくようにということを要望いたします。
 では、続いて、2番目の項目の新六箇井堰撤去に向けてということで質問させていただきます。
 これは、皆様に「紀の川大堰事業完成・新六ヶ井堰部分撤去後」という、国土交通省の和歌山河川国道事務所から資料いただいたやつを参考につくらせてもらっていますんで、皆さん、お手元、これちょっと見ながらお願いします。
 まず、新六箇井堰の撤去に向けての行動をとにかく起こしてほしいという要望というか、県民、市民の皆さんの私が代弁なんですけども。
 和歌山市西田井や北方面地区などの浸水被害が発生する原因については、紀の川本川の水位が長時間にわたり高い状態が継続する中、沿川地域において内水の排除が困難になるほど記録的な雨量が原因であると考える。
 このことについては、平成29年に大規模な浸水被害をもたらした台風第21号の際にも、県も主な原因と考えていると答弁されており、内水の排除には紀の川本川の水位を下げることが最も有効的な対策であると考えます。
 そこで、農業用水の取水堰である新六箇井堰については、当初、紀の川大堰の建設に関する基本計画においては、水害対策や利水の確保などを目的とする紀の川大堰の建設後、新六箇井堰は撤去されることになっていました。
 ところが、紀の川大堰本体の完成後、大阪府の水源計画の見直しにより必要とする利水の量が縮小されるとともに、治水計画についても安全に流下させる流量の規模が縮小され、段階的な整備目標への変更がなされました。この変更に伴い、新六箇井堰については、堰の全部の撤去をするのではなく、堰の基礎より上部の部分を撤去、つまり完全に撤去せずに上部3.6メーターの部分だけの撤去にとどまったわけであります。ぱっと言うと半分ぐらい残ってるんです。
 その結果、今なお堰の基礎部分の約3メーターが存置されていることから、堰より上流での紀の川の水位は十分に下がらず、内水被害が発生していることが考えられることから、さきの平成30年2月議会において、浸水被害を受けている地元の関係者より、基礎部分が存置されている新六箇井堰の全撤去と堰上流の河床掘削を求める強い要望があるが、新六箇井堰の全撤去に向け県としてはどう考えているのかについて、県土整備部長に尋ねました。このときは、公明党の多田議員も確かに私より先にこのことについて強く要望されておったと思います。
 部長からは、「現在の紀の川の河川整備は、平成24年に策定された紀の川水系河川整備計画に基づき実施されており、この計画では、下流部についての一定の整備が完了していることを受けて、上流の岩出狭窄部や藤崎狭窄部を広げる整備を進めることが位置づけられている。そして、県としては、新六箇井堰の早期撤去を求める要望があることも把握しており、まずは現在実施している上流の岩出狭窄部対策などの着実な事業進捗を国に働きかけるとともに、要望があることを国に伝える」というものでした。
 もちろん、平成28年度から国が着手している岩出狭窄部における治水対策については、岩出市、紀の川市の浸水被害を軽減し、地域の経済活動の発展、そして、地域住民の安全を確保するためにも着実に実施していただかなければと思います。
 しかしながら、その上流には、紀の川市の藤崎狭窄部、さらに上流には橋本市の小田狭窄部もあり、これらの対策が終了するのは10年先か20年先か、はたまた50年先になるか、大雨の都度、浸水被害に遭っておられる和歌山市の紀伊や直川地区方面の方々は、いつまで我慢を強いられるのでしょうか。
 こうした中、和歌山市や和歌山市議会においても新六箇井堰の撤去に向けた国への要望の動きが出てきていますが、やはり県が一緒になって、県が後押しをしてくれれば、ぐんと実現に近づくと私は思います。やはり1年でも早く、このようなことを繰り返すことがないように、すぐに全撤去といかなくても、まずは3分の1、4分の1だけでも撤去することができないものかと考えます。
 私も、この状況を見ると、紀の川の狭窄部、たくさんやってほしいと国へ頼んでおって、そういうことをやってるときに、もう一回、下まで取ってという、大堰のために取ってほしいというのはなかなか言いにくいというか、国から来られとる部長も強く言いに行けんのかなと考えたりはするんですけど、やはり何とか。ですから、一気に全部じゃなくても、部分撤去なりそんなことでも、とにかくこういう状態を、我々県民の本当に悲願の案件になってますから、お願いしたいと。
 私もこれからも引き続き尽力してまいりますが、当該地域で農作物の生産に励んでおられる皆さんや、田畑が池のようになり、道路がどこなのかわからなくなって通行どめになる地域の住民の思いを酌んでいただき、一部撤去とかの方法も視野に入れながら、新六箇井堰の全撤去に向けて国に対して要望活動を展開するなど、県も一緒になって取り組んでいただきたいと、知事にこのことを答弁を求めます。
○議長(藤山将材君) 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 現在、紀の川の河川整備は、平成24年12月に策定された紀の川水系河川整備計画に基づき実施されておりまして、この計画は、下流部についての一定の整備が完了していることを受けて、岩出狭窄部や藤崎狭窄部など中流部、上流部における整備を先に進めるということを位置づけております。これが一応のめどがついたら、また下流に戻ってきて新六箇井堰を取ってくれるんだなというふうに私は理解しておるわけでございます。
 したがって、現時点では、新六箇井堰の基礎部分の撤去及び必要な堰上流の河床掘削については、次の課題として整理されているということでございます。
 県としては、下流の和歌山市ばかりのことを考えるわけにもいかない。中上流の各市町村のことも考えないといかんので、考え方は一応了承する。ひとつ、現在、国が実施している岩出狭窄部などの中流部、上流部における河川整備の早期完成をやってもらって、それで下流に戻ってきてもらいたいという働きかけを行ってるところです。これは、もちろん新六箇井堰の撤去を念頭に置いてのことでございます。
 しかしながら、こうした大きな枠組みとは別に、和歌山市内の紀の川沿岸地域で発生しているたび重なる浸水被害の軽減につきましては、喫緊の課題と認識しております。そこで、こうした浸水被害の軽減に向けて、平成30年1月に設置されました紀の川流域における浸水対策検討会の第2回検討会が11月に開催されまして、和歌山市を含む紀の川沿川の市町の代表的な浸水箇所を対象に、国、県、それぞれの市町が連携し、効果的な内水対策を検討することとか、新六箇井堰周辺の土砂堆積状況等の調査を進めることなどが具体的な対応方針として初めて示されたところであります。
 議員御指摘の新六箇井堰の早期撤去につきましては、地元の強い御要望があることは十分承知しておりまして、和歌山市内の紀の川沿川地域における浸水被害に関して、当検討会で堰の部分撤去も含め、あらゆる可能性を排除せずに対応策を検討し、その軽減効果や費用効果など、早期の分析が必要であると考えております。
 これは仮定の問題なんですけども、その結果、新六箇井堰の撤去が今起こっている浸水被害を防ぐ唯一の対策だということになれば、これは県としても国に対して、従来の枠組みをもう変えて何とかしてくれということをすぐに言わなきゃいけないということではないか、そんなふうに私は今思っております。
○議長(藤山将材君) 井出益弘君。
  〔井出益弘君、登壇〕
○井出益弘君 なかなか知事もいろんな情勢判断をしながら、できるだけ地元の意見のことも御理解いただいてるように思います。
 私は、今ちょっと、堰を取ってしもたら解決する一番いい方法というのがわかればそういうことでと言うてくれたんで、ちょっと応援団をぜひお願いしたいので。
 この図面見てもうたら、皆さん、今のままやったら大堰が残っておるもんで、この残っとるところが川底になってます。ということは、3メーター60取ったら――高なっておるわけですね、残っとる分だけ川底がずうっと上流まで。この下に残っとる、切らんと置いとる3メーターも切れば3メーター以上下がります。
 そうなると、やはり今のように紀の川の水位が高くて、大雨降ったときは高なっとって、七瀬川とか鴨居川へ逆流するとか、山の水がどんどんたまってきたら、あれは堰を閉めとるから逆流するから、見てる間にその辺の田んぼが池になってしまうと、畑つくっとったのが皆つかってしまうというようなことを繰り返しとるのが、水位が下がればですね。まずそやからそれを確定してもらわなあかんのですけど、ぜひ調査していただいて、そんなことせんでもええよというようなことがほかにあれば別ですけど、なかなか難しいんじゃないかなと思います。どうぞ、さらにひとつ御尽力をお願いしたいと思います。
 答弁もなかなか――今回は本当に前向きに私は期待しておりますので、よろしくお願いします。どうもありがとうございました。(拍手)
○議長(藤山将材君) 以上で、井出益弘君の質問が終了いたしました。
 お諮りいたします。質疑及び一般質問を終結することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(藤山将材君) 御異議なしと認めます。よって、質疑及び一般質問を終結いたします。
 次に日程第3、議案等の付託について申し上げます。
 お手元に配付しております議案付託表のとおり、議案第142号から議案第181号まで、知事専決処分報告報第4号並びに諮問第1号は、所管の常任委員会に付託いたします。
 お諮りいたします。12月14日及び17日は常任委員会審査のため休会といたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(藤山将材君) 御異議なしと認めます。よって、12月14日及び17日は休会とすることに決定いたしました。
 次会は、12月18日定刻より会議を開きます。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後2時24分散会

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