平成30年12月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(堀 龍雄議員の質疑及び一般質問)


平成30年12月 和歌山県議会定例会会議録

第5号(堀 龍雄議員の質疑及び一般質問)


◆ 汎用性を考慮してJIS第1・2水準文字の範囲で表示しているため、人名等、会議録正本とは一部表記の異なるものがあります。人名等の正しい表記については「人名等の正しい表記」をご覧ください。

  午前10時0分開議
○議長(藤山将材君) これより本日の会議を開きます。
 日程第1、議案第142号から議案第181号まで、知事専決処分報告報第4号並びに諮問第1号を一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第2、一般質問を行います。
 23番堀 龍雄君。
  〔堀 龍雄君、登壇〕(拍手)
○堀 龍雄君 皆さん、おはようございます。
 まずは、仁坂知事の4期目の御当選おめでとうございます。知事におかれましては、3期12年の実績が認められたことであり、4期目の期待がかかっていると思います。県民の皆さんが安心して生活できるまちづくりに御尽力お願いいたします。
 まず、議長のお許しを得ましたので、報告と一般質問をさしていただきます。声がかすれておりますので、お聞き苦しい点がたくさんあろうかと思いますけれども、御容赦お願いいたします。
 まず、平成30年9月22日土曜日から23日日曜日にかけて、かつらぎ町豊岡副町長を団長として、第10回大連日本商品展覧会に、和歌山県産種なし柿とあんぽ柿、そして、以前から言われております鮮魚の輸出について、ことしも参加いたしました。参加者は、かつらぎ町から豊岡副町長、通訳として職員の船井さん、堀畑さんの3名、橋本市から久保理事、JA紀北かわかみからマルイ選果場の蓮沼委員長と職員さんの2名と、白浜漁業組合から組合長、そして組合員さんの2名が参加され、私たち県議会からは井出議員、立谷議員、鈴木議員、岸本議員、中本議員、そして私と事務担当の15人で参加いたしました。
 21日に展覧会の準備ができたのですけれども、私たちは21日に出向くことがかなわなく、22日の朝早く関西空港を出発し、現地入りして開門を待ち、開門と同時に、与えられた所定のブースに商品を配置する係、また、観光用のパンフレットを張り、のぼりを立てて店を飾る係など、手分けして作業しました。開園している中での作業でしたので、大勢の人が見入る中での作業でした。
 この展覧会に過去数回参加していることもあり、展覧会を見学に来た中国の人の中には、「以前にもこの和歌山のブースに来たことがあります」とうれしいコメントもいただきました。今回も柿のみに終わらず、観光地のPRも兼ねて参加しており、ブース内に数種類のパンフレットを常備し、かつらぎ町からは「かつらぎ100選」や、九度山町も中国語版の真田幸村のパンフレットを来店者に手渡し、交流を深めてまいりました。
 また、9月9日に代々木公園で行われましたチャイナフェスティバルに橋本市、かつらぎ町、九度山町、JA紀北かわかみも含めて伊都地方3市町農産物消費拡大協議会が参加しており、私も皆さんの応援をしてきました。大勢の人が買い物や見物に来て、大変にぎわっておりました。中でも、かたくても甘い種なし柿は大変おいしいと好評を得ておりました。これも、県の御指導のたまものだと思います。
 その後、10月の23日に井出議員、坂本議員、立谷議員、岸本議員、中本議員と私の6名で全国農業協同組合中央会会長の中家徹会長にお会いし、中国への輸出は大変難しいので力をかしてほしいとお願いをしてきました。中家会長も、「願いがかなうようにできる限りの努力はしてまいります」と力強いお言葉をいただきました。
 また、JA紀北かわかみの組合長・宮崎卓郎組合長にもたまたまお会いし、アメリカ、オーストラリアの輸出の次に中国も何とかできないかとお話をしました。「隣国で大国なので、消費も大きいし、距離も近いので輸送コストも低く、その上、新鮮な柿を食べてもらえるのが利点である。輸送コストが低い分、農家の方の手取りも多くなるよ」と話してくれました。
 今回、展覧会やチャイナフェスティバルに参加して、中国への柿の輸出は十分勝算があり、産地に元気を与えるとともに、中国の人にとっても日本の高品質な柿を待ち望んでいると感じました。これまでの時間をかけて取り組んできた活動が実ったのではないかと感じております。
 また、話は少し変わるんですけれども、知事選挙の期間中に伊都郡3町を先導させていただきました。知事は、高野町では「伝統と歴史、そして、景観を大事にしながら観光客の誘致に努めます」とおっしゃっておりました。また、九度山町やかつらぎ町では「もうかる農業にするために、アメリカやオーストラリアに柿の輸出が可能になりました。これからも輸出を含めて、よいと思うことはどしどしと進めてまいります」と力強くお話をされておりました。
 中国への輸出解禁には、JAや商社など民間同士の交流により機運を高めることも重要ですが、解禁に向けては国同士の交渉となるため、あらゆるルートを通じて強く政府に働きかけることが必要と思います。仁坂知事には、豊富な経験と多くの人脈をフルに活用していただき、県として積極的な対応をぜひともお願い申し上げます。
 それでは、質問に入らしていただきます。
 農作物の高温障害の発生についてということで、今まで異常気象と言われておりました気温の上昇やゲリラ豪雨がたびたび起こり、異常気象とは言えない、当たり前のようになってきました。12月議会の開会日の夜のニュースで、12月になるのに東京の上野で桜が咲き、新潟ではヒマワリが花いっぱい咲き誇っているのが報道されていました。これが異常気象と言わずに、当たり前になってきたのかと懸念されます。
 私の住んでいるかつらぎ町では、桃、柿、ブドウ、梨、リンゴなどほとんどの果実の栽培が可能で、多くの農家が栽培しておりますが、農家の人から毎年果実に高温障害が見られるとよく聞かされます。
 桃では、外観は何の傷みも出ていないのに、実の中のほうが傷んだように黒くなってくる。従来は袋をかけて、光や温度が満たされて色がきれいに仕上がる二重袋を使用していましたが、高温障害が出やすいため、オレンジの袋や外が白くて中が黒い袋などいろいろと手法を変えながら栽培していますが、被害が少なくなったと言える状態ではないようです。その上、温度が関係しているのかもわかりませんけれども、桃づくりでこの病気になれば被害が大きく出るせん孔細菌病も多くなってきています。
 また、柿においても、日のよく当たる部分では「焼け」といって日やけた状況になり、商品価値が下がります。今までもあったんですけれど、ここ最近、多くなっているのが事実です。
 ブドウについては、巨峰、ピオーネなどでは昼と夜の温度差で色が黒くなり、糖度が上がり甘い実になりますけれども、近年ではつくりにくくなっていると言われております。
 稲作農家の方にもお聞きしましたが、米粒が乳白色になる乳白米が目立ち、収量も1割ほど少なく、品質も落ちているとお聞きしました。
 高温障害の発生状況はどうなっているのか、農林水産部長にお尋ねをいたします。
○議長(藤山将材君) ただいまの堀龍雄君の質問に対する答弁を求めます。
 農林水産部長原 康雄君。
  〔原 康雄君、登壇〕
○農林水産部長(原 康雄君) 県では、平成19年度から地球温暖化に伴う農業生産への影響に関する実態調査を実施しており、高温障害の発生状況につきましても調査しております。
 その中で、議員お話しの桃果肉障害や柿の日焼け果、ブドウの着色遅延、米の乳白米の発生のほか、ミカンの浮き皮や果皮障害、柿の黒変果や軟化の発生、エンドウ類の発芽不良やスターチスの収穫期前進といった影響が見られています。
 高温障害については、年によって程度の差があるものの、毎年生産現場で発生しております。
○議長(藤山将材君) 堀 龍雄君。
  〔堀 龍雄君、登壇〕
○堀 龍雄君 今、部長のほうから、高温障害が、多かれ少なかれ今発生してますよという御答弁をいただきました。
 果樹栽培は1年作物ではありません。「桃クリ3年柿8年」と言われるように、実るまで長い時間が要されます。それと、適地適作と言われるように、長くその作物に適した地域、品種を選んで栽培していますが、最近、高温障害が発生し、今までと同じつくり方では思ったような作物ができなくなり、どこの生産のどの産物と言えない状況にあります。
 その地域の特産品と今までと同じように言える対策を、品種改良も含めて長期、中期、短期的にどのように考えているのか、農林水産部長にお尋ねをいたします。
○議長(藤山将材君) 農林水産部長。
  〔原 康雄君、登壇〕
○農林水産部長(原 康雄君) 高温障害に対する短期的な対策といたしましては、現在発生している高温障害の被害を軽減するため、細霧冷房装置などの機器導入を支援するとともに、生産現場での技術指導に取り組んでいるところです。
 また、中長期的な対策といたしましては、高温障害が発生しにくい優良品種の導入や高温に強い品種を開発することが必要であると考えており、特に果樹は一旦植えると長期にわたって営農を続けていかなければならないことや、気温や降水量といった気象変化の影響を受けやすい品目であることから、重点的に取り組んでおります。
 具体的には、浮き皮になりにくい温州ミカンを初め、黒星病やかいよう病に強い梅、果肉障害の発生の少ない桃に加え、黒変果の発生の少ない柿などの品種開発に取り組んでいます。
 今後も、被害軽減のための機器や技術の生産現場への普及を進めるとともに、高温に強い品種の導入、開発に積極的に取り組んでまいります。
○議長(藤山将材君) 堀 龍雄君。
  〔堀 龍雄君、登壇〕
○堀 龍雄君 積極的に品種改良などしていただいておるということがよくわかる御答弁をいただきました。これからもつくりやすい、産地に合った作物を選んでいただきたいなあと思います。
 また、生産者と県、県試験研究機関、大学、企業との連携についてということでお尋ねをいたします。
 以上申し上げたとおり、生産者は苦労しております。生産者と関係機関の連携を密にして、知恵を出し合い、この難関を突破するには、気楽に話し合えるネットワークが必要と思いますけれども、いかがでしょうか。農林水産部長にお尋ねをいたします。
○議長(藤山将材君) 農林水産部長。
  〔原 康雄君、登壇〕
○農林水産部長(原 康雄君) 議員お話しの生産者と関係機関の連携を密にして話し合えるネットワークが必要ということにつきましては、まさにそのとおりであると考えております。
 現在、生産者とJA、県、試験研究機関等が意見交換する場として、和歌山県桃研究協議会や紀州うめ研究協議会など、特定の品目ごとに六つの協議会が設置されています。また、JAの営農指導員や振興局の普及指導員、試験研究機関の研究員で構成する協議会が振興局単位に設置されています。これら協議会では、必要に応じて大学や企業等とも連携して課題解決に取り組んでいるところであります。
 こうした中で研究開発が必要な場合は、研究テーマとして提案され、外部専門家の審査を経て試験研究機関が研究に取り組むこととなっており、研究内容によっては、大学、企業、生産者とコンソーシアムを組んで共同研究に取り組むこともございます。
 研究成果については、生産者を初め、大学や企業等が参加する成果発表会や農業者の園地での実証試験などにより開発技術の普及に取り組んでいます。例えば、県果樹試験場かき・もも研究所では、平成25年度から3年間、大学や企業と共同で桃の果肉障害対策の研究に取り組み、着果数を20%多くすることや透湿性のマルチシートによる土壌水分制御などによる障害軽減技術を開発し、現在、生産現場での実証試験に取り組んでいるところです。
 今後とも、生産者の方々を初め、JAや大学、企業との連携をさらに密にして、高温障害対策を初め新たな技術開発や生産現場の課題解決に取り組んでまいります。
○議長(藤山将材君) 堀 龍雄君。
  〔堀 龍雄君、登壇〕
○堀 龍雄君 それでは次に、農業振興について、本県の農業就業人口についてということでお尋ねをいたします。
 農業は本県の基幹産業の一つであり、農業が衰退すれば県の経済力も低下するとも言われるほど、なくてはならない産業です。また、県民の食の安全・安心の確保や食料の安定的な供給を行っている非常に誇り高い職業です。
 一方では、農業従事者の高齢化、担い手の減少が急速に進み、遊休地がふえているという状況もあります。
 私は、数年前から発生している高温障害について各農家さんを訪ね調査をしていると、いつも最後の話題になるのが担い手の話です。担い手の候補者である農林大学校農学部の卒業生の進路及び就農の状況や、本県の農業就業人口及び平均年齢の推移はどのような状況ですか。農林水産部長にお尋ねをいたします。
○議長(藤山将材君) 農林水産部長。
  〔原 康雄君、登壇〕
○農林水産部長(原 康雄君) 農林大学校農学部の卒業生の進路でございますが、過去5年間では、農業法人等への雇用を含めた就農が36%と最も多く、次いで種苗や食品加工など農業関連会社が20%、JAが18%となっております。
 また、農業就業人口は、2015年農林業センサスでは、3万7913人と10年前に比べ26%減少し、平均年齢は64.4歳で3.4歳高くなっております。全国平均と比較すると、農業就業人口の減少率は11.5%、平均年齢では2歳低くなっております。
○議長(藤山将材君) 堀 龍雄君。
  〔堀 龍雄君、登壇〕
○堀 龍雄君 二つ目に、スマート農業の推進についてということで御質問をさしていただきます。
 農業就業人口が少なくなり、その上、平均年齢も高くなっていると御答弁がありました。こういった中で、作業効率を上げて、各農家がもうかる農業の体制づくりを早く整えて、あのような農業であればやってみたいなあとみんなに思ってもらえるようにしなければならないと感じました。
 こういった状況の中で、長坂議員の提案もあり、昨年度から農業先進国のオランダへ3名の県職員が派遣され、その調査発表会「和歌山スマート農業セミナー」が去る11月15日にかつらぎ町総合文化会館で開催され、私も参加させていただきました。
 皆さんが興味あるのか、非常にたくさんの方々が参加しており、3人の調査発表の後、近畿大学生物理工学部教授星岳彦先生をコーディネーターとして、オランダ派遣職員3名とICT実践農家・西歩氏による「オランダ農業の強みを取り入れた和歌山県農業の展開」をテーマにパネルディスカッションが行われました。その後、質疑の時間がとられ、会場に座っていた生産者から質問がたくさん出るなど、スマート農業への関心の深さを知ることができました。
 農林大学校からも多くの学生が会場に来て発表を熱心に聞き、また、メーカーが展示した農薬散布のドローンやアシストスーツなどに興味を持っている学生たちの姿を見て、和歌山県の農業を担ってくれると頼もしくも思いました。
 また、私もセミナーの参加後、地域において生産者の方とお話をすると、もっと詳しく知りたい、どこへ行けばいいのか、設備投資に補助金が出るのかなど、いろいろと聞かれました。県の人に尋ねてみると、残念ながら対象となる補助金の枠は今年度はいっぱいとのことでした。
 また、ドローンやAIの先端技術が急速に進化し、農業分野に広がりを見せ始めてきて関心も高まりつつありますが、末端までまだ届いているとは思われません。今後ますます高齢化が進み、就農人口が減っていく中で、こういった先端技術が農業分野に導入され普及されれば、まだまだ農業に魅力があり、若者たちが農業を担ってくれると期待できます。
 私も、桃や柿をつくっておりますが、隣近所の先輩の方に教えてもらったり、長年の経験や勘で農業をやっていますが、そこへ科学的な要素や先端的技術が加われば、もっとすばらしいものになると思います。
 中山間地で家族経営の多い和歌山県において、今後どういったものが適しているのか研究が必要ですし、設備投資に対する支援やそれを使うための技術の習得の研修や指導する人の確保が必要であると考えます。生産者同士の情報交流や困り事への相談体制など、課題は多くあると感じました。
 スマート農業をどのように進めていくのか、農林水産部長にお尋ねをいたします。
○議長(藤山将材君) 農林水産部長。
  〔原 康雄君、登壇〕
○農林水産部長(原 康雄君) 農家の高齢化が進み、就業人口が減少している中、農作業の省力化や農作物の品質向上を図るため、ICTやロボット等の革新的技術を活用したスマート農業の推進は重要であると考えております。
 現在、国や農機具メーカーにおいては、自動走行トラクターやIoTを活用した水田の水管理システムなど新しいものが次々と開発されていますが、稲作での大規模経営を前提としたものが多く、傾斜地が多い本県では普及していない状況でございます。
 このため、県では、国や大学、農機具メーカーと共同で、小規模でも導入可能な施設園芸での統合環境制御技術や樹園地でのドローンによる農薬散布技術などの開発、試験研究に取り組んでいるところでございます。
 また、議員の御指摘のとおり、スマート農業を進める上で、設備投資に対する支援や技術習得、生産者間の情報交流は重要であると考えており、補助事業により機器導入の支援を引き続き行うとともに、今後、農機具メーカーと連携した現地実証、スマート農業実践者と取り組み希望者とのネットワーク化などにも取り組み、スマート農業のさらなる普及を図ってまいりたいと考えております。
○議長(藤山将材君) 堀 龍雄君。
  〔堀 龍雄君、登壇〕
○堀 龍雄君 四つ目の問いを述べさせていただきます。
 橋梁、トンネルの老朽化対策の取り組みについてということで、県及び市町村の状況と今後の対応についてということで質問させていただきます。
 平成24年12月の中央道笹子トンネルの天井板崩落事故後、平成25年の道路法改正等を受けて、平成26年7月より全ての橋梁やトンネル等について、5年に1回の頻度で点検を実施することとされております。1年で全ての橋梁やトンネルの点検を実施することは不可能であり、5年計画を立てて行ってくれていると思います。
 ちょうどことしがその5年目に当たることから、県及び市町村管理の橋梁やトンネル等の点検の結果とそれに伴う対応状況について、県土整備部長にお尋ねをいたします。
○議長(藤山将材君) 県土整備部長髙松 諭君。
  〔髙松 諭君、登壇〕
○県土整備部長(髙松 諭君) 橋梁、トンネルの点検結果とその対応状況に関する御質問をいただきました。
 まず、法定点検の実施状況についてでございますけれども、平成29年度末までに、県の管理いたします2379橋のうち約8割、166トンネルのうち約6割の点検が完了しておるところでございます。また、市町村の管理いたします8900橋のうち約8割、トンネルについては106トンネルのうち約4割の点検が完了しているところでございます。
 今年度が点検開始から5年目となりまして、一巡することとなりますことから、県及び市町村におきましては、点検を終えていない橋梁、トンネルにつきまして、年度内に点検を終えるべく進めているところでございます。
 これらの点検による結果につきましては、県、市町村をあわせ、道路メンテナンス会議で毎年公表しているところでございます。
 次に、対策の状況についてでございますけれども、県、市町村ともに、早期もしくは緊急に措置を講ずべき状態と判断されました橋梁、トンネルについては、必要に応じて応急対策を講じた上で、対策工事の設計を行い、順次工事を進めているところでございます。
 今年度で一巡目の点検は終了いたしますけれども、今後とも適切な点検及びその点検結果に基づく対策をきちんと進めていきますとともに、市町村に対しましても適切な指導、助言などを行うなど、県内道路の適切な管理に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○議長(藤山将材君) 堀 龍雄君。
  〔堀 龍雄君、登壇〕
○堀 龍雄君 一つ目の質問で、農産物の高温障害の発生と状況についてということをお伺いしました。
 県では、平成19年度から、地球温暖化に伴い農産物にどのような影響があるか、調査の結果、桃、柿、ミカン、米、花にも高温障害が出ているとの説明があり、対策として、試験研究機関や大学、企業、生産者との連合を組んで取り組んでいる、成果については、桃では透湿性のマルチシートによる水分調整、それと、着果数を20%ふやすことで障害が少なくできると、実証試験をしているとの答弁がありました。
 生産者は、生産者同士や農協と話し合いはよくする機会があるんですけれども、試験場や県との連携が少ないと思います。生産者が気楽に話し合えるネットワークづくりに取り組んでいっていただきたいなあと、そう思っております。
 二つ目の質問で、農業振興についてということで、農林大学校卒業生の生徒は何らかの形で農業に関連した仕事に従事しているとのことで、喜んでおります。しかし、農業従事者は、10年前に比べ、26%少なくなっているとのことでした。農家の高齢化や就業人口の減少に伴い、省力化や品質向上のため、ICTやロボットを活用したスマート農業普及も強くお願いを申し上げます。
 また、三つ目の質問であるんですけれども、橋梁、トンネルの老朽化対策の取り組みについてということで、先ほどの答弁で、5年に1度の点検はことしで5年目に当たり、一巡すると御答弁がありました。県管理の2379の橋梁のうち8割が、166のトンネルのうち6割の点検が済んでいると、市町村においては、8900の橋梁のうち8割、106のトンネルのうち4割の点検が済んでいるとのことでした。この数字を見ても、市町村の比重が非常に大きいと感じられます。
 ある町でお聞きしたところ、道路交通の安全性確保のためにも、損傷が浅いうちに補修を行い、予防点検の観点から老朽化対策に取り組むことが大事であり、そのためにも市町村は継続した多くの予算が必要とのことでした。国から交付金が出ているのはよくわかっておりますけれども、残りの約4割については自治体の単独予算が必要となります。市町村の負担を軽減するためにも、県におきましても御尽力をいただきますよう、重ねて要望しておきます。
 これをもちまして、私の一般質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(藤山将材君) 以上で、堀龍雄君の質問が終了いたしました。

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