平成30年12月 和歌山県議会定例会会議録 第3号


平成30年12月 和歌山県議会定例会会議録

第3号(全文)


◆ 汎用性を考慮してJIS第1・2水準文字の範囲で表示しているため、人名等、会議録正本とは一部表記の異なるものがあります。人名等の正しい表記については「人名等の正しい表記」をご覧ください。

平成30年12月
和歌山県議会定例会会議録
第3号
────────────────────
議事日程 第3号
 平成30年12月11日(火曜日)
 午前10時開議
 第1 議案第142号から議案第181号まで、報第4号並びに諮問第1号(質疑)
 第2 一般質問
────────────────────
会議に付した事件
 第1 議案第142号から議案第181号まで、報第4号並びに諮問第1号(質疑)
 第2 一般質問
────────────────────
出席議員(40人)
 1番 中西峰雄
 2番 秋月史成
 3番 立谷誠一
 5番 前芝雅嗣
 6番 花田健吉
 7番 井出益弘
 8番 宇治田栄蔵
 9番 川畑哲哉
 10番 玉木久登
 11番 濱口太史
 12番 鈴木太雄
 13番 尾﨑太郎
 14番 藤山将材
 15番 尾崎要二
 16番 中村裕一
 17番 岩田弘彦
 18番 中本浩精
 19番 山本茂博
 20番 岸本 健
 21番 冨安民浩
 22番 吉井和視
 23番 堀 龍雄
 24番 中 拓哉
 25番 森 礼子
 26番 服部 一
 27番 谷 洋一
 28番 新島 雄
 29番 岩井弘次
 30番 多田純一
 31番 片桐章浩
 32番 藤本眞利子
 33番 浦口高典
 34番 山下直也
 35番 山田正彦
 36番 菅原博之
 37番 谷口和樹
 38番 奥村規子
 39番 雑賀光夫
 41番 坂本 登
 42番 長坂隆司
欠席議員(なし)
〔備考〕
 4番 欠員
 40番 欠員
────────────────────
説明のため出席した者
 知事         仁坂吉伸
 副知事        下 宏
 知事室長       宮﨑 泉
 危機管理監      藤川 崇
 総務部長       田村一郎
 企画部長       田嶋久嗣
 環境生活部長     山田成紀
 福祉保健部長     山本等士
 商工観光労働部長   山西毅治
 農林水産部長     原 康雄
 県土整備部長     髙松 諭
 会計管理者      中西 淳
 教育長        宮下和己
 公安委員会委員長   溝端莊悟
 警察本部長      檜垣重臣
 人事委員会委員長   平田健正
 代表監査委員     保田栄一
 選挙管理委員会委員長 小濱孝夫
────────────────────
職務のため出席した事務局職員
 事務局長       田村公一
 次長         糸川 徹
 議事課長       松山 博
 議事課副課長     山田修平
 議事課議事班長    岸裏真延
 議事課主任      保田良春
 議事課主査      伊賀顕正
 議事課主事      浅田晃秀
 総務課長       田中健司
 政策調査課長     中平 博
────────────────────
  午前10時0分開議
○議長(藤山将材君) これより本日の会議を開きます。
 日程第1、議案第142号から議案第181号まで、知事専決処分報告報第4号並びに諮問第1号を一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第2、一般質問を行います。
 1番中西峰雄君。
  〔中西峰雄君、登壇〕(拍手)
○中西峰雄君 おはようございます。
 さすがに師走らしくなってまいりまして、けさ、外の温度計を見ますと0度を示しておりました。寒い中ですけども、トップバッターで頑張らせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 まず、1番ですけれども、産業廃棄物の不法投棄についてということで質問させていただきます。
 どうしてこのような質問をするかということなんですけども、2年ほど前に住民から橋本の市役所に通報がありまして、行ってみたら、土砂にまぜた大量の産廃が積み上げられていたという事案が発生いたしました。しかもその後、積み上げた産廃まじりの土砂が昨年の台風で崩壊し、市道や畑、そして池に流れ込み、一部排土したものの、池になだれ込んだものはそのままで、池は今も使えないという状態にあります。急勾配で積み上げた不法産廃土砂もそのままで、撤去できずにおります。
 つい数年前に、身近なところでこういう事案が発生してしまったことを考えますと、今後も産廃の不法投棄が発生することが強く懸念されます。一旦不法投棄がされますと、この事案でもそうですけども、原状回復は極めて困難です。
 今後、こういうことを起こさないために、なお一層の対策強化が必要と考えます。
 一つは、産廃に対する住民の注意意識啓発を強化すること、不法産廃監視への意識を高めていただくこと、そして、怪しいダンプや重機の動きがあれば速やかに当局に通報するよう啓発を強化することだと思います。
 もう一つは、やはり監視体制の強化です。広いエリアを監視するには、もっとパトロールの強化が必要だと思います。各保健所の担当職員はほぼ1名であり、ほかの職務もこなしながら広いエリアを常時監視することは、現実問題としてできないのではないかと考えます。また、業務委託をしておりますパトロールも、保健所の勤務時間外、すなわち休日と夜間だけであり、どうしても監視の目が緩くなってしまいます。
 現況の体制や対策はどうなっているのかを改めてお尋ねするとともに、さらなる強化をどう考えているのか、環境生活部長にお尋ねいたします。よろしくお願いします。
○議長(藤山将材君) ただいまの中西峰雄君の質問に対する答弁を求めます。
 環境生活部長山田成紀君。
  〔山田成紀君、登壇〕
○環境生活部長(山田成紀君) 不法投棄対策の現状と対策についてお答え申し上げます。
 現在、各保健所及び串本支所に主務者1名、補助者1名の職員を、さらに岩出保健所に非常勤の環境監視員1名を配置し、不法投棄の取り締まりを行っています。
 不法投棄防止と通報についての住民への啓発につきましては、6月の環境月間にJR和歌山駅前でパンフレットの配布を行うなど、さまざまな機会を通して広報を行っています。
 不法投棄の監視につきましては、和歌山県警の協力のもと、産業廃棄物運搬車両の路上検査や県警ヘリコプターによるスカイパトロールなどを行っております。また、職員及び不法投棄監視委託事業者により巡回パトロールを行うとともに、市町村と連携して監視カメラの設置をしています。
 さらには、農協や森林組合など地域の状況に詳しい団体との間で不法投棄の情報提供に関する協定を結び、監視体制の強化を図っているところです。
 今後は、不法投棄の情報提供に関する協定締結団体をふやすこと、監視カメラを増設すること、さらには、職員等による監視パトロール回数をふやすこと等により、さらなる不法投棄監視体制強化に向け検討しているところです。
○議長(藤山将材君) 中西峰雄君。
  〔中西峰雄君、登壇〕
○中西峰雄君 答弁いただきました。
 県は県としてよくやっていただいてるかなというふうに思いますけれども、済みません、次に、警察本部長にお尋ねいたします。
 取り締まりの現状と今後の対策について及び廃棄物事犯の検挙数についてお尋ねいたします。
○議長(藤山将材君) 警察本部長檜垣重臣君。
  〔檜垣重臣君、登壇〕
○警察本部長(檜垣重臣君) 警察による取り締まりの現状と今後の対策についてお答えします。
 廃棄物事犯の取り締まりについては、廃棄物処理法違反で、昨年54件64名を、本年11月末で61件70名を検挙しております。
 廃棄物事犯対策については、警察本部に和歌山県警察環境保全対策推進本部を設置し、総合的な環境保全対策を推進しているほか、事犯を認知した際には、警察本部の捜査員等で構成する環境機動捜査隊を運用するなど、迅速的確な捜査を推進しております。
 また、各警察署ごとに紀の国環境モニターの名称で民間ボランティアを委嘱し、廃棄物の不法投棄等の情報収集に努めているところです。
 今後も、紀の国環境モニターを初めとした民間ボランティアや関係機関との連携を図りながら、厳正な取り締まりを推進してまいります。
○議長(藤山将材君) 中西峰雄君。
  〔中西峰雄君、登壇〕
○中西峰雄君 今の本部長の答弁の中で、11月現在で61件70名を検挙したということからしましても、決してこの廃棄物の不法投棄について油断ができるものではないというふうに思います。
 不法投棄がされますと、県の産廃行政に対する不信感を生みますし、それと、きちんとした産廃業者さんに対する信頼も失われてしまうと思います。
 また、産廃の撤去や原状回復につきましても、行政のほうで何とか解決してほしいというふうに考えるのが住民の気持ちでありまして、行政としましても、ほっとくわけにもいかんし、この対応に結局苦しんでしまうということになります。不法投棄をさせない鉄壁の守りを築いていただきたいと思います。
 当然ながら、不法投棄をする者はできるだけわからないようにするわけで、また、ユンボ等の重機が動いていましても、住民は「何か工事やってるな」程度で見過ごしてしまいがちです。今回発生した事案もそうでした。ですから、不法投棄をもっと警戒するように、住民の啓発をさらに強化していただきたいと思います。
 それと、監視パトロールですが、その強化には人員の増強が必要だというふうに考えます。御答弁では、パトロールの戦力自体、兵力自体の増強を考えるという御答弁ではなくて、現有兵力、基本各保健所で主務者1名、補助者1名で戦い方を工夫するというふうに聞こえます。戦い方を工夫するということも必要ではありますが、果たしてそれで防げるのかと。現に、今回防げなかった。甚だ疑問です。
 職員をふやすか、監視パトロールの委託内容を強化するか、とにかく戦力自体、兵力自体をふやしていただきたい。職員をふやすとしましても、何も正職員である必要はなく、嘱託職員か臨時職員でもいいと思います。強く要望させていただきます。
 それと、警察のほうですけれども、ボランティアの紀の国環境モニターの増員を考えてもいいのではないかというふうに思います。例えば、橋本署管内で4名とのことでありますけれども、倍増してもいいのではないでしょうか。
 以上、要望させていただいて、この質問を終わらせていただきます。
 次に移らしていただきます。
 次は、病院の非常用自家発電設備についてであります。
 北海道苫東地区の地震で大規模長期の停電、いわゆるブラックアウトが発生し、病院が機能不全に陥ったということがありました。
 そこで、本県の病院の非常用自家発電設備の設置状況はどうなっているのか。災害拠点病院の設備の能力は、病院機能をある程度の長期にわたって維持するにたえるものなのかどうか、お尋ねします。
 それと、さらなる充実のための施策についてもお尋ねいたします。よろしくお願いします。
○議長(藤山将材君) 福祉保健部長山本等士君。
  〔山本等士君、登壇〕
○福祉保健部長(山本等士君) 県内の病院の非常用自家発電設備につきましては、平成29年度の立入検査結果によると、県内83病院のうち74病院が設置しています。特に、各地域で災害時の医療活動の中心的役割を担う災害拠点病院10病院は、通常時の6割程度の発電容量の非常用自家発電設備を保有し、3日分程度の燃料を確保しております。
 また、県と石油商業組合が協定を締結し、停電の長期化により非常用自家発電設備で使用する燃料が不足した場合には、災害拠点病院に対して燃料が供給されることとなっております。
 しかしながら、大規模災害時には、災害拠点病院は一度に多数発生する重症患者に対し、検査や治療を適切に行わなければならないため、停電時においても病院の基本的な機能の維持だけではなく、必要な医療機器を稼働できるよう電力を確保しなければなりません。
 こうしたことから、県では、大規模災害に備え、県内各病院の非常用自家発電設備の性能や医療機器への接続状況について、先般、改めて調査を実施するとともに、災害時における病院電力の早期復旧を図るため、関西電力と県内各病院の機能等の情報共有を行ったところです。
 なお、今回の調査におきまして電力の確保が不十分な病院があることが明らかとなったため、これまでの取り組みに加えまして、今後新たに災害拠点病院等が実施する電力強化の取り組みへの支援を行うなど、災害時の患者受け入れ体制をさらに強化してまいります。
○議長(藤山将材君) 中西峰雄君。
  〔中西峰雄君、登壇〕
○中西峰雄君 お聞きして、大分整備はされてきているんかなあというふうに感じました。ただ、災害拠点病院の電力が6割程度の必要電力を準備しているということなんですけども、大災害になったときに患者の受け入れ等もふえますし、御答弁のとおり、この電力についてはもっと充実をしていかなければいけないんじゃないかなあというふうに思います。
 この電力がどれだけ足りてるかということ自体が、なかなかチェックが難しいというふうにはお聞きしとるんですけども、万全の受け入れができるように考えて対応していただきたいなと思いますので、よろしくお願いいたします。
 2番はこれで終わりまして、次、3番に移らしていただきます。
 3番は、和医大入学試験の地域医療枠と県民医療枠、及び和医大卒業生の進路についてであります。
 先月末ぐらいに、NHKの朝のニュースや新聞で、医学部の地域枠が埋まらずに欠員が生じてるということが報じられました。私立大学──恐らく近畿大学の医学部のことかなあと思うんですが──の和歌山県の地域医療枠も6名の欠員と報じられております。
 和医大の地域医療枠と県内医療枠はどういう状況か、お尋ねします。
 次に、卒後の進路で、一般枠70名のうち県内医療機関に従事する卒業生の過去3年間の平均は25人程度とお聞きしております。
 県民は、一体何のために毎年毎年50億円以上のお金を出しているのか。それは、やっぱり県民の気持ちとしては、和歌山県民のために働いてくれる医師を養成していただくためだと思うんです。和歌山県民のために働く意思のない学生や、県民に貢献するドクターを養成できない大学のために出しているのではありません。これは、県民からしたらそういうことです。この多額のお金は、県民の命と健康を守るために、県内医療に貢献してくれる医師を養成するために出しているんだと思います。了見が狭いと言われるかもしれませんけども、少なくとも私はそういうふうに考えます。
 一般枠70人のうちの25人しか県内従事がないとすれば、100名のうち半分強しか和医大は県民に貢献できていないことになります。ならば、和医大への県からの運営費交付金、昨年度で約56億円は半減してもいいのではないかと。医大が県民のためにならない医師を養成する費用は、附属病院の収益で補ってもらったらいいのではないかという過激なことを思ってしまったりします。これは冗談じゃなくて半分本気で、そない思うてます。
 25人も県内に残ればいいほうだとおっしゃる方もいますけども、私はそうは感じません。大学は、入学者全員が県内で従事してくれるように、さらにできる限りの力を尽くしていただきたいと思います。中期の目標を持って、どうすればそうなるかということを真剣に考えて取り組んでいただきたいと思います。
 多額の運営費交付金を出していることを踏まえて、県としてどう考えるか、答えにくいとは思いますが、御答弁よろしくお願いします。
○議長(藤山将材君) 福祉保健部長。
  〔山本等士君、登壇〕
○福祉保健部長(山本等士君) 県立医科大学の地域医療枠及び県民医療枠につきましては、毎年30名の定員を充足しています。地域医療枠及び県民医療枠は、卒後9年間、県内公的医療機関で勤務することを条件としており、卒業後2年間の臨床研修を修了し、平成28年度から順次県内の公的病院で勤務を開始しております。
 県立医科大学の使命は、高い水準の教育を提供し、最先端の研究を行うことで優秀な人材を集め、地域医療に貢献する立派な医療人を育成することにあります。そのため、県は大学の運営に必要な教職員人件費や大学施設の維持管理費として、運営費交付金を県立医科大学に対し交付しております。
 このことを踏まえまして、県としましては、県立医科大学に対し、将来の地域医療を支えていくという志の高い医師を養成するため、地域医療の重要性を学ぶ卒前教育の充実など、地域医療マインドを涵養するための教育に一層取り組むよう要請しているところです。
 その上で、地域医療マインドを持った県立医科大学卒業医師が1人でも多く県内で臨床研修を受けることができるよう、県内全ての研修病院が連携して魅力のある受け入れ体制を整備していますが、今後とも地域医療の充実を図るため、県と県立医科大学が共通認識を持ちながら、さらなる医師確保に取り組んでまいります。
○議長(藤山将材君) 中西峰雄君。
  〔中西峰雄君、登壇〕
○中西峰雄君 なかなか難しいとは思うんですけども、立派な医師を養成するという大学の役割も、それはわかるんですけども、私、県民の負託を受けた者の1人として、やっぱり県民が思ってるのは、和医大の学生さんにみんな県内で診てほしいよというのが気持ちやと思いますんで、そこをよく踏まえていただいて、県も医大も取り組んでいただきますことをお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
 次の質問に移らしていただきます。
 和医大の医師派遣についてであります。
 本年6月の定例議会の一般質問において、私は、和歌山市医療圏以外の県内の病院勤務医が他都道府県と比べて非常に少ないこと、各医療圏の中核を担う公立病院の医師が充足されていないことは指摘させていただいたところです。
 私としては、ちょっと信じられないようなことをお聞きしましたんで、お尋ねいたします。
 何かといいますと、和医大から大阪南部の公立病院に医師が4~5名、この数字は何人かはっきりと聞いてないんですけど、4~5名派遣されているということであります。
 県は、そういった事実があるということを知っておりますか。県内公立病院の医師が充足していない中、他府県に和医大の医師が派遣されているとすれば、県民から見て、納得のできる合理的な理由、客観的で透明性の高い理由が必要と考えます。その理由とは何でしょうか。お尋ねします。
○議長(藤山将材君) 福祉保健部長。
  〔山本等士君、登壇〕
○福祉保健部長(山本等士君) 県立医科大学から県外の病院に医師が派遣されていることは承知しております。これは、県外の病院で希少な症例や多様な症例を数多く経験した医師が派遣先から県内に戻り、そこで得た技術や知識を普及させることで県内の医療水準を向上させるためと聞いております。
 しかしながら、県としましては、このような県外の病院への医師派遣は、医療の向上に寄与すると理解できるものの、依然として県内公立病院の医師不足が解消されていないことから、医師の県外派遣は必要最小限にとどめるべきであると考えております。
 県内の病院への医師の適正配置につきましては、これまで県から県立医科大学に対して個別に要請してきたところでございますが、本年7月に医療法が改正され、来年度以降は、県立医科大学を初め県内医療関係者等を構成員とする地域医療対策協議会において、医師の適正配置について協議し、協議が調った事項について、県立医科大学はその実施に協力するよう努めることになっております。
 県としましては、こうしたことも踏まえまして、県立医科大学に対して、県民医療を堅持するという気概を持って県内公的病院の医師充足に取り組むよう、引き続き強く働きかけてまいります。
○議長(藤山将材君) 中西峰雄君。
  〔中西峰雄君、登壇〕
○中西峰雄君 答弁いただきまして、さきの質問もそうなんですけども、この問題は大変難しいですね。大学の自治、教授や医師の学問の自由、そして職業選択の自由、組織運営の自主権にも絡んでまいります。医師の派遣という人事が医局の専権でなく、大学としての統治ができているのかどうかというところも不明確、そして、外部がどこまで制御できるのかという難しい問題がございます。
 先ほど、県外の病院で希少な症例や多様な症例を数多く経験した医師が派遣先から県内に戻り、そこで得た技術や知識を普及させることで県内の医療水準を向上させるために県外病院に派遣していると答弁いただきましたが、それは一体誰がどのようにして決めているのか。検証可能なのか。私のような外部の人間にも納得のできる透明性と合理性があるのかといえば、甚だ心もとない。医局の専権に委ねられたままになっているんではないかなという疑念を拭い去ることはできません。
 果たしてそれでいいのか。県と医大は、県民医療に尽くすという崇高な使命を再認識していただき、県内基幹病院の充実強化を最優先として、納得性の高い説明責任の果たせる派遣制度の構築を考えていただきますことを強く要望させていただいて、この質問を終わります。
 次に移ります。
 次の質問は、知事にお尋ねするんですけども、この質問通告を出した段階で出入国管理法案がまだ通っておりませんでしたが、通りました。きのう閉会した臨時国会で、出入国管理法が改正されました。この改正により、政府は新たに約34万人の外国人労働者の増加が見込まれるとしております。もっとも、そのうちの半数は技能実習生からの振りかえになるのではないかというふうにも言っております。
 外国人労働者の受け入れには課題が多いことや、この改正が生煮え感を否めないことは十分に承知しておりますけれども、ここは国会ではありませんし、私は国会議員でもございませんので、この改正についての細かな議論はいたしません。
 ただ、しかしながら人口減少、生産年齢人口の減少という中長期の大きなトレンド、そして、県内でも介護分野を筆頭に人手不足感が強まる中、これを機に、和歌山県発展のために外国人労働者を戦略的に受け入れ、活用することを積極的に考えるべきかと思います。もうそろそろ外国人労働者との共生を考えていくべき時期にあるのではないでしょうか。
 菅官房長官が談話の中で、「外国人労働者に日本を選んでいただけるよう、受け入れ条件の整備に努めてまいりたい」というようなコメントをしておりましたが、県としても、外国人労働者を本県発展のためにどう生かしていくか、そして和歌山県を選んでいただくために受け入れ環境をどうするか、諸課題をどう解決するかを考えていくべき時期にあるんではないかなというふうに思いますので、県知事の御所見をお尋ねいたしますので、よろしくお願いします。
○議長(藤山将材君) 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 和歌山県を含め、我が国における人口減少社会を見据えた場合、ますます労働力の確保が重要となるため、企業や業界によっては、外国人労働者の雇用が不足する労働力を補完する一つの選択肢になり得るものというふうに認識はしております。
 今回の新たな受け入れ制度による外国人労働者の在留期間は最長5年で、技能実習の期間と合わせることにより最長10年の在留が可能となり、熟練した技能があればさらに長期の在留が可能となるというふうに理解しております。
 しかし、こういう内容をもって成立いたしました出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律では、受け入れる産業上の分野等の基本方針は閣議決定、具体的な分野名や雇用契約関係等は法務省令に委ねられているなど、実際、外国人労働者を受け入れようとするには、法に定められていない事項が多くて、国において、その政令とか省令とか、そういうものをしっかり制度設計をこれからもやってもらいたいというふうに考えております。
 各企業においては、想定されている外国人労働者の受け入れに当たり、相手国の送り出し機関や国内の受け入れ機関にさまざまな団体が存在することや、外国人労働者に対する給与面の措置や住居の整備など、十分理解を深める必要がございます。また、外国人労働者の活用に当たっては、人材不足に対応するための機械化推進等の経営努力も行った上で、総合的に考えていただくことが望ましいのではないかと思います。
 その上で、県としては、外国人労働者の活用を考える県内企業に対し、外国人労働者の受け入れに関する制度や受け入れ方法について、さまざまな機会を通じて正しい知識を周知したいと考えております。
○議長(藤山将材君) 中西峰雄君。
  〔中西峰雄君、登壇〕
○中西峰雄君 ありがとうございます。
 民間企業がどうするかは、それは企業人が考えるべきことかなあというふうに思うんですけども、国はこの改正によって、ある一定の規制緩和をして、外国人労働者に日本のために働いていただこうというふうに決めました。
 私がお尋ねしたかったのは、県は今後、この外国人労働者をどう生かしていくかということで、そこの姿勢がもう少しきちっとしてないんかなというふうな印象を受けましたんで、これは法案自体が生煮えでございますし、国の制度設計を見なければならないということもわかりますんで、ただ、本当に県内でも人手不足感が強まっております。人も減ってますんで、これは真剣に今後どうしていくかということを考えていただきますことを要望して、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○議長(藤山将材君) 以上で、中西峰雄君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 30番多田純一君。
  〔多田純一君、登壇〕(拍手)
○多田純一君 おはようございます。
 まず最初に、仁坂知事、4期目の御当選、改めておめでとうございます。何といっても、知事の県政12年間の実績に対する評価だと思っております。これからの4年間でもっと和歌山県勢を大きく、また強くたくましくしていただく期待のあらわれで、圧倒的な勝利と感じております。
 また、引き続き関西広域連合の副連合長としてのその任につかれる由、御苦労さまですが、和歌山県民のためにも御活躍をお祈りいたします。
 それでは、議長のお許しを得ましたので、質問に入ります。
 関西が浮上できるチャンス到来となる大きなイベントが決定いたしました。
 知事選投票日の前日、日本時間の11月24日未明に、2025年国際博覧会の開催地が大阪に決まりました。テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。人類の抱えるあらゆる問題や課題解決策を示し、夢と未来社会を創造させる一大イベント。大阪を中心に5月から11月にかけての185日間、約2800万人の来場が予想されております。
 政府を挙げて誘致活動を展開し、関西経済界や近畿各府県でも協力、和歌山県議会でもいち早く昨年9月に支援と協力を決議しています。関西に住む人間にとって大変喜ばしいことと考えます。
 万博の日本開催は、2005年の愛知万博以来20年ぶり、大阪では1970年以来55年ぶりの開催となります。当時高校生のときで、仲間たちと吹田の千里丘陵に赴き、シンボルの太陽の塔や世界のパビリオン館に何時間も並んだ思い出があります。大勢の外国人を見たのもリニアモーターカーを見たのも、このときが初めてだったと思います。技術やテクノロジー、そして芸術、文化、未来を創造させる大きなイベントとして期待をしております。
 京都や神戸ではサテライトという声も上がっていますが、和歌山県としてこのチャンスをどのように生かしていくおつもりなのか。世界から注目を集め、大阪が浮上し、和歌山を含め、それが関西全体の浮上のきっかけになればと考えます。
 井戸関西広域連合長も「関西全体で盛り上げてまいります」とコメントを発表されております。2025年日本万国博覧会誘致委員会に関西広域連合の一員としても応援してきたでしょうし、誘致実現のチャンスを利用するだけでなく、どのような協力ができるのかも含め、仁坂知事にお伺いをいたします。
○議長(藤山将材君) ただいまの多田純一君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 大阪万博は、「いのち輝く未来社会のデザイン」というテーマのもと、世界的な課題解決に向け、先端技術など世界の英知を集め、未来社会を共創、つまりともにつくるという万博であります。
 万博開催を契機に大阪が発展するということは、関西全体が発展し元気になるということでありまして、和歌山県にとっても大変喜ばしいことであると思います。この悲願達成に尽力された日本国政府を初め、財界関係者等の皆様に敬意を表したいと思います。
 また、県内企業、団体及び県民の皆様による誘致委員会への会員登録や和歌山県議会及び県内の全市町村議会等で誘致決議をいただいて応援をしていただいたということについて、関係者の皆様に改めて御礼を申し上げたいと思います。
 万博の開催期間中は、約2800万人の来場者が予想されております。本県には、圧倒的な自然やこれらに育まれた精神性、特色ある産業など魅力ある資源が数多く存在いたしますので、開催前後を含め、本県へ観光客を呼び込むため、国内外の旅行会社等に対し、大阪万博会場だけじゃなくて、本県観光地を含めた旅行商品を提案していくほか、会場に来場された多くの方々に、例えばバーチャルリアリティー等を活用して本県の魅力を伝えるなど、積極的に誘客を図っていくとともに、プレミア和歌山を初め県の特産品など、和歌山県の魅力をどんどんPRするなどして、本県経済の活性化につなげていきたいと思います。
 なお、関西広域連合では、万博にどのような協力をしていくのか、まだ議論はされておりません。本県といたしましては、これまで誘致に関して積極的に協力したのと同様に、成功に向けて協力していきたいと考えております。
○議長(藤山将材君) 多田純一君。
  〔多田純一君、登壇〕
○多田純一君 それでは、次の質問に移ります。
 新国土軸の形成についてお尋ねをしたいと思います。
 平成25年12月県議会、ちょうど5年前になります。関空・紀淡・四国高速交通インフラ整備についてお伺いをいたしました。
 国土の均衡ある発展という考え方と、第1国土軸に加え、災害や確実性を担保するという意味で、第四次全国総合開発計画の中で提唱されました。現在の第1国土軸に加えて、太平洋新国土軸は、東海から伊勢湾口、紀伊半島、紀淡海峡を経て四国、九州に至る新しい国土軸を形成し、東日本大震災以来、首都圏一極集中に対するリダンダンシー、第1国土軸との相互補完、首都機能の代替機能を高め、災害に強い多重型ネットワークを形成するためにも大変重要な国土軸という考え方です。和歌山の発展は、この新しい国土軸を形成できるかどうかに大きくかかっております。
 着工の具体的な見通しはないままに、これまで道路特定財源などから調査費が支出され、国会などで無駄な公共事業との批判が浮上し、個別プロジェクトに関する調査は今後行わないと明言されました。また、紀淡道路など計画路線に格上げする場合は、国会に判断を委ねるとの考えも示されております。計画そのものが消えてなくなったわけではなく、凍結状態になっている状態です。
 新しい国土軸を形成する上で、紀淡海峡を結節点として位置づけるためには、四国新幹線構想も大きくかかわりが出てまいります。ことし5月に行われましたシンポジウム「未来を創る交通インフラ」でも、京都大学藤井聡教授の基調講演の中で、「紀淡海峡ルートと四国新幹線の早期実現を」と力強い基調講演がありました。さまざまな研究や分析を踏まえ、その必要性と和歌山を浮上させる説得力のあるシンポジウムとなりました。
 今の政権において、国土強靱化、防災・減災の考え方を進め、国家戦略としてこの計画を取り上げていくチャンスになると思います。
 そこで、仁坂知事にお尋ねいたします。
 第2国土軸を実現形成するために、紀淡海峡ルート構想をどのように実現させるおつもりなのか。選挙戦を通じ、県民にも説明をされておられました。議会冒頭、知事は4期目の力強い所信表明もされました。和歌山にとって壮大な計画と受けとめられますが、改めて4期目の課題として知事の抱負をお聞かせください。
○議長(藤山将材君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 紀淡海峡ルートは、和歌山県のみならず、関西の発展、日本の将来の発展のかなめとなる重要なプロジェクトであるとともに、東京一極集中からの脱却を図り、双極型国土構造の構築、さらには国土強靱化を図る上で必要不可欠なプロジェクトであります。これは、私としては、日本のため、関西のため、和歌山のために、ぜひとも実現させなければならないと考えております。
 これはその一部でございますけども、第2国土軸の形成という、日本の国土のあり方を考える四全総──第四次全国総合開発計画でございますが──で中心的なテーマとなっております。実は、私が課長補佐の時代の課長補佐の最後の仕事がこの四全総と多極型国土形成法なんでございますが、この国土軸が和歌山を通ることのメリットははかり知れないわけでございます。
 現に、今日、国土軸が関西では唯一通っている、例えば滋賀県が、この30年間から40年間の間、人口でもともと和歌山より少なかったのが圧倒的に多くなってるなどが、その証左だというふうに思います。
 しかし、こういうふうにして華々しく登場した四全総の第2国土軸なんですけれども、しかしその後、実現への勢いがなくなってしまっておりまして、いわば忘れられかけた構想になっておりました。しかし、これじゃいかんということで、ぜひとも実現させたいというふうに私は思っておるわけでございます。
 これを現在風にアレンジをいたしました。一つは、今申し上げました第2国土軸としての日本のリダンダンシーを確保するもの、第2に、西日本の大動脈の代替機能を有する四国新幹線の実現を可能とするものになります。それから第3に、関西国際空港と大阪都心を結ぶ超高速鉄道の整備につながる──関空新幹線でございます──にそのままダブります。そういう意味では、関空の機能強化に大変役に立つと思います。第4に、関西大環状道路、それから大阪湾環状道路、これも構想はあるんですけども、実は紀淡のところが一番ネックになっておりまして、切れているという状態でございます。これが全部つながっちゃうということになりまして、物すごくいい話じゃないかというようなことを申し上げて、私が関係府県の知事に直接働きかけをいたしまして、平成25年に関空・紀淡・四国高速交通インフラ期成協議会を設立いたしまして、私は言い出しっぺなもんですから、一応ここの会長になっております。
 この協議会を中心にして、この紀淡海峡ルートを実現するために、毎年国への要望活動を行うとともに、シンポジウムの開催等、機運醸成のために取り組んでまいったわけでございます。
 一方、チャンスも出てまいりました。与党において、新幹線の財源について議論が進められつつありまして、こうした議論が四国新幹線を含む次の整備候補となる基本計画路線、四国新幹線は既に基本計画路線になっとるわけでございますが、この基本計画路線の財源論にもつながるものと考えておりまして、財政投融資を含め、あらゆる可能性について検討を行うよう国に働きかけをしていっておりますし、今後ともしていきたいと思います。
 こうして、引き続き紀淡海峡ルート、四国新幹線の早期実現に向けて、機運醸成や国、関係機関、団体への働きかけなど、さらに積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
 1回死にかけた構想なもんですから、なかなか大変なんですけども、夢を追って頑張っていきたいと考えております。
○議長(藤山将材君) 多田純一君。
  〔多田純一君、登壇〕
○多田純一君 今、知事にお答えをいただきました。
 確かに、この和歌山にとりまして、第2国土軸の形成というのは夢。本当にこの夢を実現していくためには、まずはこの紀淡海峡ルートの調査費、ここにあるんじゃないかなと思います。そういう意味では、大変な大きな課題だと思いますけども、引き続きよろしくお願いをしたいと思います。
 続いて、大型クルーズ船寄港強化策についてお聞きをいたしたいと思います。
 和歌山下津港は、1951年に重要港湾に指定され、1965年には特定重要港湾に昇格、現在は国際拠点港湾に位置づけされています。古くから木材港として栄え、花王の主力工場が目の前にあり、コンテナ貨物を取り扱っており、ガントリークレーンが1基設置されております。国際拠点港湾は全国に18港、国際戦略港湾、東京、横浜、川崎、大阪、神戸港5港に次ぐ港湾になっております。
 国を挙げてのクルーズ振興策により、2017年の日本人のクルーズ人口は31万5000人となり、過去最多になりました。日本発着クルーズによるクルーズ船の寄港増等により、我が国の港湾へのクルーズ船の寄港回数は2764回、訪日クルーズ旅客数は252万9000人となり、こちらも過去最高になったそうでございます。
 もともと和歌山下津港は貨物船との意味合いが強く、最近のインバウンド対応の観光港湾にはなっていないため、周りも殺風景で、観光客受け入れや人のにぎわいも課題は多いところです。
 しかし、今のままでよいはずもありません。県関係者の取り組みで大型クルーズ船も徐々にふえてきております。ことし6月の花田健吉議員の質問にもありました。
 和歌山下津港では、来年大型クルーズ船11万5000トン、乗客乗員4300人のダイヤモンド・プリンセスがやってまいります。横浜港を出発して、8月16日に和歌山下津港に寄港、和歌山へは初めてのことでもあり、何事も第一印象が大事であり、大いに歓迎し、おもてなしをするべきと考えます。
 和歌山下津港には、新宮港クルーズ寄港受け入れ協議会のような受け入れの枠組みがまだできておりません。取り組みの現状と今後の対応について、仁坂知事のお考えをお聞かせください。
○議長(藤山将材君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) クルーズ船は、観光振興には大変有効でございまして、伝統的には和歌山県では年数隻、新宮港にそれは入っておったということでありましたが、新宮港の静穏度が悪くてちょっと停滞をしていたところもございました。
 港は静穏度を高めるために直したんですけども、その間、クルーズ船の大爆発が日本でありまして、それに乗りおくれたなあというふうに思いまして、これではいかんということで、県では、これまでクルーズ船の寄港増加を目指して大型クルーズ船に対応した施設の整備とか、庁内横断のチームを設置したり、営業活動を一生懸命やったりして、新宮港のみならず、客船運航会社への積極的なプロモーション活動を、これはほかの港も含めてやってまいりました。
 国交省の港湾局におきましても、これは和歌山県だけではございませんが、クルーズ船対応のための港の整備ということに大変熱心に取り組んでくださってまして、この航路の整備などに大いに後押しをしていただきました。それもしていただきつつもあります。
 この結果、平成30年度の寄港予定は17隻と過去最高を更新する見込みでありまして、さらに来年8月には、和歌山下津港に県内過去最大となるダイヤモンド・プリンセスの初入港が決定するなど、次第にその成果が見えてきているところでございます。
 クルーズ船乗客へのおもてなしは、寄港地の地元市が中心となって取り組んでおりまして、新宮港では新宮市が中心になって、県も含めて関係団体等で構成される新宮港クルーズ客船受入協議会が市内でのおもてなしを実施しており、実はこれ、日本外航客船協会主催の「クルーズ・オブ・ザ・イヤー2018」の特別賞を受賞したというような評価のされ方もしております。こういうのが寄港回数の、徐々ではございますけども、増加につながってるかなあというふうに思っております。
 和歌山下津港に来年8月寄港するダイヤモンド・プリンセスは、これまで県内では受け入れ経験のない3000人以上の乗客が見込まれておりまして、県では和歌山市と共同で客船運航会社の意見も聞きながら、和歌山市を初め県内の主要観光地をめぐるコースの提案を行うなど、岸壁際のイベント、それから市内周遊の促進、また、外国人対応として学生ボランティア及び地域通訳案内士や多言語音声翻訳技術等の活用などを検討しているところでございます。和歌山市においては、このほか新宮市のように、和歌山下津港関係のクルーズ船受け入れ協議会の設置を働きかけてもおります。
 クルーズ船というのは、おりて観光と買い物をするというモデルでございます。そのうち観光というのは和歌山はたくさんあって、それをうまくバスなどで周遊させればいいということなんですが、買い物については、特に中心市街地の傷み等、商店街の傷みがひどい和歌山は、ちょっとつらいところがあるわけです。
 そこで、和歌山市に対して、中心市街地でクルーズ船乗客がうまいこと買い物できるように、これから動線を設定するとか、そういうようなところをこれから頑張っていったらいいんじゃないかというようなことを言うております。というのは、ちょっと爆発した一部の高知市なんですけど、これはうまいことクルーズ船の客を生き残ってる商店街に引っ張り込んで、高知城と一緒に見せて、それで今度は見た後の客をまた戻すとか、うまく戦略的に考えてるところがあって、これはちょっと和歌山よりも上にあるなというふうに思って、何とかこれに追いつきたいというふうに考えております。
 和歌山市においては、一般的にこういう商店街の復活ということに加えて、もう一つは、実は中央市場、これのリニューアルが今行われて、それを道の駅と併設して和歌山市がやろうというふうに考えておられるわけですが、これが極めて和歌山下津港に近いわけでございます。
 したがって、岸壁から動線をここまで持ってきて、それでバスの発着等をこの新しくできた道の駅兼和歌山中央市場で行うことができたら、行き帰りに買い物をして、あるいは食事をして楽しんでもらえるということで、かなり見通しがよくなるんじゃないかというようなことも考えて、和歌山市に対して、今それを一生懸命働きかけているところでございます。
○議長(藤山将材君) 多田純一君。
  〔多田純一君、登壇〕
○多田純一君 知事、いろいろとありがとうございます。
 平成28年から29年にかけて、11万トンクラス、または17万トンクラスが寄港できるようなシミュレーションをこの間やってこられましたし、整備計画も進んできていると思います。あと、平成32年度までの工事を待たなければいけませんけども、17万トンクラスも期待できると、こういう状況でございますんで、大きなクルーズ船ばかりじゃありませんけども、和歌山下津港、また日高港湾、それから新宮港湾を含めて、しっかり全国に引けをとらないような、そういう港湾になっていく必要があると思いますんで、ハード、そしてソフト面、両面の取り組みをお願い申し上げたいと思います。
 大きな2点目の質問に移りたいと思います。
 投票率の向上についてお聞きいたします。
 平成30年11月25日に行われた和歌山県知事を選ぶ選挙では、投票率は前回の39.65%に比べて1.32%減少の38.33%という戦後3番目の低調な結果となりました。ことし行われた知事選挙は全国で12カ所、その中で、例えば沖縄知事選挙では投票率63.14%、香川県知事選挙では29.34%という結果でした。
 今回の投票結果を見て、どのように総括をされておられるのか。特に投票者の40%弱の方が期日前投票に行っているわけですが、期日前投票が増加した要因について、選挙管理委員会委員長にお尋ねをいたします。
○議長(藤山将材君) 選挙管理委員会委員長小濱孝夫君。
  〔小濱孝夫君、登壇〕
○選挙管理委員会委員長(小濱孝夫君) 議員御指摘のように、11月25日執行の県知事選挙の投票率は、前回に比べマイナス1.32%の38.33%でした。これは県知事選挙としては、平成18年の35.21%、平成16年の37.29%に次ぐ過去3番目に低い水準でした。
 一方で、期日前投票につきましては、前回に比べ約1.4倍となる約12万1000人が利用されました。特に投票率が県内で最も伸びた和歌山市においては、期日前投票所が3カ所から7カ所に増加し、期日前投票者数は前回に比べ、約2.3倍に増加したところです。
 このように期日前投票者数が増加したのは、制度の周知が進んだことや、和歌山市が大型商業施設に期日前投票所を設置したことを初め、アクセスしやすい施設を活用するなど、投票環境の向上が図られたことによるものと考えております。
○議長(藤山将材君) 多田純一君。
  〔多田純一君、登壇〕
○多田純一君 それでは、投票率向上の対策についてお尋ねをしたいと思います。
 和歌山県知事選挙の啓発活動として、選挙管理委員会では、和歌山大学と連携してワークショップを開催したり、高校での模擬投票やJR和歌山駅前での街頭啓発活動と努力をされておられました。
 投票率のさらなる向上のためには、若年層への働きかけの強化と高齢者に対する支援も必要と考えますが、どのように取り組むのか、選挙管理委員会委員長にお尋ねいたします。
○議長(藤山将材君) 選挙管理委員会委員長。
  〔小濱孝夫君、登壇〕
○選挙管理委員会委員長(小濱孝夫君) 投票率の向上のための若年層への働きかけと高齢者に対する支援についてお尋ねをいただきました。
 1点目の若年層への働きかけについては、今回の県知事選挙は18歳選挙権が認められて初めての知事選挙であり、最初に経験する選挙で投票行動をしてもらうということが重要でありますし、一般的に若年層の投票率が全世代で最も低いとされていることから、県選挙管理委員会では、県内の高校等において選挙出前講座を実施するなど、若年層に対する働きかけを行ってまいりました。
 今回の選挙期間における新たな取り組みといたしましては、和歌山大学生を学生啓発サポーターに委嘱し、学生の声を取り入れ、啓発動画の作成や啓発物資のデザインを担っていただいたほか、広報車からの啓発にも高校生のアナウンスを活用したところでございます。
 このように、高校生や大学生に選挙の啓発活動に積極的にかかわっていただくこと、そして、それがメディアから発信されることで、同世代の有権者に選挙を自分のこととして捉えてもらうとともに、全世代に対しても関心を深めていただけるよう努めてきたところです。
 2点目の高齢者に対する支援につきましては、今回の県知事選挙では、有田川町において移動期日前投票所が設置されました。他団体におきましても、投票所への移動支援として送迎バスの運行や無料乗車券の発行などの取り組みが行われているところであります。
 引き続き、各地域の実情に応じた積極的な取り組みを要請してまいります。
 今後とも、他の都道府県の先進事例なども参考にしながら、有効な手法を検討し、若年層及び高齢者のみならず、全世代での投票率の向上に努めてまいります。
○議長(藤山将材君) 多田純一君。
  〔多田純一君、登壇〕
○多田純一君 御答弁いただきました。
 関心を深めるということと、もっと投票がしやすい環境づくりということも必要じゃないかなと思っております。特に高齢者がふえてくる中、なかなか外出困難という状況もございますし、今、在宅の郵便投票制度ですか、こういうことも緩和していく方向性をもう少し高めないと、なかなか投票率というのは上がらないんじゃないかなと、こんなふうに思いますんで、引き続き国への要望を含めてお願いをしたいと思います。
 それでは、次の質問に移らしていただきます。
 今臨時国会で出入国管理法改正法が成立いたしました。2019年4月1日からの施行となります。19年度から5年間に14業種で最大34万5150人の受け入れを想定、深刻な人手不足への対応のため、外国人受け入れ政策の大きな見直しとなります。先ほど中西議員からも質問がありましたが、私は外国人との共生についてお聞きしたいと思います。
 これまで働くことを認められていたのは医師や弁護士など高度な専門職に限られており、単純労働は認められていませんでした。ただ、近年、日本で学んだ技能を母国に伝えることを本来の目的とする技能実習の枠組みで滞在している外国人が単純労働者として働いている状況があり、新制度では日本語能力や仕事をするのに必要なスキルを試験で確かめる、合格して特定技能があると認められれば就労資格を取れるという、つまり正式に労働者として受け入れる幅が広がることになります。
 改正の目玉は、新しい在留資格・特定技能1号、同2号を設けること、外国人が日本に滞在中、生活したり働いたりするために必要な在留資格を緩和し、外国人材の就労分野を広げることを目的としています。在留資格も介護が加わり、現在は技能実習、家族滞在など28種類あり、それぞれの資格ごとに、日本で行える活動や滞在できる期間が定められております。
 本県で外国人労働者は、昨年、平成29年10月末現在では2260人、雇用事業所は617事業所となっており、3年前に比べると事業所数で約4割、労働者数で約7割、急激にふえている現状でもあります。それは一方で、業界によっては深刻な人手不足を解消するための労働力やサービスを維持していく必要に迫られた現状も認識しなければならないと思います。数年前までの不景気からすると隔世の感があります。日本人の担い手不足が続く農漁業や製造業、建設業など、現場で不可欠な戦力となっております。外国人労働者の問題、生活、文化の違いや言葉の障害をなくしていくことを考えないと、双方にとって不幸な事態にもなりかねません。
 ふえてくるであろう外国人との共生について、県内に在住または滞在する外国人に対する支援業務を担当する国際交流センターを所管する企画部長と、外国人への日本語学習の支援を行う教育委員会の教育長にそれぞれお尋ねをいたします。
○議長(藤山将材君) 企画部長田嶋久嗣君。
  〔田嶋久嗣君、登壇〕
○企画部長(田嶋久嗣君) 入管法改正後の外国人との共生についてでございますが、これまでも外国人と住民の相互理解を深めていくことが重要と考え、和歌山県国際交流センターにおいて、外国人住民と地域住民とが参加するセミナーや交流会など相互理解を促進するさまざまな事業を実施してきております。
 また、英語、中国語、フィリピノ語による外国人相談窓口を設置し、生活上の支援を行うとともに、日本語クラスの開催、あるいは台風や地震などの災害に備え、外国人を対象とした防災セミナーなども実施しています。
 県といたしましても、法令改正後の制度の動向を注視しつつ、関係機関と連携を図りながら引き続き取り組んでまいります。
○議長(藤山将材君) 教育長宮下和己君。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 県教育委員会では、年齢、国籍、環境に関係なく学びの機会を提供するため、義務教育未終了者及び社会人を対象とした学び直し支援や外国人への日本語学習支援を、県立学校を活用した講座として開設することを検討しているところでございます。
 外国人への日本語学習支援は、語学を初め日常生活に必要なことを学ぶ講座の開設を、民間の教育機関等に配慮しながら検討してまいります。
 今後も、多様なニーズに対応した学習環境の整備を進め、全ての人に対しての教育機会の確保に努めてまいります。
○議長(藤山将材君) 多田純一君。
  〔多田純一君、登壇〕
○多田純一君 御答弁いただきました。
 まだ法律ができたばかりで、政省令がこれからということでございますんで、なかなか決めづらいところもあるんだと思いますけども、しっかり教育委員会も、県立高校を活用してというお話がございましたんで、そういう語学を含めて取り組みを、これから強化していただきたいと思います。
 それでは、4点目の質問に移らしていただきます。
 障がい者の雇用についてお尋ねいたします。
 9月県議会でも取り上げられた驚くべき問題であります。中央省庁で障害者雇用水増しが発覚し、社会問題となりました。改めて改正障害者雇用促進法を読み返してみました。
 この問題を受け、和歌山労働局は10月22日、昨年6月1日時点の県内公的機関の再点検を行い、その結果を公表しました。県庁や県警本部、そして教育委員会など、県内八つの公的機関で計49人が基準を満たさないなど、不適切な算定があったことが改めてわかりました。
 10月17日、公明党行政機関等における障がい者雇用対策本部では、この問題を受けて根本匠厚生労働大臣に緊急提言を行い、誤りが生じた経緯・原因の徹底検証、今後の対応に向けた基本的事項、各府省の採用・是正計画・対応、定員・予算・任用について、自治体における対応、障がい者の就労環境設備について等、申し入れを行っております。
 政府では、行政機関への調査権強化策を柱とする法改正に入り、再発防止を講じる計画だと報道されております。
 そこで、お尋ねしたいと思います。
 問題発覚後、法定雇用率達成に向けた県のそれぞれの取り組み、そして、法定雇用率の算定基礎に精神障害者が今年度から加わっております。
 現状と今後の取り組みについて、総務部長、教育長、警察本部長、それぞれお答えください。
○議長(藤山将材君) 総務部長田村一郎君。
  〔田村一郎君、登壇〕
○総務部長(田村一郎君) 障害者雇用の御質問がございました。知事部局につきましてお答え申し上げます。
 8月に実施いたしました障害者雇用率に関する再調査の結果、平成30年6月1日現在の本県知事部局における障害者数は84人、雇用率は2.11%となり、法定雇用率の2.50%を達成するには15人が不足してございます。
 法定雇用率を下回った地方公共団体は、障害者の雇用の促進等に関する法律第38条の規定により、翌年1月1日から12月31日までに法定雇用率を満たすための採用計画を作成して厚生労働大臣に提出することが義務づけられており、本県では2019年中に15人の障害者を採用する計画を作成し、提出しております。
 この採用計画に基づき、既に身体障害者を対象とした一般職員について3名程度、知的障害者を対象とした非常勤職員については9名程度を募集し、採用試験を実施しているところでございます。
 今後、早期に法定雇用率を上回るよう当該計画を確実に推進するとともに、法定雇用率達成後も継続して安定的な採用に努めてまいります。
 次に、精神障害者の採用についてお答え申し上げます。
 現状では精神障害者を対象に別枠を設けた採用試験は行っておりませんが、精神障害者の採用は重要な課題と認識しております。
 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構が発行しております障害者雇用マニュアル等によりますと、精神障害者は、一般的に、疲れやすい、環境の変化になれるのに時間がかかる、失敗により自信を失いやすい、曖昧な状況で困惑しやすいなどの特性があるとされております。
 また、精神障害者の就労を支援している団体との意見交換では、定時に継続して勤務することが困難な人もいるので、短時間の勤務で働き続けられるような環境が望ましいといったお話を伺っているところでございます。
 精神障害者の方々に能力を発揮して働き続けていただくためには、こうした特性に留意しながら、従事してもらう業務や受け入れ体制、雇用管理の方法などについて検討した上で採用を行う必要があると考えており、今後は国の動向や採用実績のある県、民間企業の取り組みも参考にして、採用について前向きに検討してまいります。
○議長(藤山将材君) 教育長。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 教員採用検査におきましては、従来から身体に障害のある人に配慮した採用方法を実施してまいりましたが、平成28年度からは募集のある全ての校種・教科において、身体に障害のある人を対象とした別枠の選考を始めたところです。
 学校事務職員につきましても、平成20年度から身体に障害のある人の募集枠を設け、採用試験を実施しているところであり、例年は1回の実施であったところ、本年度は2回目の試験を来月に追加で実施する予定としてございます。
 県教育委員会といたしましては、今後も採用検査における制度の周知と受検者の確保に努め、障害のある人の計画的、積極的な採用に取り組んでまいります。
 また、精神に障害のある方の採用につきましては、その特性に応じて能力を発揮し、本県の教育に携わっていただく機会を提供する必要があると考えており、学校事務職員の採用において、県等の取り組みも参考にしながら検討してまいります。教員等の採用においては、仕事内容等も考慮しながら、障害のある人の別枠選考の対象とするよう取り組んでまいります。
○議長(藤山将材君) 警察本部長檜垣重臣君。
  〔檜垣重臣君、登壇〕
○警察本部長(檜垣重臣君) 本年6月に実施した調査の結果、本年度の県警察の障害者雇用数につきましては、法定雇用率2.5%、職員数に換算しますと10名が必要であるところ、実雇用率は約1.2%、職員数では5名であり、法定雇用率が充足されておりませんでした。
 県警察では、本年10月から11月にかけ、本年度第1回目の身体障害者の方を対象とした採用試験を実施し、来年度から1名の方を採用することを予定しております。また、例年1回であったところ、本年度は平成31年1月20日を第1次試験とする2回目の採用試験の実施を決定しております。
 県警察といたしましては、引き続き計画的に障害者雇用を促進してまいります。
 精神障害者の方の採用につきましては、従事していただける業務や雇用の方法などについて慎重に検討した上で行う必要があると考えておりますが、採用について前向きに検討してまいります。
○議長(藤山将材君) 多田純一君。
  〔多田純一君、登壇〕
○多田純一君 前向きな御答弁をいただきましたので、しっかりお取り組みのほう、よろしくお願いをしたいと思います。拙速なというか、数合わせだけに終わらないようにはしてもらいたいと思います。
 次の質問に移りたいと思います。
 重度心身障害児者医療費助成制度について質問を行います。
 心身障害児者の医療費助成制度は、重度障害を持つことにより生活基盤が不安定となることから、医療を必要とすることの多い障がい者の適正な受診機会の確保及び経済的負担の軽減を図るために、医療費の自己負担分を助成して障害者福祉の向上に資するものとして実施されております。
 しかし、実際に適用されているのは、障害を持つ方のうち身体障害者、そして知的障害者のみで、精神障害者は対象外となっております。
 自立支援医療だけでは十分とは言えず、平成28年4月施行されました障害者差別解消法や県内市町からの要望や家族会からの要望などを踏まえ、重度心身障害児者への医療費助成に精神障害者も含める制度に改めるべきと考えます。仁坂知事のお考えをお伺いしたいと思います。
○議長(藤山将材君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 重度心身障害児者医療費助成制度は、医療費の負担が多い重度心身障害児者が安心して医療を受けられるようにするための制度でございまして、重度の身体障害者及び知的障害者を対象として創設したところでございます。
 そのときからの整理といたしまして、精神障害者については、障害に係る公費負担医療制度が活用できたため、本制度の対象外とする整理をしてきました。
 ところが、平成18年に障害者自立支援法が創設され、これまでは身体障害者、知的障害者とは別の制度で行われていた精神障害者の福祉サービスや公費負担医療制度が一元的な制度として提供される仕組みとなったところでございます。
 そういう意味で、この制度はちょっと見直さなきゃいけないんじゃないか、そんなふうに思っておりました中で、市長会、町村会からもやっぱり同じ制度の中でやってほしいという要望も強くなってきたところでございますので、精神障害者についても身体障害者、知的障害者と同様に同制度の対象とするよう、市町村とも相談しながら、現行制度の見直しを進めていきたいと考えております。
○議長(藤山将材君) 多田純一君。
  〔多田純一君、登壇〕
○多田純一君 重度心身障害児者に対する医療費助成を拡充し、精神障害者も新たに対象に加えていくとの知事の御英断をお聞きしました。大変にありがとうございます。
 ことし、家族会の皆様と厚労省に行ってさまざまな課題を陳情してまいりました。先ほどの就労の問題もそうですが、3障害の中で一番行政でおくれているのが精神障害者への取り組みだと思います。親亡き後を心配する高齢者の方もふえてきております。一つずつ解決に向けて、共生社会に向けて取り組んでいきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 それでは、最後の質問に移ります。
 汚水処理対策についてお尋ねをしたいと思います。
 平成29年度末における全国の汚水処理施設の処理人口は1億1571万人となり、これを総人口に対する割合で見た汚水処理人口普及率は90.9%となっています。いまだに約1200万人が汚水処理施設を利用できない状況です。本県に置きかえますと、汚水処理人口は全国ワースト2位の63.6%、約35万人以上の人が汚水処理施設を利用できない状況です。
 また、我が国における汚水処理人口普及状況は、大都市と中小市町村で大きな格差があり、特に人口5万人未満の市町村の汚水処理人口の普及率は79.4%にとどまっている状況です。
 県内における汚水処理人口普及率を見た場合、全国平均を超える99.7%のところから全国平均以下や30%未満のところまで、市町の取り組み状況の違いがうかがえます。
 現状の汚水処理施設も、下水道、農業集落排水施設、合併処理浄化槽とあり、将来の人口減少や高齢化、そして市町村の厳しい財政状況に鑑みると、おのずから集合処理から個別処理への選択肢に判断が決まっていくのじゃないでしょうか。浄化槽の普及、単独処理浄化槽の転換など、着実に進めることが必要ではないでしょうか。
 県のこれまでの取り組みと浄化槽の普及、単独処理浄化槽の転換普及に関するお考えについて、県土整備部長にお聞きします。
○議長(藤山将材君) 県土整備部長髙松 諭君。
  〔髙松 諭君、登壇〕
○県土整備部長(髙松 諭君) 汚水処理の取り組みに関する御質問をいただきました。
 この汚水処理についてでございますけれども、大きく分けますと、集合処理としての下水道等と、それから個別処理によります合併処理浄化槽がございます。これらの方法で汚水を処理することによりまして、公共用水域の水質が保全されることになります。
 この汚水の適正処理の指標となります汚水処理人口普及率といたしましては、多田議員御指摘のとおり、昨年度末時点におきまして、全国平均90.9%に対し、和歌山県の平均が63.6%と全国ワースト2位であります状況から、汚水処理を推進することは、県といたしましても重要な課題であると認識しております。
 このため、昨年3月に策定いたしました和歌山県長期総合計画におきましては、2026年度末の汚水処理人口普及率を80%とすることを目標としております。
 御指摘の下水道の整備区域の見直しについてでございますけれども、昨今の人口減少、財政状況、供用までの時間軸を考慮いたしました上で、下水道の整備完了に長期間を要する場合には、下水道から合併処理浄化槽に整備手法を変更することも必要になってきております。
 現在、和歌山県内におきましては、20の市町で下水道の計画を有しております。整備が完了または完了見込みの市町は12市町となっておりまして、残りの8市町につきましては、下水道整備が長期間に及ぶと見込まれますことから、計画の見直しにつきまして働きかけをしているところでございます。
 次に、県の合併処理浄化槽の普及促進策に関してでございます。
 これにつきましては、国、県、市町村で支援を行っているところでございまして、その内容といたしましては、新築時に合併処理浄化槽を設置する費用、既存の単独処理浄化槽またはくみ取り便所から合併処理浄化槽に転換する費用及び単独処理浄化槽を撤去する費用といったところに支援を行っているところでございます。
 これに加えまして、単独処理浄化槽等から合併処理浄化槽への転換につきましては、国に先駆けまして、今年度の新政策といたしまして、転換に要する宅内配管の費用まで支援の対象を、2022年度までの期間限定ではございますけれども、拡充いたしまして、合併処理浄化槽への転換につきまして、より推進をしているところでございます。
 今後とも、汚水処理を総合的に進めることができますよう、市町村と連携し取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○議長(藤山将材君) 多田純一君。
  〔多田純一君、登壇〕
○多田純一君 御答弁をいただきました。
 例えば、和歌山市の場合、平成29年末ですけども、下水道の普及率は39.6%となっております。普及率を約1%上げるには、38億円の整備費が必要ということらしいです。
 今までも長い年月がかかっていますし、今後も時間がかかる見込みでございます。環境や財政上の問題も含めて見直しが必要であると申し上げ、私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(藤山将材君) 以上で、多田純一君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前11時33分休憩
────────────────────
  午後1時0分再開
○副議長(岸本 健君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 13番尾﨑太郎君。
  〔尾﨑太郎君、登壇〕(拍手)
○尾﨑太郎君 議長の許可を得ましたので、一般質問をいたします。
 本年は、2回、海外へ視察に行く機会に恵まれました。フランスとインドネシアであります。時間軸は逆となりますが、インドネシアについて、まずは質問してまいりたいと思います。
 本年3月に議長として出席いたしましたサイクリングフェスタで、和歌山へいらっしゃっていたインドネシアの方々との知遇を得ました。和歌山にはなじみがあるとは言いがたいインドネシアから、はるばるサイクリングをしに来ていただいたのかと感慨深いものがありました。聞けば、当時の髙瀨企画部長は深くインドネシアの方々と交流され、信頼を得ているとのこと。私も、興味ある国であったので、一度、機会があればぜひ訪問してみたいと部長に伝えていたのですが、本年10月3日からのインドネシアへの出張に同行させてもらえることになりました。
 大東亜戦争は、侵略戦争であったのか否か。安倍総理が戦後70年の節目に談話を発表しましたが、これは基本的には村山談話を継承するとしたのですから、私は全く気に入りません。結局、日本は悪いことをしたということになってしまっています。私の尊敬する渡部昇一先生は安倍談話を評価されていたので、あのような表現が精いっぱいであったのかもしれませんが、それならいっそ談話など出さないでくれたらよかったのにと思ったものです。
 さきの大戦で、我が国はたくさんの過ちを犯しました。それは事実です。戦史を読んでいて、何でこんなことをしてしまったんだろうと慨嘆することしきりであります。しかし、当時の日本人は何てすごいんだと感心することもまたしきりであります。
 「空の神兵」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。彼らこそは開戦劈頭、当時、蘭領東インドと呼ばれた現在のインドネシアのスマトラ島にあるパレンバンに舞い降りた落下傘部隊の精鋭たちです。
 先帝陛下は、さきの大戦の原因を次のように分析されておられます。「この原因を尋ねれば、遠く第一次世界大戦後の平和条約の内容に伏在している。日本の主張した人種平等案は列国の容認するところとならず、黄白の差別は依然残存し加州移民拒否のごときは日本国民を憤慨させるに十分なものである」、「実に石油の輸入禁止は日本を窮地に追い込んだものである。かくなった以上は、万一の僥倖に期しても、戦ったほうがよいという考えが決定的になったのは自然の勢いと言わねばならぬ」。
 産業の血液ともいうべき石油の90%以上を輸入に頼っていた我が国にとって、石油の禁輸は死を意味するものでありました。いわゆるABCD包囲網を突破し、乾坤一てきの勝負を挑むためには、何としても蘭印の油田地帯を手中におさめる必要がありました。しかも、破壊する余裕を与えず、速やかに石油基地を確保しなければなりません。かくして、久米精一大佐率いる陸軍第一挺進団によるパレンバン空挺作戦が発動されたのであります。
 この戦いは、結果としてインドネシア独立の萌芽となりました。マレー、インドネシアには、12世紀から伝わるジョヨボヨの予言と呼ばれる伝説があります。「我が王国はどこからかあらわれる白い人に乗っ取られるであろう。彼らは魔法のつえを持ち、離れた距離から人を殺すことができる。白い人の支配は長く続くが、やがて北方の白い衣をつけた黄色い人が白い人を追い出し、トウモロコシの寿命の間、この地を支配した後に、正義の神の支配する祝福される治世が来る」。ノストラダムスの大予言も真っ青ですが、破竹の勢いで進撃を続ける日本軍を、350年にわたりオランダの圧政にあえいでいた人々は好意的に迎えてくれました。
 この作戦に小隊長として出陣した奥本實中尉がいます。何と作戦の翌年、天皇陛下に拝謁を賜るという栄に浴しています。この方には「パレンバン落下傘部隊戦記」なる手記がありますが、これを読めば、いかに当時の我が軍将兵がすごい存在であったかがわかります。
 奥本中尉らは、降下予定地の草原から離れた密林に降下しました。武器を格納した箱が見つからないため、奥本中尉ら5名は拳銃と手りゅう弾だけで遭遇戦を展開。その後、敵増援部隊も退けますが、奥本中尉は足を撃たれ、2名が戦死するも、150名もの敵兵を倒しています。戦闘の詳細は手記に譲りますが、想像を絶する戦いぶりは、まさに鬼神もかくやであります。
 激戦のうちに石油タンクのうち2基は破壊されましたが、ほぼ無傷で石油基地を制圧することに成功しています。350年にも及ぶオランダの植民地支配を日本軍はたった9日間で終わらせました。神のごとく君臨した白人も、決して自分たち有色人種がかなわない存在ではないことを日本軍は示した。このことの世界史的意味は、とてつもなく大きいものであります。
 20世紀最大の歴史家と言われる「歴史の研究」で有名なイギリスのアーノルド・トインビーは、「第二次大戦において、日本人は日本のためというよりも、むしろ戦争によって利益を得た国々のために偉大なる歴史を残したと言わねばならない。その国々とは、日本の掲げた短命な理想であった大東亜共栄圏に含まれていた国々である。日本人が歴史上に残した業績の意義は、西洋人以外の人類の面前において、アジアとアフリカを支配してきた西洋人が、過去200年の間に考えられていたような不敗の半神でないことを明らかに示した点にある」と述べています。
 多くの悲劇を生んださきの大戦。決して繰り返してはならない戦争。それでもなお、あの戦争には偉大なる歴史と呼べる側面が確かにあったのです。
 敗戦までの3年半、日本はインドネシアに軍政をしきました。あたかもそれが過酷なものであったかのような言説も散見されますが、実態はどうであったのでしょう。
 ASEANセンター編「アジアに生きる大東亜戦争」は、日本の敗戦後の1958年発行のインドネシアの中学生の教科書を紹介しています。「第1に、オランダ語と英語が禁止されたので、インドネシア語が成長し、使用が広まった。日本軍政の3年半に培われたインドネシア語は驚異的な発展を遂げた。第2に、日本は青年たちに軍事教練を教え込み、勇敢に戦うことや耐え忍ぶことを訓練した。第3に、職場からオランダ人が全ていなくなり、日本はインドネシア人に高い地位を与えて、我々に高い能力や大きい責任を要求する重要な仕事を任せた。第4に、日本は特にプートラ(民族結集の意)や奉公会を通じて、ジャワに本部を置き、国土の隅々にまで支部の広がった統合的組織を運営することを我々に教えた。我々が独立を宣言した後に、オランダの攻撃から独立を守らなくてはならなくなって、急に我々自身で国内を組織する必要に迫られたときなど、以上の4点は特にはかり知れないほどの価値ある経験だった」。
 日本の敗戦の2日後、大統領となるスカルノの私邸においてインドネシアの独立が宣言されました。何とその日付には皇紀が使われています。「17/8/05」、すなわち皇紀2605年8月17日。
 その後、舞い戻ってきたかつての宗主国、イギリス、オランダと、インドネシアは独立戦争を戦います。日本にインスパイアされたインドネシアの人々に、もはや英、蘭は歯が立ちませんでした。また、この独立戦争に、日本の将兵2000名が帰国を拒み、みずから信じる大義に殉じるべく残留し、身を投じましたが、かなりの方が戦死され、ジャカルタ郊外のカリバタ国立英雄墓地に葬られている方々もいます。
 今回の視察で大変お世話になりましたパナソニック・ゴーベル社の常務取締役で尼日友好協会事務局長であるヘル氏の御尊父も、残留日本兵のお一人であったそうであります。
 さて、初めて見るジャカルタは、想像以上の大都会でありました。シンガポールやマレーシアのクアラルンプールの繁栄ぶりは時折目にしておりましたが、正直に言ってジャカルタがこれほどの活気あふれるまちであるとは思ってもみませんでした。
 早速、インドネシアの民族衣装であるバティックを買いにデパートに出かけました。色も鮮やかなバティックを選びながら、先進国と変わらない消費を楽しむインドネシアの人々の活力に驚かされました。
 ただ一つ閉口したことは、余りにも急激に発展を遂げたせいか、インフラの整備が追いつかず、道路の渋滞のひどさは、やはり渋滞で有名なマニラをも上回るものでありました。しかし、道路にあふれる車は日本車ばかり。聞けば、インドネシアの日本車の比率は日本よりも高いとのことであり、少しうれしくなってきます。
 今やインドネシアは、人口約2億6200万人、GDP約1兆200億ドルという大国であります。総人口の約88.6%、約2億1000万人という世界最大のムスリム国家でありながら、イスラム教は国教ではなく、イスラム、カトリック、プロテスタント、ヒンドゥー、仏教、儒教から、自身の信仰に従い、それぞれの神に祈ることとし、多様性の中の統一を標榜するインドネシア、女性の社会進出が目立つインドネシアには、改正出入国管理法が成立しましたが、近い将来、今以上に異なった文化圏の人々と暮らすようになるであろう我が国には、大いに参考となる点が多いと思います。
 ただし、女性の社会進出はともかく、多文化との共生は相当な痛みを伴うことは、ヨーロッパを見れば一目瞭然であります。多様性の中の統一は、まさに至難のわざでありましょう。
 ちなみに、私自身は、この入管法の改正には賛成しかねます。ようやく賃金の上昇が始まろうとしているときに、これに水を差すことになりかねませんし、この法律は、主要項目を法律成立後に省令等で定めるとしており、事実上の移民の解禁にもつながりかねない国家の根幹にかかわる法律を、立法府が役所に丸投げしているかのように見えるからであります。
 さて、今回の視察では、インドネシア工業省においては、昨年の10月の共同声明を踏まえた今後のインドネシア企業と本県企業との経済交流について協議しました。その際、同行していた本県の企業からプラスチック再生事業の提案があり、インドネシア側から提携先を探したいとの回答がありました。
 観光省においては、本県とインドネシアの観光資源についてお互いに意見交換を行い、本県と観光省との間でも共同声明締結に向けて努力することで合意しました。
 外務省では、本県主催の記念プロモーション行事に協力を要請するとともに、世界農業遺産登録のノウハウをインドネシア側に伝授する用意がある旨を伝えました。
 また、10月6日には、本県主催の国交樹立60周年記念プロモーション行事が、イオンモールガーデンシティにおいて開催されました。本県のプロモーションも行われましたが、予想に反してと言えば担当課に怒られるかもしれませんが、大盛況であり、驚きました。本県を訪問したことがある有名女優やタレントが参加してくれ、本県の魅力を熱く語ってくれましたが、皆さんこぞって、和歌山で食べたイチゴの味を大絶賛してくれました。当日はマスコミも多数取材に来てくれており、宣伝効果も非常に高かったように思います。
 さらに、パナソニック・ゴーベル社の工場見学では、いわゆる日本型経営を確立した松下幸之助の教えを実践した運営が図られており、昭和へタイムスリップしたような気がしましたが、古きよき日本がインドネシアに松下イズムとして息づいていることに、和歌山県人として少しだけ誇らしい気持ちになりました。
 尼日友好協会事務局長で常務取締役であるヘル氏には、ジャカルタ市内を一望できるタワーマンションの御自宅に御招待いただき、ヘル氏の御友人とともに夕食をごちそうになりました。その際、御友人からは、「インドネシアの仏教徒は、比率は少ないが、かなりの人数がいる。しかも、所得水準は非常に高い。和歌山は高野山もあり、仏教の聖地とも言える。インバウンドは、ここに働きかけてみてはどうか」という示唆に富んだお話をいただきました。ヘル氏からは、「インドネシアでは、人と人とのつき合いが何よりも大事だ。単に正規のルートだから、それだけで物事を進めようとしてもうまくはいかない。髙瀨が来たから私は協力するが、ほかの人間なら会わない」とインドネシア社会の特質について御教授いただきました。
 今回の視察を通じ、インドネシアの市場としての魅力、可能性について私も認識を新たにしましたが、いち早く共同声明を締結し、かの国との交流を推進してきた知事の炯眼に敬意を表し、質問いたします。
 第1点、知事は、インドネシアをどのような国であると認識しておられるか。特に人脈の大切さについて、どのように考えられるか。今後の戦略についてはどうか。
 第2点、今回のインドネシア訪問をどのように総括しているのか。また、多くのマスコミに取り上げられたプロモーションについては、どのような評価をしているか。企画部長にお尋ねします。
 第3点、インドネシア観光省とのMOU締結の進捗状況はどうなっているのか。商工観光労働部長にお尋ねします。
 第4点、本県産果実の輸出はかなり困難であることは理解しているが、現状はどうなっているのか。一方で、イベントのサンプルとしてであっても、インドネシアの人々に本県産の果物を食べていただくことは、大いに本県へのインバウンドにつながると考える。ぜひ検討してみてはどうか。農林水産部長にお尋ねいたします。
○副議長(岸本 健君) ただいまの尾﨑太郎君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) インドネシアは、若年層が多い2億6000万人を超える世界第4位の人口、豊富な天然資源、政府主導のインフラ投資などを原動力とした力強い成長を見せており、今後とも高い経済成長を期待できる国だと思います。
 こうした情勢を踏まえ、私も平成28年の4月に、ジャカルタにおいてトッププロモーションを実施し、インドネシア商業省と経済交流促進の共同声明を発表したところであります。
 これは、二階俊博日本・インドネシア友好議員連盟会長が、その前年に、たくさんのビジネスマンをお連れになって、それから地方公共団体も何県かお連れになって訪問されたわけですが、そのときに、先ほどお話がちょっと出た髙瀨前企画部長をつけて、それでいろいろ工作をしてもらいまして、そこからどんどんと発展をして、和歌山県とインドネシアとの関係が開けているというようなことでございます。
 また、本県と津波対策分野で交流のあるアチェ州の津波博物館と稲むらの火の館、それから本県に多くの優秀な留学生を送り込んでいただいているジャカルタのビヌス大学と和歌山外国語専門学校との協力のてこ入れなどもやらしていただきました。
 さらに、平成29年10月にはインドネシア工業省と本県が共同声明を発表いたしまして、これをもとに両者間における経済ミッション団の派遣・受け入れ、ビジネスセミナーを開催するなど、インドネシアと和歌山県の経済交流が一段と高まったということでございます。実際に、和歌山企業がインドネシアとの関係を強化できた例も、少しずつではございますが、見られるようになってきております。
 こうしたインドネシアとの友好な協力関係をより確かなものとし、一層の成果につなげていくためには、人と人との信頼関係が重要な要素であると認識しておりまして、そのようにいろいろ配慮しながら人材の活用をしてるんですが、一般に、インドネシアだけに限らず、全ての国とも同じようなことが言えるかなあということで、それぞれの役割だけじゃなくて国別の担当者制度というのを設けておりまして、地道に継続的なフォローアップを実施さしているところでございます。
 今後とも、インドネシア商業省、工業省との共同声明、これまでに築いてきた人的ネットワークなどを基礎といたしまして、経済交流や観光客誘致などの分野での互恵的、実質的な交流に取り組んでいきたいと思っております。
○副議長(岸本 健君) 企画部長田嶋久嗣君。
  〔田嶋久嗣君、登壇〕
○企画部長(田嶋久嗣君) 今回のインドネシア訪問に関する総括についてでございますが、本年は、議員御質問にございましたように、日本インドネシア国交樹立60周年の節目の年を迎えまして、和歌山県としてジャカルタにおいて記念プロモーションを実施しました。現地のイオンモールを会場とし、本県に多くの優秀な留学生を送り込んでいただいているビヌス大学や本県の友好団体である尼日友好協会の協力を得まして、プロモーション行事を開催し、20社以上の現地メディアに取り上げていただきました。
 こうしたプロモーション行事を通して、現地における和歌山県の知名度向上に大きく貢献し、今後のさまざまな取り組みにも役立つものと考えております。
 また、本県と良好な関係にあるインドネシアの関係省庁やビヌス大学などの関係機関を訪問し、今後の協力について協議できたことは非常に有意義であったと考えております。
○副議長(岸本 健君) 商工観光労働部長山西毅治君。
  〔山西毅治君、登壇〕
○商工観光労働部長(山西毅治君) 本年10月のインドネシアプロモーションの際にインドネシア観光省を訪問し、インドネシアと和歌山県の観光交流促進を目的とした相互協力について意見交換を行い、前向きな意向をいただいたことから、11月のインドネシア観光省幹部の来日に合わせ、観光地開発促進担当の幹部と改めて面談し、意見交換を行いました。
 県からはインドネシアから和歌山へのインバウンド誘客への取り組みに対する協力を依頼したところ、インドネシア側から、現在整備を計画しているインドネシア国内の10の観光地開発促進エリアへの投資について協力依頼があったところです。
 つきましては、引き続き、双方が協力できる具体的な内容について調整を行ってまいります。
○副議長(岸本 健君) 農林水産部長原 康雄君。
  〔原 康雄君、登壇〕
○農林水産部長(原 康雄君) インドネシアへの果実類の輸出につきましては、植物検疫の面では、ほとんどの品目で検疫証明書を添付すれば輸出可能となっていますが、それ以外に、インドネシア国内の規則でさまざまな条件がございます。
 具体的には、インドネシア政府による安全性確保措置の認定、もしくは事前に登録された日本国内の検査機関での残留農薬検査の証明書の添付に加え、農場の登録情報の提出またはGAP認証の証明などが必要となります。
 さらに、青果物の輸出は17品目に限定され、品目によっては数量割り当てがあるなど、農林水産物・食品の輸出のハードルは非常に高い状況にあります。現在、本県果実は、輸出ができないという状況にございます。
 議員御提案のように、インドネシアの方々に魅力ある県産果実を食べていただくことは、本県へのインバウンドにつながる有効な手段であることから、インドネシアでの条件緩和に向けて、我が国政府はもちろんのこと、共同声明の趣旨を踏まえ関係部局と連携し、インドネシア政府へも働きかけてまいりたいと考えています。
○副議長(岸本 健君) 尾﨑太郎君。
  〔尾﨑太郎君、登壇〕
○尾﨑太郎君 イオンで行われました和歌山県のプロモーションでは、ちょっと心配してたんですけど、すごくたくさんの人に来ていただいて、いい意味でびっくりしたんですけど、本当に改めて和歌山県の果物ってすごい競争力があるんだなと思ったんです。あれだけのたくさんの人が来ていただく中で、いろんなプロモーションのビデオも上映してもらいましたけど、もしあの場で、ちょっと和歌山のめちゃめちゃおいしい果物を1切れ2切れ食べてもらったら、「わあ、こんなん食べれるんやったら和歌山へ行こうかな」と思ってもらえたと思うんです。
 輸出が厳しいことは理解しておりますけれども、せっかく共同声明というのを出してるんですから、これに基づいて、粘り強く一度交渉していただいて、何とかインドネシアの方々にインドネシアの中で和歌山の果物をちょっと食べていただけるように頑張っていただきたいと思います。
 次の質問に移ります。
 私は、安倍内閣の最大の失敗は消費税を上げたことにあり、最大の功績は消費税率を凍結したことにあると考えています。ですから、来年の10月には消費税を引き上げるとの発表には非常に落胆をいたしました。
 我が国のGDPのおよそ60%は個人消費であり、景気の動向はまさに消費の回復にかかっていると言えましょう。したがって、景気の回復を優先させるならば、消費にかかる税金を減税するというならばともかく、増税するということは全く理解に苦しみます。増税により消費が抑制されるのは火を見るより明らかというより、本来増税とは抑制のためにこそ行うものでありましょう。
 1800兆を超える個人金融資産を持つ大国である我が国は、無理やり円安にして他国の需要を取り込み成長せずとも、内需を喚起し、世界中のよいものを買い、感謝されつつ成長する道があるように思います。
 日本には再建すべき財政問題など現在のところ存在しないことは、過去にも論じましたので繰り返しませんが、「モノ」はあふれたとはいえ、やりたい「コト」はまだまだ見出していけるのではないでしょうか。「必要だから買う」から、特に必要はないけれど、おもしろそうだから買う、かわいいから買う、楽しいからやる、仕事に必要はないけれど、あれがやりたい、あそこへ行ってみたい。遊び心こそがキーワード。消費のあり方が変われば、日本経済にはまだまだ伸び代はあるのです。
 日本人は、アリとキリギリスの話が大好きで、アリたらんと頑張ってきましたが、消費してくれるキリギリスがいなければ、アリの提供する生産物やサービスは過剰となり、経済は停滞します。日本人は今こそキリギリスから人生の楽しみ方を習うべきです。消費の楽しさを味わうときに来ているのです。
 そもそも、人間存在は複雑で不合理なもの。清く正しく美しくだけでは、文学も芸術も生まれない気がします。猛毒であるヒ素もごく少量は人体に必要なように、ある種の退廃も社会に不可欠なものでありましょう。
 飲酒も喫煙も夜遊びも、成熟した大人の楽しみとしてあっていい。その中にカジノゲーミングがあってもよいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
 私が必ず見る映画に007シリーズがあります。中でも一番の傑作だと思うのは、ダニエル・クレイグの「カジノ・ロワイヤル」です。タキシードを着てポーカーをするダニエル・クレイグ、ジェームズ・ボンドの格好いいこと。私が着ればホテルのボーイと間違われることは必定ですが、一度ヨーロッパのカジノを見てみたいと思っておりました。
 幸い本年の4月16日より、フランスのバリエールグループの施設を視察する機会に恵まれました。北フランスのドーヴィル市にあるホテルバリエール・ル・ノルマンディーは、建設後100年以上経過した大変重厚感のある、いかにもヨーロッパらしいホテルでありました。カジノは別棟に設置されており、ホテルとは地下の通路でつながっています。視察当日には併設されていた会議場で教育関係者のセミナーが開催されており、盛況でありました。
 同地区には、ほかにホテルバリエール・ル・ロイヤル、ホテルバリエール・ロテル・デュ・ゴルフがあり、いずれも部屋数は300室程度であり、まちの景観との親和を図った設計で、スパ、ヨガスタジオ、託児所、劇場などが併設され、周辺施設とともに、まち全体で家族が楽しめる場となっています。最近は特にスパが注目されており、美容だけではなく健康増進のため、1週間程度のプログラムが人気だそうであります。
 カジノはもちろん大きな収入源ですが、あまたあるアトラクションのうちの一つというような位置づけで、いわゆるばくち場とはほど遠いイメージでありました。
 現在、フランスでは、カジノの入場にはIDチェックが義務づけられておりますが、法改正前は、入場料に15ユーロを徴収し、IDチェックは行われておりませんでした。法改正の前後で特に入場者数に目立った変化はなかったそうであります。
 ドーヴィル市のフィリップ・オージェ市長は、ダンディーという言葉がぴったりなおしゃれな方で、依存症についての我々の問いに、「ドーヴィルでギャンブル依存症が問題となったことはない。そのため、市は特に対策といったものを立ててはいない。顧客情報を国が管理し、それに基づき国が入場制限をする制度はある」と答えてくれました。また、「市民はドーヴィルのカジノ文化に誇りを持っており、カジノ側との関係は非常に良好だ」とのコメントがありました。
 確かにヨーロッパには、カジノ文化と呼べるものがある気がいたします。イギリスのギャンブルも有名です。何でもかけの対象にしているようで、ウィリアム王子のお子様の名前までかけの対象となっていました。もちろん合法ですが、日本の宝くじのような感覚なのでしょうか。ダービーは我が国でも余りにも有名ですが、ディック・フランシスのミステリーを読んで、行ってみたいと思った人は少なくないでしょう。
 対照的に、韓国人が唯一入場できるカジノがある韓国のカンウォンランドは、周辺に一文なしになったホームレスがあふれ、質屋が乱立していると言われ、事実そのとおりなのでしょうが、カジノ、統合型リゾートも適切な運営ができなければ地域社会を破壊しかねない例として、やはり目を背けてはいけないでしょう。
 私も、経済的に許すならばドーヴィルへは家族を連れていきたいですが、カンウォンへはもちろん行きたいとは思いません。我々は、ドーヴィル、カンウォン、双方から多くを学ばなければなりません。
 カジノを含むIRの設置運営には、それなりのノウハウと哲学を持つ事業者の選定が非常に重要となります。
 知事は、今回の選挙戦でもIRの誘致を掲げられました。知事のもとで策定された本県長期総合計画に明記されているのですから当然ですが、いよいよ知事のこの任期中に結果が出ます。和歌山を人生を楽しむ舞台にしたい。外国人も日本人も男性も女性も大人も子供も、それぞれに楽しめる舞台、和歌山の自然、歴史、食材、文化とコラボしたIR、それも大きな舞台の一つでありましょう。
 そこで、知事にお尋ねします。
 知事のイメージする統合型リゾート・IRとはどのようなものなのか。また、本県にふさわしい事業者を選定するために、どのような選考を考えているのか。
○副議長(岸本 健君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 本県は、マリンスポーツや海洋レジャーが満喫できるほか、高野山や熊野古道、温泉、美しい海岸線といった魅力ある観光資源が豊富にあるため、リゾート型のIRを目指すのがよいと思っております。また、候補地でありますマリーナシティは、まさにそういう意味で海洋レジャーのもう既に中心地でございますので、相乗効果も大きくなるんじゃないかなというふうに思っております。
 また、関西国際空港が近いという地の利を生かして、大規模な国際会議等が開催可能な世界と競合できるスケールとクオリティーを実現するIRを目指したいというふうに思います。
 和歌山IRが実現すれば、新たな観光のゲートウエーとして、ここをハブに、和歌山県内はもちろん、関西一円の観光地に多くのお客様が周遊し、結果として経済が潤い、県民の皆様の幸せに大きく寄与すると考えております。
 次に、議員御質問の事業者選定のスキームでございますけれども、IR整備法では、県が作成する実施方針において民間事業者の募集及び選定に関する事項を定めよということになっておりまして、民間事業者の選定に当たっては和歌山市との協議が求められるというところでございます。
 しかしながら、実施方針を策定するもととなる国の基本方針がまだ示されていないもんですから、県としては今後その内容を確認した上で、事業者選定プロセスを示すことになります。その際には当然、公平性、客観性、透明性が求められると思っております。
 その上で、どのような選考を行うかについては、現時点ではもちろん未定でありますけれども、県としては、和歌山県IR基本構想──これは改訂版ですが──に記載している内容に即し、投資規模や事業実現性はもとより、地域経済への貢献度や県内の観光資源の活用策、あるいは本県独自の依存症・破産リスク対策であるIRカードの運用方法等の観点より、本県の発展に最も寄与する事業計画を提出した事業者を選考するという仕組みにするつもりでございます。
○副議長(岸本 健君) 尾﨑太郎君。
  〔尾﨑太郎君、登壇〕
○尾﨑太郎君 県もいろいろ御努力いただいているようですけれども、なかなかこのIRの法律というのは複雑でして、県民が、どのようにして事業者を選定していくのか、また事業主体は誰なのかという基本的なところも、まだまだ理解が進んでいないように思います。
 私も、県民と接する中で「和歌山県がやるんでしょ」と言われることもあるんです。民設民営なんで和歌山県が関与するということは間違いなんですけども、それに基づく誤解で、和歌山県がやるんですかとか、あるいは、手を挙げてる県が和歌山、大阪、北海道とかそういう報道がありますから、つい自治体主体でまだまだカジノが、IRが進んでいくんじゃないかと思っている人もいるんですね。その辺のところをもう少しきちんと県民にお伝えをしていく必要もあるのではないかと思います。
 また、2段階の選考で、まず和歌山県が事業者を選考して、その選考者とともに計画をつくって国に審査を仰ぐということになっておりますけれども、どの事業者を選ぶんかということも国の選定をかち取る上で非常に重要なポイントだと思うんです。この辺のところ、しっかりと選考の方法も考えていただいて、国との、他の県との競争に勝ち抜けるよう頑張っていただきたいと思っております。
 それでは、最後の質問に移ります。
 本県のキャラクターには、今、きいちゃんとわかぱんがいます。昔はワックンというのもいました。最近はとんと見かけませんけれども、きいちゃんはちょっと太りぎみなので、ぱっと見はシロクマと見えなくもないですけれども、もちろん紀州犬であります。国体のときには、大活躍してくれました。その後もいろんなイベントに大忙し。和歌山県民はもとより他県の方にもファンがいる、愛されるキャラクター・きいちゃんには、本県は随分お世話になっています。
 そんなきいちゃんの仲間たちが絶滅の危機という報道が最近ありました。
 小学生のころ、空手を習いに拳武館宇治田道場に通いましたが、道場の裏手のおりに何匹かの紀州犬がいました。紀州犬は中型犬だそうですが、父から「この犬は自分の何倍もの大きい相手にも果敢に向かっていく。熊を相手にしてもひるまない」と教えられました。精悍な顔つき、しなやかで強い筋肉、あふれる闘志、揺るぎない忠誠心。紀州犬は、男の中の男ならぬ、犬の中の犬であります。まさに、小さなまち道場でありながら、当時、「和歌山に拳武館あり」と全国にその名をとどろかされた道場を守るにふさわしい犬でありました。
 いつの間にか道場の紀州犬もいなくなり、御近所で飼われていた紀州犬も見かけなくなってから久しくなりました。日本犬保存会によりますと、1年間に発行する血統書の数は、1992年には約3600頭余りであったが、去年は約370頭にとどまったとのことであります。
 中型犬を飼いにくい住宅事情と飼い主の高齢化が主な原因であるそうですが、なるほど、そういえば最近は猫を飼う人の数が犬を飼う人の数を上回ったようです。平成も終わらんとしていますが、質実剛健、剛毅朴訥はもはや時代おくれなのか。明治どころか昭和も遠くになりにけり。日本人が好ましく思う気風の変化も飼い犬、特に紀州犬のような犬の減少の底流にはあるのでありましょう。
 しかしながら、県民の中からも何とかしようという声が上がってきています。一般社団法人天然記念物紀州犬保存会が結成され、精力的に活動してくれています。まずは紀州犬を知ってもらう機会をつくろうと、2頭の紀州犬を和歌山公園動物園に寄贈。来園者からは好評を得ているとのことであります。獣医師で会長の林剛司さんは、「頭数の減少に危機感を持っている。紀州犬の歴史や愛らしさを知り、末永く守っていきたい。関心のある人には飼育することも考えてほしい」と話しています。
 ともあれ、きいちゃんに友達がいなくなってしまうのは何とも寂しいではありませんか。お世話になっているきいちゃんのためにも、ここはひとつ県としても一肌脱いでいただきたいと思います。
 そこで、質問いたします。県は紀州犬の減少をどのように捉えているのか。また、これに歯どめをかけるために、どのような対策を講じているのか。教育長にお尋ねいたします。
○副議長(岸本 健君) 教育長宮下和己君。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 県PRキャラクター・きいちゃんは、紀州犬をモチーフにしたマスコットで、県民に広く親しまれております。
 紀州犬は、昭和9年に国の天然記念物に指定されている学術的に貴重な犬種でありますが、近年、飼育頭数が減少してございます。
 紀州犬を初め、天然記念物に指定されている日本犬は7犬種あり、公益社団法人日本犬保存会等の血統書発行によって保存されているのが現状であります。
 県教育委員会では、これまで日本犬保存会が主催する展覧会に対し、後援や広報活動を支援してまいりました。ことし8月には、天然記念物紀州犬保存会が一般社団法人として活動を再開されたことから、今後、両団体と連携いたしまして、保存のための方策について検討してまいりたいと考えてございます。
○副議長(岸本 健君) 尾﨑太郎君。
  〔尾﨑太郎君、登壇〕
○尾﨑太郎君 私も尾﨑太郎と、ちょっと名前が犬っぽいですから、どちらかというと猫より犬派なんですけど、議長もさしていただいて、きいちゃんとよく会う機会もあったんで、お仲間が減って寂しい思いをしてるのかなあと思っております。ぜひ、知事にもその認識をお持ちいただいて、紀州犬の数、まあ人口の数が減るんも困りますけど、和歌山県の誇るべき天然記念物である紀州犬も一定程度の数は確保できるように御努力をいただきたい、そのようにお願い申し上げまして、質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○副議長(岸本 健君) 以上で、尾﨑太郎君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後1時43分散会

このページの先頭へ