平成30年9月 和歌山県議会定例会会議録 第4号


平成30年9月 和歌山県議会定例会会議録

第4号(全文)


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平成30年9月
和歌山県議会定例会会議録
第4号
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議事日程 第4号
 平成30年9月20日(木曜日)
 午前10時開議
 第1 議案第117号から議案第138号まで並びに報第3号(質疑)
 第2 一般質問
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会議に付した事件
 第1 議案第117号から議案第138号まで並びに報第3号(質疑)
 第2 一般質問
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出席議員(40人)
 1番 中西峰雄
 2番 秋月史成
 3番 立谷誠一
 5番 前芝雅嗣
 6番 花田健吉
 7番 井出益弘
 8番 宇治田栄蔵
 9番 川畑哲哉
 10番 玉木久登
 11番 濱口太史
 12番 鈴木太雄
 13番 尾﨑太郎
 14番 藤山将材
 15番 尾崎要二
 16番 中村裕一
 17番 岩田弘彦
 18番 中本浩精
 19番 山本茂博
 20番 岸本 健
 21番 冨安民浩
 22番 吉井和視
 23番 堀 龍雄
 24番 中 拓哉
 25番 森 礼子
 26番 服部 一
 27番 谷 洋一
 28番 新島 雄
 29番 岩井弘次
 30番 多田純一
 31番 片桐章浩
 32番 藤本眞利子
 33番 浦口高典
 34番 山下直也
 35番 山田正彦
 36番 菅原博之
 37番 谷口和樹
 38番 奥村規子
 39番 雑賀光夫
 41番 坂本 登
 42番 長坂隆司
欠席議員(なし)
〔備考〕
 4番 欠員
 40番 欠員
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説明のため出席した者
 知事         仁坂吉伸
 副知事        下 宏
 知事室長       宮﨑 泉
 危機管理監      藤川 崇
 総務部長       田村一郎
 企画部長       田嶋久嗣
 環境生活部長     山田成紀
 福祉保健部長     山本等士
 商工観光労働部長   山西毅治
 農林水産部長     原 康雄
 県土整備部長     髙松 諭
 会計管理者      中西 淳
 教育長        宮下和己
 公安委員会委員長   溝端莊悟
 警察本部長      檜垣重臣
 人事委員会委員長   平田健正
 代表監査委員     保田栄一
 選挙管理委員会委員長 小濱孝夫
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職務のため出席した事務局職員
 事務局長       田村公一
 次長         糸川 徹
 議事課長       松山 博
 議事課副課長     山田修平
 議事課議事班長    岸裏真延
 議事課主任      保田良春
 議事課主査      伊賀顕正
 議事課主事      浅田晃秀
 総務課長       田中健司
 政策調査課長     中平 博
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  午前10時0分開議
○議長(藤山将材君) これより本日の会議を開きます。
 日程第1、議案第117号から議案第138号まで並びに知事専決処分報告報第3号を一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第2、一般質問を行います。
 38番奥村規子君。
  〔奥村規子君、登壇〕(拍手)
○奥村規子君 おはようございます。本日、3日目、第1番に質問をさせていただきます。
 議長のお許しを得ましたので、通告に従って3項目について一般質問をさせていただきます。
 一つ目の項目は、住みよいまちづくりについてお尋ねをいたします。
 ことしの夏は、異常な気温の上昇に続いて豪雨災害や台風21号に、大阪、北海道での地震など、相次ぐ大規模災害が起こりました。亡くなられた方々に心から哀悼の意をささげるとともに、被災された皆さんにお見舞いを申し上げます。
 改めて、災害に強い防災・減災のまちづくりが喫緊の課題であることが突きつけられました。高齢者を初め、障害者、子供など、特に支援が必要な人がいち早く避難できるよう、具体的な仕組みを整えることが急がれます。住民同士のつながりもさらに大切になってきていると思います。このような中で、地域コミュニティーの活性化の一つとして、商店街の再生が求められるところです。
 和歌山県では、新たな長期総合計画が策定されて2年目となり、「世界とつながる愛着ある元気な和歌山」を目指す将来像として、さまざまな取り組みが行われています。その一つとして、活力と魅力のあるまちづくりが進められているところです。
 和歌山県は、1万人当たりの小売業の商店数が全国3位ということから、中小企業の活性化は大変重要です。しかし、町なかでは、住民になれ親しまれ、暮らしと地域社会を支えてきた商店街が停滞、衰退し、空き店舗とシャッター通りが目立つ状況が今も続いています。毎日の生活に欠かせない身近な商店がなくなり、自動車が使えないお年寄りが困っています。
 商店街の衰退は、単に中小商店だけの問題ではありません。商店街の衰退の原因はさまざまですが、個々の商店街の努力だけでは克服できるものではないと考えます。バブル崩壊後の経済失政と国の構造改革によって国民の所得と消費購買力が抑え込まれ、売り上げの大幅な減少が大きく響き、その上に大型店の出店ラッシュと深夜営業など、無秩序な競争激化が商店街を直撃しました。
 1990年代、国は、周辺小売店との調整のための法律・大規模小売店舗法の規制を相次いで緩和し、1998年に廃止をしてしまいました。その結果、大型チェーン店による無秩序な出店と営業時間の野放し状態が一気に広がり、外国資本の参入もあって、ショッピングセンターの巨大化や大型店同士の熾烈な競争が繰り広げられています。
 私は、こういったことが商店街や地域経済の問題にとどまらず、まちのあり方や住民の暮らしにも深刻な影響を及ぼしてきたと思います。中心市街地や住民に身近な商店街が潰された上に、結局、大型店自身も消失するなど、まちそのものが空洞化する深刻な事態が全国各地に生まれたのではないでしょうか。
 欧米諸国では、1970年代、80年代に規制緩和と大型店の郊外乱開発によって商店街が荒廃し、都市と下町が空洞化して大きな社会問題になりました。この大失敗から、各国は90年代に入って大型店の乱開発の規制を強化し、地域社会の核である商店街を振興する方向に大転換しています。大型店の乱開発の規制と商店街の振興、再生とを車の両輪とするまちづくりルール確立の方向が大事だと考えます。
 高齢者が歩いて買い物のできる商店街、安心して住み続けられるまちづくりを目指して、中小商店主と地域住民、事業者、消費者、NPO、大学、自治体により模索され、取り組まれていると思います。こういったことをしっかり支援することこそ大事だと考えます。
 そこで、お尋ねをいたします。
 誰もが住みよいまちづくりに向けて、商店街の振興、活性化についてどのようにお考えでしょうか。商工観光労働部長にお尋ねをいたします。
○議長(藤山将材君) ただいまの奥村規子君の質問に対する答弁を求めます。
 商工観光労働部長山西毅治君。
  〔山西毅治君、登壇〕
○商工観光労働部長(山西毅治君) 商店街の振興、活性化について、県では、これまで商店街の空き店舗を活用し、少子高齢化など社会的課題に対応する事業に補助するとともに、担当者が商店街に赴き、地元関係者とソフト事業の企画、立案を支援するなど、商店街の活性化に向け取り組んできたところです。しかしながら、その効果も限定的なものであり、にぎわいが続かず、活性化に至ってないのが現状です。
 このような中、商店街を活性化するには、まず商店街の方々みずからがどのようなサービスを提供すれば地域住民の方々に利用していただけるかなど、商店街の皆様で一体となって考えていくことが重要であるとともに、地域住民の方々についても大いに利用すべきであると考えます。
 また、まちづくりを考える主体である市町村が将来のまちのあり方を考え、まちの構造をどのようにしていくかを設計していくことが大切であり、空洞化した中心部に機能を集約し再開発するとともに、商店街の振興、活性化に向け積極的に取り組んでいくべきであります。
 県としましても、商店街の振興、活性化は大きな課題であると認識しており、他府県の事例などの情報収集に努めながら、そうした取り組みを支援してまいります。
○議長(藤山将材君) 奥村規子君。
  〔奥村規子君、登壇〕
○奥村規子君 今、答弁をいただいて、県としても商店街の振興、活性化は大きな課題であるということで認識をしていただいてるということですので、私のほうから、そういったことで要望させていただきたいと思います。
 中小企業は日本経済の根幹ということで、中小企業憲章には、社会の主役として地域社会と住民生活に貢献する存在と示されています。地域に根をおろし、物づくりやサービスでの需要に応え、雇用を生み出している中小企業の役割は、ますます大きくなっていると考えます。
 2014年6月には、小規模企業振興基本法ができました。この法律は、成長発展だけではなく、事業の持続的発展の重要性を明確にしています。改めて、小規模企業振興法の理念と県における中小企業振興条例に基づき、個人事業主を含めて小企業者などを地域経済の主役として支援施策を一層強めて、商店街の再生に力を注いでいただきたいと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
 次に、2番目に行かせていただきます。
 次は、県土整備部長にお尋ねをいたします。
 県は、にぎわいのある魅力的な都市づくりとして、和歌山市と連携して市街地再開発事業に取り組んでいます。総事業費は現在のところ約240億円で、そのうち国、県、市の補助金は約111億円と聞いております。県はどのような基準のもとに補助金を出されているのか、お尋ねをいたします。県土整備部長に御答弁をお願いいたします。
○議長(藤山将材君) 県土整備部長髙松 諭君。
  〔髙松 諭君、登壇〕
○県土整備部長(髙松 諭君) 市街地再開発事業への補助金についてお尋ねがございました。
 和歌山県では、町なか居住の促進とにぎわいの創出に資する市街地再開発事業を行う者を助成する市町村に対しまして、補助金を交付することとしております。具体的には、次の四つの要件を定めてございます。
 都市再開発法に基づく市街地再開発事業で、社会資本総合整備計画に位置づけられていること。
 町なか居住の再生を図るべき区域として市町村の計画に位置づけられた区域内や、都市機能や居住を誘導する区域を定める立地適正化計画で設定する都市機能誘導区域のうち、中心拠点区域内で行われること。
 30戸以上の共同住宅、または多目的ホールや屋内公開広場などのにぎわい交流施設が含まれる複合施設が整備されること。
 町なか居住の促進、都市機能の誘導、景観改善等に対して先導的な役割を果たす事業や他の都市機能を整備する事業の推進に資する事業であって、当該都市の活性化のために特に必要であること。
 以上の四つでございます。
 和歌山市駅前地区を初めとする3地区で実施しております市街地再開発事業は、これらの要件に合致していることから、和歌山市に対し補助をしているところでございます。
○議長(藤山将材君) 奥村規子君。
  〔奥村規子君、登壇〕
○奥村規子君 中心市街地の開発事業は、民間の事業に多額の税金を投入するものです。民間投資の喚起を口実に、中心市街地の開発を促進するということになると考えます。こういう中で住民不在の開発を招くものになりかねないかと危惧をしているところですが、ぜひとも県としても住民本位のまちづくりにぜひ取り組んでいただけるように要望をしておきます。よろしくお願いします。
 次の質問、2項目めに行かせていただきます。
 山地災害についてお尋ねをいたします。
 和歌山県の森林面積は36万1260ヘクタールで、県面積の76.5%を占めています。7月5日夕刻から降り始めた雨が、翌6日朝にかけて降水量が300ミリを超える大雨となりました。土砂災害、浸水被害が発生しました。
 その後、和歌山市の山林を専門家の方や住民の皆さんと一緒に私は調査をさせていただきました。千手川、高川流域でも多くの斜面崩壊、土砂流出が発生し、積み重なった流木の上を乗り越えなければ前に進めない状況でした。
 そこで、県下の状況についてお尋ねしたいと思います。現在の山地災害危険地区数を区分ごとにお聞かせ願いたいと思います。農林水産部長に御答弁をお願いします。
○議長(藤山将材君) 農林水産部長原 康雄君。
  〔原 康雄君、登壇〕
○農林水産部長(原 康雄君) 県では、地形、地質等から見て、山地の崩壊及び渓流からの土砂流出などにより家屋や公共施設等に被害を与えるおそれのある箇所を山地災害危険地区とし、防災や避難計画の啓発に努めているところであります。
 その区分ごとの箇所数は、山腹崩壊危険地区が7432カ所、崩壊土砂流出危険地区が6044カ所、地すべり危険地区が40カ所、合わせて1万3516カ所となります。
○議長(藤山将材君) 奥村規子君。
  〔奥村規子君、登壇〕
○奥村規子君 次に、山地災害から県民の命と財産を守るため治山事業に取り組まれていますが、今回の台風20号、21号での本県の山地災害の発生状況と、これからどのように復旧されていくのか、お尋ねをいたします。農林水産部長にお尋ねいたします。
○議長(藤山将材君) 農林水産部長。
  〔原 康雄君、登壇〕
○農林水産部長(原 康雄君) 本県を襲った台風20号及び21号による治山事業関係の山地災害の発生状況については、9月18日現在、被害箇所数36カ所、被害額12億2550万円となっています。
 被害の主な概要につきましては、台風の影響による豪雨と暴風による山腹の崩壊や、渓流荒廃地からの土砂流出によるものとなっています。
 そのため、森林の持つ災害防止機能など公益的機能の回復を図るため、林野庁の補助事業などを活用しつつ、国の採択要件に適合しない箇所につきましては、県単独の治山事業などにより復旧に努めてまいります。
○議長(藤山将材君) 奥村規子君。
  〔奥村規子君、登壇〕
○奥村規子君 次に、森林の開発許認可に当たって、最近の集中豪雨や台風、地震などの発生状況をどうお考えになっていますか。住民の不安がさらに大きくなっていることに対して、県としての対応をどう考えていますか。農林水産部長にお尋ねいたします。
○議長(藤山将材君) 農林水産部長。
  〔原 康雄君、登壇〕
○農林水産部長(原 康雄君) 近年の集中豪雨等により全国的に大きな災害が発生しているところであり、当県におきましても今後の災害発生について危惧するところであります。
 林地開発許可制度の審査に使用する公共事業等の技術基準については、平成26年の降雨強度の見直しなど、大災害の発生を契機に変更されてきております。
 今後も、引き続き技術基準を遵守しながら、災害の防止が図られるよう慎重に審査を進めてまいります。
○議長(藤山将材君) 奥村規子君。
  〔奥村規子君、登壇〕
○奥村規子君 和歌山県の土砂災害マップは、住宅地や公共の施設などがあって、土砂災害、土石流災害、洪水及び地すべりなどのおそれがある区域が指定されているのであって、全ての区域が指定されているわけではないということだと思います。住民の皆さんと調査に行ったところで、土砂災害、土石流の発生したところは指定区域外でした。自然災害は、いつ、どこで、どんな規模で発生するかわかりません。適切な災害への対応と慎重な許認可審査をぜひよろしく、そういう姿勢でよろしくお願いをいたします。これは意見としておきますので、よろしくお願いします。
 次に、3項目め、質問させていただきます。
 次は、学校給食についてお尋ねをいたします。学校給食の実施状況と食育の取り組みについてお聞きをいたします。
 2015年9月に食育基本法が改正されました。第20条には、学校、保育所等における食育の推進について述べられています。その中に、地域の特色を生かした学校給食等の実施とありますが、現在の実施状況と方式についてお尋ねをいたします。
 また、第3次食育推進計画の目標達成のための取り組みについても、栄養教諭の配置なども含め、お答えください。教育長にお尋ねをいたします。
○議長(藤山将材君) 教育長宮下和己君。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 学校給食の実施状況につきましては、今年度、小学校では237校中236校で99.6%、中学校では120校中110校、91.7%で、第3次和歌山県食育推進計画では小中学校とも100%とすることを目指しております。
 実施方式につきましては、単独調理場方式が138校、共同調理場方式が174校、また、他市町が運営する給食センターや民間施設に委託している学校が35校あります。いずれの場合も、設置者である市町村が給食施設の維持管理、調理員等の人員確保などについて総合的に検討し、それぞれの実情に応じた調理場方式としております。
 第3次和歌山県食育推進計画では、全ての小中学校に栄養教諭が食に関する指導訪問を実施する割合を100%にすることを目標としております。栄養教諭につきましては、現在40名を配置し、学校における食育の中心的な役割を担っております。
 今後、栄養教諭が所属校以外の学校へも積極的に指導訪問するなど、効果的、効率的に食育を推進することにより、推進計画の目標の達成に努めてまいります。
○議長(藤山将材君) 奥村規子君。
  〔奥村規子君、登壇〕
○奥村規子君 次に、学校給食の安全性の確保についてお尋ねいたします。
 ある県では、PFIの学校給食現場では大量に輸入食品が使用されていることが判明したとお聞きをいたしました。民間委託の現場では、外国産米も使われているということです。
 県の給食の安全性は、どのように確保されているのでしょうか。国産食品と輸入食品の比率及び品目はどのようになっていますか。また、本県の学校給食における地場産物の利用拡大するための取り組みも教えてください。教育長にお尋ねいたします。
○議長(藤山将材君) 教育長。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 学校給食の安全性につきましては、学校給食衛生管理基準に基づき、食品の選定や購入、納入時、また子供たちが食べる前に校長、栄養教諭等が点検、確認することにより、安全性を確保してございます。
 国産食品と輸入食品の使用状況につきましては、国産食品は約80%で、米については全て県内産を使用してございます。また、約20%の輸入食品は、小麦や砂糖、ゴマなどとなっております。
 地場産物の使用割合は、ここ数年、全体の26%前後で推移しております。第3次和歌山県食育推進計画では目標を40%と掲げ、利用拡大を進めておりますが、保護者の経費負担の抑制や同一規格での安定供給等が課題となっております。このことから、農林水産部と連携して、学校給食での和歌山産品利用拡大戦略アクションプログラムを策定し、昨年度から取り組みを進めております。
 主な取り組みといたしましては、市町村ごとに、農産物直売所などの生産者と給食センターなどの購入者をつなぐ組織づくりを県が支援し、提供可能な地場産物の食品と数量、規格等の情報を共有し、地場産物を安定して供給できる体制の確立を図っているところです。
 また、地場産物の活用は、地域の自然、文化や産業、生産の苦労への理解を深め、食に対する感謝の気持ちを育むとともに、ふるさと教育の一環としても意義あることから、小学校、中学校、特別支援学校にミカンやサバ、ジビエを無償で提供してございます。
 今後も、引き続き学校給食の安全性の確保とともに、地場産物の積極的な活用を推進してまいります。
○議長(藤山将材君) 奥村規子君。
  〔奥村規子君、登壇〕
○奥村規子君 今、学校給食の実施状況や食育の取り組み、安全性の確保について努力していただいているということがよくわかりました。そういう中で、地場産物については、農林業のいろいろな発展、振興、そういったことにも大きく影響するものだと思いますので、今後も一層利用拡大を進めていただきたいと思います。
 その際に、やはり先ほど、そういった食材の費用等、その点について給食費の問題も挙げられるかと思いますので、この給食というのは子供の心身の発達に本当に大きく貢献できるものだと思うんです。
 その点で、私はこれを三つ目なんですが、学校給食の無償化について要望をしておきたいと思います。
 子供の貧困が社会問題となっています。子供の貧困対策としても少子化対策としても、子供の食のセーフティーネット、社会保障としての学校給食の無償化を国の制度として進めるよう働きかけをお願いしたいと思います。
 広島県のある町で、給食費未納の世帯が保育料や国民健康保険料、固定資産税など、市への支払いを軒並み滞納していたという例がありました。給食費未納を子供の貧困のSOSと受けとめ、未納の背景を知り、学校から支援制度につなげることができると思います。
 小中学校の給食を無償にすると、日本全体で年額5000億円かかると言われていますが、お隣の国、韓国では、既に無償化が進んでいます。給食の始まりは日本より遅く、朝鮮戦争、1953年直後に多くの欠食児童が出て、海外の支援で脱脂粉乳の支援が始まり、その後、小学校、高校、中学という順に制度を普及させたとお聞きしています。日本でも、無償にする自治体が徐々にふえてきています。全ての子供を対象に、その中で特に困っている家庭が救済される制度として、ぜひ考えていただきたいと思います。また、ぜひ実現できるように県として国への働きかけを重ねて要望して、一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○議長(藤山将材君) 以上で、奥村規子君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 33番浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕(拍手)
○浦口高典君 皆さん、おはようございます。議長のお許しを得ましたので、通告に従い一般質問をさせていただきます。
 まずは、初めに、台風20号、21号でお亡くなりになられた方に心よりお悔やみを申し上げますとともに、被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。
 また、毎回この9月議会で報告させていただいております本年度の「おどるんや~紀州よさこい祭り~」は、去る7月29日、マリーナシティ、8月4日、5日、ぶらくり丁やけやき大通り等において行われました。
 ことしのキャッチフレーズは、「恋する夏はすぐそこ!」ということで、実際には大変な猛暑の中、行われましたが、参加チーム86チームのうち県外は16チーム、近畿一円からと愛知県などからも参加があり、踊り子総数約3400人、飲食店の出店数35店舗、広告協賛は263で、ボランティア220人、実行委員は35人、開催費用、これはまだはっきりとした金額は出ていないということで、参考までに昨年は年間の運営費も含みまして約3200万ということで、これについては県や市からも1円も一切援助は受けていないということであります。
 この祭りの成り立ちについては、いつも申し上げているとおりでございますが、2人の若者の和歌山を踊りを通して元気にしたいという熱い思いから、17年前からスタートし、私も最初から微力ながらお手伝いをさせていただいております。
 ことし15回目の節目を迎え、実行委員、協賛者やボランティアを初め、多くの皆様に支えられながらも、よくここまでやってきたなあというのが、これまでかかわってきた私自身の正直な感想であります。同時に、今回も和歌山初のよさこいチームとして、私の道場からスタートした和歌山MOVEというチームの裏方の1人として参加して感じたことは、漠然とではありますが、和歌山にも踊る文化が定着したなあという思いと、同時に、今回の質問でもさせていただきますが、次に和歌山に歩く文化をつくらねばという強い思いと使命感であります。
 それでは、質問に入らせていただきます。
 まず第1に、和歌山県長期総合計画における人口目標について、県民の活力を保つための施策の展開についてであります。
 さて、これも毎回はっきりと申し上げておりますが、人口激減・超高齢先進和歌山の今回は特に人口減少問題についてであります。詳しくは説明はいたしませんけれども、参考の資料1をごらんください。
 実は、私、ことし5月3日の「読売新聞」の和歌山版を見て、ある程度予測はしていたとはいえ、ついにここまで来たかと驚きを隠せませんでした。それは、ことしの4月1日現在の推計人口が、前年同期比1万153人減少の93万8107人になったということです。ついに、1年間で1万人以上の人口減少時代に突入をいたしました。
 そこで、昨年4月に策定された和歌山県長期総合計画、これはもう皆さん御存じのとおりでありますけれども──以下「長計」を思い出してほしいのですが、この計画は2017年度から2026年度までのものであります。平成も来年4月末に終わりますが、平成で言うと昨年、29年4月1日から39年3月31日までであります。
 長計に記載されている国立社会保障・人口問題研究所──以下「社人研」──の推計によると、最終年度に85.9万人まで減少すると言われておりますが、この長計の中に書かれている産業政策やインフラ等の条件整備、また、今以上に子育て環境をよくすることなどによって社会減や自然減を少しでも食いとめ、県長期人口ビジョンで89.4万人を確保するということでありますが、既に1年間で約1万人減少ペースで、また2025年、つまり平成37年度から、御存じのとおり、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になると、特に男性の死亡数が急に多くなることも十分予測され、最近では多死社会という言葉も出てくるように、1万人どころか1万数千人規模で人口減少が起こる可能性も大きく、さらに拍車がかかるだろうと予想されます。
 そこで、あと9年、実際には8年6カ月でありますが、本当に長計の人口目標89.4万人を維持することができるのでしょうか。下手をすると、この社人研の人口推計の85.9万人以下になることも十分予想がつきます。
 そこで、県民の活力を保つための施策の展開についてどのように考えるのか、企画部長、御答弁をお願いいたします。
○議長(藤山将材君) ただいまの浦口高典君の質問に対する答弁を求めます。
 企画部長田嶋久嗣君。
  〔田嶋久嗣君、登壇〕
○企画部長(田嶋久嗣君) 議員の御質問にございましたように、平成30年4月時点の和歌山県推計人口がこの1年間で1万人以上減少したことにつきましては、大きな課題であると認識しております。
 人口減少に歯どめをかけ、県民の活力を保つためには、長期的な視点に立って自然減と社会減の両面から戦略的に施策を展開することが重要であると考えております。
 まず、自然減への主な対策としましては、子育て世代が安心して働くことができる職場を拡大するとともに、今年度からは、多子世帯と在宅育児世帯への経済的負担の軽減に新たに取り組むなど、社会全体で子育てを支援する仕組みを強化しているところです。
 次に、社会減への主な対策としましては、本県への人の流れを創出する取り組みとして、特に人口流出が著しい若者の県内定着を促進するため、高校生や大学生等への県内就職支援に加え、大学誘致を推進しています。本年4月の東京医療保健大学和歌山看護学部の開学を皮切りに、2021年度にかけて、和歌山県立医科大学薬学部など四つの大学が開学する予定で、最大1700人程度の若者が県内で学生生活を過ごすこととなり、まちのにぎわいの再生などにも効果が得られるものと考えています。
 あわせて、仕事をつくり働く場を拡大する取り組みとして、高速道路を初めとした道路網の整備や南紀白浜空港の機能強化により社会基盤が整いつつある中で、企業誘致をさらに推進し、特に成長分野であるIT企業の紀南地域への集積を図っています。
 また、今年度からは、産業の新しい発展に向けた取り組みを強化するため、データの利活用やIoT等、先端技術の導入を促進しているところです。
 さらに、統合型リゾート施設の誘致に力を入れて取り組んでおり、実現すれば、これまでにない規模の経済効果と雇用効果が期待できるものと考えています。
 今後も、新政策プロセスを通じて、自然減と社会減の両面から有効な施策を立案し、人口減少問題に全力で取り組んでまいります。
○議長(藤山将材君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 企画部長、御答弁ありがとうございました。
 皆さん、お忘れになっているかもしれませんが、平成20年4月に発表された前の県長期総合計画の142ページに、政策効果を加味した将来人口推計で、最終年度つまり本年の3月31日で、県総人口を97.5万人と定めております。もちろんこれは目標ですが、実際には93.8万人と3.7万人、3万7000人も目標に達しておりません。その間ずっと自然減や社会減の両面から有効な施策を進め、人口減少問題に全力で取り組んでいくと言われておりました。
 しかし、結果として、そうならなかった。このことももう一度思い出してもらいたいのと、私が言いたいのは、まだまだ減少し続けるであろう和歌山県において、もっと違うところに重心を置くべきではないかということであります。
 長くなりますので、これ以上申し上げませんが、後の質問の中に、そのことについて述べさせていただきます。
 それでは、2問目に行かしていただきます。
 「健康長寿日本一わかやま」の実現について、1、滋賀県の寿命延伸についてであります。
 以前から申し上げておるとおり、既に全国的に見て、人口激減・超高齢先進の和歌山県であるだけに、少子化対策や超高齢化対策も大事でありますが、それと同時にというか、それ以上に望まれるのが、今いる和歌山県民の皆さんにいかに健康で長生きしてもらうかが大きな、大変大事なことであると私は考えております。
 しかし、和歌山県民の平均寿命は全国的に見て短く、さらに要介護認定率が全国一高いということは、この場で何度も申し上げました。
 そして、平成30年2月議会で紹介いたしましたが、男女とも日本一の長寿県であった長野県の男性の寿命が滋賀県に抜かれたということをこの場で御紹介をいたしました。その後、早速、福祉保健部の野技監らが滋賀県まで行き、そのことについて担当者からいろいろとレクチャーを受けたと聞いております。すぐに行動されたことは高く評価いたしますが、滋賀県で何を学び、和歌山県との違いはどこなのか。また、どのようにすれば和歌山県も滋賀県のように長寿県になれるのか、福祉保健部長、お答えください。
○議長(藤山将材君) 福祉保健部長山本等士君。
  〔山本等士君、登壇〕
○福祉保健部長(山本等士君) 滋賀県は13市6町で構成され、従前から各市町が積極的に健康づくりに取り組んできた結果、全ての市町の平均寿命は全国上位になっております。特に健康推進員については、昭和62年から各市町が継続して養成し、現在約3600人が地域活動を展開しています。
 また、同時期から県民を対象とした健康・栄養調査を実施するなど、データを蓄積、分析し、たばこや運動等の生活習慣の改善対策に具体的に取り組んでいます。
 これらの取り組みの結果、男性の喫煙率は全国で一番低く、女性の1日の歩数は全国4位、社会活動・ボランティア参加率は全国1位になるとともに、がんと脳血管疾患の死亡率が減少し、平均寿命の延伸につながっていると考えます。
 一方、本県では、ほとんどの市町村の平均寿命は全国で下位になっています。健康推進員については、おくればせながら平成26年度から県で養成を始めたところであり、健康データの分析も平成28年度から本格的に開始し、健康わかやま推進提言書として平成29年3月にまとめ、県及び市町村の健康課題の見える化に取り組み始めたところです。
 その結果、男性の喫煙率は改善しているものの、全国24位と依然として高く、女性の1日の歩数も全国38位、社会活動・ボランティア参加率も全国41位となり、その上、野菜摂取量も少ないなど、課題が明確になりました。また、がん死亡率も男性で全国42位と高く、これらの指標における滋賀県との格差が平均寿命の短い主な要因であると考えています。
 したがって、これらの課題解決が健康長寿になるために重要なことから、県では、健康推進員の養成など、地域のつながりを深めるソーシャルキャピタルの醸成を図るとともに、わかやま元気シニア生きがいバンクを活用した高齢者の社会参加の促進や、健康づくり運動ポイント事業を利用した運動習慣の定着など、県民が健康づくりに取り組みやすい環境づくりに、これまで以上に工夫しながら取り組んでまいります。
 また、県民の健康意識のさらなる高揚を図るため、平成28年度から実施しているわかやま健康と食のフェスタの拡充や、子供のころから禁煙の重要性などを理解させる健康教育の充実、さらには事業所の健康づくりを促進する取り組みを行ってまいります。
 なお、健康長寿県を目指す上で、市町村での健康づくりの取り組みの充実は必須であることから、ことし7月から9月にかけて全市町村に職員が出向き、市町村長に対し、直接、健康課題を明らかにした上で、さらなる取り組みを行っていただくようお願いしたところです。
 本県の取り組みは、滋賀県と比較するとまだ緒についたばかりではありますが、今後、市町村や健康推進員などの健康ボランティアの方々、事業所を初め、関係機関と一丸となって健康づくりを着実に進めてまいります。
○議長(藤山将材君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 福祉保健部長、ありがとうございました。
 滋賀県の長寿の理由は、喫煙率の低さ、歩く歩数の多さ、社会活動・ボランティア参加率の高さなどなど、生活習慣が平均寿命延伸によい影響を与えているということですが、そのようなことはもう百も承知であります。
 また、本県の取り組みは、滋賀県と比較するとまだ緒についたばかりと言われますが、先ほども御紹介したとおり、この長計、今から10年6カ月前につくったやつなんですが、ここの65ページに、くどくどと言いませんが、もう一度言います。それらを踏まえた上で、「『健康長寿日本一わかやま』をめざします」、はっきりと書いているんですね。今から10年6カ月前です。だから、和歌山はどうしてそれを実践することができないのか。そこがまず問題だと私は思います。実践なくして健康長寿の実現なしということを改めて申し上げておきます。
 次に移らせていただきます。
 次、ラジオ体操でありますが、さて、「健康長寿日本一わかやま」の実現のための実践について、まずはラジオ体操についてでありますが、その前に改めて申し上げますが、和歌山県は要介護認定率が平成26年、27年、28年度の3年連続全国1位ということだけではなく、まだ確定しておりませんが、平成29年度も全国第1位であると聞いております。ですから、平たく言うと、物すごい勢いで進む人口減少とは逆に、本来、多死社会で下がるはずの高齢化率についても、若い人たちが他府県に出ていくなど、既に少なくなっているため、今後確実に上昇し、おまけに県民の要介護認定率も日本一高いという現状であります。さらに、短命県とマスコミに断言されています。
 だからこそ、まずラジオ体操で心身の健康づくりということで、平成25年議会で提案し、県教育委員会が立ち上がり、ラジオ体操の指導者200人、体験者を1000人にするということで、平成26年に東京から全国ラジオ体操連盟の指導者を招き、県内各地で講習会を行ったところ、1500名を超える方が正しいラジオ体操を体験され、うち324人の方が指導者資格を取得し、さい先のよいスタートを切りました。その後も、県関係のスポーツ系のイベントでは積極的にラジオ体操を実践していると聞いております。
 最近では、去る9月1日にビッグホエールにて、NHKの「みんなの体操」にも出演されていた全国ラジオ体操連盟の田村、押味両指導員を招き、指導者講習会を開き、200名以上の方が参加されました。
 もちろん、私も4年前に初級指導者の資格を取得しておりますので、トレパン、トレシャツ姿で参加し、2時間半、みんなの体操、ラジオ体操第1、ラジオ体操第2と、かなりハードな実践でありましたが、丁寧な指導のもと、自分なりにスキルアップをしてきました。講習を受けられた皆さんも誰ひとりリタイアすることなく熱心に実践されたことは、大変心強く感じました。
 ちなみに、ここにいらっしゃる宮下教育長も、私と同じく最初から最後までトレパン、トレシャツ姿で参加され、受講されておりました。大変お疲れさまでございました。
 そこで、平成29年9月議会で和歌山市におけるラジオ体操実践の実態について提示したところ、県全体では324人の指導者をつくって1500人以上の方が正しいラジオ体操を体験されているとはいえ、和歌山市内ではわずか11人しか継続的にラジオ体操の指導を行っていないということがわかりました。
 その後、ラジオ体操指導員の指導実績についてどのようになったか、教育長、お答えください。
○議長(藤山将材君) 教育長宮下和己君。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 平成26年に324名であったラジオ体操指導員は420名にふえ、和歌山市で継続的に指導している方は、平成29年の11名から、現在は13名となっております。また、県内全域では、和歌山市を含めた23名の方が自主的に地域グループや自治会などで指導するなど、活躍の場を広げております。
 先日、本県で開催したラジオ体操指導員養成講習会では、和歌山市会場242名、田辺市会場98名の参加があり、ラジオ体操を指導する上でのポイントを学んでいただくことができました。
 今後も、地域のラジオ体操実施状況の把握に努めるとともに、引き続き、健康づくり運動ポイント事業においてもラジオ体操指導員が自治会で活躍できるよう、市町村教育委員会に働きかけてまいります。
 また、7月には、ラジオ体操放送開始90周年の記念事業として、一般財団法人簡易保険加入者協会から、ラジオ体操解説教本及びDVDが県内全小学校に贈呈されました。指導する教員もラジオ体操を基本から学び、子供たちに適切な実技指導ができるようになるものと考えてございます。
 なお、今年度もスポーツ人口をふやすため、リレーマラソンやマスターズスポーツ体験会などを実施し、ラジオ体操の普及とあわせ、生涯にわたってスポーツに親しみ、スポーツを楽しむ機運を醸成してまいります。
○議長(藤山将材君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 教育長、御答弁ありがとうございました。
 平成26年に324人であったラジオ体操指導者が420名になったということ、大変結構なことだと思います。
 ただ、私が聞きたかったのは、平成29年9月議会で確認した和歌山市で継続的に指導している方が11名でしたが、これが何人になったかということで、これは13名になったと。1年間で2人ふえたということでありますけれども、果たしてこれで日本一健康で長生きできる和歌山県をつくれるのかどうか、教育長も一緒になって考えてください。
 次に移らせていただきます。健康推進員についてであります。
 去る8月27日、和歌山北コミュニティセンターで健康推進員のフォローアップ研修会があり、私もことしの2月に2回、健康推進員の研修を受け、委嘱を受けたので、今回も参加をいたしました。約70人の和歌山市内の健康推進員の方が参加し、講師は国際厚生学院の教員で理学療法士の松井先生が務められ、健康づくりのためのウオーキングについて、姿勢や体の使い方を専門的な面からも非常にわかりやすく教えていただき、大変勉強になりました。
 これはこれでいいのですが、この健康推進員制度については、平成25年9月議会で政策提案し、県もそれに応え、平成26年度から1年間で500人ずつ、5年間で2500人育成して各地域で活動してもらうとのことでありましたけれども、本年、平成30年度は最終年度ですが、現在何人育成され、平素はどのような活動をされているのか、福祉保健部長、お答えください。
○議長(藤山将材君) 福祉保健部長。
  〔山本等士君、登壇〕
○福祉保健部長(山本等士君) 健康推進員は、平成30年8月末現在、1656人を養成しています。県で養成した健康推進員は、市町村長から委嘱を受け、市町村の求めに応じて地域における健康づくり事業に協力しています。具体的な活動といたしましては、各戸訪問による特定健診や、がん検診の受診勧奨、生活習慣病予防に関する啓発チラシの配布、健康づくりイベント開催時におけるサポートなどを行っています。
 なお、健康長寿県になるためには、滋賀県のように健康推進員による地域に密着した活発な活動が重要であり、そのことが県民挙げての健康づくり運動につながるものと考えております。しかしながら、県内の市町村での健康推進員の活動には差があり、県民に十分浸透していない状況にあります。
 今後は、県内どの市町村においても、健康推進員を十分に活用した活動が展開されるよう、あらゆる機会を捉えて強く要請してまいります。
○議長(藤山将材君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 部長、どうもありがとうございました。
 健康推進員は、各戸訪問による特定健診や、がん検診の受診勧奨、生活習慣病予防に関する啓発チラシ配布、健康づくりイベントのサポートなど、地域における健康づくり事業に協力しているということ、非常にこれはすばらしいことだと私は思います。
 しかし、ここでお伺いしたのは、健康推進員の人数について、平成25年9月議会でお約束したように、来年の3月31日までに2500人を目標とされておりますけれども、現在のところ1656人となっております。5年目の本年度で今までの1年間の人数の約2倍の人員を育成していかなければならないということでありますので、ぜひ、部長、このことをよくお考えいただいて、健康推進員の数をふやしていただきたいと思います。
 それでは、次に移らせていただきます。
 4番目。さて、ラジオ体操や、県が平成17年度から和歌山大学と共同で行っておりますシニアエクササイズだけではなく、私は歩くことは運動の基本であると以前から考え、私自身、実践してまいりましたが、そのエビデンス、根拠については、平成28年10月、私が委員長を務めていた福祉環境委員会の県外調査で、東京都健康長寿医療センターの青柳先生を訪ね、お話を伺いました。当時の幸前福祉保健部長並びに正木健康推進課長らも同席し、1日8000歩、速歩き20分の重要性を感じてもらい、県は、平成29年10月から運動ポイント事業を立ち上げ、さらに、ことしの1月からはスマートフォンアプリを配信しております。
 これが、前にも御紹介しましたが、「1日8000歩、速歩き20分」健康法で、かなりこの考え方というのは今定着をしておりますが、先ほど言いました対象は18歳以上の県民約84万人ということで、チラシも大量に配布し、この事業の周知徹底を図る努力をされてきました。そのチラシは一部ですが、これであります。(資料を示す)このチラシ。
 私自身もこの1日8000歩、速歩き20分に最初に目をつけ、この必要性を痛感し、政策提案してきただけに、県の作成したチラシを自分の支援者を含め4000枚から5000枚を郵送並びに配布をいたしました。
 そこで、この運動ポイント事業開始から約10カ月がたって、現在何人の人が登録がありましたか。また、現状について、福祉保健部長、お答えください。
○議長(藤山将材君) 福祉保健部長。
  〔山本等士君、登壇〕
○福祉保健部長(山本等士君) 「みんなで実践!健康づくり運動ポイント事業」は、昨年10月からスタートし、この1月末からは、参加しやすいように、新たに歩数を自動集計するスマートフォンアプリを配信しております。登録者数は、本年8月末現在、個人で2208人、自治会で83団体となっています。
 県としましては、登録者数をふやすため、市町村や自治会に直接働きかけるとともに、わかやま健康と食のフェスタなどのイベント参加者に登録を呼びかけているところです。あわせて、ラジオやテレビなどの広報媒体による啓発を行うとともに、事業所に直接働きかけるなど、登録者数の増加に向け積極的に取り組んでまいります。
○議長(藤山将材君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 ありがとうございました。
 この事業を始めまして、ほぼ1年たちますが、登録者数は個人で2208人、自治会で83団体ということですが、この事業の対象は18歳以上の県民約84万人で、自治会数というのは県下で3800ほどあるそうでありますが、ざっくり割合で言いますと、人数で約0.26%、つまり1000人に3人弱、自治会数では約2.2%、100自治会で二つ強しか行っていないということであります。果たして何百年計画でこの事業をしようとしているのでしょうか。
 「健康長寿日本一わかやま」の実現は、8年半後の2027年3月末なんですね。来年の2月議会で、ラジオ体操の現場の指導者、健康推進員、運動ポイント事業の数値目標を含めた実践人数を必ず確認をさせていただきますので、部長、その覚悟で取り組んでいただきたいと存じます。
 それでは、次に移らせていただきます。
 この項の最後ですが、知事の意気込みと実践への決意についてお伺いをいたします。
 さて、「健康長寿日本一わかやま」の実現について、滋賀県の寿命延伸、ラジオ体操、健康推進員、運動ポイント事業等について、今、答弁いたしましたとおり、決して順調に進んでいるというわけではありません。それは、県の職員が手を抜いているということでは決してありませんが、果たしてこれで8年半後、本当にこの長計に書かれている日本一になれるのかどうか、甚だ疑問であります。
 これはしつこいようですが、平成20年4月に発表した長計にも「『健康長寿日本一わかやま』をめざします」としながら、9年たっても、日本一どころか、極めて下位に近い状態であります。にもかかわらず、1年半前に作成した今回の長計では、「『健康長寿日本一わかやま』を実現します」と明言しております。
 私は、この文章を見て、知事も担当職員も決して厚かましいなあとは思いませんでしたし、そのこと自体、県民にとって大変すばらしいことなので、私も県議会の一員として賛成をいたしましたが、1年半たって上向く兆しは余り見えておりません。
 しかし、そんなことばかり言っていてもしようがありませんので、この日本一という大きな目標を本当に達成するため、何が必要で、何をしたらいいのか、私なりに日々考え、悩み、そして行動してまいりました。
 そこで、ある県のトップリーダー、つまり知事の哲学と、その県内の市長の実践の決意を知り、早速8月6日、7日、その県と市を訪ねました。その県とは、神奈川県。知事は、元フジテレビのキャスター黒岩祐治氏。また、市とは横浜市であり、市長は元株式会社ダイエー代表取締役会長・CEOの林文子氏であります。
 もちろん、私のような一議員が御多忙なお2人に時間をとっていただいて「健康長寿日本一わかやま」の実現について御相談というわけにいきませんので、県庁と市役所に行ったわけでありますが、ただ、黒岩知事とは、私自身、ローカル・マニフェスト推進地方議員連盟の代表をしていた関係で、その会に講師として来ていただいたときに、当時の北川正恭早稲田大学教授の紹介で御挨拶をさせていただいたことがありました。そのときは、「あ、テレビに出ている人や」程度にしか思っていなかったのですが、経歴を見ると、私と同じ年であり、しかも学部は違っても同じ時期に早稲田で学んだということで、大変親しみを感じ、注目をしていた次第でございます。
 最近、ある雑誌の記事で黒岩知事が未病改善で健康長寿ということを訴えていたので、そのことに目が行きまして、早速じっくりと読んでみますと、県民の命を輝かせるために、未病という、もともと中国で使われてきた言葉でしたが、それに新しい息吹を入れ、新しい概念として構築し、それを県民に広く知ってもらい、「神奈川県は健康寿命日本一を目指す」と知事みずからが今から5年前に宣言したそうでありました。
 そのことについて詳しくお話を聞こうと思い、8月6日に神川県庁を訪れ、未病の概念や健康寿命の神奈川県の取り組みについて担当者からお話を聞かせていただきました。
 未病については、参考の資料をごらんください。既に、この言葉は国内で登録商標をとっているだけではなく、国際登録商標もとり、国内だけではなく世界に向けても、この未病という考え方を発信しているということであります。
 そして、この訪問時、その担当の職員から紹介してもらったのは、黒岩知事が書いた「百歳時代─“未病”のすすめ─」という、こういう本であります。(本を示す)早速購入して2度ほど熟読いたしましたが、これからの超高齢社会の人生100年時代、一人一人の生き方について、熱い思いをこの本から肌で感じることができました。これが、黒岩知事が神奈川県を健康寿命日本一にするという原動力とも言うべき彼自身の哲学であると私は感心をいたしました。
 さらに、翌日、横浜市役所を訪ね、4年前から健康づくりのためにウオーキングを取り入れている担当課長からもお話を伺いました。実は、横浜市については、ちょうど2年前の8月にも訪ね、当時の担当課長から、よこはまウオーキングポイント事業の取り組みについてじっくりとお聞きし、同年9月議会でも御報告をさせていただきました。
 それはともかくとして、2年前に私が横浜を訪れたとき、横浜市人口372万の中で、18歳以上の成年約15万人を対象に、これ、私が持っております(身体活動計を示す)、これも前に紹介させていただきましたけども、この身体活動計よりももっとシンプルな歩数計を持ってもらって、市民の健康づくりを積極的に進めているということでしたが、さらに、あと2年で約30万人の市民にこれを持ってもらうということを目標にしておりました。
 しかし、そのとき、私は正直、それは何ぼ何でも無理やろうと内心思いましたが、課長は、何としてもこれをやり切りたいというような力強いことを言っておられました。はっきりと申しておりました。これも今思えば、林市長の力強い意志のあらわれであったなと思います。
 そして、先日伺ったとき、本当に下調べもせず、「どうですか。30万人超えましたか」と軽い気持ちで新しい担当課長にお聞きすると、おもむろに資料を差し出して、「はい、30万306人になりました」ときっぱり言われました。「えっ」と本当に声を上げんばかりに驚き、その資料に目をやると、30万306人と確かに書かれてありました。
 正直、こういうものは、物珍しさやウオーキングにもともと取り組んでいる人たちが一気に集まるもので、最初の半年ないし1年がピークで、後は思うように伸びないというものでありますけれども、目標の30万人を超えたと聞いて本当にびっくりしました。
 その後、どのようにしてそこまで行ったのか聞いて、また驚いたのですが、とにかくありとあらゆるイベントに職員が出向いていって、市民の皆さん一人一人に歩数計の大事さや必要性を訴え、使ってもらえるように必死にお願いしたということであります。
 横浜市のよこはまウオーキングポイント事業について資料をもとに説明いたしますと、目的はウオーキングを通じた健康づくりで、元気で活力ある横浜を築くためにであります。横浜市の高齢化率は、平成29年3月現在で23.8%であり、超高齢社会に突入していると書いておりますけれども、ちなみに和歌山県の高齢化率は、平成29年1月1日現在30.9%であります。また、団塊の世代が75歳以上となる2025年には高齢者が約100万人に達し、高齢化率が約26%となる見込みということでありますけれども、ちなみに和歌山県では、その時点で34.2%となる見込みであります。
 そこで、気軽な健康づくり、ウオーキングに着目して、市民の健康への関心は高い、ウオーキングは気軽に取り組める人気ある運動・スポーツであるということ、また、横浜市が実施した平成25年度横浜市民意識調査によると、困っていることや心配事の1位は自分の病気や老後のことが45.1%、2位は家族の健康や生活上の問題が38.7%。また、横浜市体育協会が実施した平成26年度横浜市民スポーツ意識調査によると、過去1年間にわたる運動・スポーツの1位は散歩・ウオーキングで56.7%、今後やってみたい運動・スポーツの1位は散歩・ウオーキングで59.0%ということで、ウオーキングを健康法として取り入れているものであります。
 ウオーキング、しかもその計測はスマホではなく、私や横浜市民のように身体活動計や歩数計を持つと、本当に日常の生活の中で歩くことがだんだん苦にならなくなります。ちなみに、これはパソコンにはつなげることができないのですが、私、既に、ここできょうは参考までに持ってきたんです。(資料を示す)披露するほどじゃないんですが、これ手書きで毎週、1日何歩、歩いたというのをずっと書いております。これ、私のフェイスブックで公開しておりますんで、よかったらごらんください。
 既に、これ105週、735日、記録しております。そのことを確信したのは、既に、横浜市の資料によると、この歩数計を持つ前、つまりウオーキングポイント事業に参加前、運動していなかった人の実に43.3%が「運動するようになった」と答え、また参加前の健診でメタボリックシンドロームと診断された人のうち11.0%が「メタボリックシンドロームではなくなった」とか、身体状況をロコモティブシンドローム──これは筋肉とか関節のことなんですが、ロコモティブシンドロームチェックで、参加前に「片足立ちで靴下がはけなかった」と回答した人のうち、12.9%の人が参加後に「はけるようになった」と答えています。
 さらに、東京大学と連携して歩数傾向の研究では、歩行を促した結果、横浜市の都市デザインに示唆を与えることを期待しているとの意見も出ています。つまり、歩くことによって都市の機能性を高めることができるということであります。よいこと尽くしのようでありますけれども、本格的なウオーキング事業により、まさに人もまちも元気になる可能性が大であると私は考えております。
 しかしながら、それには予算も必要であります。また、最初から県下全域に広げてしまうような施策であれば、効果が余り実感できない可能性が大きくなります。
 そのために、県の担当職員にはぜひ横浜市の実態を勉強していただき、そして、まず要介護認定率が非常に高く人口密度も高い和歌山市と今後協議を重ねていくことが、私は得策であると思っております。
 さて、仁坂知事。「健康長寿日本一わかやま」の実現のため、知事自身の意気込みと、横浜市のような実践への決意について、誠意ある御回答をお願いいたします。くどいようですが、このような神奈川県や横浜市より、和歌山県は8年半後、健康長寿で上に行かなければ日本一になれないということを念頭に置いてお答えください。
○議長(藤山将材君) 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 本県は、全国に先駆けて高齢化が進む中、県民が健康で生き生きと長生きできる「健康長寿日本一わかやま」の実現を目指しております。
 平均寿命や健康寿命の延伸を図り、健康長寿県となるためには、一人一人がみずから積極的に健康づくりに取り組むことが最も重要であり、県民が健康づくりに熱い思いを持っていただくよう、「オールわかやま」の県民運動を展開する必要があると考えております。
 そのためには、例えば、私などが、あるいは浦口議員のような方が声高にいろいろアドバルーンを上げるということも大事でございますけれども、一人一人の胸に響く、あるいは心を動かすような仕掛けも必要だろうというふうに思いまして、それで、運動ポイントとか、そういうことをいろいろ思いついて一生懸命やろうとしているところでございます。
 とりわけ、昨年度から実施している運動習慣を定着させるための健康づくり運動ポイント事業は、これは個人のほうでございますが、誰でも参加しやすいように、歩数を入力する手間を省くために自動集計するスマートフォンアプリを配信いたしまして、これは、横浜市はこうかざさないといけないんですが、こちらは勝手に入りますので、ちょっと機械的にはこっちのほうが進んでおると思うんですが、自動集計するスマートフォンアプリを配信するとともに、健康キャンペーンの実施やランキング表示など、気軽に楽しみながら競い合えるよう工夫しておりまして、我ながらこれはよい仕組みだというふうに思っております。
 ただ、その割には参加者数がえらい少ないことも事実でございますので、これは議員御指摘のように、横浜市の職員に負けないように、実は今年度から県職員が直接、企業や事業所に出向き、職場内でみんなが取り組んでもらえるように働きかけていくんだというふうに職員もみずから言っておりまして、これはいい傾向だなあというふうに思って、私も含めてみんなで頑張っていって、周知啓発に全力を傾け、登録者数の一層の拡大につなげていきたいと思います。
 先ほど言われた30万人という数ですが、横浜市の人口が400万人ありますので、我々は94万人弱でございますから、8万人ぐらい獲得するのは頑張ってできないことはないはずだというふうに思っておりまして、その気持ちで、みんなで頑張っていきたいと思います。
 そのほか、県民の機運を高める取り組みといたしまして、10月に開催するわかやま健康と食のフェスタについて、県内全市町村の特色ある健康づくりの発表とか、あるいはウオーキングイベントの同時開催や参加団体の拡大など、今年度から内容を充実してまいりたいと考えております。
 また、市町村だけではなくて、事業主みずからが健康づくりの重要性を認識し、健康づくりに積極的に取り組む事業所、これをふやしたいと思っておりまして、このためにわかやま健康推進事業所として認定する制度を設けたところでございます。
 さらに、乳幼児の保護者や小・中・高校生を対象に、これはわかりやすいという意味で漫画を取り入れまして、わかりやすい教材を作成し、子供のころから健康教育を充実していきたいというふうに思います。
 平均寿命とか健康寿命を劇的に改善する特効薬はないかもしれませんが、市町村や事業所、関係機関と一緒になって全県的な県民運動を展開していって、御指摘の滋賀県のように、これはもう何十年もやっとるわけでございますから、息の長い総合的な取り組みを続けていくことが大切であると考えております。
○議長(藤山将材君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 知事、どうもありがとうございました。
 ちょっと私、これ言うつもりじゃなかった。実は、この身体活動計を持つ前に、私も実は自分でここからスマートフォンでアプリとりまして、今、いろんなところがアプリ出していますんで、県だけじゃなしに、これ、ほかのとことったんですね。
 ところが、これだと続かないんですよ。なぜかといったら、家に帰ったら、ふだん着に着がえたりして、充電したりしますんで、これとこっち側というのは、かなり数字の違いが出てくるんです。非常に一見便利なようなんですけど、なかなかこれが身につかないということで。私自身、これ、はっきり言いますが、お風呂へ入っているとき以外、全部体につけてます。必ず、トイレに行ってもここへ入れてつけてるぐらいですから、非常に正確にはかられます。それだけ言っておきますが。
 知事、本当に気持ちはよくわかるんですが、私、ここで紹介した黒岩神奈川県知事や林横浜市長より、私は仁坂知事のほうが首長として能力はすぐれていると思っておりますんで。ただ、平成20年4月発表の、先ほども言いました長計の中で、「『健康長寿日本一わかやま』をめざします」と書いておりますけれども、正直そのことに余り目が行っていなかったということではないでしょうか。
 結果として、和歌山県は平均寿命も健康寿命も全国的に見て非常に短く、それとは逆に要介護認定率が、何度も言うように、連続して全国第1位であると。県民そのものに、私は元気がないなというふうに思っております。
 そこで、昨年4月に発表した「健康長寿日本一わかやま」を、長計では「『健康長寿日本一わかやま』を実現します」とまで明言しているわけですから、あとはこの政策を県民の皆さんに強く訴え、それを実践していただくように、今まで以上に力を入れていただきたいと思います。
 そのためには、県の担当職員だけではなく、各市町村長初め市町村役場の担当職員が本気で動き出すような、私は、知事、哲学をぜひ訴えていただきたいと思います。
 私は、横浜のウオーキング事業が一番本当は近道だと思うんですけども、1人でも多くの県民の皆さんに取り組んでいただけるように、今後いろんな方法あれば提示していただきたい、そのように思うと同時に、今回、知事、くどいようですけども、これもぜひ知事が、やっぱり県民の皆さんが健康で長生きしてもらわないかんのやという思いを、黒岩知事とはまた違う方向で一遍出していただきたい。それを今度2月議会で、知事の健康長寿日本一にかける哲学というものを聞かせていただきますんで。
 それと、あと、先ほども福祉保健部長に言いましたけれども、数値目標と現在の数をもう一回確認させていただきますんで、2月議会を私、大変楽しみにしておりますんで、どうぞよろしくお願いいたします。
 最後になりますが、言わせていただきます。
 時間の関係上、少々早口になって恐縮でございますが、さて、最後の質問は、和歌山の玄関口、JR和歌山駅近隣の「みその商店街」の再開発についてでありますが、言葉をかえれば、そもそも県庁所在地の和歌山市の玄関口はどうあるべきかということになります。
 私は、過去3回、平成26年9月、平成27年2月、同28年2月定例会において、JR和歌山駅中心コンパクトシティーについて、提案、質問をいたしました。
 これも、とりもなおさず他府県に比べて人口減少と超高齢化が早く進む和歌山県において、県の活力をそがないためにも、県都である和歌山市において、まちをコンパクトにつくり直すことにより、利便性や安全性を高め、さらに活力を再生できるのではないかという思いで、特に和歌山市では、公共交通機関のターミナル駅であるJR和歌山駅を中心としたまちづくりが一番ふさわしいのではないかということで、3回、角度を変えて提案、質問をいたしました。
 それに対して、県は、平成26年9月定例会では、JR和歌山駅は県内外からの人流、物流の中心であり、和歌山県経済の中心としてまちづくりの重要な拠点であると認識しておりということでありましたけれども、平成28年2月定例会では、再開発事業の具体化には至っておりませんということです。
 今回、JR和歌山駅近隣のみその商店街の再開発ということについてですが、みその商店街は、昭和40年代には大変活気がありましたけれども、残念ながら現在では典型的なシャッター商店街になっております。
 もし、みその商店街が人口減少と高齢化が進む町なかの商店街や市場であればいたし方ないかもしれませんけれども、ここは和歌山県の県庁所在地、和歌山市の玄関口、JR和歌山駅の近隣であるということを皆さん、お忘れではないでしょうか。和歌山の人だけではなく、他府県からの観光客やビジネス客がたくさん来ていることは御存じのとおりであります。余りにも寂れていませんか。それだけに、県民だけではなく、他府県から来た人たちは余計感じているはずです。どこの県に行っても県庁所在地の玄関口の駅前商店街や歓楽街はもっと活気があり、活力を感じます。和歌山県民の1人として、物すごく寂しい気持ちになるのは私1人ではないと思います。
 さて、話は変わりますが、先日、我が改新クラブ5人で8月末に四国へ調査に行き、香川・高松市の高松丸亀町商店街で、同商店街の振興組合、古川理事長から商店街を案内していただきながら、同商店街の再興について話をじっくりお聞きしました。
 この商店街については、実際にテレビ、雑誌等マスコミを通じて御存じの方や行かれた方も多いと思いますが、この商店街の理事長から、「向こう100年を見据えて」というお話は、私にとって目からうろこというか、本当に新鮮なものでありました。いろいろとそこで施策等についてはお話しされていたんですが、時間の都合上、割愛をさせていただきますが、このことをお聞きして、みその商店街を考えると、現実的にはいろいろと権利、所有権というものが入り乱れていてというか、私有地が多いだけに非常に難しいことはよくわかるんですけども、やはりそこの地域の方が立ち上がれば、なるほどこういうふうになるのかということを、随分とその話を聞いて考えた次第でございます。
 ぜひ県も、ここのところ、大所高所に立って、和歌山県の玄関口であるこのみその商店街の公共性、公益性ということに着目して再興する手だてを考えていただくことはできないのでしょうか。
 理事長いわく、やはり地元のことは地元の人間がやらなきゃいけないということはもう百も承知なんですけども、ここは和歌山県和歌山市の県庁所在地の玄関口であるということをもう一度認識をしていただきまして、このみその商店街における再開発について県としてどのようにお考えになるか、県土整備部長、御答弁をお願いいたします。
○議長(藤山将材君) 県土整備部長髙松 諭君。
  〔髙松 諭君、登壇〕
○県土整備部長(髙松 諭君) みその商店街の再開発について御質問いただきました。
 JR和歌山駅は鉄道のターミナル駅であり、また、多くのバス路線が発着する重要な交通結節点であるとともに、和歌山県経済の中心の一つとして、町なかの活性化を図っていく上で重要な拠点であるという認識をしていることは、従来より申し上げているところでございます。
 和歌山市におきましても、みその商店街を含みますJR和歌山駅周辺、それから南海和歌山市駅周辺、和歌山城周辺を結ぶ町なかを中心拠点区域といたしまして立地適正化計画に位置づけ、医療施設、商業施設、教育文化施設等の誘導を図ってきているところでございます。
 また、まちづくりの新たな担い手の育成として、地域のまちづくりを考えるための勉強会などの開催や、地域のまちづくりを担う法人の指定に取り組んでいるという状況でございます。
 浦口議員御指摘のみその商店街は、組合員の高齢化ですとか、まちづくりの担い手の不足、さらには権利関係が複雑といったことなどから、再開発事業の実現には時間を要するものと考えられます。
 みその商店街の再生は、都市計画法などさまざまな権限を有する和歌山市が主体的に取り組むべきことではありますが、県といたしましても、公共性の高いJR和歌山駅周辺の町なか再生が重要であるというふうに考えておりますことから、開業意欲のある方々を招き入れるなど、新陳代謝が図られるような仕組みづくりや再開発に取り組むよう、和歌山市に働きかけてまいります。
○議長(藤山将材君) 所定の時間が参りましたので、以上で浦口高典君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前11時34分休憩
────────────────────
  午後1時0分再開
○副議長(岸本 健君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 10番玉木久登君。
  〔玉木久登君、登壇〕(拍手)
○玉木久登君 皆さん、こんにちは。玉木でございます。本日、午後1番の登壇をさせていただきます。一生懸命努めてまいりたいと思います。
 本日は、有田川町から議員先生、2人傍聴に来ていただいておりますので、ちょっと緊張しておりますけど、よろしくお願い申し上げます。
 それでは、議長のお許しを得まして、通告に従い、質問をさせていただきます。
 まず、質問に入る前に少し時間をいただきます。
 本県は、毎年のように風水害に見舞われておりますが、本年も8月の台風20号、この9月の台風21号と相次ぐ台風により、県内各地で大きな災害に見舞われました。これらの台風により被害に遭われた皆様に改めて心よりお見舞い申し上げますとともに、復旧に御尽力いただきました皆様に深く感謝申し上げます。
 私の地元有田市では、台風21号による被害が著しく、台風が通過した直後から市内を見て回ると、海岸地域では高潮による浸水被害、漁港の防波堤の損壊、漁業主要施設の倒壊などを目にしました。中でも箕島漁港の荷さばき場天井の全ての飛散や製氷施設並びに海上くみ上げポンプへの落雷による制御盤損傷など、完全復旧まで2カ月はかかる見通しとなっています。
 また、果樹園地では、根こそぎ倒れたミカンの木や、木は無事でも枝折れや大量の実が散乱している状況が目に飛び込んでまいりました。農家の方々も、風によるこれだけの被害は最近では経験したことがないとおっしゃっています。一度倒れたかんきつ類の木は伐採せざるを得ず、特に今回は丹精を込めて育て上げた稼ぎ頭の成木の損失が目立ち、大きな痛手となっています。さらに、ビニールハウス等の倒壊も甚大で、今後は潮風の影響による塩害の拡大が懸念されるところでもあります。
 これらの被災現場について、9月7日には有田振興局長、農林水産部長、有田市幹部職員同行のもと、衆議院議員石田代議士とともに視察も行いました。
 こうした被害は、有田市のみならず県内各地域の基幹産業にとっての大きな痛手であり、早急な復旧を願っております。また、復興に向けては、今議会において災害対策として補正予算案が上程されていますが、将来に向けて希望の持てる最大限の支援策を、県として、また国に対して要望いたします。
 では、質問に入ります。
 2年後に迫った東京オリンピック・パラリンピック競技大会における食材調達への対応についてお伺いいたします。
 議長のお許しを得て、お手元に資料を配付させていただいております。資料項目2の1をごらんください。
 これは、組織委員会が2017年4月に発表した持続可能性に配慮した調達コードについての概要で、食材の調達基準が記載されています。木材、農産物、水産物及び畜産物はこの基準に沿って調達されるわけですが、これらのうち木材は、既に紀州材が同競技大会選手村ビレッジプラザや国立競技場の一部に採用使用されることが昨年の10月に県のほうから発表されています。
 では、木材以外の農産物、水産物及び畜産物及びそれら加工品の調達に向けた県の取り組みについて、農林水産部長にお伺いいたします。
○副議長(岸本 健君) ただいまの玉木久登君の質問に対する答弁を求めます。
 農林水産部長原 康雄君。
  〔原 康雄君、登壇〕
○農林水産部長(原 康雄君) 本年3月、東京2020大会飲食提供に係る基本戦略が発表され、東京2020組織委員会は、議員御指摘の持続可能性に配慮した調達コードに合致した食材を調達することとしています。
 調達コードに示された調達基準を満たす事業者は、畜産物では該当者がなく、食材提供は厳しい状況であります。しかし、農産物及び水産物については、競技大会開催時期が夏場で安定供給面での課題はあるものの、調達基準を満たす事業者から参入を希望する声が上がっております。
 また、農水産物や畜産物の加工食品については、主要な原材料が調達基準を満たすものを「可能な限り優先的に調達する」と示されるにとどまり、詳細はいまだ明らかとなっていません。
 そのため、県では、加工食品も含めた食材調達に関するさらなる情報収集を行うとともに、今後順次決定されていく飲食提供事業者との接触を重ね、本県産の食材が採用されるよう事業者の取り組みを支援していきます。
○副議長(岸本 健君) 玉木久登君。
  〔玉木久登君、登壇〕
○玉木久登君 答弁をいただきました。
 オリンピック・パラリンピックという国際的なビッグイベントは、県産品をアピールする絶好の機会ですので、引き続き調達プロセスの動きに注視していただき、参入を希望する事業者の動向の把握や県産品加工事業者への情報提供並びに連携をしっかりととっていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 次に移ります。
 次に、GAP推進の今後の方針についてお伺いいたします。
 資料項目2の2をごらんください。
 農産物を例にとると、今回の調達基準では、まず、要件として、食材の安全の確保、周辺環境や生態系と調和のとれた農業生産活動の確保、作業者の労働安全の確保の3条件が示されています。次に、この3条件が確かに満たされているということを示しなさいという規定があります。
 この規定には、アとイの二つのタイプがあり、アのタイプは認証スキームがある場合、イのタイプは都道府県等公的機関による第三者の確認がある場合ということになっています。
 農業生産の現場では、要件にある3条件は何らかの形で実質的に対応できているとしても、3条件が規定に沿って満たされていることを示しなさいということは、極めてなじみが薄いことではないかと考えます。
 一方、こうした調達基準が国際的な大舞台で取り入れられているのは、食材調達における国際的な流れの一つであるとも考えられます。
 この中で、キーワードとなっているのがGAPという言葉です。一般的には聞きなれないGAPとはどういうものであるのか、県としてGAP推進について今後どのように対応するのか、農林水産部長にお伺いいたします。
○副議長(岸本 健君) 農林水産部長。
  〔原 康雄君、登壇〕
○農林水産部長(原 康雄君) GAPについては、1990年代にヨーロッパで始まった取り組みであり、食品安全、環境保全、労働安全等に関する点検項目を定め、農家自身がその実施、記録、点検、評価を繰り返しつつ、生産工程の管理や改善を行うものであります。
 具体的な点検項目としては、例えば食品安全では農薬の適正使用や管理、環境保全では廃棄物の適正な処理、労働安全では機械・設備の点検や防護服の着用など、さまざまな項目があります。
 GAPの代表的なものとしては、一般財団法人日本GAP協会が認証するJGAPやASIAGAP、ドイツのFoodPLUS社が認証するGLOBALG.A.P.などの認証制度があります。これらはいずれも国際的に通用する認証で、東京オリンピック・パラリンピックでの食材調達基準を満たすものとなっておりますが、認証を取得するにはハードルが高いため、県では、将来認証取得を目指す第一歩となる和歌山県版GAPを策定しております。
 GAPの実践については、食品の安全はもとより、環境保全や消費者の信頼確保にもつながることから意義のある取り組みであると考えております。このため、県では、GAP実践者を拡大するため、平成27年度より農業者を対象とした研修会を開催するとともに、平成28年度からJAの営農指導員や農業高校の教諭等を対象とした指導者養成研修も行ってきたところです。
 こうした取り組みにより、現在、県内では、GLOBALG.A.P.については2団体、ASIAGAPについては1団体、JGAPについては2団体が認証を取得しております。また、全てのJAと3団体において、和歌山県版GAPを実践しているところであります。
 今後とも、これらの研修会の開催によりGAP指導者の育成を図り、GAPを実践する農業者の拡大に努めてまいります。
○副議長(岸本 健君) 玉木久登君。
  〔玉木久登君、登壇〕
○玉木久登君 御答弁いただきました。
 食品の安全性や環境保全への対応について、農業生産の現場でもきちんと取り組んでますよということをよりわかりやすく伝えることができれば、消費者の信頼性をより高めることができると思います。そのための有効な手段として、方法としてGAPの考え方があるということではないかなと思います。
 しかし、GAP認証が求められる場面はまだ少ないことを考えると、いきなり国際水準のGAPに取り組むのではなく、まずは和歌山県版のGAPによりその考え方を普及させて、いざ、国内はもとより輸出の場面でもGAP認証が求められるような状況になった場合、敏速に対応できるようにしておく、こういう考えなのかなと思います。
 東京オリンピック・パラリンピックがこの時期、あと2年後、開催されます。これを契機に、農業生産工程管理への理解が進むことは非常に有意義であると思いますので、今後とも農業者への啓発並びに指導者育成を引き続きよろしくお願いしたいと思います。
 2項目めに移ります。
 次、農業の担い手の育成、確保についてお聞きいたします。
 昨年9月定例会一般質問において、新規就農者の現状と支援策について質問をいたしました。対策としては、従来からの国の農業次世代人材投資事業や本県独自の農地活用協議会による農地あっせんなどに取り組まれているとの回答でした。
 また、就農研修メニューを掲載した案内冊子を作成し、県内外で開催する就農や移住に関する相談会での説明や配布、また、JAトレーニングファームからの研修受け入れ情報の提供や農業次世代人材投資事業の説明などもあわせて行っていると聞いています。こうしたさまざまな取り組みが行われていても、なお新規就農者の確保は本当に難しい問題だと思っています。
 ことし9月に、平成29年度における農業次世代人材投資事業の交付実績というのが国から公表されました。その内容を見ると、本県は準備型──これは2年間農業に準備する、2年間に給付する事業です──これが13人、経営開始型、今度は準備が終わってから5年でしたっけ、その間に給付する事業ですけど、この経営開始型というのが260名ということになっております。参考までに、本県と同じく果樹農業が盛んな愛媛県での状況を見たところ、この準備型が61人、経営開始型が409人となっており、この数字だけで見ると、和歌山県とかなりの差があるのかなと感じております。
 今回、同じテーマを再度取り上げたのは、県の基幹産業である農業の将来、その中でも特に重要でかつ困難な担い手の育成、確保に関する施策について、時間とともに変化する社会状況や現場の声を適時、的確に捉えて施策を展開させることが重要であると思うからであります。また、統計データの利活用の重要性が言われてきております。
 そこで、改めて原点に立ち返り、新規就農者の年間目標とされる人数とその数値の根拠について、農林水産部長にお伺いいたします。
○副議長(岸本 健君) 農林水産部長。
  〔原 康雄君、登壇〕
○農林水産部長(原 康雄君) 議員お話しのとおり、農業者の高齢化や減少が進む中、担い手の育成、確保は重要な課題であると認識しております。
 新規就農者の目標については、和歌山県長期総合計画において、今後10年間で1800人確保することとしております。
 数値の根拠につきましては、現状の中核的農家6000戸と同水準を今後も確保するため、就業年数を勘案して設定したものであります。
○副議長(岸本 健君) 玉木久登君。
  〔玉木久登君、登壇〕
○玉木久登君 御答弁いただきました。
 次に移ります。
 お手元の資料項目3の2をごらんいただきたいと思います。
 これは、平成16年から昨年までの新規就農者数と有効求人倍率の推移を示したものであります。これによると、新規就農者は平成21年度に急激にふえて、それ以降は減少傾向にあることがわかります。この傾向は、折れ線グラフで示す有効求人倍率の推移と逆の関係になっていることがわかります。平成20年と平成21年の間の急激な変化は、平成20年に起きたリーマンショックの影響と考えられるそうです。
 つまり、新規就農者の確保は、さまざまな要因が絡み合いながらではあるにせよ、有効求人倍率の変化に影響されるということが見てとることができます。これは、新規就農者数に関係する調査とその分析の一例ではありますが、施策を展開するに当たり、こうした調査をどのように活用し、適切な施策を選択していくか、農林水産部長にお伺いいたします。
○副議長(岸本 健君) 農林水産部長。
  〔原 康雄君、登壇〕
○農林水産部長(原 康雄君) 議員お話しの新規就農者数調査については、学卒者やUターンなどの就農区分ごとに行い、その推移や傾向を分析しており、有効求人倍率の増加に伴い、平成29年度は学卒者やUターンが減少していますが、農業以外からの参入者や法人等への雇用就農はほぼ横ばいとなっております。
 また、就農相談業務の中で新規就農者のニーズを把握しており、就農の動機としては、「農業が好き」や「自分のペースで仕事をしたい」といったことで、課題としては、所得の確保や技術の習得、資金や農地の確保といったこととなってございます。
 このため、県では、所得向上を図るため、生産対策や販売対策を行うとともに、農林大学校や就農支援センターにおける技術研修の実施や農地の確保支援に加え、就農前後の資金を助成する農業次世代人材投資事業を実施しております。
 また、今年度から農業経営力を高め新規就農者の雇用の受け皿になる経営体を育成するため、法人化や規模拡大等を目指す農業者を対象に、先進的な経営を実践している成功者によるセミナーの開催を初め、経営戦略やマーケティングなど、より専門的な経営ノウハウを身につけるための農業MBA塾の開講に加え、専門アドバイザーの派遣など発展段階に応じた支援を行う農業経営発展サポート事業を実施しており、参加者からは非常に好評を得ております。
 今後も、市町村やJA等と連携し、新規就農者の確保に努めてまいりたいと考えております。
○副議長(岸本 健君) 玉木久登君。
  〔玉木久登君、登壇〕
○玉木久登君 御答弁いただきました。
 農業の分野で経営体という意識を浸透させていくことは、少子高齢化が進む中で新規就農者にとっても必要不可欠なことと考えますので、継続的に取り組んでいただきたいなと思います。その際、セミナーや塾への参加者に対してアンケート調査を行うなど、就農者や就農を志す人材の意識調査も継続的に行い、そうしたデータに基づいて、時代の流れと本県の状況に即した施策の展開をよろしくお願いいたします。
 それでは、最後の質問項目に移ります。
 県管理河川の河川整備計画の進捗状況等についてでありますが、既に多くの先輩議員が取り上げておられます。そのため、私の質問は重複する点も多くありますが、県管理河川の整備計画について、また、あわせて県管理ダムの運用状況についてをお伺いいたします。
 まずは、県は県管理河川において河川整備計画の策定を進めていますが、進捗状況並びに今後の取り組みについて、県土整備部長にお伺いいたします。
○副議長(岸本 健君) 県土整備部長髙松 諭君。
  〔髙松 諭君、登壇〕
○県土整備部長(髙松 諭君) 河川整備計画の取り組み状況につきまして御質問をいただきました。
 県が管理いたします河川の河川整備計画につきましては、流域内の人口や資産が多く、河川の氾濫による社会的影響がより大きな主要な河川から優先的に策定に取り組んでおります。特に平成23年9月の紀伊半島大水害を契機といたしまして手続を加速化させ、現在、有田川を初めとする18の河川整備計画の策定を終えたところでございます。
 残る河川の河川整備計画につきましても着実に策定を進めていきますとともに、河川整備計画に基づく整備につきまして、さまざまな機会を通じて予算を確保して、その推進に努めてまいりたいというふうに考えております。
○副議長(岸本 健君) 玉木久登君。
  〔玉木久登君、登壇〕
○玉木久登君 御答弁いただきました。
 次に移ります。
 次に、頻発する豪雨災害に対して、河川整備計画の見直しなどへの考え方について、県土整備部長にお伺いいたします。
○副議長(岸本 健君) 県土整備部長。
  〔髙松 諭君、登壇〕
○県土整備部長(髙松 諭君) 今ほど、豪雨災害に関する見直しに関するお尋ねがございました。
 河川の整備に関しましては、既往、それまでの最大洪水と同規模の洪水を安全に流下させることを将来的な目標として、まずは河川整備基本方針を策定しているところでございます。
 ただ、一方、その整備には多大な費用と相当の期間を要することから、早期に一定の整備効果を発現させるために、既往最大洪水に次ぐ大きな被害をもたらした洪水と同規模の洪水に対しまして、家屋の浸水被害を解消することを目標とした河川整備計画、河川整備計画を策定し、段階的な整備を進めているということでございます。
 このため、玉木議員御指摘の頻発する豪雨災害に対する河川整備計画の見直しに関しましては、基本的に次期計画を策定する段階において検討することとしておりますが、現在の計画に位置づけられた整備の進捗状況ですとか、あるいは近年の出水状況等も考慮しまして、必要に応じて検討してまいりたいというふうに考えております。
○副議長(岸本 健君) 玉木久登君。
  〔玉木久登君、登壇〕
○玉木久登君 御答弁いただきました。
 次、3点目に移ります。
 3点目は、豪雨など大規模な出水が予測される場合や出水時における県管理のダムの運用状況についてを、引き続き県土整備部長にお伺いいたします。
○副議長(岸本 健君) 県土整備部長。
  〔髙松 諭君、登壇〕
○県土整備部長(髙松 諭君) 県管理のダムの運用状況につきましてお尋ねがございました。
 県が管理しております二川ダム、広川ダム、椿山ダム、切目川ダム、七川ダムの運用に当たりましては、大雨により洪水が発生した際に、ダムに流れ込む洪水の一部をためることで下流への放流量を調節するための空き容量、すなわちこれは洪水調節容量と呼んでおりますけれども、この洪水調節容量をあらかじめ確保してございます。
 これに加えまして、和歌山県におきましては、この県管理ダムでございます二川ダム、椿山ダム、七川ダムを初め、関西電力株式会社が管理いたします殿山ダムにおきましても、全国に先駆けた特別な取り組みを行っており、以下、その内容につきまして御説明申し上げます。
 平成23年9月の紀伊半島大水害では、椿山ダム、二川ダム、七川ダムにおきまして、台風第12号に起因する豪雨によりダムが満水になり、洪水調節ができず、流入量とほぼ同量の洪水をダムから放流することで、いわゆるダムがない状態と同じ状態になる異常洪水時防災操作、いわゆる「ただし書き操作」と言いますけれども、ただし書き操作を実施せざるを得なくなりまして、ダム下流の沿川地域におきまして大規模な浸水被害が発生いたしました。
 これを契機といたしまして、このような浸水被害をできるだけ軽減するためには、さらにダムの空き容量を大きくしておくことが効果的であると考えまして、大規模な出水が予測される場合には、本来は関西電力株式会社が発電用にためておかないといけない水につきましても、河川管理者の判断によりまして事前に放流させていただくことができる協定を関西電力株式会社の協力により締結いたしました。これによりまして、洪水調節機能の強化、拡大が図られ、これまでに合わせまして40回の事前放流を行ってきたところでございます。
 しかし、事前放流を実施いたしたとしても、大雨が長時間続いたり著しく強く降ったりいたしますと、紀伊半島大水害時と同様に異常洪水時防災操作を実施せざるを得なくなることがございます。
 このため、異常洪水時防災操作の実施に当たりましては、ダム管理事務所から市町、警察、消防等に対する事前通知及び河川敷等の利用者に対する警報活動を特に徹底して行っているところでございます。
 さらに、県のホームページにおきましては和歌山県河川雨量防災情報におきまして、テレビではテレビ和歌山デジタル放送の「あんぜん情報24時」において、それぞれ各ダムの現在の運用状況の見える化を行うなど、ダム下流の地域の方々が早期に避難できるよう、必要となる情報を発信しているところでございます。
 今後も、県管理ダムの適切な運用を行いますとともに、ダム下流の地域の皆様方へのわかりやすい情報発信に努めてまいりたいというふうに考えております。
○副議長(岸本 健君) 玉木久登君。
  〔玉木久登君、登壇〕
○玉木久登君 御答弁いただきました。ありがとうございます。
 全国に先駆けて関西電力株式会社との協力のもと、発電分の容量の水を放流してさらに空き容量を確保する事前放流など、県管理のダムである二川、椿山、七川、また、関西電力管理の殿山ダムにおいて運用が行われるという答弁をいただきました。
 この質問は、ことしの平成30年西日本豪雨災害でダムの運用管理についてクローズアップされたことからでありますけども、和歌山県、全国に先駆けてこのダム管理をしてるということをしっかり周知徹底をしていただきまして、今後も県民の安心・安全を確保すべく、適切な県管理ダムの運用をよろしくお願いしたいと思います。
 私ごとで恐縮なんですけども、ことしに入って5月12日から、市内におきまして県政報告会を開かしてもらってます。14カ所で開かしていただいて、これからも継続するつもりではおるんですけども、報告会の後半は意見交換会というのを行ってます。その中で、どの会場──全ての会場です。全ての会場において、有田川の河床を掘削してほしい、河川内の木を早急に伐採または根っこから引き抜いてほしい、有田川への流入河川の内水氾濫に対する排水対策を急いでほしい、ダムの放流は今のままで大丈夫なのか、そういった意見や要望が多く寄せられます。
 繰り返しにはなりますけども、河川整備については、今議会一般質問の中で多くの先輩議員が指摘をされています。特に、私も河床掘削や伐採、抜根について、これに特化した予算措置などの対策を強く国に対しても要請していただきたいなと思っておりますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。
 以上で、私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(岸本 健君) 以上で、玉木久登君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 17番岩田弘彦君。
  〔岩田弘彦君、登壇〕(拍手)
○岩田弘彦君 皆さん、こんにちは。
 ただいま議長のお許しをいただきましたので、本日午後3人ということなんで、早速質問に入らせていただきます。
 大項目1番、未来を創り出す力を育む教育の推進について、(1)全国学力・学習状況調査の評価と今後についてであります。
 平成19年より、全国学力・学習状況調査が実施されております。この調査の目的は、義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から、全国的な児童生徒の学力・学習状況を把握、分析し、教育施策の成果と課題を検証し、その改善を図ること、そして、学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の改善等に役立てることにあります。
 さらに、そのような取り組みを通じて、教育に関する継続的な検証改善サイクルを確立することにあると思います。
 本県におきましては、特に教科に関する調査における平均正答率は、全国下位低迷が続いておりましたが、昨年度は取り組みの成果があらわれ、大きく改善されております。
 今年度の調査結果を見ますと、国語と算数・数学の正答率を合計した全国順位は、小学校で20位、中学校で34位であります。3年に1回実施する理科については、小学校で平成27年度43位がことしは24位に、中学校は平成27年度44位がことしは34位であります。最近の結果からは、全体的にはよくなってきていると思います。
 そこで、今回の結果についての評価と今後について、教育長にお伺いします。
○副議長(岸本 健君) ただいまの岩田弘彦君の質問に対する答弁を求めます。
 教育長宮下和己君。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 本年度の全国学力・学習状況調査の結果は、小学校において、平成26年度と平成28年度に全国平均を大きく下回った国語が改善し、国語Aで初めて全国平均を上回りました。中学校においては、平成25年度以降低迷していた数学Aが、平成27年度には全国平均と同程度まで回復し、今年度は全国平均を上回りました。また、3年ぶりに調査が実施された理科では、前回と比べて小中学校とも全国平均との差が縮まりました。これらの結果から、本県の学力の状況については改善の方向にあるものと捉えてございます。
 こうしたことは、授業の基本スタイルである「和歌山の授業づくり基礎・基本3か条」の徹底や県学習到達度調査の実施、授業や家庭学習で使える国語と理科のマスター問題集の徹底活用等を、県教育委員会と市町村教育委員会が一体となって進め、学校が授業改善や子供一人一人の指導等に取り組んできた成果であると考えてございます。
 しかしながら、全ての教科において問題の意図を正確に読み取って答えることや、小学校の算数、中学校の国語、数学において、読み解いたことを用いて自分の考えを書く問題で必要とされる知識を活用する力は、依然として課題がございます。また、学校の授業時間以外に読書を全くしない子供の割合や、中学校において予習、復習等、家庭学習の習慣が身についていない子供の割合が全国より高いことなど、課題は数多くございます。
 こうした課題を改善するため、教員を対象にした学力向上推進に向けた研修会や地方別校長研修会に加え、本年度から地方別教頭研修会を開催し、知識を活用する力を高める具体的な方策を指導してございます。また、読書に親しむことや家庭学習の習慣化、学びに向かう力は、家庭や地域に協力を求めながら、その基礎を幼児期から育むことが大切であり、現在進めているきのくにコミュニティスクールや幼児教育の充実等を総合的に推進することで、子供たち一人一人の確かな学力の定着を図ってまいります。
 県教育委員会といたしましては、引き続き市町村教育委員会と一体となって、第3期教育振興基本計画を着実に進め、長期総合計画の目標実現に向けて取り組んでまいります。
○副議長(岸本 健君) 岩田弘彦君。
  〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 まずもって、去年もことしも成果を出していただきまして、ありがとうございます。ただ、長期総合計画に目標設定をしておりますのは全教科全国ベストテン入りということでございますので、まずは今の状態、まずは下がらないように頑張っていただいて、そして積み上げていただいて、将来的にはやっぱりベストテンに入っていくということで頑張っていただきたいと思っております。
 私もやっぱり応援させてもらわなあかんので、私、文教委員長に就任させてもろたときは、中先生、副委員長やったんですが、下がりまして、42位でしたかね、そんなときでした。だから、これやったらあかんということで、頑張らんなんということで、最近は事あるたんびに、いろんな会に呼ばれたときに、「和歌山県の教育委員会も学校も先生も頑張って全国20位になりましたから、教育委員会も先生も頑張っとるんで、皆さんも一緒に頑張っていきましょう、協力してくださいよ」って、「やるべき人間、頑張ってますよ、今は」って、こういうふうに持っていって話をさせていただいております。
 この雰囲気をつくると、コミュニティスクールとかになってきますと、学校だけじゃなくて地域の人の御協力が要るわけです。やっぱり頑張るべき人間が頑張って成果を出した、順位を上げた。数字はひとり歩きしますので、上げると、やっぱり周りの人も「よっしゃ、頑張っとんやったら協力したろか」ってなって、僕はコミュニティスクールがうまくいくと思いますので、くれぐれも、「岩田議員は順位にこだわる」ってよう言われるんですが、順位が、この数字が県民のイメージに影響を及ぼしますので、来年もまたええ結果出していただきますようによろしくお願いいたします。
 大項目2番、(1)少子化対策の充実についてに移らせていただきます。
 本年9月7日に公表された平成29年人口動態統計の概況によりますと、本県の合計特殊出生率は1.52となり、全国平均1.43を上回っておりますが、人口維持に必要とされる2.07には遠く及んでおりません。
 出生数も減少傾向にあり、今後、親となる20代から30代の人口が減少していくため、少子化対策をさらに充実し、結婚、出産の希望がかなう社会を実現する必要があると考えております。
 本県では、全国に先駆けて、平成19年より少子化対策の一つとして、育児支援事業と保育料の無料化などで構成する紀州3人っこ施策に取り組んでいます。
 開始前の平成18年度と平成28年度──約10年間でありますが──を比較してみると、合計特殊出生率は少し上がり、第3子以降の出生総数は7%増加しています。また、第3子以降を妊娠された方へのアンケート調査では、「保育料の無料化が影響した」と約70%の方が回答してくださっているとお聞きしております。そのほかにも、先進的に少子化対策に取り組んできております。
 現在、国では、持続的な経済成長をなし遂げる鍵は少子高齢化への対応であるとされ、子育て世代や子供たちに大胆な政策資源を投入し、社会保障制度をお年寄りも若者も安心できる全世代型への改革を進めていると聞いております。
 具体的な対策としては、3歳から5歳までの全ての子供たちに幼稚園、保育園、認定こども園など幼児教育の無料化を、来年10月から本格実施を始め、待機児童の解消、高等教育の無料化などを進めていくと、そのようにしております。
 今後、国の方向性もありますが、本県の少子化対策の充実について、どのようにお考えなのか、知事にお伺いします。
○副議長(岸本 健君) 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 本県の人口は全国よりも速い流れで減少が進んでいるため、これまで以上に少子化対策を充実し、結婚、出産の希望がかなう和歌山県を早期に実現することが必要であると思います。
 一方で、本県は豊かな自然を有するとともに、高速道路網や空港などにより、京阪神圏、首都圏、そして世界に短時間でアクセスでき、住宅事情を初め、大都市に遜色のない医療や教育などの生活環境が整えられた、子育てにはなかなかよろしい最適な地域でもあると思います。
 こうした環境のもと、将来の和歌山ひいては日本を導く次世代の人材を育て、持続して成長する元気な和歌山を創造するため、長期総合計画において取り組むべき施策の第1番目に「ひとを育む」を位置づけるとともに、具体的な施策の柱として「子育て環境日本一わかやま」を掲げ、安心して子供を産み育てやすい環境整備を進めているところであります。
 その主なものとして、従来からの施策に加えまして、昨年度、今年度から政策強化をしております。まず、出産や子育てへの不安や悩みを払拭するため、妊娠、出産から子育てまで切れ目のない相談をワンストップで行う、これは医学的健診なども含めてこのサービスも行う子育て世代包括支援センターの設置を進めておりまして、平成31年度には全市町村に設置される予定になっております。
 次に、保護者の子育てに係る経済的負担を軽減するため、議員御指摘にあったように、国では来年10月から、3歳から5歳までの全ての子供たちの保育料等の無償化を実施することとしておりますが、和歌山県では、既に平成20年度から市町村での実施を前提として第3子以降の保育料の無償化に取り組んできたところでありまして、平成28年度からは、これがうまくいってると思っておりますので、対象児童の年齢を小学校就学前まで拡充するとともに、認可外保育施設も対象に加えたところであります。
 さらに、今年度から一定の所得制限のもと、保育料等の無償化の対象を第2子まで拡充したところであります。
 加えて、これまで実施してきた保育所等に預ける世帯への支援だけでは、みずから育ててる人がちょっと不公平じゃないかというような議論になると困りますので、また、あんまり保育園ばっかり子供たちを無理やりお誘いするというと待機児童のもとになりますので、子育て世帯を広く支援するという観点から、国においてはまだ検討されていない在宅で育児する世帯も新たな支援の対象としたところであります。
 なお、この在宅育児支援については、一定の所得制限のもと、第2子以降の特に世話のかかるゼロ歳児を対象とし、県が事業主体となり、市町村の実施の有無にかかわらず、対象となる全世帯に対し経済的支援を行っているところであります。1万5000円を一月差し上げるんですが、市町村が協調していただくと3万円になるわけでございます。だけど、市町村もなかなかお家の事情がありまして、ことしはついてこれないというところもあります。そういうところは、じゃあ県も出してあげないというのはいかがなものかと思いますので、そういうところは、説得はするけれども、県だけでも出そうというふうに現状してるところであります。
 最後に、安心して仕事と子育てが両立できる職場環境づくりを進めるため、昨年9月には、参加企業127社から成るわかやま結婚・子育て応援企業同盟を立ち上げ、本年8月末現在の参加企業は283社と倍以上に拡大しております。今後は、この企業同盟を核として、働きやすい職場環境づくりの取り組みを県全体に広げていきたいと考えております。
 これまで、こうしたさまざまな施策を県主導で進めておりますが、少子化対策を加速していくためには、県だけではなく、市町村の取り組みはもちろんのこと、企業や県民の理解や協力を得て、一緒になって取り組んでいくことが肝要であると思います。達成への道のりはなかなか困難でございますが、オール和歌山で「子育て環境日本一わかやま」を何としても実現したいと考えております。
○副議長(岸本 健君) 岩田弘彦君。
  〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 知事、答弁ありがとうございました。
 もともと思い起こせば、私、市会議員のときに橋本市で「不妊治療助成制度を県下で最初にやろうよ」と言うて、当時、もう10数年前ですが、取り組んでるときに、そのときに知事が就任されまして、初当選されまして、知事がリーダーシップとってぱっとやってくれたら一遍にばっとできたという、その記憶がすごくありますので、今後も、国が全国的にやることはやることでやっていただいて、その中にもやっぱり和歌山県なりに知事がリーダーシップをとっていただいて、「県がこれで行くよ、後ついてってよ」でも僕はいいと思うんです。やっぱりリーダーシップを持ってやっていくことで、少子化対策が和歌山県はいいんだと。
 私は、もう橋本市選挙区ですので、特に感じるんです。隣が奈良県で隣が大阪府なんです。だから、隣の奈良県の方と大阪府の方に、「やっぱり和歌山県は子育て環境いいよ」ってなってくると、やっぱり次の世代も、今、住宅開発してくれてるとこに入ってきてくると思いますので。
 一例をお話しさせていただきますと、私の住んでるところはもう奈良県のそばの橋本市でも東の隅田町というところなんですが、あやの台という新興住宅がありまして、先日そこを歩いてまして、新しい家が建っとんです。そこの家のお母さんに出会って──お母さんって若い、子供さんがまだ小学生ぐらいのお母さんに出会って、車のナンバー見ますと奈良ナンバーなんです。奈良ナンバーやから奈良の人やろうなと思ったんで、「ここを選ばれたの、何で選ばれたん」てお聞きさせてもうたら、今の言葉なんです。「子育て環境がいいからこっちを選びました」と。お隣の五條にも住宅地はあるわけです。
 そういうところがあるんでね。それがどえらい印象に残ってますので、もう知事はどんどんリーダーシップを発揮していだだいて、国がまだよう追いついてこんでも、リーダーシップとってやっていただきたいと思いますので、大いに御期待申し上げますので、よろしくお願いします。
 次に、(2)放課後児童クラブ(学童保育)の充実についてに入ります。
 本県では、共働き家庭やひとり親家庭の増加に伴い、留守家庭の小学生を預かる放課後児童クラブ──学童保育でありますが──のニーズが高まっており、平成28年5月1日時点、小学校低学年の約3割が放課後児童クラブを利用しており、待機児童も78人発生していました。さらに、今後もより多くの小学生が放課後児童クラブの利用を希望することが、もうその時点でも見込まれる状況にありました。
 全国的にも放課後児童クラブのニーズは高まっており、平成28年度から本年度の3年間に限っては、国の補助基準額に対する補助率が2倍にかさ上げされることとなり、県と市町村の負担は通常の半分となりました。
 このことから、本県では、このチャンスを逃さず、前倒しで放課後児童クラブの整備を進めるよう市町村に強く要請し、県内全ての希望する留守家庭の小学生が安心して放課後児童クラブを利用できるよう、実施主体である市町村とともにニーズに対応した施設整備を行ってまいりました。
 また、質の向上についても、専門性の高い研修と補助員向けの2種類の研修をしており、研修の講義ごとにレポート提出を義務づけるなど、保護者が安心して仕事と子育てを両立できるよう、留守家庭の子供たちが安心して放課後を過ごすことができるよう、放課後児童クラブの量の確保と質の向上に取り組んできています。
 本年度は、放課後子ども総合プラン並びに国の補助基準額に対する補助率のかさ上げが最終年度となることから、大きな節目の一つと考えます。
 国は、現行プランにおける課題の一つとして、近年、女性就業率の上昇などによりさらなる共働き家庭の児童数の増加が見込まれており、いわゆる小1の壁を打破するとともに、待機児童を解消するため、放課後児童クラブの追加的な整備が不可欠な状況としております。
 ニーズの動向、量の確保、質の向上、待機児童など、本県における放課後児童クラブの現状と充実に向けての今後の取り組みについて、福祉保健部長にお伺いします。
○副議長(岸本 健君) 福祉保健部長山本等士君。
  〔山本等士君、登壇〕
○福祉保健部長(山本等士君) 放課後児童クラブは、平成10年度に制度化されて以来、設置を進めてきたところでありますが、年々保護者からのニーズが高まる中で、平成27年には、国において放課後子ども総合プランが策定され、緊急的な整備促進が示されました。
 県では、同プランの計画期である平成27年から平成30年までの4年間で設置数が50カ所増加し、平成30年5月1日現在で29市町に254カ所設置されている状況です。
 しかしながら、平成27年度に6909人だった登録児童数は、平成30年度には9348人と大幅に増加し、本年5月1日現在で待機児童も124人発生する等、放課後児童クラブのニーズは想定以上に高まっている状況にあります。
 こうした状況を鑑み、県では、市町村に対して、全小学校区での設置やニーズの高い地域での受け入れ規模の拡大等、さらなる整備を働きかけるとともに、運営に携わる放課後児童支援員や補助員を対象にした資格研修を実施し、従事者を養成することにより、放課後児童クラブの必要数の確保に取り組んでいるところです。
 また、放課後児童クラブを利用する子供が安心して支援を受けられるように、資格研修のほかに、専門的な知識や対応が求められる発達障害児など配慮を必要とする子供への支援に関する研修や、いじめや虐待に関する研修等により、従事者の資質向上にも努めているところです。
 こうした中、国においては、全国的な待機児童の増加を受け、去る9月14日に、新・放課後子ども総合プランを発表し、2019年度から向こう5年間で、さらに30万人の受け皿整備や質の向上を目標に掲げたところです。
 県におきましては、今後も国の動向を注視するとともに、引き続き市町村と十分連携し、待機児童の解消と従事者の資質の向上を目指して積極的に取り組んでまいります。
○副議長(岸本 健君) 岩田弘彦君。
  〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 頑張って取り組んでいくということで、実施主体は一応市町村ということなんで、かなり連携してということで、質の向上にはかなり頑張っていただいているというのは市町村からもお聞きしております。
 ただ、今の私の質問では、あのとき待機児童──これ以前の議会で質問させてもうた答えですが、待機児童78人。で、50カ所ふえたんかな、50カ所ふえて待機児童が124人おるということは、国の予想も、それに合わして県が進めたと思うんですが、その予想をはるかに上回る必要性が、ニーズがあったということですので、だからもう新プランでまた応援するという形なんですが。
 一つ気になっているのは、質の向上については県が頑張っていただくというのは僕は一番安心できるんですが、量の確保となってくると、市町村が整備をしていかんなんとなってくるときに、やっぱり補助金のかさ上げというかね。今やったら通常3分の1のところが6分の1という状態で来てますので、今後もその6分の1の状態をキープしていただけるというところがないと、なかなか市町村も財政的に苦しいんでね。
 その辺もどうか、継続、多分、今の情勢やったらなるようには思うんですが、どないかそこのほうもキープするように県のほうからも働きかけていただいて。
 それと、小学校を利用したときには補助対象にならないらしいんです、その6分の1の。ほかの場所に新築するときに何か6分の1が適用されるようなことを担当者に聞きましたんで、これも確認せんと言うておりますので、その辺も確認していただいて、僕としたら、県はやっぱり市町村の整備を応援するように国にお伝えいただく、質の向上は県がリーダーシップとっていくことによって質はどえらいよなると思いますので、どうかひとつよろしくお願いいたします。
 次に移ります。
 大項目3番、緊急時の対応についてであります。
 (1)停電時における交差点の安全対策についてであります。
 先日、台風21号が通過した翌日であります。国道24号線の和歌山市付近を通っておりましたときに、多くの信号が停電の影響と思われる機能停止状態になっておりました。
 私は、片側2車線の国道において初めての経験でしたので、危機感と恐怖感をすごく感じて、それと同時に改めて信号機ってありがたいなと、そう思いながら、安全を確認しながら県庁に向かっておったんですが、中には機能している信号機も幾つかありまして、停電時の対策がなされているんかなあと思いながら来たんですが、まずはその信号機の状況はどうだったのか。
 また、これは私と庁内担当でちょっと調査させていただいたんですが、お隣の大阪府警さんと比較させていただいて、和歌山県警は大阪府警さんと比較すると、警官1人当たりの人数──人口当たりの人数については大差はありません、大阪府と。ところが、定員ベースでいくと、和歌山県警は大阪府警の10分の1という結果になりました。もう直近情報で調べさせてもうたんですが、警官1人当たりの面積は大阪府警の24倍、和歌山県警のほうがね。それだけの広い範囲を少数精鋭で頑張っている状態で、災害発生時に人海戦術による交差点における交通整理には私は無理があるんではないかなって、そのように思うわけです。
 ちょっと話は変わりますが、こういうお話、皆さん聞いてもうたことあるかなと思います。「こころの灯・信号機」というお話なんです。
 平成16年10月に大きな被害をもたらした新潟県中越地震の際に、新潟県柏崎警察署に管内の住民から声が寄せられました。内容は、「停電で一帯が暗闇になったときに、交差点の信号機だけが明るく点灯していて心強かった」と、そういうものであります。これは、信号機に設置された非常用電源付加装置が地震直後に直ちに起動したため、付近一帯が停電となったときも、その信号機だけ明るく点灯していたというものであります。
 ふだん目立たずに交差点で黙々と交通整理をしている信号機が被災した住民の方々に勇気を与えたという事実から、警察庁交通局交通規制課では、信号機を「こころの灯」と称したものから発信しております。
 この際、信号機の停電対策をより充実してはどうでしょうか。警察本部長にお伺いします。
○副議長(岸本 健君) 警察本部長檜垣重臣君。
  〔檜垣重臣君、登壇〕
○警察本部長(檜垣重臣君) 先日の台風21号によって、県下に1849ある信号交差点のうち、一時的な停電を含め約200の交差点で信号機が機能を停止いたしました。
 信号機の停電対策につきましては、災害時における緊急交通輸送路等の主要な交差点に自動起動式発動発電機等を設置し、停電時の電力を確保する対策を講じており、平成30年3月末現在で107の交差点に設置しております。
 自動起動式発動発電機等を設置していない交差点につきましては、警察官による交通整理や可搬式の発動発電機による現場での電力供給等により対応したところであります。
 しかしながら、事件事故等の対応を行いながら全ての交差点に対応することは困難なことから、自動起動式発動発電機の計画的な整備を進めているところですが、今回の災害を踏まえ、より充実するよう国に対しても強く要望してまいります。
○副議長(岸本 健君) 岩田弘彦君。
  〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 国に強く要望してまいりますという答弁で、ありがとうございます。私、日ごろから考えて徐々に整備はしていただいてるとは思うんですが、こういう事態があったときというのは一つのきっかけになると思いますのでね。
 ただ、「それは県単事業で加速化したらええやん」と言われたそうですが、県単事業で加速化のほうが僕は不可能と思いますので。先ほどの話は、何で警察庁の規制課のお話を出させてもらったかといったら、警察庁の規制課のほうはそれを推し進めるために発信してますんで、推し進めるんでしたらやっぱりそれなりの都道府県に対する支援体制も充実していただいてしていただくというのが僕は本筋やと思いますので、ぜひとも本部長、国のほうに働きかけのほうよろしくお願いいたします。
 続きまして、(2)番、防犯カメラとドライブレコーダーの有効活用についてであります。
 本県では、きのくに防犯カメラ設置事業や防災教育を中心とした和歌山県実践的安全教育総合支援事業の活用などにより、防犯カメラの設置を推進しております。また、動く防犯カメラとも言われるドライブレコーダーの普及も進んでいます。
 防犯カメラを設置する目的は、犯罪、事故の抑止を図る、そして、その検証を行うためとしております。また、テレビ、新聞等で報道されているように、事件解決の手がかりとして、防犯カメラやドライブレコーダーの映像が大きな役割を果たしているところであります。事件や事故の捜査など、防犯カメラやドライブレコーダーのスムーズなデータ提供の仕組みを事前に構築していくことが大切と思います。
 また、和歌山県に捜査、防犯における連携、協力の全県的なネットワークがあることを広く知っていただくことが大きな犯罪抑止力に私はつながると考えます。
 防犯カメラやドライブレコーダーの有効活用について、警察本部長にお伺いします。
○副議長(岸本 健君) 警察本部長。
  〔檜垣重臣君、登壇〕
○警察本部長(檜垣重臣君) 防犯カメラやドライブレコーダーの映像は、被疑者の特定や犯行状況の確認等、各種捜査活動に大変有効であり、事件事故発生時には所有者等の協力を得て、これらの映像を提供していただき、捜査に活用しているところであります。
 また、平成27年8月には、県警察と運輸関係団体との間で、ドライブレコーダー記録画像提供に関する協定を締結し、事件事故発生時には、同協定に基づき、団体に加盟している事業者が管理するドライブレコーダーの映像を提供していただくということとしております。
 さらに、本年6月には、安全・安心なまちづくりの一環として、橋本警察署、かつらぎ警察署と橋本市との間で、橋本市公用車ドライブレコーダーの映像提供に関する協定を締結し、防犯の視点を持って運行するとともに、事件事故発生時には、公用車に備えつけているドライブレコーダーの映像を提供していただくということとしております。
 このような取り組みは、事件事故の捜査に資するだけでなく、地域の防犯力の強化となり、県民の方々の安心感の確保及び犯罪抑止にもつながるものであります。
 県警察では、今後とも関係団体との連携、協力を深め、このような取り組みを推進してまいります。
○副議長(岸本 健君) 岩田弘彦君。
  〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 県内のネットワークを広げていただいてということで、これも私は思いがありまして、先ほども説明させてもうたけど、和歌山県警って僕はもう少数精鋭で頑張っていただいてると思います。よくわかるのは、私の家内のお姉さんの旦那さん、大阪府警の警察官で曽根崎署でいてましたので、人数はすごいなっていうのを感じましたんで、それからいうと、和歌山県警、ほんまに少数精鋭で頑張っていただいてる。
 そんな中で、この間からも事件ありましたでしょ、大阪のほうで逃亡してわからないという。私の地元でしたら、まあいえば、誰か不審者が通ってたら、もう不審者が通ってるってわかるコミュニティー力があるんです。大都会でしたら、隣の人が亡くなっておられても2週間気がつかなかったってことがありますでしょ。でも、私たちの近くで隣の人がもう2~3日顔を見いひんだだけで、「あれ、この人どないしとんのか、元気かなあ」って。これが和歌山県の僕はええとこ違うんかなと思うんです。
 それが、やっぱりコミュニティーの力となってね。その力をおかりするとか、今の市役所の力をおかりするとか、いろんな力をほんまにネットワークにすると、私言いたいのは、「和歌山県で逃げてもすぐ見つかりますよ」って。和歌山県はそのネットワークすごいんで、あそこへ行って犯罪起こしてもしゃあないんで、ほかの県へ行ってしようかという──ほかの県でしてもうたらあかんのやで。あかんのですけど、そういうイメージの力がついたら、ほんまに和歌山ってええとこになるかなあって思っておりますので、連携のほうよろしくお願いいたします。
 大項目4番、活性化につながる道路ネットワーク、(1)国道371号バイパス新紀見トンネルと大阪府側についてであります。
 国道371号バイパスは、歴史的に言いますと、京都より大阪府を南北に貫く東高野街道、そして大阪市を起点とする中高野街道、そして堺市を起点とする西高野街道が河内長野市で合流し、和歌山県へ人、物、金の流れを呼び込んできた大切な高野街道を担う重要な幹線道路です。
 関西大環状高規格道路、京奈和自動車道と阪和自動車道をつなぐ和歌山県並びに関西全体の発展に不可欠な放射状地域高規格道路でもあります。全線開通に、残るは仮称・新紀見トンネルと府県境部大阪側となっております。大きな整備効果が期待されていることから、地元県民は一日も早い全線開通を心待ちにしております。
 国道371号バイパスの新紀見トンネルと府県境部大阪府側の進捗状況について、県土整備部長にお伺いします。
○副議長(岸本 健君) 県土整備部長髙松 諭君。
  〔髙松 諭君、登壇〕
○県土整備部長(髙松 諭君) 新紀見トンネルと大阪府側の進捗状況についてのお尋ねがございました。
 国道371号、仮称・新紀見トンネルの工事の進捗につきましては、平成28年7月から和歌山県側より掘削を開始しまして、平成30年8月末現在、先月末時点でございますけれども、延長2105メートルのうち約1770メートルまで掘削を進めているところでございます。地質の状況にもよりますが、今年度内には貫通する予定でございます。
 また、大阪府側の区間でございます6.1キロメートルの石仏バイパスのうち、河内長野市石仏から仮称・新紀見トンネルの坑口までの4.7キロメートル区間につきましては大阪府において事業が進められておりまして、これまで石仏から岩瀬間の1.8キロメートル区間が既に供用されているところでございます。
 今月の29日には、供用済み区間に続きます岩瀬から天見までの約2.3キロの区間が、現国道371号への取りつけ道路も含めまして開通、供用する予定となってございます。
 残る大阪府内の天見から新紀見トンネルまでの1キロメートル区間につきましては、現在、天見側からトンネルや橋梁の工事が進められており、今後、開通後の仮称・新紀見トンネルも活用いたしまして、両側からの工事を行い、平成30年代半ばの供用を目指すというふうに大阪府から聞いております。
 県といたしましては、和歌山県側から掘削しております新紀見トンネル工事の進捗を図りますとともに、引き続き大阪府と工程調整を行いまして、一日も早い全線供用に向けまして、連携して取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○副議長(岸本 健君) 岩田弘彦君。
  〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 相手のあることなのに、いつも頑張っていただいて本当にありがとうございます。あともう少しでございますので、私としたら常に一日も早くと思っておりますので、どうかひとつよろしくお願いいたします。
 (2)京奈和自動車道に関する案内標識についてであります。
 平成28年9月議会において、平成28年度中に新たな世界遺産が登録され、京奈和自動車道が阪和自動車道、南阪奈道、そして西名阪自動車道とつながる予定になっていることから、京奈和自動車道及びその周辺の道路に、地域の活性化につながるように道路案内標識、世界遺産案内標識の新たな設置を考えてはどうかと提言いたしました。
 そのときの県土整備部長からは、「世界遺産追加登録予定地に円滑かつ安全に誘導し、観光振興にもつながる道路案内標識の設置が実現できるよう、国土交通省、関係市町と調整してまいりたい」とのことでした。
 もうそろそろ現地に設置されることと心待ちにしておりますが、現在の進捗状況と完成の見込みについてはどうなっているのでしょうか。県土整備部長にお伺いします。
○副議長(岸本 健君) 県土整備部長。
  〔髙松 諭君、登壇〕
○県土整備部長(髙松 諭君) 世界遺産追加登録に合わせた京奈和自動車道での案内標識の充実につきましてお尋ねをいただきました。
 世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の追加登録が平成28年10月に決定され、京奈和自動車道周辺では、高野参詣道の構成資産に黒河道や三谷坂などが追加されました。
 平成28年9月の県議会におきまして岩田議員から御質問を受け、世界遺産追加登録後、直ちに国土交通省、県、関係市町で構成いたします京奈和自動車道における世界遺産案内標識検討会を設置いたしまして、各道路管理者間で調整を行いました。
 検討会におきましては、京奈和自動車道で奈良県方面から来訪される方々を歓迎するウエルカムサイン、これを奈良県と和歌山県の県境へ設置することですとか、黒河道、三谷坂などへ各インターチェンジから誘導する道路案内標識を追加すること、あるいは周辺の一般道路では、おのおのの構成資産へ誘導する道路案内標識の追加などにつきまして取りまとめたところでございます。
 その結果をもとに、京奈和自動車道への道路案内標識の設置につきましては、現在、国において8月から入札手続を進めておりまして、今年度末までに整備が完了する予定と聞いております。
 また、周辺の一般道路への道路案内標識の設置につきましては、県において昨年度から整備に着手しており、国及び市とあわせて今年度内に完了する予定でございます。
○副議長(岸本 健君) 岩田弘彦君。
  〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 今年度内に完了するということで、本当にありがとうございます。
 以上をもって、私の一般質問を終了いたします。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(岸本 健君) 以上で、岩田弘彦君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 9番川畑哲哉君。
  〔川畑哲哉君、登壇〕(拍手)
○川畑哲哉君 皆さん、こんにちは。本日の5番目を務めさせていただきます岩出市の川畑哲哉と申します。
 本日は、堀議員の選挙区で九度山町からも皆様お見えでございます。大変緊張しますが、鋭意務めてまいりたいと思います。
 それでは、議長よりお許しをいただきましたので、早速通告に従いまして、一般質問へと入らせていただきます。
 7月2日から4日まで、私は、坂本登議員、立谷誠一議員、中西峰雄議員とシンガポールを訪問しました。
 日程2日目の7月3日午前9時より、シンガポール日本人学校小学部チャンギ校を訪れ、池端弘久校長より同校の御説明をいただき、質疑応答の後、校内を御案内していただきました。
 同校は、シンガポール日本人会によって設立された私立学校で、学校財産の所有も理事会運営も日本人会となっています。現在の児童数は、6学年の計31クラスで912人、運営費は寄附金と家庭からの入学金、年額約100万円の授業料及び施設費等のほか、文部科学省からの政府援助金、海外子女教育振興財団からの助成で賄われ、教員は文科省からの派遣とのことでございました。
 カリキュラムは、基本的には日本の学習指導要領に基づくものの、特に英語には注力されていて、各学年習熟度別に12のクラスに分けた授業で200人ほどの児童が英検準2級程度の学力を持っているそうです。「日本の教育は海外から高い評価を得ているものの、英語教育は第2言語としてではなく、教養としての学習だと評されている」とも話されていました。
 特徴としましては、生徒は現地駐在員の子供が多数ながら、近年はインターナショナルスクールへ通う日本人もふえてきている、良識的な保護者が多く、保護者会を自主運営し、遠足時の付き添いボランティアや保護者向けの講演会等にも熱心に参加されている、課外活動は主に地域のクラブで行われ、地元の子供たちとの交流が図られる中で、英語を実践したり、現地での思い出がつくられたりしている、クラブの人気種目はサッカー、バレー、チアリーディング、ソフトボール等で、加入率は極めて高い、日本に比べると不登校やいじめ等は極めて少ないものの、親の転勤に合わせて海外の学校間で転校が続いたり、年度途中での転校が続いたりで、生徒の精神面でも日本人学校特有の課題がある等でございます。
 また、池端校長は、「世界の日本人学校では特別支援学級が不足していて、チャンギ校では7教室31人の特別支援学級があるものの、全世界では日本人学校88校中、チャンギ校のように支援学級があるのはわずかである」と御指摘されていました。
 続きまして、ジェトロシンガポール事務所を訪問し、石井淳子所長よりシンガポールの政治、経済、社会情勢、日系企業の進出状況等について御説明をいただきました。
 2017年の世帯月収1万2000シンガポールドル、日本円にしておよそ100万円程度でございますが、それ以上の富裕層は全国民の31.9%で、2006年時点での11.8%から随分ふえています。一方、価格にはシビアで、物の価値を理解しないとなかなか購入には至らず、日本製品や農産物の現地評価は高いものの、品質がよければ高価でも購入とはつながらないとのことです。
 シンガポールは外食文化の国でもあり、飲食店が約7000店舗ある中、日本食レストランは2017年9月時点で1176店舗あり、全飲食店舗の約16%を構成しています。アルコール飲料を除く食品の国別輸入額で各国を比較しますと、日本のシェアは2.6%で10位。隣国マレーシアなどのASEAN周辺国、中国、米国、オーストラリアなどの大量生産及び一括輸送によるメリットが出せる国からの輸入シェアが比較的多いようで、本県農産物輸出のハードルは高いと感じました。
 シンガポールは淡路島ほどの国土で、人口約530万人。そのうち自国籍を有するシンガポーリアンは約300万人で、外国人労働者が200万人以上。国家戦略として教育には特に力を入れ、金融、IT等の高い知能を必要とする職業に従事し、いわゆる高度人材には比較的容易に国籍を認めているようです。多民族社会にもかかわらず、人種間対立や犯罪が日本より少ないことや、高齢化社会であること、家賃、人件費、車の購入費等が驚愕するほど高価なことも印象に残りました。
 次に、私たちはNTTドコモアジアを訪問し、斉藤直哉代表よりNTTドコモ社のアジア戦略について、単なる通信事業や端末販売ではなく、東南アジア全体で約7000社となる製造業の日系企業向けに、IoT、AI等の高付加価値通信サービスの事業展開を狙っていくとの御説明をいただきました。
 また、キャッシュレスについても意見交換をさせていただきました。内容は、検討中のSIMカードに支払い機能を追加したキャッシュレスサービスについて、日本でもキャッシュレス化を進めていくべきではあるが、その際にはセキュリティーが一番の課題になること、その点をドコモ社は強みにしていること、和歌山県が検討しているIRカードは確かに依存症対策として期待できるが、キャッシュレスの方法においてよりよい方法を確立できれば時代に沿うのでは等々でございました。
 この日最後の訪問先は、シンガポールの誇るIR施設、マリーナベイ・サンズです。クリス・ブー・アジアコミュニケーション本部長より、極めて丁寧かつ詳細な御説明と広大な施設内の御案内をしていただきました。
 ちらりとのぞいたボールルームでは、セリーヌ・ディオンが夜のコンサートに向けたリハーサル中でした。今回は招待客を中心とした小規模コンサートで、それでも6000人の観客が来られる予定とのことでした。
 主眼でしたミュージアム調査では、最新技術を駆使した科学的な体験型展示に多くの子供たちが目を輝かせて楽しんでいました。常に2~3の展示がされていて、ミュージアムだけで年間50万人が訪れるということでございます。
 そのほか、ショッピングモールやカジノ、インフィニティプール等も視察しましたが、とにかく大盛況で、ホテルの2561ある部屋は稼働率約97%だそうです。
 さて、カジノに関して御報告を申し上げます。
 カジノの面積はIR施設全体の約3%にして、売り上げはIR全体の約70%。受付での確認事項は、21歳以上か、シンガポール人か、排除リストに該当しないかであり、徹底した入場規制を行うことでギャンブル依存症が開園前の2.9%から、昨年度は0.9%に減少したとのこと。
 また、IRやカジノのライセンスに直接影響がある管轄官庁の職員はカジノを利用することができず、直接関係がない官庁の職員は内規によりカジノへ行く際には上司に報告する必要がある、カジノの従業員はカジノで勝ってももうけを受け取れない等、各地各所で必要な措置がとられています。
 シンガポールでも、当初IR建設には賛否半々であったものの、国外へ流れている資金を食いとめる、依存症が国内なら把握できる、海外からの誘客効果等から開園し、5年半で49億USドルの納税や7年間で4万6000人の雇用創出等、莫大な成果を上げています。
 IRは、まさに夢を体現できる施設としてシンガポールの観光経済を飛躍的に牽引したと言えるでしょう。
 続いて、香港訪問の御報告をさせていただきます。
 8月15日より17日まで香港を訪問いたしました。香港は、面積1103平方メートルに約740.9万人、人口密度は東京都の1平米当たり6168人を上回る1平米当たり6780人と、まさにエネルギーにあふれた地域です。
 日程2日目の8月16日は、午前中、香港FOOD EXPO会場を訪れました。齋藤健農林水産大臣や林芳正文部科学大臣らも視察されていました。東京ビッグサイト級の巨大な香港コンベンション・アンド・エキシビション・センター内に人がうごめいていて、食への興味は世界共通だと実感しました。
 和歌山県からの出展ブースに御挨拶をして会場を後にし、下副知事一行と合流して香港ジオパークへ向かいました。
 来年7月に本県串本町へ南紀熊野ジオパークセンターがオープンしますが、これまで御指導、御協力をいただいてまいりました楊家明博士より広大な香港ジオパークを御案内いただきながら、施設やジオパークの成功に向けては、地元の協力が必須であること、地元も努力する必要があること、訪れる方々の多様なニーズに応えられるサービスを用意すること、施設管理と自然管理の両方をチームでやること、そして、交流や意見交換の場が重要であるなどの御説明をお聞きしました。
 香港では水不足が懸念されるため、ジオパーク敷地内に湖状の建造物をつくり上げ、そこに雨水をためた巨大なダムには、その発想に驚かされました。排水の技術や海水をろ過して真水にする技術を探しているとのことです。
 日程最終日は、下副知事一行に同行し、まずは香港貿易発展局を訪れ、マーガレット・フォン総裁との会談に県議会農林水産委員長として同席いたしました。お互いの協力関係に感謝し合い、総裁からは、本県の新商品や新サービス等への高い関心をお持ちいただいていることや、今後新たな分野での連携や取引の御提案等、お話しいただきました。
 その後は、前日に続き、香港FOOD EXPO会場を訪れ、2日目を迎えた会場で初日の反響など、各ブースより状況を御丁寧に聞かせていただきました。
 県内より8企業が御出展をされていましたが、県としても、頑張っている企業、事業所を頑張っていると評価してしっかりと後押しをすることが重要です。
 また、他府県のブース出展者とも意見交換をさせていただき、和歌山県とも6次産業等の連携をしたいとの御打診をいただきました。今後も情報交換や現地訪問等、活発な交流ができればと思います。
 香港は、検疫などの規制が少なくて貿易をスタートしやすい地域であり、それだけに競争率も高いものの、まだまだ進出の余地がふんだんにあることが散見されました。県勢のさらなる発展に向け、今後の議員活動に生かしてまいります。
 両訪問を通じ、安倍総理も自由民主党都道府県議会議員研修会で言及されました日本のカレーやブリのステーキ、日本のビールなどは、海外の行く先々で需要があると実感が湧きました。日本では飽和状態の食材や商品でも、アジア諸国を初めとする海外ではまだまだ新鮮味があるという場合が多々あり、丁寧なマーケティングと丁寧なアプローチをすることで販路拡大の可能性が広がると考えられます。
 また、現地での決済環境について考える機会ともなりました。両国地域ともキャッシュレスが進んでいるという一方で、外貨両替できる場所が多く、現金も入手しやすい環境にあります。
 日本クレジットカード協会の調査によりますと、我が国を訪れる外国人の困ったことに、クレジットカードや電子マネーが使えないということよりも、使えるか使えないかがわかりにくいということにあるそうです。
 さきの2月定例会で藤山将材現議長も御指摘されていらっしゃいますが、本県でもキャッシュレス化を進め、県内事業所や店舗にクレジットカードや電子マネーを使用できるよう整えていただき、使えるということをわかりやすく表示していただくことを促していく必要があると思います。
 一方で、貨幣への信頼度が高く、いまだ根強い現金主義は我が国固有の文化でもあり、現地通貨は旅の思い出でもあります。高野町の宿坊では、宿泊されたお客様が両替を希望された際には、外貨両替対応のATMが入っている金融機関まで車でお連れすると聞いています。
 本県を訪れていただいた国内外の皆様に気持ちよく県内を旅していただくためにも、県民のキャッシュレスへの意識やホスピタリティーの一層の向上も含め、決済環境のさらなる整備を進めていただきますよう、仁坂知事初め県当局の皆様に要望申し上げます。
 結びに、両訪問に際しまして、さまざまな御手配、御配慮いただきました本県職員の皆様を初め、御関係の皆様に心から感謝を申し上げ、シンガポール、香港訪問の御報告とさせていただきます。
 それでは、次の項目へ入らせていただきます。
 さて、皆様は、幸せの形を、いつ、どのように考えられたでしょうか。経済産業省の調査によるこんなお話をお聞きしました。
 東京で夫婦と子供が2人の4人家族で、子供を大学に進学させられるだけの適度な教育を施し、家族4人がそれなりに充実した生活を送るために必要な平均世帯年収は約1000万円とのことですが、一体何%の世帯がこの基準をクリアしていると思われますか。正解は4%とのことでございます。つまり、満員電車に揺られて必死に共働きをしながら、100世帯に4世帯しか幸せだと実感し切れていないことになります。同じ条件で和歌山県に暮らした場合、必要な平均世帯年収は450万円とのことですが、これをクリアできている世帯は70%ということです。
 幸せの形は人によりさまざまだと思いますが、このようにいわゆる一般的な幸せの形を求めるのであれば、東京や大阪、福岡、名古屋よりも和歌山のほうが実現しやすいということになります。当然、求めるものが東京や大阪にしかないのであれば、東京や大阪へ出ていかなくてはいけません。早い段階で自分が求める幸せの形を見つけることで、早くアクションを起こすことができるようになり、実現性も高まることになります。
 2017年の春、千葉県の高校関係者の間で「千葉ショック」と形容される出来事が起きたそうです。関東公立御三家と呼ばれていた県立千葉高校が近年進学実績を伸ばしている私学・市川高校に東京大学合格者数で並ばれたとのことですが、90年代までは、市川高校は県千葉の滑りどめと多くの県千葉受験生から思われていたとお聞きします。
 学習塾、予備校「市進」等を経営する市進の野澤勝彦情報企画室長は、「県千葉の自主性尊重主義教育自体は本質的には変わっておらず、何も悪くない。千葉ショックの最大の原因は、県千葉になかった新しい教育をいち早く掲げる競合校が力を伸ばしたことによる」と分析されています。
 大学通信によりますと、20年前には東大合格者数1桁だった渋谷教育学園幕張や横浜翠嵐がおよそ10倍もの東大合格者を輩出して、2017年には東大合格全国ベスト20に入っています。これらの高校に方法は違えども共通する方針は、自発的な学習意欲をより早く、より確実に、意図的に引き出す教育メソッドをさまざまな仕掛けで実践しているということであり、これこそ野澤室長がおっしゃっている新しい教育であります。
 私の経験則からしましても、みずから学ぼうと思わない限り、人は真剣に学ばない生き物であると思います。しかし、そのみずから学ぼうと思う時期がいつであるかにより、実現させられる幸せの形が変わってくるのではないでしょうか。
 ことし4月、私は特定非営利活動法人インド日本友の会理事長のクンナ・ダッシュ氏にお招きいただき、京都市伏見区に開校しました関西初となるインド式教育システム「CBSEカリキュラム」を導入したチャンドラ・セカール・アカデミー・インターナショナルスクール京都校の開校式に出席いたしました。
 CBSEカリキュラムとは、インド政府の定める教育システムで、子供たち自身が新しい発想を生み出す力を養うことを目的とし、プロフェッショナルとソーシャルスキルを獲得する上で最も重要な役割を果たす、人生の課題に対して積極的な姿勢を学ぶカリキュラムであり、インド全土にある約8500校以外、世界23カ国150校で使われ、約800万人の生徒がこのカリキュラムに沿って学んでいるとのことです。
 この学校の教育内容は、高度な英語力とICT技術を持つ国際人を育成するとともに、自国の文化と日本文化を愛し、礼儀作法を大切にする文化人の育成を目指すとなっています。
 また、ことし5月、ベトナムより人材派遣会社の役員がはるばる私を訪ねてきてくださいました。自社で業種ごとに専門的な育成をしている人材を受け入れてくれる県内企業を探しているとのことでしたが、ベトナムにあるその会社を現実に訪れた地元の経営者によりますと、日本語や専門技術の習得に熱心な多くの研修生が在籍し、設備面も含め、極めてしっかりとした人材育成がされていたとのことでした。
 私は、平成28年の12月定例会におきまして、最先端技術について質問させていただいた際に、「シンギュラリティー」という言葉を御紹介させていただきました。人工知能が人間の能力を超えたときに起こる事象ということであり、アメリカの学者レイ・カーツワイル氏によりますと、それが2045年ごろでございます。ただし、2020年代後半には汎用人工知能が一般的な人間の能力を超えるとも言われていますので、その説からしますと10年後、つまり現在の小学生や中学生が社会に出るころには、AIや外国人労働者はともに社会を構築するパートナーとなっているわけでございます。
 第4次産業革命を基盤とする新しい第5の社会、ソサエティ5.0では、これまでのさまざまな課題が解決され、イノベーションと呼ばれる社会変革により新たな価値や産業が社会にもたらされると期待されています。この時代をたくましくしなやかに生きていく子供たちに必要な能力を育むために必要な環境を整えていくことが重要であり、加えて、これまでよりも早い時期に自分の人生や進路について考える意識を刺激させることが大切だと考えています。
 そこで、まずは習熟度別指導についてお尋ねをいたします。
 先ほど御報告いたしましたシンガポールの日本人学校では、英語の習熟度別授業は、実用的な英語能力を養うに当たって確かな成果を上げているとの強い自負をお持ちでございます。義務教育課程における数学、算数や英語教育等においては習熟度別指導を検討すべきではないでしょうか。教育長の御答弁をよろしくお願い申し上げます。
○副議長(岸本 健君) ただいまの川畑哲哉君の質問に対する答弁を求めます。
 教育長宮下和己君。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 習熟度別の指導でございますが、理解度や進度に応じてクラスを分けることで学習集団内の個人差を小さくし、児童生徒の実態に応じた教材や速度で学習ができるメリットがあると考えます。
 一方、児童生徒同士が互いに学び合う学習活動がしづらくなり、自分たちで学ぶ力が弱まるというデメリットもあると考えられます。また、習熟度別に分けることで、子供たちに成績重視の意識を植えつけてしまうという懸念や、児童生徒及び保護者の理解を得ることの難しさも考えられます。
 なお、平成30年度全国学力・学習状況調査において、算数・数学科の学力と習熟度別の少人数による指導との相関関係はほとんどないというデータがございます。
 県教育委員会といたしましては、学力の定着を図るためには、習熟度別の指導に限らず、少人数指導やチームティーチング、補充学習などさまざまな指導方法を、学校や子供の実態、地域の状況などに応じて行うことが大切であると考えてございます。
○副議長(岸本 健君) 川畑哲哉君。
  〔川畑哲哉君、登壇〕
○川畑哲哉君 成績こそが全てだとは思いませんが、学力優秀な児童生徒が、その優秀さぐあいに応じた学習活動ができるような環境を整えることも必要ではないかと思います。
 また、一たび方針を決定した後は、児童生徒及び保護者等関係者の理解を得るべく全力で前へ進めることが、政治、行政の職責でございます。教科ごとに指導方法を選択することも含め、その学校、その児童生徒、その地域に応じた適切な、いわゆるオーダーメード型の指導方法が行われているかどうかを適時御確認いただき、加えて、時代の変化に応じた指導方法が行えるように、もちろん人もお金も必要となることでございますけれども、国への要望等あらゆる手段を講じて、御指導、御尽力いただきますよう要望申し上げます。
 次に、小学校における仕事に関する学習についてお尋ねいたします。
 自分の人生や進路について考える意識を刺激させるために、職場見学や社会見学は非常に有効な取り組みだと考えています。
 和歌山県内でも毎年開催されています「はたらくくるま大集合」というイベントも大盛況ですし、子供たちが憧れの仕事にチャレンジして楽しみながら社会の仕組みを学ぶことができる「キッザニア」は子供たちに大人気ですので、子供心にも将来社会に出て何らかの仕事につくという意識は潜在的に備わっているのではと思います。
 その意識を適度に刺激しつつ、自発的な学習意欲をこれまでよりも早く、より確実に、そして意図的に引き出すためには、職場見学や社会見学の意図を改めて見詰め直し、遠足ではなく学習であるという位置づけを大切にし、子供たちの将来を考えるきっかけとなりやすいような工夫が必要です。
 小学校における職場見学や社会見学等の仕事に関する学習は、今後どのように取り組まれるのでしょうか。教育長の御答弁をよろしくお願い申し上げます。
○副議長(岸本 健君) 教育長。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 新しい学習指導要領では、社会的、職業的自立に向けて必要な基盤となる資質、能力を身につけていくことができるよう、特別活動をかなめとしつつ、小・中・高等学校の発達の段階や各教科、科目等の特質に応じたキャリア教育の充実を図ることとしてございます。
 小学校においては、地域と連携、協力しながらさまざまな職業を知り、体験を通して学ぶことや働くことの大切さを理解することが重要です。
 職場見学、社会見学につきましては、2年生の生活科では、地域の農家や商店の見学、社会科では、3年生でスーパーマーケット、4年生では消防署や警察署、5年生では工場や新聞社など、発達の段階に応じ、地域の生産や販売から公共事業や広域にわたる産業まで、視野を広げながら行っております。それらの仕組みを学ぶとともに、仕事に携わっている人々の工夫や努力を感じることで、働くことの大切さに気づかせています。
 また、学習指導要領には、児童に将来の生活や社会、職業などとの関連を意識させるキャリア教育を行うことが明記され、実施に当たっては職場見学などの機会の確保が不可欠とされております。
 県教育委員会といたしましては、小・中・高等学校各段階におけるキャリア教育の目標設定の指針や職場見学等の具体的、先進的な事例を示し、体系的に進めてまいります。
○副議長(岸本 健君) 川畑哲哉君。
  〔川畑哲哉君、登壇〕
○川畑哲哉君 それでは、次に中学校における進路指導についてお尋ねいたします。
 大学の画一化と高校の多様化で、企業の人事担当者の間では、「出身高校こそ人材を見抜く鍵」との声が高まっているとお聞きします。中には、「人は高校時代が9割」という声もあるそうです。
 それはそれとしまして、民法が改正されて成人年齢が引き下げられ、2022年4月1日以降は18歳で成人となります。これまでより2年早く成人するわけですので、自分の人生を少なくとも2年早く決める必要があります。さらに、高校在学中に成人となり、AIの発達や外国人労働者とのその後の共働ということを鑑みますと、中学校における進路指導及び自分の将来の仕事を意識した高校選びが人生上極めて重要になってくると私は考えています。
 毎年8月に実施されます地元中学校PTA役員や保護者の皆様と県教育委員会との意見交換会に例年出席をさせていただいておりますが、ほかにも交換すべき意見や実例、実績があるのではと、じくじたる思いに駆られることもございます。もちろん、地域的な逼迫した事情があることも承知はしておりますが、とりあえず大学に進学するために、とりあえず地元高校の普通科へ進ませたいという雰囲気が色濃く感じられることもございます。
 生徒それぞれが自分の人生をしっかりと考え、高校進学の時点で出した意思が地元高校普通科への進学ということであれば、極力その生徒が地元高校普通科へ通えるような環境を整備していくことは必要でございますが、そこへ至るまでには生徒本人の努力もさることながら、まずは時勢に対応した適切な進路指導が行われるべきでございます。
 結果、工業科や商業科の定数増、あるいは起業、経営系の学科や、現時点では存在しない新たな学科の創設が強く要望されるということも考えられるのではないでしょうか。
 いずれにしましても、第4次産業革命時代においては、大学に入学してから自分の進路を考えるような悠長なライフスケジュールでは、自分の幸せの形の実現性が随分低くなってしまうのではと危惧いたします。
 より豊かな人生を送るためには、高校卒業後に志を持って就職か進学かを選ぶことが重要であり、そのためには中学校段階における進路指導が極めて重要であると考えますが、中学校ではどのような進路指導が行われているのでしょうか。教育長の御答弁をよろしくお願い申し上げます。
○副議長(岸本 健君) 教育長。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 中学校における進路指導は、小学校での学習を踏まえ、自分自身を見詰め、自分と社会とのかかわりを考え、将来さまざまな生き方や進路の可能性があることを理解するとともに、みずからの意思と責任で自己の生き方や進路を選択できるよう適切な指導、援助を行うこととしております。そのため、3年間を見通した学校の進路指導計画を作成し、計画的、組織的に取り組んでおります。
 具体的には、社会科では、社会生活における職業の意義や役割について学んでおります。特別活動や総合的な学習の時間では、企業の方々などの講演会を実施したり、職業調べを行ったりした上で、全ての中学校で職場体験を3日間程度行い、さまざまな仕事の内容や職業につくまでの過程、働くことの意義を学び、将来社会を担う一員としての自覚を持たせております。
 また、進路指導では個人指導が重要であり、担任等が一人一人の生徒や保護者と進路に関する適性や悩み、課題を聞き、卒業後の進路選択を含め、今後どのように生きていくのが望ましいのかを考える機会を持っております。
 さらに、生徒みずからが適切な進路情報を得るため、高等学校における体験学習や説明会に参加するとともに、卒業生等を招いて話を聞くなど、高等学校での学習や生活等について学んでおります。
 県教育委員会では、昨年度から本県の職業系高校や企業等を紹介した冊子「和歌山で学ぶ・働く」を独自に作成し、全ての公立中学校3年生とその保護者に配付しております。この冊子を活用し、さまざまな職業の専門知識や技能を学習する学科がある県内の高等学校や県内の企業についても学べるようにしてございます。
○副議長(岸本 健君) 川畑哲哉君。
  〔川畑哲哉君、登壇〕
○川畑哲哉君 教育長の御答弁にございましたが、進路指導では個人指導が重要であると私も思います。生徒一人一人と向き合っていただくことはもちろん、保護者とも丁寧に話を進めていただきたいと思いますが、その前提としまして、担任や進路指導を担当される先生方がしっかりと最新の進路情報や社会情勢を共有されるということも重要であるかと思います。その点にも十分御留意をいただきまして、引き続きお取り組みいただきますようお願いを申し上げます。
 それでは、次の質問に入ります。
 人口減少や全国的な人手不足、加えて本県の高校卒業後の県外流出が久しく全国ワースト1であることもあり、県内企業の高卒採用は厳しい状況が続いています。
 これまでも要因はさまざま論じられてきましたが、とりあえず大学へ進学しようとか、大学くらいは出ておこうとか、確たる意思が伴わない場合の進学や、高卒で就職することにポジティブなイメージが乏しい機運も要因ではないかと私は考えております。
 また、就職する際も大企業や、いわゆるかたい会社神話が今も保護者世代に色濃く残っていて、子供の進路に強く影響を及ぼしていると感じています。
 冒頭申し上げましたように、早い段階で幸せの形をイメージすることで、高校卒業後も和歌山にとどまって和歌山で活躍する人がふえてくると思います。
 ことし6月に、新島県議、堀県議、中西県議と訪れました愛知県の株式会社ノーリツイス・青木照護社長は、「進学校でも10%ぐらいは高卒で就職するほうが大成する生徒もいる」とおっしゃっていましたが、甲子園を沸かせた有名高校球児が大学進学した後にプロ入りする場合と直ちにプロ入りする場合と、球児によってその後の活躍ぐあいが大きく変わっていることを思いますと、強く賛同できます。
 何となく進学や消去法的な就職を減らし、志を持った進学、就職選びをするために、高校ではどのような進路指導が行われているのでしょうか。教育長の御答弁をよろしくお願い申し上げます。
○副議長(岸本 健君) 教育長。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 高等学校におきましては、社会人、職業人への移行準備を行うことが求められることから、希望する職業についての研究や実体験、将来設計の具体的な立案を通して自己理解を深め、社会的、職業的に自立できるよう指導していくことが重要です。
 現在、全ての県立高等学校で、学校の実情に応じたキャリア教育の全体計画と年間指導計画を作成し、計画的、組織的に取り組んでおります。
 専門学科や総合学科においては、より専門性の高い授業を、実習等を通してそれぞれの分野における知識や技術を身につけるとともに、県内企業や地場産業への理解を深める取り組みを行っております。また、普通科においても、進路希望に応じたコースや多様な科目を設け、進学や就職に必要な学習内容を体系的に学べるようにしてございます。
 さらに、学科の別にかかわらず、いずれは全ての生徒が社会に出て働くことから、研究者や企業人を招いた講義、大学等のオープンキャンパスへの参加や研究室訪問、企業でのインターンシップ、企業説明会への参加等、高等教育機関や企業の協力を得ながら、現実的な進路決定を行う力の育成に努めております。あわせて、これからの地域社会を担う若者を育てることの重要性を踏まえ、県内大学や県内企業についての情報を積極的に提供しております。また、各界オピニオンリーダーを招いた高校生未来塾も開催してございます。
 また、就職を希望する高校生を支援するため、県内を5地域に分けてきのくに人材育成協議会を設置し、学校、ハローワーク、労働関係部局、経済団体等が就職関連情報の共有を行い、それぞれの機関の取り組みが有効に機能するよう努めております。加えて、就職希望生の多い16校2分校には、民間企業での勤務経験がある就職指導員等を配置し、情報の収集、生徒への面接指導を行ってございます。
 こうしたさまざまな取り組みを行うとともに、生徒一人一人の進路希望を実現させるため、個々の興味、関心、適性を把握し、個別指導や保護者を交えた面談を繰り返し行い、きめ細かな進路指導を行っております。
 今後とも、将来を見据え、高い志を持ってみずからの進路を主体的に選択できる生徒を育成してまいります。
○副議長(岸本 健君) 川畑哲哉君。
  〔川畑哲哉君、登壇〕
○川畑哲哉君 2013年に日本政策金融公庫が主催しました高校生ビジネスプラン・グランプリには151校より1546件のエントリーがあったようですが、その後、エントリー校はふえ続け、2017年に開催されました第5回高校生ビジネスプラン・グランプリには385校より3247件のエントリーがあり、県内からは、何と何と、我が母校の那賀高校を初めとする5校がエントリーされています。
 エントリー校一覧を眺めていますと、専門系だけではなく一般校まで広くエントリーされていることがわかります。いずれ社会に出て経済活動をしていくという意識を刺激して、起業したいとか早く商売をしたいとかいう意欲をかき立てていくことも進路指導の一環なのかなと思います。
 さまざまな機会を適切に捉えて、引き続き鋭意取り組んでいただきますようお願いを申し上げます。
 それでは、次の項目に入ります。
 今日まで、私も人手不足に苦しむ多くの地元企業の経営者や事業者の皆様よりお話を伺ってまいりました。皆様一様に「求人を出しても応募がない」とおっしゃっていらっしゃいますが、職場体験を受け入れたり各高校を回られたり、それぞれに御努力をされています。
 「仕事の受注があるものの、スタッフが足りなくて対応できないことが経営者としてはとてつもなく苦しい」と吐露されている方も多いです。また、人手不足解消策としてのロボット導入や外国人労働者の雇用につきまして、前出の青木照護社長は、「できる限りの機械化は検討しているが、どうしても手作業が必要な業務はゼロにはならない」、「以前は外国人労働者を雇って技術を教えても5年で祖国へ帰られてしまうという印象だったが、今では、少なくとも5年はみっちりと働いてくれるという印象で、日本人の大卒新人の場合は2~3年も続かずに会社をやめられてしまう場合も多々ある」とおっしゃいました。県内企業の経営者や事業者の皆様からも同様の話をお聞きしています。
 とはいえ、「ロボットよりも人、それも和歌山県民が理想」とおっしゃる県内経営者も多く、大卒だから直ちによいということではなくなってきている、むしろ大卒よりも高卒、少しでも早く入社していただいたほうが指導もスムーズという声は高まってきているように感じます。
 県内の企業や事業者に県内高卒者を採用していただくということは、県外への人材流出を食いとめるだけではなく、県内優良納税者をふやすということでもあり、その後の結婚や出産を思いますと、本県への貢献度も極めて大きいと考えられます。
 Iターン、Uターンに注力されることももちろん重要なことであると認識していますが、同時に、志を持って高卒後に就職を希望する生徒をふやすことも重要であり、そのためには、高卒就職の機運を醸成することと給与面や昇進面で採用者側の努力も必要であると私は考えています。
 同じ職場で同じ仕事をこなしているのに、高卒5年目の社員の給与が大卒1年目の社員の給与と同じであったり劣ったり、その後の昇進のスピードや上限が変わっていたりすると、大学くらいは卒業しておいたほうがいいのかなという気風はなくならないでしょう。
 高卒就職者の初任給を上げるなどして高卒者の採用に鋭意御努力され、県外流出を防ぐ貢献をされている県内企業、事業所を、県としても補助金を創設するなどしてしっかりと支援していくべきと考えていますが、県の認識と取り組みはいかがでしょうか。商工観光労働部長の御答弁をよろしくお願いいたします。
○副議長(岸本 健君) 商工観光労働部長山西毅治君。
  〔山西毅治君、登壇〕
○商工観光労働部長(山西毅治君) 県内産業の維持、発展には、企業を支え、活躍する若者をふやすことは必須であり、県内就職のメリットや県内に多くのすばらしい企業があることを高校生に認知させることが重要であります。
 このために、今年度から県内就職の魅力や277社の県内企業情報をまとめた「高校生のためのわかやま就職ガイド」を作成し、5月に就職希望の全ての高校3年生約2000人に対して、高校2年生に対しては7月に進学希望者を含む約9000人に各校にて配付しており、目標を持った進学先決定にもつながるものと考えております。
 その上で、就職希望の高校3年生2261人が県内企業134社から直接企業の話を聞くことができる応募前サマー企業ガイダンスを6月に、さらに、応募前企業ガイダンスin紀南を今年度初めて開催するなど、高校生の県内就職のための取り組みを強化しております。
 また、工業高校で、県内物づくり企業と連携して技術者による実習指導などを行う産業を支える人づくりプロジェクトを平成24年度から実施し、現在144社に参画いただいており、参画企業の就職者も平成24年度の87名から平成29年度には156名に増加するなど、成果が出ております。
 平成27年度からは、この取り組みを全高校、支援学校にも拡大し、学校単位の企業講話など各校の特性に応じた事業を実施するなど、本県では高校生の県内就職に対し、全国的に誇れるような事業に取り組んでまいりました。
 一方で、全国においては労働力不足が大きな問題であり、県内企業においても人材不足は切実なものと認識しています。県内において、議員提案の直接的な補助制度は考えていないものの、各高校や高校生の採用に積極的に取り組んでいる企業を個別に訪問するなどにより、それぞれのニーズを把握し、企業に応じた事業の活用を働きかけることで、若者の県内就職を拡大し、企業の人材確保に今後とも全力で取り組んでまいります。
○副議長(岸本 健君) 川畑哲哉君。
  〔川畑哲哉君、登壇〕
○川畑哲哉君 就職と結婚は人生の2大選択であると私は考えています。「何となく結婚」という結婚の仕方をされたアベックがどれくらい世にいらっしゃるのか、データは持ち合わせておりませんけれども、人生の選択において、何となく大学とか、とりあえず大企業、何となく大都会とか、これまで地方に確かに存在していたこういう雰囲気とも向き合っていかなくてはいけないわけでございまして、これからの県内の世論をつくっていくには、インパクトのある施策も求められるのではないかと思います。私も全力で取り組んでまいりますので、仁坂知事初め当局の皆様も、引き続き調査、研究していただきますようお願いを申し上げます。
 それでは、最後の質問に入らせていただきます。
 私は、平成28年12月定例会におきまして、以前訪れました株式会社よしもとロボット研究所の梁チーフプロデューサーによる「今の子供たちが社会に出るころ、つまり10年から20年くらい後には、子供たちがつく職業の70%が現在は存在しない職業である。また、プログラミング教育産業が英会話教育産業を上回ったようだ」とのお話を御紹介させていただいた上で、プログラミング教育についてお尋ねをいたしました。
 その際の教育長の御答弁は、「今後、小・中・高等学校の発達の段階に応じたプログラミング教育を一層充実させていく」とのことでございました。
 間もなく2年が経過します。次期学習指導要領によりますと、2020年度より小学校でもプログラミング教育が実施されることになっていますが、本県では1年前倒しをして、来年度より全ての小・中・高等学校で実施できるよう準備を進められているとお聞きしています。
 AIや優秀な外国人労働者とともに社会を構築していく今の子供たちには、新たな仕事を創出する能力を養うプログラミング教育は極めて重要であると私も考えていますが、本県のプログラミング教育を核とするきのくにICT教育はどのような取り組みになっているでしょうか。教育長の御答弁をよろしくお願い申し上げます。
○副議長(岸本 健君) 教育長。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) きのくにICT教育につきましては、小学校から高等学校まで体系的に行うプログラミング教育と、教員の指導力向上、高度なプログラミング教育の三つを柱として進めております。
 プログラミング教育につきましては、現在、小・中・高等学校の各2校のモデル校において、県で作成した指導案をもとに授業を実施し、検証を行っているところです。今後、検証結果をもとに指導案の改良を行い、来年度行う授業内容を決定してまいります。
 教員の指導力向上につきましては、10月から研修を行うこととしております。小学校は各校から教員1名、中学校は技術科、高等学校は情報科の全ての担当教員を対象に、指導内容や指導方法について研修を行い、来年度からの実施に備えてまいります。
 高度なプログラミング教育につきましては、専門的で高度な知識、技術を学びたい生徒を支援するため、中学校や高等学校のパソコンクラブ等に県内ICT企業等から技術者を指導者として派遣することを商工観光労働部とともに計画しており、現在、派遣する技術者や日程、内容等の調整を行っているところです。
 きのくにICT教育の来年度からの全面実施に向け、着実に準備を進めてまいります。
○副議長(岸本 健君) 川畑哲哉君。
  〔川畑哲哉君、登壇〕
○川畑哲哉君 教育長より心強い御答弁をいただきました。
 現場では教員の異動等もあり、なかなか難しい面や不測の面もあるとは思いますが、本県の宝であります児童生徒たちの将来のために、また和歌山県勢のさらなる発展のために、引き続き着実に準備を進めていただきますよう心から要望申し上げまして、私の人生7度目の一般質問を終了させていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(岸本 健君) 以上で、川畑哲哉君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後3時5分散会

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