平成30年9月 和歌山県議会定例会会議録 第3号


平成30年9月 和歌山県議会定例会会議録

第3号(谷 洋一議員の質疑及び一般質問)


◆ 汎用性を考慮してJIS第1・2水準文字の範囲で表示しているため、人名等、会議録正本とは一部表記の異なるものがあります。人名等の正しい表記については「人名等の正しい表記」をご覧ください。

 質疑及び一般質問を続行いたします。
 27番谷 洋一君。
  〔谷 洋一君、登壇〕(拍手)
○谷 洋一君 皆さん、おはようございます。平成30年9月定例会に質問の機会を与えていただき、感謝を申し上げたいと思います。
 ことしの夏は記録的な猛暑となり、これまでに経験したことのない暑さの連続、暑さによる被害といったニュースが続いておりました。しかしながら、お盆を過ぎ、暑さ和らぐ季節の節目のときに、その様相は一変しました。
 8月の台風20号は本県に激しい雨をもたらし、9月の台風21号は猛烈な風と高潮の被害をもたらしました。我々は平成23年に紀伊半島大水害の被害を経験しておりますが、今回のこれらの台風被害は、場所によっては平成23年の被害を上回る甚大な被害となったところもございます。改めまして、被害に遭われた皆様に心よりお見舞いを申し上げますとともに、復旧・復興に向けた県当局の御尽力、御支援をお願いいたします。
 ことしは、これら台風だけでなく、7月には岡山県や広島県を初めとする西日本での豪雨災害、9月には北海道で震度7を記録する地震の発生など、多くの自然災害により、全国に甚大な被害が発生しております。いま一度、災害に対する備えを強化しなければならない、そういう思いを知らされたところであります。
 それでは、議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、一般質問をさせていただきます。
 まず1点目、ハワイ州訪問についての報告をさせていただきます。
 私は、ことしの7月13日から18日にかけ、アメリカ・ハワイ州を訪問してまいりました。これは、今から16年前となる平成14年にハワイ和歌山県人会が解散となって以来、ハワイにおられる県出身の方々やその子孫の方々と疎遠になっており、何とかこの交流を復活させることができないかという思いから、県国際課の協力を得つつ、昨年9月の訪問に続き、ことしも引き続きその調査に行ってきたものです。昨年の訪問時の経過を含め、報告させていただきます。
 まず、昨年の1回目の訪問の報告です。
 私は、9月7日に出発し、ハワイへと向かいました。到着後、曹洞宗ハワイ別院正法寺という寺院を訪問しました。この正法寺は、ハワイ和歌山県人会が解散した後、慰霊碑の永代供養を引き受けてくださっている寺院であります。曹洞宗においてもハワイ国際布教総監部を担っており、僧侶や事務員の方など多くの方が働いている大きな寺院でした。施設も非常に立派で、葬儀だけでなく、結婚式やさまざまなイベントも行われているということで、境内には大きなホールもありました。
 この正法寺のトップである総監の駒形住職に対応していただき、和歌山県やハワイ、米国についての話をするとともに、和歌山県人会に係る私の訪問目的の話などを2時間余りにわたりさせていただきました。そして、駒形住職が懇意にされている和歌山県出身の方々に御連絡をいただき、翌日、慰霊碑を一緒にお参りする調整をしていただきました。
 翌日は、数名の和歌山県出身の方々とともにマキキ墓地に向かい、慰霊碑に献花を行いました。その場所は大変眺めのよい丘の上にあり、その慰霊碑の文字は仮谷元県知事の書でありました。
 献花を行った後、皆さんと昼食を交えながら、今後のハワイ州との友好について話し合いをしました。そこで、例年7月15日に正法寺を中心にお盆の行事を行っており、その時期であれば多くの方が集まるので、来年はぜひその時期に来られてはどうかということを言ってくださいました。正法寺を訪問し、駒形住職と話をすることができ、今後の取り組みにつながるきっかけをいただくことができました。
 そして、ことしのハワイ訪問を迎えることとなります。ことしは、日本からハワイへの集団移住150周年に当たり、6月には秋篠宮御夫妻がハワイでの記念式典に御出席されるなど、ハワイ移民の歴史における節目の年となっております。私は、昨年、駒形住職に教えていただいた7月15日の盆行事に参加できるよう、7月13日に関西空港を出発し、ハワイに向かいました。
 7月14日に、昨年お世話になった正法寺に向かい、法要に参加しました。そこで和歌山県人会の先人の供養を願い、お参りしました。法要の最後に、駒形住職が出席していた皆さんに私のことを紹介してくれ、和歌山県から和歌山県人会の先人の供養のために訪問したことを伝えてくれました。控室では、現地の観音講の皆さんを御紹介していただきました。そうめんやお菓子などの日本の文化を出していただきながら、私が日本から持参した県の「和-nagomi-」や「県民の友」などの冊子を見ていただきました。
 また、その後、町田時保前住職とも話をすることができました。16年前の和歌山県人会の解散と永代供養についての話を聞くことができました。県人会の会員の高齢化や会員数の減少などにより、会の役を担ってくれる人がなくなってきたことから、県人会の蓄えがあるうちに永代供養に踏み切ったということでした。
 翌日15日も正法寺での法要に参加しました。昨年、ことしの訪問でお会いすることができた和歌山県出身の川岸さん御夫妻とも話をしましたが、川岸さんはアメリカ本土のロサンゼルスで生活をしていて、リタイアしてからハワイに移住したので、和歌山県人会のことはほとんど知らず、力にはなれないとのことでした。
 駒形住職や川岸御夫妻といろんな話をしました。結論的には、ハワイにおいては日本人と住民の皆さんとの同化が他の外国と比べても早く進み、県ごとの県人会組織により助け合いながら生活をするという重要性は余りなかったのではないか。県人会という意識より日本人会という意識が、戦後のハワイにおいての発展の中心となったのではないかということでした。
 今後は、県人会という形だけでなく、ハワイに進出した若い人たちと何らかの交流を持ち続けることが重要ではないかという気がしています。そして、このようなつながりを活用し、和歌山県のことや和歌山県産品などを広く海外の人々に知ってもらうチャンスとしていくことがより大切かと思います。
 ハワイと比べ、南北アメリカ本土地域の各県人会においては、和歌山県人としての意識が高く、県人会としての活動や我々との交流なども続けてくれています。
 しかし、移民世代も3世、4世へと移っていくにつれ、現地の一員としての同化が進み、和歌山県人としての意識や日本人としての意識が薄れていくことは当然かもしれません。そういった意味からも、各国県人会との関係において、新しい世代の人たちとのつながり、新しい形でのつながりを広げていくことは、今後とても重要なことかと思います。
 仁坂知事が就任されて以降の和歌山県は、さまざまな面において海外とのつながりを重視し、積極的な取り組みを行っていただいております。本県で開催された全国植樹祭や国民体育大会の際には、海外県人会から多くの方々が和歌山に来られ、喜んでいただきました。また、知事や我々県議会が各国県人会を訪問するときなどは、和歌山の風景や魅力、県の産品などを現地でじっくりと時間をかけて丁寧に紹介するとともに、現地の報道機関も招待するなど、向こうの方々にとっても喜んでいただいております。私も何度かその場に立ち会わせていただきました。
 このような海外に暮らす和歌山県にゆかりのある方々と互いに行き来し、直接喜びを分かち合えることは、より交流を深め、人と人とのつながりをさらに広げることができます。
 来年度には、和歌山県人会世界大会が計画されていると聞きます。和歌山を離れて暮らすたくさんの方々やその子孫が一斉に集えるような機会は、将来の和歌山県をより豊かなものにしてくれると期待をしております。
 さまざまな困難のもと、海外に渡り礎を築かれた先人たちとのつながりを大切にしつつ、これからの和歌山県と各国地域との交流を継続していくためにも、新しい形も取り入れつつ対応していかなければならないと強く感じたところであります。
 私も、県議会の南北アメリカ諸国友好議員連盟の会長として、知事を初め県当局と協力しながら、未来につながる友好関係を続けていきたいと思っております。引き続き、県当局の御協力をお願いし、私のハワイ州訪問の報告とさせていただきます。
 それでは、引き続き質問に入らせていただきます。
 2点目の漁業振興についてお尋ねします。
 まずは、強い漁業者と新たな担い手の育成についてお聞きしたいと思います。
 本県にとって漁業は重要な基幹産業の一つであり、他の産業とともに末永く守っていくべきものであると考えています。しかしながら、長引く漁獲量の減少や魚価の低迷により、漁業の収益性は悪化しており、漁業者からは「漁業では御飯を食っていけない」、「漁業は自分一代限りだ」という声も聞こえてきます。
 こうした状況は、漁業の後継者不足にも拍車をかけ、このままでは本県の漁業が衰退して立ち上がれなくなってしまうのではないかと危惧しております。
 この苦境を乗り切るためには、長期的な不漁時でも生き残っていける強い漁業者を育成するとともに、新たな担い手が参入できる環境をつくり、浜の活気を取り戻していくことがますます必要になってくると考えますが、知事の御所見をお伺いしたいと思います。
 次に、広域回遊資源の現状についてお聞きします。
 クロマグロについては、本県にとって非常に重要な魚種でありますが、平成27年より資源状況の悪化を受けて、国際的に漁獲規制が始まり、本県もクロマグロの資源管理に取り組んでいます。このような取り組みによりクロマグロの資源量は少し増加しておりますが、本県も漁獲規制のため、一時的にクロマグロが漁獲できない状況になりました。
 このことが、去る7月18日、仁坂知事には政府に対してクロマグロの漁獲枠の増枠要望を行っていただき、また、県議会においても7月24日に意見書の提出を行ったところであります。これを受けて、国は保有していた漁獲留保枠の一部を放出し、今般、漁獲枠の追加配分量を正式決定されました。仁坂知事には、本当に感謝を申し上げる次第であります。
 現在、クロマグロを漁獲している漁業者は厳しい経営が続いていますが、太平洋クロマグロの資源評価は、2024年までに親魚資源を歴史的中間値の約4万3000トンに回復できる確率が98%という結果に到達していると試算されており、漁獲枠の増枠への道筋が見えてきています。今後は、国際的な状況を踏まえ、国全体の増枠を期待しているところです。
 また、本県においては、カツオやサンマ、スルメイカなどの広域に回遊する水産資源の漁獲が著しく減少しております。こうした魚種についてもなかなか上向いていく姿は見受けられません。その原因として、沖合では黒潮の蛇行や北方、南方の水温変化による来遊量の減少等が言われており、また、公海での他国の漁獲が影響しているとも報道されております。私もそう思います。
 そこで、農林水産部長にお尋ねします。
 クロマグロについては、資源の増加を踏まえた対応をどのように考えていますか。また、カツオ、サンマ、スルメイカなどの広域に回遊する水産資源の状況はどのようになっていますか。また、国や県でもこうした資源の状況について調査されていると思いますが、その成果はどのように活用されていますか。
 次に、勝浦市場の活性化についてお聞きします。
 勝浦市場は全国でも有数の生マグロの水揚げ基地であり、平成28年度の生マグロの水揚げ金額は62億円と全国1位を誇り、本県の水産業にとって重要な役割を果たしております。また、勝浦におけるマグロは、漁業だけでなく水産加工業や観光業など、地域の産業全体において非常に重要なものとなっております。
 このような勝浦にとって欠かすことのできないマグロの多くは、県外船により水揚げされるため、これまでの市場の発展は県内だけではなく県外の漁業者にも支えられてきました。そのため、那智勝浦町と市場を運営する県漁連では、連携して県外船の誘致活動を積極的に行っているところです。
 また、紀州勝浦産生マグロの価値を向上させるため、地域団体商標を取得するなど、地域を挙げてブランド力の強化に取り組んでおります。
 地元勝浦だけでなく、和歌山県にとっても非常に重要な財産である勝浦市場を今後さらに発展させていくためには、県の支援も必要と考えますが、県の考えを農林水産部長にお伺いしたいと思います。
 続いて、3点目、紀伊半島一周高速道路の整備についてお尋ねします。
 紀伊半島一周の高速道路の整備については、これまで私の質問において継続してお尋ねしてきました。この実現は、私のこれまでの議員生活において掲げてきた半島性からの脱却を目指す上での大きな基盤であります。
 平成27年に本県で開催された紀の国わかやま国体に合わせ、近畿自動車道紀勢線はすさみ南までの区間が開通し、紀南地域に暮らす者、紀南地域を訪れる者にとって飛躍的な利便性の向上をもたらすとともに、救急医療や災害対策において大きな安心を与えてくれました。
 残る区間もあと少しとなってまいりました。平成26年度にはすさみ串本道路が新規事業化され、いよいよ最南端の地への道のりが進められています。この区間では、用地の取得と並行し、あちらこちらで工事に着手した様子が見られます。その先に暮らす我々にとって、また高速が延びてきている、いよいよ自分たちのところに高速がつながるといった期待が日に日に大きくなってきております。
 そのような中、ことしの春には、串本太地道路の新規事業化が決定されました。この区間の事業化により既に開通している那智勝浦新宮道路と結ばれることになり、いよいよ和歌山市と新宮市が高速道路でつながり、紀伊半島一周高速道路の実現に大きく近づくこととなります。
 そこで、県土整備部長にお尋ねします。
 すさみ串本道路の完成に向け、現在の進捗状況はどのようになっているのでしょうか。
 それから、串本太地道路が事業化決定されましたが、早期完成に向けた現在の取り組み状況はいかがでしょうか。
 また、この串本─太地の区間においては、対象となる地域において、地権者が過去に海外に移住されており、そのままになってしまっている土地も多いと聞いております。このような所有者不明の土地への対応について、先般、特別措置法が成立したと伺いました。こういった新たな制度を活用し、この串本─太地の区間における今後の用地取得をスムーズに進め、早期完成へとつなげていってはいかがでしょうか。県土整備部長にお答えいただきたいと思います。
 以上をお尋ねさせていただき、私の質問を終わります。
○議長(藤山将材君) ただいまの谷洋一君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) まず、強い漁業者と新たな担い手の育成についてお答え申し上げます。
 長期的な不漁が続く現状においては、不漁時に負けない漁業者の育成や新たな担い手の参入により浜の活気を取り戻していくことが必要であるという議員の御指摘は、まさしく的を射たものであると考えます。
 漁業は自然が相手であり、神聖な職業ではございますが、収入がちゃんとないと困ります。特に、収入が不安定になることがとても困るわけでございます。そこで、複数の収入源を持つことが経営の安定化につながると考えます。また、漁村の活力が低下しているという面では、若者を呼び込むため、魅力ある漁村づくりを進めることも必要と考えます。
 県では、経営の安定化を実現するため、漁業経営の効率化、複合経営、比較的安定した収入が見込めるいそ根漁場の整備を進めるなど、さまざまな取り組みを推進してまいりました。
 具体的には、主要漁業を再生させるため、まき網船団のスリム化や船びき網、底びき網の減船などに取り組んだ結果、経営基盤の強化や漁業所得の向上につながったと思っております。また、管理しやすい地元資源を有効に活用するため、藻場造成や投石など、いそ根漁場の再生に取り組んだ結果、イセエビの漁獲量は近年全国トップ3を維持しており、漁家経営に大いに寄与していると考えております。
 しかし、問題はそれ以上でございまして、潮流が変わったり資源が減ったりということで、お魚がとれたりとれなかったりということが著しくなってきております。そこで、昨年度から、中心となる漁業が不漁の際の収入源確保対策として、別漁業にも取り組む複合経営を推進したところ、複数のグループが養殖などの新たな取り組みを開始しております。
 さらに、魅力ある漁村づくりを進め、漁業に関心のある若者を呼び込むため、各地で観光資源を生かしたブルーツーリズムを推進しているところでございます。こうした漁村の魅力を積極的にPRするとともに、県内外での求職者のマッチング機会の増大や受け入れ側のサポート体制の充実などを図ることにより、県内外からの新規担い手確保の取り組みを強化してまいりたいと思います。
 今後とも、こうした取り組みを積極的に推進していくことによりまして、漁業で頑張ってる人を助けるため、不漁時に負けない漁業者の育成や新たな担い手の参入を図り、浜の活気を取り戻していきたいと考えております。
○議長(藤山将材君) 農林水産部長原 康雄君。
  〔原 康雄君、登壇〕
○農林水産部長(原 康雄君) クロマグロの資源増加を踏まえた対応、それから、広域回遊魚の現状と調査成果の活用状況についてお尋ねいただきました。
 太平洋クロマグロは、親魚資源の回復傾向が見られることから、先般、日本政府が中西部太平洋まぐろ類委員会北小委員会に、漁獲枠の増枠及び残枠の繰り越し措置について提案しましたが、残念ながら今回は合意に至りませんでした。
 議員御指摘のとおり、クロマグロは本県にとって非常に重要な魚種であるため、引き続き厳格な資源管理に取り組むとともに、国際的な漁獲枠の拡大に向けて国に働きかけてまいります。
 次に、広域回遊資源についてですが、本県における代表魚種のカツオは、ことしは過去最低レベルとなっており、昨年8月から発生している黒潮の大蛇行により当県の沿岸域への来遊が少なくなったことが考えられますが、熱帯域での各国の漁獲増も影響しているものと考えております。
 サンマはここ数年、漁獲量は数トン程度と減少しており、原因としては、和歌山県では黒潮の影響を受け、沿岸が高水温になったことがサンマの南下を阻害していると考えられます。
 スルメイカはここ数年、漁獲量は十数トン程度と減少しており、原因としては、産卵場となる東シナ海の水温低下により発生群が少なく、日本沿岸への来遊も少なくなっていると考えられます。
 次に、資源評価の活用についてですが、国においては、広域回遊種の資源評価が行われており、全国の漁獲量調査データをもとに広域的な見地から実施し、各県にフィードバックされるとともに、さまざまな形で漁業者に情報提供がされ、資源管理にも活用されております。
 また、近年、公海における各国の漁獲が増大し、カツオ、サンマなど広域回遊魚の世界レベルでの資源減少が懸念されることから、国際会議の場における漁業交渉を行う際の根拠データとしても重要な役割を果たしております。
 県では、特に本県に影響の大きいカツオについて、電子標識を用いた放流調査を行うとともに、人工衛星を利用した海況情報を改良し、より見やすく精度の高い漁場情報を漁業者に提供しております。
 続きまして、勝浦市場の活性化について御質問いただきました。
 勝浦市場は、近海に漁場が形成される優位性から、古くから生マグロの水揚げ基地として栄え、現在では日本一の生マグロ水揚げ港として全国に名をとどろかせています。
 こうした勝浦のブランド力を最大限に生かすため、県では、勝浦市場を運営する県漁連と連携し、県外大手百貨店や大都市圏でのイベント等における紀州勝浦産生マグロの販売促進に取り組んできたところであり、今後ともさまざまな機会を捉え、紀州勝浦産のブランド力向上や販売促進、商談機会の創出などに積極的に取り組んでまいります。
 また、近年、他県のマグロ水揚げ港との産地間競争が激しくなっており、こうした競争に打ち勝っていくためには、衛生管理面での機能向上や運用面での効率化を進めていく必要があることから、県としては、このような取り組みが進むよう、町や県漁連に必要な助言を行ってまいりたいと考えております。
 議員のお話のとおり、勝浦市場や紀州勝浦産生マグロのブランド力は県にとっての宝でありますので、今後ともその地位を守り続けられるよう、関係者とともにこうした取り組みを積極的に推進してまいります。
○議長(藤山将材君) 県土整備部長髙松 諭君。
  〔髙松 諭君、登壇〕
○県土整備部長(髙松 諭君) まず、すさみ串本道路の進捗状況につきましてお尋ねをいただきました。
 すさみ串本道路につきましては、昨年度から県及び地元町が国から用地取得を受託いたしまして、全線にわたりまして用地説明を鋭意進めているところでございます。現在の用地取得の状況につきましては、面積割合で5割を超えているところでございまして、引き続き今年度中の取得完了を目標に取り組んでまいるところでございます。
 また、すさみ串本道路の工事につきましては、ことし4月に串本町におきまして起工式を開催し、仮称・串本インターチェンジ付近から本線工事が進められているところでございます。すさみ南インターチェンジ付近におきましても、橋梁下部工の工事契約を終え、近々工事着手する予定となっております。
 これら両端からの工事施工に加え、工事用道路の整備が9カ所で進められておりまして、今後、全線にわたって工事が展開される予定と伺っております。
 次に、串本太地道路の取り組み状況につきましてお尋ねをいただきました。
 串本太地道路につきましては、今年度に新規事業化され、直ちに地元の三つの町と連携いたしまして事業計画説明会の日程等を調整し、6月中に沿線の19地区全てにおいて事業計画の説明を行い、測量立ち入りの了解が得られたところでございます。現在、国におきまして、現地測量及び工事用道路の設計が進められていると伺っております。
 3点目に、所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法に関するお尋ねをいただきました。
 この所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法につきましては、本年6月6日に成立、同13日に公布されたところでございまして、一部の規定を除き、公布の日から6月以内に施行することとされているところでございます。
 この法律は、所有者不明土地を円滑に利用する仕組みや所有者の探索を合理化する仕組み等について定められておりまして、今後出される政令を踏まえまして、当該道路の用地取得に積極的に活用していきたいというふうに考えております。
 県といたしましては、引き続き地元町と連携して円滑に事業が推進されるよう協力してまいりますとともに、事業の推進につきまして、国に働きかけてまいります。
○議長(藤山将材君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「ありません」と呼ぶ者あり〕
○議長(藤山将材君) 再質問を許します。
 谷 洋一君。
  〔谷 洋一君、登壇〕
○谷 洋一君 知事初め部長から答弁をいただきました。
 水産業については、本当に今回、知事に水産庁へ行っていただくということで、水産庁が一番情報をたくさん持っておりますし、特に回遊魚とかになりますと水産庁しか知らんということもたくさんありますんで、一番我々にとって大事な、いそ根漁場とかいろんなことについては、もう知事が一生懸命やっていただいておりますし、今ブルーツーリズム等で観光との組み合わせ、マッチングとかいろいろやっていただいています。引き続きそれをやっていただく中で、また水産庁といろんなことをしながら、クロマグロあるいはカツオやあるいはサンマやということの情報を入れながら、ひとつ和歌山県の水産業の発展に寄与していただきたいと思います。
 それと、県土整備部長、非常に高速道路、おかげさんで物すごく速いスピードで今やってくれております。もう我々紀南に住む者にとっては大変ありがたいんです。
 特にこの6月にできました法律、6カ月以内にということで、政令になるんか省令になるんかわかりません、12月からになると。これがあったら、伝家の宝刀まではいかん、ばたばたとはいかんでしょうけども、本当に今まで困ったところが、これはもう随分時間を省いていけるんじゃないかなあというふうに思っておりますので、我々向こうに住む者にとっては一日も早い完成を待ち望んでおりますので、どうかよろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。終わります。(拍手)
○議長(藤山将材君) 以上で、谷洋一君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前11時35分休憩
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