平成30年6月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(堀 龍雄議員の質疑及び一般質問)


平成30年6月 和歌山県議会定例会会議録

第5号(堀 龍雄議員の質疑及び一般質問)


◆ 汎用性を考慮してJIS第1・2水準文字の範囲で表示しているため、人名等、会議録正本とは一部表記の異なるものがあります。人名等の正しい表記については「人名等の正しい表記」をご覧ください。

 質疑及び一般質問を続行いたします。
 23番堀 龍雄君。
  〔堀 龍雄君、登壇〕(拍手)
○堀 龍雄君 皆さん、おはようございます。
 初めに、議員でありました泉さんの御冥福を心からお悔やみ申し上げます。
 泉さんとは、昭和26年生まれで同い年でありました。1期先輩である泉さんには、いろんな面で御指導を仰いでおりました。本当にありがとうございました。心からの御冥福をお祈り申し上げます。
 それでは、議長のお許しをいただいてありますので、平成29年台風21号の災害を教訓としてということで、3つの項目に分けさせていただきまして、質問をさせていただきます。終始、県土整備部長の御登壇になりますけれども、どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、河川の改修についてということで、その河川の指定というのをどうしてつけられたんだろうかということについての御質問をさせていただきます。
 昨年10月の台風21号で、紀の川沿川は大きな被害が発生しました。かつらぎ町での降水量は219ミリメートルと大量の雨が降り、瞬間最大風速も35.7メートルと大きな台風でした。大雨により紀の川の水位が上昇し、それに接続する河川の水の行き場がなくなり氾濫し、その上、用水路からも大量の水が河川に入ったものが要因の1つと考えられます。強風でしたが、風による被害が少なかったのが不幸中の幸いだったと思っております。
 紀の川の増水と町内で降った大雨とが重なり、内水氾濫が起こりました。家屋の浸水や工場の浸水で大きな被害が発生し、その年の末まで操業を開始できなかった工場もあり、大きな被害を受けました。こういうことがたびたび発生すれば、この地での操業を考えなければいけないと言われる社長さんもいました。こういう問題を解決するためにも、そして、この地域で操業している数ある企業の皆さんに安心して落ちついて仕事についていただけるようにしなければならないと思い、質問に立たせていただきました。
 このような被害をできるだけ小さくするためにも、紀の川の水位を下げるのとあわせて河川の改修が絶対の条件と考えます。河川は、1級河川、2級河川、準用河川、普通河川と位置づけられております。いつ、どのような理由で位置づけ指定されたのか、県土整備部長にお尋ねをいたします。
○議長(藤山将材君) ただいまの堀龍雄君の質問に対する答弁を求めます。
 県土整備部長森戸義貴君。
  〔森戸義貴君、登壇〕
○県土整備部長(森戸義貴君) 河川の指定がどのようになされるのかについての御質問を頂戴いたしました。
 議員御質問の河川の指定につきましては、明治29年に制定された旧河川法において、行政区域単位で県知事が河川管理を行うこととなってございました。
 その後、社会経済の発展に伴い、水需要の増加、平野部への広範な人口や資産の集積とそれに伴う災害発生などから、治水面と利水面において総合的、統一的に河川を管理する必要性が高まり、水系単位での管理制度に改めるべく、昭和39年に新河川法が制定されてございます。その法の趣旨を踏まえ、重要度に応じて1級河川、2級河川の指定が行われてきております。
 1級河川については、河川法第4条により、国土保全上または国民経済上特に重要な水系に係る河川として、国土交通大臣が指定することとなってございます。
 2級河川については、河川法第5条により、1級河川以外の公共の利害に重要な関係のある水系に係る河川として、県知事が指定することとなってございます。
 さらに、準用河川については、治水上または都市環境や生活環境の保全上、管理が重要となっている小河川について、河川法第100条により市町村長が指定することとなっており、指定された河川には河川法が準用されることとなってございます。
 なお、普通河川は、明確な定義はございませんが、一般的に河川法や下水道法等、法律の指定を受けないものであって、特定の用途に用いられない公共の水路等を指しているものと承知してございます。
○議長(藤山将材君) 堀 龍雄君。
  〔堀 龍雄君、登壇〕
○堀 龍雄君 河川の指定についての御答弁をいただきました。
 続いて、県管理河川藤谷川、桜谷川の改修についてをお尋ねいたします。
 県管理河川の藤谷川、桜谷川の改修は行っていただいておりますけれども、この台風時にも家屋の浸水が発生しました。今回の台風が特別大きかったから浸水したものではありません。3年も4年も前にも、消防団員による消防ポンプでの排水作業もむなしく、家屋や工場の浸水が発生しております。被害を少なくするためにも、河川の改修が絶対の条件と思っております。
 ついては、今後の改修と進捗状況について県土整備部長にお尋ねをいたします。
○議長(藤山将材君) 県土整備部長。
  〔森戸義貴君、登壇〕
○県土整備部長(森戸義貴君) 藤谷川、桜谷川の河川改修の進捗状況と今後の予定についての御質問でございます。
 かつらぎ町内の県管理の藤谷川や桜谷川においては、従来から河川の溢水を軽減するため、河川の断面を拡大する河川改修に取り組んでございます。
 藤谷川につきましては、昭和59年や平成2年の災害などを契機として、川幅の拡大や河道の掘削などの河川改修を実施してまいりました。しかし、平成23年や平成25年に浸水被害が発生したことから、紀の川合流点から国道24号までの600メートル区間の築堤等の整備を行うこととしてございます。平成28年には、詳細設計や物件調査等を実施し、平成29年度から用地買収に着手してございます。
 桜谷川につきましては、紀の川合流点から浸水被害が頻発していた妙寺駅上流までの1960メートル区間について、川幅を広げる工事などの河川改修に昭和40年から着手し、平成24年度までに一旦終了してございます。引き続き、下流から河道を掘削する工事に着手しており、平成29年度までに紀の川合流点から約620メートルの区間が施工済みとなってございます。今年度は、昨年度確保した補正予算と合わせて、上流約150メートル区間の整備を実施する予定でございます。
 今後とも、さまざまな機会を通じて予算の確保に努めまして河川整備を進めますとともに、かつらぎ町とも連携しながら、浸水被害の軽減に努めてまいりたいと考えてございます。
○議長(藤山将材君) 堀 龍雄君。
  〔堀 龍雄君、登壇〕
○堀 龍雄君 改修をしていただいておるというのはよくわかるんですけれども、まだまだ浸水の被害というのが起こっております。早く全体の改修を進めていただいて、被害が少なくなりますように努めていただきますようお願いを申し上げておきます。
 3つ目の項目に入らしていただきます。
 町管理準用河川西渋田谷川の改修についてをお尋ねいたします。
 町管理の準用河川西渋田谷川については、県管理河川と同じような規模があると見受けられますし、流域面積もさほど変わらないと考えます。さきにも申し述べたと同様に、内水氾濫を起こして浸水被害が起こっております。町財政が厳しいのだと思いますけれども、改修がおくれている状況です。
 これからの出水期を迎えるために、そして内水氾濫を繰り返さないためにも、早期の改修が必要と考えますが、この状況を見て県ではどのように感じているのか、また県としての浸水対策の支援策がないのか、県土整備部長にお尋ねをいたします。
○議長(藤山将材君) 県土整備部長。
  〔森戸義貴君、登壇〕
○県土整備部長(森戸義貴君) 西渋田谷川沿川の浸水被害について、御質問でございます。
 西渋田谷川については、流域の開発や宅地化により浸水被害の拡大が懸念されましたことから、かつらぎ町が昭和61年に準用河川に指定し、平成元年度から平成9年度にかけて、浸水被害が頻発していました紀の川合流点から約450メートル区間の河川改修が行われたと承知をしてございます。これにより、西渋田谷川流域の降雨による出水に対しては、浸水被害が軽減したと聞いてございます。
 しかし、西渋田谷川沿川地域は低平地であるため、紀の川本川の水位が高くなりますと、降雨が十分排水できなくなることに起因した浸水被害が発生しており、引き続き、内水対策が必要と考えてございます。
 これに対し、応急的な対策として、かつらぎ町では、可搬式ポンプによる紀の川本川への排水を実施してきたところです。
 平成29年10月の台風21号に伴う豪雨による紀の川沿川の浸水被害の発生を受け、国土交通省では、沿川の地域における浸水被害に関する情報共有や、今後の浸水対策について効果的かつ効率的な整備につなげることを目的として、国、県、関係市町を構成機関とする紀の川流域における浸水対策検討会を今年1月に設置いたしました。ことし5月には、国、県、町で西渋田谷川の現地調査を行っており、具体にどういった対策が可能であるか検討しているところでございます。
 県としては、今後とも連携して対策の検討を進め、その中で可能な支援策に取り組みますとともに、必要に応じてさらなる支援を国に働きかけてまいりたいと考えてございます。
○議長(藤山将材君) 堀 龍雄君。
  〔堀 龍雄君、登壇〕
○堀 龍雄君 御答弁をいただきましたが、河川の管理について、国、県、町の役割分担があることは先ほどの答弁で一定理解いたしましたが、流域に住む住民や企業からすれば、県なのか、国なのか、町なのかは関係ありません。どこがやってくれてもいいんです。早くやってほしいというのが心情ではないでしょうか。
 1級河川等の河川の指定については、昭和40年に指定されたとのことです。昭和40年といえば、52年も前の、皆さんもよく知っておると思いますけれども、大阪万博の5年前のことです。この議場の中にでも、まだこの時期に生まれてない議員さんもおられます。和歌山県に高速道路が1本もない遠い昔の話です。生活状況も大きくさま変わりし、利便性のよいところへと住居を移して生活し、企業に至っても、作業効率のよい、地の利のよいところを狙って進出しております。
 住民や企業においては、過去の水害のことを理解しつつ、工場全体をブロックで積み重ねて、浸水の防止などのような対策をとるように移ってきております。「それでも、ここまでつかったことはなかった」、皆さんが口をそろえておっしゃっておりました。過去に経験のない大水害が起こったため被害に遭われたということが現実かと思います。
 現在、流域の市、町、県、国で構成する協議会で対策を検討していただいておるのは承知しております。そして、対応していただいておることも承知しておりますけれども、浸水被害の原因を特定し、応急対策、短期的な対策、長期的な対策などをしっかりと連携して、対応、検討をお願いしたいと思います。
 そして、住民、企業の不安感、危機感を取り除いていただいて、安心して生活、操業ができるように浸水対策に取り組んでいただくことを強く要望いたします。
 それでは、2つ目の項目の広域農道「紀の川フルーツライン」についてということで、質問に入らしていただきます。
 平成3年から事業に着手している設計基準についてをお尋ねいたします。
 紀の川左岸広域農道は、橋本市から紀の川市までを結ぶ2車線の農道です。農林水産省の農道整備事業実施要綱に沿った広域営農団地整備事業の一環で、紀の川左岸地区と紀の里地区の2地区に分けて整備が進められており、紀の川左岸地区では、平成3年度から工事に着手され、現在、伊都管内で総延長18.1キロのうち16キロメートルが完成し、通行可能なところから順次開放され、農家の皆さんからも、畑に行きやすくなり、広くて安全であると喜ばれております。また、高野山に行く道路としてのバイパス的な存在でもあり、広く利用されております。
 また、平成26年には愛称を公募し、「紀の川フルーツライン」と指定し、名づけられ、地元住民の皆さんに広く親しまれており、早期完成を願っております。
 この農道は、着工から27年が経過しています。その間に、大きな災害をもたらした阪神・淡路大震災や東日本大震災が起こっております。また、平成29年の台風21号のような大雨が降ったり、想定外のことが発生しております。27年前の設計基準と最近の地震や大雨による被害を想定しての設計基準に変わりがあるのか、あれば、どのように対応し対策しているのか、県土整備部長にお尋ねをいたします。
○議長(藤山将材君) 県土整備部長。
  〔森戸義貴君、登壇〕
○県土整備部長(森戸義貴君) 設計基準についてのお尋ねでございます。
 橋梁や擁壁などの構造物についての耐震設計の基準が、阪神・淡路大震災や東日本大震災などを踏まえて変更されるなど、平成3年度の事業着手以降、随時、設計基準書の改訂が行われてございます。
 構造物等の詳細な設計は、工事の施工を見据えて区間を分割して順次行っているところでございます。設計基準書等の改訂が行われた場合には、設計への適用時期のルールが決められますので、できるだけ最新の基準を使うことを念頭に置きつつ、工事の実施を行ってまいってございます。
○議長(藤山将材君) 堀 龍雄君。
  〔堀 龍雄君、登壇〕
○堀 龍雄君 これから工事をしていただく予定になっております紀の川フルーツラインは、山間部の中腹に建設されつつあります。地形的な性質上、切土工法や盛り土工法の多い路線です。これから順に作業が行われていく場所は、地すべりの危険性のある地すべり防止地域に入ると思われますけれども、その安全のためにどのような対策をとって作業していくのか、県土整備部長にお尋ねをいたします。
○議長(藤山将材君) 県土整備部長。
  〔森戸義貴君、登壇〕
○県土整備部長(森戸義貴君) 地すべり防止区域内での工事の安全対策についての御質問でございます。
 地すべり防止区域内では、一般的な現地調査等に加えまして、地すべり地形の判読などに基づく詳細な地質調査や地すべりの安定解析などを行い、個々の構造物の安定性を検討いたしますとともに、施工時の安全性確保にも配慮した設計を行った上で、工事を実施してまいる考えでございます。
○議長(藤山将材君) 堀 龍雄君。
  〔堀 龍雄君、登壇〕
○堀 龍雄君 御答弁をいただきましたが、西渋田工区は大きな地すべりの防止地域になっております。これは現場を見ていただいて御存じかと思うんですけれども、本当に広範囲な地域が指定されておりますし、その地域には小さな谷が多くあり、コルゲート管で設置をしております。くれぐれも御配慮の上、事故の起こらないような工事にしていただきたいなと、そう思います。よろしくお願いしておきます。
 3つ目の項目に入らしていただきます。
 工事中に亀裂等の地すべりの兆候が発生したときの対応についてお尋ねをいたします。
 過去の工事で切土工事の実施中、その周辺に亀裂が発見され、地すべりの兆候が発生しましたが、地域の皆さんや作業員の方々の安全確保のため、どのような対応をされたのか、県土整備部長にお尋ねをいたします。
○議長(藤山将材君) 県土整備部長。
  〔森戸義貴君、登壇〕
○県土整備部長(森戸義貴君) 地すべりの兆候が発見された場合の対応についての御質問でございます。
 広域農道紀の川フルーツラインの工事の中では、平成25年に橋本市西畑地区で工事中に地すべりの兆候が発生した事例がございました。
 その際には、まず、地すべりを抑制するため押さえ盛り土で応急対策を行いますとともに、地すべりの動きがあった場合に地域住民の皆様や工事関係者にできるだけ早く周知できるよう、観測機器や警報装置等を設置する安全対策を講じたところでございます。
 また、兆候のあった現地の調査結果等を踏まえ、地すべり対策工を設計し、あわせて随時の状況説明により御理解をいただきながら、地域住民の皆様や作業員の安全を確保して工事を行ったところでございます。
○議長(藤山将材君) 堀 龍雄君。
  〔堀 龍雄君、登壇〕
○堀 龍雄君 地すべりの兆候が橋本市西畑地区であったと言われておりますけれども、かつらぎ町でもそういう兆候があり、地すべりの発見が早くわかるように、警告灯など設置されておりました。くれぐれも安全対策を確保していただきたいとくどくど言わしていただいておるんですけれども、今度工事にかかるとこはここ以上に地すべりの危険性が高いので、きょう質問の中に入れさしていただきました。
 4番目の項目に入らしていただきます。
 市町への譲渡の条件についてということでお尋ねをいたします。
 紀の川フルーツラインは、県が工事を行い、完成した工区からそれぞれ供用を開始し、供用開始したところから、市町の橋本市、久度山町、かつらぎ町、紀の川市に移管、譲渡されます。譲渡後の維持管理は、受益者である関係市町が行うことになっております。
 市町では、既に多くの道路を管理しており、草刈りや路面の凍結防止など、多額の維持管理費用を負担しております。これらは地方財政措置しているのもわかっておるんですけれども、関係市町の財政は逼迫しているのではないでしょうか。
 土砂崩れや道路の崩壊などが起こらないのか、譲渡する前に調査してもらえるのか、県土整備部長にお尋ねをいたします。
○議長(藤山将材君) 県土整備部長。
  〔森戸義貴君、登壇〕
○県土整備部長(森戸義貴君) 広域農道を市町へ譲渡する際の手続についての御質問でございます。
 紀の川フルーツラインは広域農道であり、議員からお話ございましたとおり、県が施工し、一定区間が完成した際には、速やかに市町に譲渡し、市町が管理していく事業となってございます。
 そのため、完成した農道を譲渡する場合には、事前に譲渡先の市町とともに路面や構造物に変状がないか現地調査を行い、必要な修繕を行うとともに、譲渡の条件について十分な協議を実施しているところでございます。
○議長(藤山将材君) 堀 龍雄君。
  〔堀 龍雄君、登壇〕
○堀 龍雄君 御答弁をいただきました。
 それでは、市町へ譲渡後に災害が発生したときの対応についてということでお尋ねをいたします。
 昨年の台風21号で、記録的な豪雨により斜面の崩落が発生しました。ほかの地域で、また地区でも同様な災害が発生する可能性があると考えられます。特に、近年の異常とも思われる気象傾向から、危険度が高まっていると思われます。災害を望みませんけれども、有事のときに県の対応についてお尋ねをいたします。
○議長(藤山将材君) 県土整備部長。
  〔森戸義貴君、登壇〕
○県土整備部長(森戸義貴君) 市町への譲渡後に広域農道が被災した場合の対応についての御質問でございます。
 譲渡後に発生した農道の災害につきましては、施設を所有、管理する市町が災害復旧事業などにより対応していただくこととなってございます。
 市町が実施する災害復旧事業に対しましては、県として必要に応じ技術的な支援を行うなど、できる限りの対応を行ってまいりたいと、このように考えてございます。
○議長(藤山将材君) 堀 龍雄君。
  〔堀 龍雄君、登壇〕
○堀 龍雄君 市町へ譲渡の際には、両方が立ち会い、市町で現地調査を行い、必要に応じて修繕等を行っており、その上、十分な協議をして行ってくれているということで、ありがたいことですけれども、引き受けた市町が今度、維持管理に大変な労力と費用がかさんでいくと思いますので、市町への負担ができるだけかからないように要望しておきます。
 3つ目の項目に入らせていただきます。
 国道480号矢立から大門間の整備についてをお尋ねいたします。
 昨年12月もお尋ねしたんですけれども、高野山に通じる主要道路として、国道480号線と国道370号の2本の路線がありますが、台風21号の大雨によって、国道370号線が九度山駅近くの通称・雨の森のところで崩落し、通行どめとなりました。また、南海高野線も上古沢駅で地すべりが発生し、線路が下がってしまい、電車が通ることができなくなりました。
 その地すべりについては、県当局の早い対応で横ボーリングによる水抜き作業のおかげで地すべりもおさまり、翌年の3月31日に電車の開通となりました。その後も、地すべりが起こらないように対応していただいていることはお礼申し上げます。また、国道370号線についても、6月の出水期までと言われておりましたが、県当局並びに工事関係者の皆様の頑張りで、予定より早い4月20日の開通となりました。あわせてお礼を申し上げます。
 高野町の方にお聞きしたんですけれども、電車の開通だけで不通のときより──不通のときというのは電車が通らないときなんですけれども──3割ぐらいの観光客がふえたよと、そう思いますと言っておりました。その後、国道370号線が開通した今、どのくらいふえておるかもしれませんけれども、ふえておるのは間違いないと思います。
 九度山駅から矢立まで2つの国道があったからこの程度で済みましたが、矢立から大門まで国道480号1本に頼らざるを得ません。もし、この間で地すべりや道路の崩落があれば、年間200万人とも言える観光客が来れなくなり、高野山だけでなく、和歌山県の観光産業が大きな打撃を受けるのは間違いないと思われます。また、生活道路でもある住民の生活環境が困難な状況になります。
 こういうことを避けるためにも、災害時に強い道路の整備が必要と思います。現在のその整備状況と今後の整備について、県土整備部長にお尋ねをいたします。
○議長(藤山将材君) 県土整備部長。
  〔森戸義貴君、登壇〕
○県土整備部長(森戸義貴君) 国道480号高野町矢立から大門間の整備状況と今後の整備についての御質問でございます。
 お尋ねのありました区間につきましては、大型車の対向が困難で、特に交通の支障となる箇所について順次整備を進めてございまして、近年では平成26年度に3カ所計1.4キロが完成してございます。
 現在、3カ所計1.7キロの整備を推進してございまして、そのうち、高野町矢立から大門間の中央付近で整備中の盛り土による道路拡幅工事は、おおむね5割の進捗状況であり、引き続き、周辺で発生する建設残土を有効に利用し、工事を推進してまいります。
 また、大門付近では、世界遺産登録された町石道と近接することから、関係機関との協議を踏まえ、設計を進めてまいります。矢立交差点付近につきましては、昨年度より設計を進めており、今年度より用地取得に着手してまいりたいと考えてございます。
○議長(藤山将材君) 堀 龍雄君。
  〔堀 龍雄君、登壇〕
○堀 龍雄君 残っている部分については、早期の着工を期待しております。
 それでは、2つ目の問題に入らしていただきます。
 国道480号矢立から大門間の間に、急峻で狭隘な箇所については拡幅工事や、屈曲部については線形の改良などの工事が行われると考えられますし、台風やそれ以外でもまとまった季節外れの大雨により、工事箇所の崩落や地すべり等の危険性も考えられます。
 それに対しての対応についてはどうなされておるのか、お尋ねをいたします。
○議長(藤山将材君) 県土整備部長。
  〔森戸義貴君、登壇〕
○県土整備部長(森戸義貴君) 国道480号矢立─大門間で実施しております切り土工部や盛り土工部の対策についての御質問でございます。
 一般的に、道路設計を行う場合には、現地踏査や地質調査を実施し、地すべりやのり面崩壊の有無など、地形の現況について確認をいたします。また、工事に起因する周辺への影響や豪雨等の自然災害を誘発する危険性についても検討した上で、必要な安全対策を計画し、設計を行い、現地着手する、このような段取りとなってございます。
 国道480号の高野町矢立から大門間の事業箇所についても、現地踏査や地質調査などの検討を踏まえ、設計を行ってございます。具体的な対策として、盛り土部については安全な勾配を確保した上で排水対策やのり面保護を施工し、構造物の安定性を確保してございます。また、切り土部についても段階的に切り土を行うなど、のり面の変状の有無を確認しながら、工事中の安全も確保してございます。
○議長(藤山将材君) 堀 龍雄君。
  〔堀 龍雄君、登壇〕
○堀 龍雄君 安全には十二分に注意を行い、工事中の安全性を確保しているという御答弁をいただいておりますけれども、あの盛り土の現場というのは非常に深くて高いものです。
 部長も御存じかと思うんですけれども、今ちょうど半分ぐらいですか、工事が終わっとると思うんですけども、まだ深くて大変な工事だと思いますけれども、いろんな面での調査を行い、設計もしていただいて、丈夫で立派な、崩れないように強い盛り土の工事をしていっていただきたいなと、そう思います。よろしくお願いをいたします。
 3つ目の災害時の代替ルートということで、3つ目の質問に入らせていただきます。
 県当局も十分把握されていると思いますけれども、例えば、京奈和自動車道路の紀北かつらぎインターから国道480号を経由した場合、矢立から大門間の主要国道はこの道路1本となっております。万が一、災害でこの区間が通行不能となったとき、観光バスが通行できる将来的な代替ルートはどこに考えられておるのか。また、その代替ルートにおける事業の状況について、県土整備部長にお尋ねをいたします。
○議長(藤山将材君) 県土整備部長。
  〔森戸義貴君、登壇〕
○県土整備部長(森戸義貴君) 国道480号の高野町矢立から大門までの区間の代替ルートについて御質問を頂戴いたしました。
 お尋ねのありました区間が災害等により通行不能となった場合の代替ルートとしては、現時点では、国道370号と分岐する高野町矢立から紀美野町長谷宮の区間は国道370号を利用し、県道花園美里線を経由して、かつらぎ町花園梁瀬から国道480号で高野山内へ至るルートを考えてございます。
 これらの区間につきましては、現在、国道480号のかつらぎ町花園梁瀬から高野町相ノ浦までの区間及び県道花園美里線において、観光バスの通行が可能となるよう、順次整備を進めているところでございます。
 国道480号につきましては、かつらぎ町花園梁瀬から花園北寺地内の3カ所、計0.4キロメートルの区間及びかつらぎ町花園久木地内の1.6キロメートルの区間の事業を実施してございます。
 また、県道花園美里線についても、紀美野町長谷宮地内及びかつらぎ町花園梁瀬地内において3.1キロメートルの区間を事業中であり、早期完成に向けて推進をしてまいりたいと考えてございます。
○議長(藤山将材君) 堀 龍雄君。
  〔堀 龍雄君、登壇〕
○堀 龍雄君 本当に前向きな計画を立てていただいていることの御答弁をいただきました。ありがとうございます。
 このルートが早く観光バスの通行が可能になるように願っております。と申しますのも、この地域が高野・有田川地域、日本農業遺産に登録していただくように申請をしております。この日本農業遺産は、有田川の清水を利用して、棚田での農作物やいろんなものの栽培をして、きれいな場所でありますし、非常にとうといものであります。
 また、高野山の真言密教にはなくてはならないコウヤマキの栽培をされております。それを含めての日本農業遺産です。皆様の協力を得て達成したいと願っております。この日本遺産登録してから道路の整備というのは、後になろうかと思います。手おくれとなろうかと思います。やはり、日本農業遺産に登録される前に道路の整備をしていただいて、観光客、お客様が本当に来やすいまちづくり、そして、初めから終わりまで、みんなでよかったよと言ってもらえる日本農業遺産にしていただきたいと思いますし、また、地域の方々が住みやすい生活環境になりますようにお願いを申し上げまして、私の一般質問を終わらせていただきます。本当にありがとうございました。(拍手)
○議長(藤山将材君) 以上で、堀龍雄君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩します。
  午前11時43分休憩
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