平成30年6月 和歌山県議会定例会会議録 第3号


平成30年6月 和歌山県議会定例会会議録

第3号(全文)


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平成30年6月
和歌山県議会定例会会議録
第3号
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議事日程 第3号
 平成30年6月20日(水曜日)
 午前10時開議
 第1 議案第98号から議案第110号まで並びに報第1号及び報第2号(質疑)
 第2 一般質問
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会議に付した事件
 第1 議案第98号から議案第110号まで並びに報第1号及び報第2号(質疑)
 第2 一般質問
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出席議員(40人)
 1番 中西峰雄
 2番 秋月史成
 3番 立谷誠一
 5番 前芝雅嗣
 6番 花田健吉
 7番 井出益弘
 8番 宇治田栄蔵
 9番 川畑哲哉
 10番 玉木久登
 11番 濱口太史
 12番 鈴木太雄
 13番 尾﨑太郎
 14番 藤山将材
 15番 尾崎要二
 16番 中村裕一
 17番 岩田弘彦
 18番 中本浩精
 19番 服部 一
 20番 山本茂博
 21番 冨安民浩
 22番 吉井和視
 23番 堀 龍雄
 24番 中 拓哉
 25番 岸本 健
 26番 森 礼子
 27番 谷 洋一
 28番 新島 雄
 29番 岩井弘次
 30番 多田純一
 31番 片桐章浩
 32番 藤本眞利子
 33番 浦口高典
 34番 山下直也
 35番 山田正彦
 36番 菅原博之
 37番 谷口和樹
 38番 奥村規子
 39番 雑賀光夫
 41番 坂本 登
 42番 長坂隆司
欠席議員(なし)
〔備考〕
 4番 欠員
 40番 欠員
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説明のため出席した者
 知事         仁坂吉伸
 副知事        下 宏
 知事室長       宮﨑 泉
 危機管理監      藤川 崇
 総務部長       浦上哲朗
 企画部長       田嶋久嗣
 環境生活部長     山田成紀
 福祉保健部長     山本等士
 商工観光労働部長   山西毅治
 農林水産部長     原 康雄
 県土整備部長     森戸義貴
 会計管理者      中西 淳
 教育長        宮下和己
 公安委員会委員長   溝端莊悟
 警察本部長      宮沢忠孝
 人事委員会委員長   平田健正
 代表監査委員     保田栄一
 選挙管理委員会委員長 小濱孝夫
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職務のため出席した事務局職員
 事務局長       田村公一
 次長         糸川 徹
 議事課長       松山 博
 議事課副課長     山田修平
 議事課議事班長    岸裏真延
 議事課主任      保田良春
 議事課主査      伊賀顕正
 議事課主事      浅田晃秀
 総務課長       田中健司
 政策調査課長     中平 博
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  午前10時0分開議
○議長(藤山将材君) これより本日の会議を開きます。
 日程第1、議案第98号から議案第110号まで並びに知事専決処分報告報第1号及び報第2号を一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第2、一般質問を行います。
 41番坂本 登君。
  〔坂本 登君、登壇〕(拍手)
○坂本 登君 皆さん、おはようございます。
 質問に先立ち、6月18日早朝、大阪府北部地域を震源とする地震により5名が死亡、400人を超える負傷者が出るという大災害に対し、衷心よりお見舞いを申し上げる次第でございます。特に、小学4年生の女児が自分が通う学校のブロック塀の下敷きになった事故は、涙を禁じ得ません。
 自由民主党和歌山県議団を代表して、お亡くなりになられた5名の方々に対し心からお悔やみを申し上げますとともに、おけがをされた多くの方々に対し、深くお見舞い申し上げる次第でございます。
 近い将来、南海トラフによる大地震の発生が憂慮される本県にあっても、今回のこの災害を他山の石として一層気を引き締め、当局とともに対策の強化に取り組んでまいりたいと思います。
 そこで、6月18日に発生した大阪北部地震による本県の影響について、現状認識と今後の対応について、知事の考え方をお伺いするものであります。
 改めて、自由民主党県議団を代表して質問をいたします。
 2006年(平成18年)11月15日、前知事が収賄と競売入札妨害で逮捕されるという、和歌山県政始まって以来の不祥事が起こりました。12月、前知事が辞職、県民はこの事件を通して、次の知事には清廉潔白、誠実、郷土愛に富む知事の登場を求め、12月17日、県民の圧倒的な支持を得て仁坂県政が誕生いたしました。以来3期12年、仁坂知事は誠心誠意、一生懸命県政の改革、改善に取り組み、県民の信頼をかち得てまいりました。
 そして、去る2月本会議におきまして、ぜひもう1期、県政を担当したいと語り、4選出馬を表明されたところでございます。私たち県議会自由民主党といたしましても、この間の仁坂知事の政治姿勢、実績、何よりもその清廉潔白な人柄を高く評価し、来るべき知事選での御支援をかたくお約束申し上げる次第でございます。
 改めて、この間の仁坂県政を簡単に振り返ってみたいと思います。
 当選後の仁坂知事は、県民の期待に背くことなく、前知事の事件の温床となった公共調達制度の改革に全力を挙げ、それまでの指名競争入札を排し、一般競争入札制度を導入、官製談合の防止を徹底的に断行いたしました。その徹底ぶりには、当初、これでは厳し過ぎるのではないかとの危惧や心配の声が上がったほどでした。その後、全国における入札制度改革の流れを見ますと、まさに仁坂知事の改革が正鵠を得た判断であったものであり、新しい時代の公共事業へのパイオニアの役割を果たしたものと高く評価されたものであります。
 経済産業省出身の知事は、個人的なネットワークも生かしながら、本県の産業振興、とりわけ企業誘致には積極的に取り組んでこられました。2006年以降、193件の企業誘致に成功しています。人口減少時代にあって、人口減少に歯どめをかける、あるいは積極的に人口をふやす手段として企業を誘致する、あるいは企業を興すことは即効性があり、最も効果的な施策でございます。
 しかしながら、グローバル化が進み、あわせて全国の地方自治体が激しい誘致合戦をする今日の状況にあって、限られた企業の誘致を図ることは至難のわざであります。知事の幅広い人的ネットワークと、積極的な取り組みが功を奏した結果であります。
 とりわけ、串本町が候補地と報道されましたキヤノン電子を中心とする民間企業によるロケット打ち上げ場の建設が実現のものとなれば、今後の日本経済を牽引する有力な分野の1つであり、県民の喜びと期待は大変大きなものがあります。
 最先端の技術が集積した最も成長性の高い企業として、あるいは観光施設として、さらには関連する事業所の立地など、今後の夢は膨らみます。人口の減少とともに高齢化の比率もすさまじいスピードで進んでいます。地域の活性化は、若者の存在が必要です。とりわけ、本県の場合、その地理的条件におきましても和歌山市における若者の比率は重要な施策課題でございます。
 私も、こうした認識のもと、平成28年2月議会におきまして、若者の声が聞こえる和歌山市の創造を提唱し、和歌山市の大学立地について、声を大にして当局の対応をただしました。もとより、大学の誘致といった課題は一朝一夕にできるわけではなく、私の質問が直接成果に結びついたなどとは思っていませんが、2年を経て和歌山市内への大学立地が4件も発表されましたことはすばらしいことであります。若者が集う和歌山市、若者の元気あふれる和歌山市、和歌山市の活性は、すなわち和歌山県の活性化であります。和歌山市長と息の合った大学誘致の成果は、県民に明るい希望をもたらしました。
 農業振興にも力を入れてくれました。特に、平成27年、400年の歴史を重ねるみなべ・田辺地域の梅栽培が世界農業遺産に認定をされました。梅のブランド力向上や海外販売等に対し、力強いバックアップとなるとともに、生産者の梅生産に対する意欲の向上やプライドを大いに高めることができました。
 県内高速道路の延伸は、長年にわたる和歌山県政の悲願でありました。県民、知事、県議会議員、国会議員、全員が心を1つにして建設推進への歴史を重ねてまいりました。
 そして今日、仁坂知事の代に至り、近畿自動車道紀勢線がすさみ町まで延伸、現在は串本町まで工事中であります。最後に残った串本─太地町間の工事も、平成30年度に事業化されました。並行して、有田インターチェンジから印南インターチェンジまでの4車線化が進められております。
 紀の川沿いに沿って県北部を東西に結ぶ京奈和自動車道が全線開通し、紀の川流域から関西国際空港や大阪都市圏への時間距離は飛躍的に短縮され、この地域の発達ポテンシャルが一気に顕在化しました。こうした結果、高速道路の供用率はおおむね8割に達し、全国平均にまで引き上がりました。観光に産業振興に、何よりも県民の利便性が格段に向上したこと、念願の高速道路体系の整備の進捗をともに喜びたいと思います。
 南海トラフ巨大地震への備えは、喫緊の課題でございます。津波が来たら逃げ切る、そのためにはソフト・ハード両面からの対策が必要であります。
 平成23年、東日本大震災や紀伊半島大水害の発生を教訓に、仁坂知事は従来の防災・減災対策を一から見直し、新たに津波の浸水地域や避難困難地域を明らかにし、具体的な対策を取りまとめるとともに、ハード面におきましては和歌山県国土強靱化計画を策定、その整備を進めております。
 いつ来るかわからない災害、どの程度の規模か予測がつかない自然災害、その備えは地道に不断に備えなければなりません。国と太いパイプを持つ仁坂知事の手腕に期待するところでございます。
 観光は、本県の主要産業でございます。高野・熊野世界遺産への注目度は、特に外国人の関心が高いようであります。2000万人を超える海外からの観光客は、2020年の東京オリンピックに向けて4000万人の入り込み客が見込まれます。海外の観光客にとって、世界遺産は最も興味のある観光資源であろうと思います。平成28年度には、これまでの登録に加えて、田辺闘鶏神社や高野山に至る黒河道など、新たに22地点が追加登録されました。紀南地方の日本ジオパークの認定とともに、新たな観光資源として期待が高まります。
 一方で、県は、住民の要請を受け、景観を阻害する廃墟を強制撤去できるという、いわゆる景観支障防止条例が制定されました。ある意味、個人の財産に及ぶこうした条例の制定は、また抵抗も大きいものと思いますので、その決断に敬意を表するものでございます。今後の本県の観光振興を考えるとき、こうした思い切った制度の創設は、必ずや後に高く評価されるものと思います。
 平成27年の紀の国わかやま国体の成功は、今もなお鮮明に記憶に残るところでございます。
 仁坂県政3期12年の主要な歩みを簡単に振り返ってみました。私は、仁坂知事は十分その職責を果たし、真面目に一生懸命県政に取り組み、確実に実績を積み重ねてきているものと確信をしております。
 しかしながら、県政に残される諸課題は、今なお数多く見受けられます。少子高齢化や過疎化は、予想を上回るスピードで展開するかもしれません。積極的な移住政策、医療や福祉の充実、若者とりわけ女性の活躍支援、少子化対策と子育て環境の整備、教育・スポーツの振興、林業の衰退を背景に集落の崩壊が急激に進む過疎地の対策など、県政を取り巻く課題は山積しております。仁坂県政の一段の頑張りと取り組みを期待するところでございます。
 本年11月ごろには、知事選がございます。私は、仁坂知事には、これまでの実績を踏まえ、残された諸課題に果敢に取り組み、元気な和歌山、安らぎの和歌山を目指し、粉骨砕身、県政の総仕上げに取り組んでいただきたいと期待をするところでございます。改めて、知事の決意のほどをお聞かせ願いたいと存じます。
 質問二つ目は、農作物の海外展開についてでございます。
 私は、農業の振興なくして地域の発展なしとの信念に基づいて、これまでもさまざまな角度から農業の振興を訴えてまいりました。特に、私の地元日高地方は、主力農産物である梅の振興に関しては、平成27年に世界農業遺産に認定されるなど、生産者と行政が一体となった取り組みが大きな実を結びつつあります。
 和歌山県は、本当にさまざまな農産物に恵まれています。ミカン、桃、柿、梅などの農産物は、既に全国レベルでの評価を得て、サンショウなどの特産品に至っては国内の圧倒的なシェアを占め、既にフランスを初めとする海外にも積極的に輸出されております。
 一方、我が国を取り巻く情勢はと申しますと、世界は我々の予測をはるかに超えるスピードで国際化が進んでおります。日本を訪れる外国の観光客は、今や2000万人を超え、東京オリンピックが開催されますと、2020年には4000万人の入り込み客が予想されます。日本の製造業の海外進出は既に皆様もよく御承知のとおりであり、海外の生産、販売にその活路を見出しています。人々の交流に、企業の海外進出に、目まぐるしい大転換期を迎えております。
 国内に目を転じますと、日本の人口は1億2000万人をピークに減少しています。あわせて、戦後のベビーブームで誕生した現在70歳前後の方たちが高齢化を迎える後20年ほどは、急速な高齢化が見込まれています。こうした内外をめぐる大きなうねりの中で、農産物の生産とて例外ではありません。国内市場だけを対象としていたのでは、その規模は縮小するだけであります。
 では、農業の振興はどう考えればいいのか。私は、1つの考えとして農産物の海外展開を主張しています。地球規模で見て今後とも人口の拡大が見込まれる地域、すなわち農産物の需要の拡大が見込まれる地域は、アジアとアフリカということになるでしょう。そのアジアに位置する私たちは、最も身近なマーケットとして、中国や東南アジアの圧倒的なエネルギーをどう活用するのか、できるかに今後の農業の盛衰がかかっていると言っても過言ではありません。
 私は、常日ごろから主張する「地産外商」の戦略であります。私は、先日まで、本県議会を代表して関西広域連合議会議員並びに理事として務めてまいりました。本年3月に開催された広域連合の会議におきましても、私はこのことについて熱を込めて訴えてまいりました。
 すなわち、関西には、アジアは言うに及ばず世界と24時間直結する関西国際空港が存在すること、加えて、関西国際空港を中心に三重県、四国までを含む関西周辺地域は、そのほとんどが高速道路で結ばれ、既に高速道路ネットワークができ上がっている。見方を変えれば、そこには既に多様な大規模な農産物の大供給圏が存在すること。さらに、相手市場に対し年間途切れることなく出荷するには、1つの府や県だけでは無理がある。関西広域連合が一体となって共同して海外のマーケット調査を行い、それぞれの府県が最も得意とする農産物を計画的に供給し合うことで周年出荷が可能な農産物の輸出拠点をつくり上げ、そのことを通して関西農産物のブランド力を高め、他産地との輸出競争力を勝ち抜こう。農産物は、鮮度が命であります。海外展開となりますと、その輸送技術が最も重要となってまいります。そのために、加工、輸送技術の改善、開発に各府県が共同出資し、1つの組織をつくって全力で取り組もうではないですか。
 こうした私の主張に対し、広域産業振興局、農林水産部を担当します和歌山県知事からの答弁がありました。答弁の要旨は、次のとおりであります。
 国内市場が縮小する中で、海外に販路を拡大していくことは非常に重要な視点である、関西国際空港が重要なキー施設になるという認識はそのとおり、関西国際空港に近接した食品輸出・加工のための施設は必要な施設である、ただし、輸出用の施設として平成27年度には民間による大規模な低温保冷倉庫が完成し、現状は収容能力に余裕がある、輸送技術開発のための推進組織については、現状は各府県、自分のところの得意な輸出農産物について、それぞれ研究開発に努力している、今後、共通するテーマがあれば、関西広域連合として共同で取り組んでいきたい、この分野は、和歌山県の知事が担当知事であり、各府県と綿密な連絡をとり合い、ぜひうまくいくよう頑張っていきたいとの答弁がありました。
 関西各府県、それぞれの農業施策に腐心しているところでありますが、農業比率の高い本県は、特に農業施策がうまくいくかどうかによって県勢にも大きな影響があります。関西広域連合の担当知事としてではなく、和歌山県の知事として、改めてこの問題に対する認識をお伺いするものであります。
 以上で、私の質問を終わります。
○議長(藤山将材君) ただいまの坂本登君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 6月18日に発生いたしました大阪府北部を震源とする地震について、まずお答え申し上げます。
 大阪府では、最大震度6弱を記録し、5名のとうとい命が失われるとともに、多くの家屋が被災しました。お亡くなりになられた方の御冥福を心からお祈り申し上げますとともに、被災された方々にお見舞い申し上げたいと思います。
 本県では、海南市を初めとした10市町で最大震度3を記録いたしましたが、人的・物的被害はありませんでした。ただ、多くの県民が地震による交通支障によって、大きな影響を受けたと思います。
 県では、地震発生後、直ちに危機管理局による情報収集体制をとり、被害情報の収集に努めると同時に、被災地への支援準備を行いました。早速、支援体制を整え、派遣準備をしていましたけれども、要請があったのは応急危険度判定士と日赤だけでございました。
 現在、本県からは応急危険度判定士2名、派遣さしていただいておりますが、日赤和歌山支部より医療救護班を、これは当日ですけれども、被災地に派遣をしたところであります。
 本県は、中央構造線断層帯による直下型地震だけではありませんで、南海トラフ巨大地震、あるいはそこまでいかなくても南海トラフに起因するような大地震においても、県内のほぼ全域が大変な震度の地震を受ける。特に巨大地震においては、県内のほぼ全域が震度6以上と非常に激しい地震動が想定されております。
 地震から命を守るためには、住宅の耐震化、家具固定、ブロック塀の安全対策が大変重要でありまして、住宅や大規模建築物の耐震化については全国トップクラスの補助制度を用意するとともに、家具固定やブロック塀の安全対策についても、わかやま防災力パワーアップ補助金により市町村への支援を行ってまいりました。
 今回の地震で犠牲になられた方々の状況を考えると、家具の固定とブロック塀対策が十分でなかったことが致命的な原因であったと改めて認識しております。このため、主要通学路のブロック塀について、危険な箇所がないか学校サイドで点検をしてもらって、懸念があれば建築基準法を所管する、建築確認を所管する県庁に報告するよう指令を出したところであります。
 また、一方、学校周辺以外のところでも危険箇所がある可能性がありますので、これは市町村に対しまして、例えば町内会等に協力してもらってブロック塀の安全性を確認し、その結果を県に報告すると同時に、家具の固定化についても改めて徹底することを依頼したところであります。
 今後とも、県民の命を守るために、より一層地震対策を推進してまいる所存でございます。
 次に、坂本議員の、和歌山県の残された諸課題に取り組み、県政の総仕上げに取り組んでいただきたいという御期待にお応えいたしまして、知事の決意のほどを述べよという御質問にお答え申し上げたいと思います。
 私は、去る2月議会におきまして、山田正彦議員の御質問にお答えいたしまして、もう1期県政を担当さしてもらいたいと、この秋に行われる知事選挙への出馬を表明さしていただいたところでございますが、今また坂本議員から、私の知事としての和歌山県政に対する貢献について、さまざまな分野について過分の御評価をいただき、まことに感謝をしております。
 議員の御発言をお伺いしながら、あれもあったなあ、これもあったなあとさまざまな思いが心に浮かびまして、感無量の気持ちであります。もちろん、議員がお挙げになった全ての事柄は、私1人の力でできることではありません。歯を食いしばって困難な仕事を1つ1つ実現していってくれた県の職員の功労によるところも大きいと思いますし、常に政策論で大いに議論を交わし、時には御批判も賜りながら御指導もいただき、一緒に車の両輪として県政を引っ張っていただいた県議会の御活躍も高く評価されるべきだと思います。
 また、いつも和歌山のことを御配慮くださっている県選出の国会議員や、力を合わせてさまざまな政策を進めてきた市町村長さん初め市町村関係の皆様や、県の施策に乗じて一生懸命働いてこられた県民の皆様の御奮闘にも感謝を申し上げなければなりません。
 この12年間を振り返って和歌山県はどう変わったかなと自分なりに評価をいたしますと、大きく言うと新たな経済発展のための、個々の県民の皆さんにとっては活躍のための条件が大分整備されてきたかなと思っています。インフラの整備がそうでございますし、公共調達制度、景観条例などの制度、あるいは産業振興の制度、農林水産業の方々のための振興策などがかなり整備されてきました。
 また、県民みんなの心配事であります地震・津波対策、浸水対策などの防災対策、子育て、教育、医療福祉などの政策の整備も大分進んでまいりました。坂本議員御発案の世界農業遺産を初め、世界遺産に加えて日本遺産、ジオパークなどの称号も今後の観光産業の発展に役立ってくれるものと思います。また、幾つかの大学もようやく和歌山で開業してくれるようになりました。あとは、このようなよりよくなった条件の上で県民の活動が実を結ぶのを待つばかりということなのでございますが、さまざまな状況はそれほど楽観を許さないのであります。
 まず、過去長い間の人口流出による高齢化の進展であります。その結果、当然、当分の間は人口が大いに減少しますし、さまざまな対策に要する社会的コストも大きなものになっていきます。ようやく広がってきたビジネスチャンスに果敢に挑戦してくれる若者の数が少なくなっているということもつらいことであります。
 2つ目は、世界情勢、日本情勢がどんどん変わっていってるということであります。その結果、一例を挙げますと、企業誘致を目指して頑張ってまいりまして200近い企業に投資をしてもらえることになりましたが、巨大投資案件には恵まれませんでした。今や我が国では、特に製造業については大きな投資プロジェクトが極端に少なくなってきているのであります。
 しかしながら、不利なところ、つらいことばっかりをあげつらっていても仕方がありません。言いわけをしているのが私の知事の仕事ではありません。与えられた状況の中で最善の結果を出そうと頭を絞り、動き回り、努力をしなければならないと覚悟をしております。
 また、ある面から見ると不利な環境は、別の面では有利な環境となっている場合もあります。世界の所得が上がっているわけですから、和歌山のおいしい農産物は、海外市場に雄飛するチャンスが大いに広がっております。観光客も、国内客のみならず海外客もどんどん拡大するチャンスがあると思います。製造業の投資がそれほど期待できないといたしましても、IT産業、ロケット基地、IR、観光産業などはまだチャンスがあると思います。大学も発展し得る数少ない可能性のある学部に傾倒して成果を上げつつあります。
 若者の数が少ないのなら、その少ない若者に思い切り活躍してもらうとともに、まだ発揮されていない女性の力や中高年の力も最大限に引き出していくような政策を考えていかなければなりません。
 このような考え方のもとに、昨年、議会議決をいただきました和歌山県長期総合計画の目指す「世界とつながる愛着ある元気な和歌山」を実現するために、改善されてきた諸条件を生かして和歌山県が精いっぱい発展していくように、知事としてあらゆる努力をしてまいりたいと存じております。
 その努力は、そうたやすく実を結ぶものではありません。さまざまな問題も懸念も発生すると思います。懸念を捉まえて批判をする人もいるでしょう。しかし、批判をしているだけでは、衰退に歯どめはかけられません。批判の中にある真実に耳を傾ける謙虚さを持ちつつ、その問題を解決する解を一生懸命見出しながら、和歌山県の発展のため、県民の皆さんとともに全力で前へ進んでいかなければなりません。そういう決意で頑張りたいと思います。
 県議会におかれましても、今後一層の御指導、御鞭撻を賜りますようにお願い申し上げます。
 次に、農産物の海外展開についてでございます。
 議員御指摘のとおり、人口減少と急速な高齢化により国内市場が縮小する中で、農産物の海外への販路開拓は非常に重要であると認識しております。
 本県では、JAグループ和歌山やジェトロなどと連携し、柿の輸出が解禁になったばかりのアメリカへ全国に先駆けた輸出を行ったほか、香港、マレーシア、シンガポールで梅酒づくりの実演を交えた青梅の販促活動を展開するなど、主要県産果実の輸出に向けた取り組みを積極的に進めているところでございます。
 実際の輸出に当たっては、果肉がやわらかく高品質な本県産の桃などは、関西国際空港やそれに近接する大規模な低温保冷倉庫は大きな武器となり、大いに活用すべきであると認識しております。また、輸送技術の研究開発については、現在、県の果樹試験場と果樹試験場かき・もも研究所が、温州ミカン、柿及び桃について、大学や他県と共同で輸出促進のための輸送技術の研究に取り組んでおり、本年度は香港やシンガポールへの実際の輸送試験を実施することとしております。
 県としては、引き続き本県産農産物の輸送に必要な技術開発に取り組むとともに、本県農産物の品質や産地の情報などを大いにPRし、新たな需要の掘り起こしと販路の拡大に努め、議員御提唱の地産外商の推進に積極的に取り組んでいく所存でございます。
○議長(藤山将材君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(藤山将材君) 再質問を許します。
 坂本 登君。
  〔坂本 登君、登壇〕
○坂本 登君 答弁ありがとうございました。力強い決意を聞かせていただきまして、心強く感じました。頑張ってください。私も一生懸命頑張っていきたいと思います。
 これで、私の質問を終わります。(拍手)
○議長(藤山将材君) 以上で、坂本登君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 24番中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕(拍手)
○中 拓哉君 皆さん、おはようございます。「なかなか頑張る中拓哉」です。
 質疑・一般質問としては登壇22回目です。42歳の初々しい藤山議長のお許しを得ましたので、順次質問いたします。
 開会日の坂本先輩の追悼演説にもあったとおり、泉正徳議員の優しいあの人懐っこい笑顔の見られないことの寂しさが、今もこの胸を去りません。お花も飾っていただいてますけど、改めて御冥福をお祈り申し上げたいと思います。
 また、昨晩、皆さんテレビでごらんになったと思います。第21回サッカーワールドカップ・ロシア大会、1次リーグH組で世界61位の日本が16位のコロンビアに2対1で勝つという、前回の雪辱を果たしたということで、非常に喜ばれたんではないでしょうか。アギーレ監督の八百長のことがあったり、ハリルホジッチ監督がやめたり、いろいろ冷や冷やしましたけども、今回、1次リーグ突破へ踏み出したんじゃないかなと期待したいと思います。
 それでは、質問に移りたいと思います。
 毎回、質問の冒頭、必ず知事の折々の政治姿勢をただしてまいりました。現下の話題であります統合型リゾート・IRに関してお尋ねします。
 マスコミ報道では、カジノを含む統合型リゾート・IR整備法案、正式には特定複合観光施設区域整備法が、昨日ですか、衆議院で可決、参議院に送付、成立の可否は会期延長の幅から予断を許さずとのことでございます。
 さかのぼること1年6カ月前の平成28年12月、議員立法のカジノ解禁法案、これも正式に言いますと特定複合観光施設区域整備推進法の採決では、我が公明党では賛否が分かれまして、国会議員60人のうち、賛成が41人、反対が18人、棄権が1とおおむね7対3の比率となりました。誘致に熱心な地域を抱える議員は賛成してて、そうでない地域の議員はやはり刑法の賭博罪の関係からか、反対の傾向だったんではないかなと私は推察します。
 今回のIR整備法案は政府の閣法で、かつ我が党の石井国交大臣が所管なので、当然賛成となります。
 仁坂知事は、従前より神奈川県、沖縄県等と3県でカジノエンターテイメント研究会、和歌山県、その前からつくってたということもありまして取り組んでこられ、その後、基本構想をデロイトトーマツに手伝ってもらいながら、5月8日の今回の基本構想の発表となりました。
 5月19日のシンポジウムには、残念ながら党の会合と重なったため私は参加できませんでしたが、1月15日のIRシンポジウム、県と市と商工会議所と推進協議会の共催されたこのシンポジウムには参加し、IR形態の多様性やIR制度設計の方向性、また地方型IRの必要性など、バリエールグループ・カジノ開発ディレクターのジョナサン・ストロック氏らの話も聞いてまいりました。基本構想を読む限り、経済面の効果は絶大のようであります。
 一方、課題と対策として書いてらっしゃるギャンブル依存、破産リスク、治安の悪化、反社会的勢力の介入、マネーロンダリング、未成年者への悪影響なども記述がございます。
 参院で可決・成立することを前提に、そこで大事なのは今後のスケジュールではないかと思います。
 去る6月10日のテレビ和歌山の「きのくに21 知事と語る」を見ておりましたら、司会の笠野さんに説明する知事の発言の中に、「基本構想を事業構想にしていくことになりますね。それで我々は事業者の選定に入ります。で、事業者の選定が終わったら、その事業者と一緒に事業計画をつくるわけです」云々と、知事の発言がございました。
 しかし、私、聞いてて違和感を覚えまして、県が示した和歌山県IR基本構想と見比べながら確認しましたら、37ページには今後のスケジュールとして、事業構想や事業計画といった知事の発言の文言は見当たりません。いただいた基本構想が、知事さんが正しいということであれば、このもらったのが間違っているのかな、そういうことでお尋ねしたいと思います。
 また、5月8日に示された基本構想には、今後のスケジュールのページには、RFI・投資意向調査の実施に続いて基本構想の策定、そしてコンセプト募集の実施と、このように5月8日、私たち県会議員に配っていただいたのにはありました。基本構想だといって受け取っているのに、まだ基本構想策定、まだつくるんかいなあと疑問に思ってましたら、先ごろ手にした印刷された小冊子の基本構想には、くだんのところは今後のスケジュールの記述が「基本構想の改訂」、「策定」から「改訂」にと変更されておりました。
 また、よう見てみますと、この小冊子の19ページには写真が入れかわっておりまして、マリーナシティの風景写真が追加されております。5月8日に発表された基本構想が次々ころころと変わってきております。変更するにはごもっともな理由があろうかと思いますので、あわせてお答え願いたいと思います。よろしくお願い申し上げます。
○議長(藤山将材君) ただいまの中拓哉君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) IR整備法案によりますと、国土交通大臣が示す基本方針を受けて、誘致自治体は実施方針を策定し、その後、民間事業者を公募、選定した上で区域整備計画を作成し、国へ申請するとされております。
 さきの「きのくに21」で説明した用語については、議員の御指摘のとおりでありまして、実は法案提出以前から庁内で何度も議論を重ねてきた際に使っていた表現をついつい思い込んでおったもんですから、使ってしまいました。法案は、今申し上げましたような用語になっておりますので、不正確な言葉遣いをしたことを大変恥ずかしく思っております。
 今後は正確な用語で説明してまいる所存でありまして、御指摘にお礼を申し上げたいと思います。
 また、基本構想の策定については、現在募集している投資意向調査(RFI)を終え次第、再度いただいた提案などを盛り込んだ、改訂された、いわば第2次の基本構想を取りまとめる予定でございます。この作業も、改訂された基本構想の策定ではあるんですけれども、基本構想の改訂と言ったほうがよりいい言葉かなあというふうに考えましたんで、そのようにいたしました。
 次に、基本構想19ページについての御指摘がありました。
 この基本構想は、1回発表したやつなんですけども、それを県選出の国会議員にも説明にお伺いいたしました。直接、私が浮島智子議員のところに行って御説明いたしましたら、浮島智子議員からアドバイスがありまして、絶景の宝庫として日本遺産に認定された和歌浦湾に位置する和歌山マリーナシティの美しい景観を具体的にお示ししたほうがよいというお話があったので、なるほどと思い、そのように追加さしていただいたところであります。
○議長(藤山将材君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 ありがとうございます。テレビ見てる方は、知事さんが非常にわかりやすくおっしゃってくれるんで、あの「きのくに21」は効果絶大だと思います。去年ちょっと、知事さんの発言がぶつぶつ切れて非常に聞きにくかった番組もあったんで、そのことを指摘したら何回か再放送でやってくれたということで、かえってよかったということもあるんかわかりません。
 そういう意味で、知事さんの発言というのは非常に重要やと思いますし、また、えてして行政用語がかたいんで、わかりやすく言うということは僕はありやと思います。その使命が役人やなしに政治家にもあるんだと思いますんで、その点は同意しますけど、やっぱりちゃんとした言葉を使って、ほんでわかりやすく言うというのが正確やと思いますんで、よろしくお願いします。
 そして、今、浮島さんが言うたから和歌浦の風景したんやということで、それはそれで僕もええことやと思うんですけど、ただ、これをこっちのペーパーといいますか、カラー印刷のほうを5月8日に県からいただきました。これが基本構想なんやな、基本構想の位置づけがどういうもんかわかりませんけど、そうやなと思ってたら、たまたまうちの多田さんが手配してくれた勉強会でいただいたのがこういう立派なもんになってました。そうすると、申し上げたように変わってるところがあると。じゃ、一体何なんよと。恐らく議員さんの中には、まだこの後のほうの、もうてない部分もあるかと思いましたんで、ちょっと文字のことなんかは、そんな細かいこと言うなという御意見もありますけども、やはり文字1つ1つで進みますもんですから、基本構想というててもうてんのに、また基本構想をつくる、これ何よというふうに思った次第でお尋ねしたし、私も指摘さしてもらった関係で直ったんかいな、多少はそんなことも思っております。
 いずれにしても、これからどんどん皆さんにわかってもらわなあきませんので、丁寧な説明のほどをよろしくお願い申し上げます。
 また、IR、これもインテグレーテッドリゾートという英語からなんですけど、昔、数学でインテグラルの積分記号で随分悩まされました。そういう関係からも拒否反応が起きるんです。
 また、リゾートという言葉にも悪夢がよぎります。年期の古い先輩議員なんかが御存じかと思います。あるいは下さん初め幹部職員さんなんかは御存じかと思いますが、“燦”黒潮リゾート構想というのが和歌山県でございました。総合保養地域整備法いわゆるリゾート法に乗りおくれまいと、本県も特定地域として7つの地域の指定を受けております。今となっては、宮崎のシーガイアや四国のレオマワールド、あるいは勝浦のグリーンピア南紀などの名残の建物が姿を残しておりますけれども、皮肉にも今回、カジノを誘致しようと名乗りを上げているのが、当時リゾート法で7地域にも選ばれた、海洋都市型リゾート空間創出とうたわれたマリーナシティなのであります。
 当時の県議会議事録を読み返しますと、知事さんほか幹部の答弁では、投資額数千億円、一部には9000億円という表現もありましたけど、雇用創出数万人と、バラ色の未来が描かれておりました。不幸中の幸いなのか、当時のマリーナシティの構想が頓挫したことによりまして今回そこに空き地があるということで、今回カジノの誘致に道が開けたという一面もあります。
 今国会で成立が待たれるIR整備法が国会に上程された折に、いろんなところから心配の声があるわけですけど、和歌山弁護士会からは山下俊治会長名で本県和歌山市への誘致反対の表明書が、県にも届いておりますでしょうし、私ども議員のもとにも届きました。その中で、弁護士会の文書で指摘してくれてる中には、県が示した独自の対策、すなわち上限額設定のチャージ式IRカード、あるいは依存症対策専門員の配置、ドレスコードの設定など、評価を寄せるところがあるものの、入場制限7日で3回、これは法律で書いてるわけですけど、入場制限の7日で3回はもう既にギャンブル依存の状態やと、入場料6000円では抑止にならないなどの疑問が寄せられておりますので、こういった声明に対する知事の所見をお伺いしたいと思います。
○議長(藤山将材君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 和歌山弁護士会の会長声明については、過去から本県へのIR誘致に反対の立場を表明されているんで、その一環かなというふうに認識しております。
 その上で、IR誘致について懸念材料があることはよくよく承知しておりまして、県としても反対されている理由をよく理解し、対応していかなきゃならないというふうに思っております。
 しかしながら、IR誘致について少しでも反対の意見があれば、県の将来的な成長の要因となるチャンスを失ってもよいのかというと、そうではないだろうと思います。例えば、IRの投資があり、そしてそのIRができて運用されていくと、もちろん直接的な雇用はあるし、それに対して派生的な需要がいっぱい発生して、それでもって多くの人が所得を得て生活ができ、人口抑制にも歯どめがかかるというような要素は否定できないことだというふうに思います。
 弁護士の仕事にせよ、他の県民の事業活動にせよ、地域が衰退して人口が減ってしまったらどんどん難しくなるというのは自明のことであります。しかし一方、成長戦略に必要だからといって副作用的な弊害をないがしろにするのは、もちろんいけないわけでございます。こうしたことから、IR誘致によりもたらされる両側面をよく考えて、弊害には必要な手当てを施して、それを除去しながら将来の和歌山県の発展のために効果的な方法に挑戦していくのが私の責務、職責かなというふうに思っております。
 IR誘致に反対される方々に対しては、引き続きこうしたことを丁寧に説明をしていかなければいけないというふうに考えているところであります。
○議長(藤山将材君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 引き続きよろしくお願いします。
 それで、その一環で、マリーナシティの属する和歌山市の議会においても、この件について活発な議論が展開され、私ども公明党の堀良子議員の質問に尾花市長は、この法律にあるところの市の同意には市議会に議決を求めるという答弁でございました。議会同意が必要とするこの尾花市長の答弁に対する知事の感想もお聞きしたいですし、地元自治体が誘致しているという、そういう意思を確かなものとする上で、住民投票に諮ることも一案ではないかなと私は考えます。
 憲法95条には、一の公共団体のみに適用される特別法に対しては住民投票で過半数の同意が必要、このように憲法規定がございます。国の区域認定を受けることは、ここで言うような住民投票の必要な特別法の適用ではもちろんありませんが、認定を受けようとする意思の有無を明示する上で、首長や私ども議会といった為政者が判断するのに参考となるような仕組みも必要と考えまして、この際、諮問型の住民投票を実施する価値のある、これは重大なテーマだと私は考えます。諮る時期は、既にもうあなたの4選の後かと思いますけども、御意見をお述べいただけたらと思います。
○議長(藤山将材君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) IR整備法案では、県と民間事業者が共同で区域整備計画を作成する段階におきまして、立地市町村に協議するとともに、公聴会の開催やパブリックコメントの実施など住民の意見を反映する措置を講ずるよう義務づけられております。さらに、区域整備計画を作成し、国土交通大臣に区域認定の申請を行うに当たっては、立地市町村の同意を得た後、県民の代表である県議会の議決を得るということになっております。
 これらの手続を通じて、立地市町村や住民も含めて、地域における合意形成が十分図れるよう措置されてるわけでございます。これだけ地域の住民の意見を聞く手法が事細かく決められている中で、さらに住民投票の実施を行えというのは、私はちょっと奇異に思います。そこに定められている首長や議会がその法律に従った責任をきちんと果たすべきことであの問題は解決されるんで、もしそうでないと言うんなら、何のために首長が選ばれて議会の議員が選ばれているのかということにもつながるんではないかというふうに思います。
 また、和歌山市長の答弁についてつけ加えさせていただきますと、法案においては、立地市町村の同意について議会の議決を妨げないとまで明示されております。市長が求めれば議会の議決を経る手続にしたらいいんじゃないかというようなことを、わざわざ書いてあるわけでございます。尾花市長は議会の意見を聞くことが適当と判断されたものであり、私はこれはよい判断ではないかというふうに考えております。
○議長(藤山将材君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 ありがとうございます。
 今の知事のロジックをかりますと、二元代表制で知事も議会もあると。また、議会においては多数決で決まるんですけども、このパブリックコメントであるとか住民代表の意見を集約するという仕組みは、法律には確かに書いております。それで責任ある選挙で選ばれた議会が決め、知事が決めて進むというのは、もう至って当たり前のことです。
 今おっしゃった理屈でいうとそれで決めたらいいんですけど、その法律の趣旨からいくと、尾花市長も自分で決めたらいいんです。しかし、尾花市長は、先ほどおっしゃったように、地方自治法のところに書いてる議会の同意を得ることを、この法律の中でもつけ加えてええよというふうに書いてるから、それをするんだ、わざわざせんでもええことをするよということは、そんだけ丁寧に進めるということで、議会の同意を得てるわけです。
 その理屈を一歩進めていくと、何も住民投票で決着をつけたいと言ってるわけではありません。住民投票の結果を見て、それを参考にしてやはりしたら、より以上、国に対して、区域の指定を受け、これを認めてもらうにおいても力強いもんになるんではないかな、かように思うたんで、この際どうかなと。
 まあ、何でもそうやと思います。原子力発電所の法律なんかも通ってますから誘致してるんですけど、しかし、地元においてはいろんな反対運動があります。日米安全保障条約で、日本の国を守る上においては非常に大事な条約やというても、沖縄では基地の反対の問題が、やっぱり局所局所においては起こりますもんですから、そういうことの懸念を払拭するという意味において私も提案させてもらったんで、引き続きこの件については私も勉強してまいりたいと思います。
 また、この法律、250条からあるやつを読みましても、協議会ということも堂々と書いてるんですね。まず協議会というのを置きましょうと。協議会を置いて、公安委員長、公安委員会、あるいは地方自治体の首長、あるいは──そこにもまた住民と書いてます──住民、学識経験者、関係行政機関、その他首長が認める者。ほんで、民間事業者が決まったら民間事業者も中へ入れて協議会をつくっときなさいよと書いてます。「つくることができる」やからつくらんでもええということですけども、わざわざ法律が予定してるんですから、もしこの際、これから法律通った後で和歌山県が真剣に取り組んでいくということをより確かなものとするんであれば、やはり協議会をおつくりになるのも1つの道かなと思いますんで、提案させてもらいます。
 次に、事務事業の適正化についてお尋ねします。
 5月22日の記者発表に伴って、実は浦上総務部長からお電話をいただいて、財政課のミスで国の交付金の一部1600万円を受け損ねました、申しわけないですと、こういった旨の電話でした。詳しいことは聞きませんでしたが、済んだことは仕方がない、財政課なら1600万円の損失の挽回なんかできるでしょう、ドンマイ、ドンマイ、そんなお電話をした次第でございます。
 その後、資料提供で、もらい損ねた分は一般財源を充当とのことです。処分はどうなのかなと思って調べてみますと、故意や重過失でもなく非違行為にも該当しないので懲戒にならない──知事からはきつい注意があったようでございます。
 それで、思いました。12月議会で私質問した、教育委員会の職員のふるさと選手派遣補助金の不適正処理においては、懲戒処分の対象の──これはフェンシング協会のお金ですから公金ではないんですけど、公金の不適正処理には当てはまりません。そういったフェンシング協会の私的なお金の処理にもかかわらず、教育長は停職6カ月の重い処分を下しました。
 適用拡大じゃないのかとただしたところ、教育長からは、地方公務員法29条1項3号の全体の奉仕者たる公務員にふさわしくない非行であり、同じく地方公務員法33条の信用失墜行為に当たるという答弁でして、県や教育委員会が決めた処分規定では直接はないけども、地方公務員法の目的の表現から処分できると、こういった答弁でございました。
 日を置かず、橋本市役所では、昨年6月のボーナス支給の折、源泉徴収しそびれるミスがありまして、3169万円の納付漏れを追納し、それに伴う延滞税と不納付加算額198万円、これを粉河の税務署に納めるわけですけど、市の予備費を充当しているとのことでした。同じく職員に故意、過失がないために、弁償には及びませんし、処分も懲戒処分といったことではないようです。
 しかるに、平木市長は、市財政に大きな損失が出たことに責任を感じ、政治的なけじめをつけたいとして、自身の給料と副市長の給料7月分を全額カットする条例を提出したそうでございます。2人合わせても137万円なので、市の損害額にはまだ60万円足らん、不足してるわけですけど、市民へのおわびの気持ちだ、それを示したいという平木さんのコメントでございました。
 今回の財政課のミスのてんまつとともに、平木市長のこういった態度に関する知事の感想をお聞きしたいと思います。
○議長(藤山将材君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) このたびの地方創生推進交付金の実績報告誤りについては、県政に対する県民の皆さんの信頼を損なうものであり、深くおわびを申し上げる次第でございます。
 本件については、本年4月に内閣府に対して行った当該交付金の交付対象事業に係る平成29年度分の実績報告において、職員の事務的なミスにより1600万円の実績報告漏れがありまして、この結果、平成29年度決算における当該交付金収入が同額減少し、それを一般財源から充当することになったものでございます。
 原因は、第1に、担当職員の表計算ソフトの計算式に対する理解不足、第2に、短い締め切りの中で異なる職員によるチェックがきかなかったということであろうかと思います。
 私としては、本件を厳粛に受けとめまして、まず事実を県民の皆さんに公表し、陳謝するとともに、職員一人一人が常に緊張感を持って事務処理に取り組むよう厳しく注意喚起するとともに、今後二度とこのような事案が発生しないように、異なる職員によるチェック等を徹底させたところでございます。
 議員御指摘の橋本市で発生した源泉所得税の納付漏れに係る事案に対する平木市長の対応については、これは市長のお考えでありまして、私からのコメントは差し控えたいと思います。
 一生懸命仕事をしていても、ミスは起こり得るものでございます。故意や重大な過失があればまた違った対応をしなきゃいけないということでございますが、本件のような事案についてはミスを素直に認め、二度とこういう事案を起こさないようにすることがトップの責任であると私は考えます。
 今後とも再発防止に努めていくとともに、県民の皆さんからの信頼を挽回できるように、県政の推進に全力で取り組んでまいりたいと思います。
○議長(藤山将材君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 ありがとうございます。私も一連のミスの経緯を聞きましたら、気の毒なというか、一生懸命やってるわけですから、またその上の人も一生懸命やってるわけですから、そんなに処分、処分、処分でびびらしてやるような仕事ではないと思います。しかしまあ、その上で政治家のこういう態度のとり方もあるんだなということが1つと、ややもすると、先ほど坂本先輩のちょっと知事さんの功績聞いたら全くそのとおりやなあ、よう頑張ってるなあ、そういう思いは私も一緒です。
 ただ、やっぱり長いことしてやっていくと、よどんでいくといいましょうか、裸の王様になるといいましょうか、例えばさっきの私が言うたIRのことなんかも、テレビの番組で間違うてたら、知事、間違うてますよと、私も坂井弘一代議士の秘書をやりましたけど、そのときはやっぱり言いましたよ、気がついたことはね。やっぱり言える職員であってほしいし、言うてもらえる指導者であってほしいというかな、そういう気持ちも込めましたんで、ちょっと嫌味な質問をさしてもらいました。
 引き続き質問させてもらいます。
 次に、魅力ある和歌山の創造ということで、文化財、博物学に関してお伺いします。
 去る5月7日、公明党文化プログラム推進委員会の衆院議員3名とともに県立博物館を視察いたしました。
 学芸員の大河内さんが、盲学校の生徒たちが博物館を訪れた折、展示品の説明に窮したエピソードから、視覚障害者の方にも理解の進むユニバーサルデザインのさわれる文化財や点字図録に結びついたといったお話を伺いました。また、和歌山工業高校の生徒が3Dプリンターを駆使してつくった仏像に和歌山大学の美術専攻の学生が色づけを施すことで見事な仏像が復元し、さわれることでそれこそ仏像の裏や仏像の底まで鑑賞できるすぐれものでございました。また、前田学芸員からは、印南町で取り組んだ津波災害の記録を生徒たちが調査し、印定寺というお寺に碑文として残したケースも紹介してくれました。
 せんだっての新聞記事に、東京大学の地震研究所と史料編纂所がタッグを組み──この史料編纂所は私もレイディ・ワシントン号のときに勉強さしてもらったんですけども、そういう東京大学には立派な部署があるそうです。そういったところとタッグを組み、寺院や商家など庶民が書き残した日記、そういったものの古文書の記録から公式に残ってる大記録の波及、影響がどこまで及んでたか、そういったことなどの資料になるということで、そういう庶民の日記を一生懸命調べてるそうでございます。そういう研究につなげてるそうでございます。
 まさに前田学芸員らが取り組みなさったこの今回の印南町の研究なんかは、それを時代を先んじるものとうれしく思います。内閣府バリアフリー・ユニバーサルデザイン推進功労者表彰、内閣総理大臣表彰を受賞したということで、喜ばしく思います。和歌山方式として文化財の保護に普及させたいと、このお二方の学芸員の方もおっしゃっていました。
 この視察の成果をもって、浮島代議士が5月16日の衆議院文教委員会で取り上げましたところ、林文部科学大臣からは、児童生徒に対する文化芸術教育の重大性から、各分野との有機的な連携が求められる、和歌山の博物館と和歌山工業高校の生徒との共同の複製レプリカの取り組みを評価するとともに、日本で初めてとなる2019年9月に京都で開かれる国際博物館会議、ICOM KYOTO 2019に集う外国人2000人、日本国内1000人の都合3000人に対して、和歌山の取り組みやプレゼンスを大いにアピールしたいといった答弁がございました。
 この14日、私も上京して、圓入文化庁文化財部美術学芸課長にお会いして、ICOMのレクチャーを受けて資料も頂戴してまいりました。その折、圓入さんからいただいたのが、これができたてのほやほやのPRポスター、文化功労者の絹谷幸二画伯の文殊菩薩を題材にした作品ですと、できたてですよ、これからあちこち出回りますよということで、非常にきれいなポスターをいただきました。御紹介させてもらいたいと思います。(ポスターを示す)
 そこで、教育長にお尋ねします。
 林文部科学大臣も評価する和歌山の一連の取り組みを、ICOM京都大会のこの中のセッションというような部門で参加発表できるように、またエクスカーションで来た方が関西あちこち行かれると思います、主に京都ばっかりかなと思いますけども、和歌山にお招きできるような準備を今からされたらいかがでしょうか、お答え願います。
○議長(藤山将材君) 教育長宮下和己君。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 県立博物館が、文化庁の補助事業「地域の核となる美術館・歴史博物館支援事業」を活用し、和歌山工業高校や和歌山盲学校などと連携して「さわれるレプリカ」、「さわって読む図録」を作製している取り組みは、各方面から高い評価を得ております。
 議員御質問にある国際博物館会議京都大会について情報収集しましたところ、来年9月1日から7日間の日程で基調講演や全体会合、30の国際委員会の個別会合及び関西一円を想定したエクスカーション等が実施されることが公表されておりますが、現在のところ、具体的な内容は大会組織委員会において検討中であると聞いております。
 県教育委員会といたしましては、この大会で本県の取り組みの成果を発表できるよう準備を進めるとともに、本県を現地研修先として選定いただき、世界遺産、日本遺産を初めとした本県の魅力を発信できるよう提案してまいります。
○議長(藤山将材君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 教育長、ありがとうございました。ぜひ取り組んでください。
 我が党公明党の中でも、浮島代議士がこういった文化、芸術にひときわ力を入れておりますもんで、私も勉強して一緒になって頑張っていきたいなと思っておりますんで、よろしくお願いします。
 続いて、本日緊急に追加しました、6月18日午前7時58分、マグニチュード6.1、最大震度6弱の地震が大阪府北部で発生し、高槻市において通学途上の女子児童が、寿栄小学校の4年生の三宅璃奈さん、9歳の方ですけども、学校のプールの壁の塀の倒壊により死亡するという痛ましい事故が発生した件でお伺いします。
 建築基準法施行令ではブロック塀の高さは2.2メートル以下というふうに決めていられるのに、この場合は道路からは塀の高さは3.5メートルもあり、そのうち上部のブロック塀が1.6メートル、ブロック8段がおよそ40メートルにわたって倒壊し、その下敷きになったとのことです。最も安全であるべき学校施設の倒壊という、こういった事態を受けて、本県は大丈夫なのかな、これはそのとき思ったことでございます。
 それで、早急に取り組むべしと思ってここで質問しようと思ってたんですけども、教育委員会からはもう早速に危険箇所の調査通知を出されたとのことでございますので、その詳細をお示しいただけたらと思います。
○議長(藤山将材君) 教育長。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) まず初めに、このたびの災害でお亡くなりになられた方々の御冥福を心からお祈り申し上げますとともに、被災された方々に心からお見舞い申し上げます。
 県教育委員会では、地震発生当日、取り急ぎ、県内各市町村教育委員会及び各県立学校長に対し、学校の敷地内に倒壊などの可能性がある危険箇所及び通学路の安全について確認するよう連絡いたしました。
 さらに、本日付で全ての幼稚園、小中学校、高等学校、特別支援学校の学校長等に対して、ブロック塀の建築基準をわかりやすく示した資料を送付し、地域の方々と協力して主要な通学路にあるブロック塀が大丈夫かどうかを確認し、「わからない」、「大丈夫でない」と回答があった箇所については、至急県教育委員会に報告するよう依頼することとしております。
 危険と思われる箇所については、県土整備部に報告し、安全性を確認してもらうこととしてございます。引き続き、児童生徒の安全確保に努めてまいります。
○議長(藤山将材君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 素早い的確な対応をありがとうございます。まあ、通学路というお話もございましたけど、通学路の点検をやるとなると、また非常に大変な、民間のおうちのブロック塀まで見ながらということでの作業になるかと思いますが、とりあえずは学校自身の建物等で調べてもうたらなと。
 今、御答弁ありましたように、ブロック塀の仕組みをわかりやすく言うてくれたというのはうれしいと思います。私とこの家のブロックも──私が建てたんじゃないんです。前の持ち主が建てたのに、バットレスといいまして控え壁がやっぱりついているのがあるんですね。住人からしたら、使うほうからしたら邪魔なんです。あれなかったらほうが車スムーズに入るのによと思うんですけど、やっぱり何メーターか超えたら必要なんですよということでした。
 今回、ちょっと家さわったんで、ブロック塀、上はつったんです。はつったからそのバットレスは要らん、ブロック塀6枚までになって要らんのですけど、やっぱり壊れたら嫌やと思って、邪魔になりながらも残しております。
 そんなこともあって、いろんなブロック塀のことをわかりやすく通知してあげてくれたというのはうれしいことやと思いますんで、また報告が上がりましたら私どもにもお知らせいただければな、かように思います。
 また、その上でこれは要望ですけども、よしんば危険な箇所があるとしたら、もう早急に対応してもらいたいと思います。当然、予算を組んで上げて、議会に諮ってと、こういうことあるんでしょうけど、その中でも専決でできることもあれば──いずれ国からお金つくかわからんというんで待ってるというようなこともあるかわかりませんけど、そんなことのないように早急な対応を強く要望しておきたいと思います。
 引き続きまして、6月13日の参議院本会議での可決をもって改正民法が成立しました。明治29年以来、もしくは明治9年の太政官布告第41号「自今滿弐拾年ヲ以テ丁年ト定ム」といった規定以来、自来140年余にわたって二十が大人という定義が、これから18歳が大人ということに変わります。年月を重ねたからといって大人になるわけではございませんが、法律上、成人年齢が18歳に引き下げられました。とはいっても、未成年の取り消し権の関連では大いに不安の残るところでございますが、いい面もございます。
 個人の根保証契約には、限度額の設定が必要ということになりました。また、身寄りのない単身高齢者の増加で保証人の確保が困難な人も多く、住宅に困窮する低所得者への住宅提供といった公営住宅の本来の目的から考えると、保証人の確保を公営住宅の入居の際の前提条件とすることから転換すべきということで、3月30日付、国土交通省住宅局住宅総合整備課長発信の地方自治法245条の4第1項に基づく技術的な助言としての通知が届いてございます。
 そこに示された標準条例には、保証人に関する規定は既にもう削除されております。改正民法の施行までに、本県の県営住宅条例の今現在書いてます連帯保証人条項、つまり第12条の(1)「規則で定める資格を有する連帯保証人2人以上の連署する請書を提出すること。」という記述がありますが、これを削除すべきとここで指摘したいと思いますけども、県土整備部長の御答弁を求めます。
 といいますのも、以前に連帯保証人が見つからないがために、せっかく当選した県営住宅を諦めた方の事例に遭遇したことがあったもんで、お聞きしたいと思います。
○議長(藤山将材君) 県土整備部長森戸義貴君。
  〔森戸義貴君、登壇〕
○県土整備部長(森戸義貴君) 県営住宅の入居手続における連帯保証人についての条例の規定について、御質問を頂戴いたしました。
 県営住宅に係る連帯保証人については、現在、和歌山県営住宅条例で、入居決定者には原則2人以上の親族が連帯保証人として連署する請書を提出していただくこととなっています。
 連帯保証人につきましては、住宅使用料に滞納が生じた場合の徴収のためだけでなく、滞納に対しての抑止効果も期待されるほか、入居者の体調不良等の際の連絡先としての役割も果たしてございます。
 一方、連帯保証人が見つからないなど特別な事情があると認められる場合には、請書への連署を必要としないこととしており、それぞれの事情に応じて親族でない方でも認めたり、誓約書等の提出などをもって県営住宅への入居を認めてございます。
 連帯保証人の見直しについては、これまでの経緯を踏まえ、障害者福祉の観点から連帯保証人の枠を自然人から法人まで拡大することなどを検討していますが、本年3月に国土交通省において公営住宅管理標準条例が改正され、議員御指摘のとおり、連帯保証人に関する規定が削除されたため、当該改正への対応についても他府県の動向を参考にあわせて検討しているところでございます。
 今後、連帯保証人をなくした場合に課題になると考えられる滞納額増加の抑止方法や、緊急連絡先の把握方法などを検討した上で、連帯保証人の要否についても考えてまいります。
○議長(藤山将材君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 県土整備部長、丁寧な御答弁ありがとうございます。
 不思議に思うことは、私らいろんなことを提案して、こんなことも条例でできらしてと言うても、国の準則にそうなってないといってお役人さん方は随分抵抗なさるんですよ。だから、国会議員で先に法律変えてきてよと、こんなことよう言われます。
 今回、国が標準条例で示してるわけですよ、もう民法改正を受けてね。ですから、速やかにやったらええのにな。森戸さんが今度本省へ戻ったときに、ここの課長に座ったときに変なこと起こりますよ。そういうこともありますんで、速やかになさったらいいのになと思います。
 もう1つ、保証人とってるから抑止になってんねやというのはあるかわかりませんけども、でも一方でも毎議会のたんびに明け渡しの議案が、裁判かけるぞという議案が出てきますよね。ほんまに保証人の機能がうまいこといってんのやったら連帯保証人でも──連帯保証人ですから検索の抗弁許されませんから、もうたちまちどっちかが一括で払わなあかんわけですよ。そこまで強い規定でやってるのかなということも疑問に思いますし、先ほど申し上げましたように、もうお年寄りになったら身内も亡くなって、なかなか今さら保証人よう頼まんよ、こういうことなんです。頼むだけでも義理がかかるんです。
 そういう気持ちをやっぱり察してあげて、今、部長からは、いやいや、運用でそこまで要らんのですよということをおっしゃいますけども、そうであればあの募集要項に、どうぞ事情のある方は結構ですよというような一文を、とにかく今からでも書いたってくださいよ、しないんであればね。全国を見るというんなら全国の様子を見てくれても結構ですけども、全国も全国を見てるわけですから、率先して和歌山が改正すれば進むんではないかなと、こういったことを強く強くお願いしたいと思います。
 最後に、危機管理監にお尋ねします。
 去る5月22日に、和歌山県Lアラート合同訓練を行う旨の資料をいただき、関心を持っておりましたところ、24日の訓練ではまたもや誤報メールを送信したことから、急遽訓練を中止にしたとのことでございました。前もお正月にありました。二度あることは三度あるということも言えるんですけど、今度のときはほんまの地震で3度目の正直ということもありますんで、こんな失敗はせんといてほしいんですけど、そんな感想を持ちました。
 それで、資料提供に関しては、同じ日に「和歌山県防災ナビ」アプリの配信開始について、22日にこの資料をいただきました。
 数年前にNHKの番組で取り上げられたんやと思いますけど、スマホで避難所を調べることができますよというアプリの紹介を記者さんからやってるニュースがありました。今回のはそれよりもまだかなりすぐれたもので、命を守る避難には不可欠のようでございます。その詳細をお示しの上、県民はもとより和歌山にお越しになったお客様、観光客等もあろうかと思います。あるいは商売で来てる方もあろうかと思います。和歌山で被災したときに助かるんであれば、そういうお客様にも普及せしめる広報について、お答え願います。
○議長(藤山将材君) 危機管理監藤川 崇君。
  〔藤川 崇君、登壇〕
○危機管理監(藤川 崇君) 防災ポータルアプリ「和歌山県防災ナビ」は、南海トラフ地震等の大規模災害時に的確な避難ができるよう全国に先駆けて本県独自に開発したもので、先月29日からスマートフォンの利用者に配信しているところでございます。
 このアプリの主な特徴といたしましては、近くの避難場所を簡単に検索し、最短ルートを表示することはもとより、事前に登録しなくても避難勧告等の防災情報がプッシュ型で届きます。
 また、てんでんこに避難した家族等の居場所を地図上で確認できる機能や、避難のトレーニング結果を記録し、その記録結果に南海トラフ巨大地震の津波想定を重ねることで、その避難行動の安全性が確認できる機能も搭載しております。
 このアプリは、議員御指摘のとおり、災害から命を守る避難行動に確実に役立つものと考えており、県民のみならず観光などで本県を訪れていただく旅行者にも普及できるよう、県のあらゆる広報媒体の活用や、インスタグラムを初めとするSNS等による発信、道の駅、宿泊施設、主要駅などでパンフレットの配布等による周知を行うとともに、小・中・高等学校等での防災教育や、市町村、自主防災組織等の避難訓練での活用等を積極的に呼びかけ、全力で普及に努めてまいります。
○議長(藤山将材君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 藤川さん、ありがとうございました。
 この6月18日の朝7時58分の前後で携帯鳴りましたですね、ブーブーブーブー。これは、「あ、また地震やな」と一旦は思いますんです。しかし、後で和歌山は大したことなかったからこんなこと言えるんかわかりませんけど、人によっちゃ「また県のミス違うか」と、こんなこと冷やかしで言う人もありますんで、そんなことのないようにお願いしたいと思います。
 今、御説明にありました家族の居場所がわかるというのは、非常にうれしいことです。私、子供小さいときに子供と決めてました。お父さんとお母さんはここに逃げてるからな、皆めいめい遊んでても、一旦は近くで逃げて、もしわからなんだらここでいてるはずやからというような決めごとを決めておりました。そういうことも、今も続けて大事ですけども、もう子供も大きくなりましたけど、今度孫の心配せなあかん世代になってきた折に、携帯でめいめいがどこにおるかということがわかるだけでも、かなりの心理的な負担の軽減にはなろうかと思いますんで、まずは危機管理の部局の方が宣伝なさるのはお仕事上当然でございますけど、こういう願わくば県庁の役人さんが皆まず自分で入れて、自分の嫁さんに、家族に言うて、あるいは町内に言うて、友達に言うてということで、せっかく和歌山県が開発した立派なアプリですから普及して、和歌山県民の命が守れることをこいねがいまして、私の一般質問といたします。
 ありがとうございました。(拍手)
○議長(藤山将材君) 以上で、中拓哉君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前11時31分休憩
────────────────────
  午後1時0分再開
○議長(藤山将材君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 12番鈴木太雄君。
  〔鈴木太雄君、登壇〕(拍手)
○鈴木太雄君 皆さん、改めまして、こんにちは。
 実はきょう、6月20日、後ろにおられる藤山議長の誕生日でございまして、(拍手)大変おめでたい日なんですが、大変申し上げにくいんですが、42歳ではなくて43歳になりまして、(「訂正願います」と呼ぶ者あり)はい、公私ともに今後とも、議長におかれては頑張っていただきたいと、このように思っております。
 それでは、議長のお許しをいただきましたので、通告に従い一般質問を行います。
 大項目の1として、梅産地の現状と課題について、3点にわたり質問を行います。
 まず、小項目の1、収穫見通しとその市場単価についてであります。
 古くから日本人に愛され、親しまれてきた梅は、本県を代表する農作物で、その生産量は昭和40年から半世紀以上にわたり日本一を誇っており、年によっての増減はあるものの、実に全国の6割を占める状況であります。また、本県の梅栽培面積は全国の約3割ですので、面積割合に比べ収穫量の割合が他県よりも非常に高いことがうかがえます。
 その和歌山県と梅の歴史をひもとくと、江戸時代の紀州藩田辺領下において、痩せ地は免租地であったことから、そこに梅を栽培したことが本格的な梅栽培の始まりだと言われております。また、田辺領がその痩せ地を利用した梅の栽培を奨励するとともに、保護政策をとったため、田辺・みなべ地方を中心に広がったとも伝えられています。
 そして、その梅の栽培が急激に増加したのは、明治40年以降の二度にわたる世界大戦のころからで、軍用食あるいは戦時中の食料として梅干しの需要が高まったことにあります。また、戦後経済の復興とあわせ、果実類の需要が増加していくのと同様に、梅栽培につきましても、特に昭和30年代以降伸びていきました。その後、優良品種の「古城」、「南高」の出現と高度経済成長期の食生活の多様化に伴う梅需要の伸びとが相まって、梅の栽培面積がさらに増加をいたしました。
 一時、梅干し需要の伸び悩み等あったものの、昭和56年ごろからの健康食品ブームに乗って梅干しが消費者に見直され、価格の上昇や梅栽培面積の増加がともに図られてきました。また、こういう流れに沿って収穫量も増加してきたわけでございます。
 こういった状況のもと、梅の栽培農家を初め製造販売業や観梅による観光業等の梅関連産業は、非常に裾野の広い地場産業として発展をし、紀南地域のみならず、本県における地域経済の大きな柱へと成長してきました。
 しかしながら、近年における本県の梅産出額は、生産農業所得統計によると平成16年度は215億円でしたが、22年度には108億円に落ち込み、その後、増減しながら27年度には103億円と、16年度と比較すると約52%も落ち込んでおります。先月発表されたばかりの28年度の梅産出額につきましては、少し持ち直したものの、124億円にとどまっているようであります。
 言うまでもなく、梅の生産量や市場単価は全てにわたり基本となります。ちなみに、昨年の平成29年度産梅の状況を調べてみますと、開花期の低温により受粉が十分に行われなかったことや、5月から6月中旬にかけて降水量が少なく小玉傾向となった理由から、県全体の生産量は対前年度比89%の5万3500トン、系統扱いの青梅出荷量は対前年比82%の5501トンでありました。市場単価については、対前年比128%の1キログラム当たり493円で取り引きされたようであります。
 市場単価は一時期に比べ持ち直したものの、生産量についてはここ10年で最も少ない中での数字であり、梅生産農家にとって決して安心できる状況ではないと認識をいたしております。
 そこで、まだ収穫期間中ではありますが、平成30年産梅の収穫見通しとその市場単価について、昨年と比較するとどんな傾向であるのか、農林水産部長にお伺いをいたします。
○議長(藤山将材君) ただいまの鈴木太雄君の質問に対する答弁を求めます。
 農林水産部長原 康雄君。
  〔原 康雄君、登壇〕
○農林水産部長(原 康雄君) 昨年産の梅につきましては、議員お話しのとおり、着果数が少なく少雨により小玉傾向であったため、過去10年で最も少ない生産量となりましたが、今年産は対前年比121%の6万5000トン程度と、平年並みの生産量を見込んでおります。
 また、開花後の気温が高く推移し、適度な降水量があったことから、生育が順調で病害虫の発生も少なく、品質は良好となっております。
 こうしたことで、系統扱いの青梅の販売状況は、6月16日現在、出荷量は小梅で312トン、古城で482トン、南高で4318トン、市場単価は小梅で1キログラム当たり572円、古城で502円、南高で466円となっており、青梅全体では出荷量は5193トンで対前年同期比128%、市場単価は472円で対前年同期比95%と、小梅、古城、南高とも現時点で順調に取り引きされていると考えております。
○議長(藤山将材君) 鈴木太雄君。
  〔鈴木太雄君、登壇〕
○鈴木太雄君 次に、小項目の2、梅関連商品の消費拡大に向けた取り組みについて質問をいたします。
 6月6日が梅の日であることから、その前日である5日、梅産地の市町やJA等で構成される紀州梅の会は、東京大田市場での梅フェアを皮切りに、首相官邸を訪れ、安倍首相へさまざまな梅製品を贈りました。
 また、梅の日当日の6日には、熊野本宮大社やゆかりのある京都の下鴨神社と上賀茂神社に梅を奉納いたしました。いずれも、梅のPRと梅の豊作や梅産業の繁栄を祈願しての行事であり、毎年とり行われております。
 また、学校給食で梅の日前後に梅を食べてもらおうと、梅メニューの取り組みも行っていますし、昨年度からは神島高校の生徒たちがこの梅の日を広く知ってもらおうと、みずからが開発した梅商品等のイベント販売を行っております。
 こういった記念行事を含め、これまでにさまざまな梅の振興が図られてきました。近年におきましては、消費拡大に係る取り組みとして、梅の機能性研究やそれを生かした商品開発、あるいは食育関連団体や米産地との共同消費宣伝活動にも取り組まれております。
 また、香港やシンガポール、マレーシアにおいて梅販売キャンペーンを行うなど、国内のみならず海外での販路拡大も積極的に推し進められてきております。
 梅の生産量日本一を誇りながら、梅産出額が以前の約半分と低迷している中、梅製品を積極的に普及させ消費を拡大し、さらなる紀州梅ブランドの確立を図ることは、本県にとりましてこれまで以上に重要であると常々私は考えております。
 そこで、小項目の2として、近年における梅関連商品の消費拡大に向けた取り組みについて、農林水産部長の御見解をお伺いいたします。
○議長(藤山将材君) 農林水産部長。
  〔原 康雄君、登壇〕
○農林水産部長(原 康雄君) 梅関連商品の消費動向については、人口減少や食生活の多様化などによりまして梅干しや梅酒の消費が低下傾向にあることを深く認識しております。県といたしましては、梅関連商品の消費拡大に向け、さまざまな取り組みを行っているところです。
 まず、国内では、アジア最大級の食品・飲料専門展示会であるFOODEX JAPANを初めとした各種展示会への出展支援を行うとともに、わかやま産品商談会等の開催に取り組んでおります。また、本格梅酒の販売促進にも取り組んでおり、首都圏の百貨店での試飲会や梅酒漬け込みセミナーを開催するとともに、梅の機能性をPRするなど、消費層の拡大に努めているところです。
 近年、国内市場が縮小する中、海外へ販路を拡大することは非常に重要であると考えており、海外においても大型展示商談会への出展により梅関連商品加工事業者の販路開拓を支援しているほか、梅酒については台湾の贈答シーズンに合わせ、販促活動や、本年11月に香港で開催予定の「インターナショナル・ワイン&スピリッツフェア」への出展支援も予定しているところであります。
 また、青梅については、平成26年から香港への輸出を開始するとともに、現地でJAグループや生産者が梅酒づくりを実演しながら販売活動を支援しており、平成29年からはシンガポールやマレーシアへも取り組みを拡大しているところです。
 さらに、梅の多角的な消費に向けては、大手食品・飲料メーカーへ梅果汁や梅パウダーなどの梅加工品を原材料として提案し、県産食材を使った新たな食品づくりに取り組む一方で、県内事業者が開発した梅のドライフルーツ等の販路開拓にも取り組んでいるところであります。
 また、和歌山の梅の魅力を全国に発信するため、生産地の地勢や気候、栽培方法などをテロワールとして情報発信するとともに、若年層へのアプローチとして、梅加工品と県産果実を盛り合わせたわかやまポンチや、県内事業者が共同で開発した梅バーガーのPRに取り組んでいるところであり、昨年度は県内小学校と大手コンビニが新たにわかやまポンチを共同開発し、関西地方の約2800店で販売されたところです。
 これら梅関連商品の消費拡大に向けた取り組みは、梅販売価格の向上につながるなど、全国一の生産量を誇る本県にとって重要であると認識しており、今後とも梅の消費拡大に向けた幅広い取り組みを推進してまいります。
○議長(藤山将材君) 鈴木太雄君。
  〔鈴木太雄君、登壇〕
○鈴木太雄君 次に、小項目3の労働力の確保について質問をいたします。
 現在、全国的に人材、つまり必要な労働力の確保が職種を問わず困難であると問題視をされております。それは、農林水産業の分野においても例外ではありません。
 本県の基幹産業である農林水産業も同様で、特に梅やミカン等に代表される果樹農業におきましても、農業従事者の高齢化や急傾斜の畑では農作業の機械化は非常に難しく、人手に頼らざるを得ないなど取り巻く環境は非常に厳しいことから、労働力の確保が喫緊の課題となっております。
 このように、農業における労働力不足が叫ばれている中、農林水産省の呼びかけもあり、全国各地で援農の仕組みづくり等、課題解決に向けた取り組みが推進されております。
 例えば、本県とミカンの生産量を争う愛媛県の西宇和地域では、喫緊に農繁期の労働力を確保し、さらには担い手の確保、育成、定着を狙いとして、各関係機関・団体が連携をし、西宇和みかん支援隊という組織を立ち上げ、県内はもとより全国各地から西宇和ミカンの担い手、援農者を呼び込み、安定した労働力確保に向けて精力的にさまざまな事業を展開されております。
 また、大胆な規制緩和を実証する国家戦略特区法に外国人の農業就労が新たに加えられたため、現在既に特区指定済みの自治体に加え、その指定を得るために幅広い提案をする自治体が相次いでいる状況でもあります。これらのことからもわかるように、全国の農業地域は労働力の低下を死活問題と捉え、その対策に懸命に取り組んでおられます。
 現在、本県、特に紀南地域において梅収穫の最盛期を迎えておりますが、そういった中、人手が足りなく誰か紹介してほしいと多くの農家さんから相談を受けます。ことしの収穫量は平年並みではあるものの、特に手が回らない状況にあるとのことでした。以前より、人手を要するこの時期には、家族を初め管内、近隣市町あるいは知り合いからも多くのアルバイトを雇って梅の収穫をされてきましたが、年々人集めも難しくなり、苦労されているようであります。
 そこで、こうした状況を踏まえ、小項目の3として、農業における安定した労働力の確保、また収穫期や剪定期、いわゆる季節労働力の確保について、農林水産部長の御見解をお伺いいたします。
○議長(藤山将材君) 農林水産部長。
  〔原 康雄君、登壇〕
○農林水産部長(原 康雄君) 農家の高齢化や労働人口の減少が進行する中で、とりわけ果樹については、労働力のピークが収穫作業などの一時期に集中するため、農繁期の労働力確保が重要な課題であると認識しております。
 このため、県では、これまで農家求人情報サイト「グリーンサポート」を開設し、農家の労働力確保の支援に努めてきたところです。
 さらに、本年5月には、県やJA、和歌山大学、関係団体で構成する検討会を設置し、産地における労働力の実態調査を行うとともに、先進事例を踏まえた本県での方策について検討をしているところです。
 例えば、本県を代表する作物である梅とミカンでは繁忙期が重ならないため、お互いの労働力を補完し合えないか、また、水産業や林業の閑散時期の労働力もマッチングできないかといったような方策が考えられます。
 いずれにしましても、梅は本県農業の基幹作物でありますことから、今後もJA等関係機関と連携を密にしながら、季節労働力を含めた労働力確保対策の実現に向け、積極的に努めてまいります。
○議長(藤山将材君) 鈴木太雄君。
  〔鈴木太雄君、登壇〕
○鈴木太雄君 労働力の確保に向けて御努力をいただけるという御答弁をいただきました。やはり、本県にとって果樹農業は基幹産業であるとともに、特に梅栽培は世界農業遺産にも認定され、守り育んでいかなければならない産業でもあります。
 労働力の不足は耕作放棄地や鳥獣被害を増大させるとともに、生産量の減少や品質低下を招きます。また、そのことで産地力が低下し、産地全体の担い手がさらに減少するという悪循環を引き起こしかねません。ぜひ、喫緊に解決しなければならない問題として改めて認識をいただき、本腰を入れて取り組みを図っていただきたいと思いますし、地域や県内にとらわれることなく、その取り組みを深めていっていただきたいと思います。
 また、加えて、現在県は外国人の労働力が必要なほどの状況ではないが、人口が減少する中で将来的には外国人による労働力の確保が必要となる可能性はあると、こうされておりますが、季節労働や賃金等さまざまな問題があるにせよ、これからの1つの選択肢として、将来に向けてより一層検討を進めていっていただきたいと、以上、強い要望といたします。
 続いて、大項目の2として森林にかかわる税についての質問をいたします。
 まず、小項目の1、仮称・森林環境税及び森林環境譲与税の創設についてであります。
 既に皆さん御承知のように、平成30年度税制改正大綱におきまして、仮称になりますが、森林環境税の創設が明記されるとともに、閣議決定されたところでありますが、この税の導入については、国において長期間にわたり幾度となく検討されてきました。以前の一般質問においても申し上げましたが、1986年に林野庁が10年間の限定措置として水源税の導入を提案したことに始まり、近年では市町村長で組織する全国森林環境税創設促進連盟や市町村議会議員による全国森林環境税創設促進議員連盟を中心に、全国森林環境税の創設を目指し、その活動が展開をされてきました。
 また、昨今の山地災害の激甚化等により、国民の森林に対する期待の高まり等も受け、平成29年度与党税制改正大綱では、税の創設について平成30年度税制改正において結論を得るとされ、その後、与党税制調査会における議論が行われた結果、ようやく平成30年度税制改正大綱に、平成31年度からの税創設が明記されたわけであります。
 以上のように、森林環境税の創設により安定的な財源が確保されることは、森林面積が県土総面積の約77%を占める本県において非常に有意義なことであり、森林の公益的機能の発揮を初め、山村地域を中心とする地方創生にも大きく貢献するものであると考えます。
 そこで、まず小項目の1として、森林環境税及び森林環境譲与税の創設について、法案はまだ通過をしておりませんが、国へ長期間にわたって要望活動を行ってこられた知事の御見解をお伺いいたします。
○議長(藤山将材君) 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 森林環境税の創設により、議員お話しのとおり、森林率77%を占める本県においては、森林整備に係る安定的な財源が確保でき、一定の評価をしているところであります。
 その使途は、間伐や人材育成、担い手の確保、木材利用の促進や普及啓発等の森林整備及びその促進に係る費用とされ、県や市町村の実情に応じ事業を実施するものとなっております。市町村においては、かなり多くの財源を付与されるということになりますので、いろいろ考えていただきまして、間伐など森林整備に活用していただきたいと思っております。
 なお、これまで森林整備の業務は主に県が行っておりまして、そのためのスタッフもいる。一方、市町村では専任の職員が少ないという状況でありますので、森林環境税の創設に伴い市町村が新たな役割を担うことから、県としては市町村における業務が円滑に進むように、民間委託をする際のノウハウの周知とか、あるいは県による事務代行などの支援を行ってまいりたいと思います。
 今後、森林環境譲与税を活用した森林整備を進めることにより、森林が有する公益的機能の保持はもとより、新たな雇用を生み出し、地域の活性化が促進されるように取り組んでまいりたいと思います。
○議長(藤山将材君) 鈴木太雄君。
  〔鈴木太雄君、登壇〕
○鈴木太雄君 続いて、小項目の2、森林環境譲与税を活用した県の役割と取り組みについて質問をいたします。
 森林環境税について、税制改正大綱に基づいて少し説明いたしますと、地方税である個人住民税均等割の枠組みを活用するものであり、国税として1人年額1000円を上乗せをし、市町村が賦課徴収するとともに、森林保全等が必要な市町村や都道府県に対し、森林環境譲与税として再配分する仕組みであります。全国における個人住民税均等割の納税義務者が約6000万人であることから、その規模は約600億円と試算されております。
 また、課税時期については消費税率10%への引き上げが平成31年10月に予定されていることや、平成35年度まで住民税均等割の税率が東日本大震災を教訓とした各地方自治体の防災対策に係る財源確保のため引き上げられていること等を考慮し、平成36年度から行われることとされております。
 森林環境譲与税については、森林現場の諸課題に対し早期に対応する必要があるため、本年5月制定の森林経営管理法に準ずる新たな森林の経営管理システムの施行とあわせ、平成31年度から森林整備等を実施する市町村や、それを支援する都道府県へ課税よりも先行して譲与基準に基づき配分をされます。
 また、平成35年度までの譲与財源は、譲与税特別会計からの借り入れにより対応し、市町村の体制整備に一定の時間を要することから、譲与額を段階的にふやす設定となっております。その借入金につきましては、後年度の森林環境税の一部をもって償還することとされております。
 その森林環境譲与税の使途については、間伐や人材育成、担い手の確保、木材利用の促進や普及啓発等の森林整備及びその促進に関する費用に充てなければならないこと、また都道府県は森林整備を実施する市町村の支援等に関する費用に充てなければならないこととされております。
 そもそも森林環境税は、都市、地方を通じて国民一人一人が森林を支える仕組みであり、その活用に当たっては広く国民に対して説明責任を果たすことが求められるため、市町村及び都道府県は森林環境譲与税の使途を公表しなければならないこととされております。
 譲与基準等につきましては、私有林人工林面積10分の5、林業就業者数10分の2、人口10分の3の割合で案分とされております。また、都道府県と市町村の譲与割合は、市町村の支援を行う都道府県の役割が大きいと考えられることから、制度発足当初は経過措置として都道府県2割、市町村8割でスタートし、市町村への譲与割合を徐々に高めながら、最終的には都道府県1割、市町村9割とする設計となっています。
 加えて、林野率が高い市町村は、車道からの距離が遠い奥まった森林が多く、森林整備に係る経費が掛かり増しになると考えられるため、林野率85%以上の市町村については1.5倍、75%以上の市町村については1.3倍を、私有林人工林面積に乗じる形で補正されることになっております。
 ちなみに、本県においては、今申し上げた譲与基準により試算を行うと、あくまで見込み額でありますが、制度発足当初は県と市町村の合計が約4億8000万円となり、その2割に当たる約9600万円が県へ譲与されることになります。その後、全体の譲与額が段階的に増加され、借り入れに対する償還が終了した平成45年には、県と市町村の合計が約14億4000万円となり、その1割に当たる約1億4400万円が県への譲与額となります。
 これまで申し上げたように、本来、森林環境税は市町村が主体となり森林整備等を行うことでありますが、来年度より県への譲与税の配分も始まることから、その税を活用した県の役割と取り組みについて、またどのように市町村へ支援を行っていくのか、あわせて農林水産部長にお伺いをいたします。
○議長(藤山将材君) 農林水産部長。
  〔原 康雄君、登壇〕
○農林水産部長(原 康雄君) 森林環境譲与税における県の役割は森林整備を実施する市町村の支援等であり、具体的な取り組みといたしましては、市町村の体制整備の支援、市町村が森林所有者の意向調査をする際の助言及び市町村の間伐事業の発注支援等を想定しております。
 さらに、その森林整備に必要な人材育成や担い手確保など、県で積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 いずれにしましても、市町村の実情や要望等を十分伺った上で、県の事務代行も含め、必要に応じて適切な支援を行ってまいりたいと考えております。
○議長(藤山将材君) 鈴木太雄君。
  〔鈴木太雄君、登壇〕
○鈴木太雄君 次に、小項目の3、森林環境税と紀の国森づくり税について質問をいたします。
 御承知のとおり、全国の地方自治体における森林を守るための財源確保については、国に先んじて森林環境税と同様の税制の導入が進んでおります。2015年時点で、全国37府県と1政令市で導入されており、その税収は全国で総額319億円に上ります。
 本県におきましても、水源の涵養、県土の保全等の公益的機能を有する森林から全ての県民が恩恵を受けているとの認識に立ち、森林を県民の財産として守り育て、次世代に引き継いでいくことを目的として、2005年に紀の国森づくり税条例及び紀の国森づくり基金条例が制定をされました。
 この紀の国森づくり基金に毎年2億円超の税収を積み立て、森林環境保全及び森林と共生する文化の創造に関する施策に活用いたしております。昨年度は、森林環境保全林整備事業として、施業の放置された奥地森林等1315ヘクタールの間伐を初め、6.3ヘクタールに及ぶ竹林整備、402立米の里山整備及び47立米の流木対策に活用されるとともに、緑育推進事業として県内124校の5001人が、森林環境の保全や森林共生文化等の森林学習にも活用しております。
 そのほか、県の施策で7事業、公募事業で16事業が実施されており、本年度においても紀の国森づくり基金活用事業として4億500万円を当初予算に計上し、今まさに事業の公募が行われているところであります。
 このように、紀の国森づくり税は森林環境の保全等に大きく寄与しておりますが、一方では、平成36年度から徴収される森林環境税と使途が類似していることから、二重課税に当たるのではないかと危惧されているところでもあります。
 そうしたことから、昨年6月、国に対して提出した森林環境税の早期創設を求める意見書において、森林環境税の早期創設とともに、本県が導入している紀の国森づくり税との関係を明確化する旨、強く要望いたしております。
 また、全国知事会でも、地方税財源の確保・充実等に関する提言書において、森林環境税の使途については地方の意見を踏まえ、現在、地方自治体が独自に課税している森林環境税等への影響が生じないように、しっかり調整すべきであると明記されております。
 それらを受け、昨年11月21日に開かれた総務省の有識者検討会で、森林環境税は政府が構築を進める新たな森林管理システムのもとで市町村が整備にかかわるための財源に充てられるので、府県の超過課税にとってかわるものではないと、すみ分ける方針が示されました。事実その後、国から新たな森林管理システムのもととなる森林経営管理法が制定されたところであります。
 申し上げるまでもなく、森林環境税は、人口の多い都市から大きな税金を徴収し、森林面積の大きい地方へ配分する税金でもあります。そうしたことから、森林環境税と紀の国森づくり税の目的や使途の相違を明確化するとともに、県民の皆さんに深く御理解をいただくことがやはり重要であると考えます。
 そこで、小項目の3として、いよいよ来年度から森林環境税の創設に先行して、森林環境譲与税が県、市町村へ配分されることとなりますが、県として今後どのように対応していくのか、農林水産部長の御見解をお伺いいたします。
○議長(藤山将材君) 農林水産部長。
  〔原 康雄君、登壇〕
○農林水産部長(原 康雄君) 紀の国森づくり税は、森林を県民の財産として守り育て、次の世代に引き継いでいくことを目的に導入されたもので、間伐等の森林整備のみならず、森林環境教育や次代に残す森林の保護など、多面的な業務を実施してきたところです。
 一方、森林環境税は、温室効果ガス排出量削減目標の達成を図るため、森林整備等に必要な地方財源を安定的に確保する観点から創設されることとなっています。
 それぞれの税の目的は異なることから、紀の国森づくり税と森林環境税の使途をすみ分けていくことが重要であると認識しております。
 このようなことから、紀の国森づくり税については、県としてハード、ソフトの両面から多面的な事業を戦略的に行い、森林環境税については市町村が間伐等の森林整備を行うなどを考えております。
 いずれにしましても、議員の皆様方の御意見も踏まえつつ、県民の理解と協力が得られるようしっかりとすみ分けを検討し、重複しない運用をしてまいりたいと考えております。
○議長(藤山将材君) 鈴木太雄君。
  〔鈴木太雄君、登壇〕
○鈴木太雄君 御答弁をいただきました。
 ただいまの答弁にもありましたように、紀の国森づくり税は森林環境税と目的は違うものの、県民にとりましてその違いがわかりづらいというのもこれまた事実であります。これまでに加え、新たに税として御負担をいただくものですから、しっかりすみ分けを行い、県民への説明、理解促進に努めていただきたいと思います。
 また、森林環境税の創設は、これまで地域の財政事情により困難であった不採算森林の整備や木材利用の促進、そして都市部と山村地域の連携による新しい取り組み等ができ得るものとなることから、私自身、大きな期待を寄せております。
 県当局におきましては、紀の国森づくり税並びに森林環境税が真に森林保全に寄与するものとなるよう、実りある活動や地域の実情に応じた市町村支援、調整等に御尽力をいただくよう強く要望して、次の質問に移りたいと思います。
 続いて、大項目の3として、文里湾横断道路建設に向けた取り組みについて質問をいたします。
 平成28年の9月議会におきまして、文里湾横断道路について質問をさせていただきました。その際にも申し上げましたが、仮称・文里湾横断道路は、一般県道文里湊線より文里港をまたぎ、新庄方面に接続する架橋を含めた道路のことで、紀南地域の中心である田辺市街地と白浜町、上富田町を結ぶ地域間幹線道路等として位置づけられている整備要望路線であり、地元では一般的に文里湾架橋と呼ばれております。
 この道路構想が実現しますと、主要地方道南紀白浜空港線と田辺市街地が直接結ばれ、新庄地域の渋滞緩和も含めて交通の円滑化が図られるなど、近隣町との地域間を結ぶ道路として交流人口の増大にもつながります。また、3次救急医療機関である南和歌山医療センターと市街地を結ぶ非常に効果的な緊急搬送ルートが確立されるとともに、災害時においても、防災拠点ネットワーク港湾に位置づけられた新文里港からの輸送道路として、重要な路線になると考えられております。
 それらに加え、近年、田辺市では南海トラフ巨大地震津波対策協議会が設置され、議論が重ねられた結果、新たに避難困難地域の解消を図る上で、この横断道路は必要であると津波避難困難地域解消計画に位置づけられたことから、文里湾横断道路の整備について知事の御見解を聞きました。
 その質問に対し、知事からは、文里湾架橋が周辺住民を含め、県民の命を救うために必要であるという整理がついたため、今後は田辺市と連携をし、関係機関との調整やルートの詳細な検討など、文里湾架橋の実現に向けて必要となる取り組みを進めていくとの答弁をいただきました。あれから1年半以上が経過をしておりますが、田辺市や地元経済界からも、その早期実現を望む声が引き続き上がっております。
 そうした中、6月8日付地方紙に、文里湾架橋の予備設計は既に開札を終え、間もなく決定する、また、県と市は橋の高さなどを検討するため関係機関に聞き取り調査も進めている等、記事が掲載されていましたが、改めてこれまでの文里湾横断道路建設に向けた進捗状況と今後の取り組みについて、県土整備部長にお伺いいたします。
○議長(藤山将材君) 県土整備部長森戸義貴君。
  〔森戸義貴君、登壇〕
○県土整備部長(森戸義貴君) 文里湾を横断する道路構想、いわゆる文里湾架橋について、その進捗状況と今後の取り組みに係るお尋ねがございました。
 文里湾架橋につきましては、田辺市から和歌山県市長会を通じて、田辺商工会議所から和歌山県商工会議所連合会を通じて、交通の円滑化、観光の振興の観点により、その実現に向け、たび重なる要望をいただいてございます。
 一方、県が対策を進める3連動地震や南海トラフ巨大地震への備えとして、県民の命を守り、津波から逃げ切る方法を考えていく中で、田辺市が平成28年7月に田辺市津波避難困難地域解消計画を策定しました。その中で、文里湾架橋については、文里地区の津波避難困難地域のみならず、周辺に存在する要配慮者施設利用者等の避難路、避難場所として必要と位置づけられたところでございます。
 このことを踏まえ、県は田辺市と連携し、文里湾架橋の実現に向け取り組みを進めてございます。
 現在、県においては、田辺市とともに都市計画決定に必要となるルートの検討を行ってございます。このうち、文里地区側につきましては、津波避難困難地域の住民や、その周辺に存在する要配慮者施設の利用者等が迅速に橋梁へ避難できるように、その地域の南側にルートを配置し、神島高校南側付近の県道文里湊線への接続を考えてございます。新庄町地区側につきましては、県道南紀白浜空港線に接続すべく、現状の土地利用への影響や交差点の状況などを踏まえ、神島台交差点付近で接続するルートを考えてございます。
 あわせて、文里港の航路を横断する橋梁の高さは、船舶が支障なく航行できるように計画することとしてございます。
 今後の取り組みといたしましては、田辺市が将来の道路や公園など、市街地の具体的なまちづくりの方針等を示す田辺市都市計画マスタープランの中に文里湾架橋の位置づけを行うとともに、田辺市と連携し、今年度中に都市計画決定が行われるよう、都市計画案の作成などの手続を進めてまいります。
○議長(藤山将材君) 鈴木太雄君。
  〔鈴木太雄君、登壇〕
○鈴木太雄君 以上で、私の一般質問を終了します。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(藤山将材君) 以上で、鈴木太雄君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 34番山下直也君。
  〔山下直也君、登壇〕(拍手)
○山下直也君 皆さん、こんにちは。自民党県議団、山下直也でございます。
 平成30年6月定例会、質疑及び一般質問初日、4番手の登壇であります。私にいたしまして通算で30回目の質問となります。あとしばらく、眠いときもあると思うんですが、おつき合いのほどよろしくお願い申し上げたいと思います。
 今、議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして、今回は4項目でありますけれども、一般質問に入らしていただきたいというふうに思います。
 なお、今定例会における私の一般質問についてでありますが、4つの項目を予定しておりますが、1つ目の項目につきましては一括して答弁をいただき、残る3つの項目につきましては一問一答形式で行いますので、その点、よろしくお願いを申し上げます。
 まず、カジノを含む統合型リゾート、いわゆるIRについてお伺いをいたします。
 去る4月27日に特定観光複合施設区域整備法案、いわゆるIR整備法案が国会に上程され、現在審議中であり、与党は今国会での成立を目指しているところであります。
 そのような中、知事のこれまでの積極的な誘致活動が認知され、和歌山県の知名度も上がり、新聞やフォーラムでは北海道、大阪、長崎と並んで和歌山の名前が必ず出るようになってまいりました。
 私は以前、IRの中核施設として世界規模の展示場や、また国際会議場が必須というのであれば、和歌山県が手を挙げることは難しいのではないかと考え、昨年2月定例会で今後のIR誘致戦略、それと取り組みについて質問をいたしました。
 その際、知事からは、大都市型のIRだけでなくリゾート型のIRにも十分配慮した区域認定を基本とするとともに、施設規模なども地方の実情に合うような地方創生の観点を踏まえた法体系になるよう、積極的に国に働きかけるとの答弁をいただきました。
 我々県議会も、昨年6月定例会で地方創生を重視した特定複合観光施設区域の選定を求める意見書、これを採択し、地方創生に重きを置いた法整備を行うよう国に対して強く要望してきたところであります。
 このような知事と議会の働きかけが功を奏し、IR整備法案では中核施設の要件について緩和され、意欲ある地方都市がエントリーできるようになったことは本県にとって非常にプラスと考えるわけであります。
 こうした状況の中、知事は、IR整備法案の上程に合わせ、和歌山県IR基本構想を公表するとともに、和歌山県のIRに対して参画を希望する国内外の事業者を対象に投資意向調査、いわゆるRFI(リクエスト・フォー・インフォメーション)を実施するなど、誘致に向けた取り組みを加速されております。
 そこで、知事にお伺いをいたします。
 和歌山県IR基本構想で示した本県の目指すIRの方向性、地元にもたらされるメリットやデメリット対策についての民間事業者からの評価や投資意欲に関する知事の手応えはいかがでありましょうか。
 次に、外国人専用の方針転換についてお伺いをいたします。
 最近の記者会見やフォーラムの場で、知事は、以前に掲げておりましたカジノ施設に限っては外国人専用とする方針を条件つきで見直す発言をされておられます。知事は、平成29年12月定例会において、山田議員の「外国人専用という方針を転換してはどうか」という質問に対し、「外国人専用の見直しについては、今後上程されるIR実施法案において、国民が納得できるような依存症対策が確立されているかどうか、確立されていくかどうか、慎重に見きわめていきたい」と答弁をされました。
 先般、IR実施法案──現在はIR整備法案と称されておりますが、国会に上程され、カジノ規制の中身もほぼ見えてきたことから、知事が法案を吟味し、評価した上で、条件つきながら外国人専用の方針を見直す意向を示されたものであると推察するところであります。
 ちまたでは、外国人専用では収益性の観点から他のライバル自治体におくれをとる、あるいは外国人専用だと事業者が来てくれないなどという話が聞こえてまいりました。私自身も、外国人専用では戦えないのではないかなどと考えておりましたので、この知事の方針転換を非常に好意的に捉えております。
 そこで、2点目として、外国人専用の方針の見直しについて、知事の言う条件とは、和歌山県IR基本構想に記載されているギャンブル依存症及び破産リスク対策が全て実現できればということであると理解をしておりますが、具体的にどのような場合に方針を転換されるのか、知事の御所見をお伺いいたします。
 さて、ぜひとも誘致を成功させたいと思うものの、実は1つだけ不安に思っているところがございます。それは、IR整備法案で当初の区域認定数が3つに限定されていることであります。整備法案をめぐる与党協議において、自民党は区域認定数を4ないし5カ所とする案を出しておりました。全国で4~5カ所認められるのであれば、現在取り沙汰されている候補地の中でも和歌山県は有利であろうと考えておりました。
 なぜならば、立場上、いろいろな情報が私の耳に入ってまいります。例えば、大阪府・市の候補地である夢洲はまだまだ埋め立ての途中であり、実際の開業までにはかなりの時間を要するだろうことやインフラ整備の問題があること、また北海道については候補自治体を絞り切れていないことやそれぞれの候補地が未造成であること、あるいは後背人口が少ないこと、さらに長崎については国際空港から離れていることなどの話を聞いていたからであります。
 一方で、和歌山県は、既に造成がされていること、大阪を初め神戸、京都、奈良に至る後背人口が他地域より秀でていること、さらに関空までの所要時間は夢洲よりも近いことなど、ライバルと目される自治体と比較しましても、誘致レースにおいてアドバンテージを有するものと考えていたところであります。
 こうしたことから、全国で4ないし5カ所認められるのであれば、有力と認められている誘致自治体の数や状況を鑑みて、和歌山県は極めて有利ではないかと考えておりました。
 しかしながら、上程された法案では区域認定数が3カ所となったことから、同じ関西地方にある大阪府・市が実際的には自治体間競争のフロントランナーと目されている状況の中で、地域的なバランスを考えたときに、IR事業者は大阪に近接する和歌山県に、本音では目を向けてくれないのではないかなどと危惧をいたします。
 県民の方々といろいろなお話をする中でも、地域活性化の起爆剤としてIR誘致を望む皆様からは、3カ所となったけれど、本当に和歌山に可能性はあるのかという声もよく聞こえてまいります。知事は、当初の区域認定数が3カ所となった後も積極的に誘致活動を展開され、海外のIR事業者と多くの面談を重ねられておりますが、有力な候補地である大阪と近いという地理的な問題についてどのように捉えられておるのか、お伺いをいたします。
○議長(藤山将材君) ただいまの山下直也君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 議員御発言のとおり、4月のIR整備法案の上程を受けまして、県では和歌山県IR基本構想を公表したところでございます。
 去る5月10日、11日には、国内外の主要なIR関連事業者が集まり、日本へのIR導入に向けて議論を交わす国際的なフォーラム「ジャパン・ゲーミング・コングレス」というのが開かれましたが、私も昨年に引き続いて参加いたしまして、この基本構想について説明するとともに、本県の優位性をPRいたしました。
 説明後に複数の海外のIR事業者と個別に意見交換を行ったところでございまして、今回、基本構想で示したコンセプトや事業性分析、本県独自の依存症や破産リスクに対する取り組みなどについて高い評価をいただいたと思っております。
 県としては、こうした事業者の本県に対する投資意欲を具体的な形で提案していただくために、先般、投資意向調査(RFI)の実施を発表し、説明会を行ったところでございますが、和歌山会場と東京会場を合わせて約100社の参加がございました。
 提案募集は8月末まで実施しておりまして、その後、事業者からいただいたアイデアを加えることでIR基本構想をさらにブラッシュアップし、最終的に国に提出する区域整備計画の策定に向けた準備をいち早く進めていく所存でございます。
 次に、外国人専用の方針転換についてでございます。
 私は以前から、IRは和歌山県の発展のために、雇用やあるいは経済成長とか、そういう点では物すごく役に立つんだけど、しかし、依存症その他の弊害がいっぱい出てはやっぱり問題であるというふうに人一倍思っておりましたので、実効性のある依存症対策が講じられるまでは、和歌山県民の方は御心配でしょうから、カジノ施設に限っては外国人専用とするというふうに発言をしていたところでございます。
 この発言は、あるいはこの方針は、恐らく法案を検討していた政府に大きな影響を与えたのではないかと勝手に推測をしておりまして、議員御指摘のように、IR整備法案を見ますと、マイナンバーカードを利用した入場回数制限や入場料の設定、本人・家族申告による入場制限措置、現金でないと認めない、クレジットカードの使用は不可である、中に現金引き出し機を置いてはいかんとか、そういう重層的で多段階的な規制が設けられておりまして、また、家族や本人がちょっと問題だと思ったときに登録しておくとその方は入れないというような、そんな規制が設けられております。私は、これでカジノ行為に対するいわゆる依存症の防止対策は、ほぼ万全ではないかなあというふうに評価しております。
 しかしながら、じっと考えますと、1回のかけごとで全財産をなくしてしまうと、何度もやるんじゃなくて1回やるときに全部なくなるというような破産リスクについては、まだ少し心配する余地があるんじゃないかと、こういうふうに思いました。
 そこで、本県独自の取り組みとして、IRカードを導入し、所持する現金、これは現金を持ってこないと入れてくれないわけですが、所持する現金の範囲内で使用する額を入場の際に相談してチャージしていただくことによって、使い過ぎることを抑制いただくことを考えました。どうせ現金に限るといっても、現金を持ち運んでカジノの中を歩き回るということは余りスマートではないし、考えられませんので、実際には現金をカードに入力してもらって、それで使っていただくということになるのではないかと思います。したがって、これは別に公的規制ということでなくても運用でできる話だと思っております。
 また、かけごとに熱くなってる人に休憩とか退場を促す依存症対策専門員の配置などを事業者に求めたりいたしまして、事業者がこれらの運営をちゃんと行っていただけるならば、論理的に考えて依存症や破産リスクはなくなるだろうと考えているところです。
 多くの事業者に、このIRカードを初めとする県の提案が大変よいアイデアだというふうに評価されていまして、自分がやるんだったらそれを採用するというふうに言ってくれてるんで、さきに述べた本県独自の取り組みはまず実現するだろうと考えております。事業者を選定する段階で、本県の考える依存症や破産リスクの防止に関する提案にコミットしていただけるのであれば、外国人専用である論理的な理由はないというふうに思っております。
 議員の御指摘に若干の追加をいたしますと、私は外国人専用でも業者は何社か、全部でなくても何社か有力な業者はそういう形でも和歌山でコミットしてくれる可能性はあると思っています。外国にも外国人専用のIRはいっぱいありますので。しかし、そういう形のものは、今回出されている法の趣旨にぴったりいたしませんし、また、そういう形のかちっとしたそういう形になってるものを1カ所でも認めると、ほかのところへの影響も考えられますので、したがって、私は政府はそれは認定しないんじゃないかというふうに推定しているところでございます。今の和歌山県の考え方だったら認めていただけるというふうに思います。
 次に、認定区域数の上限が、議員御発言のとおり、もっと多くの数になっておれば、例えば5カ所でもあれば、今真剣に構想している地域の数からして、和歌山県は他の自治体と競争しなくてもよいと、これは確実だというふうに思っておったんですが、法案では3カ所ですというふうに言われてしまいましたので、競争しなければいけなくなりました。
 そういった状況の中で、一部の人の間では関西では2つは無理だろう、認定されないだろうというような臆測があるようでございます。
 そこで、和歌山県では、まず法案作成者初め政府関係者に対しまして、近い地域に複数は認めないということはないですよねと、すなわちいわゆる地域バランスが前提になることはないですよねというようなことを確認した上で、法の趣旨に沿った一番よい計画から選定すべきであるというふうに要望したところでありまして、そのような関係者からはそのとおりだというふうな回答をいただいております。
 こうしたことを踏まえ、民間事業者との面談の際には、地域バランスを考慮して選定するとは法案にも規定されておりませんし、またそのことを政府にも確認しているんですよと説明することで、民間事業者の理解が得られているわけでございます。
 実は、民間事業者の意見は、純粋にビジネスの観点からいたしますと、IRは近くにいっぱいあったほうがいいというのが相乗効果から考えて、そのほうがビジネスに合うんだということも、異口同音に全ての事業者が言うておられました。それは、ずっと事業者と議論をしておりますので、わざと私は聞きましたので、そんなふうに言うていました。考えたら論理的であるかなという気はいたします。
 県としては、政府に認定されるよう、よい区域整備計画を作成することに今後全力を挙げて取り組んでいく所存でございます。
○議長(藤山将材君) 山下直也君。
  〔山下直也君、登壇〕
○山下直也君 ただいまは、知事から本県のIR誘致に向けた取り組みに対する民間事業者の評価が極めて高いという御答弁をいただき、さらに、やみくもに何が何でもIR誘致という姿勢ではなくて、依存症や破産リスクから県民を守るという知事のそういう思いもお聞きをいたし、大変安心をし、また心強くも感じたところであります。
 IR誘致が実現すれば、観光振興や地域経済の振興、とりわけ県内への経済波及効果が年間3000億円、雇用効果が2万人という莫大な恩恵をもたらすものであり、まさに地域活性化の起爆剤となり得るものであります。
 しかしながら、県内の事業者にとって、何千億の経済効果、何万人の雇用という話をしても、なかなかぴんときてもらえないようなところもあるのではないでしょうか。何万人や何千というその根拠、そこを知りたい、そのように思う方々も結構いるのでないかなと思いました。
 これから少しお話をいたしますけれども、もしもこのIRが実現すれば、こういう業界が生まれてきて、こういう例えばお仕事が出てきてとか、単に雇用の場がたくさんふえるということだけではなくて、ビジネスチャンスも多く生まれてくるというようなところまでも説明をしていかないと、なかなか振り向いてもらえないのかなというようなことも思いました。
 ちょっとおごった言い方ですけど、私が勉強した限りでは、今まで今日あるカジノ、いわゆる海外の事例では、IRの建設時には多くの工事が地元企業に発注をされ、さらには大量の建築資材の需要が発生します。また開業後、IR施設内で消費される食材、ホテルで使用されるタオルやシーツのクリーニングや清掃サービス、いろんなもの、もろもろさまざまな物品、サービスに地元優先調達率というものを設定することによって、地元企業に対して大きな経済効果が生まれます。
 そこで、これは当局に対する要望でありますが、IRの誘致は全ての県民にとってこれは他人事ではなく、一人一人の未来に直結する大きなチャンスであるということを、今まで以上に丁寧かつ継続的に説明していただきたいと思うのであります。こうした取り組みがIRの正しい理解につながり、結果的に誘致活動も加速していくのではないでしょうか。
 また、県庁内におきましては、地域経済振興に係る例えば商工分野、依存症にかかわる福祉保健分野のほか、県土整備や教育、県警など、およそIRに関係のある全ての部署が集まって横断的なプロジェクトチームを組織し、全庁を挙げ誘致に取り組んでいただきたい、そうでないとなかなか厳しい戦いに勝ち残れないのではないかなというふうに心配もいたします。
 多々申し上げてまいりましたが、本県のさらなる発展のためにぜひともこのチャンスを生かし、3カ所の認定区域に食い込むよう頑張っていただきたい。議会といたしましても、引き続き本県へのIR誘致に向けた支援を行ってまいる所存であります。
 IRについては、質問は以上であります。
 続いて、2項目めの質問、地域医療構想についてお伺いをいたします。
 先週6月15日に閣議決定をされました経済財政運営と改革の基本方針2018、いわゆる骨太の方針2018におきましては、2025年に向けて地域医療構想を集中的に検討するよう、県に対して要請がなされております。
 具体的に申し上げますと、地域の医療機関・団体等で構成される地域医療構想調整会議において、個別の病院名や機能転換する病床数などの具体的な議論を集中的に検討するという従前の内容に加え、今回の骨太の方針2018におきましては、公立・公的医療機関については、地域の医療需要等を踏まえつつ、地域の民間医療機関では担うことができない高度急性期・急性期医療や不採算部門、過疎地等の医療提供等に重点化するよう医療機能を見直し、これを達成するための再編、統合の議論を進めるなどとされております。
 そこで、国のこの方針を受けて、地域医療構想に係る知事の意気込みをお伺いいたします。
○議長(藤山将材君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 地域医療構想は、2025年の医療需要を踏まえて、高度急性期、急性期、回復期、慢性期から在宅医療に至るまで、患者の病状に合った質の高い医療提供体制を構築しようとするものでございます。
 その推進に当たっては、救急医療やがん治療など、地域で特に必要とされる医療機能については、引き続きその充実を図ることにより、将来にわたり県民が安心して安全な医療を受けることのできる体制を堅持することが重要であります。
 和歌山県地域医療構想においては、2025年の必要病床数を9506床と定めておりまして、現状の病床数との差があることから、県全体としては適正な規模へと病床数を収れんさせていく必要がございます。
 今回の骨太方針2018で示された公立・公的医療機関の担うべき役割に関しては、本県の公立を含む公的医療機関は十分認識しており、これまでも救急医療や僻地医療などの不採算部門を担っているところでございます。その上で、地域医療構想を進めるためには、この責務を果たしつつ、公的病院を中心とした再編・ネットワーク化に取り組む必要があります。
 また、本年4月には、急性期から回復期への病床再編や在宅医療の推進といった地域医療構想に沿った方向性で診療報酬が改定され、各医療機関にあっては、それぞれの目指す方向性を打ち出していただく時期にそろそろ来ているんではないか、そういうふうに考えております。
 こうしたことを踏まえて、各医療機関が適切な機能分化、連携についてより踏み込んだ議論ができるよう、県としてもしっかりと支援し、地域医療構想の実現を図っていく所存でございます。
○議長(藤山将材君) 山下直也君。
  〔山下直也君、登壇〕
○山下直也君 次の質問に移ります。
 県として、地域医療構想をしっかりと推進していくということでありますが、それでは本県においてはこれまで地域医療構想をどのように推進してきたのか、改めて福祉保健部長にお伺いいたします。
○議長(藤山将材君) 福祉保健部長山本等士君。
  〔山本等士君、登壇〕
○福祉保健部長(山本等士君) 和歌山県地域医療構想を策定するに当たっては、地域の医療関係者で構成される圏域別検討会を設置し、地域ごとの課題や実情を把握した上で策定したところです。
 策定後は、構想を推進するに当たって、県が各医療圏において全ての病院と地域医師会などの関係者で構成される地域医療構想調整会議を設置し、地域の医療機関が担うべき病床機能について協議を進めております。
 とりわけ、本県においては公的病院が地域医療の中核を担っていることから、この責務を果たしつつ、本県の地域医療構想と整合のとれた病床機能転換などを主体的に行う必要があると考えております。
 そこで、県では、平成28年10月に全国に先駆けて「地域医療構想と公的病院のあり方」を独自に策定し、その考え方を地域医療構想調整会議において示し、具体的な病床機能の再編等について議論を重ねているところです。
○議長(藤山将材君) 山下直也君。
  〔山下直也君、登壇〕
○山下直也君 次の質問に移ります。
 2025年に向けて、将来の医療需要に応じたバランスのとれた医療提供体制を地域ごとに構築していく必要があると思います。構想実現に向けて、今年度が極めて重要な1年間と考えますが、県としては今年度、どのように地域医療構想を進めていくお考えなのでしょうか、もう一度福祉保健部長にお尋ねをいたします。
○議長(藤山将材君) 福祉保健部長。
  〔山本等士君、登壇〕
○福祉保健部長(山本等士君) 団塊の世代が全て75歳以上となる2025年に向けて、回復期機能の病床の医療需要がさらに増加すると見込まれていることから、急性期機能を十分に果たしていない病床を回復期機能の病床へと転換していく必要があります。また、本年4月には、このような地域医療構想に沿った方向性で診療報酬が改正されたところです。
 こうした状況から、県では各医療機関に対する意向調査やヒアリングを順次実施しているところであり、それぞれの医療機関が目指そうとしている方向性を取りまとめております。
 今後、各医療機関の意向を踏まえた上で、各医療圏において地域医療構想に沿った適正な医療提供体制を構築していくため、客観的なデータ分析を行いながら、公的病院を中心とした再編・ネットワークや医療機関同士の役割分担を地域医療構想調整会議において検討してまいります。
○議長(藤山将材君) 山下直也君。
  〔山下直也君、登壇〕
○山下直也君 ただいま部長から御答弁をいただきました。各医療機関が目指す方向性を踏まえての地域ごとの調整など、大変重要な検討が行われることになります。県におきましては明確なデータを提示し、各医療機関の実情も踏まえた丁寧な議論を行っていただくようお願いし、次の質問に移ります。
 2025年の医療需要予測に基づいて地域医療構想を推進するに当たり、骨太の方針2018においても今後一定のダウンサイジング、いわゆる縮小が必要とされているところであります。
 先ほど要望しましたように、仮にダウンサイジングするとなれば、各医療機関においては死活問題となりかねません。かけ声だけでなく、県としてどういった支援等が必要と考えていますか、福祉保健部長にお伺いをいたします。
○議長(藤山将材君) 福祉保健部長。
  〔山本等士君、登壇〕
○福祉保健部長(山本等士君) 和歌山県地域医療構想では、全国一律の算定式によって、2013年の診療実績に将来人口を加味した医療需要予測に基づき、2025年の必要病床数は9506床と定めております。なお、県内病床数は、昨年7月1日現在で1万2279床となっております。
 病床のダウンサイジング、いわゆる効率化、高機能化に向けた病床削減への支援といたしましては、15床以上を一度に廃止し、通所リハビリ施設等に用途がえする医療機関に対して、地域医療介護総合確保基金を活用した補助制度を設けており、引き続きその積極的な活用を周知してまいります。
 また、1年以上全く稼働実績がない病床に対しては、ヒアリングや実地調査により、今後も活用見込みのない病床を確実に把握し、その必要性を地域医療構想調整会議において議論してまいります。
 さらに、介護施設等への転換を検討している場合には、個別に相談に応じるなど、医療機関に対しさまざまな支援を行ってまいります。
○議長(藤山将材君) 山下直也君。
  〔山下直也君、登壇〕
○山下直也君 部長から答弁いただきました。何度も申し上げるようでありますが、各医療機関の経営に配慮した支援と、丁寧な議論を行っていただくようここで要望させていだたきますとともに、県民の皆様の受診に支障が出ない構想の実現に向け、取り組んでいただくことをあわせて要望させていただきます。
 では次に、3項目め、がん対策についてお尋ねをいたします。
 がん対策につきましては、これまでも平成24年12月の議員提案による和歌山県がん対策推進条例の制定など、ライフワークとして取り組んでまいりました。
 とりわけ、粒子線がん治療につきましては、群馬大学や佐賀県、千葉市の粒子線がん施設を視察し、県への導入の可能性を検討してきたところであります。近年、粒子線がん治療施設はふえ、今年度には関西にも大阪、京都、奈良の3カ所に新たに設置される予定となっております。粒子線治療は大阪府などへ行けば受けられるではないかなどと言われる声もあるかもしれませんが、しかし、県民は県内で最先端の治療を受けることを期待していると、私はそのように思います。このようながんの先端医療に関する調査活動を今後も展開していきたいと考えております。
 昨年の9月定例会の一般質問におきましては、平成25年4月に策定されました第2次和歌山県がん対策推進計画が平成30年3月までの計画であることから、計画の全体目標の達成状況について福祉保健部長にお尋ねをしたところ、部長からは、がんの75歳未満年齢調整死亡率を平成17年からの10年間で25%減少させる全体目標を定め、がんの予防と早期発見、がん医療の充実、がん登録など、総合的ながん対策に取り組んだ結果、平成27年の75歳未満年齢調整死亡率は人口10万人当たり80.3となり、平成17年の98.5と比較して減少率は18.5%と、全国の減少率である15.6%を上回り、全国で7番目に高い減少率であるとの答弁をいただき、これまでの総合的ながん対策の効果があらわれてきていると実感したところであります。
 しかし、75歳未満の年齢調整死亡率80.3は、全国平均の78.0より依然高いことから、これまでの取り組みや課題を踏まえ、がん対策のより一層の充実を図るため、和歌山県がん対策推進条例に基づき、平成30年度からの6カ年を計画期間とする第3次和歌山県がん対策推進計画が策定されました。
 この計画は和歌山県のがん対策の指針ですので、まずその特徴、そして目指す目標について、福祉保健部長にお尋ねをいたします。
○議長(藤山将材君) 福祉保健部長。
  〔山本等士君、登壇〕
○福祉保健部長(山本等士君) まず、第3次和歌山県がん対策推進計画の特徴としましては、国の計画では、死亡率の低下について一定の成果が得られたことから、がんの予防や医療などの各分野別の施策目標に重点を置くとの理由により、がんの75歳未満年齢調整死亡率の目標値は設定されていませんが、本県では死亡率が低下しているものの、全国と比べ高い状況にあることから、死亡率の目標値を定めたところでございます。
 また、計画の策定に当たっては、セカンドオピニオンや相談支援センターの認知度などの課題や現状を把握する必要があるため、今回初めてがん患者にアンケートを実施し、その対策を計画に盛り込んだところでございます。
 次に、目標としましては4つの全体目標を掲げております。
 第1に、がんの75歳未満年齢調整死亡率の低減であります。平成27年からの6年間で本県のがんの死亡率を15%減少させる目標値を定め、がんの死亡率の低減を目指してまいります。
 第2に、県民ががんに関する正しい知識を持つことで、がんにかかることを予防するため、科学的根拠に基づくがん予防、がん検診の充実を目指してまいります。
 第3に、がん患者が安心かつ納得できるがん医療や支援を受けるため、患者本位のがん医療の実現を目指してまいります。
 第4に、がん患者ががんと向き合いながら社会生活を続けていくため、尊厳を持って安心して暮らせる社会の構築を目指してまいります。
 これら4つの全体目標を達成するため、引き続きがん対策を推進してまいります。
○議長(藤山将材君) 山下直也君。
  〔山下直也君、登壇〕
○山下直也君 部長、御答弁ありがとうございます。
 75歳未満の年齢調整死亡率を低下させることが、第2次推進計画に引き続き重要であります。国のがん対策推進基本計画案では、この年齢調整死亡率の具体的な数値目標の設定が見送られていることから、県の計画に数値目標を盛り込んだ県当局の意気込みを私は大いに評価したいと思います。
 次の質問に移ります。
 がん対策推進条例の内容を検討していた際、私は、がん対策についてできることは全てやる、その理念を持って取り組みを進めました。先ほど福祉保健部長に答弁いただいた75歳未満の年齢調整死亡率の数値目標を達成することは、容易なことではありません。まさにできることは全てやるという理念のもと、予防、適切な医療、そしてがんになった後の暮らしの充実など、長期総合計画にあるような総合的な対策を講じていかなければならないと思いますが、具体的にどのような対策を考えておられるのでしょうか、福祉保健部長にお伺いをいたします。
○議長(藤山将材君) 福祉保健部長。
  〔山本等士君、登壇〕
○福祉保健部長(山本等士君) 目標を達成する具体的な対策としましては、まず、がん予防、がん検診の充実のため、1次予防として、がんにかからないための生活習慣の改善を促進するとともに、2次予防として、がんの早期発見、早期治療のためのがん検診の受診率と検診従事者への研修など質の向上を図ってまいります。
 次に、患者本位のがん医療の実現のため、先進的な医療の推進やがん医療に従事する医師や看護師の専門性の向上など、がん診療連携拠点病院を中心としたがん医療の充実を図ってまいります。
 最後に、安心して暮らせる社会の構築のため、がんと診断されたときから人生の最終段階に至る緩和ケアの推進や、治療と就労の両立支援などの相談支援機能の充実、ライフステージに応じたがん対策など、がんとの共生を推進してまいります。
 今後も、和歌山県長期総合計画に掲げている「がんを知り、がんと向き合い、がんに負けることのない社会」の実現に向け、総合的ながん対策に全力で取り組んでまいります。
○議長(藤山将材君) 山下直也君。
  〔山下直也君、登壇〕
○山下直也君 今、部長から御答弁をいただいたほか、過去の一般質問でも要望させていただいたように、がんと診断されてから患者の就労の問題など、がん患者とその家族にとっての心配事というのはたくさんあります。県当局におかれましては、そんな県民の皆さんの気持ちに寄り添い、安心して生活できるように取り組んでいただくことを要望させていただきます。
 また、平成25年から和歌山で開催をしておりますがん患者への支援を目標としたリレー・フォー・ライフでありますが、ことしで5年を迎えました。県では、和歌山市とともにブースを出展するなど協力をいただいているところでありますが、県内企業などの認知度が低く、参加者数が低迷している面もあり、県当局におかれましては、広報活動など、ますますの応援に取り組んでいただくことを要望いたします。
 この項目の質問は以上であります。
 では、最後の質問項目、リハビリテーション職の養成についてお尋ねをいたします。
 リハビリテーション職の養成につきましては、さきの2月定例会において、今日まで私がこの件に関し、平成9年2月定例会で初めて質問してからこれまで3度にわたり質問してきた経緯を申し上げました。
 高齢化が進む本県において、理学療法士、作業療法士及び言語聴覚士のいわゆるリハビリテーション職の養成、確保というものは急務であり、県内に養成施設が必要であることを訴えてきたわけでありますが、それに対し、当時の県当局は具体的な対策を進めるとの認識を持っていただけなかったことを申し上げた上で、全国に先行して高齢化が進んでいる現状において、改めてリハビリテーション職の需要や県内の養成状況について、県の見解をお聞きいたしました。
 それに対して県の答弁は、リハビリテーション職の有効求人倍率は高水準で推移していること、平成28年5月に県が策定した地域医療構想において、リハビリテーションを中心とする回復期機能病床が不足すると予測し、それに対応するためにリハビリテーション職の確保対策が必要であること、地域包括ケアシステムの構築を進める上で在宅医療や介護にリハビリテーション職が必要であること、このようなことから今後、リハビリテーション職の需要は一層増大すると考えており、リハビリテーション職の養成、確保対策に積極的に取り組んでいくと、福祉保健部長から御答弁をいただいたところであります。
 さきの議会でも申し上げましたが、最初の質問から約20年が過ぎたわけであり、4度目の質問でようやく県にその重要性を認識していただいたと感じたわけであります。
 そして、県内のリハビリテーション職の養成状況についてお聞きしたところ、県内には理学療法士を養成する4年制の専門学校が1校のみであり、また作業療法士につきましては県内に養成施設がない状況であり、全国の状況を見ても本県の養成力は余りにも小さく、大変な状況であることが明確になったわけであります。
 そこで、今後の人材養成、確保対策をどうしていくのか知事にお伺いをしたところ、知事からは、リハビリテーション職については、今後需要の増加も見込まれるし、県内から150人程度の学生が毎年県外の大学や専門学校で学んでおり、進学希望者も結構多いということで、この人たちを考えると大学の誘致ができると考えており、今後積極的に誘致を進めたいと答弁をいただいたところであります。
 先般、宝塚医療大学が県体力開発センター跡地に進出を希望すると意向表明されたと聞いておりますが、そこに至った経緯と誘致の進捗状況、今後の見通しについて福祉保健部長にお伺いをいたします。
○議長(藤山将材君) 福祉保健部長。
  〔山本等士君、登壇〕
○福祉保健部長(山本等士君) 県では、リハビリテーション職の養成、確保と学生の県外流出が課題であると認識し、これまで県外のさまざまな大学に誘致の働きかけを行ってまいりました。その中で、宝塚医療大学は本県への進出を希望された唯一の大学でした。
 誘致場所につきましては、和歌山市と連携し、和歌山市民図書館の跡地利用を第1候補として大学との協議を進めてまいりましたが、大学から、開設までの工事等のスケジュールが厳しくなってきたということから、市民図書館の跡地利用は断念したいと和歌山市と県に申し出がありました。
 大学としましては、和歌山市内に適した場所があれば進出したいとの意向であったことから、県は他の誘致場所を検討した結果、和歌山県体力開発センター跡地が最適の場所であると判断したところです。
 なお、県有地への大学誘致に際し、広く進出の意向を確認しましたが、意向表明があったのは宝塚医療大学のみでありました。
 今後、7月に宝塚医療大学から提出される設置計画の内容について具体的な協議を進め、9月末をめどに県と大学との間で基本協定を締結し、2020年4月の開設を目指してまいります。
○議長(藤山将材君) 山下直也君。
  〔山下直也君、登壇〕
○山下直也君 宝塚医療大学が県体力開発センター跡地へ進出することとなった経緯、現在の進捗状況はわかりました。
 今後、大学と具体的な協議を行うということでありますが、質の高いリハビリ職人材が育成されるよう、教育内容につきましても大学と十分に協議をしていただきたいと思います。お願いします。
 次の質問に移ります。
 次に、県内にリハビリテーション職を養成する大学ができることで、今後、本県のリハビリ人材の育成、確保等についてどのような効果を期待されるか、福祉保健部長にお伺いをいたします。
○議長(藤山将材君) 福祉保健部長。
  〔山本等士君、登壇〕
○福祉保健部長(山本等士君) このたびの誘致で期待している効果としては、大きく5点ございます。
 まず、1点目としまして、大学ではリハビリテーションの専門的かつ先進的な研究、教育が行われるとともに、幅広い教養を身につけるための教育も行われ、専門性と幅広い知識を持った総合力の高い人材の育成が期待できます。
 次に、2点目としまして、本年4月、和歌山市内に東京医療保健大学和歌山看護学部が開設され、2021年4月には、和歌山県立医科大学薬学部を開設する予定です。両大学との連携を進めることで共同事業や共同研究の機会もふえ、他職種と協力したチーム医療の担い手となる人材の育成が期待できます。
 次に、3点目といたしまして、学生は主に県内の病院や介護施設などで実習を受けますが、実習先で人とのつながりができることから、施設に魅力を感じ、県内就職への意識が高まることが期待できます。
 次に、4点目といたしまして、毎年約100名の学生がリハビリテーション職を目指して県外の大学に進学しておりますが、その若者の県外流出を抑制することができます。
 最後に、5点目といたしまして、開学4年目には約400名もの学生が町なかに集うことになり、地域の人々との交流やさまざまな経済活動を通じてにぎわいが創出され、中心市街地の活性化が期待できます。
○議長(藤山将材君) 山下直也君。
  〔山下直也君、登壇〕
○山下直也君 人材の育成と確保に大きな期待をされているということでありますが、リハビリテーション職を目指す学生にとって、県内で学べる場ができるということは大変いいことであると思います。
 本年4月には、今も御説明のありましたように東京医療保健大学和歌山看護学部が開設をされ、第1期生104名が入学されたと聞いております。うち県内出身者は100名とのことでありますが、今後、優秀な看護人材が確保できることを期待しております。
 また、平成31年4月には和歌山信愛大学教育学部が新設予定であり、2021年4月には県立医科大学薬学部が設置される予定でありますが、ここに新たに宝塚医療大学が誘致できれば、和歌山市内の中心部に4つの大学ができることになり、町なかが大変にぎやかになるのではなどと私も期待はいたしております。
 県は、長期総合計画で、人口減少を食いとめるべく子育て環境の整備や未来を開く人材を育てるとしておりますが、大学誘致は大変効果が期待できるものと考えます。ぜひ、単なる誘致で終わるのではなく、今後もさまざまな面で県として支援を行い、本県の人材育成、確保と地域の活性化に取り組んでいただきたいと思います。
 またあわせて、今まで長い間、本県の人材育成に頑張ってこられた和歌山国際厚生学院の役割も非常に大きかったと感じております。知事も、6月5日の定例記者会見で、リハビリ人材の需要が高まっており、共存することは可能との発言をされたと伺っております。
 2月定例会でも要望させていただきましたように、意欲のある地元の学校が、これまた仄聞をしておるわけでありますけども、専門大学校化を目指すということで現在も頑張っておられるやに聞いております。そういうことに対しましても、県もいろんな指導や、またある意味では協力も惜しむことなく、これまた将来の和歌山に向けていろんなところでお手伝いができる部分があるならば、積極的にしていただきたい。
 そういうことになっていきますと、また学校がもう1つふえるかもしれない。その結果、高齢者や、それからいろんな方面でこの学校を卒業した方々が活躍ができる、そういう面で和歌山県民がこういう対策においてのプラス面を享受できるということになるわけでありますから、そういう点は何とぞ御理解をいただきたいと思います。
 そういう点も踏まえ、共存共栄できるように今後ともしていただくことをお願いし、私の質問を終わりたいと思います。どうかよろしくお願いいたします。(拍手)
○議長(藤山将材君) 以上で、山下直也君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後2時37分散会

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