平成30年2月 和歌山県議会定例会会議録 第7号(全文)


平成30年2月 和歌山県議会定例会会議録

第7号(全文)

 

 

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平成30年2月
和歌山県議会定例会会議録
第7号
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議事日程 第7号
 平成30年3月8日(木曜日)
 午前10時開議
 第1 議案第1号から議案第17号まで、議案第34号、議案第39号から議案第46号まで、議案第48号から議案第66号まで、議案第69号、議案第71号から議案第75号まで及び議案第77号から議案第94号まで(質疑)
 第2 一般質問
 第3 議案第47号(委員長報告・同質疑・討論・表決)
 第4 議案の付託
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会議に付した事件
 第1 議案第1号から議案第17号まで、議案第34号、議案第39号から議案第46号まで、議案第48号から議案第66号まで、議案第69号、議案第71号から議案第75号まで及び議案第77号から議案第94号まで(質疑)
 第2 一般質問
 第3 議案第47号(委員長報告・同質疑・討論・表決)
 第4 議案の付託
 第5 議案第96号及び議案第97号(当局説明)
 第6 休会決定の件
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出席議員(41人)
 1番 中西峰雄
 2番 秋月史成
 3番 立谷誠一
 4番 泉 正徳
 5番 前芝雅嗣
 6番 花田健吉
 7番 井出益弘
 8番 宇治田栄蔵
 9番 川畑哲哉
 10番 玉木久登
 11番 濱口太史
 12番 鈴木太雄
 13番 尾﨑太郎
 14番 藤山将材
 15番 尾崎要二
 16番 中村裕一
 17番 岩田弘彦
 18番 中本浩精
 19番 服部 一
 20番 山本茂博
 21番 冨安民浩
 22番 吉井和視
 23番 堀 龍雄
 24番 中 拓哉
 25番 岸本 健
 26番 森 礼子
 27番 谷 洋一
 28番 新島 雄
 29番 岩井弘次
 30番 多田純一
 31番 片桐章浩
 32番 藤本眞利子
 33番 浦口高典
 34番 山下直也
 35番 山田正彦
 36番 菅原博之
 37番 谷口和樹
 38番 奥村規子
 39番 雑賀光夫
 41番 坂本 登
 42番 長坂隆司
欠席議員(なし)
〔備考〕
 40番 欠員
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説明のため出席した者
 知事         仁坂吉伸
 副知事        下 宏
 知事室長       宮﨑 泉
 危機管理監      藤川 崇
 総務部長       浦上哲朗
 企画部長       髙瀨一郎
 環境生活部長     山田成紀
 福祉保健部長     山本等士
 商工観光労働部長   山西毅治
 農林水産部長     原 康雄
 県土整備部長     森戸義貴
 会計管理者      野田孝雄
 教育長        宮下和己
 公安委員会委員長   溝端莊悟
 警察本部長      宮沢忠孝
 人事委員会委員長   平田健正
 代表監査委員     江川和明
 選挙管理委員会委員長 小濱孝夫
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職務のため出席した事務局職員
 事務局長       田村公一
 議事課長       松山 博
 議事課副課長     武田 稔
 議事課議事班長    岩谷隆哉
 議事課主任      保田良春
 議事課主任      岸裏真延
 議事課主事      浅田晃秀
 議事課主事      大森圭悟
 総務課長       糸川 徹
 政策調査課長     中平 博
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  午前10時0分開議
○議長(尾﨑太郎君) これより本日の会議を開きます。
 日程第1、議案第1号から議案第17号まで、議案第34号、議案第39号から議案第46号まで、議案第48号から議案第66号まで、議案第69号、議案第71号から議案第75号まで及び議案第77号から議案第94号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第2、一般質問を行います。
 14番藤山将材君。
  〔藤山将材君、登壇〕(拍手)
○藤山将材君 おはようございます。一般質問も最終日の5日目でございます。早速質問に入ります。最後までよろしくお願いをいたします。
 まず1点目、外国人観光客の利便性向上に資するQRコードを活用したキャッシュレス決済の普及促進について伺います。
 観光客の利便性向上策として、県内観光地での電子マネーの普及促進について、平成24年の12月定例会で質問をいたしました。
 電子マネーが本格普及し始めたのは2007年からで、それ以降、年15%から20%のペースで伸び続けているそうで、今ではICOCAなどの交通系のICカードで電車やタクシーに乗ったり、コンビニの支払いに電子マネーやクレジットカードを利用するのが日常的な光景となり、現金文化が根強い我が国においてもキャッシュレス決済は少しずつ普及が進んでいます。ICOCAのカードを持ったものの、ある同僚議員のように駅の自動改札機の切符の挿入口にねじ込んでブザーを鳴らしてJRを困らすというような、そういう人の姿も今ではめっきり目にすることもなくなりました。
 しかしながら、我が国における電子マネーやクレジットカードなどキャッシュレスによる決済率はおよそ20%で、そのうちスマートフォンなどによるモバイル決済は6%、既に50%を超えている中国や韓国、欧米の半分以下にとどまっています。
 今回、普及促進を提案するのはQRコードを用いた決済方法で、これは毎月の携帯電話料金に合わせるか、事前にクレジットカードの情報を登録した自分のスマホでQRコードを読み込むだけで簡単に支払いができるツールであります。私も使い始めていますが、ICカードと同じようにかざすだけで支払いができるので大変便利であります。
 QRコード決済ならではの特徴として、利用者にとっては電子マネーと比べて自分の使っているスマートフォンの通信会社や機種に縛られず、さらに店側もタブレット端末やスマートフォンがあれば専用の読み取り装置も必要ないことから、導入のイニシャルコストを大幅に抑えることができるので普及が見込まれています。
 導入はタクシーやコンビニにも広がりを見せていて、コンビニチェーンではローソンが先月から全国の1万3000店舗に導入を始めました。IT大手の楽天は、QRコードと同じように手軽な方法としてバーコードを利用した電子決済を早くから手がけていますし、LINEも参入し、IT各社で販売競争が激化しています。
 しかし、QRコードで支払いができるサービスは、海外では普及していますが、日本ではまだまだおくれている現状であります。特に最先端を行く中国では、アリペイやウィチャットペイで、店舗での買い物や個人的なやりとり、割り勘や子供の小遣いまでキャッシュレスになってきて、もう何年も現金を使っていないということも当たり前というほどキャッシュレス決済が普及しています。
 昨年の我が国の外国人観光客は約2869万人、そのうち大阪は1000万人、京都は700万人を超えたんではないかと言われていますし、関西空港の訪日客は東日本大震災後に比べ4倍に伸びていて、羽田や成田が2倍ということを考えれば、いかに関西が伸びているかがわかります。
 これまでの政策としては、外国人観光客が情報をとるための利便性向上策としてWi-Fiスポットの整備に注力されてきたと思います。和歌山でも、目標の1500カ所を前倒しで達成したことは素直に評価をいたしております。また、KANSAI Free Wi-Fiとしてオフィシャル化されてきたので、これを今後も広げていく形で情報面の環境整備はできていくと思います。
 次は外国人観光客が利用しやすい決済の環境づくりに注力していく時期に来ていると考えておりまして、もはやグローバル時代の趨勢とも言えるこうしたキャッシュレス決済の普及促進について、和歌山県としてどう取り組んでいくのか、商工観光労働部長にお尋ねをいたします。
○議長(尾﨑太郎君) ただいまの藤山将材君の質問に対する答弁を求めます。
 商工観光労働部長山西毅治君。
  〔山西毅治君、登壇〕
○商工観光労働部長(山西毅治君) 訪日外国人観光客が困ったことの上位に決済環境が挙げられており、カード決済や電子決済といったキャッシュレス決済システムの導入を促進することは、外国人観光客の利便性の向上や消費の誘発の観点から有効な手段になると考えています。
 県では、外国人観光客の受け入れ対策としてその理解、普及に努めていますが、システムの導入にかかる初期投資、振り込み手数料等の経費負担や日本特有の現金主義から、広く県内の事業者に普及するには至っておりません。
 議員御提案のQRコードを活用したシステムのように、初期投資が少額で済む決済システムも開発されているところであります。今後とも、セミナー等を通じて、こうした最新の決済システムやその導入事例を紹介することにより、その利点を理解してもらい、キャッシュレス決済システムの普及を図り、観光客による消費の拡大に努めてまいります。
○議長(尾﨑太郎君) 藤山将材君。
  〔藤山将材君、登壇〕
○藤山将材君 キャッシュレスが最も進んだと言われるスウェーデンでは、現金拒否のお店も珍しくないそうでありまして、逆に現金だけでは生活は大変不便だということでありまして、さらに最近は1センチぐらいのチップを親指と人さし指の間に埋め込んで、それを端末にかざして個人を識別して決済するというような、スマートフォンさえ不要という、そういう先を行くサービスも始まっているようでありますが、幾ら何でもそこまではちょっとというふうに思っておりますけども。
 先月末に、三菱東京UFJ、三井住友、それからみずほのいわゆる3メガバンクが、QRコード決済で規格を統一して連携する方針を固めたというニュースを見ました。ほかの銀行にも統一規格の採用を呼びかけていくということでありますので、実現すればデビットカードのように銀行口座からすぐに引き落とされるなど利便性が高まる上に、我が国のキャッシュレス化に弾みがつくものと思います。
 今回は、外国人観光客の利便性向上ということで、消費拡大のための環境はしっかり整えるべきだという認識のもとで質問をいたしましたが、政府のほうでもキャッシュレス社会を生産性の向上につながると位置づけて、2028年にその決済の比率を40%までに引き上げる目標も上げておるということでありますので、しっかりと取り組んでいただきたいというふうに思います。
 それでは2番目の項目で、診療報酬の改定を受けて、在宅医療の推進について伺ってまいります。
 先月、「日経新聞」に病院のベッド数が39道県で過剰になっていて不要な入院を招く懸念があるという記事が掲載されていました。各都道府県の医療の将来像である地域医療構想で示された2025年の必要ベッド数を単純に合計すると119万床強であるのに対し実情は125万床ということで、おおむね6万床ほど多いということであります。厚生労働省は、入院医療費が医療財政に非常に影響しているので、この過剰供給を抑制するために知事の権限を強めてベッド数を管理しやすくしているとのことであります。
 そこで、2016年5月に策定された和歌山県の地域医療構想ではどうなっていたかを改めて確認してみると、2014年のベッド数は3000床ほど過剰であり、その解消も含め、あるべき医療提供体制を実現させるための施策に取り組むことになっており、端的に言うと、入院ベッド数を減らすならば、その受け皿としての在宅医療などを充実する必要があるということになります。
 こうした中、先月、医療サービスの価格である診療報酬について、2018年、この4月から改定の内容が示されたようで、団塊の世代が75歳以上となる2025年に在宅医療を利用する患者数が現在の1.5倍の100万人になると見込み、在宅療養患者の自宅を定期的に訪ねる訪問診療やテレビ電話を使った遠隔診療などの報酬を手厚くしたとのことであります。
 例えば、訪問診療では複数の医療機関が連携してさまざまな疾病を抱える患者への対応や24時間連絡がつく体制をつくれば診療報酬がふえるといった内容も盛り込まれているようですが、県の在宅医療充実の取り組みについてお尋ねをします。
 また、遠隔医療は、パソコンやスマートフォンなどを介して自宅など離れた場所にいる患者を医師が診察することなどが考えられるようですが、遠隔診療が可能ならば自宅で受診できるので、患者や家族の負担も減ることでしょう。
 ことしの1月18日、東京の山王パークタワーで、次世代通信方式5Gのデモンストレーションを視察する石田真敏代議士に同行させていただき、高精細診断映像による遠隔診療などのブースを体感し、人口減少などに伴って拡大する医療格差の解消に資するものだと改めて認識をするとともに、和歌山のような僻地医療が重要な地域において遠隔診療は大変有効と感じたところですが、県の遠隔医療の取り組みはどうなっていますか。
 以上2点、福祉保健部長にお尋ねをいたします。
○議長(尾﨑太郎君) 福祉保健部長山本等士君。
  〔山本等士君、登壇〕
○福祉保健部長(山本等士君) 議員御質問の2点のうち、まず1点目の在宅医療の推進についてお答えします。
 高齢化が進み、在宅医療の需要が増加することが見込まれる中、県では在宅医療提供体制を整備するため、病院、診療所、訪問看護ステーション、薬局などの関係機関が協力し、在宅療養患者を24時間サポートするわかやま在宅医療推進安心ネットワークの全県的な構築を目指しているところです。
 そのネットワークの構築に向けて中心的役割を担い、地域包括支援センターや医療従事者からの相談対応、訪問診療を行う医師の紹介などを実施する在宅医療サポートセンターを各保健医療圏に9カ所設置しています。さらに、在宅医療を行うかかりつけ医を支援する病院を地域密着型協力病院として本県独自に指定しています。この協力病院は、在宅療養患者の病状が悪化した際の入院や家族の都合によるレスパイト入院の受け入れなど、必要に応じて訪問診療を行う役割を担っております。現時点で20病院を指定しておりますが、今後さらに指定を進めてまいります。
 一方、患者が住みなれた自宅等で人生の最後まで安心して暮らすためには、本人と家族等が希望する医療やケアの方針について医療従事者等と話し合うことが重要であることから、県では、相談対応を行う医療従事者への研修や啓発漫画の配布など、普及活動にも取り組んでおります。
 引き続き、これらの取り組みを進め、在宅療養患者が安心して地域で暮らすことができるよう、在宅医療提供体制の充実を図ってまいります。
 次に、2点目の遠隔医療の取り組みについてお答えいたします。
 本県は、地理的にも医療資源が遍在することなどから、地域医療を充実するため、また、若手医師のキャリア形成を支援するため、平成25年に県立医科大学附属病院と県内公的医療機関においてテレビ会議システムを導入しました。その後、本格的な実用に向けて、たび重なる協議を経て、今年度からテレビ会議システムを僻地診療所等に拡大し、県立医大の専門医が遠隔の僻地診療所等医師の診療支援を行う遠隔医療を実現し、地域医療提供体制の充実を図っております。
 なお、この取り組みは総務省による5G実証試験に採択されたところであり、実用化されればより鮮明な画像で遠隔診療支援が可能になります。
 また、モバイル端末を活用した遠隔救急支援システムを3次救急医療機関及び各地域の中核病院に配備する取り組みを進めております。3次救急医療機関へ患者を転送する場合、事前に患者の検査画像を送信することにより患者到着から処置までの時間が短縮され、患者の救命率や予後の向上につながることが期待されます。
 今後とも、これらのシステムの活用の幅を広げ、県民の保健医療の充実を図ってまいります。
○議長(尾﨑太郎君) 藤山将材君。
  〔藤山将材君、登壇〕
○藤山将材君 在宅医療であるとか遠隔医療の体制が整うと、やっぱり在宅で療養される患者さんにとって病状の変化に対する心配も軽減されて、不安感も、ともすれば入院したほうがええん違うんかなというふうに思うことも減るだろうというふうに思いますんで。何より、住みなれた自宅で家族に囲まれながら療養できて、患者も家族も心豊かに暮らせるのではないかと思いますので、ぜひしっかりと取り組んでいただきますようお願いいたします。
 3つ目に、ビッグデータを活用した交通安全対策について伺います。
 先月、車を運転中に交通事故による渋滞に巻き込まれ、ふと以前、新聞に和歌山市が自動車の走行情報に関するビッグデータを活用した交通安全対策に乗り出すという記事が掲載されていたのを思い出しました。走行経路や渋滞情報などを送受信できる次世代型自動料金システムのETC2.0や、同じ機能を持つカーナビを搭載した車両から得られたデータを分析して急ブレーキや急ハンドルが多発した地点を割り出し、車線数の変更や路面標示の設置などの対策に生かすということでありました。
 必要なデータは和歌山市が危険箇所の候補地を国に申請し、認められれば分析したデータが国から提供されるとのことでしたが、危険箇所の候補地選定に当たっては、県も和歌山県道路交通環境安全推進連絡会議のメンバーとして参画していると聞きました。県では、同様のデータを取得し、交通安全対策に生かしているのでしょうか。
 他府県におけるビッグデータを活用した交通安全対策の状況を調べてみますと、埼玉県では平成19年から自動車メーカーのホンダと協定し、カーナビから得られる走行データを分析することで対策に取り組んでおり、埼玉県内で160カ所の安全対策を実施した結果、急ブレーキが約7割、人身事故も約2割減るなど大きな効果が見られたとホームページに記載されていました。
 ほかには大阪府などでも同様の取り組みがなされていますが、こうしたビッグデータを活用した交通安全対策は、事故が集中して発生している箇所に対して行う対症療法的な対策ではなく、潜在的な危険箇所に対する予防的な対策を行えるという意味で非常に有効な施策であると思っていますが、ビッグデータを活用することの必要性と今後の取り組みについて、県土整備部長にお尋ねをいたします。
○議長(尾﨑太郎君) 県土整備部長森戸義貴君。
  〔森戸義貴君、登壇〕
○県土整備部長(森戸義貴君) ビッグデータを活用した交通安全対策の必要性等についての御質問をいただきました。
 現在、国土交通省はETC2.0から得られたビッグデータを活用した生活道路の交通安全の確保に向けた取り組みの推進を全国の市町村に促しており、その技術的支援として、急ブレーキをかけたり急ハンドルを切った箇所などの情報を提供することとしております。この取り組みの対象は、身の回りの生活道路、具体的には市町村道が主でありまして、和歌山市の取り組みも先ほど議員から御紹介のあったとおりでございます。
 県で交通安全対策を実施する際には、警察の事故データから危険箇所を抽出したり、交通量や通学路などの道路利用状況を勘案して対策箇所を選定した上で、優先順位をつけて取り組んでおります。現時点でビッグデータを活用した交通安全対策箇所の抽出等は行っていないのが実情であります。なお、国土交通省においても同様の状況と聞いてございます。
 一方、ビッグデータを活用すれば、さきに御紹介のとおり、急ブレーキをかけたり急ハンドルを切った箇所などの情報が得られますことから、議員から御紹介のありましたとおり潜在的な危険箇所の特定が可能となるため、より効果的な安全対策を行うことにつながるものと考えてございます。
 県管理道路についても将来的にはこのようなデータに基づいて交通安全対策を進めることが必要だと考えておりますが、まずは国土交通省における現状の活用方法である対策実施後の効果検証などに活用することから検討を始めていきたい、このように考えてございます。
○議長(尾﨑太郎君) 藤山将材君。
  〔藤山将材君、登壇〕
○藤山将材君 御答弁いただきました。今度、統計局の一部が和歌山に来まして、これに合わせて県データ利活用推進センターを開設して県独自の統計分析基盤を構築するということになっておって、NECと協力してAIを使っていろんな情報データを分析していく、県の行政に役立てていくということでありますので、ぜひこういう交通安全の分野にでも、せっかくの機会でありますんで反映していけるような研究もしていただきたいというふうに思います。
 最後の項目です。主権者教育について、請願を活用した主権者教育について伺います。
 選挙権が18歳以上に引き下げられた2016年以降、2度の国政選挙が行われましたが、18歳、19歳の投票率は思っていたよりも低調でありました。投票率向上への取り組みについては、これまでも先輩・同僚議員から質問がなされていますが、私は今回、請願を活用した主権者教育について提案をさせていただきます。
 現在、選挙管理委員会では選挙出前講座を初め、学校教員などを対象とした主権者教育講演会や高等学校での期日前投票所の設置や生徒を投票立会人に選任することが実現できるような取り組みを行っていたり、学校現場では模擬投票や模擬議会などが行われているとのことであります。これも大変重要なことでありますが、投票率を上げること、すなわち投票所に足を運ぶということに必要なことは、政治への関心が高まること以外にありません。模擬投票で投票の仕方を教えただけでは政治への関心は高まりませんし、せっかく選挙、政治関連の授業をやるのなら、現在の政治や行政課題について考える機会にしてはどうかと思います。
 他府県の取り組みを紹介しますと、例えば大阪の府立高校では、生徒が実践的に政治に参加する試みで、地元をめぐって課題を探り、請願の内容を考案し、実現してほしい政策を議会へ要望する請願づくりに挑戦しています。参加した生徒たちは「政治に参加している実感があっておもしろい」とか「まちのため、みんなのために何をどうしていいのかを考え、区役所で働いている気分だった」と、そういったコメントがネットで紹介されていました。また、2005年には、静岡市の中学生が歩きたばこの禁止を求めて請願をし、条例が制定された例もありました。
 せっかく選挙出前講座をやるのなら、ただ形式だけの投票を教えるのではなく、このような考える力を養うことにつながるような授業にしてほしいと思います。そういった主権者意識が醸成されないまま生徒を投票立会人にという、そういう取り組みをしたとしても、高校生のころの私なら苦痛でしかありません。
 そこで質問です。現在、県下では実際の請願を活用した主権者教育は行われていないそうでありますが、高校生の政治に対する意識を高めるためには非常に有効だと考えていますが、教育長の所見を伺います。
○議長(尾﨑太郎君) 教育長宮下和己君。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 高等学校における主権者教育につきましては、これまでも現代社会や政治経済の授業、ホームルーム活動、生徒会活動などにおいて選挙制度や政治参加の大切さについて学習を深めております。また、国が作成した主権者教育のための副教材「私たちが拓く日本の未来」を活用し、主体的に社会参画することの必要性や選挙の意味、投票の意義を理解させるなどの取り組みを実施しております。
 議員御提案の請願を活用した学習につきましては、副教材「私たちが拓く日本の未来」においても模擬選挙、模擬議会と並んで模擬請願の学習内容が含まれております。請願の学習については、地域理解とその解決方法を提案することでより政治を身近に感じられるとともに、社会参画につながるものであると考えております。
 今後も、県選挙管理委員会と協力しながら、学校のさまざまな教育活動を通しまして主権者教育に取り組んでまいります。
○議長(尾﨑太郎君) 藤山将材君。
  〔藤山将材君、登壇〕
○藤山将材君 お恥ずかしい話ですが、私は議会に来るまで請願について知りませんでした。御案内のように、紹介議員は要りますが、請願には国籍も年齢も関係ありません。しかし、陳情と違って議案として議会で審査されることになります。普通は大体、大人になって子供ができて学校に行くようになって、PTAの役員なんか務めるようになって初めて、政治であったり行政とのかかわりが出てくるのが一般的だというふうに思いますけども、この請願権や請願について、先ほど御紹介したようなことを知ったり経験したりしておけば、またその後PTAの活動、また自治会での活動、そういったことにも生かしていくことができるわけで、それが民主主義の発展にもつながっていくというふうに思いますので、ぜひとも取り入れていただきたいというふうに思います。
 以上で一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(尾﨑太郎君) 以上で、藤山将材君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 33番浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕(拍手)
○浦口高典君 皆さん、おはようございます。議長のお許しを得ましたので、通告に従い質問さしていただきますが、まず初めに、和歌山県の人口減少対策についてであります。
 この人口減少問題というのは、最近では皆さん枕言葉のように言われておりますけれども、私は平成15年に初当選以来、15年間ずうっと言い続けてまいりました。
 ごらんになった方もいらっしゃると思うんですが、昨年11月7日の「産経新聞」和歌山版を見て私は大変驚きました。これです。(新聞を示す)「県人口94万4320人、22年連続減少、深刻度増す」という記事であります。それはなぜかといいますと、わずか2年前の平成27年10月の国勢調査の結果、和歌山県の人口は既に100万人を割り、96万3579人まで減少していたということにも驚いたのですが、それからわずか2年後の平成29年10月1日現在、さらに2万人近くも減少し、94万4320人になりました。これは前年から1年間で9604人減少したということで、具体的に言うと、関係の方には大変恐縮なんですが、日高川町の住民がわずか1年間で全員消えたと、もしくは高野町の住民の3倍の人数が同じく1年間で消えたということになります。私は以前から申し上げてるとおり、まさに人口激減・超高齢先進和歌山県がさらに進んでいるということであります。
 超高齢化につきましてはこの記事では載っておりませんでしたが、本来、高齢者の自然死が今後さらに多くなることを考えると、普通、高齢化率がさほど上がらず伸びないと思われますが、和歌山県の場合、18歳から64歳までの生産年齢人口や18歳までの年少人口そのものが非常に少なくなっているため、高齢化率は右肩上がりで、国勢調査の行われた2015年時点で30.9%でしたが、今からおよそ20年後の2040年には、国立社会保障・人口問題研究所の推計によると39.9%となり、およそ5人に2人が高齢者になるという超高齢社会がさらに進んでいく可能性が大きくなってまいりました。
 もちろん、県では、これらのことを踏まえて長期総合計画を策定し、さまざまな施策を実施してこの人口減少問題に対応しようとしていることは、皆様もよく御存じのとおりであります。
 まず、少子化対策に目を向けますと、県ではこれまで結婚に向けた出会いの場の提供を初め、こうのとりサポート事業による不妊治療費の助成、周産期母子医療センターの設置や小児医療体制の整備、第3子以降を育てる家庭に保育料や育児サービスの利用料を市町村とともに助成する紀州3人っこ施策を初めとする子育て世帯への経済的支援など、結婚から妊娠、出産、子育ての各段階に応じて切れ目のない少子化対策を実施してまいりました。
 その結果、和歌山県の合計特殊出生率は、国勢調査の行われた年と比較すると、平成17年の1.32から10年後の平成27年には1.54に上昇したそうですが、人口置換水準、つまり人口を維持するための水準となる2.07には届いておらず、出生数を見ると第3子以降は1300人前後を維持していますが、出生総数については平成17年の7835人から平成28年には6658人となる減少傾向にあります。また、出生数の多かった第2次ベビーブーム世代、つまり団塊の世代ジュニアは45歳前後となっており、今後親となる20代、30代の人口はより少なくなる見込みであります。
 このことから、昨年の9月定例会で申し上げましたが、これから子供を産んでくれるであろう団塊の世代の孫世代、つまり平成9年から11年生まれの女性の人口が団塊の世代の女性の人口の48.1%と半分以下でしかないため、少子化対策を幾ら頑張っても大きく子供の数がふえるということは望めないということであります。
 次に、県外からの移住対策について見てみますと、県では平成18年度から主に過疎対策として県外から移住者を呼び込み地域の活性化につなげるため移住推進に取り組んでおり、その結果、平成18年度から平成30年1月末までの間に行政が支援した移住実績は1544人であり、年間およそ130人弱の方が本県に移住されているということであります。
 しかし、平成29年3月末時点で市町村を通じて調査したところ、移住者の定住率は約72%であり、私の推測でありますが、年間の実質の移住者数は100人弱ではないかと思われます。もちろん、この数字は行政がかかわった方の数ということで、それ以外にも独自のルートで移住されている方はいらっしゃると思いますが、実際にはもっと多くの方が移住されていると考えられておりますけれども、冒頭に申し上げたとおり、県の推計人口の1年間の減少数9604人と比較すると、県の努力にもかかわらず、大きく人口をふやすまでには至っていないものであります。
 また、大学生などのUターン就職対策について調べてみましたところ、県では県内企業の新卒採用情報や和歌山で就職することの魅力をまとめた就職ガイドブックを発刊し送付したり、大学3年生などを対象に県内企業でのインターンシップを実施したり、大学との就職支援に関する協定の締結を進めるなど、さまざまな施策を実施しているとのことであります。その結果については、県労働政策課に確認しましたところ、推計ではありますけれども、大学生などのUターン就職率は約4割ということでありました。
 このことから、県の施策によってこのままUターンの就職率を維持できたとしても、若者の人口自体が減少していく少子化社会においては、大きく人口を増加させることは困難ではないかと考えます。
 このように、県の人口減少対策については、平成29年3月に策定された長期総合計画に基づき、少子化対策、移住対策及びUターン就職対策などを進めているということは理解しておりますが、実際の人口減少幅が大きいことは動かしがたい事実であります。
 そこで、この現状を踏まえて、人口減少対策としてどのような施策を講じているのか、企画部長、御答弁をお願いいたします。
○議長(尾﨑太郎君) ただいまの浦口高典君の質問に対する答弁を求めます。
 企画部長髙瀨一郎君。
  〔髙瀨一郎君、登壇〕
○企画部長(髙瀨一郎君) 人口減少を食いとめていくためには、和歌山を支える担い手を将来にわたって確保することが必要であるため、子供を産み育てやすい環境をつくるとともに、若者の県外流出に一定の歯どめをかけることが重要であると認識しております。
 このため、本県では、平成27年6月に策定した和歌山県まち・ひと・しごと創生総合戦略を踏まえ、紀州3人っこ施策の拡充等による少子化対策の充実や、働く場を確保する観点から、道路など公共インフラの充実に加え、県内企業への技術支援や創業、第二創業の促進、企業誘致等を進めるとともに、大学生や高校生に県内企業の魅力をPRすることで若者の県内就職を促進してまいりました。
 さらに、平成29年3月に1年前倒しして策定した新たな長期総合計画では、この人口減少問題に対してより長期的な視点に立ってさまざまな対応を盛り込むとともに、平成29年度新政策では、結婚、子育てや女性活躍を応援する企業同盟や本県独自の再就職のための就活サイクルの構築など、県の社会構造を変革させるような大きな仕掛けを多くの県民や企業と力を合わせ、進めてきております。
 これらの取り組みにより、県人口の社会減が若干改善するなど一定の成果があらわれ始めているところですが、人口減少対策は時間がかかる取り組みであるため、これからも長期総合計画に沿ってさまざまな施策を講じていくことが必要であると考えています。
 このため、平成30年度新政策におきましてはさまざまな対策を講じていますが、主なものとして、多子世帯の経済的負担を軽減するための保育料等の無償化拡充や在宅育児世帯への支援により子育て環境をさらに充実するとともに、県内企業におけるデータやIoT等の利活用促進により県内産業の競争力を強化することとしております。
 今後も、毎年度の新政策プロセスを通じて事業の見直しや新規事業の構築を行い、人口減少対策を進めてまいります。
○議長(尾﨑太郎君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 企画部長、ありがとうございました。ただただ頑張ってくださいの一言です。ガリレオ・ガリレイの名言「それでも地球は回っている」ではありませんが、「それでも人口は減っている」ということですから、しかも1年間で1万人規模で、これから本格的な人口激減時代へ入ってまいりますので、そのことを改めて申し上げまして、次に移らしていただきたいと存じます。
 それでは、2番目の質問であります。「健康長寿日本一わかやま」の実現について、1、健康推進員の活動状況について質問さしていただきます。
 さて、「健康長寿日本一わかやま」の実現について、今回年2回、足かけ7年にわたり、合計12回連続の質問であります。
 それは、1番目の人口減少問題についてでもお話をいたしましたように、今後、幾ら人口を増加させ得る政策を打って多少増加する部分があっても、実質的に大きく減少していくことは間違いありません。しかも、ここで詳しくは申し述べませんが、いわゆる団塊の世代が75歳に達する2025年から男性が多く死亡し、またそれから8年後の2033年から女性が多く死亡するというデータもあります。
 まさにこれから人口が、先ほども申し上げたとおり、特に高齢者が激減していく社会にあって、本来なら単純に考えて高齢化率もさほど上がらないものと考えられておりますけれども、将来推計によると2040年には現在の30%余りから40%前後になるということは、先ほども申し上げたとおりであります。
 もともと和歌山県では生産年齢人口などが少ないというのが原因でありますが、これは長年にわたる若者の県外流出が大きな要因であります。つまり、私が常々申し上げているとおり、人口激減・超高齢先進県であるということでありますし、これを解消するのに、人口構成を見れば誰でも理解できるように、特効薬はないということであります。
 つまり、人は大きく減り、お年寄りがまだまだふえる、これはいたし方のないことですが、ここで問題なのが65歳以上の要介護認定率が2年連続、平成26年、27年、日本一であり、お年寄りの体が弱い人が大変多いということが問題であります。まさにこのことが将来の和歌山県に大きな不安としてのしかかってくると言っても過言ではないと思います。
 そこで、私自身、この7年にわたりお年寄りが元気な他県や地域、またその元気づくりの方法などについて先進地域で見聞を広め、そこで学んださまざまな方法を県当局にも提案してまいりました。その1つとして、長寿県として有名な長野県の保健補導員制度にヒントを得て、平成25年9月定例会で、平成26年度から1年間で500人、5年間で2500人の健康推進員を育成することを提案したところ、当局もその重要性を認め、早速、翌26年度から県下各地で健康推進員養成講習会を開催していると聞いておりました。
 私も遅まきながら、先月、県から案内の中にそれが、健康推進員の講習会の案内が入っておりましたので、去る2月9日、21日と2回、午後1時から4時までのそれぞれ3こまずつの講義を受講し、21日の修了式で仁坂知事からの修了証をいただき、晴れて健康推進員の一員となりました。これが、その修了認定証であります。(認定証を示す)
 ちなみにその講習会の内容を参考までに紹介いたしますと、1日目の9日はオリエンテーションに続き、県健康推進課の職員による「講義1、健康推進員の活動について」、次に、日本赤十字社和歌山医療センター糖尿病・内分泌内科の井上部長による「講義2、生活習慣病予防について」、最後に、県健康推進課の他の職員による「講義3、和歌山県の健康増進施策について」でありました。
 また、2日目の21日には、オリエンテーションに続き、県健康推進課職員による講義、健康づくり運動ポイント事業について、次に、和歌山市地域保健課の職員による講義、和歌山市の健康状況について、最後に、日本健康運動指導士会・川村和歌山県支部長による講義と実践3、健康づくりと運動を指導されました。内容的に大変充実したもので、本当に勉強になりました。
 そこで、「健康長寿日本一わかやま」を実現するために、この健康推進員制度について現在の進捗状況並びに活動状況等について、福祉保健部長、お答えください。
○議長(尾﨑太郎君) 福祉保健部長山本等士君。
  〔山本等士君、登壇〕
○福祉保健部長(山本等士君) 健康推進員は、養成講習会を受講した上で市町村長から委嘱を受け、地域における健康づくりの推進に協力いただく方で、平成26年度から養成を行い、本年2月末現在で1520人となっております。
 健康推進員には、各戸訪問による健診の受診勧奨、生活習慣病予防の啓発チラシ配布、健康づくりイベントの運営参加や健康講座の実施補助など、地域に密着した活動を展開していただいているところです。また、今年度におきましては「みんなで実践!健康づくり運動ポイント事業」への参加をお願いするとともに、地域の方々にも呼びかけていただいております。
 県としましては、今後も健康推進員の養成を行うとともに、既に委嘱を受けた健康推進員にはフォローアップ研修を実施するなど活動の充実を図ってまいります。あわせて、県の広報紙である「健康推進員だより」などで活動を県民に周知してまいります。
○議長(尾﨑太郎君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 福祉保健部長、ありがとうございました。平成26年度から年間500人、本来なら今年度末までに2000人育成しなければならないのですが、1520人と。まあ、頑張ってくださいとしか言いようがございません。
 ただ、この健康推進員制度を初めて議会で提案さしてもらった平成25年2月定例会でも申し上げましたが、モデルになる長野県の保健補導員制度は長野県の人口約207万人に対して約1万人ですから、和歌山県の場合、5年間で2500人育成しても、割合からいくと長野県の半分以下であります。とてもまだまだ人手不足と言わざるを得ません。そのことをしっかりと頭に入れて、今後さらなる御奮闘を期待申し上げます。
 次に移らしていただきます。
 2番目、ラジオ体操指導者の活動状況について。
 前回、平成29年9月定例会において、県教育委員会が平成26年度に324人育成したというラジオ体操の指導者を実際に和歌山市内の42の連合自治会単位の地区で配置してみると、実際に活動しているのは42の地区のうち9つの地区であり、市全体の人数も──指導員ですね──11人でした。
 そこで、質問ではなく、この場から宮下教育長に連合自治会別の表を示しながら、ラジオ体操の指導者、今のところこういう状況ですので、ぜひ御検証くださいと要望しておきました。これは言下に、こんな程度ではとても「健康長寿日本一わかやま」を実現するための手段にはなりませんよと言ったわけですが、その後、ラジオ体操の指導者の活動状況はどのようになりましたか、宮下教育長、お答えください。
○議長(尾﨑太郎君) 教育長宮下和己君。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 平成26年度に養成したラジオ体操連盟公認指導員については、現在自主的に地域グループや自治会などで指導するなど、活躍の場を広げてきております。
 平成29年9月以降の取り組みにつきましては、指導員に全国ラジオ体操連盟ウエブサイトへのラジオ体操会登録の依頼をしたところ、登録団体が昨年度の3団体から27団体に増加するなど、ラジオ体操会の見える化につながっております。また、指導員への研修機会として依頼したわかやまスポーツフェスティバル・マスターズスポーツ体験会には20人の指導員が参加いたしました。今後も引き続き、地域に根差した活動を呼びかけてまいります。
 このようなラジオ体操の普及の中で、県内で初めての1級ラジオ体操指導士が誕生し、先ほどのマスターズスポーツ体験会でも講師を務めていただいているところです。さらに、市町村への啓発を積極的に行うことにより、ラジオ体操に参加する記事が広報紙へ掲載されたり、巡回ラジオ体操・みんなの体操会が今年度の九度山町に続き、来年度、田辺市と高野町での開催が決定するなど、各市町村の取り組みが活発化してきております。
 今後も、地域のラジオ体操実施状況の把握に努めるとともに、福祉保健部の健康づくり運動ポイント事業においても指導員が自治会で活躍できるよう、引き続き市町村教育委員会に働きかけてまいります。
 なお、来年度もスポーツ人口をふやすため、リレーマラソンやマスターズスポーツ体験会などを実施し、ラジオ体操の普及とあわせ、生涯にわたってスポーツに親しみ、スポーツを楽しむ機運を醸成してまいります。
○議長(尾﨑太郎君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 教育長、どうもありがとうございました。和歌山県民の体力不足を解消し、少しでも健康長寿日本一に近づけるための1つの方法として県事業にラジオ体操を取り入れることになったのは、平成25年9月定例会で御紹介さしていただいたことがきっかけになったと思いますが、そのときあわせて紹介さしていただきましたけれども、私自身視察に行きました東京都の墨田区では、人口27万人に対して35カ所でラジオ体操が約60年間にもわたり行われていることや、また、埼玉県鶴ヶ島市のように、1人の保健師さんが人口約7万人の同市に21カ所でラジオ体操を実践、定着さしていることなどを考えますと、今の教育長のラジオ体操に対する姿勢、まだまだだと言わざるを得ません。ぜひ奮起を御期待いたしますし、これからもずっと私はこのことを言い続けますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 それでは、次に移らしていただきます。
 健康づくり運動ポイント事業の今後の展開についてであります。
 次に、この健康づくりポイント事業についてでありますけれども、この質問は初日に多田議員が先にされておりますが、以前にも御紹介しましたこれは、「1日8000歩、速歩き20分」の健康法を提唱されている東京都健康長寿医療センター研究所の青柳先生のふるさとである群馬県中之条町で、15年間約5000人の町民にこのような身体活動計(実物を示す)──これも前にも御紹介さしていただきましたが、身体活動計を持って得たデータから「1日8000歩、速歩き20分」が健康を保つ基本であるというエビデンス、根拠をもとに構築された健康法であります。
 健康推進課に伺いますと、健康長寿日本一の実現を目指して、18歳以上の県民約81万人が対象であり、個人だけではなく全県下に約3800ある自治会単位やグループ単位でも行えるもので、非常にスケールの大きい政策であります。これがそのチラシであります。(チラシを示す)これは個人用ですね。こっち側がグループ用のチラシ、また、自治会用のチラシもございます。
 もしこれが成功したら、もともと歩く歩数の少ない和歌山県民の運動量が大幅にアップして、健康づくりに大いに貢献できるものと期待をしているところでありますけれども、多田議員の質問に対して、まだ始まって5カ月ほどですから、現在1200人の県民の方が実施というか登録されているということでありましたけれども、ことしの9月末まで、つまり事業実施から1年間で大体どれぐらいの県民の皆さんの登録を期待しているのか、福祉保健部長、御答弁をお願いいたします。
○議長(尾﨑太郎君) 福祉保健部長。
  〔山本等士君、登壇〕
○福祉保健部長(山本等士君) 議員の御質問にもありましたが、昨年10月からスタートした「みんなで実践!健康づくり運動ポイント事業」の参加者は、1月末現在で約1200人となっております。
 今後の登録者数につきましては、1月末から配信している歩数を自動集計するスマートフォンアプリの広報や、平成30年3月末までの総獲得ポイントランキング上位3人までの個人参加者に対する県の表彰、1カ月10万歩の達成者の中から抽せんで景品をプレゼントするキャンペーンの実施などさまざまな工夫を行い、着実にふやしてまいります。
 なお、自治会につきましては、総獲得ポイントランキング上位10位の県知事表彰、血圧計の贈呈など、登録を進めるためのきっかけづくりを行い、より多くの参加を募ってまいります。
○議長(尾﨑太郎君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 福祉保健部長、ありがとうございました。
 1年間で何人がこの運動ポイント事業に参加すれば「健康長寿日本一わかやま」を実現できるというエビデンスはございません。しかし、例えば、これも前にも御紹介いたしましたけれども、わかやまシニアエクササイズを主宰している和歌山大学の本山先生によれば、65歳以上で10%以上の方がシニアエクササイズにかかわれば要介護認定率が下がってくると、平成28年9月定例会で紹介をいたしました。また、スマートフォンだけではなく、先ほど紹介いたしましたこのような身体活動計をもって定期的に歩数を集計している横浜市では、全人口約372万人中、この平成29年度3月末までに30万人を目標としていることも平成28年9月定例会で紹介をいたしました。
 9年後に「健康長寿日本一わかやま」を目指す和歌山県としては、まさか対象となる18歳以上約81万県民中、5000人や1万人をクリアしたからといって、そんなことで日本一を達成できるなどと安易な考えはないと思いますけれども、今回はこれ以上言いません。次回また同じことを質問するかもしれませんので、そのときのためにも、ぜひともこの人数目標等を定めていただきたいと存じます。
 次に移らしていただきます。
 「健康長寿日本一わかやま」を実現するための4番目の質問です。これは少し表題が長いですが、県民が主体となって、着実に2027年に「健康長寿日本一わかやま」を実現させる取り組みと知事の決意について。
 これは、お手元に資料を配らしていただいておりますが、まずこの1番目のこの資料をごらんください。左は平成29年12月14日の「読売新聞」の記事で、都道府県別の平均寿命で、和歌山県は男性79.94歳で全国44位であり、女性86.47歳で同41位であります。
 また、真ん中は、常々私が申し上げている都道府県別の要介護認定率の平成27年度最下位の表であり、26年度も同じく最下位であります。
 右の都道府県別の健康寿命の算定は、以前、平成17年、22年のときもお断りしましたが、厚生労働省が現在出している健康寿命と違って、単純に平均寿命から要介護認定期間を引いたものであります。ごらんのとおり男性76.92歳で全国45位、女性79.53歳で同46位であり、10年前の平成17年、男性75.06歳で全国42位、女性78.45歳で全国45位と、ここでは健康寿命そのものは伸びておりますけれども、ランキングでは男女とも下がっております。これが平成20年に発表された和歌山県長期総合計画に書かれた──これですね。(資料を示す)この65ページにちゃんと書いておりますけれども、「健康長寿日本一わかやま」を目指すということの実態であります。この10年間の結果であります。
 もう既に1年がたとうとしておりますが、昨年4月に発表されたこの長期総合計画、2017年度から2026年度まで、この101ページにやはりちゃんと書いておりますけれども、和歌山県長期総合計画にも書かれている、今度ははっきりと、これ私も気がつかなかったんですが、前回、10年前には「健康長寿日本一を目指します」と書いているんです。その後、私が議会とか委員会を通じてうるさく言ったせいもあったんでしょう、恐らく。ここには101ページに、「目指します」じゃないんですよ、「『健康長寿日本一わかやま』を実現します」とはっきり書いてるんですね。ここにちゃんと書いてますから、覚えておいてくださいね。
 これが、まさに今言うたこの表が、この長計の入り口なんです。しかも、もう1年間既にたってるわけでありまして、これがスタートラインとして考えてください。
 そして、この日本一を達成するためにはあと9年しかないということですね。最初に申し上げたとおり、これから人口が本格的な激減期に入り、超高齢化だけではなく、支える若い人たちが少ない和歌山県では、高齢者が亡くなっても高齢化率が確実に上がっていくという現実があり、また、その高齢者の要介護認定率が既に日本一高いということを考えたら、仁坂知事が幾ら基盤整備や企業誘致、産業振興と強く唱え、元気な和歌山、元気な和歌山、元気な和歌山と訴えても、県民レベルではむなしく聞こえてくるのは私1人でしょうか。
 やはり、これからもこの和歌山県に住む人、それがたとえ高齢者が多くても、元気に人生を全うできるようにしていかなければ、真の地域の活力が生まれてくることはありません。だからこそ「健康長寿日本一わかやま」を本気になって実現させていかないと、和歌山県の将来は大変厳しいものであると私は考えております。
 そこで、もう一度このランキング表をごらんください。この位置から9年間で日本一を目指すには相当な努力が必要であることは誰が考えても明らかであります。
 約7年前から、私はさまざまな形で「健康長寿日本一わかやま」を本当に実現するための政策を提言してきました。ここでは、先ほどもお答えいただいたように、健康推進員、運動ポイント事業、ラジオ体操など、各部局はそれなりの努力はしていることは十分理解しておりますけれども、とてもとてもこれでは日本一を目指す県としてはまだまだ生ぬるいと私は思います。しかし、担当部局は単年度ごとの事業をこなすことに精いっぱいで、どうも9年後の和歌山県、つまり「健康長寿日本一わかやま」の姿がイメージできていると私には到底思えません。
 そこで、参考までに資料②をつくらしていただきました。これは私が勝手につくったもんですから、あくまでも御参考にしていただければ結構なんですけども、ここで重要なのは、もう既に先ほど言いました94万4000人の県民なんですが、この一番左下に書いておりますこの県民が一番重要なんですね。この県民の皆さんがそれぞれ目標設定し、意識改革し、行動変容を起こさないと、とても右上の日本一、ここに書いてます日本一なんていうことは絶対にありません。
 そのために、県や市町村や県内企業、大学、各種団体や地域チャネルから、資料に記載している県政策の徹底化の項目等について情報を提供し、まず共有ですね、県民の皆さんと。これは理解を得るということ。共鳴、ここまではよく言いますけども、賛同を示していただいて、共振、まさにこれ大事なんですけども、行動、実践をしていただかなきゃいけない、この94万4000人の方にしてもらわなければならないと私は考えております。
 そのために、県としましては、各年度目標や各年度達成状況、2027年3月末までの見込みなども示し、まさに主体者である県民の皆さんを巻き込んでいかなければならないと私は確信をいたしております。
 そして、ここで右肩上がりの矢印のように、山を駆け上がるように馬力が必要だと私は思っておりますし、そのリーダーシップをとるのは知事をおいてほかにないと思っております。
 仁坂知事、まさか何となく年度ごとの事業をこなしていれば日本一の目標に達成するなどと甘い考えは、私は持っていないと思いますけれども、政治家としてそれはもうはっきりと否定された上で、そこで県民が主体となって、着実に2027年に「健康長寿日本一わかやま」を実現させる取り組みと仁坂知事の決意をお聞かせください。
○議長(尾﨑太郎君) 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 本県は、全国に先駆けて高齢化が進む中、高齢となっても健康で元気に生き生きと長生きができる「健康長寿日本一わかやま」の実現を目指しております。
 昨年度、健康長寿県である長野県と比較して、病気の罹患率や死亡率などさまざまな健康指標を分析した結果、この実現を遠ざけている主な要因は、がんと心疾患による死亡が多いことや脳卒中と認知症による要介護認定率が高いことであるとわかってまいりました。
 このため、今年度、第3次和歌山県健康増進計画の中間見直しを行い、運動と野菜摂取量の増加や健診受診率の向上といった重点的に取り組むべき事項を整理いたしました。今後は、県民の皆さんが力を合わせて運動の習慣をつけて、栄養バランスに気をつけなければならないと考えております。
 次に、もっと広範な全県民を挙げての県民運動を展開せねばいかんというふうに思っております。県民の皆さんが全員浦口議員のように熱くならないといかんと、こういうふうに思うわけであります。
 そこで、来年度は、これまでのわかやま健康と食のフェスタの規模を拡大して、もうちょっと健康長寿を目指す一般的なものにしまして、市町村へのウオーキングイベントの支援とか、啓発教材による子供の時期からの健康教育の実施など、県民の皆さんと一緒になって健康づくりに取り組んでいくようにしていきたいと思っております。
 次に、最近始めております地域ぐるみで楽しみながら運動する「みんなで実践!健康づくり運動ポイント事業」とか、ずっと前から始めておりまして、今着々とやらなきゃいけないということになっておる健康推進員といったこれまでの仕掛けでございますね、これを一層進めるとともに、毎年度、健康増進計画の達成状況を検証し、積極的に新しい施策も取り入れて、県民がいつまでも元気に暮らせるように、健康づくり県民運動を積極的に展開して、「健康長寿日本一わかやま」の実現を目指していきたいと思っております。
 毎回、浦口議員の厳しい叱責と御指導をいただいて、ともするとめげてしまいそうになるのでございますが、めげることなくこれを励みとして、県庁を挙げて頑張ってまいりたいと考えております。
○議長(尾﨑太郎君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 知事、どうもありがとうございました。大変力強いお言葉をいただいたと思うんですが、ちょっとまだ伝わってくるものが薄いというか、そういう言い方をしたら失礼なんですけども。
 要は、94万4000人の県民をその気にさせるんですよね。その気にさせるのは、我々も一生懸命頑張りますけども、やっぱり知事の力は大きいと思いますし、その9年後の日本一という姿をまずやっぱり知事がイメージしていただかないと、なかなか県民に伝わらないと思うんですよ。
 各部局も、私はあんまり先ほどいろんなこと、文句は言いませんでしたけど、健康推進員にしろラジオ体操の指導者にしろ、運動ポイント事業についてもまだまだ生ぬるいです、これは。こんなもんじゃとても日本一目指せませんし。それはそれなりに皆さん一生懸命やってるのはよくわかるんですけども、やっぱりここは県のトップリーダーとしての知事の姿勢を見せていただきたいと、そのように思います。
 ちょうどこの質問をいろいろ考えてたときに、3月4日付の「毎日新聞」にこんな記事が載っていました。先ほども紹介しましたけども、長野県がいわゆる長寿県で非常に有名なところ、男女ともに有名なところというのはもう皆さんもよく御存じなんですが、男性が、滋賀県が長野県を抜いて日本一になったという記事なんですね。
 これは、くどいようですけど、長野県は男性で1990年に、それまで長寿県と言われてた沖縄県を抜いて、それからずっと1位です。女性も2010年に沖縄県を抜いて1位になって、男女とも全国1位の長寿県だったんです、長野県が。私、これ初めてこの新聞で知ったんですけど、実は長野県は健康長寿日本一どころか健康長寿世界一を目指して、これ新聞に書いてるんですよ。2018年から2023年までの健康増進計画を立てていたということなんですね。世界一ですよ、世界一ね。
 しかし、そのさなか、伏兵とも言われる滋賀県に1位の座を奪われ、長野県の担当者は相当に驚いたみたいで、ここの文章の中に載ってますが「滋賀ショック」ということまで書いておるんですが、何としてもまた1位の座を取り戻すべく、長野県が早速この1月からいろいろと連絡会議等を立ち上げてまた動き出したということであります。
 これは、もう知事に言うのは釈迦に説法ですけども、どの県も恐らく、健康で長生きできる、これだけ人口が今後本格的に減り出して高齢者が多くなっていく中で、健康で長生きできる県を目指して必死になって努力しているでしょうし、また、私自身もこの10数年議員生活を続ける中で非常に感じているのは、県民の皆さんの真の幸せとは何かということであります。
 もちろん、まちの発展や経済的な豊かさの追求も大事なんですけれども、最終的に一人一人の県民の皆さんがこの和歌山で生まれ育ち、学び、働き、老後を暮らす中で、幸せに人生を全うできるような生き方、その基礎となるのが健康で長生きできるということではないかと、つくづく最近感じております。
 もちろん、健康や生き方は個人個人のもんですから、行政としてはその方法についてできるだけ、先ほども言いましたように情報提供し、そして共有し、共鳴し、できれば県民の皆さんに共振、ともに活動、実践していただくのが一番幸せへの道ではないかと、つくづくと最近感じておるわけでございまして、くどいようですけども、平成29年のこの長期総合計画の中にもこれを「健康長寿日本一わかやま」を目指すと。
 しかも今回、さっきも言いましたように「実現します」とまではっきり言うてるわけですから、知事、相当な覚悟でやっていただかないと、私はとてもじゃないですけどもできないと思いますし、ここで、大変失礼な言い方ですが、「本気度、知事、何%ですか」と本当は聞きたかったんですけど、ここはさすがに聞きません。私は、もう知事は100%その気になっていただいてると思っておりますんで、今後、事あるごとにこの100%を主権者である県民の皆さんに、主体者である県民の皆さんにお伝えいただいて、この運動を起こしていただきたい、健康長寿日本一わかやま運動を起こしていただきたいと、そのように思っておりますので、今後もこの質問、熱く熱く、私、語らしていただきますので、どうぞ知事、よろしくお願いいたします。
 最後に、くどいようですが、長野県はちょっと遠いような感じしますけど、この近畿、同じ圏内にある近畿の滋賀県にできて和歌山県にできないことないですよ、これは。これははっきりと言っておきますが、そのことをぜひ知事、御認識をいただきたいと思います。
 それでは、最後の質問に移らしていただきます。最後は鉄道についての質問をさしていただきます。
 鉄道については、平成27年2月定例会で、非常に皆さん、突拍子もない質問と思われたかもしれませんけども、阪和35分通勤快速について提案しました。また、平成26年9月定例会では、南海本線のJR和歌山駅乗り入れについて提案し、当時の野田企画部長から積極的に取り組むという力強い答弁を引き出しました。実際には、積極的に取り組む姿、残念ながら全くと言っていいぐらい見えておりませんけれども、それはともかくといたしまして、昨年2月定例会と9月の定例会では、幻の新線と言われた大阪梅田から難波を通って関西新国際空港まで行くなにわ筋線について、2回にわたりこの場でお話をさしていただきました。
 それもこれも、鉄道について和歌山の利便性を高め、特に平日の通勤時間帯に県民の皆さんが使いやすいようになるようにして、少しでも若者が和歌山に定着してもらえるようになることを願ってであります。
 そして、昨年の9月定例会では、なにわ筋線ができることによって和歌山は、扇風機の裏側どころか、若者が逆に大阪に吸い寄せられる掃除機の吸引口になるのではないかと懸念を示しました。しかし、逆に、よくよく考えてみると、このなにわ筋線の開通は和歌山県にとってもまたとないチャンスになる可能性も秘めているのではないかと、その後考えたわけであります。もちろん、そうするためには、和歌山県のきちっとした粘り強い対応が必要であると思います。
 なぜこのように考えたかというと、まず、なにわ筋線の各駅がそれぞれに将来性のある地域に立地しているという点であります。JR難波駅は湊町再開発構想の拠点であり、南海新難波駅、西本町駅とともに商業施設が集積しております。また、中之島駅では再生医療の研究開発構想が動き始めております。さらに、JR難波駅、南海なんば駅では近鉄、阪神、地下鉄御堂筋線と、西本町駅では地下鉄中央線と接続しており、乗りかえの利便性が大きく向上する予定です。県民にとって、京阪神に出かけるのに大変便利になると思われます。
 さて、私が問題であると思うのは、このなにわ筋線についての議論が、専ら大阪側から関空連絡の改善策としてなされているということであります。和歌山県にとっての影響や効果は全く議論されておりません。現在、大阪環状線経由で新大阪に乗り入れているJRの特急くろしおや南海なんば行きの特急サザンは、なにわ筋線ができたら乗り入れていけるだろうかと、私は大変心配をしております。また、現在70分以上かけてようやく天王寺にたどり着いている紀州路快速を乗り入れたところで、果たしてなにわ筋線の開業の効果を享受できるのかどうか、これもまた甚だ疑問であります。
 なにわ筋線開業までに天王寺─和歌山間をノンストップ35分で結ぶ特別快速を1時間に1本程度、きのくに線から乗り入れる形で走らせておいてこそ、十分にこのなにわ筋線開業の効果を享受できるのではないかと私は考えております。
 そこで、県当局においては、もう13年後に迫っております2031年完成のこのなにわ筋線について、和歌山県にとってどのような影響があるのか、御答弁をお願いいたします。
○議長(尾﨑太郎君) 企画部長。
  〔髙瀨一郎君、登壇〕
○企画部長(髙瀨一郎君) なにわ筋線は、平成16年の近畿地方交通審議会答申において、JR阪和線、南海本線等を介し関西国際空港連絡線に直結する路線であり、JR新大阪駅及び京阪神圏の各拠点都市から関西国際空港へのアクセス機能の強化に資する路線と位置づけられています。
 昨年5月に、大阪府、大阪市、JR西日本、南海電鉄、阪急電鉄の5者により、整備区間、中間駅、総事業費などの事業概要が発表されましたが、列車の運行計画などについては、今後事業者間で決められることになっているとのことであります。
 現時点で和歌山県への影響について見込むことは困難ですが、なにわ筋線の開通が和歌山県の交通アクセスにどのような影響があるか積極的に情報収集に努め、和歌山にとってメリットのある何ができるのかを研究し、必要に応じた対応をしてまいります。
○議長(尾﨑太郎君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 企画部長、どうも御答弁ありがとうございました。今言われましたとおり、このなにわ筋線は、大阪府、大阪市、JR西日本、南海電鉄、そして阪急電鉄の5者によって、関空からのインバウンドなどの経済活性化のため、長らく眠っていた計画を起き上がらせたもので、和歌山県は直接、今もお話ありましたように、関係ないと言えばそれまでなんです。
 ただ、もう何回も言ってますように、これはいわゆるごくごく普通の県民の声だと思うんですけども、私もよく聞きました。20数年前に関空が開港するときに、「和歌山はしょせん扇風機の裏側」とやゆしておりました。これ県民自体がですね、市民も。現実にはそのとおりになったことを考えてみれば──もちろん全くいい意味での影響がなかったとは言いませんけれども、実際に直通の電車、南海でもJRでも、関空に和歌山から通っておりませんし。
 このなにわ筋線ができて、あと13年後できた途端に、日根野あるいは南海の泉佐野以北がより便利になるのではないかと思っておりますし、その一番あおりを受けるのはほかならぬ和歌山県であり、しかも、我々は恐らくついの住みかとしてこの和歌山へおりますけども、若い人がより北側に行ってしまうんではないか。これはもう県境どころの騒ぎではなしに、もっともっと北へ行ってしまうんではないかと、そのような思いがありますし。
 だからこそ、これは私が勝手につけた言葉ですけども、若い人にとってはこのなにわ筋線ができることによって、和歌山が扇風機の裏側どころか掃除機の吸引口になって、どんどんどんどん若い人がまだまだ出ていくんではないかと。和歌山の、先ほど来言っております人口減少、人口激減に拍車がかかるのではないかと思い、このような質問をさしていただいたわけでございます。
 なかなか現段階では、企画部長言われたとおり、はっきりとしたことも言いづらいことは十分理解しておりますので、これは企画部長だけではなしに知事も、こういった中長期的なビジョンを持って真剣にお考えいただきたいと、そのように思っております。
 これで私の今回の質問は終わらしていただきますが、何分、先ほど来言っておりますように、非常にこれから和歌山県は人口が激減し出します。2025年、人ごとのように思っておりますけども、私もこれ、ある資料を見てびっくりしたんですけども、団塊の世代が75歳以上、いわゆる後期高齢者になってから、男の人ががたがたがたっと減り出すんですね。それから、女の人はなかなかしぶとい──しぶといと言ったら叱られますが、なかなか長命ですから、それから7~8年後ぐらいからまたがたがたがたっと人口減り出すんですよ。まさに私が15年前から言ってる、人口減少というレベルじゃない、本当に人口激減というのがこれから本格的に始まりますんで、ぜひともそれに合わして、さらに今までの政策を強化していただきながら、よりよい方向に県を導いていただきたいと、知事に特にお願いいたしまして、今回の質問とさしていただきます。
 御清聴、ありがとうございました。(拍手)
○議長(尾﨑太郎君) 以上で、浦口高典君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前11時27分休憩
────────────────────
  午後1時0分再開
○議長(尾﨑太郎君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 34番山下直也君。
  〔山下直也君、登壇〕(拍手)
○山下直也君 こんにちは。自民党県議団、山下直也でございます。(「知ってる」と呼ぶ者あり)ありがとうございます。
 平成30年2月定例会、3月2日からこの一般質問が始まりまして、本日最終日であります。連日の御精励にて大変お疲れのことと存じますが、しばらくの間、おつき合いをいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 昨年の暮れ、私の母親が急に体調を崩し、入院をいたしました。母は、ふだんから健康に気をつけながら年齢を重ねてきたところでありましたので、私自身も少し驚きました。
 当日は、和歌山市の救急車により、日本赤十字社和歌山医療センターから和歌山県立医科大学附属病院へのスムーズな搬送や、各病院における迅速な診断、処置、そして手術に至ったわけでございますが、おかげをもって母は一命をとりとめました。その後、県立医科大学附属病院でしばらくの間お世話になり、現在は症状に一定の改善が見られたため、和歌山市内の施設に入所をいたしております。
 思い返してみますと、時間外に連絡をして診察、入院の受け入れをしてくれる医療機関があり、医師、看護師等、医療専門職の皆様が、懸命の処置はもとより、処置後の個々の患者に応じたリハビリ等の支援をしてくださっていることは、まことに心強いものであり、感謝の気持ちであります。
 医療機関に支払う窓口負担につきましても、母親は後期高齢者医療保険の被保険者で1割であります。私は、国民健康保険の被保険者で3割で済んでおります。改めて、日本の医療制度はすばらしい、ありがたいなあと、実際に患者の家族の立場になって、今そう感じておるところであります。
 また、母が倒れて以来、医療の場を初めさまざまな現場で多くの方々との出会いをいただき、多くの声を聞いてまいりました。これまでも私は、県民の皆さんの健康増進等について、和歌山県がん対策推進条例の制定を初め、できることは全てやるという強い気持ちで取り組んできたところでありますが、今議会の一般質問におきましては、医療保険制度のうち国民健康保険制度と医療の充実に係るリハビリテーション職の養成について、当局の取り組みや状況や考え方をお伺いいたしたいと思います。
 それでは、通告に従って質問いたします。
 まず初めに、国民健康保険財政の安定化についてであります。
 この問題を取り上げますのは、平成27年5月27日に成立した持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律、これに基づき平成30年4月から和歌山県も国民健康保険の保険者となるからであります。
 御承知のとおり、国民健康保険とは、病気や、またけがをした場合に安心して医療を受けることができるよう、加入者がふだんから保険料を納め、医療費の負担を支え合う助け合いの制度であります。国民健康保険は、全ての人が何らかの医療保険に加入することとなっている我が国の国民皆保険制度の中核として、地域住民の医療の確保と健康の保持増進に大きく貢献しているところであります。
 助け合いの制度である国民健康保険を持続可能な制度とするためには安定的な財政運営が不可欠であり、国民健康保険の加入者である被保険者の医療費は、被保険者の保険料と国からの補助金等で賄われております。財政運営の安定化を図る上でさまざまな施策があるかとは思いますが、私は、保険料の収納対策、国の財政支援の活用、そして、和歌山県議会の一般質問で多分この問題を取り上げるのは初めてではないかと思いますが、国民健康保険の支出対象とならない交通事故等による第三者行為求償事務の3点が重要と考えております。
 そこで、まず国民健康保険料(税)の収納率についてお伺いをいたします。
 先日公表された和歌山県国民健康保険運営方針によれば、和歌山県内市町村の平成27年度の国民健康保険料(税)の収納率は92.82%であり、全国平均の91.45%を上回ってはおりますが、市町村によって収納率の高低差が見受けられます。県下で地域差が出てくる問題点がありますが、県としての収納率に係る現状と認識について、まずは福祉保健部長にお伺いをいたします。
○議長(尾﨑太郎君) ただいまの山下直也君の質問に対する答弁を求めます。
 福祉保健部長山本等士君。
  〔山本等士君、登壇〕
○福祉保健部長(山本等士君) 市町村が国民健康保険の保険料または保険税を適正に徴収することは、国民健康保険の安定的な財政運営とともに、被保険者間における負担の公平性の観点からも重要であります。
 平成28年度の収納率は、県平均では93.56%ですが、市町村別では最も高い九度山町で99.41%、最も低い和歌山市で90.23%と、9.18ポイントの差があります。
 なお、収納率は、主に収納事務の人員体制の違いにより和歌山市など人口規模の大きな市町では低くなる傾向となっておりますが、そのほかにも、市町村における被保険者の年齢構成等さまざまな要因により収納率に差が生じます。
○議長(尾﨑太郎君) 山下直也君。
  〔山下直也君、登壇〕
○山下直也君 部長の答弁をいただきました。
 国民健康保険料(税)の収納率低下は、その収納不足をきちんと納付している国民健康保険被保険者へ負担転嫁させるばかりか、公的保険制度の信頼性を大きく揺るがせることにもなりかねず、看過することはできません。
 私は、収納対策を徹底するため、口座振替制度の推進、滞納整理の推進、国が設置する収納率向上アドバイザーを活用しての収納担当職員に対する研修会の実施等の取り組みを提案したいと考えますが、当局はどのようにお考えでしょうか、福祉保健部長にお伺いをいたします。
○議長(尾﨑太郎君) 福祉保健部長。
  〔山本等士君、登壇〕
○福祉保健部長(山本等士君) 議員御提案の収納率向上に係る取り組みにつきましては、大変重要なものと考えており、これまでも市町村に対し、収納担当職員への研修や、収納体制の充実強化に対する支援等を行ってきたところです。
 平成30年度からは県も保険者として財政運営に責任を持つことから、先般策定した国民健康保険運営方針においても、重点的に取り組むこととしております。
 まず、口座振替制度の推進につきましては、これまでも市町村が行う被保険者向けの啓発に要する経費について支援を行ってきた結果、平成27年度の口座振替利用世帯は43.15%と、全国平均の40.12%を上回っている状況です。
 しかしながら、全国的に見ると60%を上回る県もあることや、市町村間でも取り組みに差があることから、今後も引き続き市町村に対する支援を実施し、口座振替の推進を図ってまいります。
 次に、滞納整理の推進につきましては、所得や資産等があるにもかかわらず、保険料または保険税を納付する誠実な意思が認められない方には、市町村がその状況を十分に把握し、きめ細かな納付相談を実施した上で滞納処分を行っているところです。
 県としましては、収納率向上のため、適切に滞納整理を行うよう、引き続き市町村に指導・助言を行ってまいります。
 最後に、研修会の実施につきましては、県はこれまで市町村収納担当職員を対象とした研修を実施してきたところですが、今後は国が委嘱した収納率向上アドバイザーを活用し、豊富な事例に基づいたより実務的な研修を行い、各市町村が抱える収納上の課題の解決を図るよう努めてまいります。
○議長(尾﨑太郎君) 山下直也君。
  〔山下直也君、登壇〕
○山下直也君 答弁いただきました。
 先ほど申し上げたように、保険料の確保は国民健康保険財政安定化の最も基本的な取り組みでありますので、県におきましても、市町村への助言、支援等、積極的に取り組んでいただくようお願いをいたします。これは要望であります。
 2点目として、国からの財政支援制度、特に保険者努力支援制度についてお伺いをいたします。
 ことし1月19日付「朝日新聞」朝刊に、医療保険財政健全化の取り組みの記事が掲載されておりました。国──厚生労働省でありますが──都道府県による医療保険財政の健全化に向けた取り組み、具体的には特定健診、特定保健指導の実施率や、がん検診受診率、健康づくりの取り組みの実施状況などの指標を点数化して公表したものであります。
 「朝日新聞」の見出しによりますと、「新潟1位、山口最下位」となっており、あわせてベスト5とワースト5が掲載されておりましたが、和歌山県はそのどちらにも該当していませんでした。和歌山県の順位はどうなっておるでしょうか。また、県下市町村の点数の状況はどんな状況でしょうか、福祉保健部長にお伺いをいたします。
○議長(尾﨑太郎君) 福祉保健部長。
  〔山本等士君、登壇〕
○福祉保健部長(山本等士君) 保険者努力支援制度は、特定健康診査受診率の向上や糖尿病等の重症化予防など、都道府県及び市町村における医療保険財政の健全化に向けた取り組みを推進するため、その取り組み状況を点数化した上で、獲得点数に応じ、県と市町村に対し、国から交付金が配分される制度です。
 議員御質問の和歌山県の点数及び順位は、県分につきましては、210点満点のうち124点で全国31位、市町村分につきましては、790点満点のうち382点で全国25位となっております。
○議長(尾﨑太郎君) 山下直也君。
  〔山下直也君、登壇〕
○山下直也君 答弁いただきました。
 この保険者努力支援制度は、単なる取り組み結果の公表というだけではなく、この点数が高いか低いかによって国からの交付金が変動いたします。点数の高い努力をした自治体は交付金が多く交付され、結果として国民健康保険料(税)の減額につながります。このため、県及び市町村による保険者努力は大変重要であると思います。
 先ほど答弁いただいた和歌山県の財政健全化の取り組みの中で、他の自治体と比較して低い指標はどの指標なのか、その低い指標をどう改善していくのか、福祉保健部長にお伺いをいたします。
○議長(尾﨑太郎君) 福祉保健部長。
  〔山本等士君、登壇〕
○福祉保健部長(山本等士君) 保険者努力支援制度の評価指標のうち他県と比べて低い指標は、後発医薬品の使用割合が63.2%で43位、特定健康診査の受診率が31.7%で37位、糖尿病等の重症化予防の取り組みの実施率が56.7%で30位などであり、これらへの対策が必要と考えております。
 まず、後発医薬品の使用割合の向上対策としましては、これまで県による啓発資材の作成や、市町村による後発医薬品希望カードの配布等を行ってきたところですが、来年度は医療関係者との意見交換会や県民を対象とした後発医薬品の使用促進セミナーを開催し、後発医薬品の正しい知識の普及に努め、さらなる利用促進を図ってまいります。
 次に、特定健康診査の受診率向上対策としましては、今年度、県内2市町で受診勧奨モデル事業を実施し、受診率が7%上昇するなど一定の成果が出たことから、来年度以降、この取り組みを全市町村に広げてまいります。
 最後に、糖尿病等の重症化予防の取り組みとしましては、今年度、糖尿病性腎症重症化予防プログラムを策定することとしております。その実施に当たっては、各保健医療圏域ごとに市町村や保健所等の行政機関と医療関係者が協議の場を設け、プログラムに基づき抽出した対象者に効果的な保健指導を行い、糖尿病等の重症化予防に取り組んでまいります。
 県としましては、これらの取り組みをもとに、市町村とも協働しながら指標の改善を図り、確実な加点につなげてまいります。
○議長(尾﨑太郎君) 山下直也君。
  〔山下直也君、登壇〕
○山下直也君 国の社会保障費が年々増加している現状では、財源不足を国に支援してもらえばいいという考え方は、結局、国民健康保険の被保険者以外の方も含めた税金からの補填を容認するものであり、余りにも安易であります。
 健康増進に資する取り組みを充実させる等により医療給付費の削減に努めるとともに、保険者努力によって国の交付金を確保することにより国民健康保険の事業運営の安定化に努めるべきであると考えますので、県当局としてもその点を十分認識し、取り組んでいっていただきたいと思います。このことを要望させていただきます。
 3点目であります。3点目として、第三者行為求償事務についてお伺いをいたします。
 私が国民健康保険の第三者行為求償事務について関心を持ちましたのは、平成28年1月9日の「産経新聞」の記事であります。「交通事故医療費取りはぐれ 国保、年に数十億円」、こういう見出しを見たことがきっかけでありました。本県選出の鶴保庸介参議院議員がこの現状を問題提起し、それを受け、当時の河野行政改革担当大臣が厚生労働省に実態調査を指示したものと聞いております。
 第三者行為求償事務とは、国民健康保険の被保険者が交通事故等、加害者である第三者の不法行為によって生じた保険給付について、保険者はその立てかえた医療費等を加害者に対して損害賠償を請求する事務のことであります。
 本来、第三者が負担すべき医療費等を国民健康保険が負担したままにしておけば、第三者が負担すべき医療費等につき、不当に利益を得たこととなります。県内市町村の第三者行為求償事務の実績について、福祉保健部長にお伺いをいたします。
○議長(尾﨑太郎君) 福祉保健部長。
  〔山本等士君、登壇〕
○福祉保健部長(山本等士君) 平成28年度における第三者行為求償事務の実績は724件、2億393万円となっております。このうち、交通事故に関するものが693件、1億9732万円と大半を占めております。
○議長(尾﨑太郎君) 山下直也君。
  〔山下直也君、登壇〕
○山下直也君 第三者行為求償事務の実績について御答弁をいただきました。
 しかし、この実績だけでは、本来求償すべき案件全てに求償できているのかどうかがわかりません。市町村においては、求償すべき事案をどのように把握しているのか、また把握方法として十分なのか、福祉保健部長にお伺いをいたします。
○議長(尾﨑太郎君) 福祉保健部長。
  〔山本等士君、登壇〕
○福祉保健部長(山本等士君) 第三者行為求償案件を把握する手段としましては、被害者である被保険者本人から市町村に対し提出される「第三者行為による傷病届」により把握することが原則となります。
 なお、保険医療機関で交通事故等、第三者行為と確認できた場合には、その旨を診療報酬明細書に記載することとなっています。そのほかにも、市町村での診療報酬明細書の点検や交通事故等の新聞記事をもとに、被保険者に対して照会することにより把握する場合もあります。また、傷病届の提出が確実に行われるよう、全市町村が損害保険関係団体と覚書を締結し、交通事故の場合には被害者にかわって損害保険会社が届け出を行う取り組みも平成28年度から始まったところです。
 市町村ではこれらの方法により第三者行為求償案件を把握しておりますが、傷病届の提出義務の周知が進んでいないため、自主的な提出が十分になされていない状況であります。そのため、県ではこれまでも市町村と共同して傷病届提出の啓発ポスターを作成するなど周知に努めてきたところですが、平成30年度から県も国民健康保険の財政運営における責任主体となることから、「県民の友」初め県の広報媒体を活用し、より一層の周知を図ってまいります。
○議長(尾﨑太郎君) 山下直也君。
  〔山下直也君、登壇〕
○山下直也君 和歌山県国民健康保険運営方針において、「県は、市町村における第三者求償事務の取組に関する数値目標や取組計画等を把握し、PDCAサイクルの循環により継続的に取組が改善されるよう、市町村に対する定期的・計画的な指導・助言の実施等、第三者行為求償事務の取組強化に資する取組の実施に努めます」と記載しておりますが、具体的にどのような指導・助言を実施するのでありましょうか。引き続き福祉保健部長にお伺いをいたします。
○議長(尾﨑太郎君) 福祉保健部長。
  〔山本等士君、登壇〕
○福祉保健部長(山本等士君) 市町村が第三者行為求償案件をより確実に把握し、取り組みを強化するためには、市町村職員の資質向上、傷病届提出義務の周知徹底や警察、消防、保健所等からの情報提供体制の構築等が必要であると考えております。
 そのため、県では、市町村職員が診療報酬明細書を点検して求償案件を把握するために必要な専門知識を習得できるよう、国が委嘱した第三者行為求償事務アドバイザーによる実務経験に基づいた研修を実施してまいります。
 また、市町村の広報紙やホームページなどの媒体を活用した広報活動や、警察・消防、保健所等から事故等の情報を提供してもらうための協力体制づくりなどが着実に実施されるよう、市町村に指導・助言を行ってまいります。
○議長(尾﨑太郎君) 山下直也君。
  〔山下直也君、登壇〕
○山下直也君 第三者行為求償事務の取り組み強化に資する県の取り組みについて、御答弁をいただきました。
 この問題につきましては、先ほども申し上げたとおり、平成27年に鶴保参議院議員が問題提起されて以降、国においても取り組み強化が行われていると聞いており、これまでの県の答弁におきましても今後さらに取り組みを強化するということでありますが、この取り組みを通じて、これまで届け出が余り出されていなかったがために国民健康保険が負担していた費用を本来負担すべき者に負担させるという、国民健康保険制度のあるべき姿に向かうと考えております。
 最後に、この第三者行為求償事務は国民健康保険制度にとって大変重要な問題であると考えますが、これまで県議会でも取り上げられてこなかったということもあり、来年度から県も国民健康保険の保険者となることを踏まえ、改めて知事に、国民健康保険運営に係る第三者行為求償事務に対する意気込みをお尋ねいたします。
○議長(尾﨑太郎君) 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 国民健康保険制度を持続可能なものとするためには、制度の安定的な運営と公平、公正な負担の確保が必要であります。
 言うまでもなく、交通事故等の不法行為により生じた損害の責任は、加害者が負うのが当たり前でございます。したがって、市町村が第三者行為求償事務に取り組むことは、当然しなければならないことでございます。
 これまで県は、市町村が行うそうした第三者行為求償事務に対し、財政支援や啓発等による支援を行ってきました。これからは県が国民健康保険における財政運営の責任主体になるわけでございますので、より一層積極的に取り組み、国民健康保険財政の安定化を図っていく所存でございます。
○議長(尾﨑太郎君) 山下直也君。
  〔山下直也君、登壇〕
○山下直也君 知事、御答弁ありがとうございました。
 国民健康保険財政は構造的に厳しいと言われて久しいわけでありますが、本日質問及び提案させていただいた取り組みが実施できれば、安定化、健全化につながっていくものであると考えます。県議会議員として、また国民健康保険の被保険者として、県当局の取り組みを注視してまいりますので、積極的な対応をお願いいたし、次の質問に移ります。
 次に、リハビリテーション職の養成と確保についてお尋ねをいたします。
 ここで改めて申し上げておきますが、リハビリテーション職とは、立つ、歩くなどの基本動作能力の回復や維持を図るため、医学的リハビリテーションを行う専門職である理学療法士、また入浴や食事などの日常生活の動作やレクリエーション等の作業活動を通じて体と心のリハビリテーションを行う専門職である作業療法士、話す、聞く能力の回復や維持を図る専門職である言語聴覚士の3つの専門職のことであり、このうち、とりわけ不足が懸念された理学療法士について、私はこだわってまいりました。
 私は、この問題に関して過去3回にわたって県当局にその必要性を訴え、一般質問を行ってまいりました。1回目の質問は平成9年であります。平成9年12月議会においてでありました。
 和歌山県主催、和歌山県福祉のまちづくり推進協議会協賛による福祉のまちづくりシンポジウムに私も参加させていただき、当時、元ニュースキャスターの小林完吾さんの講演を拝聴したときに、小林さんが脳内出血で倒れ、入院・闘病生活を送った御自身の体験を通して、リハビリテーションの大切さとその意義、理学療法士、作業療法士を今後、何よりも優先してふやすべきであることを訴えていたことに、私は当時強く胸を打たれました。
 折しも、当時、理学療法士及び作業療法士の数は本県の需要量を充足する状況になく、県の理学療法士協会の役員の方は、「理学療法と作業療法を誰にでも受けてもらえるよう、人材養成は急務であり、県内に養成施設があれば地元に定着してくれる有資格者がふえる」、そう強調されており、また、県の作業療法士協会の役員の方も、「現在、作業療法士は和歌山市に集中し、それ以外の地域には急務であり、これでは必要な患者さんに作業療法が行き渡らない。したがって行政の一層のバックアップをお願いしたい」とリハビリテーション職の養成を訴えておられました。
 当時、全国で理学療法士、作業療法士ともに養成機関が未設置はおろか計画すらなかったのは、本県を含め2県しかなかったと伺ったこともあり、私は、高齢化が進む本県の将来を見据え、理学療法士、作業療法士の人材確保等に係る県の取り組みについて質問をいたしました。
 そのときの県の答弁は、「理学療法士、作業療法士といったリハビリ関連職種等のマンパワーの確保は欠かせないところだと考えている。県内の養成機関の設置については大きな課題として受けとめており、国の需給計画見通しの動向も見ながら今後十分に研究を重ねていきたいと考える」という内容でありました。
 2回目の質問は、平成13年であります。平成13年2月議会においてでありました。1回目の質問以降、理学療法士、作業療法士の需要調査について、さらなる調査をされたのか、またその結果はどうだったのか。この時点においても、全国で理学療法士、作業療法士とも養成機関がないのは本県のみと聞いていた私は、さらに現状とこの問題に対する今後の県の取り組みについて質問をいたしました。
 そのときの県の答弁は、「理学療法士、作業療法士の需給調査については、平成12年8月に実施した結果、今後8年間に延べ270人の新規需要が見込まれる。養成機関の設置に関しては具体的な計画に至っていない。県内での新規免許取得者は大きく増加しており、近い将来、県全体として医療機関、介護保険施設等で必要とされる就業者数は確保できるものと考えられる」との趣旨でありました。この時点で、少し憤りを私は正直感じました。
 3回目の質問は、平成17年であります。平成17年2月議会においてでありました。過去2度にわたる質問から、理学療法士、作業療法士に関する問題は、県としても事が足りているという認識でいるのではという憂いが生じたため、この時点においても本県は理学療法士、作業療法士の養成校を持たない県である、言いかえれば専門職としての教員及び指導者が1人もいない地域である、このままではリハビリのサービスを受ける県民が多大な不利益をこうむるとの思いで、3度県の考えを伺ったところであります。このときの県の答弁も、需給状況等の把握、人材の確保、対策について協議、検討を進めていくという趣旨でありました。
 仁坂知事は、平成18年12月に知事に御就任され、このことについて御存じなかったのかもしれませんが、県当局の答弁が変わらないままで、最初の質問をしてから約20年の歳月が流れました。今、私が過去の答弁を詳しく申し上げたのも、この歳月の重みを知事並びに県当局の方々にわかっていただきたいという気持ちでいるからであります。
 3回にわたる私の一般質問の後、この現況を憂慮するかのように、平成20年、理学療法士を養成する4年制の専門学校が県内に設置されました。そして、毎年この学校で学んだ学生が国家試験に合格し、現場で活躍、本県のリハビリサービスの提供に大きく寄与されております。
 しかしながら、最初の質問のときに私が心配していた高齢化は現実に進行しております。一昨日、人権・少子高齢化問題等対策特別委員会が開かれました。そこで、県から現状説明がありました。本県は全国に先行して高齢化が進んでおり、平成29年1月現在、高齢化率は30.9%と全国7位の状況であり、今後、平成32年に65歳以上の高齢者数がピークになるとともに、平成42年には75歳以上の高齢者数がピークになると見込まれるとのことでありました。
 また、要介護認定者も平成28年3月時点の6.7万人から平成42年には8.1万人にふえることが見込まれております。リハビリテーション職の方々を必要とする人の数はふえ続けているのではないかと感じる次第であります。
 そこで、今回4度目の質問となったわけでありますが、今日までの過去3回にわたる私の質問を県はどう捉えておられるのか、また、現在のリハビリテーション職の需要について県はどう考えるのか、現況とあわせ、福祉保健部長にお答えいただきたいと思います。
○議長(尾﨑太郎君) 福祉保健部長。
  〔山本等士君、登壇〕
○福祉保健部長(山本等士君) リハビリテーション職の養成機関が必要であるという議員の提言につきましては、時代の趨勢を読まれたものであると考えております。
 こうした認識のもと、平成20年4月に民間の理学療法士の専門学校が設立される際、県では人材の確保につながると判断し、施設の建設や設備の整備に補助を行いました。この専門学校では、毎年数多くの理学療法士を輩出し、本県のリハビリテーションの充実に貢献していただいております。
 次に、リハビリテーション職の需要についてでございますが、現在、病院に従事しているリハビリテーション職の人数は、10年前と比較して倍以上にふえています。しかしながら、有効求人倍率は依然として高水準で推移しており、人材が不足している状況です。
 また、将来の需要につきましては、平成28年5月に県が策定した地域医療構想において、リハビリテーションを中心とする回復期機能病床が不足すると予測し、それに対応するため、リハビリテーション職の確保対策が必要と位置づけました。構想策定時に病院を対象に実施した需要調査においても、人材を確保する必要があるとの結果が出ました。さらに、地域包括ケアシステムの構築を進める上で、在宅医療や介護にリハビリテーション職が必要であると見込まれます。
 今後、リハビリテーション職の需要は一層増大すると考えており、リハビリテーション職の養成、確保対策に積極的に取り組んでまいります。
○議長(尾﨑太郎君) 山下直也君。
  〔山下直也君、登壇〕
○山下直也君 今、部長の御答弁をいただきました。
 今後、病院でのリハビリ人材の確保、さらには在宅医療や介護にリハビリに携わる人材が必要とのことであります。やっとわかっていただいたという思いであります。長かったです。大きく方向転換されたことは歓迎すべきことであると感じます。私からすれば、その重要性をようやく認識していただいたという気持ちであります。
 次の質問に入ります。
 リハビリテーション職の養成状況についてお尋ねをいたします。
 過去の私の質問において、本県は理学療法士、作業療法士の養成校を持たない県だと再三申し上げてきました。リハビリテーション職の養成施設の現状について、全国と本県の状況はどうなっているのか、福祉保健部長にお伺いをいたします。
○議長(尾﨑太郎君) 福祉保健部長。
  〔山本等士君、登壇〕
○福祉保健部長(山本等士君) リハビリテーション職の養成施設としましては、大学、短期大学、4年制や3年制の専門学校があります。平成29年4月現在、全国では理学療法士の養成施設は256あり、1学年の定員は約1万4000人、作業療法士の養成施設は192あり、1学年の定員は約7600人、言語聴覚士の養成施設は74あり、1学年の定員は約3000人となっています。本県では、理学療法士を養成する4年制の専門学校が1校のみであり、1学年の定員は40名となっています。
 作業療法士と言語聴覚士につきましては、県内に養成学校がない状況でございます。
○議長(尾﨑太郎君) 山下直也君。
  〔山下直也君、登壇〕
○山下直也君 リハビリテーション職の需要は増大するにもかかわらず、本県の養成の状況は余りにも小さいことを痛感いたします。
 次の質問に移ります。
 今後の人材養成・確保対策についてであります。
 リハビリテーション職の需要と余りにも小さい県内の養成力を踏まえ、県は今後、具体的な担い手養成や確保対策をどのように考えておられるのか、改めて知事の御所見をお伺いいたします。
○議長(尾﨑太郎君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 先ほど山下議員から、ずっと長い間のいろんな御提言の経緯が御披露されまして、私はその後半ぐらいからしかわかっていないんでございますけども、和歌山県でこんな大事な仕事に関して養成校が1校もないというのは、これは情けないことであるというふうにずっと思っておりまして、民間の、寺下さんですけども、英断をもって専門学校をつくってくださるということになったときは大変喜び、感謝をし、評価をし、それでこれは少し応援をせないかんということで、ささやかでありますが応援をさしていただいて、以後、大変評価をしているところであります。
 さらに、地域医療構想、これをつくっていかないといけないということになりまして、福祉保健部のほうから回復期の病床が不足するということが予想されるということを聞きまして、これはさらにリハビリテーション職の確保が必要であるというふうに思いまして、改めて、あれだけでは足りませんので、一層ふやしていかないといけないなあというようなことを考えてきました。
 同じころ、東京医療保健大学の誘致にようやく成功いたしまして、次の大学誘致の可能性をいろいろ考えるという状況になってきたわけでございます。
 その結果、リハビリテーション職については、議員御指摘のように今後需要の増加も見込まれるし、それから、現在、大学という観点からいうと150人程度の学生が毎年県外の大学とか専門学校で学んでいて、進学希望者も結構多いということで、この人たちを考えたら誘致できるんじゃないかなあというふうに考えておるところでございます。
 県内にリハビリテーション系大学を誘致できれば、人材不足の解消や若者の県外流出の抑制などの効果が期待できるわけであります。これまで和歌山市の中心市街地に3大学ができることになりまして、そこにさらに新たな大学が誘致できれば、さらにまちなかの活性化にもつながるというふうに思っております。
 そういう観点でございますので、今後、積極的にチャンスをうかがって、何とかならんもんかということで頑張っていきたいと思っております。
○議長(尾﨑太郎君) 山下直也君。
  〔山下直也君、登壇〕
○山下直也君 ただいま、知事の御答弁をいただきました。
 知事答弁のとおり、和歌山市の中心市街地には3つの大学が開学予定であります。正式には2つの大学と1つの学部ということでありましょうが。雄湊小学校跡地には、東京医療保健大学和歌山看護学部が設置され、本年の4月8日には入学式を迎えます。本町小学校跡地には、仮称・和歌山信愛大学教育学部が新設予定であり、来年春の開学予定と聞いております。また、伏虎中学校跡地には県立医科大学薬学部が設置され、平成33年4月開学予定と聞いております。
 そして、新たにリハビリテーション系の大学ができる可能性が出てきたということであります。これまた大きな計画が動き出すと感じます。
 そんな中、それはそれで結構なことかと思いますが、1つどうしても気になります。それは、先ほど知事の答弁にもありましたが、今まで頑張ってきた地元4年制の専門学校のことであります。こちらも大学化に向け、いろいろと考えておられると仄聞をしております。
 この間、いつも「県民の友」を私の家にも届けていただくわけでありますが、いつも一番最後のページに知事が書かれてるところがあると思います。いつもそこを読むわけでありますが、その3月号の知事メッセージの中で、知事は、「事業者やこれから事業をしようとする人にとって一番肝心なのは、企業者精神であり、挑戦する意欲であり、野心である。確かに環境の変化は大変なのだが、それは世界共通の条件だ。県の施策などをうまく活用しながら自分がやってチャンスをつかんでくれることを祈るばかりだ。ゆめゆめ、大変、大変と恐れてばかりいたり世を嘆いてばかりいるうちに和歌山以外の人に先にやられてピンチにならないように。それは和歌山のピンチだ」、そう述べておられます。私は、全くそのとおりだと思います。
 少し古いですが、「和歌山ファースト」というようなことも言えるんじゃないかなというふうに思うんですね。リハビリテーション職の養成につきましても、やはり同じではないか。企業者精神や意欲のある地元の学校が経営難になるようなことがあってはならないと考えます。
 作業療法士、また言語聴覚士等々、今まで本県に養成施設のない専門職をどう養成していくのか等の課題も残るわけでありますが、東京医療保健大学和歌山看護学部が地元の看護系の学校と共存共栄を図ってきたこと等も参考にして、本県のリハビリを必要としている方々に一日も早く喜んでいただき、安心してリハビリを受けていただけるよう、地元の学校とともに人材の養成確保に向け動いていただきたいということを強く要望いたし、私の質問を終わらせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(尾﨑太郎君) 以上で、山下直也君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 7番井出益弘君。
  〔井出益弘君、登壇〕(拍手)
○井出益弘君 いよいよ今議会の最後の日の最終質問者として、皆様も若干、今回5人、5人、4人と来たもんでお疲れかと思いますけど、なるべく簡潔に終わりたいと思いますんで、御清聴、よろしくお願いします。
 通告に従っていきますと、まず紀の川流域の水害対策について、新六ヶ井堰の全撤去についてということで、具体的に質問させていただきたいと思いますが。
 昨年10月22日から23日にかけて本県を襲った台風21号では、県内各地で大きな被害を起こしました。和歌山市内においても、連続降雨量339ミリ、時間最大雨量22.5ミリの降雨がありました。和歌山市内、紀の川流域では、和歌山市西田井や北地区などで約200戸の家屋浸水被害が発生しており、また周辺農地も広範囲で水につかり、農作物の被害が発生したと想定されます。
 台風21号による浸水被害の発生については、先般12月議会では、紀の川本川の水位が長時間、高い異常状態が継続する中、沿川地域において近年類を見ない大雨となり、内水の排除が困難になったことが主な原因と考えていると答弁されております。内水の排除には、紀の川本川の水位を下げることが最も有効な対策であると考えます。
 地域においては、紀の川大堰建設工事の際に、農業用水の取水堰である新六ヶ井堰が完全に撤去されなかったために、紀の川の水位を下げることができず、結果として内水被害が発生していることが考えられます。この件については、今回の一般質問初日に公明党・多田議員も取り上げ、和歌山市選挙区選出県議の大半の声だと私は思います。
 そこで、昨年10月の台風21号の豪雨により、和歌山市内の紀の川沿川地域において浸水被害を受け、地元関係者より基礎部分が存置されている新六ヶ井堰の全撤去と堰上流の河川の床、河川を底から掘削をしてほしいという強い要望がありますが、新六ヶ井堰の全撤去に向け県としてどう考えているか、県土整備部長にお尋ねします。
○議長(尾﨑太郎君) ただいまの井出益弘君の質問に対する答弁を求めます。
 県土整備部長森戸義貴君。
  〔森戸義貴君、登壇〕
○県土整備部長(森戸義貴君) 新六ヶ井堰の全撤去と堰上流の河床掘削についての御質問でございます。
 紀の川下流部の改修については、昭和34年の伊勢湾台風を契機に本格的に検討され、昭和40年に伊勢湾台風時の出水より大きい流量に基づいて、紀の川水系工事実施基本計画が策定されました。その後、昭和49年に全面改定された当該基本計画や昭和63年に告示された紀の川大堰の建設に関する基本計画においては、水害対策や利水の確保等を目的とする紀の川大堰の建設や、大堰建設後の新六ヶ井堰の撤去についても位置づけられていたところでございます。
 紀の川大堰の建設に関する基本計画につきましては、紀の川大堰本体の完成後、大阪府の水源計画の見直しにより必要となる利水容量が縮小されますとともに、治水計画についても安全に流下させる流量の規模を小さくする目標への変更が平成20年に行われてございます。
 この変更に伴い、新六ヶ井堰については、堰の全部を撤去するのではなく、堰の基礎より上部の部分の撤去並びに必要な堰上流の河床掘削を行うことになったものでありまして、これらについては平成23年3月までに完了していると国土交通省から聞いております。
 現在、紀の川の河川整備は平成24年12月に策定された紀の川水系河川整備計画に基づき実施されており、この計画は下流部についての一定の整備が完了していることを受けて、岩出狭窄部対策や藤崎狭窄部対策など中上流部における整備を進めることを位置づけているものでございます。
 したがいまして、現時点では、議員御質問の新六ヶ井堰の基礎部分の撤去及び必要な堰上流の河床掘削については、水位の低下に一定の効果はあると認識はしているものの、次の課題として整理されているのが実態でございます。
 県としては、早期撤去等の要望があることも把握しており、まずは現在実施している岩出狭窄部対策などの着実な事業進捗を国に働きかけますとともに、いただいている要望についても確実に伝えてまいりたいと考えてございます。
○議長(尾﨑太郎君) 井出益弘君。
  〔井出益弘君、登壇〕
○井出益弘君 今の部長の答弁、そういう答弁しかできないんかなと思いますけど、やはり答弁していただく中にも、現在の被害状況とか見たら、大変それもわかってくれてるような立場で答弁だからと思いますけど、やはりいつかはこの堰、そこまで取るようになりますよ、こんなんずっと繰り返しておったら。被害を繰り返してね。
 これはだからあんまり、いつかはなるけども、それ本当に早くそこまで取るということ、お金が要りますけども、被害がどっち側の──お金が大事かという話になると、なかなか、被害ということも、いつかは人災のようなことにもなると思うんでね。人災というか人身事故になるようなこともあると思うんで、やはり1年でも早く、このようなことを繰り返さんように、御答弁いただいたのを踏まえてですけども、我々もぜひ地元の要望として一緒になって、地元へ、これだけ力強く国へ働きかけてると、あるいは国でこれぐらいのとこまでは理解を得たというようなことを地元にお話しできるように、ひとつ行動を展開していただきたいということを要望して、これはこれで終わります。
 続いて、今も部長が少し触れていただきましたが、大堰上流のほうの河川、川の中を見たときに、この前の10月の水害のときも、私も地元へ見に来てくれと言われて行ったら、川の中やのに随分上のほうのとこまでごみとかごみ袋とかいろんな流れ物とかがだっとひっかかっとったりして、えらい水位が上まで上がっとったんやなと、そしてまたこれは危険やなというのを感じました。
 こういうことを考えますと、流下断面、これは水を流すことのできる量を示す数値の流下断面、流下断面を確保するための河道掘削や河道内樹木の伐採について、ぜひ私は今回取り上げたいということで話をさせていただきます。
 紀の川を見ると、至るところに土砂が山積し、また大きな樹木も多く存在して、紀の川の中に森があるのではないかと思うぐらいの場所もたくさんあります。紀の川大堰を建設したとき、当時の考えは、市民の水がめとして和歌山市、当時の貯水量を2倍の量にふやすと、それだけ深く、そしてまた奥のほうまでずっとしゅんせつするという計画でありましたが、先ほど部長の答弁もいただきましたが、大阪のほうへ水をもう要らないと言われて、それでそのまま、要らないと言われたぐらいからもう頓挫してしまって、利水の話がなくなったら治水のことまで頓挫してしまってる。これはやはり本当に我々、行政の責任として、国とばっかり言わんと、国に対してはやっぱり、県も、そして市も、あるいは上流の市や町も、そういうことを一緒になって取り組まなかったらだめだと思います。
 昨年10月の台風21号の豪雨に伴う出水時においても、これらの土砂や樹木は大変水の流れを阻害する障害物となり、本川水位を上昇させた要因の1つでもあると考えられるため、この土砂の撤去や樹木の伐採について計画的に実施をしていく必要があるんではないかと、私は特に今回感じるものであります。
 また、大雨降るごとに農作物が浸水、冠水の被害を受けて、前のときも私、数年前にここで話さしてもらったんですけど、農民の人が水につかったんで売れやんのでといって、軽四で皆さんで食べてもうてよといってようけ持ってきてくれるんです。だけど、そんなん配ったら選挙違反になるかわからんし、もらって本当に困ったことがある。
 だけど、それがやっぱり何回かあって、本当に私も、ようけもうても配れやんのやと、持ってこられても困んねやと言ったことあるけど、本当に気の毒でね、そんなこと。だけど、最近もやっぱり僕とこへ、持ってきてくれやんけど、そういうことを、随分処分するのに困ってるというぐらいの話をたびたび聞きます。
 どうか、そういうことも考えた上で、上流域のとこまでもっとしゅんせつをして、あるいはどんどんどんどん緑地帯というか森というかふえていっとる、川の中までがだんだん、川がだんだん狭なって、そういう樹木の生えたとこが多くなっています。そんなことのしゅんせつも含めてぜひ対応していかないかんと思いますんで、県のそのことについての取り組みをひとつお聞かせいただきたい。
○議長(尾﨑太郎君) 県土整備部長。
  〔森戸義貴君、登壇〕
○県土整備部長(森戸義貴君) 流下断面確保のための河道掘削や河道内樹木の伐採についてでございます。
 昨年10月の台風21号に伴う豪雨によりまして、紀の川沿川地域におきましては、和歌山市内を初め多くの地区で浸水被害が発生をいたしてございます。こうした浸水被害の軽減に向けまして、国土交通省においては、国、県、市町を構成機関とする紀の川流域における浸水対策検討会を本年1月に設置し、堆積土砂の撤去や河道内樹木の伐採なども含め、具体的な対応策について検討を進める予定と聞いてございます。
 紀の川本川における維持管理につきましては、必要な流下断面を確保するよう、これまでも河川管理者である国土交通省において土砂の堆積や樹木の繁茂状況を把握し、優先度の高い箇所から順次対策を実施していると聞いております。
 県としましては、当該検討会の結果も踏まえ、流下断面の確保や支川排水の円滑化に資する河道内樹木の伐採を初め、円滑な流下を阻害する堆積土砂の撤去について、より計画的かつ効果的に実施されるよう国に働きかけてまいりたいと考えてございます。
○議長(尾﨑太郎君) 井出益弘君。
  〔井出益弘君、登壇〕
○井出益弘君 ただいま部長からそういうようなこと、既に取り組むような協議会が立ち上がっておると、そしてまた計画も進められてるようなことをお聞きしましたんで、そういうようなこともぜひ、我々が地元の皆さんとか水利組合の関係の皆さんにもそういうことを説明、直接ひょっとしたら今、水利組合の人はもう知っとるでと、そういう話になるか──だけど、やはり私は、我々もそういうことに早く参画させてもらって、いろんな意見の中で議論にも、早い時期にもちろんそういう情報も欲しいし、そしてまた、私らもそうやっていったらできる、何とかなるんじゃないかなと、あるいは早い見通しとして安心なような、被害が減るようなことが可能になってくるなと納得できるような、そんなような話をやっぱり、ぜひ我々にも情報提供していただき、また場合によったら我々の議会の関係者の一部でもそういうのに参画させていただくようなことをお願いしたいと。これは多分、部長、そういうようなことで御理解いただけてると思うんで、要望しておきます。
 続いて、3番目の項目ですけども、出水時の紀の川大堰操作、この操作の規定について、マニュアルについてお尋ねします。
 紀の川大堰は、国土交通省和歌山河川国道事務所が紀の川大堰操作規則に基づき管理をされているが、降雨時に大雨が降ってもマニュアルどおりの操作が行われている。私も、マニュアルどおりやってるというのを何回かここでも答弁聞いて、マニュアルどおりやっててあんなあふれるん繰り返して、誰の責任よと。マニュアルどおりやってるというたらそれ人災やないかと言いたくなるぐらいの感じをいつもちょっと感じます。
 地域の方が操作室を訪ね、早く堰をあけるようにお願いしても、原則に基づく操作を行っているということで、お願いを聞いてもらえないようなことがあると、それを関係者からも聞いております。台風接近などにより大雨が予測される場合、早い段階で堰を開放し、本流水位を少しでも下げておくというような柔軟な対応をとることができないものか。あらかじめ堰が開放されている中で発生する浸水であれば、地域住民も想定外の大雨だったとある程度は納得できるものではないかと思います。
 数年前に私が、関係地元の皆様が多く傍聴に来られたそのときに、ゲリラ雨のときも、そのときのゲリラ雨の話があったんですけども、多くの方がここへお見えになって、私も、マニュアルは正しいんか知らんけど、その正しいやつをぜひ改善してほしいということを要望してほしいということで、そしたら当時、要望しますということやったんですけど、その後やはり大分減ったなあと。大雨降っていかれるかなと思ったけど、今回、上へ水が上がってこんと流れたと、そういうようなことも管理者より聞いております。
 現行の紀の川大堰における操作規則の運用について地元関係者に説明を行うとともに、出水時の堰の上流水位の低下をさせるためにも、現行操作よりさらに早い段階で全開操作できるよう操作規則の運用を見直す必要があると考えます。やはりこれも、私は海の水の水位が満潮として上がってくる、その上がってくることなんかも計算してゲートを開く。もうかなり早くから、きょうの夕方になったら水位が上がってくるのと雨が流れてくるのと重なるかわからんというようなことも予測して、そういう満潮とかそういうようなことも考えた放流をしてもらったらと思います。
 やはり水がめとして利水の分がなくなったんやから、本当にもう全部流し切ってでも、そんな大雨警報出てるようなときは全部流し切ってからでも、あるいは大雨が通り過ぎてからため始めても十分、和歌山市民の水の確保はできると思うんですよ。だから、本当に治水をやっぱり優先した、そういうようなマニュアルということを考えていただけないかということを、そういう対応について、まず県土整備部長に御所見をお伺いいたします。
○議長(尾﨑太郎君) 県土整備部長。
  〔森戸義貴君、登壇〕
○県土整備部長(森戸義貴君) 紀の川大堰の操作規則の運用についての御質問でございます。
 現在の紀の川大堰の操作につきましては、洪水時において紀の川大堰への流入量が毎秒1900トンを超過した段階で、速やかにゲートの全開操作を開始し、堰上流水位を低下させることとなってございます。これは、議員を初め地元からの改善要望も踏まえ、平成26年度以降に実施されているものでございます。
 現在の操作は、紀の川大堰の上流において、紀の川の水位が沿川の地盤の高さを超え内水の排除が困難とならないようゲートの操作が開始されることとなってございます。議員御指摘の現行操作より早い段階でゲートの全開操作を開始することについては、浸水被害への影響が大きい洪水のピーク付近ではなく洪水の初期段階の操作となりますため、その治水上の効果は限られるのではないかとも想定されますが、その効果の程度について国による整理をお願いしたいと考えてございます。
 あわせて、ゲートの操作がどのようなルールや考え方で行われているのかについて、地元の方々に対して説明いただけるよう、引き続き国にお願いをしてまいります。
○議長(尾﨑太郎君) 井出益弘君。
  〔井出益弘君、登壇〕
○井出益弘君 大変部長も前向きに取り組んでくれる、努力してくれるということが感じられましたんで、ぜひこれは実行してほしいと。海水が満水になってきて、スポーツ広場がつかったとかということは全くないわけですよ。だけど、冠水、満水とかと上から流すやつとが重なって、今回も大堰から下でも冠水してる、被害がたくさん出てるんでね。それは満水のことなんかも計算しながらとか、とりあえず注意報が出たらもう全部出すと、流すというようなことを、ちょっと大きな改善というか、国のほうの理解が要ると思うんですけど、ぜひよろしくお願いします。
 次に、和田川流域の浸水対策についてお尋ねします。
 和田川流域は、浸水被害が以前からもう多く発生しております。いつでも川の整備は下から下からと言って来ておって、なかなか下から下からといったら、もう私ら生きとる間はとても改善してくれやんのかと、まあその話も何回も、知事もそういう話、よく聞くと思うんで、本当に。だけど、これはやっぱり下からというて後送りばっかりしとったらいかんと思うんでね。
 近年では、平成24年の6月梅雨前線豪雨では、和田川流域で大きな浸水が発生し、マスコミなどでも大きく取り上げられました。朝から上空をたくさんの報道ヘリが飛んでいたのを覚えております。
 また、平成26年8月の集中豪雨でも浸水被害が発生し、そして今般の平成29年10月の台風21号の豪雨においても、和歌山市山東地域など約150戸もの家屋の浸水被害が発生しております。当然ながら、周辺農地も広範囲で水につかり、農作物への被害が発生したと想定されます。
 平成24年の浸水被害を機に、和田川の改修を初め各機関による浸水対策を進められていることは承知しておりますが、周辺住民が大雨におびえることのないよう、安全・安心した生活を送ることができるように早期の浸水対策を進める必要があります。
 29年10月のとき、友人から、また床上浸水よ、3回目なので何とか行政も対応を考えてほしいよ、自力ではこんなんなかなかどうもできやんのでという電話が何人かからかかかってきました。多くの方からかかってきました。昨年の台風などによる浸水被害が大きい支川を含む和田川流域の改修状況と今後の進め方について、県土整備部長にお伺いします。
○議長(尾﨑太郎君) 県土整備部長。
  〔森戸義貴君、登壇〕
○県土整備部長(森戸義貴君) 和田川流域の改修状況と今後の進め方についての御質問でございます。
 昨年10月の台風21号に伴う豪雨により家屋浸水被害が大きかった和田川沿川の吉礼地区などの浸水対策につきましては、支川の氾濫や内水氾濫により浸水被害が発生していることから、国、県、市で連携を図りながらその推進に努めているところでございます。
 和田川本川の改修につきましては、県において、これまでに和歌川に合流する地点から前代川が合流する付近までの約6キロ区間のうち下流から米田排水機場付近までの約4.1キロの改修が概成しており、現在、引き続きその上流の石関取水堰の改築や護岸工事を進めてございます。
 支川前代川の改修につきましては、市において、和田川に合流する地点から上流約0.5キロ区間で、河道拡幅とつけかえ工事などが進められてございます。
 これらのほか、和田川沿川地域からの排水対策として、国において米田排水機場のポンプの増強や農業用水路の改修などの取り組みが進められているところでございます。
 また、前代川が和田川に合流する地点よりさらに上流の伊太祁曽、平尾地区などの浸水対策につきましても、和田川本川については、県が伊太祁曽神社前の堰の改築を実施し、現在、河道断面を拡大するなどの改修に取り組みますとともに、支川の永山川、平尾川については、市において設計等に本年度から着手されたところでございます。
 今後とも、関係機関と連携を図りますとともに、さまざまな機会を通じて予算を確保し、残る区間の早期改修に努めてまいりたいと考えてございます。
○議長(尾﨑太郎君) 井出益弘君。
  〔井出益弘君、登壇〕
○井出益弘君 部長には、ほんまに予算確保とかにも一生懸命やってもろてるのに、まだまだこういうことを言って本当に申しわけないんやけど、やはり県民の我々代表として、地元民の代表として、余りにも気の毒に思うのをやはりもっともっとやってくれと、あるいは仮の何かでもできないかと、その永久の、下からというやつを待っとったらいつになるかわからんのでというようなこともしばしば言われて、それもやっぱり何かできないかなという思いからこういうことになるもんですから。随分具体的にそういう下からでなくて上のほうもやってくれてるというのを最近お聞きして今回確認さしてもらったんで、どうかまだまだひとつ予算獲得に、あるいは工事の進捗を早めるように努力をお願いいたします。
 3番目の項目でありますが、射撃場建設についてお伺いします。
 この射撃場建設というのは、私も本当に思いがあって、知事も本当にこれについてはいろいろ皆さんから意見聞いた中で知事も努力をそれなりにされてると思うんですけども、私はこの射撃場のことがあるから、2年間、農林水産委員会へ、国体前に射撃場のことでという思いもあって行かしてもらって、そしてまた国体までに何とかクレー射撃の射撃場を、何とか農林水産省の予算で有害鳥獣対策の関連施設ということで予算をつけてもらって、そしてまたこれの練習場として使えないか、あるいは国体に使えるようにということで、それは私もここで何回か言った。
 当時、麻生太郎、国会議員の麻生先生がクレー射撃協会の会長でしたんで、私も理事をしておって、そういうこともあって、もう口あいたら和歌山へ射撃場をつくってくれと、ほんでその前に近畿で1個つくってくれと。2府4県でないんやから和歌山へつくってくれというので、そしたら麻生先生も、国体前ということも関連づけて予算つけよう、射撃場の予算なんか初めてやで、だからいいのをつくってくれと。
 ええのをつくってくれと言われて、頑張りますと言うた割には、結局はできなかった。何でできなかったというのを、また私も麻生先生に何回か説明せえと言われてね、ほんで、もちろん農水省の生産局長にも、それから有害鳥獣対策室長にも説明に行ったり。
 そういう中で、今でも私は近畿2府4県の中で、そしてまた京奈和道が開通した、あるいは第二阪和が開通した、そして紀南のほうにも高速道路から伸びてるから、場所的には僕は和歌山市周辺とか京奈和道路沿いとか第二阪和の近くとか、そういうような場所につくれたら一番、近畿2府4県からも来てくれるし、そしてまたいろんな面で採算ということも考えたら非常にいいんじゃないかということで、以前から私はこれ言っとったんです。
 そして、農林水産委員会で部長にもこういうことを言ったけど、なかなか理解してもらえなくて、私も委員会へ知事をぜひ1回呼んでほしいと言ったら、そんな必要ないと簡単に言われて。じゃ知事にこの意見を伝えてほしいと言ったら、伝えないと言うんですよ。知事の考えわかってるから、知事の意向と違うようなことを私は言えないと。ほんで当時、委員会ちょっととまったことがあったけど、とりあえずきょうのところはこれでというて、みんなも、知事呼ぶというのもなかなか難しいということもあって。
 だけど、知事がそんな考えじゃないやろうというのは、順次ちょっとまた話を──きょうこそ僕、知事と話できる機会ができて本当にうれしいなと。ほんで、きょうはしっかり、知事、聞いていただきたい。
 紀の国わかやま国体の開催を契機に和歌山に射撃場を整備してもらいたかったが、最終的に断念することになった。狩猟者が減ってきており、年齢層も上がっている。鳥獣害による被害はたくさんふえてきてる。そういうのを防止するためにも狩猟者を確保する必要があるとともに、狩猟中の事故をなくすために、安全研修を初め射撃技術の向上を図る射撃訓練施設が必要であります。施設建設後の運営、採算を考えた場合、そしてスポーツ振興のためにも、クレー射撃競技者も使用できる施設整備をすることが必要であると考えます。
 建設地の選定については、近畿2府4県の狩猟者や射撃スポーツ競技者が利用することができる京奈和自動車道や第二阪和国道から近い和歌山市、紀の川筋が適地であると考えます。過去の選定地には問題があったため、建設に至らず国に予算を返しました。土地の形状などの問題もあるが、太陽の方角などを考慮していない点もあります。施設の整備に当たっては、きちんとした関係機関や専門家の意見を聞き、進めるべきであります。
 私も、こんなこと言うてもわかってもらいにくい、議会の皆さんにもこういうこと何回か言ったけど、なかなか、ふうん、そうかといってそのときにわかっていただけた。
 今回ちょっと、こんな施設のことを条件の1つに──競技スポーツといったら全国狩猟大会、安全狩猟大会とかいうのもしばしばやっております。もちろん、クレー射撃の大会は土日祭日、どっかでやっています、近畿2府4県の。そういうことをやってる中で、射場としてまず条件、スポーツ競技には、撃ち始めのスタートのときは、北向いて撃つ方向に射場をつくられなかったら、ちょっと東向いとったら日が上がってきたらまぶしくて中断せなあかん、あるいはそういう射場は正規の競技射場としては認定はなかなかされない。
 そういう認定の射場のA、AA、AAAというのは認定基準もあります。これは国際とか、あるいは猟友会の免許取るための施設の射撃場とかね。そういうことについても、私はそういう日本クレー射撃協会の審査員なんですよ。競技施設のそういうもの見に行って、ここはやっぱりちょっと認定にはふさわしくないなとか、あるいはこういうクラスの認定の場所としてはぴったりやと。
 だけど、全然こういう話もなかったんですよ。で、聞いたら、いや、予算だけつけてもうたらもう会には来てもらわんほうがええと、我々だけでやったほうがええんと違うかというようなね。
 スポーツ課にも聞いた、当時。そしたら、「うちも全然呼ばれてないから、その会へ行けません」と言うんですよ。どんな格好で射場進んでるんかと言うたら「わかりません」と。ところが、わかったのは、予算返すときに何て言われたかといったら、「予算つけたんは猟友会とか有害鳥獣、農水関係でつけたけど、潰したんは井出さんや」と言うんやいしょ。「ええっ」て。それも選挙前やっとよ、ほんまに、こんな話流されたんが。「2ちゃんねる」というやつにも載っとんのよ、ほいて。ほんまにね。
 これは僕は、知事もこんなこと多分知らんかなと。こんなことになってきとって、僕も知事にしつこうに言うんはね。
 ほんで私は、射撃場については、そんなこともやっぱり相談してもろたら、みんなが使ってもらって黒字になる、本当にそういうようなこともあるんで。まず狩猟者の確保、育成のための施設等、必要性と施設運営の考え方について──狩猟者の確保ということはどんどん減ってきとるんでね。そして、おりをつくったり縄でイノシシとか熊とか鹿とか有害物をとったらええやないかと、鉄砲使わんでもええやないかと言う人もおって、おりをいっぱいつくっらええとか、わなをいっぱい仕掛けたらええと。それ、ちょっとね。鉄砲は要らんと言うんですよ。
 おりの中へ大きなあれが入っとったらどうするんですか。どうやってするのよ。あるいは、わなへ物すごく大きいのがかかっておって暴れとって、どうやって連れて帰るんや、殺すんやと言うたら、「さあな、やりで突くんと違うか」と。実際、小さいものはやりで突いて射とめます。大きいものは電話かかってくるんですよ、ちょっと射とめに来てくれへんかなと。そしたら補助料の半分渡すさかいといって。
 だけど、そこで初めて、そんなん射とめるん、鉄砲でバンと息の根一発でとめんと大けがするでと、そんなこと要りますよと。ああそうやな、おりとかわなばっかりではあかんねんなと、そんな程度ね。ほんで私も、まあ理解してもらってないなあと。鉄砲、要らん要らんとかね。以前、市長で銃反対という市長もおったしね。競技スポーツやと言うても、そんなんでも、とにかく銃持った人うろうろしていらんのやと、銃反対という。
 ぜひこういうことを考えて、今の話の中で、狩猟者の確保、訓練のために射撃場は必要であると考えておられますかということをまず確認したい。そしてまた、その射撃場の建設は採算が合うような適地へ整備すべきであり、建設に向けた県の考え方を農水部長にお伺いします。
○議長(尾﨑太郎君) 農林水産部長原 康雄君。
  〔原 康雄君、登壇〕
○農林水産部長(原 康雄君) 野生鳥獣による農産物被害額は、平成28年度で約3億3000万円、7年連続で3億円を上回って、依然として深刻な状況にあることから、昨年3月に策定した第二種特定鳥獣管理計画に基づき、捕獲数を拡大することとしております。
 捕獲手段のうち銃猟は、警戒心の強い大型獣の捕獲を行う上で効果的な手段でありますが、銃猟者は高齢化等から年々減少している状況にあります。このため、銃猟者の確保、育成は重要であり、捕獲技術の向上や事故防止の観点から射撃訓練施設は必要であると考えております。
 なお、整備に当たっては、初期投資や後年度負担が過度にならないよう、狩猟者やクレー射撃競技の関係団体、施設整備に詳しい専門家の意見を十分お聞きしながら、場所や整備内容について検討してまいりたいと考えております。
○議長(尾﨑太郎君) 井出益弘君。
  〔井出益弘君、登壇〕
○井出益弘君 今の部長の答弁で、今の部長、あんまり昔からの歴史を知らんからそんな答弁で、私が質問すると言うてから大分理解をしてもらえたかなあと思うんですけども。
 やはりスポーツにも使うてもらえるようなね。全く機械同じですよ、この放出機といって15メーター前の地下からぴょんと出るやつね。それは前へ出るのと右に出るんと左に出るんを5カ所、全部で15台です、15メーター前の。こっち側から5カ所やから、射撃場所がこう5つ変わっていく。それで、向こう5つ目のを撃ったらまたここへ戻ってくるんやけどね。そんなん、猟友会の使うのもクレー射撃協会の使うのも、機械から何もかも、場所からほんまに皆一緒。
 そやから、そういうこともあって麻生先生が国体前にこれを和歌山へつくれよと。近畿2府4県の中でも和歌山へつくったら、これ、かなりの人数、土日祭日は皆試合入りますよ。取り合いですよ。近畿2府4県全部で来るから。猟友会も来るしね。それは集客にもええしね。
 だから、クレーにも使てもらえるようなことも考えて、射場のつくるときの設計というか調査とかそんなことを。前、予算ついたときにそんなことも考えて取り組んだかどうかというのを──取り組んでたらあれやけど──ちょっと聞きたいんやけど、とりあえずそういうことも今はちょっと理解してくれてるから、理解──僕の質問に対して合うような答弁くれたんかはあれやけど。
 以前は、前の農水部長、何やったらまた来てもらわなあかんことなるかわからんけど、以前のときはどんなことを、クレー射撃にも使うてもらえるようなことを、どんな設備が必要かな、同じので使えるんやなというようなことの確認とかね、そんなことを前されたようなあれがありますか、ちょっと一回確認したい。
○議長(尾﨑太郎君) 井出議員にお聞きします。ただいまの答弁は農林水産部長でよろしいですか。(「農林水産部長ね」と呼ぶ者あり)
 農林水産部長。
  〔原 康雄君、登壇〕
○農林水産部長(原 康雄君) 今御質問いただいたのは、クレー射撃にも使えるということで、以前そういったことについて協議してきたかと、こういうことでございましょうか。(「はい」と呼ぶ者あり)はい。
 先ほどお答えしましたように、我々は鳥獣被害対策ということの中で、この銃猟訓練施設というのは非常に重要であると考えております。
 実際に、今先生御指摘いただいたように、銃猟者の方でクレー射撃もやられる方もあると思いますし、施設的にもほぼ同じような施設内容であるというふうには聞いております。ですので、先ほどお答えしましたように、こういった鳥獣害対策には銃猟者の育成が重要でございますし、こういった施設も重要でございますので、そういった中ではそういった利用をされる方の中にも、クレー射撃の方も十分利用していただけることも考えなきゃいけませんので、そういったことで協議をしながら、できるだけその運用コストも含め安価になるように考えていきたいと、こういうふうに考えております。
○議長(尾﨑太郎君) 井出益弘君。
  〔井出益弘君、登壇〕
○井出益弘君 質問の仕方が悪かったんかどうかわからんけど、私は以前予算ついたときに、つくろうとしたときに、クレー射撃の競技選手にも使てもらえるようなことをしようと思ったら、クレー射撃のルールがあるわけですよ。飛ばす、何メーター、国際級の、オリンピックのときは何メーターぐらいまで飛ぶ。初速度はどのぐらいにセットして、それで、国内の大会のときは、何メートルぐらい飛んだらいいというぐらいじゃなくて、何メーターから何メーターの範囲内でないとセットとしては合格しない、そういうようなセットの仕方。
 だけど、機械は同じです。もうセットだけのことで。そやから、国内のルールあるいは狩猟の競技大会にも同じ機械。それで、国体に使う、あるいはオリンピック選手が練習するんでも、そのセットの違いだけで全く同じ場所。
 だから、そういうことをクレーの者にも使わすんやったら、そういう者も入った上で射場建設をせなあかんのと違うかと。そういうことを前、クレーの──私は前、呼ばれてないし、県本部からも呼ばれてない。体協も呼ばれてないと言うんやからね。ほんで僕はそれを認識を改めてもらうために、前回そんな状態やったということを知事にわかってほしいためにね。ほんで僕はそれを麻生さんに言うたら「知事に1回来てもうてくれ」と言うたわけや。「そんなつもりで私は予算つけたんと違う」と言ってね。ほんで知事は来んやろうというて、僕も言いに行かなんだんやけどね。
 今度は、本当にやっぱりクレー射撃も使ったら、撃つ数は、利用料はクレー射撃の選手のほうが多いですよ。もうどんと多い。免許取るときと更新のときとか修了前の講習があるけど、全然。そんなの人数が多くても、弾数とかそこへ払うお金になってきたら、やっぱり射撃の種目の者も使えるようにせんとあかん。そやから、そういうことを、前は全くそういう我々の参加をする場がなかったんよ。ほいで、もう予算だけつけてきてもうたら来んのが一番ええと言われてね。だけど、そういうことをやっぱりぜひ理解していただいて前へ進めたいと思います。
 そしてまた、この射撃場というのはもうほとんど全部──知事、聞いてほしいんやけどね、熊本とか、あるいはもちろん今回和歌山が国体させてもらった神奈川県の伊勢原、あそこもそうやし、皆、猟友会とクレー射撃協会とが両方使うてます、その射場は。もうほとんど、あっちこっちですよ。大阪の新家というとこでもそうですよ。国体には使えないような場所やったんやけどね。皆そういうことを使ってる。
 だから、そういう状態の中で九州の熊本、九州で一番ええ射場やけど、そこはもういうたらミズノに、スポーツ振興としての指定管理をミズノにやってもうてる。
 知事は、やっぱり管理するところ、どこかちゃんとしたとこに決めてもらってということを言われとったもんで、それは大事なことですよ。もちろん猟友会でも、和歌山県クレー協会でも、あるいは一緒になってでもね。だけど、そういう指定管理というようなことまで考えたほうがええと思うけど、やはり黒字でなかったら、運営で収益ある程度、利用率を上げやんとあかんと思うんでね。
 そうなると、やっぱりまずつくる場所によって全然はやらんというか行きにくい、近畿2府4県の大会にはなかなか行ってもらいにくい場所。あるいはそこやったら──それで、私らの近畿2府4県の会長会議では、京奈和とか第二阪和とか、そういう和歌山市周辺とか上流、そんなようなとこやったら私らもぜひ行かせてもらうし、射場をつくるようなあれがあったらお願いにも行きますと。2府4県のほかのとこはね。という話にもなっとんねんけど、まあ、今の話はなったらの話で、つくるような話になったら。
 だけど、そんなんでなかったら、やっぱり私らは年々赤字になるのを、知事が日ごろ、そういうお金を大事に使わなあかんし、そしてまたどんどんどんどん赤字になっていくようなことではやっぱりいかがなもんかという考えもあると思うんで、そういう場所選定についてはやっぱり十分、スポーツも一緒になって使えるような、そしてまた、より安全ですばらしい施設をつくれて、そして近畿2府4県で、あるいは将来和歌山からメダリストを出そうというような、そういう射場をつくれたらと思うんでね。これは最後、知事にまとめ──ちょっと待って。その前にちょっとあんねん。
 まず、もう時間があれやけど、あと短いな。教育長に、スポーツ施設として本当にないわけですよ。ほんでぜひ、もうしゃあないわと諦めやんと、本当に私はメダリストでもというぐらいの、あるいは国体にも。最近、知事のおかげで大分力入れてもうたんで、よそへ行って練習さしてもうたことを、ちょっと旅費負担してもうたりあれしてもうたから、入賞をずっと、最近2回続いて入賞──そやけど去年はあかなんだけどね──そういう中で教育長、ぜひ必要性についてお尋ねします。
○議長(尾﨑太郎君) 教育長宮下和己君。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 本県にとって、スポーツの振興は大変重要であると考えております。県内に競技施設のないクレー射撃の競技力向上を図るためには、練習場所の確保や各種大会を開催できる競技施設が必要であると認識しております。
 仮に、鳥獣害対策として射撃場建設を考える場合は、クレー射撃競技者にも活用できるという観点から、コストやさまざまな条件等を比較しながら検討することが必要であると考えます。
○議長(尾﨑太郎君) 井出益弘君。
  〔井出益弘君、登壇〕
○井出益弘君 失礼しました。
 そしたら、次にこの射撃場というのはやっぱり安全とかいろんなことについては特に必要やと思うし、私はなかったら本当にあかんと思うんでね。よそでやってもうたらと、よそを借りたらいいといつまでも言うとったらね。
 そういうことについて、公安委員会としても、あるいは警察本部長としての御意見を賜りたいと思います。
○議長(尾﨑太郎君) 警察本部長宮沢忠孝君。
  〔宮沢忠孝君、登壇〕
○警察本部長(宮沢忠孝君) 銃砲刀剣類所持等取締法におきましては、猟銃等の所持許可者に対して、更新時における技能講習の義務化、さらには狩猟期ごとに射撃練習を行う努力義務を規定しております。このため、政令基準に適合する各都道府県の公安委員会指定の射撃場で、基本的な銃の取り扱いや点検、射撃姿勢、動作などの技能講習を行っているところでございます。
 県内では、田辺市の民間射撃場で散弾銃の技能講習を行っていますが、同所は、ライフル銃の教習射撃場としての指定を受けておりません。よって、ライフル銃の所持許可者は、大阪府泉南市にある民間射撃場にて、更新時における技能講習を受けることとなります。
 猟銃の使用に伴う事故の大半が猟銃の基本的な操作の不徹底及び射撃技能の低下が原因であることから、事故を防止するために設けられた制度であり、県警察としましては射撃技能向上のため、法に定められている射撃の講習等を行う施設の存在は必要であると考えております。
○議長(尾﨑太郎君) 井出益弘君。
  〔井出益弘君、登壇〕
○井出益弘君 皆さん、部長、教育長、本部長、射撃場については随分、ぜひつくってほしい、あるいはつくる必要があるというような御意見をいただいたんですけど、本当に私たち──私も最初はクレー射撃協会会員としてクレー射撃から入門して、銃の免許を取って練習して、今は有害鳥獣駆除員です。そやから、安全に、私も事故を起こさんように、有害駆除に参加しても自信があります。
 だけど、逆にまた猟友会から国体へ出てもらう人があります。よくやっている、練習来てくれとって、国体へ出てもらって、いい成績でという。ですが、射撃場がなかったら全くどうしようもない。
 だけど、それ選定する場所というのは、多分知事もその場所については非常に御心痛、御判断いろいろされること御苦労やと思うんですけども、ぜひ知事について、先ほどからいろいろ御意見、我々議論させていただいた中で、知事として、まず一番私は思うのは場所、どこにするかというのが一番大事やと思うんで、そうでなかったら、皆がやっぱり出席、参加しにくい場所ではまずいと思うんで、ちょっと答弁時間なくなってきて悪いんやけどね、ひとつお願いします。
○議長(尾﨑太郎君) 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 射撃訓練施設については、狩猟者の技術向上や事故防止、また新たな狩猟者を確保する観点から、県内にあるほうがよいというのは私もそう思っております。しかしながら、設置に当たっては騒音や鉛害対策、運営方法など数多くの課題が考えられることから、何をおいても地元住民の御理解と市町村の積極的な協力が不可欠であります。また、初期投資とか後年度負担、整備効果について、お金をどれぐらい出したら県民の理解を得られるかということも大事であります。
 そういう観点から、ずうっと私も就任以来、この本件にかかわってまいりまして、実は2回ぐらい、これはいけるかなあと思うことでうまくいかなかったケースがあります。いずれにしても、その中身はよく存じ上げておりますので、井出議員が反対したのでなくなっちゃったとかなんかいうのは全くうそでございますので、この場で言明さしていただきます。
 つくるときは、場所も大変大切でございますし、それからクレー射撃との共用、スポーツ施設としての意味づけもあったほうがいいに決まってるわけですが、そのときに幾ら余計かかるかとか、場所をどこにするかとか、そういうようなことを総合的に判断して、それで条件が整えたらええのになあというふうに思っておりますが、少なくとも県もある程度負担はする覚悟であります。
 そのときに、当初、湯浅町でありましたが、プロジェクトがございました。まだそのほかもありましたけれども、そういう先例の際に考えた条件は、どこで起こっても同様に示していかなきゃいけないんじゃないかと、そんなふうに、公平の観点からはそういうふうに思っております。
○議長(尾﨑太郎君) 井出益弘君。
  〔井出益弘君、登壇〕
○井出益弘君 今のお話、大変理解できます。しかし、ちょっと気になるのは、やはり地元同意ということは大事です。地元同意がなかったらできやんけど、地元同意とか地元がうちええで、うちええでというのを優先すると、全くそんなとこやったら行けへんというような場所に決まっても、それもなかなか難しいと思うんで。特に、ここへつくっても後々皆が来れるかな、来てくれるかなというようなことを研修、猟友会も、紀北筋の猟友会も紀南やったら行くかとか、あるいは紀北やったら行くかとか、あるいは近畿2府4県の猟友会とかクレー協会がどうやろなという、そういうようなことも含めてぜひ重要な要素の1つだと理解していただいて進めていただきたい。
 そしてまた、あともしこの件で麻生さんに会っていただける気があったらセットさしていただきたいと思うんで、ぜひ話を一遍してみてほしいと。
 あと、知事選挙、いよいよまた引き続いて、4期目の県政引き続いてということですんで、ひとつ御検討、また我々もそういうことを期待しておりますんで、ぜひ射撃場のことも引き続いて、できるまでよろしくお願いします。
 以上で終わります。(拍手)
○議長(尾﨑太郎君) 以上で、井出益弘君の質問が終了いたしました。
 お諮りいたします。質疑及び一般質問を終結することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(尾﨑太郎君) 御異議なしと認めます。よって、質疑及び一般質問を終結いたします。
 次に日程第3、議案第47号を議題とし、福祉環境委員会委員長の報告を求めます。
 福祉環境委員会委員長奥村規子さん。
  〔奥村規子君、登壇〕(拍手)
○福祉環境委員会委員長(奥村規子君) 福祉環境委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案第47号1件であります。
 委員会は、3月7日、第2委員会室において開催し、当局から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第47号は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、委員会審査における主な質問項目等を申し上げますと、保健所設置市である和歌山市の住宅宿泊事業に対する考えについて、住宅宿泊事業者に厳格な要件を定めることの必要性について、住宅宿泊事業における市町村との連携について、違法民泊の取り締まりについて、住宅宿泊事業者に対応する職員の増員について、住宅宿泊事業者に求めている外国語による宿泊客への説明について、民泊における宿泊者の本人確認について、県民の不安につながらないように地域の協力と理解を求める必要があることについて、県民の生活を守る立場で指導監督をすることについて、不都合があったときには柔軟な見直しが必要であることについてであります。
 以上をもちまして、福祉環境委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願い申し上げます。(拍手)
○議長(尾﨑太郎君) 以上で、委員長の報告が終わりました。
 これより委員長報告に対する質疑に入ります。
 質疑はありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(尾﨑太郎君) 質疑なしと認めます。
 お諮りいたします。ただいま議題となっております案件については討論の通告がありませんので、これより直ちに採決いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(尾﨑太郎君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
 これより採決に入ります。
 議案第47号を採決いたします。
 本案に対する委員長報告は、原案可決であります。
 本案を委員長報告のとおり決することに賛成の諸君は、御起立願います。
  〔賛成者起立〕
○議長(尾﨑太郎君) 起立全員であります。よって、本案は原案のとおり可決されました。
 次に日程第4、議案の付託について申し上げます。
 お諮りいたします。お手元に配付しております議案付託表のとおり、議案第1号から議案第17号までは予算特別委員会に付託いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(尾﨑太郎君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
 次に、お手元に配付しております議案付託表のとおり、議案第34号、議案第39号から議案第46号まで、議案第48号から議案第66号まで、議案第69号、議案第71号から議案第75号まで及び議案第77号から議案第94号までは所管の常任委員会に付託いたします。
 この際、報告いたします。
 議案の追加提出がありました。
 お諮りいたします。議案第96号及び議案第97号を本日の日程に追加し、これより直ちに議題といたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(尾﨑太郎君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
 議案第96号及び議案第97号を議題といたします。
 議案は、お手元に配付しております。
 まず、当局の説明を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) ただいま上程されました議案第96号は、教育長宮下和己君が本年3月31日をもって任期満了となりますので、引き続き任命いたしたく同意をお願いするものでございます。
 また、議案第97号は、人事委員会の委員曽根義廣君が去る3月6日をもって辞職いたしましたので、その後任として山本明史君を選任いたしたく同意をお願いするものでございます。
 何とぞ、御賛同賜りますようにお願い申し上げます。
○議長(尾﨑太郎君) 以上で、当局の説明が終わりました。
 お諮りいたします。3月9日及び12日から14日までは、委員会審査のため休会といたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(尾﨑太郎君) 御異議なしと認めます。よって、3月9日及び12日から14日までは休会とすることに決定いたしました。
 次会は、3月15日定刻より会議を開きます。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後2時48分散会

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