平成30年2月 和歌山県議会定例会会議録 第6号(森 礼子議員の質疑及び一般質問)


平成30年2月 和歌山県議会定例会会議録

第6号(森 礼子議員の質疑及び一般質問)

 

 

◆ 汎用性を考慮してJIS第1・2水準文字の範囲で表示しているため、人名等、会議録正本とは一部表記の異なるものがあります。人名等の正しい表記については「人名等の正しい表記」をご覧ください。

 

 

  午前10時0分開議
○議長(尾﨑太郎君) これより本日の会議を開きます。
 日程第1、議案第1号から議案第17号まで、議案第34号、議案第39号から議案第66号まで、議案第69号、議案第71号から議案第75号まで及び議案第77号から議案第94号までを一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第2、一般質問を行います。
 26番森 礼子さん。
  〔森 礼子君、登壇〕(拍手)
○森 礼子君 おはようございます。きょうは、私の質問の中に防潮堤の質問があるんですけれども、防潮堤の質問に対して地元の方が傍聴に来てくれているので、いつも以上に緊張しておりますが、大きな声でゆっくりと質問したいと思います。
 では、通告に従い、議長のお許しをいただいたので質問させていただきます。
 初めに、政府機関の移転について質問いたします。
 政府関係機関の地方移転により、いよいよ本年4月に、県が誘致した総務省統計局及び独立行政法人統計センターの一部門が統計データ利活用センターとして南海和歌山市駅ビルに開設されます。まさに、ビッグデータの活用が自治体や企業の命運を左右すると言われる時代にふさわしい花形部門が本県に移転してくるわけです。このたびの誘致に際しては、和歌山県議会も平成28年6月に意見書を提出するなど一体となって取り組んできた経緯があり、和歌山県議会の一員として非常にうれしく思っております。
 さて、全国の道府県から多くの提案があった今回の取り組みですが、中央省庁の移転が実現したのは本県のほか京都府、徳島県の3府県のみであり、ほかの省庁や全国の自治体から非常に注目されているとも思います。センターの開設を来月に控え、改めて知事の考えをお聞かせください。
 2点目に、本県のデータ利活用推進センターも同じビル、同じフロアに開設され、統計局、統計センターの実務をサポートするとともに、県独自のデータ利活用に関する取り組みを推進するとお聞きしています。
 これら国と県の2つのセンターの設置は、データ利活用に関する人的交流の活性化、それに伴う「知」の集積や研修活動の活発化などにつながるものと大いに期待しているところですが、開設初年度となる来年度、和歌山県データ利活用推進センターではどのような体制で具体的にどのような事業を実施するのか、企画部長の答弁をお願いいたします。
○議長(尾﨑太郎君) ただいまの森礼子さんの質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 待望いたしておりました国の統計データ利活用センターが、県議会の後押しもありまして、いよいよ4月に開設されることになります。
 近年、ビッグデータ、IoT、AI、こういったものの時代に入りまして、データの価値、重要性がますます高まっている中で、同センターが実施する統計ミクロデータの提供を初めとするデータ利活用に関する取り組みは、今後大きく伸びていく分野として非常に注目されており、産学官に対する大きな波及効果を初め、本県の活性化や県政のレベルアップにつながるものと大いに期待をしております。
 県としては、同センターと連携し、併設する和歌山県データ利活用推進センターにおいてさまざまな分析を行い、県政の課題解決や県内産業の振興につなげていくことにより、日本のデータ利活用拠点となることを目指していく所存であります。
○議長(尾﨑太郎君) 企画部長髙瀨一郎君。
  〔髙瀨一郎君、登壇〕
○企画部長(髙瀨一郎君) 和歌山県データ利活用推進センターの事業内容についてでありますが、昨今、ネット上で生成、流通、蓄積されるデジタルデータいわゆるビッグデータを分析し、企業判断や行政施策に生かすデータサイエンスの時代に入り、この分野で専門的スキルを持つ人材の層の厚さが今後の自治体や国の経済力を左右する社会へとなりつつあります。
 そこで、和歌山県データ利活用推進センターでは、経済学、社会学、統計学に精通した教授を顧問に招き、その見識からさまざまな助言や指導をいただくこととしております。また、統計ミクロデータを初め、さまざまなデータを融合させた高度な分析が行える研究者を採用し、一般職員とともに客観的証拠に基づく政策決定や県内企業の競争力強化に役立つ研究、分析が行える体制を整えたいと考えております。
 具体的な事業といたしましては、このセンターを拠点として、データを利用した企業支援や企業向けデータ利活用セミナーの実施を行い、また、データ利活用コンペティションやシンポジウムの開催など、和歌山県データ利活用推進プランに基づくさまざまな施策を展開してまいります。
 さらに、これまで企業や各種機関が分散して保有していたデータを収集、分析し、新たな知見を見出すことにより、企業支援や行政課題の解決につながる取り組みを進めてまいります。
 まず、来年度からは、先般、包括連携協定を締結した大手IT企業のNECと協力して、AIを用いたビッグデータの解析を全国に先駆けて着手いたします。また、健康・医療に関するデータを収集、分析し、関係部局と連携して施策への反映に取り組んでまいります。
○議長(尾﨑太郎君) 森 礼子さん。
  〔森 礼子君、登壇〕
○森 礼子君 では、たくさんの方々に利用していただけるようになるよう期待しておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 2点目に続きます。
 次に、医薬品の多重・多剤服用対策について質問します。
 少子高齢化が急速に進み、我が国の医療費は42兆3644億円に増加し、国家予算と比べてみても4割相当以上になり、医療費削減は喫緊の課題となっています。ちなみに、本県の1人当たりの医療費は37万4000円と全国で21位となっています。
 医療費の削減についてはいろいろな対策が講じられています。まず第1に、病気にならない、がんにならないように生活を送ることです。食事や運動、定期的に健康診断を受けるなど、生活習慣を改善していくことが大事だと思います。
 次に、お薬とうまくつき合っていくことが薬剤費削減に大きな効果があると思います。その1つとして、本県も推進しているジェネリック医薬品の利用促進やかかりつけ薬剤師制度の取り組みが挙げられています。
 全国47都道府県で調剤薬局を展開する日本調剤株式会社では、かかりつけ薬剤師に取り組んだ結果、9カ月の間に薬局全体で8440万円の薬剤費削減の効果があらわれたそうです。効果の要因は、患者の服薬状況や残薬(飲み残しの薬)の確認・指導により残薬調整効果が高まり、いわゆる重複投薬を減らせたことであり、同時に患者の薬物治療の促進にもなったそうです。
 厚生労働省は、高齢者が多種類の医薬品を服用するポリファーマシーを是正するため、処方の適正化に向けた指針の作成に取り組んでいます。また、残薬や重複投薬、不適切な多剤投薬などを減らすための取り組みなど、医薬品の適正使用を推進しています。そして、その手段としてお薬手帳の活用を促進しています。
 お薬手帳は、重複チェックのほか、相互作用チェック、アレルギーチェック、過去の病歴把握ができます。災害時においては、お薬手帳が患者情報の大きな役割を果たします。
 しかし、お薬手帳の利用状況は、忘れたり、何枚もの手帳を持っていたり、全世代的に利用率が悪く、うまく目的を果たせていないようです。スマートフォンを利用した電子お薬手帳も登場しましたが、いまだ普及いたしておりません。患者一人一人がいろんな意味で高い意識を持っていただくことがお薬手帳の促進につながると思います。
 また、あちこちの医療機関で受診する多重頻回などは、海外では番号制度とリンクさせて警報を出すシステムがあると聞いています。
 幸い、本県には、きのくに医療連携システム青洲リンクがあります。紀伊半島大水害のときに紙のカルテが流され、患者の情報が失われたことを教訓に開発されたシステムと聞いています。この青洲リンクに病院、医療診療所、歯科診療所、薬局、患者が登録できるシステムで、登録機関は患者の情報を共有できるすばらしいシステムであります。しかし、残念ながら登録件数は、病院は12、診療所28、歯科診療所1、薬局105施設と少ないのが現状です。
 私は、この青洲リンクにお薬手帳の機能をドッキングさせた新しい県民医療情報システムを立ち上げられないかと考えています。県民の医療情報が集まれば、その実態をつぶさに把握しつつ、ビッグデータとして医療費抑制など医療政策に反映し、また、個別データは適正医療の検証に活用することができます。その時期は、県が国民健康保険を運営することになった今こそがチャンスであると思います。
 さて、本県の多重・多剤の現状は、2つ以上の医療機関からの重複投薬は徳島県と並んで全国ワースト1です。3つ以上の医療機関から重複投薬だと断トツで全国ワースト1です。7錠以上の多剤服用においても全国平均を大きく上回っています。
 そこで質問です。当県の多重投薬、多剤服用の現状をどのように捉え、今後どのように対策をとるのか、福祉保健部長に伺います。
 また次に、青洲リンクについて県ではどのような評価をしているのか。あわせて、今後青洲リンクを利用することで多重・多剤服用の削減、薬剤費削減につなげられないか、福祉保健部長に伺います。
○議長(尾﨑太郎君) 福祉保健部長山本等士君。
  〔山本等士君、登壇〕
○福祉保健部長(山本等士君) 医薬品の重複投薬の現状につきましては、国の分析データによると、3つ以上の医療機関から同一成分の医薬品が重複して処方されている者の割合は全国で最も高くなっており、不適正な実態があることから、医療費適正化の課題があると認識しております。
 また、多剤服用につきましても、全国で中位ではありますが、高齢者に処方される医薬品が6剤以上となると副作用を起こす人がふえるとの研究報告があることから、特に高齢者の副作用についても課題であると認識しております。
 これらの課題解決のためには、患者が選定したかかりつけ薬局において、医薬品の重複や副作用の有無の確認など、患者の服薬状況について一元的、継続的に把握することが重要であります。
 しかしながら、昨年実施した保健医療に関する県民意識調査によると、かかりつけ薬局を持っている県民の割合は4割と低いことから、まず、どこの薬局で調剤しても患者の服薬状況について一元的、継続的に把握できるよう、お薬手帳の活用を促進することが肝要であると考えております。
 県といたしましては、多重・多剤服用による副作用等の危険性について県民に対し積極的に啓発するとともに、お薬手帳の活用とかかりつけ薬局の普及を図り、医薬品の適正使用を促進してまいります。
 次に、青洲リンクについてですが、災害時の診療情報の保全を目的としたシステムであり、平時においては、登録患者の同意が必要であるものの、医療機関が診療情報をインターネットで共有できる有用なシステムであります。しかしながら、参加医療機関の運営面での費用負担や患者による参加医療機関ごとの個別同意といった課題があります。
 青洲リンクを多重・多剤服用対策に活用するには、患者が使用する全ての病院、診療所、薬局の青洲リンクへの参加と患者の同意が必要とされるため、困難であると考えております。
○議長(尾﨑太郎君) 森 礼子さん。
  〔森 礼子君、登壇〕
○森 礼子君 お薬手帳の役割がうまく果たされることをずっと前から自分なりに勉強をしてきたんですけれども、青洲リンクがあるということを知って何かうまくリンクさせていけないかなというふうに思ったので、これからもともに勉強させてください。どうぞよろしくお願いします。
 このまま次の質問に入ります。
 次は、和歌山市大浦地区の交通安全対策について質問いたします。
 ことしの1月30日午後4時ごろ、岡山県の県道で小学生の集団下校の列に軽トラックが飛び込み、5人の児童が救急搬送され、うち女児1人が亡くなり、ほかの4人も重軽傷を負いました。
 また、昨年10月には、集団登校中の小学生の列に車が乗り入れる事故が立て続けに起こりました。福岡県大川市では、集団登校していた小学生が乗用車にはねられ、児童3人が軽傷を負いました。大阪府枚方市では、児童5人と50代の女性教員が重軽傷を負いました。
 枚方市の事故現場は小学校脇の路上で、1列になって道路の路側帯を歩いていた児童らの後ろから乗用車がぶつかっていき、次々と子供たちがはねられました。この道路には、歩道と車道を分けるガードレールや縁石ブロックは設けられていませんでした。
 地域住民の方々によるスクールガードや見守り隊等の配置等、ソフト面の対応も重要なことだと考えますが、特に通学路となっている道路においては、歩道と車道を区切るガードレールを設置するなど、ハード面での対策を講じることが子供たちを交通事故から守るために何より必要であると考えます。
 県の平成30年度の新政策でも、歩行者の安全な通行を確保するため、利用状況や周辺環境に応じた整備手法を用いて、通学路など生活道路の歩道整備を加速化すると掲げられています。
 今回、私が質問させていただくのは、和歌山市大浦地区の交通安全対策についてです。
 大浦地区は、一方を国の名勝「養翠園」を望む大浦湾に、残り三方を高津子山から雑賀崎に続く山に囲まれた地域で、海沿いには防潮堤が築かれており、防潮堤の海側には県によりプレジャーボートの係留保管施設が設けられています。
 大浦地区の交通の動脈は大浦街道の関戸の交差点から雑賀崎に向かう県道で、大型車や路線バスも通行する比較的交通量の多い道路ですが、防潮堤に沿った箇所だけがセンターラインのない狭い道幅となっています。もちろん、一部区間を除き、歩道も整備されていません。この狭い県道を通って小学校に通う子供たちの日ごろの登下校の安全のためにも歩道を設けてほしいというのが、地域住民の皆さんの願いであります。
 高波や津波から住民の生命と財産を守る防潮堤は、老朽化により亀裂が入るなど耐震基準を満たしていないことから、平成28年に開催された知事の行政報告会において、地元の住民の方々から修繕を求める陳情書が提出されました。県では、耐震結果を踏まえ、今後防潮堤の改修を実施していく予定と聞いています。
 防潮堤の改修に当たっては、現在の防潮堤を沖側に新たな防潮堤を設け、その広くなった分を県道改修により歩道にする予定と聞いていますが、その歩道の幅はわずか70センチです。また、防潮堤の海側はプレジャーボートなど係留場所となっていることから、船の所有者が道路に車を長い間停車させ、燃料の補給や荷物の積みおろしをするため、県道を行き来する交通の妨げとなり、危険がさらに増加する原因となっています。地元の意見として、県の係留施設を利用するのに県道に駐車違反をされては困ると聞いています。
 防潮堤の改修は、地域住民の安全・安心を実現するための大切な事業であり、住民の皆さんも期待しておられると思いますが、工事の方法を工夫することによって、この部分だけ狭くなっている県道に子供たちが安心して通学できる安全な歩道を設けることはできないものでしょうか。
 防潮堤の改修と道路改修は、県の港湾部局と道路部局にまたがる事業となるため、お互いの調整が必要ですが、今対策を講じなければ、せっかくの機会を逃してしまうことともなりかねません。係留施設を利用するための駐車スペースと歩道を確保するスペースを沖出しし、総合的な整備はできないものでしょうか。新政策において「周辺環境に応じた整備手法」と掲げられているように、海に面したこの地域の歩道整備において最適な方法を見つけてほしいと思います。
 大浦地区の県道における交通安全対策について、知事に伺います。
○議長(尾﨑太郎君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 県では、昨年度の新政策といたしまして歩道整備5箇年計画を策定し、20年間で、それまでこれ全部やろうとしたら50年かかるんですけども、20年間で500キロメートルの歩道整備を目標にして取り組んでいるところであります。
 対象としては、今まで全県的に全部計画つくってなかったんですけども、通学路とか駅と商店街とか、一定の基準で対象区域をもう初めから選びまして、これが500キロあるわけですので、これを早くやろうということにしました。
 早くやるためには、フル規格の歩道をつくりますと、周りの人たちに立ち退いてもらわなきゃいけないとか、かえって生活が破壊されるとか、いろんなことが起こります。だから、現地に合ったような形で、フル規格がいいところもあるし、それからポールを立てて、狭いけれどもちゃんと安全に歩けるようにするというところも含めて20年間でやろうと、こういうことでやってまいりました。
 議員御質問の当該区間は、その計画策定時、今もそうですが、通学路として指定されていなかったわけです。通学路としてはもっと中側を通れということが当局の御指示であったわけですね。市役所ですかね。それで、これは考えておりませんでした。
 もっとも、そのいい悪いは別にいたしまして、議員御指摘の観点からもう1回よく調べてみると、実際にその県道を通っている子供もいるということはわかっております。
 そうした中で、その歩道とは別に、地元自治会から防潮堤の老朽化対策と、それから歩道整備の要望を受けまして、その老朽化に伴う修繕をあわせた道路拡幅の調整を重ねてまいりました。現在、埋め立てを必要としない範囲で防潮堤を海側に移設し、道路幅員を広げるということで地元の方々のおおむねの了解を得たと認識しておりまして、早くやったほうがいいもんですから、年度内にも工事発注の手続を始めるようにしたいというふうに、それが可能になってるんで早くやりたい、こんなふうに思ってる状態でございます。
 ここにでっかい歩道をつくるとちょっと大変でございまして、何軒かの家に立ち退いてもらわないといけないということになりますので、また相談をし直しとか、時間もおくれます。したがって、いろいろ考えますと、老朽化対策が必要な防潮堤の工事に伴い、内側にある程度の空間を確保することが可能であります。
 したがって、先ほど言いました歩道も一般的にいろんな形があるわけですから、この空間を利用いたしまして、歩道と車道をポールの設置により分離すれば歩道スペースも確保できて、また、早くやっぱりできるということになるので、そうしたらいいんじゃないかなあというふうに思っております。議員御指摘の点に対して検討をした結果、こんなふうなことで、いろんな方がよくなるんじゃないかということになりました。
 以上でございます。
○議長(尾﨑太郎君) 森 礼子さん。
  〔森 礼子君、登壇〕
○森 礼子君 それでは、今後の予定としたら、和歌山市さんが計画している市場に道の駅ができるという計画予定になってるんですけれども、その道の駅ができたらこの県道を通る車が多くなるというふうな予想も立てられておりますし、防潮堤に沖出しする部分の予定は70センチというふうに今なってるんですが、知事のお考えでは70センチの歩道を設けることで十分だというふうに考えているということでよろしいんでしょうか。
 また重ねて、今後道の駅ができることで今以上に車がたくさん通る予定になっているというときに、早く防潮堤を直していただいて、その後にまたさらに、やっぱりこの道は交通量も多いし危ないなとなったときに、でき上がったさらぴんの防潮堤を崩して道幅を広げるなんていうことはあり得ないんじゃないかなと思うので、今このチャンスを、今のこの予定でそのままいくというふうな理解でよろしいですか。再質問、お願いします。
○議長(尾﨑太郎君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 結論を言うと、理解でよろしいです。解説をいたしますと、まず、そこは2車線、ちゃんとできてますから、交通量が多少多くなっても、ちゃんと歩道と、つまり歩くところと、それから車道の間隔が分離されておればそんなに危なくはないと思います。
 それから、そんなに物すごい勢いで交通がふえるかなあというと、そんなにふえないという前提で考えています。仮にふえたときはどうなるかというと、そのときは立ち退きをしていただくということになります。内側にお家がありますけども、そのお家を今度は立ち退いていただいて、道をむちゃくちゃ拡幅するとか、そういうことをせざるを得ません。
 そういうことが予想されるかというと、まあ多分予想されないんですけれども、そういうのが法律の定めです。内側に細工できる場合は、公有水面埋立法で外側に海を埋め立てるというのは認められておりません。したがって、何が起こるかというと、立ち退きをしていただいて、うんと大きな道をつくるということになります。
 しかし、そんなことをするのが皆さんの幸せかというと、誰もそんなことは多分お考えにならないと思うんですね。本当にもうどうしようもないぐらい、4車線ぐらいの道が要るんだということになれば、また立ち退きをしていただくとかいろんなことを考えて道をつくりかえるということになろうかと思います。
○議長(尾﨑太郎君) 森 礼子さん。
  〔森 礼子君、登壇〕
○森 礼子君 知事のおっしゃる意味は半分ぐらい理解いたしましたけれども、この道路においてはその防潮堤の海側に係留施設があって、その係留施設は4クラブが利用していて、そのうちの1クラブは駐車場を設けていただいてるんですけれども、残りの3つは駐車場がないという条件で係留施設を利用しているわけで、県道に──防潮堤に階段があって、その階段のところに車をとめて燃料を入れたり荷物の積みおろしをやったりしてるんですけれども、地元としたら、県の施設やのに駐車違反しながらしか使えへんというのも何か納得できない。
 しかも、その前にポリスボックスがあるのに警察官も何も言わないという状況で、全体的に係留所を利用する方のためにもちゃんとした施設をつくりながら、それで大きな道が欲しいと言ってるわけではなくて歩道が欲しいと言ってるので、いま一度考えていただけるように強く要望いたしますので、今後協議をまたする時間をいただけますようによろしくお願いいたします。
○議長(尾﨑太郎君) 答弁を求めますか。(「いえ」と呼ぶ者あり)じゃ、続けてどうぞ。(「答弁してもらえ」、「では、知事、答弁お願いします」と呼ぶ者あり)
 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 歩道を設けると言っておるわけです。設けないとは一切言ってないですよね。
 計画を立てた500キロの中も、同じような形の歩道を設けるところもあるし、それからでっかい歩道を設けるところもあります。
 でっかい歩道を設けるところは、例えば両側が商店街になっていて、そこのところで人がたまってにぎわいがあったほうがいいなあというようなところなんかは、それはでっかい歩道を設けたほうがいいと思います。そのときは無理にでも立ち退いてもらうというようなことがあるんですけれども、残り、そうでないところは安全に通れればいいわけですから、したがって、ほぼ今回と同じぐらいの歩道をいっぱいつくろうというふうに思っておるわけです。
 ここも歩道をつくると言うとるわけですよ。つくらないと一切言っておりませんので、御理解いただきたい。半分じゃなくて全部理解してください。
○議長(尾﨑太郎君) 森 礼子さん。
  〔森 礼子君、登壇〕
○森 礼子君 全部理解できるように、また協議をしていきたいと思います。
 では、次の質問に入ります。
 4点目は、バリアフリー化についてです。
 私は先日、肢体障害者協会の役員とともに、日ごろ車椅子を利用する会員から寄せられる町なかの危険、不便な箇所の調査を、県の担当職員さんとともに同行していただき実施してきました。
 具体的に不便な箇所は、県民文化会館の車椅子専用駐車スペースの勾配が急で危険なこと、ビッグホエール車椅子専用観覧席が手すりでアリーナが見えないこと、また、ビッグホエールの障害者用駐車場には屋根がないことでした。
 県文の駐車スペースは一部平らなところへ移動してくれることとなり、関係者は大変喜んでおります。本当にありがとうございます。
 ビッグホエールの車椅子専用観覧席の手すりの高さは、建築基準法では特に定めがないということですが、利用者の目線に配慮し、観戦しやすく修繕できないものかと要望しておきます。
 また、ビッグホエールの障害者駐車場には屋根がないので、車椅子の乗降時にはずぶぬれになってしまいます。しかも、駐車場からホールまでも遠く、利用者泣かせの設計です。せめて、乗降時にぬれないように車椅子使用者駐車場区域の上だけでも屋根を設置していただけないものでしょうか。今後の対策について教育長の御所見をお伺いいたします。
 また、道路の危険では、県庁前、和歌山市駅前の歩道と車道の段差に補助輪がひっかかり、車椅子がとまってしまい大変危険です。道路の危険は命にかかわることなので、早急に対策が必要だと感じました。
 我が国は、欧米やアジアの中でも急速に高齢化が進み、2035年には3人に1人が高齢者となる超高齢社会を迎えると言われています。今後、ユニバーサルデザインが不可欠となる高齢者や障害者の数がますますふえることが予想されています。
 このような状況を踏まえ、国土交通省道路局では、高齢者や障害者はもちろん、歩行者の誰もが安全に安心してスムーズに移動できるユニバーサルデザインによる歩行空間の整備を推進しているそうです。駅、商店街、病院、福祉施設などを連絡する道路において、幅の広い道路の設置や既設道路の段差、傾斜、勾配の改善により、ユニバーサルデザインの歩行空間がネットワークとして連続的に確保されることが求められています。
 具体的に、段差、傾斜、横断勾配の状況を改善して車椅子使用者などが移動しやすいようにしたり、交差点などに視覚障害者用の誘導ブロックを設置して視覚障害者への危険警告や方向の指示を行ったり、高齢者や障害者が低床バスに乗降しやすいようにバスに乗りやすい歩道の高さを確保するという取り組みが例示されています。
 平成30年度新政策では、「世界とつながる愛着ある元気な和歌山~県民みんなが楽しく暮らすために~」という理念のもと、5つの柱の中に、3番の「いのちを守る」、4番の「くらしやすさを高める」という項目が掲げられていますが、具体的な取り組みがなければ絵に描いた餅となってしまいます。
 県民みんなが安全に安心して社会参加し、楽しく暮らすために、和歌山県において歩行空間のバリアフリー化をどのように進めていくのか、県土整備部長の答弁をお願いいたします。
○議長(尾﨑太郎君) 教育長宮下和己君。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 車椅子使用者用駐車区画への屋根の設置につきましては、和歌山県福祉のまちづくり条例には義務づけはなく、配慮事項となっております。
 しかしながら、車椅子を使用している方にとって、雨天時にぬれずに自動車から乗降することは困難であると認識しております。
 屋根の設置につきましては、他の公共施設の整備状況にも十分留意しつつ、設置基準や設置場所について関係機関とともに検討してまいりたいと考えております。
○議長(尾﨑太郎君) 県土整備部長森戸義貴君。
  〔森戸義貴君、登壇〕
○県土整備部長(森戸義貴君) 続きまして、道路の歩行空間のバリアフリー化についてでございます。
 県では、歩行者の安全な通行を確保するため、駅や学校、公共施設周辺で歩行者の動線に基づく歩道整備5箇年計画を策定し、平成29年度から歩道整備の加速化に取り組んでいるところでございます。
 車道と分離した歩道を設置する際には、高齢者や障害者が安全に通行できる構造とするため、福祉のまちづくり条例のほか、平成25年に制定した県道に係る移動等円滑化に関する条例により、歩道の勾配や段差等の基準を定め、歩道の高さを低くしたセミフラット方式を基本とすることや、横断歩道等に接続する車道との段差は2センチメートルを標準とするなど、バリアフリー化に取り組んでございます。
 一方、条例制定以前に設置された歩道では、バリアフリー化が十分でない箇所もあると考えておりまして、これまで歩道を利用する障害者団体等の皆様と合同で既設歩道の点検や段差、勾配などの問題点の抽出を行い、その改善に努めてきたところでございます。
 現在も各団体とのお話し合いを続けさせていただいておりまして、引き続き御意見をお伺いしながら必要な対策を実施してまいりたいと考えているところでございます。
 今後も、バリアフリー化を含め、道路を利用される全ての方々が安全に安心して通行できるような歩道整備に引き続き努めてまいりたいと考えてございます。
○議長(尾﨑太郎君) 森 礼子さん。
  〔森 礼子君、登壇〕
○森 礼子君 ビッグホエールの車椅子専用の駐車場のところに屋根が欲しいという意見は、私たちも雨の日は嫌だなってみんな思うと思うんですけれども、車椅子を使ってる方は誰か一緒に来てる方ばかりではなくて、自分1人で運転していって、自分で車椅子を車からおろしたり乗せたりする方もいらっしゃって、その車椅子、実際私、見たことがないので説明うまくできませんけども、おなかの上にバスタオルを巻いて、それで車椅子をおなかの上に乗せておろしてっていうような作業をするそうです。そのときにやっぱりずぶぬれになるので、そのずぶぬれになったまま次の行動に移るということで大変切望されておりますので、関係機関とうまく検討していただけるということなので、今後しっかりと協議していただいて対応できるように求めていただきたいと思います。
 バリアフリー化については、先日も職員さんと一緒に県庁前とか見てもらったときに、どんどん危ない箇所は言っていただけたら早急に対応しますということで、県庁前のところも対応していただけるということを聞いておりますので、大変喜んでいらっしゃいましたので、今後とも連携してよろしくお願いいたします。
 では、このまま次の質問に移ります。
 では、最後の質問です。学習スペースの拡充について質問します。
 和歌山県立図書館は、土日祝日ともなると開館前から行列ができています。その列の目的は、自習スペースを確保するためだそうです。現在、図書館のホームページにも自習スペースをふやしてほしいとの意見が寄せられていますが、これまでも2度にわたりスペースを拡張してきました。
 一方で、JR和歌山駅周辺の飲食店では、学生が飲食スペースを占領し勉強しています。1人で勉強しているというより数人で勉強している姿がよく見かけられます。
 私の個人的な考えですが、飲食店で勉強することはよくないと思います。気になり、インターネットで「飲食店で勉強」と検索してみました。結果、勉強していいとか悪いとかの賛否両論が述べられています。しかし、これらの意見は飲食店側の意見ではありませんでした。
 飲食店側の事例としては、有名コーヒーショップ、ここの店舗が勉強している学生を追い出したということで一時とても有名になったとエピソードが紹介されていました。
 私は、和歌山駅周辺の学生が勉強している飲食店に本音を聞いてみました。回答は、全店で「困っているので、禁止の張り紙をしている」とか「迷惑している」、また、学生だけでなく、資格を取るために勉強する社会人の利用も多いとのことです。学生も資格を取りたい人も勉強する場所を必要としていることがわかりました。
 例えば、福岡市では子供たちの学力向上のお手伝いを目的に、平成29年6月より自習室を開設しました。利用できる方は小・中・高校生、大学生、専門学校生の方で、学生の利用の少ない時間帯は資格試験、検定試験などの学習を行う社会人の方も利用できるとし、学力向上のための取り組みがなされています。また、民間では月決めや時間決めで有料自習スペースが多く開設されています。和歌山市でも、有料で自習スペースを開設しているところがありました。
 私は、この半年間、出張のたびに付近にある公立図書館を視察してまいりました。共通してどこも自習スペースは充実しており、図書館は老若男女が集うくつろぎ施設でもあります。
 本県は、薬学部、信愛大学の開学、本年4月には看護大学が開校し、多くの学生が本県で学び、資格を取り、夢に向かってまいります。学生を迎えるに当たり、また学生、社会人が勉強する自習室を求めている状況を踏まえ、自習室をふやす、開設はできないものでしょうか、教育長の答弁を求めます。
○議長(尾﨑太郎君) 教育長。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 県立図書館は、本来、読書や調べ学習を行う施設ではありますが、利用者の要望がございまして、平成16年に旧喫茶室を改修し、自習室32席を設置いたしました。平成20年には、エントランスに自習席20席を追加設置いたしました。さらに平成28年には、レイアウトを工夫し8席を増設し、現在、計60席の自習席を設置しております。防災上の観点からも、これ以上の増設は難しい状況にございます。
 市町村立図書館につきましては、新しくできた図書館では館内に自習可能な座席を設置するところも多くなってきており、活用されております。
 なお、県立近代美術館等他の教育施設につきましては、展示室以外の空間も含めて、入館された方が国内外のすぐれた文化芸術に接し、鑑賞や交流するために利用することから、学生等の自習スペースを設けることは困難と考えております。
 今後とも、県立図書館を初め社会教育施設の機能や役割については検討してまいります。
○議長(尾﨑太郎君) 森 礼子さん。
  〔森 礼子君、登壇〕
○森 礼子君 状況はよくわかりました。教育スペースにだけ設けるという観点では、今は難しいんだなということがわかったので、幅広い目線で、学習するスペースを求めているという現状を踏まえて考えていただけたらなと要望いたします。
 御清聴ありがとうございました。これで、一般質問を終わります。(拍手)
○議長(尾﨑太郎君) 以上で、森礼子さんの質問が終了いたしました。

このページの先頭へ