平成29年12月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(尾崎要二議員の質疑及び一般質問)


平成29年12月 和歌山県議会定例会会議録

第5号(尾崎要二議員の質疑及び一般質問)


汎用性を考慮してJIS第1・2水準文字の範囲で表示しているため、会議録正本とは一部表記の異なるものがあります。

正しい表記は「人名等の正しい表記」をご覧ください。


 質疑及び一般質問を続行いたします。
 15番尾崎要二君。
  〔尾崎要二君、登壇〕(拍手)
○尾崎要二君 今12月定例会の一般質問も、最終の質問という形になってまいりました。各議員には、連日の御精励でお疲れのことであろうと思いますけれども、あとしばし御協力のほど、よろしくお願いを申し上げます。
 まず、今議会の特徴として、台風21号の災害に関して質問をされた方が既に7名おいででございます。私がその8番目ということで、大体この指は何本に見えますかと言うと、こうすると5本だと、もうほとんど重なってしまってるというようなことかもしれませんけれども、しばしのお時間をいただければと思います。
 なぜならば、我々県政に携わる者、県政もそうでありますけれども、一番の使命は、いかにして県民の命と財産を守るかということが一番の務めではないかなというような形で日々思ってございますので、災害についてということで、私のほうからもさしていただきたいと思います。
 温暖化による気候変動で集中豪雨も大変多くなったと。私どもの地元海南市においても1カ月の雨量が736ミリということで、ちょうど10月いっぱいで、1年の雨量の6割を今回記録してございます。今回の災害においてお亡くなりになられた方に対しては心から哀悼の誠をささげると同時に、被災された皆さんには、お見舞いも申し上げたいと思ってございます。
 今回、公共土木施設の早期復旧についてというような点がまず第1点でございまして、今回の台風の災害は、道路、河川、地すべり、また農地や林地、家屋に至って多くの災害が発生したという形でございまして、私も、地元海南市、また紀美野町を通じて30カ所ほど、日にちにして1週間ばかり、現地を精力的に回らしていただきました。
 回ってる最中には、海南市においては海南市建設課、時には市長と、また、紀美野町においては紀美野町建設課の皆さんと緊密に連絡をとりながら、時には町長とも打ち合わせをしながら、県と、そして市町村のパイプ役を務めさしていただきました。
 今回の災害でまず1つ言えますことは、県の対応でありますけれども、海草振興局建設部海南工事事務所並びに振興局の林務課、農地課がそれぞれ素早い動きで対応をされたと。議会ですのでチェックをする場所でありますけれども、そうして一生懸命やってくれたときには、やはりこの議場で本当によくやってくれたなと、災害応急に至ってまで、現時点まで随分頑張ってくれたなという思いを持ってございます。
 特に私どもの地元では、マスコミに多く取り上げられたのは県道海南金屋線であります。扱沢というところで災害が発生をいたしました。
 少し時間をいただいて、どのような内容だったのかというと、午後8時10分にその地域を通過した一般県民のほうから海南警察署のほうへ連絡、110番が入りました。今道路を通ったところ道路が少し陥没していると、このままでほっといたら大変なことになると思うから、まず警察で対応をしていただければという110番を8時10分にいただいたようであります。
 それで、急いで警察のほうも態勢を整えて、そしてパトカーで現場へ到着してみたところ、もう既に路盤は20センチぐらい全体に動いていると、これは危険だということで、上側、下側──なぜ上側、下側という言い方を使うかというと、山の上側、下側で上側、下側でありますけれども―通行どめをして、そしてまたUターンをしてもらわねばならんという作業に入っていただいて、その5分後にもう路盤が一気に下へ崩落をしてしまったという形でありますけれども、その15分後には、ちょうどUという形の坂道でありますので、上で飛んで、その飛んだ土砂が今度は同じくその県道の路盤の上へ流れ込んだということで、車が3台、うち2台は路盤──道路のまだ上ですけれども──で被害を受けたと。1台は土砂とともに下へ押し流されて、ちょうど私も現場を見に行きましたら、土砂の上に車が横たわってるというような状況でございました。
 もう早速、その翌日から、県の指示のもとで災害応急ということで土砂の撤去を始めたんですけれども、はたを見ますと、海南警察署の警備課長を初め、警察署の人が何人もおると。どういうことかと尋ねたところ、まだ未確認情報ですけれども、もしかしたらその土砂の下にあと1台、グレーと言うておりましたが、グレーの車があるかもしれないというようなことで大変心配しておりますという形ですけども、大変な土砂の量でありますから、すぐに取るというわけにはいかないんですけれども、一生懸命取っていただいて、翌日には私のほうへも連絡が入りました。道路の下の土砂を撤去したところ、幸いにして何もありませんでしたということで、私は、大変よかったなというような形で、そのときはその思いをいたしました。
 それから5日後でありますけれども、地元選出の国会議員、石田真敏衆議院議員が自民党の政調会、災害の特別委員会のメンバーの皆さんと一緒に現地を訪れていただきました。当然、そういうメンバーがおいでになられますから、国土交通省の幹部もお見えになられる。県からも県土整備部、また市は、市長を初め市議会議長並びに市の職員の担当の方、また地元の皆さんもお集まりでございました。
 そして、県議会からは私と藤山議員と2人、その場に出席をさしていただいて、その現地調査をした時点で石田議員のほうから、何か地元のほうから申すべきことはないかと、尾崎さん、どうやろうというようなことで向けてくれましたので、私のほうから、佐藤副委員長並びに近畿整備局長に対してお願いを申し上げたことが2点あります。
 1つは、早急に復旧をしてもらいたいということが1点。もう1つは、その工法について、県で一生懸命考えて丈夫な形で直したい。そのためには岩着をさす、すなわち岩盤があるとこまで掘り込んで擁壁で基礎を立ち上げるか、余りにも深ければ、くいを打ってでも直したいと思うと。ゆめゆめ、費用が高くつくから簡単に直せというようなことは言わないでもらいたいというような2点について、その場所でお願いを申し上げました。
 少し言葉が悪かったのかもしれませんけれども、これだけ大勢がん首そろえてお見えをいただいて、そして直したところが1年や2年でまた同じところが飛んだら物笑いの種になるということでありますので、くれぐれもよろしくお願いを申し上げたいというような話をさしていただきました。
 それ以外にも、そういう地面が動くというのでは、私どもの紀美野町梅本というところで地すべりがございました。いまだに9軒、16人の人に避難命令が出ておりますので、避難をして家に戻っておりません。そんな状況が続いてるんですけれども、これも県のほうで災害応急を頑張っていただいて、この20日には解除されるということであります。
 そうなってくると皆さんも、家へ帰ってお正月の準備、正月は久しぶりに家で年を越せるなというようなことで大変喜んでおられるということもお聞きをしておりますけれども、これも応急は既に終わるということでありますけれども、本格復旧をやはりきちっとした形で直してもらいたいというような形で強く感じているところであります。
 そのためには、やはりきちっとというか、費用も多少かかるかもしれませんけれども、いい工事をしようと思えば、それを見る県の職員の技術力と、そしてあわせて、忙しいとどうしてもコンサル等へ測量や設計もお願いするんですけれども、それが上がってくると、もうそっくりそのまま工事にかかると、後になってみたらとんでもないような図面だったというようなこともあるようでありますので、やはりその点を、まず災害復旧にかけては、県として、県職員の研修もこれからそうでありますけれども、十分お考えをいただきたいと思っておりますので、それらについて県土整備部長に、どのようにお思いか、お答えを賜りたいと思います。
 また、先ほど、県道で32台、63人の人が閉じ込められたということで、その状況についてよく聞かれるんですけれども、夜の9時ごろ、そして台風の真っただ中、大雨の中で、あの道はそんなにたくさん車の通るところなのかということをよく尋ねられるわけであります。
 もともとそんなに、まして大雨のときなんかは半時間に1台通るか通らないかぐらいの道路ではなかろうかなと思うんですけれども、理由がございまして、1つは高速道路が早々と交通規制してとめてしもうたと。それと同時に、国道42号線、海南から下津、有田へ行く道路ですけれども、これももう既に午後4時過ぎには有田市の里から港町まで冠水のために通行どめ、引き続いて、私の地元であります海南市下津町上、こちらも通行どめに入ったと。これも道路の冠水です。
 この冠水がなぜ起こるかといいますと、その近くを流れている県管理河川の宮川という川があるんですけれども、まあ毎度毎度、大雨のごとによく国道がこれだけとまったなというぐらいあふれ出る川でありますけれども、さすがに県のほうも放置はできないということで、平成14年から工事、そしてポンプもつけようということで御努力をいただいてるわけでありますけれども、ことしの予算が1億円、あと残事業が16億ということでありますので、ことし並みの予算がついたら、あと16年、大雨が降るたびに42号線を閉めねばならんという計算になるわけであります。
 同じように堤防が破堤しなくても浸水するというのに、先般から質問に出ております亀の川、選挙区外のことを申し上げて失礼ですけれども、内原の皆さんも、まあよく毎度毎度こんなに浸水したもんだなと。それはやはり亀の川の改修がおくれていると。これもあと残事業が20億、ことしで2億7000万ついてるようでありますけれども、あと7年や8年は十分かかるであろうと。
 本当にこんなスピードでやってていいのかなというのと同時に、私ども海南側にしてみると、早くやってもらわないと、海南市岡田というところで下にポンプを設置して、そして岡田地区にたまった水を亀の川へ出す。ところが、下でどんどんどんどん冠水してるのに上でどんどんどんどん水を流せるかというと、これも困るというようなことで、今その事業に入っていただいてる。
 工法としたら、川を5メートル広げて、そして河床、川も下げるということならば、河口から羽鳥橋、これは和歌山市の区間ですけれども、ほとんど平衡、すなわち羽鳥橋の川の底で海抜0.0メートルといいますから、ほとんど水は流れないというところを多く流そうと思えば、上流からの水の力をかりて幅を広げ、多少深く掘って多くの水をはかす、これ以外に工法はないと思いますので、今の工法で十分結構ですので、できるだけ早くこれも工事をしてもらいたいなと。
 そんな影響を受けて、先般、雑賀議員のほうからも質問があった大坪川、これに関しても引き続きその対策をしていかなければということで、平成27年度から調査に入り、そして28年、29年と、少しずつ今さわってくれております。それをきちっとしない限り、室山団地や岡田地区、これは地場産業の漆器の工場なんかもたくさんあるところですけれども、その辺の冠水はおさまらないと。
 まあここも雨のたびによくつかったもんだというて、これは県民のほうが言われている言葉でありますけれども、余りこのような状態ばっかり続けるようだと県の土木行政に対する信頼すら揺らぎかねないと思うようなわけでありますので、この河川改修、和田川もそうでありますけれども、そういうのをひとつ本格的に一気に進めてほしいなという思いがある。
 ただし、大体河川の工事の予算というのは国のほうから、これも最近名前が変わったようでありまして、社会資本整備総合交付金という名のもとに河川の改修費用もおりてくるようです。和歌山県では28億と言われておりますので、それは各河川へ分けたらもう本当に少なくなってしまうと。ですから、これを大きくふやしていただけるように、やはり、これは当局もそうですし、我々議会も思い切って国のほうへ要望を上げて、このボリュームをふやさない限り、またぞろ大きな雨が降ったら各地域で冠水して、そしてまた、この議場で何名かの議員が今回の災害についてというて同じようなエンドレスの質問をしなければならないという形になりますので、その辺をひとつ、その思いに関して、これも県土整備部長のほうからお答えをいただきたいと思います。
 3点目ですけれども、高速道路の規制について。
 先ほどの32台、63人という、そのもとというのは、高速道路が4時15分には早々と交通規制ということで閉めてしもたということで、私の地元のほうからも、余りにも高速を閉めるのが早過ぎやせんかと。
 NEXCO西日本にお聞きしたところ、使用する人の人命、安全を考えてというてお返事をいただいたようであります。例えば、じゃあどんな基準で規制をかけるのかということの規制値や指標についてお聞きをしたところ、非公開ということでありますので、本当にあれで正しかったんかどうかを我々は検証するわけにはいかないわけでありますけれども、これもいかがなものかなという思いを持っております。
 まず、なぜならば、4時15分にもう使用する人の安全性を考えて、そして高速道路は閉めてしもたんだと。あれぐらいの雨で閉めるのなら、もっと先に脆弱な市町村道路や和歌山県の県道は、もうお昼ごろには全て閉めてしまって通行どめにせねばならんのではないかなという思いすらするわけでありますので、果たしてNEXCO西日本の言われているのが本当にそれでいいのかなという思いを持っております。
 なぜならば、高速道路は基準も厳しい、また建設も随分丈夫につくっているわけであります。そして今回の雨においても、阪南から広川までストップをかけたようですけれども、その高速道路自体がどこかで被害を受けたかというような話は全く私の耳には入ってきておりません。
 なぜならば、思い起こせば、まだ道路の公共事業、高速道路に対して大変厳しい時代にも、我々は、高速道路は和歌山県にとって命の道だということで、一生懸命その予算獲得推進に努力を重ねてまいりました。それは知事初め当局の皆さんも同じ姿であったということでありますけれども、その命の道を4時15分には規制をかけてとめてしまうと。何か、ちょっと寂しい感じもいたします。
 そういう思いについて、また、これからどうNEXCO西日本へ話を持っていかれるのか、その辺も県土整備部長にお聞きをさしていただきたいと思います。
 次に4点目ですけれども、これも私自身、大変、いつも災害が起こるたびに頭が痛いというか、悩ましいというか、それは農地の災害であります。
 というのは、農道や施設の場合は、ほとんど災害対応でスムーズにいって、そして復旧をしていただくんですけれども、農地の場合は農地災害という言い方をしますけれども、これは農地の災害というか、補助事業というて、少し公共のほかの部分とは違うわけであります。
 なぜかというと、基準的には、復旧で直す50%、これが基準の補助金となっております。そして、その年、その地形、その場所によって農地の場合は加算をしていくと。今回のように激甚という災害なんかを受けると9割を超えるわけでありますけれども、指定しなければもっと低い。何%の自己負担率を持たねばならんか。まだ水田、田んぼのほうですけど、これのほうが計算しやすいということで、今回、海南市でも21件の農地災害の中で3件、うち2件は水田の災害申請、そしてミカンの果樹園はあるかというと、ゼロです。
 私も、先般、ここで表彰いただきました。大分長い間やらしていただいてると思うんですけれども、農地の、そして果樹園、ミカン園、畑に対して災害の事業をしたというようなことはほとんど前例がなかったなということであります。
 というのは、農家に判断をしていただかねばならん、基本的に50%持っていただかなあかん、どれぐらい上にこれから加算されるかわからん、また、激甚の指定を受ければもっと上がるけれども、ひょっとしたら3割持たねばならんか、4割持たねばならんか、それとも数%で済むかという見定めができないという中で、農家に判断をせよというのは大変酷な話であります。
 例えば、直すのに600万かかると。そうすると農家が300万持ちなさい、300万ぐらい持つのならば、もうその畑は全てほって、新しいところで買ったほうがよっぽどましだというような形になる。
 それと、直し方、工法もそうなんですけれども、普通、大体私どものミカン畑という山の石垣は、みんな手作業で積んだ、山を1枚1枚、そうして畑をこさえていったということで、コンクリートなんかはほとんど入っておりません。その石も遠くから持ってくるわけにいきませんから、近くにあるような小石やいろんな石を集めて、そしてミカンのあの段々畑、石垣畑というのができてるようなことでありますので、それに基礎を入れて、国の基準に合わせて立派なブロックを積んでというと何て言われるかというと、自分とこの屋敷でもそんなことようしてないのに、とてもじゃないけど、ミカンの山でそんな復旧の修理をするから費用を持てと言われても困るというようなことで、実際、ほとんど機能を果たしていないというのが果樹園の農地災害であります。
 果樹王国和歌山、特にミカンの場合は全国一の生産量を誇り、誇れる和歌山県の農産物でありますけれども、その樹園地に対して、災害に関してはほとんど手が入らないというような厳しい実情があるわけであります。
 あわせて、ミカンの山というのは、他と違って水路も余りありません。というのは、他の場合は、水を引かねばならん、水を出さねばならんということでほとんど水路があるんですけれども、そうして手作業でくわとつるはしを持って、そして1代でミカン畑を3枚こさえた、その次の代でまた3枚こさえたというような努力を重ねながらつくっていた田には、そんなに水路なんかは整っていないというところが多いわけでありますので、農地の災害に対して、もう少し農家が判断をしやすいというか、そんなような形で何とかならないもんかなと、また、制度の改善も国へお願いをできないものかなという思いでいっぱいでありますので、その点について農林水産部長の御所見を承りたいと思います。
 次、災害の4点目、これは災害じゃなしに災害防除ということでありますけれども、私の地元にもソーラーシステムのソ-ラーの板を置きたいというような形で希望を出されて、地域と大変もめるというようなことがございました。また最近1件、小規模でありますけれども、ソーラーを設置するという形で話が出ているようであります。
 御承知のように、ここで随分議論されておりますから、森林の指定であっても1ヘクタール以下ならば許可をとる必要がないとかいうようなこと、そういう地元の現状、現場を知らない人が机の上でペンを動かしたら大体そんな程度の決め事なのかなというように感じるんですけれども、例えば、先ほどお話しさしていただいた私たちの地元下津町は、蔵出しみかんの産地でございます。裾野から山の中腹、上のほうのダムまで、幅の狭い段々畑がずっと連なっております。有田市へ行って玉木議員の地元へ行かしていただいても、同じく裾野からずっとミカンの段々畑であります。ただし、必ずと言っていいほど、山のてっぺんには森林なり雑木林を残しているわけであります。
 何のために残しているかというと、その上を切ってしまうと治水の心配があるということで残している。もう1つの理由としては、最近便利になって、ぱちんとしたらもうみんな御飯も炊け、お風呂も沸くんですけれども、もう昔からずっと農家はまきを燃料としてきたもんですから、その優良なまきをとると、集めるというためにも森林は利用されたんですけど、これをじゃあ切るのかというけど、切ったって、もう翌年から横から新しい芽が出て、5年、6年たったらもとの林のようになっていくというような状態でありますので、そういう治水面には影響はないんですけれども。
 そんな中で特に心配なのは、今言ったように、ミカンの果樹園というのは大変水に弱いと。あわせて、各地域に農林水産大臣が指定した農地地すべり指定地域というのが至るところにあります。そして、農地の間に民家があるところへ行きますと多いのは、国土交通大臣が御指定をいただいた砂防指定地域、地すべり防止区域、これ2点。そして山際へ行きますと、知事が指定をする急傾斜地崩壊対策というようなところの地域も数多くあるわけであります。
 例えば、下津町に仁義と書いて「にんぎ」と言う地域があります。旧仁義村というところですけれども、8つの地域が集まって、そして村を形成していたということですけれども、今お話しさしていただいたような事業は、1つの地域を除いて残り8カ字全ての地域に地すべりや砂防やというのがあると。果たしてそんな山の上を切ってしまってええもんかなと。これは1ヘクタール以内であってもというようなことを強く感じるし、地元からも、そういう話があるたびに私のほうへも相談に来られるという形でありますので、今いろんな御説明をさしていただいた。
 特に兵庫県では、既に条例で規制をしている。また、和歌山市も今条例を検討されている。また、大津市も条例で規制を検討されておられるようだと。ぜひ和歌山県においても十分お考えをいただいて、そして規制をすると、条例でしていくというような方向に進めないかどうか、それらについては、知事のほうからひとつ御答弁を賜りたいと思います。
 やはり向いているところ、向いていないところというのはそれぞれあるということであります。それを1つにくるめてしまって全部いけるというようなことには簡単にいかないというのが実際の姿であろうと思います。その点についても、知事、ひとつ答弁のほど、よろしくお願いを申し上げます。
 また、大きな丸の項目、がんの先進医療についての質問をさしていただきたいと思います。
 2人に1人ががんになる、3人に1人ががんで亡くなられる、そして昭和54年より和歌山県においては、死亡原因の1位がこれまたがんであると、こういうことに対して、先ほど県政の第1課題はやっぱり命を守ることだというお話をさしていただきましたが、それこそがん対策もその重要なことではなかろうかなあというように感じております。
 そんな中で、平成24年に山下直也議員を座長として、県議会としてもいろんな議論や御意見を承りながら、県がん対策推進条例を議員提案として可決をしております。
 それから、平成26年、今から3年前でありますけれど、ちょうど3年前の12月定例会で、私も、この議場から皆さんに海南市に住まいする芝本十三さんという方の話をさしていただいたんですけれども、新たにお目にかかれた方もあるし、もうほとんどお忘れになってる方もおるんではないかということなんで、かいつまんで少しお話をさしていただきたいと思うんですけれども。
 平成26年に、私のほうへ芝本さんから電話をいただきました。一度会って話をしたい、頼みたいことがあると。ただし、家に行かしてもらうのが礼儀なんだけれども、今、自分はちょっと病気で、もう足腰も立たない状態なんで家に来てもらえないかということで、すぐ家へお伺いしたところ、もうこんなありさまになってしまったと。奥さんもがんで亡くなり、自分ももうがんの末期という状態の中で、ぜひ仁坂知事に会いたいんで段取りしてもらえんかと。
 その理由というか、何するのないという話を聞いたら、知事に会ってがんの先進医療に対して使ってもらえるように寄附したいんだという話であったと。「わしももう後先長くない。なあ、尾崎さんよ、ちょっとぐらい最後には世のため人のためにええ格好もしたいしね」と。それと、奥さんが病気、自分もがんの末期。やはりお金のある人は先進医療というような手当てをしてもらえるけれども、費用を出さなければそれも診てもらえないと、これは不合理だということで、ちょっとでも自分で寄附さしてもらって、それに役立つような形で使ってもらいたいんだというようなことでありましたので、すぐ連絡をして、そのときにも、「海南市もあるし、県でなくてはならんというようなことかい」とお聞きしたら、この芝本さんいわく、「仁坂知事でなかったらあかん」、「なぜな」と聞いたら、「あの人やったらやってくれるのと違うやろか。わしはそう思うんで」という、匿名という指名でありました。
 それで、時間をつくってもらって本人に会ってもらって、そして本人に寄附をいただいたと。寄附が終わった時点で本人は大きくため息をついて、これでわしはもう思い残すことは何もない、ほっとしたよというような言葉を残して帰られました。
 そのときに知事とツーショットの写真を撮ってもらって、その2日後に秘書から、こんな写真ができたんでと引き延ばしたのを、私もまだ意識のあるうちに家へ届けなというので、預かってすぐ家へ持っていった。本人に言うたんです、「ええ写真やなあ。ところで、十やん、あんた何ぞ歯痛いんか。苦み走ったような顔をしてるやないか」と言うたら、「尾崎さん、これはわいの笑うた顔や」、「ああそうか」というようなことで日にちが過ぎて、もうそれから少しして本人は亡くなられました。本人の申し出で、その写真を額へ入れて告別式の入り口へ飾っておられました。その写真をもう一度見さしていただいたら、苦り切ったような顔やなと言うたんですけど、何かそのときの写真は誇らしいような顔をされてたような気が私はいたしました。
 こうして県民が県民を支えるというような共助というか、その志を受けて、知事のほうも、26年の9月に早速県の事業として県がん先進医療支援事業を立ち上げてくれました。もう本人はその事業ができたことはわからずして他界されたわけでありますけれども、草葉の陰で大変喜んでいるんではないかなと思ってございます。
 そんなようながんに対する流れもある中で、平成29年1月、ことしの1月ですけれども、自民党県議団で先進医療の一番トップを走ってるとこを見に行こう、勉強に行こかということで、千葉にある国立法人の放射線医学総合研究所というところへ訪ねさしていただいて、そしてみんなで重粒子線の装置なり、また手術室というたらいいのか、治療室というたらいいんか、その辺の現地を見さしていただいたり、その後、機関関係の責任者、片一方で病院のほうの責任者も同席をいただいて、いろんな説明をお聞きして意見交換会をしてまいりました。
 そんな中で、先進医療というのはこんなもんなんだなあということで私もいろいろと真剣にお聞きをしたんですけれども、まず、県のがんの先進医療支援事業でありますけれども、平成26年には2名、27年には8名の利用があったわけですけれども、28年、29年と1人、1人という利用です。この少なくなったのは何か事情があるんかなあというようなことで、1つ考えたのは、できてから少し期間があいたし、周知徹底も遅くというか、薄らいできたんで、もう1回、再度これはすべきだろうなというように思うことと同時に、いろんなところで話を聞くと、ある病院へ行ったがん患者の方が先生に、こうこうで先進医療というのもあるんで、先生、どうやろうと尋ねたところ、木で鼻をくくったというような感じで、先生いわく「あんなものは治験ですよ」ということは、要らんことを言うなと言わんばかりのお話だったというようなことも聞いております。
 やはり地元にそういう先進医療の現場がないと、随分情報もおくれてくるんだろうなあと。特に、拠点病院の先生方もどんな認識をお持ちいただいてるのか、もう一度そうして確認もいただき、この事業のPRもしていただかないと、大体がんになったらそういう拠点病院を紹介されて行く。そして、そこの先生がああせえこうせえと言うたら、はい、はいともうみんな聞いて、そして命をかけて治療するという状況でありますから、ゆめゆめ口が裂けても、そんなに簡単に重粒子、陽子線というような形での先進医療を受けたいというようなことはちょっと口が裂けても言いにくいような雰囲気も病院にあるし、そういう気持ちを推しはかって、お医者さんのほうも、一度これも検討してみるかいというようなことを言われる先生は恐らく数が少ないんではないかな、それがこういう人数になっているんではないかなと思いますので、県としてでも、せっかく県民が県民を支え合いするというような志でできた事業でありますので、これらの広報について、もう一度力を入れてやってもらいたいと思います。
 そして、自民党の研修が終わって、ことし3月ですけれども、私の地元の親しい知人から連絡が入り、その人いわく、地元の病院で検査をしてもらったところ、膵臓がんであるということを告知されたと。本人も、これは大変なことになったなあということで、もうその3日後には医科大学へ行ってもう一度診てもらったようであります。
 どんな状況かというと、膵臓のがんができてる部位が難しいところにできていると、だから手術もできませんと、抗がん剤ぐらいでもう小さくする以外に方法はないと。だから、その難しい部位から離れて切れるようになったら切れるんですけどというような、「たら、です」というような話であったと。本人は、どうしようかなということを思いつつも、出してもらった抗がん剤を飲んだところ、全く体に合わずに吐き出してしまうような状況にもなったということで、私のほうへ御連絡をいただいて、今後の対応について相談に乗ってくれというようなお話もいただきました。
 私はそれならばと―実は、同じようなことが私の幼友達、私にとって一生の兄貴分と言われる先輩が、同じく膵臓、できたのは門脈をかんだ部位にできたと。そのときは余命半年、するすべなしという話だった。本人はどうされますかと。するすべなしと言いながらどうされますかと聞くのは酷な話で、もう一切治療をしていただく必要はない、できるだけ悪くなってくるまでに生活の質を落としたくないというようなことで、私もかけがえのない兄貴分をちょうど半年で送ったわけであります。
 新島議員とも一緒に、新島議員もお連れでしたから、一緒に涙を流して送ったというような私の先輩のこともあり、それならばぜひこの先進医療を一度検討されたらどうかということで、幸い研修で資料をもらっておりましたので、千葉のその資料を全てお届けしたと。そして、もう手だてがないに等しいことしか言われていないのならば、こうせえというようなわけにはいきませんけれども、治療の選択肢にぜひ入れるべきだというような勧め方をさしていただきました。
 そして、その知人の人がかかりつけの病院、お医者さんもあるようですので、そちらへも相談したところ、その先生いわく、私があなたと同じ立場なら、私は迷わず千葉へ行くという返事をされたと。ただ、家族は余り最初のうちは乗り気でなかった。もう遠くの知らないところへ行って、わかりにくいというか、余り知らない治療法でいいのかなあというようなこともあったようですけれども、最終的には、みんな、よし、もう千葉へ行ってお世話になろうということで、6月に千葉へ行かしていただいて検査を受けたと。
 そうすると、そういう治療の範囲内へ合致するということですけれども、もう既に医大で診ていただいたときに、私も腫瘍マーカーの数字が幾つがどうでこうでというのはわからんのですけど、聞いた話では、30の後半になったらもうがんだと言われる中で、既に50をはるかに超えてしまってるような数値が出ているというようなことでもあり、そして服というか、石こうで固めたようなプロテクターというか―というのは、重粒子を打つためには動いたらあかんので、そのやつをこさえてもらって、さあ治療しようかというて少したったらおなかに腹水が湧いてきたと。そうすると、これはもうすぐ打てないと。なぜ打てないかというと、腹水を通過すると重粒子線が曲がってしまうと。もう1つ、こさえた服が、私もそうですけど、しょっちゅうズボンのウエストを大きくしてるんですけれども、プロテクターというか、それが入らなくなる。
 それで先生から、利尿剤を差し上げると、これを飲んだら間違いなしにおなかの腹水は出ると。だから、出たら、一度和歌山へ帰って、もうこちらの知らないところでいると気分もめいるだろうから、帰られてからもう一度聞いて、そしたら治療しましょうということを言うていただいたようですけど、本人はどうだったかというと、先生、いよいよわしも先生にも手放されたかという話をしたら、そんなことはない、もう間違いない、こうして言ったとおりしていただいたら必ず腹水は抜ける、そして治療できるからと言うていただいたんで、その言葉を本当だろうか、本当だろうかと思いつつも、こちらで言われたとおりの処置をしたら、もう見る見るうちに腹水が抜けてしまったということですので、再度上京してお願いしますということで、6月の20何日だったかに再入院をされて、そしてもう入院と同時にすぐ重粒子の照射をいただいたと。
 どれぐらいしたんかというと、1週間に4回、それで3週間、合計12回。もうこの12回で十分だという話だったのと、そして時間はどれぐらいかかるんですかというと、手術室というか、治療室というか、そこへ入ってから出てくるまでが大体25分。じゃあどれぐらいの時間、こうしてブーッと打つんですかというと、大体3分と。もうそれ以外、あとは何もないという状態で、痛かったですか、何か感じたですかというと、痛くもかゆくもなかったというような話でございました。
 そして、その治療が終わったら、病院のほうからは、見る見るうちにマーカーの数字が必ず下がるはずですと、最初は一気にがたんとは下がらんであろうけれども、もうレッドゾーンと言われた30台まではまず下がるでしょうと言われてはかったら、もう次、そこまで50幾つが下がり、これはまだまだ下がっていきますからと、これが20台、10台というて、もう大丈夫だというところまで下がっていきますからと言われたら、その言われたとおりの下がり方をして、今10を、もう既に腫瘍マーカーは下がってるようです。
 あと判断するのはPET、どれまで治ってるかというてPET検査もしてもらったようですけど、PETのほうも、もう何の問題もないというような結果が向こうでも和歌山でも出ていると。それから見ますと、私もその結果を目の当たりにお聞きをして、もう全く治らんであろうと、家族は言われたようです、家へ帰った時点で、「本当はもうお父さん、そこから先は言わんけど、本当は今ごろ」と言うて、まあそれ以上は話がなかったようですけれども、もう今は会社へ行かれて、車を運転してというような状態で、そして全くもちろん痛みもないというような状況で今過ごされておられます。
 そうなってくると、私も初めて千葉へ行かしていただいたときは、こんな療法でどうなんやろうなあ、本当にこれで効くんかなあとかとまだ多少ここにもあったんですけれども、それを見たらやっぱりすごいなあという。そういう治療ですら和歌山のお医者さんでは、あれは治験ですからとかと言うて理解を示そうともしないようなお医者さんも多いというようなことでありますので、その点、十分また、先ほど申し上げたように、普及をしてもらいたいというのと同時に、もう何度もこの議会では、先進治療ができる施設をぜひこの和歌山でという話、要望なり要請が出ているわけでありますけれども、私も同じように、何とかひとつ考えてもらえないかと。
 例えば、鹿児島の陽子線の施設も今資金的に大変だというような話も片一方で入ってくれば、片一方では、日本電産の会長が京都府立医科大学に70億の陽子線の施設を自分で建てて、その施設を寄附するというような話も出ております。そして、片一方でまだ治験の範囲ですからと言いながら、もう大阪にもでき、京都にもでき、もともと兵庫にもありと、どんどんふえてるというようなことから見れば、また1つそうなってくると少し単価も下がってくる、もっとコンパクトなもので済むかもしれませんし、ぜひ我が和歌山県においてもそういう施設をお考えいただきたい、そのことを知事に要望さしていただきたいと思います。またひとつ答弁のほどよろしくお願いします。
 これで1回目の質問を終わります。
○議長(尾﨑太郎君) ただいまの尾崎要二君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) まず、太陽光発電事業についてでございます。
 最近、森林を開発する太陽光発電事業の計画がふえてきております。太陽光発電など新しいエネルギーは、これからの日本のために役に立つ、あるいは地域の発展にも貢献し得る有意義なものであるということを考えると、その開発行為も全て敵視してはいかんというふうにも思います。一方、防災上の問題とか景観面での悪影響についても考えられまして、これをどうしたらいいか、私も懸念しているところでございます。
 太陽光発電については、これは現状ですが、その規模や設置場所によって、電気事業法はもとより森林法などの許認可が必要になってきますが、議員御指摘の1ヘクタール以下のものも含め、何らかの対応が必要と私も考えております。そういう意味で議員のお考えは全く同感でありまして、実は既に担当部局に最もふさわしい制度を検討せよと指示をしているところであります。
 私の考えでは、国の規制も、他県の先例も、伝わってくるいろんなプランも、全て今起きている問題に十分対応できていないというふうに思いまして、ということは、逆にそれほど難しいということで、難しい問題だというふうに思います。
 諸般の法制とか、他府県の状況とか、あるいは法理論とか、そういうこともよく調べて、本県においてどのような方法が最も適しているのか、議員の御指導もいただきながら研究してまいりたいと考えております。
 次に、がんの先進治療でございます。
 御指摘がありましたようながん先進医療の1つである粒子線治療は、ピンポイントで放射線をがんに効率的に照射する方法であり、有効な事例が報告をされております。しかしながら、御指摘ありましたように、粒子線治療は公的医療保険の対象になっておりませんので、治療費が高額になり、患者さんの負担があります。
 本県では、尾崎議員の紹介により──匿名ということでございましたので名前は挙げませんが──いただいた寄附をもとに平成26年度に和歌山県がん先進医療支援事業を創設いたしまして、粒子線治療を希望するがん患者の方が経済的理由により治療を諦めるということがないように支援を行っております。
 本事業については、これまでがん診療連携拠点病院への周知等を行ってまいりましたが、今後は、医療従事者への研修会などさまざまな機会を捉え、粒子線治療の理解を促して、議員御指摘のように、木で鼻をくくったようなことを言わないようにしていきたいと思いますし、また、病気に悩んでる方に対しても、「県民の友」などを活用し、広く県民に対して周知徹底を図っていく所存であります。
 あわせて、支援を継続するため、実は多額の寄附金をいただきましたが、1回に要する費用も多額でございますので、随分減ってきておりました。減ってもいいや、使ってしまおうというふうに思ったんでございますが、ふるさと和歌山応援寄附金のメニューにがん対策の充実を設け、和歌山県がん先進医療支援事業に活用さしていただいているところでございまして、お金もまた少し入ってきておりますので、大いに周知したいと思っております。
 一方で、粒子線治療の設備については、PFIによる運営手法など、これまで何度も積極的に検討を行ってきました。現在、粒子線治療施設は全国で18施設が稼働しているわけでございますが、うち近畿では、御指摘のように3施設が稼働しておったんですが、30年度になりますと、さらに3つ加わって計6施設になるということでございます。このような状況の中、仮に県立医科大学附属病院に整備した場合、運営収支も赤字になって、後々の県財政に懸念があるということが、もう何度もやった試算でいつも出てまいりまして、これまでのところ整備に踏み切れておりません。
 本県のがん患者が粒子線治療をより受けやすい環境を整備するためには、近隣の粒子線治療施設との連携を進めるとともに、粒子線治療の有効性や技術革新によるコストダウン、これも御指摘がありましたが、そういうことを見きわめながら、県内での整備の可能性を探っていきたいと思っております。引き続き、常にチャンスをうかがい、本県への導入が可能であると判断した場合は、積極的に対応していきたいと思っております。
 がん治療は、日進月歩で研究が進められておりまして、ゲノム治療など患者の個人に応じた新たな治療が始まろうとしております。このような先進的な治療についてもおくれることがないように、積極的に進めていきたいと考えております。
○議長(尾﨑太郎君) 県土整備部長森戸義貴君。
  〔森戸義貴君、登壇〕
○県土整備部長(森戸義貴君) 私には3点の御質問をいただきました。
 まず、公共土木施設等の早期復旧についてでございますが、台風21号では、県下全域で県管理の道路、河川など、公共土木施設において約150カ所にも及ぶ被害が発生してございます。議員の御地元、海草建設部管内でも、海南市扱沢地区の県道海南金屋線ののり面、日方川の護岸など、公共土木施設18カ所が被災し、紀美野町梅本地区など7カ所において土砂災害が発生いたしました。
 これらの箇所においては、発災後、直ちに現地調査や測量を開始するとともに、例えば梅本地区では、避難指示の早期解除のためのワイヤーネット設置などの応急対策も実施してございます。
 県では、被災箇所の早期復旧のため、公共土木施設は年内に災害査定を完了させるとともに、土砂災害箇所も含め、平成30年度中の復旧を目指してございます。このうち、地域内に迂回路のない県道海南金屋線ののり面崩壊箇所や家屋が近接している日方川の護岸欠損箇所などでは、災害査定に先立って本復旧に着手するための手続も行ってございます。
 議員から御指摘のありましたしっかりした復旧を行うためには、災害復旧の工法検討の際、再度災害防止の観点から被災原因を究明し、その除去に努めるとともに、現地に適合した工法とすることが必要と考えてございます。
 このため、現地調査などの段階において市町とも密に連携し、地域の地質や地形などの情報収集に努めるとともに、必要に応じて土砂災害など国の専門家の助言を求めてまいります。これらを工法に反映させることなどにより、今後とも速やかかつ安全な復旧に努めてまいりたいと考えております。
 次に、河川改修の促進のための予算確保でございます。
 県内主要河川の整備については、近年増加傾向にある局所的な集中豪雨や台風等による浸水被害の軽減を図るため、平成23年の紀伊半島大水害を契機に河川整備計画の策定を加速させ、その推進に取り組んでいます。
 県内の河川整備は、主に国の交付金を活用してその推進を図ってございまして、毎年必要な予算を確保するため、精力的に予算要望を行ってございます。国における年度当初の公共事業関係費が平成26年度以降は対前年比1.0という伸びが続く中、平成29年度の本県への交付金の当初配分額は、平成26年度に比べ、わずかながら伸びを示しています。しかしながら、その伸びは1.02と小さいため、補正予算や災害関係予算を積極的に要望し、必要な予算の確保に努めているところでございます。
 亀の川や加茂川支川の宮川を初めとする台風21号に伴う浸水被害に対しても、その被害の状況を踏まえ、速やかな浸水対策を実現させるため、補正予算の確保について、先般、知事から関係国会議員や国土交通省に対して要望を行ったところです。
 今後につきましても、さらなる浸水対策の推進を図るため、必要となる予算の確保に向け、さまざまな機会を通じて国に働きかけてまいります。
 最後に、高速道路の通行規制についてでございます。
 今回の台風21号に伴う阪南インターから広川インター間の通行どめにつきましては、西日本高速道路株式会社が、災害発生後ではなく、事前通行規制により通行どめを行ったものでございます。
 一般的に事前通行規制とは、大雨や台風による土砂崩れや落石等のおそれがある箇所について、過去の記録などをもとに個別の規制基準を定め、災害が発生する前に通行どめなどの規制を実施し、道路利用者の安全を確保するものと認識してございます。
 西日本高速道路株式会社が管理する高速道路につきましても、過去に災害が発生した実績や過去の降雨データ、地域特性などをもとに、時間雨量や累積雨量の規制基準値を個別に設定して運用されていると聞いてございます。直近では、県内の降雨実績を踏まえて、26年度に雨量基準値を大きく見直しすることが行われたと承知してございます。
 この事前通行規制は道路利用者の安全確保を目的としているため、安全を最優先とすべきですが、一方で幹線道路の通行どめによる各方面への影響を考えますと、当該道路の持つ交通機能とのバランスをどのようにとるかが非常に難しいと考えてございます。
 今回のように高速と国道42号の双方が同時に通行どめになりますと、県管理道路への負担が極端に大きくなるため、安全性を最優先としつつ、できるだけ高速道路を利用できる状態を保持していただくよう、西日本高速道路株式会社と連絡調整を図ってまいりたいと考えてございます。
○議長(尾﨑太郎君) 農林水産部長原 康雄君。
  〔原 康雄君、登壇〕
○農林水産部長(原 康雄君) 農地災害復旧事業につきましては、基本補助率は50%でございますが、市町村単位で暦年1年間の農家1戸当たりの復旧事業費によって補助率がかさ上げされる仕組みとなっております。県内過去10年間の補助率は、最小で83.5%、最大で95.3%、平均93.7%となっており、復旧に対しては大変有利な制度になっているものでございます。
 しかし、議員御指摘のとおり、補助率が査定後に確定すること、被災農家への災害復旧に関する制度説明が必ずしも十分とは言えない場合もあることから、農家の意思決定が難しく査定申請を諦めるなど、現行制度が十分に活用されてないことがあることも事実でございます。
 そのため、県としましては、現行の制度を十分に活用することが重要と考え、市町村対象に、毎年度、災害復旧事業の実務に関する研修を開催してきたところですが、引き続き、事業制度に関する研修内容の充実、規模が大きい被災や市町村からの要請がある場合には現地調査へ同行するなど、より連携を密にし、農家の方が災害査定申請の判断がしやすくなるよう市町村に協力してまいります。
○議長(尾﨑太郎君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(尾﨑太郎君) 時間が来ておりますが、よろしいですか。
  〔「はい」と呼ぶ者あり〕
○議長(尾﨑太郎君) 以上で、尾崎要二君の質問が終了いたしました。(拍手)
 お諮りいたします。質疑及び一般質問を終結することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(尾﨑太郎君) 御異議なしと認めます。よって、質疑及び一般質問を終結いたします。
 次に日程第3、議案等の付託について申し上げます。
 お諮りいたします。お手元に配付しております議案付託表のとおり、議案第177号は行政改革・基本計画等に関する特別委員会に付託いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(尾﨑太郎君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
 次に、お手元に配付しております議案付託表のとおり、議案第168号から議案第176号まで及び議案第178号から議案第194号まで並びに知事専決処分報告報第6号は、所管の常任委員会に付託いたします。
 お諮りいたします。12月14日及び15日は常任委員会の審査のため休会といたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(尾﨑太郎君) 御異議なしと認めます。よって、12月14日及び15日は休会とすることに決定いたしました。
 次会は、12月18日定刻より会議を開きます。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後2時54分散会

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