平成29年12月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(前芝雅嗣議員の質疑及び一般質問)


平成29年12月 和歌山県議会定例会会議録

第5号(前芝雅嗣議員の質疑及び一般質問)


汎用性を考慮してJIS第1・2水準文字の範囲で表示しているため、会議録正本とは一部表記の異なるものがあります。

正しい表記は「人名等の正しい表記」をご覧ください。


  午後1時0分再開
○議長(尾﨑太郎君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 5番前芝雅嗣君。
  〔前芝雅嗣君、登壇〕(拍手)
○前芝雅嗣君 皆さん、こんにちは。
 一般質問も、とうとうあと残り2人になりました。こうして見ると、皆さんも大層お疲れの様子でございます。昼のお食事をして、上まぶたが少し重くなってくる時間帯ではございます。その上、質問者が非常に滑舌が悪くて日本語が下手な私でございます。
 先月、日華親善議員連盟で台湾に行ってまいりまして、そのときに教育旅行の誘致を兼ねて台湾の学校を訪問しました。そのときに質問をさせていただいたんですけれど、通訳の方に私の日本語が通用しませんでして、尾崎会長に日本語の通訳をしていただきまして、やっと話が通った。そのような私の質問ですので、最後までどうか御清聴のほどよろしくお願い申し上げます。
 それでは、議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、質問をさせていただきます。
 今回、地方創生・人口減少対策をテーマとして質問をしたいと思います。
 我が国では、少子高齢化に伴いまして急激な人口減少が大きな課題となっています。人口の減少は、労働力不足の深刻化や経済成長の鈍化といった経済面での影響にとどまらず、医療・福祉分野、教育など、あらゆる面に弊害をもたらすことになります。
 安倍内閣は、人口急減、超高齢化という我が国が直面する大きな課題に対して政府一丸となって取り組み、各地域がそれぞれの特徴を生かした自律的で持続的な社会が創生できるよう、平成26年9月にまち・ひと・しごと創生本部を立ち上げるとともに、同年の11月には地方創生の理念等を定めたまち・ひと・しごと創生法が制定され、12月には長期ビジョンが策定されました。
 その長期ビジョンでは、人口減少時代に目指すべき将来の方向として、「東京一極集中」の是正と若い世代の就労・結婚・子育ての希望の実現、地域の特性に即した地域課題の解決の3つを基本的視点とした上で、今後目指すべき将来の方向として、活力ある日本社会を維持することが提示されました。
 本県に目を移しますと、全国に先んじて少子高齢化が進行しておりまして、人口は、1985年の108万7000人をピークに減少に転じており、国立社会保障・人口問題研究所の推計によりますと、今後何も対策を講じぬ場合の県人口は、2060年に50万人程度にまで激減すると予測されているところです。
 このような中、仁坂知事は、本県における人口の現状と人口減少がもたらす影響を県民と共有するとともに目指すべき将来の方向を提示し、県を挙げて全力で取り組む決意を示すため、平成27年6月に全国に先立って和歌山県長期人口ビジョンを策定されました。このビジョンでは、65歳以上の高齢者1人を生産年齢人口の2人で支える人口形態が社会活動が維持できる水準として必要であるとの考え方のもと、2060年の人口を70万人とする目標が掲げられています。
 また、本年3月に策定された和歌山県長期総合計画においても同様の考え方に基づいて、目指すべき将来の方向を提示した上で県を挙げて人口減少対策に取り組む決意を示され、計画目標の達成のための具体的な施策として新政策事業を毎年実施されていることを承知しております。
 このように、長期継続的な取り組みにより県の人口減少対策に取り組まれておりますが、今回、特に気になる点について、進捗や今後の展開についてお聞きしたいと思います。
 それでは、1番目の大きな問題、結婚から妊娠への支援策の現状について。
 まず、自然減については、既に高齢者が多く若年者が少ないという人口構造ですので、高齢の方が亡くなる数が出産を上回るという状況は、当分の間続いていくのはやむを得ないだろうと理解しております。しかし、諦めることなく、長期的な視野に立って、自然減を改善していくための取り組みを続けていくことも必要です。価値観が多様化している社会ですので、結婚や出産を含めてさまざまな生き方を選ぶことが認められるべきだろうと思いますが、結婚や出産を望んでいても実現できない方もいらっしゃいますので、このような方への支援は大切です。
 結婚について考えてみますと、我々の若いころは各地域に世話好きの方がいて、結婚への後押しをしていましたが、最近はそういう人も少なくなり、なかなか出会いの場がなく、結婚に至らないという方もふえているのではないかと心配をしております。
 このような中、県としても、少子化の大きな要因である未婚化、晩婚化の流れを変えるため、結婚から妊娠、出産、子育てまで県民一人一人に寄り添った施策を展開して、結婚や出産の希望がかなう社会の実現に向けて取り組んでいると聞いております。
 その中でも、結婚支援として県や市町村で取り組んでいる婚活イベントの実施状況やその成果をお聞きしたいと思います。また、今年度の新政策としてわかやま結婚・子育て応援企業同盟を結成されていますが、その現状の取り組みと今後の展開について、福祉保健部長にお伺いをいたします。
○議長(尾﨑太郎君) ただいまの前芝雅嗣君の質問に対する答弁を求めます。
 福祉保健部長山本等士君。
  〔山本等士君、登壇〕
○福祉保健部長(山本等士君) まず、県の結婚支援の取り組みにつきましては、平成25年度から婚活イベントを年間10回、県内全域で実施しており、パーティー形式のほか、観光やスポーツなどお互いの共通の趣味を生かしたイベントや、恋愛カウンセラーによるコミュニケーションのスキルアップを図るセミナーを交えたイベントなど、内容につきまして趣向を凝らしながら出会いの場の提供に努めております。
 同時に、婚活イベント会員につきましても、テレビやラジオ、情報誌などの広報媒体を通じたPRによる会員数の拡充を図っており、平成29年11月末現在で1868人あります。
 なお、会員同士による成婚につきましては、現在まで13組26人から報告を受けております。また、市町村の結婚支援の取り組みにつきましては、現在、14市町で婚活イベントを実施していると聞いております。
 次に、わかやま結婚・子育て応援企業同盟につきましては、仕事と子育ての両立支援に取り組んでいる企業や団体で構成し、去る9月3日に企業同盟の発足式を開催したところであり、現在は132団体が参加しております。今後は、企業同士が独自の取り組みについて意見交換を行う交流会を開催し、新しい取り組み等を始める契機とするとともに、参加企業同士による婚活イベントの開催など、企業間でのさまざまな活動の活性化につなげてまいりたいと考えております。
 県といたしましては、仕事をしながら充実した結婚生活が送れ、安心して出産や子育てができる職場環境づくりの実現に向け、今後とも精力的に取り組んでまいります。
○議長(尾﨑太郎君) 前芝雅嗣君。
  〔前芝雅嗣君、登壇〕
○前芝雅嗣君 ありがとうございました。
 年間10回程度やって、そして今でいうと5年目ぐらいですかね。もう50回ぐらいのいろんなイベントをされておりまして、13組26人、何とも微妙な数字だなというのを素直に感じました。
 午前中の質問でも川畑議員からもこの婚活の話、先生、頑張って僕のかわりもやってくださいと頼まれておりますので、ちょっと13組では、何かやはりやり方とかいろんなことを、結婚相談所の人に相談するとか世話好きのおばちゃんを養成するわけにもいきませんでしょうが、何とか、少ないからといって本当にやめることもなしに、何とか大勢の方のカップルができるように、これからも御尽力いただきますようにお願いをしておきます。
 続いて、次の質問に入らせていただきます。
 妊娠への支援策についてでございます。
 結婚をして子供を望んでいても、なかなか授からない御夫婦がいらっしゃいます。女性の方が自然妊娠する確率は20代前半が高く、年齢を重ねるにつれて確率が下がると言われています。しかし、和歌山県の女性の初婚年齢は、2016年の県の人口動態調査によりますと28.9歳となっております。1950年ごろには23歳程度でありましたが、1990年ごろに25歳を超え、その後も上昇傾向が続いています。
 このような状況を考えると、不妊に悩まされている方もふえているのではないかと思います。妊娠を望む方が子供を授かるということは、将来の和歌山を支えるという意味で社会にとっても重要ですが、何より本人にとってもかけがえのないことであり、直接県民の幸せにつながるものです。
 一方で、不妊治療にもさまざまな内容がありますが、体外受精など高度な治療を必要とする特定不妊治療は数十万円に上り、治療が長期にわたってくれば、精神的にも金額的にも負担が大きくなってくると聞きます。金銭的なことが原因で子供を諦めるというのは非常に残念なことです。
 県としても支援を行っていると思いますが、具体的にどのような支援内容があり、特に金額的に高額な特定不妊治療についてはどの程度の実績になっているのか、福祉保健部長にお伺いをいたします。
○議長(尾﨑太郎君) 福祉保健部長。
  〔山本等士君、登壇〕
○福祉保健部長(山本等士君) 県におきましては、不妊に悩む夫婦を精神面、経済面の両面から総合的に支援するための施策を実施しております。
 精神面の支援施策としましては、保健所に不妊専門相談窓口を設置し、専門医師による面接相談や保健師による電話・メール相談を実施しております。経済面の支援対策としましては、平成19年度から、不妊検査や人工授精などを対象とする一般不妊治療費助成を県単独で実施しております。また、平成16年度から体外受精や顕微受精を対象とした国制度による特定不妊治療費助成を実施しておりますが、治療を継続した場合の費用負担が大きいため、平成28年度から、中核市である和歌山市を除き、県単独の上乗せ助成を実施しており、当該年度の助成実績は464件となっております。
 なお、和歌山市においても県と同様に助成を実施しており、県内の助成実績は、合わせまして807件となります。
 今後とも、子供を産み育てることを切望する夫婦が安心して不妊治療を受けられるよう支援してまいります。あわせまして、全ての不妊治療の医療保険適用と特定不妊治療費助成額の拡充につきまして、引き続き国に対して要望してまいります。
○議長(尾﨑太郎君) 前芝雅嗣君。
  〔前芝雅嗣君、登壇〕
○前芝雅嗣君 御答弁、ありがとうございました。
 治療をしてる方がたくさんあるんだなと思いましたし、助成してどのぐらい成功につながってるんだろうかなと大変気になるところではございますが、ナイーブな問題ですので、その辺のところは正確な調査は難しいんだろうなと思ってお尋ねもしませんが、この制度は、そういう人が1人でもあれば、人数の問題じゃないと思いますので、ぜひ続けていってほしいなと、よろしくお願いをいたします。
 続きまして、第2項目、企業の誘致の現状について質問をさせていただきます。
 まち・ひと・しごと創生総合戦略を推進するためには、地域経済の活性化、地域における雇用機会の創出が欠かすことができません。雇用創出のためには、地元企業の成長を図ることとあわせて、新たに企業を誘致することが考えられます。
 仁坂県政におかれましても、人口減少に即効性があり、効果的な雇用の創出と地域経済の持続的発展につながる施策として、企業誘致を一貫して推進してこられました。誘致が実現したという話は近年非常によく耳にするのですが、知事みずから積極的なトップセールスを行い、県庁一丸となった企業誘致などが功を奏して成果をおさめてきたものと思われます。
 そこで、その現状について商工観光労働部長にお伺いをいたします。
○議長(尾﨑太郎君) 商工観光労働部長山西毅治君。
  〔山西毅治君、登壇〕
○商工観光労働部長(山西毅治君) 企業誘致につきましては、投資や操業による経済波及や働く場の確保に加え、産業構造の転換も期待されるため、トップセールスを含め、年間1000社を超える企業訪問を行い、強力に推進してまいりました。
 工業団地の整備や奨励金制度の充実とあわせ、売り上げがふえている成長企業や県内での取引のある企業などをターゲットに戦略的な誘致を進めた結果、仁坂知事就任以来、177件の立地実績を上げ、約2300人の雇用を創出し、地域に新たな企業集積が進みつつあります。
 物づくり産業につきましては、県内各地で機械産業などの立地が進み、橋本市の工業団地も完売した状況であり、現在開発中の橋本市、仮称ではございますが、あやの台北部用地を早期に完成させ、今後も成長が見込める企業誘致を途切れなく推進してまいります。
 また、オフィス系企業につきましては、南紀白浜空港による東京とのアクセスのよさに加え、高品質なネットワーク環境や都会にはないロケーションといった地域のポテンシャルを生かした誘致活動を行い、白浜町にIT企業の集積が進んでおります。現在、新たなビジネスオフィスを建設しており、引き続き白浜町を中心とした紀南地域にIT企業の誘致を進めてまいります。
 本県では、交通インフラの整備により立地環境が向上してまいりました。今後も、企業誘致の受け皿の整備を行うとともに、企業の投資動向を的確に捉え、さらに積極的に企業誘致施策を推進してまいります。
○議長(尾﨑太郎君) 前芝雅嗣君。
  〔前芝雅嗣君、登壇〕
○前芝雅嗣君 ありがとうございました。
 紀南においては白浜周辺にIT企業の誘致も進んでおり、橋本においては工業団地が完売するというような状況ということで、誘致の成果は非常に上がってるんじゃないかなあということがよくわかりました。
 一方で、私の住む串本町周辺、紀南のほうで企業誘致されたというような話は、本当にほとんどというほどないのが現状であります。以前から、県一律の誘致の補助金とか規則ですね、何人雇用すればというのは、和歌山一律じゃなしに、紀南との、やはりへんぴなところとの格差をつけてほしいという要望、そういうのもきちっとやっていただいてるんですけれど、そんな中でも、なかなかやはり紀南地方は、距離も時間的なこともあって企業誘致がうまいこといってないんですけど、和歌山全体を考えていただけると大変今うまいこといって、また橋本で新しい団地をつくろうかということになってるんですが、これからももう企業誘致は、人口減少には直接的にかかわってくると思いますので、ぜひ頑張っていただけるようにお願いをいたします。
 それでは、続いて、次の質問に入らしていただきます。
 個別の事案になるのですが、このように紀南への誘致が難しい中、紀南への誘致で大変関心を持っている事案があります。それは、本年9月13日の「読売新聞」にも記載されていました小型ロケット発射基地の誘致に和歌山県が乗り出すという件です。
 記事によると、キヤノン電子とIHIエアロスペース、清水建設、日本政策投資銀行が設立した新会社・新世代小型ロケット開発企画が計画するロケット発射台の誘致に和歌山県が乗り出すと書かれておりました。
 超小型衛星を宇宙空間に運ぶ小型ロケットをめぐっては、宇宙ビジネスへの民間参入を促す宇宙活動法が2016年に成立し、今後多くの民間企業が進出するであろう将来性のある事業であると思います。これが本当に実現されれば、県にとっても税収増が見込まれるでしょうし、周辺地域に新たな雇用創出が見込まれると思います。また、ロケット打ち上げ時などには、観光客の増加という面でも大きな経済効果を生むものと期待をしております。
 その記事によりますと、候補地として串本町やすさみ町が挙がっているとも記載されています。先ほども話したとおり、紀南地域への企業誘致というのは地理的にも難しい面があるということを考えると、ぜひ実現させてほしいと感じています。
 そこで、まずこの記事の事実関係、そして候補地について、県としてどのように考えているのかを知事にお尋ねをいたします。
○議長(尾﨑太郎君) 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 県では、宇宙ビジネスを今後の有望な成長分野として捉えておりまして、これまでもロケット射場の建設の動きに着目し、関連情報の収集を行ってきたところでございます。
 そうした中で、今申し上げました動きのターゲットの1つである会社から、「射場候補地に係る情報収集への協力のお願い」という文書が送付されました。これは9月4日付でございました。これはキヤノン電子を初めとする御指摘の4社で構成される新世代小型ロケット開発企画株式会社というところからでありまして、これは47都道府県全部に対して出されたものでございます。
 この文書は、事業化に最適なロケット打ち上げ射場の候補地について調査を行っておるので、当該適地に係る情報を各都道府県から収集したいんだというものでございました。また、その求める最適な立地条件は、射点を起点として半径1キロメートル圏内が恒常的に無人であり、射場関連施設以外の建物等が存在しないこと、射点から南方に陸地や島嶼が存在しないことなどでありました。県としては、この依頼文書に基づき、ロケット射場誘致に向けて、これまで積極的に情報提供を行ってきたところであります。
 議員御指摘のように、誘致が決定されまして、ロケット射場の建設やロケットの打ち上げが行われるようになると大きな経済効果を生み、射場建設地域に限らず、広く本県の振興につながるものと考えております。
 次に、候補地については、新世代小型ロケット開発企画株式会社に対して適地に関する情報提供を我々が進めていく中で、南方のみならず東方にも陸地や島嶼が存在しないことが重要との条件が新たに示されてきております。これらの立地条件を踏まえると、本州最南端に位置する串本町が地理的に射場の立地に最適であるんではないかなというふうに考えております。
○議長(尾﨑太郎君) 前芝雅嗣君。
  〔前芝雅嗣君、登壇〕
○前芝雅嗣君 今、知事のほうから、誘致について積極的な対応を進められてると聞きました。また、地元串本町が最適な土地だと考えられるということで、大変うれしく感じております。南にも東にも陸地や島がないことが重要という条件を考えますと、日本の中でも条件を満たす場所はかなり絞られてくるんではないかと思いますので、誘致できる可能性も高いのではないかと期待が高まります。
 誘致を実現させるためには、企業への働きかけのほか、候補地と考える串本町とともに連携して取り組むことが重要と考えますが、いかがでしょうか。知事のお考えをお尋ねいたします。
○議長(尾﨑太郎君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 先ほど答弁申し上げましたように、ロケット打ち上げ射場、これは打ち上げに伴い、ハイテク中のハイテクの技術者のグループが何がしか現地に拠点を持って活動するということになりますので、大変な地域おこしの資産にもなりますし、それから、大勢の人が見に来てるなあというのは最近のニュースなんかでも明らかでございますので、これは観光とか、あるいは地元の水産関係のお仕事にもなるというようなことで、地域の仕事とか雇用とかについても大いにプラスだというふうに思っております。
 そういうことでございますので、誘致実現に向けて、引き続き新世代小型ロケット開発企画株式会社の情報収集に積極的に協力するとともに、議員御指摘のように、これは絶対地元にメリットございますんで、候補地と考える串本町と連携し、また御協力をいただきながら、当該誘致が実現するように頑張ってまいる所存でございます。
○議長(尾﨑太郎君) 前芝雅嗣君。
  〔前芝雅嗣君、登壇〕
○前芝雅嗣君 ありがとうございます。ぜひ実現していただければ、紀南地方の活性化は和歌山県の活性化にもつながると思ってますので、ぜひ力を合わせて、串本町とともに誘致が実現できるよう御尽力をお願いいたします。
 続いて、質問をさせていただきます。
 移住施策のこれまでの取り組みと実績についてでございます。
 県全体の人口が減少している状況ですが、とりわけ高齢化が著しい過疎地域においては、その影響は大きいと思います。紀南地域では、古座川町が和歌山県で最も高い51.3%、北山村が2番目の48.1%、すさみ町が45.9%と、5割近い高齢化率となっております。将来の地域の担い手が非常に少ない状況となっています。さらに、地区単位で考えていくと、維持困難な状況というのは間近に迫った課題なのではないでしょうか。
 一方で、総務省が実施した平成28年度における移住相談に関する調査結果を見ますと、全国の都道府県や市町村が受け付けた移住に関する相談は、前年度に比べて約7万1000件ふえて21万3000件となるなど、田舎暮らしに憧れ、移住へ関心を持つ方がふえております。
 これらの過疎地域と田舎で暮らすことを志向する方とをつなぎ、人口減少の歯どめをかける対策の1つとして移住施策があります。非常に重要な施策だと考えています。和歌山県としても力を入れて取り組んできたと思いますが、その取り組みと実績についてお伺いをいたします。
 また、最近の移住者の傾向はどうでしょうか。高齢化が進む中では、地域に若者が移住してくれると地域にも活気が出てくるのではないかと思います。私の知ってる方でも、古座川町に家族で移住して起業し、地域を盛り上げている方がいらっしゃいます。近ごろ若い人たちの移住もふえてるように感じるのですが、移住希望者のうち若年者はどのくらいいるのでしょうか。
 また、若年者を初め現役世代の移住を促進するためには、仕事への支援が重要であると考えます。特に、新しい土地で仕事を始めるというのは経済的にも容易でないと思いますが、仕事への支援策と、それを活用して地域で頑張っておられる方々はどのくらいいるのでしょうか。あわせて企画部長に答弁をお願いいたします。
○議長(尾﨑太郎君) 企画部長髙瀨一郎君。
  〔髙瀨一郎君、登壇〕
○企画部長(髙瀨一郎君) 県では、人口減少による地域の担い手不足への対策として、平成18年度から、移住者を呼び込み、地域の活性化につなげるため、移住推進に取り組んでまいりました。市町村にワンストップパーソンと地域に受け入れ協議会を設置する和歌山モデルの受け入れ体制を整え、都市部での情報発信や移住者の受け入れから定住支援まで精力的に取り組んでいるところです。その結果、平成18年度から本年11月末までの移住実績は、837世帯、1510人となっております。
 最近の傾向といたしましては、移住希望者の若年化が挙げられます。現在までに移住した世帯のうち、40歳未満の世帯主が約45%でありますが、平成28年度については約55%となっております。
 また、現役世代の移住者が求める支援の1つに仕事への支援があり、平成24年度から企業補助金制度により、地域資源を活用して起業する移住者を支援してまいりました。これまでに35名の移住者がこの制度を利用しており、県内各地で持ち前の技術やセンスを生かして、古民家を活用したゲストハウスや飲食店、地域産品の加工販売など、新たに開業し、地域で活躍されております。
 同じく平成24年度から、農林水産業に新たに従事する移住者に対しても農林水産就業補助金制度により支援を行っており、これまでに9名の移住者が利用しております。
 さらに、今年度の新政策として、商店などの地域に必要な個人事業を移住者ならではの視点で付加価値をつけて引き継ぐ継業への支援に取り組んでいるところです。
 県といたしましては、移住相談会や体験会において若い方にも和歌山の魅力をさらに知っていただけるよう工夫を凝らし、移住推進に積極的に取り組んでまいります。
○議長(尾﨑太郎君) 前芝雅嗣君。
  〔前芝雅嗣君、登壇〕
○前芝雅嗣君 どうもありがとうございました。
 大変成功してるんじゃないかなあと思いますし、私もこの間、11月ですか、グランフロント大阪で開催された移住・就職フェアを見に行かせていただいたんですけれど、来てる方は本当に若い方が多くて、その来ている方々に聞くと、やはり結構和歌山はいろんなことで人気がいいですよという、あの人たちはネットでいろいろするんでしょうかね、そのような話を聞かしていただいて、和歌山県は将来有望だなあと、そのように思いました。ぜひ続いて頑張っていただけるように、よろしくお願いをしておきます。
 それでは、続いて、次の質問に行きます。
 観光振興と交流人口についてでございます。
 これまで述べてきたような取り組みにより、和歌山県の定住人口の減少を少しでも食いとめるため、引き続き頑張っていただきたいと思います。しかし、少子高齢化が進む中で、定住人口が増加に転ずることは非常に困難である中では、地域の活力を高めるためには、観光振興等により交流人口をふやしていくことも大切になってくると思います。
 観光については、これまでの取り組みが実ってきて、観光入り込み客総数が史上最高の3487万人になるなど、前年に比べても147万人ふえており、平成23年度の2763万と比べると700万人以上と大幅に増加をしています。さらに、外国人宿泊客数は約50万人と、前年の史上最高を大きく上回っております。実感としても、観光地で外国人を見かけることが多くなってるように感じております。
 また、民間旅行会社のランキングにおいても、さまざまな分野で上位にランクされており、中本議員も取り上げておりました「ロンリープラネット」のお勧めする旅行先としても5位に入るなど、世界的にも非常に高い評価を受けており、今後さらなる観光客の訪問が予想され、交流人口の増加により地域の活性化にも大変期待が持てる、そのように思っております。
 県内には、熊野・高野の世界遺産を初め、紀南地方におきましても、勝浦の温泉、生マグロ、速玉大社、那智の滝、太地の鯨、串本の橋杭岩、一枚岩など、独特の景観を持つ奇岩を初めとした南紀熊野ジオパークの風景や、ラムサール条約に登録された美しい海、清流古座川などのすばらしい自然があります。これらの観光資源を生かしたさまざまな体験メニューもそろっており、多くの方に楽しんでいただける観光地であると自負しているところであります。これらのすばらしい観光地と、それを戦略的に発信するプロモーションが相まって、観光客の増加につながっているのではないかと思います。
 しかし、このような好調な観光客数の増加の割には、観光業界からは、そこまで景気がいいという話は聞かないように思います。また、世界遺産を訪れる外国人、また熊野古道を歩く人たちは、余りお金をかけずに観光を楽しんでいるというような話も聞きます。せっかくこれだけ観光客がふえてるのですから、地域経済の活性化につなげるためにどのような施策を考えておられますか。
 特に紀南地域は、魅力的な観光地に恵まれているだけでなく、地理的に都市部からも離れていることを考えると、紀南地方への誘客を促せば、おのずと宿泊の増加につながるのではないかと考えます。サイクリングでの訪客も含め、紀南への誘客を積極的に進めるべきと考えますが、商工観光労働部長、いかがでしょうか。御答弁をお願いします。
○議長(尾﨑太郎君) 商工観光労働部長。
  〔山西毅治君、登壇〕
○商工観光労働部長(山西毅治君) 現在、たくさんのお客様に世界遺産や有名温泉など、ブランド力の高いところを中心にお越しをいただいている状況ですが、さらに県内周遊を促進することで滞在の延長を図り、消費を促すことが必要であると考えており、さまざまな取り組みを進めております。
 具体的には、「水の国、わかやま。」キャンペーンでは、世界遺産と周辺のエリアを組み合わせることにより新たな周遊ルートを提案するとともに、サイクリング王国わかやまでは、県内全域を網羅する全長800キロを超えるサイクリングロードと、絶景や温泉といった本県の魅力を組み合わせた旅の楽しみ方を国内外に発信しているところです。
 また、現在、神話の時代から近代に至る本県の豊富な歴史・文化ストーリーを発掘し、食や体験などを盛り込んだ「100の旅モデル」を発信するわかやま歴史物語に取り組んでおります。
 特に、議員御指摘の紀南地域の誘客につきましては、清流古座川、サンゴを育む海など、都会にはない水のすばらしさを体験できるカヌーやダイビングといったプレミアムな旅の楽しみ方を発信することで、日帰りを1泊2日に、1泊2日を2泊3日にというように、旅行者の滞在時間の延長を図っているところです。
 また、宿泊施設のリニューアルやおもてなしの充実など、サービスを向上させることにより、宿泊単価を引き上げることも重要であると考えており、県では、第一線で観光客に接する関係者に対して、接遇、施設のインテリアや料理等に関するアドバイザーを派遣するなど、おもてなしの向上にも取り組んでいます。
 今後、さらに旅行客の消費拡大を図り、宿泊事業者、飲食店、語り部を初めとする体験事業者などの観光関係事業者の収入をふやし、持続可能な観光地づくりに取り組んでまいります。
○議長(尾﨑太郎君) 前芝雅嗣君。
  〔前芝雅嗣君、登壇〕
○前芝雅嗣君 ありがとうございました。
 やはり世界でも観光客が一番多いのはフランスだと、でも一番経済効果があるのはアメリカだと。客数も大事ですけど、やはり経済効果を上げていただけるということは非常に大事なことですので、その仕掛けのほうをしっかりとやっていただいて、今やっていただいてるようなので、ぜひ頑張っていただきますようによろしくお願いをしたいと思います。
 続きまして、南紀白浜空港のチャーター便の誘致についてお伺いします。
 外国人観光客ですが、訪日観光客数が過去最高を記録する中、地方空港への国際チャーター便の就航が相次いでおります。中には定期便の就航にまでつながるケースも出てきております。和歌山県にも白浜空港があり、地域活性化のために白浜空港への国際チャーター便誘致、ひいては定期便の就航へとつなげることが非常にインパクトがあるのではないかと考えるところです。
 現在、南紀白浜空港の国際ターミナル化に向けた検討も進んでいるところですが、県内の観光事業者から聞いた話では、具体的な国際チャーター便運航の計画もあると聞いております。ついては、南紀白浜空港へのチャーター便誘致の取り組み状況について、仁坂知事にお伺いをいたします。
○議長(尾﨑太郎君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 海外から地方空港への国際チャーター便就航が相次いでいるところ、南紀白浜空港への国際チャーター便誘致は、南紀白浜空港の利用を促進するとともに、インバウンド観光客を県内に誘致し、観光振興を図るための有効な手段でございます。
 このため、県では、国際インバウンドチャーター便運航事業補助金等の支援制度を拡充するとともに、海外の航空会社や旅行会社へ南紀白浜空港への国際チャーター便を利用したツアー造成を働きかけてまいりました。
 しかしながら、一方で、余りにも関西空港に近いがゆえに関西空港からの陸上移動で十分ではないかというような議論に加えまして、南紀白浜空港自体も専用の国際ターミナルを持っていませんので、これまでチャーター便誘致には苦戦をしてきたところでございます。
 そのような中でも、熱心な県職員みずから現地の航空会社や旅行会社へ赴き、地元関係者とも連携し、誘致を働きかけてきましたところ、それが功を奏して、このたび韓国光州・務安空港から南紀白浜空港へチャーター便が就航することになりました。よくやってくれたと言ってやりたいと思っております。
 今回のチャーター便は、50人乗りの小型機が1月に12往復運航する連続チャーターとなりまして、韓国から約500人程度の来県が見込まれております。
 チャーター便の第1便到着時には、白浜町や地元観光関係団体とともに韓国からのお客様をおもてなしし、将来的な定期便化も視野に入れ、継続的なチャーター便就航につなげていくとともに、これを契機として、韓国以外からの国際チャーター便誘致にも積極的に取り組んでまいりたいと思います。
 また、現在公募中の南紀白浜空港のコンセッションの手続や国際ターミナルの整備ができましたならば、その道に通じた人たちが働きかけを行いやすい環境となるために、国際チャーター便の誘致活動に一層期待ができるというふうに思っております。
○議長(尾﨑太郎君) 前芝雅嗣君。
  〔前芝雅嗣君、登壇〕
○前芝雅嗣君 ありがとうございました。
 これ1回で終わらすことなく、やはり韓国の光州市のほう、和歌山県の民間のインバウンド誘致協議会もそちらのほうとのつながりもありまして、一生懸命取り組みをやってますんで、これを契機に、民間と県とあわせてそういうチャーター便がどんどん来ていただければなあと思いますので、県のほうもこれまで以上の御尽力をお願いしたいと思います。
 では、最後に要望です。
 サイクリング王国の実現についてでございます。
 サイクリング王国の実現についてでは、もうたくさんの方が質問をされておるし、今議会においても長坂議員も御質問されておりましたのでもうそれほど言うこともないんですけれど、また、6月には岩田議員のほうも質問をされておりますので、もう答弁も決まっておりますので要望とさしていただきますが、サイクリストを受け入れていくということに対しまして、サイクルステーションの整備を今回も少し質問のときにさしていただいたりすると、補助金制度はもう今はないと、そういうことで、民間だけに任せて県全体を計画的に整備していくことができるのかなと疑問も感じるところがあります。
 今の状態でいいますと、すさみ町の道の駅から串本町の観光協会までの間にサイクルステーションがないんですよね。すさみから向こうのほうには道の駅とかいろんなとこがあって、そこをステーションにしてますが、そこから串本までの間というのは、なかなか店もないですし、非常に何もない、そういった状態になっておりますので、ぜひきっちりと、ほかのことも考えて、何か建てるなりやっていただきたいなと。
 これまでの観光でも言ってましたけど、やはり1泊多くしようと思うと、サイクリングロードも紀南のほうまでもきっちりと整備しないと宿泊もしていただけないんじゃないんかと。水を差すわけではないんですけど、すさみ町さんも大成功で皆さん喜んでおりますけど、まだまだ経済効果は上がってないですから、宿泊客などの。
 でも、今はサイクリング王国にするために日本中に宣伝として発信してるところですから今でもう十分だろうと思うんですけれど、私たちの町の白浜から串本、勝浦にかけての海岸美というのは、これは日本でも有数なぐらいの美しい景色のところだと自負しております。
 特にまた、今、すさみまでは高速道路があって42号線は交通量も少ないんで、余り気にせずに皆さん気持ちよくサイクリングできると思うんですけど、やはりすさみのあれから串本のほうは高速道路がございませんので、今はまだ少し42号線も交通量の多いような現状もございますが、将来必ず高速道路がつくので、ついてからいろいろするんではなしに、それまでにきちっと整備をして、高速道路が完成したときは、そのときにやはりサイクリング王国だと言われるぐらいの整備を迅速にやっていただきたい。
 いろいろ聞いてるうちに、今までの中でも長坂君の質問の中で、しまなみハイウエーには景色のええとこに休憩所もあると言ってました。やはり42号線、白浜からずっと串本のほうへ来るまでの間で景色のいいとこには休憩所なんかもつくっていただいて、そういうところをきちっと整備をしてほしいなあ。
 いろいろ、まだまだ高速道路ができるまで時間はありますが、もうサイクリング王国わかやまでやるんだとぶち上げた限りは、高速つくまでにやはりやっていただけるぐらいのスピード感でやっていただくことを強く要望して、私の質問を終わらせていただきます。
 御清聴、ありがとうございました。(拍手)
○議長(尾﨑太郎君) 以上で、前芝雅嗣君の質問が終了いたしました。

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