平成29年12月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(中西峰雄議員の質疑及び一般質問)


平成29年12月 和歌山県議会定例会会議録

第5号(中西峰雄議員の質疑及び一般質問)


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  午前10時0分開議
○議長(尾﨑太郎君) これより本日の会議を開きます。
 日程第1、議案第168号から議案第194号まで、並びに知事専決処分報告報第6号を一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第2、一般質問を行います。
 1番中西峰雄君。
  〔中西峰雄君、登壇〕(拍手)
○中西峰雄君 おはようございます。ただいま議長のお許しを得ましたので、本日は一般質問の最終日でございますけども、朝一ということでよろしくお願いいたします。
 私の質問は、まず最初に治水対策についてということでさせていただきます。
 その1としまして、本川と支川の治水について。
 ことし、10月21日から22日にかけて本県を襲いました21号台風は、県内各所で大きな被害をもたらしました。紀の川流域の橋本市でも、床上浸水だけでおよそ100件の被害を受けております。そこで、治水対策についてお尋ねいたしたいと思います。
 平成23年の台風12号による本県での甚大な被害、そして今回の被害に見るように、近年、ゲリラ豪雨等の集中豪雨、線状降水帯の発生頻度の増加等、雨の降り方が変わったと言われております。そんな中、従来にも増して治水対策に意を配る必要が生じているものと考えております。
 今回の紀の川流域での水害は、本川決壊によるものではなく、流域の降雨により紀の川の水位が上がったために支川の樋門を閉じたことによる内水による水害であります。水門を閉めなければならないほど紀の川の水位が上がらなければ、起こらなかった水害と言えます。
 そこで、まずは、本川の流下能力を向上させることが必要であります。現在、国交省におきまして、紀の川整備計画で順次下流から整備をしていただいておりますけれども、これによって流下能力は格段に向上することが期待されております。しかしながら、整備には多額の事業費が必要ということもあり、かなりの期間が必要です。このことはいたし方ないところかと思います。
 被害に遭われた方々は、早期の対策を期待されております。河床を下げる堆積土砂の撤去も必要ですが、私は今回、河道内に繁茂する竹木の除去が最も手っ取り早く流下能力を改善することができるということで、これをお願いしたいと思っております。
 従来からも要望してきたところではありますけれども、常に予算がないということで、なかなかやっていただけておりません。この水害を受けて、せめてそれぐらいのことはすぐにでも実施していただきたいと思っております。
 県として、整備計画での事業とは別に、国交省のまずは河川管理費をふやしていただくこと、そして、竹木を早期に除去することを強く働きかけていただきたいと思います。答弁をお願いいたします。
 また、本川は国交省の所管、支川の一定区間は県の所管、内水については市町の所管というのが基本姿勢かと思いますけれども、被害を受けた方の中には、県管理区間の水を本川に排出するようにする責任があるのではないかと、こういうふうにおっしゃる方もいらっしゃいます。国、県、市町が、どこでもいいからちゃんとしてくださいよというのが住民の願いなんですね。
 だから、私が1つ思いますのは、この国・県・市町3者が一緒になって、再びこのようなことが起こらないようにしてほしいというのが住民の願いなんです。だから、この声に応えるためにも、国・県・市町3者による内水による水害対策を検討する組織をつくっていただきたいというふうに思います。
 次に、内水被害を防ぐためには、水門を閉めて行き場のなくなった内水を本川に放流するしかありません。そのためのゲートポンプの設置を国交省に強く求めていただきたいし、市町がポンプ車や排水ポンプを設置するときの国の支援を得る努力や県の支援をお願いしたいと思います。答弁のほう、よろしくお願いいたします。
○議長(尾﨑太郎君) ただいまの中西峰雄君の質問に対する答弁を求めます。
 県土整備部長森戸義貴君。
  〔森戸義貴君、登壇〕
○県土整備部長(森戸義貴君) 河川の流下能力向上のための樹木伐採の促進、並びに国・県・市が連携した対策の検討・推進、さらに、市町が実施する内水対策への支援、こういったことについて御質問を頂戴いたしました。
 本年10月の台風21号に伴います豪雨により、紀の川沿川地域においては、橋本市の学文路地区を初め、多くの地区で浸水被害が発生をいたしました。これらの浸水被害については、紀の川本川の水位が長時間にわたり高い状態が継続する中、例えばかつらぎ雨量観測所では、観測史上最大となる日雨量219ミリを記録するなど、沿川地域において、近年、類を見ない大雨となり、内水の排水が困難となったことが主な原因と考えてございます。
 この内水被害の軽減につきましては、国が紀の川本川の対策として平成24年に策定した河川整備計画に基づき、狭窄部対策や河道掘削などにより、戦後最大規模の出水に対し、これを安全に流下させることができるよう整備を行うこととなっておりますことは、議員から先ほど御指摘のあったとおりでございます。この整備を完了することで紀の川本川の水位の低下が見込まれることから、内水被害の軽減が期待されているところでございます。
 一方、国による紀の川本川の河川整備は、狭窄部対策が下流から順次進められるなど、時間も要しますことから、その間、各種整備により確保した流下断面をしっかり維持するためのしゅんせつ等の維持管理を国が行うほか、国・県・市町においても排水ポンプ車を配備するなど、さまざまな手段を用いた内水被害の軽減に努めているところでございます。
 今後とも、内水被害の軽減に向けて、国、県、市町がさまざまな機会において連携して取り組んでまいりたいと考えてございます。
 また、流下断面の確保や支川排水の円滑化に資する河道内樹木の伐採、円滑な流下を阻害する堆積土砂の撤去を国に強く働きかけてまいりたいとも考えてございます。
 あわせて、関係者による排水対策の検討の結果を踏まえ、必要に応じてその支援を国に働きかけるとともに、市町に対して所要の助言や支援を行ってまいりたいとも考えてございます。
 以上でございます。
○議長(尾﨑太郎君) 中西峰雄君。
  〔中西峰雄君、登壇〕
○中西峰雄君 基本的には、やはり紀の川本川の整備をできるだけ早く進めるということが一番大事だと思います。ですけれども、今の雨の降り方を見ますと、やはり幾ら本川を整備しても、水門を閉めなければならないほど水位が上がるということもまた起こり得るということを十分に考えなければならないだろうと思っております。
 そこで、水門を閉めれば今回のように内水被害というのが起こるわけでして、これは市町だけでは本当に、先ほど申し上げましたように、国も県も市町も一緒になって、水門を閉めて内水がたまっていくその内水を何とかする方策についても、これはもう箇所は大体決まってますから、そういう協議をしっかりと進めていただきたいなというふうに要望させていただきます。
 それでは、次に行かしていただきます。
 2番も治水についてなんですけども、2番はため池についてお尋ねいたします。
 池の老朽化、それから、先ほど申し上げましたように雨の降り方の変化等から、池の決壊による災害の発生も懸念されています。ことし起こりました日田地方の水害でも、池の決壊というのが大きな被害をもたらしております。そんなことから考えましても、池対策というのも本当に大事にせないかんなあというふうに思っております。
 本県では、平成24年度末にため池整備加速化計画を作成して、平成38年度までに、県内のため池全部で5545カ所のうち受益面積と貯水量の大きい池、すなわち面積が5ヘクタール以上、貯水量1000立方メートル以上の池772カ所のうち、全部じゃなくて、まず233カ所について県営で順次整備を進めていくということにしております。現在の事業の進捗状況は、完了が36カ所、着手が65カ所となっています。
 この事業は、全面改修の場合は国費55%、県費35%ですが、防災対策としての部分改修の場合は、県が5%上乗せして、つまり県が独自に政策として5%上乗せして県費40%でしていただいているとお聞きしております。残りは市町村と受益者──ほとんどは水利組合ですけども──の負担となっております。この事業費は、平成29年度で約10億円とのことですから、県費として3億5000万円から4億円ぐらいかなというふうに思います。
 大変ありがたい話なんですけども、ため池の整備は、最近、本当に広く認識されるようになったせいかと思いますけども、最近では各地から事業採択要望が多く寄せられるようになりまして、今の事業費では要望に応えることができずに、ちょっと順番待ちになっているというふうにお聞きしております。大きな被害が懸念されます池は、できるだけ早期に整備することが望ましいことは言うまでもありません。
 1つお尋ねしますが、今の予算と体制で、計画が、つまり38年度までですから、あと8年か9年までに今の計画が達成できるのかどうかということをお尋ねいたします。ちょっと、今、採択要望が多く寄せられているということから言うと、やはり予算を増額する必要があるんじゃないかと、増額すべきじゃないかというふうに考えますので、いかがでございましょうか。
 もう1点は、池を改修して、従前の最大流入量を超える池の流入に対しましても、池は持ちこたえることができるようになるわけですが、そのような場合には、当然流出量もふえるわけです。今までの流入量よりもふえても大丈夫だけども、当然ふえた分、今までよりもたくさん出ていくことになります。そのときに、水路の流下能力を超える事態が予想されます。したがいまして、水路もそれに耐えるように改修しなければ、水路からあふれて水害になるんじゃないかなという懸念もあります。ですから、水路改修も一体的に考えてすべきじゃないかなあというふうに思っております。御答弁をお願いいたします。
○議長(尾﨑太郎君) 農林水産部長原 康雄君。
  〔原 康雄君、登壇〕
○農林水産部長(原 康雄君) ため池改修加速化計画の達成見込みについてですが、議員御指摘のとおり、今後、新規採択要望の増加が見込まれることや、過年度の国庫補助金の割り当て不足等の影響から、平成38年度計画完了に支障が生じている状況にあります。そのため、国当初予算確保のための要望活動を継続的に行っております。
 また、このたびの台風21号災害に関連し、知事から関係国会議員や農林水産省に対し、補正予算の確保要望を行ったところでございます。
 引き続き、円滑な事業執行のため、予算の確保に努めてまいります。
 次に、議員御指摘のため池改修に伴う下流水路への影響についてでございますが、ため池改修では、洪水吐を200年に一度と想定される降雨に対しても、ため池堤体を越流することなく、洪水吐を通じ流下させることを目的に改修をしております。
 洪水吐を改修いたしましても、ため池への流入量に変化がなければ、流出量に大きな変化がないと考えております。しかしながら、より安全を確保する観点から、事業実施時には洪水吐改修に伴う下流水路への影響を検証し、下流水路管理者や地元住民の合意を得た上でため池改修を進めてまいります。
○議長(尾﨑太郎君) 中西峰雄君。
  〔中西峰雄君、登壇〕
○中西峰雄君 ありがとうございます。
 下流水路の件でちょっとお願いしたいと思うことがあります。それは何かといいますと、池の改修は池の事業でやっていただくんですけども、水路となりますと、これは河川の担当ということになりまして、池の事業で河川もというわけにはいきませんよと、農林のほうでは今おっしゃる。河川のほうは河川のほうで、原因が池なら池でというようなこともちょこっと言われたりとか、ちょっと地元のほうとしては、どっちどっちと言うとらんと一体的にやっぱり考えてほしいよというのが要望ですんで、そこ、連携よくしてやっていただきたいなと思いますんで、よろしくお願いいたします。
 次に移らせていただきます。
 次は、住民が安心できる産廃行政についてということでさしていただきます。
 橋本市では、皆さん御存じかと思いますけども、昔、菖蒲谷という地区がありまして、日本工業所の産廃問題というのがありました。これは本当に県のおかげで、ジオメルト工法という多額の費用のかかる方法で適切に処理していただきまして本当にありがたかったんですけども、そういうことがありました。それから、金剛環境というところの産廃の問題もあります。ここは、結局、適正な処理を―とめることができずに不適正な処理をされたごみがそのまま埋まった状態になっております。
 そういうことがありましたもんですから、橋本市の住民の間には、やっぱりこの産廃処理施設に対する不信感とか不安感というのが強くあります。それは業者に対してだけではなく、そういう不適正処理を長期にわたって是正させることができなかった県行政に対しての不信でもあります。
 そこで、お尋ねいたします。
 県の担当の方は、今はああいう事態は起こらない、生じないというふうにおっしゃるんですけれども、当時、なぜそういう不適正処理を防げなかったのか。今はどういうふうに違うんかということをお尋ねしたいと思います。
 住民の不信感、不安感をなくして、産廃処理施設についての安心感を持っていただける産廃行政というのが必要と考えております。産廃処理が適正に行われていることを十分に住民に納得していただくために、県の立入調査が常に昼夜を問わず頻繁に行われていること、それが住民に十分に認知されることが必要かと考えます。そのためには、もっと体制を充実させる必要があると考えますが、いかがでございましょうか。
○議長(尾﨑太郎君) 環境生活部長山田成紀君。
  〔山田成紀君、登壇〕
○環境生活部長(山田成紀君) 議員御指摘の不適正処理を防げなかったことにつきましては、発生当時の廃棄物処理法では、3000平方メートル未満の安定型の最終処分場であれば許可なく廃棄物の埋め立てができたこと、野焼きについても禁止事項ではなかったこと、さらに、土砂と廃棄物がまじっていた場合でも、廃棄物かどうかの疑いがあるだけでは立入検査ができなかったことや罰則が緩く強制力を欠いていたことが主な要因です。
 その後、数次の法改正が行われ、全ての最終処分場の設置が許可制となったこと、事業場に対する立入検査の権限が強化されたこと、罰則が厳罰化されたことなどから、現在では不適正処理に対する未然防止や行政処分等が的確に行えるようになっております。
 次に、監視体制の強化につきましては、県では、産業廃棄物処理施設を持つ全事業者に対する計画的な立入検査と抜き打ちの立入検査により搬入物や処理状況の確認を行うほか、委託業者の昼夜のパトロールによる監視も行っております。特に、最終処分場については、毎月、排出水を分析し、適正に処理が行われているかどうかの確認を行っております。
 また、平成22年の法改正により、最終処分業者等が産業廃棄物の処理状況や水質検査結果など、産業廃棄物処理施設の維持管理状況をホームページや帳簿により公開することが義務づけられ、誰でも処理状況等をごらんいただけるようになっております。
 今後、抜き打ちの立入検査の割合を増すとともに、関係機関との連携により監視強化を図り、住民の方々と情報を共有しながら安心感の醸成に努めてまいります。
○議長(尾﨑太郎君) 中西峰雄君。
  〔中西峰雄君、登壇〕
○中西峰雄君 よくわかりましたけども、ありがとうございます。
 県がしっかりと産廃行政をやっていただけてると思いますけれども、問題はそれが住民さんに理解されていないというところがあるんかなあと思いますんで、業者さんに対する指導だけでなくて、住民さんもやっぱりちゃんとやってるなというふうにわかるような広報活動というのも、ちょっと力を入れてやっていただきたいなと要望さしていただいて、私の質問を終わります。(拍手)
○議長(尾﨑太郎君) 以上で、中西峰雄君の質問が終了いたしました。

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