平成29年12月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(全文)


平成29年12月 和歌山県議会定例会会議録

第5号(全文)


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平成29年12月
和歌山県議会定例会会議録
第5号
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議事日程 第5号
 平成29年12月13日(水曜日)
 午前10時開議
 第1 議案第168号から議案第194号まで並びに報第6号(質疑)
 第2 一般質問
 第3 議案等の付託
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会議に付した事件
 第1 議案第168号から議案第194号まで並びに報第6号(質疑)
 第2 一般質問
 第3 議案等の付託
 第4 休会決定の件
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出席議員(41人)
 1番 中西峰雄
 2番 秋月史成
 3番 立谷誠一
 4番 泉 正徳
 5番 前芝雅嗣
 6番 花田健吉
 7番 井出益弘
 8番 宇治田栄蔵
 9番 川畑哲哉
 10番 玉木久登
 11番 濱口太史
 12番 鈴木太雄
 13番 尾﨑太郎
 14番 藤山将材
 15番 尾崎要二
 16番 中村裕一
 17番 岩田弘彦
 18番 中本浩精
 19番 服部 一
 20番 山本茂博
 21番 冨安民浩
 22番 吉井和視
 23番 堀 龍雄
 24番 中 拓哉
 25番 岸本 健
 26番 森 礼子
 27番 谷 洋一
 28番 新島 雄
 29番 岩井弘次
 30番 多田純一
 31番 片桐章浩
 32番 藤本眞利子
 33番 浦口高典
 34番 山下直也
 35番 山田正彦
 36番 菅原博之
 37番 谷口和樹
 38番 奥村規子
 39番 雑賀光夫
 41番 坂本 登
 42番 長坂隆司
欠席議員(なし)
〔備考〕
 40番 欠員
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説明のため出席した者
 知事         仁坂吉伸
 副知事        下 宏
 知事室長       宮﨑 泉
 危機管理監      藤川 崇
 総務部長       浦上哲朗
 企画部長       髙瀨一郎
 環境生活部長     山田成紀
 福祉保健部長     山本等士
 商工観光労働部長   山西毅治
 農林水産部長     原 康雄
 県土整備部長     森戸義貴
 会計管理者      野田孝雄
 教育長        宮下和己
 公安委員会委員    中野幸生
 警察本部長      宮沢忠孝
 人事委員会委員長   平田健正
 代表監査委員     江川和明
 選挙管理委員会委員長 小濱孝夫
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職務のため出席した事務局職員
 事務局長       田村公一
 議事課長       松山 博
 議事課副課長     武田 稔
 議事課議事班長    岩谷隆哉
 議事課主任      保田良春
 議事課主任      岸裏真延
 議事課主事      大森圭悟
 総務課長       糸川 徹
 政策調査課長     中平 博
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  午前10時0分開議
○議長(尾﨑太郎君) これより本日の会議を開きます。
 日程第1、議案第168号から議案第194号まで、並びに知事専決処分報告報第6号を一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第2、一般質問を行います。
 1番中西峰雄君。
  〔中西峰雄君、登壇〕(拍手)
○中西峰雄君 おはようございます。ただいま議長のお許しを得ましたので、本日は一般質問の最終日でございますけども、朝一ということでよろしくお願いいたします。
 私の質問は、まず最初に治水対策についてということでさせていただきます。
 その1としまして、本川と支川の治水について。
 ことし、10月21日から22日にかけて本県を襲いました21号台風は、県内各所で大きな被害をもたらしました。紀の川流域の橋本市でも、床上浸水だけでおよそ100件の被害を受けております。そこで、治水対策についてお尋ねいたしたいと思います。
 平成23年の台風12号による本県での甚大な被害、そして今回の被害に見るように、近年、ゲリラ豪雨等の集中豪雨、線状降水帯の発生頻度の増加等、雨の降り方が変わったと言われております。そんな中、従来にも増して治水対策に意を配る必要が生じているものと考えております。
 今回の紀の川流域での水害は、本川決壊によるものではなく、流域の降雨により紀の川の水位が上がったために支川の樋門を閉じたことによる内水による水害であります。水門を閉めなければならないほど紀の川の水位が上がらなければ、起こらなかった水害と言えます。
 そこで、まずは、本川の流下能力を向上させることが必要であります。現在、国交省におきまして、紀の川整備計画で順次下流から整備をしていただいておりますけれども、これによって流下能力は格段に向上することが期待されております。しかしながら、整備には多額の事業費が必要ということもあり、かなりの期間が必要です。このことはいたし方ないところかと思います。
 被害に遭われた方々は、早期の対策を期待されております。河床を下げる堆積土砂の撤去も必要ですが、私は今回、河道内に繁茂する竹木の除去が最も手っ取り早く流下能力を改善することができるということで、これをお願いしたいと思っております。
 従来からも要望してきたところではありますけれども、常に予算がないということで、なかなかやっていただけておりません。この水害を受けて、せめてそれぐらいのことはすぐにでも実施していただきたいと思っております。
 県として、整備計画での事業とは別に、国交省のまずは河川管理費をふやしていただくこと、そして、竹木を早期に除去することを強く働きかけていただきたいと思います。答弁をお願いいたします。
 また、本川は国交省の所管、支川の一定区間は県の所管、内水については市町の所管というのが基本姿勢かと思いますけれども、被害を受けた方の中には、県管理区間の水を本川に排出するようにする責任があるのではないかと、こういうふうにおっしゃる方もいらっしゃいます。国、県、市町が、どこでもいいからちゃんとしてくださいよというのが住民の願いなんですね。
 だから、私が1つ思いますのは、この国・県・市町3者が一緒になって、再びこのようなことが起こらないようにしてほしいというのが住民の願いなんです。だから、この声に応えるためにも、国・県・市町3者による内水による水害対策を検討する組織をつくっていただきたいというふうに思います。
 次に、内水被害を防ぐためには、水門を閉めて行き場のなくなった内水を本川に放流するしかありません。そのためのゲートポンプの設置を国交省に強く求めていただきたいし、市町がポンプ車や排水ポンプを設置するときの国の支援を得る努力や県の支援をお願いしたいと思います。答弁のほう、よろしくお願いいたします。
○議長(尾﨑太郎君) ただいまの中西峰雄君の質問に対する答弁を求めます。
 県土整備部長森戸義貴君。
  〔森戸義貴君、登壇〕
○県土整備部長(森戸義貴君) 河川の流下能力向上のための樹木伐採の促進、並びに国・県・市が連携した対策の検討・推進、さらに、市町が実施する内水対策への支援、こういったことについて御質問を頂戴いたしました。
 本年10月の台風21号に伴います豪雨により、紀の川沿川地域においては、橋本市の学文路地区を初め、多くの地区で浸水被害が発生をいたしました。これらの浸水被害については、紀の川本川の水位が長時間にわたり高い状態が継続する中、例えばかつらぎ雨量観測所では、観測史上最大となる日雨量219ミリを記録するなど、沿川地域において、近年、類を見ない大雨となり、内水の排水が困難となったことが主な原因と考えてございます。
 この内水被害の軽減につきましては、国が紀の川本川の対策として平成24年に策定した河川整備計画に基づき、狭窄部対策や河道掘削などにより、戦後最大規模の出水に対し、これを安全に流下させることができるよう整備を行うこととなっておりますことは、議員から先ほど御指摘のあったとおりでございます。この整備を完了することで紀の川本川の水位の低下が見込まれることから、内水被害の軽減が期待されているところでございます。
 一方、国による紀の川本川の河川整備は、狭窄部対策が下流から順次進められるなど、時間も要しますことから、その間、各種整備により確保した流下断面をしっかり維持するためのしゅんせつ等の維持管理を国が行うほか、国・県・市町においても排水ポンプ車を配備するなど、さまざまな手段を用いた内水被害の軽減に努めているところでございます。
 今後とも、内水被害の軽減に向けて、国、県、市町がさまざまな機会において連携して取り組んでまいりたいと考えてございます。
 また、流下断面の確保や支川排水の円滑化に資する河道内樹木の伐採、円滑な流下を阻害する堆積土砂の撤去を国に強く働きかけてまいりたいとも考えてございます。
 あわせて、関係者による排水対策の検討の結果を踏まえ、必要に応じてその支援を国に働きかけるとともに、市町に対して所要の助言や支援を行ってまいりたいとも考えてございます。
 以上でございます。
○議長(尾﨑太郎君) 中西峰雄君。
  〔中西峰雄君、登壇〕
○中西峰雄君 基本的には、やはり紀の川本川の整備をできるだけ早く進めるということが一番大事だと思います。ですけれども、今の雨の降り方を見ますと、やはり幾ら本川を整備しても、水門を閉めなければならないほど水位が上がるということもまた起こり得るということを十分に考えなければならないだろうと思っております。
 そこで、水門を閉めれば今回のように内水被害というのが起こるわけでして、これは市町だけでは本当に、先ほど申し上げましたように、国も県も市町も一緒になって、水門を閉めて内水がたまっていくその内水を何とかする方策についても、これはもう箇所は大体決まってますから、そういう協議をしっかりと進めていただきたいなというふうに要望させていただきます。
 それでは、次に行かしていただきます。
 2番も治水についてなんですけども、2番はため池についてお尋ねいたします。
 池の老朽化、それから、先ほど申し上げましたように雨の降り方の変化等から、池の決壊による災害の発生も懸念されています。ことし起こりました日田地方の水害でも、池の決壊というのが大きな被害をもたらしております。そんなことから考えましても、池対策というのも本当に大事にせないかんなあというふうに思っております。
 本県では、平成24年度末にため池整備加速化計画を作成して、平成38年度までに、県内のため池全部で5545カ所のうち受益面積と貯水量の大きい池、すなわち面積が5ヘクタール以上、貯水量1000立方メートル以上の池772カ所のうち、全部じゃなくて、まず233カ所について県営で順次整備を進めていくということにしております。現在の事業の進捗状況は、完了が36カ所、着手が65カ所となっています。
 この事業は、全面改修の場合は国費55%、県費35%ですが、防災対策としての部分改修の場合は、県が5%上乗せして、つまり県が独自に政策として5%上乗せして県費40%でしていただいているとお聞きしております。残りは市町村と受益者──ほとんどは水利組合ですけども──の負担となっております。この事業費は、平成29年度で約10億円とのことですから、県費として3億5000万円から4億円ぐらいかなというふうに思います。
 大変ありがたい話なんですけども、ため池の整備は、最近、本当に広く認識されるようになったせいかと思いますけども、最近では各地から事業採択要望が多く寄せられるようになりまして、今の事業費では要望に応えることができずに、ちょっと順番待ちになっているというふうにお聞きしております。大きな被害が懸念されます池は、できるだけ早期に整備することが望ましいことは言うまでもありません。
 1つお尋ねしますが、今の予算と体制で、計画が、つまり38年度までですから、あと8年か9年までに今の計画が達成できるのかどうかということをお尋ねいたします。ちょっと、今、採択要望が多く寄せられているということから言うと、やはり予算を増額する必要があるんじゃないかと、増額すべきじゃないかというふうに考えますので、いかがでございましょうか。
 もう1点は、池を改修して、従前の最大流入量を超える池の流入に対しましても、池は持ちこたえることができるようになるわけですが、そのような場合には、当然流出量もふえるわけです。今までの流入量よりもふえても大丈夫だけども、当然ふえた分、今までよりもたくさん出ていくことになります。そのときに、水路の流下能力を超える事態が予想されます。したがいまして、水路もそれに耐えるように改修しなければ、水路からあふれて水害になるんじゃないかなという懸念もあります。ですから、水路改修も一体的に考えてすべきじゃないかなあというふうに思っております。御答弁をお願いいたします。
○議長(尾﨑太郎君) 農林水産部長原 康雄君。
  〔原 康雄君、登壇〕
○農林水産部長(原 康雄君) ため池改修加速化計画の達成見込みについてですが、議員御指摘のとおり、今後、新規採択要望の増加が見込まれることや、過年度の国庫補助金の割り当て不足等の影響から、平成38年度計画完了に支障が生じている状況にあります。そのため、国当初予算確保のための要望活動を継続的に行っております。
 また、このたびの台風21号災害に関連し、知事から関係国会議員や農林水産省に対し、補正予算の確保要望を行ったところでございます。
 引き続き、円滑な事業執行のため、予算の確保に努めてまいります。
 次に、議員御指摘のため池改修に伴う下流水路への影響についてでございますが、ため池改修では、洪水吐を200年に一度と想定される降雨に対しても、ため池堤体を越流することなく、洪水吐を通じ流下させることを目的に改修をしております。
 洪水吐を改修いたしましても、ため池への流入量に変化がなければ、流出量に大きな変化がないと考えております。しかしながら、より安全を確保する観点から、事業実施時には洪水吐改修に伴う下流水路への影響を検証し、下流水路管理者や地元住民の合意を得た上でため池改修を進めてまいります。
○議長(尾﨑太郎君) 中西峰雄君。
  〔中西峰雄君、登壇〕
○中西峰雄君 ありがとうございます。
 下流水路の件でちょっとお願いしたいと思うことがあります。それは何かといいますと、池の改修は池の事業でやっていただくんですけども、水路となりますと、これは河川の担当ということになりまして、池の事業で河川もというわけにはいきませんよと、農林のほうでは今おっしゃる。河川のほうは河川のほうで、原因が池なら池でというようなこともちょこっと言われたりとか、ちょっと地元のほうとしては、どっちどっちと言うとらんと一体的にやっぱり考えてほしいよというのが要望ですんで、そこ、連携よくしてやっていただきたいなと思いますんで、よろしくお願いいたします。
 次に移らせていただきます。
 次は、住民が安心できる産廃行政についてということでさしていただきます。
 橋本市では、皆さん御存じかと思いますけども、昔、菖蒲谷という地区がありまして、日本工業所の産廃問題というのがありました。これは本当に県のおかげで、ジオメルト工法という多額の費用のかかる方法で適切に処理していただきまして本当にありがたかったんですけども、そういうことがありました。それから、金剛環境というところの産廃の問題もあります。ここは、結局、適正な処理を―とめることができずに不適正な処理をされたごみがそのまま埋まった状態になっております。
 そういうことがありましたもんですから、橋本市の住民の間には、やっぱりこの産廃処理施設に対する不信感とか不安感というのが強くあります。それは業者に対してだけではなく、そういう不適正処理を長期にわたって是正させることができなかった県行政に対しての不信でもあります。
 そこで、お尋ねいたします。
 県の担当の方は、今はああいう事態は起こらない、生じないというふうにおっしゃるんですけれども、当時、なぜそういう不適正処理を防げなかったのか。今はどういうふうに違うんかということをお尋ねしたいと思います。
 住民の不信感、不安感をなくして、産廃処理施設についての安心感を持っていただける産廃行政というのが必要と考えております。産廃処理が適正に行われていることを十分に住民に納得していただくために、県の立入調査が常に昼夜を問わず頻繁に行われていること、それが住民に十分に認知されることが必要かと考えます。そのためには、もっと体制を充実させる必要があると考えますが、いかがでございましょうか。
○議長(尾﨑太郎君) 環境生活部長山田成紀君。
  〔山田成紀君、登壇〕
○環境生活部長(山田成紀君) 議員御指摘の不適正処理を防げなかったことにつきましては、発生当時の廃棄物処理法では、3000平方メートル未満の安定型の最終処分場であれば許可なく廃棄物の埋め立てができたこと、野焼きについても禁止事項ではなかったこと、さらに、土砂と廃棄物がまじっていた場合でも、廃棄物かどうかの疑いがあるだけでは立入検査ができなかったことや罰則が緩く強制力を欠いていたことが主な要因です。
 その後、数次の法改正が行われ、全ての最終処分場の設置が許可制となったこと、事業場に対する立入検査の権限が強化されたこと、罰則が厳罰化されたことなどから、現在では不適正処理に対する未然防止や行政処分等が的確に行えるようになっております。
 次に、監視体制の強化につきましては、県では、産業廃棄物処理施設を持つ全事業者に対する計画的な立入検査と抜き打ちの立入検査により搬入物や処理状況の確認を行うほか、委託業者の昼夜のパトロールによる監視も行っております。特に、最終処分場については、毎月、排出水を分析し、適正に処理が行われているかどうかの確認を行っております。
 また、平成22年の法改正により、最終処分業者等が産業廃棄物の処理状況や水質検査結果など、産業廃棄物処理施設の維持管理状況をホームページや帳簿により公開することが義務づけられ、誰でも処理状況等をごらんいただけるようになっております。
 今後、抜き打ちの立入検査の割合を増すとともに、関係機関との連携により監視強化を図り、住民の方々と情報を共有しながら安心感の醸成に努めてまいります。
○議長(尾﨑太郎君) 中西峰雄君。
  〔中西峰雄君、登壇〕
○中西峰雄君 よくわかりましたけども、ありがとうございます。
 県がしっかりと産廃行政をやっていただけてると思いますけれども、問題はそれが住民さんに理解されていないというところがあるんかなあと思いますんで、業者さんに対する指導だけでなくて、住民さんもやっぱりちゃんとやってるなというふうにわかるような広報活動というのも、ちょっと力を入れてやっていただきたいなと要望さしていただいて、私の質問を終わります。(拍手)
○議長(尾﨑太郎君) 以上で、中西峰雄君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 9番川畑哲哉君。
  〔川畑哲哉君、登壇〕(拍手)
○川畑哲哉君 皆さん、おはようございます。議長よりお許しをいただきましたので、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。
 まずは、ブラジル・アルゼンチン県人会訪問の御報告からさせていただきます。
 ことし10月27日より11月3日まで、尾﨑太郎議長を筆頭に、和歌山県議会南北アメリカ諸国友好議員連盟会長代理の泉正徳議員、藤本眞利子議員、堀龍雄議員、中西峰雄議員、岩井弘次議員、秋月史成議員、玉木久登議員、そして私の議員9名は、仁坂吉伸知事とともに、ブラジル及びアルゼンチンを訪問してまいりました。
 まずは、10月29日午前9時より、サンパウロ州議会議事堂内にあるフランコ・モントロ講堂にて営まれました和歌山県人開拓先没者追悼法要に参列いたしました。
 そして、午前10時30分より、同じくサンパウロ州議会議事堂内にあるジュセリーノ・クビチェック大講堂にて、盛大かつ格調高く開催されました和歌山県人ブラジル移住100周年記念式典に出席いたしました。
 県出身者など約500名が出席した式典では、日本・ブラジル両国歌斉唱や来賓祝辞などの後、知事及び議長から100歳長寿者などに対する表彰を行うとともに、ブラジル和歌山県人会に対する激励金の贈呈や記念品の交換を行いました。また、ブラジル連邦議会からは、知事及び議長に対して功労賞が贈られました。さらに、出席者全員で和歌山県民歌を合唱し、畑美琴峰先生たちによる大正琴の祝賀演奏を経て、式典は閉会しました。
 本式典の発議者であり、県出身者を母に持つ羽藤ジョージ・サンパウロ州議会副議長の御子息、羽藤ジェオルジェ・サンパウロ市議会議員が、祝辞の際にタブレットを読み上げられている姿も印象的でございました。
 式典に引き続き開催されました祝賀会では、ケーキカットや鏡開き、大正琴の演奏が行われ、記念式典とは打って変わって非常に和やかな雰囲気の中、県出身者との交流が会場の至るところで行われ、両国友好のきずなを一層深めることができました。そして、祝辞や会話の中で、この100年の間に、郷土の先人たちがブラジル社会の中でいかに過酷な環境や熾烈な社会変動の中で歯を食いしばって御奮闘され、今日のブラジル発展に御尽力をされているか、また結果、いかにブラジル社会において信頼をされているかということが語られました。改めて、偉大なる先人の方々の御労苦と御努力に敬意を表し、思いをはせる意義深い機会となりました。
 祝賀会の後は、サンパウロ州議会議事堂近くのイビラプエラ公園内にある開拓先没者慰霊碑を参拝いたしました。この慰霊碑は、ブラジル各地で志半ばに亡くなられた日本人移民の霊を祭るために建立されたもので、過去には天皇皇后両陛下や要人が参拝されるなど、日本からの公式訪問の際には欠かせない場所になっています。先没者とは先に没した者と書かれ、この呼称については県人会で御配慮されたとのことです。日本移民の心のよりどころとも言うべき慰霊碑を参拝し、開拓先没者に哀悼の意をささげました。
 その日の夕刻は、外務省がことし5月に設置したジャパン・ハウスを訪問いたしました。こちらでは、日本に関するさまざまな情報がまとめて入手できるワンストップサービスを提供しています。入場は無料で、カフェ・レストランやショップなども設置され、オープン後わずか33日で予想年間来館者数の10万人を突破し、約3カ月で26万人が来館したモンスター施設です。ギレルモ・ムロ事務局次長に御案内いただき、和歌山県産品などが展示されている館内を視察いたしました。
 ショップでは、日本酒がよく売れると話されているスタッフさんの笑顔が印象的でした。特に、アルコール類の輸入税は高いので、日本で購入するより3倍くらい高い値段にもなるようです。ジャパン・ハウスへの来場者は80%が非日系人とのことからも、ブラジル国内における日本への関心度の高さがうかがえます。
 夜は、知事及び議長主催で、ブラジル和歌山県人会役員約30名との夕食会を開催しました。和やかな雰囲気の中、日本とブラジルの経済、文化や生活習慣の違いを語らいながら交流を図り、親睦を深めました。
 次の日は、午前7時30分にホテルを出発し、一路サントス市へ向かいました。モンテセハーの丘の頂上から日本人移民を乗せた笠戸丸が初めて入港した港や旧市街地など、サントス湾を一望した後、サントス日本人会館を訪問し、橋本マリーゼ会長、大橋会長補佐の御案内で館内を視察いたしました。
 サントス市では、第二次大戦時の1943年7月には、政治警察より24時間以内の強制立ち退きを命じられ、約4000人もの日本人がほとんど着のみ着のままの状態で、サンパウロの移民収容所に収容されました。その際、このサントス日本人会館は敵性資産として政府に接収され、終戦後、日本人会を中心に代議士を輩出したりしながら、長年にわたる必死の返還運動を経て、ようやく2006年に使用権がサントス日本人会に認められた歴史を持つ、日系社会にとってえにしの深い、ゆかりの深い建物です。日本のODAにより改修され、2008年6月の皇太子殿下御来伯時に落成し、2016年に全面返還されたとのことです。
 そして、日本人ブラジル移民(日本移民)上陸記念碑を訪問しました。1908年の笠戸丸による最初の日本人移住を記念し、1998年のブラジル日本移民90周年記念式典の記念事業として落成された石碑です。
 この日のお昼は、本県からの初代移住者・中井繁次郎氏の孫でサントス市議会議員の中井サダオ氏主催昼食会に出席いたしました。アディウソン・サントス市議会議長にも御列席いただきました。会場は、サントス市でも著名な中井氏がオーナーの老舗クラブとのことです。
 夕刻、サンパウロ市へ戻り、野口泰・在サンパウロ日本国総領事と面談いたしました。「欧米人は真っ先に教会をつくるが、日本人はまず学校をつくる。どんなに貧しくても日本人は教育を忘れない」という言葉に感銘を受けました。
 夜は、ブラジル和歌山県人会主催歓送会に出席いたしました。地球の裏側で同じ郷土を持つきずなに何とも言えない懐かしみと親しみを感じ、県人会との交流は大切にしなければいけないとの思いが一層強くなりました。
 また、現地の治安状況から、滞在中は現地警察の皆様に、移動の際には最大15台の白バイと先導車及び最大3台の後続車に警護誘導をしていただきましたことにも厚く御礼を申し上げます。
 日本を出発してから5日目の10月31日は、午前6時30分にホテルを出発し、グアルーリョス国際空港よりアルゼンチン・エセイサ国際空港へ到着いたしました。時差はマイナス12時間です。
 空港より倉庫跡が改装された新市街へ向かい、知事及び議長主催アルゼンチン県人会との意見交換会に出席いたしました。
 夜は、在アルゼンチン和歌山県人会主催の夕食会にお招きいただきました。会場では、知事及び議長より激励金の贈呈や80歳以上の方々に対する高齢者表彰、記念品の贈呈を行いました。
 出席した各議員はテーブルごとに分かれ、それぞれが同席した県人会の皆様と交流し、アルゼンチン料理と日本料理の違いや、それぞれのまちや国の変化についてなどを語り合い、親睦を深めました。また、仕事や将来の夢とか、アルゼンチンでも若者を中心にインスタグラムがはやっているとか、午後10時くらいになると電車が走らなくなるのでバスを多用するとか、車で友人同士が食事に行く際には代行運転というなりわいがないので、それぞれ交代でハンドルキーパーを務めるとか、興味深いお話を聞かせていただきました。一方で、県人会の運営が、今後2世、3世が中心となっていくことへの不安などをお伺いすることもございました。
 次の日は、昨年に続き、在亜日本人会附属日本語教習所として発足し、ことしで創立90周年を迎えられますブエノスアイレス日亜学院を視察いたしました。
 訪問早々、小学生たちの心温まる歓迎のスピーチと、歌「やさしさに包まれたなら」、「鉄腕アトム」でおもてなし精神あふれる出迎えを受けました。
 日亜学院は、日本語、スペイン語、英語による教育を行い、アルゼンチンの文化にはない給食や掃除当番を実施するなど、日本語教育を通じて日本文化が学べる環境となっていて、生徒の70%は非日系人だそうです。2017年度生徒在籍数は、幼稚園175名、小学部335名、中高等部134名と昨年度より増加しています。
 その後、三井デリア教育学院長に御案内いただき、学校内や幼・小・中・高等学校の授業風景を視察いたしました。視察中も、生徒たちから積極的に話しかけられたり、一緒に写真を撮ったりと楽しく交流することができ、日ごろ、いかに生徒たちが学校生活を生き生きと元気に過ごしているかをうかがい知ることができました。
 その後は、ブエノスアイレス市民憩いの場であるブエノスアイレス日本庭園を視察いたしました。ブエノスアイレス日本庭園は、南米において日系団体が管理する日本庭園の中では最大であり、敷地内の文化会館では、生け花などの展覧会や折り紙など、さまざまな催しが開かれていました。庭内のフリーマーケットで松などの盆栽が結構な値段で売られていましたことは、盆栽が趣味の父を持つ私にとりましても有益な情報でございました。また、アルゼンチンにおける日本人会の8割は沖縄県人らしく、日本庭園にもふんだんに沖縄色が見られました。
 そして、最後の日程として、福嶌教輝・在アルゼンチン日本国大使を訪問し、このたびのブラジル・アルゼンチン訪問を終えました。
 ブラジルの面積は日本の22.5倍、851万平方キロメートルで世界第5位、アルゼンチンの面積は日本の7.5倍、278万平方キロメートルで世界第8位、人口は、ブラジルが約2億610万人で世界第5位、アルゼンチンは約4360万人で世界第31位、GDPは、ブラジルが世界第9位で、アルゼンチンは世界第21位、両国のGDPを足すと、世界第7位のインドを超え、フランスに迫ります。両国はG20のメンバーでもあり、中南米ではブラジル、メキシコ、アルゼンチンのみでございます。
 昨年も御報告させていただきましたが、日本の進出企業の数は、ブラジルで700社、メキシコで1000社を超え、アルゼンチンでも増加しています。現地では、日系人が税理士や弁護士として社会的信用を得ていることや所得水準が高いことなどから、今後ますます日本企業が進出していくと考えられます。
 世界の経済としましても、この中南米地域が安定して発展していくことが極めて重要であるということでございます。また、これらの地域では、メイド・イン・ジャパンに高い信頼が寄せられ、日本文化や日本食への関心も高まっています。私は、日本式のコーヒーショップだけではなく、日本式のカレーショップ出店へも確かなニーズの高まりを感じました。
 このたびのブラジル・アルゼンチン訪問の全日程を終え、振り返って思いますことは、ふるさとから遠く離れた異国の地で幾多の困難を乗り越えてこられた方々、またその子弟の方々と大いに交流することができ、移民されたこれまでの御努力、並びに現在、皆様が各界、各分野で御活躍され、各社会になくてはならない地位を確立しておられることに対し、尊敬の念を抱くとともに、不屈の精神と紀州人魂を感じました。
 そして、これまでの県人会訪問はそんな方々への敬意を表す意義が大きかったと認識しておりますが、今後は、県勢発展のためにも非常に意義のある取り組みになってくると感じました。
 ブラジルやアルゼンチンには、壮大な将来性がございます。全国的にはもちろん、本県からも、今後、数多くの事業者や企業がブラジルやアルゼンチンへの進出を目指すことが考えられます。また、働き手不足の著しい我が国において、法務省は、日系4世の若者が日本で就労できる新たな在留制度を導入する方針を固めたとのことですが、導入されれば、本県内でどうしても働き手が見つからない企業にとりましては、雇用獲得への道が開けやすくなることも考えられます。それらの際には、同じ郷土を持ち、現地の社会で高い信頼を得ている方々が多い和歌山県人会がとてつもなく心強い存在となってくるでしょう。それぞれが一生懸命に努力をし、それぞれの職責を果たしていくその積み重ねが、県勢発展に向けて幾つもの道を開くと確信をしております。
 いずれにしましても、脈々と続いてまいりました両県人会とのつながりをより深める工夫や努力をしていくことが重要です。
 既に本県では県人会の子弟を受け入れる取り組みを行っていますが、まだまだ十分とは言えません。限られた予算ではございますが、子弟を受け入れたり、本県の青年を派遣したりして、相互交流を一層促進させる必要があると私は考えております。
 同時に、本県とのつながりを感じにくくなってきている3世や4世の県人に対しては、本県や本県関係者と触れ合う機会をふやし、本県とのつながりが意識されるような県人会員であることの明確なメリットを構築するということも検討していく必要があるでしょう。そして今後は、現地での本県対応のエージェント的な存在も育成し、確保していかなくてはいけないと強く感じました。
 ともかく、谷口ジョゼ眞一郎ブラジル和歌山県人会会長と里信ビビアン在アルゼンチン和歌山県人会会長には、全行程にわたり御一緒していただき、大変お世話になりました。この場をおかりしまして厚く御礼を申し上げます。本当にありがとうございました。
 また、両県人会役員の皆様にも、各地で温かく御案内やおもてなしをいただき、視察に御協力いただきましたことに心から感謝申し上げます。
 ブラジルでお会いしましたメキシコやペルーの県人会の皆様も含め、全ての県人会の今後ますますの御発展と皆様方の御健康、御多幸を祈念いたしますとともに、今後とも、ふるさと和歌山県との友好に引き続き御尽力賜りますようお願い申し上げます。
 私自身、2年連続でアルゼンチンを訪問させていただきました。この御縁と先輩・同僚議員の御配慮に厚く御礼を申し上げます。
 そして、何より、事前の交渉や調査など、大変な御労苦を重ねながら、このたびの訪問の御段取りをいただきました職員の皆様にも心から敬意を表し、感謝を申し上げます。
 この日程の中で、議員同士も党派を超えて交流を深め、大いに施策について議論する機会に恵まれました。私たちは、遠く離れていてもふるさと和歌山を思う県人会の方々のお気持ちに応えるべく、県勢のさらなる発展に尽くしていかなければならないと決意を新たにいたしました。
 以上をもちまして、ブラジル・アルゼンチン県人会訪問の御報告とさせていただきます。
 それでは、次の項目に入らせていただきます。
 皆様、デートカーという言葉を御存じでしょうか。ファッション誌がつくり出した言葉で、デートにふさわしい車という意味だそうです。具体的には、ホンダのプレリュードや日産自動車のシルビアなどでございます。
 このデートカーをツードアクーペで価格が500万円以下の車種と定義しますと、日経BP社の調査では、90年には業界全体で28車種を生産し、国内自動車販売の一角を占めていたものの、2017年には5車種まで減り、昨年の販売台数も約2万6000台まで減少しているとのことです。
 デートカーは、休日などの日中にもドライブデートの際には使われてきたでしょうが、公共交通機関が動かなくなる夜こそ本領を発揮して活躍をしてきました。そのデートカーが衰退著しいということは、夜のドライブデートが行われなくなってきているということだと考えられます。
 今の若者にとって車は、デートのツールでもなければステータスのあかしでもなく、単なる移動手段の1つにすぎないわけでございまして、加えて、夜のデートも行われなくなってきたがために車市場が低迷し、とりわけデートカーの衰退が起こってきたものと推察をしております。
 ただし、デートだけではなく、仕事であれ遊びであれ、純粋に人々が夜、出歩かなくなってきているのではないでしょうか。実際、本県が誇る一大歓楽街でございました新内かいわいに人出が少なくなったと嘆かれるようになって久しく時がたっています。夜の経済は、飲食業や遊技業を中心として、非常に裾野の広い産業で支えられています。しかし、これらは全て出歩く人が少なくなれば、直ちにマイナスの影響を受ける産業でもあります。
 とはいえ、2008年の1億2800万人をピークに、我が国は人口減少社会へと突入しました。藻谷浩介氏は、そのベストセラー著作「デフレの正体」の中で「人口減に連動し内需は減退する」と警鐘を鳴らしてらっしゃいましたが、本県では国より10年以上早い1996年より減少に転じ、以降22年連続で人口減少を続けています。つまり、理論上は人口が減少し高齢化した分だけ消費行動も減少するわけでございますから、夜出歩く人数も人口減少分は当然減少し、それに伴って各産業の売り上げも人口減少分は当然減少することになります。
 それでは、本県の人口減少とはどれくらいでしょうか。
 国勢調査の結果によりますと、2005年は103万5969人でしたが、10年後の2015年には96万3579人と、およそ7%の人口減少ということになります。また、15歳から64歳までの生産年齢人口は、2005年の64万2428人から2015年には54万6279人と、高齢人口が18.7%の増加に対して15%の減少となっています。
 続いて、県内の地価の変動を調査してみましたところ、和歌山市の商業地の価格が2年連続で上昇したとか、昨年より下落率が縮小しているとか明るいデータもあるものの、2005年から2015年までの人口が7%、また、生産年齢人口が15%減少した10年の間に、和歌山市新内の商業地の価格は22%下落しています。
 つまり、特に夜、主たる経済活動を行っている事業は、総体的に人口減少以上の売り上げや来客減少傾向にあると言えます。
 大手ファミリーレストランのロイヤルホストにも大きな変化が見られます。美園町の店舗は閉鎖をし、北汀丁の店舗は24時間営業を見直して、午前9時から24時までの営業となりました。来客数は12時から14時が最も多く、次に19時から21時ごろとなっています。ちなみに、ロイヤルホストでは、2011年より全国的に24時間営業を見直し、ことし2月をもって、24時間営業店舗をゼロにしたそうです。その主たる要因は、1980年代から90年代には24時以降の深夜時間帯の売り上げが25%を占めていたものの、近年では6~8%にまで落ち込んできたからとのことです。
 冒頭申し上げました日経BP社の調査によりますと、国内新車販売台数は、1990年度の780万台から2016年度は507万台とおよそ35%の減少、某ネオン看板製作会社のネオン看板製作や修理に必要な技能を持つ特種電気工事資格取得者は、ピーク時の90人から14人までおよそ85%の減少、カラオケハード製品の売上高も1995年の1697億円から2016年の248億円とおよそ85%の減少、カラオケソフト市場も同時期546億円から388億円とおよそ30%の減少となっています。
 このように、夜の経済や夜出歩く人数に影響を受ける産業は、本県だけではなく、全国的にも人口減少や高齢化による影響以上に低迷しているわけでございますが、これらは裾野の広い産業ゆえに、活性化させることは、地域経済を守り、地方創生をなしていく上で非常に重要な施策ではないでしょうか。
 また、人が出歩き顔を合わせることで、たとえ雑談からでも、新しい発想や有意義な構想が生まれたり、グループやチームの風通しがよくなって活力が生まれたりします。夜出歩くことを強制することはできませんが、県民の皆様や観光客の皆様が出歩きたくなるような地域づくりや商店街、歓楽街づくりを支援し、夜の経済を活性化させることは、県勢発展につながる1つの道であると私は考えております。
 しかし、夜の経済活性化を進めていくに際しまして強く懸念されますことは、夜出歩く人がふえることによって、交通事故やトラブルの発生が増加するのではないかということであろうと思います。
 夜にも人のにぎわいを創出しようとした結果、交通事故やトラブルの発生が増加したので、かえって人出が減少したということになっては元も子もございません。
 そこで、まずは警察本部長に、県内の交通事故の現状と今後の取り組みについてお尋ねいたします。
○議長(尾﨑太郎君) ただいまの川畑哲哉君の質問に対する答弁を求めます。
 警察本部長宮沢忠孝君。
  〔宮沢忠孝君、登壇〕
○警察本部長(宮沢忠孝君) 県下の交通事故の発生件数は、平成14年以降15年連続で減少しており、本年も11月末現在、発生件数は2389件、前年同期比マイナス266件、死者数は32人、前年同期比マイナス2人と、いずれも減少傾向で推移しております。
 本年の交通死亡事故の特徴としましては、全死者の46.9%に当たる15人が高齢者であること、全死亡事故のうち18件、56.3%が夜間に発生していること、飲酒運転による死亡事故が5件発生していることなどが挙げられます。
 現在、県警察では、こうした交通事故の発生実態を踏まえ、交通事故のさらなる減少を目指し、高齢者を中心とした交通事故防止対策や飲酒運転の根絶に向けた諸対策を推進しているところであります。
 議員御指摘のとおり、夜の経済が活性化されますと、人や車の増加等に伴って交通事故等の増加も懸念されますが、県警察としましては、交通情勢を見きわめながら、道路管理者や関係機関・団体等と緊密に連携し、交通事故等の未然防止対策を講じてまいりたいと考えております。
○議長(尾﨑太郎君) 川畑哲哉君。
  〔川畑哲哉君、登壇〕
○川畑哲哉君 次に、少年への補導についてお尋ねいたします。
 夜の経済活性化に向けた取り組みに触発され、少年の非行行為も増加するのではないかということも懸念されますが、一方で、大人による健全なる歓楽街構築や健全なる消費活動が行われることで、夜間における透視感も高まり、良識的な地域人のネットワークが構成されて見守り力が高まることも期待されます。
 そのような理由から、私は夜の経済活性化は少年の非行行為の増加にはつながらないと考えていますが、警察本部長のお考えはいかがでしょうか。少年補導の現状と、この点を踏まえた今後の取り組みについてお答えください。
○議長(尾﨑太郎君) 警察本部長。
  〔宮沢忠孝君、登壇〕
○警察本部長(宮沢忠孝君) 過去10年間の少年補導数は、平成19年の4979人からピークの平成23年の1万1567人まで増加し、以後は減少に転じ、平成28年は7526人と推移しております。しかしながら、本年は、暫定値ですが11月末現在でほぼ昨年並みの数値となり、若干ながら増加に転じております。一番多い行為形態は深夜徘回であり、次いで喫煙となっております。この2つの形態で全体の9割以上を占め、この傾向は過去10年変わっておりません。
 夜の経済活動が地域に密着した健全なものであれば、地域の大人たちによる少年を見守る機会もふえることになりますので、地域を挙げた少年健全育成の機運が醸成されることも期待できると考えます。反面、一般的に少年らの深夜の蝟集、徘回等がふえることが予想され、特に歓楽街の営業活動には、少年の福祉を害する犯罪の発生も懸念されます。
 警察としましては、いかなる場合でも、少年の健全育成のため、地域の方々の御理解も得ながら、関係機関、団体と連携し、しっかりと少年の非行防止に取り組んでまいります。
○議長(尾﨑太郎君) 川畑哲哉君。
  〔川畑哲哉君、登壇〕
○川畑哲哉君 警察本部長より力強い御答弁をいただきましたので、夜の経済活性化についての御提案を続けさせていただきます。
 夜経済の主たる産業は、やはり飲食業でございます。本県には、海の幸、山の幸、川の幸と珠玉の食材がきら星のごとくございます。一方で、2004年から2006年の総務省の家計調査で、和歌山市の牛肉消費量・購入量がともに全国都道府県県庁所在市別で堂々の1位に輝いたという牛肉好きな県民性でもございます。その際の調査では、1年間に1世帯当たりが消費する牛肉の量は、全国平均の約7キログラムに対し、和歌山市民は約11キログラムと大幅に上回っていたそうです。2016年の家計調査では京都、奈良に次いで全国3位の牛肉消費量となっていますが、それでも全国平均の6.567キロに対して9.942キロと偏差値65.68を誇ります。
 そんな本県には、熊野牛という高級和牛がございます。2004年12月より熊野牛認定委員会による熊野牛認定制度が始まり、熊野牛の基準は、和歌山県内または委員会が指定する牧場で14カ月以上飼育され、かつ出荷月齢が26カ月以上の黒毛和種から生産された枝肉で、社団法人日本食肉格付協会による枝肉格付がA3、B3以上のもの、もしくは委員会が委嘱した調査員により肉質などが確認され、委員会において適当と認められたものと規定されています。
 食材になると熊野牛(ぎゅう)、生きている牛は熊野牛(うし)と呼び分けるようですが、牛肉好きな本県内の農場で育まれた熊野牛を、もちろんモーニングやランチで食していただいても結構ですが、より高い客単価が見込めるディナーでより多くの皆様に楽しんでいただくことで、本県の畜産業や飲食業の振興につながり、県民や観光客の皆様による夜のにぎわい創出につながるものと私は期待しております。
 ところが、その熊野牛の昨年1年間の出荷頭数は何と何と515頭、認定頭数は371頭とのことです。夜の経済活性化、ひいては本県の県勢発展のために、ぜひとも熊野牛の販売数をふやしていくべきだと考えており、そのためには熊野牛認定条件を持つ熊野牛の増頭に取り組む必要があると私は考えておりますが、当局の考えはいかがでしょうか。熊野牛の増頭に向けた取り組みについて、農林水産部長の御答弁をお願いいたします。
○議長(尾﨑太郎君) 農林水産部長原 康雄君。
  〔原 康雄君、登壇〕
○農林水産部長(原 康雄君) 熊野牛につきましては、県内で約2400頭飼育され、5年前に比べますと約400頭減少しております。原因としては、農家の高齢化等による全国的な子牛生産が減少しているためかと思われます。
 このため、県では、繁殖雌牛の増頭支援や受精卵移植技術の活用により、子牛の増頭に向けた取り組みを行っているところであります。
 また、ブランド力を高めるため、親牛の能力をデータ化し、農家が活用することによる肉質向上に向けた取り組みを行っております。こうしたことで、熊野牛に対する評価が高まってきており、本年5月には、白浜温泉旅館協同組合からの要請を受け、17のホテルや旅館との取引が行われております。
 さらに、本年9月に宮城県で開催された全国和牛能力共進会に出品し、若雌の部では、初出場ながら1等8席の好成績をおさめ、熊野牛の増頭や品質向上に対する農家の機運が高まっております。
 今後も、肥育牛農家の粗収益が生産コストを下回った場合に差額が補填される肉用牛肥育経営安定特別対策事業など各種補助事業や試験研究の実施に加え、品質向上の取り組みにより、熊野牛の増頭を支援してまいりたいと考えております。
○議長(尾﨑太郎君) 川畑哲哉君。
  〔川畑哲哉君、登壇〕
○川畑哲哉君 続いて、夜の観光振興に向けた取り組みについてお尋ねいたします。
 人口減少や高齢化による影響以上に夜経済が縮小してきた要因は、企業の接待交際費の減少や残業代のカット、ネット環境やSNSなどの発達、エアコン設置や1人部屋確保など住環境の充実、流通網の変化、健康志向の高まり、1人活動の増加や第4次産業革命の進展など、さまざま考えられます。複合的にこれらの要因が重なり、夜出歩く人が減少してきたのではないでしょうか。
 それと、恋愛する若い男女の減少も要因の1つと考えられます。国立社会保障・人口問題研究所が2015年6月に18歳から34歳の独身者5276人に実施した調査によりますと、交際相手がいない人の割合は、男性で約7割、女性では約6割まで上昇したとのことです。
 政治と恋愛は、夜、動くものでございます。つまり、恋愛の文化レベルを高めることと夜の経済活性化には密接な関係がございます。本県でも、婚活事業など出会い創出支援に取り組まれています。
 ことしの2月定例会における予算委員会で私も指摘させていただきましたが、出会いを創出するには、極めて上質なおせっかいが必要な時代に入ってきていると思います。第三者が積極的に当該男女の背中を押していくべきだと私は考えておりますが、本県の婚活事業支援につきましては、午後から御登壇される前芝雅嗣先輩議員が御質問されますので、この場で私は触れません。ただ、出会いが起こった後、恋愛が成就して結婚に至るまでもおせっかいは必要です。
 東京のホイチョイ・プロダクションによりますと、恋愛を科学的に進展させる主なシチュエーションは、1、雰囲気のよいレストランでの食事、2、個体距離75センチ以内への接近、3、美しい夜景、4、スリルの共有、5、打ち明け話の5つだそうです。つまり、これら5つのシチュエーションを同時に成立させる有力なプランこそ、デートカーによる夜のドライブデートだったわけでございます。
 また、本県では、効果的なプロモーション活動により観光客が急増しています。先日、中本浩精先輩議員も御指摘されましたが、世界的旅行ガイドブック「ロンリープラネット」が最も旬な旅行先を紹介するベスト・イン・トラベル2018において、日本で唯一、紀伊半島が訪れるべき世界10地域のベスト5に選出されたこともあり、国内外から一層の観光客増が期待されます。その際、国際的に認められたと言っても過言ではない本県の世界遺産や自然、食や歴史・文化を楽しんでいただくことはもちろんでございますが、夕食以降の夜の消費行動にもいざなう必要があると私は考えております。
 例えば、私が過去に訪れた海外の国で、この世の桃源郷かと思い、今でも訪れたいと焦がれているウズベキスタンでは、日中は世界遺産内の施設や建物をくまなくめぐり、夜はその地その地のまち歩きを楽しんだものでした。特に、首都タシケントの新市街では、夜は歩行者天国となっていたのですが、そこで隻腕の画家と痛烈な出会いをし、彼に描いていただいた肖像画は今も自宅の自室に飾っています。次に訪れた際にも、ぜひ彼に肖像画を描いていただきたいと願っています。
 また、先日、尾崎要二会長を初めとする日華親善議員連盟で訪れました台湾には、士林を初めとする著名な夜市がたくさんございますが、そこでは観光客だけではなく、若いアベックや家族連れも含めた多くの地元の人が食事やゲームを楽しんでにぎわっています。
 さらに、一般財団法人地域活性化センターの佐藤啓太郎事務局長は、「北陸新幹線が通ったことに相まって、金沢市にはしっかりした歓楽街があることで、単身赴任を希望する社員がふえ、支店を出したり、北陸地方の営業所を金沢市へ集約したりする動きが出てきている」と、確たる歓楽街の存在が人口流入や企業誘致効果の側面を持つ可能性があることを御指摘されています。
 いずれにしましても、県勢発展のために、夜の経済活性化に向けて、人が集おうとする意欲を刺激することが重要であり、観光客や地元の人が出歩きたくなるような、そしてアベックがデートで行きたくなるような歓楽街やナイトスポットの創出を支援し、発信していくことが必要であると私は考えております。
 夜の観光振興に向けた取り組みについて、商工観光労働部長の御答弁をよろしくお願いいたします。
○議長(尾﨑太郎君) 商工観光労働部長山西毅治君。
  〔山西毅治君、登壇〕
○商工観光労働部長(山西毅治君) 議員御指摘のとおり、地域の特性を考える必要はありますが、夜に町並みを散策していただき、イベント、体験アクティビティー、和歌山ならではの料理等を堪能してもらえば、お客様にさらに大きな満足を味わっていただくことができ、経済効果も大いに期待されるところです。
 県では、これまで夜の地域周遊を促進するため、夕食のない1泊朝食つきの宿泊プランを旅館組合等へ提案するとともに、那智勝浦町と協働で、お客様向けの生まぐろ食べ歩きマップを作成したり、白浜においては、具体的な周遊コースを提案する冊子として「おとなの白浜さんぽ」を作成するなど、地域での消費拡大を促進してまいりました。
 さらに、夜でしか味わえないイベント等も効果的と考えており、例えば、幻想的な高野山を体験できる高野山奥之院ナイトツアー、アドベンチャーワールドのナイトアドベンチャー、満天の星空のもとで入る川湯温泉の仙人風呂などの体験や、ことし初開催の和歌山マリーナシティにおけるイルミネーション「フェスタ・ルーチェ」など、各地域で特色のある取り組みも実施されてきています。
 こういったイベントとグルメ、温泉などを組み合わせれば、さらに夜の楽しみ方も充実するものと考えます。
 県では、今後とも、こういった取り組みを積極的に行っている地域や事業者と連携しながら、夜の楽しみ方の提案や情報発信を積極的に行うことにより、和歌山を満喫していただき、さらにリピーターとして来訪いただけるよう取り組んでまいります。
○議長(尾﨑太郎君) 川畑哲哉君。
  〔川畑哲哉君、登壇〕
○川畑哲哉君 ぜひ引き続き取り組んでいただきますようお願い申し上げます。
 個人的な見解でございますが、歓楽街やナイトスポットをつくるということは、まず民間の事業者の皆様に頑張っていただかなくてはいけませんが、そんな事業者同士がチームをつくられて、例えば、おもてなしアドバイザーの派遣を要請されて、おもてなし力を皆様で向上させるということも効果的かと考えています。まずはコミュニケーションから、和歌山でのすばらしい思い出づくりのリズムをつくっていただき、客のニーズにかなう対応を重ねていただくことでリピーターもふえると思います。
 頑張っている人が頑張っていると評価される社会であることはもちろん重要ですが、一事業者や一店舗だけではなくて、みんなで頑張りましょうと機運を盛り上げ、そのエリアの客を取り合うのではなく、みんなでこのエリア全体の客数をふやそうという意識を醸成していくことも重要かと思います。県行政として、どのような取り組みができるか、引き続き御検討いただきますよう強く要望を申し上げます。
 それでは、最後の項目に入らせていただきます。
 2018年の県民手帳付録の資料によりますと、和歌山県の10歳から19歳の人口1000人当たりの学習塾数は全国1位、また、1世帯当たりの1カ月の飲酒など外食代は全国ワースト1位でございます。
 そして、スターチスの出荷量5980万本は全国1位で、全国シェア48.7%を誇ります。
 そのスターチスの花言葉は、「変わらぬ心」、「途絶えぬ記憶」でございますが、紫のスターチスは「上品」、ピンクのスターチスは「永久不変」、黄色のスターチスは「誠実」など、色別の花言葉も持っています。
 スターチスだけではなく、花には花言葉がございます。赤いカーネーションは「母への愛」、ピンクのカーネーションは「女性の愛」、白いカーネーションは「純粋な愛」です。赤いバラは「情熱」、青いバラは品種を生み出すことが無理だと思われていたことから「不可能」でしたが、サントリー社が開発に成功してからは「奇跡」、「可能」となりました。
 また、バラは本数でも花言葉が違い、1本のバラは「一目ぼれ」、2本のバラは「この世界は2人だけ」、3本のバラは「愛しています」、4本のバラは「死ぬまで愛の気持ちは変わらない」、5本のバラは「あなたに出会えて本当によかった」となっています。
 花には、その色や形、香りや飾り方など、さまざまな楽しみ方や活用法がございます。また、花言葉やその花にまつわるストーリーを語ることで、恋愛シーンにおいてだけではなく、ビジネスシーンや地域コミュニティーにおいても有効に活用することができると私は考えております。
 そこで、農林水産部長にお尋ねいたします。
 本県の花卉生産はどのような現状でしょうか。また、花卉の生産振興に向けてどのような取り組みをされているでしょうか。御答弁をよろしくお願いいたします。
○議長(尾﨑太郎君) 農林水産部長。
  〔原 康雄君、登壇〕
○農林水産部長(原 康雄君) 本県では、温暖な気象条件を生かし、日本一の出荷量を誇るスターチスを初め、ガーベラ、スプレー菊や宿根カスミソウなど、多種多様な花卉が栽培されております。
 県では、花卉産地の拡大を図るため、耐風性を高めたパイプハウスの整備や遮熱ネット、循環送風機などの導入に加え、花の需要拡大を図るための母の日参りプロジェクトに支援しているところであります。また、JAグループと連携し、バレンタインデーや「いい夫婦の日」には大阪などでイベントを開催し、花を贈る習慣の定着に向けた取り組みを行っております。さらに、試験研究では、スターチスやスプレー菊などのオリジナル品種の育成や安定生産技術の開発により、種苗費の低減や生産性の向上に取り組んでいるところでございます。
 今後も、生産対策や試験研究などにより花卉産地を拡大するとともに、花の需要拡大に積極的に取り組んでまいります。
○議長(尾﨑太郎君) 川畑哲哉君。
  〔川畑哲哉君、登壇〕
○川畑哲哉君 先日より、一般社団法人日本花き生産協会の御協力をいただきながら、地元の地域活性化を考える有志のチームで、私たちは花の日プロジェクトという事業をスタートさせました。
 このプロジェクトは、「毎月7日にはお花を贈りましょう。そして、毎年8月7日(花の日)には大切な人にお花を贈りましょう」というコンセプトのもと、今よりもっとカジュアルに花を贈り贈られる文化を根づかせようという試みでございます。
 先ほど申し上げましたように、花にはたくさんの意味があり、それらを知識として習得することは豊かな教養につながります。そして、冬にはバレンタインデーがあるように、夏にはフラワーズデーがあり、例えば、その日は男性がお花を持ってアクションを起こすという1日になれば、各地でまた多くのドラマが生まれるきっかけになると考えています。
 ビジネスシーンでも、花を贈り贈られることで、人間関係をより近づける効果があると思います。大げさな手土産がふさわしくない場面でも、ちょっとした花束であればスマートに手渡せることがあるかもしれません。また、オフィスやロビーに、たとえ1輪でも花が生けられていれば、そこにいる人や訪れる人を大いに和ませることでしょう。
 そして、このプロジェクトが広がっていけば、当然、花卉生産への需要増につながり、花卉産業の振興にも寄与するものと考えています。
 まずは那賀地域でこの花の日プロジェクトを進めてまいりますので、当局の皆様には、どうぞ御理解と御指導のほどお願いを申し上げます。そして、幾ばくかの実績が出てまいりましたら、またこの場で御報告を申し上げ、県下全域へとプロジェクトを広げて、県民の皆様全体の意識向上に向けて取り組んでまいりたいと考えておりますので、その際には、何とぞ御理解、御協力を賜りますよう要望を申し上げまして、私の人生5度目の一般質問を終了させていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(尾﨑太郎君) 以上で、川畑哲哉君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前11時15分休憩
────────────────────
  午後1時0分再開
○議長(尾﨑太郎君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 5番前芝雅嗣君。
  〔前芝雅嗣君、登壇〕(拍手)
○前芝雅嗣君 皆さん、こんにちは。
 一般質問も、とうとうあと残り2人になりました。こうして見ると、皆さんも大層お疲れの様子でございます。昼のお食事をして、上まぶたが少し重くなってくる時間帯ではございます。その上、質問者が非常に滑舌が悪くて日本語が下手な私でございます。
 先月、日華親善議員連盟で台湾に行ってまいりまして、そのときに教育旅行の誘致を兼ねて台湾の学校を訪問しました。そのときに質問をさせていただいたんですけれど、通訳の方に私の日本語が通用しませんでして、尾崎会長に日本語の通訳をしていただきまして、やっと話が通った。そのような私の質問ですので、最後までどうか御清聴のほどよろしくお願い申し上げます。
 それでは、議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、質問をさせていただきます。
 今回、地方創生・人口減少対策をテーマとして質問をしたいと思います。
 我が国では、少子高齢化に伴いまして急激な人口減少が大きな課題となっています。人口の減少は、労働力不足の深刻化や経済成長の鈍化といった経済面での影響にとどまらず、医療・福祉分野、教育など、あらゆる面に弊害をもたらすことになります。
 安倍内閣は、人口急減、超高齢化という我が国が直面する大きな課題に対して政府一丸となって取り組み、各地域がそれぞれの特徴を生かした自律的で持続的な社会が創生できるよう、平成26年9月にまち・ひと・しごと創生本部を立ち上げるとともに、同年の11月には地方創生の理念等を定めたまち・ひと・しごと創生法が制定され、12月には長期ビジョンが策定されました。
 その長期ビジョンでは、人口減少時代に目指すべき将来の方向として、「東京一極集中」の是正と若い世代の就労・結婚・子育ての希望の実現、地域の特性に即した地域課題の解決の3つを基本的視点とした上で、今後目指すべき将来の方向として、活力ある日本社会を維持することが提示されました。
 本県に目を移しますと、全国に先んじて少子高齢化が進行しておりまして、人口は、1985年の108万7000人をピークに減少に転じており、国立社会保障・人口問題研究所の推計によりますと、今後何も対策を講じぬ場合の県人口は、2060年に50万人程度にまで激減すると予測されているところです。
 このような中、仁坂知事は、本県における人口の現状と人口減少がもたらす影響を県民と共有するとともに目指すべき将来の方向を提示し、県を挙げて全力で取り組む決意を示すため、平成27年6月に全国に先立って和歌山県長期人口ビジョンを策定されました。このビジョンでは、65歳以上の高齢者1人を生産年齢人口の2人で支える人口形態が社会活動が維持できる水準として必要であるとの考え方のもと、2060年の人口を70万人とする目標が掲げられています。
 また、本年3月に策定された和歌山県長期総合計画においても同様の考え方に基づいて、目指すべき将来の方向を提示した上で県を挙げて人口減少対策に取り組む決意を示され、計画目標の達成のための具体的な施策として新政策事業を毎年実施されていることを承知しております。
 このように、長期継続的な取り組みにより県の人口減少対策に取り組まれておりますが、今回、特に気になる点について、進捗や今後の展開についてお聞きしたいと思います。
 それでは、1番目の大きな問題、結婚から妊娠への支援策の現状について。
 まず、自然減については、既に高齢者が多く若年者が少ないという人口構造ですので、高齢の方が亡くなる数が出産を上回るという状況は、当分の間続いていくのはやむを得ないだろうと理解しております。しかし、諦めることなく、長期的な視野に立って、自然減を改善していくための取り組みを続けていくことも必要です。価値観が多様化している社会ですので、結婚や出産を含めてさまざまな生き方を選ぶことが認められるべきだろうと思いますが、結婚や出産を望んでいても実現できない方もいらっしゃいますので、このような方への支援は大切です。
 結婚について考えてみますと、我々の若いころは各地域に世話好きの方がいて、結婚への後押しをしていましたが、最近はそういう人も少なくなり、なかなか出会いの場がなく、結婚に至らないという方もふえているのではないかと心配をしております。
 このような中、県としても、少子化の大きな要因である未婚化、晩婚化の流れを変えるため、結婚から妊娠、出産、子育てまで県民一人一人に寄り添った施策を展開して、結婚や出産の希望がかなう社会の実現に向けて取り組んでいると聞いております。
 その中でも、結婚支援として県や市町村で取り組んでいる婚活イベントの実施状況やその成果をお聞きしたいと思います。また、今年度の新政策としてわかやま結婚・子育て応援企業同盟を結成されていますが、その現状の取り組みと今後の展開について、福祉保健部長にお伺いをいたします。
○議長(尾﨑太郎君) ただいまの前芝雅嗣君の質問に対する答弁を求めます。
 福祉保健部長山本等士君。
  〔山本等士君、登壇〕
○福祉保健部長(山本等士君) まず、県の結婚支援の取り組みにつきましては、平成25年度から婚活イベントを年間10回、県内全域で実施しており、パーティー形式のほか、観光やスポーツなどお互いの共通の趣味を生かしたイベントや、恋愛カウンセラーによるコミュニケーションのスキルアップを図るセミナーを交えたイベントなど、内容につきまして趣向を凝らしながら出会いの場の提供に努めております。
 同時に、婚活イベント会員につきましても、テレビやラジオ、情報誌などの広報媒体を通じたPRによる会員数の拡充を図っており、平成29年11月末現在で1868人あります。
 なお、会員同士による成婚につきましては、現在まで13組26人から報告を受けております。また、市町村の結婚支援の取り組みにつきましては、現在、14市町で婚活イベントを実施していると聞いております。
 次に、わかやま結婚・子育て応援企業同盟につきましては、仕事と子育ての両立支援に取り組んでいる企業や団体で構成し、去る9月3日に企業同盟の発足式を開催したところであり、現在は132団体が参加しております。今後は、企業同士が独自の取り組みについて意見交換を行う交流会を開催し、新しい取り組み等を始める契機とするとともに、参加企業同士による婚活イベントの開催など、企業間でのさまざまな活動の活性化につなげてまいりたいと考えております。
 県といたしましては、仕事をしながら充実した結婚生活が送れ、安心して出産や子育てができる職場環境づくりの実現に向け、今後とも精力的に取り組んでまいります。
○議長(尾﨑太郎君) 前芝雅嗣君。
  〔前芝雅嗣君、登壇〕
○前芝雅嗣君 ありがとうございました。
 年間10回程度やって、そして今でいうと5年目ぐらいですかね。もう50回ぐらいのいろんなイベントをされておりまして、13組26人、何とも微妙な数字だなというのを素直に感じました。
 午前中の質問でも川畑議員からもこの婚活の話、先生、頑張って僕のかわりもやってくださいと頼まれておりますので、ちょっと13組では、何かやはりやり方とかいろんなことを、結婚相談所の人に相談するとか世話好きのおばちゃんを養成するわけにもいきませんでしょうが、何とか、少ないからといって本当にやめることもなしに、何とか大勢の方のカップルができるように、これからも御尽力いただきますようにお願いをしておきます。
 続いて、次の質問に入らせていただきます。
 妊娠への支援策についてでございます。
 結婚をして子供を望んでいても、なかなか授からない御夫婦がいらっしゃいます。女性の方が自然妊娠する確率は20代前半が高く、年齢を重ねるにつれて確率が下がると言われています。しかし、和歌山県の女性の初婚年齢は、2016年の県の人口動態調査によりますと28.9歳となっております。1950年ごろには23歳程度でありましたが、1990年ごろに25歳を超え、その後も上昇傾向が続いています。
 このような状況を考えると、不妊に悩まされている方もふえているのではないかと思います。妊娠を望む方が子供を授かるということは、将来の和歌山を支えるという意味で社会にとっても重要ですが、何より本人にとってもかけがえのないことであり、直接県民の幸せにつながるものです。
 一方で、不妊治療にもさまざまな内容がありますが、体外受精など高度な治療を必要とする特定不妊治療は数十万円に上り、治療が長期にわたってくれば、精神的にも金額的にも負担が大きくなってくると聞きます。金銭的なことが原因で子供を諦めるというのは非常に残念なことです。
 県としても支援を行っていると思いますが、具体的にどのような支援内容があり、特に金額的に高額な特定不妊治療についてはどの程度の実績になっているのか、福祉保健部長にお伺いをいたします。
○議長(尾﨑太郎君) 福祉保健部長。
  〔山本等士君、登壇〕
○福祉保健部長(山本等士君) 県におきましては、不妊に悩む夫婦を精神面、経済面の両面から総合的に支援するための施策を実施しております。
 精神面の支援施策としましては、保健所に不妊専門相談窓口を設置し、専門医師による面接相談や保健師による電話・メール相談を実施しております。経済面の支援対策としましては、平成19年度から、不妊検査や人工授精などを対象とする一般不妊治療費助成を県単独で実施しております。また、平成16年度から体外受精や顕微受精を対象とした国制度による特定不妊治療費助成を実施しておりますが、治療を継続した場合の費用負担が大きいため、平成28年度から、中核市である和歌山市を除き、県単独の上乗せ助成を実施しており、当該年度の助成実績は464件となっております。
 なお、和歌山市においても県と同様に助成を実施しており、県内の助成実績は、合わせまして807件となります。
 今後とも、子供を産み育てることを切望する夫婦が安心して不妊治療を受けられるよう支援してまいります。あわせまして、全ての不妊治療の医療保険適用と特定不妊治療費助成額の拡充につきまして、引き続き国に対して要望してまいります。
○議長(尾﨑太郎君) 前芝雅嗣君。
  〔前芝雅嗣君、登壇〕
○前芝雅嗣君 御答弁、ありがとうございました。
 治療をしてる方がたくさんあるんだなと思いましたし、助成してどのぐらい成功につながってるんだろうかなと大変気になるところではございますが、ナイーブな問題ですので、その辺のところは正確な調査は難しいんだろうなと思ってお尋ねもしませんが、この制度は、そういう人が1人でもあれば、人数の問題じゃないと思いますので、ぜひ続けていってほしいなと、よろしくお願いをいたします。
 続きまして、第2項目、企業の誘致の現状について質問をさせていただきます。
 まち・ひと・しごと創生総合戦略を推進するためには、地域経済の活性化、地域における雇用機会の創出が欠かすことができません。雇用創出のためには、地元企業の成長を図ることとあわせて、新たに企業を誘致することが考えられます。
 仁坂県政におかれましても、人口減少に即効性があり、効果的な雇用の創出と地域経済の持続的発展につながる施策として、企業誘致を一貫して推進してこられました。誘致が実現したという話は近年非常によく耳にするのですが、知事みずから積極的なトップセールスを行い、県庁一丸となった企業誘致などが功を奏して成果をおさめてきたものと思われます。
 そこで、その現状について商工観光労働部長にお伺いをいたします。
○議長(尾﨑太郎君) 商工観光労働部長山西毅治君。
  〔山西毅治君、登壇〕
○商工観光労働部長(山西毅治君) 企業誘致につきましては、投資や操業による経済波及や働く場の確保に加え、産業構造の転換も期待されるため、トップセールスを含め、年間1000社を超える企業訪問を行い、強力に推進してまいりました。
 工業団地の整備や奨励金制度の充実とあわせ、売り上げがふえている成長企業や県内での取引のある企業などをターゲットに戦略的な誘致を進めた結果、仁坂知事就任以来、177件の立地実績を上げ、約2300人の雇用を創出し、地域に新たな企業集積が進みつつあります。
 物づくり産業につきましては、県内各地で機械産業などの立地が進み、橋本市の工業団地も完売した状況であり、現在開発中の橋本市、仮称ではございますが、あやの台北部用地を早期に完成させ、今後も成長が見込める企業誘致を途切れなく推進してまいります。
 また、オフィス系企業につきましては、南紀白浜空港による東京とのアクセスのよさに加え、高品質なネットワーク環境や都会にはないロケーションといった地域のポテンシャルを生かした誘致活動を行い、白浜町にIT企業の集積が進んでおります。現在、新たなビジネスオフィスを建設しており、引き続き白浜町を中心とした紀南地域にIT企業の誘致を進めてまいります。
 本県では、交通インフラの整備により立地環境が向上してまいりました。今後も、企業誘致の受け皿の整備を行うとともに、企業の投資動向を的確に捉え、さらに積極的に企業誘致施策を推進してまいります。
○議長(尾﨑太郎君) 前芝雅嗣君。
  〔前芝雅嗣君、登壇〕
○前芝雅嗣君 ありがとうございました。
 紀南においては白浜周辺にIT企業の誘致も進んでおり、橋本においては工業団地が完売するというような状況ということで、誘致の成果は非常に上がってるんじゃないかなあということがよくわかりました。
 一方で、私の住む串本町周辺、紀南のほうで企業誘致されたというような話は、本当にほとんどというほどないのが現状であります。以前から、県一律の誘致の補助金とか規則ですね、何人雇用すればというのは、和歌山一律じゃなしに、紀南との、やはりへんぴなところとの格差をつけてほしいという要望、そういうのもきちっとやっていただいてるんですけれど、そんな中でも、なかなかやはり紀南地方は、距離も時間的なこともあって企業誘致がうまいこといってないんですけど、和歌山全体を考えていただけると大変今うまいこといって、また橋本で新しい団地をつくろうかということになってるんですが、これからももう企業誘致は、人口減少には直接的にかかわってくると思いますので、ぜひ頑張っていただけるようにお願いをいたします。
 それでは、続いて、次の質問に入らしていただきます。
 個別の事案になるのですが、このように紀南への誘致が難しい中、紀南への誘致で大変関心を持っている事案があります。それは、本年9月13日の「読売新聞」にも記載されていました小型ロケット発射基地の誘致に和歌山県が乗り出すという件です。
 記事によると、キヤノン電子とIHIエアロスペース、清水建設、日本政策投資銀行が設立した新会社・新世代小型ロケット開発企画が計画するロケット発射台の誘致に和歌山県が乗り出すと書かれておりました。
 超小型衛星を宇宙空間に運ぶ小型ロケットをめぐっては、宇宙ビジネスへの民間参入を促す宇宙活動法が2016年に成立し、今後多くの民間企業が進出するであろう将来性のある事業であると思います。これが本当に実現されれば、県にとっても税収増が見込まれるでしょうし、周辺地域に新たな雇用創出が見込まれると思います。また、ロケット打ち上げ時などには、観光客の増加という面でも大きな経済効果を生むものと期待をしております。
 その記事によりますと、候補地として串本町やすさみ町が挙がっているとも記載されています。先ほども話したとおり、紀南地域への企業誘致というのは地理的にも難しい面があるということを考えると、ぜひ実現させてほしいと感じています。
 そこで、まずこの記事の事実関係、そして候補地について、県としてどのように考えているのかを知事にお尋ねをいたします。
○議長(尾﨑太郎君) 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 県では、宇宙ビジネスを今後の有望な成長分野として捉えておりまして、これまでもロケット射場の建設の動きに着目し、関連情報の収集を行ってきたところでございます。
 そうした中で、今申し上げました動きのターゲットの1つである会社から、「射場候補地に係る情報収集への協力のお願い」という文書が送付されました。これは9月4日付でございました。これはキヤノン電子を初めとする御指摘の4社で構成される新世代小型ロケット開発企画株式会社というところからでありまして、これは47都道府県全部に対して出されたものでございます。
 この文書は、事業化に最適なロケット打ち上げ射場の候補地について調査を行っておるので、当該適地に係る情報を各都道府県から収集したいんだというものでございました。また、その求める最適な立地条件は、射点を起点として半径1キロメートル圏内が恒常的に無人であり、射場関連施設以外の建物等が存在しないこと、射点から南方に陸地や島嶼が存在しないことなどでありました。県としては、この依頼文書に基づき、ロケット射場誘致に向けて、これまで積極的に情報提供を行ってきたところであります。
 議員御指摘のように、誘致が決定されまして、ロケット射場の建設やロケットの打ち上げが行われるようになると大きな経済効果を生み、射場建設地域に限らず、広く本県の振興につながるものと考えております。
 次に、候補地については、新世代小型ロケット開発企画株式会社に対して適地に関する情報提供を我々が進めていく中で、南方のみならず東方にも陸地や島嶼が存在しないことが重要との条件が新たに示されてきております。これらの立地条件を踏まえると、本州最南端に位置する串本町が地理的に射場の立地に最適であるんではないかなというふうに考えております。
○議長(尾﨑太郎君) 前芝雅嗣君。
  〔前芝雅嗣君、登壇〕
○前芝雅嗣君 今、知事のほうから、誘致について積極的な対応を進められてると聞きました。また、地元串本町が最適な土地だと考えられるということで、大変うれしく感じております。南にも東にも陸地や島がないことが重要という条件を考えますと、日本の中でも条件を満たす場所はかなり絞られてくるんではないかと思いますので、誘致できる可能性も高いのではないかと期待が高まります。
 誘致を実現させるためには、企業への働きかけのほか、候補地と考える串本町とともに連携して取り組むことが重要と考えますが、いかがでしょうか。知事のお考えをお尋ねいたします。
○議長(尾﨑太郎君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 先ほど答弁申し上げましたように、ロケット打ち上げ射場、これは打ち上げに伴い、ハイテク中のハイテクの技術者のグループが何がしか現地に拠点を持って活動するということになりますので、大変な地域おこしの資産にもなりますし、それから、大勢の人が見に来てるなあというのは最近のニュースなんかでも明らかでございますので、これは観光とか、あるいは地元の水産関係のお仕事にもなるというようなことで、地域の仕事とか雇用とかについても大いにプラスだというふうに思っております。
 そういうことでございますので、誘致実現に向けて、引き続き新世代小型ロケット開発企画株式会社の情報収集に積極的に協力するとともに、議員御指摘のように、これは絶対地元にメリットございますんで、候補地と考える串本町と連携し、また御協力をいただきながら、当該誘致が実現するように頑張ってまいる所存でございます。
○議長(尾﨑太郎君) 前芝雅嗣君。
  〔前芝雅嗣君、登壇〕
○前芝雅嗣君 ありがとうございます。ぜひ実現していただければ、紀南地方の活性化は和歌山県の活性化にもつながると思ってますので、ぜひ力を合わせて、串本町とともに誘致が実現できるよう御尽力をお願いいたします。
 続いて、質問をさせていただきます。
 移住施策のこれまでの取り組みと実績についてでございます。
 県全体の人口が減少している状況ですが、とりわけ高齢化が著しい過疎地域においては、その影響は大きいと思います。紀南地域では、古座川町が和歌山県で最も高い51.3%、北山村が2番目の48.1%、すさみ町が45.9%と、5割近い高齢化率となっております。将来の地域の担い手が非常に少ない状況となっています。さらに、地区単位で考えていくと、維持困難な状況というのは間近に迫った課題なのではないでしょうか。
 一方で、総務省が実施した平成28年度における移住相談に関する調査結果を見ますと、全国の都道府県や市町村が受け付けた移住に関する相談は、前年度に比べて約7万1000件ふえて21万3000件となるなど、田舎暮らしに憧れ、移住へ関心を持つ方がふえております。
 これらの過疎地域と田舎で暮らすことを志向する方とをつなぎ、人口減少の歯どめをかける対策の1つとして移住施策があります。非常に重要な施策だと考えています。和歌山県としても力を入れて取り組んできたと思いますが、その取り組みと実績についてお伺いをいたします。
 また、最近の移住者の傾向はどうでしょうか。高齢化が進む中では、地域に若者が移住してくれると地域にも活気が出てくるのではないかと思います。私の知ってる方でも、古座川町に家族で移住して起業し、地域を盛り上げている方がいらっしゃいます。近ごろ若い人たちの移住もふえてるように感じるのですが、移住希望者のうち若年者はどのくらいいるのでしょうか。
 また、若年者を初め現役世代の移住を促進するためには、仕事への支援が重要であると考えます。特に、新しい土地で仕事を始めるというのは経済的にも容易でないと思いますが、仕事への支援策と、それを活用して地域で頑張っておられる方々はどのくらいいるのでしょうか。あわせて企画部長に答弁をお願いいたします。
○議長(尾﨑太郎君) 企画部長髙瀨一郎君。
  〔髙瀨一郎君、登壇〕
○企画部長(髙瀨一郎君) 県では、人口減少による地域の担い手不足への対策として、平成18年度から、移住者を呼び込み、地域の活性化につなげるため、移住推進に取り組んでまいりました。市町村にワンストップパーソンと地域に受け入れ協議会を設置する和歌山モデルの受け入れ体制を整え、都市部での情報発信や移住者の受け入れから定住支援まで精力的に取り組んでいるところです。その結果、平成18年度から本年11月末までの移住実績は、837世帯、1510人となっております。
 最近の傾向といたしましては、移住希望者の若年化が挙げられます。現在までに移住した世帯のうち、40歳未満の世帯主が約45%でありますが、平成28年度については約55%となっております。
 また、現役世代の移住者が求める支援の1つに仕事への支援があり、平成24年度から企業補助金制度により、地域資源を活用して起業する移住者を支援してまいりました。これまでに35名の移住者がこの制度を利用しており、県内各地で持ち前の技術やセンスを生かして、古民家を活用したゲストハウスや飲食店、地域産品の加工販売など、新たに開業し、地域で活躍されております。
 同じく平成24年度から、農林水産業に新たに従事する移住者に対しても農林水産就業補助金制度により支援を行っており、これまでに9名の移住者が利用しております。
 さらに、今年度の新政策として、商店などの地域に必要な個人事業を移住者ならではの視点で付加価値をつけて引き継ぐ継業への支援に取り組んでいるところです。
 県といたしましては、移住相談会や体験会において若い方にも和歌山の魅力をさらに知っていただけるよう工夫を凝らし、移住推進に積極的に取り組んでまいります。
○議長(尾﨑太郎君) 前芝雅嗣君。
  〔前芝雅嗣君、登壇〕
○前芝雅嗣君 どうもありがとうございました。
 大変成功してるんじゃないかなあと思いますし、私もこの間、11月ですか、グランフロント大阪で開催された移住・就職フェアを見に行かせていただいたんですけれど、来てる方は本当に若い方が多くて、その来ている方々に聞くと、やはり結構和歌山はいろんなことで人気がいいですよという、あの人たちはネットでいろいろするんでしょうかね、そのような話を聞かしていただいて、和歌山県は将来有望だなあと、そのように思いました。ぜひ続いて頑張っていただけるように、よろしくお願いをしておきます。
 それでは、続いて、次の質問に行きます。
 観光振興と交流人口についてでございます。
 これまで述べてきたような取り組みにより、和歌山県の定住人口の減少を少しでも食いとめるため、引き続き頑張っていただきたいと思います。しかし、少子高齢化が進む中で、定住人口が増加に転ずることは非常に困難である中では、地域の活力を高めるためには、観光振興等により交流人口をふやしていくことも大切になってくると思います。
 観光については、これまでの取り組みが実ってきて、観光入り込み客総数が史上最高の3487万人になるなど、前年に比べても147万人ふえており、平成23年度の2763万と比べると700万人以上と大幅に増加をしています。さらに、外国人宿泊客数は約50万人と、前年の史上最高を大きく上回っております。実感としても、観光地で外国人を見かけることが多くなってるように感じております。
 また、民間旅行会社のランキングにおいても、さまざまな分野で上位にランクされており、中本議員も取り上げておりました「ロンリープラネット」のお勧めする旅行先としても5位に入るなど、世界的にも非常に高い評価を受けており、今後さらなる観光客の訪問が予想され、交流人口の増加により地域の活性化にも大変期待が持てる、そのように思っております。
 県内には、熊野・高野の世界遺産を初め、紀南地方におきましても、勝浦の温泉、生マグロ、速玉大社、那智の滝、太地の鯨、串本の橋杭岩、一枚岩など、独特の景観を持つ奇岩を初めとした南紀熊野ジオパークの風景や、ラムサール条約に登録された美しい海、清流古座川などのすばらしい自然があります。これらの観光資源を生かしたさまざまな体験メニューもそろっており、多くの方に楽しんでいただける観光地であると自負しているところであります。これらのすばらしい観光地と、それを戦略的に発信するプロモーションが相まって、観光客の増加につながっているのではないかと思います。
 しかし、このような好調な観光客数の増加の割には、観光業界からは、そこまで景気がいいという話は聞かないように思います。また、世界遺産を訪れる外国人、また熊野古道を歩く人たちは、余りお金をかけずに観光を楽しんでいるというような話も聞きます。せっかくこれだけ観光客がふえてるのですから、地域経済の活性化につなげるためにどのような施策を考えておられますか。
 特に紀南地域は、魅力的な観光地に恵まれているだけでなく、地理的に都市部からも離れていることを考えると、紀南地方への誘客を促せば、おのずと宿泊の増加につながるのではないかと考えます。サイクリングでの訪客も含め、紀南への誘客を積極的に進めるべきと考えますが、商工観光労働部長、いかがでしょうか。御答弁をお願いします。
○議長(尾﨑太郎君) 商工観光労働部長。
  〔山西毅治君、登壇〕
○商工観光労働部長(山西毅治君) 現在、たくさんのお客様に世界遺産や有名温泉など、ブランド力の高いところを中心にお越しをいただいている状況ですが、さらに県内周遊を促進することで滞在の延長を図り、消費を促すことが必要であると考えており、さまざまな取り組みを進めております。
 具体的には、「水の国、わかやま。」キャンペーンでは、世界遺産と周辺のエリアを組み合わせることにより新たな周遊ルートを提案するとともに、サイクリング王国わかやまでは、県内全域を網羅する全長800キロを超えるサイクリングロードと、絶景や温泉といった本県の魅力を組み合わせた旅の楽しみ方を国内外に発信しているところです。
 また、現在、神話の時代から近代に至る本県の豊富な歴史・文化ストーリーを発掘し、食や体験などを盛り込んだ「100の旅モデル」を発信するわかやま歴史物語に取り組んでおります。
 特に、議員御指摘の紀南地域の誘客につきましては、清流古座川、サンゴを育む海など、都会にはない水のすばらしさを体験できるカヌーやダイビングといったプレミアムな旅の楽しみ方を発信することで、日帰りを1泊2日に、1泊2日を2泊3日にというように、旅行者の滞在時間の延長を図っているところです。
 また、宿泊施設のリニューアルやおもてなしの充実など、サービスを向上させることにより、宿泊単価を引き上げることも重要であると考えており、県では、第一線で観光客に接する関係者に対して、接遇、施設のインテリアや料理等に関するアドバイザーを派遣するなど、おもてなしの向上にも取り組んでいます。
 今後、さらに旅行客の消費拡大を図り、宿泊事業者、飲食店、語り部を初めとする体験事業者などの観光関係事業者の収入をふやし、持続可能な観光地づくりに取り組んでまいります。
○議長(尾﨑太郎君) 前芝雅嗣君。
  〔前芝雅嗣君、登壇〕
○前芝雅嗣君 ありがとうございました。
 やはり世界でも観光客が一番多いのはフランスだと、でも一番経済効果があるのはアメリカだと。客数も大事ですけど、やはり経済効果を上げていただけるということは非常に大事なことですので、その仕掛けのほうをしっかりとやっていただいて、今やっていただいてるようなので、ぜひ頑張っていただきますようによろしくお願いをしたいと思います。
 続きまして、南紀白浜空港のチャーター便の誘致についてお伺いします。
 外国人観光客ですが、訪日観光客数が過去最高を記録する中、地方空港への国際チャーター便の就航が相次いでおります。中には定期便の就航にまでつながるケースも出てきております。和歌山県にも白浜空港があり、地域活性化のために白浜空港への国際チャーター便誘致、ひいては定期便の就航へとつなげることが非常にインパクトがあるのではないかと考えるところです。
 現在、南紀白浜空港の国際ターミナル化に向けた検討も進んでいるところですが、県内の観光事業者から聞いた話では、具体的な国際チャーター便運航の計画もあると聞いております。ついては、南紀白浜空港へのチャーター便誘致の取り組み状況について、仁坂知事にお伺いをいたします。
○議長(尾﨑太郎君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 海外から地方空港への国際チャーター便就航が相次いでいるところ、南紀白浜空港への国際チャーター便誘致は、南紀白浜空港の利用を促進するとともに、インバウンド観光客を県内に誘致し、観光振興を図るための有効な手段でございます。
 このため、県では、国際インバウンドチャーター便運航事業補助金等の支援制度を拡充するとともに、海外の航空会社や旅行会社へ南紀白浜空港への国際チャーター便を利用したツアー造成を働きかけてまいりました。
 しかしながら、一方で、余りにも関西空港に近いがゆえに関西空港からの陸上移動で十分ではないかというような議論に加えまして、南紀白浜空港自体も専用の国際ターミナルを持っていませんので、これまでチャーター便誘致には苦戦をしてきたところでございます。
 そのような中でも、熱心な県職員みずから現地の航空会社や旅行会社へ赴き、地元関係者とも連携し、誘致を働きかけてきましたところ、それが功を奏して、このたび韓国光州・務安空港から南紀白浜空港へチャーター便が就航することになりました。よくやってくれたと言ってやりたいと思っております。
 今回のチャーター便は、50人乗りの小型機が1月に12往復運航する連続チャーターとなりまして、韓国から約500人程度の来県が見込まれております。
 チャーター便の第1便到着時には、白浜町や地元観光関係団体とともに韓国からのお客様をおもてなしし、将来的な定期便化も視野に入れ、継続的なチャーター便就航につなげていくとともに、これを契機として、韓国以外からの国際チャーター便誘致にも積極的に取り組んでまいりたいと思います。
 また、現在公募中の南紀白浜空港のコンセッションの手続や国際ターミナルの整備ができましたならば、その道に通じた人たちが働きかけを行いやすい環境となるために、国際チャーター便の誘致活動に一層期待ができるというふうに思っております。
○議長(尾﨑太郎君) 前芝雅嗣君。
  〔前芝雅嗣君、登壇〕
○前芝雅嗣君 ありがとうございました。
 これ1回で終わらすことなく、やはり韓国の光州市のほう、和歌山県の民間のインバウンド誘致協議会もそちらのほうとのつながりもありまして、一生懸命取り組みをやってますんで、これを契機に、民間と県とあわせてそういうチャーター便がどんどん来ていただければなあと思いますので、県のほうもこれまで以上の御尽力をお願いしたいと思います。
 では、最後に要望です。
 サイクリング王国の実現についてでございます。
 サイクリング王国の実現についてでは、もうたくさんの方が質問をされておるし、今議会においても長坂議員も御質問されておりましたのでもうそれほど言うこともないんですけれど、また、6月には岩田議員のほうも質問をされておりますので、もう答弁も決まっておりますので要望とさしていただきますが、サイクリストを受け入れていくということに対しまして、サイクルステーションの整備を今回も少し質問のときにさしていただいたりすると、補助金制度はもう今はないと、そういうことで、民間だけに任せて県全体を計画的に整備していくことができるのかなと疑問も感じるところがあります。
 今の状態でいいますと、すさみ町の道の駅から串本町の観光協会までの間にサイクルステーションがないんですよね。すさみから向こうのほうには道の駅とかいろんなとこがあって、そこをステーションにしてますが、そこから串本までの間というのは、なかなか店もないですし、非常に何もない、そういった状態になっておりますので、ぜひきっちりと、ほかのことも考えて、何か建てるなりやっていただきたいなと。
 これまでの観光でも言ってましたけど、やはり1泊多くしようと思うと、サイクリングロードも紀南のほうまでもきっちりと整備しないと宿泊もしていただけないんじゃないんかと。水を差すわけではないんですけど、すさみ町さんも大成功で皆さん喜んでおりますけど、まだまだ経済効果は上がってないですから、宿泊客などの。
 でも、今はサイクリング王国にするために日本中に宣伝として発信してるところですから今でもう十分だろうと思うんですけれど、私たちの町の白浜から串本、勝浦にかけての海岸美というのは、これは日本でも有数なぐらいの美しい景色のところだと自負しております。
 特にまた、今、すさみまでは高速道路があって42号線は交通量も少ないんで、余り気にせずに皆さん気持ちよくサイクリングできると思うんですけど、やはりすさみのあれから串本のほうは高速道路がございませんので、今はまだ少し42号線も交通量の多いような現状もございますが、将来必ず高速道路がつくので、ついてからいろいろするんではなしに、それまでにきちっと整備をして、高速道路が完成したときは、そのときにやはりサイクリング王国だと言われるぐらいの整備を迅速にやっていただきたい。
 いろいろ聞いてるうちに、今までの中でも長坂君の質問の中で、しまなみハイウエーには景色のええとこに休憩所もあると言ってました。やはり42号線、白浜からずっと串本のほうへ来るまでの間で景色のいいとこには休憩所なんかもつくっていただいて、そういうところをきちっと整備をしてほしいなあ。
 いろいろ、まだまだ高速道路ができるまで時間はありますが、もうサイクリング王国わかやまでやるんだとぶち上げた限りは、高速つくまでにやはりやっていただけるぐらいのスピード感でやっていただくことを強く要望して、私の質問を終わらせていただきます。
 御清聴、ありがとうございました。(拍手)
○議長(尾﨑太郎君) 以上で、前芝雅嗣君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 15番尾崎要二君。
  〔尾崎要二君、登壇〕(拍手)
○尾崎要二君 今12月定例会の一般質問も、最終の質問という形になってまいりました。各議員には、連日の御精励でお疲れのことであろうと思いますけれども、あとしばし御協力のほど、よろしくお願いを申し上げます。
 まず、今議会の特徴として、台風21号の災害に関して質問をされた方が既に7名おいででございます。私がその8番目ということで、大体この指は何本に見えますかと言うと、こうすると5本だと、もうほとんど重なってしまってるというようなことかもしれませんけれども、しばしのお時間をいただければと思います。
 なぜならば、我々県政に携わる者、県政もそうでありますけれども、一番の使命は、いかにして県民の命と財産を守るかということが一番の務めではないかなというような形で日々思ってございますので、災害についてということで、私のほうからもさしていただきたいと思います。
 温暖化による気候変動で集中豪雨も大変多くなったと。私どもの地元海南市においても1カ月の雨量が736ミリということで、ちょうど10月いっぱいで、1年の雨量の6割を今回記録してございます。今回の災害においてお亡くなりになられた方に対しては心から哀悼の誠をささげると同時に、被災された皆さんには、お見舞いも申し上げたいと思ってございます。
 今回、公共土木施設の早期復旧についてというような点がまず第1点でございまして、今回の台風の災害は、道路、河川、地すべり、また農地や林地、家屋に至って多くの災害が発生したという形でございまして、私も、地元海南市、また紀美野町を通じて30カ所ほど、日にちにして1週間ばかり、現地を精力的に回らしていただきました。
 回ってる最中には、海南市においては海南市建設課、時には市長と、また、紀美野町においては紀美野町建設課の皆さんと緊密に連絡をとりながら、時には町長とも打ち合わせをしながら、県と、そして市町村のパイプ役を務めさしていただきました。
 今回の災害でまず1つ言えますことは、県の対応でありますけれども、海草振興局建設部海南工事事務所並びに振興局の林務課、農地課がそれぞれ素早い動きで対応をされたと。議会ですのでチェックをする場所でありますけれども、そうして一生懸命やってくれたときには、やはりこの議場で本当によくやってくれたなと、災害応急に至ってまで、現時点まで随分頑張ってくれたなという思いを持ってございます。
 特に私どもの地元では、マスコミに多く取り上げられたのは県道海南金屋線であります。扱沢というところで災害が発生をいたしました。
 少し時間をいただいて、どのような内容だったのかというと、午後8時10分にその地域を通過した一般県民のほうから海南警察署のほうへ連絡、110番が入りました。今道路を通ったところ道路が少し陥没していると、このままでほっといたら大変なことになると思うから、まず警察で対応をしていただければという110番を8時10分にいただいたようであります。
 それで、急いで警察のほうも態勢を整えて、そしてパトカーで現場へ到着してみたところ、もう既に路盤は20センチぐらい全体に動いていると、これは危険だということで、上側、下側──なぜ上側、下側という言い方を使うかというと、山の上側、下側で上側、下側でありますけれども―通行どめをして、そしてまたUターンをしてもらわねばならんという作業に入っていただいて、その5分後にもう路盤が一気に下へ崩落をしてしまったという形でありますけれども、その15分後には、ちょうどUという形の坂道でありますので、上で飛んで、その飛んだ土砂が今度は同じくその県道の路盤の上へ流れ込んだということで、車が3台、うち2台は路盤──道路のまだ上ですけれども──で被害を受けたと。1台は土砂とともに下へ押し流されて、ちょうど私も現場を見に行きましたら、土砂の上に車が横たわってるというような状況でございました。
 もう早速、その翌日から、県の指示のもとで災害応急ということで土砂の撤去を始めたんですけれども、はたを見ますと、海南警察署の警備課長を初め、警察署の人が何人もおると。どういうことかと尋ねたところ、まだ未確認情報ですけれども、もしかしたらその土砂の下にあと1台、グレーと言うておりましたが、グレーの車があるかもしれないというようなことで大変心配しておりますという形ですけども、大変な土砂の量でありますから、すぐに取るというわけにはいかないんですけれども、一生懸命取っていただいて、翌日には私のほうへも連絡が入りました。道路の下の土砂を撤去したところ、幸いにして何もありませんでしたということで、私は、大変よかったなというような形で、そのときはその思いをいたしました。
 それから5日後でありますけれども、地元選出の国会議員、石田真敏衆議院議員が自民党の政調会、災害の特別委員会のメンバーの皆さんと一緒に現地を訪れていただきました。当然、そういうメンバーがおいでになられますから、国土交通省の幹部もお見えになられる。県からも県土整備部、また市は、市長を初め市議会議長並びに市の職員の担当の方、また地元の皆さんもお集まりでございました。
 そして、県議会からは私と藤山議員と2人、その場に出席をさしていただいて、その現地調査をした時点で石田議員のほうから、何か地元のほうから申すべきことはないかと、尾崎さん、どうやろうというようなことで向けてくれましたので、私のほうから、佐藤副委員長並びに近畿整備局長に対してお願いを申し上げたことが2点あります。
 1つは、早急に復旧をしてもらいたいということが1点。もう1つは、その工法について、県で一生懸命考えて丈夫な形で直したい。そのためには岩着をさす、すなわち岩盤があるとこまで掘り込んで擁壁で基礎を立ち上げるか、余りにも深ければ、くいを打ってでも直したいと思うと。ゆめゆめ、費用が高くつくから簡単に直せというようなことは言わないでもらいたいというような2点について、その場所でお願いを申し上げました。
 少し言葉が悪かったのかもしれませんけれども、これだけ大勢がん首そろえてお見えをいただいて、そして直したところが1年や2年でまた同じところが飛んだら物笑いの種になるということでありますので、くれぐれもよろしくお願いを申し上げたいというような話をさしていただきました。
 それ以外にも、そういう地面が動くというのでは、私どもの紀美野町梅本というところで地すべりがございました。いまだに9軒、16人の人に避難命令が出ておりますので、避難をして家に戻っておりません。そんな状況が続いてるんですけれども、これも県のほうで災害応急を頑張っていただいて、この20日には解除されるということであります。
 そうなってくると皆さんも、家へ帰ってお正月の準備、正月は久しぶりに家で年を越せるなというようなことで大変喜んでおられるということもお聞きをしておりますけれども、これも応急は既に終わるということでありますけれども、本格復旧をやはりきちっとした形で直してもらいたいというような形で強く感じているところであります。
 そのためには、やはりきちっとというか、費用も多少かかるかもしれませんけれども、いい工事をしようと思えば、それを見る県の職員の技術力と、そしてあわせて、忙しいとどうしてもコンサル等へ測量や設計もお願いするんですけれども、それが上がってくると、もうそっくりそのまま工事にかかると、後になってみたらとんでもないような図面だったというようなこともあるようでありますので、やはりその点を、まず災害復旧にかけては、県として、県職員の研修もこれからそうでありますけれども、十分お考えをいただきたいと思っておりますので、それらについて県土整備部長に、どのようにお思いか、お答えを賜りたいと思います。
 また、先ほど、県道で32台、63人の人が閉じ込められたということで、その状況についてよく聞かれるんですけれども、夜の9時ごろ、そして台風の真っただ中、大雨の中で、あの道はそんなにたくさん車の通るところなのかということをよく尋ねられるわけであります。
 もともとそんなに、まして大雨のときなんかは半時間に1台通るか通らないかぐらいの道路ではなかろうかなと思うんですけれども、理由がございまして、1つは高速道路が早々と交通規制してとめてしもうたと。それと同時に、国道42号線、海南から下津、有田へ行く道路ですけれども、これももう既に午後4時過ぎには有田市の里から港町まで冠水のために通行どめ、引き続いて、私の地元であります海南市下津町上、こちらも通行どめに入ったと。これも道路の冠水です。
 この冠水がなぜ起こるかといいますと、その近くを流れている県管理河川の宮川という川があるんですけれども、まあ毎度毎度、大雨のごとによく国道がこれだけとまったなというぐらいあふれ出る川でありますけれども、さすがに県のほうも放置はできないということで、平成14年から工事、そしてポンプもつけようということで御努力をいただいてるわけでありますけれども、ことしの予算が1億円、あと残事業が16億ということでありますので、ことし並みの予算がついたら、あと16年、大雨が降るたびに42号線を閉めねばならんという計算になるわけであります。
 同じように堤防が破堤しなくても浸水するというのに、先般から質問に出ております亀の川、選挙区外のことを申し上げて失礼ですけれども、内原の皆さんも、まあよく毎度毎度こんなに浸水したもんだなと。それはやはり亀の川の改修がおくれていると。これもあと残事業が20億、ことしで2億7000万ついてるようでありますけれども、あと7年や8年は十分かかるであろうと。
 本当にこんなスピードでやってていいのかなというのと同時に、私ども海南側にしてみると、早くやってもらわないと、海南市岡田というところで下にポンプを設置して、そして岡田地区にたまった水を亀の川へ出す。ところが、下でどんどんどんどん冠水してるのに上でどんどんどんどん水を流せるかというと、これも困るというようなことで、今その事業に入っていただいてる。
 工法としたら、川を5メートル広げて、そして河床、川も下げるということならば、河口から羽鳥橋、これは和歌山市の区間ですけれども、ほとんど平衡、すなわち羽鳥橋の川の底で海抜0.0メートルといいますから、ほとんど水は流れないというところを多く流そうと思えば、上流からの水の力をかりて幅を広げ、多少深く掘って多くの水をはかす、これ以外に工法はないと思いますので、今の工法で十分結構ですので、できるだけ早くこれも工事をしてもらいたいなと。
 そんな影響を受けて、先般、雑賀議員のほうからも質問があった大坪川、これに関しても引き続きその対策をしていかなければということで、平成27年度から調査に入り、そして28年、29年と、少しずつ今さわってくれております。それをきちっとしない限り、室山団地や岡田地区、これは地場産業の漆器の工場なんかもたくさんあるところですけれども、その辺の冠水はおさまらないと。
 まあここも雨のたびによくつかったもんだというて、これは県民のほうが言われている言葉でありますけれども、余りこのような状態ばっかり続けるようだと県の土木行政に対する信頼すら揺らぎかねないと思うようなわけでありますので、この河川改修、和田川もそうでありますけれども、そういうのをひとつ本格的に一気に進めてほしいなという思いがある。
 ただし、大体河川の工事の予算というのは国のほうから、これも最近名前が変わったようでありまして、社会資本整備総合交付金という名のもとに河川の改修費用もおりてくるようです。和歌山県では28億と言われておりますので、それは各河川へ分けたらもう本当に少なくなってしまうと。ですから、これを大きくふやしていただけるように、やはり、これは当局もそうですし、我々議会も思い切って国のほうへ要望を上げて、このボリュームをふやさない限り、またぞろ大きな雨が降ったら各地域で冠水して、そしてまた、この議場で何名かの議員が今回の災害についてというて同じようなエンドレスの質問をしなければならないという形になりますので、その辺をひとつ、その思いに関して、これも県土整備部長のほうからお答えをいただきたいと思います。
 3点目ですけれども、高速道路の規制について。
 先ほどの32台、63人という、そのもとというのは、高速道路が4時15分には早々と交通規制ということで閉めてしもたということで、私の地元のほうからも、余りにも高速を閉めるのが早過ぎやせんかと。
 NEXCO西日本にお聞きしたところ、使用する人の人命、安全を考えてというてお返事をいただいたようであります。例えば、じゃあどんな基準で規制をかけるのかということの規制値や指標についてお聞きをしたところ、非公開ということでありますので、本当にあれで正しかったんかどうかを我々は検証するわけにはいかないわけでありますけれども、これもいかがなものかなという思いを持っております。
 まず、なぜならば、4時15分にもう使用する人の安全性を考えて、そして高速道路は閉めてしもたんだと。あれぐらいの雨で閉めるのなら、もっと先に脆弱な市町村道路や和歌山県の県道は、もうお昼ごろには全て閉めてしまって通行どめにせねばならんのではないかなという思いすらするわけでありますので、果たしてNEXCO西日本の言われているのが本当にそれでいいのかなという思いを持っております。
 なぜならば、高速道路は基準も厳しい、また建設も随分丈夫につくっているわけであります。そして今回の雨においても、阪南から広川までストップをかけたようですけれども、その高速道路自体がどこかで被害を受けたかというような話は全く私の耳には入ってきておりません。
 なぜならば、思い起こせば、まだ道路の公共事業、高速道路に対して大変厳しい時代にも、我々は、高速道路は和歌山県にとって命の道だということで、一生懸命その予算獲得推進に努力を重ねてまいりました。それは知事初め当局の皆さんも同じ姿であったということでありますけれども、その命の道を4時15分には規制をかけてとめてしまうと。何か、ちょっと寂しい感じもいたします。
 そういう思いについて、また、これからどうNEXCO西日本へ話を持っていかれるのか、その辺も県土整備部長にお聞きをさしていただきたいと思います。
 次に4点目ですけれども、これも私自身、大変、いつも災害が起こるたびに頭が痛いというか、悩ましいというか、それは農地の災害であります。
 というのは、農道や施設の場合は、ほとんど災害対応でスムーズにいって、そして復旧をしていただくんですけれども、農地の場合は農地災害という言い方をしますけれども、これは農地の災害というか、補助事業というて、少し公共のほかの部分とは違うわけであります。
 なぜかというと、基準的には、復旧で直す50%、これが基準の補助金となっております。そして、その年、その地形、その場所によって農地の場合は加算をしていくと。今回のように激甚という災害なんかを受けると9割を超えるわけでありますけれども、指定しなければもっと低い。何%の自己負担率を持たねばならんか。まだ水田、田んぼのほうですけど、これのほうが計算しやすいということで、今回、海南市でも21件の農地災害の中で3件、うち2件は水田の災害申請、そしてミカンの果樹園はあるかというと、ゼロです。
 私も、先般、ここで表彰いただきました。大分長い間やらしていただいてると思うんですけれども、農地の、そして果樹園、ミカン園、畑に対して災害の事業をしたというようなことはほとんど前例がなかったなということであります。
 というのは、農家に判断をしていただかねばならん、基本的に50%持っていただかなあかん、どれぐらい上にこれから加算されるかわからん、また、激甚の指定を受ければもっと上がるけれども、ひょっとしたら3割持たねばならんか、4割持たねばならんか、それとも数%で済むかという見定めができないという中で、農家に判断をせよというのは大変酷な話であります。
 例えば、直すのに600万かかると。そうすると農家が300万持ちなさい、300万ぐらい持つのならば、もうその畑は全てほって、新しいところで買ったほうがよっぽどましだというような形になる。
 それと、直し方、工法もそうなんですけれども、普通、大体私どものミカン畑という山の石垣は、みんな手作業で積んだ、山を1枚1枚、そうして畑をこさえていったということで、コンクリートなんかはほとんど入っておりません。その石も遠くから持ってくるわけにいきませんから、近くにあるような小石やいろんな石を集めて、そしてミカンのあの段々畑、石垣畑というのができてるようなことでありますので、それに基礎を入れて、国の基準に合わせて立派なブロックを積んでというと何て言われるかというと、自分とこの屋敷でもそんなことようしてないのに、とてもじゃないけど、ミカンの山でそんな復旧の修理をするから費用を持てと言われても困るというようなことで、実際、ほとんど機能を果たしていないというのが果樹園の農地災害であります。
 果樹王国和歌山、特にミカンの場合は全国一の生産量を誇り、誇れる和歌山県の農産物でありますけれども、その樹園地に対して、災害に関してはほとんど手が入らないというような厳しい実情があるわけであります。
 あわせて、ミカンの山というのは、他と違って水路も余りありません。というのは、他の場合は、水を引かねばならん、水を出さねばならんということでほとんど水路があるんですけれども、そうして手作業でくわとつるはしを持って、そして1代でミカン畑を3枚こさえた、その次の代でまた3枚こさえたというような努力を重ねながらつくっていた田には、そんなに水路なんかは整っていないというところが多いわけでありますので、農地の災害に対して、もう少し農家が判断をしやすいというか、そんなような形で何とかならないもんかなと、また、制度の改善も国へお願いをできないものかなという思いでいっぱいでありますので、その点について農林水産部長の御所見を承りたいと思います。
 次、災害の4点目、これは災害じゃなしに災害防除ということでありますけれども、私の地元にもソーラーシステムのソ-ラーの板を置きたいというような形で希望を出されて、地域と大変もめるというようなことがございました。また最近1件、小規模でありますけれども、ソーラーを設置するという形で話が出ているようであります。
 御承知のように、ここで随分議論されておりますから、森林の指定であっても1ヘクタール以下ならば許可をとる必要がないとかいうようなこと、そういう地元の現状、現場を知らない人が机の上でペンを動かしたら大体そんな程度の決め事なのかなというように感じるんですけれども、例えば、先ほどお話しさしていただいた私たちの地元下津町は、蔵出しみかんの産地でございます。裾野から山の中腹、上のほうのダムまで、幅の狭い段々畑がずっと連なっております。有田市へ行って玉木議員の地元へ行かしていただいても、同じく裾野からずっとミカンの段々畑であります。ただし、必ずと言っていいほど、山のてっぺんには森林なり雑木林を残しているわけであります。
 何のために残しているかというと、その上を切ってしまうと治水の心配があるということで残している。もう1つの理由としては、最近便利になって、ぱちんとしたらもうみんな御飯も炊け、お風呂も沸くんですけれども、もう昔からずっと農家はまきを燃料としてきたもんですから、その優良なまきをとると、集めるというためにも森林は利用されたんですけど、これをじゃあ切るのかというけど、切ったって、もう翌年から横から新しい芽が出て、5年、6年たったらもとの林のようになっていくというような状態でありますので、そういう治水面には影響はないんですけれども。
 そんな中で特に心配なのは、今言ったように、ミカンの果樹園というのは大変水に弱いと。あわせて、各地域に農林水産大臣が指定した農地地すべり指定地域というのが至るところにあります。そして、農地の間に民家があるところへ行きますと多いのは、国土交通大臣が御指定をいただいた砂防指定地域、地すべり防止区域、これ2点。そして山際へ行きますと、知事が指定をする急傾斜地崩壊対策というようなところの地域も数多くあるわけであります。
 例えば、下津町に仁義と書いて「にんぎ」と言う地域があります。旧仁義村というところですけれども、8つの地域が集まって、そして村を形成していたということですけれども、今お話しさしていただいたような事業は、1つの地域を除いて残り8カ字全ての地域に地すべりや砂防やというのがあると。果たしてそんな山の上を切ってしまってええもんかなと。これは1ヘクタール以内であってもというようなことを強く感じるし、地元からも、そういう話があるたびに私のほうへも相談に来られるという形でありますので、今いろんな御説明をさしていただいた。
 特に兵庫県では、既に条例で規制をしている。また、和歌山市も今条例を検討されている。また、大津市も条例で規制を検討されておられるようだと。ぜひ和歌山県においても十分お考えをいただいて、そして規制をすると、条例でしていくというような方向に進めないかどうか、それらについては、知事のほうからひとつ御答弁を賜りたいと思います。
 やはり向いているところ、向いていないところというのはそれぞれあるということであります。それを1つにくるめてしまって全部いけるというようなことには簡単にいかないというのが実際の姿であろうと思います。その点についても、知事、ひとつ答弁のほど、よろしくお願いを申し上げます。
 また、大きな丸の項目、がんの先進医療についての質問をさしていただきたいと思います。
 2人に1人ががんになる、3人に1人ががんで亡くなられる、そして昭和54年より和歌山県においては、死亡原因の1位がこれまたがんであると、こういうことに対して、先ほど県政の第1課題はやっぱり命を守ることだというお話をさしていただきましたが、それこそがん対策もその重要なことではなかろうかなあというように感じております。
 そんな中で、平成24年に山下直也議員を座長として、県議会としてもいろんな議論や御意見を承りながら、県がん対策推進条例を議員提案として可決をしております。
 それから、平成26年、今から3年前でありますけれど、ちょうど3年前の12月定例会で、私も、この議場から皆さんに海南市に住まいする芝本十三さんという方の話をさしていただいたんですけれども、新たにお目にかかれた方もあるし、もうほとんどお忘れになってる方もおるんではないかということなんで、かいつまんで少しお話をさしていただきたいと思うんですけれども。
 平成26年に、私のほうへ芝本さんから電話をいただきました。一度会って話をしたい、頼みたいことがあると。ただし、家に行かしてもらうのが礼儀なんだけれども、今、自分はちょっと病気で、もう足腰も立たない状態なんで家に来てもらえないかということで、すぐ家へお伺いしたところ、もうこんなありさまになってしまったと。奥さんもがんで亡くなり、自分ももうがんの末期という状態の中で、ぜひ仁坂知事に会いたいんで段取りしてもらえんかと。
 その理由というか、何するのないという話を聞いたら、知事に会ってがんの先進医療に対して使ってもらえるように寄附したいんだという話であったと。「わしももう後先長くない。なあ、尾崎さんよ、ちょっとぐらい最後には世のため人のためにええ格好もしたいしね」と。それと、奥さんが病気、自分もがんの末期。やはりお金のある人は先進医療というような手当てをしてもらえるけれども、費用を出さなければそれも診てもらえないと、これは不合理だということで、ちょっとでも自分で寄附さしてもらって、それに役立つような形で使ってもらいたいんだというようなことでありましたので、すぐ連絡をして、そのときにも、「海南市もあるし、県でなくてはならんというようなことかい」とお聞きしたら、この芝本さんいわく、「仁坂知事でなかったらあかん」、「なぜな」と聞いたら、「あの人やったらやってくれるのと違うやろか。わしはそう思うんで」という、匿名という指名でありました。
 それで、時間をつくってもらって本人に会ってもらって、そして本人に寄附をいただいたと。寄附が終わった時点で本人は大きくため息をついて、これでわしはもう思い残すことは何もない、ほっとしたよというような言葉を残して帰られました。
 そのときに知事とツーショットの写真を撮ってもらって、その2日後に秘書から、こんな写真ができたんでと引き延ばしたのを、私もまだ意識のあるうちに家へ届けなというので、預かってすぐ家へ持っていった。本人に言うたんです、「ええ写真やなあ。ところで、十やん、あんた何ぞ歯痛いんか。苦み走ったような顔をしてるやないか」と言うたら、「尾崎さん、これはわいの笑うた顔や」、「ああそうか」というようなことで日にちが過ぎて、もうそれから少しして本人は亡くなられました。本人の申し出で、その写真を額へ入れて告別式の入り口へ飾っておられました。その写真をもう一度見さしていただいたら、苦り切ったような顔やなと言うたんですけど、何かそのときの写真は誇らしいような顔をされてたような気が私はいたしました。
 こうして県民が県民を支えるというような共助というか、その志を受けて、知事のほうも、26年の9月に早速県の事業として県がん先進医療支援事業を立ち上げてくれました。もう本人はその事業ができたことはわからずして他界されたわけでありますけれども、草葉の陰で大変喜んでいるんではないかなと思ってございます。
 そんなようながんに対する流れもある中で、平成29年1月、ことしの1月ですけれども、自民党県議団で先進医療の一番トップを走ってるとこを見に行こう、勉強に行こかということで、千葉にある国立法人の放射線医学総合研究所というところへ訪ねさしていただいて、そしてみんなで重粒子線の装置なり、また手術室というたらいいのか、治療室というたらいいんか、その辺の現地を見さしていただいたり、その後、機関関係の責任者、片一方で病院のほうの責任者も同席をいただいて、いろんな説明をお聞きして意見交換会をしてまいりました。
 そんな中で、先進医療というのはこんなもんなんだなあということで私もいろいろと真剣にお聞きをしたんですけれども、まず、県のがんの先進医療支援事業でありますけれども、平成26年には2名、27年には8名の利用があったわけですけれども、28年、29年と1人、1人という利用です。この少なくなったのは何か事情があるんかなあというようなことで、1つ考えたのは、できてから少し期間があいたし、周知徹底も遅くというか、薄らいできたんで、もう1回、再度これはすべきだろうなというように思うことと同時に、いろんなところで話を聞くと、ある病院へ行ったがん患者の方が先生に、こうこうで先進医療というのもあるんで、先生、どうやろうと尋ねたところ、木で鼻をくくったというような感じで、先生いわく「あんなものは治験ですよ」ということは、要らんことを言うなと言わんばかりのお話だったというようなことも聞いております。
 やはり地元にそういう先進医療の現場がないと、随分情報もおくれてくるんだろうなあと。特に、拠点病院の先生方もどんな認識をお持ちいただいてるのか、もう一度そうして確認もいただき、この事業のPRもしていただかないと、大体がんになったらそういう拠点病院を紹介されて行く。そして、そこの先生がああせえこうせえと言うたら、はい、はいともうみんな聞いて、そして命をかけて治療するという状況でありますから、ゆめゆめ口が裂けても、そんなに簡単に重粒子、陽子線というような形での先進医療を受けたいというようなことはちょっと口が裂けても言いにくいような雰囲気も病院にあるし、そういう気持ちを推しはかって、お医者さんのほうも、一度これも検討してみるかいというようなことを言われる先生は恐らく数が少ないんではないかな、それがこういう人数になっているんではないかなと思いますので、県としてでも、せっかく県民が県民を支え合いするというような志でできた事業でありますので、これらの広報について、もう一度力を入れてやってもらいたいと思います。
 そして、自民党の研修が終わって、ことし3月ですけれども、私の地元の親しい知人から連絡が入り、その人いわく、地元の病院で検査をしてもらったところ、膵臓がんであるということを告知されたと。本人も、これは大変なことになったなあということで、もうその3日後には医科大学へ行ってもう一度診てもらったようであります。
 どんな状況かというと、膵臓のがんができてる部位が難しいところにできていると、だから手術もできませんと、抗がん剤ぐらいでもう小さくする以外に方法はないと。だから、その難しい部位から離れて切れるようになったら切れるんですけどというような、「たら、です」というような話であったと。本人は、どうしようかなということを思いつつも、出してもらった抗がん剤を飲んだところ、全く体に合わずに吐き出してしまうような状況にもなったということで、私のほうへ御連絡をいただいて、今後の対応について相談に乗ってくれというようなお話もいただきました。
 私はそれならばと―実は、同じようなことが私の幼友達、私にとって一生の兄貴分と言われる先輩が、同じく膵臓、できたのは門脈をかんだ部位にできたと。そのときは余命半年、するすべなしという話だった。本人はどうされますかと。するすべなしと言いながらどうされますかと聞くのは酷な話で、もう一切治療をしていただく必要はない、できるだけ悪くなってくるまでに生活の質を落としたくないというようなことで、私もかけがえのない兄貴分をちょうど半年で送ったわけであります。
 新島議員とも一緒に、新島議員もお連れでしたから、一緒に涙を流して送ったというような私の先輩のこともあり、それならばぜひこの先進医療を一度検討されたらどうかということで、幸い研修で資料をもらっておりましたので、千葉のその資料を全てお届けしたと。そして、もう手だてがないに等しいことしか言われていないのならば、こうせえというようなわけにはいきませんけれども、治療の選択肢にぜひ入れるべきだというような勧め方をさしていただきました。
 そして、その知人の人がかかりつけの病院、お医者さんもあるようですので、そちらへも相談したところ、その先生いわく、私があなたと同じ立場なら、私は迷わず千葉へ行くという返事をされたと。ただ、家族は余り最初のうちは乗り気でなかった。もう遠くの知らないところへ行って、わかりにくいというか、余り知らない治療法でいいのかなあというようなこともあったようですけれども、最終的には、みんな、よし、もう千葉へ行ってお世話になろうということで、6月に千葉へ行かしていただいて検査を受けたと。
 そうすると、そういう治療の範囲内へ合致するということですけれども、もう既に医大で診ていただいたときに、私も腫瘍マーカーの数字が幾つがどうでこうでというのはわからんのですけど、聞いた話では、30の後半になったらもうがんだと言われる中で、既に50をはるかに超えてしまってるような数値が出ているというようなことでもあり、そして服というか、石こうで固めたようなプロテクターというか―というのは、重粒子を打つためには動いたらあかんので、そのやつをこさえてもらって、さあ治療しようかというて少したったらおなかに腹水が湧いてきたと。そうすると、これはもうすぐ打てないと。なぜ打てないかというと、腹水を通過すると重粒子線が曲がってしまうと。もう1つ、こさえた服が、私もそうですけど、しょっちゅうズボンのウエストを大きくしてるんですけれども、プロテクターというか、それが入らなくなる。
 それで先生から、利尿剤を差し上げると、これを飲んだら間違いなしにおなかの腹水は出ると。だから、出たら、一度和歌山へ帰って、もうこちらの知らないところでいると気分もめいるだろうから、帰られてからもう一度聞いて、そしたら治療しましょうということを言うていただいたようですけど、本人はどうだったかというと、先生、いよいよわしも先生にも手放されたかという話をしたら、そんなことはない、もう間違いない、こうして言ったとおりしていただいたら必ず腹水は抜ける、そして治療できるからと言うていただいたんで、その言葉を本当だろうか、本当だろうかと思いつつも、こちらで言われたとおりの処置をしたら、もう見る見るうちに腹水が抜けてしまったということですので、再度上京してお願いしますということで、6月の20何日だったかに再入院をされて、そしてもう入院と同時にすぐ重粒子の照射をいただいたと。
 どれぐらいしたんかというと、1週間に4回、それで3週間、合計12回。もうこの12回で十分だという話だったのと、そして時間はどれぐらいかかるんですかというと、手術室というか、治療室というか、そこへ入ってから出てくるまでが大体25分。じゃあどれぐらいの時間、こうしてブーッと打つんですかというと、大体3分と。もうそれ以外、あとは何もないという状態で、痛かったですか、何か感じたですかというと、痛くもかゆくもなかったというような話でございました。
 そして、その治療が終わったら、病院のほうからは、見る見るうちにマーカーの数字が必ず下がるはずですと、最初は一気にがたんとは下がらんであろうけれども、もうレッドゾーンと言われた30台まではまず下がるでしょうと言われてはかったら、もう次、そこまで50幾つが下がり、これはまだまだ下がっていきますからと、これが20台、10台というて、もう大丈夫だというところまで下がっていきますからと言われたら、その言われたとおりの下がり方をして、今10を、もう既に腫瘍マーカーは下がってるようです。
 あと判断するのはPET、どれまで治ってるかというてPET検査もしてもらったようですけど、PETのほうも、もう何の問題もないというような結果が向こうでも和歌山でも出ていると。それから見ますと、私もその結果を目の当たりにお聞きをして、もう全く治らんであろうと、家族は言われたようです、家へ帰った時点で、「本当はもうお父さん、そこから先は言わんけど、本当は今ごろ」と言うて、まあそれ以上は話がなかったようですけれども、もう今は会社へ行かれて、車を運転してというような状態で、そして全くもちろん痛みもないというような状況で今過ごされておられます。
 そうなってくると、私も初めて千葉へ行かしていただいたときは、こんな療法でどうなんやろうなあ、本当にこれで効くんかなあとかとまだ多少ここにもあったんですけれども、それを見たらやっぱりすごいなあという。そういう治療ですら和歌山のお医者さんでは、あれは治験ですからとかと言うて理解を示そうともしないようなお医者さんも多いというようなことでありますので、その点、十分また、先ほど申し上げたように、普及をしてもらいたいというのと同時に、もう何度もこの議会では、先進治療ができる施設をぜひこの和歌山でという話、要望なり要請が出ているわけでありますけれども、私も同じように、何とかひとつ考えてもらえないかと。
 例えば、鹿児島の陽子線の施設も今資金的に大変だというような話も片一方で入ってくれば、片一方では、日本電産の会長が京都府立医科大学に70億の陽子線の施設を自分で建てて、その施設を寄附するというような話も出ております。そして、片一方でまだ治験の範囲ですからと言いながら、もう大阪にもでき、京都にもでき、もともと兵庫にもありと、どんどんふえてるというようなことから見れば、また1つそうなってくると少し単価も下がってくる、もっとコンパクトなもので済むかもしれませんし、ぜひ我が和歌山県においてもそういう施設をお考えいただきたい、そのことを知事に要望さしていただきたいと思います。またひとつ答弁のほどよろしくお願いします。
 これで1回目の質問を終わります。
○議長(尾﨑太郎君) ただいまの尾崎要二君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) まず、太陽光発電事業についてでございます。
 最近、森林を開発する太陽光発電事業の計画がふえてきております。太陽光発電など新しいエネルギーは、これからの日本のために役に立つ、あるいは地域の発展にも貢献し得る有意義なものであるということを考えると、その開発行為も全て敵視してはいかんというふうにも思います。一方、防災上の問題とか景観面での悪影響についても考えられまして、これをどうしたらいいか、私も懸念しているところでございます。
 太陽光発電については、これは現状ですが、その規模や設置場所によって、電気事業法はもとより森林法などの許認可が必要になってきますが、議員御指摘の1ヘクタール以下のものも含め、何らかの対応が必要と私も考えております。そういう意味で議員のお考えは全く同感でありまして、実は既に担当部局に最もふさわしい制度を検討せよと指示をしているところであります。
 私の考えでは、国の規制も、他県の先例も、伝わってくるいろんなプランも、全て今起きている問題に十分対応できていないというふうに思いまして、ということは、逆にそれほど難しいということで、難しい問題だというふうに思います。
 諸般の法制とか、他府県の状況とか、あるいは法理論とか、そういうこともよく調べて、本県においてどのような方法が最も適しているのか、議員の御指導もいただきながら研究してまいりたいと考えております。
 次に、がんの先進治療でございます。
 御指摘がありましたようながん先進医療の1つである粒子線治療は、ピンポイントで放射線をがんに効率的に照射する方法であり、有効な事例が報告をされております。しかしながら、御指摘ありましたように、粒子線治療は公的医療保険の対象になっておりませんので、治療費が高額になり、患者さんの負担があります。
 本県では、尾崎議員の紹介により──匿名ということでございましたので名前は挙げませんが──いただいた寄附をもとに平成26年度に和歌山県がん先進医療支援事業を創設いたしまして、粒子線治療を希望するがん患者の方が経済的理由により治療を諦めるということがないように支援を行っております。
 本事業については、これまでがん診療連携拠点病院への周知等を行ってまいりましたが、今後は、医療従事者への研修会などさまざまな機会を捉え、粒子線治療の理解を促して、議員御指摘のように、木で鼻をくくったようなことを言わないようにしていきたいと思いますし、また、病気に悩んでる方に対しても、「県民の友」などを活用し、広く県民に対して周知徹底を図っていく所存であります。
 あわせて、支援を継続するため、実は多額の寄附金をいただきましたが、1回に要する費用も多額でございますので、随分減ってきておりました。減ってもいいや、使ってしまおうというふうに思ったんでございますが、ふるさと和歌山応援寄附金のメニューにがん対策の充実を設け、和歌山県がん先進医療支援事業に活用さしていただいているところでございまして、お金もまた少し入ってきておりますので、大いに周知したいと思っております。
 一方で、粒子線治療の設備については、PFIによる運営手法など、これまで何度も積極的に検討を行ってきました。現在、粒子線治療施設は全国で18施設が稼働しているわけでございますが、うち近畿では、御指摘のように3施設が稼働しておったんですが、30年度になりますと、さらに3つ加わって計6施設になるということでございます。このような状況の中、仮に県立医科大学附属病院に整備した場合、運営収支も赤字になって、後々の県財政に懸念があるということが、もう何度もやった試算でいつも出てまいりまして、これまでのところ整備に踏み切れておりません。
 本県のがん患者が粒子線治療をより受けやすい環境を整備するためには、近隣の粒子線治療施設との連携を進めるとともに、粒子線治療の有効性や技術革新によるコストダウン、これも御指摘がありましたが、そういうことを見きわめながら、県内での整備の可能性を探っていきたいと思っております。引き続き、常にチャンスをうかがい、本県への導入が可能であると判断した場合は、積極的に対応していきたいと思っております。
 がん治療は、日進月歩で研究が進められておりまして、ゲノム治療など患者の個人に応じた新たな治療が始まろうとしております。このような先進的な治療についてもおくれることがないように、積極的に進めていきたいと考えております。
○議長(尾﨑太郎君) 県土整備部長森戸義貴君。
  〔森戸義貴君、登壇〕
○県土整備部長(森戸義貴君) 私には3点の御質問をいただきました。
 まず、公共土木施設等の早期復旧についてでございますが、台風21号では、県下全域で県管理の道路、河川など、公共土木施設において約150カ所にも及ぶ被害が発生してございます。議員の御地元、海草建設部管内でも、海南市扱沢地区の県道海南金屋線ののり面、日方川の護岸など、公共土木施設18カ所が被災し、紀美野町梅本地区など7カ所において土砂災害が発生いたしました。
 これらの箇所においては、発災後、直ちに現地調査や測量を開始するとともに、例えば梅本地区では、避難指示の早期解除のためのワイヤーネット設置などの応急対策も実施してございます。
 県では、被災箇所の早期復旧のため、公共土木施設は年内に災害査定を完了させるとともに、土砂災害箇所も含め、平成30年度中の復旧を目指してございます。このうち、地域内に迂回路のない県道海南金屋線ののり面崩壊箇所や家屋が近接している日方川の護岸欠損箇所などでは、災害査定に先立って本復旧に着手するための手続も行ってございます。
 議員から御指摘のありましたしっかりした復旧を行うためには、災害復旧の工法検討の際、再度災害防止の観点から被災原因を究明し、その除去に努めるとともに、現地に適合した工法とすることが必要と考えてございます。
 このため、現地調査などの段階において市町とも密に連携し、地域の地質や地形などの情報収集に努めるとともに、必要に応じて土砂災害など国の専門家の助言を求めてまいります。これらを工法に反映させることなどにより、今後とも速やかかつ安全な復旧に努めてまいりたいと考えております。
 次に、河川改修の促進のための予算確保でございます。
 県内主要河川の整備については、近年増加傾向にある局所的な集中豪雨や台風等による浸水被害の軽減を図るため、平成23年の紀伊半島大水害を契機に河川整備計画の策定を加速させ、その推進に取り組んでいます。
 県内の河川整備は、主に国の交付金を活用してその推進を図ってございまして、毎年必要な予算を確保するため、精力的に予算要望を行ってございます。国における年度当初の公共事業関係費が平成26年度以降は対前年比1.0という伸びが続く中、平成29年度の本県への交付金の当初配分額は、平成26年度に比べ、わずかながら伸びを示しています。しかしながら、その伸びは1.02と小さいため、補正予算や災害関係予算を積極的に要望し、必要な予算の確保に努めているところでございます。
 亀の川や加茂川支川の宮川を初めとする台風21号に伴う浸水被害に対しても、その被害の状況を踏まえ、速やかな浸水対策を実現させるため、補正予算の確保について、先般、知事から関係国会議員や国土交通省に対して要望を行ったところです。
 今後につきましても、さらなる浸水対策の推進を図るため、必要となる予算の確保に向け、さまざまな機会を通じて国に働きかけてまいります。
 最後に、高速道路の通行規制についてでございます。
 今回の台風21号に伴う阪南インターから広川インター間の通行どめにつきましては、西日本高速道路株式会社が、災害発生後ではなく、事前通行規制により通行どめを行ったものでございます。
 一般的に事前通行規制とは、大雨や台風による土砂崩れや落石等のおそれがある箇所について、過去の記録などをもとに個別の規制基準を定め、災害が発生する前に通行どめなどの規制を実施し、道路利用者の安全を確保するものと認識してございます。
 西日本高速道路株式会社が管理する高速道路につきましても、過去に災害が発生した実績や過去の降雨データ、地域特性などをもとに、時間雨量や累積雨量の規制基準値を個別に設定して運用されていると聞いてございます。直近では、県内の降雨実績を踏まえて、26年度に雨量基準値を大きく見直しすることが行われたと承知してございます。
 この事前通行規制は道路利用者の安全確保を目的としているため、安全を最優先とすべきですが、一方で幹線道路の通行どめによる各方面への影響を考えますと、当該道路の持つ交通機能とのバランスをどのようにとるかが非常に難しいと考えてございます。
 今回のように高速と国道42号の双方が同時に通行どめになりますと、県管理道路への負担が極端に大きくなるため、安全性を最優先としつつ、できるだけ高速道路を利用できる状態を保持していただくよう、西日本高速道路株式会社と連絡調整を図ってまいりたいと考えてございます。
○議長(尾﨑太郎君) 農林水産部長原 康雄君。
  〔原 康雄君、登壇〕
○農林水産部長(原 康雄君) 農地災害復旧事業につきましては、基本補助率は50%でございますが、市町村単位で暦年1年間の農家1戸当たりの復旧事業費によって補助率がかさ上げされる仕組みとなっております。県内過去10年間の補助率は、最小で83.5%、最大で95.3%、平均93.7%となっており、復旧に対しては大変有利な制度になっているものでございます。
 しかし、議員御指摘のとおり、補助率が査定後に確定すること、被災農家への災害復旧に関する制度説明が必ずしも十分とは言えない場合もあることから、農家の意思決定が難しく査定申請を諦めるなど、現行制度が十分に活用されてないことがあることも事実でございます。
 そのため、県としましては、現行の制度を十分に活用することが重要と考え、市町村対象に、毎年度、災害復旧事業の実務に関する研修を開催してきたところですが、引き続き、事業制度に関する研修内容の充実、規模が大きい被災や市町村からの要請がある場合には現地調査へ同行するなど、より連携を密にし、農家の方が災害査定申請の判断がしやすくなるよう市町村に協力してまいります。
○議長(尾﨑太郎君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(尾﨑太郎君) 時間が来ておりますが、よろしいですか。
  〔「はい」と呼ぶ者あり〕
○議長(尾﨑太郎君) 以上で、尾崎要二君の質問が終了いたしました。(拍手)
 お諮りいたします。質疑及び一般質問を終結することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(尾﨑太郎君) 御異議なしと認めます。よって、質疑及び一般質問を終結いたします。
 次に日程第3、議案等の付託について申し上げます。
 お諮りいたします。お手元に配付しております議案付託表のとおり、議案第177号は行政改革・基本計画等に関する特別委員会に付託いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(尾﨑太郎君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
 次に、お手元に配付しております議案付託表のとおり、議案第168号から議案第176号まで及び議案第178号から議案第194号まで並びに知事専決処分報告報第6号は、所管の常任委員会に付託いたします。
 お諮りいたします。12月14日及び15日は常任委員会の審査のため休会といたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(尾﨑太郎君) 御異議なしと認めます。よって、12月14日及び15日は休会とすることに決定いたしました。
 次会は、12月18日定刻より会議を開きます。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後2時54分散会

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