平成29年12月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(堀 龍雄議員の質疑及び一般質問)


平成29年12月 和歌山県議会定例会会議録

第4号(堀 龍雄議員の質疑及び一般質問)


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 質疑及び一般質問を続行いたします。
 23番堀 龍雄君。
  〔堀 龍雄君、登壇〕(拍手)
○堀 龍雄君 それでは、議長の許可をいただきましたので、一般質問をさせていただきます。4番目ということで、皆さんには大変お疲れのところ、いましばらくおつき合いのほどよろしくお願いいたします。
 台風21号等の災害を教訓としてということでお尋ねをいたします。
 台風21号において甚大な被害が生じ、紀の川市でもとうとい命がなくなりました。心から御冥福を申し上げ、一日も早い復興で皆さんが普通の生活が送れるように、心からお祈りを申し上げます。
 知事も議案説明の冒頭、農道の地すべりにより民家を直撃したことに触れられ、心からのお悔やみを申し上げられました。また、他の地域でも、紀の川の増水により多くの民家や工場が浸水し、大きな被害を受けております。年内にまだ操業できるかわからないということもお聞きしております。
 1級河川の紀の川については、平成24年12月5日に紀の川水系整備計画が策定され、今後30年間の整備計画に伴い、整備の目標や取り組み、進め方が順次整備を行われたことを承知しておりまして、ありがたく思っております。
 紀の川のすぐ上には中央構造線が通っており、防災・減災に資するよう沿川地域の安全・安心に努めなければならないと思っております。そのことを踏まえて、台風21号による被害の状況、これまでの地震、風水害を教訓とした防災・減災対策と今後の取り組みについて、知事に御所見をお伺いします。
○副議長(山本茂博君) ただいまの堀龍雄君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 今回の台風21号は、超大型で強い勢力を保ったまま紀伊半島に接近し、県内各地に記録的な大雨をもたらしました。この大雨により、和歌山市を初めとする紀の川流域や新宮市周辺等で多くの住宅や工場、店舗等に浸水被害が発生、また県内各地の農地・農業用施設などで甚大な被害が発生いたしました。さらに、道路、河川の被害や土砂災害が多数発生し、現在も道路の通行どめが4カ所、南海電鉄高野線の一部区間が運休するなど、観光や県民の日常生活に影響を及ぼしております。
 何より、今回、紀の川市西脇地区で大規模な斜面崩落が発生し、お1人の方が亡くなられましたのは痛恨のきわみであります。改めて亡くなられた方の御冥福を心からお祈り申し上げるとともに、被害に遭われた方々にお見舞い申し上げます。
 この斜面崩落については、県が広域農道を整備したところでありまして、その農道も含めて崩落しているために、これが原因であったか、つまり広域農道が原因であったのではないか、問題があったのではないかということを遺族とか住民の方々が懸念するということはもっともなことだというふうに思います。
 そこで、直ちに調査検討会を立ち上げ、年内を目標に学識者等により原因究明していただくようお願いをしているところでございます。引き続き、被災地域の迅速な復旧と被災された方々への支援について、全力を挙げて取り組んでいく所存でございます。
 次に、これまで取り組んできた防災・減災対策についてお答え申し上げます。
 東日本大震災直後から、本県の防災・減災対策の総点検をずっと実施してまいりまして、地震対策として災害時の防災拠点となる県有施設の耐震化を進めるとともに、住宅や大規模建築物の耐震化を促進するため、全国トップクラスの助成制度を用意し、取り組みを推進しております。
 また、家具の固定やブロック塀の耐震化を進めるため、わかやま防災力パワーアップ補助金による市町村への支援、さらには災害対応を想定し、自衛隊などの関係機関と連携したさまざまな実践型の訓練を行うなど、県民の命を守る対策に取り組んでおります。
 また、風水害対策については紀伊半島大水害の教訓を踏まえ、台風や局地的豪雨による水害等の被害軽減を図るため、県管理河川の整備予算を毎年増額し、さらに民間事業者による河川の一般砂利採取を促進するとともに、ため池改修を加速させるなどの対策を推進しております。
 特に、紀の川水系については内水被害の軽減等を図るため、岩出頭首工付近への拡幅水路の整備や上流の河道掘削、国営総合農地防災事業和歌山平野地区の早期完成を国に強く働きかけているところでございます。
 土砂災害の対策といたしましても、土砂災害が発生するおそれがある区域を明らかにし、住民に危険性を周知するため、土砂災害警戒区域等の早期指定に取り組むとともに、県土砂災害啓発センター内に誘致した国の大規模土砂災害対策技術センターと連携して、深層崩壊等の調査研究を推進しております。
 県としては、こうした取り組みを間断なく進め、国や市町村など関係者と協力しながら、引き続き安全・安心でとうとい命を守る和歌山の実現に向けて取り組んでいく所存でございます。
 とりわけ、対策は決まっとるんですけれども、時間がかかるために、今回のケースなんかもこれが完成していたら起こらなかったのになというような話が随分たくさんあります。
 そこで、今回、ひょっとしたら大幅な国土強靱化のための補正予算が出るんじゃないかという期待もありまして、そのときに目いっぱいいただいて、それで通常の災害復旧に対する補正予算だけじゃなくて、将来の災害の予防にも資するような対策を早めるための予算措置をお願いしたいということで、この間から各省や与党をあちこち行って、駆けずり回ってお願いをしているところでございまして、うまくいけば従来の予定よりももうちょっと早くこの対策を完成できるんじゃないかと、そんなふうに思っております。
○副議長(山本茂博君) 堀 龍雄君。
  〔堀 龍雄君、登壇〕
○堀 龍雄君 県民の皆さんが安心して住まいのできていく、また会社へ勤めていくときに安全・安心で仕事ができるよということになっていけば、地域は発展し活性化されると思います。今、知事さんのほうから、強靱な和歌山づくりをしていきますよと、早めていきますよということをお聞きして、本当に安心しております。今後ともよろしくお願いしときます。
 国道370号の今後の対策についてということで、2カ所の崩落の状況についてということでお尋ねします。
 台風21号の大雨により、九度山駅の上、通称雨の森のところと古沢の崩落の2カ所の災害が発生しました。雨の森のところは規模も大きく、道路幅の7割が崩れており、道路の近くの住宅も危険な状況で心配しましたが、いち早くの応急作業で今は落ちついている状態です。
 古沢の道路崩落については、道路幅の2分の1ぐらいで大型車両は通ることはできませんけれども、道路脇の空き地があり、地権者の好意でガードレールを撤去して仮舗装していただいて通行可能となりました。これも早い県の対応で早く開通でき、生活道路として活用されております。これがなければ地域住民の方は、高野山の矢立まで行って国道480号でかつらぎ町に出るという大変な大回りになります。現在、この2カ所の状況はどうなっているのか、県土整備部長にお尋ねをいたします。
○副議長(山本茂博君) 県土整備部長森戸義貴君。
  〔森戸義貴君、登壇〕
○県土整備部長(森戸義貴君) 国道370号で被災のありました2カ所の状況について御質問を頂戴いたしました。
 九度山町内の国道370号で崩落のありました2カ所の状況ですが、雨の森では川側の路側が延長20メートル、高さ14メートルにわたり崩落し、残る幅が約1.5メートルとなってございます。山側には家屋が近接しており、安全に車両が通行できる幅員が確保できないこと、仮復旧工事を行ったとしても本復旧の際には仮設物を撤去するために改めて長期間の通行どめが必要になること、このことから現在も全面通行どめを継続して早期に本復旧を目指すこととしてございます。
 また、中古沢では、川側の路側が延長11メートル、高さ7メートルにわたり崩落し、残る幅が約2メートルとなりました。当該箇所につきましては、先ほど議員からも御紹介ありましたように、山側の民地の御協力が得られたことにより安全に車両が通行できる幅員が確保できましたことから、被災した翌日から片側交互通行としてございます。これらについては、現在早期の復旧に向け、工事の入札手続を進めているところでございます。
○副議長(山本茂博君) 堀 龍雄君。
  〔堀 龍雄君、登壇〕
○堀 龍雄君 本当に県の早い対応で、地域住民の方々が今活用して生活していけるよということで喜んでくれております。
 それでは、次の質問に入らせていただきます。
 2カ所それぞれの工法と完成時期についてということでお尋ねをいたします。
 国道370号は、高野山に通ずる主要な道路ですが、いまだに通行することができません。そのために、国道480号に集中している状態です。国道480号は、府県間トンネルの鍋谷峠トンネルも4月に開通して、今までとは大きく異なり、1日当たり4500台ぐらいの通行量があり、京奈和自動車道路を利用して観光客もふえている状況であります。
 国道480号に集中し、土曜日や日曜日になると2キロ、3キロにも及ぶ渋滞になります。観光客もそうですけれども、地域住民にとって生活するのに欠かせない道路です。これを早く解消するためにも、早く工事に着手していただくほかにありません。
 2カ所の崩落規模は大きく違っておりますけれども、そのことによって工法や入札の時期、また完成の時期も変わると思います。それぞれの箇所についての御説明を県土整備部長にお尋ねいたします。
○副議長(山本茂博君) 県土整備部長。
  〔森戸義貴君、登壇〕
○県土整備部長(森戸義貴君) 先ほど御答弁申し上げました2カ所の工事の工法や完成時期について御質問を頂戴いたしました。
 復旧工事の入札状況につきましては、雨の森の現場は12月末、中古沢の現場は12月の中旬に施工業者が決定するスケジュールで手続を進めてございます。
 対策工法につきましては、それぞれの被災原因や現場の状況を勘案し、検討いたしましたところ、いずれの箇所につきましても大型ブロック積み工法を採用することとしてございます。完成時期につきましては、雨の森は遅くとも出水期の始まる6月まで、中古沢は遅くとも年度内の工事完成をそれぞれ目標に取り組んでまいりたいと考えてございます。
 迂回等をお願いしている皆様には、長期間にわたり御不便、御迷惑をおかけすることとなりますが、早期の復旧に努めてまいりたいと考えてございますので、御理解と御協力をいただきたいと考えてございます。
○副議長(山本茂博君) 堀 龍雄君。
  〔堀 龍雄君、登壇〕
○堀 龍雄君 一日も早く開通していただいて通行できますように、御尽力のほどよろしくお願いしておきます。
 3つ目の質問に入らせていただきます。
 国道370号の九度山町九度山交差点から国道480号と接続する高野町矢立交差点の整備についてお尋ねをします。
 先ほども申しましたけれども、国道370号は主要高野山参詣道路でもあり、地域住民の生活道路でもあります。南海高野下駅の周辺は特に道路の狭小な区間があり、バスの離合ができないところがあります。交通渋滞も頻繁に発生しています。また、台風などの大雨には道路が冠水して、道路脇にある民家の床上浸水もたびたび起こっております。長年の懸案であり、要望活動のおかげで、高野下駅付近の狭小であった赤瀬橋の拡幅工事の予算が平成23年度に決定され、平成29年度に完成の運びとなりました。その際に赤瀬橋の高さを1メートル高くすることから、道路の冠水防止のためにも、家屋の浸水防止のためにも、道路をなだらかにかさ上げすると伺っておりましたが、まだ未着工とのことです。
 国道370号の九度山町から高野町までの間は、急なカーブや狭小な部分もまだ多く残っているように感じます。また、仁坂知事は行政報告会で、国道370号に力を注ぎますとおっしゃってくれておりました。
 そこで、国道370号の九度山町九度山交差点から国道480号と接する高野町矢立交差点までの現在の整備の状況と今後の整備について、県土整備部長にお尋ねをいたします。
○副議長(山本茂博君) 県土整備部長。
  〔森戸義貴君、登壇〕
○県土整備部長(森戸義貴君) 国道370号の九度山交差点から矢立交差点間の間の現在の整備状況と今後の見通しについて御質問を頂戴いたしました。この間につきましては、国道480号と接続し、高野山内へ通じる幹線道路でございます。また、第2次緊急輸送道路として災害時の緊急輸送に備えることなどに向けまして、順次整備を進めているところでございます。
 現在の整備状況につきましては、九度山町域において、平成24年度から特に狭隘であった赤瀬橋の架けかえ工事を優先的に進め、平成29年3月に供用し、現在、取りつけ護岸等の工事を行っているところでございます。
 また、高野町域におきましては、特に交通の支障となる6カ所、約1.5キロを平成26年度に事業化し、そのうち用地取得が完了した細川地内の2カ所、約0.7キロについて今年度から路側工事等に着手したところであり、早期完成を目指したいと考えてございます。
 今後の整備につきましては、大型観光バス同士の対向が可能となるよう、幅員狭小区間や線形不良区間などの特に交通の支障となる箇所を優先した整備を検討してまいりたいと考えてございます。
○副議長(山本茂博君) 堀 龍雄君。
  〔堀 龍雄君、登壇〕
○堀 龍雄君 狭小なところや急カーブについては、交通の支障にならないように優先して整備をしていけるという御答弁をいただきました。そして、部長も御存じかと思うんですけれども、道路が冠水して民家がつかりますよというところもやはり頭の中に入れておいていただいて、早くかさ上げをしていただいて、冠水のおそれのないようにしていっていただきたいなあと、そう思います。よろしくお願いしておきます。
 また、次の問題に入らせていただきます。
 上古沢地域の地すべりについてということで、台風21号の大雨により地すべりがあり、その下に民家もあり、一時避難もしてもらっておりました。また、南海電車もまだ運行を見合わせている状況です。
 地すべりについての今後の状況と対策、今後の見通しはどうなるのか、県土整備部長にお尋ねをいたします。
○副議長(山本茂博君) 県土整備部長。
  〔森戸義貴君、登壇〕
○県土整備部長(森戸義貴君) 九度山町上古沢地域の地すべりについて御質問でございます。
 南海高野線の上古沢駅のホーム及び線路を含む斜面において、10月22日の台風21号に伴い地すべりが発生いたしました。
 議員御質問のとおり、この地すべりにより線路が被災し、現在、南海高野線は高野下駅から極楽橋駅間で運転見合わせが行われてございます。県と南海電鉄では、地すべり発生後、速やかに機器を設置して地すべり活動を観測しておりますが、現在のところ活動はほとんど認められず、小康状態にあると推定してございます。
 ただし、降雨等により地すべり活動が再発する可能性もあることから、九度山町による警戒避難を支援するために必要となる観測データの提供と警報装置の設置を行ってございます。
 また、応急対策として地下水を抜くための横ボーリングを行うとともに、地すべりの規模や原因等を解明し、対策工事を設計するためのボーリング調査等の地すべり調査を南海電鉄とともに実施をしてございます。
 今後は、南海高野線の運転再開を最優先と考え、南海電鉄による線路の仮復旧工事に最大限協力するとともに、運転再開後は復旧工事と並行して地域の安全を確保するための地すべり対策工事を着実に実施してまいりたいと考えてございます。
○副議長(山本茂博君) 堀 龍雄君。
  〔堀 龍雄君、登壇〕
○堀 龍雄君 次の質問に入らせていただきます。
 紀の川増水時による内水の対策についてということで、かつらぎ町内の紀の川支川の対策についてお尋ねをいたします。
 台風21号の大雨により紀の川の水位が上昇のため、民家や工場への浸水被害が発生しました。紀の川の水位が上昇することにより樋門を閉鎖せざるを得なくなり、地元で降った雨が紀の川に流すことができなくなり、内水位が上がり、住民の生命や財産が危険な状態になっております。内水面対策として、紀の川に流入する河川で、各自治体が仮設ポンプや消防団による消防ポンプで排水作業を行っております。かつらぎ町においては、財政厳しい中、人命、財産を守るために排水ポンプを発注しているとお聞きしております。
 このように、各自治体では独自に災害対策に努めておりますけれども、それだけでは追っつかない状況にあり、住宅や工場への浸水が発生しています。このような状況を少なくして被害を少なくするためにも、県としての対策はどうお考えなのか、県土整備部長にお尋ねをいたします。
○副議長(山本茂博君) 県土整備部長。
  〔森戸義貴君、登壇〕
○県土整備部長(森戸義貴君) かつらぎ町内の紀の川支川における県としての取り組みについて御質問を頂戴いたしました。
 かつらぎ町内の紀の川支川の対策につきましては、桜谷川、藤谷川において河川の断面を拡大し、河川からの溢水を軽減するため、河道掘削等に取り組んでいるところでございます。
 桜谷川につきましては、紀の川合流点から妙寺駅上流までの1960メートル区間の改修を予定しており、平成28年度までに約590メートルが完成済みで、平成29年度は引き続き約60メートルを実施してございます。
 藤谷川につきましては、紀の川合流点から国道24号までの600メートル区間の改修を予定しており、平成28年度に詳細設計や物件調査等を実施し、平成29年度から用地買収に着手してございます。
 今後とも、さまざまな機会を通じて予算の確保に努め、整備を進めてまいりたいと考えてございます。
○副議長(山本茂博君) 堀 龍雄君。
  〔堀 龍雄君、登壇〕
○堀 龍雄君 紀の川の本川の対策についてということで、紀の川の水位を下げて内水面の高さを少しでも低くすれば、内水氾濫が少なくなり、住民の生命や財産を守られると考えられます。
 そのことから、かつらぎ町は3年前から土砂のしゅんせつを3回で約3万立米採取し、川の高いところが低くなりました。水面より下げなくて、川の水を汚すことなく作業をしてくれました。その結果、台風21号の増水時には砂利のしゅんせつした川上側と川中に樹木が立ち並び、しゅんせつしていないところでは1メートル余りの水位の差が出ました。これは、川幅によって差があると思われますけれども、ほぼ川幅が同じで1キロメートルぐらいしか離れておりません。河床を下げることは減災につながると思っております。
 また、河床のしゅんせつできないと思われる橋脚の近くや、余り土砂の堆積のないところでは、大きな樹木の伐採や竹林の撤去が有効と思われます。木の生えているところや竹林には、増水時には大きな木材やごみがたまり、ダムのようになり水がせきとめられ、水位が上昇しています。木を伐採することにより川幅も確保されれば、水位が下がると考えられます。
 11月20日に近畿6府県の議員フォーラムがあり、地方自治、観光・文化、防災、医療・福祉の4つの分科会に分かれました。私は、雑賀議員と防災の分科会になり、コーディネーターは京都大学防災研究所副所長で社会防災研究部門教授の牧紀男先生でした。テーマは、「災害に対する自治体の備え・役割」ということで行われました。
 近畿府県においても、大雨による河川氾濫や土砂災害などに見舞われており、自治体における災害対策は喫緊の課題であると述べられ、分科会では、自治体が災害に対してどのように備えるか、また災害発生時にどのような役割を果たすかについて議論されました。
 各議員からの意見は、内水面のことが話題になり、滋賀県の議員からは、内水が氾濫しないように田んぼや畑を農家と取り決めをして、その田んぼや畑を遊水地にすることで災害対策になるんではないかというような考えも述べられておりました。
 私は、先ほど述べたとおり、本川の水位を下げることは、河床を下げたり、樹木の伐採が効果があると説明し、下流からと違って上流のほうでもこの作業をしてても下流側に悪い影響は与えませんかということをお尋ねしました。木の伐採やしゅんせつすることで川幅が広くなり、流れが緩やかになり、悪影響になりませんということを言っておりました。
 このことから、水位を下げるためにしゅんせつや樹木の伐採が有効と考えますが、県土整備部長のお考えをお尋ねいたします。
○副議長(山本茂博君) 県土整備部長。
  〔森戸義貴君、登壇〕
○県土整備部長(森戸義貴君) 紀の川本川の水位を下げ、内水被害軽減を図るための取り組みについて御質問を頂戴いたしました。
 紀の川本川の対策につきましては、国が平成24年に策定した河川整備計画に基づき、狭窄部対策や河道掘削などにより、戦後最大規模の出水に対し、これを安全に流下させることができるよう整備を行うこととなってございます。この整備を完了することで、紀の川本川の水位の低下が見込まれることから、内水被害の軽減が期待されているところです。
 一方、国による紀の川本川の河川整備は、狭窄部対策が下流から順次進められるなど時間も要することから、その間、一旦確保した流下断面をしっかり維持するためのしゅんせつ等の維持管理を国が行うほか、国、県、市町においても排水ポンプ車を配備するなど、さまざまな手段を用いた内水被害の軽減に努めているところと考えてございます。
 今後とも、紀の川沿川の内水被害を軽減させるよう、紀の川本川の計画的な河川整備の加速化を初め、出水後の調査等により現地状況を確認した上で、流下断面の確保や支川排水の円滑化に資する河道内樹木の伐採や円滑な流下を阻害する堆積土砂の撤去がなされるよう国に働きかけてまいりたいと考えてございます。
○副議長(山本茂博君) 堀 龍雄君。
  〔堀 龍雄君、登壇〕
○堀 龍雄君 昨日の一般質問の中でも、岩田議員が大滝ダムからの放水、放流というんですか、毎秒1170トン、大滝ダムへ入ってくる水が毎秒2037トンあるんですけれども、それで調整してくれておるんですよという話をお聞きしました。その1170トンの紀の川に放水するのには、理由があるんですね。それ以上放水したらある地域が──和歌山県と違うんで地名は言いませんけれども、ある奈良県側にある地域が毎秒1200トン放流するとつかってしまうと、浸水するおそれがあるんで、毎秒1200トン以下に抑えておるということもお聞きしております。
 そこを考えますと、紀の川に流れてくる水が最大で1200トン未満であろうということのその形がつかめれば、和歌山県にある紀の川に入ってくる支川を何とか改修すれば、浸水被害というものが減るのではないかなと、そう思うわけであります。まして、その支川については県管理の支川と町管理、市管理の支川があると思います。県管理の支川についてでは、順次直していただいておることは承知の上でありますし、ありがたく思っております。しかし、町管理、市管理の支川になってくると、やはり予算の都合であるんかわかりませんけれども、なかなか前向いて進んでいかないというのが実態でありますので、そのほうにも県としてでもお力をかしていただいて、整備のほうに努めていっていただきたいなあと思います。
 そして、本川のしゅんせつや樹木の伐採をすることによって、目に見えて効果がありますので、国のほうにももっともっと強くしゅんせつ、伐採をさしていただきますようにお願いをしていっていただきたいなと、そう思います。
 4つ目の項目に入らしていただきます。認知症対策についてということでお尋ねをいたします。
 年々認知症の方が増加し、2012年で、5年前のデータなんですけれども、認知症の方が460万人、予備軍が400万人いると推定されています。認知症は、物事を記憶や判断して考えたり理解する認知機能は、社会生活を営む上で最低限必要な機能だそうです。物事を考えたり判断したりするときに、脳の中には神経細胞が神経伝達物質を使ってさまざまな状況を伝えるという重要な役割を果たしております。このことから、加齢とともに神経細胞が減少して認知機能が低下することで、物忘れなどの症状が多くなってくるそうです。
 残念ながら、現在、こうすれば認知症にならないというような方法がないそうです。しかし、最近の研究から、どうすれば認知症になりにくいかということが少しずつわかってきたとありました。予防対策は、認知機能を重点的に使うため、対人接触を行うことや知的行動を認識した日々を過ごすことが重要と言われております。具体的には、週に3日以上有酸素運動をしなさいよ、人とよくおしゃべりをする、また文章を書く、読む、30分未満の昼寝をする、起床後2時間以上太陽の光を浴びることとありました。
 このことを考えると、私は認知症の方が外へ外出することも大切なことと思います。そのために、近所のコンビニや各種商店の方々の協力は必要かと考えます。地域における認知症の方を見守る体制づくりについては、どのような状況ですか。また、認知症予防のためにどのようなお取り組みをされているのか、福祉保健部長にお尋ねをいたします。
○副議長(山本茂博君) 福祉保健部長山本等士君。
  〔山本等士君、登壇〕
○福祉保健部長(山本等士君) まず、地域での見守り体制についてですが、認知症の人が住みなれた地域で自分らしく暮らし続ける社会の実現を目指すには、認知症の人に優しい地域づくりを進めることが大切です。そのためには、地域住民が認知症のことを正しく理解し、認知症の人やその家族を温かい目で見守る体制が必要であると考えております。
 こうしたことから、県では、県民への認知症の理解を深めるため、シンポジウムや研修会の開催を通して広く周知しているところです。
 加えて、認知症の人やその家族の応援者である認知症サポーターを県、市町村が中心となって養成し、町なかやスーパーなどで必要に応じて高齢者に対して声かけや案内などを細やかに行うことにより、見守り体制の充実に努めているところです。
 なお、本年9月末現在、県内で約5万5000人の認知症サポーターを養成したところであり、引き続き地域の事業所などへの働きかけを行いながら、認知症サポーターのさらなる増員を図ってまいります。
 次に、認知症予防につきましては、アルツハイマー病などの認知症を引き起こす大半の病気は、いまだ予防法は十分には確立されていませんが、認知機能低下予防の観点からは、議員御指摘のように、有酸素運動を行うことや人とのコミュニケーションを図ることなどの取り組みを習慣づけることが大切であるとされております。
 このため、県では県立医科大学と協働で認知症予防プログラムを開発し、市町村における認知症予防教室や高齢者学級、高齢者サロン等、さまざまな活動の中で効果的に活用するよう働きかけているところです。
 県といたしましては、今後とも市町村との連携を密にしながら、認知機能低下予防の効果的な取り組みの推進に努めてまいります。
○副議長(山本茂博君) 堀 龍雄君。
  〔堀 龍雄君、登壇〕
○堀 龍雄君 少子高齢化が進む中で、子供は地域の宝物ですよというて子供を地域で育てていこうよということも打ち出されております。今まで貢献され、認知症になられた方も、地域で見守り、その方々がやはり活発に外に出ていってもらえるように、例えば果物屋さんでとかお菓子屋さんでとか本屋さんでとか、そこら一帯商店の方々にも認知サポーターになっていただけるように、そして認知症の方が外に出歩いて、出ていっていただいて、症状が進まないような対策をとっていただけたらなあと、そう思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 消費者被害の防止についてということで、第2次消費者教育推進計画の重点事項についてということでお尋ねをいたします。
 昨今、高額な布団等を売る訪問販売や衣服等を買い取るといって訪問し、手持ちの貴金属を買い取る訪問購入などの消費者被害が後を絶たないと聞いております。
 最近では、販売実績のない通常価格と、それよりも安い販売価格を並べて、あたかもお買い得であるかのように装った業者に対して、消費者庁が措置命令を出したところでございます。
 また、お試し価格ですよといって初回500円と広告があったので、初回だけ買うつもりで申し込みをしましたが、チラシの中の離れたところに3回の定期購入が要件であることが記載されており、解約できるまでに2回、3回の購入が必要となった事例などがあります。
 こうした消費者トラブルが多い定期購入や訪問購入などの契約を対象として、トラブル防止のために消費者庁は特定商取引法を改正するなど、関係法令の整備がなされているところです。こうした消費者トラブルは高齢者が受けることが多いと思いますが、次々と新たな消費者トラブルが出てくる状況においては、消費者自身が知識をつけて、トラブルに遭わないように行動することが大変重要かと思います。
 現在、1年間の消費生活相談の件数は、全国で約90万件、県の消費生活センターで約6000件、県内の市町村には約2000件と依然高い状況にあるとともに、内容もより複雑になっています。消費者みずからが最新の情報を収集し、消費者トラブルに遭わないよう行動する、そのためにふだんから学習しておくということが必要かと考えます。
 こうしたとき、県では、第2次消費者教育推進計画案のパブリックコメントを募集していますが、今後、消費者トラブルを未然に防止するため、第2次計画では何を重点的に取り組んでいくのか、環境生活部長にお尋ねいたします。
○副議長(山本茂博君) 環境生活部長山田成紀君。
  〔山田成紀君、登壇〕
○環境生活部長(山田成紀君) 現在、パブリックコメントを実施しております第2次和歌山県消費者教育推進計画案におきましては、県民の消費生活の安心・安全と公正で持続可能な社会の形成を目指し、みずから考え、みずから行動する自立した消費者を育成するための教育を進めることとしております。
 その中で、架空請求はがきや訪問による貴金属の買い取り、いわゆる押し買いなど、複雑で巧妙になる消費者トラブルを未然に防止するため、特に3つの項目に重点を置いて取り組むこととしております。
 まず1点目は、若年層に対する消費税教育の推進で、消費生活アドバイザーなどによる学校への出前講座や、教員を対象とした研修などを行うこととしております。
 2点目は、高齢者等に対する消費者教育・啓発で、民生委員やボランティアなどによる高齢者の見守り活動の中で消費者トラブル防止の啓発を行ってもらったり、警察が実施するだまされたふり作戦を周知する高齢者向け講座などを行うこととしております。
 3点目として、消費生活センター等の拠点化で、消費生活センター等相談窓口の専門性を高め、地域住民の消費者教育や消費生活に関する情報を提供する拠点となるよう機能強化を図ることとしております。
○副議長(山本茂博君) 堀 龍雄君。
  〔堀 龍雄君、登壇〕
○堀 龍雄君 消費生活の相談体制についてということでお尋ねをします。
 皆さんが消費者トラブルに遭ったとき、どうすればよいか戸惑うことが多いと思います。泣き寝入りする人やお金を払い込んでしまう人もいると思います。こうしたことがないよう、困ったときすぐに相談できるか、どこに相談すればよいか、知っていることが一番大切だと思います。
 全国の市町村の消費生活センターは、平成21年度は378カ所であったものが、平成29年度には735カ所と、9年間でほぼ2倍になっています。消費生活センターは、先ほど質問したトラブルの事案など困ったときに気軽に相談できる場所であるとともに、消費生活に関する知識を習得できる場所でもあります。また、消費生活センターは、県はもとより市町村においても消費者行政の中心的役割を担うものとして、より一層の充実強化を図る必要があると考えます。
 計画案では、先月11月から全市町村において消費生活相談員による相談体制が構築されたと書かれてありますが、実際はどのような体制で、今後どのように相談体制を強化していくのか、環境生活部長にお尋ねをいたします。
○副議長(山本茂博君) 環境生活部長。
  〔山田成紀君、登壇〕
○環境生活部長(山田成紀君) 県におきましては、和歌山ビッグ愛と西牟婁振興局内の2カ所に消費生活センターを設置しております。また、本年11月からは全ての市町村に消費生活相談員が配置され、相談体制が整いました。
 消費生活相談員の配置は、毎日であったり週1回であるなど、それぞれの状況によって形態は異なりますが、住民を相互に受け入れる協定を締結するなど、周辺市町村や県が協力することにより、いつでも身近なところで専門的な消費生活相談を受けられる体制が整備されております。
 こうした体制整備に合わせ、消費者トラブルに遭ったときどこに相談すればよいかわからないという方をなくすため、身近な相談窓口を案内する消費者ホットライン、3桁の電話番号で188、語呂合わせで「『いやや!』泣き寝入り!」を周知しているところです。
 今後も、消費生活相談員養成講座や研修を通じて、消費生活相談員の育成や対応能力を強化し、相談支援体制の充実を図ってまいります。
○副議長(山本茂博君) 堀 龍雄君。
  〔堀 龍雄君、登壇〕
○堀 龍雄君 皆さんに周知していただいて、これ以上トラブルが起こらないように強化の体制をどうぞよろしくお願いいたします。
 6つ目の問いに入らせていただきます。
 府県間道路国道480号の安全対策についてということで、警察官立ち寄り所についてをお尋ねいたします。
 切望しておりました国道480号の鍋谷峠トンネルの開通により、交通量が約10倍にふえ、約4500台を超えるようになりました。国道170号の外環状道路までは20分で行けるようになり、最近の観光マップにもこのコースが記載されており、大型バスや自家用乗用車が世界遺産の高野山や丹生都比売神社、丹生酒殿神社、そして九度山の慈尊院への観光客が多く来てくれております。
 交通環境の整備で大変便利になり、地域住民の方やそれを取り巻く周りの人たちも大阪が近くなったよと喜んでくれております。しかし、いいことばかりではないと考えられます。交通量の増加により、交通事故や犯罪がふえることが懸念されます。
 大阪から和歌山に入る入り口となる四郷地域に駐在所がありましたが、現在、駐在所の統廃合によりなくなり、警察官連絡所として今も残っておりますが、道路の改修により道路の位置が変わって、今では全く見えないところにあります。
 その近くには、国道480号沿いにくしがきの里という道の駅があります。夜になるとどこからともなくバイクや車が来て、騒音を出したりドリフト走行した形跡もあり、地域の人たちが安全・安心して落ちついて暮らしていけるように、トラブルが発生しないように警察官の立ち寄り所を建設し、犯罪を起こさない抑止力となるような警察官立ち寄り所が必要と考えますけれども、警察本部長のお考えをお尋ねいたします。
○副議長(山本茂博君) 警察本部長宮沢忠孝君。
  〔宮沢忠孝君、登壇〕
○警察本部長(宮沢忠孝君) 国道480号の鍋谷トンネルが本年4月1日に開通し、道路が整備されたことにより、府県間の交通の利便性が高まる一方で、交通事故や広域的な犯罪の発生も懸念されると考えています。
 現在、国道480号を管轄するかつらぎ警察署では、同国道を中心とした警ら活動を重点的に実施し、犯罪抑止、交通事故防止に取り組んでおります。
 一方、住民の方々から同国道沿いに警察活動の拠点を整備願いたいという御要望があるということも承知しています。県警察としては、国道480号の環境変化に対応するため、くしがきの里への立ち寄りや駐留警戒を強化する必要があると認識しているところであり、そのための拠点の整備に関し、かつらぎ町と協議しつつ実現を図ってまいります。
○副議長(山本茂博君) 堀 龍雄君。
  〔堀 龍雄君、登壇〕
○堀 龍雄君 本当に前向きな御答弁をいただきまして、本当にありがたく思っております。地域の方々を初め、観光客の方も安心して和歌山に来ていただけると、うれしく思っております。本当に御清聴ありがとうございました。これで、一般質問を終わらせていただきます。(拍手)
○副議長(山本茂博君) 以上で、堀龍雄君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後2時48分散会

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