平成29年12月 和歌山県議会定例会会議録 第2号(秋月史成議員の質疑及び一般質問)


平成29年12月 和歌山県議会定例会会議録

第2号(秋月史成議員の質疑及び一般質問)


汎用性を考慮してJIS第1・2水準文字の範囲で表示しているため、会議録正本とは一部表記の異なるものがあります。

正しい表記は「人名等の正しい表記」をご覧ください。


 質疑及び一般質問を続行いたします。
 2番秋月史成君。
  〔秋月史成君、登壇〕(拍手)
○秋月史成君 本日の最終登壇者となります。皆様方お疲れでしょうが、最後までおつき合いいただきますようよろしくお願いいたします。
 それでは、議長の許可をいただきましたので、通告に従い、一般質問を行います。
 私は、今から30年ほど前、関東地方に住んでおりました。全国津々浦々から集まった友人と、連想ゲームのように郷里の自慢話をよくしたものでした。
 和歌山といえば、当時、ミカンと答える友人が大半でしたが、その当時、他の地方から見ればミカンが和歌山の有名な農産品であり、また和歌山を象徴する農産品でしたが、近年の健康志向から梅が注目されるようになり、以前に比べ、和歌山県の象徴的な農産品といえば梅となってきているようでございます。また、和歌山県条例においては、県花を梅の花と定めております。ということもあり、梅は、和歌山の象徴と言っても過言ではない状況と思われます。
 あるとき、インターネットニュースをチェックしていますと、昨今、梅毒が再び流行しているという記事を目にいたしました。ことし1月から11月19日までの累計で5053人の性感染症の梅毒の感染者が報告されております。梅毒の感染者が年間5000人を超えるのは、1973年以来44年ぶりのこととなります。
 梅毒といえば有名な性感染症のことですので、説明は割愛させていただきますが、私の今回の質問は、再び流行の気配のある梅毒の感染を防ぐための趣旨の質問ではございません。
 皆様も御存じのとおり、梅毒という感染症の表記は、漢字で梅の毒と書きます。和歌山を象徴する農産品、和歌山の花でもある梅と毒を合わせて「梅毒」と記述するのはいかがなものかと感じているところであります。もちろん、梅毒と梅が医学的に関係ないということは明白な事実でありますが、和歌山県を代表する農産品、象徴とも言える梅のイメージダウンになると懸念する1人でもあります。
 梅毒は、国の法律では5類感染症の1つに掲げられており、法律に漢字で梅の毒と書いて「梅毒」と表記されております。私は、国民の津々浦々まで浸透しています梅毒という感染症名を今さら変更していただけるように国に対して働きかけろと言うつもりはございません。しかしながら、和歌山県の象徴的な農産品である梅に毒を足して書く「梅毒」という感染症名をせめて平仮名表記、または片仮名表記に変更していただけるように国に働きかけていってはいかがかと思いますが、知事のお考えをお聞かせください。
○議長(尾﨑太郎君) ただいまの秋月史成君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 私も、病気の梅毒が何であんな字を書くのかなあということについては、昔、ちょっとだけ疑問に思ったことがございましたが、余り深くは考えませんでした。今回御質問がありましたので、県庁を挙げて調べましたところ、次のようなことがわかってまいりました。
 この名前は、もともと中国から来てるようであります。その中国でどうなってるのかというと、梅毒に感染してから3カ月ほどいたしますと、症状に見られる赤い発疹が出てまいりますが、それが楊梅、ヤマモモの果実に似てるということから、最初は楊梅瘡、すなわち楊梅のようなできものという名前であったそうですが、そのうち「楊」がなくなりまして「梅瘡」となりまして、最後に「梅毒」になったというふうに物の本に書いてあるところでございます。
 私も、実はヤマモモというのは知っておりますが、ああ、なるほどと思うんですが、楊梅という言葉が、そんなものがあったのかというふうに思いましたら、たまたまきょう、宇江敏勝さんという田辺御出身の郷土作家なんですが、その方の最新作の「熊野木遣節」という本を読んでおりましたら、何とそこの土着の方々が「楊梅の実をとっていいかな」とか何かいうようなことを会話をしてるのを発見しまして、ああ、なるほど、そういう言い方もあったのかというふうに思いました。
 ちなみに、中国では、現在はもちろん「梅毒」と漢字で書きまして「メイドゥ」と言うそうでございます。
 一方、梅毒スピロヘーターの学名は、トレポネーマパリズムというふうにいうんだそうでございまして、また英語の名前はシフィリスと、あるいはドイツ語ではディフィリスとか、そんなふうにいって、どうも「シフィリス」がつくようでございます。このシフィリスって何やというと、中世の学者さんがギリシャ神話の牧童名から何かつけたそうでございます。
 大体、日本の病気の名前は、こういう西洋由来のものと中国由来のものとあって、たまたま昔、西洋由来の名前をうまいこと使ってくれたらこんな問題はなかったと思いますが、中国由来の名前を採用してしもうたもんですから、議員御指摘のような、ちょっと考えてみたら不愉快というような話があるわけであります。
 日本では、明治20年の医学書で既に「梅毒」と漢字表記されまして、現在は、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律において疾患名を漢字で「梅毒」と定めております。本県特産物の梅には何の関係もないのに、まあ、考えてみたら不愉快だなという感じはいたします。しかしながら、私もそうでありましたように、梅毒という言葉を知っていても、これが和歌山県の誇るべき梅と関係があるのかというようなことを余り考える人は少ないというふうに思います。
 また、平仮名、片仮名で表記してもまた何でやという話になって、あんまり効果はないかなということがありまして、法律を変えるというところまで言いに行くのはちょっと気が重いなあというのが私の今の感じでございます。
 それよりも、梅というと梅毒なんて思い出すことはほとんどありませんで、むしろ体にいいものということが大分定着してまいりました。そこで、梅のイメージアップを図るために、まず生産支援で高品質のものをつくってもらわないかん、それから機能性とかをアピールせないかん、それから、世界農業遺産「みなべ・田辺の梅システム」などの梅の魅力を全国の消費者に大いに発信してやっていったらまあいいかなあというふうに現在は思ってるところでございます。
○議長(尾﨑太郎君) 秋月史成君。
  〔秋月史成君、登壇〕
○秋月史成君 明治時代の医学書に既に漢字表記、中国において漢字で「梅毒」表記、しかし、少し前の話になりますが、厚生労働省の性感染症防止のポスターで梅の花が描かれていたことがありました。梅毒と梅が医学的に何の関係もないことは広く国民にも周知されていることですが、梅毒と梅を絡めて、回収したとはいえ、ポスターが制作されるということは非常に残念に思いました。
 梅の収穫時期となる6月になりますと、みなべ町はもちろん、田辺市周辺の飲食業、もちろん上富田町でも、また私の会社も、例に漏れず暇となります。地域一丸となって梅の収穫に取り組んでると言っても過言ではない状況となります。梅農家の皆様は、精魂込めて梅を栽培し、収穫時期となると梅拾いの皆様は、1粒1粒丁寧に収穫していくのです。紀南地方にとって、いえ、和歌山県民にとって梅は魂と言っても過言ではないと思います。
 その県民の魂のような農産品である梅に毒を足して「梅毒」と書く性感染症名を和歌山県民の1人として黙って見過ごしておくわけにはいかないと思い、今回質問させていただきました。漢字の梅毒を平仮名・片仮名表記とするように変更していただけるように国に対して働きかける考えはないという御答弁でしたが、しかし、そういった声を上げていくことも大切かなと思いました。
 次の質問に移ります。
 昨今、豪雨災害に関するニュースがテレビ、新聞等の報道機関で毎年のように多数取り沙汰されております。和歌山県でも、平成23年の紀伊半島大水害や、本年紀伊半島を襲った台風21号による被害が皆様の記憶に新しいことと存じます。紀の川市西脇地内で農道を含む大規模な斜面崩壊などが発生し、お1人がお亡くなりになりました。また、県内各地で家屋等の浸水、土砂崩れ等が発生し、大きな被害をもたらしました。お亡くなりになられた方の御冥福を心からお祈り申し上げますとともに、被害に遭われた皆様に心よりお見舞いを申し上げます。
 その豪雨災害を引き起こす1つの要因としてよく聞くのが、地球の温暖化であります。温暖化の原因として挙げられるのが温室効果ガスの排出問題と言われております。その原因の1つにフロン類の放出が挙げられております。地球温暖化を防止するためにはフロン類の適正な管理を行うことが必要であることから、平成27年4月にフロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律、いわゆるフロン排出抑制法が施行されたところであります。
 この法律の中では、フロン類を大気中にみだりに放出することの禁止、機器の廃棄の際のフロン類の回収・破壊の義務づけ、機器廃棄時の工程管理制度の導入、機器整備時の回収義務の明確化の措置が講じられております。この法令を遵守しなかった場合、最高で1年以下の懲役または50万円以下の罰金が課せられると、重い罰則規定もございます。
 まず初めに、フロン類をみだりに放出した事例が県内において報告されたことがあるか否か、環境生活部長、お答えください。
○議長(尾﨑太郎君) 環境生活部長山田成紀君。
  〔山田成紀君、登壇〕
○環境生活部長(山田成紀君) 県では、フロン類のみだりな放出を防止するなど、フロン排出抑制法の適正な実施を確保するため、業務用冷凍空調機器を設置している事業者や第一種フロン類充填回収業者に対し、立入検査を実施しておりますが、これまでフロン類をみだりに放出した事例は見られません。
 また、県民や事業者、他の行政機関からも、フロン類のみだり放出に関する報告は受けておりません。
○議長(尾﨑太郎君) 秋月史成君。
  〔秋月史成君、登壇〕
○秋月史成君 次に、私が以前役員を拝命しておりました和歌山県の自動車車体整備業界団体が、以前アンケート調査を行いました。自動車の事故車修理では、車両前部位の事故車両を修理する場合、フロンガスが充填されておりますクーラーコンデンサーの脱着及び取りかえ作業がよく行われます。内板骨格部位を修理する場合は、必須と言っても過言ではない作業となります。
 事故により車両前部が破損し、フロンガスが不可抗力で大気に排出される場合もございますが、修理によりクーラーコンデンサー及びクーラーパイプ等の脱着及び取りかえ作業が生じた場合、その際に適正にフロン類の回収が行われているかどうか、フロンガス回収機の普及率を各工場に調査したところ、3割ほどの工場しか導入されておりませんでした。裏を返せば、7割近くの工場が未導入であり、フロンガスを適正に取り扱いできない状況であるという結果が浮き彫りとなりました。
 フロンガス回収機は、1基数十万円と比較的高額で、事業規模の小さな車体整備工場には大きな負担となります。工場の経営者の中には、ほぼ無色透明、臭気も少ないガスであり、フロンガスを不法に大気放出する時間も短いことから、その瞬間を誰かに見られることはほぼないであろうということもあり、フロンガス回収機を導入することを積極的に行わない事業者が多いものでした。また、チェックする機能も余りないことから、ばれなければいいやという風潮もあります。
 地球の温暖化を抑制するためにフロン類の不法な大気放出の取り締まりを強化し、またチェックを強化してはいかがかと思いますが、環境生活部長、お答えください。
○議長(尾﨑太郎君) 環境生活部長。
  〔山田成紀君、登壇〕
○環境生活部長(山田成紀君) 地球温暖化防止のため、高い温室効果を有するフロン類について、その使用機器からの漏えい防止や廃棄時の回収率向上等を図るなど、排出規制対策をより一層推進する必要があります。
 平成27年4月にフロン排出抑制法が施行されて以来、フロン類の漏えい量が多いとされている業務用冷凍空調機器を設置している事業者の団体への、協力や事業者への立入検査を計画的に実施してまいりました。
 今後は、自動車整備時におけるカーエアコンからのフロン類の排出抑制対策を進めるため、関係機関、関係団体への協力要請や事業者への立入検査について計画的に取り組んでまいります。
○議長(尾﨑太郎君) 秋月史成君。
  〔秋月史成君、登壇〕
○秋月史成君 フロン類をみだりに放出した事例は把握していない、また、県民や事業者、他の行政機関からもフロン類をみだりに放出する報告は受けていないという御答弁をいただきましたが、先ほどの質問でも述べさせていただいたとおり、フロン類は無色透明、臭気も少なく、みだりに放出する時間も短いことから、みだり放出のその瞬間を確認するのは困難であろうかと思います。しかし、私は、私の業界の恥部でもあろうかと思う実例を挙げさせていただいたとおり、みだり放出は実際に存在いたします。
 フロン類取扱業者の中には、地球環境保全のため遵法精神を持ち、適正に取り扱いを行っております事業者もいます。正直者がばかを見る世の中ではいけないと思います。第2種フロン類は、立入検査の権限が曖昧であることから、取り締まりは困難であろうかと思います。また、取り締まりや立入検査の手法もなかなか難しいこととは存じますが、そこは優秀な和歌山県庁の職員の皆様ですので、英知を絞ってチェック体制を強化していただき、フロン類の排出の抑制並びに地球の温暖化を抑制していただき、豪雨対策抑制の一翼を担っていただければと思います。
 次の質問に移ります。
 学校内の人事、校内人事についてお尋ねいたします。
 校内人事とは、学校内における教務主任や学年主任などの人事配置のことであります。学校内の人事決定をめぐり、以前は教職員の選挙や投票が行われていたり、教職員の互選で校内人事を決定していた公立学校が全国でも多数見られていたことが2015年の文部科学省の調査で判明いたしました。
 この調査において、校内人事は校長の専権事項と定められた学校教育法に反する疑いがあるとして是正を求め、文部科学省から全国の公立学校に通知されました。その通知内容を皆様にお伝えします。
 校内人事については、指導事項①校内人事の決定に当たり、校長の選任ではなく教職員の互選等により選ばれた教職員を主たる構成員とする人事委員会等の組織を設置し、当該組織が校内人事の原案を作成し校長が追認するなど実質的に当該組織が校内人事を決定しているような状況は、校長の権限を実質的に制約しかねないため、法令等の趣旨に反し不適切であり、このような組織は設置すべきでないこと。仮に校長が校内人事に関する組織を置く場合には、校長の指揮監督のもと必要に応じて校内人事に関する事務を行うための組織であることを明確化することなどにより、校長の権限を実質的に制約することのないように規程を整備すること。②校内人事の決定に当たり、教職員による挙手や投票等の方法によって、選挙や意向の確認等を行うことは、校長の権限を実質的に制約しかねないため、法令等の趣旨に反し不適切であり、行うべきでないこと。
 和歌山県内の公立学校も例外ではなく、事あるごとに県教育委員会から学校を指導していた経緯があるようでございます。校内人事は学校長の専権事項であるはずですが、文部科学省の通知のとおり、適正に厳格に校内人事が行われているか否か、県教育長、お答えください。
○議長(尾﨑太郎君) 教育長宮下和己君。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 校内人事につきましては、学校教育法に「校長は、校務をつかさどり、所属職員を監督する。」と規定されており、校内組織や担任等の教職員の担当は、校長が決定するものとされております。
 平成26年度に文部科学省から全ての学校に対して、職員会議や校内人事のあり方についての調査がありました。本県におきましては、その調査結果をもとに、不適正な規程や慣行があった学校に対して適切に運営するよう指導し、廃止・修正したことを確認してございます。
○議長(尾﨑太郎君) 秋月史成君。
  〔秋月史成君、登壇〕
○秋月史成君 しかしながら、私の耳に入ってる情報は、県教育長の御答弁と少し異なったものであります。運営委員会とか選考委員会とか、教職員を主たる構成員とする会がその校内人事に間接的にかかわり、学校の管理者でもある校長が追認して決定している経緯があるように疑われる学校もいまだにあるようでございます。
 本来、学校長の専権事項である人事に関し、運営委員会とか選考委員会が校内人事にかかわるというのは、いささか文部科学省の通知に反するように感じるのは私だけではないように思われます。専権事項とは、限られた人物のみがその裁量により判断や決定を下せる事項のことであります。ここでいう限られた人物とは、学校の管理者である学校長のことであります。
 また、文部科学省の校内人事に関する通知以来、学校内部では、以前に比べ校内人事が適正に行われている傾向にあると思われますが、校内における人事決定におけるプロセスは、各種委員会が介在しているように思われてならないのです。また、組織等を巧妙に変更し、以前と類似した校内人事が行われている学校もあるかもしれません。
 その辺も踏まえ、実態を県教育委員会として細部にわたり掌握し、正規の運用を行うように指導監督すべきだと考えますが、いかがでしょうか。県教育長、お答えください。
○議長(尾﨑太郎君) 教育長。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 学校運営に関しまして、県立学校につきましては、学校訪問や校長からのヒアリング等、機会あるごとにその諸課題について確認を行っております。小中学校につきましては、設置者である市町村教育委員会に管理責任があり、市町村教育委員会が責任を持って適切な学校運営に向け、指導してございます。
 議員御指摘の校内人事のあり方については、平成26年度に確認したところですが、改めて各学校に対して、市町村教育委員会とともに学校訪問や校長からのヒアリングを通して定期的に確認し、徹底してまいります。
○議長(尾﨑太郎君) 秋月史成君。
  〔秋月史成君、登壇〕
○秋月史成君 校内人事は、校長の専権事項と定めた学校教育法は、以前から存在したと思います。文部科学省が平成26年に調査したことから、教職員による選挙や投票が行われていたり、教職員の互選で校内人事を決定していた公立学校が全国でも多数存在するということが判明したわけでもあります。
 和歌山県でも、平成26年度に文部科学省から全ての学校に対して職員会議や校内人事のあり方について調査があり、本県でも、その調査結果をもとに、不適正な規程や慣行があった学校に対して適正に運営するように指導をし、廃止・修正したことを確認したとの御答弁がありましたが、私の認識といたしましては、県内の公立学校100%が文部科学省の通知のとおり、現在も校内人事が行われているとは思えません。
 しかし、今後は、市町村教育委員会とともに学校訪問や校長からのヒアリングを通じて定期的に確認し、徹底してまいりますとの力強い御答弁、県教育長の強い決意と受け取らせていただきます。
 私に教えてくれた方がいました、人生で成功するのは保育園で教えられたことを実践することだと。おはようございます、こんにちは、挨拶をしましょう。お父さん、お母さん、先生、上の人の言いつけは素直に聞きましょう。ルールは守りましょう。そんな簡単なことが、そんな当たり前のことが、大人になると私も含めてなぜかできないのです。「進んでするのが人の上、まねしてするのが人の中、言われてするのが人の下、言われてせぬのが人のくず」、私が師と仰ぐ方に教えていただいた言葉であります。
 教職員という教壇に立つ人々が、つい最近の平成26年まで、学校教育法を多数守れていなかった事実があります。県内公立学校の教職員の皆様は、遵法精神を持ち、上席者である県教育長、学校長の言うことを素直に聞き、ルールを末永く守っていただけることを願いたいと思います。
 最後の質問に参ります。
 北朝鮮の弾道ミサイル、核開発に警戒が高まり、また、米軍が北朝鮮軍事攻撃に踏み切る緊張感が漂っております。北朝鮮は、11月29日に通算3度目となる大陸間弾道ミサイルICBMの発射を強行し、より一層緊張感が高まっております。
 朝鮮半島有事勃発の際、弾道ミサイル、それらより破壊力を持つかもしれない脅威が朝鮮半島から押し寄せると推測される、難民の対策であります。朝鮮半島有事が起きた場合、日本にどれほどの難民が押し寄せるのか。一説には、日本には韓国から約22万人、北朝鮮から約5万人の合計27万人が押し寄せ、九州北部や山陰地方沿岸部から上陸すると推測されております。
 太平洋に面し、朝鮮半島からは遠い地域である和歌山では、朝鮮半島からの難民が直接上陸する可能性は低いと考えられます。しかし、その大半が海に面する和歌山県では、海流のかげんにより、沿岸部に難民を乗せた船舶が押し寄せる可能性が皆無とは言えないと思います。さらに問題を複雑化するのは、難民にまじって武装難民が流れ込む可能性があるということです。
 1996年に韓国で発生した江陵浸透事件、これは難民の事件ではございませんが、韓国の江陵市において、韓国内に侵入していた工作員を回収しに来た北朝鮮の特殊潜水艦が座礁し、帰国手段を失った乗組員と工作員計26名が韓国内に逃亡、潜伏した事件であります。わずか26名の掃討作戦において、およそ2カ月の期間と延べ150万人の韓国軍及び警察の人員が投入されたという事件であります。
 皆様も御存じのとおり、韓国は現在も徴兵制をしいており、軍事教育を受けた者が多いことでしょう。韓国は、資本主義国家ではありますが、昨今の対日感情の悪化もあり、反日教育をいまだに行っている国家であることから、韓国国民は日本に対し友好的な感情を抱いているとは限りません。同じことが日本国民にも言えるかと思います。また、北朝鮮の国民は、総兵士と言っても過言ではありません。
 本年11月16日付「読売新聞」に、「朝鮮半島有事で北朝鮮から日本に多数の避難民が押し寄せた場合を想定し、政府が検討している対処方針の概要」という記事が掲載されました。
 和歌山県においても、今後、朝鮮半島有事の際に流れ込む難民の初動の対処計画の策定などをしておく必要があるかと私は考えます。現在のところ、自衛隊法はもちろん、周辺事態法を改定した重要影響事態法、日本が他国から攻撃を受けた場合の対処を示した武力攻撃事態法にも難民の文字はございません。また、関係各省庁との取り決めも現在のところございません。連携体制も全く不明であります。
 関係省庁としては、窓口の内閣府、税関をつかさどる財務省、検疫を担当する厚生労働省、入国管理を行う法務省、警備を受け持つ警察庁、防衛省、海上保安庁などが挙げられますが、政府は、どの省庁が中心となって難民に対処するか決めておりません。先ほど述べさせていただいた新聞記事でやっと本格的に議論が深められてきたという印象であります。
 1989年にインドシナ難民が過去最多となり、国内は混乱を来しました。また、過去には、和歌山県南部沿岸にも中国本土から不法入国者が上陸し、混乱を招いたという教訓もあります。可能性が低いとはいえ、和歌山県に難民が流れ着いた場合、和歌山県としてどう対処していくのか、お聞かせください。
○議長(尾﨑太郎君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 朝鮮半島有事の際には、議員御指摘のとおり、朝鮮半島から多くの難民が我が国に押し寄せ、その一部は、多分太平洋側にも及ぶ可能性があると思います。難民といっても、本当の難民かどうかわからんというようなことも大いに考えられると思います。最近の漂流漁民と一応言われている人々の漂着のときなんかも、あれは本当にそれで全てだったのかなあとか、いろいろと心配が常にあると考えております。
 難民に対する初動対応は、通常、海上にあっては海上保安庁が当たり、上陸後は各都道府県の警察が当たるということになると思います。その際、警察では、入国管理局など関係機関と連携しつつ、その時々の状況に応じて、身元の確認や難民であるかどうかを確認するための事情聴取を行い、身柄の保護や入国管理局への引き渡し等、必要な措置を講じていくことになります。
 一方、朝鮮半島有事の際に想定されるような物すごいたくさんの数の難民に対する対処方針を国が、御指摘のように、必ずしも示していないということから、国と地方の役割を明確にした上でとるべき方策をちゃんと定めておくよう、全国知事会から国に対して要請を行っているところでございます。現在、国において対処方針等の具体的検討に入ったというふうに聞いております。
 本県では、日ごろから、県警と海上保安庁が共同でテロ対処訓練を繰り返し実施するなど、関係機関が緊密に連携し、さまざまな危機事象に備えているところでありまして、今後、国から難民に対する対処方針が示された段階で、県としてもこれにどのようにかんでいくか、適切に対応して、県民の安全・安心を守っていく所存でございます。
○議長(尾﨑太郎君) 秋月史成君。
  〔秋月史成君、登壇〕
○秋月史成君 12月4日から本日8日まで、北朝鮮に圧力をかけるためと言われております米韓両軍の大規模な合同空中演習「ビジラント・エース」が、韓国と周辺上空で約230機の航空機を動員して行われております。定期的な訓練でありますが、今回は、アメリカの空軍、海軍、海兵隊らの兵士約1万2000人が韓国空軍とともに参加し、史上最大規模と言われております。訓練には、最新鋭ステルス戦闘機F22、F35A、F35B、F15C、F16のほか、電子戦機EA-18G、戦略爆撃機B1などが動員されております。
 それに北朝鮮は反発し、朝鮮労働党機関紙「労働新聞」では、4日付で米韓両軍による合同空中訓練について、無謀な戦争挑発を決して座視せず、断固対応していくと威嚇の報道を行っております。まさに一触即発の緊張感が朝鮮半島周辺で漂っております。
 また、北朝鮮からと見られる木造船の日本海沿岸での漂流や漂着は、11月中に28件確認され、過去4年間で最多となっております。北朝鮮のものと見られる木造船は、今のところ漁船と見られ、乗組員も漁民と見られてはおりますが、テレビや新聞報道を見る限り、本当に老朽化した小さな木造船であると思います。あんな小さな船で荒波の日本海を渡り、日本海沿岸に漂着するわけであります。これが大量に押し寄せる難民を乗せた船だったらと不安もよぎります。
 朝鮮半島から遠い和歌山県ですが、日本海沿岸から上陸した朝鮮半島からの難民が陸路で和歌山県に侵入する懸念もあります。現在、国において避難民に対する対処方針の具体的検討を行っていると聞いており、対処方針が示された段階で県として適正な対応をしていく所存との御答弁でありましたが、対処方針が示される前に朝鮮半島有事が勃発し、本県に難民が押し寄せたらどうするのだろうかと不安がさらに増します。
 朝鮮半島から押し寄せる難民とテロ攻撃から逃げ惑う日本人が混在する日本列島、本県和歌山で終末の光景を想像するだけで恐ろしいものです。喫緊の課題として難民対策が求められると思います。
 以上で、私の一般質問を終わらせていただきます。
 最後までおつき合いいただきまして、まことにありがとうございました。(拍手)
○議長(尾﨑太郎君) 以上で、秋月史成君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 次会は12月11日定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後2時31分散会

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