平成29年12月 和歌山県議会定例会会議録 第2号(中 拓哉議員の質疑及び一般質問)


平成29年12月 和歌山県議会定例会会議録

第2号(中 拓哉議員の質疑及び一般質問)


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 質疑及び一般質問を続行いたします。
 24番中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕(拍手)
○中 拓哉君 皆さん、おはようございます。「なかなか頑張る中拓哉」です。一般質問としては20回目ぐらいになりましょうか。どうぞ御清聴のほどよろしくお願いします。
 山田先生もおっしゃいましたけど、ほんまに1年たつのは早いなと思います。これも年食ってきたかげんかな、そんなことを思いながらも毎日毎日一生懸命頑張っていきたい。
 それで、きょう12月8日は真珠湾攻撃、「ニイタカヤマノボレ」、「トラトラトラ」と、開戦の日でもあります。しかし一方、日本国民だけじゃなしに、世界の人々に不幸をもたらした大きな戦争の反省もしなければなりません。
 また一方、反戦歌として有名な「イマジン」を作曲したビートルズのジョン・レノンの命日でもあります。改めて反戦を誓い、平和をかみしめたいと思っております。
 この壇上に立つ都度、緊張はするんですけども、そのたんびに知事の政治姿勢を問いただし、見解を伺い、確認してまいりました。
 ここで知事選、3年前の知事選3期目のスタートのときにその抱負をお尋ねもしましたし、今思えば4年の任期もあと1年となって、国民体育大会、大成功、1位とりましたし、長期総合計画の繰り上げの策定など大変大きな仕事をなし遂げてこられた知事かと大きく評価もいたします。選挙の都度、仁坂知事を応援してきた公明党の議員として、その点については誇るものでございます。
 12月議会の審議と並行して、来年、平成30年度の新政策の準備にもいそしんでいらっしゃるところかと推察いたしますけども、そこで改めて、仁坂県政3期11年の総括と今後のお取り組みについて、この席でお述べいただきたい、それを第1問といたします。よろしくお願いします。
○議長(尾﨑太郎君) ただいまの中拓哉君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 私の11年の県政の総括と今後という御質問でございますが、不祥事によりまして失われた県政への信頼を取り戻すべく努力を重ねてきた結果、そういう意味では県政への不信は払拭され、清潔な県政という信頼感は得られてるんじゃないかなあというふうに思います。
 ただ、先ほどの山田議員のお話でございますが、温かい気持ちを持って行政をしなきゃいけないということはそのとおりでございまして、私は実はいつも考えております。自分では決してそんな冷たい人ではないというふうに思っておりますが、ただ、そういう気持ちをいろいろな制度との関係でどうやって制度の中に生かすかということを一生懸命考えておりますので、ひょっとしたらいろいろな限界に当たっている可能性もあるかなというふうに思います。引き続き御指導、御批判はいただきたいと思います。
 また、行財政改革に取り組んだ結果、破綻の危機にありました財政を立て直すことができまして、積極的な財政支出も、十分ではないですけども、少しできるようになりました。さらに、低迷していた和歌山を元気にするために、産業振興、観光振興、医療・福祉の充実、少子化対策、インフラの整備、教育の振興など、多くの分野でスピード感を持って新たな取り組みや改革を進めてまいりました。
 これらの取り組みの結果、医療、福祉、治安など県民の安心・安全を守る制度を充実させる一方で、企業誘致とか産業振興にも力を入れて、企業誘致では177社の誘致を実現することができました。
 こういう動きに影響を与えるものとして、高速道路、それから県内の幹線、府県間道路、それから都市計画道路など、ネットワークが大分まともなものになってきたなというふうに思っておりますが、それも影響を与えてくれてるというふうに思います。
 ただ、このような中、紀伊半島大水害が発生し、61名のとうとい命が犠牲になりました。ただ、多くの県民の頑張りで早期復旧を果たすこともできたと思います。また、南海トラフ地震対策など、恐らく他県がモデルとすべき対策が着々とでき上がりつつあるというふうに思っています。
 さらに、紀の国わかやま国体、紀の国わかやま大会が成功裏に終わりましたけれども、これらは県政に呼応して立ち上がってくださった県民の皆さんの御努力と御協力のたまものだと感謝をしております。
 ただ、水害や地震、津波からももっと和歌山県を強靱にしていかないといけないと思いますし、高齢化の進展や人口減少、その他解決しなければいけない課題は残されております。
 ただ、公共インフラが今申し上げましたように整備され、中小企業、農業、観光業などで新機軸を打ち出し、世界に打って出ようとする若々しい力も育ってきており、ひょっとしたら和歌山県が再上昇を遂げる条件が整ってきたかなという気もいたします。とはいえ、まだまだ安心できるかというと、そんなことはございませんことは、議員各位、皆さんよく御存じのことだと思っております。
 今後の取り組みについては、まず長計に基づきまして、今年度から取り組んでいる大きな仕掛けづくりの施策を加速化させるとともに、県政が直面するさまざまな課題に対応するよう、庁内で春からずっと議論してまいりました来年度の新政策の策定に一生懸命取り組んでまいる所存でございます。と同時に、毎日起こってくる問題を取り込み損なうと、将来に禍根を残します。したがって、現在の状況にも油断することなく取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(尾﨑太郎君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 御答弁ありがとうございます。本当に知事おっしゃったことをずっとかみしめて聞きながら、ああそうやったな、ほんまによう働いてきたな、かように思います。
 ただ、それで終わったら何かよいしょの質問みたいになってしまいますんで、ここから、今、私らまちに出て県民から聞かれることについて、聞きづらいこともありますけども、お聞きしたいなと思います。
 それが、去る11月27日に参議院議員で自民党の和歌山県連会長代行の大江康弘さんが、来年12月に任期満了となる県知事選挙への立候補を表明しました。それで、記者会見の中で仁坂県政への評価を問われると、スピード感が感じられないし、職員のやる気も失われている、安定はしているが発展や活力がなければ無意味だ、仁坂知事とは育ってきた環境が違うんで答えの出し方も違う、大江になったら県政変わると県民に感じてもらいたいとの決意を述べ、後に私も聞きますけど、白浜空港の跡地への自衛隊の誘致やら、ちょっとここからは夢物語みたいなもんですけど、世界遺産、空の散歩として高野山、龍神、本宮、白浜をロープウエーでつなぐとか、あるいは先ほど山田先生も質問してましたけど、一般競争入札を指名競争に戻すとか、るる公約を述べておったようでございます。
 仁坂知事が4選を目指すのかどうか不明な状況下での発言ですが、報道を知った県民の方から、仁坂さんと話ついてんのかの、あるいは大江さんが自民党の幹部でありますゆえに、仁坂さんと自民党で何か確執でもあるんかの、あるいは巷間よく岸本代議士が知事選に転戦するんよ、そんな話やら何やらいろいろ聞かれても私もわかりませんし、私ら一生懸命推薦した知事ですから知事さんに働いてもらうよ、こんな話をしているところでございます。
 そういう質問攻めにも遭いますんで、この際、大江さんの会見があったという事実を踏まえた上での知事の御見解をお述べいただければなと思います。
○議長(尾﨑太郎君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 大江康弘さんといいますと、かつて民主党政権が「コンクリートから人へ」と盛り上がっていた時代に、和歌山県では御坊─田辺間の4車化にかかわる予算が凍結されるなど、私など大変悔しい思いをしていたところ、あの民主党の参議院議員でありながら、党の方針に逆らってそれはおかしいと反旗を翻して、民主党を離党された方であります。しかも、最近ではちょっと元気がなくなった党からどうやって逃げ出すかとかいう、そういう話が割合、新聞その他で見られますけれども、そうじゃなくて絶頂期の民主党政権のときにそれをされたということで、保身とかそういうものとはほど遠いことだったと思います。そのことに対しては、和歌山県は大江さんに感謝の気持ちを感じなきゃいけないと私は思っております。
 その後、大江さんが参議院議員に立候補された際には、そういうことがありますので私も一生懸命に応援し、懇意にしていただいていたことから、知事選に出馬されると聞きまして「あれれ」と思いましたが、それは大江さん自身がみずからの信念に基づいて行動されることでありまして、私がとやかく申し上げることではないというふうに思います。
○議長(尾﨑太郎君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 今の知事さんの答弁、素直に私も聞かせてもらいます。ほんまに大江さん、あのとき民主党の中で、何言うてんだと、道路特定財源も守らなあかんし、どんどんやっていかなあかんというようなお話は、私らも拍手送った次第でございます。
 その後、参議院に挑戦されて、残念ながらということなんですけど、まだお若いことでもありますし、政治家を目指すというのもこれまた大江さんの信念かなと、このように思います。
 ただ、今も自民党の県連の会長代行という幹部でもありますし、そういう意味では組織の一員としていろいろ相談しながら進めていくのも政治家の1つの姿かなと思うんですけど、その点、それを超える情熱があってあんなにおっしゃったと思います。今のお話聞いてたら、別にそんなにいろんな裏があってやってるというようなことではないようでございますんで、素直に受けとめていきたいなと思いますし、また知事さんの動向については、いずれどこかでお話しなさるんかわかりませんけど、記者会見で聞かれても、いやいや、そんなことは議会でと、こうやっておっしゃるといいますから、議会で述べるのが普通かなと思ってお尋ねしたような次第でございます。また、しかるべきときにお話ししてもうたらな。
 ただ、ようあるのは、いろんな団体から推薦もうて、推薦があるからそこまで言うてくれるんなら行こかみたいな、何かそんな下工作みたいなことはしたら潔うないな、自分で行くか行かんか決めておっしゃってもうたら、そうなった段階でまた私どもの党でもいろいろ諮りながら決めていくんやと思いますんで、そうなった折には頑張らんなんな、頑張りたいな、そんなことも思いつつ、またほかにもっと立派な人が来たらまた考えやんなんなと、こんなことかと思いますんで、またしかるべきときにお願い申し上げます。
 また、先ほど温かい県政を目指してて、時に冷たいと思われることもあるというようなお話もありましたけど、やっぱり知事さんはずっと経済産業省でばりばり働いてきて、恐らく仕事が好きで、やりがいあって頑張ってきた方やと思います。だから、そういう思いで県庁の職員を見たときに、まだもう1つ足りないなということが折にそういう叱咤激励になるのかなと僕は理解しておりますし、そういう影響を受けて長計にしても何にしても自分らでつくるし、ようなってきたんじゃないかという評価もしております。また、その分、知事さんが厳しい分だけ下副知事が優しいんで、下さんの株も上がってるんじゃないかと、こんなことも思いますけど、そこはかけ合いながら上手に回っていったらな、かように思います。
 それで、次に県勢浮揚について、何点か提案も含めてお尋ねしたいと思います。
 尾花和歌山市長の記者会見の発言で、本県出身の女流作家・有吉佐和子さんの東京の自宅の移築とまでいきませんけど、いろんな形で残す方向で取り組む由、報道で知りました。また、有吉佐和子さんは「助左衛門四代記」であるとか「香華」であるとか「有田川」、あるいは「華岡青洲の妻」、それに何より有名な「紀ノ川」、これの出だしは九度山の慈尊院さんからの出発でございます。そういう意味から、行政区としては和歌山市に限らず和歌山県の広域的なところを小説の題材にして作品としてくれておりますので、和歌山市がお取り組みくださるのは喜ばしいことながら、県としても関与できないものか、もどかしく思っております。
 また、私、26年2月の議会でも自分の出身の海南の大先輩であります小野田寛郎元少尉のことを取り上げまして、その功績を申し上げたんですけど、フィリピンのルバング島では小野田さんの顕彰館が建ち、平和教育の拠点として活用されているというのをNHKのEテレの番組で知りました。また、文化の日の11月3日、ビッグ愛で陸奥宗光のセミナーがありましたんですけど、そのときに私は、陸奥さんがベンサムやミルといった政治思想家の原書の翻訳された功績も東北の牢屋につながれてるときにやってましたんで、政治学者の側面を持つ陸奥宗光さんを御紹介もさせてもらいました。
 また、今、橋本では数学者の岡潔さん、あるいは御坊市では東京五輪の和田勇さんなど、県内で活躍された偉人の顕彰が始まりますし、そういう意味では和歌山県出身の偉人は雲霞のごとしで誇らしく思っております。
 それで、私の提案なんですけど、この際、こういった偉大な先達を恒常的に顕彰する常設の展示を提案いたしますけども、いかがでしょうか、御答弁願います。
○議長(尾﨑太郎君) 企画部長髙瀨一郎君。
  〔髙瀨一郎君、登壇〕
○企画部長(髙瀨一郎君) 和歌山県はこれまで多くの偉大な先人を輩出しており、このような偉人の功績を知ることは、ふるさとへの愛着や誇りへとつながるものであり、継続的に取り組むことが重要であると考えております。
 これまでも、平成16年度から平成21年度まで紀の国先人展を開催したのを初め、ふるさと教育副読本「わかやま何でも帳」や県のホームページ「和歌山県ふるさとアーカイブ」において偉人について紹介しております。さらに、平成23年度からは、東京において偉人シンポジウムを毎年開催しているところでございます。
 議員御提案の、偉人を常設的に展示し紹介することにつきましては、例えば県庁ギャラリーや県民文化会館など既存の展示スペースを活用する方向で検討してまいります。県といたしましては、既存の取り組みも含めて、今後もさまざまな形で偉人の顕彰に努め、郷土への愛着心の一層の醸成を図ってまいります。
○議長(尾﨑太郎君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 私思うような偉人館といいましょうか、顕彰館といいましょうか、そういう恒久的な美術館や博物館に負けんようなのがあればいいと思いますけど、お金もかかりますから、最初はそういう県庁ギャラリーや県文の中と、それも一考かと思います。そんな形で目に触れて、青少年が勉強していってくれたらな、また、私らも知らない偉人もまだたくさんいらっしゃいますから気づかせてもらえたらなと、さように思いますんで、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 次に、県から毎日のように提供される資料がありまして、その都度目を通してるんですけども、その中で南紀白浜空港の民間活力事業に係る公募手続開始しますということがありました。当初予算でもそんなこと載ってたんやと思いますけども、そういう事業がこの年度の中で動きつつありまして、12月4日にもその募集要項の説明会もあって、大勢の会社が出席して関心を示してくれてるということでございます。非常に明るい話題かと思いますんで、その概要をこの議場でお示しいただけたらと思います。
○議長(尾﨑太郎君) 県土整備部長森戸義貴君。
  〔森戸義貴君、登壇〕
○県土整備部長(森戸義貴君) 南紀白浜空港民間活力導入事業に係る公募手続の概要について御質問を頂戴いたしました。
 和歌山県では、民間事業者による空港基本施設等とターミナルビルの一体運営の実現などにより、チャーター便など新たな航空ネットワークの拡充によるさらなる交流人口の拡大と空港運営の効率化を図ることを目的とした南紀白浜空港民間活力導入事業の実施により、地域経済の活性化を目指してございます。
 今回の公募では、南紀白浜空港の運営を希望する民間事業者の皆様から、航空ネットワークの拡充、国際線受け入れ機能を有したターミナルビルの配置計画に加え、南紀白浜空港の運営に係る経費が収入を年間約3億円上回っていることを踏まえて、民間運営等による県財政の効率化についても御提案いただくこととしてございます。
 スケジュールでございますが、先月11月21日から公募を開始し、12月4日には今回応募を検討されている民間事業者の皆様等を対象とした説明会と施設見学会を開催したところでございまして、来年1月5日を第1次審査書類の提出期限としてございます。その後、外部専門家で構成する選定委員会により、1月中旬の1次審査、5月中旬の2次審査を経て運営事業者を決定する予定となってございます。
 なお、民間事業者による南紀白浜空港の運営開始につきましては、平成31年4月を予定してございます。
○議長(尾﨑太郎君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 ありがとうございます。ずっと3億円言いながらやってる中で、民間にやってもうて、そういうことが効率化されたらなおええですし、どんどんようなって私らも東京へ行くの、関空へ行かんと白浜から行けるように、そんな便利な空港になってほしいな、和歌山市民として思います。期待してますんでよろしくお願いします。
 そこで、この新しい空港がどんどんようなることはええんですけども、旧空港ですね、昭和の40数年のときにできて、それでもうずっと跡地利用、跡地利用が何度も同じような答弁で期待を持たせられながらも、平成8年開港後、新しいとこができましたからもう遊休地となって、思い返せば20年間放置され続けてまいりました。その旧の南紀白浜空港の活用策、先ほどの新しい提案の中でもしてくれたらええんやみたいなことはありますけども、今の時点で、先輩、この前も立谷さん聞いてくれてましたけど、いつまでほっとくんですかという気持ちもありますんで、一遍お答えください。お願いします。
○議長(尾﨑太郎君) 企画部長。
  〔髙瀨一郎君、登壇〕
○企画部長(髙瀨一郎君) 旧南紀白浜空港跡地につきましては、現空港に隣接するとともに本県の代表的な観光地である白浜温泉の中心に立地していることから、紀南地域全体の経済発展や活性化を図る上で大変重要な土地であると考えております。
 したがって、跡地利用につきましては、観光地としての価値を高めることを第一に考えて、観光産業との相乗効果が図れ、できるだけ高い集客力を持ち、地元雇用への貢献も見込めるような施設の誘致に取り組んでまいりました。
 最近では、そういった目的にふさわしい産業としてIRがあると考え、県内の候補地の1つとして関係機関や企業に旧南紀白浜空港跡地を紹介し、進出の働きかけを積極的に行ったところでございますが、現時点では興味を示す企業はあらわれておりません。
 そこで、県といたしましては、現空港の民間活力導入事業や白浜空港フラワーライン線全線開通など地域動向を見据えながら、県誘致担当部局及び地元白浜町と連携を図り、観光客向けの物販施設や宿泊施設等、集客力の高い施設の誘致に向け取り組んでまいります。
○議長(尾﨑太郎君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 髙瀨部長、今言うてくれたけど、前の答弁から変わったんはせいぜい県空港の民間活力投入が入ったことぐらいで、いっこも進歩してないんですね。県誘致担当部局、地元白浜と連携を図り──これはごもっともでございます。しかし、県誘致担当部局も、コスモパーク加太のところと一緒にやってますから、どっちかというとコスモパーク加太のことが熱心になって、これに対してはさほどの意識もない、このように思います。
 また、商工観光労働部のほうで、立派なホテルやったらお金出すよというて融資の枠もつくったりして、安っぽいホテルじゃなしに立派なホテルをということで、随分いい条件のことも用意されてますけども、そういう情報も共有されてるほどでもなし、後回し後回しと、こんな形になってまいりました。
 そこで、今回のこの民間活力導入事業も見なあきませんけども、それでもなかったら、僕の思いはもう昔の林に戻してほしいよ。あるいはお花畑でもいいです。お金のかからん形で1つの決着を見れば、いつまでもこういう部局残しておくこともないですし、また林に戻るのか、お花畑になるのか、そういうことはわかりませんけど、自然なまんまで1つの景観をなしていくんじゃないかなと思いますんで、そこらは要望しておきたいと思います。早く決着してほしいと思います。
 一方、この20年放置された旧白浜空港に引きかえて、ことしの春に加太に移転して開校しました消防学校の冬野の跡地利用、これもまたほっとかされるんかいなあ、そんな心配をしていますけど、今どのようになってますか、お示しください。
○議長(尾﨑太郎君) 総務部長浦上哲朗君。
  〔浦上哲朗君、登壇〕
○総務部長(浦上哲朗君) 和歌山市冬野の旧県消防学校につきましては、平成29年3月31日付で行政財産の用途廃止を行いまして、その跡地は県警察本部組織の一部の移転先及び児童養護施設・和歌山市旭学園の移転先としての利用を予定しております。
○議長(尾﨑太郎君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 そうやって次の活用が図られるということはうれしいことです。冬野の住民の方からもいろいろ聞かれておりましたんで、そういう形でまた有効に活用していただけることはうれしいことやと思います。
 ほかの県の施設もそういうことで、終わった後放置されたまんまというのもまだあるかと思いますんで、新しい事業に一生懸命取り組むのは仕事も華やかでいいんですけど、後の片づけということもきっちりやっていかなんだらあかんの違うかなと思った次第で、お尋ねしたようなことでございます。
 次に、長期総合計画で示すところの「暮らしやすさを高める和歌山」という表題に関連しまして、食品残渣の活用についてお尋ねします。
 今、いろんな報道を見てますと、常に国の政策でも何でも枕言葉のように、持続可能な開発目標──サステーナブル・ディベロップメント・ゴールズ(SDGs)といって必ず枕につきます。そのSDGsの一環でもあるんですけど、食品リサイクルの手法において、食品の大量廃棄、資源の有効利用、食品残渣の飼料化──餌ですね──を図る必要から、平成19年改正された食品リサイクル法によりまして循環型の再生利用事業計画、この認定制度ができました。
 エコロジカルやエコノミカルという、このエコという言葉と、飼料のフィードというのをひっつけまして造語を、日本語ですけど、片仮名英語ですけど、エコフィードという言葉が今発せられています。エコフィードの家畜飼料、これを確立することで捨ててた飼料の自給率が高まってまいりますし、穀物相場に左右されずに畜産農家の方が安定的な飼料を買えるということで、重要な施策やと思います。
 そこで、調べましたら残念ながら、この認定制度ができて回り始めてるのに、全国でこの仕組みのできてない県が秋田、福井、沖縄と和歌山県ということのようでございます。本県の取り組み状況をお答え願います。
○議長(尾﨑太郎君) 農林水産部長原 康雄君。
  〔原 康雄君、登壇〕
○農林水産部長(原 康雄君) 食品残渣の活用でございますけども、本県では畜産の規模が小さく、飼料の需要が少ないため、県内最大の飼料製造業者の食品残渣の処理量が日量3トンと、国の基準である5トンに満たないことから、食品リサイクル法に基づき再生利用事業計画の認定を受けた事業者はございません。
 しかしながら、豚と牛を飼育しているほとんどの農家で、食品事業者から出る食品残渣を直接入手し、飼料としてリサイクルできております。飼料価格が高騰する中、経営安定を図る観点からも、食品残渣を飼料として利用することは重要であると考えておりますので、今後も食品リサイクルを推進してまいります。
○議長(尾﨑太郎君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 畜産王国というわけじゃありませんので、3トンが限界で5トンに満たないというようなことはあるんかわかりませんけども、ただ単に回ってるからいいということじゃなしに、売るほう、つくるほうの大手さんも引き込んで、社会的な責任としてやっていくというふうなことにお取り組みいただきたいことをお願い申し上げます。
 さて、次に自殺予防についてお伺いします。
 平成21年の2月議会と6月議会に、続いて私、自殺対策の推進を迫ってまいりました。そのかいありましてといいましょうか、全国的にも取り組んだおかけでございますけども、自殺者は年々年々減少してまいりました。
 一方、神奈川県座間市での若い女性が全然見知らぬ男に次々に殺害されていくという痛ましい事件がございまして、それを見ていますと、インターネット上に繰り広げられている自殺サイトの問題があろうかと思います。とりわけ、若い人たちによるSNSをツールとして、悩みを打ち明けたらそれに反応する見ず知らずの人がおってつながってしまう、それが現代社会のある面、一面でございます。
 去る8月22日に、我が党の浮島智子代議士のお誘いがありまして、大阪の堂島ビルに関西カウンセリングセンターというのがございまして、カウンセラーを育成する機関ですけども、そこでLINEさんの社員も来てまして、そういうLINEを利用した自殺・いじめ相談に応じる相談員研修の様子を拝見いたしました。
 聞けば、今の若い子は電話はもうほんまに使わんし、固定電話も引きませんね。私のせがれや娘も結婚しましたけど、固定電話引いてませんわ。もう携帯で終わってます。その携帯の電話は電話で使うんですけど、むしろLINEやツイッターやフェイスブックやというふうな形で、もうネット上のやりとりで何もかも終わっていくというふうなことがございます。電話のもう20倍、そういう形でSNSを使ってコミュニケーションをとり合っているのが今の世の中だそうでございます。
 ですから、電話相談の窓口を幾ら整備して、24時間やってます、何やってますって用意はしてくれるんですけども、なかなかそれが今回の座間みたいな事件のときには役に立たなかったということでございますんで、この堂島へ行って勉強してきましたら、長野県や大津市では既に試行的にこのSNSを利用した相談を始めたそうでして、私が見せてもらったその研修の模様も、立ちどころに相談といいますか、ちょっとつぶやきがあったら「どうしたの」という形でチャットですぐ反応して、そうだね、つらかったね、もうちょっと教えてくれる?、こんな感じでやりとりしてました。
 そういう意味では、カウンセラーや臨床心理士の方がキーボードを打てるぐらいのことになっていかなあかんのかわかりませんけども、そういう時代がもう来てるわけですから、本県での取り組みも急がれるんじゃないかと思いますので、今現状、本県の取り組み、またこの先はいかがなさいますか、お答えください。
○議長(尾﨑太郎君) 福祉保健部長山本等士君。
  〔山本等士君、登壇〕
○福祉保健部長(山本等士君) 県におきましては、自殺対策の相談窓口として和歌山県自殺対策情報センターに相談専用電話「はあとライン」を設置するとともに、各保健所において相談に対応しております。あわせて、若年層を対象とした「子どもと家庭のテレフォン110番」を初めとするさまざまな総合相談窓口も設置しております。
 SNSを活用した相談業務を実施するに当たっては、本人の合意に基づいて登録してもらう必要があるため、自殺を考える人たちに登録してもらえるのか疑問があります。さらに、自殺の相談という本来の目的以外に利用されることも懸念されるところでございます。
 また、仮に自殺を考える人に登録してもらえたとしても、相談においては文字だけのやりとりとなることから、電話相談のように声や話し方から心理状態を推測することが難しく、緊急性の判断が困難となることが予想されます。
 こうしたことから、相談業務にSNSを活用することは難しいと考えます。しかしながら、SNSの利用の広がりにつきましては十分に理解していますので、それらを有効に活用した若年層に向けた相談情報の発信の可能性について、今後検討してまいります。
○議長(尾﨑太郎君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 山本部長の答弁聞いてて、ほんまに考えてくれてるのかなと思うんですけども、自殺を考える人たちに登録してもらえるのにも、そら「私、自殺予備者ですよ」と登録する人なんかありませんよ。また、自殺を考えるのに登録されたとしても、すぐに死ぬからと言って対応する、そんなこと当たり前じゃないですか。電話相談しててもそんなことありませんよ。やっぱりよもやま話、何とはない話、きょうは天気やな、きょうは雨やな、寒いな、そういったところから電話相談でも始まっていくんですよ。相談員さんとのやりとりの中で心触れ合って、寄り添って、そういうことが通じたときに初めて「いや、実は」ってつらい話、そういう話を打ち明けて、寄り添ってくれる人やなあ、もうちょっと頑張ろかというておさまっていくんですよ。それが実態やと思います。
 ですから、ちょっと私の期待してることと違うんですね。最初から登録してもうて、登録した後、人とやりとりせんなんというふうなことを思うことなく、もっと自然な、今、電話相談の窓口してる中で、いや、実はSNSも使った形で何らかの形で考えていただけないものかなということを、和歌山県がそれこそ、公共調達では和歌山の例を見ろといって自慢する制度ができたわけですから、そういったことに取り組んでもらいたい。
 また、何も自殺と言うからかたなるんで、いじめなんかもそうやと思います。これは教育委員会なんかでも取り組んでもらいたいし、一部こんなんあります、あんなんありますというのは私らもネットパトロールやら何やらで提案もしましたし、その道、その道で考えてくださって用意はしてくれてますけど、もうそういう時代を超えて毎日のようにSNSの形で世の中は回ってるわけですから、そこに苦しんでる方、つらい方、しょげてる方、そういった方、1日誰ともしゃべらんと、もうほんまにきょうは1人もしゃべってないんやということは幾らもあるんですよ。そういった寂しい方が何かの拍子に世をはかなんで自殺してしまうというのが現状かと思いますんで、もう一段、誰ひとり見捨てない和歌山県として工夫をしていただければな、このように思います。
 これは私も、じゃあこれせえという解決はなかなかよう言いませんけど、せめてそういうスキルを持った方が電話で対応できるがごとく画面で対応できますよ、そういう仕組みをお願いしたいと思います。
 それで次に、毎月10日に、これも県から配ってくれる資料なんですけど、不正行為通報等受理・処理状況についてというのはいつもあります。どんなもんかなと思いながら見ながら、こんなことはやっぱりあるんやな、公益通報制度、監察査察の制度というのは有効になってるんやな、中にはしょうもない言い分もありますけども、それにしてもこうやって一つ一つ丁寧に取り上げていくんやなと思って見てるわけですけども、その8月10日版に、教育委員会の欄に、あるスポーツ競技団体の役員をしている職員が団体の事務で不適正な処理をしているというお知らせがありまして、それは調査中だと、匿名だった、郵便、ファクスだった、こういうことがおぼろげながら書いてくれてあります。
 また、今度は11月24日に教育総務局総務課秘書班から資料提供がありまして、教育委員会に所属の主査で44歳で男性の職員が停職6カ月、中身を読みますと、フェンシング協会に補助したふるさと選手派遣補助金云々というふうなことがありました。事の詳細をお示しください。
○議長(尾﨑太郎君) 教育長宮下和己君。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 今回の事案の経緯については、本年7月に県フェンシング協会を通じて選手に支払われるべき補助金を、県教育委員会の職員が不適正に処理しているとの不正行為等通報が匿名であり、監察査察課に調査を依頼し、調査した結果、平成22年度から平成27年度まで長期にわたり、県体育協会から県フェンシング協会に補助したふるさと選手派遣補助金について、多くの対象選手に手渡さずに、自身の判断で物品の購入や施設の使用料に流用し、一部は手元に保管していたことが判明いたしました。
 当事案が判明したときには、既に当該職員は不適正な処理をした補助金の全額を県フェンシング協会に返還し、その後、協会から全ての対象選手に旅費として支払われました。
 当該職員の一連の行為に対し、県フェンシング協会では当該職員を除名処分とし、県教育委員会といたしましても、公務外とはいえ公務員としてまことに遺憾であり、教育行政に対する信頼を著しく損なうものであることから、当該職員を懲戒処分といたしたところです。
○議長(尾﨑太郎君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 ありがとうございます。そういうことで、判明したときには既に協会に返還してた、あるいはもうそのお金は選手に渡ってたということですね。それでフェンシング協会は除名した、そやけども公務外としてけしからんことなんで、教育委員会は先ほどの6カ月の処分にした、こういうことかと思うんですけど、そもそも6年間もこういう補助金が、毎年やっぱり補助終わったら事業の報告書もらうなり、あるいはそのお金の使い道どうやったんよと検査して決算報告書つくらんなんし、せんなんと思うんですね。そういうところでこういうことがわからなあかんし、ほかの団体ではちゃんと使われておったんでしょうから、何でこういうことが気づかなかったんでしょうか。教育委員会、教育長、お願いします。
○議長(尾﨑太郎君) 教育長。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 今回、県フェンシング協会において不適正な事務処理が行われたふるさと選手派遣補助金については、県フェンシング協会から県体育協会に提出された関係書類に不備がなかったため、外部からの通報があるまで見つけることができなかったところでございます。
○議長(尾﨑太郎君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 フェンシング協会から体協に出された書類、その書類を県が見るわけですね。それで不備がなかった、だからわからん、そういうことなんでしょうね。
 そしたら、一方で、ありがたいことに、地方自治法ではこういう補助金については、補助金適正化法とかいろんなことがありますけども、予算そのものですから監査もできるかと思うんですけど、監査のほうでこういうことを本来指摘するのが監査の仕事かと思いますけど、監査のほうはいかがだったんでしょうか、代表監査委員にお願いします。
○議長(尾﨑太郎君) 代表監査委員江川和明君。
  〔江川和明君、登壇〕
○代表監査委員(江川和明君) 県体育協会に対する監査につきましては、県フェンシング協会による不適切な事務処理が行われたとされる期間の補助金について、平成23年度、平成26年度及び平成28年度に監査を実施いたしました。
 監査においては、主に県体育協会に保管されている県補助金に係る書類の内容を確認の上、協会職員からも聞き取りを行いましたが、ふるさと選手派遣補助金の執行については特段の問題はなく、県体育協会に対する監査においては適正に処理されているものと認めました。
○議長(尾﨑太郎君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 議会に配られる監査の報告書も見てるんですけど、同じときにほかの団体のことは見つけてくれてるんですよね。名前間違うて振り込んでたでと、それはちゃんとしなさいよと書いてくれてました。そのように、同じ団体に行くんでも、担当者に行ってしもうてたり、代表者に行かなあかんやつが行ってなかったりしたら、監査は有効に機能して指摘してくれてるんです。しかし、これについては今言うたようなことで、みんな調うてわからなかった。
 前に楠本さんのときに私、田辺の証紙、印紙のお金のことで、あれも監査には全然指摘事項なかったんでどうでしたんですかと聞いたら、いや、実は行ってなかったんですと。監査は現物見て行ってなかったけども、23年の台風の大騒ぎのことやったから、現場の職員さんはこの対応に大変やったから、実は書類で送ってもうたんですと、でも問題なかったから県議会には問題ないと書いたんですと、こんなことやったですね。それで、行かなんだことをここでわびてくれるのかいな思うたら、いや、そうじゃなしに、原課がちゃんとすべき、することやという答弁やったんで印象に残ってるんですけど。
 そういうときにやっぱり見つけてもらうというか、できた書類を疑うのはなかなか難しいですけど、そこで私思うんです。そうやって皆つくられてちゃんとしてたらわからんわけですよ。しかし、つくったほうの責任はあるんですよ。皆さんをごまかした、皆さんの目をごまかして補助金をスルーしてしもた、そのつくったときの責任。まあ、文書偽造といいましょうか、てんぷらつくらなあきませんよね。もうてる選手にかわって判こ押さなあきませんよね。それは、もう紛れもなくそういう加工をしてるわけですから、虚偽文書の作成にも当たりますし、判こ押しちゃったら有印私文書ですし、そういう形があるわけですよ。それがあったからこういうことになって見つけられなんだ、じゃあそういうことをしたことについてのとがはないんですか、こうなってくるんです。
 その上で6カ月にしたというんですけど、6カ月に処分したその条項を、先ほどおっしゃったように公務外やと言うんですね。公務外のところ、指針幾ら読んでも、この不適正な処理についてどうのこうのというようなこと出てこないんですよ。ほかの破廉恥な事件起こしたときのことはいろいろ書いてますよ。それにも当たらんのにこの処分をしたわけですけど、教育委員会が処分したことについては人事委員会に持ち込まれて、人事委員会がきつ過ぎたという結論もしたこともありますし、あるいはその上でもまだ裁判で厳し過ぎるといって頑張っていらっしゃる方もあります。そういう意味で、当局が判断する処分においては非常に厳密にせなあかんのですけど、その6カ月とした根拠をお示しください。
○議長(尾﨑太郎君) 教育長。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 今回の事案は、地方公務員法第29条第1項第3号、全体の奉仕者たるにふさわしくない非行、及び同法第33条、信用失墜行為の禁止に該当いたします。
 県教育委員会の懲戒処分の指針では、標準例に掲げられていない非違行為についても懲戒処分の対象となると規定されており、今回の事案はこの規定に該当するものです。
 処分量定の決定に当たっては、懲戒処分の指針にある不適正な公金等の処理の量定を参考とするとともに、6年間という長期間にわたり当該職員自身の判断で補助金を目的外に流用したこと、多くの選手に迷惑をかけたこと、独断で申請書を作成したこと、フェンシング協会から除名処分を受けていることなどを総合的に勘案し、停職6カ月が妥当であると判断いたしました。
○議長(尾﨑太郎君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 今おっしゃってくれたんですけど、見たら確かに公務の中では不適正な公金処理について、そんなことしたら停職、減給、戒告というのはありますよ。しかし、公務外の非行では放火や殺人や云々、器物損壊、横領、強いて言うたら詐欺ぐらいですかね、賭博、そういうことがあって初めて公務外行為は教育長が処分するんですよ。それからすると、罪刑法定主義という大原則に立てば、ない中で処分されてるということになるかと思います。
 ただ、じゃあそれでええかといったらそんなことありません。今おっしゃったように、当該職員が自分で判断して目的外に利用した、多くの選手に迷惑かけた、この上ないですよ。国体1番にならんなんからこういう仕組みつくってくれたんですよ。よそで頑張ってる、他府県で頑張ってる本県出身の選手に、和歌山県から出てくれよ、それについては和歌山県の予選に来るのにお金がないから夜行バス乗って節約して来て、朝そのまま試合出やんなん子もおりますよ、体調なかなか万全でない中でね。そんな中でこんなお金くれるんやったら、飛行機で行って前の晩に家帰って臨むということもできますよ。そういう意味で、非常にいい制度やと思いますよ。そうであれば、もっとちゃんと使うたってくださいよ。ほとんどはちゃんと使うたんですけど、ここは使ってないんですよ。けしからんことですよ、これは。6カ月で済むことかなと思うんですよ。
 そういう思いの中で、処分するのはもちろんですけど、じゃあ処分しよう思うたら今言うように規定がないと。この際また追加してくれたらええですけど、罪刑法定主義からいうて、もしまた人事委員会に持ち込まれたら、人事委員会のほうもなかなかこれでは難しいなみたいなことになりかねないから、ここで私、そのことを指摘してるんです。
 それで、ここではじゃあ僕がきついこと言うからもう一遍改めて処分するかといったら、そんなことにならんと思いますけども、このことについて、フェンシング協会への処分はなさったんでしょうか。
○議長(尾﨑太郎君) 教育長。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 県フェンシング協会への処分は、県体育協会から県フェンシング協会会長に対して、平成29年11月21日付で補助金の適正執行について厳重注意を行ったところでございます。
○議長(尾﨑太郎君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 フェンシング協会もこんなことになると思ってなかったですから、びっくりして、いろいろ調査して、その中でわかってきたことで、その傷は癒やされて再発防止にも取り組んでくれてることやと思います。監督責任という意味では、一つ一つ踏んでいかなあきません。
 さて、そこで、フェンシング協会がそういうことがあって、体協がだまされた立場か知りませんけど、体協は県の予算をいただく窓口になっていろいろ配ってるわけですけど、じゃその体育協会への今おっしゃるような厳重注意処分のこんな文書みたいなのは出してしかるべきやと思いますけど、そこら辺はいかがでしょうか。
○議長(尾﨑太郎君) 教育長。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 県フェンシング協会から県体育協会に対して提出された書類については適正に処理されていたことから、県体育協会に対する処分は考えてございませんが、今回のことを真摯に受けとめ、事務改善の実施など再発防止に向けた取り組みを指導したところでございます。
○議長(尾﨑太郎君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 どうも腑に落ちんのですね。フェンシング協会から体協へは別に文書に問題なかったと言うんですけど、こういうことがあってフェンシング協会へは体協から処分したわけですね。お金を使われた県からしたら、県から体協にもっと注意せえよという先ほどの文書1枚でも出たらええんですけど、そこで考えてしまうのは、体協の会長って誰よといったら知事さんなんですね。教育長が知事さんに「こら」と言わんなんと、こんな立場になるわけですよ。調べてみたら、全国で知事さんが体協の会長でないとこは幾らもあるわけですよ。
 そういう意味からすると、こんなことのガバナンスというか、日赤の問題でもそうだった。私申し上げましたけど、やっぱり知事さんが名誉職的といいましょうか、そんな形でなるのはおさまりはええですけど、事起こったときのガバナンスのきき方が、それこそそんたくしてしまうんですね。そういう状況になってしまうと思うんです。ええ効用があるんかもわかりません。
 今、体育協会に派遣されてる職員さんはみんな県の職員さんですから、派遣されてそこで仕事をするにしても、会長が知事やから相変わらず公務としてやるというふうな形で熱心にやってくれる分にはええんかもわかりませんけども、ガバナンスあるいはプロパーとして独自に、よそに団体があってしっかりそこでやっていくという意味においては、こんな経理のずさんなことは防げるんじゃないかな、そんな意味に思います。そういう意味からも、ここで今回の問題を踏まえて、反省と再発防止についてお述べいただけたらと思います。
○議長(尾﨑太郎君) 教育長。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 県教育委員会といたしましては、今回の事案はまことに遺憾であり、真摯に受けとめ、事務局職員に対して、法令を遵守すべき公務員としての立場を十分に自覚するとともに、服務規律の厳守を徹底するよう厳しく指導を行いました。
 また、県体育協会には、既に事務改善に向けて指導を行っているところでございます。具体的には、ふるさと選手派遣補助金の決定通知について、従来、競技団体に対して行っていましたが、直接補助金対象選手本人にも伝達するよう指導し、既に改められたところでございます。また来年度からは、従来、競技団体を通じて行っていたふるさと選手派遣補助金の交付を県体育協会から直接補助金対象選手本人の口座に振り込むよう改める予定となっております。
 さらに、県体育協会の職員が競技団体において補助金申請等を担当する職につかないなど、補助金受給に係る不適正事務の未然防止策に取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(尾﨑太郎君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 これから本人の口座へ直接渡すというんですから、こんなことは起こらんのやと思います。
 ただ、今、競技団体の補助金申請の担当につかないと、今まで体協に派遣された職員さんがいろんな事務で申請もするわ、交付のことにタッチするわということで、うまいこといってて何も問題なかったらそれでいいんですけど、そういう素地があったということで改めるということですから、ぜひよろしくお願いします。
 あと、所感ですけど、フェンシングの競技選手のおかげで国体1位になれたという点も大いにあると思います。優秀な成績をおさめてくれました。そういう意味では拍手を送りたいと思いますし、この処分を受けた職員も恐らくそういう点では有能で、一生懸命やったんやと思います。そういうことからすると、この補助金のあり方がきっちりしててええという面もあるけども、もらうほうからしたら選手強化に使うたらええんやろ、選手強化に使うてる分には流用というか幅あってええんちゃうんというようなことで緩んだとしたら、やっぱり補助金の使い勝手、あるいは補助金のあり方についてももっと伸び伸びと使える補助金であれば、こんなことにもならなかったんではないかな、かように思います。
 私も剣道をしてきましたけど、野球の人らうらやましかったです。高校野球で海南高校でPTAからか何かお金があるときに配分するときは、やっぱり野球部が大量にとってしまいますよ、その当時はね。そんなときに弱小の私ら剣道は竹刀1個も買えないというふうな形で、当然自腹でやるんですけど、やってきました。面なんか高くてとても買えませんというようなことでございました。
 純粋にやってるスポーツは、生徒は皆一緒やと思います。そういうときに、純粋にやってるスポーツ選手の気持ちに応える上からも、有効な補助金であってもらいたいし、こんな間違うた使い方のないようにやってもらいたい。ほんまに本来このお金をもらうべき選手たちがもらえなかったということについては申しわけないなという気持ちでいっぱいでございますんで、こんなことの起こらないように強く強く申し入れて、私の質問といたします。ありがとうございました。(拍手)
○議長(尾﨑太郎君) 以上で、中拓哉君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前11時48分休憩
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