平成29年9月 和歌山県議会定例会会議録 第2号(玉木久登議員の質疑及び一般質問)


平成29年9月 和歌山県議会定例会会議録

第2号(玉木久登議員の質疑及び一般質問)


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  午後1時0分再開
○副議長(山本茂博君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 10番玉木久登君。
  〔玉木久登君、登壇〕(拍手)
○玉木久登君 皆さん、こんにちは。
 初日の一般質問、午後1番の質問をさせていただきます自民党県議団の玉木久登でございます。5月当選来、初めての一般質問でございます。お聞き苦しい点もあろうかと思いますが、私のキャッチフレーズでもあります「夢に向かってフルスイング」でまいりたいと思います。よろしくお願い申し上げます。
 では、議長のお許しをいただき、通告順に従い、早速ですが質問に入らせていただきます。
 まずは、景観地保全に関する質問をさせていただきたいと思います。
 観光立県である我が和歌山県において、豊かな自然の継承や景観保全の重要性は、言うまでもないところであります。和歌山県長期総合計画の第5節「地域を創る」の中にもありますように、「観光との融合に積極的に取り組み、多くの人に、その地を訪れ、実際に観て、感動してもらう機会を創出し、地域の活性化につなげていくことで、後世にわたり、文化遺産・景観を守り、引き継いでいく『保存・保全と活用との好循環』を実現する」とあります。
 取り組みについては、和歌山県景観条例に基づく特定景観形成地域の指定や、地域の特性を生かした良好な景観形成を図るということであります。
 今回、私は、その中でも景観資源についての今後の考え方についてお聞きしたいと思います。
 現在、県下では2件の景観資源登録がございます。第1号は、田辺市中辺路町近露1129番地にあります日本画家・野長瀬晩花の生家であります「かめや」、第2号は、有田市宮原町畑235の3からの眺望点「宮原の熊野古道とみかん畑」が登録されております。
 自然豊かな中での風景を眺めますと、心が洗われ、ただただ気持ちよくなります。私が思うに、和歌山にはまだまだ景観資源となり得るところがたくさんあると思います。今後も、景観資源として登録されることを望むところでありますが、景観保全に関する取り組みの現状と今後の展開についてを県土整備部長にお聞きしたいと思います。
○副議長(山本茂博君) ただいまの玉木久登君の質問に対する答弁を求めます。
 県土整備部長森戸義貴君。
  〔森戸義貴君、登壇〕
○県土整備部長(森戸義貴君) 景観保全に関する取り組みの現状と今後の展開について、御質問を頂戴いたしました。
 和歌山県には、紀伊山地の山々、変化に富んだ海岸地形、河川流域ごとの文化圏のまとまりや、熊野参詣道などの自然を基調とした歴史文化から生まれた景観など、魅力あふれる多様な景観があります。これらの世界に誇るべき良好な景観を保全しつつ、次代に引き継いでいくことが重要と考えており、平成20年3月に和歌山県景観条例を制定いたしました。
 現在、県下全域を対象として、景観法に基づく景観計画が策定されております。さらに県では、良好な形成する上で特に重要な地域を特定景観形成地域に指定し、地域の特性を生かした良好な景観の形成に向けて、必要なルールを定め、広域的な景観施策の展開を行っています。
 また、地域ごとの生活や文化などに密着した身近な景観の保全については、景観資源の登録制度を設け、住民参画による景観づくりを推進しており、議員御紹介のとおり、これまで2件の景観資源の登録を地域住民の皆様からの推薦を受けて行っています。
 県としましては、引き続きこれらの取り組みを推進し、本県の良好な景観形成に努めるとともに、景観づくりに対する機運の醸成を図り、地域の観光振興や活性化に資するように取り組んでまいります。
○副議長(山本茂博君) 玉木久登君。
  〔玉木久登君、登壇〕
○玉木久登君 御答弁ありがとうございます。
 和歌山県の景観は、どこもかしこも景観資源登録が可能なぐらいすばらしいと思います。ただ、その風景になれ親しんだ私たちには当たり前の風景として映り、魅力を発信できずにいることが多々あると思います。そんな中で、景観資源を私たち県民がしっかりと認識し、アピールすることにより、和歌山県を訪れる人々に感動を与え、またこの地を訪れたいと思う気持ちになってもらうことが重要であると思います。
 県土整備部長から御答弁をいただきましたが、この景観資源登録の認知度は、まだまだ低いのが現状ではないかと思います。今後も地域と連携を深めながら、景観の保全並びにより一層の普及啓発活動をお願いいたします。
 続きまして、今お答えいただいた中にもございますが、この景観資源登録のような和歌山にマッチングした制度を、どのようにして今後観光振興につなげていくかであります。
 和歌山を訪れていただくことはありがたいことではありますが、そのまま見てお帰りになられると非常にもったいないことであります。このチャンスを活用しない手はないのは当然であり、滞在していただく観光プランが不可欠となります。その点についての取り組みについて、商工観光労働部長にお聞きします。
○副議長(山本茂博君) ただいまの玉木久登君の質問に対する答弁を求めます。
 商工観光労働部長山西毅治君。
  〔山西毅治君、登壇〕
○商工観光労働部長(山西毅治君) 議員御指摘のとおり、本県には、景観資源登録をされた2つの地点のほかにも、海、山、川などのすばらしい自然を堪能できる景観がたくさんございます。これらの景観は、訪れた皆さんに多くの感動を与え、旅の行き先を決める要素の1つとなるものではありますが、それだけでは誘客につながるものではないと考えております。
 県及び観光連盟では、景観や文化的・歴史的建造物に食、温泉、体験等を組み合わせ、観光客の皆さんに心に残る具体的な旅の楽しみ方を提案し、観光客の誘致につながる施策を展開しているところです。
 現在取り組んでいる「水の国、わかやま。」キャンペーンや「サイクリング王国わかやま」では、まさにこれらすばらしい景観を組み入れ、県内周遊を促進しているところであり、既に多くの観光客の皆様にお越しをいただいているところです。
 また一方、「わかやま歴史物語」においても、このようなすばらしい景観とともに、その地域にある歴史・文化のストーリーとあわせた旅モデルを鋭意作成しているところです。引き続き、継続的な情報発信により、和歌山にぜひ行ってみたいという具体的な旅行動機を喚起してまいります。
○副議長(山本茂博君) 玉木久登君。
  〔玉木久登君、登壇〕
○玉木久登君 ありがとうございます。
 さきの景観資源との連携を生かしながら、観光とのコラボレーションに取り組んでいただきたいと思います。
 観光資源保全と観光振興、いずれも大切なことであるとともに、今後の取り組みについて、1つ要望させていただきたいと思います。
 観光地へのアクセス道路の美観整備や景観をより引き出させる周辺整備など、これも重要であると私は思います。民有地などの制約もあろうかと思いますが、地域との協力を得ながら、美観整備もあわせて要望させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 2項目めに行きます。果樹農業についてであります。
 スーパーの果物売り場や、あるいはネット通販で、外国産のものを含め、さまざまな果樹類を季節を問わず目にし、好みに合わせ自由に選んで食べることができる、そんな時代になっております。こうした中で、自然環境の面では、近年、地球温暖化などが言われ、子供のころからミカン栽培が身近にあった私自身も、栽培環境に変化があることを肌で感じています。
 そこで、県内の果樹農業全般についても、この影響が及んでいると思われます。従来の品種への影響などから新たな対策が必要ではないかと考えますが、現時点での対応策についてと、今後の取り組みについてを農林水産部長にお聞きいたします。
○副議長(山本茂博君) 農林水産部長原 康雄君。
  〔原 康雄君、登壇〕
○農林水産部長(原 康雄君) 果樹は、一旦植えると長期にわたって営農を続けていかなければならないことや、気温や降水量などの影響を受けやすい品目であることから、温暖化に対応した品種開発は重要であると考えております。
 このため、これまで県の試験場において、浮き皮になりにくい温州ミカンの選抜や、「南高」と開花期がそろう受粉用梅品種の育成などを行うとともに、現在は、冬季の気温上昇に適応した食味のよい中晩柑や、かいよう病に強い梅の品種開発に取り組んでおります。
 また、県単独事業により、浮き皮になりにくいミカンの品種である「きゅうき」を初め、温暖化に対応した品種への改植を支援するとともに、新品目導入に当たっては、苗木や土壌改良資材等への支援を行っているところです。
 今後も、温暖化に対応した品種育成や生産現場への導入に支援してまいりたいと考えております。
○副議長(山本茂博君) 玉木久登君。
  〔玉木久登君、登壇〕
○玉木久登君 ありがとうございます。今、内容について御説明いただきました。
 品種開発や普及に関しては、果樹試験場の役割は農家にとって大変重要であります。今後の果樹農業の先進研究をいく機関でなくてはならないと思います。また、果樹の品種開発の特性から、経験豊かな農家との連携も不可欠であると思います。いわゆる篤農家と呼ばれる実践的な農業技術、農業経営を研究し、各地でそれらの普及に貢献する農業従事者と果樹試験場との連携についてを引き続きお聞きします。
○副議長(山本茂博君) 農林水産部長。
  〔原 康雄君、登壇〕
○農林水産部長(原 康雄君) 果樹試験場では、かんきつを中心とした農業振興のため、高品質な新品種と安定生産技術の開発、病害虫の防除対策等、産地振興と農家の所得向上のための研究開発及び成果の普及に取り組んでいるところです。
 こういった技術の開発や普及には、議員お話しのとおり、高い技術力を持った篤農家の方々との連携が重要であります。
 まず、研究テーマの設定については、平成24年度から篤農家の方々や関係機関からの要望や提案に基づき、優先度や実現可能性等も考慮して取り組んでいるところであります。
 次に、研究段階においては、篤農家の方々にも御意見等をいただきながら進めており、例えば、新たな品種の探索に御協力をいただき、そのことによって「きゅうき」や「植美」といったすぐれた品種を見出し、登録申請につなげることができております。現在取り組んでいる新しい極わせ品種や中晩柑品種の開発についても、評価をいただきながら進めているところです。
 さらに、技術開発後は現地実証実験に積極的に参加いただき、普及に協力をいただいております。最後に、得られた成果や開発した技術については、成果報告会や研修会等を通じて、広く農業者等に普及を図っているところです。今後も、篤農家の方々を初め生産現場との連携を強くし、産地に役立つ研究開発に取り組む所存であります。
○副議長(山本茂博君) 玉木久登君。
  〔玉木久登君、登壇〕
○玉木久登君 ありがとうございます。
 和歌山県は歴史的にも果樹農業先進地であると私は思っておりますが、他県も近年、積極的に品種開発や新規品目の産地化などに取り組んでいます。今後も、篤農家との連携をさらに強化し、果樹試験場の重要な役割である先進研究を大いに期待いたします。
 引き続きまして、農業従事者の高齢化が進む中、新規就農者についての現状についてお聞きいたします。
 新規就農者の施策については、例えば、国が実施する農業次世代人材投資事業では、就農時の年齢が45歳未満が要件となっていますが、今後の就農者の確保を考えた場合、45歳以上でも新規就農希望者はいると思います。新規就農者の現状と県としての支援策をお答えいただきたいと思います。
○副議長(山本茂博君) 農林水産部長。
  〔原 康雄君、登壇〕
○農林水産部長(原 康雄君) 本県の新規農業就労の現状でありますが、直近5カ年の新規就農者数の年平均は146名で、うち果樹関係への就農者は89名で最も多く、約6割を占めています。
 果樹では、就農形態別で見ますと、他産業からのUターン就農者が最も多く、全体の6割程度を占めておりますが、近年は農業法人等への雇用就農者が増加しております。
 議員お話のありました国の農業次世代人材投資事業につきましては、就農初期の不安定な時期の経営安定を目的として、新規就農者に対し、資金を助成する制度であります。
 県では、こうした制度のほかに、幅広い年代を対象に、農林大学校や就農支援センターでの技術研修に加え、本県独自に各地域に設置した農地活用協議会による農地のあっせんや、日本政策金融公庫が行う無利子貸付金制度の活用支援などを実施しております。
 これらの支援策の実績としては、技術研修の受講者は、近年、年間80名程度あり、新規就農者への農地あっせん面積は、農地活用協議会を設置した平成26年からこれまで20ヘクタール余りとなっており、年々増加しております。
 今後も、市町村やJA等と連携し、新規就農者の確保に努めてまいりたいと考えています。
○副議長(山本茂博君) 玉木久登君。
  〔玉木久登君、登壇〕
○玉木久登君 県の行う新規就農者への取り組みについて、一定の結果が出ているとの認識をいたしました。今後も引き続き、新規就農者の確保に努めていただきたいと思います。
 また、今後の問題として、休耕地や放棄地などが増加すると、害虫駆除などが行われず、他の園地への被害も懸念されております。新規就農のみならず、農地を有効に活用する取り組みもあわせて早急な検討をお願いしたいと思います。
 続けます。ドローンの活用についてお聞きいたします。
 6月定例会において、菅原議員から御質問がございました。その答弁の中で、今年度から傾斜地果樹園におけるドローンの活用の研究に着手するとの答弁がございました。その研究内容についてをお聞きしたいと思います。
○副議長(山本茂博君) 農林水産部長。
  〔原 康雄君、登壇〕
○農林水産部長(原 康雄君) ドローンの活用については、園地管理や農薬散布等での省力化が期待されています。しかしながら、現状では、本県のような傾斜地果樹園への導入を目的とした取り組みは、全国的でもほとんど実施されていない状況です。このため、本県では、今年度から果樹試験場において、空撮画像による園地栽培管理及び農薬散布に向けた検討に着手したところであります。
 具体的には、園地栽培管理については、特殊なカメラで撮影した画像データを解析し、園地に赴かなくても樹体の乾燥程度や栄養状態等を把握する技術の開発を、また、農薬散布については、散布した薬剤の付着程度や防除効果の評価を検討することとしております。
 今後は、メーカーや国、大学等の研究機関の協力も得ながら、傾斜地果樹園でのドローンの活用について取り組む所存であります。
○副議長(山本茂博君) 玉木久登君。
  〔玉木久登君、登壇〕
○玉木久登君 傾斜地での労働環境の改善は、今後ますます重要となるものと考えています。傾斜地果樹園への農薬散布などのドローンの活用は、夏場の果樹への消毒作業などの重労働の軽減や、熱中症対策につながる役割として期待されていると思います。産学官連携のもと研究が進むにつれ、ドローンに対するさまざまな規制などの問題もクローズアップされてこようかと思います。今後ともよろしくお願い申し上げます。
 今まで、農業について、果樹農業について質問させていただきましたけども、さまざまな質問の中で、最後に、この果樹農業の今後について県の方針をお聞かせいただきたいと思います。
○副議長(山本茂博君) 農林水産部長。
  〔原 康雄君、登壇〕
○農林水産部長(原 康雄君) 農業所得の不安定化や農家の高齢化が進む中で、所得向上と省力化、軽作業化が重要な課題であると認識しております。このため、県では、生産、販売面でさまざまな施策を実施しております。
 具体的には、温州ミカンでは、マルチ栽培など高品質生産を推進するとともに、平成27年度よりJAグループと連携し、光センサー選果機を活用した厳選出荷に取り組み、27年産は生産量のみならず、産出額についても日本一になり、28年産はさらに取引単価が上昇いたしました。
 また、省力化を図るため、県単独事業により園内道の整備やスプリンクラー等の導入を支援してきたところであり、今年度から、ドローンなどのロボットやICTを活用した先端機器の導入にも支援することとしております。
 さらに、こうした取り組みに加え、海外市場の開拓に向け、百貨店での和歌山フェアの開催や大型展示会への出展など、県産果実の輸出拡大を図るとともに、6次産業化や複合経営などに取り組む担い手の経営基盤の強化を図るため、農業法人等の組織経営体の育成も進めております。
 いずれにしましても、果樹は本県農業の基幹品目でありますので、今後ともさまざまな施策を積極的に展開し、果樹農業の振興を図ってまいりたいと考えております。
○副議長(山本茂博君) 玉木久登君。
  〔玉木久登君、登壇〕
○玉木久登君 繰り返しになるかもわかりませんけども、和歌山県の果樹農業は、産業として、歴史的にも先進県であったものと認識しています。しかし、近年の消費者の嗜好の変化、自然環境の変化、労働環境の変化、技術革新などが進み、かつ産地間競争が激化する中で、新たな時代に立ち向かう必要に迫られています。
 引き続き、この分野での将来を見越した施策を強力に進めていただくことをお願いいたします。
 3項目めに移ります。
 効率的な持続可能な漁業についてを質問させていただきます。
 近年、さまざまな要因により、和歌山県の沿岸漁業の漁獲高が減少し、今後、資源管理が重要な漁業において、漁業従事者の今後の持続可能な漁業を考えるとき、試験研究機関における海洋データの活用と漁業従事者との連携強化は重要であると思います。今の取り組みと今後の考え方について、農林水産部長にお聞きいたします。
○副議長(山本茂博君) 農林水産部長。
  〔原 康雄君、登壇〕
○農林水産部長(原 康雄君) 議員御指摘のように、今後の漁業経営を考えていく上で持続可能な漁業の促進は非常に重要であり、そのためには、海洋調査データを活用した効率的な漁業の実現や資源管理が不可欠であると考えています。
 このため、水産試験場では、海洋調査データをもとにカツオの位置情報を推計するカツオマップの開発などを行ってきました。こうした研究成果や水温等の調査データなど、県内の漁業にとって有益な情報を水産試験場ホームページに掲載するとともに、県内各漁協へ情報提供を行っているところです。
 また、これらのデータを現場で直接確認できるように、携帯端末で閲覧可能なシステムを構築し、漁場の選定、出漁の判断等において多くの漁業者の方に御利用いただいています。さらに、海洋調査データを活用した資源管理についても、漁業者を対象とした勉強会を各地で開催し、取り組んでいるところです。
 例えば、主要魚種であるタチウオの漁獲量減少が課題になる中、調査データをもとに小型魚の保護をすることや、産卵場を明らかにし、その付近で漁獲しないようにする取り組みを漁業者とともに推進しています。
 このほか、試験場では成果発表会を開催し、研究結果を広く公表するとともに、各振興局では、水産業普及指導員が試験場と連携して、地域に応じた研究成果の普及を図っているところです。
 今後も、県内漁業者との連携を強化し、海洋調査データの活用と漁業者のニーズに合った研究の実施と成果の普及により、持続可能な漁業の推進に取り組んでまいります。
○副議長(山本茂博君) 玉木久登君。
  〔玉木久登君、登壇〕
○玉木久登君 この件については、漁業従事者とのコミュニケーションも重要になると思います。今後ともよろしくお願いいたします。
 続けます。観光資源を生かした漁村の活性化についてであります。
 持続可能な漁業には、漁家経営の安定が不可欠であると思います。観光資源としての漁村の魅力を生かした所得の安定向上も大事であると考えますが、県の取り組みについてをお聞きいたします。
○副議長(山本茂博君) 農林水産部長。
  〔原 康雄君、登壇〕
○農林水産部長(原 康雄君) 議員御指摘のとおり、漁村が持つ豊かな観光資源を活用し、漁家所得の向上を図ることは、非常に重要であると認識しております。
 県におきましては、昨年度からブルーツーリズム推進事業により、漁港を中心とした地域が一体となり、漁業体験や漁船クルーズ、水産物の直売など、その地域の資源を活用した漁家所得向上への取り組みを市町村を通じて支援しております。
 今後も、資源管理や漁場整備など漁業本業への支援はもとより、ブルーツーリズム推進事業など各種施策を総合的に推進し、漁家経営の安定を図ることで、漁村地域を支える漁業の維持、発展に努めてまいります。
○副議長(山本茂博君) 玉木久登君。
  〔玉木久登君、登壇〕
○玉木久登君 体験型観光のあり方については、漁業のみならずではありますが、今後の可能性を大きく秘めた魅力ある施策であると思います。県として、独創的な施策を期待いたします。よろしくお願いします。
 最後の質問となります。有田川の河川整備についてであります。
 この平成29年7月5日から6日にかけて、福岡県と大分県を中心とする九州北部で発生した集中豪雨により多くの方が被災され、甚大な被害となりました。改めて、被災された皆様に謹んでお見舞い申し上げます。
 和歌山県においても、平成23年8月30日から9月4日までの豪雨による紀伊半島大水害は記憶に新しく、多くの犠牲を伴いました。
 今回取り上げる有田川に関しても、今なお語り継がれる昭和28年7月18日の大水害があります。有田川流域での死者、行方不明者は555名、負傷者3613名、家屋損壊など被災総数1万2077戸の大災害をもたらしました。
 その後、昭和42年の二川ダム建設を初め、護岸整備などさまざまな治水対策により、大きな氾濫は抑止されている状況です。しかしながら、近年の気候変動、異常気象などによる豪雨による災害を目の当たりにするたびに、河川の氾濫の脅威を住民は強く感じています。
 このことから、県は平成27年10月に、有田川水系河川整備計画を策定し、河川整備を計画的に進めていただいております。しかしながら、住民の河川の氾濫の抑止は切実であり、目に見える河川内の堆積土砂並びに生い茂る樹木が流下の妨げとなり、氾濫の原因となることへの不安を募らせています。護岸整備並びにしゅんせつや樹木伐採などの現状と、今後の取り組みについてを県土整備部長にお聞きいたします。
○副議長(山本茂博君) 県土整備部長。
  〔森戸義貴君、登壇〕
○県土整備部長(森戸義貴君) 有田川における護岸整備並びにしゅんせつや樹木伐採などの現状と今後の取り組みについて、お尋ねがございました。
 有田川については、昭和28年7月の洪水や昭和34年9月の伊勢湾台風、平成元年の台風17号による洪水などに起因して、過去から幾度となく浸水被害を引き起こしています。これらの洪水を契機とし、洪水を調整するために、二川ダムの建設や、本川や支川における堤防整備、河道掘削に取り組んできたところでございます。
 現在、有田川本川については、宮崎町地区や山田原地区において昨年度から堤防整備に着手するとともに、糸我地区においても堤防の強化を進めております。支川についても、西谷川やお仙谷川において護岸整備や河道掘削を実施してございます。
 これらの事業は、平成27年10月に策定した有田川水系河川整備計画に基づき実施しているものでございます。この整備計画では、昭和28年7月の洪水に次ぐ規模の洪水に対する家屋の浸水被害や、高潮による浸水被害を発生させないことを目的に、おおむね20年間で整備を進めることとしています。引き続き、必要な予算の確保に努め、計画的な河川整備を推進してまいります。
 また、河川の維持管理については、今年度も保田大橋付近や汐止堰下流などで堆積土砂のしゅんせつを実施することとしてございます。
 今後とも、地元の方々の御意見もお伺いしながら、治水上、危険性の高い箇所から順次、土砂の撤去や樹木の伐採を行うなど、適切な維持管理に努めてまいります。
○副議長(山本茂博君) 玉木久登君。
  〔玉木久登君、登壇〕
○玉木久登君 明確な御答弁ありがとうございます。
 今後も、住民の安心・安全並びに財産を守るべく、住民に寄り添う適切な維持管理に努めていただくことを切にお願いし、私の一般質問を終わらせていただきます。御清聴、どうもありがとうございました。(拍手)
○副議長(山本茂博君) 以上で、玉木久登君の質問が終了いたしました。

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