平成29年9月 和歌山県議会定例会会議録 第2号(森 礼子議員の質疑及び一般質問)


平成29年9月 和歌山県議会定例会会議録

第2号(森 礼子議員の質疑及び一般質問)


汎用性を考慮してJIS第1・2水準文字の範囲で表示しているため、会議録正本とは一部表記の異なるものがあります。

正しい表記は「人名等の正しい表記」をご覧ください。

  午前10時0分開議
○議長(尾﨑太郎君) これより本日の会議を開きます。
 日程に先立ち、諸般の報告をいたします。
 過日提出のあった議案第154号は、職員に関する条例議案でありますので、地方公務員法第5条第2項の規定により人事委員会の意見を徴しましたところ、文書により回答がありました。お手元に配付しておりますので、御了承願います。
 日程第1、議案第152号から議案第166号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第2、一般質問を行います。
 26番森 礼子さん。
  〔森 礼子君、登壇〕(拍手)
○森 礼子君 おはようございます。森礼子です。
 9月議会初日の1番目の質問に質問する機会をいただきまして、ありがとうございます。
 質問に先立ち、一言お祝いを申し上げます。
 このたびの秋篠宮眞子様の御婚約内定、まことにおめでとうございます。とかく暗いニュースが多い中、国民の心を和ませてくださるおめでたい出来事です。どうかお2人の末永い御多幸をお祈り申し上げます。
 では、通告に従い、質問させていただきます。
 初めに、北朝鮮のミサイルについて質問します。
 今、私たちは新たな危機と直面しています。これまで私たちは、南海トラフ地震や津波、中央構造線の地震、風水害に対して、県民とともに防災計画などを作成し、避難物資を備蓄しながら防災訓練を実施してきました。8月29日の早朝の出来事で、大きく変化したように思います。
 午前6時2分、テレビの画面が切りかわり、「国民の保護に関する情報です。北朝鮮からのミサイルに関する情報をお伝えします。政府は、先ほど北朝鮮からミサイルが発射された模様ですと発表しました」とのアナウンスが流れ、画面も国民保護に関する情報に変わり、「ミサイル発射。ミサイル発射。北朝鮮からミサイルが発射された模様です。頑丈な建物や地下に避難して下さい。」との文字が表示されました。東日本の12道県に全国瞬時警報システム・Jアラートが発せられた瞬間でした。
 ちょうどテレビを見ていた私は、突然の放送に大変びっくりしました。対象地域は東日本ということで、和歌山には来ないと思いましたが、同時に、頑丈な建物や地下にどうやって避難するのかとも思いました。
 その後、いろいろな点に気づきました。漁業関係者、漁に出ている人はどのように情報を得るのか。携帯を持たない人が屋外にいたらどうするのか。防災行政無線から離れたところや騒がしいところにいたら全く気づかないでしょうし、そもそも警報音を聞いたことがない人はどうするのか。
 その日以来、テレビのバラエティーでは特集を組み、訓練の様子などあらゆる報道がされています。その後、さらに北朝鮮は、9月3日には水爆実験を行い、国連が制裁決議を行う、緊迫の度合いが増しています。
 そこで、今回の北朝鮮によるミサイル発射を受けて、現在、知事はどのような御所見をお持ちでしょうか。
 次に、ミサイル落下時に備えた訓練について伺います。
 今回のJアラートの警報音は、少々平和ぼけした国民を覚醒させる機会になったと思います。緊迫した状況の中、生き残るためには何をすべきか、その気づきをするためには、避難訓練をすることは大切な機会ではないかと思います。
 また、頑丈な建物や地下に避難せよと言うが、そのような建物がないときはどのようにするのでしょうか。ミサイル落下時の県民の避難方法について、県はどのように奨励するのか、危機管理監に伺います。
 3番目は、ミサイル飛来情報の県民への周知について。
 屋外での伝達手段は、防災行政無線が重要手段です。本県の防災行政無線の配備は100%であると聞いていますが、Jアラートと連動できていない古い設備のところや、そもそも屋外スピーカーがない地域もあると聞いています。
 音が割れて聞き取りにくい、届かないなどの点検、改善、戸別受信機や防災ラジオ設置推奨などの対策が必要ではないでしょうか。また、漁業関係者、特に漁に出ている人への伝達手段はどのようになっているのか、危機管理監に伺います。
○議長(尾﨑太郎君) ただいまの森礼子さんの質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 北朝鮮による我が国上空を通過したたび重なる弾道ミサイルの発射は、領土、領海への着弾、落下のおそれがあることから、県民の生命、身体及び財産を脅かす許しがたい暴挙であり、怒りを覚えます。
 国においては、今後、北朝鮮がさらなる暴挙に出ることのないよう、外交、経済等あらゆる手段で北朝鮮に対して断固とした対応をとることや、ミサイル飛来時にはより早く正確な情報提供を行ってもらいたいと考えております。
 一方で、ミサイルがいつ、どこへ落下するかといった情報提供については、防衛省にも再三問い合わせた結果、リアルタイムではできない、あるいはしないとの由でありました。例えば、10分後に紀の川右岸あたりに落下するという情報があれば、急いで左岸側に避難していただければいいということになるんですけれども、現実的にはどこへ飛んでくるか、落ちるかわからないわけでありますので、とにかく建物の中に避難することを徹底するしかないというふうに思います。
 どこどこへ逃げようということになると訓練も必要と思いますけれども、現状は申し上げたとおりであります。訓練だと言ってテレビなどに撮らせますと、話題性もあるので人気も出るんですけれども、そういうこともどうかなあというふうに思いますから、現実にのっとって一番いいことをするしかないと思います。
 大事なことは、Jアラート等によるミサイル発射の情報伝達後、日本へのミサイル到達は10分程度しかないために、県民の皆様には、直ちに近くにあるできるだけ頑丈な建物の中に避難するとともに、その後の情報にも注視しながら落ちついて行動していただくしかないと、あるいはそういうふうにしてもらいたいというふうに思います。
 そういうことを後で危機管理監から詳しく話すと思いますけれども、繰り返し県民に伝えてまいりたいと思います。
○議長(尾﨑太郎君) 危機管理監藤川 崇君。
  〔藤川 崇君、登壇〕
○危機管理監(藤川 崇君) ミサイル落下時に備えた訓練についてお答えいたします。
 県では、和歌山県公式ホームページのほか、テレビ和歌山や和歌山放送のスポットCM、「県民の友」など、あらゆるメディアを通じ、弾道ミサイル落下時の行動について県民の皆様に積極的に周知を行っているところでございます。
 弾道ミサイル落下時には、爆風や落下物から身を守るため、直ちに近くの建物の中や地下に避難するか、近くに建物がない場合は地面に伏せて頭部を守ることが重要でございます。
 津波など自然災害時の避難とは異なり、どこに着弾するか予測できないため、あらかじめ避難ルートや避難場所を定めることが困難であることから、事前に決められた建物に逃げ込むような訓練は余り意味がないのではないかと考えております。
 なお、今年度、大規模な化学薬剤の散布や爆発物への対処を想定した国民保護共同図上訓練を消防庁、自衛隊、警察、消防、市町村等とともに実施する予定でありまして、この訓練は、危険物への対応や住民避難の指示など、ミサイルへの対処にも通じる実践的な訓練となっております。
 県といたしましては、このような訓練を通じて危機管理能力を強化するとともに、関係機関と緊密に連携し、県民の安全確保に全力を尽くしてまいります。
 次に、ミサイル飛来情報の県民への周知についてでございますが、弾道ミサイルが発射された場合、その情報をいかに早く確実に県民に伝達するかが最も重要であり、弾道ミサイルが発射され、本県や周辺地域に飛来する可能性がある場合は、消防庁から全国瞬時警報システム、いわゆるJアラートを活用して市町村の防災行政無線や登録制メールなどで即座に情報が伝達されると同時に、携帯電話やスマートフォンに緊急速報メールが届きます。
 議員御指摘のとおり、市町村の防災行政無線は災害時の住民への重要な情報伝達手段であり、不感地域の解消に向け、市町村が屋外スピーカーの増設や戸別受信機の配備などを実施しているところです。
 引き続き、市町村に対し適切な整備を勧めるとともに、Jアラートによる全国一斉情報伝達訓練の実施や機器の日々の点検など、情報が県民に確実に伝達されるよう強く市町村に働きかけてまいります。
 次に、漁業関係者などへの情報伝達につきましては、現在、首相官邸から漁協等の代表者に直接メールで伝達する仕組みがあり、さらに、水産庁がJアラートのシステムと同様に、直接漁船に情報を伝達するシステムを新たに導入すると聞いております。
 いずれにいたしましても、国や市町村、関係機関等と十分連携し、県民への情報伝達に万全を尽くしてまいります。
○議長(尾﨑太郎君) 森 礼子さん。
  〔森 礼子君、登壇〕
○森 礼子君 私の娘とか娘の友達は「どうせ大丈夫やろう」というような言葉を会話で交わしているのを聞いたので、やっぱり、どうせ大丈夫だろうというような間違った行動にならないようにすることが大事だとも思いますし、そういう感情というのは自然災害のときの避難の行動にもつながっていくので、しっかりと自分で身を守るということは周知していきたいなというふうに要望いたします。
 では、続いて次の質問に移ります。
 2番目は、県道岩出海南線について質問します。
 初めに、整備の見通しについて。
 昨年の9月定例会では、山東地区の県道岩出海南線の整備について質問をしました。今回は、その整備促進の願いを込めて、改めて質問をいたします。
 県道9号岩出海南線は、海南市から和歌山市東部を経由して岩出市を結ぶ主要県道です。通過交通とともに、また、地域の子供たちの通学や通勤、生活道路としても大変大切な道路であります。
 しかし、和歌山市内の境原から口須佐までの間は狭隘な箇所が連続する未改修区間で、交通安全上、大変危険な状態にあります。そのため、一昨年、関係自治会から県に対して早期拡幅の要望が出されています。
 昨年の私の質問に対し、県土整備部長から、交通の流れを大きく変えるバイパス整備ではなく、現道を活用し拡幅や線形改良を行う整備手段で、用地の御協力が前提となりますが、車両の円滑な対向、歩行者の安全確保などの観点から、特に狭い箇所の整備について検討を行うと答弁をいただきました。その答弁で私も大変力強く、心強く感じました。傍聴に来られていた自治会の役員さんたちも大いに喜んでくれていました。
 そこで、もうすぐ来年度予算の編成が行われますが、事業計画など今後の見込みについて、県土整備部長に伺います。
 2番目は、道路沿いの斜面対策について。
 また、地元からは、県道9号線の吉里、境原両地域の南北にまたがる区間の道路ののり面対策についても、改修の要望が出されています。同所は、県の土砂災害特別警戒区域に指定されており、急傾斜地の前面には県道を挟んで民家があり、常に危険と向き合っています。万が一、斜面崩壊が起これば、県道が寸断され、さらに、民家が土砂の直撃を受けるおそれがあります。当該道路が寸断されれば、海南から和歌山市東部から和佐から小倉地区、そして岩出への幹線が通行不可能となり、西山東地区の南部地域の120世帯が避難困難となり、救護ができなくなってしまいます。
 問題ののり面区間150メートルの現状は、高さ5メートルのブロック積み区間が45メートル、高さ1メートルのブロック積み区間が10メートル、高さ5メートルの金網設置区間が60メートル、無施工区間が35メートルです。県ではこれで改修済みとしておりますが、のり面の上の山の高さを考慮すると現状ではとても不安で、地元からは、せめて金網設置区間、無施工区間について対策を講じてほしいとの声が上がっています。
 ぜひこれも早期の対応が必要であると考えますが、9号線の道路沿いの斜面対策について、県土整備部長に伺います。
○議長(尾﨑太郎君) 県土整備部長森戸義貴君。
  〔森戸義貴君、登壇〕
○県土整備部長(森戸義貴君) 岩出海南線の整備の今後の見通しについてお尋ねを頂戴いたしました。
 県道岩出海南線の和歌山市口須佐から境原間につきましては、車両の対向が困難な箇所や歩行者等の安全な通行に支障を来している狭隘な区間があることは認識をしており、その整備に当たっては、現道を活用することが望ましいと考えております。
 同区間の一部は、近隣の小学校への通学路でもあることから、歩行者の通行の安全を図るため、昨年度策定した歩道整備5カ年計画に同区間の整備を位置づけたところです。
 現在、側溝のふたかけや路肩のカラー舗装化など、現道区域内において歩行スペースを確保するための調整を進めております。あわせて、狭隘な区間の整備を進めるに先立ち、現在、通行に支障がある箇所の抽出や公図の状況等、基礎データについての調査を実施しているところです。今後、これらの準備が整えば、地元の皆様とともに現地調査を行い、御意見を伺ってまいりたいと考えております。
 なお、具体的な整備につきましては、周辺の事業中区間の進捗を見ながら取り組んでいくこととなると考えてございます。
 続きまして、吉里、境原地域の岩出海南線沿いの斜面対策についてお尋ねをいただきました。
 議員から御指摘のありました土砂災害特別警戒区域は、土砂災害防止法に基づいて県が指定する区域であり、同法施行令に定められた指定基準に基づき、傾斜度30度以上かつ5メートルを超える高さの急傾斜地を対象として、その斜面の状況にかかわらず指定しているものでございます。したがいまして、崩壊の危険度を勘案して指定しているものではございません。
 道路管理者としては、道路の一部として管理している斜面、いわゆるのり面について、危険度の高い箇所から順次対策を講じているところでございまして、現在は、過去に実施した道路防災点検において、のり面対策が必要とされた箇所を対象に対策を行っているところでございます。
 今回、御質問のありました箇所につきましては、直ちに対策が必要な箇所とはなっておらず、現時点でのり面の崩壊や変状も見受けられないこと及び一定ののり面対策が講じられていることから、現時点で新たな対策を実施する予定はございません。
 今後も、道路パトロールによる点検を行いながら、のり面の状況を注視してまいりたいと考えてございます。
○議長(尾﨑太郎君) 森 礼子さん。
  〔森 礼子君、登壇〕
○森 礼子君 次に、和歌山県の競技力向上とスポーツの施設の充実について質問します。
 9月13日、厚労省の発表によると、平成27年度の国民医療費が42兆3644億円と前年度に比べ1兆5573億円増加し、9年連続で過去最高を更新しました。私は、この種のニュースを聞くたびに、スポーツ振興や健康増進を図れば医療費は軽減され、国民も健康で幸せな人生が送れるのにと思います。
 その意味で、スポーツ振興は世界共通の国家的課題であり、英国やフランス、ロシア、中国、カナダなど多くの国では、その責任者に大臣を置いて積極的に推進しています。我が国でも、平成26年にスポーツ庁が設置され、水泳金メダリストの鈴木大地長官を先頭にスポーツの振興を図っています。
 折しも2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催を目前に控え、新しく追加されるスケートボードやサーフィンも含め、スポーツへの関心は国民の間にも大きく高まっています。また、スポーツは、青少年の健全育成につながる大切なコミュニケーションであり、学校や地域で盛んに行われています。
 さらに、スポーツ庁や経産省では、世界の潮流に乗って、スポーツ産業の成長力を生かして我が国の基幹産業の1つに押し上げる政策を掲げています。スポーツは、教育や健康増進の領域を超え、地域活性化や産業振興にまで拡大しました。
 そこで、3問目は、本県の競技力向上と施設の充実について質問します。
 ここでは、事例として、今や国民的スポーツ、Jリーガーが子供たちの憧れであるサッカーを取り上げます。
 私は昨年、堺市にある堺市立サッカー・ナショナルトレーニングセンターを視察しました。同センターは、天然芝5面、人工芝11面、人工芝フットサル8面のフィールドと立派なクラブハウスにレストランや売店、合宿施設が備わり、サイクリングコースや400メートルトラックまで有する総合サッカー施設です。
 用地は、大阪ガスの工場跡地を固定資産税の減免と引きかえに堺市が無償で20年間借り受ける契約で、慢性的に練習場所の不足に悩むサッカー協会が協力してつくり上げたということです。
 私が視察した日は日曜日でしたが、全てのフィールドが選手でにぎわい、活気にあふれていました。週末、祭日の予約は数年先までいっぱいで、年間使用料収入は約6億円と伺いました。
 去る7月15日には、日本、県サッカー協会主催のタウンミーティングが開催され、私も参加してきました。田嶋日本サッカー協会会長や役員の皆さんのお話を伺い、サッカーグラウンドの整備の必要性を改めて認識いたしました。
 現在、県内には、サッカーに最適な芝生のグラウンドは紀三井寺や紀の川市の桃源郷、田辺スポーツパーク、上富田スポーツセンター、サン・ナンタンランドなど9競技場があり、利用状況は多目的グラウンドとなっているものが多く、サッカー競技やほかの競技団体が会議を開き、利用調整をしている状況と伺いました。
 フットボールなら学校の運動場でもできるじゃないかと言われるかもしれません。しかし、例えばサッカーは芝生の上でプレーしやすいだけではなく、練習のときから芝生でやらないと技術が習得できません。日本のサッカーが欧州や南米との差が埋まらないのは、芝生グラウンドの差と言われています。
 芝生の上に乗ったボールを蹴るのと土の上のボールを蹴るのでは、蹴り方まで違ってきます。スライディングタックルも芝生でなければできません。つまり、県内ではグラウンドが少なく練習ができないことに加えて、十分な技術を習得できない状況です。
 私が堺市のセンターを伺ったときも、北高校の選手、女子チームのオレンジ和歌山の選手が熱心に練習を行っていました。
 現在、サッカーは200を超える国と地域で2億5000万人を超える選手たちにプレーされており、4年に一度行われるFIFAワールドカップのテレビ視聴者数は全世界で300億人を超えており、世界で最も人気のあるスポーツです。
 我が国でも競技人口は93万人を超えており、プロリーグも3部制です。しかし、本県の競技人口は、平成26年で、人口が少ない県よりもさらに少なく、下から5番目の6175人です。施設が少ないから競技人口がふえないのか、それとも競技人口が少ないから施設をつくる必要がないのでしょうか。
 芝生グラウンドは、サッカーだけでなく、ラグビーやホッケー、ラクロスなど多目的に利用できます。しかも、県外からも合宿などを呼び込める経済的なスポーツ施設です。
 知事もタウンミーティングのレセプションに出席をされていましたが、私は、スポーツ施設の充実がその競技力の向上に資すると思いますが、本県の競技力向上とスポーツ施設の充実について、知事にお伺いいたします。
○議長(尾﨑太郎君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 本県を代表する競技者が国際競技大会や全国大会で優秀な成績をおさめることは、多くの県民に夢と感動を与え、郷土愛を育み、元気な和歌山を実現するとともに、本県のスポーツ振興に大きく寄与するものであります。
 私に関して申し上げますと、私はスポーツをすることも見ることも大好きでございますんで、スポーツが盛んになることは無条件にいいことだというふうに思っております。
 よって、紀の国わかやま国体における男女総合優勝で得られた成果やレガシーを生かし、ジュニア選手育成、少年選手強化、すぐれた指導者の養成、スポーツ医・科学サポートの充実等に取り組むことで、本県の競技水準の維持向上に努めております。
 このため、国体後も、昔みたいにスポーツ予算をうんと小さくするということはなくて、今申し上げましたような用途のために結構使わしていただいております。
 県内のスポーツ施設については、紀の国わかやま国体・紀の国わかやま大会の開催に向けてだけではなくて、国体・大会が終わった後の活用も踏まえ、十分検討の上、さらに市町村とも連携して、計画的に必要な新設、改築等の整備を行ったところであります。
 国体・大会が終わり、現在は新たな施設を整備するというのではなくて、本県の競技力の維持向上や東京オリンピック・パラリンピックの事前キャンプ誘致など、国体・大会で整備した施設の有効活用を図っていくということが大事であると考えております。
○議長(尾﨑太郎君) 森 礼子さん。
  〔森 礼子君、登壇〕
○森 礼子君 答弁では十分足りているとのことですが、現状は足りている競技と足りていない競技に分かれています。私が述べたサッカーやラグビーは全く足りていないというふうに伺っていますし、また、間もなく全国高校ラグビーフットボール大会和歌山県大会が始まるんですが、グラウンドの確保ができずに、高校の土グラウンドで開会式と1回戦の3試合が行われるということで、3年生にとっては高校生活最後の試合で、芝のグラウンドではなくて土グラウンドで終えてしまうこととなるというふうに関係者はおっしゃっていました。他府県で当たり前となっている天然芝や人工芝でのグラウンドでの公式戦を準備してあげたかったと話されていました。
 また、フットボールシーズンインの8月末から10月、また強化期間の12月から3月には、毎年和歌山で合宿を希望する多くのチームからの問い合わせがありますが、残念ながらグラウンドが確保できないので断るケースがほとんどであるという実態を伺いました。
 スポーツの振興のためには、選手の強化とか育成が必要ですが、そのためにはやっぱり何より幼いときからの適正な環境が必要であると私は思います。
 さきにも述べましたが、サッカーやラグビーは土のグラウンドでもできますが、しかし、土のグラウンドではサッカーやラグビーは全く違った形のスポーツになってしまい、技術も身につけることができません。サッカーのスライディングタックルは、芝で習得はできるけど、土の上では滑ることもできません。芝の上と土の上との違いでやり方も変わってくるそうです。
 そういうことから、知事もタウンミーティングに出席されておられましたが、そのときにグラウンドが足りていないという状況は聞かれたと思いますが、本当に必要でないと感じていらっしゃるのか、再度伺います。
○議長(尾﨑太郎君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 今、森議員が土の上ではスライディングタックルはできないとおっしゃいましたが、私は高校2年生のとき、3年生じゃなくて2年生のとき、このチームは強くて、私など下手っぴいは交代要員のサイドバックでございました。ほとんど業としてスライディングタックルを専門にやっておりまして、土のグラウンドの上でやっておりました。
 そういうことはさておきまして、競技団体あるいはやってる人、これはもう自分のところの競技に、県があるいは町が力を入れてくれて、いい環境を整えてくれたらいいに決まっとるわけですけれども、しかし、県や市町村のほうもやっぱり採算というようなことも考えておかないと、ほかの人たちに示しがつかん、申しわけが立たんということになります。
 実は、和歌山県でも、多くのテニスの競技者から紀三井寺競技場のテニスコートにナイター設備を入れてくれという話がありました。そのときに、結構設備投資も要るもんですから、後々ちゃんと回収できるかどうかというようなことも大いに考えまして、競技団体なんかもこのぐらいの需要は必ず出すというようなことも言ってもらい、それを裏づけもとって、それでどうもいけそうだと、そんなに損はしないということで設備投資をやらしていただいたこともございました。
 サッカーのグラウンドなんかも同じように考えたらいいと思いまして、全く公的機関が設備をつくっちゃいかんかというとそうでもない。だけど、やっぱり和歌山県民全体に迷惑をかけるようなことがないようになっとるかどうかということもよく考えて、要は、ひょっとしたら競技団体の人たちの覚悟の問題なのかもしれないなあというふうに思っております。
○議長(尾﨑太郎君) 森 礼子さん。
  〔森 礼子君、登壇〕
○森 礼子君 ホッケーのグラウンドが13年前にマツゲングラウンドとしてできて、それからたくさんの県外のチームが和歌山へ来続けてくれたことによってホッケーのレベルがすごく上がったというふうに、ホッケー関係者以外の方からもすごく称賛されているのを聞きました。で、国体の優勝にすごく大きく貢献していただいたホッケーチームがあるんだなというふうなことも、私も国体のときに知ったわけですけれども、私は、いろんなサッカーやラグビーの関係者の方とお話をした上では、やっぱりその需要も要望もたくさんあるということをしっかり認識した上での質問だったので、きょうはこの辺で終わりますが、これからも私なりに研究していきたいと思います。
 これで一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○議長(尾﨑太郎君) 以上で、森礼子さんの質問が終了いたしました。

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