平成29年6月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(中本浩精議員の質疑及び一般質問)


平成29年6月 和歌山県議会定例会会議録

第3号(中本浩精議員の質疑及び一般質問)


汎用性を考慮してJIS第1・2水準文字の範囲で表示しているため、会議録正本とは一部表記の異なるものがあります。

正しい表記は「人名等の正しい表記」をご覧ください。

  午後1時0分再開
○議長(尾﨑太郎君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 18番中本浩精君。
  〔中本浩精君、登壇〕(拍手)
○中本浩精君 皆さん、こんにちは。
 本日3番目に登壇させていただきます中本です。よろしくお願いいたします。
 それでは、議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。
 質問に入らせていただく前に、台湾現地調査について報告いたします。お手元に本日の記事を配付させていただいております。御参考いただければありがたく思います。よろしくお願いいたします。
 去る6月7日から9日、仁坂知事とともに、尾崎要二議員、宇治田栄蔵議員、山下直也議員、岸本健議員、そして私、中本浩精の5名が台湾台北市を訪問しました。訪問の主な目的は、県産品の販路拡大と観光客誘致のためのトップセールスです。仁坂知事らとともに私たちも和歌山県の産品や観光資源のPRを行いました。
 県産品の販路拡大については、台湾の高級百貨店に太い販路を持つ日本食品輸入卸の商田實業と高級小売店シティ・スーパーの本社を訪問しました。両者のトップに対し、県産品の継続的な取り扱いについてお礼を述べるとともに、さらなる取り扱いの拡大や和歌山フェアの開催などについて意見交換を行いました。
 観光客誘致については、和歌山県への豊富な送客実績がある喜鴻旅行社を訪問するとともに、和歌山県にゆかりのある文化施設紀州庵で開催された観光セミナーに参加しました。岡本章九度山町長や県内の観光事業者も参加し、台湾の旅行会社やメディアなど関係者に対して、和歌山県の豊かな観光資源や体験型プログラムなどを紹介しました。
 そのほかにも、和歌山県と関係のある施設を訪問しました。
 南方熊楠と交流があったことで知られる世界的なかんきつ分類学者、田中長三郎氏が戦前に初代図書館長を務められた国立台湾大学の図書館には、和歌山県にゆかりのある貴重な書籍など約4000冊が田中長三郎文庫として保存されています。
 文庫を見学した後、陳光華図書館長や研究者らと来年秋に計画されている展示会について意見交換を行いました。再来年には和歌山県内での開催も希望されており、今後、南方熊楠や和歌山県に関する情報発信が期待されるところです。
 続いて、建国の父・孫文の記念堂、国立国父記念館を訪問しました。御存じのとおり、南方熊楠は、ロンドンでの留学時代に孫文と出会い、帰国後も和歌山で再会するなど親交を深めました。ことし4月、台湾から孫文の研究団体である中山学術文化基金会の許水徳董事長らが来県し、南方熊楠記念館と顕彰館を視察されたことが契機となり、国父記念館の展示室に熊楠に関する展示を新たに加えていただけることになりました。国父記念館は台湾やアジア各地から大勢の観光客が訪れる名所です。今後、ことし11月に開催される国際学会には県内からも熊楠の研究者らが招待されることになっており、南方熊楠や和歌山県について情報発信を行う絶好の機会になるものと期待しております。
 最後に、今回の訪問では、仁坂知事を初め岡本九度山町長、観光プロモーション及びビジネスミッションに参加された県内関係者の方々とともに、オール和歌山でトップセールスを行いました。私たちの意気込みと和歌山県の魅力を台湾の方々に伝えることができたものと考えております。県職員の皆様もそれぞれの分野で熱心に取り組まれている様子を拝見し、大変頼もしく思いました。台湾との交流が今後ますます促進されますことを期待いたします。
 以上で報告を終わらせていただき、質問に入らせていただきます。
 まず初めに、農作物の鳥獣害対策についてお尋ねいたします。
 農村地域の過疎化や耕作放棄地の増加等により野生鳥獣の生息域が拡大し、最近では農作物被害だけではなく、集落内にも出没し、住民生活への影響も見られるなど、全国的に深刻な問題となっています。本県も同様で、中山間地域では耕作放棄地が増加し、野生鳥獣のすみかが集落周辺まで拡大し、防護柵などの被害対策を行わず、その結果、農業や林業のみならずお年寄りの家庭菜園までが被害に遭う状況となっています。
 鳥獣害対策は抜本的な対策が見出せない中、県では過去には有害捕獲や防護柵の設置への支援など基本的な取り組みのみでしたが、数年前から捕獲や狩猟者の確保などの対策を充実させ、予算額も年々増加している状況であり、県の意気込みが感じられます。さらに近年は、全国に先駆けて夜間銃猟にも取り組まれるなど、捕獲に重点を置いた対策により、捕獲数は年々増加していると聞いております。
 しかし、県の懸命な取り組みにもかかわらず、これらの対策が被害の軽減に直結せず、一部の地域では被害が少なくなったとの声を聞くことができるものの、全県的には被害がおさまらない状況であると思われます。
 そこで、現在の被害の状況と、今後の被害対策をどのように進められるのか、農林水産部長にお伺いします。
○議長(尾﨑太郎君) ただいまの中本浩精君の質問に対する答弁を求めます。
 農林水産部長原 康雄君。
  〔原 康雄君、登壇〕
○農林水産部長(原 康雄君) 野生鳥獣による農作物の被害額は、平成27年度で約3億4000万円と、6年連続して3億円を上回る依然として深刻な問題であると考えております。被害の内訳は、果樹が約76%と大半を占め、イノシシによる被害が最も多く、次いで鹿、猿の順となっております。
 県では、有害捕獲、管理捕獲、夜間銃猟などの捕獲対策を初め、防護柵の設置や狩猟者の確保に加え、獣肉処理施設の整備や集落ぐるみの取り組みへの支援など、市町村、猟友会と連携しながら、総合的な鳥獣害対策に取り組んでいるところです。
 しかしながら、野生鳥獣の生息数の増加に捕獲が追いつかない状況であることから、本年3月に策定した今後5年間の指針となる第二種特定鳥獣管理計画に基づき、イノシシ、鹿それぞれ1万7000頭以上、猿で1500頭以上の現状を上回る捕獲を目標として、農作物の被害軽減を図ることとしております。
○議長(尾﨑太郎君) 中本浩精君。
  〔中本浩精君、登壇〕
○中本浩精君 次の質問に入らせていただきます。
 今後も被害対策について前向きに取り組んでいただき、それぞれの対策を通して被害の軽減につなげていただきたいと願っておりますが、一方で、実際に現場で活動される狩猟者を見たとき、年々狩猟者の高齢化が進む中、特に銃猟者は大幅に減少してきており、今後の捕獲活動に深刻な影響が出るものと危惧するところです。今後、これまで以上の捕獲を図り、被害額を減少に転じさせるためには、その前提として狩猟者の育成、確保を図るとともに、初心者を一人前の狩猟者として早期に育成することが大切です。県単独の施策も実施されているようですが、一層の対策が必要と考えます。
 そこで、さらなる捕獲を目指すために、狩猟者の確保と免許取得後の捕獲技術向上対策をどのように進められるのか、農林水産部長にお伺いします。
○議長(尾﨑太郎君) 農林水産部長。
  〔原 康雄君、登壇〕
○農林水産部長(原 康雄君) わな猟免許所持者は10年間で大幅に増加しているものの、第一種銃猟免許の所持者は半減し、全体として狩猟者が減少傾向にある中、銃猟免許者の確保、育成が喫緊の課題であると考えております。
 このため、狩猟免許取得への支援や熟練した狩猟者による技術指導のほか、特に銃猟者の確保対策として、狩猟の魅力を広くPRする研修会の開催や銃所持許可に係る射撃教習への支援に加え、昨年度より実施している実際の狩猟現場を体験する研修により免許取得を促進するとともに、狩猟前の射撃訓練への支援により免許取得者の定着と捕獲技術向上を図っております。
 こうした取り組みにより、捕獲活動に従事している県猟友会の会員数は平成27年度から増加に転じ、現在2497名となっております。
 今後も、市町村や猟友会と連携しながら、狩猟者の確保、育成に積極的に取り組んでまいります。
○議長(尾﨑太郎君) 中本浩精君。
  〔中本浩精君、登壇〕
○中本浩精君 今、部長から、今後も市町村や猟友会と連携を図りながら、狩猟者の確保、育成に積極的に取り組むと答弁いただきましたが、第二種特定鳥獣管理計画の達成を図るためには、特に銃猟初心者の技術向上が重要であると考えます。
 県では、狩猟前の射撃訓練に対し支援していただいておりますが、現在、その対象者は有害捕獲従事者に限定されていることから、免許取得1年目の初心者の方は対象になっていないと聞いております。初心者の方ほどしっかり訓練し、技術を身につけていただき、安全・安心な狩猟をしていただく必要があると思いますので、支援対象に加えていただくなど対策のさらなる充実と、捕獲を担う猟友会との連携を一層深めていただきますようお願いします。これは要望といたします。
 続いて、地方創生についてお尋ねいたします。
 平成26年5月、民間シンクタンクである日本創成会議の人口減少問題検討分科会が、消滅可能性都市896自治体を公表しました。消滅可能性都市とは、平成22年から平成52年の30年間に、人口の再生産力を示す二十から39歳の女性の人口が5割以下に減少し、出生率が上がった場合でも存続できなくなるおそれが高い地域をあらわしたものであります。具体的な自治体名を挙げていることから世論の反響はすさまじく、この公表以降、国、地方を問わず、一気に地方創生が最大かつ最優先の課題として掲げられました。
 地方創生の具体的な方針として、国は平成26年9月に、まち・ひと・しごと創生本部を設置、同年12月には、まち・ひと・しごと創生法の制定、さらに国のまち・ひと・しごと創生総合戦略が閣議決定されており、平成28年12月には、まち・ひと・しごと創生総合戦略2016改訂版が示されるなど、国としても必要な見直しを行っています。
 また、地方自治体にも、地方版のまち・ひと・しごと創生総合戦略策定を努力義務として策定を促しており、平成28年3月末現在で、ほぼ全ての地方公共団体で策定がなされております。和歌山県においては、平成27年6月に、全国に先駆けて和歌山県まち・ひと・しごと創生総合戦略を策定されました。
 県の策定した創生総合戦略では、全国よりも先行して高齢化が進み、当面の人口減少は避けられない状況のもとで、創生総合戦略と時期を一にして策定された和歌山県長期人口ビジョンで示した2060年の人口を70万人とする目標を達成するために、「安定した雇用を創出する」「和歌山県への新しい『人の流れ』を創造する」「少子化をくい止める」「安全・安心な暮らしを実現する」「時代に合った地域をつくる」の5つの基本目標を設定して、戦略的な取り組みを進められております。
 また、本格的な人口減少社会の到来に加えて、急速な高齢化の進展、相次ぐ大規模災害の発生、経済・社会のグローバル化の進展、情報通信技術等の急速な進歩など、本県を取り巻く状況が大きく変動する中、本年3月に策定された新しい和歌山県長期総合計画においても、さまざまな施策を体系的に盛り込んでおられますことも承知しております。
 このような状況の中、和歌山県まち・ひと・しごと創生総合戦略については策定後2年が経過したわけですが、計画の進捗状況をどのように検証しているのか、また、検証の結果、十分な効果が上がっていない場合にどうするのかについて、企画部長にお伺いします。
○議長(尾﨑太郎君) 企画部長髙瀨一郎君。
  〔髙瀨一郎君、登壇〕
○企画部長(髙瀨一郎君) 本県の総合戦略につきましては、計画完了年度に達成を目指す数値目標をあらわす進捗管理目標を設定するとともに、本県独自の手法として、その進捗管理目標を達成するために必要となる県の取り組みを示した行動指標を設定し、その双方の目標を明確に分けて定めているところでございます。
 その意図としては、進捗管理目標の達成状況を検証するために、まずはその達成手段となる行動指標の取り組み状況を把握した上で分析を行うことが重要であると考えたからでございます。
 このため、計画に定めた行動指標の実績と効果を毎年度分析し、その取り組みが成果につながっているかを検証しているところでございます。
 その検証の結果、目標達成に向けた取り組みが十分な成果につながっていないと判断する場合には、新政策プロセスの中で議論を行うことで、より効果的な施策を構築し実施してまいります。
○議長(尾﨑太郎君) 中本浩精君。
  〔中本浩精君、登壇〕
○中本浩精君 次の質問に入らせていただきます。
 国も、地方創生に向けて積極的な予算編成を行っています。昨年末発表された平成29年度地方創生関連予算には、約1兆7700億円を計上しており、地方版総合戦略を推進する予算としては、平成28年度に引き続き、地方創生推進交付金を1000億円計上しています。この交付金については、使い勝手が悪いといった意見が全国知事会などを通じて多く出されていましたが、1事業当たりの上限額や施設整備に対する充当割合などについて、地方側の要望に配慮した改善がなされています。
 そこで質問です。お伺いするのは2点。
 まず1点目、地方創生推進交付金は2年目となるが、県としてはどのような考え方でこの交付金を活用し、また、1年目と比べ、どのような工夫をしているのか。
 2点目、国の地方創生関連予算では、地方創生推進交付金以外にも、地域少子化対策重点推進交付金や地域女性活躍推進交付金など、地方の創意工夫ある取り組みに対し支援するメニューも多く見受けられます。本県では、今後どういった事業に活用していくのか。
 以上2点について、企画部長にお尋ねいたします。
○議長(尾﨑太郎君) 企画部長。
  〔髙瀨一郎君、登壇〕
○企画部長(髙瀨一郎君) 議員御質問の地方創生推進交付金につきましては、まず、先ほど申し上げました新政策プロセスを通じて、毎年度、本県の地方創生に資する施策体系を構築し、その中で当該交付金の趣旨である先駆性に富む事業等について、いろいろ工夫して活用しているところでございます。
 1年目としては、安定した雇用と本県への新たな人の流れをつくり出すため、産業政策や観光振興、移住定住に関する施策に活用してきたところでありますが、2年目となる今年度につきましては、これらの施策に加え、高齢者や女性がそれぞれのライフスタイルに応じて活躍できる社会を実現する必要があることから、就労や社会貢献活動に意欲のある高齢者と企業・団体をマッチングさせるわかやま元気シニア生きがいバンク事業や、結婚、出産等で離職した女性など、再就職を希望する方々が就活しやすい仕組みを企業と協働で構築する就活サイクルプロジェクト事業等に活用してまいります。
 2点目の御質問である国の地方創生関連予算の活用についてでございますが、議員御指摘の地域少子化重点推進交付金や地域女性活躍推進交付金につきましては、社会全体で子育てを支援するとともに、女性の多様な働き方を実現していくためには、行政だけでなく企業等を巻き込んで社会構造の変革に結びつく仕掛けづくりが必要となることから、社員の結婚、子育てへの応援や女性が活躍できる環境づくりを行う企業・団体を、一定の要件を設けて組織化する結婚・子育て応援企業同盟、女性活躍企業同盟事業等に活用してまいります。
 今後も、本県として人口減少の抑制に向けた取り組みと、人口減少時代に適応した地域づくりを戦略的に実行していくに当たり、国の動向を常に把握し、地方創生関連予算を効果的に活用するとともに、必要に応じ、地方の実情に応じた制度改正について提案してまいります。
○議長(尾﨑太郎君) 中本浩精君。
  〔中本浩精君、登壇〕
○中本浩精君 地方創生推進交付金等を活用した県の取り組みについて、御答弁を今、部長からいただきました。引き続き、効果検証等をしっかり行いながら、目標達成に向けて施策を展開していただきたいと思います。
 地方創生は、国、県、市町村がともに頑張ってこそ実現されるものと考えます。和歌山県をさらに元気にするためには、市町村の行う地方創生への取り組みに対しても期待するところであり、県と市町村との情報共有や連携協力を期待します。地方創生関連予算を効果的に活用していただくことをお願いしまして、次の質問に入らせていただきます。
 本日最後の質問に入らせていただきます。2020年東京オリンピック・パラリンピック等に向けてについてお尋ねいたします。
 自民党のホームページに、2020年オリンピック・パラリンピック東京大会実施本部の「2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会を活用した地域活性化に向けて」の提言書が紹介されています。それによりますと、「東京のみならず、大会の効果を日本全国に行き渡らせることにより、地域活性化につなげることは大会の大きな目標のひとつであり、(中略)東京2020大会は、世界の関心が日本に集まることから、単なる大規模スポーツイベントとして捉えるのではなく、日本の地域の魅力を世界に発信し、我が国の経済・産業ポテンシャルを最大限引き出す絶好の機会である。(中略)次世代に誇れる有形・無形の経済的・文化的レガシーを全国に創出し、同大会を地域活性化の大きな起爆剤として最大限に活用すべきである」との提言がなされております。
 一昨年、本県では、2015紀の国わかやま国体・わかやま大会を成功裏に終わることができました。スポーツを起点とする多くのレガシーを得ることができました。オリンピック・パラリンピックの前後には、ラグビーワールドカップ、ワールドマスターズゲームズ関西も開催されます。3年連続の世界的なスポーツの祭典ということで、さまざまな期待が高まります。
 そういう状況の中、2015年のレガシーの継続とさらなる発展を目指した取り組みが重要であると考えます。そして、提言書にもありますように、地域活性化の起爆剤として最大限活用していくべきであると私は思います。
 私は、昨年の6月議会において、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、橋本市が取り組んでいます前畑秀子NHK朝ドラ誘致活動にかかわっての質問をさせていただきました。私の質問に対しまして、宮﨑室長から県が全面的に支援するとのありがたい御答弁をいただき、大変心強く、うれしく思っております。おかげさまで誘致活動も順調に進んでおり、署名活動については、5月8日現在で21万8241名の方から賛同を得られました。
 橋本市では、この活動をより強力に推進すべく、この4月に市役所内に朝ドラ誘致室を設置するとともに、前畑秀子さんと御縁のある名古屋市、岐阜市とも連携を深めて、朝ドラ実現に向けて取り組んでおります。この朝ドラ誘致活動からは、市民のスポーツに対するさらなる関心の高まりとスポーツ参加人口の拡大とともに、東京オリンピック・パラリンピック大会の成功に寄与したいとの熱い思いが伝わってきます。
 さて、先日、御坊市が前回1964年(昭和39年)の東京オリンピック準備委員会委員をされた和田勇さんの功績をたたえ、さまざまな顕彰事業を予定されておられるとのことを新聞報道で知りました。
 和田氏は、日本に五輪を招致すべく、中南米諸国を私費でめぐり、支持を求めて奔走され、昭和39年の東京開催に大きく貢献された方であります。また、フジヤマのトビウオと称された水泳界の巨星・古橋広之進さんを陰で支えてこられた方でもあります。
 顕彰事業として、講演会及びシンポジウムの開催、クリアファイル・ピンバッジなどのグッズ製作、資料館の改装、2019年のNHK大河ドラマに決まった「いだてん~東京オリムピック噺~」に和田氏をドラマに登場させてもらうべく、NHKへのPR活動を進め、全国へ和田氏の業績を情報発信していくそうです。
 このように、ゴールドメダリストの前畑秀子さんや、前回の東京オリンピック開催に大変御尽力なされた和田勇さんのすばらしい功績を多くの国民の皆様に知っていただき、そして、本県出身の郷土の偉人を育んだ橋本市、御坊市、和歌山県のよさをより多くの人々に知っていただくことは、大変意義のあることだと思います。
 これからも引き続き、橋本市と御坊市の取り組みに絶大なる御支援をお願いしたいと思います。どうかよろしくお願いいたします。
 それでは、質問に入らせていただきます。
 世界が注目するスポーツの祭典である2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催まであと3年と迫ってまいりました。オリンピックは、皆さん御存じのとおり、4年に1度のビッグイベントです。この2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会を初め、これから国際競技大会が相次いで開催されます。
 国が平成29年3月に策定した第2期スポーツ基本計画には、「2020年東京大会に向けた取組を計画的・戦略的に展開し、全ての人々がスポーツの力で輝き、活力ある社会と絆の強い世界を創るという『一億総スポーツ社会』を実現することが、大会レガシーとなる。そのためには、スポーツを『する』人を増やしつつ、これに加え、『みる』『ささえる』人を含めて『スポーツ参画人口』として捉え、これまでスポーツに無関心であった人々や、したくてもできなかった人々も含め、全ての人がスポーツに関われるようにしていくことが重要である」と記されております。
 また、和歌山県長期総合計画には、「健康で心豊かにすごせる社会づくり」のめざす方向として、「生涯にわたる健康づくりや、誰もがそれぞれの体力や年齢、技能、興味、目的に応じて、いつでも、どこでも、いつまでもスポーツに親しむことができる環境づくりを推進する」と示されています。
 2015年紀の国わかやま国体・紀の国わかやま大会を開催し、大成功をおさめた本県が、2020年のオリンピック・パラリンピック競技大会を迎える状況の中、今後、県民のスポーツに対する意識をさらに醸成し、スポーツ参画人口の拡大に向けて、どのような取り組みを進めていこうと考えておられるのか、これまでの取り組み状況も含めて教育長にお尋ねいたします。
○議長(尾﨑太郎君) 教育長宮下和己君。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 本県のスポーツ参画人口拡大の取り組みについてお答えいたします。
 紀の国わかやま国体・紀の国わかやま大会は、これまでスポーツに関心がなかった県民が、スポーツを見たり、ボランティアとして支える機会となり、本県のスポーツ参画人口の拡大につながったものと考えています。さらに、国体・大会後は、そのレガシーを生かし、国内外のナショナルチーム等の合宿誘致にも積極的に取り組んできたところです。これらに加え、今後は、スポーツをする楽しさを感じていただくことにより、日ごろスポーツをしない人のスポーツ参加を一層促してまいりたいと考えております。
 そのため、県といたしましては、今年度から誰もが手軽に参加することができるリレーマラソンや、スポーツ体験会を開催する「さぁ スポーツだ!プロジェクト」を実施してまいります。また、2019年には、ねんりんピックを開催いたします。さらに、2020年東京オリンピック・パラリンピックの翌年には、世界最高峰の生涯スポーツの祭典、ワールドマスターズゲームズ2021関西を開催し、本県では5競技7種目を実施いたします。県といたしましては、これらの大会により多くの皆さんが参加できるように取り組んでまいります。
 今後も、和歌山県長期総合計画で目指す県民のスポーツに対する機運の醸成や、誰もがスポーツに親しむことができる環境づくりの推進に向け、市町村や各競技団体と一緒になって積極的に取り組んでまいります。
○議長(尾﨑太郎君) 中本浩精君。
  〔中本浩精君、登壇〕
○中本浩精君 教育長、ぜひよろしくお願いいたします。
 議長、次の質問に入らせていただきます。
 次に、世界的スポーツイベント開催が持つもう1つの側面について質問させていただきます。
 2020年東京オリンピック・パラリンピック、2019年ラグビーワールドカップ、これらのスポーツの祭典には、世界中から選手、観客やメディアが日本に集まってきます。スポーツのイベントではありますが、世界中から人が集まるということは、和歌山県の特産品や観光資源の持つ魅力を世界中に発信する機会でもあります。私は、和歌山に来ていただければ、和歌山の持つ魅力をより強く感じていただくことができると確信しております。
 そこで質問です。
 この機に、世界中から日本を訪れる方々をどのようにして和歌山に誘客しようと考えておられるのか。その方策について、商工観光労働部長にお尋ねいたします。
○議長(尾﨑太郎君) 商工観光労働部長山西毅治君。
  〔山西毅治君、登壇〕
○商工観光労働部長(山西毅治君) 議員御指摘のとおり、ラグビーワールドカップや東京オリンピック・パラリンピックは、和歌山県の観光資源を世界中に発信していく絶好の機会と考えております。大会期間中は、期間前後も含め、世界中から選手、観戦客等が来日するのみならず、メディアや旅行会社の関心が日本に集まることが予想されます。
 ラグビーワールドカップにつきましては、既に外国人観戦客へのチケット販売方法、平均滞在日数、滞在中の動向や国・地域別の嗜好等を分析し、国別のプロモーション活動や旅行会社対策に取り組みを始めているところでございます。
 本年4月に、ラグビー強豪国でありますニュージーランドの旅行会社を訪問したことが契機となり、この秋には、旅行会社関係者10数名が来県し、開催地であります花園、神戸、東京との距離感の確認を目的とした視察が実施をされます。
 また6月には、日本政府観光局ロンドン事務所が主催するラグビーワールドカップ2019訪日旅行セミナーに職員を参加させ、ロンドンのラグビー関係旅行社に和歌山県の観光プロモーションを行いました。
 東京オリンピック・パラリンピック、ワールドマスターズゲームズに向けても、ラグビーワールドカップと同様、国内外の旅行業界、外国人観戦客の動向を調査・分析し、具体的なプロモーション戦略を立てていきます。
 このチャンスを逃すことのないよう、大会主催者や政府関係機関とも連携を強め、積極的なプロモーション活動を展開し、和歌山県への誘客に努めてまいります。
○議長(尾﨑太郎君) 中本浩精君。
  〔中本浩精君、登壇〕
○中本浩精君 今、商工観光労働部長よりやる気満々の前向きな答弁をいただき、ありがとうございました。ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 何度も申し上げましたが、ラグビーワールドカップ、東京オリンピック・パラリンピック、ワールドマスターズゲームズ、そして2025年には、大阪万博開催も期待されます。世界的なビッグイベントが続く日本には、世界の関心が集まります。これは、和歌山の魅力を世界に発信する千載一遇のチャンスでもあると考えます。開催時に和歌山を楽しんでいただくだけでなく、ぜひ将来につながる多くのファンの拡大を目指していただきたいと思います。
 今回は、観光についての質問でしたが、和歌山ならではの物産、そして人々のおもてなしの心など、魅力あふれる多くのものが和歌山にはあります。これから自治体間の世界に向けたPR競争も激しくなってくることが予想される中、一歩でも早く的確な取り組みを行うことが勝利の鍵です。
 「ワン・フォー・オール、オール・フォー・ワン」、日本のラグビーの精神をあらわす言葉です。このチャンスを逃すことのないよう、県、市町村、官民の区別なく、オール和歌山でスクラムを組んで、和歌山の魅力を今以上に発信していただきますことを要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(尾﨑太郎君) 以上で、中本浩精君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後1時40分散会

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