平成29年6月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(山田正彦議員の質疑及び一般質問)


平成29年6月 和歌山県議会定例会会議録

第3号(山田正彦議員の質疑及び一般質問)


汎用性を考慮してJIS第1・2水準文字の範囲で表示しているため、会議録正本とは一部表記の異なるものがあります。

正しい表記は「人名等の正しい表記」をご覧ください。

  午前10時0分開議
○議長(尾﨑太郎君) これより本日の会議を開きます。
 日程に先立ち、諸般の報告をいたします。
 過日提出のあった議案第131号及び議案第132号は、いずれも職員に関する条例議案でありますので、地方公務員法第5条第2項の規定により人事委員会の意見を徴しましたところ、文書により回答がありました。お手元に配付しておりますので、御了承願います。
 日程第1、議案第128号から議案第141号まで、並びに知事専決処分報告報第1号から報第5号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第2、一般質問を行います。
 35番山田正彦君。
  〔山田正彦君、登壇〕(拍手)
○山田正彦君 おはようございます。
 6月定例会のこの冒頭に、一般質問のトップバッターとして出ろというお許しをいただきました。同僚・先輩の御配慮に心から感謝申し上げます。ふだんじゃなくて多少緊張しております。そういう意味で脱線のしないように努めたいと思いますので、しばらく御清聴いただきたいと思います。
 今年度は、新しい長期総合計画の初年度でありまして、「世界とつながる 愛着ある元気な和歌山」を実現するためのスタートの大事な年であります。
 先日発表されました合計特殊出生率の速報値では、本県は1.54が1.50に低下しており、少子化対策や本格的な人口減少社会への対応が待ったなしの状態であります。
 地震や津波、土砂災害など大規模自然災害への備えはもちろんのことでありますが、経済、社会のグローバル化や情報通信技術等の急速な進歩に対応した産業振興策の実施など、時代の変化におくれることなく、迅速かつ積極的な政策展開をしていかなければなりません。新長期総合計画は、向こう10年間の我が県の道しるべであり、議会と当局が車の両輪となって何としてもこれを実現し、県民の皆さんが楽しく暮らせる和歌山をつくっていかなければなりません。
 長期総合計画では、将来像に向けた取り組みの中、「しごとを創る」でさまざまな分野において現状と課題を分析し、目指す方向を示し、そして実現する主な施策を列挙されているところでありますが、今回は、その中で3つの取り組みを挙げ、質問をさせていただきたいと思います。
 まず1つ目は、統合型リゾート、いわゆるIRについての問題であります。
 新長期総合計画の中において、新たな観光資源の創出のための方策としてIRの誘致を目指すとされています。ただ、長計では74ページにほんの少し小さく出てるところでありますが、小さく産んで大きく育てていただきたいものだと思います。
 皆さん御承知のとおり、超党派の国会議員により提出されました特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律、いわゆるIR推進法が昨年12月に成立いたしました。この法律は、IRを整備することにより国際競争力の高い魅力ある観光地を形成し、地域経済の振興に寄与することを目的とするとともに、適切かつ厳格な国の規制、規則、監督のもとで運営されるカジノの収益をもって財源の改善に資することを目的としたものであります。
 現在、国において、IR推進会議を精力的に開催し、IR実施法の制定に向けた準備作業が進められているところとお伺いしております。
 このような状況を踏まえ、我々自由民主党県議団IR研究会は、5月10日から12日まで、IRという言葉が生まれた世界の成功例と言われるシンガポールのIRの視察を行ったところであります。
 現地では、カジノ専門家による講義を受けるとともに、マリーナベイ・サンズ、リゾート・ワールド・セントーサ、マリーナベイ・サンズというのは3つのビルの上に船が浮かんでいるあのビルのことなんですが、それともう1つの異なるコンセプトのIRを調査してまいりました。
 IRとは、単なるカジノ施設だけではなく、カジノ施設に加えて会議場施設、あるいはレクリエーション施設、展示施設、宿泊施設、ショッピング街など、多くの人が楽しめる複合施設であることや、IRの収入は多くの新規雇用を生み出し、多数の外国人観光客獲得につながることなどを学び、実感するとともに、2つのIR施設がシンガポールにもたらした絶大な経済効果について目の当たりにしてきたところであります。
 日本が本格的な人口減少時代に突入する中、本県においては全国より速い流れで人口が減っていくことから、交流人口や観光客、とりわけインバウンドなどの外国からの需要を積極的に取り込むことが地域経済にとって必要不可欠であり、新長期総合計画に掲げた「世界とつながる 愛着ある元気な和歌山」を実現するために、そのためにも本県へのIR誘致が有効であると思いを改めて強くしたところであります。
 誘致を推進する各自治体の動きが本格化する中、改めて本県のIR誘致に向けた知事の姿勢や、あるいは取り組み方針についてお聞かせいただきたいと思います。
 また、国のIR推進会議の議論の中で、IRを構成する中核施設の要件として、国際会議場や展示場が必要とされただけではなく、その施設が国際競争力を有するとともに、全国的な見地から我が国を代表する施設として経済効果を生み出す施設であるべきという方向性が示されました。これらの要件は本県にとって厳しい条件となると思いますが、今後どのように対応していくか、あわせてお聞かせいただきたいと思います。
 2つ目として、総務省統計局の移転とデータの利活用であります。
 長計の80ページに記載されていることでありますが、東京一極集中の是正と地方創生を目的として実施された政府関係機関地方移転については、県当局が一昨年の8月に総務省統計局及び独立行政法人統計センターの移転を提案して以来、議会としても政府に対し意見書を提出するなど、当局と議会が連携し、移転実現に取り組んできたことを認識しています。
 その結果、昨年9月に「政府関係機関の地方移転にかかる今後の取組について」が公表され、統計局、統計センターの一部が本県に移転し、統計ミクロデータ提供等の業務を行うということが決定されました。特に統計局の移転は、京都への文化庁移転、あるいは徳島県への消費者庁移転と並んで全国でも3例しかない中央省庁の移転であり、非常に喜ばしい限りであります。
 この決定から9カ月が経過したところでありますが、その間にも、統計やデータは、私たちの生活や経済活動においてさらに重要性を増しているように感じております。
 その最たる例が、昨年12月に施行された官民データ活用推進基本法であります。これは、官民データ活用の推進に関する施策を総合的かつ効果的に推進し、もって国民が安全で安心して暮らせる社会及び快適な生活環境の実現に寄与すること、それを目的として、政府や都道府県に官民データ活用に関する基本的な計画を策定することを義務づけているものであります。
 そして、この法律に基づいてことし5月に政府が決定した官民データ活用推進基本計画では、データが人を豊かにする社会、官民データ利活用社会の実現を目指すとされておりますが、この中でも統計データのオープン化の推進・高度化が重点的に講ずべき施策として明記されているなど、政府の統計データの提供拡大に対する意気込みが感じられる計画であります。
 そのほか、6月9日に決定された骨太の方針、経済財政運営と改革の基本方針2017においても、公共データのオープン化や証拠に基づく政策立案、いわゆるEBPM──エビデンス・ベースド・ポリシー・メーキングということになりますが──を推進することなどがうたわれており、地方公共団体における統計やデータの重要性はますます増していると感じているところであります。
 このような状況の中、日本中が統計局の移転と県の取り組みに注目していると言っても過言ではないと思いますが、改めて、統計局移転に期待する効果や移転に向けた準備の状況、予想される移転の規模について、また、それに関連する県のデータ利用活用政策の取り組み状況について、知事の見解をお伺いいたします。
 3つ目の問題でありますが、林業・木材産業の振興についてであります。
 県内の森林資源は、本格的な利用期にあり──もう前々から言われてることなんですが、林業再生に向けた好機を迎えているとされる一方で、地形が急峻なため林道の整備などがおくれ、他県と比べて生産コストが高くなっていることも現実であります。また、今後の人口減少により住宅建築材料としての木材需要は減少すると見込まれ、新たな販路開拓や新たな利用方策なくしては、林業は衰退する一方ではないかと強く懸念してる次第であります。
 長期総合計画においては、森林ゾーニングによる施策の選択と集中の強化、林業・木材産業の成長産業化、多様で健全な森林づくりという3つの取り組みが掲げられており、これらを必ず実行することにより、林業の振興、木材産業の振興を図り、木の国和歌山を実現することを強く強く期待しております。
 長期総合計画における林業・木材産業の成長産業化では、低コスト林業の推進や林業・木材産業の効率化を図り、首都圏を初めとする大消費地に販路拡大や海外輸出の促進を図るとされております。また、公共建築物を初め公共工事への木材利用を促進するとされており、県庁挙げて和歌山県の木材産業の振興に取り組む決意のあらわれと受けとめているものであります。
 高野・熊野の世界遺産や歴史的なまち、自然公園などは、無機質な鉄製ガードレールよりも木製のほうが景観上もふさわしいと考えるものであり、ぜひとも前向きに取り組んでいただきたいと思います。今申し上げたガードレールはほんの一例でありますが、ほかにもいろいろな利用方法があると思います。コストや強度などの課題ももちろんたくさんあると思いますが、木材産業の振興と観光産業の振興につながる、まさに一石二鳥の取り組みであります。
 木材産業の振興に向け、公共工事への木材利用はどのように進めていくつもりなのか、あわせて知事の見解をお伺いし、総合的な質問を終わります。
○議長(尾﨑太郎君) ただいまの山田正彦君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) まず、IR・統合型リゾートの誘致に関してでございます。
 IRの誘致に関しましては、観光振興に寄与するとともに、経済波及効果や雇用創出効果が期待でき、地域活性化にもつながる有効な手段と考え、IRの議論が始まった当初から、全国に先駆けて行動してまいりました。そうした中、昨年末にIR推進法が成立いたしましたので、誘致に向けた取り組みを本格化しているところでございます。
 IRというのは、民設民営によって成立する事業でありまして、和歌山に投資をする意向のある民間事業者の存在が前提となるため、これまで国内、国外を問わず30社近くの事業者と接触し、意見交換を行ってまいりました。
 意見交換に当たっては、我々の選択肢ないしは案として、和歌山マリーナシティ、コスモパーク加太、旧南紀白浜空港跡地という3カ所の候補地を示しまして、それぞれの候補地の状況を詳細に説明し、現地に御案内するなどをずっと行ってきたわけでございます。
 その結果、事業者の意向、関心が和歌山マリーナシティに集中し、現段階では他の2カ所に関心を示す事業者が存在しませんので、これはそろそろアピールをするためには1つに絞ったほうがいいと思いまして、第1候補地を和歌山マリーナシティとしたところであります。
 また、5月10日、11日に、日本での事業展開を目指す海外のIR関連事業者を初め、国会議員、有識者等が集まり、日本へのIR導入に向けた議論を交わすフォーラム、ジャパン・ゲーミング・コングレスが東京で開かれました。
 世界中のIR事業者に対し和歌山をPRできるまたとない機会であるために、和歌山マリーナシティが関西国際空港から最も近い県都に位置すること、すぐにでも開発可能な場所であること、海に面した抜群のロケーションであること、和歌山にはマリンレジャーを初めアウトドアスポーツが満喫できるスポットがあること、世界遺産やジオパークに指定された海岸線、日本最古の温泉など、豊富な海岸線があること、また、京都や奈良といった関西の中心的な観光スポットにもそう遠くないということなどアピールをしてきたところであります。
 その結果、前々から強い関心を示していた企業に加えて、相当の企業が興味を持ってくれていると思います。
 その一方で、重視しなければならないことは、ギャンブル依存症であると私は思います。知事として県民に責任を持たないといけませんので、本県が誘致するIRで県民のギャンブル依存症を助長するような可能性があるのならば、その可能性を排除しなきゃならない、そういう思いで、国民が納得できる依存症対策が確立されるまでは、和歌山県民、それが技術的に難しければ日本人についてはゲーミングルーム、すなわちカジノルームですが、ここに限り入場させないという方針を発表したところであります。
 もちろん、日本人の方に入場を遠慮いただくのはこのカジノルームあるいはゲーミングルームだけでありまして、他の施設、例えばホテル、会議場、アリーナ、アミューズメント等の施設などについては大いに歓迎ということであります。
 このような方針に対し、主として日本人をゲーミングの対象としている企業は、採算が合わなくなるのでしょうか、ちょっとネガティブになる一方、和歌山県のコンセプトを理解し、一緒に事業を組み立てていこうと考える企業もございます。このような企業を中心に今後協議を進め、和歌山でIR事業を行う意欲のある事業者を確保すべく精力的に取り組んでいきたいと思っております。
 もう1つの御質問ですが、IR推進法ないしは政府の今の推進会議で議論されている内容でございます。
 このIR推進法では、基本理念としてもう既に法定されてるわけですが、IR区域の整備の推進は、地方の創意工夫を実現し、地域経済の振興に寄与するとされております。しかし、現在、国のIR推進会議において示されている施設要件──事務局原案というような感じなんですが──そういうものや、あるいは認定数を厳格に少数に限るといった基本方針──これもまだ原案段階ですが──そういうものについては和歌山を含む地方都市においては実現が極めて困難となるような要素がありまして、本県の目指すリゾート型IRの設置も可能となるように、この辺は国にちゃんと直してくれというような要望活動を実施しているところでございます。
 IRのような新しい産業は、国が細部まで要件を定めるのではなくて、地方の独創性と民間事業者の創意工夫を生かせる柔軟な制度であるべきだと私は思います。したがって、国は、地方公共団体から提出された計画の良否でもってIRを設置する自治体を選定すればいいんじゃないかというふうに私は考えております。
 本県においては、アジア有数の巨大な展示場とか、あるいは会議施設というのはなかなか難しいかなあと。反面、ショーとか演奏会、講演会を開ける施設とか、世界的なエクセレントカンパニーの取締役会とか、あるいは国際的な学会とか、そういうようなもので使われる規模の会議場や講演会場、MICE施設、そういうものを設置するのは割と採算がうまく合うかなあというように思うんであります。
 さらには、リゾート型IRに親和性のあるスポーツあるいはミュージックイベントの開催が可能な多目的アリーナ、バーチャルリアリティー技術を活用したアミューズメント施設などが併設されるとおもしろいものができるなあというふうに考えております。
 次に、統計局の問題を一括してお答え申し上げたいと思います。
 近年、データの価値や重要性がますます高まっている中で、統計ミクロデータの提供を初めとする統計データの利活用業務は、非常に注目され、今後大きく伸びていく可能性を秘めた分野であり、統計局の移転が決定して以降、県内でも統計やデータの利活用に対する関心が非常に高まっていると感じております。
 例えば、教育現場では、昨年度から実施している小中学校向けの統計に関する出前授業は非常に好評で、今年度は既に昨年度の実績を上回る申し込みをいただいている状況でありまして、将来のデータサイエンス人材の育成につながるものと、これは高く期待をしております。
 今後、県が中心となりまして統計局と連携してデータの利活用を推進することにより、産業界においても新たな商品開発や企業経営にデータを積極的に活用し、民間企業が活性化することが期待されるほか、関西圏を初め幅広い地域から多くの研究者を集めるなど、交流人口の増加にもつなげていけばいいなというふうに思っております。
 移転に向けた準備の状況につきましては、去る4月3日、統計局と南海電気鉄道株式会社との間で賃貸借契約が締結されまして、本県において統計ミクロデータ提供等の業務を実施する統計データ利活用センターの開所に向けた準備を、南海和歌山市駅ビルにおいて開始することが発表されました。平成30年4月の開所に向け、着実に準備が整えられているところであると考えております。
 移転の規模については、統計局、統計センター合わせて、当初は10数名程度と伺っております。その一方で、ニーズの拡大等による陣容の整備も考えられるということも伺っておりまして、県としては、将来的な移転拡大につなげられるよう、国のセンターを精いっぱいサポートしてまいりたいと思います。
 このため、県としても、平成30年4月に設置する和歌山県データ利活用推進センターを国のセンターと同じ南海和歌山市駅ビルに開所することを決定したところでありまして、両センターが多くの研究者や企業関係者でにぎわい、日本のデータ利活用拠点となることを目指して、今年度から開所に向けた準備やシンポジウムの開催、コンベンションの実施などの先進的な施策に統計局と連携して取り組んでまいりたいと思っております。
 次に、林業・木材産業の振興について、とりわけ公共工事への木材利用をどのように進めていくかという点でございます。
 和歌山県の林業・木材産業振興のためには、公共工事での紀州材の利用推進が不可欠でありまして、そのためには、県が率先して紀州材を積極的に使う姿勢を示さなければならないと考えております。
 県では、公共建築物等木材利用促進法、これはもう既にできておりますので、これに基づきまして平成24年2月に和歌山県木材利用方針を策定しておりまして、公共建築物については、低層の建築物においては原則として無垢の紀州材で木造化を図るということにしておりまして、木造化が困難であっても内装等に使用するように配慮をしております。加えて、設計段階において、設計業者による意匠──デザインですね──や木材利用の考え方を評価できるような新たな制度の検討も、現在行っているところでございます。
 さらに、平成26年6月には、公共土木工事における木材利用推進指針を策定するとともに、有効かつ積極的な木材利用を図るため、木製構造物の設計や施工に関する事項を定めた公共土木工事木材利用マニュアルを策定し、あわせて公共工事での紀州材の優先利用に努めております。
 これまでも、秋葉山公園県民水泳場、和歌山県土砂災害啓発センター等において、紀州材を構造材あるいは内外装材として積極的に利用してまいりました。また、本年度は、高野町内において木製ガードレールの施工にも取り組んでおります。
 なお、市町村に対しても、紀州材の利用促進を図るため、県の補助事業により支援しておるところでございます。田辺市においては、本年1月に田辺市立新庄小学校が木造校舎として新たに建てかえられ、地域のシンボルとして親しまれております。
 今後も、公共工事における紀州材の利用拡大を一層積極的に推進していくとともに、県内市町村に対しても働きかけていきたいと思っております。
○議長(尾﨑太郎君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「ありません」と呼ぶ者あり〕
○議長(尾﨑太郎君) 再質問を許します。
 山田正彦君。
  〔山田正彦君、登壇〕
○山田正彦君 いろいろな質問に対しての御見解を承りました。あと、私自身の持論も含めて、答えにくいこともあろうかと思いますので、要望になるかどうかわかりませんが、感想を申し上げたいと思います。
 IR推進法というのは前々からありまして、通称カジノ法とこう言われてまして、私たち自民党県議団の有志も、前知事時代からこういうことを研究しようということで、多分全国でも数件だったと思うんですけど、名乗りを上げたという経緯があります。
 ただ、私は個人的に、IR推進法ができる前に、限りなくギャンブルに近いパチンコを正式に公営ギャンブルとして認めて法制化されるん違うかなと思ってたんです。私と同じ名前の何とか正彦さんというベテランの国会議員さんも同じようなことを申されてたんですけど、残念ながらパチンコのことはちょっと横へ置かれてるような状況でありますんで、大変残念であります。
 私、パチンコのことを言い出すと時間がとても足りませんのでほどほどにしますけど、残念でありますが、とにかくIR推進法ができたんですから、和歌山県としてはやっぱり千載一遇のチャンスとして捉まえて、積極的にアクションを起こしていただくことを期待すると同時に、私たち和歌山県議会自民党有志も全面的にサポート、支援したいな、そう思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 それで、段々の話の中にありましたが、中核施設の要件というのが出ました。何かよう聞いてると、今盛んにテレビで放映されてる何とか学園の何とか学部のように、後出し条件を言うてきたような気がしてなりません。もともと地方創生という大きな御旗があるもんですから、やっぱりこれもそれぞれ地方の独自性を生かした方法でやってくれるべきで、大枠はいいとして、細かいことまでとやかく言うなというような思いを国にもぶつけないといけないんではないかな、そういうふうに思います。
 それと、二言目には裏表のごとく、カジノをするとギャンブル依存症の話が出ます。これも何か、ひょっとしたらピントがぼけてるんではないかな。
 実は、きのう、おとといあたり、私のところへも、県会議員・山田正彦に、ある団体から、そういうギャンブル依存症になるような、心配するようなことはすべきではないから反対だということなんですけど、これももう何年か前から、私、パチンコのことについて申し上げてたんですけど、皆さん御記憶あるかどうかわかりませんが、私の知る限り、ちょっと資料は古いかもしれませんが、現在の我が国の公営ギャンブル、ボート、競輪、競馬、それと宝くじも含めるとしても、せいぜい4兆円から4兆5000億ぐらいではないかな。宝くじも1兆円を切ったというふうな話を聞きましたが。それと、あのカジノのメッカと言われるラスベガスでの純粋なカジノの売り上げというのは、日本円で7000億ぐらいだと、そういうふうに報道されている面がありますし、例の東洋のギャンブル場と言われるマカオですら年間4兆円って、この前、講師先生にお伺いしました。4兆円ぐらい。
 パチンコ、どんだけあると思いますか。パチンコは、少なくとも「30兆円の闇」という小説を書いたごとく、30兆円近い、これは娯楽でしょうかね。パチンコ屋さんのトイレに行きますと、「パチンコは適当に遊ぶゲームです」と、こう書いてるんですよ。
 今、私の知る限り、日本全国、パチンカーと言われる人が1500万人あると言われてます。そのうちでパチンコ依存症と言われる人が400万人から500万人いるんですと、データでもあります。私も、その500万分の1かもしれません。ということなんですが、これには全く──警察本部長もいらっしゃいますが、警察も何の疑いもなく、ギャンブルではなくて娯楽ということで通ってる。こんなすばらしい日本ってあるのかなと、こう思うんですよね。嫌みですけど。
 そういう方々は、二言目には、今言うカジノをしたら依存症どうするのよと言うけど、そんな比べ物にならないほどの今パチンコ業界だと、そう思うんです。こんな話をしますと、「山田、月夜の晩ばっかりではないぞ」というようなおどしもかかるんですけど、そんなのは気にはしてませんが。
 そういうことで、知事、全く雑音には耳をかす必要はないと思います。だから、堂々と、もちろん依存症のことについては語らんといけないですけど、そう神経質になる必要は全くないんではないかなと僕は思ってます。
 それから、統計局の話は聞きました。よろしくお願い申し上げておきます。
 3つ目に質問いたしました林業・木材産業の振興、活性化には、やっぱり木材産業を取り巻くイノベーションがぜひ必要だと思うんです。
 先ほど知事のお話にもありました高野のあのガードレール、あれももとをただせば長野県産のはずです。長野県産ということは、余り僕も好きじゃなかったんですけど、前の田中さんという知事が力こぶを入れてつくった長野県のブランドとして全国に通用してる、そういうことなんですね。だから、今までも誰も、たくさんの県会議員さんやらが木材産業の振興について語られましたけど、かけ声だけではいっこも進まない、前へ。その知事のイノベーションに対する理解、強い決断力がなかったら、1歩前へも、2歩も3歩も進まん。言う者は言いっ放し、聞く者は聞きっ放しということになって、何十年もこの木材産業の問題について新しい進展がないんではないかなと思います。
 幸い、和歌山県にも、私も資料をいただいてますが、先進的に間伐材あるいは木材の利用に対する研究開発をされて、和歌山県の公共土木工事木材利用マニュアルにまで載せていただいてるケースもあります。
 また、もう1つは、紀州材というのはブランドとしての本来のブランドは無垢だと、そういうようなお話もいただきました。田辺の新庄もつくりました。そのためのまたイノベーションも必要だと思うんですけど、研究する人々、ブランドとして生産する人々、大きな産業を和歌山県がつくり出すことができるんですね。そういう意味で、知事、これ記憶をたどったら平成16年だったというふうに教えてもらったんですけど、知事の官舎、プレハブですね。これ、あの当時、私が色も申し立てたんですけど、そのときの執行部の返事では、シロアリにやられてて、いつ地震が来たときに知事がぺちゃんこになるかわからんから、緊急避難的にプレハブでこらえてくれと──こらえてくれと言ったら表現悪いですけど──いう話だったんです。でもね、紀州木の国の殿さんの住んでもらう、いわば館にプレハブって、そんな貧弱な発想しかないんかってその当時の担当者に言ったら、山田は前知事のときに知事の問題にクレームつけてきたのどういうことなってある使者が来まして、それで言ったんですよ。そんな貧弱な僕は発想はしてません、紀州木の国の殿さんが、モデルとなる無垢の立派な館へ住んでもらって、それをPR材料に使ったらいいんじゃないですかと言ったんですけど、知事はどういうふうに御感想をお持ちですか。
 いろんなことを含めて1番、2番、3番の質問しましたけど、要は知事がやる気あるかないかということなんです。私もいつも言いますけど、熱い思いで取り組んでいただきたい。それと同時に、知事に今返事いただいた、回答いただいたんですけど、もう一歩前へ出て、生きた、その思いというのが残念ながら私の胸を打ちません。ぜひ、県民の皆さんの心に響くような、そういう強い意志で何事についても取り組んでいただくことを切に切に要望して、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○議長(尾﨑太郎君) 山田議員にお尋ねします。知事の答弁を求めますか。
  〔「あればお願いしたい」と呼ぶ者あり〕
○議長(尾﨑太郎君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) まず、ギャンブルに対する国の動きというところなんですけれども、国の方々ともよく議論をしているんです。ちょっと彼らにとって制約要因になってるのは、実は、法律では地方振興と書いてあるんだけど、一方では、附帯決議とかいろいろ国会の議論のときの経緯というのがありまして、国の役人って結構国会の議論の経緯を重んじるんですね。何か「あのとき言うたのに」と言われたらかなわんというのがあると思うんです。
 それで、そのときのギャンブルに対する抵抗感というのはやっぱり推進法のときにございまして、特に、その可決の直前ぐらいに、数を限定して限定的にやれということを強く言うたグループもいらっしゃるんですね。そういうことが附帯決議なんかになってるんで、そういうこともあって、ちょっとあっちのほうへ走ってるなという感じはあるんです。
 だけど、私に言わせると法律の条文のほうがはるかに大事なんで、国会の議論というのは、もう1回、次に実施法をやるときにみんなで冷静に話し合ってもらったらいいんじゃないかなというふうに思っとるんですけど、それはまた我々も運動せないかんし、議員の皆さんもぜひそういう声を上げてほしいと思います。
 それから、ギャンブル依存症の話といたしましては、実は、ギャンブル依存症の対策法をIRの実施法、これに先立ってつくろうという動きが、これは政府の中にあります。それをちょっと、まだ原案もできてないんですけど、原案の中の議論なんかもちょっとフォローしてると、ギャンブルというふうに定義をされてる公営ギャンブル、それからIRもそうだと思いますが、それに加えて「等」というのがあって、ひょっとしたらパチンコなんかもその対象になる可能性もあると思います。
 ただ、現在の条文なんかを見ておりますと、いかにも何となく言うだけみたいなところがあって、もっと例えば地方公共団体その他がぎりぎりぎりっと規制をするというようなことにはなってないなあというような感じはありまして、この行方も慎重に見きわめていきたいというふうに思ってるわけでございます。
 それから、雑音に耳を傾ける必要はないというお話がありましたが、何が雑音かってなかなか難しいんでございますね。聞く耳持たぬと言ったらやっぱり大事な情報もどこかへ行ってしまう可能性もあるんで、いろいろ何でも耳は傾けていきたいと思いますが。
 県民がギャンブル依存症にならないようにするには、最も、やり過ぎかもしれませんが、強烈なやり方は、県民の皆さんは入ってもらっては困るということにするのが一番だと思って、今はその方針で行こうとしてるんですけども、そうすると反対する理由はないなあと思っていたら、やっぱりそれでも反対だと言う人がいて、その人たちの紙を見ると、そういうことをすると経営が成り立たないから反対だと言って、一体この方々は誰の味方かというのがよくわからんと。とにかく反対だから反対だと言って、初めから決めてるから何やっても反対だというふうに思ってるのかなと、論理が何かおかしいなあというふうに思うようなところもあります。
 木材については、情熱を込めて一生懸命やりたいと思います。知事公舎の件につきましては、今そのチャンスがあったら私は絶対に木造にするなというふうに、多少高くても皆さんに説明してそういうふうに思うし、シロアリなんてのは、そんなもの対策をすれば別に何ということはないわけですから、そう思いますが、しかし、建ってしまった後、もう一発すぐ建てますと言う勇気がちょっとないなあと。だから、将来は必ずそうしたいということを私が言うておったということは、ぜひ御記憶にとどめていただきたい。情熱を持ってやっていきたいと思っております。
○議長(尾﨑太郎君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「終わります」と呼ぶ者あり〕
○議長(尾﨑太郎君) 以上で、山田正彦君の質問が終了いたしました。(拍手)

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