平成29年2月 和歌山県議会定例会会議録 第7号(尾崎要二議員の質疑及び一般質問)


平成29年2月 和歌山県議会定例会会議録

第7号(尾崎要二議員の質疑及び一般質問)


汎用性を考慮してJIS第1・2水準文字の範囲で表示しているため、会議録正本とは一部表記の異なるものがあります。

正しい表記は「人名等の正しい表記」をご覧ください。

  午後1時0分再開
○議長(浅井修一郎君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 15番尾崎要二君。
  〔尾崎要二君、登壇〕(拍手)
○尾崎要二君 一般質問もきょう私が最終ということでありますので、最後までおつき合いのほど、よろしくお願いを申し上げます。
 まず、報告に入らしていただきたいと思います。あきばさんプールを建設いただきました。その建設着工から今日までの状況についての報告でございます。
 知事の英断と議会の皆様方の御同意を得て、あきばさんプールを国体に向けて建設するということで、競技団体といたしましても、国体を開催する中で大変うれしいビッグニュースでございました。
 これで3つの大きな、困難を伴うであろうという柱の1つが解決をされたわけであります。あとは選手の強化、もう1つが競技役員をいかにして確保するか。
 水泳の場合は、プールサイドで役員、すなわち競技の関係を扱う者は、競技役員資格を自分で自腹で講習を受けて、そしてその資格を獲得しなければならないという決まりがございます。今まで県の大会では、県下で70名余りの競技役員がいて、そして、いつも大会にはそのうち30人、40人の出席を得て大会をしてたわけでありますけれども、いざ国体となれば、250人から300人という競技役員が県内で必要だという重い責任を背負っておりました。
 プールを建設するということでつち音が立ってまいりますと、水泳関係者、現場から離れたOBの皆さんや多くの人から、「せっかくプールまでつくっていただいての大会だ。よし、協力しよう」ということで役員の数が急に多くなり、大会直前では400人を超える競技役員資格を持った人があらわれるというような、いい状況が生まれました。そして、大会前に、プールが完成してから期日前の大会等、幾つも大会を開いたんですけれども、プールに合ったようなきびきびとした、できれば世界大会を誘致しても十分こなせるような競技運営をしようというような形で、一生懸命取り組んでくれておりました。
 そんないい流れの中で期日前の大会を開いて、またうれしいことが起こりました。それは何かというと、あきばさんプールで泳ぐ選手の口から「何と泳ぎやすいプールだろう」と、そして「大会運営もきびきびしてすばらしい」というような高い評価を得ることができました。自信を持って本大会に臨めるなと、和歌山県のあきばさんプールはいい記録が出る高速プールだというようなうわさすら──いいうわさでありますけれども──立ったような次第であります。
 本大会も大変な盛り上がりで、大成功のうちに国体・わかやま大会を終えさしていただくことができました。本大会のNHKの実況放送がございました。解説者から言ってくれた言葉が、「和歌山のこのあきばさんプールは、選手の中から、いい記録が出る、これは高速プールだ」というようなうれしい紹介すらしていただいたような次第であります。
 そして、大会の最中に県水泳連盟と日本水泳連盟との会合も持たれまして、その場所で和歌山県側から、せっかく県でこんな立派なプールをつくっていただいた、役員も多くなって大会運営も自信を持てている、できれば国の大きな大会、また日本のトップ選手の合宿等でもこのプールをぜひ利用してもらいたいというようなお願いをその場でさしていただきました。当時、日本水泳連盟の会長は鈴木大地、ソウルオリンピックの金メダリストであり、その翌日、閣議があって日本スポーツ庁長官就任が発表されたということで、あきばさんプールで翌日、その記者会見も行われておりました。
 大会を通じてそういうお願いをさしていただいてたという中で、日本水泳連盟も全面的に協力していこうというような言葉もいただいておりまして、まだ国体の感動が冷めやらぬうちでありますけれども、カナダのナショナルチームが、来年行われるパンパシフィック大会、そして3年後に行われる東京オリンピックに、国内の事前キャンプ地としてあきばさんを利用するというような話が舞い込んでまいりました。うれしいなあという思いでおりましたら、昨年の11月でありますか、知事と市長が出席のもとで正式にその調印もされたということでございます。
 また、和歌山県の水泳連盟のほうへ、リオオリンピックの前でありますけれども、日本水泳連盟の強化コーチ、ヘッドコーチでありますけれども、平井コーチのほうから──平井さんというのは北島康介選手を育てた名コーチでありますけれども──大会を前にして、和歌山県選手権へ、リレーメンバーを中心としたオリンピックへ派遣する選手の参加を認めていただけないかというような問い合わせがありまして、当然即答でウエルカムですと、どうぞ参加をしてくださいというようなことと同時に、少し事前合宿もというような話がありましたので、早速、県のスポーツ課も入れて、そして、ぜひ御利用いただこうではないかということで、1週間の合宿もしてくれました。それを歓迎するセレモニーで、県のほうからは宮下教育長、出席をいただいて、私もその場へ出させていただいたんでありますけれども、もう大変、オリンピック選手が来るということでのにぎわいがございました。
 そんな中で、水泳連盟のほうからは、何か地域の名産を食べていただこうということで選んだのが、印南でつくっております小玉スイカであります。「これ、大変おいしいスイカです」と挨拶の中で私も申し上げて、あわせて、「このスイカの名前は『ひとりじめ』というネーミングがついております。ぜひオリンピックでメダルをひとり占めしてもらいたい」というようなことも話をさせていただいたようなわけでありまして、そしてにぎやかな合宿と同時に、2日間の県水泳選手権大会に全員9名、参加をしてくれました。和歌山県の選手にとって、世界を相手にして戦うオリンピック選手とともに泳げるんだと、貴重な経験もそれでさせていただきました。
 いい経験が続いたのか、その後、岩手で行われました国体においては、和歌山北高校の住岡叶夢さん、女子の競泳として30年ぶりに優勝もしてくれております。
 また、リオのオリンピック大会では800メートルリレー──水泳競技では800メートルリレーというのは最終日の最終レース、花形と言われているリレーでありますけれども、それに出場した松田、小堀、江原、この3選手は合宿へ参加をしていただいた選手です。頑張っていただいて、前の東京オリンピック以来52年ぶりの銅メダルを獲得してくれた、大活躍をしていただいたと。やはりあのスイカを食べたおかげかなというようなところも思ったような次第ですけれども、いい状況が次から次へと続いてございます。
 例えば、ことし1月の21日、22日、2日間、県短水路選手権を開催いたしましたところ、参加してくれた選手の数が1256名、うち県下から参加した選手が350名ですので、残り900名は県外から参加をしてくれております。そして引き続き、先月2月11日、12日と2日間で行われましたわかやまオープンという大会には、参加選手が2281名、そして県内の選手は280名でありますので、2000名は県外から参加をしてくれております。東は埼玉県まで、北は富山県、西は愛媛県、各地から大勢の選手が参加をしてくれて、そして、紀の国わかやま国体のときですら1200人の選手が4日間かけて泳いだわけでありますけれども、2日間でその倍に近い2200名が泳ぐということでありますので、県の水泳連盟の競技役員もくたくたになりながらも、2日間きびきびとした試合運営を続けてくれて、大変盛り上がった大会となりました。
 そして、大勢が泳ぐわけでありますので、朝8時半から夜の8時まで2日間、昼の休憩もとらず、一切休憩をとらずにぶっ続けでする競技を行いました。大変な大会新記録も次から次へと生まれて、大変ありがたいなという思いも私自身も持たしていただきました。
 水泳連盟の役員に「何人ぐらいこのうち泊まってくれてるであろうかな」というような話をしたところ、「それは少なくても1000人は超えてると思います」と。もう大変、競技を運営するだけで多忙でありますので、宿泊をどこにされてるか、何人泊まっているかなんていうような集計というか調査をする余裕もなかったのできちっとした数字はわからないですけれども、1000人ぐらいは超えてるかなという話でありました。
 たまたま、お隣の奈良県の水泳連盟の理事長が来ておりました。奈良県からどんな参加状況か教えてもらいたいと尋ねたところ、奈良県選抜という選抜された選手が34名、コーチが6人、その40人が紀三井寺のはやしさんへ泊まってますと。あわせて、父兄──保護者でありますけれども──80人来ているけれども、全員和歌山市内のホテルか旅館に泊まっておりますと。この大会へ来ると、昨年もそうでしたが、和歌山で宿泊施設がとれないということでありますので、もう来年の予約を帰り際に各チームがして、そして帰るんだというような話です。それ以外には、選抜から漏れた選手が奈良県から150名、そのコーチやスタッフ、保護者、ひっくるめたら奈良県からも随分和歌山市内を中心として泊まらしていただいているというような話でございました。
 県も市もそうでありますけれども、10年ほど前からコンベンション事業ということで補助制度を設けて全国大会を誘致して、ちょっとでも多くの人に和歌山へ来ていただいて、和歌山のよさを知っていただこうという努力を積み重ねてこられているようであります。
 水泳の大会はこの制度は利用しておりませんけれども、そんな中で、大会が終わって、毎回ですけれども、閉会式が終わるとすぐコーチの皆さん、スタッフの皆さんに集まっていただいて、最後、終礼という会合を行います。大会に対する御苦労に対して礼を言う会でありますけれども、その場所で私のほうから、皆さんが御苦労いただくおかげで和歌山県でも今いろんな事業をして、県外の皆さんにお越しいただく努力をしている、皆さんの大会での活動が元気な和歌山の創造、それに大変役に立っていただいてるというようなことを申し述べて礼も言ったわけであります。
 一競技団体でありますけれども、県で立派なプールをつくっていただいたおかげで、輝くというようなところまで言うと大変語弊があるかもしれませんけれども、和歌山県の元気な創造の一助にならしていただいてるということにみんなで誇りを持っていけるなというように感じた次第でございます。
 まず、報告をこれで終わらしていただきたいと思います。
 早速、質問に入らせていただきます。
 まず第1に、新長期総合計画、これについてであります。
 この議会の初日、仁坂知事のほうから知事説明がございました。知事説明の中で、知事に就任してから10年という言葉を言われておりました。私もその言葉を聞きながら、平成18年12月の就任だからもう10年がたったんか、早いなあと、そういうようなことを思いながらその知事説明を聞いておりました。
 知事に就任されてから1年目に、現在の長期総合計画を平成20年の2月定例会で上程をされるという話を聞いたときに、私はまず思ったのは、知事に就任されてわずか1年、えらい慌てて長計を発表するんだなと、少し肩に力が入り過ぎてるんじゃないんかなあというようなことを思いつつ新長計に目を通したところ、なるほどなと思いました。と申しますのは、それまでの長期総合計画というのは、和歌山県の人口が右上がりにどんどんとふえていくと。着々、ますますと、あとは書いてる文章を見たら大体そんな文章ですけれども、そんな形での長期総合計画。
 ところが、知事に就任して、和歌山県の人口がどうなっていくかと見ると、カーブを描いて減少していくという予測が立っているという中でありますので、まず長期総合計画をつくる土台が根本から変わってしまってるなと。
 これならば、やはり急いで、それに即した長計でなければなということで、私もその当時、2月定例会で長計の質問をして、その方向を変えたことを了とし、あわせて、どうしてそういう思いに至ったのか、また、どんなに頑張っていくんかというような質問をさせていただいて、知事のほうからは、和歌山県の目標を示して、そして一歩一歩着実に努力を重ねたいと、至極当然な答弁がありました。そのとおりだろうと思うわけでありますけれども、そしてそれから9年が現在でたってるわけでありますけれども、うまくいったこと、また大変うまくいかないこと、長計で示したことに対しての結果というのが、この9年の間に出てきております。
 まず、一番長計で示してよかったなと思うのは、広域インフラを整備していくと。就任されたのは平成18年。ちょうどそのころから、もう公共事業はそろそろやめにしたらどうだと、もう道路も要らんのじゃないかというような空気がどんどんどんどんと広がってきてました。その当時のマスコミ初め評論家は何と言ったかというと、砂防事業なんていうのは自然破壊だと、もうやめてしまったほうがええというような話が随分ありました。
 つい先般、長野県で、広島県で、砂防の土石流で大勢の犠牲者が出て、そして和歌山の大水害のときにも残念ながら大きな被害が出た。その当時そんな無責任なことを言った人たちには、その場所へ行って謝ってもらいたいなと。何とも評論家とはのんきだなという思いがするわけですけれども、そんな逆風の中で道路整備を訴えていくということであります。
 そして、和歌山県が「命の道」という言葉を常に全国に向けて発信し、言ってきたわけでありますけれども、その「命の道」という言葉すらあざけ笑うような形で評論するような人たちもいたのも現実でございます。
 そんな逆風の中で、特に政権が変わりました。御承知のとおりであります。そこに所属されてる皆さんもおいででございますので、もう多くを語りませんけれども、そのときに串本勝浦道路へ来られた人には、あの紀南の水害があったときにまた来られたようですから、謝ってから見に来てもらいたいなというような思いすらした。
 そんな逆風の中で、知事は常に先頭になって、和歌山県にとって命の道だと。そして、よそが整備されたからもう和歌山はいいんじゃないかと、そんな理屈はないと、不公平だということで先頭切ってその問題に対して頑張られたというようなことで、高速道路も、当時46%の整備率が、今現在80%まで来ております。1周までまだまだ課題もあろうと思うんですけれども、県民の悲願でありますから、新しい長計でもそれをうたって頑張っていかねばならんというようなことで、大変交通インフラには実績を残せたし、長計で示したとおりよくなってきたなと。
 2番手には、先ほども申し上げた国体でありますけれども、総合優勝して大盛会であったなと。ましてよかったのは、県もそう、市町村もそう、議会もそう、そして何よりも競技団体も県民の皆さんもボランティアで一生懸命手伝って成功さそうと、県民が1つになった。このことが一番すばらしかったかなということで、国体に対しても二重丸をつけたいと思います。
 ただし、二重丸はつけるんですけれども、昨年の状況を見てみますと、県の目標は10番台ということであったようですけれど、20番。それはそんなに悪くはないかなと思うけど、冷静に見てみますと、特に球技、チームでする球技においてはほとんどがもう近畿大会で負けてしまって、国体の本大会にすら出られてないという結果でございます。
 そして、私も県民の皆さんから厳しく言われてるんですけれども、和歌山県の駅伝、なぜこんな弱いんなと。もうテレビ見てたら腹立ってきて、テレビ切ってしまいたいなというぐらいなんだと。これは、言葉は悪いですけれども、ふるさと和歌山を思う郷土愛から出てくる言葉であろうと思うんですけれども、これも芳しくないと。
 ついこの間も、市町村駅伝が終わりました。県民総合体育大会という今日まで各競技で参加した、それを全て取りやめて唯一、1つにしてしまったのが市町村駅伝です。そのとき私は、10数年前ですけど、教育長に申し上げました。随分和歌山県の駅伝は強くなるんだろうなということを教育長に尋ねたら、口ごもりながらも「強くなると思います」。今現在の結果を見たら、見たとおりでありますので、何とも頼りない返事をもらったなということであります。
 やはりこれらについても、現状がこうであるということを率直に認めて、そして、あの盛り上がった感動を忘れず、ぜひひとつ頑張ってほしいなというように思っております。
 また次、これも二重丸つけたいなというのは観光客に対して。随分どんどんどんどんふえてきていると。今まで当局も、また市町村も、各団体もみんな頑張って、和歌山をと。もともといい温泉があり、すばらしい景観があるという和歌山であるけれども、外国へ行くより和歌山へ行くほうが時間がかかって遠いと言われたような和歌山も、先ほど申したように道路改良も進み、そして、みんなその努力をしてくれたと。世界遺産もしかり、日本遺産もしかり、ジオパークしかり、「1890」しかり。また、パンダも生まれたし、梅の農業遺産もと、みんなで取り組んで、いい結果がどんどん出ていると。この流れを引き続き、続けてもらいたいなというように思っております。
 今、丸のほうを言ったんですけれども、次、余りよくないというペケのほうですけれども、まず学力の問題。もうこの間から議場で随分議論もされてございます。なぜ成績が低いのか。一言で言えば勉強してないからであります。それゆえにどうしていくかということに関して真剣に考えていかなければと。
 私は、第一義には、まず教員の指導力、技量の問題、これが第1に挙がると思います。ただし、その先生ばかりを責めてもこれは解決する問題ではない。学校には校長や教頭さんという管理職もある。その人たちもやはり学校でスクラムを組んでひとつこれを改善していこうというようにすべきであろうと思います。市町村の教育委員会並びに県教育委員会にも大きな責任がある。それを果たしていないという結果であるがゆえに、大変厳しく先般からも質問が出ていることであろうと思います。
 また、父兄、保護者の協力も大変必要でございます。PTAしかりでございます。あわせて地域も、子供たちは国の宝、和歌山の宝なんだということで、いい背中を見せるようにやはり励んでいかなければならんであろうと思います。
 例えば昨年の9月定例会、私は岡公園の奥にある議員会館をよく利用するんですけれども、どういうわけか岡公園のとこを通ろうと思ったら車が通れないんです。黒山の人だかり。隣に保育所があるんですけど、保育所の子供たちを迎えに行く車すら満足に通れないと。もう大変なことだな、祭りかなと思ったんですけれども、後で聞いたら、ポケモンGOがどうでと。私も携帯電話は古い形の携帯電話でありますので、その内容はよく知らないんですけれども、大変ひどい状況でありました。
 自転車も単車もたくさんとまっておりました。後でパトカーも来ていただいたり、警察官もその指導に来ていただいたので、どれぐらい通報があったのかということを警察のほうへお尋ねしたところ、西署に26件、110番が15件、合計41件、岡公園のその騒ぎに対してもあったと。何度も何度もパトカーも来ていただいて注意しなければ道も通れないようなありさまであったと。その大人の背中を見て、子供が本当に賢くなるんかなと。
 何しろ、テレビやテレビゲームの時間が長いからだと言われて、そういう状況調査が出てるわけでありますから、本当にこれをしていこうと思ったら、国体でしたみたいに、観光振興で実績残したみたいに、みんなで本気になってやらなければ子供たちの学力はと思います。なぜならば、和歌山県は子育て日本一、学校の成績はびりに近いと、これではちょっと寂しい限りでありますので、頑張っていきましょうではありませんか。
 また、人口目標も、この平成29年に97万5000人という減少で食いとめたいということでありましたが、95万1000人。2万4000人、人口が減っていくのが前へ進んでいるという状況が出ております。
 また、きょうも藤山議員のほうから鳥獣害の話がございました。一生懸命頑張っていることは理解をするわけでありますけれども、私どもの地元のミカンの山でもイノシシは暴れたい放題であります。自然の営みというのは難しいなと。四国に橋をかければ日本の技術力、科学の力で立派な橋がかかるのに、その足元に生えている松の木に対して発生する松くい虫を退治し切れない、そんなことと近いんかなと思うんですけれども、これも「やってみよう、田舎暮らし」と言うて都会の皆さんに呼びかけて、和歌山へおいでくださいよというようなことと同時に、やはり中山間地域で命をつなぐ、生きていくということに至っては、この有害鳥獣の問題というのはどうしても避けて通れない、またなお、これも本腰を入れて頑張らねばならんのかなと思ってございます。
 新長計を見させていただいたら、書いてることは全ていいことを書いております。いい言葉を言って、いい言葉で文章をつくるぐらいなら、これは誰でもできることではなかろうかなと。要はその書いてることをいかにして実行していくか、この辺が問われるこれからの10年間になるのではないかなと思います。
 10年を経過して、新長計に対する知事の意気込み、また、現在の長計と新しい長計はどう違うのか。それと、毎年進行管理や検査、また、注意を喚起して指令を出すというような意味でも新しい部署も必要になってくるんじゃないかなと、そのような思いもあって質問させていただきました。それに対する知事の所見を承りたいと思います。
 2番目に、長計の中でうたわれている紀淡海峡ルートについてであります。
 昭和40年に国連の調査団、日本政府の要請で調査をしたようであります。そのワイズマンレポートの中に、やはり1本の道路、鉄道へ集中して国の方向を示していくというような形は危険だと。例えば和歌山から四国へ渡って九州へ通るような東西の第二軸が必要ではないかというのが、そのワイズマンレポートの内容であります。
 それを証明したのが阪神・淡路大震災。神戸で大変な被害になって、そして交通も麻痺をしたと。和歌山県庁の前は、フェリーに乗って四国へ行く、物資を運ばねばならんというトラックで大渋滞を起こしたというようなことで、やはりこれも重要な大きな課題だと思います。評論家に言わせたら、無責任ですから「そんなものは必要ない」と言うような評論家、進歩的文化人もおるようでありますけれども、そんな無責任な話は耳を傾ける必要がないと。
 当局もそれぞれ関係県で連絡をとり合って、そして、関係の議会も議長連絡協議会を設けて国へ要望し、国も県も部分的な調査もずっと続けてたんですけれども、平成20年ごろからそれがアウトという形になって、どういうわけかぷつんと切られてしまいました。
 ところが、平成23年に起こった東日本大震災、それでやはりそういうことに対する考え方が大きく変わってきたように思います。
 私も、平成25年の関西広域連合でこのことについて質問させていただいて、時間の関係もありますから、まあやりましょうやということで質問したところ、広域連合としても積極的に取り組んでまいりたいというような答弁でありました。「和歌山の加太から石を投げたら淡路島に当たるぐらいのとこなんですよ」と言うて、井戸連合長にもそのときは私、話をしたわけでありますけれども、これをひとつ進めていこうという動きで、少しよくなってきたんですけれども。
 また、今、1つチャンスじゃないかなと思うのは、新幹線を見てみると、もう既に九州から本州、北海道とつながりました。北陸新幹線ももうルートが最終的に決まると。あと基本の整備計画の中で残っている一番のメーンは四国新幹線だろうと思います。その四国新幹線をいかにこの関西とつなげるかということになってくると、この紀淡ルートというのも大きな可能性があると。これを関西国際空港へつなぐなり、奈良へ向いて行かすなり、どうしてもこの和歌山を通るようなコースで通ってもらいたいなと。
 先ほど私は、例の駅伝の話をいたしました。高校生もそうです。都道府県の駅伝もそうです。下位の県を見てみたら、全く新幹線が通ってないような県ばかりがその後半へずらっと並ぶんです。和歌山も一番下へ並んだり、ちょっと上へ行ったり、奈良県があったり、鳥取県があったり、沖縄があったり、九州各県があったりということでありますので、いかに新幹線というのが地域にとって大事かということはそれ1つ見てでもわかるなと。新幹線みたいな速い電車をふだん見ていないから走るのが遅くなるのかなと心配するぐらいであります。
 ことし1月の30日ですけれども、堺市でシンポジウムが行われました。和歌山県、徳島県、そして堺市と。それぞれ仁坂知事、飯泉徳島県知事、竹山堺市長も出席の中でのシンポジウム。京都大学、内閣参与の藤井先生の話を聞かしていただいた後、そういう討論会的なこともございました。大変熱気で盛り上がって、そして、紀淡海峡早期実現のために頑張ろうと。申しおくれましたが、関西エアポートの社長もお見えでございました。
 今申し上げた紀淡海峡ルートに対して、関西広域連合インフラ検討会幹事長も務められている知事に、その辺に関しての思いを、御所見をお伺いさせていただきたいと思います。
 次の質問に入ります。
 果樹振興、今回は温暖化と、そして直売交流、2点について質問をしてまいりたいと思います。
 まず、うれしいニュースですけれども、和歌山県の果樹試験場が育成して、そして県当局が一生懸命その普及に努力をしたゆら早生というわせがございます。極わせですけれども、最初それを出した時点では、酸味がきつくて、糖度も高いんだけれども、少し酸いんではないかなとか、玉の形がピンポン玉みたいに丸いとか、菊がつぼみになるとでこぼこになりますけれども、少しそういう菊ミカンが出やすいとかというようなこともあったんですけれども、味はいいなあというような、農家の評価が分かれましたけれども、それだけ県が推奨してくれるんならつくろうかという農家もふえてまいりました。そのゆら早生ですけれども、今シーズン、温州ミカンで日本一の高値をつけてくれました。大変うれしいな、よかったなと。県の試験場、あっぱれやなと。私も随分辛口で物を言うほうですけれども、本当にこれはありがたいなと。農家は随分喜んでおります。「何かの機会があったら、要二さんのほうからもそうして褒めたげてよ、礼言うてよ」というようなことをよく言われるわけであります。
 そういういい話もあるんですけれども、片や農家のほうからは、最近どうもミカン、早く熟し過ぎるなと。熟すというのはどういうことかというと、字のごとくですから、もうすぐ食べられる状況になる、これが早くなったと。その結果、どんなことが起こってきたかというと、ミカンの浮き皮という問題が出ております。ミカンの食べる実と外の皮の間に空間ができるのを浮き皮と言うんですけれども、これが出てくると随分傷がつきやすくなります。そして、よく腐るようになります。そういう問題が出てくる。そして厄介なのは、今までもう産地中の産地ですばらしいミカンをつくるという、そういういいミカンほどそういう状況になりやすいという浮き皮現象でありますけれども、この原因は温暖化であろうと言われております。
 また、温暖化になってまいりますと色がつくのが遅くなる。実はおいしくでき上がってるのに、赤いミカンにならんのです。青いところが残るんです。というのは、秋になると、もみじの紅葉を見ていただいたら、昼と夜の温度差がどんどん開いてくると、もみじも紅葉する。ミカンの実も色づくわけでありますけれども、その色づきが悪い。そうするとどんな現象が起こるかというと、それが全国的に集中すると一気に市場へ出てくるわけであります。そうすると値崩れを起こすというような問題もございます。
 そして、これも言われる話なんですけれども、「今までわしとこはつくってる場所がもう高い山の上なんで、親類へミカンを送ると必ず礼の電話が入ってくる。ミカンを送ってくれてありがとうと。ただし、わしとこの親類も正直なんで、決してうまかったという言葉はない」と。ところが「ここ2シーズン、送ると、えらいおいしかったよと言うて褒めてくれた」と。すなわち、今までできの悪いような厳しい条件のほうがいいのができて、いいのができるところが腐りや浮き皮というような問題点も出てきております。日本一の温州ミカンの産地和歌山県でありますので、ぜひこの温暖化に対する対応をお考えいただきたいと。
 実は、私とこの地元で仁義という地域がございます。漢字は兄弟仁義と書く「仁義」と書いて「ニンギ」という地域なんですけど、ビワの産地でございます。昨年のビワ、8割アウトです。もうひどいところは家全滅しております。これも何かというと、温暖化でビワの花が咲くのが早くなる。早くなるとどうしても実がついてしまう。そして寒う、すなわち寒波が来ると、みんな真っ黒になって腐ってしまう。だめになるということで、これも私の知り合いですけれども、ビワ農家で頑張ってるところ、いつも親類や知り合いへビワを送るんだと。でもことし、自分とこの家でビワは全滅したんで、わずかできた近所から分けてもらって親類へ送ったんだというようなことで、ビワも大変な被害でございます。
 温暖化に対して、品種改良や、またそういう浮き皮などの問題に対して、試験場でも頑張ってもらいたい。その辺の答弁を農林水産部長にお願いを申し上げたいと思います。
 また、2番目の果樹振興、直売交流です。
 関西広域連合ができて、私も初めて行ってびっくりしました。大体、会議へ行くと目がくらむようなことはないんですけれども、初めて議会が結成されたときに行ってみると、花火大会してるほど前が見えないんです、テレビのライト、フラッシュで。これはこれはというような形で、一部の知事がパフォーマンスでもうマスコミ受けを狙って何かしてるような舞台みたいに見えて仕方なかったんですけれども、実直に物を進めていこうかという姿勢には少し欠けるなという感じを持ったのが関西広域連合の第一印象です。
 そして、そんな中で吉井議員、私も農林水産振興にもっと頑張ろうじゃないかと。地産地消もお互い2000万もある地域なんだから、そういうのをやろうじゃないかと言うて申し上げたところ、答えだけはいいんです。「大変重要な御提案と受けとめて頑張っていきましょう」と、言うだけで何にもしないんですけれども。そんなことが続いて、そして、そんな中で私も地産地消のことに関して少し「ううん」という思いを持ってたら、頼りにしてた滋賀県ですら、「域内で地産地消というのはおかしいんじゃないか」と。
 議会で全員で一旦農林水産委員会を設けてやってくれというようなことまでしているのに不熱心でありますので、滋賀県の県の幹部に申し上げました。「みんなでやろうかということを一生懸命しようとしないのはどういうことか」と。「ならば申し上げるけれども、琵琶湖のウを関西広域連合、広域の課題として、大きな柱として取り上げてくれ」と。「和歌山にとって見たら、別にウらどうでもええんや。それでも、せっかく、滋賀が苦しんでおられるなら自分たちも一緒にやろうやないかと言うてそういう思いも示してるのに、我々が言う地産地消、農業振興に何で不真面目なんだ」というようなことで、少し声も大きくなってたようですけれども。
 そうしますと、滋賀のある県会議員がその場へ来られて、「うちの者が何ぞ先生を怒らすこと言うたんか」と言うから、「もう、ちょっとでないんや。思い切り怒ってんねん」というような話をして、そして農業振興に不熱心だという話をしたところ、「もう頼りにならん当局置いといてでも、一遍自分らで直売所でお互い地産地消をやってみようか」というような話を言ってくれて、これはまあ当局をおいておくわけにいきませんので、すぐ私も県の農林水産部長に、滋賀県も農林水産部長に話をしてくれて、そしてできたのが私どものJAながみね「とれたて」という直売所があります。滋賀県のJAおうみ冨士「おうみんち」という直売所があるんですけれども、お互いに一度、試験的にやってみようというようなことで始まりました。
 そして、和歌山から蔵出しミカンを持って向こうへ行ったら、向こうの県会議員が4人、はっぴ着て、そして和歌山のミカンを一生懸命売ってくれたと。それはありがたいなと、我々もそれに応えねばならんということで、地元の藤山議員、それから農林水産の議連の長である冨安さん、またあと広域連合ということで山下、岸本議員にもお見えいただいて、そしてはっぴ着て、今度は近江の近江米、米を販売するのに小さいおにぎりをどんどんたくさんつくって、それを一生懸命配って「皆さん買ってください」というようなことをして続けてまいりましたところ、正式に広域連合でもそういうのを取り組んでやろうやないかと。
 また、その前に委員会も設置をされたというようなことで、それが前へ進んでまいりまして、そして新たにJA京都やましろ、兵庫のたじまの「たじまんま」、こういうところも一緒にやろうと言うて、今おかげさまで広がってきて、京都からはつい先般、ミカンの注文、蔵出しミカン1000ケース、10キロのを注文くれたようです。同じミカンを買うんなら、京都にはないわけですので、御縁のある和歌山から買おうと。また、県内のJA紀北かわかみや紀州やと、5つのJAもそれへ入って、今1つの輪になってきております。
 こういう、実際販売につながる目に見えるような事業もこれからももっともっと広げてほしいし、新たな事業もあるであろうと思いますので、その点について知事の答弁を求めたいと思います。
 最後に、道路整備についてであります。
 まず、国道42号線の有田─海南間。平成4年に下津と有田で協議会を立ち上げて、海南、有田郡も入っていただいて、その後、正式に42号線の整備を進めてほしいというようなことで頑張ってまいりまして、昨年やっと起工式をしていただいたと。いよいよだなあと。それまではええんですけれども、前の前の知事、名前は申し上げませんけれど、その当時にも重点項目として進めていこうと。そのときには第二阪和と海南─有田間は同時で進めましょうよというて言うていただいたんですけれども、気がついてみたら第二阪和の竣工式がもうこの近い間にやると。まだ我々のところはほとんど姿も見えていないということなんですけれども、そのことを十分お知りおきをいただいて、今の速度をひとつぜひ進めていただきたいなと、これが国道42号線に対して。
 それから、国道370号線。これも我々海草郡の住民、実は県会議員にとっては耳の痛い話ですけど、地元でよく言われたんです。こんなに道路が進まないのは海草郡に県会議員がおらんのかと。よほど頑張りませんと皆さんも地元でそういうことを言われるかもしれませんけれども、そんな中で道路整備に一生懸命携わってきたつもりでありますし、今、X軸ということであちらこちらでつち音を立てていただいて、この歩みをぜひ引き続き進めていただきたいと思います。これについて。
 それから、先ほど藤山議員からも都市計画道路松島本渡線について質問ございました。今できたところを走ってみると、すごい便利になったなあ、ええなという思いがいたします。実は私、当選したときに、都市計画道路があるということで先輩議員に尋ねたことがあるんです。「要ちゃんよ、都市計画道路というのはね、名前だけ書いといていっこもさわらない、工事をしないのを都市計画道路と言うんだ」というような話を私は30年近く前に聞いたことがあったんですけれども、実際できてくるとすばらしいなと。
 ところが、途中でぷつんととまるんです。とめねばしようがないんでしょうけれども、これを一刻も早く海南市の4車線である370号までつないでほしいなというのが地元の思いでありますので、その点についても頑張っていただきたい。
 そして、同じく出ました海南秋月線。これは大変車がよく通るんです。でも、普通車同士で交わらないところが何カ所もあると。ようこんなひどい道で長いことほってきたなというぐらい、あきれるような道でありますので、それに対しても鋭意精力的に取り組んでいただきたいと。
 以上で、第1回目の質問を終わります。
○議長(浅井修一郎君) ただいまの尾崎要二君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 私は、知事就任以来、元気な和歌山の実現に全力で取り組んできましたが、県民や県内事業者が、国内はもとより世界を見据えて積極果敢にチャレンジできる条件がだんだん整ってきたというふうに考えております。
 このチャンスをより確実なものにするために、新たな長計の策定に際しては、議員各位からも貴重な意見をいただいた結果、県民に、将来、和歌山は持続的に発展していくという希望を持っていただけるような、そういう計画案になったと考えておりまして、目指す将来像の実現に向け頑張っていきたいと思います。
 現計画との違いにつきましては、世界とつながる戦略的な施策をさまざまな分野で力強く打ち出したことや、持続可能な地域をつくるためにふるさと生活圏の再編・活性化を図ること、さらには、80歳現役社会や女性の多様な働き方の実現など、これからの時代の潮流を見据え、新たな仕掛けの数々を随所に盛り込んだところでございます。
 また、紀伊半島大水害からの早期復興を成し遂げた経験等も踏まえ、災害による犠牲者ゼロやよりよい復興の実現など、安全・安心な和歌山をさらに強化していくつもりでございます。
 次に、計画の進行管理や検証は、御指摘のように大変大事でございます。そういう意味で、策定を担当し、内容を熟知している企画部が計画の進捗状況を常に把握し、全庁に対して既存の施策の見直しや新たな施策の展開を指示するなど、計画全体をグリップすることが重要であります。そのためには、今年度強化した企画総務課の組織を解散とか縮小させないで維持をいたしまして、新計画の進行管理や検証をしっかりやらせたいと、こう考えております。
 次に、紀淡海峡ルートについてでございます。
 この実現は、第1に第二国土軸としてリダンダンシーを確保するもの、日本全体としてリダンダンシーを確保するもの、第2に西日本の大動脈の代替機能を有する四国新幹線の実現を可能とするもの、第3に関西国際空港と大阪都心を結ぶ超高速鉄道の整備につながる、関空の機能強化に資するもの、第4に関西大環状道路や大阪湾環状道路の形成につながるもので、効果は非常に大きいものと考えております。
 しかし、国においては、現在、紀淡海峡ルートを初めとする海峡横断プロジェクトに係る調査が行われなくなってしまっていました。
 そこで、本県では、国への提案活動を積極的に行うとともに、私が関係府県に呼びかけ、関空・紀淡・四国高速交通インフラ期成協議会を立ち上げ、紀淡海峡ルートや四国新幹線の実現に向けた取り組みを行ってきたところでございまして、実は関西広域連合におきましても、私が幹事長を務める広域インフラ検討会が中心となって、紀淡海峡ルート実現に向けた活動を行ってまいりました。
 こうした中、国の平成29年度予算で四国新幹線を初めとする基本計画路線についての調査費が盛り込まれ、かつ増額査定されました。実現に向けて新しい兆しが見えてまいりました。さらに近々、京奈和自動車道の和歌山─岩出間の供用が開始され、名阪国道を経由して名古屋までの新たな物流が創出されつつあります。
 このような動きを踏まえ、シンポジウムを開催したところ、議員を初め400名を上回る方々に御参加いただき、紀淡海峡ルートに対する関心の高まりを実感いたしました。
 紀淡海峡ルートは、和歌山県のみならず関西の発展、日本の将来の発展のかなめとなる重要なプロジェクトであるとともに、東京一極集中からの脱却を図り、双極型国土構造の構築や地方創生回廊の整備、さらには国土強靱化を図る上で必要不可欠なプロジェクトであり、ぜひとも実現させなければならないと考えております。
 そこで、3月5日に開催されました関西広域連合委員会において私が提案をいたしまして、四国新幹線を初め、関西における新幹線の早期整備について国に要望することになりました。
 今後も、紀淡海峡ルートが早期に実現されるよう、シンポジウムの開催による機運醸成、関係団体と連携した国への要望や提言活動など、積極的に進めてまいりたいと思います。
 次に、農業振興、特に直売所交流でございます。
 県では、これまで直売所の開設支援を実施するとともに、私が担当委員を務めております関西広域連合農林水産部では地産地消の取り組みを他に先行して行っており、直売所交流はその取り組みの核となるものと考えております。
 尾崎議員からの御提案により平成25年度に行われました直売所交流の取り組みは、集客増加や販路拡大につながる意義ある効果的な取り組みであり、平成26年度より広域連合の事業として実施しております。直売所交流の取り組みは着実に回数が増加するとともに、参加府県も拡大してきております。また、交流に参加された直売所の方々からは、毎年お客様が楽しみに待ってくれている、交流により品ぞろえがよくなり来店客数がふえたといった声が寄せられております。
 今後とも、県内での取り組み拡大を働きかけるとともに、関西広域連合の担当委員として、構成府県市により多くの直売所が参加できるように新たな仕組みも検討して、できれば提案も行って、しっかり取り組んでまいりたいと思っております。
○議長(浅井修一郎君) 農林水産部長鎌塚拓夫君。
  〔鎌塚拓夫君、登壇〕
○農林水産部長(鎌塚拓夫君) 果樹の温暖化対策についてでございますが、本県の基幹作物である果樹につきましては、議員御指摘のとおり、一旦植えると長期にわたって営農を続けていかなければならないことや、気温や降水量といった気象変化の影響を受けやすい品目であることから、温暖化対策は重要な課題であると認識しております。
 このため、これまで県では、浮き皮になりにくい温州ミカンの選抜や梅の黒星病抵抗性品種の育成などに加え、柿の軟化防止技術や桃の果肉障害軽減技術の開発等の試験研究に取り組んでまいりました。また、県単独事業により、新たな品目や浮き皮を軽減するための新技術に加え、貯蔵ミカンの低温貯蔵施設の導入等に支援をしているところでございます。
 今後も、品種育成や浮き皮防止技術など温暖化に関する試験研究を積極的に行うとともに、単一経営でのリスクを避ける複合経営化の推進や農業共済の加入促進などにより、農家経営の安定を図ってまいりたいと考えてございます。
○議長(浅井修一郎君) 県土整備部長森戸義貴君。
  〔森戸義貴君、登壇〕
○県土整備部長(森戸義貴君) 国道42号有田─海南間についてでございます。
 有田─海南間では、国道42号冷水拡幅及び有田海南道路が、これらの地域の連携強化や渋滞解消などを目的として国において整備が進められております。
 本県では、国体開催等を契機として近年多くの区間で道路が開通しており、今後は、42号の有田─海南間の整備に一層重点的に取り組んでいかなければならないと考えております。
 こうした中、海南市域では来年度から、梅田地区のトンネル工事に向けた坑口までの本線工事や藤白トンネルの開削を行うための工事などを進め、各所で大規模工事に着手できるよう鋭意事業が推進されております。
 また、用地取得については、今年度から県と地元市で立ち上げた専属チームにおいて進めているところでありまして、現在約5割の進捗となっております。さらに来年度からは、全線において用地取得に着手し、一日も早い工事の全面展開が図られるよう取り組んでまいります。
 加えて、事業進捗のために不可欠となる予算の確保についても、政府提案など、機会あるごとに国に対し引き続き働きかけてまいります。
 次に、国道370号海南市重根から紀美野町毛原下間でございます。
 国道370号阪井バイパスにつきましては、海南市重根地内から木津地内の2.6キロについて、現在、用地取得率が約99%で、工区全体において切り土や擁壁などの工事を進めており、引き続き残る用地取得と工事を推進し、早期の完成を目指してまいります。この阪井バイパスと一体的に整備を進めてきた木津バイパス0.9キロは、3月4日に供用を行いました。
 次に、紀美野町大角地内から赤木地内の2.7キロにつきましては、用地を取得した箇所から順次工事を進めており、早期の完成を目指してまいります。
 紀美野町高畑地内から松ケ峯地内の1.1キロにつきましては、桂瀬松ケ峯トンネルが本年1月に完成をいたしまして、引き続き工事を推進し、平成29年度の完成を目指してまいります。
 紀美野町田地内から毛原下地内の2.7キロにつきましては、紀美野町が実施している地籍調査が完了する平成29年度から用地取得を進めてまいります。
 3点目、都市計画道路松島本渡線でございますが、松島本渡線につきましては、現在、供用済みの区間に引き続き、冬野地区の県道三田海南線との交差点までの区間について用地取得の推進に努めており、平成30年度の供用を目指している仮称・和歌山南スマートインターチェンジと同時供用できるよう、整備の推進に取り組んでおります。
 さらに、冬野地区以南については、原則海南市が施工主体となる街路事業区間もあることから、県といたしましては、役割分担などの調整を市に対して精力的に働きかけ、事業中区間の完成に引き続き海南市方面に向けて事業着手できるよう、都市計画道路周辺の土地利用状況を勘案し、道路構造などの検討を進めてまいりたいと思います。
 最後に、県道秋月海南線でございます。
 県道秋月海南線につきましては、海南市東部地域や紀美野町方面から和歌山市の中心市街地や仮称・和歌山南スマートインターチェンジに向かう道路として、また、地域住民の生活道路としての役割を担う路線であると認識しております。
 県では、これまで狭隘な区間の拡幅などに努めてきました。しかしながら、人家が連檐している区間においては、依然として乗用車同士のすれ違いも困難な狭隘箇所が一部で残っており、朝夕などに交通量が多い時間には円滑な通行に支障を来しております。
 そうしたことから、県としましては、松島本渡線の冬野地区までが完成した時点で、交通混雑が課題となる可能性がある海南市多田地区から且来地区において、沿道の家屋移転等、地元の御協力を得ながら集中的に整備を進めております。
 さらに、残る狭隘箇所の中でも、海南市と和歌山市の境界付近で交通の支障となっている区間において今年度から現道対策の検討に着手したところであり、早期に工事着手できるよう来年度から測量、設計等を進めてまいります。
 今後、残る狭隘箇所につきましても、交通の状況を勘案し、用地の取得など、地元の皆様の御理解、御協力をいただく中で、支障となる箇所から順次解消するよう努めてまいります。(拍手)
○議長(浅井修一郎君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(浅井修一郎君) 余り時間がありませんけど、再質問されますか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(浅井修一郎君) 以上で、尾崎要二君の質問が終了いたしました。(拍手)
 お諮りいたします。質疑及び一般質問を終結することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(浅井修一郎君) 御異議なしと認めます。よって、質疑及び一般質問を終結いたします。
 次に日程第3、議案の付託について申し上げます。
 お諮りいたします。お手元に配付しております議案付託表のとおり、議案第1号から議案第16号までは予算特別委員会に、また、議案第79号、議案第119号及び議案第120号は行政改革・基本計画等に関する特別委員会に付託いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(浅井修一郎君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
 次に、お手元に配付しております議案付託表のとおり、議案第32号から議案第59号まで、議案第61号から議案第71号まで、議案第73号、議案第74号、議案第76号から議案第78号まで、議案第80号から議案第117号まで及び議案第121号から議案第126号までは所管の常任委員会に付託いたします。
 次に日程第4、請願の付託について申し上げます。
 今期定例会の請願については、お手元に配付しております請願文書表のとおり、所管の常任委員会に付託いたします。
 お諮りいたします。3月9日、10日、13日及び14日は、委員会審査のため休会といたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(浅井修一郎君) 御異議なしと認めます。よって、3月9日、10日、13日及び14日は休会とすることに決定いたしました。
 次会は、3月15日定刻より会議を開きます。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後2時2分散会

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