平成29年2月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(秋月史成議員の質疑及び一般質問)


平成29年2月 和歌山県議会定例会会議録

第4号(秋月史成議員の質疑及び一般質問)


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  午前10時0分開議
○議長(浅井修一郎君) これより本日の会議を開きます。
 日程第1、議案第1号から議案第16号まで、議案第32号から議案第59号まで、議案第61号から議案第71号まで、議案第73号、議案第74号、議案第76号から議案第117号まで及び議案第119号から議案第126号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第2、一般質問を行います。
 9番秋月史成君。
  〔秋月史成君、登壇〕(拍手)
○秋月史成君 おはようございます。
 本日は、3月3日ひな祭りであります。先ほど、議席からひな壇の県当局の皆様を見ておりますと、娘の初節句を思い出しました。ひな人形を見ていますと、なぜかほほ笑んでしまいます。対面式演台からほほ笑みの出る前向きな御答弁をよろしくお願いいたします。
 それでは、議長の許可をいただきましたので、通告に従い一般質問させていただきます。
 「地方創生」、人口減や雇用減に苦しむ地方自治体の活性化を目指すため、第2次安倍内閣で使用された用語です。2014年9月、人口減や少子高齢化などに取り組むまち・ひと・しごと創生本部が設置され、内閣総理大臣を本部長とし、地方創生担当大臣と内閣官房長官を副本部長、ほかの全ての国務大臣を本部員とする組織で、初代地方創生担当大臣には石破茂衆議院議員が就任いたしました。
 2014年11月の国会で、まち・ひと・しごと創生法と地域再生法の一部を改正する法律の地方創生関連2法が可決、成立いたしました。また、地方の特産品の普及を促すふるさと名物応援制度を創設し、中小企業地域資源活用促進法の改正も検討されております。
 経済回復の恩恵が都市部に集中しがちなことから、東京一極集中を解消し、地方の人口減少に歯どめをかけるとともに、国全体の活力を上げようとする安倍政権の大きな政策の1つであります。全国一律ではなく、地域ごとの資源や特性を生かそうとさまざまな施策が、その後、各府県で取り組まれている次第であります。ここ和歌山でも例外ではなく、仁坂知事を先頭に県当局も日々御尽力いただいてるわけでありますし、地方創生といえば、多くの課題と多種多様な政策があることは承知しております。
 このような中、仁坂知事は、本県における人口の現状と人口減少がもたらす影響を県民と共有するとともに、目指すべき将来の方向を提示し、県を挙げて全力で取り組む決意を示すため、一昨年の6月、和歌山県長期人口ビジョンを策定し、2060年の人口を70万人程度とする目標を掲げたところであるため、和歌山県における地方創生の政策の軸は、やはり、人口減少を食いとめることであると思います。
 本定例会に提案されている長期総合計画においても、少子高齢化を初めとしてさまざまな施策を体系的に盛り込んでおられる中、私としては、その中で若者の人口流出を防ぐことが重要であると考えております。本県の人口の転入・転出の状況は、1954年以降、一時期を除いて転出超過の状況が続き、中でも15歳から29歳の若年層の転出が際立って多く、県外に進学先や職を求めている状況であり、本県の産業を担う労働力の確保としても大きな課題となっていますが、一方で、若者みずからの生き方の選択を無理強いするわけにもまいりません。
 そこで、知事にお聞きいたします。
 県内の若者の人口流出を防ぐための具体的な施策についてお答えください。
○議長(浅井修一郎君) ただいまの秋月史成君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 安定した社会を構築するためには、和歌山を支える担い手を将来にわたって確保していくことが必須でありまして、そのためには、子供を生み育てやすい環境をつくることと同じく、若者の県外流出に一定の歯どめをかけることは、議員御指摘のとおり極めて重要であると認識しております。
 若者の流出を防ぐためには、まず、元気を持続できるような和歌山を創造し、働く場所をふやすということが必要でございます。このため、経済活動の条件をよくするということで、道路など公共インフラの充実に引き続き力を入れるとともに、創業、第二創業の促進など産業政策にも力を入れ、あるいは積極的な企業誘致も行って、県内産業の競争力を高めていかなければならないと思います。
 また、防災、福祉、医療、教育など、生活の基礎となるサービスの充実にも取り組み、誰もが安全・安心かつ快適に暮らせる地域をつくっていくことで、和歌山に住んでいたら得だと、そういうふうに多くの人に思ってもらえるようにしないと、人は来てくれないというふうに思います。
 このような根本的な施策を進める一方で、若者が和歌山の魅力や和歌山での暮らしやすさはもちろんのこと、和歌山には自分が行っていいと思うような企業やさまざまな仕事があることを知らないまま県外に転出してしまうことのないよう、若者の成長段階に応じた切れ目のない施策を展開してまいりたいと考えております。
 具体的には、まず、小・中・高等学校を通じて郷土教育を徹底し、あわせて和歌山で働くことのよさを知ってもらうとともに、学校での地元企業説明会など、高等学校と企業が連携した取り組みを強化していってるわけでございます。
 次に、県内就職を促進するため、本県出身の県内外の学生全員に対して県内企業の求人情報を集中的に発信し、確実に本人に届けるとともに、インターンシップや就職フェアなど、県内企業との出会いの場を充実していきたいと思っております。
 加えて、一旦県外企業へ就職した県出身者についても、ふるさと和歌山の暮らしやすさや就職に関する情報を効果的に提供するとともに、県内企業と連携した就活サイクルを構築していって、それで、そろそろ和歌山へ帰ってもいいなと思うような人には、そういう機会を利用して帰ってきてもらう、そういうようなことを今後やっていきたいと思っております。
 また、大学生も県内で勉強できるようになれば、それにこしたことはないわけでございますんで、したがって、現在、県立医科大学薬学部を初め3大学が開学に向けての諸準備を進めているところで、こういうことも少しずつ効いてくるんじゃないかというふうに思います。
○議長(浅井修一郎君) 秋月史成君。
  〔秋月史成君、登壇〕
○秋月史成君 私としましては、知事と皆様に少しおわびしなくてはいけないことがございます。
 この春から、私の長男が大学を卒業し、県外の企業に就職し、人口流出を許してしまいました。4月から大学3年生となる娘には、大学卒業後、和歌山県に帰郷してもらい、県内就職、結婚、出産し、和歌山県の人口減少を食いとめるため、家内とがっちりタッグを組んで人口減少に努めるよう鋭意努力してまいりたいと考えております。
 次の質問に移ります。
 「水の国、わかやま。」キャンペーン。今年度、和歌山県が打ち出した観光キャンペーンです。私といたしましては、すばらしい着眼点であると感じております。水を見る、水が創る、聖なる水、水に寄り添う、水を活かす、水と遊ぶ、水を育む、7つの柱を設け、和歌山の観光特性を水と絡めて打ち出したキャンペーンです。
 その中で、私が打ち出したのは滝であります。ここ和歌山は、急峻な地形、そこから得られる豊富な水資源を有し、那智の滝を代表とするように、数々の滝を有する県でもあります。「水の国、わかやま。」キャンペーンホームページにも掲載されております。しかし、那智の滝に代表される和歌山県の滝が少し紹介されているだけで、少し物足りなさを感じます。
 私、実は無趣味な人間でしたが、数年前に私の学校の大先輩に誘われて滝修行に毎月行っておりました。私の中では宗教的な意味はなく、自分見詰めのため、滝に打たれ、みそぎを行い、心身の鍛錬を行っておりました。皆様にお配りした資料は、日高川水系の奧、旧美山村に所在いたします白馬の滝であります。酷寒の1月に打たれている画像であります。余り世間に周知されている滝ではありませんが、すばらしいロケーションだと思うのは私1人だけではないと思います。
 こういった世間に余り周知されていない滝が、和歌山県には、また紀南地方には数多く所在すると思っております。私たち和歌山県に住む者は、灯台もと暗しのことわざもあるとおり、見なれた風景のため地元の魅力を余り感じていないのが現状ではないでしょうか。見なれた風景こそ、他府県や世界から訪れる観光客にとりましても、最大の観光資源だと私は考えます。
 日常生活の中にある和歌山の滝をもっとクローズアップし、和歌山県内にある滝を滝マップなどを作成して、県内の周遊観光及びリピーター確保につなげる施策を打ち出してはいかがかと思います。来年度も引き続き行われる「水の国、わかやま。」キャンペーンを含め、滝を利用した観光施策について、商工観光労働部長にお尋ねいたします。
○議長(浅井修一郎君) 商工観光労働部長岡本圭剛君。
  〔岡本圭剛君、登壇〕
○商工観光労働部長(岡本圭剛君) 県内には、那智の大滝を初め多くの滝が点在しており、豊かな自然、絶景、癒やしを求める方々にとって大変魅力のあるスポットがございます。現在、本県の強みである自然を活用した「水の国、わかやま。」キャンペーンにおいて、新聞、雑誌、専用パンフレット、ウエブサイト、写真展等で滝についても紹介しているところでございます。
 県内の滝の中には、豊かな自然の中にあるがゆえ、道幅が狭かったり、案内板等がないと安全にたどり着くことができないなど、アクセス面での課題があるところもございます。そのような状況において、観光客にとって魅力にあふれ、安全で比較的行きやすい滝を厳選し、「水の国、わかやま。」のパンフレットやウエブの改訂に合わせ滝のコーナーを作成するなど、滝のすばらしさをさらに盛り込むことで、県内周遊はもちろん、リピーターの確保につなげてまいりたいと考えております。
○議長(浅井修一郎君) 秋月史成君。
  〔秋月史成君、登壇〕
○秋月史成君 部長の御答弁にもありましたように、アクセス面の課題や案内板等の課題もあろうかと思います。添付資料の白馬の滝も狭隘な道路、道路には小さな石がばらつく箇所も多く存在いたします。基礎自治体である市町と連携をし、和歌山県各所に点在する和歌山の滝を貴重な観光資源として活用していただく施策をお願いいたします。
 次の質問に移ります。
 大規模災害時における航空機の受援体制についてお尋ねいたします。
 本年1月10日から、先輩議員である谷議員、泉議員と林業振興、防災対策、漁業振興のテーマを設け、九州地方、大分県、熊本県、長崎県を3泊4日の日程で視察に行ってまいりました。防災対策では、熊本地震の被災地でもあります熊本県益城町を訪れ、被災地の復興状況を視察し、その後、熊本地震の際、災害派遣活動を行った陸上自衛隊西部方面航空隊、高遊原分屯地を訪問いたしました。
 高遊原分屯地では、分屯地広報室長の説明を受け、西部方面ヘリコプター隊・第3飛行隊、航空機の高段階整備を行う西部方面航空野整備隊の格納庫を訪れ、CH-47大型ヘリコプター等を視察、野整備隊では航空機の高段階整備の説明を受けました。
 ヘリコプター隊では、私の陸上自衛隊生徒時代の同期生であるCH-47の航空機操縦士、整備幹部にも同行してもらい、また野整備隊では、八尾駐屯地時代に一緒に勤務した整備隊先任陸曹、学校の後輩でもある整備隊長にも同行していただき、高段階整備における機材等の説明を詳細に受けてまいりました。道路網の整備がおくれている和歌山では、災害時には航空輸送力の必要性を改めて感じた次第であります。
 その後、熊本県防災航空隊に移動し、熊本地震における防災航空隊の活動について視察を行いました。熊本地震では、各府県から救出のため17都道府県、多い日で1日18機のヘリコプターが応援に駆けつけていただいたそうであります。
 前震が4月14日21時26分。本震が4月16日1時25分。4月15日から4月27日までの13日間で、対応機体計49機、ヘリベース駐機機体、1日最大16機、隊員延べ300人。多数の応援をいただいたそうであります。たまたまではありますが、防災航空隊の整備部長は、私が自衛隊時代に航空学校霞ヶ浦校や陸上自衛隊八尾駐屯地で一緒に働いた人でもありました。
 各府県の防災航空隊の機種は、私の調べた限りでは約6機種。和歌山県防災航空隊と同機種であるベル・ヘリコプター・テキストロン社製ベル412、川崎重工、メッサーシュミット・ベルコウ・ブローム社が共同開発したBK117、ユーロコプター社製AS365ドーファン、これもまたユーロコプター社製AS332シュペルピューマ、シコルスキー・エアクラフト社製S-76、アグスタ・ウェストランド社製AW139など、6機種ございます。
 その機種とも、航空機の能力、性能等が違う中、誰が指揮をとり、任務付与を行ったかお聞きしたところ、私の知人の整備部長は自衛隊で勤務し、民間航空会社で勤務した経験を持っていた偶然もあり、その各種航空機に関する知識と経験をヘリベースにおいて遺憾なく発揮し、また、県庁内でも航空機に精通していた職員の方が、これもまたたまたまおられたということもあり、緊密な連携のもと、不幸中の幸いで大きな失敗もなく、任務をこなされたということでありました。
 災害時に応援に駆けつける各府県防災航空隊の皆様は、言葉は悪いですが、緊急時に集まった寄せ集まりの部隊であります。各府県防災航空隊、ドクターヘリからもLOと呼ばれる連絡幹部が災害対策本部で調整を行い、任務付与を行うのが一般的だと思います。
 熊本では、ヘリベースとして滑走路を供用いたします熊本空港内の熊本県防災消防航空センター格納庫前のエプロンが駐機場となり、ヘリベースとなりました。
 和歌山県では、南紀白浜空港が各府県防災航空隊のヘリベースになると聞いております。旧南紀白浜空港が自衛隊機のヘリベースになることも聞いております。ここ和歌山では、関係機関の航空機の機種や特性が違う中、指揮や統制をどのように行うか、危機管理監にお尋ねいたします。
○議長(浅井修一郎君) 危機管理監和歌哲也君。
  〔和歌哲也君、登壇〕
○危機管理監(和歌哲也君) 南海トラフ地震などの大規模災害時には、自衛隊を初め全国の消防、警察など、多くの機関からの支援が必要となることから、本県では、広域からの応援に対応した和歌山県広域受援計画や、先駆的な取り組みとしてさまざまな機関による航空機支援に特化した和歌山県実働部隊航空部隊受援計画を整備するなど、あらかじめ受援体制を定めております。
 議員御指摘のとおり、災害時の航空機による応急対応は非常に重要であり、平成23年紀伊半島大水害の際には、9月4日から30日までの27日間で延べ273機、ピーク時には1日15機の航空機が活動いたしました。
 南海トラフ地震発生時には、航空機のさらなる応援が必要と考えており、これらの活動の統制や運航調整を円滑に行うため、県の災害対策本部総合統制室に、応急対策班活動調整グループ及びヘリ調整グループを設置するほか、ヘリベースとなる南紀白浜空港における活動調整体制の充実に取り組みました。
 また、これらの計画等が有効に機能するよう、津波災害対応実践訓練など、実災害の状況を想定した訓練において検証を行っているところであります。特に、平成26年10月の訓練では、在日米軍も含めた14機関34機にも及ぶ航空機が紀南地域を中心に展開し、実動機関が一堂に会した中で、報道機関等のヘリコプターを含めた統制、運航調整を行いましたが、円滑に対応することができました。
 県といたしましては、大規模災害時には自衛隊を初め、あらゆる関係機関に最大限の支援を要請し、その支援を迅速で確実な救助活動につなげてまいります。
○議長(浅井修一郎君) 秋月史成君。
  〔秋月史成君、登壇〕
○秋月史成君 危機管理監の御答弁をお聞かせいただき、安心いたしました。
 和歌山県広域受援計画、和歌山県実働部隊航空部隊受援計画が実際に生かされることのないよう願いたいものです。
 次の質問に参ります。
 昨年12月議会に、泉議員の選挙についての一般質問を議場で聞かせていただき、選挙教育についての重要性や投票所の問題、投票方法の問題を改めて認識した次第でありますが、昨年夏に行われた参議院選挙から選挙権年齢が18歳以上に引き下げられ、参議院選挙における若年層の投票率が新聞で報道されました。
 和歌山県選挙管理委員会では、投票権が18歳まで引き下げられて初めての国政選挙となった参議院選挙について、和歌山選挙区の18歳、19歳の投票率が41.81%と発表いたしました。私の選挙区である西牟婁郡は33.13%、お隣の東牟婁郡では28.85%と、特に低い状況となっております。
 選挙教育、投票方法などさまざまな問題はあるかとは思いますが、政治の現場に立つ私たち政治家にも大きな問題があるのではないかと、その責任を痛感してる次第であります。若い世代に政治を身近に感じてもらうことが重要と感じております。若い世代の身近な問題に耳を傾けることが重要と思っております。
 そこで、まだあどけなさの残る中学1年生の少年の陳情を紹介させていただきます。「おっちゃん、県会議員やなあ。少しお願いがあるんやけど」、私が「何、何」と聞き返すと「学校のトイレがいつ洋式になるんかなあ」、「中学校は町立やから上富田の小出町長に頼まなあかん問題やから、おっちゃん、県会議員やから県立の学校やったら力になれるかも」と少しはぐらかすと、少年は「和歌山の仁坂知事ってどんな人なん」、「県民のみんなの幸せを考えてくれるええ人やで」と私が答えると「じゃあ、仁坂知事さんにお願いして」と。「知事か。知事にお願いするのもええけど、その前に宮下教育長にお願いするほうがいいかもな」と。「宮下教育長ってどんな人」、「宮下教育長か。以前高校の校長先生していて、和歌山県の子供のことを一番に考えてくれるええ人やで」とまたまた私が答えますと「中学校は小出町長に頼むとしても、僕が高校に行ったときには、高校のトイレが洋式になるように宮下教育長にお願いしてほしいねん。クラスのみんなも望んでるねん」とのこと。「クラスのみんなの中で、トイレに行きたくても和式やから我慢している子が意外と多いねん」とのことでした。
 その後、私も少しほかの中学生、高校生と接触し、また冬休みに帰省した大学生の娘に聞いたところ、確かに、なれない和式トイレを嫌がり、我慢している生徒が多いとのことでした。私を初めとする議場におられる皆様が学生のころは、家庭、学校、公共施設でも和式トイレが一般的だったと思います。しかし、現在の子供は、生まれたときから家庭内でも洋式トイレが一般的となり、和式トイレの数が年々減少している傾向にあることは事実かと思います。そんな現在の子供たちが学校で和式トイレで用を足すのは少し困難であろうかと思うのは、私1人だけではないと思われます。
 少し調べましたところ、県立学校では約3割程度しか洋式化されておりません。7割が和式トイレということになります。現在の子供が使いづらい和式トイレがその大半を占めるといった現状であります。和歌山県の子供の学力水準を向上させるために、県教育委員会、各学校一丸となり、さまざまな取り組みをいただいてるわけではありますが、以前、宮下教育長は、早寝、早起き、朝御飯の重要性をこの議場でも述べられたことを記憶しております。
 朝御飯をきちんととると、当然トイレにも行きたくなることと思います。そのトイレ環境の整備を加速させ、推進することも和歌山県の子供の学力向上の一端を担うことになると私は考えますが、和歌山県の子供のことを一番考えていただいております宮下教育長、学校におけるトイレ整備について、どのようなお考えをお持ちになっているかをお答えください。
○議長(浅井修一郎君) 教育長宮下和己君。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 学校は、学習の場としてはもとより、子供の生活の場としても快適な環境であるべきであると考えてございます。よりよい環境を目指し、学校施設の整備に努めているところでございます。
 従来、学校のトイレは和式が中心でありましたが、近年、生活様式の変化から各家庭での洋式化が進んでおり、県立学校においても、障害のある生徒等に対応した多目的トイレの設置を初め、学校のニーズに応じて県立学校のトイレの洋式化に取り組んでまいりましたが、現在のところ、洋式化率は約3割程度となってございます。
 今後も、大規模改修などの機会を捉え、計画的にトイレの洋式化を進め、県立学校全体の洋式化率を引き上げてまいります。
○議長(浅井修一郎君) 秋月史成君。
  〔秋月史成君、登壇〕
○秋月史成君 大規模改修までトイレを我慢しなさいとも聞こえます。確かに、トイレ等の水回りの整備は、大きな予算がかかる場合もございます。しかし、我慢できるものと我慢できないものがあると思っております。トイレの洋式化に取り組んできた結果、現在3割程度。私といたしましては、努力の結果、約3割では低いなと感じております。少年の声を受け、政治が動き、行政がそれに応える、これが真の政治教育になることと私は考えますので、何とぞ加速化いただきますようよろしくお願いいたします。
 次の質問に参ります。
 高校生のバイク通学についてお聞きいたします。
 現在、和歌山県では、皆様も御承知のとおり、バイクの免許を取らせない、買わせない、運転させないの3ない運動を現在も堅持しております。生命の尊重を基礎にした交通安全教育の徹底、交通事故、交通違反多発の状況を憂慮し、昭和55年に教育長から各県立高等学校長宛てに通知した高等学校における運転免許にかかわる指導、高等学校生徒運転免許取得指導要綱が示され、全面禁止とは言えませんが、ほぼ県内高等学校生徒のバイク通学が禁止となりました。
 当時の社会背景を思い出しますと、たび重なる交通事故、交通違反の防止、さらには暴走行為等の非行防止に万全を期するためのものだったかと思います。しかし、現在は少し当時の状況とは違ってきているのではないかと私は考えます。
 最大の理由は、人口減少における公共交通機関の廃止、減便です。私の住みます西牟婁郡内では、平成28年3月末、県立南紀高等学校周参見分校が閉校となり、郡内ではとうとう県立熊野高等学校のみとなりました。同校の通学生徒の範囲は大変広く、郡内はもとより、近隣の田辺市周辺からも多く通学しております。また、西牟婁郡内の高校生は、田辺市に所在いたします田辺市内の県立高校に通学している現状があります。現在の高校生は、通学には徒歩、自転車か公共交通機関に頼らざるを得ません。
 学校の近隣の生徒なら、徒歩や自転車でも通学できます。しかし、山あり谷ありの当地方の場合、幾ら距離が近くとも峠道を自転車で通うのは大変かと思います。一部の御家庭では保護者が送迎しているケースもありますが、共働き家庭が多い現在、保護者に負担をかけたくないと思う子供は自転車に乗り、雨の降る日も風の強い日も自転車で、夜道は街路灯の少ない通学路を通学しております。特に女子生徒の場合は、田舎とはいえ、親としてかなり別の心配をいたします。
 そんな中、平成26年12月15日の群馬県議会で、三ない運動を見直す内容の決議と条例が可決されました。高校生にバイクを運転させるのは危険だと強い反発も予想されます。しかし、公共交通機関の廃止、減便が進むと、高校生の通学手段を確保するのは困難となります。また、先ほどにも述べたとおり、クラブ活動や学習塾、さまざまな習い事で帰宅が遅くなることもしばしばあります。街路灯の少ない夜道を自転車で通学する女子生徒を持つ保護者にとって、不安は募ります。娘を持つ私も同じ思いでした。
 法律では、16歳から原動機付自転車の運転免許を取得できます。法律では認めていながら片方では原則禁止。公共交通手段が確保できない当地域の場合、そろそろ見直す時期が来ているのではないかと思います。バイクに乗らせるのは危険な場合もあるとは思います。しかし、我が国日本は、自由主義を掲げる国家です。自由主義を掲げる以上、当然、自己責任も負うものと私は考えます。
 学力が低いのも、体力や運動能力、社会倫理が低いのも、全て学校や県教育委員会の責任とするなど、自分より他のものに責任を転嫁する傾向に、私はいささか違和感を感じております。県教育委員会の高校生のバイク通学についてのお考えをお尋ねいたします。
○議長(浅井修一郎君) 教育長。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 県内の高校生のバイク通学につきましては、これまで高校生の自動二輪車による交通事故に対する防止策として、3プラス1ない運動が和歌山県高等学校PTA連合会の総会で決議されてきてございます。県教育委員会といたしましても、生徒の命と安全を守るという教育的観点からこの運動を推奨し、原則として運転免許取得と単車等による通学の禁止は必要であると考えてございます。
 しかし、各学校においては、遠距離通学生で他に交通機関がない場合や、著しく交通の便が悪い場合、また学校長が教育的、経済的な観点から必要と認める場合など、許可基準を設けており、各学校では生徒の状況を十分把握し、保護者の交通安全の理解を得た上で対応してございます。
 しかし、議員御指摘のように、将来、通学に係る公共交通機関の廃止、減便等による環境の変化がある場合は、生徒や地域の実情に応じて、今後柔軟に対応する必要があると考えてございます。
○議長(浅井修一郎君) 秋月史成君。
  〔秋月史成君、登壇〕
○秋月史成君 今後、先ほど1問目の質問にもありましたように、人口が減少するのは間違いないと思います。それに伴う公共交通機関の廃止、減便を防ぐのは難しいことと思います。今後の課題としてお考えください。
 次の質問に参ります。
 私は、皆様も御存じのとおり、元陸上自衛官であります。陸上自衛隊において、ある程度将来を約束された状況にありましたが、家業を継ぐため郷里和歌山に帰郷し、現在に至ります。
 陸上自衛隊を退職して、すぐに当時の自衛隊和歌山地方連絡部、現在の自衛隊和歌山地方協力本部の募集事務所広報官に頼まれ、上富田町長の委嘱を受け、自衛隊募集相談員の職を現在も拝命しております。募集事務所の広報官と連携を密にし、募集情報の収集や入隊希望者の情報を広報官に伝えたり、時には広報官に成りかわり、自衛隊や自衛官の職務の概要を説明したりもいたします。
 現在の自衛隊の支持率は、世論調査では9割を超える支持率を誇っております。国民の皆様から、国の機関の中で最も支持、信頼を受ける機関となっております。私が現職の自衛官のころは、今ほど高い支持率を有してはおりませんでした。元自衛官として大変喜ばしく、誇りにさえ思います。
 しかしながら、私のころからもそうでしたが、自衛官の募集業務においては現在も困難な状況にあります。それは、募集事務所広報官が県内学校に、自衛隊の防衛大学校、防衛医科大学校等の各種学校、航空自衛隊、海上自衛隊の航空操縦要員を養成する航空学生、自衛官候補生等の各種課程について、説明会を生徒向けに開きたい旨を学校に御挨拶を兼ねて申し出ても、進路指導の先生の抵抗に遭い、説明会を余り開けてない状況にあるとよく耳にいたします。
 和歌山県内の私立の高等学校では、防衛大学校等の各種学校の説明会がほとんどの学校で開けております。私学の学校が説明会を開けて、どうして公立学校が余り開けないか不思議でなりません。自衛隊は違憲だと唱える、また、教え子を戦場に送るなと、一部教師のイデオロギーが先行しているのではと思われても仕方ないかもしれません。
 自衛隊関連だけが余り学校で開けてない状況があります。どの公立学校でも、自衛隊の各種学校、課程の説明会が開けて当然だと考えますが、県教育長のお考えをお答えください。
○議長(浅井修一郎君) 教育長。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 自衛隊や防衛大学校等につきましては、進路先として考えている生徒が一定数在籍している場合、募集事務所広報官による説明会を実施している学校がございます。一方、学校行事等の関係で日程がとれない、あるいは、希望する生徒がいないなどの理由で説明会を実施していない学校もございます。しかし、説明会の有無にかかわらず、進路先として考えている生徒には、全て広報官との連携を密にし、個別に対応してございます。
 高校生にさまざまな機会を通して進学先や就職先の情報を提供することは、自己の目的や適性に応じた進路を考えさせる上で大切でございます。自衛隊の各種学校、課程につきましても、他の進路先と同様、仕事の内容や勤務の条件、また各校の学習内容等がわかる情報の提供に努めるよう、改めて各学校を指導してまいります。
○議長(浅井修一郎君) 秋月史成君。
  〔秋月史成君、登壇〕
○秋月史成君 高校における進路指導について、みずからの体験、また友人、知人からの話で私は不満を持っております。生徒自身の希望、保護者の希望より、進路指導の先生の意向が強い場合がございます。全ての進路指導の先生でないと思います。ほんの一部だけだと思います。
 自衛隊の各種学校、課程の説明会が開催されていないのは、紀南地域より紀北地域に偏在しているのが現状でございます。希望者に対する校内での説明会を不可とする学校も、紀北地域がその大半を占めます。ポスター掲示さえ不可とする学校も紀北地域がほとんどです。紀北地域の高校生に対して、学校や学校の構成員である教師、進路指導の先生が知ることの権利を阻害している状況ではと感じております。改めて各学校を指導してまいりますとの御答弁でありましたが、当然、学校の構成員である教師にもその指導が及ぶことと理解したいと思います。
 最後の質問に参ります。
 昨年2月議会に引き続き、県道日置川大塔線の改修について質問いたします。
 昨年の2月議会当時の野尻県土整備部長より、「県としましては、内陸部骨格道路として川筋ネットワーク道路を重点的に整備しておりますが、これが平成29年度に概成するため、今後、それに続く重点的に整備する路線の検討を行う必要があると考えてございます。 そのような中、当該路線につきましても、その検討に資する準備として、高速道路供用後の交通状況を把握するとともに、地域の課題などを踏まえて、広域的なネットワークの中での位置づけやその果たす役割などの検討を進めてまいります」と、私にとりましても、日置川流域の住民の皆様にとりましても、大変前向きな御答弁をいただきました。
 私の国語力、読解力では、日置川大塔線については未整備区間が多いのは事実であり、現川筋ネットワークが概成する29年に引き続き、優先的に次期川筋ネットワークに組み入れるよう検討を進めてまいりますとも受け取れる御答弁をいただいたと理解しております。
 その答弁を受け、日置川流域住民、各種団体の皆様の日置川大塔線改修に対する機運が高まり、昨年10月末に白浜町当局の格段の御配慮により県道日置川大塔線改修促進協議会が発足し、本日、同促進協議会の皆様が議会傍聴にも来られております。
 この路線は、昨年2月議会でも質問させていただきましたが、約50年余り要望してきました県道白浜久木線に接続し、おかげさまで、県、国の格段の御配慮により白浜久木線は順調に工事が始まり、期待が高まっております。この工事が完成する暁には、少しでも当路線の交通難所が解消されていることを期待するものであります。
 特に、宇津木橋付近から玉伝口、玉伝口から市鹿野橋、市鹿野橋から小谷橋間が交通難所であり、この区間は豪雨出水時にはたびたび県道が冠水や山崩れで通行どめとなり、集落が一時孤立いたします。また、本年4月からは、上流の市鹿野地区から子供たちが学校の統廃合により、安居までこの難所区間をスクールバスで通学することとなります。通学路の安全対策は、緊急の課題であると思います。以前の質問でも述べさせていただいたとおり、以前は、通学途中の中学生が自転車もろとも日置川へ転落し、死亡するといった痛ましい事故もありました。
 観光で来られた方々が白浜海岸で遊び、完成した白浜久木線を通り、日置川川筋で清流日置川を楽しんでいただくことも、白浜町、日置川町合併以来の町民の悲願でもあります。
 このような状況を踏まえて、次期道路整備計画に格段の御配慮により組み入れていただくよう、強く要望する次第であります。
 昨年の2月議会より1年が経過いたしました。昨年の2月議会での私の質問は、たしか3月4日だったと記憶しております。丸1年が経過いたしました。その後、どのような検討がなされ、県当局では長期計画を策定し、これから10年間の道路整備について検討されていることと存じますが、この日置川大塔線についても、狭隘箇所の確認や周辺道路の整備状況などを調査され、それを踏まえて広域的なネットワークの中での位置づけや、その果たす役割を検討されたと思います。
 この日置川大塔線の道路網としての位置づけをどのように考えているか。早期改良に向けた整備方針とそのスケジュールについてお答えください。
○議長(浅井修一郎君) 県土整備部長森戸義貴君。
  〔森戸義貴君、登壇〕
○県土整備部長(森戸義貴君) 県道日置川大塔線の道路網としての位置づけ、今後の整備方針について御質問を頂戴いたしました。
 県道日置川大塔線は、沿道集落の住民の生活道路としてだけではなく、紀勢自動車道日置川インターチェンジを初め、これまで整備してきた県道上富田すさみ線や県道市鹿野鮎川線などと連絡していることから、災害時における国道311号の代替機能などを有する主要な路線であると考えてございます。
 一方、これまで沿道の主な集落から田辺市方面へつながる県道上富田すさみ線などを重点的に整備してきたことから、議員御指摘の宇津木橋から玉伝口間など未整備区間が多く残っている状況であることは認識してございます。
 現在、県では、白浜町内の矢田地内及び口ケ谷地内の狭隘区間において2車線整備を進めており、そのうち口ケ谷地内の0.3キロメートルにつきましては、今年度に完成する予定となっております。さらに、矢田地内についても、必要な用地の確保など地元の御協力を得ながら、早期に完成できるよう鋭意取り組んでまいります。
 また、残る未整備区間につきましては、地域の課題などについて、今後、県道日置川大塔線改修促進協議会を初めとする地元の御協力も得ながら、事業中箇所の整備に引き続き、交通の支障となる箇所の計画的な整備に取り組んでまいりたいと考えてございます。
○議長(浅井修一郎君) 秋月史成君。
  〔秋月史成君、登壇〕
○秋月史成君 災害時においては、国道311号線の代替道路で重要な役割を担う道路であると、明確に現在の御答弁で位置づけられました。ということは、この県道日置川大塔線は、今後、西牟婁郡内において計画的に整備する路線と位置づけられたわけでもあります。
 また、矢田地内の進捗を図り、早期完成できるよう鋭意取り組んでまいりますと力強い御答弁もありました。私の感覚では、矢田地内はあと数年で完成するのではと思っております。現在の事業区間のゴールも見えつつあります。
 宇津木橋から玉伝口などにつきましては未整備区間が多く残っている状況も認識していただいてるわけでもありますし、その区間におきましては、事業に着手できるよう準備が進み、整備の条件が整った暁には、タイミングを逃すことなく事業化していただきますよう強く要望いたします。
 これで、質問を終わらせていただきます。最後までおつき合いいただきまして、まことにありがとうございました。(拍手)
○議長(浅井修一郎君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で秋月史成君の質問が終了いたしました。

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