平成29年2月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(全文)


平成29年2月 和歌山県議会定例会会議録

第4号(全文)


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平成29年2月
和歌山県議会定例会会議録
第4号
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議事日程 第4号
 平成29年3月3日(金曜日)
 午前10時開議
 第1 議案第1号から議案第16号まで、議案第32号から議案第59号まで、議案第61号から議案第71号まで、
    議案第73号、議案第74号、議案第76号から議案第117号まで及び議案第119号から議案第126号まで(質疑)
 第2 一般質問
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会議に付した事件
 第1 議案第1号から議案第16号まで、議案第32号から議案第59号まで、議案第61号から議案第71号まで、
    議案第73号、議案第74号、議案第76号から議案第117号まで及び議案第119号から議案第126号まで(質疑)
 第2 一般質問
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出席議員(41人)
 1番 堀 龍雄
 2番 中西峰雄
 3番 森 礼子
 4番 立谷誠一
 5番 前芝雅嗣
 6番 浅井修一郎
 7番 井出益弘
 8番 宇治田栄蔵
 9番 秋月史成
 10番 川畑哲哉
 11番 泉 正徳
 12番 濱口太史
 14番 尾﨑太郎
 15番 尾崎要二
 16番 中村裕一
 17番 鈴木太雄
 18番 岩田弘彦
 19番 藤山将材
 20番 服部 一
 21番 冨安民浩
 22番 吉井和視
 23番 中本浩精
 24番 中 拓哉
 25番 山本茂博
 26番 岸本 健
 27番 谷 洋一
 28番 新島 雄
 29番 岩井弘次
 30番 多田純一
 31番 片桐章浩
 32番 藤本眞利子
 33番 浦口高典
 34番 山下直也
 35番 山田正彦
 36番 菅原博之
 37番 谷口和樹
 38番 奥村規子
 39番 雑賀光夫
 40番 松坂英樹
 41番 坂本 登
 42番 長坂隆司
欠席議員(1人)
 13番 花田健吉
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説明のため出席した者
 知事         仁坂吉伸
 副知事        下 宏
 知事室長       宮﨑 泉
 危機管理監      和歌哲也
 総務部長       浦上哲朗
 企画部長       髙瀨一郎
 環境生活部長     日吉康文
 福祉保健部長     幸前裕之
 商工観光労働部長   岡本圭剛
 農林水産部長     鎌塚拓夫
 県土整備部長     森戸義貴
 会計管理者      岩橋良晃
 教育長        宮下和己
 公安委員会委員長   大桑いく嗣
 警察本部長      宮沢忠孝
 人事委員会委員長   守屋駿二
 代表監査委員     江川和明
 選挙管理委員会委員長 上山義彦
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職務のため出席した事務局職員
 事務局長       上坊 晃
 次長         西原龍也
 議事課長       中谷政紀
 議事課副課長     浜野幸男
 議事課課長補佐兼議事班長
            長谷哲生
 議事課主任      保田良春
 議事課主任      岸裏真延
 議事課主査      浅田晃秀
 総務課長       糸川 徹
 政策調査課長     中口 匠
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  午前10時0分開議
○議長(浅井修一郎君) これより本日の会議を開きます。
 日程第1、議案第1号から議案第16号まで、議案第32号から議案第59号まで、議案第61号から議案第71号まで、議案第73号、議案第74号、議案第76号から議案第117号まで及び議案第119号から議案第126号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第2、一般質問を行います。
 9番秋月史成君。
  〔秋月史成君、登壇〕(拍手)
○秋月史成君 おはようございます。
 本日は、3月3日ひな祭りであります。先ほど、議席からひな壇の県当局の皆様を見ておりますと、娘の初節句を思い出しました。ひな人形を見ていますと、なぜかほほ笑んでしまいます。対面式演台からほほ笑みの出る前向きな御答弁をよろしくお願いいたします。
 それでは、議長の許可をいただきましたので、通告に従い一般質問させていただきます。
 「地方創生」、人口減や雇用減に苦しむ地方自治体の活性化を目指すため、第2次安倍内閣で使用された用語です。2014年9月、人口減や少子高齢化などに取り組むまち・ひと・しごと創生本部が設置され、内閣総理大臣を本部長とし、地方創生担当大臣と内閣官房長官を副本部長、ほかの全ての国務大臣を本部員とする組織で、初代地方創生担当大臣には石破茂衆議院議員が就任いたしました。
 2014年11月の国会で、まち・ひと・しごと創生法と地域再生法の一部を改正する法律の地方創生関連2法が可決、成立いたしました。また、地方の特産品の普及を促すふるさと名物応援制度を創設し、中小企業地域資源活用促進法の改正も検討されております。
 経済回復の恩恵が都市部に集中しがちなことから、東京一極集中を解消し、地方の人口減少に歯どめをかけるとともに、国全体の活力を上げようとする安倍政権の大きな政策の1つであります。全国一律ではなく、地域ごとの資源や特性を生かそうとさまざまな施策が、その後、各府県で取り組まれている次第であります。ここ和歌山でも例外ではなく、仁坂知事を先頭に県当局も日々御尽力いただいてるわけでありますし、地方創生といえば、多くの課題と多種多様な政策があることは承知しております。
 このような中、仁坂知事は、本県における人口の現状と人口減少がもたらす影響を県民と共有するとともに、目指すべき将来の方向を提示し、県を挙げて全力で取り組む決意を示すため、一昨年の6月、和歌山県長期人口ビジョンを策定し、2060年の人口を70万人程度とする目標を掲げたところであるため、和歌山県における地方創生の政策の軸は、やはり、人口減少を食いとめることであると思います。
 本定例会に提案されている長期総合計画においても、少子高齢化を初めとしてさまざまな施策を体系的に盛り込んでおられる中、私としては、その中で若者の人口流出を防ぐことが重要であると考えております。本県の人口の転入・転出の状況は、1954年以降、一時期を除いて転出超過の状況が続き、中でも15歳から29歳の若年層の転出が際立って多く、県外に進学先や職を求めている状況であり、本県の産業を担う労働力の確保としても大きな課題となっていますが、一方で、若者みずからの生き方の選択を無理強いするわけにもまいりません。
 そこで、知事にお聞きいたします。
 県内の若者の人口流出を防ぐための具体的な施策についてお答えください。
○議長(浅井修一郎君) ただいまの秋月史成君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 安定した社会を構築するためには、和歌山を支える担い手を将来にわたって確保していくことが必須でありまして、そのためには、子供を生み育てやすい環境をつくることと同じく、若者の県外流出に一定の歯どめをかけることは、議員御指摘のとおり極めて重要であると認識しております。
 若者の流出を防ぐためには、まず、元気を持続できるような和歌山を創造し、働く場所をふやすということが必要でございます。このため、経済活動の条件をよくするということで、道路など公共インフラの充実に引き続き力を入れるとともに、創業、第二創業の促進など産業政策にも力を入れ、あるいは積極的な企業誘致も行って、県内産業の競争力を高めていかなければならないと思います。
 また、防災、福祉、医療、教育など、生活の基礎となるサービスの充実にも取り組み、誰もが安全・安心かつ快適に暮らせる地域をつくっていくことで、和歌山に住んでいたら得だと、そういうふうに多くの人に思ってもらえるようにしないと、人は来てくれないというふうに思います。
 このような根本的な施策を進める一方で、若者が和歌山の魅力や和歌山での暮らしやすさはもちろんのこと、和歌山には自分が行っていいと思うような企業やさまざまな仕事があることを知らないまま県外に転出してしまうことのないよう、若者の成長段階に応じた切れ目のない施策を展開してまいりたいと考えております。
 具体的には、まず、小・中・高等学校を通じて郷土教育を徹底し、あわせて和歌山で働くことのよさを知ってもらうとともに、学校での地元企業説明会など、高等学校と企業が連携した取り組みを強化していってるわけでございます。
 次に、県内就職を促進するため、本県出身の県内外の学生全員に対して県内企業の求人情報を集中的に発信し、確実に本人に届けるとともに、インターンシップや就職フェアなど、県内企業との出会いの場を充実していきたいと思っております。
 加えて、一旦県外企業へ就職した県出身者についても、ふるさと和歌山の暮らしやすさや就職に関する情報を効果的に提供するとともに、県内企業と連携した就活サイクルを構築していって、それで、そろそろ和歌山へ帰ってもいいなと思うような人には、そういう機会を利用して帰ってきてもらう、そういうようなことを今後やっていきたいと思っております。
 また、大学生も県内で勉強できるようになれば、それにこしたことはないわけでございますんで、したがって、現在、県立医科大学薬学部を初め3大学が開学に向けての諸準備を進めているところで、こういうことも少しずつ効いてくるんじゃないかというふうに思います。
○議長(浅井修一郎君) 秋月史成君。
  〔秋月史成君、登壇〕
○秋月史成君 私としましては、知事と皆様に少しおわびしなくてはいけないことがございます。
 この春から、私の長男が大学を卒業し、県外の企業に就職し、人口流出を許してしまいました。4月から大学3年生となる娘には、大学卒業後、和歌山県に帰郷してもらい、県内就職、結婚、出産し、和歌山県の人口減少を食いとめるため、家内とがっちりタッグを組んで人口減少に努めるよう鋭意努力してまいりたいと考えております。
 次の質問に移ります。
 「水の国、わかやま。」キャンペーン。今年度、和歌山県が打ち出した観光キャンペーンです。私といたしましては、すばらしい着眼点であると感じております。水を見る、水が創る、聖なる水、水に寄り添う、水を活かす、水と遊ぶ、水を育む、7つの柱を設け、和歌山の観光特性を水と絡めて打ち出したキャンペーンです。
 その中で、私が打ち出したのは滝であります。ここ和歌山は、急峻な地形、そこから得られる豊富な水資源を有し、那智の滝を代表とするように、数々の滝を有する県でもあります。「水の国、わかやま。」キャンペーンホームページにも掲載されております。しかし、那智の滝に代表される和歌山県の滝が少し紹介されているだけで、少し物足りなさを感じます。
 私、実は無趣味な人間でしたが、数年前に私の学校の大先輩に誘われて滝修行に毎月行っておりました。私の中では宗教的な意味はなく、自分見詰めのため、滝に打たれ、みそぎを行い、心身の鍛錬を行っておりました。皆様にお配りした資料は、日高川水系の奧、旧美山村に所在いたします白馬の滝であります。酷寒の1月に打たれている画像であります。余り世間に周知されている滝ではありませんが、すばらしいロケーションだと思うのは私1人だけではないと思います。
 こういった世間に余り周知されていない滝が、和歌山県には、また紀南地方には数多く所在すると思っております。私たち和歌山県に住む者は、灯台もと暗しのことわざもあるとおり、見なれた風景のため地元の魅力を余り感じていないのが現状ではないでしょうか。見なれた風景こそ、他府県や世界から訪れる観光客にとりましても、最大の観光資源だと私は考えます。
 日常生活の中にある和歌山の滝をもっとクローズアップし、和歌山県内にある滝を滝マップなどを作成して、県内の周遊観光及びリピーター確保につなげる施策を打ち出してはいかがかと思います。来年度も引き続き行われる「水の国、わかやま。」キャンペーンを含め、滝を利用した観光施策について、商工観光労働部長にお尋ねいたします。
○議長(浅井修一郎君) 商工観光労働部長岡本圭剛君。
  〔岡本圭剛君、登壇〕
○商工観光労働部長(岡本圭剛君) 県内には、那智の大滝を初め多くの滝が点在しており、豊かな自然、絶景、癒やしを求める方々にとって大変魅力のあるスポットがございます。現在、本県の強みである自然を活用した「水の国、わかやま。」キャンペーンにおいて、新聞、雑誌、専用パンフレット、ウエブサイト、写真展等で滝についても紹介しているところでございます。
 県内の滝の中には、豊かな自然の中にあるがゆえ、道幅が狭かったり、案内板等がないと安全にたどり着くことができないなど、アクセス面での課題があるところもございます。そのような状況において、観光客にとって魅力にあふれ、安全で比較的行きやすい滝を厳選し、「水の国、わかやま。」のパンフレットやウエブの改訂に合わせ滝のコーナーを作成するなど、滝のすばらしさをさらに盛り込むことで、県内周遊はもちろん、リピーターの確保につなげてまいりたいと考えております。
○議長(浅井修一郎君) 秋月史成君。
  〔秋月史成君、登壇〕
○秋月史成君 部長の御答弁にもありましたように、アクセス面の課題や案内板等の課題もあろうかと思います。添付資料の白馬の滝も狭隘な道路、道路には小さな石がばらつく箇所も多く存在いたします。基礎自治体である市町と連携をし、和歌山県各所に点在する和歌山の滝を貴重な観光資源として活用していただく施策をお願いいたします。
 次の質問に移ります。
 大規模災害時における航空機の受援体制についてお尋ねいたします。
 本年1月10日から、先輩議員である谷議員、泉議員と林業振興、防災対策、漁業振興のテーマを設け、九州地方、大分県、熊本県、長崎県を3泊4日の日程で視察に行ってまいりました。防災対策では、熊本地震の被災地でもあります熊本県益城町を訪れ、被災地の復興状況を視察し、その後、熊本地震の際、災害派遣活動を行った陸上自衛隊西部方面航空隊、高遊原分屯地を訪問いたしました。
 高遊原分屯地では、分屯地広報室長の説明を受け、西部方面ヘリコプター隊・第3飛行隊、航空機の高段階整備を行う西部方面航空野整備隊の格納庫を訪れ、CH-47大型ヘリコプター等を視察、野整備隊では航空機の高段階整備の説明を受けました。
 ヘリコプター隊では、私の陸上自衛隊生徒時代の同期生であるCH-47の航空機操縦士、整備幹部にも同行してもらい、また野整備隊では、八尾駐屯地時代に一緒に勤務した整備隊先任陸曹、学校の後輩でもある整備隊長にも同行していただき、高段階整備における機材等の説明を詳細に受けてまいりました。道路網の整備がおくれている和歌山では、災害時には航空輸送力の必要性を改めて感じた次第であります。
 その後、熊本県防災航空隊に移動し、熊本地震における防災航空隊の活動について視察を行いました。熊本地震では、各府県から救出のため17都道府県、多い日で1日18機のヘリコプターが応援に駆けつけていただいたそうであります。
 前震が4月14日21時26分。本震が4月16日1時25分。4月15日から4月27日までの13日間で、対応機体計49機、ヘリベース駐機機体、1日最大16機、隊員延べ300人。多数の応援をいただいたそうであります。たまたまではありますが、防災航空隊の整備部長は、私が自衛隊時代に航空学校霞ヶ浦校や陸上自衛隊八尾駐屯地で一緒に働いた人でもありました。
 各府県の防災航空隊の機種は、私の調べた限りでは約6機種。和歌山県防災航空隊と同機種であるベル・ヘリコプター・テキストロン社製ベル412、川崎重工、メッサーシュミット・ベルコウ・ブローム社が共同開発したBK117、ユーロコプター社製AS365ドーファン、これもまたユーロコプター社製AS332シュペルピューマ、シコルスキー・エアクラフト社製S-76、アグスタ・ウェストランド社製AW139など、6機種ございます。
 その機種とも、航空機の能力、性能等が違う中、誰が指揮をとり、任務付与を行ったかお聞きしたところ、私の知人の整備部長は自衛隊で勤務し、民間航空会社で勤務した経験を持っていた偶然もあり、その各種航空機に関する知識と経験をヘリベースにおいて遺憾なく発揮し、また、県庁内でも航空機に精通していた職員の方が、これもまたたまたまおられたということもあり、緊密な連携のもと、不幸中の幸いで大きな失敗もなく、任務をこなされたということでありました。
 災害時に応援に駆けつける各府県防災航空隊の皆様は、言葉は悪いですが、緊急時に集まった寄せ集まりの部隊であります。各府県防災航空隊、ドクターヘリからもLOと呼ばれる連絡幹部が災害対策本部で調整を行い、任務付与を行うのが一般的だと思います。
 熊本では、ヘリベースとして滑走路を供用いたします熊本空港内の熊本県防災消防航空センター格納庫前のエプロンが駐機場となり、ヘリベースとなりました。
 和歌山県では、南紀白浜空港が各府県防災航空隊のヘリベースになると聞いております。旧南紀白浜空港が自衛隊機のヘリベースになることも聞いております。ここ和歌山では、関係機関の航空機の機種や特性が違う中、指揮や統制をどのように行うか、危機管理監にお尋ねいたします。
○議長(浅井修一郎君) 危機管理監和歌哲也君。
  〔和歌哲也君、登壇〕
○危機管理監(和歌哲也君) 南海トラフ地震などの大規模災害時には、自衛隊を初め全国の消防、警察など、多くの機関からの支援が必要となることから、本県では、広域からの応援に対応した和歌山県広域受援計画や、先駆的な取り組みとしてさまざまな機関による航空機支援に特化した和歌山県実働部隊航空部隊受援計画を整備するなど、あらかじめ受援体制を定めております。
 議員御指摘のとおり、災害時の航空機による応急対応は非常に重要であり、平成23年紀伊半島大水害の際には、9月4日から30日までの27日間で延べ273機、ピーク時には1日15機の航空機が活動いたしました。
 南海トラフ地震発生時には、航空機のさらなる応援が必要と考えており、これらの活動の統制や運航調整を円滑に行うため、県の災害対策本部総合統制室に、応急対策班活動調整グループ及びヘリ調整グループを設置するほか、ヘリベースとなる南紀白浜空港における活動調整体制の充実に取り組みました。
 また、これらの計画等が有効に機能するよう、津波災害対応実践訓練など、実災害の状況を想定した訓練において検証を行っているところであります。特に、平成26年10月の訓練では、在日米軍も含めた14機関34機にも及ぶ航空機が紀南地域を中心に展開し、実動機関が一堂に会した中で、報道機関等のヘリコプターを含めた統制、運航調整を行いましたが、円滑に対応することができました。
 県といたしましては、大規模災害時には自衛隊を初め、あらゆる関係機関に最大限の支援を要請し、その支援を迅速で確実な救助活動につなげてまいります。
○議長(浅井修一郎君) 秋月史成君。
  〔秋月史成君、登壇〕
○秋月史成君 危機管理監の御答弁をお聞かせいただき、安心いたしました。
 和歌山県広域受援計画、和歌山県実働部隊航空部隊受援計画が実際に生かされることのないよう願いたいものです。
 次の質問に参ります。
 昨年12月議会に、泉議員の選挙についての一般質問を議場で聞かせていただき、選挙教育についての重要性や投票所の問題、投票方法の問題を改めて認識した次第でありますが、昨年夏に行われた参議院選挙から選挙権年齢が18歳以上に引き下げられ、参議院選挙における若年層の投票率が新聞で報道されました。
 和歌山県選挙管理委員会では、投票権が18歳まで引き下げられて初めての国政選挙となった参議院選挙について、和歌山選挙区の18歳、19歳の投票率が41.81%と発表いたしました。私の選挙区である西牟婁郡は33.13%、お隣の東牟婁郡では28.85%と、特に低い状況となっております。
 選挙教育、投票方法などさまざまな問題はあるかとは思いますが、政治の現場に立つ私たち政治家にも大きな問題があるのではないかと、その責任を痛感してる次第であります。若い世代に政治を身近に感じてもらうことが重要と感じております。若い世代の身近な問題に耳を傾けることが重要と思っております。
 そこで、まだあどけなさの残る中学1年生の少年の陳情を紹介させていただきます。「おっちゃん、県会議員やなあ。少しお願いがあるんやけど」、私が「何、何」と聞き返すと「学校のトイレがいつ洋式になるんかなあ」、「中学校は町立やから上富田の小出町長に頼まなあかん問題やから、おっちゃん、県会議員やから県立の学校やったら力になれるかも」と少しはぐらかすと、少年は「和歌山の仁坂知事ってどんな人なん」、「県民のみんなの幸せを考えてくれるええ人やで」と私が答えると「じゃあ、仁坂知事さんにお願いして」と。「知事か。知事にお願いするのもええけど、その前に宮下教育長にお願いするほうがいいかもな」と。「宮下教育長ってどんな人」、「宮下教育長か。以前高校の校長先生していて、和歌山県の子供のことを一番に考えてくれるええ人やで」とまたまた私が答えますと「中学校は小出町長に頼むとしても、僕が高校に行ったときには、高校のトイレが洋式になるように宮下教育長にお願いしてほしいねん。クラスのみんなも望んでるねん」とのこと。「クラスのみんなの中で、トイレに行きたくても和式やから我慢している子が意外と多いねん」とのことでした。
 その後、私も少しほかの中学生、高校生と接触し、また冬休みに帰省した大学生の娘に聞いたところ、確かに、なれない和式トイレを嫌がり、我慢している生徒が多いとのことでした。私を初めとする議場におられる皆様が学生のころは、家庭、学校、公共施設でも和式トイレが一般的だったと思います。しかし、現在の子供は、生まれたときから家庭内でも洋式トイレが一般的となり、和式トイレの数が年々減少している傾向にあることは事実かと思います。そんな現在の子供たちが学校で和式トイレで用を足すのは少し困難であろうかと思うのは、私1人だけではないと思われます。
 少し調べましたところ、県立学校では約3割程度しか洋式化されておりません。7割が和式トイレということになります。現在の子供が使いづらい和式トイレがその大半を占めるといった現状であります。和歌山県の子供の学力水準を向上させるために、県教育委員会、各学校一丸となり、さまざまな取り組みをいただいてるわけではありますが、以前、宮下教育長は、早寝、早起き、朝御飯の重要性をこの議場でも述べられたことを記憶しております。
 朝御飯をきちんととると、当然トイレにも行きたくなることと思います。そのトイレ環境の整備を加速させ、推進することも和歌山県の子供の学力向上の一端を担うことになると私は考えますが、和歌山県の子供のことを一番考えていただいております宮下教育長、学校におけるトイレ整備について、どのようなお考えをお持ちになっているかをお答えください。
○議長(浅井修一郎君) 教育長宮下和己君。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 学校は、学習の場としてはもとより、子供の生活の場としても快適な環境であるべきであると考えてございます。よりよい環境を目指し、学校施設の整備に努めているところでございます。
 従来、学校のトイレは和式が中心でありましたが、近年、生活様式の変化から各家庭での洋式化が進んでおり、県立学校においても、障害のある生徒等に対応した多目的トイレの設置を初め、学校のニーズに応じて県立学校のトイレの洋式化に取り組んでまいりましたが、現在のところ、洋式化率は約3割程度となってございます。
 今後も、大規模改修などの機会を捉え、計画的にトイレの洋式化を進め、県立学校全体の洋式化率を引き上げてまいります。
○議長(浅井修一郎君) 秋月史成君。
  〔秋月史成君、登壇〕
○秋月史成君 大規模改修までトイレを我慢しなさいとも聞こえます。確かに、トイレ等の水回りの整備は、大きな予算がかかる場合もございます。しかし、我慢できるものと我慢できないものがあると思っております。トイレの洋式化に取り組んできた結果、現在3割程度。私といたしましては、努力の結果、約3割では低いなと感じております。少年の声を受け、政治が動き、行政がそれに応える、これが真の政治教育になることと私は考えますので、何とぞ加速化いただきますようよろしくお願いいたします。
 次の質問に参ります。
 高校生のバイク通学についてお聞きいたします。
 現在、和歌山県では、皆様も御承知のとおり、バイクの免許を取らせない、買わせない、運転させないの3ない運動を現在も堅持しております。生命の尊重を基礎にした交通安全教育の徹底、交通事故、交通違反多発の状況を憂慮し、昭和55年に教育長から各県立高等学校長宛てに通知した高等学校における運転免許にかかわる指導、高等学校生徒運転免許取得指導要綱が示され、全面禁止とは言えませんが、ほぼ県内高等学校生徒のバイク通学が禁止となりました。
 当時の社会背景を思い出しますと、たび重なる交通事故、交通違反の防止、さらには暴走行為等の非行防止に万全を期するためのものだったかと思います。しかし、現在は少し当時の状況とは違ってきているのではないかと私は考えます。
 最大の理由は、人口減少における公共交通機関の廃止、減便です。私の住みます西牟婁郡内では、平成28年3月末、県立南紀高等学校周参見分校が閉校となり、郡内ではとうとう県立熊野高等学校のみとなりました。同校の通学生徒の範囲は大変広く、郡内はもとより、近隣の田辺市周辺からも多く通学しております。また、西牟婁郡内の高校生は、田辺市に所在いたします田辺市内の県立高校に通学している現状があります。現在の高校生は、通学には徒歩、自転車か公共交通機関に頼らざるを得ません。
 学校の近隣の生徒なら、徒歩や自転車でも通学できます。しかし、山あり谷ありの当地方の場合、幾ら距離が近くとも峠道を自転車で通うのは大変かと思います。一部の御家庭では保護者が送迎しているケースもありますが、共働き家庭が多い現在、保護者に負担をかけたくないと思う子供は自転車に乗り、雨の降る日も風の強い日も自転車で、夜道は街路灯の少ない通学路を通学しております。特に女子生徒の場合は、田舎とはいえ、親としてかなり別の心配をいたします。
 そんな中、平成26年12月15日の群馬県議会で、三ない運動を見直す内容の決議と条例が可決されました。高校生にバイクを運転させるのは危険だと強い反発も予想されます。しかし、公共交通機関の廃止、減便が進むと、高校生の通学手段を確保するのは困難となります。また、先ほどにも述べたとおり、クラブ活動や学習塾、さまざまな習い事で帰宅が遅くなることもしばしばあります。街路灯の少ない夜道を自転車で通学する女子生徒を持つ保護者にとって、不安は募ります。娘を持つ私も同じ思いでした。
 法律では、16歳から原動機付自転車の運転免許を取得できます。法律では認めていながら片方では原則禁止。公共交通手段が確保できない当地域の場合、そろそろ見直す時期が来ているのではないかと思います。バイクに乗らせるのは危険な場合もあるとは思います。しかし、我が国日本は、自由主義を掲げる国家です。自由主義を掲げる以上、当然、自己責任も負うものと私は考えます。
 学力が低いのも、体力や運動能力、社会倫理が低いのも、全て学校や県教育委員会の責任とするなど、自分より他のものに責任を転嫁する傾向に、私はいささか違和感を感じております。県教育委員会の高校生のバイク通学についてのお考えをお尋ねいたします。
○議長(浅井修一郎君) 教育長。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 県内の高校生のバイク通学につきましては、これまで高校生の自動二輪車による交通事故に対する防止策として、3プラス1ない運動が和歌山県高等学校PTA連合会の総会で決議されてきてございます。県教育委員会といたしましても、生徒の命と安全を守るという教育的観点からこの運動を推奨し、原則として運転免許取得と単車等による通学の禁止は必要であると考えてございます。
 しかし、各学校においては、遠距離通学生で他に交通機関がない場合や、著しく交通の便が悪い場合、また学校長が教育的、経済的な観点から必要と認める場合など、許可基準を設けており、各学校では生徒の状況を十分把握し、保護者の交通安全の理解を得た上で対応してございます。
 しかし、議員御指摘のように、将来、通学に係る公共交通機関の廃止、減便等による環境の変化がある場合は、生徒や地域の実情に応じて、今後柔軟に対応する必要があると考えてございます。
○議長(浅井修一郎君) 秋月史成君。
  〔秋月史成君、登壇〕
○秋月史成君 今後、先ほど1問目の質問にもありましたように、人口が減少するのは間違いないと思います。それに伴う公共交通機関の廃止、減便を防ぐのは難しいことと思います。今後の課題としてお考えください。
 次の質問に参ります。
 私は、皆様も御存じのとおり、元陸上自衛官であります。陸上自衛隊において、ある程度将来を約束された状況にありましたが、家業を継ぐため郷里和歌山に帰郷し、現在に至ります。
 陸上自衛隊を退職して、すぐに当時の自衛隊和歌山地方連絡部、現在の自衛隊和歌山地方協力本部の募集事務所広報官に頼まれ、上富田町長の委嘱を受け、自衛隊募集相談員の職を現在も拝命しております。募集事務所の広報官と連携を密にし、募集情報の収集や入隊希望者の情報を広報官に伝えたり、時には広報官に成りかわり、自衛隊や自衛官の職務の概要を説明したりもいたします。
 現在の自衛隊の支持率は、世論調査では9割を超える支持率を誇っております。国民の皆様から、国の機関の中で最も支持、信頼を受ける機関となっております。私が現職の自衛官のころは、今ほど高い支持率を有してはおりませんでした。元自衛官として大変喜ばしく、誇りにさえ思います。
 しかしながら、私のころからもそうでしたが、自衛官の募集業務においては現在も困難な状況にあります。それは、募集事務所広報官が県内学校に、自衛隊の防衛大学校、防衛医科大学校等の各種学校、航空自衛隊、海上自衛隊の航空操縦要員を養成する航空学生、自衛官候補生等の各種課程について、説明会を生徒向けに開きたい旨を学校に御挨拶を兼ねて申し出ても、進路指導の先生の抵抗に遭い、説明会を余り開けてない状況にあるとよく耳にいたします。
 和歌山県内の私立の高等学校では、防衛大学校等の各種学校の説明会がほとんどの学校で開けております。私学の学校が説明会を開けて、どうして公立学校が余り開けないか不思議でなりません。自衛隊は違憲だと唱える、また、教え子を戦場に送るなと、一部教師のイデオロギーが先行しているのではと思われても仕方ないかもしれません。
 自衛隊関連だけが余り学校で開けてない状況があります。どの公立学校でも、自衛隊の各種学校、課程の説明会が開けて当然だと考えますが、県教育長のお考えをお答えください。
○議長(浅井修一郎君) 教育長。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 自衛隊や防衛大学校等につきましては、進路先として考えている生徒が一定数在籍している場合、募集事務所広報官による説明会を実施している学校がございます。一方、学校行事等の関係で日程がとれない、あるいは、希望する生徒がいないなどの理由で説明会を実施していない学校もございます。しかし、説明会の有無にかかわらず、進路先として考えている生徒には、全て広報官との連携を密にし、個別に対応してございます。
 高校生にさまざまな機会を通して進学先や就職先の情報を提供することは、自己の目的や適性に応じた進路を考えさせる上で大切でございます。自衛隊の各種学校、課程につきましても、他の進路先と同様、仕事の内容や勤務の条件、また各校の学習内容等がわかる情報の提供に努めるよう、改めて各学校を指導してまいります。
○議長(浅井修一郎君) 秋月史成君。
  〔秋月史成君、登壇〕
○秋月史成君 高校における進路指導について、みずからの体験、また友人、知人からの話で私は不満を持っております。生徒自身の希望、保護者の希望より、進路指導の先生の意向が強い場合がございます。全ての進路指導の先生でないと思います。ほんの一部だけだと思います。
 自衛隊の各種学校、課程の説明会が開催されていないのは、紀南地域より紀北地域に偏在しているのが現状でございます。希望者に対する校内での説明会を不可とする学校も、紀北地域がその大半を占めます。ポスター掲示さえ不可とする学校も紀北地域がほとんどです。紀北地域の高校生に対して、学校や学校の構成員である教師、進路指導の先生が知ることの権利を阻害している状況ではと感じております。改めて各学校を指導してまいりますとの御答弁でありましたが、当然、学校の構成員である教師にもその指導が及ぶことと理解したいと思います。
 最後の質問に参ります。
 昨年2月議会に引き続き、県道日置川大塔線の改修について質問いたします。
 昨年の2月議会当時の野尻県土整備部長より、「県としましては、内陸部骨格道路として川筋ネットワーク道路を重点的に整備しておりますが、これが平成29年度に概成するため、今後、それに続く重点的に整備する路線の検討を行う必要があると考えてございます。 そのような中、当該路線につきましても、その検討に資する準備として、高速道路供用後の交通状況を把握するとともに、地域の課題などを踏まえて、広域的なネットワークの中での位置づけやその果たす役割などの検討を進めてまいります」と、私にとりましても、日置川流域の住民の皆様にとりましても、大変前向きな御答弁をいただきました。
 私の国語力、読解力では、日置川大塔線については未整備区間が多いのは事実であり、現川筋ネットワークが概成する29年に引き続き、優先的に次期川筋ネットワークに組み入れるよう検討を進めてまいりますとも受け取れる御答弁をいただいたと理解しております。
 その答弁を受け、日置川流域住民、各種団体の皆様の日置川大塔線改修に対する機運が高まり、昨年10月末に白浜町当局の格段の御配慮により県道日置川大塔線改修促進協議会が発足し、本日、同促進協議会の皆様が議会傍聴にも来られております。
 この路線は、昨年2月議会でも質問させていただきましたが、約50年余り要望してきました県道白浜久木線に接続し、おかげさまで、県、国の格段の御配慮により白浜久木線は順調に工事が始まり、期待が高まっております。この工事が完成する暁には、少しでも当路線の交通難所が解消されていることを期待するものであります。
 特に、宇津木橋付近から玉伝口、玉伝口から市鹿野橋、市鹿野橋から小谷橋間が交通難所であり、この区間は豪雨出水時にはたびたび県道が冠水や山崩れで通行どめとなり、集落が一時孤立いたします。また、本年4月からは、上流の市鹿野地区から子供たちが学校の統廃合により、安居までこの難所区間をスクールバスで通学することとなります。通学路の安全対策は、緊急の課題であると思います。以前の質問でも述べさせていただいたとおり、以前は、通学途中の中学生が自転車もろとも日置川へ転落し、死亡するといった痛ましい事故もありました。
 観光で来られた方々が白浜海岸で遊び、完成した白浜久木線を通り、日置川川筋で清流日置川を楽しんでいただくことも、白浜町、日置川町合併以来の町民の悲願でもあります。
 このような状況を踏まえて、次期道路整備計画に格段の御配慮により組み入れていただくよう、強く要望する次第であります。
 昨年の2月議会より1年が経過いたしました。昨年の2月議会での私の質問は、たしか3月4日だったと記憶しております。丸1年が経過いたしました。その後、どのような検討がなされ、県当局では長期計画を策定し、これから10年間の道路整備について検討されていることと存じますが、この日置川大塔線についても、狭隘箇所の確認や周辺道路の整備状況などを調査され、それを踏まえて広域的なネットワークの中での位置づけや、その果たす役割を検討されたと思います。
 この日置川大塔線の道路網としての位置づけをどのように考えているか。早期改良に向けた整備方針とそのスケジュールについてお答えください。
○議長(浅井修一郎君) 県土整備部長森戸義貴君。
  〔森戸義貴君、登壇〕
○県土整備部長(森戸義貴君) 県道日置川大塔線の道路網としての位置づけ、今後の整備方針について御質問を頂戴いたしました。
 県道日置川大塔線は、沿道集落の住民の生活道路としてだけではなく、紀勢自動車道日置川インターチェンジを初め、これまで整備してきた県道上富田すさみ線や県道市鹿野鮎川線などと連絡していることから、災害時における国道311号の代替機能などを有する主要な路線であると考えてございます。
 一方、これまで沿道の主な集落から田辺市方面へつながる県道上富田すさみ線などを重点的に整備してきたことから、議員御指摘の宇津木橋から玉伝口間など未整備区間が多く残っている状況であることは認識してございます。
 現在、県では、白浜町内の矢田地内及び口ケ谷地内の狭隘区間において2車線整備を進めており、そのうち口ケ谷地内の0.3キロメートルにつきましては、今年度に完成する予定となっております。さらに、矢田地内についても、必要な用地の確保など地元の御協力を得ながら、早期に完成できるよう鋭意取り組んでまいります。
 また、残る未整備区間につきましては、地域の課題などについて、今後、県道日置川大塔線改修促進協議会を初めとする地元の御協力も得ながら、事業中箇所の整備に引き続き、交通の支障となる箇所の計画的な整備に取り組んでまいりたいと考えてございます。
○議長(浅井修一郎君) 秋月史成君。
  〔秋月史成君、登壇〕
○秋月史成君 災害時においては、国道311号線の代替道路で重要な役割を担う道路であると、明確に現在の御答弁で位置づけられました。ということは、この県道日置川大塔線は、今後、西牟婁郡内において計画的に整備する路線と位置づけられたわけでもあります。
 また、矢田地内の進捗を図り、早期完成できるよう鋭意取り組んでまいりますと力強い御答弁もありました。私の感覚では、矢田地内はあと数年で完成するのではと思っております。現在の事業区間のゴールも見えつつあります。
 宇津木橋から玉伝口などにつきましては未整備区間が多く残っている状況も認識していただいてるわけでもありますし、その区間におきましては、事業に着手できるよう準備が進み、整備の条件が整った暁には、タイミングを逃すことなく事業化していただきますよう強く要望いたします。
 これで、質問を終わらせていただきます。最後までおつき合いいただきまして、まことにありがとうございました。(拍手)
○議長(浅井修一郎君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で秋月史成君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 33番浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕(拍手)
○浦口高典君 議長のお許しを得て、通告に従い質問いたしますが、その前に報告と要望をさせていただきます。
 まずは報告から。それは既に御存じの方もいらっしゃると思いますが、お手元の資料の「和歌山の猛牛」という文章についてであります。
 これは、昨年12月5日に「日本経済新聞」の「交遊抄」というコーナーに載ったコラムです。私ごとで大変恐縮ですが、この文章の主役は私であり、筆者は日本のビール業界最大手のアサヒビール株式会社・平野伸一社長であります。念のために、前段だけを読ましていただきます。
 「1975年春、早稲田大学に入学し日本拳法部の門をたたいた。そこで出会ったのが、今は和歌山県議を務める浦口高典さんだ。学年は1つ上だったが同期のように気安く接してくれた。毎日猛練習で汗を流し同じ釜の飯を食う、まさに苦楽を共にした仲間だ。 高校時代は相撲部主将で、最軽量ながら県大会上位に食い込んだという。大柄ではないし技が切れるわけでもないが、前に出る突進力はずばぬけていた。いつからか『和歌山の猛牛』というあだ名が付いた」ということで、百田尚樹さんの小説「海賊とよばれた男」風に言いますと、実は私、猛牛と呼ばれた男なんです。
 ただ、これだけを読んでいると青春のいい思い出で終わってしまうのですが、余談ですが、学生時代、私も平野氏も教育学部でしたが、日本の教育はどうあるべきかなどという高尚な話は一度もしたことはありませんし、ましてや政治や経済の話など全く無縁で、いかに相手を殴り、蹴り、そして倒すか、そんなことばかりを真剣になって語り合った青春の日々でした。
 それはともかくとして、この文章を見てふと思い出したのですが、今でこそビール業界のトップを走るアサヒビールですが、平野氏が入社した今から約38年前の昭和54年当時は、ビール業界は、3分の2近いシェアを持つガリバーと言われたキリンビールの天下であり、続いてサッポロビール、そして4位のサントリービールに極めて近い業界3位のアサヒビールでした。正直、先輩として、また親しい友人として平野氏に「おい、おまえ、そんな会社で大丈夫か」と冗談とも本気ともつかないことを何度も言ったことを今でも覚えております。しかし、彼は「いや、僕がこの会社を必ずビール業界でトップにします」という強い信念を持ち、当時、特に関東では余り売れていなかったアサヒビールの営業マンとして、必死に小売店や飲食店を回り、誰よりも粘り強く新規開拓をしていったようであり、まさに彼こそ猛牛であったと思います。
 そして、入社して8年後、スーパードライが大ヒットして破竹の勢いで業界のトップに駆け上がっていったわけでありますが、スーパードライが売れ出したころ、東京・高円寺のスナックで平野氏より、「浦口さん、なぜスーパードライが売れるかわかりますか」と聞かれ、「そんなんわかるわけないやろ」と答えると、延々とその売れる理由について平野氏の独演会が始まり、私はただただぽかんと2時間ほど聞いておりました。
 その彼の姿をこの文章を読んで思い出し、もちろん彼一人の力で業界トップになったわけではありませんが、いま一度、自分が政策の一丁目一番地に掲げている「健康長寿日本一わかやま」を本気で実現するように努力しなければならないと決意を新たにすると同時に、知事初め県議会の同僚、先輩方、さらに県職員の皆さん方の御協力を改めてお願いする次第でございます。
 次に、要望であります。人口激減・超高齢先進和歌山県の現状認識と鉄道を活用した人口減少対策について、まず申し上げたいことがございます。
 平成22年から平成27年までの人口減少率について、昨年9月議会では、速報値では和歌山県はマイナス3.83%、全国で6位と申し上げましたが、このたび確定値が出まして、それによりますとマイナス3.85%で、速報値段階では全国5位であった山形県を抜き、我が和歌山県は、秋田県、福島県、青森県の東北3県、そして四国の南端・高知県に次いで人口減少率が全国で5位になりました。
 次に、お手元の資料2をごらんください。
 左の人口ピラミッドは、平成27年の国勢調査による日本、全国の人口ピラミッドであり、右側の左上は和歌山県、その右が和歌山市、そして、左は以前御紹介いたしました日本創成会議が発表した2040年に消滅可能性の高い市部では、左が新宮市、さらに右が町村部で紀美野町の人口ピラミッドであります。もちろん単位は違いますが、全国の人口ピラミッドを基準に、各年齢層の比較をしやすいように同じ割合の大きさと、特に団塊の世代、団塊のジュニア世代、さらに団塊の孫世代に焦点を当ててまとめました。
 ここで、全国と和歌山県の人口ピラミッドを比べて驚くべきことがあります。それは、両方ともこの時点で66歳から68歳の団塊の世代は他の世代に比べて多いのですが、団塊のジュニア世代と呼ばれる41歳から43歳までの世代が和歌山県は少ないことが見てとれます。詳しくは、全国で団塊の世代を男女とも100%とすると、団塊ジュニア世代は、男性は97.4%、女性は89.3%に対し、やはり和歌山県で団塊の世代を男女とも100%とすると、団塊ジュニア世代は、男性は78.6%、女性は73.2%と、男性で18.8ポイント、女性で16.1ポイントも低い割合になります。「そらそうや。和歌山県では、県内の高校を卒業後、他府県の大学、短大へ進学する割合は29年間日本一高いし、和歌山へ帰ってきても働く場が少ないから、結局、若い世代が県外に出ていくんや」と言ってしまうのは簡単な話ですが、活力ある若い世代がさらに少ない社会が容易に想像でき、そら恐ろしい将来がもうそこにまで来ております。
 そして、県が平成27年6月に策定した和歌山県長期人口ビジョンでは、平成27年の人口を96万8000人と見込んでいましたが、実際の国勢調査人口では4000人以上下回る96万3579人になっております。人口激減・超高齢先進和歌山県と毎回私が訴えておりますが、これらの人口ピラミッドを見れば明らかなように、決してオーバーな表現ではなく、現状と将来を見据えて言っているのであります。これは、右側下の新宮市と紀美野町の10年後、20年後を少し想像していただいただけでも、容易に浮かんでくる言葉であると思います。
 ちなみに、団塊の世代の孫世代の15歳から17歳の年代は、全国的に見て他の年代より突出して多くはないのですが、和歌山県、和歌山市、新宮市、紀美野町ともそれなりに多いのもこの人口ピラミッドでわかります。しかし、この世代が高校を卒業して多くが県外に出ていってしまうことも、先ほど述べたとおりであります。
 そして、この人口ピラミッドではわかりませんが、仁坂知事が平成18年の初当選後、数年間、誇らしげに語っていた、和歌山県は人口減少が続く中でも人口の社会減が年々少なくなってきているということでありましたけれども、平成23年を境に、また毎年社会減が徐々にふえてきております。まず、皆様方にこれらのことをしっかり御認識をいただきたいと存じます。
 では、どのような方策で人口減少を抑えていくのか。以前から私が訴えてるように、鉄道の活用はその1つであると考えます。
 先日、ある会合でJR西日本の和歌山支社長の伊藤さんと初めてお会いをして、名刺交換をするなり、私のほうから「支社長、私、県議会で以前から、和歌山に若者を呼び戻すために阪和35分通勤快速を強く訴え続けております。ぜひお願いしたい」と強い口調で切り出したところ、支社長は少し驚いた様子でしたが、「実は和歌山の方から、よくその話をされるんですよ」と少々困惑ぎみに答えられました。その場ではそれ以上深い話になりませんでしたが、翌日アポなしでJR西日本和歌山支社を訪ねたところ、支社長が不在でしたので、私の訴えを載せた私自身の県政報告を広報担当者にお渡しし、くれぐれも伊藤支社長によろしくお伝えくださいと言って帰ってまいりました。
 実は、この阪和35分通勤快速については、平成25年9月議会で、私が、神戸や滋賀の大津から通勤で大阪に通うことを考えれば、余りにも和歌山から大阪への通勤時間が長過ぎる。もっとこの時間を短縮するようにJR西日本に働きかけるべきではないかということを質問したところ、当時の野田企画部長から、それをするには阪和線内を運行する列車の本数を極端に減らすなどの対策が必要であり、利用者の利便性を損なうことから現実的には困難ということでありました。実際に調べてみますと、現在でも平日朝の通勤時間帯で和歌山発が6時台で11本、7時台で8本、8時台で8本と多い上に片側単線であり、これにプラスして日根野と鳳からこの時間帯で1時間に約10本、天王寺方面行きが加わることで、超過密であるということが理解できました。
 そこで、視点を変えて、これは同じく平成26年9月議会から私が訴えているJR和歌山駅のターミナル駅としての機能強化と、そのことによって、より集客力を高め、都市の再活性化を図るという政策提案、つまりJR和歌山駅中心コンパクトシティーとも関連いたしておりますが、市駅からなんばへ行く南海本線をJR和歌山駅へ乗り入れてもらい、鉄道事業者であるJR西日本と南海電鉄の大阪への時間短縮を図ってもらおうとの発想のもと、南海本線のJR和歌山駅乗り入れを提案したところ、野田企画部長は積極的に取り組むと断言されました。
 その後、平成27年9月議会、また昨年の9月議会でも、この南海本線のJR和歌山駅乗り入れの積極的な取り組みについてただしたところ、事業を実施するためには莫大な投資が必要とのことで、検討を重ねるとさまざまな課題が明らかになってくることは理解はできますけれども、取り組みそのものが積極的から消極的に、どうも後ろ向きになったような感じが否めませんでした。
 さて、昨年10月29日、11月9日、11月17日に「読売新聞」、本年1月27日、やはり「読売新聞」と「朝日新聞」、さらに2月9日「毎日新聞」と、私の知る限り6回記事になっておりましたので皆さんもごらんになった方もいらっしゃると思うんですが、鉄道の世界では幻の新線と言われた大阪都心を南北に貫く鉄道新線・なにわ筋線の建設に向けた本格協議が、現在、運行主体となるJR西日本、南海電鉄、そして大阪府、大阪市の4者で進められているそうであります。これがその記事であります。(新聞を示す)これは30年近く前に構想が浮上したそうですが、巨額の建設費がネックになり議論が停滞していた状況であったものを、訪日外国人の急増を受けて一気に機運が高まったということであります。
 その中の記事によりますと、吉村大阪市長の見通しでは、完成は2030年ごろ、整備費用は総額で4000億円前後に上るとのことですが、これができれば、現在大阪・梅田から関空まで約1時間かかっているところを40分以下に短縮できるという大型プロジェクトであります。もちろん、私が訴えている南海本線のJR和歌山駅乗り入れとは条件が異なりますが、なにわ筋線の何十分の1かでそれはできるのではないかと、鉄道に素人の私でも容易に想像ができます。
 話は少し変わりますが、平成6年に関西新国際空港が開港するときには、どうせ和歌山県は扇風機の裏側になって大きな利益につながらんやろうと、ちまたではよく聞かれたものです。事実、JRでは関空から天王寺までの間、また南海電鉄は関空からなんばまでの間はいずれも直通ですが、和歌山から関空に行くには、JR、南海本線とも日根野あるいは泉佐野で乗りかえが必要であるということは、もう皆さんよく御存じのとおりであります。
 また、先ほども申しましたとおり、通勤時間帯では、関空からの便が阪和線でも南海本線でも何本か入り、和歌山から大阪までの通勤時間が長くなり、我々和歌山県民にとってはまさに扇風機の裏側に甘んじなければならない、そういった結果になっております。
 平成15年に私が初登壇したとき、当時から既に人口減少を起こしていた和歌山県とは逆に人口が増加していた滋賀県との人口推移と将来の人口推計をグラフを使って説明をいたしました。当時の私の県政報告の中に「人口激減、どうする和歌山」ということで、平成15年に書かれたものがありますが、その当時、これちょっと細かいんで、パネルだったらいいんですが、(現物を示す)滋賀県と和歌山県の人口推計、まさにこのとおりになってきています。まさにこのとおりになってきてますし、この平成12年当時よりも今和歌山県は──この当時、平成12年から見ると、15年後、この27年には和歌山県の人口は100万人ぐらいと言われたんですが、今はもう既に先ほども言いましたように96万余りであります。
 人口が増加していたその滋賀県との人口推移と将来人口推計をグラフを使って今説明しましたけれども、ちなみに1955年に和歌山県が人口100万人を超えたとき、滋賀県は85万人でした。そういったことから、この説明をさしていただいたことがあります。
 これを改めて、高速鉄道の導入、すなわち大阪からの鉄道の所要時間の短縮という視点で国勢調査人口を比較して見ますと、滋賀県に新快速が乗り入れたのは1971年、草津までで、1970年の滋賀県の人口は88万9768人、草津の先の彦根まで朝夕新快速を延長した1985年は115万5844人、1988年に米原まで、1991年に長浜へと延長した後の1995年は128万7005人、2006年に福井県敦賀まで延長し、東海道本線だけではなく、北陸本線、湖西線を含む滋賀県全域を新快速が走るようになった2010年には141万777人、2015年は141万2916人で、1970年から45年間で52万3148人増加しております。これは和歌山県ではありません。滋賀県です。
 一方、我が和歌山県の国勢調査人口は、1985年の108万7206人をピークに減少し、一昨年の2015年は96万3579人で、わずか30年間で滋賀県とは逆に12万3627人減少、さらにこれから、今までの2倍から2.5倍のスピードで人口減少が起こると言われております。
 もちろん滋賀県とは立地条件が違います。例えば、和歌山県に比べて滋賀県は国土軸上にあるということもあるでしょうが、そのようなことは当時からわかっていたことでありますし、やはり人口を減少させてしまったということは厳然たる事実であります。だからこそ、阪和35分通勤快速で和歌山に若者を呼び戻すのです。
 今回、詳しくは申し上げませんが、鉄道のことをよく知る人からお話を伺うと、和歌山─天王寺間をいきなり35分は無理でも、ダイヤの組み方によっては徐々に短くすることも可能であるということをお聞きしました。そんなこと言っても、皆さんは本当にそんなことできるかと思われるかもしれません。私は断言します。これ、できます。いろいろ当たってみますと、先ほど言いましたように35分はいきなりは無理でも、徐々に短くしていくことはできます。それに合わせて若い人たちが和歌山に帰ってくる可能性が十分ふえると私は確信をしておりますし、このままではもっと大きな人口減少が起きるであろうことは容易に想像できるから、私ここまで言い切ってるわけであります。
 最終目標の阪和35分通勤快速は、これが本当に実現すると大阪の通勤圏が県内に広がり、以前から申し上げてるとおり、JR和歌山駅周辺や和歌山市だけではなく、和歌山県北部一帯が大きく活性化します。紀南の若い人たちも県外に出ることなく、和歌山市及びその周辺に今まで以上に定住できる可能性が広がっていることを確信しております。
 和歌山県の鉄道の今後を語ることは、輝く子供たちの将来、また活力あふれる県の未来を語ることであると、私は確信しております。先ほども申し上げましたとおり、いきなり35分にせえとは言いません。段階を踏んで所要時間を短縮することによって、また、積極的に取り組むと県当局がこの壇上でお約束をされた南海本線のJR和歌山駅への乗り入れについても、真剣に進めていただくことを強く要望しておきます。(「質問せえよ」と呼ぶ者あり)それでは、これから質問をさせていただきます。
 私の政策の一丁目一番地、健康長寿日本一わかやまについてであります。
 1番目、ラジオ体操指導者324人の現在の活動と今後について。
 それでは次に、この健康長寿日本一わかやまについては、県議会の一般質問を初めさまざまな議会に私がその実現を強く訴えてまいりました。後ほど詳しく述べますが、今議会に上程されております新長期総合計画の中には、この健康長寿日本一わかやまが以前にも増してしっかりと位置づけられておりますし、平成29年度の新政策には、この施策を実現するための新しい事業「みんなで実践!健康づくり運動ポイント事業」が提案されております。私の長年の願いがようやく実を結んできていることは大変喜ばしいことでありますし、また、今後の取り組みについて大いに期待をしているところであります。
 それでは、本題でありますが、ラジオ体操の指導者についてであります。
 先日、和歌山市内の公民館で定期的に行われている健康体操教室を見学させていただきました。参加者は20数人で、うち男性は1人だけ。年齢は60代後半から70代。中には80代を超えるような方もいらっしゃいましたが、皆さん積極的にいろいろな運動に取り組まれていて、大変頼もしく感じました。終わってから、70代半ばの知り合いの御婦人から、「高典さん、私ら元気やのに高い介護保険料を払っているんやけど、何とか安ならんのか」と問いかけられました。介護保険料は、御存じのとおり市町村単位ですので、一度調べてみますと言って、翌日、和歌山市役所の介護保険課に行き、もらってきたのが、資料3の左であります。ごらんください。
 この表は平成27年当初のもので、わかりやすいように月額であらわしていますが、これはあくまで基準額ですので、実際にはこの額よりかなり高い額になることもあります。少し小さい表ですが、和歌山市の実際の年間保険料額をそちらに示しておきました。基準額は、この表の第5段階に当たります。見てのとおり、和歌山市は全国の中核市の中でトップ──中核市というのは人口20万人以上のとこなんですが──県下の順位を見ますと、その和歌山市より高いのが紀美野町、かつらぎ町、海南市ということになります。
 市の担当者に「この介護保険料、何とか安くなりませんか」と聞くと、「余り大きな声では言えませんが、今後は上がることはあっても下がることはないでしょう」と断言されておりました。それはそうでしょう。毎回言っているとおり、これから本格的な超高齢社会に入り、しかも先ほど申し上げましたとおり、それを支える青年や壮年層が全国的に見ても少ないわけですから、今後かなり大幅に上がる可能性があることは、制度が変わらない以上、誰にでも理解できることだと思います。
 平成26年度の和歌山県における65歳以上の要介護認定率は、いよいよ全国第1位の22.1%になり、最下位になったことは昨年の9月議会でも述べたとおりであります。一方、要介護認定率が一番低い埼玉県が14.1%ですから、ちょうど8ポイント和歌山県が高いということになります。もし、単純に和歌山県を埼玉県のレベルまで要介護認定率を下げると、和歌山県の65歳以上の人口は約30万1000人でありますから、その8%で2万4000人以上の方が元気になるという計算でもあります。
 平成17年、22年と私が健康寿命のところで使っている健康寿命の算定というのがあるのですが、毎回和歌山県は下位で、今回も男性が76.92歳で全国45位──ここにありますが、きょうはあえてコピーしませんでした──女性79.53歳で全国46位です。男性1位の長野県とは平均で2.27歳、女性でやはり1位の長野県とは平均で2.57歳、介護のお世話になるのが早いということになります。
 そのように、できるだけ介護にかからないために、介護予防として平成16年度からわかやまシニアエクササイズを始めましたが、まだまだ厳しい結果しか出ていないことは、さきの要介護認定率全国第1位ということを見ても明らかであります。もっと若いときから運動習慣を身につけてもらおうとの趣旨で、一昨年、ラジオ体操の指導者を324人育成いたしましたけれども、正直、その活動について余り聞こえてきません。
 宮下教育長、その324人のラジオ体操の指導者は現在どこでどれぐらい実践され、今後どうされるのでしょうか、御答弁をお願いいたします。
○議長(浅井修一郎君) ただいまの浦口高典君の質問に対する答弁を求めます。
 教育長宮下和己君。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 全国ラジオ体操連盟公認指導員資格を取得している324人に対し、昨年アンケートを実施したところ、19人がラジオ体操を自治会などで指導しており、中には介護予防教室やエクササイズ教室で指導に当たる方が出てくるなど、活躍の場を広げてきております。さらに、47人からは機会があれば指導したいとの回答を得ました。これらの方々の活用や研修機会として、今年度、これまでに15回実施した「出張!県政おはなし講座」での指導を呼びかけ、延べ17人の指導員が県職員と一緒にラジオ体操を指導しました。今後も、引き続き地域に根差した活動を呼びかけてまいります。
 さらに、「県民の友」1月号にラジオ体操活動団体の情報提供依頼を掲載しましたところ、複数の情報提供がございました。新たな情報を加えますと、現在、県内約100のグループで、およそ9000人が定期的にラジオ体操を実施してございます。引き続き、地域のラジオ体操実施状況の把握に努めるとともに、福祉保健部の新政策事業においても自治会での指導員の活躍が期待されるところでありますので、市町村教育委員会に働きかけてまいります。
 なお、スポーツ課から新政策事業として予算を上程しております「さぁスポーツだ!プロジェクト」において、スポーツ人口をふやすため、リレーマラソンやマスターズスポーツ体験会などを県内各地で実施する予定であります。ラジオ体操の普及とあわせ、生涯にわたってスポーツに親しみ、スポーツを楽しむ機運を醸成し、健康増進につなげてまいります。
○議長(浅井修一郎君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 宮下教育長、どうもありがとうございました。
 いつも教育委員会の担当の皆さんが、ラジオ体操の指導者324人つくりましたと誇らしげに言っているのですが、実際に現場で活動してる、指導してるのは19人で、活動率は5.9%であります。「この数字を、宮下教育長、どう思われますか」とは聞きません。
 また、これはもう本当に釈迦に説法ですから、実践の重要性は教育長は一番よく御存じかと思います。どうぞ、絵に描いた餅に終わらないように、引き続きラジオ体操の実践の輪を、その324人の指導者を中心に広げていただくことを強く要望しておきます。
 2番目の質問に移らしていただきます。
 和歌山県は、人口激減・超高齢先進、要介護認定率全国第1位など、私自身話をしていて少し気分が暗くなってきますが、だからこそ、その対応する政策をさらに強力に取り組んでいかなければならないことは、議員としての責任であると思っておりますし、そのためには、まず第一に県民の皆さんに意識を持ってもらうことが大切であるという思いで、平成27年2月議会で大規模な健康フェスティバルを提案したところ、昨年10月9日に、わかやま健康と食のフェスタを県主催で開催されました。もちろん私も参加し、4時間余り各ブースの説明を受けたり、教育委員会の体育指導員指導のもと、正しいラジオ体操を改めて体験をさせていただき、大変私にとっては勉強になり、今後の実践の目安となるイベントでありました。
 そこで、福祉保健部長、このフェスタの成果と今後の展開について御答弁ください。
○議長(浅井修一郎君) 福祉保健部長幸前裕之君。
  〔幸前裕之君、登壇〕
○福祉保健部長(幸前裕之君) わかやま健康と食のフェスタにつきましては、県民の健康意識の高揚及び食育の推進を図るため、昨年10月9日に和歌山ビッグウエーブにおいて開催し、健康づくり優良市町村や健康わかやま県民運動ロゴマーク優秀作品等の表彰及びわかやま健康推進企業11社の認定、特色ある健康づくり活動の紹介や食体験等の41のブース展示やステージイベント等を行い、約8000人の方に御来場いただいたところです。
 県としましては、今後も「みんなで取り組もう!わかやま健康づくり月間」である10月に開催を考えており、来年度からの実施を考えている「みんなで実践!健康づくり運動ポイント事業」の啓発セレモニーを初め、イベントの充実を図り、より効果的な催しにしていきたいと考えています。
○議長(浅井修一郎君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 幸前福祉保健部長、ありがとうございました。
 先ほども申しましたとおり、当日私も現場におりまして、非常にいいイベントだったと思います。ただ、まだ緒についたばかりでありますので、来年度、平成29年度以降、ぜひ規模と内容を拡大していただき、県民の皆さんに県が進める健康長寿政策をより深く理解してもらい、実践してもらえるように、創意工夫を重ねていただくことを要望しておきます。
 3番目に、健康推進員の現在の活動と今後についてでありますけれども、4年前に初めて福祉環境委員会の委員長をさせていただいたときに、議会事務局から「秋の県外視察、調査でどこへ行きますか」と問われ、福祉関係ではこんな施設やあんな施設がありますという説明をもらったのですが、私としては、施設見学も大事だけれども、例えば、介護施設のようなところではなく、介護にできるだけかからない元気な地域に行こうという思いが強かったので、いろいろ当たった後、寿命が長くて元気な県ということで、先ほども述べました長野県に視察に行きました。
 そのとき、長野県の健康寿命を支えているのは民間ボランティアの保健補導員制度であるということを知り、その関係者にいろいろとお話を伺うことができました。帰ってきて、平成25年2月議会でそれらのことを参考にして、和歌山県にも健康推進員を年間500人、5年間で2500人をつくってはどうかとこの場で提案したところ、福祉保健部長は、平成26年度からそのように進めていきますと答弁をしてくださいました。
 ことしで3年目、つまり1500人の健康推進員が予定ではできたということになりますが、実際に何人でき、平素どのような活動をしているのか、また今後どのようにしていくのか、福祉保健部長、御答弁ください。
○議長(浅井修一郎君) 福祉保健部長。
  〔幸前裕之君、登壇〕
○福祉保健部長(幸前裕之君) 平成26年度から開始しました健康推進員につきましては、現時点で総数1327人の養成を行い、各戸訪問による健診の受診勧奨、生活習慣病予防チラシの配布、健康づくりイベントへの運営参加、健康講座の実施等、地域に密着した活動を展開していただいているところです。県としましては、今後もさらに健康推進員を養成するとともに、「健康推進員だより」の発行や、わかやま健康と食のフェスタ等において活動の紹介及び周知を行ってまいります。
 また、来年度から実施を考えている「みんなで実践!健康づくり運動ポイント事業」における自治会での健康づくり運動の活性化や、受動喫煙防止等の生活習慣の改善をより効果的に推進するための活動を充実していただくよう働きかけてまいります。
○議長(浅井修一郎君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 ありがとうございました。
 予定の1500人よりは少し少ないですが、1327人養成されたとのことです。
 しかし、特に私、和歌山市の市民でもありますので、この中核市ということもあると思うんですが、和歌山市ではその活動について、ほとんどと言っていいぐらい伝わってきておりません。この健康推進員というのは、知事もいろんなところでお話しいただいてるように、和歌山県が健康長寿で本当に日本一を目指す上で大変大事な柱であると私は思いますので、ぜひこの実践部隊でもある健康推進員を今後さらにパワーアップしていただいて、和歌山市でも活動が見えてくるように強く要望いたしておきます。
 次に移らしていただきます。
 平成29年度「みんなで実践!健康づくり運動ポイント事業」についてでありますけれども、これは資料の3の右側を、新聞の記事ですが、ごらんください。
 昨年の9月議会で、1人で現地調査に行った横浜市のウオーキングポイント事業について御紹介をしました。また、そのエビデンス(根拠)である健康づくりのための1日8000歩、20分以上の速歩を提唱されている東京都健康長寿医療センターの青柳先生にお話を聞きに、昨年の10月、福祉保健部長や健康推進課長らも御同行いただき、福祉環境委員会の県外調査に伺い、大変有意義な調査であったと自負いたしております。
 また、県内でもウオーキング事業について、小規模ですが既に行っている紀の川市や田辺市にも直接行き、保健事業担当者からお話を伺いました。
 そのように、実際の健康づくりや介護予防に取り組んでいる市や医療機関で見聞きし、和歌山県にとって今後の課題、解決方法を自分なりに考えていたところ、先日、元白浜町長である立谷県議が「白浜でも、大分前からデジタルの万歩計を町民に持たせて、健康づくりやりやんのよ」と、現物とその内容について教えていただきました。
 正直、大変興味が湧き、立谷県議に担当者を紹介していただき、先日、白浜で開催された県議会観光議連主催の大使観光フォーラムの翌日に、白浜医療・保健・福祉総合センターを訪ねようとしたところ、「わしも行く」とわざわざ立谷県議が同席してくださり、2時間ほど担当者からじっくりお話を伺うことができました。詳しいことは時間の都合上、割愛いたしますけれども、既にウオーキング事業を8年前の平成21年度から行い、白浜町では既に1200人以上の方がこの万歩計を持って日々健康づくりに励まれてるということで、立谷元町長の先見性の豊かさに心から敬意を表する次第であります。
 さて、そこで資料3の右にありますが、平成29年度の「みんなで実践!健康づくり運動ポイント事業」についてでありますが、県内に約3800ある自治会単位で健康づくりを進め競い合うという、いかにも県が考えそうな気宇壮大な政策であると私は初めて聞いたとき感心をいたしましたけれども、具体的にはどのような事業で、どのようにして成果を上げていくのか、福祉保健部長、お答えください。
○議長(浅井修一郎君) 福祉保健部長。
  〔幸前裕之君、登壇〕
○福祉保健部長(幸前裕之君) 「みんなで実践!健康づくり運動ポイント事業」につきましては、生涯にわたり健康を維持するため、地域コミュニティーに密着した健康づくりを推進することを目的とし、18歳以上の県民を対象として、手軽に楽しみながら運動習慣の定着を図る取り組みであります。
 具体的には、自治会ごとにウオーキング、運動及び自治会が主催するラジオ体操や草刈り等の活動の実施状況についてポイントを加算する地域コミュニティー型健康づくりと、個人単位でウオーキングの歩数を集計する個人参加型健康づくりウオークの2つの取り組みを行い、いずれも定期的にランキングを公表し、優良自治会等を顕彰することにより県民の運動実践の機会を促進するものです。
 県としましては、市町村と連携しながら、自治会、県内事業所等への周知及び参加の呼びかけを行うとともに、健康推進員、ラジオ体操指導員等、地域における健康づくりのサポーターに協力をいただき、全県的な健康づくり運動が活性化されるよう働きかけてまいります。
○議長(浅井修一郎君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 部長、どうもありがとうございました。
 全県的な健康づくり運動が活性化されるように働きかけてまいるということで、いよいよ本格的に取り組んでいただける、今までももちろん一生懸命やっていただいたことは、それはそれなりに評価しているんですけれども、ただ風呂敷を広げるだけではなく、先ほどもラジオ体操の指導者の実践の少なさについて少し述べさせていただきましたけれども、県民の皆さん一人一人に、多くの方に参加してもらえるようなシステムをつくるというのは大変なことだと思うんです。ごくごく一部の上澄みとは言いませんけれども、意識のある方、1割、2割の方はいつでも参加していただくということは簡単なことなんですが、全体のボトムアップ、底上げをするには、余り興味のない方とかそんなことやりたないと言う人まで、どうやって底上げしていくかということが本当にこれからの大きな課題でありますし、その参考資料の新聞にも書かれているように、5年間でこの3800のうち500から1000の自治会を動かしていくということですので、今後おいおいこの場でそれを検証さしていただきますことを申し述べさしていただきます。
 次に、最後になりますが、最後に知事にお伺いをいたします。
 平成20年策定の現行長期総合計画、長計の65ページには「『健康長寿日本一わかやま』をめざします」とありますが、新長計──これはまだ原案ですけれども──94ページには、目指す方向という項目ではありますが、「『健康長寿日本一わかやま』を実現します」とあります。「実現します」と明確に記載されたことは大いに評価すると同時に、5年前から年2回、登壇のたびに毎回、人口激減・超高齢先進和歌山県、しかも最近では要介護認定率全国第1位の和歌山県のためには、何をおいても健康長寿の重要性を説いてきた私の考えが少しずつでも反映されたと大変喜んでおります。今後どのようにして実現させていくのか、仁坂知事、その御決意について述べてください。
○議長(浅井修一郎君) 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 本県は、全国に先駆けて高齢化が進む中、県民が生涯を通じて健康で活動的に暮らせることを願い、さきの長計におきましては、健康長寿日本一わかやまを目標といたしました。
 目標達成のためには、平均寿命や健康寿命の延伸、介護を要する期間の短縮等が大きな課題であると考え、禁煙対策、食生活や栄養に関する知識の普及など、生活習慣の改善などに取り組みました。その結果、全国と比較して健康寿命がより上昇傾向にある、率ではちょっとましというような状況でございましたが、水準で見ると、これは到底日本一などと言えるものではないということは議員御力説のとおりであります。
 今後は、健康に対する県民意識の高揚をさらに図るために、健康推進員制度──これはもう既に設けておりますが──など従来の取り組みの充実に加え、来年度から新たに3つの取り組みを考えたわけでございます。
 1つ目は、「みんなで実践!健康づくり運動ポイント事業」でございます。
 議員もラジオ体操の重要性を力説しておられるし、また、日ごろの運動習慣の必要性も説いておられますけれども、例えば、せっかく指導員の資格があるのに忙しいという理由で参加しないというような例も見られます。また、いろいろ指摘をするというのは大変有益なんでありますが、言うばっかりであったらどうも何か進まないので、何か工夫が要るということではないかと思います。
 そこで、皆様が運動するために励みとなるようなものをつくろうと考えました。すなわち、それが自治会単位でポイントを競う、あるいはウオーキングをするとすぐにそれがネットにつながっていて順位が出るというような、そういういわばゲーム性を取り入れることによりまして、県民の健康づくりへの関心を一層高め、全県的な県民運動を展開していくというふうにしたいと思います。好成績の人とか、あるいは地区は大々的に県で表彰をして高めるというふうにすれば、意欲も高まるかなあというふうに思ってるわけであります。
 今、500とか1000自治会を5年後に実現とおっしゃいましたけれども、報道にあるようですが、別に私が言ったわけでございませんで、これは3800全部を対象にせんとあかんと。熱心に取り組むところはいろいろ高い低いがあると思いますけれども、そうでなきゃいかんというふうに思っております。
 近所でみんなで力を合わせて取り組めば、お互いに励みになり続けていけるような、そういう仕組みをつくりましたんで、議員の皆様にもそれぞれの選挙区がよい成績をとれるように、大いに住民の皆様に働きかけていただければ幸いであるというふうに考えております。
 2つ目は、自立支援型ケアマネジメント推進事業でございます。
 体が不自由になったお年寄りには介護サービスがございます。しかし、これに頼る余り不自由な生活が定着するというのは、本人にとっても、あるいは自治体の財政にも、あんまりいいことではございません。介護保険の要支援者の約50%は運動不足による機能の低下が原因であるというふうに言われておりまして、要支援に1回なった高齢者が再び自立した生活を送ることを目的にお世話する、ずっと定着してお世話するサービスではなくて、自立支援を促すようなサービスが展開されるように、市町村に対する支援を行っていくというふうに考えております。
 3つ目は、わかやま元気シニア生きがいバンクでございます。
 何らかの形で体や頭を働かせ、仕事やボランティアなど社会参加をしている方が健康で元気であるというのは、実例がいっぱいございます。
 そこで、意欲ある高齢者の社会参加の機会をふやし、高齢者の生きがいにつなげるために、ボランティア、NPO活動、就業など、社会参加を希望する高齢者の情報をインターネットで公開いたしまして、今度はそれに対して高齢者の能力の活用を求める企業やNPOや団体、そういう方々とうまく結びつけるシステムをつくりまして、それで生きがいを追求することが便利にできるようにしていこうじゃないか、そんなふうに思っております。
 このような取り組みを進めることによって、生涯にわたる健康づくりの機運を高め、健康長寿日本一わかやまをぜひ実現したい、そんなふうに思ってる次第でございます。
○議長(浅井修一郎君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 知事、どうもありがとうございました。大変細やかな御答弁をいただきまして、感謝いたしております。
 今回、私、予定もしていませんし、言うつもりはなかったんですが、最初この計画を聞いたときに、去年の秋ぐらいですか、非常にすばらしいなと思うと同時に、要は全体にばんと網を投げるような格好で、やっぱり細かなところまで気をつけないと、健康づくりというのは基本的には個人個人のもんでありますし、きょうはちょっと置いてますけど、私も今スマホで実はウオーキングの、自分自身、ずっと半年ほどとっていました。ところが、スマホというのは便利なんですけど、どうしても家に帰ると置いてしまうんですよ。
 先ほども言いました青柳先生の1日8000歩、20分の早歩きということを知ってから、これは医療用品の──別にこれ宣伝するつもりじゃないですけど──テルモという会社がつくってるこの万歩計持って、これほとんど、携帯電話とか財布忘れても必ずポケットへ入れてるぐらい、風呂へ入ってるとき以外はずうっと身につけてるんですね。家の中でも、今まで面倒だなとか、歩くの、もう上へ上がるの面倒くさいなと思ってても、結構やっぱり自分で意識を持たすためには、こういった身軽なもんで簡単に。
 スマホとか、そういうもんというのは確かに若い子は持ってますけども、なかなか年配の方は非常に難しいと同時に、さっきも言ったように置いておく可能性は多いもんですから、ちょっとその辺も今後考える余地は十分あると思います。この間も言いました横浜市では、こういうのを今15万人、来年度の末までに30万人にこういうのを持たして、リーダーから横浜市の保健担当の部署まで全部市民の情報というのは流れるようになってるそうでありますけれども。
 いずれにしましても、せっかく県が今回1歩も2歩も前へ進んでいただいたわけですから、私はどんどん応援させていただきますし、今後、本格的にこれを進めていくには十分予算措置も必要であるということをぜひとも心していただきたいなと思います。
 勇ましいかけ声や号令だけではなかなか成果が上がらないということを最後に申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(浅井修一郎君) 以上で、浦口高典君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前11時55分休憩
────────────────────
  午後1時0分再開
○副議長(服部 一君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 23番中本浩精君。
  〔中本浩精君、登壇〕(拍手)
○中本浩精君 皆さん、こんにちは。3月3日、3番目に登壇させていただきます中本です。先ほど登壇前に、「ああせい、こうせい、中本浩精、しっかりせい」と叱咤激励をいただきました。明るく楽しく元気よく、そしてしっかりと県勢発展のために質問さしていただきますので、いましばらくの間おつき合いいただきますようによろしくお願い申し上げます。
 それでは、議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。
 今回、3項目させていただきます。
 まず1項目め、地方における外国人観光客の誘客についてお尋ねいたします。
 最近、特に外国からの観光客が多くなっており、昨年の訪日外国人旅行者は2403万人を超え、過去最高を記録しました。先日発表されたことし1月の推計値では、前年同月比24%増の229万5000人と、まずは好調な滑り出しをしたところでございます。
 2015年の訪日外国人旅行者が1973万人超とほぼ2000万人を達成したからでしょうか、政府は昨年3月に、2020年に訪日外国人旅行者2000万人という目標から、2020年までに4000万人、2030年には6000万人と新たに目標を定めました。
 こういった目標値は、希望的観測で往々にして実現不可能だったりしますし、さきの2000万人も結構高いハードルだったと思います。それが予想以上に早く達成できました。円安などの追い風があったことも要因でしょうが、官民挙げてさまざまな取り組みがなければ、ここまで早くの実現はなかったのではないかと思います。
 もちろん、県でもさまざまな取り組みを行っている結果があらわれていると思います。今後も、より多くの外国人観光客に来県いただくために、より一層の新たな取り組みも必要と考えます。しかし、当然その前にきちんと現状把握をする必要があります。
 そこで、外国人観光客の誘客に対する県の取り組みについてお伺いします。
 県内の外国人観光客の現状と、県としてどのような取り組みを行っているのか、商工観光労働部長にお尋ねいたします。
○副議長(服部 一君) ただいまの中本浩精君の質問に対する答弁を求めます。
 商工観光労働部長岡本圭剛君。
  〔岡本圭剛君、登壇〕
○商工観光労働部長(岡本圭剛君) 県内の外国人宿泊数につきましては、平成27年に過去最高となる42万人泊を記録したところですが、平成28年についても、この記録をさらに上回る50万人の大台を超える見込みです。
 県といたしましては、関西国際空港からのアクセスといったロケーションを生かしつつ、アジア市場向けには、桜などの四季の自然、白浜や勝浦などの温泉、フルーツ狩り体験、マグロに代表されるグルメなどの魅力を発信しています。一方、欧米豪市場向けには、「ロンリープラネット」や「ミシュラン・グリーンガイド」といった世界的な旅行ガイドブックで高い評価を得ている高野山と熊野の魅力を発信しているところです。
 また、外国人観光客の滞在時の不便等を解消するため、多言語観光ウエブサイトの充実やおもてなしトイレ、Wi─Fi環境、多言語案内表示などの受け入れ環境整備を進めております。
○副議長(服部 一君) 中本浩精君。
  〔中本浩精君、登壇〕
○中本浩精君 御答弁いただきました。
 観光政策において、和歌山県は非常によく頑張っていただいていると私は思います。より一層、県の観光施策を積極的に進めていただきたく、次の質問に入らせていただきます。
 先ほども述べましたように、訪日外国人旅行者の人数は順調に推移しているように思われます。ただ、想定外の追い風はいつまでも続くものではなく、円高、景気悪化などの懸念もあり、追い風がなくなったときあるいは逆風になったときの用意、手だてもしておかなければならないと思います。円高だ、円安だと一喜一憂するのもどうかと思いますが、この先も好循環が続くと楽観視していいわけはありません。実際に、いわゆる爆買いに陰りが見られるというようなことも聞きます。陰りではなく、爆買い終えんではとの声もあり、やはり楽観視してはいられないようです。
 逆風になったときの手だてと申し上げましたが、この手だては、追い風状態ではより一層活用できるものだと思います。危機感を持ち、対応していくということがとても大切だと思います。
 さて、かつて外国の方の観光コースは、限定的とは言わないまでも、利便性の高い都市部の観光地が中心でした。昨今は、地方にも多くの方が観光に訪れています。日本人にとっては、必ずしも観光名所とまでは言えないスポットや地方にも訪問したりします。東京、富士山、関西のゴールデンルート等から広域ルート、地方ルートへの広がりです。
 今後の訪日外国人旅行者の増加はリピーターによるところが大きく、リピーターが増加しないと全体として増加も限定的と考えます。先ほどの2020年に4000万人、2030年に6000万人の訪日外国人旅行者の目標も、その6割をリピーターとしています。リピーター増加のためには、地方が魅力ある観光地であることと、いかに地方の情報を発信していくかが重要になります。
 和歌山県は、世界最大手インターネット検索サイト・グーグルにおいて、「2015年夏休み×旅行関連の検索ランキング~伸び率~」全国第1位や、宿泊予約サイト楽天トラベルで2016年秋の訪日旅行人気上昇エリアランキング全国第4位を記録するなど、大きく評価され始めています。
 そこで、県内への外国人旅行者誘致のため今後どのような取り組みを進めていくのか、商工観光労働部長にお尋ねいたします。
○副議長(服部 一君) 商工観光労働部長。
  〔岡本圭剛君、登壇〕
○商工観光労働部長(岡本圭剛君) 議員御指摘のとおり、東京や京都、大阪といった、いわゆるゴールデンルートに集中する外国人観光客の地方部への誘客や、急増する個人観光客への対策を一層強力に進めていく必要があります。
 また、2019年ラグビーワールドカップ、2020年東京オリンピック・パラリンピック、そして2021年関西ワールドマスターズゲームズと世界的なビッグイベントが続きます。このタイミングを逃すことなく、引き続き誘客対策を推進してまいります。
 具体的には、個人観光客対策として、ウエブやSNSなどのメディアによる情報発信に取り組んでいるほか、平成29年度は、プロモーションと受け入れ環境整備の両面において、新たな取り組みを展開してまいります。
 プロモーションでは、外国人富裕層の誘客や個人観光客の長期滞在による消費拡大を目指し、ドイツやイスラエルなどの新たな市場への展開や欧米豪の富裕層をターゲットとしたプロモーション、スポーツツーリズムの推進、インバウンド向け体験型プログラムの情報発信の強化に取り組んでまいります。
 また、受け入れ環境につきましても、多言語電話通訳、簡易翻訳サービスの充実に加え、急増する個人観光客がストレスなく移動できるよう、公共交通事業者と連携して、交通結節点における案内表示や誘導表示などの共通化や公共交通を利用した観光ルートの発信などにも取り組んでまいりたいと考えております。
○副議長(服部 一君) 中本浩精君。
  〔中本浩精君、登壇〕
○中本浩精君 今、部長のほうより力強い前向きな答弁をいただきました。ありがとうございます。
 本年2月8日ですが、白浜町において、吉井県議が会長を務める県議会観光振興議員連盟主催で大使観光フォーラムを開催したところ、アジア・オセアニア各国の大使を初め、大勢の方に御参加いただきました。本県のすばらしい自然や歴史などの魅力について情報発信させていただくなど、県議会としても外国人観光客の誘客に取り組んでいるところです。
 御答弁いただいたとおり、2020年東京オリンピック・パラリンピックを初め、今後、世界中から日本に注目が集まるビッグイベントが続きます。また昨日、山下県議からの質問にもありましたとおり、2025年大阪万博の実現に向けて、国を挙げての取り組みが進められようとしています。この絶好のチャンスを逃さないよう、日本にやってくる外国人観光客に和歌山へ訪れていただくための観光施策を、今から他府県に先駆けて施策をしかけていく必要があると思います。
 また、私の地元で考えても、高野山には外国人観光客がたくさん押し寄せておりますし、宿坊にもたくさんの外国人観光客が泊まられており、非常にありがたいことです。県においては、高野山を核とした周辺地域への誘客に既に取り組んでいただいておりますが、世界遺産に追加登録された黒河道を初めとする周辺の観光資源も活用しながら、さらなる外国人観光客の呼び込みに取り組んでいただきたいと思います。
 和歌山には、まだまだ地元の人が気づいていない、しかし世界に評価される可能性のある観光資源が多く眠っているはずです。新たな観光資源の掘り起こしや長期滞在を促進できるよう、主要観光地だけでなく周辺観光地も織りまぜた周遊観光ルートの発信に引き続き取り組んでいただきますよう要望いたしまして、次の質問へ入らせていただきます。
 2項目め、地域包括ケアシステムについてお尋ねいたします。
 重度な要介護状態となっても住みなれた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい、医療、介護、予防、生活支援が一体的に提供される、これが地域包括ケアシステムの説明としてなされています。この説明だけを聞くと、仮に将来病気や要介護になっても安心だという気もしますが、実際のところはどうでしょうか。
 医療や介護が必要な人には、通院や在宅医療などにより自宅で生活できる人だけでなく、重度化して入院や介護施設への入所が必要になる人もいます。しかし、病床の再編を進めるということも聞きますし、介護関係施設も今後の高齢者数の増加に対応するほどふえるのでしょうか。本人が望まない形で在宅生活を強いられる方がふえるのではないかと心配します。
 そこで、福祉保健部長にお伺いします。
 今後の地域包括ケアシステムについて御説明、よろしくお願いいたします。
○副議長(服部 一君) 福祉保健部長幸前裕之君。
  〔幸前裕之君、登壇〕
○福祉保健部長(幸前裕之君) 地域包括ケアシステムについてお答えします。
 本県では、75歳以上の高齢者の数が2030年にピークを迎える中で、高齢者ができる限り住みなれた地域で安心して暮らせるように、地域包括支援センターを中心に、医療、介護、予防、住まい、生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築を進めています。
 医療に関しては、医療機関の機能分化と連携、病床機能の再編を図り、将来の医療需要に応じた必要な病床数を確保していきます。入院が必要な人は急性期病院等に入院し、患者の病状に応じて回復期病院に転院するなど、切れ目なく質の高い医療が提供される体制の構築を目指しています。退院後も安心して在宅療養できるように、かかりつけ医や在宅医療を支える人材の育成や確保を図るとともに、訪問診療につなぐ役割を担う在宅医療サポートセンターを各圏域に設置し、急変時等に入院を受け入れる病院を地域密着型協力病院として県独自に指定するなど、全県的な在宅医療推進安心ネットワークの構築を進めてまいります。
 また、介護に関しても、2030年を見据えて、高齢者が安心して暮らせるよう、わかやま長寿プランに基づき、施設等への入所を望む高齢者に対応するための十分な施設整備を進めるとともに、在宅での生活を望む高齢者に必要な在宅サービスの整備を計画的に進めているところです。
 今後とも、県内の状況を見据えながら、高齢者がその個人個人の状況に応じて安心して暮らせるよう医療と介護の充実を図るとともに、必要なサービスが行き届くよう地域包括ケアシステムを実現してまいります。
○副議長(服部 一君) 中本浩精君。
  〔中本浩精君、登壇〕
○中本浩精君 ありがとうございました。
 ただいまの答弁を聞かせていただき、県では、必要な病床を確保するとともに、きめ細やかな配慮をしながら病床再編を進めていくということがよくわかりました。
 しかしながら、核家族化が進み、ひとり暮らしの高齢者がふえる中、私の地元でも、将来が不安だという高齢者の声をよく聞きます。ぜひとも、必要な人が病院や施設に入れないというようなことがないように、関係機関と密に連携を図り、地域包括ケアシステムの取り組みを確実に進めていただくことを要望いたしまして、次の項目へ入らしていただきます。
 3項目め、次代を担う人づくりについて質問させていただきます。
 「教育は国家百年の大計」、「教育は人なり」と申しますが、教育委員会におかれましては、宮下教育長を先頭に、和歌山の教育の向上のために子供を中心として日々御尽力いただいておりますこと、この場をおかりしまして感謝申し上げます。
 さて、本議会において、本県の10年後の未来を展望した目指す将来像と、その将来像の実現に向けて取り組む施策の基本的方向を示した和歌山県長期総合計画案が上程されています。
 長期総合計画では、それぞれの分野の10年後の本県の目指すべき姿を描いていますが、その第一には、現行の長期総合計画に引き続き、本県の教育における将来像が掲げられております。私も、本県の未来には人づくりが最も大切だと考えており、「ひとを育む」として教育の分野が最初に掲げられていることは、大変すばらしいことだと思っています。
 その将来像では、社会を生きていく上で基盤となる確かな学力、豊かな心、健やかな体の知・徳・体をバランスよく備えるとともに、変化の激しい時代においてもみずからの将来の夢や目標を実現できる新しい時代に必要な資質、能力を身につけているとされております。また、その実現に向けた多くの施策も記載されています。
 それらのさまざまな施策には大変期待しているところですが、必ず実現していただきたい施策が幾つかあります。
 まずは、本県がこれまでも力を入れて取り組んできました人権尊重社会の実現であります。
 人権教育の分野について振り返ってみますと、戦後間もなく、責善教育の名称で全国に先駆けて部落差別の解消を目指した取り組みがスタートし、その後、昭和40年の同和対策審議会答申、昭和44年の同和対策事業特別措置法を受けまして、同和教育が全ての学校で熱心に取り組まれ、大きな成果を上げてまいりました。同和問題の理解と認識について、全ての子供たちに部落差別についての正しい認識と理解を培い、部落差別をなくしていく力量を育てる実践が積み重ねられてきました。そして、取り組みの経緯の中で、同和問題のみならず、女性、子供、高齢者、障害者、外国人、HIV感染者等に関するあらゆる人権問題に関する理解と認識を深める役割も果たしてきました。
 また、同和地区と地区外の児童生徒の学力格差も縮まり、高校進学率の格差も大きく改善されてきました。本県における取り組みは、他府県からも視察に来るほど、同和教育の先進県として実にすばらしいものであったと思います。
 そのような取り組みの中で、国においても、昨年の12月9日、本県選出の門博文代議士が法務委員として大変御尽力くださり、部落差別の解消の推進に関する法律案が衆議院及び参議院において可決され、成立を見ました。この法律の成立は、一昨年9月に本県議会から出された意見書が大きな契機になったと私たちも大いに自負しているところですが、そこでお伺いします。
 この法律が成立したことにより、学校における人権教育の推進を県として今後どのように充実させていこうとお考えなのか、教育長にお尋ねいたします。
○副議長(服部 一君) 教育長宮下和己君。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 県教育委員会では、人権が尊重される社会を築く人間を育成するため、和歌山県人権教育基本方針に基づいた取り組みを学校教育、社会教育の両面において積極的に進めているところでございます。学校教育では、人権教育担当教員等への研修の充実に努めるとともに、実践事例集や校内研修のためのハンドブック等を作成し、全ての教職員に対して人権教育の充実を図り、さまざまな人権課題に取り組んでまいりました。
 同和問題につきましては、解決に向けて多くの面で成果を上げてきたところですが、今なお差別事象の報告があります。昨年12月に施行された部落差別の解消の推進に関する法律は、部落差別は許されないものであるとの認識のもと、部落差別の解消の必要性について国民の理解を深め、部落差別のない社会を実現することを目指したもので、第5条では、教育及び啓発について定められております。
 このことから、同和問題を初めさまざまな人権課題を解決するため、学校教育の果たす役割の重要性を再確認し、これまでの取り組みを踏まえた上で、さらなる充実を図ることが必要であると考えております。
 現在、教職員を対象として、本法律の趣旨や内容等を含む人権教育の推進に係る手引きを作成しているところであり、これを活用し、教職員に関連法規等を正しく理解させるよう努めてまいります。
 今後とも、市町村教育委員会とより一層連携を密にし、人権教育のさらなる充実に努めてまいります。
○副議長(服部 一君) 中本浩精君。
  〔中本浩精君、登壇〕
○中本浩精君 わかりました。これまでの同和教育の実践に学び、これからも全ての学校において人権教育の一層の推進と地域での人権教育の充実をぜひお願いいたします。
 続いていかせてもらいます。
 次に、学力の向上について質問させていただきます。
 秋田県では、県独自の取り組みである30人程度の学級を小学校6年生まで拡充し、小中学校の全学年を対象に展開しています。また、世界に通用する英語コミュニケーション能力や国際的な視野、幅広い教養、問題解決力等を身につけたグローバル人材など、秋田県の将来を担う人材を育成するとともに、子供の未来が生まれ育った環境に左右されることのない社会の実現に向け、教育委員会や市町村との連携を強化しながら、貧困の状態にある子供の支援を充実させることで大きな成果を上げていると聞いています。
 本県においても、県独自の施策として、小学校は2年生までは35人、3年生から6年生は38人以下学級──ただし3学級以上の規模の大きい学校の場合は35人学級──中学校は全て35人以下学級を実施されております。
 また、国の加配を活用し、指導方法の工夫改善に努められており、個別指導や補充学習等を行うなど、学校の実情に応じてきめ細かく対応していると聞いています。教員が研修を積み重ね、教員一人一人の指導力の向上を図ることはもちろんのことではありますが、児童生徒一人一人に寄り添って、学級の全ての子供に目の行き届いた指導、支援を行っていくには、ある程度学級の少人数化を図ることも重要かと考えます。
 一方、単に教職員数をふやすだけでは、高い教育効果は得られません。本県の子供たちがどのような状況にあり、どのような課題に直面しているのか、これからの社会をたくましく生き抜く子供たちに必要な力は何かなど、丁寧な分析を踏まえて適切な施策を行っていくことが大切であると考えます。
 和歌山県長期総合計画計画案では、子供たち一人一人が志高く未来をつくり出す力を育む教育の推進のための施策として、確かな学力の向上を1番目に打ち出しています。現在も学力の向上についてはいろいろと取り組みをされておられますが、本県の子供の全国学力・学習状況調査結果は、おおむね全国平均を下回る状況が続いていると聞いています。恐らく先生方も熱心に指導をしてくれていると思いますが、近年の学力の現状を心配しております。やはり、次代を担う人材を育てるためには、子供たちにまず学力をしっかりつけてあげることが一番だと思います。
 そこで、教育長にお尋ねいたします。
 和歌山の子供の学力向上を図る施策についてお聞かせください。
○副議長(服部 一君) 教育長。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 本県において、確かな学力を定着させることは喫緊の課題であります。このため、本年度は、すぐれた教員の授業をおさめた国語授業づくりDVDと、授業や家庭学習等で活用できる国語問題集を作成いたしました。現在、これらの教材等を全ての学校で徹底して活用し、教員の授業改善や子供たちの学習内容の定着に取り組んでいるところです。来年度は、理科授業づくりDVDと問題集を作成し、理科の課題改善と、次期学習指導要領で求められる理数教育及びプログラミング教育の充実に取り組む予定であります。
 また、現在、すぐれた教育実践力を持つ退職教員を学校に派遣し、授業づくりなどを指導する事業を実施しております。来年度は、派遣する学校数をふやし、取り組みの一層の充実を図るための予算をお願いしているところです。
 さらに、教頭や教員を学力向上の成果を上げている県外の学校に派遣し、研修で得た成果を県全体に普及しております。来年度も、県外に派遣した教員が学力向上の中核を担うリーダーとなり、教員同士のネットワークを築きながら授業研究の充実を図る予定であります。
 県内には、学力向上に地道に取り組み、成果を上げてきている市町村や学校もございます。また、全国レベルの団体による文部科学大臣奨励賞を受賞した学校など、すぐれた取り組みを行っている学校もございます。今後も、これらの市町村や学校の取り組みを県全体に積極的に広めながら、市町村教育委員会や学校、家庭、地域と一体となって、次代を担う和歌山の子供たちの学力向上に全力で取り組んでまいります。
○副議長(服部 一君) 中本浩精君。
  〔中本浩精君、登壇〕
○中本浩精君 ありがとうございました。
 次の学習指導要領では、単に知識を得るだけでなく、主体的、対話的で深い学びの視点からの授業改善をさらに充実させ、子供たちが将来にわたって社会の中で知識を活用できる力を身につけることや、小学校に外国語が教科として新たに導入されるなどが示されていると聞いています。
 先生方は本当に大変忙しいと思いますが、これからも学力の向上を初め、いじめ、不登校など、さまざまな教育の課題にしっかりと取り組んでいただくことをお願いいたします。
 県教育委員会におかれましては、市町村教育委員会とより一層連携を密にし、現場の現状把握に努めていただきますようよろしくお願いいたします。
 次に入ります。最後に、次代を担う人づくりについてお尋ねいたします。
 私は、教育施策を考えるとき、米百俵の故事を思い出します。長岡藩(現在の新潟県長岡市)の藩士で、幕末期活躍した小林虎三郎の教育にまつわる故事です。戊辰戦争によって長岡藩は壊滅的な状況となっていましたが、その窮状を察した兄弟藩である三根山藩から米100俵を贈られました。生活に困窮していた藩士たちは、その米が分け与えられることを望んでいましたが、小林虎三郎は藩士たちに向けて、「国が興るのも、まちが栄えるのも、ことごとく人にある。食えないからこそ、学校を建て、人物を養成するのだ」、「100俵の米も、食えばたちまちなくなるが、教育に充てればあすの1万、100万俵になる」と主張し、藩士たちを説得したというお話です。
 この米百俵のエピソードは、山本有三の戯曲「米百俵」で有名になり、その後、平成13年(2001年)、小泉純一郎元首相が所信表明演説で米百俵を引用したことで再び全国的に知れ渡り、その年の流行語にもなったことは記憶に新しいところです。私自身も、この米百俵の故事に大変共感しています。
 教育長は、新長期総合計画のスタートを目前にして、次代を担う人づくりに対して改めてどのような決意をお持ちですか、お聞かせください。
○副議長(服部 一君) 教育長。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 議員が述べられました中に「教育は国家百年の大計」という言葉がございました。教育には、長期的な視点が重要だと考えてございます。
 本県においては、この先10年を見通して、今回上程しております新長期総合計画においても、さまざまな教育の施策が盛り込まれております。成果がすぐにあらわれるものばかりではありませんが、これらの施策を着実に進め、和歌山の教育の目指す将来像を実現していきたいというふうに考えてございます。
 一方、本県の喫緊の課題である学力や不登校については、さまざまな対策を講じているところであり、今後も私が先頭に立って進めてまいりたいと思ってございます。その手だてとして、このたび義務教育課に幼児教育推進班を新設するとともに、児童生徒支援室を設置し、幼・小・中を通しての教育の充実やいじめ、不登校対策の強化を図ることとしております。さらに、学力については、学校への指導、支援を充実するため、教育センター学びの丘を再編し、新たに学力対策課や学校支援課を設置することとしております。
 今後、コミュニティ・スクールを導入するなど、学校、家庭、地域、関係機関それぞれが役割と責任を果たし、総力を挙げて取り組むことによって、将来の和歌山を担う子供たちに、いわゆる知・徳・体の人間としての総合力を着実に育てていきたいと決意してございます。
○副議長(服部 一君) 中本浩精君。
  〔中本浩精君、登壇〕
○中本浩精君 ありがとうございました。宮下教育長より力強い決意を表明していただいたと私は思っております。
 和歌山県の未来を考えるとき、教育こそ、人材を育て、国やまちの繁栄のもととなるという教育第一の思想を貫いた人物、小林虎三郎に大変熱いものを感じます。
 私は、県教育委員会の応援団であります。答弁の中で新しい取り組みもお聞きしました。どうか県及び教育委員会におかれましては、財政厳しい折ではございますが、次代を担う人づくり、これからの和歌山を担う人材育成のために、子供を中心に推進すべき施策をより実効性のあるものにするため、教育の投資について御理解、御支援を賜りますようお願いいたします。
 最後に、教育立県和歌山の復活を願い、質問を終わらしていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(服部 一君) 以上で、中本浩精君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 次会は3月6日定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後1時40分散会

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