平成28年12月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(岩井弘次議員の質疑及び一般質問)


平成28年12月 和歌山県議会定例会会議録

第4号(岩井弘次議員の質疑及び一般質問)


汎用性を考慮してJIS第1・2水準文字の範囲で表示しているため、会議録正本とは一部表記の異なるものがあります。

正しい表記は「人名等の正しい表記」をご覧ください。

  午後1時0分再開
○副議長(服部 一君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 29番岩井弘次君。
  〔岩井弘次君、登壇〕(拍手)
○岩井弘次君 こんにちは。議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。
 ことし4月に、全国の小学校第6学年と中学校第3学年を対象に実施された文科省の全国学力・学習状況調査の結果が9月に発表されました。それによりますと和歌山県は、中学校数学Aを除き、その他の平均正答率が全て全国平均を下回っていることがわかりました。
 義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から、全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握・分析し、教育施策の成果と課題を検証、その改善を図る、そして、そのような取り組みを通じて、教育に関する継続的な検証改善サイクルを確立し、学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の改善等に役立てることを調査の目的としております。
 全国学力・学習状況調査は、特別支援学校を含む県内全ての公立小学校242校、約7600人と中学校124校、約8000人を対象に行われ、その調査内容は、教科に関する知識と活用についてでは、国語、算数及び数学で基礎的な知識を問うものと応用力を問う問題が出題され、そして生活習慣や学習環境に関する質問調査では、児童生徒に対する調査と学校に対する調査において、生活習慣や学習環境、学習意欲など、また、学校における指導方法に関する取り組みや人的・物的な教育条件の整備の状況に関しての調査が行われました。
 平成19年から再開された全国学力・学習調査ですが、以来、本県は全国の下位に低迷し、全国最下位という年もございました。
 そこで、まず今回の全国学力・学習調査の結果について、教育長の御見解をお伺いいたします。
○副議長(服部 一君) ただいまの岩井弘次君の質問に対する答弁を求めます。
 教育長宮下和己君。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 本年度の全国学力・学習状況調査の結果につきましては、小学校では昨年度に比べて全国平均との差が広がりましたが、中学校では国語Bを除き昨年度に比べて差が縮まり、数学Aも4年ぶりに全国平均に並びました。しかしながら、年度によって全国平均との差にばらつきがあり、順位も下位に低迷してございます。特に国語については課題があり、今年度は、小学校国語Aと中学校国語Bが特定の問題の正答率が低かったことも影響いたしまして、全国最下位となりました。
 学習や生活の状況につきましては、最後まで解答を書こうと努力する子供はふえてきてございます。また、ノートに学習の目標やまとめを書く習慣が定着し、学習に取り組む姿勢が向上してきてございます。しかし、休日に全く勉強しない子供や家庭で授業の復習をしない子供の割合は、小中学校とも全国平均より高く、携帯電話、スマートフォン、テレビゲーム等の使用時間が2時間以上の子供の割合も全国平均より高いなど、大きな課題がございます。
 今回の結果を厳しく受けとめ、県の取り組みを学校にしっかりと浸透させるとともに、教員の指導力を一層高め、学力向上に向けて全力を挙げて取り組んでまいります。
○副議長(服部 一君) 岩井弘次君。
  〔岩井弘次君、登壇〕
○岩井弘次君 御答弁ありがとうございます。
 順位をつけるというのもいかがかなあとも思いますけども、学習成果を分析する上での一基準として捉え、真摯に向き合い、向上への糧としていくべきものであります。そして、教える側と受ける側、その両者がかみ合わなければ学力の向上も難しいのではないかとも思います。
 御答弁に、本県の学習や生活の状況については、最後まで解答を書こうと努力する子供がふえ、学習に取り組む姿勢も向上するなど、評価できる点もあらわれてきたとのことでございます。しかし、休日に全く勉強しない、家庭で授業の復習をしない子供の割合は小中学校とも全国平均より高く、そして携帯電話やスマートフォン、テレビゲームなどの使用時間が2時間以上の子供の割合も高かったとのこと。
 近年の学力・学習調査におきまして、秋田県、福井県、石川県といった日本海側のこの3県が安定して上位を占めております。傾向として、復習など家庭での学習時間が全国平均の中でもよくできていることが大きな向上要件ではないかと分析されているようでございます。
 私自身も、余り褒められた小中学校時代ではございませんでした。たしか、学校から帰りますとランドセル、かばんを家の中にぽんと放り込みまして、そのまま友達と遊びに出かけ、日暮れまで帰ってこない。母からよく「日暮れには帰れ」と叱られたことを覚えております。今の子供さんのようにテレビゲームとかそういった電子的な遊び道具はございませんでしたから、体を使うことしかございませんでした。
 また、宿題も親に言われなければしないというような始末でしたから、余り勉強のできる子ではなかったように思います。母によく言われた言葉が「勉強するもしないもおまえの勝手やけども、全部自分のためやから」とよく言われました。それが今でも耳に残っております。
 ただ、それが今でも生かされてるかどうかはちょっと横へ置かせていただきまして、今の子供たちは、よきにつけあしきにつけ、生活環境も大きく変わっております。そして、一概に「学力向上を」と言っても、教師の指導力、家庭環境、友達など、さまざまな要因が相まって子供たちのやる気が培われていくものだと思います。
 ただ、やはり学習に関しては、学校での授業、指導が大きく影響されます。大変御努力をされているのは承知しておりますが、どのような環境であれ、学習意欲を育み向上させる責務が学校にはあると思います。
 そこで、学力向上のための今後の取り組みについて、教育長にお伺いいたします。
○副議長(服部 一君) 教育長。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 学力向上につきましては、学力向上対策中期計画に基づき取り組みを進めてございます。学校では、授業の目標の提示、考えを表現する場面の設定、学習内容の定着の確認をまとめた「和歌山の授業づくり基礎・基本3か条」を徹底するとともに、子供一人一人のつまずきに応じた補充学習に取り組んでございます。
 課題の大きい学校に対しましては、県教育委員会と市町村教育委員会の指導主事がチームとなり、毎月1回訪問し、重点的かつ継続的に現在、指導・支援を行ってございます。
 また、すぐれた教育実践力を持つ退職教員を学校に派遣し、学校の取り組みや教員の授業について指導する事業を実施しております。今年度は45校に40人の退職教員を派遣し、授業改善や指導力の向上に取り組んでおります。
 さらに、県外での学力向上の成果を上げている学校に、昨年度からの2年間で60人の教員を5日間、今年度は5人の教頭を3週間派遣してございます。派遣教員は、研修で得た成果を所属校の取り組みに生かすとともに、県内各地域での研修会で報告することで県全体に普及しているところです。
 現在、すぐれた教員の授業をおさめた授業づくりDVDと授業や家庭学習等で活用できる問題集を作成してございまして、これらの教材等の活用を徹底してまいります。
○副議長(服部 一君) 岩井弘次君。
  〔岩井弘次君、登壇〕
○岩井弘次君 ありがとうございました。
 学校現場の御努力、中でも児童生徒と向き合っておられる先生方の御苦労ははかり知れないものがあるかと思います。しかし、この和歌山県の将来を担う人材を育てておられる自覚と誇りを持って取り組んでいただきたいと念願するものでございます。
 私も、母の言葉と同じぐらい、小中学校時代の先生からいただいた私のことを思っての叱咤激励、また指導が、その後の生活に影響を与えていただきましたことを今でも感謝しております。教育委員会の皆さんも御努力をされておられるとは思いますが、ぜひ現場の先生方と同苦していただきたい。
 今回、この全国学力・学習調査について、本県の学力が低迷していることに対して、多くの方から憂いておられる声をいただきましたので、質問をさせていただきました。すぐれた教育実践力を持つ退職教員を学校に派遣し、学校の取り組みや教員の授業について指導する事業を実施しておられるとのことですが、忙し過ぎる先生方の軽減を図るためにも、マンパワーの拡充に力を注いでいただくことも向上に大いに資するものと考えます。特に、元教師の方からは、「何か力になりたいのだが」といった声もありました。長年奉職され、今も元気に地域で活躍されておられます。こういった方々をより多く活用することも検討していただきたいと思います。
 学力向上対策中期計画に基づき取り組まれておられるということですが、例えばきのくに学力定着フォローアップ事業について見てみますと、退職教員が派遣された学校は、平成26年度が40校、平成27年度が72校とされております。今年度は45校とお聞きしましたが、派遣される学校数においては、恐らく全国学力・学習状況調査の結果も影響していることでしょう。しかしながら、結果が悪いからとかどうとかではなく、和歌山県の宝であります未来っ子を育むために、2カ年の中期計画を踏まえて、このような事業には長期的に取り組んでいっていただきたいと要望させていただきます。
 それでは、次の質問に入らせていただきます。
 次に、関西広域連合について質問させていただきます。
 本年の6月定例会におきまして関西広域連合議会議員に選出いただき、山田先生、尾﨑太郎先生、そして立谷先生とともに、毎定例会、臨時会、また所属する常任委員会に参加し、さきの11月臨時会では初めての一般質問もさせていただくなど、自分なりに広域連合議会議員としての自覚を持って活動させていただいております。
 およそ半年が経過し、広域連合について感じているところについて質問させていただきます。
 今さらですが、関西広域連合は、平成22年12月1日に府県をまたがる全国初の広域連合として、関西の大阪府、京都府、滋賀県、兵庫県、和歌山県、鳥取県及び徳島県の2府5県が結集して設立されました。以来、大阪市などの政令4市の加入、昨年12月には奈良県が部分加入して、この12月で丸6年が経過いたしました。連合設立の狙いは、1、地方分権改革の突破口を開く、2、関西における広域行政を担う責任主体づくり、3番目として、国と地方の二重行政を解消するの3点を目的として、広域にわたる防災、観光・文化・スポーツ振興、産業振興、医療、環境保全、資格試験・免許等、職員研修の7つの事務分野において、それぞれに担当府県市を決め、取り組みが進められております。
 さきの委員会では、井戸連合長の再選が採択され、仁坂知事も副連合長に再選されました。日々の激務の中、大変なお役目ではございますが、健康には御留意され、御活躍をお祈りいたしております。
 本県は設立当初より参加しておりますが、そこで、まずこの6年間を総括し、関西広域連合に参加したからこそ得られた成果及び評価について、知事の御所見をお伺いいたします。
○副議長(服部 一君) 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 関西広域連合は、私の言葉で整理をいたしますと、3つ意味があると。1つは、当初よく言われたんですが、国の出先機関の受け皿になりたいということでありました。2つ目は、行政の一部を統合して効率化を図るということであります。3つ目は、広域的な課題に協力して、統合はしないんだけど協力をすると、一緒に取り組むと、この3つを目指すものであろうかと思います。
 しかしながら、この3つの目的のうち、国出先機関の受け皿づくりについては全然うまくいっていません。これを広域連合の本旨であると、あるいはあったというふうに言って、だから広域連合はだめと言うような人もいるんですけれども、これはもともとうまくいくはずがないし、それから逆にうまくいったとすると、実は国の出先機関に広域連合がなってしまうということでございますので、どちらかというとあんまり望ましいもんではないと私は思っておりましたが、私の留守中に決まったことなんで、反逆をするのはいけないなと思って黙っておりました。
 うまくいかなかったんですが、時の政権の甘言に乗った人もいて、マスコミの注目を大いに集めて、そればっかりが喧伝されたんですが、結果的には、論理的にそういうことでございますので、うまくいきませんでした。
 2つ目の統合による効率化ということは、実は小さい分野ですが着々と進んでおります。一部の資格試験の共同実施などについて進んでおりますが、何分、領域が大変小さいということでございますので、範囲は限られているということだと思います。
 一方、3番目の広域的な協力ということについては、私はもともとそれが中心と思っていたので、所定の成果は十分上げ得ているんじゃないかというふうに考えております。具体的に申し上げますと、まず広域防災の分野では、災害発生時に一致協力して即座に全体として支援を行えるというような体制を構築していこうということでございましたが、例えば東日本大震災や熊本地震のときには、カウンターパート方式というのをうまく組織して、みんなで協力して被災地支援を即座に実施できたというところなんかは大きいと思います。
 実は、和歌山県で起こりました紀伊半島大水害のときも、早速、広域連合防災局が助けてあげようかということで、ずっと後詰めをやってくれてました。後詰めというのは、和歌山県と国その他でうまくやったもんですから、あんまりたくさんのところを具体的に助けてもらってないんですけど、それでも常にフォローしてくれて、問題が起こったらすぐ応援を出すという体制をずうっと整えてくれてたのは大変評価すべきことだと思います。
 具体的には、ボランティアの派遣を私は要請いたしました。それをアレンジしてくれたし、それから土木の技術屋さんの派遣ですね、これについても全体で協力してくれて、かつ九州にも頼んでくれて、和歌山県の復旧が早かった原因となっているというふうに思っております。
 次に、東日本大震災に端を発した電力危機とか原子力への対応が挙げられると思います。これは、1県だけでやると、例えば関西電力との関係でいっても、関西電力の供給範囲というのは関西全域ですから、どうしてもうまく話がかみ合わない。みんなでまとまって、それで社長さんなんかとも議論をして、関西全体の利益をリーズナブルに集約していったということができたのではないかというふうに考えております。
 それから、広域インフラ、これ実は私が担当しとるんですが、これについてもみんなで応援しようということができておりますし、差し当たっての大問題としては、北陸新幹線と、それからリニア、これの早期開業について、みんなで力を合わせてやっとるということではないかというふうに思います。
 また、危険ドラッグ対策も広域連合内で情報共有をした結果、和歌山県の先進事例──そのものじゃないんですが──に多少準じたような同様の条例が各県でつくられまして、それで関西全体の対策が進んだと思います。
 関西ワールドマスターズゲームズ2021については、これは関西広域連合で受けないととてもじゃないが受けられないわけですが、それを誘致に成功してこれからということになっておりますし、今、万博の大阪開催、これをみんなで応援しようかというふうに動き出しているところでございます。
 また同時に、今度は和歌山なんかはどちらかというと人口の少ないところですので、全体で引きずられて、どうしても嫌なことを強制されないようにする必要もあったかと思います。これは、制度の設計のときに大分知恵を出しまして工夫をしましたので、うまくいってると私は思っています。大事なことは全員一致、それから個々の事業は、それに参加したくない者は参加しなくていいと、そのかわり口もお金も出さない、そういうふうに決めておりますので、嫌なことはしないでもいいということになっております。
 例えば、嫌なことかどうかはわかりませんが、ドクヘリの統合という問題がありました。これについては、ドクヘリは関西では和歌山がパイオニアでございます。県民は、みんなそれに誇りを持っておりますから、和歌山県ドクヘリという立場は守らしていただきました。それで、ただ、従来どおり協力はするということで、関西広域連合でもうまくやっていただいていると思っております。
 実は、私自身は関西広域連合の行事が多過ぎてちょっとつらいところもあるんでございますが、今申し上げましたように、関西全体で一致協力して取り組むという体制は大事なことだと思いますので、これは大事にしていきたいと思っております。
○副議長(服部 一君) 岩井弘次君。
  〔岩井弘次君、登壇〕
○岩井弘次君 ありがとうございました。事細かく丁寧に御答弁いただきまして、ありがとうございます。
 得られた成果、評価につきまして、広域的な課題に協力して取り組んでいること、特に広域防災、危険ドラッグなどなど、具体的な事例をお答えいただきました。
 ただ、関西広域連合での事務というのは広域的で処理するものでございまして、そもそも県民には見えづらく、県民から遠い組織というイメージがあるのではないでしょうか。県民の広域連合に対する理解とともに、その成果も実感していただけているのか疑問もございます。
 関西広域連合への参加による和歌山県にとってのメリットについて、知事の御所見をお伺いいたします。
○副議長(服部 一君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 関西広域連合は道州制とは違いますので、どうしてもやっぱり県というものが別に消えるわけではございません。したがって、県が関西広域連合の機能をうまく使っていろんな事業をしておれば、逆に県民のほうからすれば関西広域連合の姿が見えないというところはどうしても出てくるかなあと。逆に言うと、県ががたがたになって、それでかわりにやってというような話になるとそれが出てくるんですが、今のところそんなことはございませんので、御指摘のような点はどうしても出てくるかなあというふうに思います。
 ただ、説明を申し上げていかないといけないので、メリット、デメリット──メリットということを申し上げますと、例えば、先ほど申し上げましたが、原子力、電力、エネルギー、違法ドラッグ、そういうような問題については共通の課題でございます。1県だけではあんまり重視されない意見も、みんながまとまれば関西全体の意見として世の中に影響を及ぼすということができていくと思っております。
 それから、各論的に言っても、先ほど言いましたように、広域防災分野については、これは大変役に立つ仕掛けであろうかと思います。
 それから、広域インフラについてはこれからの問題でございますけれども、これも例えば関西全体にとって大変大事な、東京との関係で大事なリニアの同時開業の問題もしくは早期開業の問題、あるいは北陸新幹線の早期開業の問題、こういう問題については力を合わせてやる手段ができたということで、これもメリットになってるんじゃないかというふうに思います。
 それから、広域観光とか広域産業の領域については、関西広域連合でもプロモーションをやってます。こういう問題は、関西広域連合だけがやるというんじゃなくて、どうしても二重に、多層でやっていって、それで使えるところを使っていくというようなことでやるしかないと私は思っております。統合しているEUも、実はこういうプロモーションに関してはそれぞれがやっていて、それで問題なくやってると思っています。合同プロモーションなんかを関西広域連合で企画してくれますので、これを和歌山県としてどう利用していくかなということで、そこのところを利用してやる場合はそっちに行って、独自でやるときは独自でやると、そういうようなことで成果を出していきたいと考えております。
 それから、先ほど言いました、範囲は小さいんですけど、調理師、製菓衛生師、准看護師といった資格試験・免許、これを広域連合全体でやっておりまして、これについては効率化になっとるようなところだと思っております。
 したがって、和歌山県にとってメリット、デメリットを考えますと、デメリットは先ほど申し上げましたように、マイナスのところは一応封じておりますから、全体としてはメリットのほうが大きいんじゃないかというふうには思っております。
○副議長(服部 一君) 岩井弘次君。
  〔岩井弘次君、登壇〕
○岩井弘次君 御答弁ありがとうございました。
 私自身も、まだ約半年しか経過していないので、本当に申し上げたら失礼な部分もあるかもわかりませんのですが、当初、関西広域連合議会議員ということで、鼻息ふんふんで行かしていただいたように思います。ただ、議論の中でどうも、私はせんだっての議会でも言わせてもらったんですけど、フランチャイズ制の関西広域連合という大きな看板のもとにこの2府6県4市が集まった、フランチャイズが集まった、そういうような感覚といいますか、感じがしてございまして、きょうは質問させていただきました。
 ただ、この関西広域連合議会を別に脱退しようとかなんとかというんじゃなくして、入るも出るも大きなハードルがございます。全構成団体が同意せなあかん、議会議決を経るというような大きなハードルもございますし。ただ、設立当初から大きな目的を持って加入しておりますんで、これはもう私自身も選出いただいた議員の1人として、やっぱりしっかり取り組んでいかなあかん、和歌山県のために、また関西のために取り組んでいかなあかんなというふうに、今回質問をずうっと考えておりまして、反省もし、また決意もさせていただいております。
 「関西は1つ1つ」とやゆされることがあるんですけども、個性が異なる各団体または連合と各団体との事務・意見調整を行うことは、相当の困難を伴うもののように感じております。現在、連合議会におきまして、山田先生が本県代表の理事として理事会等で打ち合わせ、意見調整に御尽力いただいております。私の所感と相違してお叱りを受けるかもしれませんが、大変御苦労をされておられるのではないかと思います。
 そして、各分野の担当府県市の職員は併任発令され、連合本部事務局へ各構成団体から職員が派遣されたりもしております。また、各委員は府県知事及び政令市長さんで構成されておりますから、委員会の事前準備等に各団体の事務方が調整するなど、事務の効率性から見てもかなりの負担があるのではとも思料いたします。
 本県の個性、意見が人口の多い大都市の意見などにかき消されてしまうのではないか、平成22年の設立加入時の際にも、諸先輩方が議会においてその懸念を質問されておられます。また、平成22年9月28日の和歌山県議会において附帯決議を行っており、その第2項に「人口が多い中心部に偏ることなく、各地域の個性を連携させて」と条件を付しております。
 私も、さきの連合議会での一般質問で「東京一極集中を打破し、国土の双眼構造を構築することは連合設立の眼目であり、大いに理解するところではありますが、広域連合内においても各構成団体間で人口やインフラ、財政力など体力差、格差があることは明らかであることから、連合内においてさらに一極集中的な状況にならないよう、関西全体、各構成団体が発展することを要望し、また、広域計画にあるように、構成団体全てに公平・公正な利害調整が広域連合によりなされることがあるべき将来像ではないか」といった旨を訴えさせていただきました。
 るる述べましたが、関西広域連合が中心部偏重とならないよう、副連合長に再選された仁坂知事に期待するところ大でございますが、今後、本県の存在感、県勢浮揚・発展のため、大いに利活用し、県民の皆さんに見えるような成果をより上げられるよう取り組んでいかなくてはならないと自分自身にも言い聞かせながらの意見を申し述べ、一般質問を終わらせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(服部 一君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で岩井弘次君の質問が終了いたしました。

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