平成28年12月 和歌山県議会定例会会議録 第2号(泉 正徳議員の質疑及び一般質問)


平成28年12月 和歌山県議会定例会会議録

第2号(泉 正徳議員の質疑及び一般質問)


汎用性を考慮してJIS第1・2水準文字の範囲で表示しているため、会議録正本とは一部表記の異なるものがあります。

正しい表記は「人名等の正しい表記」をご覧ください。

  午後1時0分再開
○副議長(服部 一君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 11番泉 正徳君。
  〔泉 正徳君、登壇〕(拍手)
○泉 正徳君 議長のお許しをいただきましたので、一般質問に入らせていただきます。
 私には忘れることのできない5年前の平成23年9月3日、前日の2日から大雨洪水警報が発令されて、降り続ける雨はやむ気配すら見せずに、次第に雨足を強めてまいりました。夕方の午後4時には田辺市から避難指示が出され、私は、年老いた両親とたまたま帰省していた娘の家族とともに避難所に向かい、夜を迎えました。日付が変わるころには、停電はもとより携帯電話もつながらなくなり、地区は孤立しました。無論、自宅はもう床上までつかっていました。
 やっと台風が去って水位も下がり、避難所から帰り支度をしようと思った4日の朝に、今度は私たちが住んでいる地区の上流4キロメートルのところで大規模崩壊があり、土砂ダムができたとの通報が入りました。この大規模崩壊で奥番地区、8世帯11名が暮らす集落が消滅してしまいました。私の住む地区は立入禁止区域となり、2日目の夜も場所を変えて体育館での避難生活を余儀なくされました。
 私は、2日間、大雨と土砂崩れによる避難所生活を体験しましたが、被災者の多くは私なんかの何倍もの御苦労をされたということは言うまでもありません。
 この12号台風は、紀伊半島各地に河川の氾濫や国道、県道などの道路の決壊、また大規模な山腹崩壊、その上、家屋の倒壊や洪水などで、本県では死者56名、行方不明者5名という何十年に1度と言われる甚大な被害をもたらしました。
 あれから5年の歳月を経過しましたが、紀伊半島大水害で被災した崩壊地等の砂防事業にどのぐらいの予算が投資がなされたのか、また、現在の進捗状況について県土整備部長にお伺いします。
○副議長(服部 一君) ただいまの泉正徳君の質問に対する答弁を求めます。
 県土整備部長森戸義貴君。
  〔森戸義貴君、登壇〕
○県土整備部長(森戸義貴君) 紀伊半島大水害を受けた砂防事業の予算と進捗状況について御質問を頂戴いたしました。
 紀伊半島大水害後、和歌山県内においては、国と県が実施する砂防事業により、土砂災害からの復旧を図ってまいりました。
 国においては、山全体が崩れる深層崩壊や流域全体に土石流が発生するなど、大規模な土砂災害が発生した県内の3つの地区、田辺市旧大塔村の熊野地区、田辺市本宮町の三越地区、那智勝浦町市野々地区を中心とする那智川流域について、直轄による砂防災害関連緊急事業と特定緊急砂防事業で対策を実施していただいております。
 特定緊急砂防事業の最終年度となる平成28年度までの間で総事業費は3地区合わせて約215億円であり、奈良県内での同種の直轄事業の総事業費が約346億円と聞いておりますので、合わせますと約561億円となります。
 また、県においては、43カ所の土砂災害発生箇所について、災害復旧事業、災害関連緊急砂防事業、災害関連緊急地すべり対策事業、特定緊急砂防事業及び特定緊急地すべり対策事業により平成23年度から26年度までの間で対策を実施してきており、総事業費は約54億円となっております。
 次に、これらの事業の進捗状況ですが、国直轄事業を実施している3地区につきましては、平成28年度までの特定緊急砂防事業等により基幹となる砂防堰堤が完成することによって、土砂流出に対する一定の安全度を確保する施設整備がなされたものと認識しております。県の43カ所につきましては、平成26年度末までに災害に関連する対策は全て完了しております。
○副議長(服部 一君) 泉 正徳君。
  〔泉 正徳君、登壇〕
○泉 正徳君 御答弁いただきましてありがとうございました。相当な予算がつぎ込まれているということが理解できました。
 次に、田辺市熊野地区の進捗状況について質問します。
 冨安県議を会長とする和歌山県自由民主党県議団砂防事業推進議員連盟は、9月6日に那智勝浦町にある大規模土砂災害技術センターと那智川流域の被災箇所を訪れ、那智川流域の復旧工事の進捗状況とセンターの活用について研修を行いました。また、10月13日には、田辺市熊野の被災箇所において、紀伊山地砂防事務所長を初め担当職員より工事の経過説明を受けました。工事現場では、事務所長が我々の質問に的確に答えられ、作業工程や工法の説明にはさすがは砂防事業の専門家であると感心しました。
 当日の現地の視察において、私が見る限り、熊野地区では完成までにはまだ時間が必要と感じました。熊野地区の奥には小森地区という約20戸の集落があり、その地区には50人収容の知的障害者施設や2棟12名が生活するグループホームもあります。施設で働く職員の通勤はもとより、高齢者が多い集落では緊急時の対応などの不安も尽きませんし、不自由な生活を強いられています。
 熊野地区の一日も早い復旧を望んでいますが、熊野地区の進捗について県土整備部長にお伺いします。
○副議長(服部 一君) 県土整備部長。
  〔森戸義貴君、登壇〕
○県土整備部長(森戸義貴君) 熊野地区の進捗状況について御質問を頂戴いたしました。
 熊野地区につきましては、高さ14.5メートル、幅145.6メートルの基幹となる1号砂防堰堤と熊野川の流水を上流から下流に円滑に流す排水路工がこれまでに完成しており、土砂流出に対する一定の安全度が確保されたと認識をしております。さらに、平成28年度予算において、山腹崩壊土砂をとめる土砂堆積工とその斜面からの流水を流す表面排水路工を完成させる予定と聞いております。
 しかし、1号砂防堰堤の下流の渓流保全工や床固め工、上流部の流木どめ工、崩壊地の排土工やのり面保護工、管理用道路については、平成28年度までの予算では完成することができず、将来施工が必要になると国土交通省紀伊山地砂防事務所から聞いております。
 今後の見通しでございますが、平成24年度から28年度までの5年間を期間とする特定緊急砂防事業が今年度で終了するため、将来施工が必要となる施設についても、引き続き国による直轄砂防事業で工事を施工していただくよう、強く働きかけているところでございます。
○副議長(服部 一君) 泉 正徳君。
  〔泉 正徳君、登壇〕
○泉 正徳君 次に、熊野川の濁水についてお伺いします。
 熊野川流域では大規模かつ多数の山腹崩壊が発生し、大量の土砂が河川に流入し、これらの多くは奈良県内にあるダム湖内に堆砂され、堆積した土砂は熊野川の長引く濁水の原因であることは言うまでもなく、濁水の影響は世界遺産に登録された世界で唯一の川の参詣道の景観保全や観光面にも大きな影響を与えています。
 私は、いつも熊野川を眺め、2キロ上流に行けば奈良県十津川村というところに住んでいますので、奈良県内で施工されている現場をよく見に行くのですが、崩壊斜面ののり面工事が完成していない現場の多くは、いまだに降雨のたびに崩壊地より土砂が流水とともに生産され、ダムに堆砂される悪循環で、濁水長期化の要因となっています。
 そこで、一日も早い土砂発生原因となる災害箇所の復旧が望まれるところであるが、熊野川の濁水の現状はどのようなものか、県土整備部長にお伺いします。
○副議長(服部 一君) 県土整備部長。
  〔森戸義貴君、登壇〕
○県土整備部長(森戸義貴君) 熊野川の濁水の現状について御質問を頂戴いたしました。
 熊野川の濁水については、平成23年9月の台風12号により上流で大規模な山腹崩壊が発生し、濁水の長期化が顕著となったことから、平成24年7月に、国、三重県、奈良県、和歌山県、ダム管理者である電源開発株式会社、関西電力株式会社及び沿川市町村による熊野川の総合的な治水対策協議会を設置し、各機関において対策を実施しているところでございます。
 流域対策については、平成33年度末を目指し、国土交通省や和歌山県等が洪水後の濁水の発生源となっている崩壊地対策や河道への土砂流出防止対策を治山、砂防事業で実施しております。
 また、電源開発株式会社が実施するダムの貯水池対策については、洪水後には表層の清水層から取水できるよう、風屋ダムや二津野ダムに浮き沈みする濁水防止フェンスを平成27年度末までに設置するとともに、風屋ダムの取水設備の改造に着手いたしました。あわせて、洪水後の濁水早期排出と清水貯留期間の延長など、発電運用の改善にも取り組んでおります。
 各機関の対策により濁水の発生日数は徐々に改善していると報告されておりますが、現時点ではいまだ紀伊半島大水害以前の状況に至っていないため、引き続きこれらの対策を早期に完成させるとともに、その進捗状況、対策効果のモニタリングを関係機関と連携し進めてまいりたいと考えてございます。
○副議長(服部 一君) 泉 正徳君。
  〔泉 正徳君、登壇〕
○泉 正徳君 どうもありがとうございました。
 次に、砂防事業の促進についてお伺いします。
 台風12号での大規模崩壊に関する砂防事業についてるる質問しましたが、下流域の住民の安全・安心を確保し、河川や生態系の保全という観点からも事業を進めなければなりません。しかしながら、現状は残事業も多く見られ、まだまだ数ある砂防事業の完成までには時間が必要と感じています。
 今回、12号台風で発生した崩壊地は規模も大きく、今後も事業には多額の予算が必要であり、技術的にも一自治体では困難な工事も残っており、事業の影響する範囲も県境をまたいで広範囲であることなどから、国の直轄事業として促進してもらうことが必要と思っています。
 自由民主党県議団砂防議連では、先月、国に対して、大規模土砂災害の国による推進に向けての要望書を冨安会長名で提出しています。しかし、一日も早い事業の完成を目指すためには、被災した県や市町村が一体になり取り組まなければならない課題であります。今後の促進に向けて、知事の御所見を伺います。
○副議長(服部 一君) 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 紀伊半島大水害で大規模な土砂災害が発生いたしました、先ほど議論がずっと続いております県内の3地区では、国の直轄砂防で直していただいているということについては本当に感謝をしております。
 国の砂防事業の実施によりましてかなり安全度が確保されつつあるというところではありますけれども、まだ完成ではございません。工程的には、先ほど部長が御説明したようなものが残っておりますので、これはさらなる対策が必要であると思っておりまして、国に県からも一生懸命お願いをしているというところでございます。
 また、大水害により紀伊山地全体で多数の崩壊地が存在することになりました。県内は、大規模な直轄砂防の対象地域と、それからこれも御説明しましたが、県で一生懸命取り組みましたものを含めまして、かなり進捗がいいんですが、熊野川の濁水の遠因というか原因になっております奈良県側の崩壊については、和歌山県側の完成度に比べると圧倒的におくれておると。私も何度かその後もあの辺を通りかかっとるんですが、うわあ、まだこれ雨降ったらずるずると流れ込むなあというようなところがいっぱいございます。
 したがって、和歌山県側の工事の完成はもちろんのことでございますが、奈良県側も一日も早い完成をお願いしますと言って、私も折に触れては国土交通省にそんなふうにお願いしてるところでございます。
 そのほかにも、別にどこがということではまだないかもしれないんだけど、紀伊山地あるいは和歌山県の山合いのところは、非常に傾斜も急で脆弱な地域が多いと思われます。例えば地震とか、あるいは例えば大雨とか、そういうところで何か不都合が生じ、県だけではなかなか難しいというようなときには、これをよき前例として直轄で高度な技術で直してもらいたいというようなことを、一般論としてはいつも思っておりますので、こういうことについての配慮も今後ともやっていただきたいというようなことを、折に触れ申し上げていきたいと思っております。
○副議長(服部 一君) 泉 正徳君。
  〔泉 正徳君、登壇〕
○泉 正徳君 大変、これからも必要だということを認識されて努力されていること、本当にありがとうございます。ぜひとも、よろしく進めていっていただきたいと思います。
 じゃ、次の質問に移ります。
 次は、過疎対策についてでございます。過疎集落対策の実績と今後の取り組みについてお伺いします。
 本県の人口は、国勢調査によりますと、昭和60年に過去最大の約108万7000人となっており、それ以降は減少の一途で、平成27年には12万3600人が減少し、約96万3500人となっています。日本全体では平成20年にピークを迎えたと言われていますが、本県はそれに先んじて人口が減少しております。
 では、本県の過疎地域の人口はどうかといいますと、昭和35年には約39万人いましたが、それが平成22年の国勢調査時では26万人と、平成27年では25万人と、さらに減少しています。また、いわゆる過疎地域自立促進特別措置法の対象となる過疎地域も広がり、5年前の過疎自立促進方針作成時には16市町村でしたが、近年では、湯浅町、印南町が過疎地域に含まれ、県内では18市町村となり、県内30市町村の6割が過疎市町村となりました。
 和歌山県の面積でいえば約4分の3が過疎地域であり、そこに人口の約4分の1の方が生活していることになります。もっとも、過疎地域の約86%は森林であり、県民の多くは残りの集落地域で生活しています。今、この生活している集落で、人口減少を理由とする多くの問題が発生しつつあります。
 第1に、地域産業の後継者不足です。
 過疎地域の多くは農山漁村です。この農林水産業では、後継者がおらず、耕作放棄地がふえ、山林が荒れ、漁業従事者も減っていく一方です。地域全体で働き手自体が高齢化し、60代でさえ若手と呼ばれるような状況です。
 また、過疎化は地域商店の衰退を招き、多くの商店が閉店し、ふだんの買い物さえ車に乗っていく必要がある状況です。さらに、その車に入れるガソリンスタンドが閉店に追い込まれ、車の運転ができない高齢者はふだんの生活でどんなに苦労していることでしょう。
 その他、地域機能全般にわたってさまざまな分野で影響が出ています。地域のお祭りや伝統行事の維持も困難になってきています。お寺や神社の維持も同じ状況です。本当に今、地域のつながりをどう維持していくのか、1つ1つの集落で多くの課題が突きつけられています。
 県人口が100万人を割った今こそ、中山間の過疎地にある集落で個々の地域資源を有効活用しながら、継続できる地域づくりを進めていく必要があります。そのためには、みずからが、地域自体が主体的に地域づくりを行い、みずからの資源と知恵を用いて地域を維持、継続していく意欲が必要であるということは言うまでもないことですが、国や県、市町村の支援も必要です。また、民間人を含めたさまざまな人的支援もとるべきでしょう。
 そこで、本県の過疎集落対策の実績と地域おこし協力隊などの外部人材の活用を含めた今後の取り組みについて、企画部長にお伺いします。
○副議長(服部 一君) 企画部長髙瀨一郎君。
  〔髙瀨一郎君、登壇〕
○企画部長(髙瀨一郎君) 県では、昭和の合併前の旧町村や中学校区といった過疎生活圏の単位で、過疎集落の再生と活性化を目的とした地域住民の主体的な取り組みを支援する過疎集落支援総合対策事業に平成22年度から取り組んでまいりました。
 県からの提案により、国も同様の事業を創設し、国事業、県事業合わせて18市町村34生活圏で実施され、日常生活機能の確保や地域資源を生かした活性化の取り組みにより、地域の自立につながっていると考えております。事業に取り組んだ地域の住民からは、活動を通じて集落に活気が生まれ、元気になったという御意見もいただいているところであります。
 人口減少と高齢化が進む中、議員御指摘のとおり、過疎集落では地域産業の後継者や地域づくりの担い手が不足しており、都市部から移住して地域活動に取り組む地域おこし協力隊などの外部人材を活用することは大変重要であると認識しております。
 そのため、県から市町村に強く働きかけた結果、きょう現在、昨年度の2倍を超える39名の地域おこし協力隊が活動しており、内定者と募集人員を含めると年度内には50名に達する見込みであります。これらの隊員は、個々の能力や特性を生かし、それぞれの地域で商品開発や販路開拓、生活支援などに活躍しています。
 県といたしましては、今後も外部人材との協働の重要性を踏まえ、過疎集落の維持と活性化に向けた市町村の取り組みを支援してまいります。
○副議長(服部 一君) 泉 正徳君。
  〔泉 正徳君、登壇〕
○泉 正徳君 ありがとうございました。しっかりと小さな集落を支えていける政策をお願いしたいと思います。
 次に、定住自立圏構想に向けた県の取り組みについて伺います。
 高度経済成長以降、道路等の交通網のインフラ整備はいわゆる国土軸を中心として徐々に進められてきましたが、本県においても、高速道路は田辺からすさみまで延伸し、那智勝浦新宮道路との接続や紀伊半島一周高速道路の実現もそれほど遠い未来とは言えない時代になってきました。また、国道や県道の改良工事も進め、20数年前に国道311号で車の対向に苦労したことも昔の思い出となっています。
 さらに、情報通信手段の発達は普及も著しく、電話を携帯できる時代が来たかと思えば、今ではニュースなどの多くの情報が手元の端末でやりとりできる時代となっており、民間、行政それぞれのサービスについても、住民満足のレベルは高くなっていくばかりと言えます。
 その結果、旧の市町村単位でおおむね成立していた日常生活が拡大、広域化し、ふだんの買い物や医療機関の受診、介護など、多くの分野でより満足する商品やサービスなどを求めて隣町に行くようになっています。
 他方、急速な少子高齢化は地方において顕著な人口減少と過疎化を招いており、先ほどの国、県、市町村が一体となった過疎対策への取り組みがなされているところですが、人口減少に歯どめがかかるまでにはまだまだ時間が必要と言えましょう。
 このような状況のもとで過疎化が進む基礎自治体において、今までの住民サービスの提供がこのままでは困難となるのではと思われるところもあります。特に、住民に密接に関係ある医療や福祉、介護、保険など、そのサービスの維持や継続が将来困難となり、提供できるレベルも低下していった場合、ますます住民が少なくなり、過疎化を招くのではないかと心配します。また、観光などの分野では、市町村域を越えた積極的な地域圏ごとでの取り組みによってこそ、より地域の魅力を発信でき、十分な効果を上げられると考えられる事業もあります。
 行政の効率化と住民サービスの向上に向けては、かつて市町村合併が国を挙げて進められてきましたが、それから約10年が経過しました。1つの基礎自治体ではサービスの提供が困難となっている医療や福祉サービスなど、複数の基礎自治体で実施することでより適切な事業効果やサービスが期待できる事業については、市町村で広域的連携を積極的に図っていくことが今後必須ではないかと考えます。
 国においてはこのような取り組みとして定住自立圏構想が進められておりますが、本県の状況と取り組みについて総務部長にお伺いします。
○副議長(服部 一君) 総務部長浦上哲朗君。
  〔浦上哲朗君、登壇〕
○総務部長(浦上哲朗君) 定住自立圏構想は、人口減少社会においても市町村が持続可能な形で行政サービスを提供し、地域住民の暮らしを守り、定住につなげていくことができるよう、単独の市町村であらゆる行政サービスを提供するのではなく、中心市と近隣市町村が連携して行政サービスを確保していく施策でございますが、人口減少が進む本県においても必要な取り組みであると考えております。
 中心市の要件としましては、原則、人口が5万人程度以上であること、昼夜間人口比率が1以上であることなどでございまして、県内で中核市を除く市で中心市の要件を満たすのは、新宮市と田辺市の2市となってございます。
 現在の取り組み状況についてでございますが、新宮市におきましては、関係町村との議論を経まして、平成27年11月に検討会議が立ち上がっております。検討会議においては、どのような事業が連携が可能かとか、またそれによりどのようなメリットがあるのかなどについて、県も参画しまして議論を重ねているところでございます。
 田辺市におきましては、現在、検討会議の立ち上げには至っておりませんけれども、県としましては、取り組みの必要性、それから先行圏域の取り組み状況等の情報提供を行いながら、定住自立圏の形成についての検討を働きかけているところでございます。
 県としましては、定住自立圏の形成に当たり関係市町村間で効果的な連携がなされるように、相互の施策の理解や連携の必要性、連携方法などについて丁寧に議論していく必要があるというふうに考えておりまして、今後、議論が活発になされるように、連携項目例の提示とか、それから先行団体の連携手法の紹介を行うなど、引き続き積極的に支援してまいります。
○副議長(服部 一君) 泉 正徳君。
  〔泉 正徳君、登壇〕
○泉 正徳君 御答弁ありがとうございました。
 じゃ、次の項目に移ります。
 選挙についてでございますが、ことしの夏に行われた参議院選挙では、初めて選挙権年齢が18歳まで引き下げられ、実施されました。当日の県内の投票結果を見ますと、県全体では、18歳45.96%、19歳37.59%であり、地域別に見ますと、18歳では、伊都振興局管内の57.51%に比べて東牟婁管内では36.76%と20ポイント余りの差があり、19歳年齢でも、これも伊都振興局管内の46.14%に比べて東牟婁管内では20.97%、北高南低、投票率に大きな開きがあります。
 先日、島根県西部地方に調査に行ってきましたが、ここでも県全体の投票率は、18歳が44.98%、19歳は32.84%と18歳に比べて19歳年齢の投票率が低い結果が出ていました。
 このことは、全国的にも18歳より19歳の投票率が低いという同じ傾向が見られています。しかし、東京都に絞って結果を見てみますと19歳人口の投票率は53.8%、和歌山県37.59%、東京都と和歌山県では投票率に大きな差があることがうかがえます。相対的に、都市部の投票率は地方の投票率を上回っていました。
 19歳になると大学進学などで地元で生活していない不在者が多いので投票しないのではないかと推則されますが、今後、これらの不在者の郵便投票の簡素化や若者の投票率アップに向けての取り組みが必要ではと、何か手だてはないものかと思っています。
 また、先日調査に行った担当者に投票率を上げるために何が必要かと聞いてみました。すると「小学生時代に早くから選挙の教育をすることと親の投票行動、わかりやすく言えば、親が投票に行かない家庭のほうが子供も行かないのでは」という意見が返ってきました。
 民主主義の根幹をなす選挙ということに関心を持ってもらえるように、今回の投票結果を踏まえて、今後の啓発等の取り組みについて選挙管理委員会のお考えをお示しください。
○副議長(服部 一君) 選挙管理委員会委員長上山義彦君。
  〔上山義彦君、登壇〕
○選挙管理委員会委員長(上山義彦君) 7月10日執行の参議院議員通常選挙の本県における10代の投票率については41.81%で、議員御指摘のとおり、全国平均を4.97ポイント下回っております。
 選挙管理委員会では、従前から常時啓発の一環として、小学6年生を対象として選挙出前講座を実施してきたところです。今回の選挙権年齢の引き下げを受け、この選挙出前講座の対象を高校生まで拡大し、参議院議員通常選挙までに県教育委員会等の協力を得て、県内の全日制の高校全てに対し実施したところでございます。また、若年層に選挙への興味や関心を持ってもらうため、立候補受け付け準備等の体験やSNSを使った情報発信など、新たな手法による啓発に努めてきたところでございます。
 今回、10代の投票率は20代前半の投票率を5.58ポイント上回っており、こういった取り組みが一定の効果を上げているものと考えます。しかしながら、10代の投票率が全国平均を下回ったことは非常に残念に思っております。
 今後の啓発の取り組みについてですが、選挙出前講座については、住民票異動の届け出の必要性や不在者投票制度などを盛り込むなど、内容について見直しを行ったところです。いずれにしましても、選挙権年齢の引き下げを受けて新たに実施している啓発については始まったばかりであり、従来実施してきた小学6年生を対象とした選挙出前講座とあわせて、継続した取り組みとしていくことが投票率の向上につながるものと考えております。
 今後も、引き続き県教育委員会や市町村選挙管理委員会と連携し、若年層の選挙への関心を高められるよう積極的に取り組んでまいります。
○副議長(服部 一君) 泉 正徳君。
  〔泉 正徳君、登壇〕
○泉 正徳君 先日、島根県の浜田市に移動期日前投票所について調査に伺いました。
 浜田市では市町村の合併後、有権者が極めて少ない投票所においては、投票日当日の投票者が少ないことや投票立会人の選任が難しいなどの理由により代替案が検討され、旧投票所など11カ所に日時を限定した移動期日前投票所を開設するに至ったそうです。お手元に資料を提供させてもらっています。市役所の10人乗りのマイクロバスを利用して、一番後部座席に投票管理者と立会人が座り、運転席の後ろが投票者の席となり、経費面では記載台とプライバシー保護パネルなどの設置や人件費、通信費などを含めて30万円余りの出費があったそうです。
 投票自体は車の中で行いますが、投票所の場所については旧投票所など事前に広報で知らせ、また、入場券の送付の際に投票場所と時間を明記しておいたそうです。元来小さな地区なので大きな問題もなくスムーズに投票され、住民の評価は高く、他地区からの要望もあるそうです。投票立会人や投票管理者不足の解消や投票所設営の準備や片づけなどの作業量の減少につながり、効果が見られたとの意見でした。
 投票所の設置等は基本的には各自治体が行うことでありますが、和歌山県でも選挙の効率化や簡素化への取り組みは必要だと思われますが、このような例を情報として示していくことも1つの方法ではないかと考えますが、選挙管理委員会のお考えをお聞かせください。
○副議長(服部 一君) 選挙管理委員会委員長。
  〔上山義彦君、登壇〕
○選挙管理委員会委員長(上山義彦君) 選挙において、選挙人の投票機会を確保することは非常に重要であると認識しているところであります。中でも今日の過疎化、高齢化の進展する中で、投票所まで距離がある方や高齢者にとって投票しやすい環境づくりというのは、常に配慮しなければならないものと考えております。
 選挙管理委員会といたしましても、投票機会の確保については、投票区における遠距離地区の解消に努めることや期日前投票所の設置、地域の実情に応じた移動支援策などを積極的に行うよう、市町村選挙管理委員会に対し助言しているところでございます。高齢化、過疎化が進む地域の選挙人にとって、移動期日前投票所は投票機会の確保につながる選択肢の1つであると考えます。
 選挙管理委員会といたしましても、市町村選挙管理委員会に対し、浜田市のような新たな取り組みなどを機会を捉まえて紹介するとともに、今後とも投票環境の向上に関して、市町村選挙管理委員会と連携して取り組んでまいりたいと考えております。
○副議長(服部 一君) 泉 正徳君。
  〔泉 正徳君、登壇〕
○泉 正徳君 それでは、最後の質問に入ります。
 投票事務のことなので少し専門的な質問ですが、投票所には、さきの質問でも申し上げましたとおり、投票管理者と立会人が必要なのは皆さん御存じだと思うのですが、小さな地区では高齢化や人口減少により、この選任に苦労しているのが現状です。
 また、この人たちは、投票終了後に投票箱に同行して開票所まで行き、開票管理者に届けなければならないことになっています。投票所に1日座るだけでも選任が困難なところに、投票所によっては開票所までの移動時間が長時間になり、投票管理者や立会人の負担が大きくなるのが現状です。
 ちなみに、私の住んでいる田辺市本宮町は投票所が14カ所ありますが、6時に投票を終え、7時に旧役場に集合して、田辺市の開票所まで1時間余りかけて投票箱を運ぶのですが、投票箱14個に対して28人の人がチャーターしたバスに乗って往復するのです。帰ってからも、集合バスから自宅までの時間を考えますと、午後10時を超えることも少なくありません。
 全国的にはこのような地区がたくさんあろうかと思われますが、制度改正をしてもらえるよう国に働きかけをしてもらいたいと思いますが、選挙管理委員会の御意見を伺います。
○副議長(服部 一君) 選挙管理委員会委員長。
  〔上山義彦君、登壇〕
○選挙管理委員会委員長(上山義彦君) 投票管理者等の負担軽減についてでありますが、投票箱の送致については、公職選挙法第55条で投票管理者は1人以上の投票立会人とともに投票箱などを開票管理者に送致しなければならないと規定されており、投票管理者と少なくとも1名以上の投票立会人が投票箱を開票所の開票立会人に直接引き渡すことになっております。
 県内には市町村合併により開票所から離れている投票所が存在し、そのような投票区では、長時間の拘束や投票箱の送致に係る負担もあり、投票管理者、投票立会人のなり手不足が問題となっていると認識しております。
 選挙管理委員会といたしましては、この投票箱の送致に係る負担軽減については既に国に対し要望を行っているところでありますが、引き続き市町村選挙管理委員会と連携して要望してまいりたいと考えております。
○副議長(服部 一君) 泉 正徳君。
  〔泉 正徳君、登壇〕
○泉 正徳君 御丁寧な答弁、ありがとうございました。これにて私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(服部 一君) 以上で、泉正徳君の質問が終了いたしました。

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