平成28年9月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(立谷誠一議員の質疑及び一般質問)


平成28年9月 和歌山県議会定例会会議録

第4号(立谷誠一議員の質疑及び一般質問)


汎用性を考慮してJIS第1・2水準文字の範囲で表示しているため、会議録正本とは一部表記の異なるものがあります。

正しい表記は「人名等の正しい表記」をご覧ください。

 質疑及び一般質問を続行いたします。
 4番立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕(拍手)
○立谷誠一君 通告に従いまして一般質問を行います。
 8月1日午前9時55分、紀伊半島の牟婁の山並み深い山中で、雑木林の伐採中に作業員の死亡事故が発生した。当時、林業会社から請け負った山で、43歳のお父さん、二十の長男、18歳の次男、そして、ほかに2名の林業作業員とともに朝の仕事がスタートした直後でありました。43歳の父が作業中に木材の搬出のため張りめぐらされていた野猿に当たり、20メートル余り急斜面を滑落した。大量に出血する姿を目の当たりにした長男が近くで作業中の雇用主に一報を入れ、雇用主より田辺消防等を経由して防災ヘリの出動を要請することとなった。
 県の防災ヘリは、救助要請を受けると同時に奈良県の防災ヘリに応援要請を入れ、30分ほどすると県の防災ヘリが上空に到着するが、滑落場所は設置されている索道があるため、そのまま救助体制に入れず、田辺消防署特別救助隊の救急救命士等によるLT挿入などの後、急斜面に倒れてるお父さんをピックアップポイントまで70メートル移動することとなった。そして、事故発生から2時間30分後に奈良県の防災ヘリが到着したときには、既に43歳のお父さんは、長男と次男に見守られる中、帰らぬ人となりました。
 救助活動内容に不満のあった子供たちは、後日、田辺消防に出向き、時系列的に詳細な説明を受けた。その説明と協議の中で納得せざるを得なかった子供たちは「もう山には入らない」と言うだろうと私は思い込んでいましたが、次の子供たちの発言は、同席していた我々の耳を疑うほどでありました。「これからも山仕事を続けたい」と言ったのです。私は心が震える思いでした。この若さで、大けがをして大量出血がとまらず、虫の息の中で死んでいったお父さんを無念のうちに涙で見守った兄弟が、それでもお父さんと一緒に働いたあの厳しい同じ山仕事を続けていくと言ったのです。
 そのとき私は思いました、山仕事のリスクはどの程度なのか。このまま、この兄弟がお父さんのような事故に遭わないで山仕事を続けるためにはどうすればよいのか。初めて山仕事につく場合は、誰が、どこで、どのように指導してくれているのか。
 山に入り、山を守り続けてくれる人々がなければ、木の国和歌山は崩壊してしまいます。これからも山には若い世代の存在が必要です。山の事故を防ぐために、徹底した教えと指導が山に入る人々に必要です。当局の見解をお尋ねいたします。
○副議長(服部 一君) ただいまの立谷誠一君の質問に対する答弁を求めます。
 農林水産部長鎌塚拓夫君。
  〔鎌塚拓夫君、登壇〕
○農林水産部長(鎌塚拓夫君) 本年8月1日に西牟婁管内で発生しました林業架線による集材作業中の死亡災害につきましては、県といたしましても大変残念に思っているところでございます。
 林業労働は、傾斜した足場の悪い場所で伐倒木などの重量物を扱うことなどから、他の業種と比較して労働災害の発生率が高い状況にあります。平成26年の全国統計によれば、4日以上の休業を要する労働災害発生率は、全産業平均では従業者1000人に対して3.0人であるのに対し、林業では従業者1000人に対して24.4人と約8倍になっております。
 県内で発生した同様の休業労働災害は、10年前には年間100件程度発生していましたが、徐々に減少し、平成27年は51件とほぼ半減しているものの、依然として災害発生率は全国平均を上回っております。
 労働災害防止への県の取り組みとしましては、労働基準監督署などとの共同による県内一斉安全パトロールを実施するとともに、平成26年度からは、労働災害防止対策のための装備品購入補助制度も創設いたしました。
 新規就業者を対象とした研修としましては、国の受託研修として緑の雇用研修を実施しておりますが、これに加え、県独自の研修として、新規就業者及び既従事者を対象とした林業技能作業士育成研修を実施しております。毎年、新規就業者は10名程度、既従事者は40名程度が受講し、安全作業の基本習得と林業作業に必要な資格取得を図っているところでございます。
 今後、戦後植林した森林が伐採期を迎え、増産が求められる中、林業労働災害の防止の取り組み強化は喫緊の課題であります。来年4月の開校に向け準備を進めております農林大学校林業研修部においても、現場に即した実地研修や安全対策研修を充実するとともに、個人事業主を含めた林業事業体への研修参加について、より一層働きかけてまいります。
○副議長(服部 一君) 立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕
○立谷誠一君 答弁、ありがとうございます。
 答弁の中でちょっと感じたことをお聞きいただきたいと思います。
 まず、10年前に比べて半減してるという話ですが、私が思いますので、そもそも山仕事に入る人の数が相対的に減ったから半減してるということになってるんじゃないかと。全体を見たときに、減ってるというふうな解釈というよりは、私がちょっとこの事故が起こってから何人かの林業家の方々のおうちまでお伺いして内容をお聞きしましたら、減ってるようには聞こえない、そういうふうに感じましたので、どうぞよろしくお願いします。
 それから、それでお二方の家に、元請的な一緒に山の仕事をされてる方々に、一体全体山の仕事ってどんだけ厳しいんかなということを知りたいのでちょっと行ってきました。そのときの内容を、山仕事って本当にわからない人が多いと思いますので──私も含めてですね──ちょっとお聞きいただきたいと思います。
 上富田にお住まいのTさんとさしていただきます。64歳の方でした。44歳のときに山仕事に入りまして8年間ほどありましたが、御自身もその8年の間に大きな事故に遭いまして、今は車椅子の生活なんですが、それで、その間に4人の死に至る現場を見たと、8年の間にですよ。
 まず1点目ですが、白浜町の市鹿野よりさらに奥の上露の山で、杉、ヒノキの100年生の木を切っていた。伐採は同じ方向に切り倒していくが、先に切り倒した木の上に斜めに重なって落ちたとき、頭が──切り口のことですよね──飛んできた。当人たちは、当然、周りにおる人は2~3メートル逃げたと。それでも吹っ飛んできまして、近くに──その方の住所の近くという意味ですが──住んでいた50歳くらいの方が頭を直撃されて、頭が吹っ飛んで即死したというお話が1つです。
 それで2人目は、木を切り倒した後、枝を切り落としていくんですけれども、枝を落とし過ぎてしまって丸太と一緒になって──つるつるになるわけですね、枝があればまだとまるわけですけど。でも枝を落とさなあかんわけです。枝を落として、その枝と一緒に谷底まで吹っ飛んでいって、当然大けがしますよね。で、その後死亡した。
 3人目は、野猿を張るわけです、搬出するために。その野猿は、1本しっかりした内線を張り、その内側にローラーを置き、アウト線を張ることになっていくわけですけど、その内側に入ったため──この野猿の内側に入ってしまう、仕事の都合で入らざるを得ないときが時々あるようですね。その内側に入るというのは大変危険な行為で、内側に入ったために、40代の働き盛りの男性がアウト線が外れたと同時に100メートルほど吹っ飛ばされて、向かいの山まで飛ばされて、当然、内臓破裂で即死。
 4人目は、田辺市の中辺路町の近露ですけれども、草刈り機で草刈り中に、その日は暑かったらしいので、肩にかけてたベルトを外して刈ってたらしいんです。それで滑った拍子に、どうしても山というのは運動場みたいな面ではないので、傾斜がかかってるというか、それで滑りまして、首を草刈り機ではち切ってしまいまして即死です。そんなことがもう頻繁に起こってると、こういうことです。
 この人の見解は、同じような土木の仕事やから山仕事も似てる、土木しててユンボの運転でもしてたらおいでよと、こんな感じで誘われたらしいんですが、そんなことで入るようなことではない、山仕事は物すごく危険であると、素人は絶対入らしたらあかん、そのようなお話だったことをちょっと記憶にとどめていただきたいと思います。
 もう1人の方も似たようなことをずっと言われてまして、チェーンソーも危険だと。チェーンソーで体を切って死んでしもうたり、足が切断されたりとか、そんなことをもう本当に山の仕事の中でかなり見てきてると、こういうふうに聞きました。
 いや、聞けば聞くほど本当に恐ろしいな。で、恐ろしいからもう山仕事をしなくていいかといったら、そうはいきません。我々、木の国和歌山と言われるほど山の資源に恵まれた県でもありますので、これからもこうしたことを踏まえて、若い世代が、先ほども申し上げましたけれども、やっぱり山へ入って管理をきちんとしていただかないと、それこそ大変なことになってくる。山に管理をする者がなくなれば、この後質問さしてもらうことにもなるんですが、本当に山が荒れて山津波が起こったりとか、下流に住んでる多くの県民がそれこそ生命と財産を危うくされるほどの大きなダメージを受けることになるだろうと思います。
 そういった意味で、先ほどの質問なんですが、当局のほうから答弁いただきましたけれども、教室で勉強したという話にしないで、現場で足を踏みながら、機械を持ってその仕事の作業を指導してほしい、教育をしてほしい。本当に山仕事のプロになるほどの教育を進めていただくことによって山の悲劇というのがなくなるんではないかなと感じましたので、ぜひそんな勝手なことのお願いを申し上げまして、次に入らしていただきます。
 次に、西牟婁郡内を走る県道の整備についてでございます。
 西牟婁郡内においても県道の整備が少しずつ進んでいますが、もうそろそろ完成さしてほしいと思うわけですけれども、現状を見ればまだまだだなと思います。このままでは全線完成は一体いつになるんやろうか、目はずも見えないように私は思います。事業がとまったままの状態に見える県道もございます。
 地域住民の望んでることは、せめて往来している車が安心して対向して走ることのできる道の完成であります。生活や産業の基盤である道の整備は、住んでいる者皆の思いであり、願いでもございます。
 今回、特に、例えば日置川大塔線の宇津木橋から玉伝間の狭隘区間、そしてすさみ町内を走ります5本の県道の現状と残区間の事業化について、現時点の当局の御見解をお伺いしたいと思います。
○副議長(服部 一君) 県土整備部長森戸義貴君。
  〔森戸義貴君、登壇〕
○県土整備部長(森戸義貴君) 日置川大塔線とすさみ町内の県道5路線の現状等について御質問を頂戴いたしました。
 本県では、近畿自動車道紀勢線や京奈和自動車といった高速道路を初め、これらを補完するX軸や川筋ネットワーク道路など、幹線道路の整備に重点的に取り組むとともに、日常生活に欠かせない生活道路につきましては、防災や交通安全などに配慮して、交通の支障となる箇所の着実な整備に努めているところでございます。
 御質問のありました県道のうち、まず県道日置川大塔線につきましては、これまで、沿道の主な集落から田辺市方面へ直接アクセスする別の路線を重点的に整備してまいりましたことから、御指摘の宇津木橋から玉伝橋の間の狭隘区間を含め、未整備区間が多く残っている状況にございます。
 そのうち、現在、白浜町内の矢田地内及び口ケ谷地内の狭隘区間において2車線整備を進めているところであり、今後とも、御指摘のような交通の支障となる箇所を計画的に解消するよう努めてまいります。
 次に、すさみ町内の県道5路線のうち県道すさみ古座線につきましては、川筋ネットワーク道路に位置づけ、重点的に整備を進めてございます。このうち上戸川地内から小河内地内の約4.9キロにつきましては、平成24年度に事業化しており、上戸川地内の約1.6キロで用地協力が得られた区間の工事に今年度から着手しております。
 残る約3.3キロについては、現在、すさみ町が地籍調査を実施しており、これが完了次第、測量設計に着手していくこととしております。また、佐本深谷地内の約1.7キロについても、早期に地籍調査に着手するよう町に対して働きかけているところです。
 これらの区間については、延長が長く地形が急峻であるため、完成までに期間を要しますが、今後、拡幅工事が完成した箇所から順次供用させるとともに、町内全線の早期完成に向け、引き続き努力してまいります。
 また、県道上富田すさみ線、県道城すさみ線及び県道大附見老津停車場線の3路線につきましては、特に通行の支障となる区間について、1.5車線整備による現道対策を実施しております。今後も、地元の皆様とよく話し合いながら、事業の推進に向け、引き続き努力をしてまいります。
 最後に、県道佐本深谷三尾川線につきましては、一部通行不能区間となっておりますが、並行する県道すさみ古座線及び国道371号の整備を推進しておりまして、これらの事業が完成すれば、当該路線の整備の必要性は低いと現時点では考えてございます。
○副議長(服部 一君) 立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕
○立谷誠一君 部長からそのような答弁をいただきましたけれども、まず答弁の中で、宇津木橋から玉伝橋間の狭隘区間のところですが、これは本当にもういつ完成するんか、地元の人の思いと気持ちですけど、私は、2~3年で完成してほしいなんて今さらこの場で言う気はないんですけれども、せめて10年ぐらいの間に完成させるよと、そんな返事が欲しいなと思います。
 もう本当に道路のことというのは、簡単な質問の内容でしたけれども、必死ですよ、皆さん。それをもうそういう言葉だけでは、我々としては本当に、先ほど午前中、森議員の発言がありましたけど、申しわけない思いでいっぱいですと、そんな気分です。ぜひお願いいたします。
 それから、矢田地内及び口ケ谷地内の狭隘区間において云々のところの答弁のくだりですけれども、計画的に解消するよう努めていくという御答弁でしたか、ちょっと聞き取りが難しかったんで、できたら「進めてまいります」ぐらいの言葉を私はいただきたい。
 それから、最後に地元の皆さんとよく話し合いをしながらというくだりを言うていただきましたが、要望として、ぜひ話し合いの機会をつくっていただいて、我々にもそういう情報をいただきたいな、そこにぜひ参加さしてほしいなと、そんな思いであります。
 強く要望さしていただきまして、次の質問に入らしていただきます。
 サイクリングロードの整備と活用策についてでございます。
 サイクリングロードは、紀南地方でもたしか40年近く前の昭和50年代当時に白浜町内から日置川町内にかけて一部整備された県道白浜日置川自転車道線が、その後、ほとんど使われることなく忘れ去られ、道路は放置され、傷んだままとなっています。
 「サイクリングロードの活用促進」のペーパーによりますと、紀南ルートが明記されているが、現在、県において整備を進めている川・山・海のサイクリングロードについて、特に県道白浜日置川自転車道線の具体的ルートの設定、その完成時期についてお伺いいたします。また、活用策はどのように考えられているのかも重ねてお伺いしたいと思います。
○副議長(服部 一君) 県土整備部長。
  〔森戸義貴君、登壇〕
○県土整備部長(森戸義貴君) サイクリングロードの整備・活用策について質問を頂戴いたしました。
 川・山・海の3つのサイクリングロードにつきましては、国道、県道などの既存道路や河川敷内の道路、堤防道路などの既存施設を活用し、県が国及び市町村から維持管理の観点も含めた御意見を聞いてルートを設定しております。
 議員から御指摘のありました昭和62年ごろまでに整備がされた一般県道白浜日置川自転車道線につきましては、海のルートとして一部活用するため、今後補修を実施する予定でございます。その後、来年度の概成を目指し、ブルーライン等の路面標示の設置を行ってまいります。
○副議長(服部 一君) 企画部長髙瀨一郎君。
  〔髙瀨一郎君、登壇〕
○企画部長(髙瀨一郎君) 和歌山県には、サイクリングの初心者から上級者まで幅広いニーズに応じて、風光明媚なスポットや観光名所などを散策しながらめぐるポタリングや、絶景のスポットを目指し山道を登るヒルクライムができる魅力的な地域がたくさんあります。そのため、県では、サイクリングロードを活用してこれら魅力的な地域をめぐる紀北、紀中、紀南、海岸ルートの4つの周遊ルートと遊び方を提案しているところです。
 今後、お勧めの周遊方法や駅、駐車場、サイクルステーションなどに加え、飲食店、土産物店、宿泊施設などの情報を商工観光労働部と連携して国内外に広く発信し、多くのサイクリング愛好者を地域に呼び込み、消費拡大につなげてまいります。
○副議長(服部 一君) 立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕
○立谷誠一君 まず、今説明をいただいて、ちょっと感じたことを要望としてお願いをしておきたいと思います。
 ブルーラインを引いて、特に新しいサイクリングロードをつくるというよりは、整備をして、今ある道路にブルーラインを引いて、それで、そこをサイクリングロードとして使っていくと、こういうお話でもありましたので、このブルーラインの話ですけど、外側に引いてる白い線が側線ですよね、中央線があって側線。側線と、その後、溝が来るわけですけど、道路の幅として、側線と溝の幅がもう20センチもないようなとこ、いっぱいですよ。その内側にブルーラインひっつけて引くような構想のようなんで、僕は危ないと思う。事故が起こるように思う。
 1人や2人走るんじゃない。こないしてサイクリングロードを設置されたら、やっぱり県がせっかくそういう計画も組んでいただいて──僕、これ悪いと言っていないんです。サイクリングロード自体は時代に受け入れてもらえる要素がすごくあるし、私も走ってみたいなと思うわけですけど、少なくとも紀南に住んでる立場で私がサイクリングロードと位置づけてもらえそうなとこをイメージしたら、危のうてよう行かん。例えば、私は子供3人ありますので、5人で行こうかとなったときに、もう5人も並んで走ったらはね飛ばされそうな気がする。狭過ぎますよ。
 それと、これは歩道の整備の加速化ということでせんだっていただいた、知事のほうからも県政報告の中でも出されてた書類ですけど(資料を示す)、この書類を読んでも、歩道を延ばしていくということで、それで、そこができないとこは最低でも幅員75センチ以上を確保と書いてる、人が歩いていくのに75センチ以上確保と書いてる。そのぐらい要りますよ、人が歩いていくのに。
 大方は、側線と溝っこまでのところが、歩道のないような場合は、1メートルあるようなとこ見たことないですわ。もう10センチか20センチぐらいです。その横に先ほどの御答弁にあったブルーラインを引く、そんなことの幅ではとてもやないけど危ない。僕は、その危険性をちょっとお伝えしておきたいと思う。
 私の言うてることが見当違いのことなんかどうか、一遍職員の皆さん方も20人か30人で、ブルーラインを引くであろうその場所を想定した中でずっと走ってみていただいたらええと思う。どうしても、1人で走ってたらそうでもないような場合でも、団体で10人、20人、30人と走った場合、よく子供たちが集団で登下校するときに大勢の子供たちがはねられてと、あんな現象に近いこと起これへんかなと。それを県民の人らに、ここは今度サイクリングロードだからみんなで行ってねと。50人100人の団体ができたときに、本当に危険はないんかどうかというふうなことを一度検証しておいてほしい。その上で進める、そういう姿であってほしいと思いますので、要望しておきたいと思います。
 それでは、議長、4番目の質問に入らしていただきます。
 障害者がアパートなどの住居に入居時に求められている保証人制度について一考をいただきたく、お伺いをする次第です。
 過日発生した事案を少しお話しさせていただきますと、ことしの春先に、40歳代の精神障害のある青年のアパートから出火をいたしました。当事者の部屋の焼失だけで済みましたので、そのことによって焼死事故であるとか人的事故もなく、それ以上の大事には至りませんでしたけれども、その後、アパートの持ち主から、入居していた当事者の青年に損害賠償を求められることとなりました。
 数年前、たまたまその青年と少し顔見知りだった友人、この友人の方も少し精神不安で障害者手帳を持っている方なんです。この方のお父さんが、85歳ぐらいの年代なんですが、子供に同じ悩みを持つ親として、住居がなければ自立した生活が始まらないふびんを思い、アパート入居時の保証人になってくれていたんです。だから、アパートに住み、自立することができたのです。しかし、火災後、青年には障害年金以外にはほとんど収入がないため、保証人とならざるを得なかった友人の父である85歳の高齢者が、アパートの持ち主の成年後見人から損害金の支払いを求められる事態となったのです。
 当然、日本国の法律に照らせば、保証を引き受けた連帯保証人に請求を求められるわけですが、こうした事態に至ったことを国民の皆さん方が知ることになると、障害者の保証人になってくれる人はいなくなり、ひいては障害者の自立に大きなハードルとなることが必定です。障害者福祉の前進のためには避けて通れない案件です。また、県が管理されてる県営住宅についてはどのように対応されているのか、当局の見解をお伺いいたします。何とぞ、よりよき御教示をいただきたいと、質問とさせていただきます。
○副議長(服部 一君) 立谷さん、分割の申し出があるんですけど、住宅における対応について質問。
  〔立谷誠一君、登壇〕
○立谷誠一君 そしたら、申しわけありません。障害福祉の前進のための取り組みにつきまして福祉保健部長より答弁、まず1点目、お願いいたします。
○副議長(服部 一君) 福祉保健部長幸前裕之君。
  〔幸前裕之君、登壇〕
○福祉保健部長(幸前裕之君) 障害のある人が地域で自立した生活を送るためには、生活の拠点となる住居の場の確保が重要な要素となります。
 市町村は、障害のある人や家族等からの相談に応じ、必要な情報提供や援助を行う障害者相談支援事業を実施しており、住居に関する相談支援も行っておりますが、議員御指摘のとおり、賃貸住宅等の契約時に保証人を求められ、保証人が見つからない場合があります。保証人がいない場合は、連帯保証人にかわるものとして保証会社を利用することも可能ですが、保証料等が発生するため、収入の少ない方にとっては金銭的負担がふえることになります。
 県といたしましては、相談支援が適切に実施されるよう必要な助言を行うとともに、保証人の確保や保証人にかわる支援制度について、他府県の事例も含めて今後研究してまいります。
○副議長(服部 一君) 立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕
○立谷誠一君 そしたら、今そういう答弁いただきましたが、お願いをしておきたいと思います。
 これは我々の地域、あるいは我々の県内で発生したというだけでなくて、やはり障害者福祉を前進させるために、保証制度があること自体が、こんだけハンデのある障害者が生活していく中で誰も保証人になってくれないという事態というのは頻繁に起こってるというふうに考えてまして、いろんな形で無理な形で引き受けをしてもろて、たまたまそういう事件・事故がないから何とかなってる、そういうことに救われてる側面もあるんじゃないかなと思います。決してそういう件数が多いわけではありませんけれども、もっと制度として伸び伸びと生活できる、そういう環境づくりに取り組んでいただきたい。
 私の願いは、保証制度なんていうような制度は一日も早く改善をしていただいて、そういうことを障害者に求めることのない時代を迎えさしてほしいと、こう思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
 さっきちょっと変更を求められたんで、そしたら済みませんが、引き続き県営住宅についての御答弁をいただけますか。
○副議長(服部 一君) 県土整備部長。
  〔森戸義貴君、登壇〕
○県土整備部長(森戸義貴君) 県営住宅の入居に際しましての保証人の取り扱いでございますが、県営住宅の入居に際しましては、入居者の親族の方2名以上を連帯保証人とすることを原則といたしております。
 しかし、少子化や親族関係の希薄化など、社会状況の変化もありまして、連帯保証人を確保することができない場合には親族でない方を保証人としてお認めするなど、入居を希望する方には、それぞれの事情をお聞きして最大限の配慮をすることとしております。
 なお、障害者福祉の観点から、どうしても保証人を確保できない方への対応策につきましては、県土整備部といたしましても、保証人のあり方を含め、今後検討させていただきたいと考えてございます。
○副議長(服部 一君) 立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕
○立谷誠一君 現時点ではいっぱいいっぱいの答弁をいただいたと思うんですが、これもお願いをしておきたいと思います。
 「保証人は求めないことにします」と言ってほしいと思います。保証人を求めないことを前提に、そういった方向性の中での御検討をいただいて、やっぱり和歌山県は違うなと。全国横並びの、どうしても行政の皆さん方というのはほかの県はどうやろかと、こういうふうになりがちですけども、和歌山県がこういう問題に対して率先してそういうことの解決を図ったと、そんな誇れる県にしていただけないかとお願いを申し上げておきたいと思います。
 では、引き続きまして、5つ目の質問でございます。県内の河川の整備についてでございます。
 ことしも台風10号に伴う集中豪雨的大雨により、岩手県から北海道に及ぶ各県が大きな被害を受けることになりました。特に近年、突然発生するゲリラ的豪雨により国民の大切な生命と財産が奪われ続けている現状を思うとき、我々人間は、大自然を前にしては全くの非力であることを痛感させられてるところでございます。
 突然水量を増し、家や橋や道路を襲う。巨大な自然の力である大量の水を前にして、高度な文明を築き上げてきた我々人間といえどもなすすべもなく、長年にわたりつくり上げてきた大切な家屋敷さえも流され、破壊され、あるいは泥まみれとなる。そして、かけがえのない命さえ奪われていく。大切な財産を奪われた方々は、涙さえ枯れ果て、茫然自失で立ちすくんでいます。これはまさに昔の人がよく言っていた山津波であると私はつくづく思いました。
 その昔から、政治の一番は治山・治水対策であると言われています。世界一の災害大国である日本ではあるが、我々この国に住む国民は、自然災害にこれからも負けるわけにはいきません。こうした自然災害に国民の英知を結集して立ち向かわなくてはなりません。
 さて、県民の皆さんの強い訴えの1つに河川の整備があります。その河川の中でも、幅数メートルで延長1キロや2キロほどの小さな河川の整備を今回お願いしようと考えています。「長い年月にわたり管理してきたが、皆年老いてもうようせん」と厳しい言葉をぶつけられます。
 人の手が入らなくなった河川は、豪雨と言われるほど降った雨がオーバーフローし、水害が発生する可能性が極めて高くなると考えられます。思うに河川の整備とは、近年まで台風や豪雨等で傷んだ箇所の補修はその都度行われているが、河川の整備自体はほとんど行われてないと考えられます。
 私たちの生活する紀南地方にも小さな河川がたくさんあり、そのほとんどの住民から、川が怖い、川の中に大きく成長した木やヨシや、長年にわたり堆積した土砂を取ってほしいとの強い要望を受けているが、当局の担当者からは予算に限りがあるのでと言われ続けてまいりました。
 予算がないなどとの言葉で済まされることなんかと私は思います。いつ来るかわからない地震や津波対策に予算をつけていただいてることは評価しているところですが、県内各地で毎年、台風の発生時に伴う大雨洪水警報、あるいは突然発生する集中豪雨等による警報が頻繁に発令され、その都度おびえ、大きな緊張感の中、それこそ夜も眠れない状況が毎日のように続いているのです。きょうも台風16号による大雨洪水警報が出ています。洪水警報ですよ。
 我々には、県民の生命と財産を守る責任があります。県政のトップである知事はこの実情を御存じなのか、知事にお伺いしたいと思います。
○副議長(服部 一君) 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 河川の維持管理は、増水した河川が氾濫せず安全に流れるという観点から、非常に重要であると認識しております。
 議員御指摘のように、支川などの小規模な河川の維持管理については、草刈りなどについて従前から地元の方々の御協力をいただいてることに感謝をしてるわけでございますが、樹木の伐採や土砂の撤去などについて御要望いただいているところが幾つかあるということも承知しております。
 中小河川が結構危ないということを私は就任後しばらくしてから気がつきまして、改良と維持、双方含めまして、中小河川の予算はそのときから2倍に拡大をいたしました。危険性の高い箇所かどうかを確認した上で順番に対応しているところでありますけれども、十分に応えられていないということはあるなあという点については、大変心苦しく思っております。
 今後とも、こういう事情でございますから、適切な維持管理と必要な予算の確保に努める所存ではございますけれども、どうも専門家に言わせると、草ならば増水しても倒れてしまって流れるけれども、木の場合はひっかかると、そんなようなことを言うております。したがって、そういうところをよく診断して、危ないところから手を入れていきたい、そんなふうに思っております。
○副議長(服部 一君) 立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕
○立谷誠一君 きょうは知事のほうにも、それから議員の皆さん方のほうにも、きのう慌てて撮ってきまして、ちょっとこれを見ていただいたらおわかりのようなことです。(写真を示す)
 これは、畑ではないんですよ。道でもなければ、川なんです。これはまだ今の時期なんで、かなり皆さんが苦労して少し刈ってくれたりして草丈が下がっていますが、川の深さほとんどのところが結構あります。
 知事が今おっしゃられたように、現場の担当の職員の人らもそんなことを言いましたわ。「水が来たら倒れていくから大丈夫違うか」とかね。そんなことで大丈夫なんだったら、まちの住んでる人は心配しませんよ。また倒れていくから大丈夫やと、そのうち取ったらまた何とかならと、こうなるんですけど、実はこの川の中の掃除て、もうずっとやっていません。やったて聞いたことありません。傷んだとこ台風で直すようなことをしても、川の整備はいっこもやってないですよ。この中に土砂が堆積して、川というのは肥えてるから、そこに水もあるからすぐに大きなって、警報が出るたびにどないしようどないしようと、こうなってる状況です。
 そもそも、もう刈って済む話ではなくなってると私は思います。基本的にやっぱり川の堆積した土砂も取っていただかんと、上を刈るだけでは、下に地下茎があるからすぐに出てくるんですよ。そのイタチごっこ状態に今はなってまして、知事、そういう御答弁ですけど、私はもうすぐにでもやってあげてほしい、心配事を取ってあげてほしい。もう年老いた皆さん方が床上浸水なんかされたら、津波に遭うたんと一緒ですから。大事な宝物である家族のきずなの記念写真であったり、そんな宝物が全てごみになってしまってなくなってしまうと、記憶がなくなってしまう、それを思うだけでもすごく心が痛い。
 繰り返しですけど、ぜひ川が川の役割を果たしてもらえるような、そういう姿であり続ける。特に今回のような──先ほど家のほうに電話しましたら、きょうも警報が出てて。警報ですよ。危ないから逃げろというのが警報でしょう。大雨洪水警報が出てると、そんな状態が続くわけですから、何とか、ぜひいま一歩前向きな取り組みをお願いしておきたいなと思います。
 それと、先ほどの御答弁いただきながらちょっと考えるのに、本当言ったらこの河川の整備、極端な費用のかかる話だったら別ですが、これは本当に何百万か、1キロも2キロもあれば1000万も2000万も要ることはあるかわかりませんけど、そんなに何十億円も要るような話をお願いしてるわけではありません。そもそも、これは我々議員と当局と交渉事でするとかせんとかの話じゃないと僕は思う。やっぱり安全で安心した生活を提供する、そのことを率先して当局が我々の言う前にやってもらわなあかん話だと私は思います。
 そんな勝手なことのお願いを申し上げまして、次の質問をさしていただきたいと思います。続けさしていただきます。
 最後の質問とさしていただきます。
 陸奥宗光公、元外務大臣の顕彰についてなんですが、陸奥宗光公は、弘化元年(1844年)、和歌山市小松原5丁目で生まれ、紀州藩を脱藩、坂本龍馬と知り合い、海援隊で活躍し、その後、外務大臣となり、欧米列強と交わされていた不平等条約の改正に取り組み、日清戦争の後、日清講和条約をまとめ上げるなど、日本国のためたくさんの業績を残されていることは、御参会の皆さん方御承知のとおりでございます。
 時代は変わりますが、当時志を同じくした坂本龍馬など明治の志士の皆さんは、今日においても国民的人気は高く、当時のヒーローとして我々日本人の心の中に存在してございます。
 さて、その陸奥宗光が他界して来年は120周年となります。大政奉還150年、明治維新150年などの節目の年でもございます。恐らく全国各地でそれぞれの取り組みが進められることでしょう。我々も、我が県の誇りであり先達である陸奥宗光公の遺徳をしのぶとともに、その精神を後世に伝えたく、記念の企画等を考えていただきたいが、当局のお考えをお伺いいたします。
○副議長(服部 一君) 企画部長。
  〔髙瀨一郎君、登壇〕
○企画部長(髙瀨一郎君) 陸奥宗光は、彼が存在していなければ欧米諸国と対等な近代国家日本が成立するのははるかにおくれていたと言われるほど、我が国外交史上において不滅の名を残す人物であり、偉大な郷土の先人の1人であります。このような先人の功績を知ることは、ふるさとへの愛着や誇りへとつながるものであり、大変意義深いことと考えます。
 陸奥宗光につきましては、平成21年度に開催しました紀の国先人展で取り上げたのを初め、ふるさと教育副読本「わかやま何でも帳」で紹介し、さらには、外務大臣就任120年を記念して平成24年度に東京と和歌山の2カ所でシンポジウムを開催するなど、功績の紹介に努めてまいりました。
 来年は没後120年という節目の年に当たりますので、シンポジウムを開催するなど、改めて偉大な功績を顕彰し、ふるさと和歌山への愛着心の一層の醸成を図ってまいりたいと考えています。
○副議長(服部 一君) 立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕
○立谷誠一君 ありがとうございました。どうぞよろしくお願いします。
 以前、これは新聞記事なんですが、知事のほうも記事にコメントで、「功績を伝えることは大人の使命。功績を伝える取り組みを実施していく方針を示した」ということで、最後に「郷土の偉人を顕彰する継続的な取り組みは大切なこと。県としてもこれ──シンポのことですね──に限らず、いろいろやっていきたい」と、こうおっしゃっていただいています。ぜひ、今シンポジウム等というお話をいただきましたが、なおざりのシンポジウムを重ねるということ、それもやってほしい大事なことの1つですけど、もっともっとインパクトのある事業等も考えていただけないかと思います。
 例えば、この間、和歌山市議会の広報を読んでましたら、岡公園にある陸奥宗光の銅像をもっと県民の目につきやすい場所、和歌山市役所の近くに設置はできんかというような質問をされたことが載っておりました。僕はそこまでのことを求めるわけではありませんけれども、本当に「シンポジウム、そんなんあったんかい」と、後でこういう話にならないように、できるだけ大勢の皆さん方がそのこと自体に関心を強く持ってもらえる、そんなことも含めて、インパクトのある取り組みをしていただけますことをお願い申し上げまして、終わらしていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○副議長(服部 一君) 以上で、立谷誠一君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後2時27分散会

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