平成28年9月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(浦口高典議員の質疑及び一般質問)


平成28年9月 和歌山県議会定例会会議録

第4号(浦口高典議員の質疑及び一般質問)


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  午前9時59分
○議長(浅井修一郎君) 開議に先立ちまして、申し上げます。
 昨日より台風16号が近づいており、本県に上陸の可能性があります。県民の皆様には、被害が最小限にとどまるよう、台風に対し確実に備えていただくとともに、避難指示等の情報に十分注意をいただきますよう、あわせてお願いいたします。
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  午前10時0分開議
○議長(浅井修一郎君) これより本日の会議を開きます。
 日程第1、議案第192号から議案第216号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第2、一般質問を行います。
 33番浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕(拍手)
○浦口高典君 皆さん、おはようございます。議長のお許しを得ましたので、一般質問をさしていただきます。
 その前に、毎回この9月議会で御報告いたしております本年度の「第13回おどるんや~紀州よさこい祭り~」は、ことし7月30日マリーナシティ、8月6日、7日ぶらくり丁やけやき大通り等において行われました。ことしは、参加87チームのうち県外は14チームで、遠くは長崎県や愛知県からも参加があり、踊り子総数約3600人、出店数60店舗、広告協賛は302社・団体で、ボランティア数153人、実行委員は76人、開催費用──これには年間の運営費も含みますが──約3100万円であり、県や市から一切の資金援助も受けておりません。
 この祭りは、今から15年前に内田嘉高君、上森成人君という2人の若者の「踊りを通じて和歌山を元気にしたい」という強い思いから始まったもので、いわば市民発の先駆的なビッグイベントであり、今後も自発的な参加を軸に企業や公的機関と連携し、和歌山の文化の振興、地域のきずなづくりと青少年の健全育成、さらに和歌山の経済への貢献、観光資源としての魅力づくりに向かって頑張っていきたいという熱い志のある祭りであります。
 御存じのとおり、私も議員になる前からNPO活動を通じて知っていたこの2人の若者に動かされ、よさこい文化のなかった和歌山にまず踊りのチームづくりということで、私の日本拳法の道場から始めたのが和歌山MOVEという和歌山初のよさこいのチームであり、そのチームがことし結成15周年ということで、私自身、今回初めて踊りチームを先導する地方車に乗せていただき、踊り子だけではなく周りの観客の姿を見て、改めて15年前には影も形もなかったこの祭りがこんなに盛大に開催され、和歌山の夏の風物詩として市民の楽しみの1つになっていることに感慨ひとしおでありました。
 それでは、本題に入らしていただきます。
 まず、人口激減・超高齢先進和歌山県についてであります。
 昨年10月に行われました5年に1度の国勢調査の速報値が発表されました。お手元の資料のとおりであります。この中で、1と3の人口減少率ランキングについてはこの国勢調査をもとに出されたものでありますが、2と4の人口高齢化率ランキングについては、まだ国勢調査の結果が出ていないということで、2の全国人口高齢化率ランキングについては平成26年10月1日現在の総務省の人口推計をもとに、また4の和歌山県人口高齢化率ランキングについては平成28年1月1日現在の総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数調査」によることを、まずお断りしたいと存じます。それゆえに、2と4では和歌山県の高齢化率の数値が若干違いますが、全体を俯瞰する意味からこれらを使いましたことをまず御了承いただきたいと存じます。
 さて、まず全国の人口減少率ランキングについては、全国では平成20年をピークに人口減少が起こってきているとはいえ、平成22年から平成27年までの国勢調査の人口減少率は全国で0.74%でありましたが、和歌山県では3.83%、つまり全国に比べて5.2倍の大きさで和歌山県での人口減少が起こり、全国ランキングで言うと東北の秋田県、福島県、青森県、山形県や四国の南端・高知県に次いで6番目の減少率であります。
 また、全国人口高齢化率ランキングでは30.5%で全国第5位。2月議会で皆様にお示しした人口ピラミッド、これは平成22年の国勢調査をもとに作成されたものでありましたが、団塊の世代、つまり昭和21年から23年生まれの世代の層が大変厚く、現時点でその層の方たちは大体67歳から70歳になっています。つまり、あと5年から8年すると75歳以上のいわゆる後期高齢者の人口が大変多くなってまいります。
 これらのことを踏まえ、私は人口激減・超高齢先進和歌山県と断定しているのですが、これはあくまでも私が感じ、率直に表現した言葉であり、皆さんの中には、全国的に見て人口減少率は秋田県や福島県、人口高齢化率では高知県や島根県のほうが高いじゃないかと言われる方もいらっしゃると思いますが、少なくとも47都道府県中、人口減少率も高齢化率もトップ7に両方入っているところは、秋田県、高知県、山形県と我が和歌山県の4県だけでありました。いわば、人口激減・超高齢先進四天王県の1つと言っても過言ではないと思います。
 そして、和歌山県下でこの人口減少率と人口高齢化率のランキングを見ていきますと、人口減少率では県下全体では3.83%ですが、市部では3.12%に対して郡部では6.27%と倍以上の減少率であります。
 市町村別で見ますと、市部では有田市──議長には恐縮でありますが、有田市6.91%、新宮市6.87%、田辺市5.49%の減少率と続き、郡部では高野町15.90%、すさみ町12.68%、九度山町11.67%の減少率であります。わずか5年間で人口が1割以上減少した自治体がほかに紀美野町、由良町など、考えてみれば恐ろしい限りであります。
 また、和歌山県人口高齢化率ランキングを見ますと、高齢化率が30.3%と高い割合であり、これもやはり市部では29.0%でありますが、郡部では34.7%と5ポイント以上高くなっております。
 同じく市町村別で見ますと、市部では新宮市34.3%、海南市34.1%、有田市30.9%と高く、また郡部では古座川町51.2%、北山村49.3%、すさみ町45.2%と大変高い高齢化率が示されております。
 まさに、以前にも御紹介いたしました日本創成会議の言う消滅可能性都市・市町村になる恐ろしい兆候が和歌山県の至るところに出てきていると言っても過言ではないと思います。
 では、どうすればいいのか。政府が言うように、地方創生で果たして和歌山県は再生できるのか。私は、そのようなことで再生するとは楽観的には考えてはおりません。
 もちろん、やることは無駄とは言いませんが、他府県も同じようなことをやっておりますし、例えば少子化対策、子供の出生率は和歌山県は決して低くなく、近畿で見ても一番高いことは皆さんも御存じのとおりですが、これも2月議会で述べましたように、人口ピラミッドで見れば一目瞭然のとおり、子供を産む年齢層の女性の数が非常に少なくなってきており、たとえ3人以上産んだとしても、そうそう子供の数が大きくふえるものではありません。
 また、これも御存じのとおり、高校卒業後、県外の大学、短大への進学率が29年間全国一高く、県外の大学、短大を卒業しても県内に就職、雇用の場が少ないため、なかなか帰ってくることができず、人口減少に歯どめをかけることは大変難しく、そのスピードを抑えようとしてもなかなか追いつかない現実が続くことは、残念ながらほぼ間違いないと断言しておきます。
 それに加え、以前から和歌山県の要介護認定率が全国で第2位、つまり2番目に高いと言ってきたのですが、この資料の左側の新聞記事にあるとおり、ついに平成26年、全国で1位になってしまいました。要介護認定率ですね。和歌山県は全国で一番介護を必要とする。もちろん単純に結びつかないことは十分理解していますが、1つの象徴的な見方として和歌山県民は体が弱いということであります。また、同じ観点で見ることではありませんが、昨年の紀の国わかやま国体の総合優勝した県が要介護認定率全国第1位ということは、どういうことなのでしょうか。
 ここまで長々と人口激減・超高齢先進和歌山県ということだけではなく、要介護認定率全国第1位ということを述べてまいりましたが、このことについて知事に答弁を求めるものではありません。知事にどうしますか、どう思いますかと質問しても、「そうならないように頑張ります」という答弁しか返ってこないと思いますので、私はあえて質問はいたしません。
 それよりも、この議場にいらっしゃる皆さん方に少しドラスチック、つまり断言的に聞こえるかもしれませんけれども、このことを十分御理解いただき、危機感を共有していただくことを要望しておきます。
 それでは、質問であります。
 まず、健康長寿日本一わかやま推進会議について。
 さて、これまで述べてきたとおり、今後も過去経験したことのないスピードで人口減少と高齢化率がまだまだ進んでいくことは想像するに難くありません。しかも、要介護認定率全国第1位ということは、平たく言うと、人は減るわ、老人はふえるわ、しかもその老人に体が弱く自立できない人が多いということで、個人の家で考えても、またその延長線上の地域の将来を考えても、このままでは活力のない社会になっていくことは十分想像できます。
 そのような中で、人口が少なくなり高齢者がふえるけれども、その高齢者一人一人が元気で、まちを、社会を活力あるものにしていこうというのが、私の考える健康長寿日本一わかやまの実現であり、県もそのような思いを持って長期総合計画の中にも載せているのでしょうし、わざわざこの資料の右側の記事にあるように新聞にまで発表されております。ちなみに、これは「紀伊民報」のこの日の1面の一番右側にこの記事が載っておりました。このように発表されております。
 しかし、健康で長生きすることの政策の進め方の難しさは、ただ福祉保健部の健康推進課1課で達成できるものではありませんし、事実、この後、質問に入ってくる紀州っ子かがやきエクササイズ&ダンスは教育委員会の健康体育課ですし、ラジオ体操は同委員会のスポーツ課、また、わかやまシニアエクササイズは福祉保健部の長寿社会課・高齢者生活支援室というように3つに分かれています。
 そのほか、食育や社会参加、またワーク・ライフ・バランスなど労働との関係、さらに、予防医療、介護など多岐にわたり、健康推進課だけでは実現できないということで、平成25年9月議会において、それら関連部署を横串を刺すような形で健康長寿日本一わかやま推進会議をつくるべきではないかと提案さしていただきました。
 そのとき、当局には快く受け入れていただき、その推進会議を定期的に持つことまで約束をしてくださいました。現在まで何回その推進会議を開催し、その結果、成果はどうであったか、福祉保健部長、御答弁願います。
 まず、1問目の質問を終わらしていただきます。
○議長(浅井修一郎君) ただいまの浦口高典君の質問に対する答弁を求めます。
 福祉保健部長幸前裕之君。
  〔幸前裕之君、登壇〕
○福祉保健部長(幸前裕之君) 健康長寿日本一わかやま推進会議については、本年8月に第6回推進会議を開催し、本県の課題である野菜の摂取や運動定着のために有効な事業について情報共有を行い、共同で実施できる取り組みについての意見交換等を行いました。
 特に、本年10月9日に開催するわかやま健康と食のフェスタ2016における健康づくりを実践している企業の認定や食をテーマとしたステージイベント、ブースの出展参加、体力測定などについて協議を行ったところであり、今後も本推進会議が中核となり、健康推進事業において相互に連携することにより、一層高い効果を得られるよう取り組んでまいります。
○議長(浅井修一郎君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 はい、ありがとうございました。
 2月議会で私からも提案いたしましたが、健康フェスティバル、本来なら健康長寿日本一わかやまメッセ・アンド・フェスティバルというような名前にしてもらいたかったのですが、既存の健康と食のフェスティバルをパームシティからビッグウエーブにスケールアップすることによりとりあえず了承した次第でございますが、答弁にもありましたとおり、今後さらに推進会議が中核となり、健康推進事業においてより一層の高い効果が得られるよう強力に取り組んでいただくことを強く望んでおきます。
 続けて行かしていただきます。
 健康長寿日本一わかやまを実現するため、今回は運動ということを中心に今まで実践してきたことをまず検証いたします。
 平成24年9月議会で、体力テストの結果が平成19年度から23年度までの5年間で、小学1年生から高校3年生まで男女、学年を問わず一度も全国平均を上回ったことがなく、しかも、小学低学年から中学年、高学年、さらに中学校、高校と学年が上がるほど全国平均から大きく離れていくという実態をグラフを使って説明したところ、教育委員会はこれではいけないということで力を入れてくださり、ロンドンオリンピック体操女子代表の田中理恵さんらの協力を得て平成25年9月につくられたのが、紀州っ子かがやきエクササイズ&ダンスであり、これを教材として当時から県教育委員会の職員が熱心に学校を回られ、まず担当教員にきちっと指導し、子供たちに指導さしたところ、その成果は目に見えて出てきたと聞いておりますが、紀州っ子かがやきエクササイズ&ダンスの取り組み及び今後について、教育長、お答えください。
○議長(浅井修一郎君) 教育長宮下和己君。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 紀州っ子かがやきエクササイズ&ダンスは、平成20年度以降、全ての学校、学年で実施している体力調査で課題となっていた幼児期や小学校低学年の時期からの動きづくりや、中高生女子の運動離れを解消するために制作したものでございます。和歌山らしさを動きや歌詞に盛り込み、親しみやすくしており、本県オリジナルの体育の教材として広く学校に普及しているところです。
 加えて、紀州っ子かがやきエクササイズ&ダンスを創作ダンスへと発展させる方法をまとめた指導用DVDを、大阪体育大学の協力のもと制作いたしました。
 これらを普及するため、毎年、指導者向け実技研修会を開催してまいりました。このようなことから児童生徒の運動機会の充実につながり、児童生徒の体力は向上してきたものと考えております。
 今後も、市町村教育委員会と一体となって、紀州っ子かがやきエクササイズ&ダンスを有効に活用し、さらなる体力の向上に努めてまいります。
○議長(浅井修一郎君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 教育長、どうもありがとうございました。
 以前から、和歌山県の児童生徒の体力不足ということについては、他の先輩・同僚議員も指摘されており、教育委員会も力を入れてきたというふうに聞いておりました。特に、中高生の女子の体力が全国平均から大きく下回っていることはグラフを使って示したとおりでありますが、紀州っ子かがやきエクササイズ&ダンスを創作、導入して、大変体力の向上が見られたということであります。
 聞くところによりますと、平成21年の小学校5年生の体力を見ますと、全国で男子は35位、女子31位だったものが、昨年、平成27年には男子14位、女子13位になり、また平成20年の中学2年生の体力が全国で男子46位、女子44位だったのが、昨年、平成27年には男子25位、女子18位と初めて全国平均を上回ったということを聞いております。これは本当に大したものであると私は大変高く評価をしておりますし、ぜひ気を緩めず、健康長寿日本一と一緒に日本一を目指して頑張っていただくことを強く要望いたしておきます。
 次に、ラジオ体操についてでありますが、これもこの壇上で何度か質問しただけではなく、私が平成25年度から26年度まで2年間、文教委員会の委員を務めていたときに、毎回質問し、徹底したラジオ体操の普及を訴えてまいりました。
 これはシニア世代、つまり65歳以上になる前に、いわばその準備としてミドル世代にも運動の機会をということで、平成25年9月議会で、平成26年度に200人の指導者づくりと1000人以上の県民の皆さんに正しいラジオ体操を学んでもらうと答弁をいただき、実際に取り組んだところ、324人の指導者づくりと約1500人の県民の皆さんに正しいラジオ体操を学んでいただきました。
 その後、指導者だけをつくってそのままになっていないでしょうか。その指導者の活動状況と今後について、教育長、お答えください。
○議長(浅井修一郎君) 教育長。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) ラジオ体操の取り組みにつきましては、平成26年度に健康ラジオ体操教室を開催し、正しいラジオ体操を普及するとともに、指導員養成講習会を開催し、726人の指導員を養成いたしました。そのうち324人が全国ラジオ体操連盟公認指導員資格を取得しています。
 平成27年度には、市町村へ指導員情報を提供し、指導員の活用を依頼しましたところ、新宮市、紀の川市、西牟婁地方の事業の中で活用されました。和歌山市の例では、ビッグホエールで公認指導員が主になってラジオ体操会が行われており、メディアにも取り上げられ、問い合わせも多くいただいてございます。また、「出張!県政おはなし講座」でのラジオ体操指導を昨年度15回、今年度も半年間で既に11回実施し、ラジオ体操への関心が高まっています。
 さらに、今年度は指導員の研修機会をふやし、地域に根差した活動を進めるため、養成した指導員が県職員と一緒におはなし講座でラジオ体操を指導する取り組みを新たに実施しているところでございます。
 今後も、さらなる指導員の活用や地域のラジオ体操会の開催状況が広報誌等で情報発信されるよう、市町村教育委員会に働きかけてまいります。
○議長(浅井修一郎君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 教育長、どうもありがとうございました。
 実は前にも言ったかもしれませんが、私もその324人の全国ラジオ体操連盟公認指導員の1人でありますから、その後、教育委員会からのアプローチ、連絡がどうであったか、当事者の1人として、はっきり言って1度だけアンケートがあっただけで終わりなんですね。その後、何のアプローチもございませんでした。
 今の答弁では、さもその324人の指導員が県内各地で活動しているように聞こえますけれども、特に和歌山市では、現在ラジオ体操を定期的に実践しているところは、この指導員づくりから以前にずっとやってたとこなんですね。今回、そのことについては私は細かいことは申しませんけれども、紀州っ子かがやきエクササイズ&ダンスでは、先ほども申しましたように大変大きい成果を上げているにもかかわらず、ラジオ体操では、特に和歌山市において、せっかくつくった指導員が全くと言っていいほど活動実態がないことを強く指摘しておきます。それだけに、この私も含め324人の指導員が絵に描いた餅にならないよう強く要望をいたしておきます。
 さて、次に運動の最後に、わかやまシニアエクササイズについてでありますが、これは私が提案したものではなく、平成16年に介護予防として県と和歌山大学の本山教授が共同開発したもので、県内で約2万1000人の体験者と、現在でも約6500人の自主活動をしている人たちがいるということであります。これは、本山先生初め県や市町村の担当者も一生懸命取り組んだ成果であると思います。
 ちょうど4年前、私が福祉環境委員会の委員長のときに、フォルテワジマで行われた自主活動グループを視察した際に、我々委員もこのわかやまシニアエクササイズを体験させていただきました。50名近くいらっしゃったと思うのですが、皆さん熱心に取り組まれていたことが印象的でありました。大変すばらしいことでありますが、先ほども申し上げたとおり、12年間やって要介護認定率が全国第1位と、残念ながら結果が出ておりません。もちろん、わかやまシニアエクササイズだけが要介護認定率と関係あるとは申しませんが、少なくとも介護予防のために導入した運動であることは間違いありません。
 実際に、このわかやまシニアエクササイズを導入した平成16年は要介護認定率は18.9%で全国で3位でしたが、その後、23年には21.1%で2位、そして平成26年には22.1%で1位となってしまいました。
 先日、和歌山大学の本山先生の研究室を訪ね、いろいろとお話を伺いましたが、例えば和歌山市では65歳以上の高齢者が約10万7000人いて、シニアエクササイズの実践者は約2500人で、これを1万人以上に持ってこないと要介護認定率は下がらないとはっきり言われておりました。県として、さらにここまで力を注ぐことができるのでしょうか。12年間の成果と今後について、福祉保健部長、お答えください。
○議長(浅井修一郎君) 福祉保健部長。
  〔幸前裕之君、登壇〕
○福祉保健部長(幸前裕之君) わかやまシニアエクササイズについての12年間の成果と今後についてですが、議員が述べられたとおり、これまでの取り組みにより教室の卒業生は約2万1000人となり、また卒業生を中心に現在273グループ、約6500人が自主的に運動を継続しており、運動を習慣化することにより高齢化に伴う身体の衰えを防止する効果とともに、地域の高齢者が集まって交流することで閉じこもり予防などの効果もあったものと考えています。
 今後とも、介護予防のためには運動が重要な要素の1つであることから、シニアエクササイズを実践する高齢者が増加するよう市町村の取り組みを支援するとともに、例えばいきいき百歳体操などのように、指導者や特別な器具を必要とせず、虚弱な高齢者など誰でも簡単に少人数から取り組める体操やグラウンドゴルフなど競技性のあるスポーツを普及させることなど、運動する高齢者の底辺を広げるような市町村の多様な取り組みを支援することで、より多くの高齢者が運動するように働きかけを行ってまいります。
○議長(浅井修一郎君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 部長、ありがとうございました。
 今まで体験した人数と現在も実践している人数は、私は本当に大したものだと思いますが、ただ、結果として、何度も申し上げるとおり、介護予防の全体の数字を減らすところまで来ていないということは事実であります。
 知事並びに福祉保健部長、ぜひ御認識いただきたいのは、何度も繰り返し言うように、この健康長寿日本一わかやまは平成20年4月策定の長期総合計画に書かれている目標ですし、先ほど紹介した新聞記事にも堂々と健康長寿日本一を目指すと発表されているんです。これは私が言ったのではなく、県の担当の職員が言ったことでありますし、もう少しこの言葉の意味を、重みを十分御認識いただき、本当に日本一になれるように今まで以上に真剣に取り組むことを要望しておきます。
 次に移ります。
 ここまで述べたように、健康長寿日本一わかやまの実現に向けて、ジュニア世代では紀州っ子かがやきエクササイズ&ダンス、ミドル世代ではラジオ体操、シニア世代にはわかやまシニアエクササイズなど、3つの身体運動を県の施策として行っているということであります。それらを含めて今回私が提案させていただくのは、この最後の資料でありますけれども、和歌山ウオーキング・エクササイズ・プロジェクト、通称WWEP──これは私、勝手につけたもんでありますが、ここに入る前におさらいしておきたいのですが、ジュニア世代とミドル世代の違いは、ジュニア世代は小学校、中学校、高校と学校で実践していますが、ミドル、シニア世代は地域社会での実践ということであります。
 はっきり言って、ジュニア世代では大変成果を上げてるにもかかわらず、ミドル世代のラジオ体操では全体の広がりがまだまだ見えませんし、シニア世代のわかやまシニアエクササイズは、12年間かけて本山先生らが中心になり、かなり力を入れたにもかかわらず、結果として始めたときより要介護認定率が上がり、全国第1位ということは述べてきたとおりであります。
 では、この差がどうして生じるのか、少し考えてみたいと思います。
 ジュニア世代の紀州っ子かがやきエクササイズ&ダンスは、学校という枠がはめられた中で、教師が生徒、しかも同じ年齢、ほぼ同じ年齢というほぼ同質の対象者に対して定期的に指導ができ、指導する教員を学校長だけではなく教育委員会が指導監督をすることができる特徴があります。しかし、ラジオ体操やわかやまシニアエクササイズには、学校という枠もなければ、対象者が若者から老人、しかも個人個人の運動経験や価値観が大きく違うだけに、学校教育と同じことはできないことは十分わかっております。
 しかし、紀州っ子かがやきエクササイズ&ダンスの成功例を参考にするならば、今後もっと違った展開ができるのではないかと思います。
 まず私が思うのは目標設定、次に管理体制、そして指導者の育成、配置であります。ラジオ体操やわかやまシニアエクササイズに果たして目標設定があったのかどうか。もちろん、この2つを並列に考えるわけにはいきません。実際に、わかやまシニアエクササイズは、12年間にわたり本山先生の指導のもと今まで県内で約2万1000人の人たちが体験し、現在では6500人が実践しているということは大変すばらしいことだと思います。しかし、結果として、何度も何度も言いますように、要介護認定率が下がらないで上がってきているということは、もっと明確な目標設定を最初にしておいたほうがよかったのではないでしょうか。
 ラジオ体操については、平成26年度、スポーツ課も力を入れて、324人の指導者と約1500人の人に正しいラジオ体操を体験してもらいましたが、その後大きな動きもなく、現在に至っております。ですから、わかやまシニアエクササイズやラジオ体操を本当に健康長寿日本一わかやまの実現に役立たせようとすれば、もっとしっかりした目標を立てるべきではないでしょうか。
 次に、管理体制については、紀州っ子かがやきエクササイズ&ダンスは、学校というしっかりとした枠組みの中で学年主任もいれば校長もいる、また教育委員会が全体を見ることができます。しかし、ラジオ体操は、もちろんそのようなものはまだ存在いたしておりません。
 ただ、私が視察調査した中では、和歌山県スポーツ振興財団が指定管理者で入るビッグホエールや和歌山県立体育館などでは管理している部分もありますが、これもラジオ体操の全体から見るとごくごく一部であります。一方、わかやまシニアエクササイズは市町村が管理していますが、県はどこまで全体を伸ばそうとしているのでしょうか。
 3番目に、指導ということについて、紀州っ子かがやきエクササイズ&ダンスでは、もちろん現場の教員、しかもそこに対して県教育委員会の健康体育課の職員が真剣に指導し、その熱意が教員にも伝わり、児童生徒たちに対してもその熱意が伝わっていったと思います。
 ラジオ体操については、残念ながら指導体制というところまではいっておりません。どちらかというと自然発生的にやっているという感じで、もちろんやっている方たちは一生懸命やっているということはよくわかっておりますけれども、そのような中で、先ほども申し上げた和歌山県スポーツ振興財団が指導するビッグホエールや県立体育館は、しっかりとしたラジオ体操の上級指導員や健康運動指導士がきちっとやっているということは大変評価できることであると思います。
 わかやまシニアエクササイズについては、本山先生の指導のもとで、受講生の中から自主的に各地で普及させていっているということですが、介護予防、介護認定率を低下させるというレベルにおいて、相対的に指導者の人数が少ないと言わざるを得ません。
 以上見てきたとおり、学校と社会との大きな条件の違いがあるとはいえ、ラジオ体操、わかやまシニアエクササイズについては、まだまだ考えていかなければならないことが多いと思います。
 本当に県が健康長寿日本一わかやまの実現を県民の皆さんに約束した平成20年4月策定の和歌山県長期総合計画のとおり、平成29年度末までに健康長寿日本一わかやまを実現させるのであれば、実はこれについては、平成26年2月議会でも当時の中川福祉保健部長に確認をいたしましたら、それまで、つまり30年3月末までに実現するのは難しいから、平成34年度末までに実現に向け、強い意志を持って取り組むことをこの議場で約束をされましたが、つまりあと6年6カ月で達成しようと考えるなら、もう一度、社会におけるラジオ体操、わかやまシニアエクササイズの必要性と具体的な目標設定、管理体制、そして指導者の育成・配置という基本的なことから構築していく必要があるのではないでしょうか。
 さて、健康長寿日本一わかやまの実現のための運動について視点を変えて考えてみたいと思います。
 ラジオ体操やわかやまシニアエクササイズは、ただ1カ所に集まって同じ運動をするだけではなく、参加者がコミュニケーションを図ることができる楽しい場になっています。これはこれで、例えば家に閉じこもりがちな年配の方にとっては外に出るいい機会になると思うのですが、中には、そのような中に入りたくはない、できれば1人で運動できるものならしたい、また定期的に行くのがおっくうであるという方もいらっしゃるだろうし、実際にそのような方が非常に多いのではないかと思います。特に、男性にそのような傾向があるということはよく耳にいたします。
 そこで、私が今回提案したいのは、運動の原点ともいうべき歩くこと、つまりウオーキングであります。歩くことによって健康を維持し長生きできる、そしてこれなら人目を気にせず1人でもできる、このようなことは前々からわかっていたことですが、ではどれだけ歩けばそれが実現できるのか、いろいろと調べてみました。
 そこで出てきたのが、この本にもあるとおり(本を示す)1日8000歩、速歩き20分のウオーキングをすることによって健康を維持することができるということであります。これは私が勝手に言ってるわけではなく、このとおりでありますけれども、10月の福祉環境委員会の県外調査でも委員の皆さんに行っていただきますが、東京都健康長寿医療センターの青柳幸利先生が、故郷の群馬県中之条町で15年間にわたり5000人の町民に、1日24時間、風呂に入るとき以外ずっとこの身体活動計を──実はこういうものなんですけど(現物を示す)、身体活動計を持たして、ずっと1日の行動というものを掌握したわけです。そこの共通項が、健康で長生きしている人が1日8000歩、速歩き20分、まあ中程度の運動を20分する人が非常に健康で長生きする範疇に入ってきているという、そういう研究でありまして、これ非常に国際的にも評価されているということであって、これは中之条の奇跡と評価されているということも聞いております。
 そこで、この黄金律ともいうべき1日8000歩、速歩き20分のウオーキングを行うことを指標に、県民の皆さんに日常生活の中で歩くことの目標を持っていただき、つまり意識して歩き、歩数を重ねていく、そのためにシステムづくりを今後県としても考えていってはどうかと思います。
 実は、この件について8月に先進地域であります横浜市に行き、2年前から導入している歩くことによって特典を得られるウォーキングポイント事業について、健康福祉局保健事業課の粟屋課長にお会いし、説明を受けてまいりました。
 横浜市は、人口372万人いるそうですが、昨年度からこの事業を始め、もう既に2年間で15万人がこの活動計よりももっとシンプルなデジタルの歩数計を持っているとのことであります。得られたデータは、個人だけではなく、町なかのコンビニや商店街に設置されたリーダー機器にこの歩数計を──これが例えばリーダー機器だとしますが、ここに置くだけでこの本人が1日どれだけ歩いてその中強度の運動をやったかということを、これずっと1日──毎日じゃないですよ。ずっとここにインプットされてるもんが横浜市の役所に送信され、そこで管理するというシステムであります。
 横浜市では、来年度まで実践者を30万人にふやすということでありました。市民は、ポイントを稼ぐために積極的に歩き、そのリーダー機器を設置しているコンビニや商店街は、定期的に歩数計を持った市民が店を訪れ、リーダー機器にこの歩数計を置くついでに買い物をしていく。さらに、そのデータを市に送信することによって市は市民のウオーキングの実態を掌握し、将来的に介護や医療の費用を抑えられる可能性があるということであります。いわば、市民よし、店よし、役所よし、3方よしということであります。
 なお、これに近い事業は実は県下でも紀の川市や田辺市でも取り組んでいますが、私も実態を見てまいりましたが、まだまだ少人数でスケールが小さく、ぜひ健康長寿日本一わかやまの実現のために県主導で制度設計も含め取り組むべきだと考えますが、福祉保健部長、御答弁をお願いいたします。
○議長(浅井修一郎君) 福祉保健部長。
  〔幸前裕之君、登壇〕
○福祉保健部長(幸前裕之君) ウオーキング、歩くということは、運動・身体活動において、県民が日常生活に手軽に取り入れられ、生活習慣の改善に効果的な取り組みの1つとして認識しており、これまで関係団体と協働し、県内のウオーキングコースを紹介する「ウォーキングブック」の発行や、全市町村において累計1万3341人が参加した紀の国わかやま1万人健康リレーウォークの開催等に取り組んできたところです。
 今後は、他の自治体のすぐれた取り組みについて情報収集を行い、市町村等と連携しながら県民の運動習慣のさらなる定着を目的としたウオーキング事業を研究してまいります。
○議長(浅井修一郎君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 部長、ありがとうございました。
 今回、ウオーキングについて初めての提案なんですけれども、私は随分、私自身言うんなんですが、この本も含めて何冊も──ウオーキングはみんな体にいいことはわかってるんですけれども、本当にその根拠とは何かということでインターネットや書籍を大分調べました。その中で、この1日8000歩、速歩き、中程度の運動を20分という理論的な根拠というものを私自身知りまして、非常に喜んだ次第であります。ぜひとも、これを機会に当局でも十分精査していただき、健康長寿日本一わかやまの実現に向け、県が進めるラジオ体操やわかやまシニアエクササイズとともに、先ほども述べましたような形でこのウオーキングとエクササイズ、そしてこれをプロジェクトとして進めていただくことを、健康づくりの基本として持っていただくことを心より強く望む次第であります。
 これについては、私はこれからもずっと質問し続けますし、何とかして和歌山県の──要介護率を下げるだけが目的じゃありませんけれども、実はこれちょっと余談なんですが、和歌山県の要介護率が22.1%なんですが、埼玉県は14.1%なんです。同じ日本人で和歌山県と埼玉県が──埼玉県が介護認定率が一番低いんですけども──8ポイントも違うんですね。8ポイント違うということは、和歌山県で65歳以上の人が約30万いらっしゃるんで、8ポイント違えば2万4000人の方が元気になるということですから、ぜひともこのことをウオーキングを入れてお考えいただきたいと思います。
 最後になります。
 これまで申し上げてきたとおり、人口激減・超高齢先進和歌山県において、今後さらに加速度が増し、人口減少や高齢化率が一段と進むことは間違いないと思いますが、県都和歌山市も同様であります。それだけに戦略的な取り組みが必要であると考え、平成25年9月議会以降、阪和35分通勤快速電車で住環境のいい和歌山市へ若者を呼び戻し、定着してもらう、そして、平成26年9月議会以降、JR和歌山駅を中心としたコンパクトシティーづくりを進め、まちの利便性を高めると同時に活性化を図っていくという考え方で、この2つの政策を強く訴えてまいりました。
 現実的にはいろいろと難しい問題もあり、一朝一夕にいかないことはわかっておりますが、しかし、急がなければ、他府県より進む急激な人口減少と超高齢化に歯どめをかけることは到底できないと私は思っております。
 そこで、平成26年9月議会で、まずJR和歌山駅のターミナル駅の強化ということで、南海本線のJR和歌山駅乗り入れについて提案したところ、当時の野田部長は積極的に取り組むと断言し、この翌日の新聞にも大きく報道されました。何度も出しますように、これ私が言ったんではありません。野田部長が言いました。ここにある──また、余り話は進んでいないということも聞いておりますけれども、しかし、平成27年2月議会と同年9月議会で再度質問したところ、なかなかその後、質問するごとに問題が難しい難しいという方向へ行って、最初の積極的に取り組むと言ったのは何であったかなというふうに思うようなとこまで今来ておるんですが、この時間的な経過も含めて、わかりやすく御答弁を企画部長、お願いいたします。
○議長(浅井修一郎君) 企画部長髙瀨一郎君。
  〔髙瀨一郎君、登壇〕
○企画部長(髙瀨一郎君) 鉄道の相互乗り入れにつきましては、平成26年度に鉄道事業者3者と和歌山市、県の5者で勉強会を立ち上げ、実現に向けた課題事項の洗い出しなど継続的に意見交換を行ってきたところです。
 ことしに入ってからも2回の勉強会を開催し、今までの課題を踏まえ、乗り入れが行えるとすればどのような方法があるか、例えば加太線、紀勢本線及び貴志川線の接続についてはどうかなどの意見交換を行っております。
 その中で、自動列車停止装置など保安設備の相違や車両の幅及び長さの相違といったこれまで把握していた課題に加え、線路の分岐点を制御するソフトウエアの改修や、現行の線路を活用した場合、車両が行き違いするための対向スペースに係る用地取得が必要となることなどの新たな課題も明らかになってきております。
 鉄道の相互乗り入れを実現するには課題が多岐にわたるため、鉄道事業者において具体的な費用の算定には至っていないものの、事業を実施するには莫大な投資が必要になるとのことであります。
 県としましては、鉄道事業者の収益性の問題など困難な課題が多くありますが、どのような乗り入れ方法があり、どうすれば課題を克服できるのか、引き続き鉄道事業者や和歌山市とともに検討を進めてまいります。
○議長(浅井修一郎君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 企画部長、どうもありがとうございました。
 ことしに入ってから、鉄道事業者3者と和歌山市と県の5者で2回勉強会を開催しているということでありますけれども、やればやるほど、先ほども言いましたようにいろいろと難しい問題が生じてきて、具体的な費用の算定に至っていないということはわかりますけれども、これも何度も言いましたように、先ほども言ったように、南海本線の和歌山駅乗り入れをということについて、県は積極的に取り組むと言った言葉の重みをぜひいま一度かみしめていただいて、今後も真摯な姿勢で交渉していただくことを要望しておきます。
 感じ方はいろいろ先ほども言いましたように違うと思うんですけれども、全国でトップクラスを走る人口減少、さらに高齢化を考えたときに、つまり人口激減・超高齢先進和歌山県の自覚を持って素早く必要な施策に真剣に取り組み、これは先ほど評価をさしていただきましたけれども、紀州っ子かがやきエクササイズ&ダンスのように、事は違いますけれども、確実に実績を上げていただくことをお願い申し上げまして、私の一般質問を終わらしていただきます。
 御清聴、ありがとうございました。(拍手)
○議長(浅井修一郎君) 以上で、浦口高典君の質問が終了いたしました。

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