平成28年9月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(谷口和樹議員の質疑及び一般質問)


平成28年9月 和歌山県議会定例会会議録

第3号(谷口和樹議員の質疑及び一般質問)


汎用性を考慮してJIS第1・2水準文字の範囲で表示しているため、会議録正本とは一部表記の異なるものがあります。

正しい表記は「人名等の正しい表記」をご覧ください。

 質疑及び一般質問を続行いたします。
 37番谷口和樹君。
  〔谷口和樹君、登壇〕(拍手)
○谷口和樹君 皆さん、こんにちは。午後の最後の一般質問、よろしくお願いいたします。
 せんだっての台風10号、豪雨で大変な被害に遭われました東北、北海道の皆様方には謹んでお見舞いを申し上げます。
 そんな中で、和歌山選手団も参加しての10月からの希望郷いわて国体・いわて大会ですが、本当に大変な中での開催であります。後につながる大会、無事に開催されますことを心より御祈念申し上げるところでございます。
 昨年の紀の国わかやま国体・わかやま大会の活躍から和歌山選手団には大きな期待がかかるところですが、ことしのリオでも大活躍でした女子レスリングが、岩手から正式競技に採用されます。和歌山県からは、和歌山北高校1年・三輪柚奈選手が初エントリーされます。同時に、男子少年の部には兄で次男・三輪優翔選手が高校3冠に王手をかけます。男子成年の部には長男・大珠選手が出場し、ともに三輪3きょうだいでの出場ということで大きな期待がかかるところでございます。三輪3きょうだいと和歌山レスリング14選手及び和歌山県選手団全競技全選手の健闘と躍動を御祈念いたしまして、一般質問に入らせていただきます。
 まず1つ目、田辺・西牟婁地方における地域再生へのビジョンということで、小項目の1、田辺・西牟婁地方の地域再生に向けての可能性を求めて集う仕組みづくりについて質問させていただきます。
 和歌山県長期人口ビジョン、和歌山県まち・ひと・しごと創生総合戦略にもありますように、和歌山県は全国でも有数の若者流出人口の多い県であり、現在の若い世代の流出は人口減少、少子高齢化、地域の活力低下の一因であります。
 将来の人口減少によるダメージを減らすためには若い世代の減少をとめなければなりませんが、かといって、可能性を求めて挑戦していく若い者たちの行く足を鈍らせることにはなりませんので、大事なことは、むしろ力強く挑戦していく若者たちの後押しをしつつ、和歌山県には全国から若者が可能性を求めて集う仕組みをつくって、出入りの均衡を図っていく試みが必要だと考えます。
 今回、和歌山市には薬学部や看護学部、大学誘致の計画があり、まさしく全国から若者が可能性を求めて集う、そういう仕組みづくりであると思います。
 一方、田辺・西牟婁地域においても、昨年、白浜に海外に本社を置くIT企業がサテライトオフィスを設置したのを契機に続々とIT企業が誘致され、クリエーターやその家族が移り住んでこられているという明るい話題もありますが、今後の田辺・西牟婁地域において、地域再生に向けて若者が可能性を求めて集う仕組みづくりをどのように描いているか、知事にお聞きをいたします。
○副議長(服部 一君) ただいまの谷口和樹君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 谷口議員御提案の若者が集い定着するためには、産業政策やインフラ等の条件整備を行って働く場をふやすとともに、暮らしやすさや環境のよさをアピールすることが重要であると考えております。
 県といたしましては、働く場をふやすため積極的な企業誘致活動を推進するとともに、県内企業の新陳代謝を促し、産業を活性化するための創業、第二創業の支援などに取り組んでおります。
 特に白浜町では、快適なオフィス環境をセールスポイントとして働きかけた結果、御指摘のようにIT企業の立地が進み始めております。先日、10社目となるNECソリューションイノベータの進出により、ITビジネスオフィス、これは白浜町が用意されているものでございますが、これが完全に満室となりました。さらにIT企業誘致に取り組んでいくため、県では白浜町と連携し、新オフィスの準備を進めているところであります。
 最近、ICT技術者の中で、仕事と休暇が一体となったワーケーションというライフスタイル、これがちょっとトレンディーになってるんだそうでございます。
 そういう意味では、紀南地域においては豊かな自然の中でのアウトドアスポーツだけではなく、国体を契機としたスポーツ合宿の誘致やイベントの開催、またプロ野球独立リーグに加盟する新球団の立ち上げなどもありまして、新しいライフスタイルに合った魅力的な環境が整ってきていると思います。もちろん、温泉、あるいは自然、歴史、アミューズメントなどもたっぷりそろっているところだと考えておりまして、そういう意味では観光地としての魅力があるわけでございます。
 そういうところをアピールいたしまして、IT企業等、働く若い人たちの誘致を行うとともに、観光産業や農林水産業の振興によりまして、紀南地方に将来性のある魅力的な働く場を提供し、若者を呼び込み定着する地域づくりに取り組んでまいりたいと考えております。
○副議長(服部 一君) 谷口和樹君。
  〔谷口和樹君、登壇〕
○谷口和樹君 知事並びに当局の皆様方には、人口減少の激しい紀南地方、田辺・西牟婁地域において、今後なお一層の若い世代の集まるそういう仕組みづくりに、なお一層またこれからもよろしくお願い申し上げまして、次の質問に入ります。
 2つ目です。国道311号栗栖川─近露間など、過疎地域における路線バスの廃止等による交通確保について質問さしていただきます。
 国道311号栗栖川─近露間は、民間事業者における夜間の路線バスが平成26年10月から栗栖川で終点になってしまい、近露の高校生はクラブ活動や補習などに参加すると栗栖川より先は迎えに来てもらうしかないようになりました。
 和歌山県に移住の推進をする一方で、国道を通る唯一の公共交通が廃線して、また再移住を余儀なくされるのではないか、こういうのは政策として矛盾しているのではないか、そういう声もいただきました。今後も移住を推進していくならば、考えていくべき課題ではないかと考えます。
 元来、地域の生活交通は市町村でということですが、特別広い中辺路町において、同じ区域内での交通路線に対する市町村への助成はないことから厳しい状況であります。通学帰路で欠けた部分の補完、国道311号栗栖川─近露間など過疎地域における路線バス廃止等による交通確保について、企画部長にお聞きをいたします。
○副議長(服部 一君) 企画部長髙瀨一郎君。
  〔髙瀨一郎君、登壇〕
○企画部長(髙瀨一郎君) 栗栖川から近露間の路線バスについては、地元住民代表も入った田辺市地域公共交通会議において議論した上で、平成26年4月1日以降の再編に伴い路線廃止となったものでありますが、田辺市からバス事業者に要請し、授業を終えて帰宅する田辺市等に通学する高校生にも近露まで路線バスを利用できるように、田辺駅の発車時刻をおくらせる対応をしてもらうとともに、さらに遅い時間帯での当該路線の交通の確保についても、バス事業者に対し申し入れを行っていると聞いております。
 県としましては、廃止路線等の代替手段の確保については、地元自治体に対し、事業者や地域住民等を交えてしっかり検討していただくよう助言しているところであります。
○副議長(服部 一君) 谷口和樹君。
  〔谷口和樹君、登壇〕
○谷口和樹君 今後とも、地域の事情なんかを鑑みていただいて、移住政策等、過疎地域のこともまたこれからもよろしくお願いいたします。
 2つ目の質問に入らさしていただきます。
 紀三井寺球場客席への日陰づくりについて質問させていただきます。
 ことしの夏の全国高校野球和歌山県大会も熱戦が繰り広げられ、多くの県民が感動に包まれました。近所の子がけがで苦労しながらも力投する姿や、地域の龍神分校が奮闘する姿、母校が躍動する姿を見て、自分も頑張らなあかんなと、そういうことを感じたところでございます。少なからず、自分と同じように、よし、あの子らに負けんように頑張ろうか、そのように思った県民の方も多数いたかと思います。
 そういう意味では、和歌山県の夏の高校野球県大会は、昨年の紀の国わかやま国体・わかやま大会同様、県民に元気と勇気を与える大きなイベントでありました。ちなみに、和歌山県のように高校野球県予選の1回戦から全試合放送している都道府県は珍しいとのことで、テレビを見て応援する人、支える人がたくさんおられるということも野球王国たるゆえんでもあるかと思います。
 その高校球児3年生にとっては、最後の夏である甲子園への切符をかけた戦いに大きな力を与えるのが、ずっと選手を支えてきた家族や同じ高校の生徒たちのスタンドからの熱い応援であります。多くの生徒、父兄が紀三井寺球場に駆けつけるわけですが、元来、野球の応援とは、選手が炎天下懸命にプレーする中、せめて同じ炎天下での環境で応援することで、選手が「あんなに懸命に応援してくれてるのだから自分ももっと頑張らなければ」と、実力以上のものを発揮して勝利に結びつけてもらおう、そういった願いもあってか、客席にも日陰がありません。
 都市公園法や荷重計算上または費用の面から大規模なアーチ型の屋根や骨組みの設置ができないのはいたし方ないにしても、やはりスタンドの応援団に対する日陰づくりは、熱中症対策や学校の生徒の安全管理からも必要ではないかと考えます。
 ことしの県予選開催中は最高気温が30度を下回ったのは29度が3日のみで、以外の日は30度を上回っており、スタンドの体感温度は予想以上に厳しいものであったと思います。応援する側の攻撃中が炎天下なのは仕方ないとしても、守備中も炎天下では、水分補給の飲み物も熱くなり、体温も上がりっ放しであります。
 例えば、学校には大体校名の入った組み立て式のテントがあると思いますので、これを風に飛ばぬようにスタンドに設置用のジョイントを取りつけ、駆けつけた生徒、父兄の熱中症対策、あるいは祖父母、高齢の方の応援席に組み立てテントを持ち込み日陰をつくれるようにしていただけないか、県土整備部長にお聞きをいたします。
○副議長(服部 一君) 県土整備部長森戸義貴君。
  〔森戸義貴君、登壇〕
○県土整備部長(森戸義貴君) 紀三井寺野球場の客席に日陰ができないかという御質問を頂戴しました。
 紀三井寺野球場を管理する県といたしましても、熱中症対策の必要性は十分に認識しているところでございます。特に夏場の施設利用に際しましては、大会主催者等に対して熱中症への対策を求めるよう注意喚起をしているほか、球場内に設置したミストシャワーを稼働させるなど、可能な対策を講じているところでございます。
 こうした取り組みに加えて、さらにどのような熱中症対策を講じていくべきかにつきましては、他府県における取り組み状況や大会主催者、あるいは施設利用者の意見等を考慮しつつ、議員から御提案のありましたテントの設置可能性なども含めて総合的に検討してまいりたいと考えてございます。
○副議長(服部 一君) 谷口和樹君。
  〔谷口和樹君、登壇〕
○谷口和樹君 よろしくお願いします。
 次に、3つ目の質問に入ります。
 関西ワールドマスターズゲームズ2021に向けて。関西ワールドマスターズゲームズ2021に向けた機運醸成について質問いたします。
 まちおこしで来春から紀南を拠点に始動する独立リーグの球団、この球団を軸にして、球団以外に2つのアマチュアのクラブチームを運営する予定になっています。1つは、小学生の少年野球で野球をやっていたが、卒業すると野球をする場所が極端に少なくなる女子の中高校生対象の硬式の野球クラブ。もう1つが、高校、大学と硬式野球をやっていたが、社会人になってなかなか硬式野球ができる場所がない、そういう人のために成人のアマチュアのクラブチームを運営する予定になっています。
 この成人のクラブチームの目標というのが、関西ワールドマスターズゲームズ2021で優勝する、世界一になるであります。これからスタートをしていくところでありますが、やはり30歳以上でチームをつくっていくには大変時間もかかりますし、ましてやせっかくアジア初開催、関西開催でありますから、レクリエーション性の高いグループではなく競技性の高いグループで上位を目指すとなれば、準備もかなり要ると今回感じているところでございます。
 来春には、オークランドでワールドマスターズゲームズ2017が開催されます。野球に限らず、団体競技の競技性が高いグループに出場するチームづくりには時間を要することや、生涯スポーツに親しむ方々に幅広く知らせていくには早くからの広報が必要と考えます。オークランド大会を参考に、2021大会の開催を準備していくこととなると思いますが、両大会の概要について現時点で把握している状況を御説明ください。
 また、2021大会の成功に向けてメダル獲得を目指す選手やチームがふえることが全体の機運醸成につながると考えますが、県としてどのように取り組んでいくのか、教育長にお伺いをいたします。
○副議長(服部 一君) 教育長宮下和己君。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) ワールドマスターズゲームズ2017オークランド大会の概要でございますが、来年4月21日から10日間の日程で開催され、28競技2万5000人の参加が想定されています。競技によっては高い競技性が求められるレベルとレクリエーション的要素を含む生涯スポーツレベルの区分があり、それぞれ年齢別のクラスが設けられてございます。関西ワールドマスターズゲームズ2021でも同様の区分が設定され、5万人の参加が見込まれます。
 本年10月26日に開催競技種目及び会場地が決定する見込みであり、来年度には実行委員会を立ち上げる予定でございます。今後、詳細が決まり次第お知らせしてまいります。
 次に、参加者への機運醸成でございますが、ワールドマスターズゲームズはおおむね30歳以上であれば誰でも参加できる生涯スポーツの国際大会であり、スポーツを楽しむ人々の交流の場と位置づけられてございます。その中で優勝を目指すチームがふえてくることは、大会の盛り上がりの要因になるものと考えてございます。
 県といたしましては、1人でも多くの人に参加していただけるよう、生涯スポーツを楽しむマスターズ層への周知のため、県内各地でのポスター掲示に加え、本年度、関西マスターズスポーツフェスティバルとして約40の大会を冠大会として開催しております。今後も、ワールドマスターズゲームズのより一層の周知に努めてまいります。
○副議長(服部 一君) 谷口和樹君。
  〔谷口和樹君、登壇〕
○谷口和樹君 ありがとうございます。ぜひ、これだけのスーパーイベントですので、多くの方に出場の権利、参加する権利がございます。せっかくですので、たくさん盛り上がって、和歌山にはたくさんメダルを持って帰ってきてもらって、今後のスポーツ振興につなげていただけたらなと、いきたいなと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。
 2つ目に入ります。
 関西ワールドマスターズゲームズ2021に向けてのハラル環境の整備と推進ということで質問をさせていただきます。
 ハラルとは、アラビア語で「許された」などの意味を持つ、イスラム法で合法とされた健全な商品や活動の総称であります。
 イスラム教徒──以降「ムスリムの方」──が口にできない食料品では、豚肉とアルコールがよく知られています。
 現在、19億人とも言われていますムスリムを対象に、世界的な市場規模は約300兆円、食だけでも約60兆円と言われております。それがさまざまな産業分野に広がっています。日本国内でも、2020年東京オリンピック開催を控え、飲食、ホテルなどのサービス業は大きなビジネスチャンスとして、地方自治体などでは地域再生の起爆剤として取り組みが活発になっています。
 ムスリムの方が海外を旅行する場合や生活を送る場合に一番困るのは食事と言われています。ただし、彼らの宗教の戒律に関する考え方や受けとめ方は人それぞれであり、国によってもさまざまのようです。ハラル認証食材でつくられたものしか食べられない方から、豚肉やアルコールが入っていなければとりあえず問題がないという方まで、特に旅行期間中はおのおのの人の判断が尊重されているのが実際のようでございます。ハラル認証はイスラム教の戒律を全てクリアしたということですが、認証を出す組織が多数あったりする中、ムスリム調理師の有無、ハラル専門厨房の有無など、提供と表示にハードルが高いと言われています。
 そのような中、ハラル認証は全てのイスラム教の戒律を満たすのに対して、ユーザーに部分的にクリアした情報を開示する、お店側のハラルへの対応レベルは利用する側のイスラム教徒自身が判断するムスリムフレンドリーというのも進められつつあります。
 一方、関西ワールドマスターズゲームズ2021は、スポーツコミッション関西の試算では経済波及効果は約140億円。このスポーツコミッション関西のシドニー大会の1人当たりの域内消費額約28万3000円を競技者、同行者などを含めた予測3万人で単純計算すると、海外からの訪問客による経済効果は推定約85億円となります。このうちムスリムの方の訪問がどれくらい予想されているかはわかりませんが、ある程度の人数が予測されますし、経済効果も考えられます。
 関西国際空港からのアクセスからも和歌山県は来訪候補地になる可能性はあるにしても、つまるところムスリム観光客の受け入れ、その環境の広がりが求められます。
 いずれ国際的な観光都市として外国人観光客を受け入れていく中で、今回は県内での認識やビジネスチャンスの拡大に向け、よい機会であると考えますが、ムスリム参加者の観光周遊取り込みのための環境整備について、商工観光労働部長にお聞きをいたします。
○副議長(服部 一君) 商工観光労働部長岡本圭剛君。
  〔岡本圭剛君、登壇〕
○商工観光労働部長(岡本圭剛君) ムスリム旅行者の受け入れについてでございますけども、県では、マレーシア、インドネシアを初めとする東南アジア諸国をインバウンド観光客誘致の重点市場と捉え、積極的にプロモーション活動に取り組んでおります。
 こうしたマレーシア、インドネシアなどから訪れるムスリム旅行者の受け入れ環境を向上させるため、県では飲食店、宿泊施設等の観光事業者に対し、受け入れ対策に関するセミナーを開催しております。
 議員御指摘のとおり、イスラム教の解釈やその実践については、宗教、国・地域、文化、個人によってその内容や程度に差があるため、各事業者がまず取り組めることとして、食事を提供する場合には料理に使用されている食材やその成分を表示する、また、お祈り用マットやお祈りスペースの貸し出しの有無など礼拝環境を表示するといったことなどの情報表示を行い、ムスリム旅行者が飲食や施設利用の判断ができる環境を整えることを推奨しています。
 引き続き、セミナーの開催を通じて受け入れ体制の充実に取り組むとともに、メディアやウエブサイトを活用しつつ、あらゆる機会を捉えてムスリム旅行者向けの情報発信を行ってまいります。
○副議長(服部 一君) 谷口和樹君。
  〔谷口和樹君、登壇〕
○谷口和樹君 ぜひお取り組み、よろしくお願いします。
 ムスリムフレンドリーとハラル、よく混同されそうなんですけども、こちらのほうはくれぐれも事業者さんに受け入れの間違いのないように、その点は強く気をつけていただきたいと思います。よく中東やイスラム圏のイメージと混同されることもありますけれども、アジアのムスリム人口は7.5億人とも言われてまして、全体の大体40%強と言われています。
 今後の和歌山県の取り組みにも期待を申し上げて、次の質問に移ります。
 同じく関西ワールドマスターズゲームズ2021、そしてパラリンピックナショナルトレーニングセンター指定に伴う周辺交通のバリアフリーの推進について質問をさせていただきます。
 田辺スポーツパークが、パラリンピック陸上競技のナショナルトレーニングセンター競技別強化拠点施設に指定されました。東京パラリンピックまで続けていくということですが、今回のナショナルトレーニングセンター競技別強化拠点施設指定の機会、関西ワールドマスターズゲームズ2021を契機に、障害者スポーツへの理解とともに一層のバリアフリー推進のまたとない契機として取り組んでほしい、こういう思いから、周辺交通バリアフリー推進について質問をさせていただきます。
 競技場へ来られる方、見に来られる方、見られる方、利用する方々にとって、公共交通に乏しい地域から周辺のスポーツパークまで来る交通手段、滞在時の移動手段では、バス、タクシーの重要性というのが特に増してきます。そのような中で、タクシー、バスの民間事業者、周辺交通機関への啓発も含めた交通のバリアフリー化への取り組みについて、福祉保健部長にお聞きをいたします。
○副議長(服部 一君) 福祉保健部長幸前裕之君。
  〔幸前裕之君、登壇〕
○福祉保健部長(幸前裕之君) 田辺スポーツパーク陸上競技場がパラリンピック陸上競技ナショナルトレーニングセンター競技別強化拠点施設に指定されたことにより、今後、強化合宿等が行われることが予想されるとともに、多くの方々の来場が見込まれます。
 県としましては、競技場を利用される方々が公共交通機関を利用して安全かつ円滑に移動できるようバリアフリー化を推進する必要があると考えており、路線バスにおけるノンステップバスやタクシー輸送における福祉車両の導入、心のバリアフリーの推進などを、関係部局と連携して各事業者に働きかけてまいります。
○副議長(服部 一君) 谷口和樹君。
  〔谷口和樹君、登壇〕
○谷口和樹君 今までも、県そして市町村、バリアフリー等について一生懸命取り組んできていただいておりますけども、やはり一層の推進となると、きっかけというのが大事かと思います。今回の指定というのはよいきっかけになるとも思いますし、きっかけにしていきたい、そのようにも思わせる機会でもあると思います。ぜひとも、皆さんのこれからの頑張りに、よろしくお願いいたします。
 最後になります。4番の質問に入ります。
 紀伊半島大水害の教訓から、迂回路としての県道近露平瀬線の拡幅について質問さしていただきます。
 紀伊半島大水害からはや5年がたち、その間も熊本、大分を襲った大地震や、せんだっての台風10号、岩手、北海道を襲った大豪雨、そして、今なお10万人以上が家に帰れず、復旧・復興道半ばの東日本大震災で被災された方々には、謹んでお見舞いを申し上げるところでございます。
 あわせて、我々の地域を襲った紀伊半島大水害の記憶も風化させることなく教訓として生かしていくことが、被災された方々、命を落とされた方々に対して我々がしなければならないことであります。
 そんな中で繰り返しお聞きをいたしますが、県道近露平瀬線、ここは紀伊半島大水害被災時に国道311号線が何カ所も崩落しまして長期間通行どめになっていた中、災害代替道路として近露、本宮、熊野川への唯一のライフラインとして活用をされました。
 しかしながら、車幅が1車線の狭隘な県道近露平瀬線、近露─平瀬間は、4トン車以上の通行というのが制限され、ガソリンや生活物資を運搬するのに大変困難をきわめました。
 その教訓から、何としても再度、万が一の災害に備え、この区間の拡幅のお願いをしてきたわけですが、重ねて早期の改良のお願いと今後の見通しについて県土整備部長にお聞きをいたします。
○副議長(服部 一君) 県土整備部長。
  〔森戸義貴君、登壇〕
○県土整備部長(森戸義貴君) 県道近露平瀬線につきましては、平成23年台風12号による紀伊半島大水害において、議員御指摘のとおり4トン以上の車両は離合が困難であったことを踏まえ、災害時において国道311号の迂回路としての機能を果たすことができるよう10カ所で待避所の整備を計画し、平成25年度から事業を進めております。
 現在、その10カ所のうち特に狭隘な3カ所について事業着手し、うち1カ所について一部区間を暫定供用しており、引き続き整備を推進していくこととしています。
 残る7カ所につきましても、これらの整備状況を踏まえて順次整備していきたいと考えてございます。
○副議長(服部 一君) 谷口和樹君。
  〔谷口和樹君、登壇〕
○谷口和樹君 答弁ありがとうございます。今後、なお一層、できれば早くお願いをしたいところでございます。
 この時期になりますと5年前の記憶がすごくよみがえってきて、私の生まれたところは田辺市の大塔村三川というとこでございます。熊野というところに土砂ダムができまして、当時、本当に住民の皆さんと大変な思い、悲しい思いをしたところでございます。時期的に思い出すところでございますけれども、これからもなお一層早目にできましたらよろしくお願いいたします。
 今、田辺市では、7月の世界遺産の追加登録がちょっと延びたということで、10月24日から26日のパリでの世界遺産追加登録に向けて、啓発のポロシャツを皆さんでおそろいでつくっております。機運を高めています。
 田辺市では、闘鶏神社や中辺路、北郡越、潮見峠越、長尾坂、赤木越を追加登録でユネスコ世界遺産センターに認められれば、エリア周辺が地域の活性化のきっかけになると心待ちにしておりますので、当局には登録まで、そして無事に登録されたならば後の取り組みにも重ねてよろしくお願いを申し上げまして、私の一般質問とかえさせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
○副議長(服部 一君) 以上で、谷口和樹君の質問は終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 次会は9月20日定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後2時17分散会

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