平成28年6月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(岩井弘次議員の質疑及び一般質問)


平成28年6月 和歌山県議会定例会会議録

第4号(岩井弘次議員の質疑及び一般質問)


人名等の一部において、会議録正本とは表記の異なるものがあります。

正しい表記は「人名等の正しい表記」をご覧ください。

 質疑及び一般質問を続行いたします。
 29番岩井弘次君。
  〔岩井弘次君、登壇〕(拍手)
○岩井弘次君 おはようございます。議長にお許しをいただきましたので、通告に従いまして一般質問を順次行わさしていただきます。
 前段の部分では、このたびの熊本地震に関連して災害対策、これにつきましては、先日、先輩議員が行われました御質問にやや重複するところもございますけども、どうか御容赦くださいますようにお願い申し上げます。後半は、県民の皆様からいただいた多くの声を取り上げさせていただきたい、このように思ってございます。
 ちょっと私も声がかなり張るほうなんで、別に中本先輩と競おうとかという気持ちはさらさらございませんが、もともと応援団ということをクラブでやっておりましたんで、若干、つい声を張らないと自分自身が気持ち的に乗ってこないというのもございまして、どうかその部分も御容赦いただきますようによろしくお願いいたします。
 それでは、去る4月14日、熊本県を震源として発生いたしました平成28年熊本地震、甚大な被害をもたらした震災からあすで2カ月を迎えようとしております。亡くなられた方が49人、行方不明者がお1人、そして地震が関連すると考えられて亡くなった方が20人、改めて、お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りいたしますとともに、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。
 また、先日の新聞報道で、熊本県議会の6月定例会が1日に開会し、復旧・復興対策に向けた一般会計補正予算などが審議されておられる模様が掲載されておりました。本会議場が被災しているため全員協議会室での開催となり、防災服を着用して本会議に臨まれている議員の方々、また職員の皆さんの新聞記事を拝見いたしますと、本当に他人事ではないという思いと、みずからも被災されながら、そういった中での御苦労に胸が痛むものでございます。ただただ一日も早い復旧・復興を祈らずにはおられません。
 さて、先日の「公明新聞」の取材に対し、蒲島郁夫熊本県知事は、今回の地震の特徴につきまして、「28時間以内に震度7の揺れが2度も続けて起きたことは想定外の出来事でした。前震発災直後から人命救助や食料、水、避難所の確保などの初動対応を行いましたが、その後の本震が対応を複雑にしました」と。また、一時は県民の約1割に当たる18万人超が避難所に集中したこともあり、食料や水が届きにくいという事態が起きたこともありました。もう1つの特徴は、1500回を超える余震です。昨日も、もういよいよおさまったのかなあと思っておりましたが、震度5弱の地震が揺れました。今でも終わりが見えず、車中避難を続ける方もいます。そのため、エコノミークラス症候群といった2次的被害も発生しており、難しい対応を迫られる地震災害というのが県知事の率直な思いだったそうでございます。
 さらに、今後について、被災者支援は、仮設住宅の建設やみなし仮設住宅の確保、さらには避難所の再編を行う段階に入ったこと、そして、これからの暑さ対策としての空調設備の整った仮設住宅など、避難者の方々の住まいの確保の必要性があるものの、自宅が無事であっても余震の不安から車中避難を続ける方もおり、必要戸数が確定しないのが現状だそうでございます。
 災害へのあらゆる対策は、過去の経験を通して積み上げられ策定されてきたと思いますが、これで万全ということは難しいかと思います。
 そして、災害は、全てその形態は異なります。近年の大災害における要因として、阪神・淡路大震災は直下型、そして東日本大震災は津波でありました。今回の熊本地震の特徴は、連続大地震とその後の群発地震であります。また、通常、土砂災害は主に大雨等で発生しますが、今回、大地震によって土砂災害も引き起こされております。
 災害に対する備えにおいて自助、共助、公助、それぞれの分野ででき得る限りの備えをしておくことが大切であり、とりわけ公助においては、長期、そして多岐にわたり必要とされます。そして、その役割は大変重要でもあります。
 そこで、まずお伺いいたしますが、今回の熊本地震に対して、本県の支援状況及び取り組みを通して今後どのように防災対策に取り組んでいかれるのか、危機管理監に御答弁を求めます。お願いいたします。
○議長(浅井修一郎君) ただいまの岩井弘次君の質問に対する答弁を求めます。
 危機管理監和歌哲也君。
  〔和歌哲也君、登壇〕
○危機管理監(和歌哲也君) まず、熊本地震についてでございます。
 被災地支援につきましては、発災直後より熊本県に緊急派遣チームや警察災害派遣隊、DMAT等の医療関係者を派遣しております。特に被害が大きく、関西広域連合がカウンターパートとして支援を行っている益城町に、災害廃棄物の処理対策支援のため、紀伊半島大水害の経験を有する環境関係の専門職員や避難所運営支援のための職員を継続的に派遣するなど、これまで和歌山から延べ2000名に及ぶ人たちが被災地で支援活動を行ってきたところです。
 また、アルファ化米の提供や義援金の募集、公営住宅等への被災者受け入れ、ボランティアバスの運行など、人的・物的両面から、さまざまな支援に取り組んでまいりました。
 現在、被災地はようやく復旧・復興の入り口に立った状態であり、今後も、その時々の状況や被災地の要請に応じ、適切に息の長い支援を行っていくこととしております。
 熊本地震を踏まえた今後の県の防災対策については、現在、熊本県に職員を派遣し、紀伊半島大水害での災害廃棄物処理の経験や和歌山県が策定した避難所運営マニュアルなどを活用して被災地支援の任務に当たっているところでございまして、こうした職員が持ち帰ったさまざまな教訓を総合して、欠けているところを補うことにより、あらゆる災害から県民の命を守る取り組みを進めてまいります。
○議長(浅井修一郎君) 岩井弘次君。
  〔岩井弘次君、登壇〕
○岩井弘次君 御答弁ありがとうございます。
 もう発災直後に関係者の皆様が、延べ2000人ですか、駆けつけていただいて、本当にその御苦労に敬意を表するものでございます。
 次に、避難所の運営についてお伺いいたします。
 このたびの熊本地震においても、発災後、一時最大18万人を超える住民が避難所に詰めかけました。
 現在、避難所運営リーダーの養成など、スムーズな避難所運営について取り組んでおられると思いますが、各市町村において、それらの準備、体制づくりも喫緊の課題かと考えます。また、避難されてきた方が、余震等による避難所の天井や照明器具などの非構造部材の落下、窓ガラスの破砕等により負傷するといったことがないように措置すべきことも重要かと考えます。これらの点検整備やガラス部分については、たとえ割れても細かく破砕し、けががしにくい機能ガラスにするなどの避難所整備も再点検すべきと考えております。
 そして、今回の熊本地震において、2度の大きな揺れ、途切れもないと言っていいくらいの余震による家屋損壊に対する恐怖やプライバシーの確保といった面からか、車中泊をされる方が多くおられ、それによりエコノミークラス症候群の発症という問題も起こりました。
 そこで、危機管理監にお伺いいたします。
 避難所の運営について各市町村に対してどのような支援をされておられるのか、また、車中泊をされる方が多くなることが予想されますが、どう対応されるのか、お答えください。お願いします。
○議長(浅井修一郎君) 危機管理監。
  〔和歌哲也君、登壇〕
○危機管理監(和歌哲也君) 避難所の運営についてでございます。
 大規模災害時は、多数の避難者の発生、避難生活の長期化が想定されるため、県では、平成25年に、避難所の規模に応じて避難者が安全に避難生活を過ごすことができるよう、市町村避難所運営マニュアルモデルを作成したところです。具体的には、小規模避難所と大規模避難所の2種類のモデルを作成するとともに、内容につきましては、段ボールなどを用いたプライバシーの確保、要配慮者や女性への配慮等、適切な居住空間と共有空間の確保を行うこと等を盛り込み、市町村に対して助言を行ってきたところです。
 また、わかやま防災力パワーアップ補助事業により、市町村に対して発電機、間仕切り、防災倉庫などの避難所の資機材の整備や自主防災組織による避難所運営訓練について支援を行っております。
 さらに、避難所の運営は適切な知識を持った地域のリーダーを中心に行うことが必要であるため、平成26年度から避難所運営リーダー養成講座を開催して、災害時の避難所運営の課題とその対処方法等の講義や図上訓練等を行い、平成31年度までに3500名を養成する計画としております。
 次に、自動車に寝泊まりする車中泊につきましては、災害情報の提供が行き届かず、また、被災者の状態把握が困難であることや、エコノミークラス症候群により命を失う危険等があるため、現行の市町村避難所運営マニュアルモデルでは、発災直後で避難スペースが不足する場合を除き、原則認めておりません。
 しかし、今回の地震による避難の状況を踏まえ、車中泊におけるエコノミークラス症候群の危険性の周知や、運動等による予防策などを詳細に記載するなど、市町村避難所運営マニュアルモデルの充実を図る必要があると考えております。
 今後とも、良好な生活環境が確保された避難所運営が行われるよう、市町村に対して引き続き積極的に支援を行ってまいります。
○議長(浅井修一郎君) 岩井弘次君。
  〔岩井弘次君、登壇〕
○岩井弘次君 避難所の運営につきましても、私も地域自治会の役員もさしていただいてますが、やっぱりいざ避難してこられた方々は、誰がリーダーかもわかりませんし、皆さんがもうパニック状態で避難されてこられることが現実かと思います。もう全ての人が自分が主体者であり、また被災者でもあるんですけども、主体者でもあるという、そういう意識づけも大事かなというふうに思ってございますし、また、地域の防災訓練等でもそういった部分も確認していかなくてはならないなと自分自身も感じております。
 ぜひ、またそういう養成講座を通しながら、あらゆる多角的に取り組んでいただけたらと、このように思ってございます。
 続きまして、食料の備蓄についてお伺いいたします。
 熊本地震の直後、多くの避難所で食料不足が問題となりました。5月19日付の「西日本新聞」によりますと、調査時期に違いはありますが、九州7県の233市町村のうち約2割が災害時に住民などに提供する食料の備蓄を全くしていなかったことがわかりました。また、米やパンなどを倉庫等に保管しておく現物備蓄について、九州7県の市町村の備蓄状況を調査したところ、各県さまざまですが、熊本県に限定しますと27%に当たる12自治体で現物備蓄していないなど、5県の計53市町村で備蓄がなかったことが判明いたしました。
 そのようなことから、今回の地震において、事前に協定を結んだ業者から災害時に物資を調達する流通備蓄を採用していた自治体があったものの、交通網の寸断で入手が難航し、避難所によっては深刻な食料不足に陥りました。
 政府の防災基本計画は、各家庭での備蓄を促すとともに、地方自治体に対して、必要とされる食料などについて、あらかじめ備蓄、調達、輸送体制を整備し、物資供給計画を定めるようにとしています。しかし、自治体によっては、限られた財源の中、予算上の優先順位が低いことや備蓄する倉庫が確保できていないことなど、決して怠っているのではなく、さまざまな事情があるという状況です。
 総務省消防庁防災課は、備蓄目標を設けていない市町村があることについて、市町村に食料備蓄の取り組みを促すために、県が目標量を定めることが望ましいと指摘しております。
 市町村の備蓄状況を把握し、状況に応じてあらゆる面から支援していくことも必要ではないかと考えますが、その状況と県の取り組みについて、福祉保健部長、お答えお願いいたします。
○議長(浅井修一郎君) 福祉保健部長幸前裕之君。
  〔幸前裕之君、登壇〕
○福祉保健部長(幸前裕之君) 食料の備蓄につきましては、発災直後3日間の食料を県、市町村、県民の3者で分担して備蓄していく方針としており、県、市町村でそれぞれ1日分の計2日分の備蓄を進めているところです。
 現在の市町村の備蓄状況については、県内30市町村でそれぞれ備蓄を進めており、東海・東南海・南海3連動地震による被害想定に基づく備蓄目標約66万食に対し、約58万食を現物備蓄しています。
 また、県では備蓄目標約66万食のうち、30万食を現物備蓄、残りは流通備蓄とする計画です。現在、約18万食を現物備蓄しており、今年度末までに22万食とする予定です。
 県としましては、今後とも市町村と協力しながら、熊本地震を教訓とするなど、大規模地震等にも対応できるよう、計画的な備蓄に努めていくとともに、県民に対しては、発災直後は行政からの支援が届かないこともあることから、自助による備えとして1週間分以上の備蓄を呼びかけてまいります。
○議長(浅井修一郎君) 岩井弘次君。
  〔岩井弘次君、登壇〕
○岩井弘次君 ありがとうございます。
 我が家でも備えはしておるんですけども、なかなかその3日分が1週間分、その1週間分をずっと──何年かに1回、家族でアルファ化米を食べるときがございまして、子供たちからは非常に不評ではございますんですけども、これは大事なもんやということでしっかりと意識づけはしておりますが、なかなか継続しないというのが現状でございまして、しっかり私自身からも改めてまいりたいですし、ぜひまた県民の皆様にもそういった部分の啓発、周知、よろしくお願いいたします。
 次に、住宅の耐震化や家具固定等、地震への備えについて伺います。
 熊本地震で特に大きな被害を受けた熊本県益城町では、阪神・淡路大震災を踏まえ、柱の接合部を金具で補強するなどの耐震基準が強化された2000年以降に建てられたと見られる木造家屋の被害のうち、全壊が51棟に上ることが日本建築学会九州支部の現地調査でわかりました。
 震度7の強烈な揺れが連続して発生し、1度目で建物内部の構造が一定のダメージを受け、続いて起こった揺れや地盤が緩んだことなども全壊につながったのではないかと見られております。
 建築基準法は、1981年の改正で震度7級の地震で倒れないように耐震基準が大幅に見直され、壁の強度を高めるよう義務づけられました。81年以前は旧耐震基準と言われ、木造家屋で最も被害が多かったのは旧基準の建物でありました。
 政府の耐震化対策は、2005年、東海・東南海・南海地震を対象にした地震防災戦略では、住宅の耐震化率の目標を今後10年間で75%から90%に引き上げるよう設定、学校や病院、マンションなどの耐震化率は10年間で75%から90%にする目標を国土交通省が掲げました。
 耐震基準の結果の報告が義務づけられた大規模建築物については、診断結果を公表する耐震改修促進法の改正が行われています。地震において死亡する要因として、建物の倒壊や家具の転倒により圧死することがその大多数を占めております。
 各市町村において、住宅の無料耐震診断や耐震改修工事費助成などの取り組みがなされているところが多くありますが、耐震診断をしても、耐震化に必要とされる多額な工事費用の自己負担がネックとなり、耐震化が進みにくいのが現状ではないでしょうか。
 本県の耐震改修工事件数の約半分は、工事費が80万円から140万円であります。しかし、行政による助成金のほとんどは、上限が数十万円にとどまる場合が多くなっております。耐震基準や助成制度は今のままでいいのか、再検討すべきと考えるものであります。各個人にあっても、住宅の耐震改修費用に対して、低金利融資や税制優遇措置などについても周知し、そのアクションを起こしていけるよう、なお一層促していくべきだと考えます。
 そこで、危機管理監にお伺いいたします。
 住宅の耐震化や家具固定等、災害への備えに対する県民への啓発にどのように取り組まれておられるのか、お答えください。お願いします。
○議長(浅井修一郎君) 危機管理監。
  〔和歌哲也君、登壇〕
○危機管理監(和歌哲也君) 地震対策として、県ではこれまでも住宅の耐震化に取り組んできており、例えば、昭和56年5月以前に建築された木造住宅のうち、原則、延べ面積200平方メートル以下においては無料で耐震診断を受けることができ、限度額はありますが、耐震設計や改修に対して補助を行っております。
 また、自己負担額を低く抑えたい人のためには、住宅全体の改修が困難であっても命だけは守っていただけるよう、耐震ベッドや耐震シェルターについても設置費用を補助対象にするなど、全国的にもトップクラスの補助制度を用意しております。
 また、家具の固定につきましても、地震から命を守るためには欠かしてはならない重要な対策の1つであり、わかやま防災力パワーアップ補助金により、市町村が実施する要配慮者世帯に対する家具等の転倒防止対策事業への支援を行ってきたところです。
 地震から命を守るためには、県民一人一人が地震に備えていただくことが大切であり、地震体験車による震度7の体験や、確実な家具固定につながる実習等を行う「出張!減災教室」を開催するとともに、県民減災運動として住宅の耐震化、家具の固定、ブロック塀の安全対策を推進しております。
 今後とも、あらゆる機会を通じて、県民の皆様への周知啓発に努めてまいります。
○議長(浅井修一郎君) 岩井弘次君。
  〔岩井弘次君、登壇〕
○岩井弘次君 ありがとうございます。家具の固定というのは、非常に重要ではないかというふうに思います。
 私自身も、自宅のたんすとか、いろいろ家具を固定しておるんですけども、最初、ホームセンター等へその柱であったりとか支え柱であったりとか買いに行ったんですけど、意外と高額なんですね。本来ですと、私の寝ている足元にタンスが2さおありまして、その片一方は私に倒れそうなたんすで、もう1つは家内のほうに倒れそうなたんすでございまして、最初4つ買わなと思って行ったんですが2つしか買えなくて、私自身の足元のたんすを支えましたところ家内から非常に怒られたという、以前そういう記憶がございます。
 笑い話にしたら怒られるんですけども、本当に家具を固定して、また扉等をしっかりとめるとか、そういった2次的に起こる、それによって逃げおくれるとか、そういったことも多々あるようにも思いますので、しっかりとまずは意識づけ、危機感を持っていただくということが非常に大切であるかと思いますので、各市町村、取り組まれておりますけども、しっかりまた県としても寄り添っていただいて、支えていっていただけたらと、このように要望しておきます。
 以上、いろいろと熊本県地震にも関連してお伺いいたしました。
 先週6月10日、政府の地震調査委員会は、今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率の分布を示した2016年版の全国地震動予測地図を公表いたしました。南海トラフ沿いもその確率が上昇し、和歌山は57%と、前回2004年より2ポイント上昇いたしました。
 数値に一喜一憂する必要はないと思いますが、いつかは必ず起こる自然災害に対して、ハード、ソフト両面の備え、体制づくりを急がなくてはなりません。特に、本県において津波への備えは喫緊の課題です。想定される被害については、甚大なものになると予測されております。
 津波到達までに数分もないような地域もあり、高齢者や要援護者など、高台まで走って逃げることが困難な方もおられます。避難タワーの設置や避難路の整備など、早急にすべきことが山積しているかと思いますが、津波対策に必要な施策について、どのように取り組まれておられるのか、危機管理監、よろしくお答えお願いいたします。
○議長(浅井修一郎君) 危機管理監。
  〔和歌哲也君、登壇〕
○危機管理監(和歌哲也君) 津波対策についてでございます。
 東日本大震災の直後から、防災・減災対策の総点検を実施して、防災・減災対策に取り組んできておるところでございます。具体的には、避難路の整備等の促進を初め、避難先の安全レベルの設定を実施し、時間の許す限り、より安全な避難先に逃げてもらえるようにするとともに、家族で事前に話し合った避難先を記載する避難カードを作成して、全世帯や全小・中・高校に配布してきたところでございます。
 平成26年10月に策定した「津波から『逃げ切る!』支援対策プログラム」では、津波が到達するまでに安全な場所に避難できない地域を津波避難困難地域として抽出いたしました。東海・東南海・南海3連動の地震に対しては、市町による19施設の津波避難施設の整備や、避難路の整備による避難先を確保するとともに、堤防の整備を優先的に行い、昨年度からおおむね10年間で津波避難困難地域の解消を図ることとしております。
 また、南海トラフ巨大地震の対策につきましては、津波避難困難地域が想定される12市町において協議会が設置され、具体的に検討、早期実行が進められているところです。既に、御坊市、美浜町、みなべ町の3市町では津波対策が決定され、津波避難施設として築山等を含めた7施設が計画をされております。
 今後とも、津波による犠牲者をゼロとするため、ハード、ソフトのあらゆる施策を講じて津波対策に取り組んでまいります。
○議長(浅井修一郎君) 岩井弘次君。
  〔岩井弘次君、登壇〕
○岩井弘次君 それぞれ御答弁ありがとうございました。
 それでは、次の質問項目に移らしていただきます。
 これまでに住民の方からいただいた事柄について、何点かお伺いいたします。
 まず、私は楠見地区に住んでおるんですけども、六十谷や直川、紀伊方面といったやや山間部に多くのため池が点在しております。中央構造線に近く、直下型地震などが起こった場合にそれらのため池が決壊し、山津波といったおそれがあるのではないかという不安の声を多くいただいております。
 そこでお伺いいたしますが、和歌山市地域内のため池における直下型地震などの対策について、農林水産部長、お答えお願いいたします。
○議長(浅井修一郎君) 農林水産部長鎌塚拓夫君。
  〔鎌塚拓夫君、登壇〕
○農林水産部長(鎌塚拓夫君) 和歌山市内には約500カ所のため池が存在し、農業用水確保のために活用されております。
 県では、平成24年度にため池決壊に対する安全度向上のため、地域の実情に応じたため池改修加速化計画を策定し、和歌山市内では比較的規模の大きい受益面積5ヘクタール以上かつ貯水量1000トン以上の87カ所の池について、県が事業主体となり全面・部分改修などに取り組んでおります。
 議員御質問のため池の耐震対策につきましては、池の堤体を強化する全面改修や、堤体にひび割れなどの変状が生じた場合でも、池の水位を低下させ決壊を防ぐ緊急放流施設などの部分改修を行っているところです。
 市が事業主体となる400カ所余りの小規模なため池対策につきましては、ハード整備やソフト対策の補助事業を促進しております。また、ため池ハザードマップ作成に対する支援として、平成25年度に県から130カ所の浸水想定区域図を市に提供しており、順次ハザードマップを作成するよう指導しております。そのほか、使われなくなったため池対策として、所有者である市町村が行うため池の廃止に対して支援を行っているところでございます。
 今後とも、ため池の安全性を向上するよう取り組んでまいります。
○議長(浅井修一郎君) 岩井弘次君。
  〔岩井弘次君、登壇〕
○岩井弘次君 ありがとうございます。
 ため池の直下に住まわれてる方から、本当にちょっと怖いという話ですが、お聞きしますと、ため池の堤の部分というのは、先人のこれまでの経験等で粘土質の堤体をつくって、地震時、それに柔軟にこう変化をしながら、コンクリートとかかたいものとは違って決壊することもなかなか少ないというふうにもお聞きはしておるんですけども、いろいろな工夫をしていただきながら、水量の調整であったり、そういった措置をしていただいてるということをお聞きしましたので、しっかりまた取り組んでいっていただけたらというふうに思います。
 次に、紀の川河口付近に流れ込む土入川につきましてお伺いいたします。
 昨年行われました県政の懇談会の場におきましても、その地区の方からも要望事項としてあったと伺いました。土入川河口に可動堰の設置をしてはどうかということであります。
 県のホームページにあります津波が起こった場合の浸水域マップによりますと、湊地区を中心とした一帯が津波の遡上によると考えられる浸水が表示されております。このことにつきまして、土入川において、津波による浸水対策として河口部分に可動堰、動く可動堰の設置など、今後の取り組みについてのお考えをお示しいただけますでしょうか。県土整備部長お答えください。
○議長(浅井修一郎君) 県土整備部長森戸義貴君。
  〔森戸義貴君、登壇〕
○県土整備部長(森戸義貴君) 県では、津波から住民の命を救い、死者をゼロとするため、「津波から『逃げ切る!』支援対策プログラム」を平成26年10月に策定しております。このプログラムの中では、おおむね10年間に約460億円の費用をかけて、3連動地震の津波避難困難地域の解消のための堤防整備と、地域の経済被害の低減と早期の復旧・復興のための主要な港湾や漁港における既存施設の強化を実施することとしています。
 議員御指摘の土入川の河口に可動堰を設置することについては、地元から御要望があることは承知しておりますが、土入川の周辺地域は津波到達までにある程度時間があり、3連動地震、また南海トラフ巨大地震でも避難困難地域がないことから、「津波から『逃げ切る!』支援対策プログラム」には事業が位置づけられておりません。
 県としましては、まずは「津波から『逃げ切る!』支援対策プログラム」に基づく堤防整備などの対策について、おおむね10年間で着実に実施するよう努めてまいります。
○議長(浅井修一郎君) 岩井弘次君。
  〔岩井弘次君、登壇〕
○岩井弘次君 やはり命が大事です。津波から逃げ切るということで、県下においては10年間において重点的に取り組むべき点はよくわかります。当然だと思います。
 ただ、その先のこととして、課題として、本来防げるといいますか、人的な被害は非常に低いかもわかりませんけども、その第2段階、第3段階として、そういう物的被害についてもなるべく軽減できるようなことに功を奏するという施策であれば、ぜひ取り組んでいっていただきたいという思いと、やはり地元からの要望につきましては、課題としてお知りおきといいますか、記憶していただけたら、このように要望しておきます。
 それでは、災害関連の最後なんですけども、亀の川につきまして、大雨等によって増水して護岸道路部分が浸水して不安だという声がございました。地域的には、和歌山市と海南市の境あたりなんですけども、湾曲していること等もあり、よく道路が浸水し、通行に支障を来す、また通学される子供たちも困るといったことがあるそうでございます。
 亀の川の整備につきましては、現在、河口から整備が行われておりますが、計画では紺屋橋までとなっていますが、その上流域の浸水対策も含んで河川整備の現状と今後の取り組みについて、県土整備部長、お答えください。お願いします。
○議長(浅井修一郎君) 県土整備部長。
  〔森戸義貴君、登壇〕
○県土整備部長(森戸義貴君) 亀の川については、平成22年10月に河川整備計画を策定しており、浸水対策として河口から紺屋橋までの約4.8キロ区間の堤防整備や河床掘削等を位置づけています。下流から順次整備を進めており、現在までに河口より約600メートルが完成しています。今年度は、引き続き左岸側の上流約100メートルの護岸工事を実施する予定で、今後も引き続き上流に向け河川整備を行い、浸水対策を進めてまいります。
 議員御指摘の亀の川上流域の浸水対策は、現行の亀の川水系河川整備計画には位置づけられておらず、現時点では下流側の整備が完了した後、流域の状況や整備効果等を勘案し、検討することになってございます。(「ちゃっちゃとせなあかんぞ、それ」と呼ぶ者あり)
○議長(浅井修一郎君) 岩井弘次君。
  〔岩井弘次君、登壇〕
○岩井弘次君 ありがとうございます。後ろから大先輩の強いお声もいただきました。下流域でかなり施工されてきてるということで、それを受けて上流域にもそのことが恩恵をこうむるといいますか、浸水がかなり軽減されることも期待されるかなあと思いつつも、何分、地元の皆さんも私も素人でございますんで、ぜひそういった、事実、道路が浸水するといったことが今起こっておりますので、そういったこともしっかりと今後の課題としてまた見ていっていただけたらというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、次の項目ですけども、外見からはわからない内部障害者に関しての質問です。
 ハート・プラスマークについて、皆さん御存じかと思いますが、特定非営利活動法人ハート・プラスの会によりますと、ハート・プラスの意味は、「身体内部を意味する『ハート』マークに、思いやりの心を『プラス』。身体に病を持つ人は、人を思いやる大切さを知っています。そして周りの人も、心に思いやりのプラスアルファを持ってくれることを願います。そんな全ての人の『思いやりの心を増やす』マークが『ハート・プラス』マークです。あなたがどこかでこのマークを目にしたら、私たちがいることを思い出してください。そして、困っていたら手助けをしてください」とあります。
 また、内部障害者の方は、生まれつきの方もおられますし、後天的に障害を負った人もおられます。身体の内部に障害がある人なので、外から見るだけでは元気なのか障害があるのかはわかりにくいことがあります。時には不便なことがあるそうです。例えば、内部障害による障害者手帳を持たれた方が、スーパーなどの車椅子マークの駐車スペースに車を置くと、けげんな目で見られることもあるそうです。
 このように、外見からわかりにくいため、さまざまな誤解を受けることがあります。そんなときに、少しでいいから身体の内部に障害のある人がいることを思い出してほしいということから、このマークが考えられたそうであります。
 ただ、このマークは公的機関が定めた内部障害者を示すマークでもなく、公的拘束力も一切持ち合わせていないということです。
 私が話を伺った方も、「電車に乗ったときに立っているのがつらくてシルバーシートに座ると、周りの視線を感じ、何か後ろめたいような気持ちになり、とてもつらい思いになる」とおっしゃっておりました。外見ではわかりにくい障害であるがゆえに、生活上困っておられる方がたくさんいらっしゃいます。
 最近では、東京都や京都府が、ハート・プラスマークと同じように、内部障害のある方への理解や配慮を求めるヘルプマークの普及に取り組んでいるそうです。内部障害のある方が困っているときに手助けしてもらうためには、これらのマークが認知され、周りの理解を広げることが必要であると思います。
 そこで伺いますが、外見からはわかりにくい内部障害者への支援について、その普及活動など、県はどのように対応しておられるのか、福祉保健部長、お答えください。
○議長(浅井修一郎君) 福祉保健部長。
  〔幸前裕之君、登壇〕
○福祉保健部長(幸前裕之君) 県では、これまで障害及び障害のある人の理解を深めるための啓発活動に取り組み、ハート・プラスマークを初めとする障害者のシンボルマークの周知に努めてきたところです。
 本年4月1日から障害者差別解消法が施行されたことに伴い、より一層理解を深めることを目的に、今年度からあいサポート運動とヘルプマークの交付に取り組んでいくこととしております。
 あいサポート運動は、さまざまな障害の特性や必要な配慮などを理解して、障害のある人が困っているときに、ちょっとした手助けや配慮などを実践することで障害のある人が暮らしやすい社会をつくっていくことを目的としており、障害のある人を支えるあいサポーターの養成等に取り組んでまいります。
 また、ヘルプマークは、心臓の機能が低下したためにペースメーカーを使用しているなどの内部障害のある人や難病の人など、援助や配慮を必要としていることが外見からわからない人が、マークを身につけることにより周囲に援助を必要としていることを知らせるものです。例えば、電車で席を譲る、困っている様子があれば声をかけるなど、思いやりのある行動をお願いするもので、必要とされる方に交付してまいります。
 こうした支え、支え合う両輪の取り組みを通じ、障害のある人もない人も、お互いを支え合う共生社会の実現に向けて取り組んでまいります。
○議長(浅井修一郎君) 岩井弘次君。
  〔岩井弘次君、登壇〕
○岩井弘次君 ありがとうございます。
 次に、過疎対策の一環として取り組まれておられます空き家対策補助金制度について伺います。
 大阪府から和歌山県紀の川市へ移ってこられた方が、移り住む家を改修するに当たり空き家改修補助金を利用しようとしたのですが、補助金の対象外とのことで利用できなかったということがございました。
 紀の川市を初め、移住推進市町村以外の市町にも過疎のような地域はあります。移住を推進していくに当たり対象地域を全県に拡大してはどうかと思いますが、お考えを企画部長、お答えください。
○議長(浅井修一郎君) 企画部長高瀬一郎君。
  〔高瀬一郎君、登壇〕
○企画部長(高瀬一郎君) 県では、昨年策定いたしました和歌山県まち・ひと・しごと創生総合戦略において、人口減少に対応し、和歌山県への新しい人の流れを創造するための施策の1つとして移住推進に取り組んでいるところでございます。
 空き家改修補助などの支援制度につきましては、人口減少率、高齢者比率が高い市町村でワンストップ相談窓口及び地域住民による受け入れ協議会を設置し、受け入れ体制を整備している18の移住推進市町村への移住者に対して適用しております。
 議員御質問の空き家改修補助金制度の対象地域の拡大につきましては、財政的な負担を考慮しますと、移住推進市町村以外の市町への適用は困難であると考えております。対象地域については、状況により検討は行いますが、まずは市町村が移住後の定住に向けてのフォローまでしっかりと移住推進に取り組んでいただくことが必要条件であります。
 なお、県下全域を対象とした制度としまして、全国トップクラスの住宅の耐震改修補助制度もございますので、有効的に活用していただけるよう市町村とともに周知してまいります。
 県といたしましては、移住推進について、県主催の移住フェアやセミナー等への参加及び現地体験会の開催、空き家バンクによる情報発信などにより和歌山暮らしを広くPRし、市町村と一体となって取り組んでまいります。
○議長(浅井修一郎君) 岩井弘次君。
  〔岩井弘次君、登壇〕
○岩井弘次君 御答弁ありがとうございました。
 この空き家改修につきましてお聞きしますと、年間予算で約1600万、これがほぼ全て執行されている状況がここ2年ほど続いておると聞いております。別にその担当課から脅されたんではございませんので、決して担当課のほうに詰め寄ることのないようにお願いしたいんですけども、しっかりもう少し過疎対策、また、これはある面、人口減、和歌山県オールウエルカムでやっぱり構えるべきではないのかなというふうに思います。
 過疎対策という意味ではわからなくもないんですけども、しっかりその辺の部分、全県下にという思いはございますし、今措置されてる予算自体、全てまだちょっと足りないかなというぐらいの申し込みがあるかというふうに聞いておりますので、その辺の部分もあわせて予算措置等も考えていただいて、もう少し厚みを持たせていたらどうなんでしょうかというふうにも思いましたので、要望しておきます。
 最後の質問でございます。
 利用者及びその保護者の方からの要望でございますけども、寄宿舎のある支援学校におきまして、各自室においてはWi-Fi環境について整っておらず、予習、復習など、通信に不便を感じている旨の声をいただきました。
 インターネットは、もう今や欠かすことのできないと言っていいぐらい生活に浸透してきておりますけども、そこで伺いますけど、寄宿舎の自室でのWi-Fi環境等の整備についていかがお考えでしょうか。教育長、お答えください。
○議長(浅井修一郎君) 教育長宮下和己君。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 障害のある児童生徒にとって、情報機器の活用は、学習内容の理解を深めたりコミュニケーションを円滑にする有効な手段であると考えています。
 そのため、特別支援学校内におけるインターネット等の環境整備に加え、寄宿舎内においても、インターネットに接続された学習用パソコンを学習室や余暇活動室等の共有スペースに配置するなど、児童生徒の学習環境の整備を進めています。
 その一方で、児童生徒がネット依存に陥り、学習時間が減少するなどの生活習慣の乱れや、インターネット上のトラブルに巻き込まれるなど、生徒指導の大きな課題も見られます。
 今後、寄宿舎の共有スペース以外におけるWi-Fi等のインターネット環境の整備については、このような児童生徒の生活面への影響などを考慮し、慎重に検討する必要があると思います。
○議長(浅井修一郎君) 岩井弘次君。
  〔岩井弘次君、登壇〕
○岩井弘次君 御答弁ありがとうございました。
 以上で、私の一般質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(浅井修一郎君) 以上で、岩井弘次君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前11時19分休憩
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