平成28年6月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(中本浩精議員の質疑及び一般質問)


平成28年6月 和歌山県議会定例会会議録

第3号(中本浩精議員の質疑及び一般質問)


人名等の一部において、会議録正本とは表記の異なるものがあります。

正しい表記は「人名等の正しい表記」をご覧ください。

  午後1時0分再開
○副議長(服部 一君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 23番中本浩精君。
  〔中本浩精君、登壇〕(拍手)
○中本浩精君 皆さん、こんにちは。一般質問初日3番目に登壇さしていただきました中本浩精です。よろしくお願いいたします。
 それでは、議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして一般質問をさしていただきます。
 まず1項目め、前畑秀子NHK朝ドラ誘致と橋本・伊都地域の観光振興についてお尋ねいたします。
 「紀州 紀ノ川 橋本あたり 筏流しは唄でゆく」、「名さえなつかし 妻の浦 夏が来たなら 紀の川筋の 鮎は若鮎 瀬をのぼる」、これは野口雨情作詩の「橋本小唄」の一部ですが、皆さん御存じの日本人女性で初の金メダリスト、前畑秀子さんが少女時代に泳いだ紀の川の妻の浦の様子がよくわかる唄です。
 スポーツでも、学問でも、何でもそうですが、栄光の陰には想像を絶する努力というものが隠されています。清流紀の川が育んだ前畑秀子さんも努力の人であります。私の住んでいる橋本市は、前畑秀子さんの努力する姿に橋本市を重ね合わせ、全国はもとより世界各地から「ガンバレ!のまち橋本市」と応援していただけるようなまちを目指して取り組んでいます。
 私も、橋本市議会議員のときに前畑秀子氏生誕100年イベント等の開催についてを質問させていただきました。橋本市名誉市民である前畑秀子さんの生誕100年を記念して、一昨年、前畑秀子生誕100年展や講演会が橋本市や名古屋市で盛大に開催されました。
 前畑秀子生誕100年で盛り上がりを見せる中、昨年の6月に前畑秀子朝ドラ誘致実行委員会が公募で選ばれた市民を中心に結成されました。現在、36名が「前畑頑張れ!次のゴールは『NHK朝ドラ』だ!」を合い言葉に、署名活動や情報収集、関係者との連携など、多くのことにボランティアで取り組んでいただいております。
 朝ドラ誘致実行委員会の設立の趣意書を読みますと、次のように書かれています。紹介させていただきます。
  2020年(平成32年)、56年ぶりに東京で2度目となるオリンピックが開催されます。世界を代表するアスリートたちの活躍を目のあたりにすることができます。日本選手の大活躍でメダルの獲得数も伸びるのではと、わくわくしてきます。
  オリンピックで活躍するアスリートたちの勇姿は、想像を絶する努力の積み重ねとその努力を支える多くの人とのかかわりの中から生まれてきます。
  大正から昭和初期、日本がまだ貧しかった時代、学校や地域にプールもなかった時代、身近に水をたたえた紀ノ川が流れていただけの環境の中で、泳ぐことが大好きになった少女が、両親や家族、恩師や多くの人に支えられながら、目標を掲げ、目標に向かって、また、期待に応えるため、すさまじい努力の結果、日本人女性として、初めてオリンピックで金メダルを獲得します。そんな少女が日本にいたことを、志を持つことのすばらしさや努力の価値を再認識するとともに、日本中の大きな話題にして欲しいのです。
  80年前、「前畑がんばれ!」で日本中が感動に沸いた前畑秀子を是非「NHK朝ドラ」で再現していただき、東京オリンピックを最高に盛り上げたいと願っています。
 以上が設立の趣意です。
 「前畑、頑張れ」を20回以上連呼したNHK・河西アナウンサーの歴史に残る実況放送は、余りにも有名です。1936年(昭和11年)ベルリンオリンピックで、200メートル平泳ぎで日本人女性として初めて金メダルを獲得された前畑秀子さんは、トップアスリートというだけではなく、女性がスポーツ界に進出する黎明期のシンボル的存在でもありました。また、現役引退後も、幼児、母親、シニアの水泳教室など生涯スポーツに貢献されました。69歳のとき脳溢血に倒れるも懸命のリハビリで克服し、プールに戻るという不屈の精神と努力をもって、80歳で亡くなるまで水泳一筋の人生を歩まれました。前畑秀子さんの波乱万丈の人生とその偉大さを、NHK朝の連続テレビ小説で全国に伝えていきたいのです。
 そこで、誘致に向けての活動ですが、市内のイベント会場での署名活動や署名用紙の全戸配布などを行い、この半年間で、橋本市だけで3月末現在で約1万2000筆を超す署名が集まったと聞いております。これからは名古屋市、岐阜市、日本水泳連盟でも署名活動が本格的に行われますので、賛同者が飛躍的にふえるかと思います。知事を初め多くの県職員の皆様、そして議員の皆様にも御賛同いただきました。この場をおかりいたしまして厚く御礼申し上げます。
 また、3月には朝ドラ誘致に関するホームページを立ち上げ、4月から橋本市役所内に朝ドラ誘致プロジェクトチームがつくられました。平木哲朗橋本市長も精力的に活動し、昨年度、和歌山2区選出の石田真敏代議士とNHK東京放送センターを訪れ、趣意書の提出をしております。岐阜市水泳協会前会長の野田聖子代議士も、岐阜の市議会議員の方々とNHK東京放送センターを訪問され、朝ドラ誘致に向け、積極的に働きかけてくれているようにお聞きしています。
 また、平木市長は、前畑さんと深いかかわりのある岐阜市や名古屋市との連携を重視し、昨年度に2市を表敬訪問されました。細江茂光岐阜市長や河村たかし名古屋市長にこの誘致活動についての協力を依頼し、お互いが協力していくことを確認しています。市議会議員の皆様も積極的に活動され、名古屋市、岐阜市、橋本市3市の市議会議員有志の方々が、4月14日にはNHK大阪放送局、4月21日にはNHK東京放送センターへ要望活動を行い、その足で遠藤オリンピック・パラリンピック担当大臣にもお会いして、要望書を大臣に手渡しております。
 このように、行政間においても連携を密にし、積極的な取り組みを進めているところでございます。
 行政機関以外でも、尾崎要二県議会議員が会長を務める和歌山県水泳連盟を初めとして、各地域の県人会、前畑さんが編入学した名古屋市の椙山女学園と、関係者一丸となってまさに頑張っています。
 NHKの朝ドラ、大河ドラマは、放送されるとかなりの経済効果が期待できることもあり、各地で誘致活動が繰り広げられております。経済効果だけではなく、郷土の偉人が取り上げられることは誇りであり、子供たちに夢と希望、大人たちには力を与えてくれるものと私は思います。和歌山県としても、前畑秀子NHK朝ドラ誘致を全面的にバックアップしていただけたらと思いますが、知事室長、いかがですか。
 また、橋本市がこの機会に全国的に知名度を上げていかなければならないと思いますが、朝ドラの誘致が実現したとしても、なかなか橋本市単独でお客さんを呼び込んでくるのは難しいのではないかと思います。伊都地域には高野山がありますし、大河ドラマ「真田丸」でも今後大いに盛り上がってまいります。また、7月には橋本市初の世界遺産として黒河道の追加登録が期待されています。
 橋本・伊都地域の観光振興についてどのようにお考えか、商工観光労働部長にお伺いいたします。
○副議長(服部 一君) ただいまの中本浩精君の質問に対する答弁を求めます。
 知事室長宮﨑 泉君。
  〔宮﨑 泉君、登壇〕
○知事室長(宮﨑 泉君) 議員お話しのとおり、橋本市の名誉市民である前畑秀子さんの輝かしい功績は、誰もが認めるところでございます。NHKの朝ドラで前畑さんを取り上げてもらうことは、この功績を世の中に知ってもらうだけでなく、前畑さんを育て上げた橋本市のみならず、県民がふるさとに自信と誇りを持つことにつながるため、非常に有意義なものであります。
 県といたしましても、これまでNHKに対して、2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催に向け、番組化されるよう働きかけを行ってまいりました。先日、知事みずからNHKの籾井会長を訪れ、要請をしたところでございます。
 今後とも、橋本市など地元の熱意を後押しすべく、前畑さんの人生とその偉大さについてメディアへの露出をさらに高めるなど、誘致活動の支援に、関係機関と連携し、全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。
○副議長(服部 一君) 商工観光労働部長岡本圭剛君。
  〔岡本圭剛君、登壇〕
○商工観光労働部長(岡本圭剛君) 橋本・伊都地域の観光振興についてお答えいたします。
 昨年の高野山開創1200年記念大法会以降、大幅に増加しました観光客に周遊していただくため、大河ドラマ「真田丸」・戦国わかやま誘客キャンペーンや、広域観光として紀の川沿いの寺社をめぐる「いのりとみのりの旅」紀北キャンペーンの実施により、橋本・伊都地域はもちろん、紀の川沿いのエリアでの波及効果も狙った活動を行っているところであります。
 橋本市は、議員御発言の高野参詣道黒河道や歴史的建造物の文化財のほか、柿や卵などの特産物といった豊富な観光資源を有しております。それらを活用し、県・市町村や地域が一体となって実施するこういった面的な取り組みを通して地域全体の経済効果を高めていけるよう、他府県の事例も参考にしながら、市とも連携して取り組んでまいります。
○副議長(服部 一君) 中本浩精君。
  〔中本浩精君、登壇〕
○中本浩精君 知事室長、商工観光労働部長より答弁をいただきました。
 今、答弁を聞かせていただきまして、前畑秀子NHK朝ドラ誘致と橋本・伊都地方の観光振興については、和歌山県をもっともっと元気にしていくためには重要なことだという認識をしていただいたと、私は今、答弁を聞いて確信しました。
 そこで、最後にもう一度、要望、お願いをさせていただきたいと思います。
 平成26年の世界遺産登録10周年、平成27年の紀の国わかやま国体・わかやま大会、高野山開創1200年、そして、ことしは「真田丸」と吉宗将軍就任300年、和歌山県に今フォローの風が吹いています。このフォローの風に乗って、昨年、本県を訪れた観光客は3300万人を超えて史上最高、某宿泊予約サイトでは人気上昇率ランキング2年連続2位、秋の季節に限っては2年連続の1位となっています。
 もちろん風だけではありません。知事を筆頭に行った観光PR、そしておもてなしトイレ大作戦、フリーWi-Fi大作戦といった観光客の視点に立った積極的な環境整備も功を奏した結果だと思います。
 この勢いを一過性とすることなく、持続的なものとするために、今まで以上に観光資源を活用して多くの観光客を誘致していただきたいと思います。今はまだ全国区までいかないような観光資源も掘り起こし、売り出していただき、県内の多くの地域のよさを発信していただきたいと思います。
 橋本市には、NHK朝ドラのロケで使用された日本最大級の木造校舎を有する高野口小学校があります。前畑秀子さんの朝ドラとなれば、きっとロケに使われるでしょう。また、葛城館という立派な施設もございます。新たな観光資源として活用するようなストーリーも描けると思います。
 NHK朝の連続テレビ小説、通称朝ドラは、今、企業の創始者をモデルにした作品が続いています。企業の宣伝効果は非常に大きいと思います。朝ドラに取り上げてもらうことにより、橋本市や和歌山県の知名度アップや経済効果が期待できます。それぞれの市町村が元気になれば和歌山県も元気になる。ことしは、前畑秀子さんが日本人女性として初めて金メダルを獲得して80年、同じく橋本市出身の古川勝さんがあの有名な潜水泳法でメルボルンオリンピック200メートル平泳ぎで金メダルを獲得して60年という記念すべき年に当たります。
 2020年、東京オリンピックが開催されます。前年の2019年に和歌山県の存在を前畑秀子NHK朝ドラを通して大きく国内外へPRしていただきたいと思います。どうか県におかれましても、この朝ドラ誘致活動に対しまして、橋本市と連携をとりながら強力な御支援、御協力を賜りますようお願い申し上げまして、1項目めを終わらしていただきます。
 続きまして、2項目め、防災対策についてお尋ねいたします。
 ことし4月14日、16日と、震度7を観測する地震が立て続けに発生した熊本地震、亡くなられた方に哀悼の意を表するとともに、被災された皆様には心よりお見舞い申し上げます。また、県もさまざまな支援を行っていただいておりますが、多くの方々の支援をもって一刻も早く復興が進み、被災者の皆様がいつもどおりの生活に戻られることを願っております。
 その熊本地震は直下型または断層型地震と言われていますが、和歌山でも、北部の紀の川流域沿いに活断層である中央構造線があり、この断層による巨大地震も想定されます。南海トラフを震源とする地震による津波の大きな被害が懸念される沿岸部に比べ、それ以外の地域では、幾分、防災意識が低いのではないかと過去の議会で申し上げました。
 確かに数字だけ見ると、県北部の断層型地震の発生確率は南海トラフ地震より低く、県のホームページには30年発生確率0.07%から14%とあります。しかし、危機管理の観点からは14%を念頭に置くべきであり、この14%は決して低い確率だとは思いません。それに、南海トラフより発生確率の低かった熊本地震が先に発生したという現実もあります。
 事あるごとに南海トラフ地震が取り上げられる中、中央構造線による断層型地震は取り上げられることは少なく、「南海トラフ地震に対しては十分な備えが必要だが、断層型は余り心配ないか」と言う人が少なからずいるのではないかと思ったりもします。もちろん、南海トラフ地震への対応は今まで以上の取り組みを望みますが、断層型地震もあわせ、ともに喫緊の課題であるという認識で防災対策に取り組んでいただきたいと思います。
 先に要望を述べる形になりましたが、本来の質問のほうを続けさしていただきます。
 防災対策のうち、まず情報伝達についてです。
 東日本大震災の際は、メールや携帯を含む電話など、通信手段が途絶え、連絡がとれない状況となりました。熊本地震でも利用しづらい状況があったようです。
 南海トラフを震源とする地震では、津波の第1波が最も早いところだと地震発生後わずか3分で到達するなど、県下における到達時間は非常に短いです。高台あるいは津波避難ビルなどに逃げるのですが、全住民が対応できるのか。内閣府の調査では、東日本大震災の際に津波に関する情報を見聞きした人は約半数という結果も出ております。
 災害時に情報が届かないというのも問題ですが、もう1つ考えられる問題は、正しい情報が届くかどうかです。残念ながら、正しい情報のみが伝わるというのはあり得ないでしょう。いわゆるデマ情報も飛び交います。正しい情報を判断できる仕組みが必要だと私は思います。迅速かつ確実な情報伝達、通信手段は、防災対策の根幹をなすものです。震災による停電も考慮すれば、情報伝達の手段は少なくなります。最近よく言われるところのリダンダンシー、冗長性ですが、確実な情報伝達のためには、伝達手段の多重化、多様化が必要だと考えます。
 石巻市では、高台などへ避難する際に通る可能性が高い道路を「避難のみち」に設定、各地点の震災時の浸水高や避難所までの距離と方向を図で示す識別防災サインを設け、浸水域は青色、域外は緑色など、色彩の変化で危険性が一目でわかり、色をたどって浸水域から域外へ迅速避難できるようになっています。これなどは、旅行者にもわかりやすい情報伝達の一例です。
 そこで、防災情報の伝達における県の対応状況について、危機管理監にお尋ねいたします。
○副議長(服部 一君) 危機管理監和歌哲也君。
  〔和歌哲也君、登壇〕
○危機管理監(和歌哲也君) 災害時には、議員御指摘のとおり、県民の生命、財産を守るために必要な情報をできるだけ早く正確に伝えることが重要であり、あらゆる手段をとって情報伝達を行うことが必要不可欠であると考えております。
 市町村において防災行政無線や広報車等により災害情報の伝達は行われ、県においても、防災わかやまメール配信サービスや緊急速報メールによる災害情報の配信を県民に直接行うとともに、和歌山県のホームページ「防災わかやま」において、地図機能を用いた防災GISにより詳細な災害情報の提供を行う等、情報伝達の多重化に積極的に取り組んでおります。
 また、平成22年から、テレビにおいて地上デジタル放送を活用した県民への情報提供を行ってきました。さらに、本年2月からは、全国的な取り組みである災害情報等をテレビ等のメディアにリアルタイムに提供する災害情報共有システム、いわゆるL-ALERTについても運用を開始いたしました。
 このほか、ラジオは災害時における重要な情報収集ツールであることから、防災・減災FMラジオ中継局の送信ネットワークの整備を行っております。
 今後とも、情報伝達の確実性を高めるため、災害情報の伝達手段の多重化に積極的に取り組んでまいります。
○副議長(服部 一君) 中本浩精君。
  〔中本浩精君、登壇〕
○中本浩精君 ありがとうございました。
 引き続き、自助、共助、公助についてお尋ねいたします。
 防災対策では、行政での対応、公助にも限界があり、やはり住民一人一人がきちんと対応していくこと、いわゆる自助が基本となります。もちろん、自分1人でできることにも限界があり、家族で、あるいは地域単位で対応していく共助の部分もしっかりしていかないといけません。自助、共助、公助は、どれかが突出したからよいというのではなく、それぞれの役割を連携、補完し合って効果があるものと考えます。
 災害時に行政との連絡が困難な状況に陥ることも考えられ、まず自分で行動と、自治会などで防災対策に取り組まれています。自助、共助の取り組みが、公助も含め、三位一体で被害を少しでも軽減できるような体制を確立し強化する、これは行政主導であるべきです。
 県は、災害対策において、自助、共助、公助の役割分担についてどのように考え、連携を進めていくのか、危機管理監にお尋ねいたします。
○副議長(服部 一君) 危機管理監。
  〔和歌哲也君、登壇〕
○危機管理監(和歌哲也君) 自助、共助、公助についてでございますが、議員御指摘のとおり、災害時には自助、共助の役割は非常に重要です。阪神・淡路大震災では、生き埋め、または閉じ込められた方々のうち公的機関により救出された方はわずか2%程度にすぎず、大多数が自力脱出、もしくは近隣住民などにより救出されました。このことは、大規模災害に際して自助や共助がいかに重要であるかを物語っていると考えております。
 県では、自助の力を高めるため、「出張!減災教室」の開催などを通じ防災意識の向上に取り組むとともに、住宅の耐震化、家具の固定、ブロック塀の安全対策等を家庭で取り組む県民減災運動として推進し、補助制度の充実や啓発等に努めているところです。
 また、共助では、自主防災組織が災害発生時における初期消火、避難誘導、救出・救助など、地域防災活動の担い手として大切な役割を果たしていることから、県では、その組織率の向上や活動の活性化に取り組んでおります。
 具体的には、自主防災組織が使用する資機材整備等について、わかやま防災力パワーアップ補助金により支援するとともに、紀の国防災人づくり塾などの研修機会を提供することにより、自主防災組織で活躍する人材の育成に取り組んでおります。
 さらに、自主防災活動の活性化を図るため、今年度より、出水期を控えた6月1日を自主防災組織の活動の日と定め、前後の週間を集中活動期間として、防災学習や防災訓練などに取り組む活動を推進しております。これまで活動実績が乏しかった地域の自主防災組織も参加いただくなど、16市町39団体で実施をしていただきました。
 引き続き、市町村や自主防災組織等と連携しながら自助、共助の強化に努め、県全体の防災力の向上につなげてまいります。
○副議長(服部 一君) 中本浩精君。
  〔中本浩精君、登壇〕
○中本浩精君 答弁をいただき、災害情報の伝達手段の多重化や自助、共助を充実させるための取り組みについて、県がさまざまな対策を実施していることは十分理解できました。
 さて、先ほども申し上げましたが、これまで南海トラフ地震の脅威が注目される一方で、直下型地震への危機感が薄いように感じていました。しかし、熊本地震の発生を目の当たりにした以降、私の地元において、地震対策に関する問い合わせや相談が多く寄せられており、県民の直下型地震に対する関心が大変高まっていることを実感しております。
 今後、この流れを県民の防災意識の向上につなげていくことが大変重要であると思います。県において、啓発や防災学習の充実強化などに努めることを通じ、地震対策を進めていただくことをお願い申し上げまして、2項目めを終わらしていただきます。
 続きまして、最後の項目に入らせていただきます。
 国体・大会施設の活用とスポーツの振興についてお尋ねいたします。
 感動の紀の国わかやま国体・わかやま大会を終えて、次は2019年にラグビーワールドカップ、2020年に東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。海外ナショナルチーム等のキャンプの誘致については全国各地で誘致活動が行われており、もちろん県でも誘致活動を進め、カナダ競泳チームが、東京オリンピック・パラリンピックと2018年に東京で開催されるパンパシフィック水泳選手権の事前キャンプを秋葉山公園水泳場で行うことが決定しました。また、同じ秋葉山公園水泳場では、この6月6日からリオデジャネイロ五輪の競泳日本代表の強化合宿が行われました。関係者の皆様の御尽力に心から敬意を表します。
 そのほかの新設・改修した施設も、ナショナルチームをお迎えするのに十分な施設も多く、また、すばらしいおもてなしの心を県民の皆様が持っていただいております。自信を持って「和歌山へお越しください」と言えます。迎える側の施設と心の用意はできております。誘致活動の結果、よい報告を期待しております。
 そこで、期待を込めつつ、県におけるナショナルチーム誘致の活動状況とその結果、途中経過、見込みも含めて知事にお尋ねいたします。
○副議長(服部 一君) 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 紀の国わかやま国体・紀の国わかやま大会のために整備いたしました競技施設の有効活用を図るため、また、両大会によって高まりました県民のスポーツに対する関心や期待に応えるため、2020東京オリンピック・パラリンピック競技大会などの事前キャンプ誘致に積極的に取り組んでいるところでございます。
 昨年8月には、北京世界陸上に出場するオーストラリア陸上チームが紀三井寺競技場で事前キャンプを実施してくれました。関空からのアクセスのよさや練習環境、ボランティアスタッフのおもてなしなどが高く評価されたことから、2020東京オリンピック・パラリンピック競技大会に参加するオーストラリア陸上チームが紀三井寺競技場で事前キャンプを実施することが決定いたしました。
 また、秋葉山公園県民水泳場がすぐれた競技施設であることをアピールして誘致活動を進めてきました結果、カナダの競技チームも、2018年に東京で開催されるパンパシフィック水泳選手権と2020東京オリンピック・パラリンピック競技大会の事前キャンプを同水泳場で行うことを決定いたしました。
 さらに、カナダ競技チームの事前キャンプ決定もありまして、今月6日から12日まで、リオデジャネイロオリンピックに出場する競泳日本代表選手が強化合宿を行っているところでございます。
 今後は、両国ナショナルチームの事前キャンプの受け入れの準備に万全を期してまいりたいと思います。
 また、そのほかにもまだまだ余地があると思いますので、今いろいろ努力をしておるところでございます。
 また、田辺スポーツパークは、本年3月にパラリンピック陸上競技のナショナルトレーニングセンターに指定されました。リオデジャネイロパラリンピック日本代表候補選手の決定後、初めての強化合宿が14日から行われる予定となっておりまして、世界で戦うトップアスリートをサポートできることは本県にとって誇らしいことであるとともに、県民の皆さんにパラリンピックについてよく知っていただく絶好の機会を提供できると考えております。
 県内にはまだまだすばらしい施設がありますので、今後も、本県とつながりの深い国などに対して積極的に事前キャンプの誘致活動を行ってまいりたいと考えております。
○副議長(服部 一君) 中本浩精君。
  〔中本浩精君、登壇〕
○中本浩精君 知事、どうもありがとうございます。ナショナルチームなどのキャンプ誘致について、計画的、戦略的に取り組まれていることがよくわかりました。
 知事の御答弁にもあったように、県内にはすばらしいスポーツ施設がたくさんあります。ナショナルトレーニングセンターに指定された田辺スポーツパークでは、野球場も実業団や大学の強豪チームの強化合宿に利用され、好評を得ていると聞いております。
 橋本市にも県立体育館というすばらしい施設があります。2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて和歌山県全体が盛り上がっていくよう、ぜひともこうした県内各地のスポーツ施設について、ナショナルチーム等のキャンプ誘致を推進していただきたいと思います。どうかよろしくお願いいたします。
 続きまして、スポーツを楽しめる環境づくりについてお尋ねいたします。
 紀の国わかやま国体・大会が残したのは、施設だけではありません。実際に競技を見た県民は、やっぱりスポーツは楽しいんだという思いを強く心に刻んだことだと思います。この国体・大会で盛り上がったスポーツ振興の機運がしぼむことのないようにしたいという思いでいっぱいです。
 私が国体・大会を通して改めて思ったのは、スポーツへの直接参加だけではなく、応援という参加も大いにあるんだなということです。どんなハードなスポーツでも、応援という形で参加は可能です。ぜひスポーツを楽しめる環境づくり、何らかの形で誰もがスポーツに参加できる環境づくりをお願いしたいと思います。
 そこで、このスポーツ機運の盛り上がりを一過性のものとせず、どのような形でスポーツ振興を進めていくのか。2021年には関西ワールドマスターズゲームズが開催されます。生涯スポーツ立県を目指す本県にとって、ビッグイベントは好機と考えます。誰もが、年齢や体力、興味に応じて気軽にスポーツを楽しむための環境づくり、特にスポーツから遠ざかった御高齢の皆様が生涯スポーツの観点もあわせてスポーツに参加できるようどのようにお考えか、知事の御答弁をよろしくお願いいたします。
○副議長(服部 一君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 幸福で豊かな生活を実現するには、スポーツは欠かせないものと私は考えております。そのためには、トップアスリートも大事でございますけれども、裾野を広げるということも大事でございます。それには、年をとってもスポーツに親しむ機運をつくることがとっても大事だと思っておりまして、そこで和歌山県においては、2017年に国際・全日本マスターズ陸上競技選手権大会、2019年に全国健康福祉祭、これはねんりんピックというふうに俗に言うておりますが、それから、2021年には関西ワールドマスターズゲームズといった大きなスポーツイベントを2年置きにホップ・ステップ・ジャンプと弾みをつけながら開催していく予定でございます。
 特に関西ワールドマスターズゲームズは、30歳以上なら誰でも予選なしに参加できる国際大会なわけでございます。関西一円で開催され、参加選手は5万人を超えると見込まれます。もっと多いんじゃないかなと思っております。海外からも多くのスポーツ愛好家が参加するため、スポーツを通じた国際交流の絶好の機会であると同時に、地域活性化の面でも大いに期待されるところでございます。
 本県でも、紀の国わかやま国体・紀の国わかやま大会の競技会場などを活用し、できる限り多くの競技大会を開催したいと考えておりまして、現在、関西ワールドマスターズゲームズは選定に入ってるところでございます。ぜひとも、多くの県民の皆さんに、参加し、観戦し、スタッフ・ボランティア等としてこれらの大会も支えていただきたいと思っております。
 これらの大会を通じて生涯スポーツに対する機運をさらに盛り上げて、県民誰もがスポーツを楽しみ、元気で活力ある生活ができるように取り組みを進めてまいりたいと考えております。
○副議長(服部 一君) 中本浩精君。
  〔中本浩精君、登壇〕
○中本浩精君 知事の答弁をお聞きしまして、スポーツを通して和歌山県をもっともっと元気にしていこうという強い気持ちを私自身はよく感じました。
 2017年国際・全日本マスターズ陸上競技選手権大会をホップ、2019年のねんりんピックをステップ、そして2021年の関西ワールドマスターズゲームズで大きくジャンプするという生涯スポーツの推進は、すばらしいことだと思います。
 スポーツには大きな力があります。希望と勇気を与え、人々を明るく元気にします。ホップ・ステップ・ジャンプで1人でも多くの県民の皆様が参加する、いわゆるスポーツをする喜び、そして前述のキャンプ誘致などによるスポーツを見る楽しさやスポーツを支える充実感を享受できるようなさらなる取り組みをお願い申し上げまして、私の一般質問を終わらしていただきます。どうもありがとうございました。(拍手)
○副議長(服部 一君) 以上で、中本浩精君の質問が終了いたしました。

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