平成28年2月 和歌山県議会定例会会議録 第6号(谷口和樹議員の質疑及び一般質問)


平成28年2月 和歌山県議会定例会会議録

第6号(谷口和樹議員の質疑及び一般質問)


汎用性を考慮してJIS第1・2水準文字の範囲で表示しているため、会議録正本とは一部表記の異なるものがあります。

正しい表記は「人名等の正しい表記」をご覧ください。

 質疑及び一般質問を続行いたします。
 37番谷口和樹君。
  〔谷口和樹君、登壇〕(拍手)
○谷口和樹君 皆さん、こんにちは。議長のお許しをいただきましたので、一般質問をさしていただきたいと思います。37番谷口和樹でございます。よろしくお願いいたします。
 今、私の住む田辺市では、田辺スポーツパークが整備された後、スポーツ合宿での明るい話題というのが続いています。
 野球では、1月に韓国のキョンヒ大学、大阪ガス、近畿大学、NTT西日本ほか、独立リーグ兵庫ブルーサンダーズが次のドラフト候補を連れてバッテリーキャンプに来ていただいた。このように、今までなかったチームの合宿で、にわかにスポーツ合宿の機運というのが盛り上がっています。
 同時に、これを契機に、真砂市長のトップセールスで梅やミカンなどのプロモーションも積極的に行われています。その経済効果というのは明らかに大きいものでありますが、それ以上に紀南の経済の低迷、これは深刻でございます。特に農業経営の逼迫感、これは深刻なものがあります。
 そんな中で、午前中の先輩議員の質問にもありましたけども、農振除外の厳格化、「実家の近くの農地に家を建てて両親を手伝いに戻りたいが、家を建つのが認められない」、「不安定な農業収入を少しでも安定させたい、そういう思いで、形の悪い農地で太陽光発電をしたいのだが、認められない」などと、そういった声が届いております。すぐ近くにパネルがある、同じように家を建てている、そういう状況があるにもかかわらずです。
 紀南に限っては、完全に農地を守って農家を守らず、こういう状況であると思います。ドーナツ化現象の都市部と若い住民が山間の実家の近くに家を建てるのとは全然違います。太陽光などのほかの収入で、気象が不安定な昨今の経営のリスク、これを分けていくのは当然ではないかと思います。
 そもそも、県内全てのルールの厳格化、ルールが曖昧になっているので引き締めたいというのなら、別にばあんと発表する、そういうことをせずに、組織の中で「自分たちで話し合いでもうちょっとちゃんと、ちょっとずつちゃんとやろか」と話し合って、少しずつ詰めていけばよかったのではないのでしょうか。そうしていれば、市町村でこのような混乱もなかったように思います。
 県の不断の努力は紛れもなく評価するところではございますが、今回は明らかにミスリードだと思います。このことを一言申し上げまして、一般質問に入らしていただきたいと思います。
 1つ目の質問に入らせていただきます。
 田辺・西牟婁県立高校の今後のあり方について。
 (1)第2期きのくに教育審議会報告を受けて、田辺・西牟婁県立高校の学校数とクラス数の方向性についてお聞きをしていきます。
 現在、田辺・西牟婁には県立高校が4校、分校が1校あります。2014年度の募集定員では、ここから3クラスが減少しました。
 資料1の田辺市の中学校生徒数推移を見ていただきますと、5年後には206人減で、年に30人ペースで生徒数が減少するのが確認できます。ここに合わせて西牟婁郡の生徒数減も加味されるわけですが、高校進学対象者は、この平成33年前後までに再度3クラス以上減が予想されます。
 資料2は、本年度、田辺・西牟婁県立高校のクラス数と定員でございます。田辺高校8クラス、田辺工業4クラス、神島高校7クラス、熊野高校5クラス、龍神分校1クラス。
 仮に2014年のように中高一貫の田辺高校、龍神分校の減がないとするならば、他の3校のクラス数が減り、田辺工業は3クラス、神島高校は6クラス、熊野高校は4クラスになることが予測されます。
 一昨年の12月議会で質問させていただいたそのときに、教育審議会での協議を始めるということでしたが、経過と報告書を見せていただく中で、県立高校の存続の方向性が、今まで望ましいクラス数の下限が4クラスであったところが4クラス以下でも残していく、そのように報告がなされていました。
 今後も、入学者が数年に一度3クラス分ずつ減少し、遠くなく1学年3クラスを切ってくる、こういうことが予測される中で、改めて第2期きのくに教育審議会の報告を受けて、半径5キロにある田辺・西牟婁の県立高校4校の今後の方向性を教育長にお聞きいたします。
○副議長(藤山将材君) ただいまの谷口和樹君の質問に対する答弁を求めます。
 教育長宮下和己君。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 今後の県立高等学校再編整備の方向性につきましては、今、議員のお話がございましたように、きのくに教育審議会の報告を踏まえ、これまで慎重に検討を重ね、このほど県立高等学校再編整備基本方針を取りまとめました。この基本方針につきましては、関係に御説明申し上げ、近々パブリックコメント等を実施し、御意見をいただくとしてございます。
 具体的な再編の実施計画につきましては、この基本方針をもとに今後策定することとしてございます。
○副議長(藤山将材君) 谷口和樹君。
  〔谷口和樹君、登壇〕
○谷口和樹君 続いて、2つ目に入ります。
 田辺・西牟婁の地域別教育審議会の必要性についてお聞きをしていきます。
 委員の構成がほぼ紀北で構成されている第2期きのくに教育審議会ですが、議事録を見せていただきました。県内全体を考えて協議をされていましたが、経過から見て、やはり地域性を考慮するために地区別の審議の必要性を感じますので、地域別の教育審議会の開催についてお聞きをしたいと思います。
 単純に生徒数の減少による教育環境の影響もありますが、例えば減っている高校ではマイナー競技や集団競技のクラブの廃部、その方向を検討する、そういった問題も出てきます。
 特に田辺・西牟婁地域は、近い範囲に4校が集まっています。先ほども申し上げましたが、半径5キロの間にその4校というのが集まっています。市内の中心部の3校を産業系の高校と普通科校の2校に再編し、普通学科を熊野高校などに振りかえ、クラス数を確保していき、産業系は近くにある技能学校と併設することで設備と充実を図る、このような方向性、構想というのも考えられるところでありますけれども、クラス数が減り切ってから取り組むより、余力を持ってビジョンを語れる、そういう時期に進めなければ生徒のためにならないと思います。
 このような議論も地域性を共有できるその範囲で検討があってこそ、そういうふうに考えますが、いかがでしょうか。田辺・西牟婁の地域別教育審議会の必要性について、教育長にお伺いいたします。
○副議長(藤山将材君) 教育長。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 県立高校の再編につきましては、これまで、県教育委員会主催の保護者や学校関係者、地域の皆様等への説明会に加え、要望に応える形での説明会も開催して丁寧に説明するとともに、幅広く意見を伺いながら進めてきたところです。
 県教育委員会といたしましては、このような手続を踏むことで、県全体のバランスとともに地域性も十分考慮し、再編を進めてまいりますので、各地域別の審議会を設置する必要はないものと考えておりますが、再編内容によっては御意見をいただく場を設けることも必要になると考えてございます。
 今後とも、田辺・西牟婁地方を初め各地方の意見を十分に伺いながら、保護者や学校関係者、地域の皆様などに丁寧に説明し、期待に応えられる学校づくりに努めてまいります。
○副議長(藤山将材君) 谷口和樹君。
  〔谷口和樹君、登壇〕
○谷口和樹君 半径5キロに4校が集まる中で、1学年7クラスの高校、8クラスの高校、その近くに下限を下回る1学年3クラスの高校が出てくるであろう、こういう地域の事情というのをしっかり御承知をいただきたいと思います。
 せっかく、このスポーツをしたい、そう思って進学していても、人が少ないとなかなか結果が出ない、そういうこともあるとすれば子供たちがかわいそうだ、そのように思います。現場で指導される顧問の先生方も本当に苦労をされておると思いますので、しっかり御承知をいただきたく思います。
 続きまして、次の質問に入ります。
 2番目、和歌山県内大規模マラソン大会等の一括案内についてお聞きをいたします。
 2月7日、日本陸上競技連盟公認大会第21回口熊野マラソンが、ハーフ2330人とフルマラソン2526人の参加で大盛況に開催をされました。公認記録を持つことができる大会であると同時に、富田川のきれいな水と緑、歴史を感じるすばらしいコースで、フルマラソン初挑戦の方やゆっくり楽しみながら走りたい方にうれしい、制限時間が6時間の大会でもあります。
 距離表示を1キロごとに設置し、その間には子供たちが描いた非常に評判のよい応援メッセージがランナーを激励し、バナナ、梅干しなどを用意した給水所でランナーをサポートします。完走者には、紀州特産品の梅ドリンクや紀州産の越冬木熟ポンカンが用意されています。
 その他、携帯電話やインターネットからホームページにアクセスすると選手のゴールタイムがすぐにチェックできるなど、家族や友人にもすぐ記録を見てもらえます。
 このように、実行委員会や上富田町、多くのボランティアの21年の努力の積み重ねの結果、前日の小中学生も含めると5000人を超すランナー、熊野サポーターズリーダーなど1000人近いボランティアといった大マラソン大会に成長しています。
 さらに、ことしはレースに韓国から20名、香港から24名の参加者があり、日本を交え、レース終了後には3国のトークセッションも行われました。
 この香港からの参加の24名、こちらの人たちは、アスリート用梅干しウメパワプラス、この香港への輸出、これがきっかけで口熊野マラソンに出場し、その後約1週間滞在した中で、田辺市上秋津でジャムづくり体験、熊野古道歩きをしながら本宮大社、高野山と訪れました。来年以降、本格的にツアーを組んでいくということで、インバウンドによる経済効果も出始めています。
 また、2月21日、437名が完走した南紀田辺UMEロードマラソンは、2月に咲く梅林の梅の香りが漂う街道を駆け抜けるコースでございます。会場には、飲食・物産展が多数出展されるほか、競技終了後には大餅まき大会も行われ、マラソンと一緒にイベントや紀州田辺梅林の観梅も楽しめる、そういう大会になっています。
 この大会の終了後、司会とランナーのやりとりの中で、ホームページで見て関東から走りに来た、そういう方を初め、非常に遠方から少ない情報で出場料を払って来られた方がたくさんおられました。情報のとり方はさまざまかと思われますが、年に幾つかの大会に参加するマラソン愛好家の方々に直接プロモーションすることで、そういう方々が和歌山県内にあるすばらしいほかの地域のマラソン大会へ循環して参加する、この参加を促せるのではないかと考えます。
 和歌山県内大規模マラソン大会の循環の参加を目指して、県で専用の小冊子などを使って大会からほかの大会へ循環できるように一括案内できないか、商工観光労働部長にお聞きをいたします。
○副議長(藤山将材君) 商工観光労働部長藤本陽司君。
  〔藤本陽司君、登壇〕
○商工観光労働部長(藤本陽司君) 県内各地で開催をされるマラソン大会の開催スケジュール等につきましては、県観光連盟や県教育委員会のホームページなどで情報提供しています。また、マラソンファンの方に向けた民間の各種ホームページなどでも、随時情報提供されています。
 議員御指摘のとおり、大会に参加されたマラソンファンの中には、こうしたウエブサイトから情報を得て参加される方もあり、大会に参加された際に直接県内の他の大会スケジュールとともに観光情報、名産品等を知っていただくことで、県内周遊や滞在時間の延長に伴う地域の消費拡大につながると考えております。
 つきましては、大会の規模や参加者のニーズを見つつ、一覧形式による情報提供など、主催者や開催地の自治体と協議しながら取り組んでまいりたいと考えております。
○副議長(藤山将材君) 谷口和樹君。
  〔谷口和樹君、登壇〕
○谷口和樹君 ぜひよろしくお願いします。
 3つ目の質問に入ります。
 県道市鹿野鮎川線赤木工区の開通の見通しについてお聞きをいたします。
 2014年12月議会での答弁で27年度中に完成予定といただいておりますが、現状の見通しを県土整備部長にお聞きいたします。
○副議長(藤山将材君) 県土整備部長野尻邦彦君。
  〔野尻邦彦君、登壇〕
○県土整備部長(野尻邦彦君) 県道市鹿野鮎川線は、田辺市合川から国道311号に通じる地域住民の生活に欠くことのできない道路であり、これまでも順次整備を進めてきたところでございます。
 御質問の赤木工区は、深谷の集落から国道311号までの間で残っている延長約500メートルの整備を行っているところであり、今月末にはバイパス部の供用を予定しています。
 なお、バイパス部の供用後、鮎川側の現道との交差点部において取り合わせの工事が残りますが、これについても5月中旬には完成する見込みでございます。
○副議長(藤山将材君) 谷口和樹君。
  〔谷口和樹君、登壇〕
○谷口和樹君 ありがとうございます。よろしくお願い申し上げます。
 4番目の質問に入ります。
 景観に配慮したガードレールについてお聞きをいたします。
 国土交通省「景観に配慮した防護柵のガイドライン」によって、和歌山県内の道路にも景観に配慮したガードレールが設置をされています。見通しや見た目ですっきりしていて効果も出ている場所も多く、一定数効果もあると思いますが、通学に当たって類似色の焦げ茶色の制服を採用している校区内では、横断時、焦げ茶色のガードレールとガードレールの合間から出る際に自動車の運転手に非常に見にくい状況が発生します。
 環境配慮も非常に大事な要素ではありますが、歩行者が危険では元も子もありません。環境に配慮した焦げ茶色のガードレールと類似色の制服を使われている区間には、横断歩道の周辺での使用を変更すべきではないかと考えます。県土整備部長の見解をお伺いいたします。
○副議長(藤山将材君) 県土整備部長。
  〔野尻邦彦君、登壇〕
○県土整備部長(野尻邦彦君) 道路における防護柵につきましては、平成16年3月の国の防護柵設置基準が改定され、それまでは白色が標準とされていた防護柵の色彩を周辺環境と調和した色彩にするよう見直されたことから、県においてもこれに準じ、景観に配慮した施工を行ってきたところでございます。
 具体的には、この基準において、設置箇所周辺の景観に応じて焦げ茶色、薄い灰茶色及び濃い灰色の3色が例示されておりまして、山地部の樹木を基調とした景観に対しては焦げ茶色を採用しております。
 今回、議員から、景観に配慮して設置するガードレールの色が学校の生徒の制服の色と類似していることでドライバーからの通学生の視認性が悪いとの指摘がありましたので、そうした箇所につきましては、今後、学校やPTA、警察、地元自治会等の関係者とも改めて協議を行い、必要に応じて防護柵の色彩や形状を部分的に変更するなどにより通学生の安全確保に配慮してまいります。
○副議長(藤山将材君) 谷口和樹君。
  〔谷口和樹君、登壇〕
○谷口和樹君 よろしくお願いいたします。
 それでは、5つ目の質問に入ります。
 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部改正について御質問さしていただきます。
 今議会の議案79号にも上がっていますが、クラブやダンス教室などの営業規制を緩和する改正風俗営業法が昨年6月17日に成立いたしました。
 暗い空間で客が踊るクラブの店内の明るさを一定以上にすれば規制を緩和して朝までの営業が可能、ダンス教室とダンスホールの営業は規制対象から外れ、法律からダンスの文言もなくなり、現行では客に飲食を提供しダンスをさせる店を風俗営業としているが、改正法では、ダンスをさせるかどうかではなく、主に店内の照度などによって風俗営業に該当するかを判断するようになっています。
 クラブ店内の定められた場所の明るさを、映画館の上映前後に相当する10ルクス超で、午前0時から6時に酒類を出す店を新たに特定遊興飲食店営業として許可制にし、風俗営業の適用対象から外す。原則24時間の営業を認めるが、条例で営業時間や営業地域を制限できるようになっています。午前0時以降に酒類を出さないクラブは、通常の飲食店として24時間営業を認められるようになっています。
 今回の改正に伴い、日本のクラブシーンを代表するDJやミュージシャンの方々が40人以上集まって、「日本のクラブカルチャーの未来へ向けた声明文」を連名で発表しています。全文読み上げは割愛しますが、日本のクラブカルチャーが大きな一歩を踏み出したことを喜びながらも、過去の事件を踏まえて、今回の法改正を機会に、ダンスフロアの夜明けとともに日本の文化、社会、経済の発展のために尽力したい、そのような声明がなされています。
 紆余曲折の中、このようにクラブカルチャーの夜明けとも呼べる改正が行われたわけですが、和歌山県においては規制エリアを決めていく上で全く違った方向に進んでいると感じています。
 そこで質問に入るわけですが、まず、国が改正緩和したクラブ営業、利用は若い世代が中心であるクラブ、これを田辺市で規制する理由についてお聞きをいたしたいと思います。
 今議会上程の議案79号に当たって、アロチとともに、田辺市、通称・味光路周辺で緩和エリアの指定が検討されましたが、結論からいくと、田辺市味光路周辺において0時以降の飲食を伴う遊興の提供が緩和されない旨とされています。いわゆる、田辺は国で緩和された要件のクラブの運営ができず、施行後は摘発対象となります。
 ここに至った経過において、周辺10町内会長に説明に上がり、大都市のクラブの写真を提示した上でアンケートをとられております。警察の午前0時以降の出動件数や時間帯を参考にされています。県下にパブリックコメントをとられています。結果は1件でした。もうこの時点で若い世代の意見、全く酌み取られていないのではないかと思うところですが、総合的に判断したと聞いています。
 住居混在地域であるが、用途地域が商業地域である田辺市味光路周辺において、特定遊興飲食店営業、0時以降のクラブの営業を緩和しない理由を警察本部長にお聞きいたします。
○副議長(藤山将材君) 警察本部長直江利克君。
  〔直江利克君、登壇〕
○警察本部長(直江利克君) 今回の風営法の一部改正につきましては、ダンス自体に着目した規制が改められ、客にダンスをさせる営業の一部を風俗営業から除外するとともに、特定遊興飲食店営業の制度が新設され、深夜に客と遊興と酒類の提供を伴う飲食をさせる営業を立地規制と許可制のもとで認めることを内容とするものであると承知しております。
 政令による立地規制の基準によりますと、田辺市の通称・味光路につきましては、0.035平方キロメートルという狭い地域に風俗営業店等が約120店舗存在し、風俗営業等密集地域に該当するものの、同地域には約80世帯の一般住宅等も存在していることから規制の基準である住居相当数集合地域に該当し、特定遊興飲食店営業の許可に係る営業所設置許容地域としての要件を満たしていないものとなっております。
○副議長(藤山将材君) 谷口和樹君。
  〔谷口和樹君、登壇〕
○谷口和樹君 再質問いたします。
 立地規制は、住居相当数集合地域に該当するかどうか。この住居相当数集合地域に件数の基準というのはなく、決めていくというのは警察のほうで決めていくということになります。なかなかそういうわけにもいかないと思いますので、地区の意見を聴取して吸い上げていこうということで、今回、町内会長さん、周辺の方々にアンケートという形で意見聴取をしたとお聞きしています。
 そのときに提示された写真、我々も事前の説明のときにはそのクラブの写真を見せていただいておりますけれども、このアンケートに際して提示した写真というのは適切であったか、このように思うところです。
 なぜ、和歌山の地元のクラブではなく、説明に都会の誇張された写真を使ったのか。何人ぐらい地元のクラブについてお知りおきであったのか、そのこともお聞きしたいと思います。
 参考にした警察の午前0時以降の出動件数に、地元のクラブに出入りした者の出動はほぼなかったはずです。にもかかわらず、全く違う形態のお店のデータで構成されています。それを使ったのが適切であったのか。あったと考えるか。パブリックコメントが1件で全く周知が行き届いていないと、このように考えます。若い世代も含めて県民の意見を集約できたと考えるか。これらを踏まえて総合的判断について警察本部長にお聞きをいたします。
○副議長(藤山将材君) 警察本部長。
  〔直江利克君、登壇〕
○警察本部長(直江利克君) 風俗営業法の改正によって、今後、特定遊興飲食店に移行していくものは、現行法の風俗営業のうち、いわゆる3号営業の許可を受けている営業所に当たるというように承知しておりますが、田辺市の味光路には、いわゆる3号営業の許可を受けた営業所は現在存在しておりませんと承知しております。
 また、地域住民への説明会で使用した写真についてでございますが、特定遊興飲食店営業の営業形態についてはさまざまな形態があるわけですが、一般の方々がイメージしやすいよう、現行の3号営業に該当するいわゆるクラブの営業形態の写真をお示ししたものと承知しております。
 特定の地域が深夜における風俗環境の保全に特に配慮を必要とする地域であるか否かを判断するための資料として地域警察出動件数を用いることは、不適切であったとは考えておりません。
 最後に、パブリックコメントについてですが、和歌山県県民意見募集手続実施要綱第3条におきまして、「県民に義務を課し、又は権利を制限することを内容とする条例の制定又は改廃」の案を策定するときは、この要綱に定める手続を行わなければならない旨規定されているところから、同要綱に定める手続に基づきまして、インターネットを用いてパブリックコメントを実施したものでございます。
 なお、特定遊興飲食店の営業につきましては、一定の要件を満たすホテル内であれば営業可能と県内でもなりますし、ベイエリア等、深夜の人の住居が少ない地域で要件を満たす地域であれば営業所設置許容地域として指定することが可能となっております。
 今後、このような地域で特定遊興飲食店営業を営みたいと事業者から申し出があれば、その地域を特定遊興飲食店営業設置許容地域として指定することについて検討させていただくこととなります。
○副議長(藤山将材君) 谷口和樹君。
  〔谷口和樹君、登壇〕
○谷口和樹君 再々質問に入ります。
 写真、イメージしやすいようにということであの写真を使われたということですけども、イメージ悪いほうにしかとらないんじゃないかと思います。実際、どう考えても、あのレベルの広さのフロアというのは、なかなか地方の飲食街で確保するのは多分難しい。だから、できるものでもないし、人もなかなかその中で集まるもんではないと思います。
 地元の田辺市では、町内会長さんといえば大体社会的地位があって、皆様から信頼があって、そういう方が大体なられておられます。そんな中で、あのぎゅうぎゅう詰めで踊ってる写真を見て、周辺、特に高齢化も進んでる中で、「どうぞ近くに店を出してください」、そういう話にはならんと思うんですね。
 にもかかわらず、意図はしてないと思いますけども、誇張された写真でアンケートをとって、それで若い人たちが利用するクラブを規制することがどれほど正しいルールの決め方なのか、このように思います。
 先ほどの0時以降の出動数のデータも、議会前の説明のときにお聞きをいたしましたが、よくよく考えると0時以降の出動件数、それはあんまり関係のないデータなんじゃないかなと思います。
 ちなみに、私の記憶が正しければ、それは中には若い人もおるかもしれませんけれども、警察の御厄介になる、酩酊して迷惑かける、中高年の人が多くないですか。その関連性のないデータでクラブを利用する若い人を規制することが、どれほど正しいルールの決め方なんでしょう。
 最後に、ルールにはのっとっていますけれども、パブリックコメントをインターネットを通じてされた、このように言われておりましたけども、全く集まってない状況で、実は本来、若い世代の人たちの意見を聴取しようとするならば、クラブであったりダンス教室であったり、もともと規制されていたところで意見の聴取、パブリックコメントの周知というのをできたはずだったと思います。
 このように、少しずつボタンをかけ違えた意見やデータのとり方で、偏った年代の意見でこのルールというのを決めていく、これが果たして本当にいいのか、このように思います。意図して規制の方向に誘導したとは思っていません。しかしながら、実際はクラブカルチャーの真っただ中の若い人たちの意見を全く聞くことなく規制する形になっています。
 法改正されて全国的にダンスやクラブカルチャーが市民権を得るのに、自分たちの生まれたとこは若い世代の意見も聞かずにだめだ、こういうことやったら、やっぱり田舎はあかんなあ、こう思うんじゃないでしょうか。
 若い人たちにもいろいろ意見があると思いますから、聞いた結果、そういうのは申し上げませんけれども、でも、若者の意見を聞かずに知らない世代の否定的な意見だけで決めてしまうのはあからさまに不公平です。不公平だと思います。そして、誤った形で知らない年代が決めてしまう、こういう形にしてしまうのも、今回アンケートに答えていただいた町内会長様方を初め、年上の方々にも失礼だと思います。きちんと若い人の意見を聞いて決めましょう、このように言いたいところでございます。
 いろいろお話をさしていただきましたが、議案の風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部改正について、経過の中で確かに若者の意見は反映できているか、これを警察本部長にお聞きしたいと思います。
○副議長(藤山将材君) 警察本部長。
  〔直江利克君、登壇〕
○警察本部長(直江利克君) パブリックコメントにつきましては、先ほど申しましたように、インターネットを活用してるわけでございますけども、当然、インターネットということで対象を限ったものでなく広く行ったわけでございますけども、結論として若者からの意見は寄せられなかったということであります。
 今回の説明会等につきましては、基本的には良好な風俗環境の保全という観点で、地域にお住まいの方々の認識を把握するために行ったものであります。
 味光路につきましては、現行法においても、風俗営業全般の営業時間の制限を午前0時から午前1時まで緩和する指定地域としても要件を満たしていないとされているところでありますので、やっぱり今回、日の出まで営業ができるという特定遊興飲食店営業として指定することは、かなりハードルが高いというように思われます。
 しかし、今回の改正によりまして、午前0時までの営業を行っていただける、いわゆるクラブの中で一定のものにつきましては風俗営業から外れますので、飲食店営業として営業できるということでありますので、味光路においても、そういった面では緩和されるということになると感じております。
○副議長(藤山将材君) 谷口和樹君。
  〔谷口和樹君、登壇〕
○谷口和樹君 御意見だけは賜りたいと思います。しかしながら、クラブカルチャーというものも少し御理解をいただきたいなと思うところでございます。
 今回決めていく中で、実際はクラブカルチャーの真っただ中にある若い人たちの意見というのを全く聞くことなく規制する形になっている。このように、今思う、考える、認識する、その状況というのは変わらずおります。それだけは申し上げておきたいと思います。
 引き続き、次の質問に入ります。
 6番のレッドブル・クリフダイビング2016についてお聞きをいたします。
 和歌山県白浜町の三段壁で、10月16日、岸壁に設けた最高27メートル、ビル8階相当の台から飛び込み、得点を競うオーストリアの飲料会社レッドブル主催の高飛び込みの世界選手権「レッドブル・クリフダイビング2016」が日本で初めて開かれると報道されています。白浜大会は世界9カ国で開催されるワールドシリーズの一部ということで、昨年のフランス大会では7万5000人の観客が集まったということです。
 会場の三段壁は、高さ約50メートルの岸壁が南北2キロにわたって広がる白浜町の観光名所で、近年は、日本人だけでなく、アジア圏を中心とした外国人観光客でにぎわっています。
 環境省の許可を得て開催が決定していますが、今シーズンは6月4日のアメリカ・テキサス大会から始まり、デンマーク、ポルトガルなどで開催。白浜は8戦目となります。男性12名、女性6名が出場する予定と聞いています。
 高さは、オリンピック種目になっている高飛び込みの2倍以上。踏み切り、空中での姿勢、入水の3項目で採点され、その合計に難易率を掛けて得点を競うと聞いてます。飛び出しから入水までの時間は3秒、速度は最高で時速85キロに達すると聞きます。入水時の衝撃は、10メートルからの飛び込みの約9倍と危険なために、オリンピック選手ら一握りのトップアスリートの参戦が許されています。
 「井澗誠町長は、『白浜には世界的な大会を受け入れるだけの豊かな自然や宿泊施設などがある。この機会に三段壁の悪いイメージを払拭し、白浜を世界的にアピールしたい』と話しています」と報道でなされています。
 これで質問に入らしていただきたいんですけども、(1)県の見解と取り組みについてお聞きします。
 イベント開催に当たっての見解を商工観光労働部長にお聞きいたします。
○副議長(藤山将材君) 商工観光労働部長。
  〔藤本陽司君、登壇〕
○商工観光労働部長(藤本陽司君) 白浜町に確認したところ、レッドブル社が主催するクリフダイビング2016の開催については、会場を予定している三段壁や白浜町を世界に発信するチャンスと捉え、本年10月の開催に向け、協力して準備に取り組んでいると伺っています。
 県といたしましても、白浜のすばらしい自然景観が世界の注目を集め、本県の観光振興につながることを期待しています。
○副議長(藤山将材君) 谷口和樹君。
  〔谷口和樹君、登壇〕
○谷口和樹君 2つ目の項目です。
 開催に当たっての見解を警察本部長にお聞きいたします。
 せっかくの大きな世界大会、しかもアジアで初めての開催だということで、地元への集客効果や世界への周知効果も大きいとなれば連続開催が望まれるのかと思われますが、初めての開催地、ふなれなイベント開催で、特に安全面での失敗があれば来年もというわけにはいかなくなると思います。
 そういう事故や失敗がなく続けていけるように、特に県と県警が協力して安全面での手助けや指導をしてあげていただきたい、いくべきではないかと考えますが、警察本部長の見解をお聞きいたします。
 加えて、イベント後、ハイダイブのまねをする方々や見る方、練習する方、似たような趣旨の大会の開催を希望する方々も出るかと思います。安全対策が必要かと考えますが、警察本部長の見解をお聞きいたします。
○副議長(藤山将材君) 警察本部長。
  〔直江利克君、登壇〕
○警察本部長(直江利克君) 議員から御質問ありました世界大会につきましては、白浜町の三段壁で開催されることを承知しておりますが、現時点におきまして、和歌山県遊泳者等の事故防止に関する条例に基づく届け出がなされておりませんので、主催者には、当該条例に基づく届け出を促すとともに、届け出に基づき、ダイブに伴う選手自身の負傷事案や狭い三段壁上の観客等の雑踏事故のほか、同所周辺での交通渋滞や事故等の発生を防止するための安全対策について必要な指示を行ってまいりたいと考えています。
 特に、主催者及び白浜町、白浜観光協会等の関係機関・団体に対しましては、自主警備員や自主交通整理員等の配備、交通渋滞対策としての駐車場の確保などを要請するとともに、県警察といたしましても、必要な整備体制を整えるとともに、関係機関・団体と緊密に連携しながら安全対策に万全を期してまいりたいと考えております。
 なお、これまでも三段壁におきましては重点パトロールを行っているところでありますが、イベント終了後におきましては、このたびの飛び込み行為を模倣した危険な行為などを防ぐため、重点パトロール等を引き続き実施していくほか、そうした危険な行為等を防止するための安全対策について、白浜町等関係機関・団体にも要請してまいりたいと考えております。
○副議長(藤山将材君) 谷口和樹君。
  〔谷口和樹君、登壇〕
○谷口和樹君 ぜひ何とか成功をさしていただいて、白浜町の観光、これからの未来に向けての起爆剤にぜひとも御協力をいただいて成功させていただきたいなと思います。
 これで質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○副議長(藤山将材君) 以上で、谷口和樹君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後2時36分散会

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