平成28年2月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(浦口高典議員の質疑及び一般質問)


平成28年2月 和歌山県議会定例会会議録

第3号(浦口高典議員の質疑及び一般質問)


汎用性を考慮してJIS第1・2水準文字の範囲で表示しているため、会議録正本とは一部表記の異なるものがあります。

正しい表記は「人名等の正しい表記」をご覧ください。

 質疑及び一般質問を続行いたします。
 33番浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕(拍手)
○浦口高典君 議長のお許しを得ましたので、通告に従い質問させていただきますが、その前に一言申し上げたいことがございます。それは、昨年10月の紀の国わかやま国体での天皇杯獲得、つまり男女総合優勝ということについてであります。
 やはり和歌山県選手団が日本一に輝いたということは、選手、競技関係者はもとより、県民の皆さんにも大きな夢と希望を与えたことは間違いございません。私も、担当の県職員や競技関係者から、各競技でどれだけの点数獲得を目標とし、今これだけ頑張っているということを聞くたびに、我が事のようにうれしく思い、1点でも多くとり、何としても開催県の意地にかけ総合優勝してもらいたいと強く望んでおりました。
 そして、最後に何とか東京都を振り切り、優勝したということを耳にしたとき、小躍りして喜びました。また、紀三井寺競技場で閉会式が終わって、選手、競技役員、県議会議員、県担当職員が一堂に会して、最後に大会成功をたたえ、総合優勝の喜びを全員で分かち合った場で、仁坂知事は、興奮ぎみに大きな声で「皆さん、来年も優勝しましょう」と力強く訴えられたときは、興奮は最高潮に達しました。
 しかし、私の周りから「おいおい、知事、本気かよ」と。来年開催県の岩手県の邪魔しに行くんかというような軽口とともに失笑が漏れたことを記憶しております。しかし、私は、仁坂知事は本気だと思いました。しかし、次の瞬間、来年もことしと同じだけ人も予算もかけるのかなあとさめた自分もありました。
 「本当にことしの岩手国体も優勝するだけの人も予算もかけるのですか、仁坂知事」とは質問はいたしません。しかし、それほど総合優勝というものは、つまり日本一ということは、たとえ一瞬であっても人の心を躍らせる響きがございました。ただ、この成功を大きな糧として、今度は選手ではなく、県民の皆さん全員主役の健康長寿日本一わかやまを目指そうではありませんか、仁坂知事。
 今回、私自身、この4年間の総括として、いつもどおり健康長寿日本一わかやま実現のための提案と質問からさせていただきます。
 この健康長寿日本一わかやまにつきましては、平成24年9月議会から毎年2回、合計7回質問しており、今回これで連続8回目になります。昨年4月初当選した方にも御理解いただけるよう今までの経緯と要点を述べますと、もともとこの健康長寿日本一わかやまというのは、平成20年4月に発行された和歌山県長期総合計画の中に載っているんです。平成24年9月議会で、平成17年の国勢調査をベースにした都道府県別健康寿命等を見ますと、これは平均寿命から単純に介護認定期間を引いたものでありますが、和歌山県の男性は平均寿命が全国で41位、健康寿命が42位、また、女性は平均寿命が全国で43位、健康寿命が45位という結果で、とても日本一からははるかに遠い存在であるということがわかってまいりました。
 また、子供の体力についても、平成19年度から23年度までの5年間の体力合計点数平均の推移を見ますと、どの学年も一度も全国平均を上回ったことがないどころか、小学校低学年から中学年、高学年、中学校、高校と学年が上がっていくほど全国平均から得点がかけ離れているということがわかり、教育委員会では、平成21年度から紀州っ子の体力向上支援委員会を設立し、対応しているということでありましたけれども、この時点では、まだ目立った成果もありませんでした。
 そこで、子供からの体力強化の重要性を強く訴えたところ、平成25年2月議会では、平成25年度の新規事業として、本県出身のロンドンオリンピック体操競技女子代表の田中理恵さんらの協力のもと、和歌山オリジナル「紀州っ子かがやきエクササイズ&ダンス」を開発し、本県児童生徒の体力が全国平均を上回るという目標を掲げ、実践した結果、平成27年度全国体力調査において、小学校は4年連続、中学校は初めて男女ともに全国平均を上回るという結果を出すことができました。
 また、平成22年度の65歳以上の介護認定率が和歌山県は全国で3位、同23年度は2位ということがわかり、この対応について平成16年度よりシニアエクササイズを導入し、県下29市町村で約1万4000人もの参加で、介護にかからないための足腰の強化をしているということでありました。
 平成25年9月議会では、それまで特に手のつけられていなかった高校卒業後、18歳から高齢者、65歳までのいわゆるミドルエージの体力づくりについて早急に取り組むべきだと提案したところ、それにはラジオ体操を取り入れることが有効であるということで、平成26年度に県下で1578人の県民に正しいラジオ体操を実践してもらうとともに、全国ラジオ体操連盟の公認指導員を324人育成いたしました。私もその1人であります。
 また、県庁内で健康長寿日本一わかやまを目指すための部局横断の連絡会議をつくるべきではないかと提案したところ、健康推進課が中心となり、長寿社会課、スポーツ課、果樹園芸課、労働政策課など10課1室で健康長寿日本一わかやま推進会議を早速つくってくださり、現在まで5回の会合を開いてくれているということであります。
 そして、平成24年10月には、私が福祉環境委員長のとき視察に行った長野県の保健補導員制度をモデルに、和歌山県でも健康推進員制度を提案したところ、健康推進のリーダーとなる人材を年間500人、5年間で2500人を目標につくるということも約束してくれ、平成26年度は578人、平成27年度は400人程度の見込みで、合計28市町村で1000人近い健康推進員が育成されているということであります。
 平成26年2月議会では、この健康長寿日本一わかやまの書かれている長期総合計画の期限である、これは平成30年3月末まで日本一になるという目標を立てているけれども、本当にこれは達成できるのかと福祉保健部長に問いただしたところ、厳しい状況にありますという答弁とともに、「県としては、平成34年度を目途とした第3次健康増進計画において、少しでも目標に近づけるよう強い意志を持って取り組んでまいります」ということでした。つまり、平成35年3月末を目途に最大限努力するということでありますので、もちろんこの最大限というのは、私は日本一ということであると理解をしております。
 そして、県下30市町村のうち10市町村では、健康増進計画さえ策定されていないではないかと問いただしたところ、「未策定の市町村については速やかに策定を促してまいります」とのことでしたが、いまだに九度山町、高野町、すさみ町、串本町、古座川町、那智勝浦町、太地町、北山村の8町村が策定されていないようであります。
 平成27年9月議会では、今後、健康長寿日本一わかやまを実現させる別の手段として、他の自治体や企業、団体と競い合い、いわば腕を磨く意味で、厚生労働省の健康寿命をのばそう!アワードへの参加について本会議と福祉環境委員会で問いただしたところ、健康推進課長から参加しますと明確な答弁をいただきました。そこで、私は、参加するだけでは意味がないので、ぜひ最優秀賞をとるつもりで頑張ってほしいと力強く要望しました。
 このように、4年前から健康長寿日本一わかやまの実現に向け、いろいろと提案し、当局もその時々、大変誠意を持って取り組んでくれていることは高く評価し、感謝もしております。しかし、これだけではとても、健康寿命をのばそう!アワードで最優秀賞獲得は少し難しいだろうと思ったので、私なりに今後の取り組みについて考えたのが、お手元にありますこの「平成35年3月末『健康長寿日本一わかやま』の実現をめざして(案)」であります。
 これは当たり前のことでありますが、アワードで最優秀賞獲得だけを第一の目的とするのではなく、私は、健康長寿日本一わかやまの実現は、もっと急がなければならないと思っております。と申しますのは、2問目の質問とも関連いたしますけれども、これは、やはり初当選の平成15年以来ずっと訴え続けてきた、全国でもトップクラスの人口激減・超高齢先進和歌山県ゆえに、もっとスピード感を持ってこのことに当たらなければ、本当に和歌山県は人口が今後さらに急激に減少し、反対に高齢者が急増し、しかも、元気のない県民ばかりになるとますます活力のない県になってしまうのではないかと私は危機感を持っているからであります。
 それでは、具体的にどのようにしたらいいのか。一言で言って、主役である県民の皆さんに登場していただくしかないと私は思うんです。そのために考えたのが、お手元のこの資料の中の「『健康長寿日本一わかやま』メッセ&フェスティバル」の開催であります。
 ここに、毎年秋、和歌山市のオークワパームシティで健康推進課と果樹園芸課が中心となり開催しているわかやま食と健康フェアというチラシがございますが、私もここ3年、毎回出席し、じっくり見学、体験をさせていただいております。昨年で6回目になるということですが、毎年、県民の参加は1000人から2000人程度でありますが、これをもっとスケールアップした、大体その最低10倍、1万人から2万人規模とイメージをしていただければいいと思います。
 この構想を大体練り終わった先月10日に送られてきた来年度の新政策の中に、わかやま健康フェスタ(仮称)という項目がありました。今までこの健康長寿日本一わかやまについては、担当職員の皆さんに対してさまざまな提案をし、そして、その数値目標、期限、財源、事細かに何時間も議論をやってまいりました。今回初めて私と同じベクトルで方向性を持って動き出してくれたこと、私は大変うれしく思っております。
 これについて簡単に述べさせていただきますと、ごらんいただきたいんですが、これはもう私の言葉で大変恐縮なんですが、この二重丸、人口激減・超高齢先進和歌山県を日本一健康で長生きでき、人に活力がある県にするという趣旨で、平成35年3月末までに健康長寿日本一わかやまの実現を目指します。繰り返しますが、これは平成26年2月議会での福祉保健部長の御答弁をもとに設定をさせていただきました。
 メッセは見本市、フェスティバルは祭りですが、県を中心としたマニフェスト検証大会でもあり、年1度、例えばビッグホエールのような大きな会場でこれを行います。
 また、ここに書いてるマニフェストとは、数値目標、期限、財源まで設定することでありますけれども、それは狭い意味、狭義のマニフェストであり、もっと広義、広い意味で県民の皆さんが健康で長生きしていることを実感できることが第一であります。もちろん我々も含む96.4万人の県民自身が主役であると同時に、意識改革とともに行動変容もしていかなければなりません。
 そのために、一番下にあります県、市、町、村が政策の目標を毎年公表し、目標達成のために活動し、その評価を客観的にしつつ、また、来年1年間の目標を立て、さらに活動を強化していく。つまりPDCA、プラン・ドゥ・チェック・アクションサイクルを回し、NPO、ボランティア並びに県内企業、大学、各種団体の協力を得て、県民の皆さんが少しでも理解し、参加しやすいように進めてまいります。
 そして、この中には、運動、栄養、休養、社会参加、啓発教育、予防医療・介護、関連企業・団体、実践政策(県)など、また、ここに提示したもの以外でもどんどんこの趣旨に合えば参加してもらい、県民の皆さんに見ていただきながら、それらを活用して地域チャンネル、つまり各地域でのさまざまな活動を充実させながら、全員参加できるようにし、健康長寿日本一わかやまに向けともに活動していく、ざっとこのようなもんでありますが、あくまでもこれは私の案であります。
 しかし、これが本格的に動き出すと、国体ではありませんが、1つの課の日常業務の合間で行えるものではなく、県全体がかかわりつつ、専門の部局が必要になってくるかもしれません。しかし、それは後のことで、とにかく一歩前に出て、1人でも多くの県民の皆さんに参加していただくことが今は大事だと思います。
 そこで、仁坂知事に来年度の新政策であるわかやま健康フェスタ(仮称)について2点質問がございます。
 恐らく知事も私と同じ考えだと思うんですが、私はこのわかやま健康フェスタ(仮称)を単なるイベントに終わらせたくないんです。つまり、このイベント自体が県民の皆さんに意識改革と行動変容を起こさせるだけのインパクトがなければなりません。それだけに、県としては、さきに述べましたPDCAサイクルを毎年毎年バージョンアップさせ、精度を高めていかなければならないと思います。
 そこで、徹底的な情報公開、例えば先ほど紹介いたしました健康増進計画さえ立てていない町村名を公開し、その該当町村民の方にもお知らせをする、また、県が現在進めているラジオ体操や健康推進員の活動状況を徹底して各市町村あるいは自治会単位でも知らせていくといったことであります。そして、この情報を県民の皆さんとともに、つまり共有し、共鳴し、そして、ともに揺れる、共振しながらPDCAサイクルを休みなく回していくことが大事だと思いますが、仁坂知事のお考えをお聞かせください。
 次に、これは冒頭申し上げましたが、昨年の紀の国わかやま国体での天皇杯獲得、つまり男女総合優勝、日本一ということについてであります。
 ぜひ、このイベントのタイトルに「健康長寿日本一わかやま」という言葉を入れるべきだと私は心から思っております。そうでないと、ただの健康祭り、健康フェスティバルでは、「ああ、ええことやったな」で終わってしまいかねません。ぜひこの件について仁坂知事の力強い御決意をお聞かせいただきたいと存じます。
 以上2点について、あわせてお答えをよろしくお願いいたします。
○議長(前芝雅嗣君) ただいまの浦口高典君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 冒頭、浦口議員から、国体が終わりましたときの解団式、選手解団式の模様が披露されましたが、私が興奮ぎみにというところまでは全く真実でございますが、来年も優勝しましょうと実は言うてないのでございます。(「言うたと思うけどな」と呼ぶ者あり)ちょっと違う言葉で申し上げまして、この言葉でおっしゃったのは別の方でございます。
 全ての県民がともに支え合い、健やかで心豊かに生活できる活力ある社会を実現するために、平成25年度に第3次和歌山県健康増進計画を策定いたしました。この計画に基づきまして、草の根的な運動を進める健康推進員制度を創設し、運動習慣の定着、食生活や栄養に関する知識の普及など、生活習慣の改善に取り組んでおるところでございます。
 また、毎年度、医療関係者、学識経験者等の専門家を交え、計画の達成状況を評価し、総点検しながら対策の見直しを行い、その結果を公表し、実行してきたところでございます。このような取り組みを地道に行ってきたことから、昨年12月に厚生労働省が公表いたしました健康寿命については、和歌山県は男女とも前回より寿命が延伸し、全国平均値を上回り、順位も上がりました。
 さらに、やはりインパクトのあることをさらにしなきゃいけないということで、御指摘のように、健康に対する県民意識の高揚を図り、県民運動として健康長寿日本一わかやまを目指すために、このことを目指すためにわかやま健康フェスタを開催したいと思っております。
 このわかやま健康フェスタでは、県内の健康づくり関係者が一堂に会し、情報共有、発信するとともに、市町村における健康推進員や企業等の特色のある活動を紹介し、すぐれた取り組みに対しては表彰を行い、その普及に努めてまいりたいと思います。
 ただ、御指摘のように、公開をして、例えば余り熱心でない市町村をいわば辱めみたいな感じにして、それで思いを遂げるというのは、先ほどの新島議員にお答えしたとおり、私はあんまりそこまでの趣味はございませんで、それぞれの事情に応じてやっていただければいいというふうに思っております。気をつけてやっていきたいと思います。
 また、タイトルに「健康長寿日本一わかやま・わかやま健康フェスタ」というふうな感じでタイトルに入れろというお話でございますけれども、そういう目標を持って取り組む一環として御理解いただきたいと思います。
 ただ、以前の議会で浦口議員から、日本一どころか、余りにも如実に成績が悪いという指摘をがんがんいただきました。それは、実は事実でございましたんで、結構打ちひしがれました。その中で、タイトルにそのような名前を入れてやるという勇気は、ことしに関しては私、ありません。したがって、心に秘めてそういうことをやろうというふうに思っているというふうにお考えいただきたい、そんなふうに思います。
○議長(前芝雅嗣君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 知事、どうもありがとうございました。
 非常に奥ゆかしい、日本一というのを語るのは少し恥ずかしいということでありますが、ことしは、私もさっきも言いましたように、実は知事とも少し本当に内々というわけじゃないんですが、お話ししたように、私、来年、再来年度ぐらいにこのフェスティバル、メッセということを頭の中に描いてたんですけれども、ことし本当にこれをやっていただくということは大変私はうれしいことでありますし、先ほど来、私が力強く言ってますPDCAというのは、もう県庁の職員の方には大変よく御理解いただいてることでありまして、これは健康長寿ということだけではなしに、ありとあらゆる政策について、このPDCAサイクルを回すということはもうされていることは既に私自身、承知はしております。
 しかしながら、やはり、後ほど述べますけれども、これからの和歌山県の人口の減り方、それから高齢化の進み方を考えると、本当に一刻も早くこのことが県民の皆さんに浸透して、PDCAサイクルをぐるぐる回しながらみんなが立ち上がっていくというような県を私は本当につくっていかなければいけないと思っておりますんで、さらに県庁の皆さんにはPDCAサイクルをバージョンアップしていただくことをお願い申し上げます。これは要望でございます。
 それでは、2問目に移らせていただきます。
 昨年9月議会でも申しましたとおり、人口減少については、平成15年初当選の12月議会で初登壇したとき、取り上げたテーマがこの人口減少問題でありました。当時の木村知事は、もちろん和歌山県の人口減少が他府県より早く始まっているということは知ってはいたでしょうが、それほど気にとめていない様子でありました。
 しかし、一昨年に、元岩手県知事で総務大臣でもあった増田寛也氏が座長を務める日本創成会議が「地方消滅」という本の中で具体的に消滅可能性都市ということを発表した後、急激な人口減少問題がいろいろなところで取り上げられるようになり、政府も地方創生ということを大きく掲げ、和歌山県でも和歌山県長期人口ビジョンを策定し、和歌山県まち・ひと・しごと創生総合戦略を昨年の6月に発表いたしました。もう皆さん御存じのとおりでありますが、こういう冊子が配られてきたと思うんですが、これですね。(冊子を示す)
 そこで、この長期人口ビジョンについてじっくり見ますと、2060年、平成72年、つまりこれから44年後に、国は人口減少を現在の1億2000万人を1億人程度にとどめるということで、和歌山県もこのときまで何もしなければ50万人程度まで激減するということでありますので、それを何とか70万人程度まで確保するということです。
 しかし、平成22年の国勢調査をベースにした国立社会保障・人口問題研究所、いわゆる社人研の人口推計によると、これから24年後の2040年、平成52年には、和歌山県の人口は71.9万人になると言われています。また、先ほど御紹介した日本創成会議の試算では、東京の一極集中がこのままとまらなければ和歌山県は68万9000人になると推計し、既にこの時点、つまり2040年、平成52年に70万人を切ると言われております。
 お手元のこの平成22年度版人口ピラミッドを見ていただければ、これは6年前でありますから、現在67歳から69歳を迎える団塊の世代、また、42歳から44歳の団塊の世代ジュニア、さらに、17歳から19歳の団塊の世代・孫世代などの人数が極端に少なくなってきております。特にここでは詳しくは申し上げませんが、子供を産む女性の減少について、ぜひ注目をしてください。
 その上、人数の多い団塊の世代が平均寿命である──これは和歌山県の寿命ですが──男性79.07歳、女性85.69歳を境に確実に少なくなっていることを見れば、急激な人口減少が起こることは容易に想像できると思います。
 先日発表されました平成27年国勢調査の速報値では、和歌山県は昭和30年以来維持されてきた100万人を下回る96万3850人となり、しかも、人口減少率は全国でも6番目で、気象条件の大変厳しい東北4県、青森、秋田、山形、福島を除くと、高知県に次いで2番目ということになります。ちなみに、東北の岩手県は、和歌山県と同じ6番目の人口減少率であります。
 今定例会開会冒頭、知事から、平成28年度の新政策は、総合戦略の実現に向けて、少子化を食いとめるや安定した雇用を確保するなど、5つの目標を柱にさまざまな取り組みを進めていく旨の説明がありました。
 人口減少問題の対策についてはあえてここでは問いませんけれども、この和歌山県長期人口ビジョンの最後の11ページ目、下から4行目に「人口減少問題は、行政だけが頑張れば解決できるものではなく、全ての県民が同じ認識のもと、立ち向かっていくことが必要である」ということでありますが、この認識という言葉は、大変私は重いと思います。単に知らせるだけの告知ではなく──人口が減ってるよということを知らせるだけではなく──告知ではなく、認識は本当に一人一人がそのことをはっきり理解し、行動の基準として持っているということであります。
 果たして、どのようにしてこの急激な人口減少を周知徹底して県民の皆さんに認識してもらうのか、企画部長、お答えください。
○議長(前芝雅嗣君) 企画部長高瀬一郎君。
  〔高瀬一郎君、登壇〕
○企画部長(高瀬一郎君) 本県の人口は国全体と比較して20年以上も早く減少局面に移行しており、人口減少問題は本県にとって喫緊の課題であると認識しております。
 そのために、昨年6月に策定した和歌山県長期人口ビジョンにおいても、このまま人口の減少が続いた場合、地域経済の悪化やコミュニティーの崩壊による伝統文化の喪失、地域の移動手段の確保や社会保障制度の維持が困難になるなど、大変深刻な影響をもたらすことを盛り込み、その影響について、行政報告会や県広報番組、ホームページ等の広報媒体を活用し、またマスメディアにも積極的に取り上げてもらい、県民に繰り返し周知徹底しているところであります。
 今までもさまざまな対策を講じてきましたが、特に平成28年度は、人口減少の克服のために、昨年策定した和歌山県まち・ひと・しごと創生総合戦略で掲げた目標の達成に向けてスタートダッシュをかけるべく、これまでよりも踏み込んださまざまな新政策を打ち出したところであり、誰もが生き生きと暮らせ、元気を持続できる和歌山の創造に向けて精いっぱい取り組んでまいります。
○議長(前芝雅嗣君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 企画部長、どうもありがとうございました。
 実は、この急激な人口減少問題についてはまだまだ気がついたことが私はたくさんあるんですけども、きょうはこれぐらいにさしていただきますが、ぜひ皆さんもう一度、ちょっと余談も含めて、この人口ピラミッドを見てください。ごらんください。
 先ほどあえて詳しくは説明いたしませんでしたけれども、女性のこの一番下の産まれて3年間、ゼロ歳から3歳までですね。ゼロ、1、2というとこなんですが、この世代が団塊の世代に比べて3分の1ぐらいしかないんですね、人数が。
 この世代が子供を産む年齢層に達したとき、いわゆる合計特殊出生率が今現在、和歌山県は、非常にこれは近畿でも、いろいろ皆さんの御努力があって高くなっております。1.55ですが、これがもちろん1.55じゃ人数は減るばかりですけど、例えば人口を維持する2.07人を、いわゆる新生3年世代の方が2.07人産むということはどういうことかといいますと、私もこれ正直なとこ知らなかったんですけれども、合計特殊出生率というのは、女の方が全部結婚する、子供を産むという前提で2.07らしいんですね。
 実際に、結婚しない方、また、結婚しても子供を産まない方、産めない方がいらっしゃいます。それらの方は大体約2割ほどいるらしいんです。それで、実際に結婚して子供が産まれる方というのは8割ぐらいだそうですが、じゃあ本当に子供を今この時点で結婚して8割の方が産むとしたら、この合計特殊出生率がどうなるかというと、2.56になるんですね。
 つまり1夫婦で約3人、最低3人とは言いませんけども、3人ぐらい産む覚悟がないと、この人口、これだけ3分の1まで減った人口を保つことができない。それと同時に、団塊の世代が、これから大体13~14年から20年近くの間にだんだんだんだん、これ皆さん消えるというわけじゃないんですが、だんだんだんだん人数が少なくなっていくことは、極端に少なくなっていくことは、もうこれは火を見るより明らかでありますので、ぜひとも──私は特に趣味はないんですが、今、県の県政手帳がありますね。(現物を示す)ここに実はこれ全部載ってるんですよ。ここにこういう和歌山県の人口ということで、こういうところがありまして、暇あったら、私これずっと眺めてるんですね。
 なぜかというと、やっぱりこれ見てると、和歌山県の将来というのは大体どういうもんかというのがだんだんだんだん想像できるんですね。何も悲観的なことだとか、そういうネガティブなことを言ってるんじゃないんですが、これも地域によって極端に出てるところがあります。人口減少スパイラルというのは、だあっと起こってるんですね。
 この現実を見据えた上で、これはあくまでも県全体のことですから、各市町村なり、和歌山市の場合、42の連合自治会がありますから、各連合自治会単位で、もし御興味があればずっと見て、こういう形で人口ピラミッドをつくれば、つくっていただいてじっくり見ていただければ、その地域の将来が、私、見えてくるんではないかと、そのように思っておりますので、これは御参考までに申させていただきます。
 よろしゅうございますか。議長。
○議長(前芝雅嗣君) この際、申し上げます。
 再質問でない限りは、もうその場で挙手をせずに、そのまま続けてください。
○浦口高典君 わかりました。済みません。
 それでは、3番目、最後の質問をさせていただきます。
 3番目に、JR和歌山駅中心コンパクトシティーについて。これなんですが、これは平成26年9月議会で初めて質問をいたしました。
 そこには、急激な人口減少社会に入っていく中で、地方の1つの生き残り策として、地域拠点都市という考え方に立ち、人口の他府県への流出を防ぐダム機能を備えた都市をつくっていくということ、それが和歌山県では和歌山市であり、その和歌山市でも今後人口が急激に減少し、高齢化がさらに進んでいく中で、公共交通機関の起点となるところが非常に大事であるということで、JR和歌山駅を中心としたコンパクトシティーづくりについて提案をいたしました。
 それに対して県土整備部長は、「JR和歌山駅周辺のまちづくりにつきましては、平成23年度に、和歌山市やJR西日本和歌山支社など、周辺企業を含む6団体で構成されたJR和歌山駅前活性化協議会が設置されており、今年度から県も都市再生の実現に向けて積極的にかかわっていくために、県土整備部、企画部、商工観光労働部も正式メンバーとして参画したところです」と大変勇ましい答弁をいただきました。
 また、「今後とも市──もちろんこれは和歌山市ですが──市とも協議会などの場も活用して、鉄道事業者を初めとする民間事業者への働きかけを行い、駅周辺の活性化や県都和歌山市の都市再生に取り組んでまいります」という力強い答弁もいただきました。
 さらに、平成27年2月議会で再度、JR和歌山駅を中心とした町なか活性化によるコンパクトシティーの実現に向けた都市政策をどのように考えるのかと県土整備部長に問いただしたところ、「県としましては、今年度から県土整備部、企画部、商工観光労働部がJR和歌山駅前活性化協議会に参加するとともに、市、JR西日本と県との3者により情報の共有や意見交換を行う場を設け、事業の具体化が図られるように取り組んでいるところです」ということでしたが、あれから1年、具体化が図られるように、また、1年半前には県も都市再生の実現に向けて積極的にかかわっていくということでしたが、そのJR和歌山駅前活性化協議会や、和歌山市、JR西日本と県との3者による意見交換会を行う場で、どのように具体化が図られ、また、都市再生の実現に向けて積極的にかかわった結果、何がどのように実現への道筋がつけられたのでしょうか。県土整備部長、御答弁ください。
○議長(前芝雅嗣君) 県土整備部長野尻邦彦君。
  〔野尻邦彦君、登壇〕
○県土整備部長(野尻邦彦君) JR和歌山駅は、大阪方面、奈良方面から県南部へつながる鉄道のターミナル駅として、また、多くのバス路線の発着点として人流、物流が集まる重要な交通結節点であるとともに、和歌山県経済の中心の1つとして、町なかの活性化を図っていく上で重要な拠点であると認識しております。
 急激な人口減少と超高齢化社会の到来に際しては、都市の外縁部への拡大をとめて、既存市街地などの拠点の再開発を行うなどにより、コンパクトな町なか居住を進めていくことが重要であると考えます。
 こうした観点から、現在、和歌山市では、都市機能や居住機能を計画的に誘導し、コンパクトなまちづくりを実現するため、立地適正化計画の策定に取り組んでいるところであり、県としましても必要な支援を行っているところでございます。
 JR和歌山駅周辺のまちづくりにつきましては、議員御指摘のJR和歌山駅前活性化協議会や、和歌山市、JR西日本と県との3者による意見交換の場においては、再開発事業の具体化には至っておりませんが、知事からは、和歌山城周辺のまちづくりとあわせて検討の加速化を指示されているところであります。
 まちづくりについては、本来、市が主体となって進めるものでありますが、県としましても、再開発事業の必要性があることから、でき得る限り支援するなど、今まで以上に市と連携しながら取り組んでまいります。
 なお、平成28年度からは、JR和歌山駅前の友田町4丁目地区において、商業、医療、居住機能などから構成される市街地再開発事業を実施することとなっており、この事業を契機に周辺地域が活性化され、JR和歌山駅を中心としたコンパクトシティーの形成が推進されるものと考えてございます。
○議長(前芝雅嗣君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 県土整備部長、どうも御答弁ありがとうございました。
 JR和歌山駅前活性化協議会や和歌山市、JR西日本と県との3者による意見交換の場において、現在のところ再開発に関する事業の具体化には至っておりませんということですが、先ほどもこれ私、質問でしましたように、ここで、同じこの議場で、勇ましく、力強く、参加するその意気込みを語っていただいたのは県土整備部長でありますし、また、そのとき都市再生の実現に向けて積極的にかかわって、具体化が図られるように頑張ってくださいと私のほうも言わせていただきました。
 今の友田町4丁目地区の市街地再開発事業ということについては、決してこれは降って湧いたとは言いませんけれども、たまたまというか、いろいろ話を聞いてると、こういうことをやりたいというとこがあったそうですね。
 それは決して、それはそれで悪くないんですが、私が言いたいのは、これだけ、先ほど来言ってるように、私自身がこの10数年間、非常に肌で感じる、和歌山市においてさえそうですが、この人口減少ということ、それから、高齢化の進みぐあい、少子化、これはもう当たり前と言ったら当たり前ですけども、これが他府県に比べてどんどん進んでいるところの中で、やはり強いリーダーシップを持って、もちろん事業主体というか進めるのは市でありましょうが、県もそれを後押しするようなリーダーシップを持っていただいて、何としても県民の皆さんに希望を持っていただける地域づくり、都市づくりをぜひともよろしくお願いを申し上げまして、私の今回の質問とさせていただきます。御清聴、ありがとうございました。
○議長(前芝雅嗣君) 以上で、浦口高典君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後2時38分散会

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