平成28年2月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(全文)


平成28年2月 和歌山県議会定例会会議録

第3号(全文)


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平成28年2月
和歌山県議会定例会会議録
第3号
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議事日程 第3号
 平成28年3月3日(木曜日)
 午前10時開議
 第1 議案第17号から議案第31号まで、議案第34号、議案第36号から議案第39号まで、     議案第63号、議案第71号、議案第72号、議案第77号及び議案第83号(委員長報告     ・同質疑・討論・表決)
 第2 議案第1号から議案第16号まで、議案第32号、議案第33号、議案第35号、議案第     40号から議案第62号まで、議案第64号から議案第70号まで、議案第73号から議案     第76号まで、議案第78号から議案第82号まで及び議案第84号から議案第172号まで(質疑)
 第3 一般質問
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会議に付した事件
 第1 議案第17号から議案第31号まで、議案第34号、議案第36号から議案第39号まで、     議案第63号、議案第71号、議案第72号、議案第77号及び議案第83号(委員長報告     ・同質疑・討論・表決)
 第2 議案第1号から議案第16号まで、議案第32号、議案第33号、議案第35号、議案第     40号から議案第62号まで、議案第64号から議案第70号まで、議案第73号から議案          第76号まで、議案第78号から議案第82号まで及び議案第84号から議案第172号まで(質疑)
 第3 一般質問
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出席議員(42人)
 1番 堀 龍雄
 2番 中西峰雄
 3番 森 礼子
 4番 立谷誠一
 5番 前芝雅嗣
 6番 浅井修一郎
 7番 井出益弘
 8番 宇治田栄蔵
 9番 秋月史成
 10番 川畑哲哉
 11番 泉 正徳
 12番 濱口太史
 13番 花田健吉
 14番 尾﨑太郎
 15番 尾崎要二
 16番 中村裕一
 17番 鈴木太雄
 18番 岩田弘彦
 19番 藤山将材
 20番 服部 一
 21番 冨安民浩
 22番 吉井和視
 23番 中本浩精
 24番 中 拓哉
 25番 山本茂博
 26番 岸本 健
 27番 谷 洋一
 28番 新島 雄
 29番 岩井弘次
 30番 多田純一
 31番 片桐章浩
 32番 藤本眞利子
 33番 浦口高典
 34番 山下直也
 35番 山田正彦
 36番 菅原博之
 37番 谷口和樹
 38番 奥村規子
 39番 雑賀光夫
 40番 松坂英樹
 41番 坂本 登
 42番 長坂隆司
欠席議員(なし)
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説明のため出席した者
 知事         仁坂吉伸
 副知事        下 宏
 知事室長       宮﨑 泉
 国体推進監      若宮茂樹
 危機管理監      和歌哲也
 総務部長       市川靖之
 企画部長       高瀬一郎
 環境生活部長     栗山隆博
 福祉保健部長     幸前裕之
 商工観光労働部長   藤本陽司
 農林水産部長     鎌塚拓夫
 県土整備部長     野尻邦彦
 会計管理者      岩橋良晃
 教育長        宮下和己
 公安委員会委員    大桑いく嗣
 警察本部長      直江利克
 人事委員会委員長   守屋駿二
 代表監査委員     保田栄一
 選挙管理委員会委員長 上山義彦
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職務のため出席した事務局職員
 事務局長       江川和明
 次長         上坊 晃
 議事課長       糸川 徹
 議事課副課長     中谷政紀
 議事課課長補佐兼議事班長
            尾﨑善亮
 議事課主任      保田良春
 議事課主任      岸裏真延
 議事課副主査     中尾祐一
 総務課長       西原龍也
 政策調査課長     中口 匠
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  午前10時0分開議
○議長(前芝雅嗣君) これより本日の会議を開きます。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前10時0分休憩
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  午前10時59分再開
○議長(前芝雅嗣君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 日程第1、補正予算等議案議案第17号から議案第31号まで、議案第34号、議案第36号から議案第39号まで、議案第63号、議案第71号、議案第72号、議案第77号及び議案第83号を一括して議題とし、順次、常任委員会委員長の報告を求めます。
 農林水産委員会委員長濱口太史君。
  〔濱口太史君、登壇〕(拍手)
○農林水産委員会委員長(濱口太史君) 農林水産委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案3件であります。
 委員会は、2月25日、第4委員会室において開催し、当局から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査した結果、議案第17号、第18号及び第83号は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、委員会審査における主な質問項目を申し上げますと、中山間地域等直接支払い事業、畜産を活用した資源エコループ推進事業、6次産業化ネットワーク活動推進事業、農業活性化支援事業、農業担い手対策事業の減額理由についてであります。
 以上をもちまして、農林水産委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願い申し上げます。(拍手)
○議長(前芝雅嗣君) 建設委員会委員長鈴木太雄君。
  〔鈴木太雄君、登壇〕(拍手)
○建設委員会委員長(鈴木太雄君) 建設委員会における審査の経過並びに結果について、御報告を申し上げます。
 当委員会に付託された案件は、議案付託表に記載のとおり、議案5件であります。
 委員会は、2月25日、第5委員会室において開催し、当局から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第83号については賛成多数をもって、議案第17号、議案第23号、議案第24号及び議案第27号については全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、委員会審査における質問項目を申し上げますと、大規模建築物の耐震化促進事業の進捗状況と今後の見通しについて、住吉川改修の進捗状況についてであります。
 以上をもちまして、建設委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願い申し上げます。(拍手)
○議長(前芝雅嗣君) 文教委員会委員長立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕(拍手)
○文教委員会委員長(立谷誠一君) 文教委員会における審査の経過並びに結果について、御報告を申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案4件であります。
 委員会は、2月25日、第6委員会室において開催し、当局から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第17号、議案第20号、議案第71号及び議案第72号は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、委員会審査における主な質問項目等を申し上げますと、いじめ対策総合推進事業予算、展覧会予算、体力開発センター管理予算の減額について、財源更正の内容について、修学奨励金特別会計の雑入について、旧紀州藩士邸長屋門の整備計画について、議案第71号及び議案第72号の給与条例の改正案における地域手当の支給割合の規定について、教職員の懲戒処分の事実関係についてであります。
 以上をもちまして、文教委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願い申し上げます。(拍手)
○議長(前芝雅嗣君) 総務委員会委員長森 礼子さん。
  〔森 礼子君、登壇〕(拍手)
○総務委員会委員長(森 礼子君) 総務委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案11件であります。
 委員会は、2月25日、第1委員会室において開催し、会計局、人事委員会、監査委員、選挙管理委員会、県議会事務局、知事室、企画部、総務部の順に当局から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第17号、議案第21号、議案第25号から議案第28号まで、議案第34号及び議案第36号から議案第39号までは全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、委員会審査における主な質問項目を申し上げますと、企画部関係では、インドネシアとの交流について、海外との交流事業での成功事例について、地域交通確保維持改善事業の減額理由について、RESAS(地域経済分析システム)の内容と目的について、総務部関係では、県税収入の増収要因について、防災ヘリコプター運営事業の減額理由についてであります。
 以上をもちまして、総務委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願い申し上げます。(拍手)
○議長(前芝雅嗣君) 福祉環境委員会委員長多田純一君。
  〔多田純一君、登壇〕(拍手)
○福祉環境委員会委員長(多田純一君) 福祉環境委員会における審査の経過並びに結果について、御報告を申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案4件であります。
 委員会は、2月25日、第2委員会室において開催し、福祉保健部、環境生活部の順に当局から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第17号、議案第29号、議案第63号及び議案第83号は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、委員会審査における主な質問項目等を申し上げますと、福祉保健部関係では、国民健康保険制度の今後の状況について、放課後児童健全育成対策等施設整備事業及び認定こども園施設整備事業の繰り越しについて、環境生活部関係では、グリーンニューディール基金活用事業の繰り越しについてであります。
 以上をもちまして、福祉環境委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願い申し上げます。(拍手)
○議長(前芝雅嗣君) 経済警察委員会委員長泉 正徳君。
  〔泉 正徳君、登壇〕(拍手)
○経済警察委員会委員長(泉 正徳君) 経済警察委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案7件であります。
 委員会は、2月25日、第3委員会室において開催し、公安委員会、商工観光労働部・労働委員会の順に当局から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第17号、議案第19号、議案第22号、議案第27号、議案第30号、議案第31号、議案第77号は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、委員会審査における主な質問項目等を申し上げますと、公安委員会関係では、警衛警備関係予算減額の理由について、商工観光労働部・労働委員会関係では、県営競輪事業特別会計の減額理由について、観光費の増額について、緊急雇用創出事業臨時特例基金の増額についてであります。
 なお、2月24日、所管事務調査として、和歌山刑務所において、受刑者の高齢化・国際化の現状と再犯防止への取り組み等について調査を行いました。
 以上をもちまして、経済警察委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願い申し上げます。(拍手)
○議長(前芝雅嗣君) 以上で、常任委員会委員長の報告が終わりました。
 これより委員長報告に対する質疑に入ります。
 質疑はありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(前芝雅嗣君) 質疑なしと認めます。
 次に、討論に入ります。
 奥村規子さんから反対討論の通告がありますので、許可いたします。
 38番奥村規子さん。
  〔奥村規子君、登壇〕(拍手)
○奥村規子君 日本共産党県議団を代表して、議案第22号、第63号及び第83号について反対の立場から討論を行います。
 議案第63号は、和歌山県国民健康保険財政安定化基金条例です。昨年成立した医療保険制度改革法により、2018年度から国民健康保険の財政運営が市町村から都道府県に移管されることになりました。そのための財政安定化基金を創設するものです。
 国保の都道府県化は、今でさえ耐えがたい国保料のさらなる引き上げや徴収強化を招きます。市町村は都道府県に分賦金を納めますが、保険料の収納状況に関係なく100%納付が義務づけられます。都道府県は市町村に標準保険料率を示しますが、これは将来的な保険料負担の平準化に向けた地ならしであり、一層の保険料引き上げや徴収強化につながりかねません。
 また、都道府県が地域医療ビジョンで病床削減を進め、医療費適正化計画で医療費削減目標を持つことを国から押しつけられている中、国保運営の権限が加わることは、都道府県にさらなる医療費抑制を行う役割を担わせるものです。必要な医療を公的保険で受けることができる皆保険制度を縮小させることにつながります。
 こうしたことから国保の都道府県化に反対するものであり、そのための基金創設には賛成できません。
 また、議案第22号の競輪特別会計補正予算案は公営ギャンブル反対の立場から、議案第83号の建設事業施行に伴う市町村負担金を求める議案については、一層の負担軽減を求める立場から反対です。(拍手)
○議長(前芝雅嗣君) 以上で、討論を終結いたします。
 これより採決に入ります。
 まず、議案第22号、議案第63号及び議案第83号を一括して採決いたします。
 本案に対する委員長報告は、いずれも原案可決であります。
 本案をいずれも委員長報告のとおり決することに賛成の諸君は、御起立願います。
  〔賛成者起立〕
○議長(前芝雅嗣君) 起立多数であります。よって、本案はいずれも原案のとおり可決されました。
 次に、議案第17号から議案第21号まで、議案第23号から議案第31号まで、議案第34号、議案第36号から議案第39号まで、議案第71号、議案第72号及び議案第77号を一括して採決いたします。
 本案に対する委員長報告は、いずれも原案可決であります。
 本案をいずれも委員長報告のとおり決することに賛成の諸君は、御起立願います。
  〔賛成者起立〕
○議長(前芝雅嗣君) 起立全員であります。よって、本案はいずれも原案のとおり可決されました。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前11時16分休憩
────────────────────
  午後1時0分再開
○議長(前芝雅嗣君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 日程第2、議案第1号から議案第16号まで、議案第32号、議案第33号、議案第35号、議案第40号から議案第62号まで、議案第64号から議案第70号まで、議案第73号から議案第76号まで、議案第78号から議案第82号まで及び議案第84号から議案第172号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第3、一般質問を行います。
 28番新島 雄君。
  〔新島 雄君、登壇〕(拍手)
○新島 雄君 きょうは3月の3日、ひな祭りの日であります。私の生まれ育ったふるさとでは、ひな流しが行われているかもしれない、今。まだかなというような思いであります。春がそこまで来ているのかなというような思いをさせるきょうこのごろであります。
 議長のお許しをいただきました。トップバッターとして質問に入らせていただきます。
 平成28年度新政策及び当初予算案に関連して質問をいたします。
 昨年を振り返りますと、和歌山県にとっては大変よい年であったと評価できると思います。高野山開創1200年に始まり、国民体育大会と全国障害者スポーツ大会とあり、世界津波の日の制定や映画「海難1890」、これが封切りをされました。そして、最後の締めくくりは世界農業遺産の認定であります。大きな行事がたくさん続いた活気のある1年であったと思っています。これらの行事には、多くのボランティアの協力をいただきました。県民の大きな力があったればこそ成功できたことを忘れてはならないと思います。
 去年の勢いをことしにつなげていこう、県民と一緒に力を合わせて頑張ろうと新年を迎えたところ、飛び込んできたのが元日の迷惑メール、津波の誤配信メールでありました。
 その問題は後ほど質問するとして、現状を考えたとき、決して楽観できるものではないと考えています。公表されたばかりの国勢調査の速報値では、人口は100万人を切りました。このまま人口減少が続けば、さまざまな面において大きな影響を及ぼすことから、あらゆる分野において対策が必要となります。
 開会冒頭、知事から、新政策として、5つの基本目標を柱としてさまざまな施策を推進していくと説明がありました。私は、5つの目標の施策がうまく組み合わされてこそ効果が出るものと考えています。
 そこで、平成28年度新政策について知事の決意を伺います。
 もう一点は、財政状況であります。
 この財政に関しては、大変気になるところであります。県経済の活性化や地方創生を推進していくために、新年度予算において必要な部署に適切に配分されていると思いますが、一番の問題は、財政の健全性は確保できているのかということであります。知事の考えを伺います。
○議長(前芝雅嗣君) ただいまの新島雄君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 平成28年度は、3つの意味で大変重要な年であると考えております。
 1つ目は、紀の国わかやま国体・大会を目標としてさまざまな施策を講じてきた結果、両大会とも大成功をおさめることができましたが、その成果を将来につないでいく必要があると思いますし、この目標、大目標がなくなったときに、次の目標を掲げて、それで県民の方々とともにこれを達成していく必要があると思います。
 2つ目は、超高齢化の進展とか、あるいは経済のグローバル化など社会環境が著しく変化する中で、国の政策も大きな曲がり角というか、たくさんの新しい基軸を打ち出してきてますんで、そういうときに和歌山県がキャッチアップをしたり、あるいはその流れを先取りしたりしていかないと、その変化のスピードに乗りおくれかねないことになると思いますので、これは大変だということでございます。
 3つ目は、昨年6月に全国の中でもいち早く策定いたしました和歌山県まち・ひと・しごと創生総合戦略で掲げました目標の達成に向けて、そのいわば第1年度としてスタートダッシュをかける年であるということでございます。
 こういった重要な年でもあります平成28年度において、県政最大の課題であります人口減少対策に一丸となって立ち向かい、誰もが生き生きと暮らせ、元気を持続できる和歌山の創造を目指すべきだと思っております。
 そのためには、より多くの人を産み育むことができる環境を整えるとともに、人の暮らしを支える仕事を確保することで、人の流出を防ぎ、新たな人を呼び込むという好循環と、それを支える安全・安心な社会を構築する必要があると考え、5つの基本目標に沿って新政策をまとめたところでございます。
 具体的には、まず、少子化を食いとめるため、親世代と子供の立場の両面から取り組むべき課題を抽出し、子育てに係る経済的な負担軽減策や社会で子供を育む環境づくりなど、よりさらに踏み込んだ施策を推進したいと思っております。
 次に、安定した雇用を創出するために、従来の産業振興施策に加え、イノベーションや創業の支援、すぐれた経営感覚を持つ事業者の育成など、新たな領域を切り開く取り組みを支援いたしてまいります。
 次に、本県への新しい人の流れを創造するため、徹底的に移住者目線に立った移住・定住施策を推進するとともに、高校生、大学生の県内就職を積極的に支援していきたいと思っております。
 次に、安全・安心な暮らしを実現するため、自然災害による犠牲者ゼロを目指す和歌山県国土強靱化計画に基づく対策を推進するとともに、安心して暮らせる質の高い医療と福祉の充実に取り組んでまいりたいと思います。
 最後に、時代に合った地域をつくるため、地域特有の資源を活用するとともに、人生に潤いや感動を与える文化・芸術に気軽に親しめる機会を創出してまいりたいと思います。また、紀の国わかやま国体・大会によるスポーツへの関心の高まりを次世代につなげる好循環をつくり出したいと考えております。
 先般の国勢調査の結果を目の当たりにし、決意を新たに次の時代の和歌山を創生するステップアップの年となるように、これらの新政策を全力で推進してまいりたいと考えております。
 次に、財政の健全性についてでございます。
 私どもも、いつもそういうことを心配して、それで、放恣にならないようにしていっております。そのために、平成24年3月に策定いたしました新行財政改革推進プラン──これは改定版のほうですが──を着実に実施してまいりました結果、平成28年度当初予算において、財政調整基金及び県債管理基金を取り崩すことなく収支不足額を解消するとともに、同基金残高もプラン想定より119億円改善し、残高219億円を確保したところでございます。
 このように平成28年度当初予算は、新政策の推進を図るとともに、財政の健全性を確保した予算に仕上がったものと考えております。
○議長(前芝雅嗣君) 新島 雄君。
  〔新島 雄君、登壇〕
○新島 雄君 次の質問に移ります。
 もうすぐ3月11日を迎えます。早いもので5年がたとうとしております。今議会の冒頭、知事からも説明がありました緊急速報メールの誤配信について質問いたします。
 ことしの元日、県内にいた県民を初め、旅行で来られていた方々に大変な御迷惑をおかけしたと思っています。映画を見ていた人は、上映中にもかかわらず携帯電話が鳴り出して驚き、途中まで見ていた会場を後にすることになったとぼやいていました。細かい話ですが、料金は返ってきません。
 私は、新年会等で御挨拶をさせていただくときには、必ず謝ることをしていました。「本当に皆さん、申しわけございませんでした。次にメールが鳴ったときも必ず逃げてください。これも間違いや、そんなふうに絶対に考えないで、必ず逃げてください。よろしくお願いします」と話をしました。
 市町村の消防・防災担当者は、対応に追われたことと察します。本当に御苦労さまでした。これに懲りず、もしものときには必ず対応していただくようによろしくお願いをいたします。
 この件について質問いたします。
 危機管理監、2月12日に再開したと聞いていますが、二度と起こさないために、間違いはどのようにして起こったのか、どう検証したのか、再発防止のための対策は、この2点をお答えください。
○議長(前芝雅嗣君) 危機管理監和歌哲也君。
  〔和歌哲也君、登壇〕
○危機管理監(和歌哲也君) 1月1日午後2時8分ごろ、津波が発生していないにもかかわらず、和歌山県津波予測システムを通じて県内全域に津波からの避難を呼びかける緊急速報メールを誤って配信いたしました。システムの上では津波を検知し続けていたことから、地震・津波の有無の確認や問い合わせの対応に追われ、午後3時1分ごろ、さらに津波が大きくなっている旨のメールを配信しました。また、誤報であったことをお知らせするメールの配信も初報から1時間以上を要しました。
 議員各位を初め、県民の皆様、県内にお越しの皆様、そして、事業者の皆様や市町村等の防災関係機関の皆様など、多くの方々に、新年早々、大変な御迷惑をおかけいたしましたことに対し、深くおわびを申し上げます。
 今回の誤報の原因究明のため、システム全体の徹底的な検証を行った結果、県において、ことしの理論潮汐データを入力していなかったことが原因であると判明いたしました。
 今回のような誤りを二度と繰り返さないため、データの入力漏れ等、システムに異常があった場合に自動で職員に通知する機能等を追加し、また、管理マニュアル等を見直す中で、運用手順をまとめたマニュアルを作成し、複数の職員によるチェック体制を定めました。その上で、2月12日から運用を再開いたしました。
 津波予測システムの適切な運用管理を行い、信頼回復に努めてまいりますので、今後、津波の発生を知らせる緊急速報等があった場合は、また誤報かと思われることなく、高台等への避難をしていただけるよう、よろしくお願いを申し上げます。
○議長(前芝雅嗣君) 新島 雄君。
  〔新島 雄君、登壇〕
○新島 雄君 3番目の質問です。民泊ということについてのお尋ねをさせていただきます。
 インターネットを通じて宿泊者を募集する一般住宅や別荘などを活用した宿泊サービスが、外国人旅行者に大変ふえています。この民泊、政府は特区において実施を進めています。私は、宿泊施設というものに対して古くから興味を持っているといいますか、身近に感じています。
 そんな中、外国人旅行者が多くやってきて、都会においては宿泊施設が足りない状況がある。そこで出てきたのが民泊というネットビジネスです。その穴埋めに、空き家を利用したり、マンションの空き室を利用したりして問題になっています。つい先日は、UR、都市整備公団のマンションも民泊に利用しているとの捜査が入りました。
 営利目的で宿泊をさせる場合、旅館業法のように法律があります。これまでの枠におさまらない方法がとられ、宿泊に関することが無秩序に行われています。民宿には民宿の、ホテルにはホテルの法令で定められた基準がありますし、宿泊施設を運営するには、投資産業と言われるほどの投資をして営業しています。
 和歌山県での宿泊施設の稼働率は、最新のデータを見てみますと、47.7%、そういう数字が出ています。昨年よりは数字も随分と上がってきたんですが、これは全国的に見ても決して高い数字ではなく、後ろから数えたほうが早い順位でもあります。
 そのような中において、この旅館業法等をないがしろにして民泊が行われることについて、和歌山県としてどのように考え、今後どう対処していくのかをお答えいただきたいと思います。
○議長(前芝雅嗣君) 環境生活部長栗山隆博君。
  〔栗山隆博君、登壇〕
○環境生活部長(栗山隆博君) 民泊についての御質問にお答えをいたします。
 旅館、ホテル等の宿泊施設の衛生水準を確保するため、旅館業法において、その構造設備や衛生措置の基準を定め、厳しく規制を行ってきたところでございます。しかし、近年、外国人旅行者の急増に伴い、宿泊施設が逼迫し、全国的にインターネットを通じて無秩序に民泊が行われている状況にあることから、こうした状況は早急に解消される必要があると考えております。
 現在、厚生労働省では、民泊を旅館業法の簡易宿所として位置づけ、構造設備基準を緩和し、規制の対象内に置くことを検討してございます。本県におきましても、国のこの構造設備基準の改正が行われましたら、それを受けまして、旅館業法施行条例の所要の整備を行いまして、民泊事業者への許可申請の指導及びその管理運営の監督に努めてまいりたいと考えてございます。
○議長(前芝雅嗣君) 新島 雄君。
  〔新島 雄君、登壇〕
○新島 雄君 今の答弁で、簡易的に旅館業法を認めていく。私は、旅館業をやってる人たちは、大変な投資をして、旅館業法という縛られた中で営業をやってきた、それが緩和されるとなると、今までの旅館業法は何だったのかという疑問がこれは生じるものだと思っています。
 全国旅館組合の会長さん、京都の北原さんなんですが、この人はこのように言ってます。お客さんをとられるのが嫌だとは言ってないんです。だから、同じ土俵へ来てくれと、来たら我々は歓迎するよと、一緒にやろうやないかという思いを持ってるんやけれども、どうも土俵が違うように思って仕方がないんやということであります。全く、競争関係になっていくことに関しては、異論はないとまで言っています。民泊業者が営業許可を取得し、ルールどおり営業されるよう指導監督をよろしくお願いをいたします。
 4番目の質問に移りたいと思います。
 不幸な猫をなくすプロジェクトのことなんですが、この項目を聞いた誰かが、「人にも不幸な人おるしなあ」、ぽつっと言ったことがぐさっと胸に刺さったのを覚えています。
 和歌山には、今はニタマですね。どちらかというと、今は猫のブームだと言われています。ペットとして、犬よりも家の中で飼える猫のほうが、散歩にも行かなくてよいので、高齢者を中心に多くなってきたという数字も出ています。
 今回、和歌山県において条例改正及び地域猫対策を推進するに当たり、全国的に少ない条例改正であり、マスコミも取り上げるほど注目もされています。ですから、余計によいものでなくてはなりません。和歌山県はよい条例をつくった、いいことをやったなあと言ってもらいましょう。
 そこで、お聞きします。条例改正に至る経緯と目的、そして、内容をお答えください。
 2番目は、今回の件では、地域猫と飼い猫の区別をどうするかという疑問が生じています。手術費用を持つわけですから、きちんと区別をしないと、飼い猫を地域猫だと言って不妊・去勢手術をしていたら、予算がすぐになくなってしまいます。
 以前にも、行政が飼い犬や飼い猫の不妊手術の費用を助成し、実施したことがあります。予算が追いつかなくなったという経緯もあります。同じ間違いをしないためにも、飼い猫と地域猫の区別をどうするのか、大変難しい問題だと思いますが、お答えをいただきたい。
 3番目は、手術した後、その猫が手術した猫か、まだしていない猫か、その区別をどうするのかということであります。
 方法はいろいろあると聞いています。マイクロチップを体内に埋め込む方法や耳先のV字カット、ほかにも方法はあると思いますが、どのような区別をするのですか。
 私は、手術後は必ずマイクロチップを埋め込むことを勧めますし、動物愛護の立場からも、耳先のV字カットは問題が生じるおそれがあるとの否定的な意見もあります。ですから、V字カットのみにこだわらないで、それ以外の方法についても考え、取り入れていただきたい、そのように思います。
 4番目としての質問です。
 今回の条例案については、我が会派にもたくさんの意見が寄せられています。担当部局として県民の意見を集めたと思いますが、動物を扱う獣医師さんの意見は十分に聞けたのでしょうか。
 このような条例の場合、専門家の人たちに十分意見を聞くことが大切と考えます。1人や2人だけで物事を決めるのではなく、その道の人に聞くことが大切と思います。
 例えば、私は野球をやってましたから、野球場をつくるのに、野球選手や関係者の多くの人に意見を聞かずに、建設業者や担当部局の職員だけで話を進めてしまうと、でき上がった野球場には多くの問題点が出る、そんなことが多いのであります。
 特に猫に関する意見については、ペットとして飼ってる人も多いことですし、意見も多様になると思いますが、できる限り多くの意見を集めて、よいものをつくってほしいと考えます。できることなら、さすが和歌山と言わせるような内容のものになることを願っています。
 以上4点、質問いたします。
○議長(前芝雅嗣君) 環境生活部長。
  〔栗山隆博君、登壇〕
○環境生活部長(栗山隆博君) 不幸な猫をなくすプロジェクトにつきまして、御答弁申し上げます。
 最初に、条例改正に至ります経緯と目的、内容でございますが、県では、飼い猫の不適正な飼養に加え、野良猫への無秩序な給餌等により生活環境に支障が生じる事態がさまざま起こっており、猫の殺処分数も依然として多い状況にございます。
 これらを解決するには、実効性あるルールを設けることが必要と考えました。地域の生活環境を保全し、猫の殺処分数の削減を図ることを目的に、和歌山県動物の愛護及び管理に関する条例の一部を改正する条例を今議会に提案させていただいているところでございます。
 この主な内容は、飼い猫の所有者や野良猫に給餌等を行う者の遵守事項を定めるとともに、地域猫対策の計画を認定する制度を設けるなど、生活環境の保全と動物の愛護との双方のバランスを考慮したものとしてございます。
 2つ目に、飼い猫と地域猫の区別でございますが、飼い猫には名札をつけるなど所有明示措置を義務化するとともに、地域猫については、地域猫対策の実施者が対象とする猫が飼い猫でないことを明確にする、そして、不妊・去勢手術を施すことについて地域の了解を得るような仕組みを考えているところでございます。
 3つ目に、手術を施したことを識別する方法についての見解でございますが、マイクロチップの装着に関しましては、脱落しないという利点がある半面、外見上、見た目には識別ができないなどの難点もございます。一方、耳先V字カットは、環境省のガイドラインにも掲載され、一般的な識別方法として普及しているところでございます。不妊・去勢手術の際に行われるため、苦痛を伴わず、耳の形状から容易に識別できる利点がございます。県では、この方法を基本とすることで、現在、県獣医師会と協議を進めておりますが、あわせて他の有効な方法についても模索してまいりたいと考えてございます。
 最後に、獣医師の御意見をどの程度聞いているかという御質問でございますが、県獣医師会を通じて、開業獣医師の方々から御意見を伺ってきているところでございます。あわせて、愛護団体や県民からいただきました御意見等も十分に反映しながら、今後、地域猫対策を推進してまいりたいと考えてございます。
○議長(前芝雅嗣君) 新島 雄君。
  〔新島 雄君、登壇〕
○新島 雄君 今の質問で少し私の言葉が足りなかった部分があろうかと思います。
 私は、初めて、手術をした猫の耳を切るということをこの問題を通じて知りました。何か考えられないような、麻酔をしてる、手術をするために麻酔をしてるから、その間に耳を切るんだという。何か考えられない、人間の社会ではあり得ないことが動物の世界であるんだなあということを認識しました。それが1つの大きな方法になっているということにも驚愕をいたしました。十分な配慮をお願いしたいと思います。
 最後の質問です。前議会でも質問に出ましたし、我が会派からは同じ質問を3名の方々がされています。同じ内容の質問を同じ会派から3度にわたり質問をする、私で4人目です。
 実効支配、こんな言葉がマスコミに出るようになったのはいつごろでしょうか。世界から見て他国の領域だと思える場所に、自分の国だと言って海域を埋め立て、滑走路をつくり、軍隊を送り込む。人の言うことには耳もかさず、自分の意見が正しいと言い張る。自分に権限があるがごとく。ありとあらゆる手段を使い、自分のものにしてしまう。自分の意見に無理やり従わす。相手は決してすばらしいと思っているものではなく、嫌々でも聞いておかねば、助けてもらうこともあるから言いたいことも言えないなあと思っている。
 一党支配で権力を持った者だけが金を持ち、部下たちを顎で使い、刃向かう者には武力や権力を振りかざし、言うことを聞けと相手をおどしてまでも自分の主張を言い張る。自分の主張が相手にとっておどしととられようとも、時には、言うことを聞かないと、武力とまではいかないまでも実力行使に出たりする。
 また、人を誘拐しておいて、そんなのは知らない、もう話し合いはしない、おまえたちが勝手なことを言っているんだと開き直る。時には相手の話を聞くと言い、話し合うと言って自分の言い分だけを理解させようとするばかりで、相手の意見を真摯な気持ちで聞くことをせず、上下関係で相手に話をする。時には必要なことだと思うのだが、相手の立場に立ち、心を砕き、膝を折り、胸を開いて平等の立場で議論することも必要である。
 日本という国は、世界に類を見ないほど国民の頑張りで成長をしてきました。そこには、お互い助け合い、物を分け合い、お互いに汗をかき、力を合わせて、自分のことばかりを考えず、利他の心で発展をし、成長してきたと私は思っています。
 先日の日曜日の大河「真田丸」の中で、こんなせりふがありました。「人は理屈で固められると心を閉ざす」、このせりふを聞いて、ああ、そのとおりだなあと感じました。私も理屈っぽい人間ですから、気をつけなければなあと心に銘じた次第です。
 ここで、先日、私どもの会派と町村長さんたちと意見を交換する場を持ちました。そのときの意見を報告いたします。
 農産物価格の低迷と鳥獣被害による耕作意欲の低下と、高齢化と後継者不足により耕作放棄地がふえている。
 農地転用厳格化は、農地を確保できるが、農業者を確保できないため耕作放棄地がふえる。
 津波被害等に備えるため高台への移転が必要だが、その多くが農地である。
 農地転用については、町村長並びに町村の判断に任せてほしい。
 隣の土地が農地転用しているのに、あなたの土地は転用ができませんでは説明がつかない。
 県全体に言えるが、あと10年したら今の農家がどれくらい減っているか。恐らく半分であろう。それぐらい農業は厳しい。
 農地を守るのであれば、その前に農家を守る政策が必要である。一緒に農家を守る政策を出してほしい。
 1人の意見が突然だめだということによって、和歌山県全部が変わってしまう。
 農地転用の権限は町村長であり、農地転用を許可しないのは知事の権限ではない。
 県と町村が信頼関係を持っていれば、こんなことにはならない。
 県内の市町村長の意見を全く聞かないで、突然決めてきた。
 本当に民主主義かと支持者は思っている。
 町村のことは町村に任せてほしい。
 高齢になり後継者もない、相続人は大阪や東京に住んでいる。その農地を放棄していると荒れるので、近隣の人にお願いしているのが実情だ。
 上富田、日高、岩出は人口がふえている。農地転用で宅地がふえ、人口がふえた。
 町の施策で人口をふやそうとしたのではなく、地籍調査と下水道事業を完了したためである。
 転用のための立ち会いが不要なので、宅地化が安く進んでいる。
 地方のことは地方で、地元のことは地元に任せてほしい。
 あすの生活をどうするか。家を建てる場所がない。考えてほしい。
 荒れ地になっているから、そこを宅地にしたい。その考えばかりではないことを認識してほしい。
 津波が来る、高台へ行きたい。10ヘクタールのところはだめ?
 50年後の和歌山を守るため実施する。1、資産価値が低下の一途、2、市町村の財政が危機、3、公共交通の利用者が減り、経営が困難、4、車の運転ができない高齢者が大変の4項目ではだめ。それでも住んでいる。
 町にスーパーがない。銀行もない。でも、生活はやっている。車社会で郊外型のスーパーがはやる。
 ぶらくり丁の話は、農地の問題ではない。商店街の人たちの問題である。勘違いをしないように。
 農地の転用については、町村長が全てわかっている。乱開発があるならとめてくれと言う。そういうところを聞いてほしい。
 土地政策は、町の経済の大きなウエートを占める。残った区域も補助事業をいただいて維持管理が必要。
 そのまちを一番知っているのが町村長である。まちの事情を把握し、どう判断するかは町村長に任せてほしい。
 つらいのは土地政策で農振地域を除外するかどうかで、知事が権限を持っているので我々が苦労していることを理解してほしい。
 農地転用の厳格化をしているが、我が町の困っている鳥獣害の補助制度には対応してくれない。
 補助をしてくれるなら厳格化も理解できるが、現時点では、市町村の実情に目が届いていない。
 県下一律に規制することは納得できない。
 定住施策を20年前から行い、その中には、空き家はだめで、土地を買って定住した人もいる。
 規制を厳しくすると、他方のよいほうに逃げてしまい、不公平であるから、一律に厳しくして、その後、原則として町の計画によって緩和していくというが、どう解釈すればよいのかわからない。
 2月にUターンで帰ってくる予定で、農地転用して親元のそばに家を建てる予定であったが、とまっている。今までよかったのに。
 地域のこと、地域の思いを酌んでほしい。
 県議会の皆さんが結束し、町村長のできないことをカバーしてほしい。
 内容のある地域の実情を話できたこと、有意義であった。
 県議会には、今後とも御支援をお願いしたい。
 多くの町村長さんに御参加をいただき、大変貴重な意見を聞かせていただきました。町村長さんは、遠慮しながら、県にはお願いせんならんこともあるしなあという思いの中、このように多くの意見をいただけたことは、この問題で大変困っているのが実情と思います。
 今回、このような会合を持てたことは、私たちにとっても大変有意義であり、今後の県政に生かしていかねばならないと決意を新たにしたところであります。
 しかしながら、私たちの手の届かないところで物事が進んでいくのは、大きな恐怖を心に持つことにつながっていきます。何でも知りたい、何でも意見を言いたいと言ってるのではありません。大事なときには、権限のない人にも意見の言える、意見を聞いてもらえる、そのような地域、町、行政に県民挙げて頑張っていこうではありませんか。
 長々と多弁を弄しました。お聞き苦しい点も多々あったかもしれませんが、お許しをいただきたいと思います。最後まで私の質問を御清聴いただき、心より感謝申し上げます。
 これで私の質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(前芝雅嗣君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) まず第一に、新島議員におかれましては、言いにくいことと言われながら、たくさんの意見を聞いていただいて、それでまた御披露していただいて、私も──ほとんどわかってることなんですけれども──改めてこれは大変なことだということをわかるわけでございまして、そういう意味では、私のほうこそ感謝を申し上げなきゃいけない、そういうふうに思っております。
 それから、冒頭、よくない例が一般論として挙げられましたけれども、私も同感でございまして、これは心してやらなきゃいかんと、そういうふうに思っております。
 私は、これまで県政を進めるに当たりましては、県議会の皆様はもとより、市町村長さんと一緒になって行ってまいらなきゃいかんというふうに思っておりまして、就任以来、その点で昔よりも大分制度的な改善をしたと自負しております。ずっと前からそれぞれのお立場にあられた方は、ひょっとしたらうるさいなと思っておられるかもしれませんが、そういうのがふえたなあということはわかっていただけると思います。これからも、このような基本姿勢で地域のさまざまな課題に対処していく必要があると考えております。
 このようなことから、例えば新政策の策定に当たっては、県民の皆さんの御意見をお聞きすることに加えて、市町村長さんと特に懇談をする場を設けまして、激しい意見交換になることもあるんですが、御意見を聞いたりして、そこで随分、実は原案の修正とか見直しもやってるわけでございます。
 今回の御指摘の要因となりました「守ります、まちと優良農地。」の政策につきましては、12月議会において、県議会への事前の説明が十分でないという御指摘を受けまして、それはそのとおりだと思いまして陳謝申し上げたところでありますが、また、市町村長さんの意見も十分にお聞きしながら進めていくようにという提言をいただきましたんで、そのとおりだと思いまして、その実行をしておるところでございます。
 こうしたことを受けまして、私みずから市町を──全部ではまだありませんが──訪問いたしまして、市長さんとか、あるいは町長さんと文字どおり膝を交えて、都市計画の適切な運用とか優良農地の保全策について話し合いをしているところでございます。
 その中で、特に和歌山が陥ってきた困難、私どもが思っておる困難と、それから、その原因を説明いたしまして、それを食いとめるために今回のようなことを工夫したんですというようなことを御説明して、それで、その中で県に残ってると言ったらおかしいんですけども、県にございます権限として農地の転用を、法律が本来予定してたところを勘案して、従来より厳しい考え方で臨むけれども、もちろんこれは全部農地転用がだめと思われてる節もあるんですが、それは間違いで、その法律違反などはできませんからというようなことも御説明をし、一方、もともとだめであった、もともとの割合緩やかな運用でもだめであったものは、今回はやっぱりだめだし、今回の措置でそうなったわけではないんですと。
 しかし、こういうふうに厳しくするといっても、まちの運用を考えられるのは市町村でございますので、今後のまちのあり方を考えてゾーニングを行うと、実は農地転用も容易にできるということなんですが、また、こういう規制を伴う政策は不公平になってはいかんので、一応県としては1つの考え方を申し上げてるんだけども、まちの特別な事情は実現できないというわけではありませんよというようなことを御説明してきたつもりでございます。
 ただ、これについて、「はい、わかりました。そのとおりです」というふうに言われてるところも少しありますけれども、そうでないところもあって、いろんなことがわかりました。
 そういうお話をしておりますと、我々がわかってなかったことで、なるほどなあと思うようなこともございますし、あれれ、そんな反応しなくてもいいのになあと思うようなこともありました。
 新島県議がたくさん挙げられた、これは全部真実だと思います。そういう御意見があることは私どもも大体わかっておりますが、今回の措置につながって、多くのつらいことがたくさん出てきております。それからまた、利益が侵害されたと感じる人があることも御指摘のとおりでございまして、我々はそういう声に耳を塞いだり無視したりしていいわけではございません。
 しかし、一方、これをしなかった結果、起こるであろう別のもっと広範な不都合を抱えるであろう多くの人々のこともまた考えておかなきゃいけない。理論的にそうなるとわかっていて、目をつぶるとか耳を塞ぐとかいうのは良心の問題としてなかなかできないなと、私はそう思ってるわけですが、新島議員御指摘の市町村の御意見につきましては、これまで以上に真摯に受けとめて、今後もよく話し合いながら、市町村の立場をよく聞いて進めていきたいと思っております。
 全ての人がということになると思いますが、悩みながら県民のために力を合わせて県政を推進してまいりたいと考えております。
○議長(前芝雅嗣君) 以上で、新島雄君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 33番浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕(拍手)
○浦口高典君 議長のお許しを得ましたので、通告に従い質問させていただきますが、その前に一言申し上げたいことがございます。それは、昨年10月の紀の国わかやま国体での天皇杯獲得、つまり男女総合優勝ということについてであります。
 やはり和歌山県選手団が日本一に輝いたということは、選手、競技関係者はもとより、県民の皆さんにも大きな夢と希望を与えたことは間違いございません。私も、担当の県職員や競技関係者から、各競技でどれだけの点数獲得を目標とし、今これだけ頑張っているということを聞くたびに、我が事のようにうれしく思い、1点でも多くとり、何としても開催県の意地にかけ総合優勝してもらいたいと強く望んでおりました。
 そして、最後に何とか東京都を振り切り、優勝したということを耳にしたとき、小躍りして喜びました。また、紀三井寺競技場で閉会式が終わって、選手、競技役員、県議会議員、県担当職員が一堂に会して、最後に大会成功をたたえ、総合優勝の喜びを全員で分かち合った場で、仁坂知事は、興奮ぎみに大きな声で「皆さん、来年も優勝しましょう」と力強く訴えられたときは、興奮は最高潮に達しました。
 しかし、私の周りから「おいおい、知事、本気かよ」と。来年開催県の岩手県の邪魔しに行くんかというような軽口とともに失笑が漏れたことを記憶しております。しかし、私は、仁坂知事は本気だと思いました。しかし、次の瞬間、来年もことしと同じだけ人も予算もかけるのかなあとさめた自分もありました。
 「本当にことしの岩手国体も優勝するだけの人も予算もかけるのですか、仁坂知事」とは質問はいたしません。しかし、それほど総合優勝というものは、つまり日本一ということは、たとえ一瞬であっても人の心を躍らせる響きがございました。ただ、この成功を大きな糧として、今度は選手ではなく、県民の皆さん全員主役の健康長寿日本一わかやまを目指そうではありませんか、仁坂知事。
 今回、私自身、この4年間の総括として、いつもどおり健康長寿日本一わかやま実現のための提案と質問からさせていただきます。
 この健康長寿日本一わかやまにつきましては、平成24年9月議会から毎年2回、合計7回質問しており、今回これで連続8回目になります。昨年4月初当選した方にも御理解いただけるよう今までの経緯と要点を述べますと、もともとこの健康長寿日本一わかやまというのは、平成20年4月に発行された和歌山県長期総合計画の中に載っているんです。平成24年9月議会で、平成17年の国勢調査をベースにした都道府県別健康寿命等を見ますと、これは平均寿命から単純に介護認定期間を引いたものでありますが、和歌山県の男性は平均寿命が全国で41位、健康寿命が42位、また、女性は平均寿命が全国で43位、健康寿命が45位という結果で、とても日本一からははるかに遠い存在であるということがわかってまいりました。
 また、子供の体力についても、平成19年度から23年度までの5年間の体力合計点数平均の推移を見ますと、どの学年も一度も全国平均を上回ったことがないどころか、小学校低学年から中学年、高学年、中学校、高校と学年が上がっていくほど全国平均から得点がかけ離れているということがわかり、教育委員会では、平成21年度から紀州っ子の体力向上支援委員会を設立し、対応しているということでありましたけれども、この時点では、まだ目立った成果もありませんでした。
 そこで、子供からの体力強化の重要性を強く訴えたところ、平成25年2月議会では、平成25年度の新規事業として、本県出身のロンドンオリンピック体操競技女子代表の田中理恵さんらの協力のもと、和歌山オリジナル「紀州っ子かがやきエクササイズ&ダンス」を開発し、本県児童生徒の体力が全国平均を上回るという目標を掲げ、実践した結果、平成27年度全国体力調査において、小学校は4年連続、中学校は初めて男女ともに全国平均を上回るという結果を出すことができました。
 また、平成22年度の65歳以上の介護認定率が和歌山県は全国で3位、同23年度は2位ということがわかり、この対応について平成16年度よりシニアエクササイズを導入し、県下29市町村で約1万4000人もの参加で、介護にかからないための足腰の強化をしているということでありました。
 平成25年9月議会では、それまで特に手のつけられていなかった高校卒業後、18歳から高齢者、65歳までのいわゆるミドルエージの体力づくりについて早急に取り組むべきだと提案したところ、それにはラジオ体操を取り入れることが有効であるということで、平成26年度に県下で1578人の県民に正しいラジオ体操を実践してもらうとともに、全国ラジオ体操連盟の公認指導員を324人育成いたしました。私もその1人であります。
 また、県庁内で健康長寿日本一わかやまを目指すための部局横断の連絡会議をつくるべきではないかと提案したところ、健康推進課が中心となり、長寿社会課、スポーツ課、果樹園芸課、労働政策課など10課1室で健康長寿日本一わかやま推進会議を早速つくってくださり、現在まで5回の会合を開いてくれているということであります。
 そして、平成24年10月には、私が福祉環境委員長のとき視察に行った長野県の保健補導員制度をモデルに、和歌山県でも健康推進員制度を提案したところ、健康推進のリーダーとなる人材を年間500人、5年間で2500人を目標につくるということも約束してくれ、平成26年度は578人、平成27年度は400人程度の見込みで、合計28市町村で1000人近い健康推進員が育成されているということであります。
 平成26年2月議会では、この健康長寿日本一わかやまの書かれている長期総合計画の期限である、これは平成30年3月末まで日本一になるという目標を立てているけれども、本当にこれは達成できるのかと福祉保健部長に問いただしたところ、厳しい状況にありますという答弁とともに、「県としては、平成34年度を目途とした第3次健康増進計画において、少しでも目標に近づけるよう強い意志を持って取り組んでまいります」ということでした。つまり、平成35年3月末を目途に最大限努力するということでありますので、もちろんこの最大限というのは、私は日本一ということであると理解をしております。
 そして、県下30市町村のうち10市町村では、健康増進計画さえ策定されていないではないかと問いただしたところ、「未策定の市町村については速やかに策定を促してまいります」とのことでしたが、いまだに九度山町、高野町、すさみ町、串本町、古座川町、那智勝浦町、太地町、北山村の8町村が策定されていないようであります。
 平成27年9月議会では、今後、健康長寿日本一わかやまを実現させる別の手段として、他の自治体や企業、団体と競い合い、いわば腕を磨く意味で、厚生労働省の健康寿命をのばそう!アワードへの参加について本会議と福祉環境委員会で問いただしたところ、健康推進課長から参加しますと明確な答弁をいただきました。そこで、私は、参加するだけでは意味がないので、ぜひ最優秀賞をとるつもりで頑張ってほしいと力強く要望しました。
 このように、4年前から健康長寿日本一わかやまの実現に向け、いろいろと提案し、当局もその時々、大変誠意を持って取り組んでくれていることは高く評価し、感謝もしております。しかし、これだけではとても、健康寿命をのばそう!アワードで最優秀賞獲得は少し難しいだろうと思ったので、私なりに今後の取り組みについて考えたのが、お手元にありますこの「平成35年3月末『健康長寿日本一わかやま』の実現をめざして(案)」であります。
 これは当たり前のことでありますが、アワードで最優秀賞獲得だけを第一の目的とするのではなく、私は、健康長寿日本一わかやまの実現は、もっと急がなければならないと思っております。と申しますのは、2問目の質問とも関連いたしますけれども、これは、やはり初当選の平成15年以来ずっと訴え続けてきた、全国でもトップクラスの人口激減・超高齢先進和歌山県ゆえに、もっとスピード感を持ってこのことに当たらなければ、本当に和歌山県は人口が今後さらに急激に減少し、反対に高齢者が急増し、しかも、元気のない県民ばかりになるとますます活力のない県になってしまうのではないかと私は危機感を持っているからであります。
 それでは、具体的にどのようにしたらいいのか。一言で言って、主役である県民の皆さんに登場していただくしかないと私は思うんです。そのために考えたのが、お手元のこの資料の中の「『健康長寿日本一わかやま』メッセ&フェスティバル」の開催であります。
 ここに、毎年秋、和歌山市のオークワパームシティで健康推進課と果樹園芸課が中心となり開催しているわかやま食と健康フェアというチラシがございますが、私もここ3年、毎回出席し、じっくり見学、体験をさせていただいております。昨年で6回目になるということですが、毎年、県民の参加は1000人から2000人程度でありますが、これをもっとスケールアップした、大体その最低10倍、1万人から2万人規模とイメージをしていただければいいと思います。
 この構想を大体練り終わった先月10日に送られてきた来年度の新政策の中に、わかやま健康フェスタ(仮称)という項目がありました。今までこの健康長寿日本一わかやまについては、担当職員の皆さんに対してさまざまな提案をし、そして、その数値目標、期限、財源、事細かに何時間も議論をやってまいりました。今回初めて私と同じベクトルで方向性を持って動き出してくれたこと、私は大変うれしく思っております。
 これについて簡単に述べさせていただきますと、ごらんいただきたいんですが、これはもう私の言葉で大変恐縮なんですが、この二重丸、人口激減・超高齢先進和歌山県を日本一健康で長生きでき、人に活力がある県にするという趣旨で、平成35年3月末までに健康長寿日本一わかやまの実現を目指します。繰り返しますが、これは平成26年2月議会での福祉保健部長の御答弁をもとに設定をさせていただきました。
 メッセは見本市、フェスティバルは祭りですが、県を中心としたマニフェスト検証大会でもあり、年1度、例えばビッグホエールのような大きな会場でこれを行います。
 また、ここに書いてるマニフェストとは、数値目標、期限、財源まで設定することでありますけれども、それは狭い意味、狭義のマニフェストであり、もっと広義、広い意味で県民の皆さんが健康で長生きしていることを実感できることが第一であります。もちろん我々も含む96.4万人の県民自身が主役であると同時に、意識改革とともに行動変容もしていかなければなりません。
 そのために、一番下にあります県、市、町、村が政策の目標を毎年公表し、目標達成のために活動し、その評価を客観的にしつつ、また、来年1年間の目標を立て、さらに活動を強化していく。つまりPDCA、プラン・ドゥ・チェック・アクションサイクルを回し、NPO、ボランティア並びに県内企業、大学、各種団体の協力を得て、県民の皆さんが少しでも理解し、参加しやすいように進めてまいります。
 そして、この中には、運動、栄養、休養、社会参加、啓発教育、予防医療・介護、関連企業・団体、実践政策(県)など、また、ここに提示したもの以外でもどんどんこの趣旨に合えば参加してもらい、県民の皆さんに見ていただきながら、それらを活用して地域チャンネル、つまり各地域でのさまざまな活動を充実させながら、全員参加できるようにし、健康長寿日本一わかやまに向けともに活動していく、ざっとこのようなもんでありますが、あくまでもこれは私の案であります。
 しかし、これが本格的に動き出すと、国体ではありませんが、1つの課の日常業務の合間で行えるものではなく、県全体がかかわりつつ、専門の部局が必要になってくるかもしれません。しかし、それは後のことで、とにかく一歩前に出て、1人でも多くの県民の皆さんに参加していただくことが今は大事だと思います。
 そこで、仁坂知事に来年度の新政策であるわかやま健康フェスタ(仮称)について2点質問がございます。
 恐らく知事も私と同じ考えだと思うんですが、私はこのわかやま健康フェスタ(仮称)を単なるイベントに終わらせたくないんです。つまり、このイベント自体が県民の皆さんに意識改革と行動変容を起こさせるだけのインパクトがなければなりません。それだけに、県としては、さきに述べましたPDCAサイクルを毎年毎年バージョンアップさせ、精度を高めていかなければならないと思います。
 そこで、徹底的な情報公開、例えば先ほど紹介いたしました健康増進計画さえ立てていない町村名を公開し、その該当町村民の方にもお知らせをする、また、県が現在進めているラジオ体操や健康推進員の活動状況を徹底して各市町村あるいは自治会単位でも知らせていくといったことであります。そして、この情報を県民の皆さんとともに、つまり共有し、共鳴し、そして、ともに揺れる、共振しながらPDCAサイクルを休みなく回していくことが大事だと思いますが、仁坂知事のお考えをお聞かせください。
 次に、これは冒頭申し上げましたが、昨年の紀の国わかやま国体での天皇杯獲得、つまり男女総合優勝、日本一ということについてであります。
 ぜひ、このイベントのタイトルに「健康長寿日本一わかやま」という言葉を入れるべきだと私は心から思っております。そうでないと、ただの健康祭り、健康フェスティバルでは、「ああ、ええことやったな」で終わってしまいかねません。ぜひこの件について仁坂知事の力強い御決意をお聞かせいただきたいと存じます。
 以上2点について、あわせてお答えをよろしくお願いいたします。
○議長(前芝雅嗣君) ただいまの浦口高典君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 冒頭、浦口議員から、国体が終わりましたときの解団式、選手解団式の模様が披露されましたが、私が興奮ぎみにというところまでは全く真実でございますが、来年も優勝しましょうと実は言うてないのでございます。(「言うたと思うけどな」と呼ぶ者あり)ちょっと違う言葉で申し上げまして、この言葉でおっしゃったのは別の方でございます。
 全ての県民がともに支え合い、健やかで心豊かに生活できる活力ある社会を実現するために、平成25年度に第3次和歌山県健康増進計画を策定いたしました。この計画に基づきまして、草の根的な運動を進める健康推進員制度を創設し、運動習慣の定着、食生活や栄養に関する知識の普及など、生活習慣の改善に取り組んでおるところでございます。
 また、毎年度、医療関係者、学識経験者等の専門家を交え、計画の達成状況を評価し、総点検しながら対策の見直しを行い、その結果を公表し、実行してきたところでございます。このような取り組みを地道に行ってきたことから、昨年12月に厚生労働省が公表いたしました健康寿命については、和歌山県は男女とも前回より寿命が延伸し、全国平均値を上回り、順位も上がりました。
 さらに、やはりインパクトのあることをさらにしなきゃいけないということで、御指摘のように、健康に対する県民意識の高揚を図り、県民運動として健康長寿日本一わかやまを目指すために、このことを目指すためにわかやま健康フェスタを開催したいと思っております。
 このわかやま健康フェスタでは、県内の健康づくり関係者が一堂に会し、情報共有、発信するとともに、市町村における健康推進員や企業等の特色のある活動を紹介し、すぐれた取り組みに対しては表彰を行い、その普及に努めてまいりたいと思います。
 ただ、御指摘のように、公開をして、例えば余り熱心でない市町村をいわば辱めみたいな感じにして、それで思いを遂げるというのは、先ほどの新島議員にお答えしたとおり、私はあんまりそこまでの趣味はございませんで、それぞれの事情に応じてやっていただければいいというふうに思っております。気をつけてやっていきたいと思います。
 また、タイトルに「健康長寿日本一わかやま・わかやま健康フェスタ」というふうな感じでタイトルに入れろというお話でございますけれども、そういう目標を持って取り組む一環として御理解いただきたいと思います。
 ただ、以前の議会で浦口議員から、日本一どころか、余りにも如実に成績が悪いという指摘をがんがんいただきました。それは、実は事実でございましたんで、結構打ちひしがれました。その中で、タイトルにそのような名前を入れてやるという勇気は、ことしに関しては私、ありません。したがって、心に秘めてそういうことをやろうというふうに思っているというふうにお考えいただきたい、そんなふうに思います。
○議長(前芝雅嗣君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 知事、どうもありがとうございました。
 非常に奥ゆかしい、日本一というのを語るのは少し恥ずかしいということでありますが、ことしは、私もさっきも言いましたように、実は知事とも少し本当に内々というわけじゃないんですが、お話ししたように、私、来年、再来年度ぐらいにこのフェスティバル、メッセということを頭の中に描いてたんですけれども、ことし本当にこれをやっていただくということは大変私はうれしいことでありますし、先ほど来、私が力強く言ってますPDCAというのは、もう県庁の職員の方には大変よく御理解いただいてることでありまして、これは健康長寿ということだけではなしに、ありとあらゆる政策について、このPDCAサイクルを回すということはもうされていることは既に私自身、承知はしております。
 しかしながら、やはり、後ほど述べますけれども、これからの和歌山県の人口の減り方、それから高齢化の進み方を考えると、本当に一刻も早くこのことが県民の皆さんに浸透して、PDCAサイクルをぐるぐる回しながらみんなが立ち上がっていくというような県を私は本当につくっていかなければいけないと思っておりますんで、さらに県庁の皆さんにはPDCAサイクルをバージョンアップしていただくことをお願い申し上げます。これは要望でございます。
 それでは、2問目に移らせていただきます。
 昨年9月議会でも申しましたとおり、人口減少については、平成15年初当選の12月議会で初登壇したとき、取り上げたテーマがこの人口減少問題でありました。当時の木村知事は、もちろん和歌山県の人口減少が他府県より早く始まっているということは知ってはいたでしょうが、それほど気にとめていない様子でありました。
 しかし、一昨年に、元岩手県知事で総務大臣でもあった増田寛也氏が座長を務める日本創成会議が「地方消滅」という本の中で具体的に消滅可能性都市ということを発表した後、急激な人口減少問題がいろいろなところで取り上げられるようになり、政府も地方創生ということを大きく掲げ、和歌山県でも和歌山県長期人口ビジョンを策定し、和歌山県まち・ひと・しごと創生総合戦略を昨年の6月に発表いたしました。もう皆さん御存じのとおりでありますが、こういう冊子が配られてきたと思うんですが、これですね。(冊子を示す)
 そこで、この長期人口ビジョンについてじっくり見ますと、2060年、平成72年、つまりこれから44年後に、国は人口減少を現在の1億2000万人を1億人程度にとどめるということで、和歌山県もこのときまで何もしなければ50万人程度まで激減するということでありますので、それを何とか70万人程度まで確保するということです。
 しかし、平成22年の国勢調査をベースにした国立社会保障・人口問題研究所、いわゆる社人研の人口推計によると、これから24年後の2040年、平成52年には、和歌山県の人口は71.9万人になると言われています。また、先ほど御紹介した日本創成会議の試算では、東京の一極集中がこのままとまらなければ和歌山県は68万9000人になると推計し、既にこの時点、つまり2040年、平成52年に70万人を切ると言われております。
 お手元のこの平成22年度版人口ピラミッドを見ていただければ、これは6年前でありますから、現在67歳から69歳を迎える団塊の世代、また、42歳から44歳の団塊の世代ジュニア、さらに、17歳から19歳の団塊の世代・孫世代などの人数が極端に少なくなってきております。特にここでは詳しくは申し上げませんが、子供を産む女性の減少について、ぜひ注目をしてください。
 その上、人数の多い団塊の世代が平均寿命である──これは和歌山県の寿命ですが──男性79.07歳、女性85.69歳を境に確実に少なくなっていることを見れば、急激な人口減少が起こることは容易に想像できると思います。
 先日発表されました平成27年国勢調査の速報値では、和歌山県は昭和30年以来維持されてきた100万人を下回る96万3850人となり、しかも、人口減少率は全国でも6番目で、気象条件の大変厳しい東北4県、青森、秋田、山形、福島を除くと、高知県に次いで2番目ということになります。ちなみに、東北の岩手県は、和歌山県と同じ6番目の人口減少率であります。
 今定例会開会冒頭、知事から、平成28年度の新政策は、総合戦略の実現に向けて、少子化を食いとめるや安定した雇用を確保するなど、5つの目標を柱にさまざまな取り組みを進めていく旨の説明がありました。
 人口減少問題の対策についてはあえてここでは問いませんけれども、この和歌山県長期人口ビジョンの最後の11ページ目、下から4行目に「人口減少問題は、行政だけが頑張れば解決できるものではなく、全ての県民が同じ認識のもと、立ち向かっていくことが必要である」ということでありますが、この認識という言葉は、大変私は重いと思います。単に知らせるだけの告知ではなく──人口が減ってるよということを知らせるだけではなく──告知ではなく、認識は本当に一人一人がそのことをはっきり理解し、行動の基準として持っているということであります。
 果たして、どのようにしてこの急激な人口減少を周知徹底して県民の皆さんに認識してもらうのか、企画部長、お答えください。
○議長(前芝雅嗣君) 企画部長高瀬一郎君。
  〔高瀬一郎君、登壇〕
○企画部長(高瀬一郎君) 本県の人口は国全体と比較して20年以上も早く減少局面に移行しており、人口減少問題は本県にとって喫緊の課題であると認識しております。
 そのために、昨年6月に策定した和歌山県長期人口ビジョンにおいても、このまま人口の減少が続いた場合、地域経済の悪化やコミュニティーの崩壊による伝統文化の喪失、地域の移動手段の確保や社会保障制度の維持が困難になるなど、大変深刻な影響をもたらすことを盛り込み、その影響について、行政報告会や県広報番組、ホームページ等の広報媒体を活用し、またマスメディアにも積極的に取り上げてもらい、県民に繰り返し周知徹底しているところであります。
 今までもさまざまな対策を講じてきましたが、特に平成28年度は、人口減少の克服のために、昨年策定した和歌山県まち・ひと・しごと創生総合戦略で掲げた目標の達成に向けてスタートダッシュをかけるべく、これまでよりも踏み込んださまざまな新政策を打ち出したところであり、誰もが生き生きと暮らせ、元気を持続できる和歌山の創造に向けて精いっぱい取り組んでまいります。
○議長(前芝雅嗣君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 企画部長、どうもありがとうございました。
 実は、この急激な人口減少問題についてはまだまだ気がついたことが私はたくさんあるんですけども、きょうはこれぐらいにさしていただきますが、ぜひ皆さんもう一度、ちょっと余談も含めて、この人口ピラミッドを見てください。ごらんください。
 先ほどあえて詳しくは説明いたしませんでしたけれども、女性のこの一番下の産まれて3年間、ゼロ歳から3歳までですね。ゼロ、1、2というとこなんですが、この世代が団塊の世代に比べて3分の1ぐらいしかないんですね、人数が。
 この世代が子供を産む年齢層に達したとき、いわゆる合計特殊出生率が今現在、和歌山県は、非常にこれは近畿でも、いろいろ皆さんの御努力があって高くなっております。1.55ですが、これがもちろん1.55じゃ人数は減るばかりですけど、例えば人口を維持する2.07人を、いわゆる新生3年世代の方が2.07人産むということはどういうことかといいますと、私もこれ正直なとこ知らなかったんですけれども、合計特殊出生率というのは、女の方が全部結婚する、子供を産むという前提で2.07らしいんですね。
 実際に、結婚しない方、また、結婚しても子供を産まない方、産めない方がいらっしゃいます。それらの方は大体約2割ほどいるらしいんです。それで、実際に結婚して子供が産まれる方というのは8割ぐらいだそうですが、じゃあ本当に子供を今この時点で結婚して8割の方が産むとしたら、この合計特殊出生率がどうなるかというと、2.56になるんですね。
 つまり1夫婦で約3人、最低3人とは言いませんけども、3人ぐらい産む覚悟がないと、この人口、これだけ3分の1まで減った人口を保つことができない。それと同時に、団塊の世代が、これから大体13~14年から20年近くの間にだんだんだんだん、これ皆さん消えるというわけじゃないんですが、だんだんだんだん人数が少なくなっていくことは、極端に少なくなっていくことは、もうこれは火を見るより明らかでありますので、ぜひとも──私は特に趣味はないんですが、今、県の県政手帳がありますね。(現物を示す)ここに実はこれ全部載ってるんですよ。ここにこういう和歌山県の人口ということで、こういうところがありまして、暇あったら、私これずっと眺めてるんですね。
 なぜかというと、やっぱりこれ見てると、和歌山県の将来というのは大体どういうもんかというのがだんだんだんだん想像できるんですね。何も悲観的なことだとか、そういうネガティブなことを言ってるんじゃないんですが、これも地域によって極端に出てるところがあります。人口減少スパイラルというのは、だあっと起こってるんですね。
 この現実を見据えた上で、これはあくまでも県全体のことですから、各市町村なり、和歌山市の場合、42の連合自治会がありますから、各連合自治会単位で、もし御興味があればずっと見て、こういう形で人口ピラミッドをつくれば、つくっていただいてじっくり見ていただければ、その地域の将来が、私、見えてくるんではないかと、そのように思っておりますので、これは御参考までに申させていただきます。
 よろしゅうございますか。議長。
○議長(前芝雅嗣君) この際、申し上げます。
 再質問でない限りは、もうその場で挙手をせずに、そのまま続けてください。
○浦口高典君 わかりました。済みません。
 それでは、3番目、最後の質問をさせていただきます。
 3番目に、JR和歌山駅中心コンパクトシティーについて。これなんですが、これは平成26年9月議会で初めて質問をいたしました。
 そこには、急激な人口減少社会に入っていく中で、地方の1つの生き残り策として、地域拠点都市という考え方に立ち、人口の他府県への流出を防ぐダム機能を備えた都市をつくっていくということ、それが和歌山県では和歌山市であり、その和歌山市でも今後人口が急激に減少し、高齢化がさらに進んでいく中で、公共交通機関の起点となるところが非常に大事であるということで、JR和歌山駅を中心としたコンパクトシティーづくりについて提案をいたしました。
 それに対して県土整備部長は、「JR和歌山駅周辺のまちづくりにつきましては、平成23年度に、和歌山市やJR西日本和歌山支社など、周辺企業を含む6団体で構成されたJR和歌山駅前活性化協議会が設置されており、今年度から県も都市再生の実現に向けて積極的にかかわっていくために、県土整備部、企画部、商工観光労働部も正式メンバーとして参画したところです」と大変勇ましい答弁をいただきました。
 また、「今後とも市──もちろんこれは和歌山市ですが──市とも協議会などの場も活用して、鉄道事業者を初めとする民間事業者への働きかけを行い、駅周辺の活性化や県都和歌山市の都市再生に取り組んでまいります」という力強い答弁もいただきました。
 さらに、平成27年2月議会で再度、JR和歌山駅を中心とした町なか活性化によるコンパクトシティーの実現に向けた都市政策をどのように考えるのかと県土整備部長に問いただしたところ、「県としましては、今年度から県土整備部、企画部、商工観光労働部がJR和歌山駅前活性化協議会に参加するとともに、市、JR西日本と県との3者により情報の共有や意見交換を行う場を設け、事業の具体化が図られるように取り組んでいるところです」ということでしたが、あれから1年、具体化が図られるように、また、1年半前には県も都市再生の実現に向けて積極的にかかわっていくということでしたが、そのJR和歌山駅前活性化協議会や、和歌山市、JR西日本と県との3者による意見交換会を行う場で、どのように具体化が図られ、また、都市再生の実現に向けて積極的にかかわった結果、何がどのように実現への道筋がつけられたのでしょうか。県土整備部長、御答弁ください。
○議長(前芝雅嗣君) 県土整備部長野尻邦彦君。
  〔野尻邦彦君、登壇〕
○県土整備部長(野尻邦彦君) JR和歌山駅は、大阪方面、奈良方面から県南部へつながる鉄道のターミナル駅として、また、多くのバス路線の発着点として人流、物流が集まる重要な交通結節点であるとともに、和歌山県経済の中心の1つとして、町なかの活性化を図っていく上で重要な拠点であると認識しております。
 急激な人口減少と超高齢化社会の到来に際しては、都市の外縁部への拡大をとめて、既存市街地などの拠点の再開発を行うなどにより、コンパクトな町なか居住を進めていくことが重要であると考えます。
 こうした観点から、現在、和歌山市では、都市機能や居住機能を計画的に誘導し、コンパクトなまちづくりを実現するため、立地適正化計画の策定に取り組んでいるところであり、県としましても必要な支援を行っているところでございます。
 JR和歌山駅周辺のまちづくりにつきましては、議員御指摘のJR和歌山駅前活性化協議会や、和歌山市、JR西日本と県との3者による意見交換の場においては、再開発事業の具体化には至っておりませんが、知事からは、和歌山城周辺のまちづくりとあわせて検討の加速化を指示されているところであります。
 まちづくりについては、本来、市が主体となって進めるものでありますが、県としましても、再開発事業の必要性があることから、でき得る限り支援するなど、今まで以上に市と連携しながら取り組んでまいります。
 なお、平成28年度からは、JR和歌山駅前の友田町4丁目地区において、商業、医療、居住機能などから構成される市街地再開発事業を実施することとなっており、この事業を契機に周辺地域が活性化され、JR和歌山駅を中心としたコンパクトシティーの形成が推進されるものと考えてございます。
○議長(前芝雅嗣君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 県土整備部長、どうも御答弁ありがとうございました。
 JR和歌山駅前活性化協議会や和歌山市、JR西日本と県との3者による意見交換の場において、現在のところ再開発に関する事業の具体化には至っておりませんということですが、先ほどもこれ私、質問でしましたように、ここで、同じこの議場で、勇ましく、力強く、参加するその意気込みを語っていただいたのは県土整備部長でありますし、また、そのとき都市再生の実現に向けて積極的にかかわって、具体化が図られるように頑張ってくださいと私のほうも言わせていただきました。
 今の友田町4丁目地区の市街地再開発事業ということについては、決してこれは降って湧いたとは言いませんけれども、たまたまというか、いろいろ話を聞いてると、こういうことをやりたいというとこがあったそうですね。
 それは決して、それはそれで悪くないんですが、私が言いたいのは、これだけ、先ほど来言ってるように、私自身がこの10数年間、非常に肌で感じる、和歌山市においてさえそうですが、この人口減少ということ、それから、高齢化の進みぐあい、少子化、これはもう当たり前と言ったら当たり前ですけども、これが他府県に比べてどんどん進んでいるところの中で、やはり強いリーダーシップを持って、もちろん事業主体というか進めるのは市でありましょうが、県もそれを後押しするようなリーダーシップを持っていただいて、何としても県民の皆さんに希望を持っていただける地域づくり、都市づくりをぜひともよろしくお願いを申し上げまして、私の今回の質問とさせていただきます。御清聴、ありがとうございました。
○議長(前芝雅嗣君) 以上で、浦口高典君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後2時38分散会

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