平成27年12月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(岩井弘次議員の質疑及び一般質問)


平成27年12月 和歌山県議会定例会会議録

第5号(岩井弘次議員の質疑及び一般質問)


汎用性を考慮してJIS第1・2水準文字の範囲で表示しているため、会議録正本とは一部表記の異なるものがあります。

正しい表記は「人名等の正しい表記」をご覧ください。

 質疑及び一般質問を続行いたします。
 29番岩井弘次君。
  〔岩井弘次君、登壇〕(拍手)
○岩井弘次君 おはようございます。
 議長より発言を許されましたので、通告に従いまして、順次質問をさせていただきますが、その前に、きのう、御近所の御夫人とお会いすることがありまして、その御夫人が、ぜひ仁坂知事さんに伝えておいてくださいというお言葉がありました。
 実は、その御夫婦は、月に1回ぐらいのペースで映画を見に行くそうなんです。今回、私の事務所の前に「海難1890」のポスターを担当課のほうからいただいて、張ってるんですけども、それを見てジストシネマのほうに行って、御夫婦で見てこられたと。非常に感動しました、もう涙なくしては見れない、それを子供さん方にも見せるんやってねというお話がありまして、もうすばらしいお金の使い方や、知事さんにぜひお伝えくださいとありましたので、前段で、しょうもないと言ったら怒られますけども、そういう──しょうもないことないんですね。
 私自身も、まだ試写会に行けてませんので、ぜひきょうまでに見て、きょうは登壇したいと思ったんですけども、なかなか時間がなくて見れないんですけども、必ず見て、また家族と一緒に見に行きたい、このように思ってございます。申しわけございません。
 それでは、本題に入らせていただきます。
 まず初めに、深刻化している人口減少問題について伺います。
 我が国の人口は、戦後一貫して増加してまいりましたが、長期的な少子化を反映して、2010年の約1億2806万人をピークに減少に転じ、日本社会はこれから先、人口が減り続け、約40年後の2048年ごろには1億人を下回るということが予測されています。これは、毎年平均して約70万人の減少が伴う、これまでに経験したことのない激減です。
 本県においても、全国に先んじて少子高齢化が進んでおり、長期人口ビジョンによりますと、1985年の約108万7000人をピークに減少に転じました。1995年には、経済対策に伴う公共投資の増加や阪神・淡路大震災の影響による一時的な転入超過があったものの、その後は減少が続いており、直近2015年4月1日時点の県推計人口は96万6000人で、戦後間もないころの人口と同程度まで減少しているとのことです。
 また、国立社会保障・人口問題研究所、いわゆる社人研の将来推計人口では、2040年における和歌山県の人口は約72万人になるとしています。この推計をもとに、県は2060年には2010年の人口のおおよそ半数に当たる50万人まで激減すると予想しております。
 国において、まち・ひと・しごと創生総合戦略が平成26年12月27日に閣議決定され、地方自治体においても、国が策定した総合戦略等を勘案して地方版総合戦略等を策定し、実行するよう努めることとされ、本県でも和歌山県まち・ひと・しごと創生総合戦略が策定されました。
 その中で、地方創生の実現の基本目標には、全国に先んじて少子高齢化が進んでいる和歌山県において、人口構造を大きく変えるには相当の時間が要することから、当面、人口減少は避けられない、こうした状況のもと、本県では、和歌山県長期人口ビジョンを作成し、2060年の県人口を70万人程度とする中長期展望を示しております。そして、その目標に向けて最初の5カ年における具体的な取り組みをまとめ、5つの基本目標を設定し、取り組みを戦略的に推進することとしたとしております。
 その基本目標は、「安定した雇用を創出する」、「和歌山県への新しい『人の流れ』を創造する」、「少子化をくい止める」、「安全・安心な暮らしを実現する」、そして、「時代に合った地域をつくる」の5つが上げられております。人口の減少に歯どめをかける施策として、どれ一つ欠かすことのできない重要課題であります。今回は、それらの中でも「少子化をくい止める」、特に子供を産み育てやすい環境づくりについて何点かお聞きしたいと思います。
 この総合戦略の中で、「人口減少を抑制するには和歌山県で産まれ育つ子どもを増やしていくことも重要である。未婚化・晩婚化が進む中、結婚や子育てを前向きに捉えてもらうよう働きかけるとともに、結婚・妊娠・出産・子育てまで切れ目のない支援を展開するなど、産み育てやすい環境の整備をさらに推進し、超長期的に人口が維持できる水準に近づける」としています。人口減少の原因は、転入者より転出者が多い、そして、産まれる子供より亡くなる方のほうが多いという単純な構図であります。
 和歌山県において、平成26年4月1日から平成27年3月31日まで1年間の国外も含む県外からの転入数は1万3049人で、一方、転出数は1万6270人となっており、結果、3221人の転出超過であり、社会増減は平成8年以降20年連続のマイナスとなり、減少幅も前年に比べて拡大しております。
 転入、転出など社会増減の状況における地域別移動状況については、東京圏、中部、関西などの大都市圏への転出が超過となっており、中でも近隣の関西への転出が圧倒的に多くなっております。
 社人研の都道府県別総人口の増加率及びその予測を見ても、和歌山県は2010年から2015年の5年間でマイナス4.1%、近畿ブロック平均のマイナス1.4%と比べて非常に悲しい数字があらわれております。先々の予想を見ても、常に突出したマイナス数値が予測されております。
 国全体として構造的な少子化が続き、人口が減少することは避けられません。近畿圏内においても、当然、各自治体は対策を講じ、必死の決意で取り組んでいるかと思います。進学や安定した就職に関する対策や住みやすさのアピールなども大変重要です。そして、それらを踏まえた上で、やはり「ふるさとは和歌山」と言える子供を1人でも多くしていくことが大切なのではないかと考えます。
 私も、進学で4年間、東京で生活をいたしましたが、確かにおしゃれですし、便利ですし、何もかもが和歌山よりすぐれているように思います。また、現在の──現在も過去もないんですが──現在の妻とも東京で知り合い、結婚をいたしました。でも、ふるさと和歌山へ何としても帰りたいという思いが強くありました。やはり生まれ育ったまちですから。
 人口減少に歯どめをかけるということに関して、子供を産み育てやすい環境整備として、乳幼児等医療費助成制度の拡充は非常に重要かと考えております。このことは、これまでにも先輩議員により議論されてきましたが、御容赦くださいますようお願いいたします。
 本年9月10日、和歌山市において、公明党として多くの方の御協力をいただき、通院費の無料化を中学校卒業まで引き上げていただきたいと10万1492名の署名を尾花和歌山市長に提出させていただきました。
 和歌山市では、現在、入院については中学校卒業まで、通院については小学校就学前までが助成されています。県下の全ての市町村においても助成制度を設けていますが、それぞれ対象年齢や審査基準等においてばらばらであります。
 県は、現在、この制度に対して小学校就学前まで助成しています。ですから、対象外年齢については、各市町村が負担しているということになります。これまでの県負担の拡充を求める声に対して、病気が重症化しやすい年齢の範囲内で、かつ各市町村の子育て支援に対して特色を生かした施策が重要であるといったお考えかと判断しております。
 確かに、子供を産み育てやすい環境づくりには、さまざまな角度からの支援施策があることは認識しております。先ほども申しましたが、全体的な人口減少、少子化という問題について、近隣の各府県もあらゆる手段を講じて取り組んでおります。何か突出したというか、差別化を図らなくてはならないのではと考えるのです。
 卑近な例で恐縮ですが、私の娘も結婚し、配偶者の勤務先の関係で和歌山市から移り住む際に、そこの子供の医療費が何歳まで無料になっているのかということも決定した大きな理由の1つだったと言っておりました。わかりやすいんです、子育てに優しいまちかどうかを判断するということにおきまして。
 少し角度を変えまして、乳幼児医療助成事業に係る国庫負担が減額される、いわゆる国保のペナルティーの制度があります。そして、平成30年には国保の財政運営が都道府県単位になるわけですから、そういった面も課題となるのかもしれません。
 このことにつきまして、本年2月18日、我が党の山口代表の本会議質問から3月17日の参議院予算委員会における西田実仁議員の質疑により、乳幼児医療助成事業に係る国庫負担が減額される、いわゆる国保のペナルティー制度について、国はやっと検討会を立ち上げて議論を行うこととなったとお聞きしました。昭和59年からずっと続けられたこの制度ですが、公平の観点からやむを得ない制度と言い続けられてきましたが、やっと見直しの作業が開始されるようです。
 今回の動きは、山口代表が地方創生の観点から議論を開始し、地方において人口減少問題に真っ正面から取り組むとして、各自治体に地方版の人口ビジョンや総合戦略の策定を求めていながら、乳幼児医療の助成制度を行えば国庫負担金が減らされるということは理論的に矛盾している、ましてや、地方創生の新たな交付金は子供の数が多い自治体を評価して配分するということまで言っているわけですから、いわゆる股裂きの政策立案となっているのではないかと言及しました。
 これに対し、厚生労働大臣は、少子高齢化が進行する中、子育て支援、地方創生、地域包括ケア等の幅広い観点から検討する場を設け、関係者を交えて議論すると明言したそうでございます。
 我が党においても、社会保障制度調査会の中に子供の医療等検討小委員会を立ち上げて検討を進めていくこととしております。困難な課題ではありますが、平成30年には国保の財政運営が都道府県単位になるわけですから、見直しをするチャンスと捉え、時代に対応した新たな制度になるよう見直しを進めていくことを目指していくとお聞きしました。
 以上のことを踏まえ、本県では乳幼児等医療費助成制度の拡充が必要な施策と考えますが、この点について今後のお考えを福祉保健部長にお伺いいたします。
○議長(前芝雅嗣君) ただいまの岩井弘次君の質問に対する答弁を求めます。
 福祉保健部長幸前裕之君。
  〔幸前裕之君、登壇〕
○福祉保健部長(幸前裕之君) 少子化が進行する中、子育て世帯の経済負担の軽減を図ることは重要な課題であると考えています。
 乳幼児医療費助成制度につきましては、免疫が少ないため病気にかかりやすく、また病気にかかった場合に重症化しやすい乳幼児を対象に、早期に医療機関で受診してもらえるように自己負担分を無料にしたものであり、乳幼児医療費の支給をする市町村に対して補助をしているものであります。
 近年、市町村が対象年齢を拡充していることや少子化対策の中での国の動向については県も承知しているところですが、乳幼児医療費助成制度は、ベースになる部分は県が下支えをし、対象年齢拡大等の上乗せの部分については、市町村がそれぞれの地域の実情に応じ、施策の特色を出すために実施しているものであると考えております。
○議長(前芝雅嗣君) 岩井弘次君。
  〔岩井弘次君、登壇〕
○岩井弘次君 ただいま乳幼児等の医療費助成についてお答えいただきました。
 非常に大切な施策だと思います。いろいろな状況はあるかと思いますけども、ぜひ平成30年をチャンスと──その部分はあんまり関係ないとおっしゃられると思うんですけども、ぜひ重要課題だと思いますので、和歌山で生まれて育ち、またこのまちに住み続けたいと願う子供や若者たちが多くなるよう、また、それを支えている市町村に対して手厚い下支えとなるような施策を講じていただけるよう、強く要望させていただきます。
 続いて、子育て支援について重要と考えております子育てしやすい職場環境づくりについてお伺いいたします。
 内閣府の共生社会政策担当が行った家族と地域における子育てに関する意識調査報告書によりますと、20歳から49歳までの既婚者の方からの意識調査では、希望する子供の人数を聞いたところ、2人という回答が53.8%で最も多く、次いで3人が26.9%、平均の希望人数は2.2人となっています。
 今さらですが、人口の増減は出生、死亡並びに人口移動によって決定されます。仮に移出入がないとすると、長期的な人口の増減は出生と死亡の水準で決まることになります。そして、ある死亡の水準のもとで人口が長期的にふえも減りもせずに一定となる出生の水準を人口置換水準──置きかえとも読むそうですけども──と言います。
 例えば、現在の我が国における死亡の水準を前提とした場合、合計特殊出生率の人口置換水準は、おおむね2.07となっています。本県の合計特殊出生率は1.55、国の出生率は1.4前後を推移し、約40年間、人口置換水準を下回りながら低下を続けております。まさに、その結果として日本の人口は減少しております。
 さきの意識調査報告書において、今後、子供を持つ場合の条件として一番多かった回答は、「働きながら子育てができる職場環境であること」で、女性が62%、配偶者いわゆる男性で56.4%となっています。その他、「教育に余りお金がかからない」、また「健康上の問題がない」、そして「雇用の安定」など年代によって違いはありますが、このような回答が挙げられております。また、特に女性の回答で多いのが「配偶者の家事・育児への協力が得られること」であります。
 一方、総務省の労働力調査などによりますと、1997年以降、共働き世帯が専業主婦世帯数を上回り、その後、共働き世帯は増加する傾向にあります。しかしながら、2011年の社会生活基本調査によりますと、共働き世帯における女性の1日の育児を含む家事などに従事する時間は4時間53分なのに対して男性は39分で、女性の約8分の1にすぎません。
 何も男性を責めるつもりもありませんし、家庭によってさまざまな事情もあるかと思います。しかし、共働き世帯にとって子供を産み育てることの障害となり得る状況ではないのかと思います。
 県が策定したまち・ひと・しごと創生総合戦略の中においても、子育てしやすい職場環境づくりに係る項目を掲げておりますが、仕事と家庭の両立、いわゆるワーク・ライフ・バランスを進めるためにも、企業において子育てしやすい職場環境づくりを進めることが必要と思います。
 そこで、県ではどのような取り組みをされているのか、商工観光労働部長にお伺いいたします。
○議長(前芝雅嗣君) 商工観光労働部長藤本陽司君。
  〔藤本陽司君、登壇〕
○商工観光労働部長(藤本陽司君) 子育てしやすい職場環境づくりを進めるためには、経営者の理解と意識改革が重要であると認識しております。そのため、県では、企業のトップや人事労務担当者に対する普及啓発セミナー、経済団体等への出前講座、労働局と連携した企業訪問などを行い、仕事と家庭を両立できるよりよい職場環境づくりに向けた取り組みを働きかけるとともに、育児休業給付金や両立支援に関する助成金等を活用するよう案内を行っております。
 また、専用ホームページを作成し、職場環境づくりに積極的な企業の実践例を紹介するとともに、社会保険労務士を派遣して必要な助言を行うなど、企業が実情に応じた取り組みを推進できるよう支援しているところです。
 さらに、啓発強化のために現在作成しているリーフレットも使って、職場環境づくりの取り組みを一層促進してまいります。
○議長(前芝雅嗣君) 岩井弘次君。
  〔岩井弘次君、登壇〕
○岩井弘次君 お答え、ありがとうございます。私も子供2人おりますが、もう成人して旅立っておりますけども、余り私も、家事に対して男性がどうのこうのと言える、そういう子育てに、妻に協力したというあれがないので非常に反省しておるんですけども、社会情勢も変わってきておりますし、ぜひ職場のほうでそういう働きながら仕事がしやすい、特に女性に対して、そういった今御答弁いただいたような部分にぜひ力強く取り組んでいただきますように要望させていただきます。
 それでは、次に、空き家対策についてお伺いいたします。この件につきましても、これまで先輩議員が鋭い考察で議論されておりますので、私なりの角度で質問させていただきます。
 総務省による住宅・土地統計調査におきまして、2013年時点での人が住んでいない住宅は約820万戸、全住宅の13.5%を占め、その戸数は今後さらに増大していくことが予測されます。
 統計では、空き家は4つの種類に分類され、2次的住宅、賃貸用の住宅、売却用住宅、そして、その他の住宅という4種類です。その構成比を見ますと、賃貸用が52%で最も多く、次いでその他の39%で割合が高くなっています。セカンドハウスなどの2次的住宅は5%、売却用は4%にすぎません。
 地域環境の不安定化要因となりやすいのは、その他の空き家です。これらは、利用目的が明確ではなく、放置されている場合も少なくありません。2013年のデータによりますと、腐朽、破損のある住宅の割合は、その他の空き家のうち33%に及んでおります。
 また、国土交通省が2015年10月26日に開いた社会資本整備審議会住宅宅地分科会によりますと、820万戸のうち約320万戸がいわゆるその他の空き家で、過去最高を更新しています。そして、320万戸のうち1981年施行の耐震基準を満たし、屋根のゆがみや柱の傾き、土台の腐食などがなく、簡単な手入れで使用が可能な健全物件は約103万戸、さらに絞り込んだ利便性が高いと言われる最寄りの駅から1キロ圏内にある物件は48万戸となっております。
 現在、このように分類された空き家の利活用とともに、放置されたままの倒壊の危険性がある物件等、いわゆる特定空き家の除却が課題となっています。県においては、平成24年に建築物等の外観の維持保全及び景観支障状態の制限に関する条例、通称・景観支障防止条例を可決、成立しております。この条例は、著しく劣悪な景観により県民の生活環境が阻害されることを防止するため、建築物が廃墟化するなど景観上支障となることを禁止し、そのような廃墟については周辺住民からの要請をもって除却などの措置が可能となることを定めております。
 和歌山市では、独自で空家等の適正管理に関する条例を2013年に制定、施行し、それぞれ観点は違いますが、目的はほぼ同じかと思います。また、活用できる空き家については、平成27年8月にわかやま空き家バンクを開設し、過疎対策やその利活用に資する施策も行われております。
 私も、時折住民の方から、放置され危険な状態の空き家について相談されることがありますが、建物の老朽化がひどく、解体するほかないような場合、その費用負担が解体撤去の大きな妨げの1つになっているように思います。
 そこで、県土整備部長にお伺いしますが、県下市町村において特定空き家等の除却対策の状況はどのようになっておりますか。また、その解体費用の補助制度の普及について、どのように取り組まれておられますか。あわせてお答えください。
○議長(前芝雅嗣君) 県土整備部長野尻邦彦君。
  〔野尻邦彦君、登壇〕
○県土整備部長(野尻邦彦君) 空家等対策の推進に関する特別措置法が本年5月に施行され、市町村は、特定空き家等については、所有者等に対し、除却や修繕等の必要な措置をとるよう助言、指導、勧告、命令することができることとなりました。
 除却対策の状況につきましては、現在までに県内2市町が5戸を特定空き家等として所有者等に除却等を指導しているほか、19市町が279戸に適切な管理を行うよう助言し、そのうち28戸は既に自主的に除却等の措置が講じられているところでございます。
 また、空き家対策を進めていくためには空き家の実態を把握することも重要であり、県内市町村のうち8市町が今年度に国の交付金を活用するなどして調査に取り組んでおり、来年度は新たに11市町村が調査を実施する予定となっています。
 空き家の除却に関しましては、居住環境の整備改善を図るため、空き家を除却する者に補助を行う空き家再生等推進事業の制度があり、昨年度から和歌山市が活用しているところですが、他の市町村でも活用されるよう、各振興局単位で市町村の実務担当者に対する説明会を実施するなど、周知に努めているところでもございます。
 県といたしましては、空き家の除却対策が一層推進されるよう、引き続き市町村とともに取り組みを進めてまいります。
○議長(前芝雅嗣君) 岩井弘次君。
  〔岩井弘次君、登壇〕
○岩井弘次君 ありがとうございます。やはり個人財産でもございますし、公金補助等には法的な課題もありますし、また、更地になることによる税制面での負担増というのもあります。しかし、今後ますます増加することが予想されます。地域社会の危険要因になるおそれもあることから、何かしらの対策が必要になってこようかと思います。
 また、空き家の所有者の中には、遠隔地に住んでいるなど、さまざまな事情で維持管理や処分、利活用について悩んでおられる方も多いと思いますので、しっかりと対応していっていただきたいと要望させていただきます。
 それとあと、解体費用なんですけども、最近、銀行によっては空き家解体サポートローンとかといって、低金利でお借りできるということもあると、そういう銀行があるというふうにお聞きしておりますし、また、地元金融機関でもかなり安い目の利用しやすいローンもあるというふうにもお聞きしてもおりますけども、何分住宅ローンのように2%前後といった低い金利ではないので、そういった解体のための、それに特定したそういうローンが今、設定も、そういう金融機関も出てきております。
 そういった部分も踏まえて、また、いろいろと県下の金融機関のほうへも、民間ですから難しい面もあるかと思いますけども、そういったこともまた要望、働きかけしていただけたらなというふうにも思ってございます。よろしくお願いします。
 それでは、最後にクルーズ船の誘致について伺います。
 和歌山市では、個性あふれる観光都市を目指し、昨年秋の和歌山デスティネーションキャンペーンのPR効果が続いていること、また関西国際空港発着便が増加していることなどの機会を捉え、外国人観光客の誘客活動強化など、県や周辺自治体、民間企業と協調して官民一体となった観光施策を推進することとしています。
 また、和歌山市内には、環境省の快水浴場百選に選ばれた片男波海水浴場を初めとする5つの海水浴場があり、サーフィンやヨットなどが楽しめるすばらしい観光資源を有しております。この貴重な観光資源を利用して、マリンスポーツや海岸沿いでのサイクリングなど体験型観光の推進に努め、マリンスポーツ王国を目指すとしています。こういった和歌山市の観光施策が具体的な結果に結びつくよう、県としても和歌山市とよく協調して情報発信や共同事業を実施していただきたいと思います。
 さて、私は、海を生かした観光振興の1つとしてクルーズ船の誘致が効果的ではないかと考えています。船旅は、他の交通手段と違って、時間とお金に余裕を持った方が選択するケースが多いのではないかと思います。そういった方を本県にたくさん誘致することができれば、広域的な観光や地域での消費にもつながるかと思います。
 地域での消費と申しますと、和歌山下津港に近い中央卸売市場について、観光機能を持った施設として再整備を検討していくと和歌山市が発表しております。こうした施設を有効に活用していくためにも、クルーズ船の誘致を積極的に進めていただきたいと考えますが、商工観光労働部長の御見解をお伺いいたします。
○議長(前芝雅嗣君) 商工観光労働部長。
  〔藤本陽司君、登壇〕
○商工観光労働部長(藤本陽司君) 議員御指摘のとおり、クルーズ船の誘致は、海を生かした本県観光振興の大きな要素の1つと捉まえています。
 まず、国内クルーズ船の誘致でございますが、船会社、旅行会社を訪問し、寄港及び県内オプショナルツアーの造成の働きかけを行っております。こうした活動の結果、ことしは和歌山下津港に日本最大のクルーズ船「飛鳥Ⅱ」が2回寄港し、県と和歌山市で提案したコースをもとに多くのお客様に高野山や和歌山市内などへオプショナルツアーを実施していただきました。
 今年度は、12月現在で、「飛鳥Ⅱ」を含め県内の港湾に国内クルーズ船12隻が寄港し、過去最多約5700人のお客様をお迎えすることができました。ただ、全国的には決して多い回数とは言えず、今後とも旅行会社、客船運航会社に対して積極的かつ継続的な誘致活動を行ってまいります。
 次に、外航クルーズ船の誘致でございますが、国内外で開催される商談会に参加して寄港を働きかけているほか、訪日クルーズの客船運航会社等へのプロモーションの実施、クルーズ観光情報のウエブサイトによる情報発信などを行っております。
 また、受け入れ環境整備として、多言語案内表示やWi-Fi環境、トイレ整備など、快適かつ安心して旅行していただける環境づくりに取り組んでおります。
 来春には、新宮港に国内クルーズ船「にっぽん丸」「飛鳥Ⅱ」、外航クルーズ船「ル・ソレアル」が寄港を予定しております。
 今後とも、県内の港湾に多くの国内外のクルーズ船が寄港し、観光振興や地域経済の活性化に結びつくよう、地元自治体とも連携してまいります。
○議長(前芝雅嗣君) 岩井弘次君。
  〔岩井弘次君、登壇〕
○岩井弘次君 御答弁ありがとうございます。2日ほど前でしたか、新聞に外国クルーズ船で日本に入国した外国人が初めて年間100万人を突破した──博多港でしたか──との報道がされておりました。
 クルーズ船での訪日外国人は、一昨年が17万4000人、昨年は41万6000人、そして、ことしは100万人超えと急増しております。国の計画より5年早くクルーズ船100万人時代が到来したとお聞きしました。
 船旅は、宿泊代の節約という面から、また、旅費が比較的安価で、荷物も多く積んで帰れるといったことからも、ことしの流行語大賞にもなりました爆買いも期待されます。ぜひウオーターフロントの活性化のためにもお取り組みいただきますよう要望させていただきまして、私の一般質問を終了させていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○議長(前芝雅嗣君) 以上で、岩井弘次君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前11時30分休憩
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