平成27年12月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(中村裕一議員の質疑及び一般質問)


平成27年12月 和歌山県議会定例会会議録

第5号(中村裕一議員の質疑及び一般質問)


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  午前10時0分開議
○議長(前芝雅嗣君) これより本日の会議を開きます。
 日程第1、議案第152号から議案第186号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第2、一般質問を行います。
 16番中村裕一君。
  〔中村裕一君、登壇〕(拍手)
○中村裕一君 おはようございます。本日は、4点にわたり質問をいたします。
 まず、医大入学地域枠の見直しについて伺いたいと思います。
 平成16年に新医師研修制度が導入されたことにより、医師不足が加速し、地方では公立病院までが閉鎖されるなど、大きな社会問題となりました。その結果、平成20年から全国の医師不足地域の医学部入学定員が増員され、卒業後、一定期間を過疎地で勤務することを条件に入学させる地域枠が設定されました。
 本県県立医科大学でも入学定員が40人増員され、そのうち県内高校から推薦入学する地域医療枠に10人、全国どこからでも応募できる県民医療枠に20人の合計30人の地域枠を設定し、卒業後9年間、医師不足地域の公立病院で勤務することを入学条件にいたしました。そして、昨年春には第1期が卒業し、現在、研修中と聞いていますが、早期に地域医療で活躍されるよう期待しています。
 さて、この制度は、県立医大の医局の持ち駒となる若手医師が増加することで、地域医療の中核をなす公立病院の医師不足を解消し、地域医療を充実させることができる大変有効な政策です。しかし、義務年限は9年間で、それを過ぎれば原則的にどこへ行こうと勝手です。
 そこで、私は、地域枠をもっと厳格に運用し、医師不足地域の子弟を優先的に入学させるべきだと主張してきました。地元出身の学生であれば、9年間だけではなく、その後も残ってくれる可能性が高いと考えるからです。この考えに対して、県当局や県立医大からは、入学試験の平等性や、入学点数が低いと医学教育にはついてこれないとの否定的な回答がありました。
 私は、入試の公平性確保よりも、大阪には医師を派遣しながら、県内では医師不足のため県民が適切な医療が受けられないことのほうが不公平だと思います。そんなことを言ってるのは私だけだと思っていましたが、全国の医学部の地域枠の中身を吟味したところ、三重大学と島根大学の両医学部が、医師不足の地域の子弟に限定して推薦入学させていることを知りました。
 そこで、去る11月17日に三重大学医学部の堀浩樹教授には秋月議員とともに、30日に島根大学医学部の谷口栄作教授には岩田議員とともに面談してまいりました。百聞は一見にしかずと申しますが、短時間ながら率直にお話を伺うことができました。
 両大学とも、医師不足の地域出身で、将来的に地域医療に貢献することを約束した学生を地元の市町村長や病院、高校の推薦で入学させておりますが、6年間の医学教育では、決して学力で劣ることはないということでした。特に島根大学では、平成18年から県内の医師偏在を理由に地域枠を設けていたそうで、地域枠の卒業生が既に医師不足地域で活躍しているとのお話でした。
 また、入学試験の公平性は問題になることはなく、学内はもちろん、文科省もよく理解してくれたそうで、三重大学では地域枠を全学部に導入するほか、和歌山大学教育学部でも来年度入試から紀南枠を設けるそうです。今や、地域枠は医学部以外でも全国的な潮流になりつつあります。
 島根大学の谷口教授から教えていただいた広島大学・松本教授らによるレポート「エビデンスに基づく地域医療教育」によると、医師の僻地就労を促進する因子として、医師自身が僻地出身であること、プライマリーケアに関連する総合性の高い診療科を標榜していること、僻地医師養成プログラム出身であること、卒後早期の僻地診療経験などを挙げています。特に、僻地出身者の医学部入学は世界的に効果が確認されており、WHOも政策ガイドラインにおいて最もエビデンスレベルの高い推奨項目としています。自治医大の卒業生データでも、僻地市町村出身者が義務年限後の僻地で勤務する率は、都市部出身者の2倍であることが確認されています。
 そもそも、本県の医師不足の原因が医師の偏在であることは皆さん御承知ですが、私は、医師偏在の原因は医学部入学者の偏在にあると確信しており、医学部入学者の偏在を正さずして医師不足の解消はないと考えています。それゆえに、地域医療枠を県内高校出身だけに緩めておくことは、かえって偏在を助長することになりかねません。県立医大でも、地域枠の一部に僻地など医師不足地域の子弟を入学させる推薦入学制度が創設できないものでしょうか。
 また、せっかく県立医大の定員が60人から100人にふえても、県内出身者が余り増加していません。入学制度そのものを見直す必要があると考えますが、あわせて知事の御所見を伺います。
○議長(前芝雅嗣君) ただいまの中村裕一君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 答弁を申し上げる前に、中村議員の御質問の中で「地域枠」という言葉が出てきました。地域枠というのは、よその県では地域枠しかないんですが、和歌山県には県民枠というのがあるんです。それで、地域枠については、例えば僻地といってどこどこの町というところの出身者というふうには限っておりませんが、これは県内の方々から選ぶということになっておるんです。
 それで、県民枠は一般的にどこからでも受けていいですよと。その際は、ただし、正確に言うと9年間ですけども、9年間は県内の拠点病院で働いてもらいますよと。そういうことを約束できたら、別枠で入れてさしあげますよと。先ほどの地域枠は、僻地とか、あるいは山間部なんかの診療所なんかに行ってもらいますよと、こういうような制度になっておるんでございます。
 島根とか三重は、県民枠というのはないと思います。これは、私がむちゃくちゃ国とけんかをして無理やりとってきた制度でございますから、ほかの県は、和歌山県もございましたけども、地域枠というのが唯一ある枠なんですね、別枠なんです。
 もう1つ言いますと、後で出てきますけども、三重などは、実はマッチング率が物すごく悪くて、そういう意味では、全体の医師確保が本当にできるのかなというような大学であるということも申し上げておきたいと思います。
 本県の地域医療体制を維持していくためには、地域の拠点病院などが崩壊しないようにしていくということが大切であります。和歌山県立医科大学がこれらの病院に医師を現に結構派遣してくれております。もちろん、全て和医大出身者というわけではありません。
 もともと、和歌山もそうですが、全国的に結構大きな病院のお医者さんは、大学の医局の主任教授などがあそこに行ったらどうだということで、どちらかというと派遣していたというような構造になっていたわけですが、今から10数年前にそれが目に余るというので、医局の解体と研修医の制度ができた結果、そういう制度改正後、各大学が今度は自分の周りに配置するお医者さんが足りなくなってしまいまして、それで、特に遠い地域からの医師の引き揚げをどんどんやり始めた。そこで、地域医療が崩壊し始めたということなんでございます。
 和歌山県ではどうなったかというと、実は和歌山県立医大が足りなくなったところをどんどんと埋めてくれた。特に南條学長は、本来県が考えないといけないこういう医師の不足、これを独力でやってくれていて、私は就任したとき、あるいは就任する直前ですけども、もうびっくりしちゃったというくらいのことでございました。今は、県が責任を持ってそれを一生懸命やろうとしています。
 しかし、なぜそれができたかというと、実は先ほどちょっと申し上げましたけれども、この地方大学の医学部がとっても大変なときに、人が集まらなくなったときに、和歌山県立医大は結構人を集めて、それで和歌山県立医大の周辺に影響力のあるお医者さんを抱えていたわけです。じゃ、なぜそれができたかというと、和歌山県立医大が学生の目にも結構魅力的で、それはすなわち学問的水準が結構高くて、それで、医大に行ったら自分の将来はいいなと、こういうふうに思ったからお見えになってるわけですね。
 ほかでは、先ほど、何度も言いますが、マッチングの成績が物すごい悪いところがいっぱいあるわけでございます。だから、こういうことができなくなりつつあるということです。こういうことを守っていく、つまり学問的なレベルを高く保つには、もちろん教授の人選とかそういうこともありますが、できるだけ優秀な学生を集めないと、こういうことが根っこから崩壊してしまうということもあります。
 したがって、学力の伴わない者を出身のいかんによって多過ぎるぐらい──ある程度はいいと思いますが、余り多くそのような人ばっかり選ぶということは、ちょっと危険ということがあると思います。とはいえ、学生数は多いほうがいいんです。多くの学生が県立医大に残ってくれて、よそからもまた研修医として来てくれて、その人が育っていって、それで、その何割かの確率で和歌山県の中で働いてくれるということを目指したらいいと思いますし、さらに、先ほど言いましたように、国と大げんかをして獲得した県民枠は、初めから県内の地域拠点病院に行ってもらうということを約束をして、そのために初めから県立医大の医局に入って研修医をするということを約束をして、それで──もちろん地域枠の方もそうですが──そういうことでやっていただいているわけでございます。
 28年度から初期臨床研修を終えた地域枠の医師がいよいよ地域の拠点病院などに出ていくところでございますんで、県民枠を創設した、もちろん、同時に地域枠も創設しておりますが、そういうことの成果がより確実になってくるかなあというふうに思っております。
 それから、先ほど40名の医学部定員増により県内出身者の人数が余りふえてないようにとれる御発言がありましたが、実は割合は余りどうも変わってないようなんですけど、母数がふえてるんで、実際には県内出身者の入学の数はふえてるようでございます。
 医大に来られた人は、和歌山で教育を受けて、できるだけ和歌山でつかまえて、ちょっと言葉は悪うございますが、和歌山で影響力を行使して、それで機嫌よく使命感に燃えて和歌山の地域で──この地域というのは、県民枠も一般枠も地域枠も全部なんですが、一般的な意味での地域で活躍してもらうということが大事なんで、そのために今、県がしっかりグリップして取り組もうとしているところでございます。
○議長(前芝雅嗣君) 中村裕一君。
  〔中村裕一君、登壇〕
○中村裕一君 知事は、残念ながら私の質問を御理解いただけてなかったようでありまして、県民医療枠も地域医療枠も効果がないというようなことを申し上げてるわけではないんです。医大の持ち駒がふえて、地域に派遣できる若手医師の数がふえるわけですから、それは効果があると私は思っております。
 しかし、さらに効果を上げるために。それから、和歌山県のこの医師不足というのはどこら辺に原因があるか。医師の偏在というふうに言われておりますけども、医師の偏在のもとは、私は医大入学者の偏在にあるというふうに思っております。医者が足りないと言ってるところの地域の子弟を入学させたらいい。これは、私は自分の持論だと、ほかには誰も考えてないのかと思っておりましたら、国内的には島根県とか三重県で国立大学ながらやってたわけであります。
 その地方の大学だけがやってるのかと思ったら、WHOだって僻地の子弟を医者にしたら僻地に勤めてくれる確率が高い。それから、自治医大だってそういうことは証明できてるわけでありますので、さらに、私は効果を上げるために、それから、医師の偏在という和歌山県の医師不足のもとを正すためには、僻地の子供、医師不足の地域を全部入れよというふうに申し上げてるわけではありません。少しでもふやすと効果が上がるということで申し上げてるわけでありまして、もし答弁いただくなら。先ほどともし考え方が変わらないんだったら、もう結構でございますし。(「一応やっていいですか」と呼ぶ者あり)
○議長(前芝雅嗣君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 実は、完璧にわかってるつもりでございます。そういうことは、そうだろうというふうに思います。しかし一方で、元も子もなくなっては、もっと悪い結果になるかもしれませんよというふうに申し上げたわけです。
 というのは、今、なぜ医大が人を派遣して、それであっちこっちに医師を供給できるかというと、医大に人がいっぱい集まってくるからなんです。医大にいっぱい人が集まってくるためには、医大のレベルが高くないと集まってきません。
 ですから、余りやり過ぎると、別に全く否定するわけでなくて、現にそういう制度もつくってるわけですが、余り県内の出身者の人にだけこだわると──今以上にたくさんふやすということだと思いますが──そうしますと、ひょっとしたら医大のレベルが下がっちゃうかもしれない。そうなると、医大に来る人のレベルも下がり、そして、医大がそういうところだと思ったら、よそからマッチングで来てくれる、研修医として来てくれる人も少なくなり、それで、結局はあんまり医療水準も高くない医療を提供することになってしまうんじゃないかなと、そういうことがあるので、やっぱり総合的に考えないといけないんじゃないかと。だから、今、県民枠で地域の人をとっておりますから、県民の、県内の人をとっておりますから、和歌山県に関してはそういうことでいいんじゃないかと思います。
 それから、私は、島根県とか三重県の制度が本当はどうなってるか、そんなに詳しくは知りません。だけど、実は、これは県が奨学金を出して県内の大学に、地域枠でございますが、こういう形で養成してくださいといって頼む制度なんです。和歌山県は、それを出して県立医大に、今10人だと思いますけども、県内からとってください、それで奨学金は差し上げましょうという制度をつくってるんですが、和歌山県は県内どこでも地域拠点病院が危ない。紀南だけが危ないというわけじゃなくて、そういう状態です。
 ところが、三重県は、多分、三重県で言う紀州地方と、それから県北とでは随分状況が違うだろうから、想像で大変失礼なんですけども、南のほうでそういうふうに重点的に配分をしたいというふうに思っているとしても、そんなにおかしくはないんじゃないか、そんなふうに思います。
○議長(前芝雅嗣君) 中村裕一君。
  〔中村裕一君、登壇〕
○中村裕一君 知事は、推薦入学で入学させたらレベルが低くて、大学自体のレベルが下がってしまうんじゃないかというふうに御心配のようでありますが、島根大学、三重大学もそのような心配はないということを私は行って、先生方に聞いてきましたので、知事もチャンスがあれば研究してみていただきたいと。それは、両大学だけじゃなくて、WHOも僻地の子供を入れることは地域医療に有効だというふうに言っておりますので、ぜひ知事御自身で一遍研究していただきたいというふうにお願いしておきたいと思います。
 次に移ります。
 今の問題と多少関係あるわけでございますが、現在、県立医大の入学者や卒後の進路、関連病院への派遣など、県民医療の根幹にかかわる情報が公表されていません。医師の移動状況を知らずして、医師不足や専門医の偏在などの課題解決は、いかにして行うのでしょうか。
 医学教育には多額の税金が使われており、公表は当然と考えますが、せめて市町村別入学者でも明らかにできないものかと思いますが、知事のお考えはいかがでしょうか。
○議長(前芝雅嗣君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 地域枠、それから県民枠の医師の配置につきましては、県内市町村の出身地にかかわらず、県が医師不足地域の状況などを踏まえてしっかりと行っていくということで、必要なところに必要なお医者さんを持っていかなきゃいかんという課題の解消を図ろうとしております。
 実は、私は、公表ということは大好きでございまして、それで、どんどんやったらいいんじゃないかというふうに思います。ただ、そうしたときの後先もこれまた考えておかないといけないということは、何事もそうだと思います。
 いろいろ聞きますと、県立医大の入学者を市町村別に公表していない理由は、ある市町村での受験者が少数の場合に、例えばあの人は受かったとか落ちたとか、そういう個人情報が特定されるおそれがあるというようなこともあって、それでやっておらんということでした。私は、まあそうかなというふうに思います。
○議長(前芝雅嗣君) 中村裕一君。
  〔中村裕一君、登壇〕
○中村裕一君 知事は、それは詭弁だというふうに私は思うんです。大学がそんなことを言ってるんだと思いますけども、私は、この医師不足の根本原因はどこにあるかというと、医師の偏在で、医師の偏在は何かというと、医師不足の地域の子供たちからほとんど医大へ入ってないというふうに思っております。
 だから、どうしても無理な人を入れる必要は私はないと思いますが、だけど、地域医療を志す高い志を持ったような人は入れたら、そんなに遜色のないところの点数の学力の人を入れたら、ちゃんと医者として育っていくということは、これはもう島根、三重だけじゃなくて世界的に言われてることだと言われておりますので、ぜひやっていただきたいと思いますが、その根本、もとの情報として、お医者さんがどこで何をやってるかということが、それから医大へどこがどれだけ入ってるかということがまず公開されないと、いろんな議論が進んでいかないというふうに思います。
 私は、医大に入る入学生の個人情報よりも、医師不足のほうがもっと深刻な事態だというふうに思っておりますので、ぜひ知事の御英断をお願いしたいと思いますが。でも、もうあんまりこれ時間──終わらなくなってもあかんので、要望しておきます。(発言する者あり)じゃ、お願いします。
○議長(前芝雅嗣君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 私は、中村議員がおっしゃってることが意味がないとか、そういうことは全く思っておりません。
 1つだけ申し上げておきますと、地域枠、これは他県と同じように和歌山県も和歌山県の子弟に関してやっとるんでございます。その上で、もっとふやすことでどういう効果があるかとか、そういうことを議論してるわけでございます。
○議長(前芝雅嗣君) 中村裕一君。
  〔中村裕一君、登壇〕
○中村裕一君 少し議論がかみ合ってませんので、もう次に進んでいきます。
 次、卒業後の派遣先の拡大であります。
 視察した三重、島根両県では、地域枠の卒業生の──和歌山県で言えば県民医療枠、地域医療枠両方でございますけども──派遣先は、地域医療に貢献する病院であれば、公立、民間にかかわらず対象になっています。
 しかし、本県では、まず公立病院が優先され、民間病院が後回しになっています。地域医療は、公立病院だけでなく民間病院も大きく貢献していることから、私は、これまでも官民の格差を取り払うよう主張してきましたが、知事はまず、地域医療のとりでである公立病院を充足させてから、余りが出てきたら民間病院にも回すとおっしゃいます。
 私も、それだけを聞いてみてなるほどと思ってしまったのですが、よく考えてみたら、これは詭弁であります。詭弁という言葉はちょっと適当ではないので、改めます。それは、間違ってるというふうに私は思ってます。なぜなら、医師派遣というのは地域枠の学生だけで行うのではなく、一般枠は70人もいて余裕があるのか、大阪府下の関連病院にも派遣してるわけであります。その状況でありながら、なぜ県内では地域枠のたった30人を公立、民間で取り合わなければならないのかというふうに思います。
 そういう意味で、ぜひとも地域枠の卒後派遣先の拡大を改めて要望しますが、知事の御所見を伺います。
○議長(前芝雅嗣君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 詭弁ではなくて事実を申し上げますと、地域に派遣されているお医者さんは、一般枠の中からもこれからも派遣されると思いますし、それから、県民枠も派遣されると思いますし、地域枠も派遣されます。
 違いは、県民枠と地域枠の学生さんは、それぞれ入るときに約束をすることによって入学を認められたという人でありまして、義務はあるんですけれども、一般枠の人は、義務はありません。だから、みずから信じるところに従ってどっかへ行けばいいんですけども、だけど、やっぱりそのときに、例えば医大の先生方の指導とか、そういうことが大変重要になってくるので、できるだけ大学に置いときたい、こういうことなんでございます。
 その上で、地域拠点病院と、それから民間病院ということなんでございますが、これも決して詭弁ではございませんで、事実を申し上げておきますと、まだ実は県民枠も地域枠も世の中に出ておりません。その時点においてどうなってるかというと、実は各地域において必死で守ってる救急体制とか、そういうことについて、2次救急の部分をびしっと引き受けてくれて、それで3次救急にできるだけ負担を多くさせないようにするという役割を担ってくれてるのは、実は現状では地域拠点病院、公立病院なんですね。
 したがって、この公立病院で、例えば、ちょっと名前は挙げませんけれども、実はかなり深刻な医師不足なんかがあって、そういう現状であるから、今のところ地域拠点病院から優先的に人を派遣しましょうと。そこを決して枯らすことがないようにしましょうと、そういうような考え方でおります。
 ただ、これからはどうなるかというと、一般枠ももちろん県内の病院に行ってもらうこともあるでしょうし、それから、県民枠、地域枠は毎年どんどんと出てくるわけですね。ということになりますと、おのずとそんなに地域枠ばっかり行く必要はないんでございますので、民間のほうにも行ってもらうという方がふえてくるんじゃないかなと。現状は、どちらかというと、地域拠点病院で働いているお医者さんが民間病院により有利な条件──それは何も所得だけでなくて、やっぱり忙しさとかそういうこともあります──それで引き抜かれてもっと大変になるというのが実は現状なもんですから、そういう今、状況でおります。
 将来は、もっといろんなところへ回ってもらえるんじゃないか、そんなふうに思っております。
○議長(前芝雅嗣君) 中村裕一君。
  〔中村裕一君、登壇〕
○中村裕一君 和歌山県立医科大学は、貧乏な和歌山県が県民の税金でやってる大学であります。国立大学でも地方に医師をというふうにやってるわけですから、さらに地元の人が入れるように、私は地域枠全体を広げてもいいんじゃないかと思いますが、これはまた改めて研究をして議会で質問させていただきたいと思います。
 次に行きます。
 入学前対策というのをやればいいんじゃないかというふうに思うんです。たくさん医学部に和歌山県の子供が入れば、それだけ医師不足も解消するというふうに思います。そういう趣旨で質問いたします。
 国公立大学医学部の偏差値は高く、医学部への受験戦争を突破することは大変難しいことです。しかし、島根県では、県教育委員会が子供たちに医師の職務や地域医療のことを理解させ、医学部の目指す支援を行っています。本県では、医学部は専ら私学頼みの状況ですが、本県教育委員会においても、医師を目指す教育を支援する勉強版ゴールデンキッズのような考えはないのか、教育長の御所見を伺います。
○議長(前芝雅嗣君) 教育長宮下和己君。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 医療を志す人材を育てることは、本県における医師不足の地域をなくす上でも取り組むべき課題であると認識してございます。
 県教育委員会では、長年にわたって校長会、県立医科大学と3者で入試制度のあり方や地元進学者の増加について協議を行っており、推薦入学試験における県内募集枠の設定など取り組みを進めてまいりました。
 今後、さらに県内の高校生が早期から医学部進学や地域医療に対する関心、意欲を高められるよう、1~2年生から県立医科大学オープンキャンパスへの参加を一層進めるとともに、医師による特別講義や医療現場での実習の機会を新たに設けるなど、具体的な方策を検討してまいりたいと考えてございます。
○議長(前芝雅嗣君) 中村裕一君。
  〔中村裕一君、登壇〕
○中村裕一君 次に、防災対策について3点伺います。
 まず、ライフラインとしてのガソリンスタンドでございます。
 私は、災害時に備えて、自家用車の燃料計が半分になったら必ず満タンに給油をするように心がけています。皆さんはいかがですか。
 先般、御坊市周辺のガソリンスタンドの経営者と懇談いたしました。過当競争や資金繰りといった厳しい経営事情を伺うとともに、県との災害協定ではガソリンや軽油を供給することとなっているが、発電機が普及していないので、災害時に停電すると手動ポンプでの供給となり、長蛇の列ができるとのお話でした。
 そこで、県内の発電機保有状況を県商工振興課に尋ねたところ、危険物を所管する危機管理・消防課を通じて日高地方の消防本部に問い合わせた結果、御坊市・日高郡のガソリンスタンド51事業所のうち発電機を備えていたのは、災害対応型中核給油所の1事業所を含めて3事業所であることがわかりました。
 県内状況は県や石油組合でも把握していませんが、災害対応型中核給油所が25カ所しかない状況であり、災害直後から必要となる啓開用重機や公共車両はもちろん、一般県民にはスムーズに燃料が供給されないことが予想されます。実際に東日本大震災の際には、ガソリンを求めて長蛇の列ができました。
 災害協定では、ガソリンスタンドは帰宅困難者への水道、トイレ、情報も供給することになっていますが、同様に困難です。
 また、昨今、低燃費車の普及と過当競争からガソリンスタンドの廃業が相次いでおり、過疎地を中心に県民生活に支障を来しています。高速道路がすさみまで開通し、大変便利になりましたが、紀の川サービスエリア以南には、本線上にガソリンスタンドはありません。観光振興の面からも深刻な状況と言えます。
 そこで、ガソリンスタンドを災害時や日常の県民生活に必要なライフラインに位置づけて支援を行うことが必要と考えますが、知事の御所見を伺います。
 また、経産省に災害対応に必要な発電設備など零細なガソリンスタンドでも取り組める補助事業を要望していただきたいと思いますが、あわせて御所見を伺います。
○議長(前芝雅嗣君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) ガソリンスタンドは、県民の日常生活に欠くことのできない施設であるとともに、南海トラフ地震等の大規模災害時においても、災害応急対策に必要な緊急車両や重要施設の業務継続のための燃料を確保するために必要なライフラインであると考えております。現に、和歌山県の業界団体と私ども県は協力協定を結んでおりまして、必要なときには災害対応で協力するよというふうなお約束をいただいております。
 そうした中、かつて、災害時において石油の安定供給を確保するため、災害時の燃料供給拠点となる災害対応型中核給油所が国の補助制度によって整備されてまいりました。しかしながら、現在、その補助制度がなくなっとるわけでございます。
 まさに、御指摘のように、災害対応型中核給油所以外のガソリンスタンドにおいても、あるいはそのときにちょっと申告し損なったような、本来ならば中核給油所になってもおかしくないような給油所、そういうところでも発電設備を整備していただくこと、あるいはそれをしたいという希望は大変強いもんですから、必要性も強いし、希望も強いもんですから、必要があったら、地下タンクの入れかえ工事が条件となっている発電機の設置補助を、小規模事業者が多いため、発電設備単独でも設置できるように補助要件を緩和してくれないかということを、業界団体とともに国に対して働きかけをしていきたいと思います。
 しかも、ガソリンスタンドの経営状況については、ガソリン需要も縮小してるし、そんなに経済も拡張してるわけではありませんので、なかなか大変だということで、業をおやめになる方もいらっしゃいます。その辺は、県の融資制度などのさまざまな支援策を活用して、できるだけ支えていきたいと考えております。
○議長(前芝雅嗣君) 中村裕一君。
  〔中村裕一君、登壇〕
○中村裕一君 ぜひ支援をしてあげてほしいと思います。私は、融資制度がありますけども、県はやっぱり力持ちですから、別に制度融資以外にも応援できることはいっぱいありますので、ぜひお願いをいたしておきたいと思います。
 次に移ります。
 本年9月、私は、御坊商工会議所の津波防災研究会のメンバーとともに東日本大震災の被災地の復興状況を視察してきました。女川町や陸前高田市では、巨額の国費を投入し、市街地のかさ上げ工事が急ピッチで進められていました。女川町では、かさ上げはほぼ終わり、既に駅舎が復旧し、駅前の商店街が一部開店していました。そのような状況を拝見し、今回で震災後5回目の視察となりますが、初めて復旧が進んでいることを実感しました。
 なお、住宅の再建はまだこれからで、一度大災害が発生すれば復旧・復興は容易でないことを改めて痛感しました。
 さて、地籍調査についてであります。
 4年が経過して、ようやく復興が歩み始めた被災地ですが、実は東日本大震災の津波浸水区域では、地籍調査実施率は90%を超えていました。もし地籍調査が行われていなければ、果たしてどうなっていたか。恐らく復旧・復興はさらに遅くなっていたことは間違いありません。
 一方、本県では、地籍調査進捗率は37.3%、特に和歌山市や紀南地方では17.5%とおくれた状況にあります。果たして我が県では、津波浸水想定区域での地籍調査進捗率はどうなっているのでしょうか。
 現在、高速道路の紀伊半島一周が急速な勢いで進められていますが、それに先駆けて国土調査法の第10条第2項などを用いて地籍調査が実施されています。同様に津波浸水想定区域においても、早期に完成するよう関係市町村に働きかけるべきと考えますが、企画部長の所見を伺います。
○議長(前芝雅嗣君) 企画部長高瀬一郎君。
  〔高瀬一郎君、登壇〕
○企画部長(高瀬一郎君) 津波浸水想定区域における地籍調査につきましては、防災・減災対策の総点検として、事業実施主体である関係市町との協議を経て、平成23年9月に津波浸水想定区域における地籍調査5カ年計画を策定し、早期完成に向けて推進してまいりました。
 さらに、平成26年3月までに南海トラフ地震に対応した浸水想定区域の見直しが行われたことに伴い、関係市町と協議を行い、平成26年7月に本計画の対象面積を約2倍に拡大し、取り組んでいるところであります。
 変更後の計画では、津波浸水想定区域における進捗率を平成26年度からの5年間で15.3%伸ばし、平成30年度末には54.1%となる予定で、いずれも県全体の平均を上回ることとなります。これにより、対象20市町のうち8町で津波浸水想定区域の地籍調査は完了し、2市町で進捗率は96%以上となる予定でございます。
 なお、本県の地籍調査事業予算につきましては、平成15年度から13年連続全国トップであり、近年は国全体の関連予算の約1割を占めておりますが、議員御指摘のとおり、津波浸水想定区域における地籍調査は、災害からの早期復旧に不可欠であるというふうに考えておりまして、本計画以上の進捗率を達成できるよう、国にも負担金の確保を強く要望し、進捗率の低い市町に対して一層の推進を働きかけてまいります。
○議長(前芝雅嗣君) 中村裕一君。
  〔中村裕一君、登壇〕
○中村裕一君 企画部長の答弁を伺ってたら、何か物すごくやってるということのように聞こえたんですけども、残り10市町については全くおくれてしまっているわけでありまして、私は、その50何%で県平均を上回ると言いますが、ほかのところも伸びてきますから、今の県平均を上回るということではないかと思いますが、目指すべきは100%ではないかと思います。地震は待ってくれませんので、よろしくお願いいたしたいと思います。
 次に行きます。
 徳川幕府は、ペリーが黒船とともにやってきて滅びた、薩長の倒幕運動にやられたと歴史教科書で学びました。しかし、関西大学の河田惠昭教授は、幕府崩壊の本当の理由は安政の東海・南海地震、江戸地震、江戸水害が3年連続発生したことによる財政破綻だとおっしゃいます。もし幕府にBCP、事業継続プランがあれば歴史が変わっていたかもしれません。
 エネループ電池やLEDなどすばらしい技術を持ちながらパナソニックに吸収された三洋電機は、新潟県中越地震による事業中断が経営危機の始まりだったと思います。本県においても、県内市町村企業に対して説明会を開催するなど、事業継続計画を策定するよう啓発を進めていますが、ぜひ和歌山県でもやっていただきたい。今、公開されておりませんし、中身も拝見しましたら、まだまだ改善の余地があると思いますので、ぜひ進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。答弁をお願いします。
○議長(前芝雅嗣君) 危機管理監和歌哲也君。
  〔和歌哲也君、登壇〕
○危機管理監(和歌哲也君) 本県では、大規模災害等による危機事象発生時に県民の生命、身体、財産を保護するため、必要最低限の行政サービスを継続実施することを目的とし、平成25年6月に事業継続計画を策定いたしました。この計画では、各所属の業務を優先業務、縮小業務、休止・中断業務に整理分類した上で、限られた人的・物的資源を活用し、行政サービスを提供していくこととしております。
 議員御指摘のとおり、現在、この計画は公表しておりませんが、透明性の確保の観点から、できるだけ早く県ホームページにより公表してまいりたいと思います。
○議長(前芝雅嗣君) 中村裕一君。
  〔中村裕一君、登壇〕
○中村裕一君 3番目に、ドクターヘリの運航について伺います。
 関西広域連合では、平成23年4月から広域医療の主要事業として、3府県ドクターヘリの連合移管を皮切りにドクターヘリの運航を開始し、平成25年4月から大阪府、徳島県、兵庫県の各ドクターヘリを、さらに本年4月からは京滋ドクターヘリを加え、「いつでも、どこでも安心医療『関西』」の実現に向け、府県域にとらわれない柔軟な運航体制の構築、重複要請時等において複数機のドクターヘリが補完し合う相互応援体制の構築を進めているというふうに言っています。
 また、本県ドクターヘリとも緊密に連携し、合計6機による一体的な運航体制の構築を図ることとしています。まさに、関西の空には抜け穴はないという感じであります。
 しかし、これも連携と言うのでしょうか。何と運航会社は6機全てが学校法人ヒラタ学園で、機種も同一のユーロコプターEC135です。この1社1機種体制は、一見大変便利なようで、実はとんでもないリスクを背負っています。
 例えば、運航委託先が航空機事故等を起こした場合、日本航空や全日空などの大手航空会社以外は運航を停止することが通例であり、監督官庁である航空局からその旨の指導が発せられます。そのため、ドクターヘリの運航を1社独占で行えば、関西広域連合関係のドクターヘリの運航が全て停止してしまいます。
 次に、単独機種による運航については、そのヘリコプターに重大な欠陥があった場合、または運航に差し支えるふぐあいが世界中のどこかで生じた場合、そのヘリコプターは飛行を停止せざるを得ない状況になり、事故同様、関西広域連合関係の全てのドクターヘリが停止してしまいます。さらに、運航委託先が経営破綻した場合も同様であります。
 以上のような危機に対応するため、ドクターヘリの運航は、複数の航空会社、複数の機種で行うべきであり、万が一、飛行停止が生じても、近隣の府県が協力して運航できることが最良の方法であります。この共助こそが関西広域連合の本旨であると思います。また、競争性の確保や航空業の活性化の観点からも、1社独占は大いに問題があります。
 同一会社、同一機種の運航について知事はどのようなお考えでしょうか。お考えを伺います。
○議長(前芝雅嗣君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 本県のドクターヘリは、平成15年1月に全国に先駆け、導入されました。そういう意味では、和歌山県もなかなかちょっと誇らしい思いがしております。
 関西広域連合管内ではもちろん最初でございまして、和歌山県だけじゃなくて近隣のところにも協力して、奈良県や三重県の重病人をお救いしたことも多々ございます。
 和歌山県は、当初はどの業者にお願いをするかということについては、これは運航と手続は和歌山県立医大にしていただいておりますけれども、当初はプロポーザル方式で運航事業者を決定しておりました。現在は、関西広域連合との一体的な運航体制を構築するためという理由で、同じ運航会社の同一機種による運航となっております。
 議員の運航停止の際にリスクがあるじゃないかという御指摘については、実は聞くところによれば、過去に同一機種の1機が航空機事故を起こした場合でも、その他の同一機種が即座に運航停止になったことはないと聞いておるというふうに聞いておるんですが、しかし、理屈としては、ただいま787が事故を起こしたときとか、ああいう機の構造に問題があるんじゃないかというようなことになったときは、明らかに全部とまるということも論理的な話としてはごもっともだというふうに思っております。
 その運航事業委託については、先ほども申し上げましたように、関西広域連合との一体的な運航のメリットを理由に随意契約をしていると聞いておるんですが、その理由もどうも形式的で、私も、本当にそうかなあということについてはよくわかりません。
 県立医大の調達方式については、随分過去いろいろと問題を起こしたことがございまして、現在では、かなり強引に指導して、県に倣ってやってもらうということにしております。それは、一番根っこのところを言うと、競争入札を原則といたしまして、随契をしてもいいけれども、随契をするときは、ちゃんとその理由がみんなが納得できるようなものであって、それを明らかにしてやるならばそれでもいいんですけどという、そういうことでございます。
 先ほど言いましたように、関西広域連合と本当に同じ機でなきゃいけないのかということについては、どうもよく詰めていかないといけませんので、よく詰めて、必ずしもそうでもない、単に観念的な話ということであれば、本来の原則に戻って、プロポーザル方式による選定にもう一度変えるように県立医大を指導していきたいと思います。
 議員の御指摘でこういうことがわかりましたので、感謝申し上げたいと思います。
○議長(前芝雅嗣君) 中村裕一君。
  〔中村裕一君、登壇〕
○中村裕一君 どうぞよろしくお願いいたします。
 最後に、日高川水系の河川整備計画について伺います。
 河川法では、河川の将来計画は基本整備方針を決め、その方針に従い、具体的な整備計画を策定することにしています。日高川水系の河川整備計画については、昨年5月と本年6月に流域の住民代表から成る考える会が開催され、その後、学者等の意見を聴取し、現在、最終の詰めを行っていると聞いています。
 これまで、日高川では、昭和28年の7.18水害など、歴史的に大きな被害を出してきました。それゆえ流域の住民は、今回の河川整備計画には大変注目していますし、期待もしています。
 そこで、以下の2点について県土整備部長に伺います。
 まず、策定作業はいつ完成するのか。
 次に、計画は、策定後20年間で実施すると聞いていますが、公表されている計画案では多額の予算が必要であり、20年という時間は長いように思いますが、大きな事業を推進するためには20年は決して長いわけではありません。財政事情等で実現できないということにならないよう、早速来年度からの事業化を要望しますが、あわせて県土整備部長の所見を伺います。
○議長(前芝雅嗣君) 県土整備部長野尻邦彦君。
  〔野尻邦彦君、登壇〕
○県土整備部長(野尻邦彦君) 日高川水系河川整備計画については、平成27年度中の策定を目指して検討を進めており、現在、関係住民や学識経験者の御意見を伺った上で作成した整備計画の案について関係市町に御意見を伺っているところであり、今後、国の同意を得て策定となります。
 この整備計画案では、例えば日高川本川においては既往最大洪水である昭和28年洪水、平成23年洪水への対応を基本としますが、整備に多くの費用と期間を要することになるため、既往最大洪水の次に大きい平成15年の洪水に対して住宅地への浸水被害が発生しないよう整備することとしています。
 下流からの整備を原則として、上下流バランスや背後地の状況、浸水被害の状況等を踏まえた上で整備計画を策定後、早急に事業着手し、おおむね20年間で整備が完了できるよう必要な予算を確保するとともに、計画的な河川改修を推進してまいります。
○議長(前芝雅嗣君) 中村裕一君。
  〔中村裕一君、登壇〕
○中村裕一君 質問はありません。以上で、私の質問を終わります。(拍手)
○議長(前芝雅嗣君) 以上で、中村裕一君の質問が終了いたしました。

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