平成27年12月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(奥村規子議員の質疑及び一般質問)


平成27年12月 和歌山県議会定例会会議録

第4号(奥村規子議員の質疑及び一般質問)


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  午後1時0分再開
○副議長(藤山将材君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 38番奥村規子さん。
  〔奥村規子君、登壇〕(拍手)
○奥村規子君 議長のお許しを得ましたので、通告に従って3項目にわたって質問をさせていただきます。
 まず最初に、農業における後継者養成についてお伺いをいたします。
 私は、農業は県民の命を支える食料を安定的に供給する土台そのものだと思っています。また、国土や環境の保全にとってかけがえのない役割を果たしています。
 しかし、農業就業者の減少や担い手不足により、耕作放棄、農地の荒廃が進行している様子を見て、消費者の立場から大変不安を感じています。子育て中の御家庭の方からも、「子供たちに安全・安心の食べ物を」と切実な声が聞こえてきます。こういった中で、農業に転職した方から相談を受ける機会がありました。1人でも多く農業を担う人がふえてくれればという思いで、質問をさせていただきます。
 42歳の彼は、1人で柿や桃の果樹栽培を手がけています。農業を始めて4年目、今まで働いてきた貯蓄も底をつきかけ、先行きの不安を感じながら毎日頑張っています。県は、年間新規就農者の確保を200人目指すとしています。
 そこで、農林水産部長にお尋ねいたします。
 1つは新規就農者の現状、2つ目には新規就農者への支援策、3つ目には後継者対策の強化についてお尋ねをいたします。御答弁よろしくお願いいたします。
○副議長(藤山将材君) ただいまの奥村規子さんの質問に対する答弁を求めます。
 農林水産部長鎌塚拓夫君。
  〔鎌塚拓夫君、登壇〕
○農林水産部長(鎌塚拓夫君) 新規就農者の現状についてでございますが、平成26年度までの3カ年の平均新規就農者数は年間147名で、品目別には、約6割がミカンや梅、柿等の果樹、約3割が野菜の栽培に取り組んでおります。また、形態別に見ますと、Uターン就農者が約5割、非農家出身の新規参入者が2割、農業法人等への雇用就農が2割、農家出身の新規学卒者が1割となっております。
 新規就農者への支援策としては、青年就農給付金制度があります。この制度には、農業技術を学ぶ研修期間に最長2年間、安心して研修を受けられるよう所得の確保を目的とした準備型と、農業経営を開始して経営が軌道に乗るまでの最長5年間、所得を補うことを目的とした経営開始型の2つのタイプがあります。平成26年度の給付実績は、準備型が22名、経営開始型が249名で、この制度は新規就農者の確保に大きな効果があると考えており、引き続きこの事業の活用推進に努めてまいります。
 また、農業大学校や就農支援センター、さらにJAが実施するトレーニングファームにおいて、新規就農希望者や経営改善に意欲的な農業後継者等を対象に、収益性の高いもうかる農業の実現に向け、取り組む品目の栽培技術や特性等を学べる体制を整えております。
 今後、就農者の経営が早期に安定するように、各振興局の普及指導員が中心となって、就農に際して必要となる農業経営計画の作成や技術指導、補助事業の活用助言など、引き続き農業委員会やJA等の関係機関とも連携しながら、農業後継者に対する支援を強化してまいりたいと考えてございます。
○副議長(藤山将材君) 奥村規子さん。
  〔奥村規子君、登壇〕
○奥村規子君 御答弁をいただきました。
 青年就農給付金の制度は、新規就農者の確保に大きな効果があるということでした。その予算と実績はどうなっていますか。
 また、目標達成のためにさらに活用を広げる必要があると思いますが、どういった取り組みをお考えでしょうか。
 農家出身の新規学卒者など、親元農業の支援の拡充も必要と考えますが、制度の要件が改善されたと聞きましたが、効果はいかがでしょうか。
 また、田辺市やかつらぎ町、湯浅町、次いで紀の川市の受給者が多くなっていると聞いています。それは、どのようなことでそのように多くなっているのでしょうか。市町村によって審査の基準が違うように思うのですが、県はどのように考えられているのか、再度お伺いをいたします。
○副議長(藤山将材君) 農林水産部長。
  〔鎌塚拓夫君、登壇〕
○農林水産部長(鎌塚拓夫君) 青年就農給付金の予算と実績についてでございますが、平成26年度の予算は補正を含め5億5727万円で、給付実績は5億3093万円となっており、平成27年度の当初予算は2億8597万円を計上しております。
 新規就農者200名確保の目標達成に向けた取り組みですが、東京、大阪など、県内外において就農相談会を年間10回程度開催しております。また、就農支援センターや各振興局においては、随時相談者の状況に応じた対応を行うことで、就農に向けて着実に進めるような支援を引き続き行ってまいります。
 農家子弟の就農支援についてですが、先ほど申し上げた青年就農給付金制度も平成26年2月に要件が緩和され、5年以内の経営移譲を前提に親とは違う新たな品目に取り組むなどした場合、また、親と別に農地を借りるなどして経営を異にして独立する場合には給付対象となり、現在156名が本事業を活用しております。
 田辺市等で給付金の活用が多い理由は、田辺市、かつらぎ町、湯浅町ではミカンや梅、柿などの果樹農業が盛んな地域であり、紀の川市では多様な品目で特に新規参入者が多かったものと考えております。
 市町による給付金の採択ですが、それぞれの市町において実施されている青年就農給付金に係る審査会において本人との面接を行い、就農計画実現の妥当性等を審査し、適正に決定されているものと考えてございます。
○副議長(藤山将材君) 奥村規子さん。
  〔奥村規子君、登壇〕
○奥村規子君 先ほども相談があった42歳の方を御紹介したんですけども、やはり和歌山市から、また市外でそうやって畑を借りて始めたと。そういったところで、始めていく上でのいろんな情報とか、そういったことを本当に身近にもっともっと知れるような普及をどんどんしていただきたいなというふうに思っています。
 そういったことを、先ほども教育委員会さんとも連携してとかいろんな機関とということで言われてたので、若い人たちにも農業の魅力とかいろいろなことをぜひとも御紹介とか、どんどん連携を強めていただいて、農業を志す若い人がもっともっとふえていってほしいなということを感想とか──お願いしたいと思います。
 最後ですけど、要望として、戦後日本の農業を中心に支えてきた世代の方が引退すると、そういったことが加速しているような状況で、農家や農業就業人口の減少になってきています。農業就業者の超高齢化も進んで、担い手の面から農業と農村が崩壊しかねないというこの事態を、やっぱり何とかしていかないといけないと、そういう思いで当局も取り組んでくださっているんだと思うんですけども、日本の国の食料生産を誰が担うのか、国土や環境を誰が守るのか。農村地域にとどまらず、日本社会が真剣に向き合っていくべき待ったなしの課題であると考えています。国や自治体、関係団体が、営農や暮らしの条件の根本的な改善と一体で、農業、農村の現在と将来の担い手の確保、育成に特別な力を注いでいく、このことが求められているのではないかと思うんです。
 引き続き、この制度が効果があると──5年たって、その後どんなふうにということも含めて、支援とかいろいろ政策考えていかないといけないことだと思うんですけども。今のこの国の制度をやはり継続し強めていくということで、しっかりと国に働きかけていっていただくことをお願いいたしまして、次の質問をさせていただきます。
 次は、子育て支援について質問をさせていただきます。
 県の長期計画では、保育を必要とする家庭が子供を預けることができないというようなことがない育児環境を引き続き市町村とともに確保するとあります。午前中にも、山下議員のほうから子育て支援についての県の取り組み、そういったことが質問され、お話をいただきました。
 そういう中で、特に私は待機児童の問題についてお尋ねをしたいと思います。
 この育児環境をつくる、長期総合計画の中では待機児童ゼロというふうに書いていただいてるんですけど、出産後、働きにいこうと思っても預かってもらえないとか、そういった声もお聞きします。そもそも、この待機児童とはどのような状況のことを言うということに、県としては考えられているのでしょうか。
 また、市町村ごとの待機児童の数はどうなっているのか、そしてその原因と解消をどのように考えているのか、福祉保健部長にお尋ねします。
○副議長(藤山将材君) 福祉保健部長幸前裕之君。
  〔幸前裕之君、登壇〕
○福祉保健部長(幸前裕之君) 待機児童とは、保育を必要としており、保育所や認定こども園への利用申し込みをしているにもかからず利用できていない児童をいいますが、保護者の私的な理由により待機している場合等は、待機児童には含めないこととなっております。
 ここ数年の傾向として、4月1日時点での待機児童はそれほど発生していないにもかかわらず、10月1日時点ではゼロ歳から2歳の待機児童が発生する傾向にあり、特に、ことしの10月1日時点では県全体の待機児童数が215人と、昨年の倍近くに増加しました。待機児童が発生した市町村は8市町で、多いところでは、和歌山市が152人、岩出市が31人、橋本市が13人となっております。
 出産後、早期に就労を開始することを希望する女性がふえていることや、昔でいうところの孫守りの役割を担ってきた親世代も就労しているケースが増加していることなども、3歳未満の待機児童がふえている要因であると考えています。
 待機児童の解消につきましては、子ども・子育て新制度における直接の実施主体である市町村が、それぞれの地域のニーズを把握の上、計画的な保育所整備等に取り組んでいるところですが、県としては、保育所や認定こども園の整備補助や保育士人材の確保に取り組むとともに、市町村に対し待機児童が生じないよう、強く要請してまいりたいと考えております。
○副議長(藤山将材君) 奥村規子さん。
  〔奥村規子君、登壇〕
○奥村規子君 午前中にも質問の中でおっしゃられていました子ども・子育て新制度がこの4月から実施されて、多様な保育を提供すると、そういったことだったと思うんですけども、先ほど、認定して保育が必要やというようなことがあったにもかかわらず、年度途中でこのような形で215人ということでは、やはり大変な状況だと思うんです。
 私は1人、2人の方からしかお聞きできていないんですけど、本当にごくごく一部の声なんですけども、看護師さんでお勤めして、育休も1年──3年までということでとれますが、3年丸々とると経済的な問題や、母子家庭の方だったので、そういった点で早くお仕事をしたいと。育休を中断して復帰したいということになっても、預けるところでは受け入れてもらえなかったとか、そういうことで、県の担当の方にもそういう状況をお話しして後には改善はしたんですけども、やはりそれはごく一部なので、この215人の方で本当に困られている方が、実際、私は大変な思いをされてるんじゃないかと思うんです。
 また、ある人は、子供さんを出産後、求職でハローワークに行かれるときに、保育所へ預けて、それでしっかりと求職活動したいとか、そういうようなことでされてる方もなかなか保育所で預かってもらいにくいとか、そういうようなこともありました。
 そういう働き続ける、働くためのいろんな環境が、まだまだもう少し目の詰んだ形でもっと支援や保育体制、ぜひやっていかないといけないんじゃないかなというふうに思っています。
 新制度になって、いろいろな状況の変化の途中かもわかりませんけども、一気に倍々になってこの10月途中にふえるということで、この途中からの保育というのを想定した体制とかいうようなことがどうなってるんかなあというふうに思ったんです。
 4月になると子供さんが小学校へ上がられるとかいうことで、また一定受け入れができると、それはわかるんですけども、やはり出産や保育というのは、いつ子供さんを預けたいというようなことになったり、いろんな事情が生じてきたりとかいうようなこともありますし、そういった途中からの保育を想定した体制がとられなくなってきているのかなあというふうには思うんですけど、やっぱりそういったことについての対策を、先ほども積極的にまた──これは市町村の役割が大きい、市町村が進めていくんだということを言われたんですけど、県としてそういったあたりを──先ほど子ども・子育てというか、少子化という面でよく言われるんですが、そういった面での施策をもっともっと切れ目なくということを言われてる中で、ぜひ、目の詰んだ取り組みをしていただきたいと思いますので、そういう点でもう一度、対策など何か考えられてるというのか、対策をぜひ一度、お考えがあれば、ぜひ御答弁お願いします。
○副議長(藤山将材君) 福祉保健部長。
  〔幸前裕之君、登壇〕
○福祉保健部長(幸前裕之君) 年度途中で待機になるという状況の大きな要因の1つに、保育士の不足ということがあります。
 全般的に保育士が不足してる中で、年度途中に保育士を確保するということが非常に難しい、日数も要するということで、そういうことで保育士を確保するということが重要になってます。
 そういうことで、県では、平成26年度から保育士の人材確保事業を始めたところであります。そういったことに力を入れながら、待機児童が生じないように、しっかりと体制づくりを進めていきたいと考えています。
○副議長(藤山将材君) 奥村規子さん。
  〔奥村規子君、登壇〕
○奥村規子君 保育士の人材が不足してるというところでは、ぜひしっかりと取り組んでいただきたいというのと、私は、もう1つは、やはりそういう状況があるというのは──保育所の側が、ゼロ歳の場合は3人のお子さんに1人の保育士さんという基準がありますね。それで、もう1人ゼロ歳の方が保育していただきたいとなったときに、保育所側が保育士さんを1人採用するということは、やっぱり経営的にも大変な面があるんじゃないかなあと。そういった事情や仕組みという制度の中で、やはり保育所も経営もやれるし、子供も受け入れていけるという、やはりそういう実情もぜひもっともっとつかんでいただいて対応していただきたいなということで、最後に要望だけさせていただきます。
 本来、保育・子育て支援政策は、将来を見据えて誰もが子育てをしながら安心して働き続けられる社会条件の整備を目指すものではないでしょうか。いつでも利用できる保育所の整備とともに、安心・安全で、子供たちが健やかに育つ豊かな保育環境の保障が不可欠だと思います。子供の最善の利益を掲げる子どもの権利条約から見ても当然です。「育児休業からの復帰期限が迫っているが入所できない」、「共働きでないと生活できないのに、子供を預けられなくて困っている」など、子育て世代の暮らしを脅かしています。
 年度途中も、ぜひ待機児童が発生することのないように、市町村に対し、県も一緒になって取り組んでいただきたいことを強くお願いして、次の質問に行かせていただきます。
 次は、母子生活支援施設と児童発達支援センターについてお尋ねをいたします。
 この母子生活支援というのは、配偶者のいない母と子が安心して自立に向けて生活ができ、児童が心身ともに健やかに成長することを目的としている施設です。
 児童発達支援センターについては、若竹園というところが県下で唯一、医療型児童発達支援センターというのがあるんですが、就学前児童で通園可能な児童を対象とした総合療育を実施している施設です。
 このことで、今議会において、県の児童福祉施設設置及び管理条例の一部を改正する条例と建物の譲与に関する議案が出されています。その中身は、和歌山すみれホームと白浜なぎさホーム、若竹園の施設を譲渡し、これまで指定管理者制度のもと運営されてきたそれぞれの運営主体の団体に移管するというものです。もともと、これは自治体が本来担うべき公共サービスや公的責任を放棄することにつながると考えます。
 そこでお聞きします。
 今後、施設に対して県の役割はどうなりますか。また、若竹園については譲与に伴い支援内容が医療型から福祉型に変わるということですが、その理由と、医療型から福祉型へ変わるこの違い、また、リハビリ訓練と保育を一体的に実施されてきた医療型の児童発達支援センターが和歌山県からなくなるということについてどのようにお考えなのか、福祉保健部長にお尋ねいたします。
○副議長(藤山将材君) 福祉保健部長。
  〔幸前裕之君、登壇〕
○福祉保健部長(幸前裕之君) 今議会に提出しています母子生活支援施設及び児童発達支援センターの建物の譲与につきましては、運営主体を民間法人に移管することにより施設利用者のニーズに柔軟に対応することができ、提供サービスの向上が期待できること、また、移管先法人の職員の雇用が安定することなどのメリットがあります。
 県としましては、移管後においても適正な施設運営が行われるよう、移管先法人から事業報告や会計報告を提出させるなど指導監督を行うとともに、将来にわたり不安が生じないよう、譲与先と県の責務を明確にした取り決めを契約条項に盛り込むこととしております。
 次に、譲与に伴い、若竹園が事業種別を変更する理由等についてお答えします。
 若竹園が現在実施している医療型児童発達支援の事業については、全国的にも利用者が減少しており、このまま医療型を継続した場合、さらなる経営状況の悪化が予想されます。こうした中で、現在の利用者の支援を継続するため、医療型から福祉型へ変更することで、利用者へのサービスの向上と収支の安定を図ることができると考えております。
 なお、医療型と福祉型の違いについてですが、医療型は機能訓練等の医療サービスと保育サービスを両方提供する施設であり、福祉型は障害児に対する保育サービスのみを提供する施設となります。
 また、若竹園においては、医療型児童発達支援センターとして提供していた医療サービスは、福祉型に移行後も併設する琴の浦リハビリテーション付属病院がこれまでどおり同一建物内で実施することになりますので、利用者へのサービスは低下せず、医療型児童発達支援センターが本県からなくなる影響はないと考えております。
 県においては、児童相談所や県立保健所において児童の発達相談に応じており、その児童にとって適切な福祉サービスにつなげられるよう、市町村や関係機関と連携を図りながら、引き続き支援をしてまいります。
○副議長(藤山将材君) 奥村規子さん。
  〔奥村規子君、登壇〕
○奥村規子君 御答弁いただきました。
 そして、部長の答弁を聞いていますと、ニーズがそういう中で福祉型になってもやっていける、余り変わりないというようなことをおっしゃったんで、今いらっしゃる子供さんはそうかもわからないですけど、本当に一体的に福祉と保育が提供できると、この「一体」というところが、私はやっぱり──例えば肢体のほうでリハビリ訓練するとかいうようなことであれば、今回も病院のほうへ行かれて訓練を受けるとか福祉型のところで保育をされるというようなことであるんですけども、やはり心配するのは、どうしてもこれは通園施設ですし、入院するまでもなくって、ただ食べ物を、食事をするときに嚥下困難で飲み込みがなかなか難しいとか、そういったときに、やはりそこに居合わせた医療スタッフと保育者が一緒になって、子供の安全と、またリハビリをやっていくという、そういう場面が必要な子供もいると思うんです。そういったときに、今度、県下の中でこの医療型発達支援センターがなくなるということでは、そういう県民の皆さんのニーズに応えられないんではないかというふうに思うんです。
 そういった点では、なぜそうなったのかというのは、今のお話を聞いてる中ではやはり経営がなかなか成り立たないというか、国の制度の影響が大きいんだと思うんですが、医療型で続けられないということなのかなあというふうに印象を持ったんです。そういう意味では、ぜひとも保育と医療が一体的に提供できる体制の確保を、ぜひ県の責任で提供できるようにしていってほしいと思いますので、そういうお子さんがあったときにはどのように県が対応しようとされるのかという点、1点だけお聞きしたいと思いますので、よろしくお願いします。
○副議長(藤山将材君) 福祉保健部長。
  〔幸前裕之君、登壇〕
○福祉保健部長(幸前裕之君) 今後、新たに支援が必要な児童が出てきた場合も、今までと何ら変わることなく、保育が必要な児童に対して若竹園がサービスを提供できると考えてます。ということは、同じ建物内でリハビリ等の訓練が受けられるという体制を今後もとっていきますので、そういう面は安心して受けていただけるというふうに思います。
 それから経営の問題ですけれども、医療型は福祉型に比べて単価が低かったということと、それから利用する児童数が年々減少してきたということが経営が悪化してきた原因でありますので、それが今回の変更によって改善されるというふうに考えております。
○副議長(藤山将材君) 奥村規子さん。
  〔奥村規子君、登壇〕
○奥村規子君 これも子育てをする安心につながる問題だと思うので、やはり障害を持たれて療育や保育する場合の御苦労というのは大変で、そういった中で、子供さん小さいということは保護者の皆さんが若いということですし、やはり生活が給与も大変厳しい中でこういう子供さんを育てられるという中で、しっかりと安心できるような療育環境とかつくっていくということも子育ての大きな役割だと思うので、私としては保育と医療が一体的に提供できるということが非常に大事やと思います。ぜひ存続を考えていただきたいなというふうに思います。
 次に、高齢者医療と医療提供体制についてのところでお伺いをしたいと思います。後期高齢者医療の保険料についてお伺いします。
 後期高齢者医療制度を廃止し、老人保健制度に戻して医療差別をなくすという立場ですが、これ以上、保険料を引き上げないようにということからお尋ねをいたします。
 昨年の4月から、70から74歳の窓口負担が1割から2割へ引き上げられています。また、毎年の年金の引き下げ、ことしの4月から消費税5%から8%になり、介護保険料も引き上げられました。生活が苦しく、生きづらくなっていると言われています。今までも申し上げてきましたが、県の後期高齢者医療財政安定化基金を活用して保険料の増加抑制の措置をとるべきではないかと考えますが、福祉保健部長、お答えください。
○副議長(藤山将材君) 福祉保健部長。
  〔幸前裕之君、登壇〕
○福祉保健部長(幸前裕之君) 平成28年度、29年度の和歌山県後期高齢者医療の保険料は、現在、和歌山県後期高齢者医療広域連合で試算中であります。和歌山県後期高齢者医療財政安定化基金は、原則として医療費の急増による財源不足など短期的な変動に対応するためのものであり、保険料の増加抑制に活用することは特例であるため、まずは、和歌山県後期高齢者医療広域連合が剰余金を活用することになります。
○副議長(藤山将材君) 奥村規子さん。
  〔奥村規子君、登壇〕
○奥村規子君 剰余金を活用して保険料引き下げに充てていくかどうかは広域が決めることになってくるかと思うんですが、広域のあり方ということでいえば、剰余金というのは保険料を皆さんから医療給付の見込みを入れて集められたお金ということで、この間、広域連合のを見ますと20億以上の剰余金があるかと思うので、そういった面では、今の県民の生活、特に後期高齢者の皆さんの生活状況を見ながら、やっぱり保険料の引き下げをしていくべきと思います。県として下げなさいよみたいなことは言えないのはわかっていますが、そういった中で、ぜひ協議をしていっていただきたいなあと思います。
 もう1つは、今、国からの通知で平成28年、29年度、保険料率の試算についてというのが来てる中で、広域連合において保険料増加抑制のために財政安定化基金からの交付を見込む場合には各都道府県と協議を行っていただきたいと書かれていることから、取り崩しをできないということではないというように受けとめてよろしいんですか。負担が重くのしかかる暮らしを考えて引き下げを検討していただきたいと思うんですが、そういった面では、この取り崩しの問題では絶対だめだということではないということでよろしいんですかね。この点について、もう一度だけ再質問させていただきます。
○副議長(藤山将材君) 福祉保健部長。
  〔幸前裕之君、登壇〕
○福祉保健部長(幸前裕之君) 和歌山県後期高齢者医療広域連合が剰余金を活用しても、なお保険料が大幅に上昇する場合には、和歌山県後期高齢者医療財政安定化基金の活用を検討することになります。
○副議長(藤山将材君) 奥村規子さん。
  〔奥村規子君、登壇〕
○奥村規子君 広域のほうも、医療の給付費をかなり見込んで、そのことを想定して保険料をかなり集められて、実際は剰余金ができてるという中で、本当に介護保険料やこの後期高齢者医療保険、いろんな負担がふえて、消費税増税の問題でも、ひとり暮らしのある女性の方は、もう年間やっぱり10万円消費税でふえたというぐらいに言われている中で、生活がやっぱり非常に大変やというところにぜひ心を寄せていただいて、保険料をぜひ考えていただきたいということで要望させていただきます。
 引き続いて、次は、地域医療構想策定の進め方についてお尋ねいたします。
 昨年成立した医療介護総合確保法に基づき、都道府県は来年度までに地域医療構想を策定することが義務づけられました。全国で43万床、県内で3000床の病床削減指標が示されて、地域からは不安の声が上がっています。
 地域医療構想とは、病床機能を高度急性期、急性期、回復期、慢性期の4つに分類して、国が示した指針に基づいて2次医療圏ごとに2025年における機能別の必要病床数を明らかにしたもので、病床機能の再編を進めることを目的にされています。県内7つの医療圏ごとに、地域の医療、介護、福祉、自治体関係者で構成する圏域別検討会で、今年度までに各圏域の案を策定予定です。その後、県は、各圏域の案をもとに県地域医療構想を策定します。策定の根拠となるのが、国によって示された地域医療構想策定ガイドラインです。ガイドラインでは、2025年における病床区分ごとの医療需要を推計し、これをもとに都道府県が推計値を出すことを定めています。この推計値をもとに、検討会で圏域ごとの必要病床数が議論されることになります。
 そこで、福祉保健部長にお伺いします。
 医療需要の推計の仕方をどう考えられていますか。実情に合わせた医療構想を具体的にどう進めていこうとされていますか。また、その間の議論の公開をすべきと考えますが、いかがでしょうか。この点について御質問します。
○副議長(藤山将材君) 福祉保健部長。
  〔幸前裕之君、登壇〕
○福祉保健部長(幸前裕之君) 地域医療構想は、急性期、回復期、慢性期から在宅に至るまで、将来の医療需要を2次保健医療圏ごとに推計し、病床機能別の必要病床数など必要な医療提供体制の構築を目指すものです。
 医療需要の推計の方法は、今後の推計人口、現在の患者の受療状況や保健医療圏域間の入院患者の流入、流出などの状況を踏まえて、国が示す地域医療構想策定ガイドラインに沿って算定されるものです。
 県としましては、県民が将来にわたり必要な医療を受けることができるように、現在、保健医療圏ごとに圏域別検討会を開催し、地域の実情を反映するため、市町村や医療関係者等の現場の意見を十分聞きながら、丁寧に策定作業を進めているところです。
 今後、地域医療構想を取りまとめるに当たり、県民の皆様にパブリックコメントを実施するなど、それから医療審議会でも公開ですることを考えてまいりたいと考えてございます。
○副議長(藤山将材君) 奥村規子さん。
  〔奥村規子君、登壇〕
○奥村規子君 今のこの推計していくということが、どれをもとにして医療ビジョンを考えていくかというのが非常に大事なことやと思うんです。それが先ほど言うたように、レセプトをもとに推計したり必要病床数を出すということで、私が非常に思うのは、地域の実態をどうやって、潜在的な医療需要とか、そういったことが全く──どう考慮されていくんか。それも含めてやっていかないと、機械的な当てはめになってしまうのを危惧してるわけです。
 そういったところをぜひとも、今でも医療費の支払いができなくて、病院には毎月行くとこを2カ月に1回行くとか、毎週行かなあかんとこを2週間に1回にするとか、そういったことで変わってきますよね、医療推計も。そういうこととか、無保険の人とか通院がなかなか困難やというようなことで病院に行きたくても行けないという、そういった実態なんかもどう反映されていくんかというようなことも含めて、今、やっぱりしっかりと必要病床数を考えていくようにしてほしいということを思うんです。
 国は、この許可病床数に対して稼働病床が少ないことを理由にして病床削減の正当性を強調しているように私は思うんです。こういったやり方をすれば、本来の必要とされる病床の利用率が低いことを理由に、もう限りなく病床が減らされると、そういった仕組みになっていくんじゃないかということを指摘させていただきたいと思います。
 先ほど、パブリックコメントということもおっしゃられたんですけど、やっぱりちゃんと各7つの医療圏域の──2次医療圏域の保健医療圏計画ってありますよね。あそこの中には、きちっとかなり各圏域ごとの医療需要なんかが分析されてると思うんです。そういったことをぜひしっかりと反映させて検討していただきたいなということを要望させていただきます。
 最後でございます。
 在宅医療の推進と訪問看護に携わる看護師の人材育成ということで、地域医療を守り、全ての患者さんに安全で行き届いた治療を保障することを基本の上、本人が希望すれば在宅での医療が受けられる十分な体制が必要です。そのためには、今後ますます訪問看護の役割が大きく求められると思います。人材育成をどのように考えていますか。福祉保健部長、よろしくお願いします。
○副議長(藤山将材君) 福祉保健部長。
  〔幸前裕之君、登壇〕
○福祉保健部長(幸前裕之君) 居宅、介護施設や高齢者住宅などを含めた在宅医療提供体制の構築につきましては、在宅医療の総合相談窓口として、在宅医療サポートセンターを2次保健医療圏ごとを基本に設置し、かかりつけ医登録・退院時の紹介制度、急変時受け入れ病院の確保、主治医・副主治医制などかかりつけ医の支援体制、訪問看護ステーションや薬局同士の連携体制などのネットワークづくりを進めることにより、地域で安心して在宅療養を継続できるように取り組んでいるところです。
 とりわけ、在宅医療を推進する上では、かかりつけ医の指示のもと、直接在宅療養者の支援を行う訪問看護に携わる看護師の役割が大変重要と考えております。そのため、訪問看護ステーションと医療機関に勤務する看護師の相互理解を深める研修や、訪問看護ステーション等の看護職に専門的な知識を習得してもらうための出前講座を実施してきたところです。
 今後、訪問看護ステーションの管理者の資質向上と、新たに訪問看護に参画する看護師に必要な知識と技術を習得させるための研修などを実施し、人材育成に取り組んでまいります。
○副議長(藤山将材君) 奥村規子さん。
  〔奥村規子君、登壇〕
○奥村規子君 最後に、御要望させていただきます。
 今、在宅医療ということが、よく入院医療と対比して言われたりする面があると思うんですけども、在宅医療ということについては、やはり患者さん自身が希望すればというようなことで、よく病院から在宅へということで非常に困られてるとか、また、ある病院で入院されてて次が行き場がないとか、そういったこともしばしば聞いたりとかもしますし、そういう中で、やはり在宅医療というのは、その人自身が人間らしく過ごしていけるということが基本にあって、その医療をやっていくということが大事だと思うんです。
 それを支えていくスタッフということになれば、やはり在宅で過ごされる中では、御家族の条件やらいろんなことにかかわってきますし、また、介護でいえば仕事を介護のために離職しなければいけないとか、さまざまなことになってくると思います。こういったことは本当に県民的な議論をしながら、最後どこで人生を閉じるかという問題も含めて、県民みんなが十分議論ができるようなことの中で、在宅医療がどうあるべきかということもまずしっかりと考えていく上で取り組んでいっていただきたいなということを強く要望して、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○副議長(藤山将材君) 以上で、奥村規子さんの質問が終了いたしました。

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