平成27年9月 和歌山県議会定例会会議録 第2号(中 拓哉議員の質疑及び一般質問)


平成27年9月 和歌山県議会定例会会議録

第2号(中 拓哉議員の質疑及び一般質問)


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 質疑及び一般質問を続行いたします。
 24番中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕(拍手)
○中 拓哉君 皆さん、おはようございます。
 「なかなか頑張る中拓哉」と訴えながら──大分定着してきましたけども、この3期目の当選を、9371票というかたじけない得票で三たび県議会に、この議場に送っていただきました。仁坂知事を初め県職員の皆さんにも、格段の御支援を賜りましたことやと思います。とうとい1票を投じてくださった方々はもちろんのこと、県下各地から御支援をいただきましたし、全国からの声援もお受けいたしました。全ての方の御期待にお応えしていく、そういう決意で頑張ってまいります。
 また、議員としての役割は多岐にわたりますが、基本の第一は、やはりこういう議場で質問の権限を行使することかと存じます。投票に行かなかった方、あるいは私自身に1票を投じていない方も含めて、県民の幸せのため、政策を掲げ、施策を講じることで主権者である県民の目の前の障害を取り除き、不幸の原因を1つでも解消していくことが議員の本分と心得ております。
 県議として9年目に入り、ここ本会議への登壇も26回目を数えることになりました。知事初めひな壇の答弁者の皆様には、県民にお答えする、そういう見地で、簡明かつ端的な答弁をお願い申し上げます。
 それでは、質問に入ります。
 まず、平和安全法制について伺います。
 「備えあれば憂いなし」、こう申します。また、私、海南出身ですけども、こちらで議員もなさった山本有造さんの、海南市長のお父さんの山本勝之助さんの言葉が海南では有名なんですけど、「手回しせねば雨が降る」。こういうことを子供のときから教わってまいりました。そのように、「備えあれば憂いなし」、こういう格言がありますけども、今回のこの平和安全法制についてお尋ねします。
 6月議会の答弁で、知事は、紛争の抑止力として日米安全保障条約の効用を認め、国の安全保障は、仁坂さん自身も含め、国民一人一人がみずからの問題として真剣に考えるべきとお答えになり、また安全保障関係の法案に係る国会の運営については、国の所管ゆえ、和歌山県の知事としての意見を述べるべきではなしと、こういうこともお答えしております。
 ところが、このたびの平和安全法制整備法案10本の中には、武力攻撃事態等における特定公共施設等の利用に関する法律や、同じく国民の保護のための措置に関する法律の改正案も含まれておりまして、そこでいうところの緊急対処事態におきましては、みずから緊急対処保護措置を的確かつ迅速に実施しなければならないとなっておったり、特定公共施設等の円滑かつ効果的な利用の確保のため、必要な措置を適切に講ずるものとされております。つまり、県内の港湾や空港も、米軍や外国軍──オーストラリア軍とかそういったことやと思いますけども──そういった外国軍隊との利用調整があるやもしれないということでございます。
 そういう意味からも、県民の皆さんみずから考えましょうという答弁だけでなしに、まさに知事である仁坂知事みずからの問題としてこのことは降りかかってくるわけでございますので、仁坂知事の見解をもう一度お述べいただきたいと思います。よろしくお願いします。
○議長(前芝雅嗣君) ただいまの中拓哉君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 現在、安全保障関係の法案について国会で審議されているところでございますけれども、憲法学者や国民や、あるいはマスコミの間でさまざまな議論があることは承知しております。大事なことは、日本人の幸せのために平和と安全を守るということでありますので、現実の国際情勢とか社会の発展、変化などの状況から一番正しいことは何かということが最も重要であると思います。
 したがって、未来永劫にある時点での見解が絶対的に正しいということではないと思いますし、時代とともに、例えば裁判所の判例も変わってくることもあります。政治家や学者の見解も変わってくることもあると思います。もちろん、条文そのものの重要性は軽視してはならないので、解釈で何でもできるというわけではございません。そうしたことを踏まえた最終的な判断は、最高裁判所がすることになるわけでございます。
 政府が現実の国民生活と暮らしを守る施策を進める上で、最近の社会情勢とか、あるいは国際情勢とかを踏まえて、現在提案をしている法案が正しいというふうに思って出しておられるわけですから、さまざまな議論があったとしても、その最善の策と判断する根拠などを、政府の考え方をしっかり説明して理解を得られるように努力すべきであると考えております。
 また、議員御指摘のとおり、この法律が成立いたしましたら、武力攻撃事態等において、国は法律に従い権限を行使し、県内の公共施設の利用調整など、一定の協力を我々としても求められるということが想定されております。
 県といたしましては、住民の生命、身体及び財産の武力攻撃からの保護ということを常に念頭に置かなければいけないということでございますけれども、その上で協力していくことになると考えております。
 安全保障の問題は極めて大事な事柄でありまして、どうすれば平和を守り続けることができるかを国民一人一人がみずからの問題として、あんまりムードに流されないようにして真剣に考えなければならないと考えております。平和が大事だと唱えるだけでは平和は達成できないわけでございますので、私自身も、国民の1人として考え続けていきたいと考えております。
○議長(前芝雅嗣君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 御答弁、ありがとうございます。当然、県として、そういったことは法律に基づいて協力していくという御答弁でございました。
 それは、もうごもっともやと思うんですけども、例えば沖縄の今の普天間から辺野古に変わる問題等につきましても、国は進めてても知事さんは知事さんなりの考えがあり、選挙で勝って住民に訴えた、こういうことであれば、県知事としての権限を今フルに活用なさって国と対立してると、こういうことがありますよね。それで、沖縄県民の幸せにつながるということで頑張っていらっしゃるんやと思いますけども、そういうことで、1つの法律といいましょうか、事態と申しましょうか、やはり知事の考えが、例えば、この安保法制が違憲であり、けしからんのだというふうな知事であれば、それこそ存立危機事態におきまして緊急対処事態になって、県民の命を守らなあかんから和歌山港を貸す、白浜空港を貸す、こういったときに、利用調整に差しさわりが出てくるんじゃないかな、そういった思いもあったもんですからお聞きしました。
 また、解釈を変えるばっかりじゃなしに、最終的には最高裁判所のということでした。全くそうやと思います。ところが、砂川事件を見てもわかりますように、最終的には統治行為論ということで最高裁判所も避けました。ただ、自衛権はあるよということは、当然、あの裁判では解釈してますけども、米軍が日本に駐留するとか、そういったことは裁判所の範疇じゃないと、統治行為だと、最終的には選挙で選ばれた政治家が決めろよと、こういうことにもなったわけですから、何もかもが裁判所が決めてくれるわけではありませんし、また仁坂知事も、この前の福井地裁の原子力の仮処分のことについては、裁判官を批判といいましょうか、非難してましたよね。裁判官といえども、別に誰の指も指されたらあかんというもんじゃありませんから、当然、仁坂知事の見解はおっしゃってもいいんですけども、そういうときも最高裁が最終的に決めるというんであれば、やっぱりそういうことも言うた上で言うてほしいなあ、かように思うもんでございます。
 最後におっしゃってくれました、平和、平和と言うてるだけではだめだと。そうやと思います。今回の安保法制も、去年の5月の安保法制懇の答申が出たときは膨大な量で、いろんな安倍さんの考えに基づいたことを書いたんやと思います。しかし、その後、7月1日の閣議決定に至るまでの間にはいろんな討議がなされ、政府としては最終的に、安保法制懇でいろいろ、集団的自衛権のことも、国際法上行使すべしというようなことはあったけども、日本国憲法9条に立脚すればそうもいかないな、やはり日本国、我が国の安全だ、我が国の安全に必要がある、それこそ我が国が武力攻撃を受けた事態、それに相当するところぐらいかなあということで、あの閣議決定になり、今回の法制になったと勉強しております。そうだと思います。
 また、この前の国会の意見聴取におきましても、あの安保法制懇を書いたメンバーである細谷雄一国際政治学者も、あのときああ書いて答申したけども、今回の法案を見れば、憲法9条を改正しないということであれば、これがぎりぎりで非常に抑制された形になってると、書いたほうの人もそんな評価でございましたですし、今の現状を見たときに、徐々に「ああ、やはり憲法9条の、交戦権を否定し、戦力不保持をし、こういう精神に基づいて、やはり我が国が攻撃された事態のときだけやな」、こういう理解が徐々に進んでいってるんやと思います。
 そんな中で、きのう、「県民の友」を配られたんで読んでました。仁坂さんが、自分の恩師というか、尊敬する東大の先生のお話の中で、反体制──要するにレジームですね。そういう仕組みとしての反体制──ではなしに、反大勢、要するにマジョリティーに対する意見だと、こういうことを御紹介なさって、非常に興味深い記事でございました。全くそうやと思います。
 和歌山県の知事として、そういう大勢におもねることなく、時には少数であっても頑張るということやと思いますけども、ここで1個苦言を呈しますと、安保反対や、道州制や、コンクリートから人や、出先機関移転や、政権交代、地球環境、反原発、規制緩和、特定秘密保護法も、要するに大勢になったと言うんですね、仁坂さんは。大勢の意見やったということになってくると、たちまち、皆、日和ってといいましょうか、そういう大勢のほうにつくということで、その中で正論を述べていかなあかん、黙ってしもうたらあかんということを言うてんのですけど、その中で、表現的に集団的自衛権もその中に入ってるんですね。今回の法律は決して集団的自衛権を認めたわけじゃありませんけども、限定的であれということで、集団的自衛権を行使するようなことはするなと。いわゆる反集団的自衛権に対しての大勢であって、最初に仁坂さんが紹介してますように、「安保反対」と書いてますね。「安保反対」というふうな形で「反集団的自衛権」も大勢になったというふうに書くのが正確な記述じゃないかなということを、苦言を呈しておきたいと思います。
 それで、議論は尽きないんで、ほかの方もやりますから譲るとしまして、次の質問に移りたいと思います。
 次には、県勢の振興について何点かお尋ねしたいと思います。
 去る6月3日、駐日トルコ共和国特命全権大使アフメット・ビュレント・メリチさんと田嶋勝正串本町長からの御案内を受け、トルコ軍艦エルトゥールル号125周年追悼式典に参加いたしました。あいにくの雨で、串本町樫野崎の遭難慰霊碑前から串本町文化センターに会場を移しての式典でした。
 日本・トルコ協会総裁の彬子女王殿下御臨席のもと、厳かな式典でした。地元の小学生による追悼歌も、あの格調高い歌詞で見事でございました。雑賀先生のいとこさんかおじさんか何かの歌詞とのことでございました。
 串本ロイヤルホテルでのエルトゥールル号の銅像除幕式では雨も上がり、皆さんも記念撮影に興じるなど、非常に和やかな雰囲気でございました。
 夜には祝賀レセプションが開催され、私も、パキスタン大使、アゼルバイジャン大使、ボスニア・ヘルツェゴビナ大使といったお客さんたちと懇談の機会を持つことができ、貴重な体験を持つことができました。何より、あの軍楽隊の聞き覚えのある演奏が圧巻でしたし、日本に在住のトルコの方たちも大変大喜びで、スマートフォンで何とそれを友人に中継している、そういう姿がほほ笑ましく思いました。
 その折、本年12月5日公開の映画「海難1890」の紹介があり、さわりの映像を拝見しました。前芝議長が本議場で取り上げてくれたことで、私たちもこのことを知ったわけでございますけども、この映画の完成を心待ちにしておりましたところのこのたびの封切りでございます。6月議会でも、新島先輩、雑賀先輩も取り上げ、教育長にただしておられます。県下5カ所の映画館で7週間以上上映される予定とのことです。安倍首相も、当時の首相で今は大統領のエルドアン氏との会談で、1985年、あのテヘラン在住邦人救出のお礼も述べながら、映画制作の協力を約し合った、こういうことでした。
 今、厚生労働副大臣で、外務官僚当時、イスタンブール大学の大学院でトルコ語の勉強もした経験をお持ちの我が党の山本香苗参議院議員にも、この前、お会いしましたんで、映画の応援をお願いしました。彼女から、「私も、その制作の実行委員ですから、もちろん応援してますよ」とのことでした。
 ここで、こういったせっかくできた立派な映画ですんで、大ヒットに向けて本県も大々的に取り組むべし、かように思います。ちょっと心配なのが、同時期に「スター・ウォーズ」が封切られるということなんで、そっちに負けないように頑張っていきたいので、知事の権限をフル活動してあげてやってもらいたいな、かように思います。
 さっきの冒頭の安保法制、もし意見がありましたら、どうぞおっしゃってください。
○議長(前芝雅嗣君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 答弁を促されましたので。
 先ほどの点につきましては、ずらずらっと並べましたのは、厳密に書いていません。それで、例えば特定秘密保護法も、「反特定秘密保護法」と書いておりません。だから、そういう意味で、キャッチフレーズとしてマスコミの言葉で登場した言葉をずらずらずらと並べて、それで、世の中でちょっとブームになってるので、それに逆らうと悪いやつだと言われるのはかなわんなあというのが、全体のムードにすぐなりますよねというふうなことを申し上げましたんで、かなりアバウトに言葉を並べたということでございますので、御指摘も正しいんですけども、そういうもんだと御理解ください。
 それから、エルトゥールル号の映画でございますけれども、構想から6年の歳月を経て、日本トルコ友好125周年ということしの節目の年に完成いたします。東映が配給をしてくださることになりまして、12月5日から日本では全国の映画館で公開されることになりますが、大いに喜びたいと思います。
 私は、映画をつくりたいという田嶋町長からのお話にすぐ賛同いたしまして、構想実現に向け、経済界への支援要請を行ってまいりました。その間、リーマンショックなど企業の財務状況が悪くなって、長く、実は悪戦苦闘をしたんでございますが、最終的には、安倍首相と当時のエルドアン・トルコ首相の首脳会談において、映画公開に向けて協力することで一致したということがアナウンスされました。これが追い風になりまして、私たちの趣旨に賛同して、多くの企業、人々が御協力いただけることになったわけです。和歌山県でも、和歌山県を中心とする有志の方々がNPOをつくって、草の根で寄附を集めてくださったことも大きかったと思います。こういうようなことによって、日本・トルコ合作映画として公開されることになりました。
 この映画では、日本とトルコの友好の礎となるエルトゥールル号遭難事件と、その95年後に起こったテヘラン邦人救出劇を通して、両国の友情と強いきずなが描かれております。和歌山県民が持つ人を思いやる心、ロケ地となった串本の海に代表されるすばらしい自然など、和歌山県の魅力を国内外に発信する、本県にとって大いに価値のあるものだと考えております。
 県では、この価値ある映画を1人でも多くの方々に見ていただけるよう、県広報紙を活用した広報など、通常の話はもとより、経済団体や企業を初め県人会、その他いろんなえにしの方々に対して働きかけを行っていくとともに、特に県内の多くの子供たちにも鑑賞してもらえるようにいろいろ工夫して取り組んでいきたいと思っております。
 また、公開に先立ち実施されると思いますプレミアム試写会等の機会も積極的に活用いたしまして、本県のPRを図ってまいりたいと考えております。
○議長(前芝雅嗣君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 ありがとうございます。
 私も、小学生のころ、学校の先生に連れられて映画館へ行って、文部省推薦の映画やと思いますけども、見せてもらったのが、やっぱりそういう子供心に残っておりますから、大いに影響──いいことやと思いますんで、ぜひお願いしたいと思います。
 それでは次に、移住・定住大作戦についてお尋ねします。
 統一選挙の後半戦の和歌山市議選の最中に、5月の「県民の友」をごらんになった方から相談を受けました。「和歌山がみんなの故郷に」とのタイトルで、あの「県民の友」が7ページを割いての移住・定住対策の紹介です。
 その方は、田舎から和歌山に出てきて、小僧のころから苦労を重ねて、独立して事業も成功し、今、改めてふるさとに思いをはせたとき、放置したままの実家であるとか畑や田んぼ、そういったことが心配、ふびんでならない、こういうことでした。そんな折のあの「県民の友」の記事でした。空き家でも畑でも、使ってくれるなら提供したいということでございましたんで、そのくだんの方のお話が来て調べたんですけども、残念ながらその方の場合は紀の川市の鞆渕ということで、過疎対象地域に紀の川市は入っておりませんもんですから、県の「県民の友」で紹介してくださった施策の対象外、こういうことだったもんですから、残念ながらという御返事をお返ししました。
 そうしたところ、先日、私の携帯電話に、創価大学で私と同期だった茨城の県会議員から、月刊誌の「潮」を見たと。「潮」の9月号ですね。ここに、和歌山県の移住の取り組みがすばらしいとの紹介だった、ぜひ勉強したい、こういうことでした。私も早速読みましたところ、仁坂知事や西山課長も取材を受けて丁寧に紹介されてることを読んだわけですけども、読む限りは大作戦は大成功のようなんですけども、進捗状況を企画部長のほうからお示しいただけたらなと。お願いします。
○議長(前芝雅嗣君) 企画部長高瀬一郎君。
  〔高瀬一郎君、登壇〕
○企画部長(高瀬一郎君) 今年度、県では、移住・定住大作戦と銘打って、「くらし」、「しごと」、「住まい」の3つの視点で移住施策を展開しているところでございます。
 主なものとして、東京、大阪に専任の移住相談員を配置するほか、都市部での移住相談会やフェアを多数開催し、移住推進県わかやまを強力にPRしているところであります。
 また、移住者への支援施策としましては、現役世代の移住・定住を促進させるため、全国トップクラスの最大250万円の奨励金制度や県統一版空き家バンクの設置、現地体験会の開催など、総合的に施策を展開しているところでございます。
 今年度7月末時点の移住実績は46世帯83人で、前年同時期の約3倍となっておりまして、移住相談や現地案内件数も前年度を上回っている状況でございます。移住・定住大作戦の効果が徐々にあらわれているというふうに考えております。
 県としましては、引き続き、移住希望者への情報発信に努め、市町村と一緒になって移住者の受け入れを積極的に進めてまいります。
○議長(前芝雅嗣君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 ありがとうございます。
 7月時点で46世帯83人ということですけども、事前にお聞きしましたら、今までで555世帯1000人から移住ということですね。非常にいいことだと。
 ただ、心配なのは、他府県も同じようなことをやり始めてますから、その競争になってくると思いますんで、なお和歌山の魅力を発信してもらいたい。
 この前、ある金融機関の方とお話しする機会がありましたら、8月と1月に預金がごそっと出ていくんだそうです。それはどういうことかというと、和歌山でお亡くなりになった方が、8月のお盆とか正月に親戚が集まって相続の協議が調って、おじいちゃん、おばあちゃんの定期の解約で引き出されると。それが県内でとどまってくれたらええんですけども、送金先が都会やと、こんなお話も聞きました。
 そういう意味で、お亡くなりになるのは、そらもうやむを得んことですけども、そういったキャッシュがよそへ行くというのは和歌山にとっても残念なことやと思いますんで、むしろ和歌山のほうに集まるような形もあろうかと思いますんで、頑張っていただきたい。
 非常にいいことなんで大賛成なんですが、先ほど御紹介した方のように、過疎対象以外の市町村の場合は対象にならんというんですけど、和歌山でも滝畑みたいなところがありますし、岩出でも境谷みたいなところがありますし、決して町なかやからということで、市やということで外れるわけではないと思うんですけども、全県下を対象にした、こういった仁坂さん得意の大作戦を展開するおつもりはございませんか。
○議長(前芝雅嗣君) 企画部長。
  〔高瀬一郎君、登壇〕
○企画部長(高瀬一郎君) 移住推進につきましては、6月に策定しました和歌山県まち・ひと・しごと創生総合戦略におきまして、30市町村の全県体制で取り組むことを目標に掲げたところでございます。
 移住・定住大作戦を推進する中で、移住者の受け入れや移住後の暮らしの支援においては、地域の事情に精通した市町村のワンストップパーソン及び地域住民による受入協議会の協力や支援が不可欠であると考えております。そのため、受け入れ体制を整えていない市町に働きかけ、30市町村一体となって全県体制で移住推進に取り組んでまいりたいと考えております。
 また、移住・定住大作戦の支援制度は、現在、17の移住推進市町村において適用しております。今後、新たに受け入れ体制を整える市町については、過疎地域の要件である人口減少率または財政力指数の基準をもとに支援制度の適用を検討してまいります。
○議長(前芝雅嗣君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 ありがとうございます。
 私、高瀬さんに期待したんは、そういうこともあるけども、県の職員が、市が乗ってこんとか市が準備せんとかじゃなしに、県の職員がじかに、一緒にその方を訪ねて、その方の世話をして、ずっとついていったら来てくれるん違うかな、そんなに思うたんで、県を挙げてやったらどうよということを申し上げたんで、ぜひ新年度においてでも結構ですけども、手厚くしていただければな、かように思います。
 次の問題に移ります。
 このほど、公明党の文部科学部会長の浮島智子代議士と懇談する機会がありまして、浮島さんから、日本遺産に関する資料とともに、「和歌山県もチャンスですよ。応援するから頑張ってね」というお話をいただきました。27年度申請として、県のこの日本遺産に関しては、「超人 空海が遺した伝説と文化」、あるいは御坊市と日高町の「日本最古のシンデレラストーリー」の2件が残念ながら落選したということでした。
 2020年オリンピック・パラリンピックに向けて、国は、文化芸術立国の実現、文化力プロジェクトといった推進も、文化庁を挙げて力を入れていくということでございます。今年度、和歌山は落ちたんですけども、採用された18件の日本遺産のリストを見せてもらっても、和歌山県が持つポテンシャルのほうが数段まさってると思えてなりません。それで勉強しましたら、地域型とシリアル型があり、従来のそういう保存重視の文化財行政ではなく、活用重視なのが日本遺産ということでした。
 審査委員でもある稲葉信子筑波大学大学院世界遺産専攻教授の解説によると、世界遺産や国宝ではできない遊び心が許されて、地域に残る本物の文化財をつなぎ、訪れる人が「さすがだね」と楽しめるような、文化財のいわば漫画日本史版、認定された後に地域活性化や観光の国際的なベストモデルに成長していってほしいなあ、スポーツで例えれば強化選手、そのような日本遺産の仕組みということが「公明新聞」に掲載されておりました。
 私が思いつくだけでも、南方熊楠が取り組んだエコロジーや濱口梧陵が取り組んだあの防災堤防築営、おしょうゆ、耐久舎、あるいは華岡青洲さんが取り組んだ乳がん手術、医塾春林軒などなど、本当にたくさん和歌山県はあると思います。2020年までに100件程度認定と書いておりましたけども、6月には岩田議員もただしておられましたが、私からは、知事が得意の、これもそうですけど、大作戦で何としても認定をかち取るべし、かように思いますんで、取り組み状況をお示しください。
○議長(前芝雅嗣君) 教育長宮下和己君。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 本県には、徳川吉宗、濱口梧陵、南方熊楠など、さまざまな分野で大きな功績を残した誇るべき先人がおられます。また、地域の歴史を色濃く伝える文化も豊富で、これらにかかわる国や県指定文化財が多数存在しております。本年6月には、南方熊楠の研究フィールドであった田辺市を中心とする島や海岸、社寺など13地点が「南方曼陀羅の風景地」として国名勝指定の答申がなされたところです。
 このように、本県では、史跡や建造物、動植物、文化的景観、伝統的な民俗芸能などを文化財として積極的に指定してきており、確実に将来に引き継いでいけるように取り組んでおります。
 県教育委員会といたしましては、こうした豊富な文化財を活用し、特色ある日本遺産として認定されるよう関係機関と連携し、支援してまいります。
○議長(前芝雅嗣君) 商工観光労働部長藤本陽司君。
  〔藤本陽司君、登壇〕
○商工観光労働部長(藤本陽司君) さきの6月議会で岩田議員の一般質問に対する答弁でも申し上げましたが、日本遺産については、前回申請を行ったものの、認定には至りませんでした。
 次回申請においてはぜひとも認定してもらうという強い決意のもと、現在、文化庁あるいは認定された自治体から資料を入手するなど、さまざまな情報収集と分析を行っており、文化財を中心に関係スポットを線や面でつなぐストーリーが審査員の興味を喚起することはもちろんのこと、ストーリーが現在にどうつながり、生かされているかということなど、認定されるために必要な要素もかなり見えてまいりました。
 今後は、これらの結果を踏まえ、県教育委員会を初めとする関係部局・機関と連携し、必要に応じ専門家の意見を聞くなど万全を尽くし、本県の豊富な文化財や地域資源を生かした魅力あるストーリーを構築し、認定に向けた作業を進めてまいります。
○議長(前芝雅嗣君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 ぜひ頑張ってください。吉報をお待ちします。
 次に、学校基本調査を受けて、不登校生徒の比率が全国最悪という結果だという御報告を受けました。生徒数が減少する中で、教員の比率は全国的にも中程度を維持してるんですね。先生も少ないんやったら、そういう理由はわからんでもないんですけど、教員の数は全国的には中程度を維持しているのですから、先生の負担が他の都道府県に比べて大きいわけでもないのに不登校の生徒が増加しております。
 学力テストの結果の悪さもショックでした。ことしはちょっと改善されるもんやろうと思いますけども、あの最悪だった結果もショックでしたけども、それ以上に、学校に行けないというのが本当に心痛いです。ショックです。
 勉強は苦手でも友達と遊べる、学校というのは楽しいもんやった──これは私の経験からも言えます。県下で260人の小学生が、あるいは917人の中学生が、病気でもないのに学校へ行けないという現実は直ちに改善すべきやと思います。直ちに手を差し伸べて、学校へ行こうよと誘っていくべきじゃないですか。
 県の長計の中にも「未来を拓くひたむきな人間力を育む和歌山」、その中では、「学校教育活動全体を通じて不登校やいじめ等の課題を生まない学校づくりに取り組む」とありますし、知事さんの選挙公約には、「子供たちが、元気でいい人に育っていくよう、学力の向上、道徳教育の充実など教育に力を入れてまいります」とあります。
 不登校生がふえる現状として、知事さんはどう考えますか。どのように対策を講じますか。今回、教育基本法等が変わって、教育委員会に対しても、協議して、知事さんの権限が発揮できるようですけど、具体的な指示はなさいましたか。お答えください。
○議長(前芝雅嗣君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 今回の調査結果は、大変憂慮すべき状況であると認識しております。本来、学校は、子供たち一人一人が安心して集団生活を送れることが基本でありまして、そのために、学校や教職員は力を合わせて取り組んでいかなければなりません。
 不登校問題の解決には、未然防止、早期発見・早期対応が何よりも重要であります。もちろん、深刻な事態になったとしても放置しないで、これをみんなで助けていくということも大事でございます。しかしながら、不登校の要因や背景はさまざまな要素が複雑に絡み合っておりまして、児童一人一人への必要な支援は、多分異なるものだというふうに思います。
 こういったことから、今のところでございますが、不登校にはこれが決め手だという対策を考えついてるわけではありません。今から検討して、28年度新政策の最重要課題として取り上げていきたいと考えておりまして、これについては、新政策の議論の中でも、これを最も重視して考えようということを教育委員会、その他関係部局に指示をしているところでございます。
○議長(前芝雅嗣君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 ありがとうございます。
 メールでも、知事さん、自分のところへ言うてこいと、こうやっておっしゃってくれましたよね。子供にそういうことを──現場に通じることは大事なことやと思います。
 また、今いろいろ、さまざまな事情があるとかなんとかと、聞けばそうなるんでしょうけど、誘いに行ったってくださいよ。そんな滑った、転んだと言うてやんと。学校に来ん子に、行こうよ、何よと、こうやって、そういう手を打ってくださって解決していってほしいな。いや、状況があります、いろんな理由があります、そういう弁解をする前に動いてもらいたいな、かように思います。
 教育委員会は、こういう不登校生をなくすためにお考えあるんやと思いますんで、お示しください。
○議長(前芝雅嗣君) 教育長。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 不登校問題への対応につきましては、まずは未然防止、早期発見・早期対応のため、児童生徒の状況把握と、欠席傾向を示し始めた児童生徒に対し早期の支援を行うとともに、不登校状態となった児童生徒に対しては、一人一人に応じた学校復帰への支援が重要であると考えております。
 この認識のもと、本年度、スクールカウンセラーの配置校を前年度より16校ふやし、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校、合わせて248校に、また、スクールソーシャルワーカーを前年度より5市町ふやし、22市町3県立学校に配置拡充しております。
 また、全ての教職員が不登校の未然防止に向けた集団づくりの充実を図るためのリーフレット「不登校を生まない集団づくり」を新たに作成し、本年4月に県内全ての学校に配付しました。
 5月には、「いじめ問題及び不登校への対応について」の通知を出し、私が、直接、市町村の教育長に通知の趣旨の徹底をお願いいたしました。
 さらに、県内全ての公立小中学校の生徒指導担当教員を対象とした研修会を開催し、このリーフレットや通知の趣旨について徹底を図りました。
 8月には、県内全ての公立小中学校に対して不登校児童生徒に関する実態把握を行うとともに、夏季休業が終了して学校が始まる時期に児童生徒が登校しやすい状況をつくるよう指導を徹底いたしました。
 今後、児童生徒の欠席状況の把握に努め、課題のある学校に対して市町村教育委員会と一体となって支援を行うとともに、関係機関と連携したより実効性のある施策を検討するなど、不登校問題の解消に全力で取り組んでまいります。
○議長(前芝雅嗣君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 こうやって聞けば、そういう立派な答弁をしてくれるんですよ。で、こういうパンフレットだっていただくんですよ。こんなん配ったとか、呼んで会議したとか、そんなことをしてて──ほんでスクールカウンセラーもふやしたと言うんですか。そしたら、何でふえるんですか。配置せなんだらもっとふえたと言うんですか。そういうことじゃないんですよ。行ったってくださいよ、学校へ来ん子のところへ。そういう手だてをすぐしたらええん違うんと思うんですよ。
 それで、ここから、私、素人ですから、ちょっと乱暴なんかわかりませんけども、学校の教員の方だって、勤務評定と言ったら語弊があるのかな、仕事ぶりを評価されるわけですね。当然、人事の考課も受けるわけです。当然、学力テストなんかでも、伸びた教室の先生なんかはやっぱり頑張ったんやと思います。そういう形の中で、不登校の生徒を生んだか生まないか、あるいは不登校やった生徒をちゃんと学校へ来るように指導というんですか、そういうフォローができたかどうか、そういったことも人事評価の中に入れたら、多少ぴりっとして真剣になってくれるん違いますか。そこらのところ、一遍お答えください。
○議長(前芝雅嗣君) 教育長。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 不登校児童生徒への対応に係る教職員の人事評価制度の活用につきまして、お答え申し上げます。
 人事評価制度は、教職員の能力開発、資質向上と学校組織の活性化を図ることを目的としたものでございます。また、学習指導や生徒指導等における教職員一人一人の取り組みを評価の対象としており、その中には不登校児童生徒への対応も含まれるものと考えてございます。
 この人事評価を活用することにより、教職員がみずからの資質能力を高め、学校長が中心となり、学校全体が一致団結して課題の解決に取り組むことで県民の皆様の期待に応える学校づくりを進めてまいりたいと考えてございます。
○議長(前芝雅嗣君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 県民の期待に応える学校づくりをつくってほしいんですけど、不登校の子が学校へ来るように、ぜひお願いします。
 次に、環境行政、平成27年版「環境白書」についてお伺いします。
 これですね。(冊子を示す)議会の初日に配ってくれたやつです。持ってませんか。まあ持ってないやろうと思うて資料を提供してるんやと思います。
 それで、ここで本9月議会の招集日にいただいたやつです。「環境白書」が配られました。和歌山県環境基本条例第8条に、「知事は、毎年、環境の状況及び県の環境の保全に関する施策についての報告を議会に提出しなければならない。」と規定され、毎年の9月議会に提出されます。
 平成24年9月までは、細かい数字の非常に分厚いもんでございました。(冊子を示す)こういうもんでございました。366ページ、カラー版、地球環境保護のため再生紙と大豆インクを使用。その後、資料や解説が削られて、100ページから150ページの分に非常に簡素化されました。それでも、表紙とか知事さんの写真はカラーなんです。この表紙の中で、常に表のところは、南紀熊野ジオパークフォトコンテストの入賞作品です。裏は、愛鳥週間や「ストップ地球温暖化」ポスターコンクールに入賞した小学生、中学生、高校生の作品です。
 こうやってそれなりに体裁を施してくれてますけど、それが今回、白黒でして、去年の8月28日、ジオパークに認定され、非常に晴れがましい、これから世界ジオパークを目指すぞ、こういう巻頭特集が組まれておりまして、去年、おととしの慣例からすると、カラー刷りで組まれる晴れがましいもんのはずでした。
 ところが、お手元に配付のとおり、背表紙が黒いこういう製本テープの白黒版ですし、自然環境保全地域や南紀熊野ジオパークといった地図は不鮮明な上──16ページ、29ページ、71ページです。水質調査のグラフは、マークが潰れてしまってグラフの役割も果たせません。76ページ、77ページ、100ページです。ジオパークのシンボルマークやレジ袋削減を訴えるポスターも、文字がにじんで判読不能です。普通の常識であれば、落丁・乱丁があればお取りかえという未完成の作品ですよね。
 判読不能なところを教えていただきたいのと、議会に提出すれば済むとするこの態度は議会を軽んじているもんと思いますが、いかがですか。環境生活部長、お願いします。
○議長(前芝雅嗣君) 環境生活部長栗山隆博君。
  〔栗山隆博君、登壇〕
○環境生活部長(栗山隆博君) お答えいたします。
 平成27年版「環境白書」につきましては、例年どおり、今9月定例会への提出に向け、鋭意編集作業を進めてまいりましたが、結果的に、議員御指摘のとおり、表紙がカラーでないこと、また、背表紙がなく製本テープのみであることなどについて、例年作成するものと相違点が生じたものでございます。
 内容的にはたがわないものと考えてございましたが、議員御指摘の箇所を初め、印字が薄かったり図表が小さいなど、判読しづらいところが確かにございますので、現在印刷を進めております頒布用の「環境白書」ができ上がり次第、お届けさせていただきたいと存じます。
 また、次年度以降の作成に当たりましては、議会へ提出する重要な報告であるとの認識のもと、より一層、読まれる方の立場に立った編集、印刷に努めてまいります。
○議長(前芝雅嗣君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 ぜひお願いします。新しいの来たときに、どっちが議会に出したんよというようなことになりますんで、そういう議論もしたいですけど、時間もないんでやめます。
 ただ、1点言うときます。例えば、71ページのダイオキシンの測量地点ですけども、御坊市のところにあるのが環境衛生研究センター──字が読めないですけど、去年、おととしのを見たら読めるんです。環境衛生研究センターはここにはないんですね。和歌山市の砂山にあるんですね。ここにあるのは、御坊監視支所というところだそうです。これは、数年前まではちゃんと御坊監視支所と書いてました。知らん間に抜けてまして、間違った形になってますんで、そういったことを訂正していただければと思います。
 次に、県民の命と暮らしを守る安心・安全和歌山の難病患者支援についてお尋ねします。
 毎日のように配られる県からの資料提供を見ておりますと、難病・子ども保健相談支援センターからの資料に目がとまります。実に多くの難病があり、患者御本人や御家族を初め、医療関係者やボランティアの方々の取り組みに頭が下がります。
 公明党も、地方議員と国会議員のネットワークを生かして先進的な取り組みを推進してきたところ、難病医療法の難病対策の新制度が始まり、この7月からは医療費助成対象の指定難病が306疾病に拡大されました。一方、改正児童福祉法により、医療費助成の対象となる子供の難病も、514疾病から704疾病へと拡大されて、自己負担が3割から2割へと削減されました。
 指定難病に指定されるには、原因不明、治療法未確立、診断基準は確立、患者数極少などの条件があり、指定難病に入らないまでも、研究が望まれる病気もまだまだたくさんあります。
 今回の指定難病の拡大や新制度では、医療費の支給認定の事務や患者さんの生活環境の整備、就労支援も県が担うこととなります。難病対策地域協議会の設置も、努力義務として書かれております。本県の現状と支援拡大の取り組みをお示しください。
○議長(前芝雅嗣君) 福祉保健部長幸前裕之君。
  〔幸前裕之君、登壇〕
○福祉保健部長(幸前裕之君) 難病患者支援についてお答えします。
 県においては、本年1月の難病の患者に対する医療等に関する法律施行に伴い、医療費助成対象疾患の拡大や、難病指定医、難病指定医療機関の指定など、新制度への移行に対応しているところです。
 難病対策地域協議会につきましては、保健所を中心に、医療・介護・福祉従事者等が連携して地域の実情に応じた在宅療養支援体制の整備を進めるものであり、難病患者を支える新たな仕組みとして、各地域において設置できるよう努めているところです。
 次に、難病患者の就労支援につきましては、難病・子ども保健相談支援センターにおいて難病患者の就労に関する機関連絡会議を設置し、ハローワーク和歌山に配置されている難病患者就職サポーターなど関係機関と連携して難病患者の就労に関する相談に対応しております。
 また、国において、難病患者を新たに雇用した雇用主に対する発達障害者・難治性疾患患者雇用開発助成金などの難病患者雇用支援策が実施されており、県としても、関係機関に対し、制度の周知に努めてまいります。
○議長(前芝雅嗣君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 御答弁、ありがとうございます。
 それで、事務も大変で、職員も少ないです。大変やと思いますけども、そういう事務が滞りないようにしてもらいたいのと、就労支援まで今回せなあかんということですから、お仕事を世話することもぜひやってください。
 今言うてくれた助成金なんかも、雇うたほうは1年間に120万、国からお金が出るということですから、そういったこともお願いしたいのと、県の職員さんとか、そういったところも別枠で採用できるんじゃないかなと思うんですね。というのは、お病気が、通院せんなん、治療せんなんというだけで、仕事をする能力については、全然、健常者といいましょうか、そういうことは心配ないわけですから、長いこと休んで治療して会社をやめたというような方について、戻る先がないんであれば県庁で働きませんかと、こういう仕組みもぜひつくっていただきたい。これは要望しときます。
 それで、次は救急支援アプリについてお尋ねします。
 このほど、全国知事会「先進政策バンク」の審査で、本県の危機管理・消防課がNTTドコモなどと共同開発した、応急手当てのできる人が現場に駆けつけて、救急隊が来るまでの間、応急措置をするためのそういったスマートフォンアプリ「MySOS」が優秀政策に選定されたとのことです。慶賀にたえません。県民の1人として拍手をお送りしたいと思います。
 6月の文教委員会でも、救命講習を受けてる学校の先生も多いんですから率先して登録してはと提案しましたが、医療従事者はもちろんのこと、消防隊員、私らもそうですけど、消防分団員、そんな方にも登録を勧めて、何より県庁の職員さんが真っ先にこのアプリを取り込んで登録していくということはいかがでしょうか。お答えください。
○議長(前芝雅嗣君) 危機管理監和歌哲也君。
  〔和歌哲也君、登壇〕
○危機管理監(和歌哲也君) 議員から御紹介いただきましたとおり、この取り組みは、今年度、全国知事会におきまして、先進政策バンクの優秀政策に選定されました。このことにより、和歌山県の政策は、全国で唯一、8年連続で優秀政策に選定されたこととなります。
 この救急支援アプリMySOSは、119番通報から救急車が到着するまでに要する約8分の間に、救護を必要とする方の周囲にいる人が早期の応急手当てをすることにより救命率を向上させることを目的として、本県がNTTドコモとの共同により企画したアプリケーションです。
 早期の応急手当てを行う人に期待するのは、心肺蘇生だけでなく、倒れている人を励ましたり、AEDを持ってきたり、担架搬送を手伝うことなども含みます。
 本アプリは本年4月から稼働しており、昨日8月24日現在で、全国で5307人の方が登録されております。登録者のうち、「救援することが可能である」として登録されている方が1190人、うち和歌山県内の方は466人となっております。
 MySOSの登録者がふえることにより、県民のみならず、紀の国わかやま国体・大会を初め、観光など、本県を訪れる方にとっても安全・安心な和歌山となるよう、県庁各部局の職員に救援者として登録するよう積極的に呼びかけているところであり、消防機関や医療機関等に対しても、職員の登録を働きかけているところです。引き続き、普及、登録者の拡大に努めてまいります。
○議長(前芝雅嗣君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 いつもここで当局に何かきついことを言うたりして嫌われてるんですけど、これはほんまに褒める話で、うれしいなと思うんです。
 ところが、通告を出して人数ぐらいどうよと聞いた途端に、県庁の職員から、「中さん、こんなん登録せえって県庁の中で言うてきたで」と。僕のきょうの質問を受けて、「わかりました。県庁の職員さんにします」と言うて通知を出してくれてふえるんならいいんですけど、質問する通告を出して、人数を言わんなんもんやからというて出してるという、そのこそくなところにちょっと憤りを覚えます。これは嫌みで言うとくだけです。ええことが進むんやからええんですよ。お願いします。
 最後に、議案第120号ですね。議案書の9ページです。議案書9ページを開いていただけますか。こんなに言うても、前の方も議案を持ってないし、皆、予算審議せえと言うてんのに開けないでしょう。答弁だけ持ってたらええんかわかりませんけども、やっぱり何が出るかわかりませんので議案書ぐらい持ってきてくださいよ。
 最後に、先ほど山本議員も聞きましたけど、第120号の和歌山県個人情報保護条例の一部を改正する条例に関連してお伺いします。
 今回の改正は、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律、いわゆる番号法ですね、この中で、特定個人情報の利用制限を設け、今までやったら、県の情報公開というか、個人情報は本人だけしか渡せへんよ、準禁治産者、禁治産者──今は成年後見人というんですか──そういう方の代理しか渡せへんよということですけども、このマイナンバーにつきましては、本人がこの人に任したらええよという任意代理人にも特定個人情報を開示できるようになるそうです。そういう内容やと思います。
 そこで、いわゆるマイナンバー制度の導入が近づくにつれ、県民からは不安や心配の声が上がっています。年金機構のあの情報漏えいやサイバーテロの現状、あるいは病歴、納税情報、資産情報、こういった秘匿性が破れるんじゃないか。あるいは、今心配されます還付金詐欺やカード発行に伴う特殊詐欺──電話が来て、「あなたのマイナンバーがちょっと漏れたんで、ちゃんと訂正せんなんので教えてよ」というようなことで、また詐欺に使われるようなことがあります。
 そういったことの心配も含めて、先ほどの山本議員と重なるところがありますんで、もう何点かまとめて答えてください。周知、広報はどのように進めますか。そういうマイナンバーに関して不正な勧誘があったとき、ないようにできますか。また、マイナンバーをすることによって県民のメリットは何ですか。あるいは、ここが厄介なんですけど、マイナンバーの通知を受けて、それでまた顔写真を張ってもらうために市役所にカードをもらいに行かんなんですね。和歌山市だけでも40万人近くの人が一遍に来るわけですから、市役所に大行列ができて大混乱、朝から並んでも晩まで終わらんというようなことになりませんか。あるいはまた、情報の管理は万全ですか。一元管理にされると、芋づる式にどんどんどんどん上がってくるんじゃありませんか。そういった点をお答えください。
○議長(前芝雅嗣君) 総務部長市川靖之君。
  〔市川靖之君、登壇〕
○総務部長(市川靖之君) まず、マイナンバー制度についての周知、広報についてでございますが、これにつきましては、説明会の開催、出張!県政おはなし講座の実施のほか、「県民の友」、ホームページへの掲載などにより周知を行っております。
 御指摘いただきましたようなマイナンバー制度に関連しての不正な勧誘行為に対しましては、説明会などを通じまして、電話でマイナンバーを聞かれることはないので絶対に教えないように、そういった注意喚起をしており、県民に正しい情報を伝えることで不正行為等の防止につなげてまいりたいと考えております。
 次に、マイナンバー制度導入に伴う県民のメリットでございますが、利便性の向上が挙げられておるところでございますが、年金や福祉関係の申請や届け出の際に添付書類が削減されるなど手続が簡素化され、県民の負担の軽減が図られます。例えば、児童手当の現況届の際に所得証明書の添付が不要になります。
 次に、個人番号カードの発行についてでございます。
 10月にマイナンバーの通知がなされた後に、個人番号カードの申請書類が世帯ごとに送付されることになっております。来年1月からは、個人番号カード発行が市町村の窓口で始まることとなっております。
 県としましては、この発行手続が円滑に行えるように、必要に応じて人員配置の見直しや開庁日、開庁時間の拡大などを検討するよう市町村に対して助言しておるところでございます。
 次に、マイナンバーに関連しましてのセキュリティー対策でございますが、2つございます。
 まず、制度面での主なものとしましては、法律、条例に規定されているものを除きましてマイナンバーの収集や保管が禁止され、違反した場合は罰則が適用されます。
 システム面での主なものとしましては、個人情報は、今回、1カ所に集約されて一元管理されるということではなくて、それぞれ、国税に関する情報は税務署、児童手当に関する情報は市役所といったふうに、これまでどおり個人情報は分散して管理されます。したがって、個人情報が芋づる式に出せない仕組みというふうになっておるところでございます。
 以上でございます。
○議長(前芝雅嗣君) 中拓哉さんに申し上げます。
 一問一答の届けであるので、総括してやってくださいというのは、これからはもうやめていただきますように、厳重に注意をしておきます。
 以上で、中拓哉君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩をいたします。
  午前11時41分休憩
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