平成27年6月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(谷口和樹議員の質疑及び一般質問)


平成27年6月 和歌山県議会定例会会議録

第5号(谷口和樹議員の質疑及び一般質問)


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 質疑及び一般質問を続行いたします。
 37番谷口和樹君。
  〔谷口和樹君、登壇〕(拍手)
○谷口和樹君 皆さん、こんにちは。37番谷口和樹でございます。任期初議会でございます。微力ですが、和歌山県議会の一員として県民の生活に寄り添う議員で、全力でこれからも頑張ってまいりますので、ぜひとも当局、そして先輩議員の皆様方には御指導、御鞭撻をよろしくお願いいたしまして、4年間よろしくお願いいたします。
 まず、1つ目の質問をさしていただきます。
 県立高等学校の寄宿舎の現状についてということで、1番、和歌山市内の県立高等学校生徒の共同寄宿舎について質問させていただきます。
 先月、担当課にお願いをいたしまして、資料1の田辺・西牟婁の4寄宿舎を視察させていただきました。田辺高校、神島高校男子、南紀高校の生徒が入る若草寮、田辺工業高校、神島校高男子の紀山寮、神島高校女子の湾じゅ寮、熊野高校・正修寮、いずれも昭和40年前後に建築されていますので、築45年から50年がたちます。その後の改修後も20年前後がたって、傷みが目立つようになっています。
 もともと、50年前の寄宿舎には設置以来からの考えもあったと思いますが、本県では、中学生の学校選択の幅を拡大する、高等学校の個性化、多様化を一層推進するために平成15年に県立高校学区制が撤廃されて、県内の県立高等学校にはどこからでも受験できるようになりました。それとともに、寄宿舎のニーズも大きく変化するとともに、新しいニーズも生まれました。そして、その1つが和歌山市内の寄宿舎の必要性であります。
 遠距離通学を理由に進路を変更、特に寄宿舎がないことで変更した受験生の調査、これはぜひしていただかなければならないところだと思いますが、実際のところ、学区制撤廃前は、地域内の他校との違いで、いわゆる地域で1番であった学校が県内にはたくさんありました。しかしながら、撤廃後は、その地域で1番よりも県内でよりよいところへ、将来を真剣に考える子供たちはより高みを目指し志望することは必然で、その受験生のニーズが和歌山市内の高校に偏ってあることは、学区制撤廃後10数年の元学区外からの入学者数を見ていただくとわかると思います。
 選択の幅を広げる、学校の個性化、多様化を目的にした学区制撤廃以降の進学志望の変化から、和歌山市内への進学を希望する通学に時間がかかる地域のこれからの子供たちのために、和歌山市内への共同寄宿舎の設置の必要性について教育長にお聞きをいたします。
○議長(前芝雅嗣君) ただいまの谷口和樹君の質問に対する答弁を求めます。
 教育長宮下和己君。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 県立高等学校の寄宿舎につきましては、居住地が山間部にあり、学校への通学に時間がかかったり、公共交通機関が不便で通学困難な生徒への支援、また保護者の経済的負担の軽減などを目的として、紀南地方を中心に設置しています。
 議員御提案の和歌山市の寄宿舎設置につきましては、本県の寄宿舎設置の考え方や、学校施設の防災対策や老朽化対策等、計画的に取り組むべきものがありますので、将来的な研究課題と考えてございます。
○議長(前芝雅嗣君) 谷口和樹君。
  〔谷口和樹君、登壇〕
○谷口和樹君 ぜひニーズの調査をお願いしたいところでございますけれども、共同寄宿舎ということで、紀南では幾つかの高校で1つで運営してる寄宿舎もございます。ぜひとも今後、検討・研究課題としてよろしくお願いいたします。
 2つ目の質問に入ります。
 田辺・西牟婁地方県立高等学校の寄宿舎のインターネットと空調環境についてお聞きをいたします。
 Wi─Fiやインターネット環境の必要性は既に皆さんも御承知だと思いますが、今や携帯端末、タブレット、パソコンを使わずに仕事をすることがあり得ない人が大半であります。その電子機器も通信環境が整って初めてその能力を最大に使え、働く人たちも仕事をする上で高速通信環境が当然であるように、今や高校生にとっても同じであります。
 通信型、配信型の塾や教材、資料のやりとり、社会に出るときに通信環境や機器を使いこなす能力自体が基礎能力として見られることから、今や高校生の学習環境においてインターネット通信環境の整備は必須と考えます。
 今回は寄宿舎でのインターネット環境の整備についてお聞きするところでございますが、帰宅以降の自宅通学者と寮生との学習環境の格差を埋めるためにも、寄宿舎内のインターネット環境の整備について教育長にお聞きいたします。
 同じように、学校内だけでなく、役所を含めた公共施設を初め、あらゆる民間施設のほとんどで空調が整備されている中、学生寮はミーティングルーム、食堂以外は空調が整っていないところがほとんどです。使う使わないは個人の自由ですが、空調が学習の効果にも影響を及ぼすと言われています。寄宿舎への空調設置について、教育長にお聞きをいたします。
○議長(前芝雅嗣君) 教育長。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) インターネット等の学習環境の整備につきましては、学習形態の変化や教科の調べ学習等により、その必要性は高まるものと考えてございます。その一方で、子供たちがネット依存に陥り、学習時間が減少するなどの生活習慣の乱れやインターネット上のトラブルなど、生徒指導上の大きな課題が見られます。寄宿舎でのインターネット環境の整備は、学習と生活の両面を考慮し、慎重に検討する必要がございます。
 寄宿舎の空調設備につきましては、全ての寄宿舎で食堂などの共有スペース及び厨房に設置してございます。また、生徒の部屋については、空調設備の設置を希望する者が設置できるよう、要望に応じて空調電源設備を順次整備してございます。
○議長(前芝雅嗣君) 谷口和樹君。
  〔谷口和樹君、登壇〕
○谷口和樹君 よろしくお願いします。
 3番目の質問に入ります。
 県立神島高等学校寄宿舎の移築について質問さしていただきます。
 せんだって視察させていただいた4寄宿舎の中でも、県立神島高等学校の女子学生寮・湾じゅ寮は海のすぐそばにあり、海抜は約2メートル、波打ち際から距離も約50メートルぐらいでございます。老朽化したこの寮には玄関に救命用具が積まれており、緊急時に備えています。
 しかしながら、県下でも最も波打ち際から近いところにある湾じゅ寮は、築50年、改修後23年を経過し、海抜が低く、海から最も近い上に老朽化が著しいところであります。
 総合的に考え、移築の必要性について教育長にお聞きいたします。
○議長(前芝雅嗣君) 教育長。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 現在、神島高等学校及び寄宿舎においては、防災教育や避難訓練などを実施し、確実に防災意識を定着させるよう取り組んでおり、津波対策についても、地域住民や関係機関と連携したより実践的な避難訓練を行うなど、1人の犠牲者も出さないよう防災教育を進めてございます。
 県立高等学校の寄宿舎の現状については、県内全域にかかわる課題であるため、将来的には神島高等学校寄宿舎を含め、そのあり方を検討していく必要があると認識してございます。
○議長(前芝雅嗣君) 谷口和樹君。
  〔谷口和樹君、登壇〕
○谷口和樹君 ぜひよろしくお願いいたします。
 2番目の質問に入ります。
 高齢者に配慮した投票所についてお聞きをいたします。
 投票所となる施設には専ら地区集会場や市町村施設が多いですが、今までの選挙、今回の選挙を通じて、高齢化が進む和歌山県において、投票率の云々ではなくて、投票所での、例えば靴を履いて投票できますとか、投票所への高齢者対策が必要と感じました。靴を履いての投票など、投票所における高齢者対策について、選挙管理委員会委員長にお聞きをいたします。
 あわせて、高齢化が進む和歌山県において、現在もそうですが、今後さらに高齢者に配慮した投票所の場所の再考が必要になってくると考えます。市町村とともに、高齢者に配慮した配置の再考の必要性について、選挙管理委員会委員長にお聞きをいたします。
○議長(前芝雅嗣君) 選挙管理委員会委員長上山義彦君。
  〔上山義彦君、登壇〕
○選挙管理委員会委員長(上山義彦君) 高齢者に配慮した投票所についてでございますが、選挙人の投票機会を確保することは非常に重要であると認識しているところであり、中でも、今日の高齢化の進展する中で、高齢者の方にとって投票しやすい環境づくりというのは常に配慮しなければならないと考えております。
 議員御指摘のように、靴を履きかえずに土足で出入りできるよう投票所の設備を整えることについては、市町村選挙管理委員会に対して常々周知しているところです。また、高齢者の投票環境向上のため、投票所入り口に段差がある場合のスロープの設置や人的介助での対応、椅子に座って利用できる投票記載台の整備などについても助言しているところでございます。
 投票所の設置については、選挙の都度、市町村選挙管理委員会が定め、告示しなければならない旨が規定されております。この投票所の設置に当たっては、投票所までの距離あるいは地形及び交通の利便等、地域の特性を十分考慮して決定されるよう助言しているところでございます。
 選挙管理委員会といたしましては、急速に進む高齢化に対応すべく、今後とも市町村選挙管理委員会と連携し、投票しやすい環境づくりに一層取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(前芝雅嗣君) 谷口和樹君。
  〔谷口和樹君、登壇〕
○谷口和樹君 よろしくお願いいたします。
 3番目の質問に入ります。
 スポーツコミッションとラグビーワールドカップということで、1番、ラグビーワールドカップ2019における海外チーム合宿誘致に向けて、現状での国内滞在予測について質問さしていただきます。
 この秋、イギリスで開催されるラグビーワールドカップですが、2019年の開催に向けて、ことし開催の状況から参加国数や合宿人数、受け入れ候補数、さまざまな受け入れに対しての課題など、どれぐらい調査が進んでおられますか。教育長にお聞きをいたします。
○議長(前芝雅嗣君) 教育長。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) ラグビーワールドカップ2019の概要ですが、参加チーム数は20チームでございます。同大会組織委員会の情報では、各チームの規模はおおよそ60名程度で、通常、初戦の約10日前からキャンプを実施します。
 キャンプ候補地数については、立候補の受付が来年の春以降であるため、承知してございません。
 滞在方式は、拠点を1カ所決め、そこから各試合開催会場へ通う拠点型と、試合開催都市あるいは近隣の都市を移動しながら調整を行う移動型の2つがございます。平成19年のフランス大会までは全てのチームが拠点型でしたが、平成23年のニュージーランド大会と平成27年のイングランド大会では、全てのチームが移動型を選択してございます。なお、イングランド大会での移動型公認キャンプ地の位置的条件は、練習会場から競技会場までの移動時間が50分以内となってございます。
 平成31年の日本大会でも移動型が主流になると予想されており、本県にとって厳しい状況ではございますが、まずは公認キャンプ地として選定されることが重要な第1ステップであると考えてございます。
 公認キャンプ地の要件は平成28年春以降に発表されますが、それまでも可能な限り情報を収集し、関係市町村と連携しながら必要な準備を進めるなど、キャンプ誘致の実現に向け、しっかりと取り組んでまいります。
○議長(前芝雅嗣君) 谷口和樹君。
  〔谷口和樹君、登壇〕
○谷口和樹君 ぜひよろしくお願いいたします。
 2つ目の質問です。スポーツコミッションの育成について。
 今後、東京オリンピック、ラグビーワールドカップ2019など、世界的スポーツイベントの日本開催が予定されています。一度、トップクラスの合宿誘致を受け入れられることで、その後のプロ・アマ問わずの合宿誘致にも大きく影響されると考えます。ぜひ、チャンスを物にしていただきたい。そして、世界レベルの合宿受け入れには、地域の受け入れ団体にも大きく頑張っていただけるようにつなげていくことが大切であり、そのためにも、トップアスリートを受け入れられるスキルアップや勉強が必要であります。
 スポーツコミッションの育成、スキルアップへの取り組みの必要性について、教育長にお聞きをいたします。
○議長(前芝雅嗣君) 教育長。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) ことし北京で開催される世界陸上競技大会を皮切りに、2017年にはユニバーシアードが台北で、2018年にはパンパシフィック水泳選手権が東京で開催され、2019年ラグビーワールドカップ日本大会、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会と続いてございます。
 本県にとっても、海外ナショナルチームの事前キャンプを誘致する絶好の機会であり、それに向けて市町村や関係団体と連携協力をしていくことが不可欠でございます。そのため、本年3月に市町村の担当者の方々とキャンプ誘致に関する勉強会を開催したところであり、今後も定期的に開催していく予定でございます。また、今年度からキャンプチームサポート事業として、市町村とともにキャンプを行うチームのニーズや目的にマッチしたトレーニング環境を提供しているところです。
 このたび、8月に開催される北京世界陸上に参加するオーストラリア陸上チームが、本県で事前キャンプを実施することになりました。現在、和歌山市、和歌山陸上競技協会と受け入れ準備を進めていますが、こうした取り組みから得られたキャンプサポートのノウハウや情報などは、キャンプ誘致に取り組む市町村や関係団体にさまざまな機会を通じてお伝えしてまいります。
○議長(前芝雅嗣君) 谷口和樹君。
  〔谷口和樹君、登壇〕
○谷口和樹君 ぜひ、東京オリンピック・パラリンピック、そしてラグビーワールドカップ2019に向けて頑張っていただきたいと思います。
 続きまして、4番目の質問に入ります。
 紀の国わかやま国体・わかやま大会での県内産梅干しと関連商品のPRについて質問さしていただきます。
 本年度も、県内産梅の取引では厳しい状況が予測されています。ふだんプロモーションといえば都心部へのPR等ですが、紀の国わかやま国体・わかやま大会に来られた方であれば、非常にコストに対しても、運動選手への機能性に対しても、効果的にプロモーションできる好機であります。
 県産梅干しと関連商品の消費拡大のために、紀の国わかやま国体・わかやま大会での県内産梅干しと関連商品のPRについて、農林水産部長にお聞きをいたします。
○議長(前芝雅嗣君) 農林水産部長鎌塚拓夫君。
  〔鎌塚拓夫君、登壇〕
○農林水産部長(鎌塚拓夫君) 紀の国わかやま国体・わかやま大会には、県内外から多くの来場者が見込まれており、県産農産物を全国にPRする絶好の機会と考えております。
 梅干しは、熱中症予防や疲労回復などの効果が期待できることから、県では両大会の開閉会式、観覧者や出場される全ての選手、役員等に、梅の機能性をPRするチラシとともに、1個ずつ包装した梅干し約10万個を配布することとしております。現在、日高・西牟婁地域の関係市町やJA、梅加工業者等で構成する紀州梅の会に委託して、商品づくりを進めているところです。
 また、開閉会式会場では、県内での飲食や販売促進を図るため、「紀州梅バーガー」や「わかやまポンチ」などの梅関連商品を紹介したパンフレットを観覧者等に配布するとともに、開閉会式会場や県内各地の競技会場では、梅干しや各種関連商品が販売されることとなっています。
 今後も、関係市町や紀州梅の会と連携を図りながら、引き続き本県特産の梅の魅力を発信し、消費拡大に努めてまいります。
○議長(前芝雅嗣君) 谷口和樹君。
  〔谷口和樹君、登壇〕
○谷口和樹君 ぜひ、大スポーツイベント、紀の国わかやま国体・わかやま大会に向けて、せっかく開発されたアスリート用梅干しというのがあります。こちらのせっかく開発したものをぜひ生かせるように御要望さしていただきたいと思います。
 それでは、5つ目の質問に入らしていただきます。
 ビジネストリップや外国人観光客向けの当日チケットの一括管理について質問さしていただきます。
 近畿経済産業局の関西国際空港から関西への入り口拠点、大阪でとったアンケートからの報告書では、関西圏での外国人観光客、ビジネストリップの方のチェックイン後の動向というのは、ホテル内で過ごす、周辺を散策する、これが一番多くて、比較的時間をもてあましてるとの内容であります。
 あわせて、海外に比べ、求められる余暇時間の過ごし方には、1番にライブエンターテインメントというのがあります。
 ライブエンターテインメントというのは、演劇、コンサート、ダンスといった、その瞬間、その場所でしか経験できない生の感動の提供で、在庫や再生産がきかない、そういうエンターテインメントであるということです。
 現在の日本のライブエンターテインメントの入場券販売は、おおむね販売所やネットでは前日までの販売。当日券は、これまで会場でしか販売されず、探せば行けるかもしれないが、なかなか来訪者の手に届きにくい。入手方法に課題がある現状であります。
 これに対して、観光や出張に来て時間が余っている人、関心はあっても予約をしてまでという方々に、空席のまま売れ残るであろう当日入場券を手に入れやすくする仕組みを近畿経済産業局の呼びかけでTTCとして2010年に試験運用をされています。
 目的は、新しい経済効果と観光客への満足度(CS)の向上と都市魅力の向上につなげるということですが、これはニューヨーク・タイムズスクエアの「tkts」、ブロードウエイの当日残席を集約して観光客に当日割引販売する仕組みをモデルにしています。
 全体的に素材不足、非常設公演、言葉の壁など課題がありますが、将来的にTTCのような外国人観光客やビジネストリップの方のチェックイン後の空き時間に、和歌山のコンサートやライブ、演劇の当日入場券の取り扱いの仕組みづくりで都市魅力の向上につなげていけるようにできないか、商工観光労働部長にお聞きをいたします。
○議長(前芝雅嗣君) 商工観光労働部長藤本陽司君。
  〔藤本陽司君、登壇〕
○商工観光労働部長(藤本陽司君) 国内外における効果的な観光プロモーション等の成果により、平成26年度の和歌山県内の宿泊者は約518万人と、紀伊半島大水害前の平成22年の水準に回復し、外国人観光客についても過去最高の30万人を記録するなど、近年、日本人、外国人を問わず多くの観光客が和歌山県内を訪れるようになってきています。
 史跡、名所を日中にめぐり、夕方以降はホテル、旅館に滞在するような観光ではなく、夜もまちを散策していただき、御指摘のエンターテインメント体験のほか、ショッピング、あるいは地元ならではの食材、料理を提供する飲食店で食事などを楽しんでもらうことは、観光客には大きな満足感を与えると同時に、地域への経済効果も大いに期待されるところです。
 そのため、まずは旅館、ホテルの窓口、観光案内所、ウエブサイト等を活用することにより、ショッピング、食事に関する情報、及び当日実施されるエンターテインメントを初めとする旬なイベント情報を周知し、夜の和歌山の魅力の発信に取り組んでまいります。
○議長(前芝雅嗣君) 谷口和樹君。
  〔谷口和樹君、登壇〕
○谷口和樹君 よろしくお願いいたします。
 それでは、最後の質問、フィルムコミッションについて質問さしていただきます。
 フィルムコミッションによる地域振興とプロモーションということで質問さしていただきます。
 まず、質問に入る前に、今回、日本・トルコ合作の「海難1890」のクランクアップにお祝いを申し上げるとともに、撮影に至るまで、撮影に当たって御苦労されました地元支援の皆様方、関係者の皆様方に敬意を表したいと思います。あとは公開が待ち遠しいかと思いますが、無事に封切りから日本、そして海外の皆様方により多く見ていただくことを心より御祈念申し上げます。
 2005年に南紀田辺世界遺産フィルムコミッションを仲間と設立いたしました。持っていた地域振興というFCの構想と、県から真砂田辺市長にシネマーケティングという旅と映画で地域おこしというお話がありまして、映画撮影の話があるが受けれるかという市長の言葉がきっかけで若い仲間とつくり上げていったのが、そのフィルムコミッションでございました。
 シネマーケティングの安田真奈監督の「幸せのスイッチ」が2006年、その前に「ストロベリーフィールズ」という作品がありまして、ロケハンや交渉から約2カ月、実行委員会の皆さんとともに寝食をともにびっちりつき合いました。
 「幸せのスイッチ」では、田辺商工会議所青年部、そしてまちの若手の「パナットグループ」さんという電気店のグループさんと合同のフィルムコミッション、タッグを組んで、市民エキストラ、支援企業、団体のおかげで、規模は小さいですけれども、すばらしい作品を完成することができました。手伝った皆で完成を喜び、上映の宣伝、販売まで一緒に走り回り、その地域振興の効果は県にも大きく取り上げていただきました。
 「ストロベリーフィールズ」では、ユニジャパン様の海外事業に乗って、フランス・カンヌ映画祭まで行きました。その2本の映画とフィルムコミッションを経て生まれた人のつながりが、第9回目を迎える田辺・弁慶映画祭の立ち上げにつながりました。
 地域の若者たちが仕事以外の時間を撮影の補助に費やし、何十日も寝食をともにして、トラブルには撮影隊のかわりに必死に頭を下げて、でき上がった後はPRに全国を走り回り、結果、何を得たか。映画を見た人、撮影に携わった人、皆一様に故郷のすばらしさを再認識したと言います。
 当時、地域地域が持っていた歴史や郷土愛など、市町村合併で自分たちのまちはどう表現すればよいか、飾る言葉を見つけかねていたそのときに、飾る言葉と自信とを取り戻させてくれたと考えています。
 すばらしい映画には、地域の価値を魅力に変える力があります。このすばらしい作品の持つ絶大な映画の力を、さらに地域振興に生かしていただきたいと思います。
 今後は、長期撮影で、作品をつくる上で企画から参画できる、市民がいろんな形で参画できる、地域の価値を魅力に変えられる作品をしっかり誘致できるフィルムコミッションに変わらなければならないと考えます。
 ホームページの支援内容を見ていただければわかりますが、前知事時代にできた撮影場所案内所から、仁坂知事のイニシアチブで、10年を節目に他府県市町村のFCに追いつけるようにリニューアルをしていただきたい、このような思いから質問に入らしていただきたいと思います。
 まず、1番目です。
 フィルムコミッションを通じて県内で撮影された映画を使った海外上映支援制度について質問さしていただきます。
 和歌山県内での映画やテレビ、CMなどの撮影支援と撮影誘致を行う、2006年から取り組んでいるフィルムコミッションですが、その撮影された映像を通じて、和歌山県の魅力発信と、さらには見て実際に訪れてもらうことを目指して活動しています。
 その映像発信によるPR効果や撮影による直接経済効果、あわせて、かかわる住民が改めて故郷の魅力を知る地域振興の効果の大きさから、全国的にも飛躍的にフィルムコミッションは普及しました。
 資料2は、ホームページから抜粋しました近隣府県フィルムコミッションの撮影実績です。和歌山県の撮影実績は、近隣自治体のフィルムコミッションの実績から少し差があいています。
 資料2下には新潟県の長岡市の撮影実績があります。同じく2006年設立でございます。やはり少し差があると同時に、年々の成長が見てとれます。本当は、ワンシーンでも1本、1カ月で撮影しても1本でありますから、延べ撮影日数での比較がわかりやすいかと思いますが、今年度から和歌山県の映画撮影助成制度はゼロになりましたが、撮影誘致のインセンティブに、撮影経費助成やPR効果のある上映に対して国内多くの自治体にも支援策がございます。
 今までの努力が実を結び、飛躍的に外国人観光客が増加している我が県においては、県内撮影映画の観光誘客効果の見込める特定の外国での上映は、プロモーションと配給者がお互いにプラスになると考えます。
 観光誘客効果の見込める国での海外上映支援制度の創設について、知事にお聞きをいたします。
○議長(前芝雅嗣君) 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) フィルムコミッションに対する谷口議員の情熱に敬意を表したいと思います。
 まず、谷口議員の質問にお答えさしていただく前に、議員提示の資料でございますが、わかやまフィルムコミッションの実績について御説明させていただきます。
 議員提示の実績と異なり、過去5年間の実績は20件を数えております。この差は、ホームページにおいて撮影支援した作品の更新が不十分でありました。早急に修正を行わせているところでございます。ホームページを運用いたしております県観光連盟の会長は、手続上の問題がありまして藤本商工観光労働部長に譲ったんですけれども、私は名誉会長でございますので、大変遺憾でございます。おわび申し上げたいと思います。
 現在、海外での情報発信は、県において海外のテレビ局や雑誌社の制作誘致を主に行っておりまして、これを促進するため、積極的にロケ取材支援を行っております。
 議員御提案の制度の創設については、一般的に映画の上映は制作会社または配給会社によって決められることになりますので、県が特別に上映について支援を行う余地は少ないと考えますけれども、海外で上映された場合の効果が非常に大きいと考えられる映画については個別に検討してまいりたいと考えております。
○議長(前芝雅嗣君) 谷口和樹君。
  〔谷口和樹君、登壇〕
○谷口和樹君 メディアでありましたり、撮影相手のところなので、ホームページは大事なところだと思いますけれども、ちょっとこの資料を提出するタイミングがうまいこといかず、後でいただきました。最新の撮影実績は後でちょっといただいたもので、そこでちょっとタイミングが悪かったんですね。
 しかしながら、そういうことで、お互いの御意見が合うところであれば、海外上映の支援制度というのがあれば、インセンティブになるのではないかなと思っています。ぜひ御検討をよろしくお願いいたします。
 2つ目の質問に入ります。
 全国にあるフィルムコミッションの中でも、先進例としてさらなる実績を積み重ねているフィルムコミッションに、資料2下にあります福岡県の北九州フィルムコミッションというのがあります。過去3年の実績は、2011年は17件、2012年は13件、2013年は23件となっています。
 ちなみに、2011年の実績、誘致支援件数17作品ということで、特に注目すべきは、撮影日数の延べ204日、宿泊日数の1万3354泊、市民参加8000人、直接経済効果は3億5000万ということでございます。
 先ほど申しましたけども、支援実績は1シーンでも1本、長期滞在の撮影でも1本ですので、根を張った長期の撮影が多かったということで、それだけ支えられる能力がフィルムコミッションにあったということだと考えられます。
 ここには、カリスマと言われますフィルムコミッション担当課長の日々谷健司さんがおり、もともと北九州市イメージアップ班からスタートした北九州フィルムコミッションは、実績を積み重ねて、今や撮影関係者から「撮影に困ったら北九州に行け」と言われることもあるとのことでございます。
 少しずれましたが、フィルムコミッション先進自治体では、誘致のために映画関連企業の集中する首都圏での活発な活動が功を奏しています。担当も全力で頑張っておられることではありますけれども、10年たって全国の事例と比べると少し結果にコミットしていない、そのように感じることから、都心への取り組みも改善が必要だと考えます。
 あわせて、どこの自治体も撮影誘致に取り組んでいますので、競争のため、年々工夫をしています。県フィルムコミッションには、なお一層の改革と改善をし、実績を残し、和歌山県の都市魅力を向上させるために他県に負けないぐらいの体制を残していただきたい、このように思っています。
 そういう思いから、東京へのフィルムコミッションの専門員の配属について、知事にお聞きをいたします。
○議長(前芝雅嗣君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 首都圏におけるわかやまフィルムコミッションの活動の中核は、現在は公益社団法人和歌山県観光連盟が担っております。先ほどのホームページの観光連盟でございます。
 県観光連盟は積極的に制作会社との人的ネットワークを構築しておりまして、首都圏での事業所数が200社程度と限られる業界に対して年間延べ100社程度に営業活動を行っておりまして、十分な情報発信をやってくれてると考えております。
 一方、制作会社からの多岐にわたるリクエストに対しては、市町村と連携いたしまして、撮影適地の紹介はもちろんのこと、現地調整、宿泊・エキストラの手配からロケ同行に至るまで、迅速かつワンストップ体制で積極的に対応しております。
 こうした対応を積み重ねる中で、ロケ件数は年間20件程度でありますけれども、業界では和歌山県の評価が高まっておりまして、毎年、制作会社からの問い合わせがふえつつございます。
 今後とも、県観光連盟が、映画やテレビなどの映像制作会社が集中している首都圏においてより一層営業活動を強化してまいりたいと思います。
 御指摘の専門の人を東京に置いておくということでございますが、東京も含めて、観光全体をやっておる者、それから広報をやっておる者、こういう者が一定の人脈を持っております。こういう人脈を持ってる者が、先ほどの観光連盟の活動に対して助力をしながらやっておるわけでございまして、専門家を単独でというよりも、こういう者の全体の総合力で仕事をしたほうがいいんじゃないかなあというふうには思うわけでございますが、明確なミッションを与えて、ちゃんとフィルム会社へのプロモーション活動を熱心にやってくれよというようなことを言っておく必要があるかというふうに考えております。
○議長(前芝雅嗣君) 谷口和樹君。
  〔谷口和樹君、登壇〕
○谷口和樹君 ありがとうございます。
 答弁をいただきましてありがとうございます。質問はこれで終わるんですけども、要望をさしていただきたい。そして、その前に1つだけちょっと御提言というか、耳に入れていただきたいのが1つあります。
 1つは、地域振興につながるフィルムコミッションになってほしいなと、こういう強い思いがあるわけなんです。その中で、10年前、2006年につくっていただいたフィルムコミッション、この最初のフィルムコミッションのときにつくった取り決めというのがあるんです。
 自分とこの県はフィルムコミッションに対してこういう支援をしますよ、こういう内容がそのままずうっと残ってるんですけども、内容としたら、やはり他府県の先進例のフィルムコミッションと比べると紹介所的な内容になっています。そこをやはり少し改めていただいて、地域振興につなげていく、長期滞在をやっぱり受けれるフィルムコミッションになっていただきたい。それが地域の魅力の再認識であったり、地域の盛り上がりにつながっていくと思っています。
 そこを少し御提言といいますか、耳に入れていただいて、要望をさしていただきます。
 映画撮影の助成制度、この要望です。
 県の撮影支援制度はことしでなくなりましたが、全国でも撮影誘致のインセンティブ、用意をされています。撮影費用の何割かの直接助成から、宿泊費に限定したり、飲食に助成してるとこは見受けられませんでしたけども、工夫しながら撮影誘致につなげつつも、常識の範囲で撮影を希望する人に用意をしています。
 ぜひこの助成制度の復活というか再創設ですね、お願いいたしたいと思います。
 あわせて、国内のインディーズ映画祭の中でも近年大きな評価を得ています、東京国際映画祭とパートナーシップも結んでいます田辺・弁慶映画祭ですが、県内外から年々映画ファンの来場がふえています。
 人が集まり認められることで、なお一層、都市魅力が高まってきて、地域振興としての効果も高くなっています。そして、それとともに、やはり求められるものも大きくなってきています。
 インディーズ映画祭の国内最高峰、これを目指すことも決してはるかかなたの話ではないようになってきています。ぜひ公募で映画祭助成の制度、この創設をお願い申し上げまして、私の一般質問とさせていただきます。
 どうもありがとうございました。(拍手)
○議長(前芝雅嗣君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で谷口和樹君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前11時35分休憩

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