平成27年6月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(岩田弘彦議員の質疑及び一般質問)


平成27年6月 和歌山県議会定例会会議録

第3号(岩田弘彦議員の質疑及び一般質問)


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  午前10時0分開議
○議長(前芝雅嗣君) これより本日の会議を開きます。
 日程第1、議案第96号から議案第116号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第2、一般質問を行います。
 18番岩田弘彦君。
  〔岩田弘彦君、登壇〕(拍手)
○岩田弘彦君 皆さん、おはようございます。
 質問に先駆けまして、再び県会議場のほうに送っていただきまして、その責任の重さを感じているところであります。私といたしましては、もう信念といたしましては、守るべきものは守る、変えるべきものは変える、そしてもう1つは、ふるさとを愛する人づくり、心づくり、そして未来に誇れるふるさとづくり、この2本を信念にまた頑張ってまいりますので、どうか同僚・先輩議員の皆さん、そして仁坂知事初め県当局の皆さん、どうか御支持、また──いやいや、違うわ違うわ。(発言する者あり)ごめんなさい。失礼いたしました。(拍手)まあ、お手やわらかにひとつよろしくお願いいたします。
 議長のお許しをいただきましたので、きょうは国体間近ということで、国体のシャツで質問さしていただきます。
 それでは、質問に入らしていただきます。
 全質問、一問一答方式ということで、大項目は4つ。
 まず、大項目1番、教育環境の充実についてであります。久々でちょっと緊張しておりますので、どうかよろしくお願いします。
 ①小中一貫教育についてであります。
 これにつきましては、きょうの朝刊でもかなり取り上げていただいてたようでございますが、小中一貫教育の効果につきましては、文部科学省のほうで既に取り組みを進めている市町村において、ほぼ全てにおいて成果が認められているとしています。
 そして、具体例といたしましては、中学生の不登校出現率の減少、そして市町村または都道府県独自の学習到達度調査、全国学力・学習状況調査における平均正答率の上昇、そして児童生徒規範意識の上昇、そして異年齢集団での活動による自尊感情の高まり、そして教職員の児童生徒理解や指導方法の改善意欲の高まりなどが挙げられています。
 また、現在、文部科学省におきましては、平成28年4月1日の施行を目指しまして学校教育法の一部改正、小中一貫教育を行う新たな学校の種類の制度化を進めているとお聞きしております。
 本県の状況と、小中連携、小中一貫教育の推進についてどのようにお考えなのか、教育長にお伺いします。
○議長(前芝雅嗣君) ただいまの岩田弘彦君の質問に対する答弁を求めます。
 教育長宮下和己君。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 県内には、小中学校の9年間を通じた教育課程を編成し、系統的な教育を目指した小中一貫教育に取り組んでいる学校がございます。また、特色ある教育活動を展開してございます。
 それらの学校では、小学校から中学校への円滑な接続、いわゆる中1ギャップの解消や小中学校教員の相互交流による指導方法の工夫改善を狙いとして取り組んでいます。
 県教育委員会といたしましては、小中学校間の円滑な接続を実現していくことは重要であると捉えており、その1つの手法である小中一貫教育についても、国の動向を踏まえ、取り組みを進めている市町村教育委員会や学校を支援してまいります。
○議長(前芝雅嗣君) 岩田弘彦君。
  〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 ただいま教育長のほうから答弁いただいたんですが、ちょっと何点かだけ私の意見ということで聞いていただけたらと思うんですけども、中1ギャップの解消というのが割と大きなところかなあ。そして、なかなか県と市の関係の中で支援というのも難しい中で、支援してまいりますという答弁で、ありがたいんですけれども、中1ギャップで1個だけ私がちょっと心配してるのが、これって小学校から中学校へ行くハードルをちょっと下げようというところもあると思うんで、ただ、私といたしましては自分が40数年前、小学校から中学校へ行くときにどない思ったかというと、やっぱり中学校へ行くと、2つ、3つの小学校から中学校へ行くというパターンになりますんで、新しい友達ができるん違うかと。
 適切な表現かどうかわかりませんが、べっぴんさんおるん違うかなとか、やっぱりスポーツこんなんやろうやないかと、浮き浮き感というかな、そういうので行った記憶があるんです。
 本来であれば、小学校6年生までに少々環境が変わっても、先生が教科ごとに全員がかわっても、どないか自分の力で乗り越える力をつけていくということが本来は基本やったと思うんです。
 そこで言いますと、一番心配するのが、ハードルを低くすると、中1ギャップが今度は高1ギャップにならないのか、そこのところを私は大変心配しておりますので、取り組みいたしましても、しっかりとそこで乗り越える力をつけていく、この義務教育の範囲でつけていく、で、高校へ行ったらそういうこと起こらない、先送りにはならない、そういうふうな強い教育を進めていく上で、この小中一貫教育を捉えていただいて。
 そして、もう1つお願いあるのは、やっぱりこれをしようとすると、現場の意見もかなり聞いてきました。和歌山県を調べますと、私まだ県会議員でなかったんですが、平成17年──10年前ですね、モデル校的にこれも次の質問も取り組まれておりました。これは「県民の友」で調べさしていただいたんで、それもありますので、それも含めてやっぱり人事的にある程度方向を決めて、人事の範囲で支援する、そういうことも私は大切やと思いますので、その辺も含めまして、教育長、お考えいただいたらということで、御期待さしていただいて、次の質問に移さしていただきます。
 次、2番であります。
 小学校高学年の学級担任制を基盤とした教科担任制の拡大についてであります。
 これにつきましては、平成24年の6月議会においてもお伺いさしていただいたんですが、この小学校高学年に教科担任制を広げていくということは、小中一貫教育の一応特徴的なところということで、小中一貫になりますと、一体校にすると小学校2つと中学校1つを1個の学校にするという形になります。連携型でいきますと、その中学校区の小学校と連携していくという、そういう取り組み、この10年間そういうようやったんですので。ただ、和歌山県の状況を見ますと、なかなかそんなん1個にまとめてという状況のところではないと思いますので、一番いいところは、この教科担任制の幅を広げていくというのが、その効果が出るん違うかなと。さっき文部科学省で言われてた効果が出るんではないかなという観点で質問さしていただきました。
 その時点の答弁では、現在、確かに中学校への接続の問題、あるいは専門教科を生かした学力向上、あるいは生徒指導の充実という面で、一定のメリットがあるというふうな報告は受けてます、そして、本県でも教員の専門分野、得意分野を生かした授業で、本当に子供たちの学習意欲を高めることができる、そういうことで導入している事例が多くあります、一方で、担任が子供と触れ合う時間が少なくなるとか、そして規模が小さい学校であればそれが可能なのか、そういう課題もあるので、県としてはその成果について研究してまいりたいという答弁でした。
 その結果、今後、県の方向性としてはどのようにするのか。それから3~4年たってると──ちょっと私いなかったんですけども、3~4年たってると思いますので、その辺を教育長にお伺いします。
○議長(前芝雅嗣君) 教育長。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 県内の多くの小学校では、高学年において近隣の中学校と連携するなど、外国語活動や音楽科、家庭科などで専科教員を入れた学習が進められており、一部の小学校では教科担任制にも取り組んでございます。このような取り組みは、中学校への接続、教員の専門性を生かした学力向上、複数の教員がかかわることによる生徒指導の充実などの面で成果が期待できると考えてございます。
 一方、議員からも御指摘がございましたように、小規模校ではその特性から導入が難しく、小学校の発達段階から見て、担任教員が子供と触れ合う時間が短くなるという課題なども指摘されているところでございます。
 県教育委員会といたしましては、国の動向を踏まえ、小学校における教科担任制の有効な活用方法について、研究はこれからも深めてまいりたいと思ってございます。また、推進している市町村教育委員会を支援してまいります。
○議長(前芝雅嗣君) 岩田弘彦君。
  〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 答弁ありがとうございます。
 やっぱり課題として出てるのが、担任の先生が子供と触れ合う時間が短くなるということなんですが、これでも私ちょっと思うことがありましてね。
 私たちが小学校へ行ってるときは、小学校6年間は学級担任制、で、中学校に行って突然教科担任制という形やったんですが、それでもどないか乗り越えられたのは、やっぱりいろいろ考えますと、私が生まれて、御近所の人が知ってくれて、だんだん社会広がっていったときに、おじいちゃん、おばあちゃんとも同居してましたんで、その人のつながりがあるわけですよ。大勢の人のつながりの中で支えられて、人間関係も広められた中で担任の先生が6年間来るというのは、そういう力が身についたんではないかなと、このように思ってます。
 ただ、今の子供さんの状況、私たち議員とか教育委員会から見ると、「担任がずっとかかわっとらなあかんのや、6年間」と思ってしまうかもわかりませんが、それは旧態依然が悪いとは言いませんが、そう思いますが、子供たちの状況見ますと、やっぱり核家族がどえらい進展してる。もうはっきりしてるのは、人口ふえてないのに世帯数がふえとるというのは、核家族が顕著に進んでるということやと思いますので、そして、お父さんもお母さんも仕事をされてる状況が多いということは、子供がひとりぼっちで家庭でもいる状況が多いと。
 そこへ持ってきて、おじいちゃん、おばあちゃんの人のつながり、お父さん、お母さんの人のつながりの幅がもう狭くなっていて、そこに架空の情報ですね。だから、スマホとかいろいろあるんで、情報は入ってくるんですけども、人とぶつかった情報じゃないんやと思うんです。僕たちは、もう人とぶつかりながら、ナイフ1つでも使い方は載ってますよ、スマホに。でも、実際使うたらけがする。こういうことにもなってるん違うかなと、私はそう思うんです。
 私も教育者ではないんで、議員として必死に考えると、ここはやっぱりゼロベースの見直しという観点に立たないと、今までやっぱり6年と3年、これが義務教育のシステムやった。その固定観念の中で考えてしまうと、ちょっとしんどいん違うかなと。
 だから、小学校の高学年ぐらいになると、子供たちも成長は早いと思うんです。で、おませになってきてる。そこで、人間関係の幅をどっと広げてあげるところがないんで、そうなってくると数多くの先生──先生というのは、どうしても子供のために動きますので、自分のために動いてくれてる先生方と多く触れ合いさしてあげる。
 そら相性のええ人も悪い人もいてるかわからへん。でも、それも含めて、なるべく早くにそういう経験をさしてあげるということがいいんではないかなということで、まず小学校で最初のときはお母さん方みたいな感じて、その1人の先生が一生懸命見てくれとる。それでも、チームティーチングして、ほかの先生も入ってやっぱりやっていかないとという時代になってるんで、もう完全に小学校高学年になると、中学校と小学校の間みたいな感じで教科担任制の幅を広げていく、そこをしてあげると、やっぱりいろんな先生と触れ合いながら、中学校へ行ったらもう完全に教科ごとに先生が違う、それでも対応ができていく。
 そういうふうな人間関係の幅を広げて、子供たちに自分たちの力を出しやすく、自分たちでもこれが正しい、これが悪いって判断できるような、そういう人間関係を広げるという意味では、あんまり教科担任制を6年間やるということに固守しなくても私はいいんではないかなと。これは議員の意見でございますので、教育長は教育のプロでございますので、その辺も考えていただいて、やっぱり小規模校に難しさがあるというのは、もう簡単な話やと思うんです。現場でも話聞いてきました。人がふえればできるんです。と私は思います。
 だから、人事的な配慮というかな、その辺もちょっと考えたってもらって、都道府県で県単でいろんな取り組み、人の面も取り組みしてるところもありますので、その辺も含めて、これは私、教育者でもないんで、その辺は教育長がしっかり判断していただいて、私の意見で、よくなかったらよくないと言うてもうたらええんで、その辺を御理解していただいて、どうか前向きに、余り旧態依然に固守しない感覚で取り組んでいただけたらと思いますので、これはお願いと要望でございますので、よろしくお願いします。
 そしたら、大項目の2番に移さしていただきます。
 楽しい学校生活のためにということで、もう簡単な考え方なんです。学校生活が楽しかったら子供たちは力出すと、そうやと思うんです。
 夏休みでも、うちの息子はそうやったんです。親がいっこも構わなかったさかいかもわかりませんが、早く学校行けないかなと、それがあったんです。友達いっぱいおるし、学校へ行きたいと。家でいてると両親が仕事してたもんで、私はもともと自営業でございますので、家でおっても相手してくれへんし、それやったらもう早う学校へ行きたいよというのが私の子供でしたんで、やっぱり学校へ早う行きたいよって、学校へ行ったら楽しいからって、そうなると、もうほっといても学力上がると思うんです。
 そういう環境をつくるためにということで、2つほど質問さしていただきます。
 1番です。不登校、いじめ等の未然防止対策について。
 これですが、もう本当に不登校、いじめの対策というのは一生懸命やっていただいてる、それは十分わかってるんですが、私が一番心配してるのは、事後管理的になっていないかなと。起こってから大騒ぎするという状態やなくて、「もう和歌山県の学校へ通ったら、不登校とかいじめなんか起こらないんや。だから和歌山県へおいで」と、こういうふうに言えるような和歌山県をつくるためには、もう未然に察知して防止する、それが一番重きやと思います。
 その取り組みについて、教育長にお伺いします。
○議長(前芝雅嗣君) 教育長。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 不登校やいじめの未然防止のためには、子供たち一人一人が安心して落ちついて過ごせる学校・学級づくりは不可欠でございます。そのためには、道徳教育の充実を図るとともに、さまざまな学習の場面でお互いを大切にする気持ちを育むことにより、よりよい集団を育成していくことが極めて重要でございます。
 さらに、県が作成いたしました「いじめ問題対応マニュアル」や「不登校を生まない集団づくり」を活用し、全ての教職員が児童生徒の変化やサインを捉え、迅速かつ適切に対応できるよう、今後とも指導を徹底してまいります。
○議長(前芝雅嗣君) 岩田弘彦君。
  〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 答弁ありがとうございます。
 この「いじめ問題対応マニュアル」とか「不登校を生まない集団づくり」とか、それも見さしていただいたんですが、なかなかええできやと思います。
 要は、これ県民みんなで取り組まなあかんことやと思いますので、当然教育関係の皆さんには徹底していただくというのはもちろんですけども、私たちもしっかりと起こさないように、そら和歌山の学校へ通ったらもうそんなん起これへんのやというふうに私たちもしたいんで、一生懸命伝えさせていただくということで、答弁ありがとうございました。
 続きまして、2番に行かしていただきます。
 2番につきましては、より健全な学級集団をつくるためにということで、これもいわば子供たちは、さっきも言わしてもうたけど、生まれたらまずお父さん、お母さん、そして家族の皆さん、そして御近所の皆さん、そして幼稚園へ行き、小学校へ行き、中学校へ行き、高校へ行き、そういうふうに成長していくんですけれども、要はだんだん社会を大きく経験していくときに、健全に経験さしてあげたいという思いがあります。
 小中学校の時期でいいますと、基本的にはやっぱり学級という1つの単位で1日の大半は過ごしてると思うんです。その学級というのをやっぱり健全な状態にする。それをすれば、さっきの話やないですけど、学力も上がるし、いろんな問題も起こらないし。
 だから、その学級という子供たちにとって1つの社会を健全にしようやないかということで、いろんな取り組みある中で、これも平成25年6月議会で取り上げさしていただいて、学級集団アセスメントというのを活用したらどうですかということで質問さしていただきました。
 そのときに、5つほどいい点があるということで、不登校になる可能性の高い児童の早期発見になるよというのと、いじめの発生と深刻化の要望になるよ、いじめ被害に遭っている児童の発見、これにもなるよ、そして学級崩壊の予防、これもなるよ、指導効果の評価、改善などにどえらい役に立つよということで、当時は鳥取県の教育委員会、岡山県の教育委員会がこれを採用して、もう1つの特徴は教職員の皆さんに負担が少ないと。データはコンピューター解析で出てくるんで、そのデータを見て、適切に生徒の状況どうなのか、うちの学級の状況はどうなのかということを、これは教職員の判断材料の1つというかな、アシストをするためにいいんじゃないかという提案をさしてもうて、そのときの答弁ですが、いろんな県内でも取り上げられていて、成果はええと聞いてるんで、県内実施に向けて検討してまいりたいという答弁でした。
 私、提案さしてもらった以上、それの責任ありますので、やっぱりPDCAで私たちも頑張らなあかんと思いますんで、提案さしていただいて、その後の取り組み、成果的なものはどうなのか、教育長にお伺いします。
○議長(前芝雅嗣君) 教育長。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 学級集団アセスメントは、児童生徒一人一人の学級生活における満足度や意欲を客観的に把握できる手法でございます。これにより学級集団の状態を把握することで、教職員が問題行動の予兆や人間関係の変化等を認識するとともに、共通認識を持つことで、いじめや不登校などの諸課題に対し、組織的に取り組む上で大変有効であると認識してございます。
 県教育委員会では、教職員を対象とした研修会や事例検討研究会などを通して有効性を周知するとともに、効果的な活用に向けた支援を行ってございます。平成25年度は、学級集団アセスメントを活用している学校は、小学校86校、中学校45校、高等学校で8校でございましたが、平成27年度では、小学校149校、中学校85校、高等学校13校に拡大しており、今後もより多くの学校で活用が図れるよう支援してまいります。
○議長(前芝雅嗣君) 岩田弘彦君。
  〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 答弁ありがとうございました。
 順調に活用が図られていて、成果も上がっているという報告やったように思いますので、私としましても安心しました。提案しときながら、あんまり役に立ってなかったら、私ここで謝って、済みませんでしたと言わんなんとこやと思ってたんですが、よかったです。
 1つあるのは、全県的に広めていただきたいという思いがありまして、なぜかというと、先生方も異動されますので、異動されたときに、このアシストする仕組みがやっぱりあって、それがずっと取り組まれていると、多分この仕組みというのは成熟していくと思うんです。
 そのデータを見ると、その先生の感性で一人一人の子供を見たときに、そのデータを合わせて、よりええ手だてが打てるとか、たたき台がありますので、学校全体で会議するときに、1人の先生の感性だけではなくて、皆さんの意見を持ちながら進めていけるという効果は僕はあると思いますので、どうか今後も広めていただけますようにお願いいたしまして、次の質問に移さしていただきます。
 大項目3番であります。関西の重要な道路ネットワークについてであります。
 1番、大阪橋本道路、国道371号バイパスについてでありますが、これはもう常に議場では質問さしていただいておるんですが、私はもうずっと言うてますが、昔から和歌山県には日本の重要な道があると。1つは熊野街道、そしてもう1つは高野街道──これは開創1200年ですので1200年前からあるんですが、理由がありまして、この2本は和歌山県に人、物、お金の流れを呼び込んできた、そういう道やと思います。
 理由がありまして、大阪へ行くための道やったら、これは大阪街道と言われるんですが、この2つは和歌山県の地名がきっちり入って、1200年前からそうでありますので、これは歴史的に見ても、皆さんの方向性から見ても、ベクトルは和歌山県に向いている道である、だから、この2つは大切だと私は思っております。
 国道371号バイパスは、歴史的に言いますと京都から大阪を南北に通りまして、そして今でいう外環状線、それと平行しているのが東高野街道、そして、大阪市を起点として高野山に向かっているのが中高野街道、そして、堺市を起点として高野山に向かっているのが西高野街道、その3つが河内長野市で合流いたしまして、そして和歌山県へ紀見峠を越えて、人、物、お金の流れを呼び込んでいた大切な高野街道のバイパスであります。
 現在も、和歌山県並びに関西全体から見たときでも、不可欠な地域高規格道路として整備されております。平成元年4月に都市計画をいたしまして、事業着手して以来、早いものでもう27年目を迎えております。ここ数年は、仁坂県政の積極的な取り組みのおかげで、もうとてもスピードアップいたしまして、現在、和歌山県側が開通しております。その恩恵に地元県民の皆さんは、感謝と、今やもう誇りを持っております。
 現在、地元の皆さんにお話をお聞きすると、よく出てくるのが「やっぱり道はありがたいな」、そして、もう一個あるのが「和歌山県がこんなに頑張っとんのに、大阪はもっと協力すべきと違うか」、もう1点は「新しいトンネルを掘り終わったら、大阪側はつながっとんかな」、もう1点は、これはかなり年配の方なんですが、「生きている間に全面開通するやろかな」とか、こういう意見が地元県民の意見でございます。
 和歌山県側は全面開通してますので、もうじき4車線になるということなんで、気にしてるのは、和歌山県側はできて大阪府側ができなかった場合、私は大阪のことをよく思わない県民がふえることを心配しております。
 以上の思いを御理解いただきまして、国道371号バイパスの進捗状況と全面開通のめどについて、県土整備部長にお伺いします。
○議長(前芝雅嗣君) 県土整備部長石原康弘。
  〔石原康弘君、登壇〕
○県土整備部長(石原康弘君) 国道371号、仮称・新紀見トンネルにつきましては、橋本市柱本から河内長野市天見までの府県境をまたぐ2.1キロメートルを和歌山県側から一連で施工することとし、平成25年度末に府県間の負担割合や役割を定めた基本協定を締結しました。
 平成26年度にはトンネル設計を完了し、今年度から本体工事に着手する予定であり、おおむね5年ぐらいの完成を目指して進めてまいりたいと考えております。
 一方、大阪府側の河内長野市石仏から新紀見トンネルを含む府県境までの6.1キロメートルにつきましては、平成4年度に石仏バイパスとして事業化され、平成15年3月に石仏から岩瀬間の1.8キロメートルが供用されております。続く岩瀬から天見までの1.9キロメートルにつきましては、これまでに4本のトンネルのうち既に2本が貫通、橋梁につきましては9橋のうち7橋が完成しており、今年度も引き続き平成20年代後半の供用を目指して、残る下天見地区のトンネル工事や橋梁工事等が進められております。
 さらに、これまで未着手であった天見から新紀見トンネルまでの約1キロメートルにつきましても、今年度より新たにトンネル工事に着手する予定であり、県としては、新紀見トンネルの完成におくれることのないよう、引き続き大阪府に対して事業推進を強く働きかけてまいります。
○議長(前芝雅嗣君) 岩田弘彦君。
  〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 新紀見トンネルの完成におくれることのないように頑張りますということでしたんで、相手さんのあることですので、ここまでの答弁いただけたらありがたいと思います。
 ただ、本当にトンネルを抜けるとそこは雪国だったというんじゃないですけど、トンネルを抜けるともうつながっていましたとなっていただかないと、私一番心配するのは、大阪──私もそうかわからへんかな、大阪府をよく思わない県民がふえるのは困るんです。もうはっきりしてるのは、先ほど27年、今までで27年を迎えてるというお話をさせてもうたんですが、現実のことを言わせていただきますと、23年間では──これ地名言うたらわかれへんと思うんですけど──市脇と峠の間しかできてないんです。それ23年かかっとんです。で、仁坂県政になって、そこからトンネルまでは3~4年でつながってるんです。そのぐらいの勢いで来てますので、ここはやっぱり大阪府民を悪く思う県民がふえないように、ひとつよろしくお願いします。
 次に、2番に行かしていただきます。
 これにつきましては、資料を配付させていただいておるのを見ていただきながら、質問を聞いていただけたらと思います。
 2番は、国道371号バイパスと近畿自動車道を自動車専用道路で直結する道路ネットワークについてであります。
 この道は、もともと大阪橋本道路の中の区間でございますので、そのバイパスから次、近畿自動車道へどうするんだという趣旨の質問であります。
 知事は、日ごろ、大阪平野というのは関東平野に比べて6分の1しかないと、だから、関西の高速道路ネットワークというのは重要やというふうにおっしゃられております。
 紀の川筋と奈良盆地、このあたりは大阪平野と一体感を持っているというか、もう山がなかったかのように、そんな道路ネットワークを築かないと、私は関東平野が──やっぱり平野が広いって強いと思いますので、関西はなかなか頑張りにくいと私も思っております。
 見ていただいたらわかるんですが、関西4環状とともに重要なのが放射状高速道路やと思います。両方つながってネットワークがいいということやと思いますので、資料を見ながら説明さしてもらいますと、赤が関西4環状道路であります。青い筋は全て自動車専用道路、そしてオレンジ色は国道371号バイパスを含みます大阪橋本道路であります。
 関西中央環状道路である近畿自動車道と関西大環状道路である京奈和自動車道をつなぐ放射状高速道路を、京奈和自動車道沿いに見ましたら、上からいきますと、京都のほうから見ましたら、京都府に向けては名神高速道路、そして第二京阪道路があります。奈良県に向けましては、奈良市へは第二阪奈道路、大和郡山市には西名阪自動車道、そして橿原市へは南阪奈道路があります。しかし、和歌山県の東部に向けては1本もありません。
 関西の高速道路ネットワークのためには、奈良県のように主な都市に放射状高速道路を一定の間隔で整備することが必要不可欠やと思います。
 和歌山県の東部に向けましては、先ほど説明さしていただいた、重要な放射状幹線道路に位置づけられております国道371号バイパスを含む大阪橋本道路の整備が進められているところであります。奈良県の事例で言いますと、近畿自動車道と京奈和自動車道を国道165号大和高田バイパスと南阪奈道路の直結でつないでおります。
 同じように、国道371号バイパスと、そして近畿自動車道を自動車専用道路で直結すべきやと思います。
 この道路は、和歌山県と大阪府だけの問題ではなくて、国と関西全体の私は問題ではないかな。首都機能を移転するとしても、大阪平野自体が狭いので、大阪に来たとしても、やっぱりこのネットワークしっかりしないと、なかなか僕は発展しにくいんかなと。
 よく知事もおっしゃってますけど、この状態では関西における発展のチャンスが和歌山県だけが低いん違うかな。また、企業誘致においても、知事のおかげで橋本市ではかなり企業誘致が進んでおります。今後も、また新しく挑戦していただけるということをお聞きしておりますが、本県が幾ら頑張っても、橋本市が幾ら頑張ったとしても、私はスタートラインに差あるん違うかなと。頑張り方やないんです。スタートラインに差があって、お隣の奈良県のほうが圧倒的に有利になってしまうん違うかな、それを心配しております。
 国道371号バイパスを経て、国道170号──通称は大阪外環状線でありますが──から近畿自動車道へ自動車専用道路で直結することについて、県土整備部長にお伺いします。
○議長(前芝雅嗣君) 県土整備部長。
  〔石原康弘君、登壇〕
○県土整備部長(石原康弘君) 京奈和自動車道を含む関西大環状道路と大阪との連携強化を図る放射状道路である府県間道路を一体的に整備することは、関西都市圏を拡大させ、関西経済の活性化を図るとともに、本県にとっても、企業立地や観光振興、農林水産業の振興など、県民の将来のチャンスを保障するものとして不可欠であると考えております。
 そのため、県では、これら道路の整備促進を最重要課題の1つとして取り組んできたところであり、その結果、京奈和自動車道紀北西道路、第二阪和国道及び国道480号鍋谷峠道路については、平成28年度までに全線が完成し、中でも工事が進んでいる紀の川インターチェンジから仮称・岩出インターチェンジ間、大谷ランプから仮称・平井ランプ間については、国体に合わせて開通する見通しとなりました。
 県としましては、まずは現在実施中の京奈和自動車道や府県間道路の整備を推進するとともに、調査中または調査着手を要望している道路整備の具体化を働きかけてまいりたいと考えております。
 議員御指摘の近畿自動車道と国道170号、通称・大阪外環状線の間の自動車専用道路につきましては、沿道利用状況や環境への影響、既存道路ネットワークとの整合等の課題は多くありますが、この区間は、既に近畿ブロック知事会策定の広域インフラグランドデザインや関西広域連合の広域インフラマップに地域高規格道路の一部として位置づけられていることから、計画の推進、整備の具体化に向けて、国土交通省や大阪府等に働きかけてまいりたいと考えております。
○議長(前芝雅嗣君) 岩田弘彦君。
  〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 前向きの答弁、本当にありがとうございました。
 部長さんは国のほうにお近い方とお聞きしておりますので、どうかうちのリーダーの仁坂知事を支えていただきまして、応援いただきまして、どうかよろしくお願いします。
 次、大きな4番に移さしていただきます。
 世界遺産と日本遺産についてであります。
 1番は、高野山への参詣道の世界遺産追加登録についてであります。
 これにつきましても、平成23年12月議会におきましてお伺いしたときに、平成26年度内に国史跡指定を受け、そして、その後、世界遺産追加登録を目指しますという答弁でした。26年度内ということは、この27年が1つの大きな節目やと思うんです。その節目でありますので、進捗状況につきまして教育長にお伺いします。
○議長(前芝雅嗣君) 教育長。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 県教育委員会では、平成22年度から世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」に関連する未指定文化財について調査を行い、それをもとに県内の関係市町が平成27年1月に関連の参詣道や文化財の国史跡への追加指定について文部科学大臣に意見具申をいたしました。
 国史跡として追加指定された後は、三重県及び奈良県とともに、世界遺産追加登録のために、その範囲及び内容を検討の上、変更申請書を文化庁に提出することとなっております。
 その後、最も早いスケジュールであれば、諮問機関であるイコモスによる評価や勧告を経て、平成28年度の世界遺産委員会で決議されることとなります。
 県教育委員会といたしましては、世界遺産への追加登録が速やかに実現できるよう着実に進めてまいります。
○議長(前芝雅嗣君) 岩田弘彦君。
  〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 順調に進んでおって、おおむね目標は28年度の世界遺産委員会ということで、おおむねの方向性を聞かしていただきまして、本当にありがとうございました。もう少しでございますので、どうか頑張っていただいて、追加登録になりますように。事情ありまして、私の選挙区は、これが登録されますと初めての世界遺産ということになりますので、そしてもう1つ大きいのは、伊都振興局管内に世界遺産の資産がなかったのは橋本市だけやったんで、これが世界遺産に追加登録されますと、伊都振興局管内は全て世界遺産があるということで、面的に攻めやすく、仕掛けやすく、活性化しやすくなると思いますので、どうかよろしくお願いします。
 次、2番についてであります。
 日本遺産の取り組みについてであります。
 文化庁は、ことしの4月ですが、全国各地の文化財を地域やテーマごとにまとめた18件を日本遺産として初めて認定しました。40都道府県から寄せられた83件の提案があって、24府県の18件を第1回日本遺産に選定しました。2020年の東京オリンピック開催までに、日本遺産を100件程度までふやす予定をしているそうであります。
 日本遺産は、厳しい保全体制と普遍的な価値が説明を求められる世界遺産とは異なり、観光資源の掘り起し、地域活性化などを狙いとするもので、これまでの文化財が個々の遺産ごとに点として指定されていたのに対し、日本遺産は、点在する遺産をストーリーとして関連づけて、面の遺産とすることで、地域の魅力をより強くブランド化して発信し、そして国内外、特に海外からの観光客を誘致促進する、いわゆる文化財版クールジャパン戦略の一環だそうであります。
 世界遺産の和歌山県でありますが、歴史、文化、自然となれば、これはもう和歌山県の右に出る者はいないと私は思っております。
 本県の取り組みについて、商工観光労働部長にお伺いします。
○議長(前芝雅嗣君) 商工観光労働部長藤本陽司君。
  〔藤本陽司君、登壇〕
○商工観光労働部長(藤本陽司君) 日本遺産の取り組みについてですが、本県の国宝数は全国第6位、重要文化財数は第7位となっており、国指定に至らずとも価値の高い文化財も県内各地に所在し、まさに宝庫と言っても過言ではありません。
 加えて、これらの文化財は、歴史的出来事は言うに及ばず、いにしえより地域の民俗とも深い関連性を有し、今日まで大切に扱われ、連綿と受け継がれています。
 この意味においても、本県における文化財は、日本遺産が求めるストーリー性を潜在的に有しており、観光資源としても極めて重要なものとなっています。
 今回、本県からは、複数市町村にまたがる2件の提案を提出しましたが、残念ながら認定には至りませんでした。日本遺産に認定されることは、本県の観光振興にとっても有益であり、地域との協働により魅力あるストーリーを作成し、加えて県教育委員会や関係市町村とも緊密に連携し、今回認定された全国18件の提案内容をきっちりと分析した上で、1つでも多くの認定を受けられるよう、国への申請や働きかけを行ってまいります。
○議長(前芝雅嗣君) 岩田弘彦君。
  〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 ことし残念やったということですけれども、初めてのことやったんでいろいろあったと思うんですが、ほんまは通してほしかったんですけども、今後100ほど目指してるということなんで、頑張ってとっていただけたらと思いますので、思いの入った答弁いただきまして、本当にありがとうございました。
 そして、一般質問の最後に一言ちょっと言わしていただけたらと思いますので。今回、仁坂知事に発言してもらう機会なかったんで。この間から、地元県民の皆さんから「仁坂知事と会うたら言うといてほしい」ということを。
 何かというと、テレビに出演されまして、「あのパンダはどこ行ったらあるんかな」とか、そして、うちは柿の産地やったはずなんですが、「やっぱり和歌山はそんなもん、ミカン負けてへんで」って、「あんた柿つくっとるやろ」って、そのぐらいの波及効果ありましてね。ぜひとも少なくともパンダ、抱えていたパンダどこにあるかぐらいは教えていただいて、サインまでせえとは言いませんので、また教えていただきたいということでお願いをいたしまして、一般質問を終わります。ありがとうございました。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(前芝雅嗣君) 以上で、岩田弘彦君の質問が終了いたしました。

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